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こちら - 東京大学|大学院教育学研究科・教育学部

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こちら - 東京大学|大学院教育学研究科・教育学部
9 月 4 日版
平成 26 年度
東京大学教育学部
目
講義計画と内容
次
基礎教育学専修
基礎教育学コース・・・・・・・・・2
教育社会科学専修・・・・・・・・・・・・・・・・・17
教育社会科学専修
比較教育社会学コース・・・・・・47
教育社会科学専修
教育実践・政策学コース・・・・・57
心身発達科学専修・・・・・・・・・・・・・・・・・66
心身発達科学専修
教育心理学コース・・・・・・・・94
心身発達科学専修
身体教育学コース・・・・・・・・99
教養学部第四学期持出講義・・・・・・・・・・・・・104
教職課程科目(Ⅰ)本郷キャンパス・・・・・・・・・116
教職課程科目(Ⅱ)駒場キャンパス・・・・・・・・・141
※この資料は UT-mate の簡易版です。
※UT-mate と情報が食い違う場合は、UT-mate を是としてください。
‐1‐
基礎教育科学専修
基礎教育学コース
科目番号:0961101
担当教員:金森修
単位数:2
講義題目:教育哲学概説(教育思想論)
学期:冬
授業科目:基礎教育学概論
Introduction to Philosophy of Education
授業の目的・概要:
主として、西洋的な教育観の変遷についての基本的理解をえることが本講義の目的である。特に18世紀以降の西洋の教育哲学の大
まかな流れが理解できるようにする。
ただ、説明の流れの中で、日本の事例を使う場合もある。
その過程で教育観の変遷と同時に教育の理念についての理解も深まるはずである。
授業計画:
ロック、ルソー、ペスタロッチ、フランス革命期の教育改革、ベルリン大学準備期の教育思想、シラーの美的教育論、
ミルやスペンサーの教育論、フレネ、生活綴方運動、アラン、欧米の美術教育論、日本の美術教育史、
イリイチやジルーらの批判的教育論、人間の尊厳論 などについての講義
授業の方法:
講義形式。
基本的にはパワーポイントを補助資料として用いながら、講義する。
特に資料的に重要な回の講義は、簡単なハンドアウトを配布する。
成績評価方法:
授業最中にレポートの課題を与えるので、それに基づき、A4 で(1枚1200換算)8,9枚のものを書く。それに基づき評価する。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
授業中に適宜、教示する。
履修上の注意・備考:
可能な限り、毎回出席し、広くいろいろなテーマに習熟するよう努力して欲しい。
教育職員免許法上の認定科目:※2 参照
‐2‐
科目番号:0961102
担当教員:小玉重夫
単位数:2
講義題目:教育人間学概説
学期:冬
授業科目:基礎教育学概論
Introduction to Educational Thought and Anthropology
授業の目的・概要:
教育の理念とイデオロギーは、その目的とする人間像をめぐって対立・相克し、揺れ動いてきた。
そうした対立と相克の様相を、教育の哲学と思想史の基礎理論を学ぶことによって明らかにする。
それによって、現代の教育が直面する課題について批判的にとらえる視点を養うことをめざす。
授業計画:
今のところ予定している授業計画(シラバス)は以下の通りであるが、一部変更する可能性もある。
1 プロローグ、ガイダンス
2 古典古代の教育思想
3 ソクラテス的センス
4 啓蒙的理性とシニシズム
5 啓蒙の別の顔
6 ルソーと近代家族
7 国民教育と市民
8 近代的個人の形成
9 マルクス主義の逆説、児童の世紀とユートピア主義その1
10 マルクス主義の逆説、児童の世紀とユートピア主義その2
11 過去と未来の間に立つ
12 教育の再政治化へ向けて(1)
13 教育の再政治化へ向けて(2)
14 教育の再政治化へ向けて(3)
15 試験
授業の方法:
講義を主とし、論文作成支援を兼ねたレポート作成と授業中の学生によるプレゼンを、随時導入する。
成績評価方法:
試験に平常点を加味して行う。
教科書:
小玉重夫『シティズンシップの教育思想』白澤社、2003 年
参考書:
関連する資料をウェブサイトにアップして、受講者がダウンロードできるようにする。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)哲学,(公)哲学
‐3‐
科目番号:0961103
担当教員:小国喜弘
単位数:2
講義題目:日本教育史概説
学期:冬
授業科目:基礎教育学概論
Introduction to Japanese Educational History
授業の目的・概要:
現在の学校教育の抱えている問題を歴史的に照射することを目的とする。
教師になろうと考えている学生たちにとって、歴史的観点から学校教育の特徴を理解することを、日本教育史の研究を志す学生たちに
とって、教育史研究の基礎的な素養が獲得できることを目指している。
授業計画:
講義の具体的な柱は次の通りである。
第1回:オリエンテーション(日本教育史を展望する)
第2回:<戦前期1>国民教育の成立
第3回:<戦前期2>総力戦体制と教育
第4回:占領政策と教育
第5回:子どもと人権
第6回:高度経済成長下の教育
第7回:教育における管理体制の再編
第8回:高校紛争とは何だったのか
第9回:非行問題から見えてくるもの
第10回:臨教審答申と教育改革
第11回:国際化と教育
第12回:生涯学習社会の到来と「学習権」
第13回:新自由主義施策と教育の格差
第14回:コミュニティスクールから見えてくるもの
第15回:まとめ―未来への展望
授業の方法:
適宜、映像資料、プリント資料を用いる。
また、予め文献を指定し、学生による発表を毎回取り入れる。
成績評価方法:
講義内の発表、期末レポートをもって評定する。
なお出席3分の2以上をもって、単位認定の最低要件とする。
教科書:
特に指定しない。授業中に資料を配付する。
参考書:
履修上の注意・備考:
初回に履修方法について説明するので欠席しないこと。
教育職員免許法上の認定科目:(社)日本史,(地)日本史
‐4‐
科目番号:0961104
担当教員:川本隆史
単位数:2
講義題目:西洋教育史概説
学期:冬
授業科目:基礎教育学概論
Introduction to Western Educational History
授業の目的・概要:
西洋の教育の制度と思想を支えてきた複数の理念(理性、労働、自由、平等など)を社会倫理学および社会思想史の視座から点検し
ていきたい。その助走路として、プラトン研究に出発し、歴史と現代に向き合いながら《教育の根底にあるもの》を探究し続けた人物、林
竹二(1906~85)の軌跡をたどることにする。
授業計画:
1 教育の理念史を学びほぐし、編み直す
2 哲学者・林竹二の冒険
3 理性および合理性をめぐって(1)
4 理性および合理性をめぐって(2)
5 労働観の変遷
6 労働は人間を自由にするのか
7 society, culture, industry の語義転換
8 社会と平等の倫理
9 正義をめぐって(1)
10 正義をめぐって(2)
11 ケアをめぐって(1)
12 ケアをめぐって(2)
13 まとめ
授業の方法:
適宜、ビデオ視聴と資料配布を行うとともに、リアクションペーパーに毎回の感想・質問を記してもらう。
次回冒頭を出席者のコメントに対する応答から始めるかたちをとるほか、可能な限り双方向的な講義としたい。
成績評価方法:
単位認定は出席状況と学期末のレポートによる。
教科書:
参考書:
川本隆史『共生から』(双書・哲学塾、岩波書店、2008 年)
レイモンド・ウィリアムズ『[完訳]キーワード辞典』(平凡社ライブラリー、2011 年)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)外国史,(地)外国史
‐5‐
科目番号:0961105
担当教員:田中智志
単位数:2
講義題目:教育臨床学概説
学期:夏
授業科目:基礎教育学概論
Introduction to Clinical Approach to Education
授業の目的・概要:
この講義では、教育臨床学の基本的な考え方、基礎概念を説明する。
教育臨床学(ないし臨床教育学)は、1980 年代に誕生した新しい教育学の領域である。その基本的な考え方は、論者によって異なる
が、大まかにいえば、教育という営みを、客体化された「子どもたち」にかんする事象、「教室」における事象と見なすのではなく、この社
会に生きている私たちの生の現実を、とりわけ社会構造・社会思潮の反映、それらとの矛盾、葛藤と見なすことであり、そのなかでより
よく生きるための方途を探る営みと考えることである。
教育臨床学はまた、教育という営みを、人が人として生きるうえで編み出した知恵をのちの世代に伝える営みであると見なし、その伝え
るべき知恵とは何か、なぜその伝承がうまくいかないのか、問う。この問いに答えるために用いる言葉が、歓待、贈与、関係性、固有性
(かけがえのなさ)といった教育臨床学の基礎概念である。
授業計画:
第1回
教育の基礎を問う――教育臨床学の仕事
第2回
いのちの実相――鷲田清一の臨床哲学論
第3回
学ぶと教える――デューイの教師論
第4回
ケアと幸福――ノディングスの幸福論
第5回
価値と存在――有用性の社会構造論
第6回
聴くと待つ――歓待のコミュニオン論
第7回
配慮と協同――共鳴共振の存在論
第8回
子どもの情動――いじめ
第9回
子どもの自己肯定――抑うつ問題
第10回
子どもの生育環境――虐待問題
第11回
教室という空間――教育の空間論
第12回
授業という方法――いのちの教育論
第13回
知識と情報――哲学教育論
第14回
自己の分出――木村敏の臨床哲学
第15回
まとめと最終レポート
授業の方法:
講義とともに、毎回、授業の後半に、受講者との質疑応答の時間を設ける。
成績評価方法:
毎回の授業における質疑応答の内容と、最終週に提出を求めるレポートによって、行う。出席を重視する。
教科書:
田中智志『教育臨床学』高陵社書店、2012 年。
参考書:
適宜、指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐6‐
科目番号:0961201
担当教員:小玉重夫
単位数:2
講義題目:基礎教育学方法論演習 II
学期:夏
授業科目:基礎教育学方法論演習
Elementary Seminar in Basic Theories of Education II
授業の目的・概要:
教育思想・教育人間学の基本的な研究方法を学び、討論を取り入れた演習(ゼミ)形式で、教育についての問題意識を養う。特に、
文献の読解と、学術的なプレゼンテーション(レポートや論文の作成)について訓練を積めるようにしたい。また、英語文献の読解にも
習熟できるようにしたい。
本年度は特に、「桐島、部活やめるってよ」(朝井リョウ)、「あまちゃん」(宮藤官九郎)、映画「ハンナ・アーレント」(マルガレーテ・フォ
ン・トロッタ監督)を素材として、そこに描かれている、現代社会特有の「忘却の穴」、「見捨てられていること」、およびそれを克服する「現
れ」といった概念に着目する。あわせて、そうした概念を理論的に深めていくてがかりを、ハンナ・アレントやジョン・デューイに関する思
想テキストを読みながら考えていく。以上を通して、現代の教育問題に理論的・思想的にアプローチする方法について議論をし、参加
者各人の研究関心につなげていきたい。
授業計画:
1 ガイダンスと自己紹介
2 論文、研究レポートの書き方の説明
3~5 「桐島、部活やめるってよ」と「あまちゃん」に見られる「忘却の穴」、「見捨てられていること」と、「現れ」との関係について
6~9 ハンナ・アレントの理論的検討
10~14 ハンナ・アレントやジョン・デューイの思想を教育哲学において再構成しているガート・ビエスタの議論を検討
(Gert J.J. Biesta, Good Education in an Age of Measurment, Paradigm Publishers, 2010, Gert J.J. Biesta, Learning Democracy
in School and Society: Education, Lfelong Learning, and the Politics of Citizenship, Sense Publishers, 2011(上野 正道、藤井
佳世、中村(新井)清二訳、勁草書房、2014))
15 全体のまとめ
授業の方法:
演習(英語と日本語の文献購読と討論)を中心とする。参加者は、授業に出席して討論に参加し、また、自分の担当箇所について報告
を行うことが求められる。
成績評価方法:
レポートと平常点。
教科書:
小玉重夫『難民と市民の間で-ハンナ・アレント『人間の条件』を読む』(現代書館、2013)
参考書:
授業中に随時紹介する。資料はウェブサイトにアップして受講者がダウンロードできるようにする。
履修上の注意・備考:
初回の授業でガイダンスと担当決めを行うので、履修希望者は必ず出席すること。このゼミでは特に、以下の点を重視したい。
(1)教育問題を理論的、思想的に考える能力を身につける。
(2)教育思想を広く現代思想との関係をふまえて考えるための基礎知識を得、問題関心を養う。
(3)外国語の文献を用いて研究論文を書けるための基礎を身につける。
教育職員免許法上の認定科目:
‐7‐
科目番号:0961301
担当教員:金森修
単位数:2
講義題目:生・権力論と教育
学期:夏
授業科目:基礎教育学演習
Contemporary Biopolitics and Education
授業の目的・概要:
ゼミ形式で行う。
金森修「〈生政治〉の哲学」(ミネルヴァ書房)をテクストとし、そこで扱われている四人の思想家、アレント、フーコー、ネグリ、アガンベンに
ついて、特にアガンベンについて、このテクストを出発点としながら、詳細な俯瞰・分析を試みる。また、ファシズムの考察も行う。
さらには現代的な問題、安楽死、選択的中絶、公害などについても考察を行う。
それによって、現代社会での生死をめぐる政治についての哲学的反省を行う。それは、教育学的にも、生死をめぐるメタ分析の技法に習
熟することに繋がる
授業計画:
最初の回(4月4日)に全体の計画を直接に提示する。なおその時に原則的に負担も決めるので、このゼミに出席したい学生は万難を
排して、この最初の回に出席すること。
どうしても出席できない場合には、前もって、e-mail でその由を連絡すること。
ゼミでのテクスト分担を決め、そのテクスト自体の読解と、そのテクストで扱われている思想家たちについての独自調査を促し、その結果
をゼミで公表してもらう
授業の方法:
テクストと、参加者に指定する独自調査を二重に行うという作業がゼミの中心にになる
積極的な参加をしない場合には、成績に反映させる。
初回に人数調整をする可能性がある。
必須テクストはもちろんだが、可能であれば下記の参考書も手に入れて、4月中くらいには読んでおくことが望ましい
成績評価方法:
毎回の発表の質、普段の参加程度をみる
原則的に出席をとる
教科書:
必須のテクスト 金森修「〈生政治〉の哲学」ミネルヴァ書房
参考書:
金森修「ゴーレムの生命論」平凡社新書
金森修「動物に魂はあるのか」中公新書
小松美彦「生権力の歴史」青土社
履修上の注意・備考:
最初回 4月4日に 重要なことを決めるので、出席すること
出席できない場合はその前に、個人的にメールをください
出席をとるので、8割以上出席することが可能でない場合には、履修を避けること連絡は、研究室の e-mail を使うこと
教科書は東京大学本郷書籍部に一定冊数置いてあるのので、そこで買い求めることができます
教育職員免許法上の認定科目:
‐8‐
科目番号:0961302
担当教員:片山勝茂
単位数:2
講義題目:価値と教育
学期:冬
授業科目:基礎教育学演習
Seminar in Values and Education
授業の目的・概要:
「現代社会におけるシティズンシップ教育」をテーマに、以下の英語文献と日本語文献(教科書)を講読することで、英語文献・日本語文
献を精確に読み、理解する能力を向上させるとともに、現代社会におけるシティズンシップ教育に関する問題について、(他の人々とコ
ミュニケーションをとりながら)批判的に考える力を身につけることを目標とする。
授業計画:
1.オリエンテーション
2.Democratic Citizenship: Intrtoduction 精読
3.Democratic Citizenship: Citizens as Bearers of Rights 精読
4.Democratic Citizenship: Do Citizens Need Civic Virtues? 精読
5.北山夕華「第4章 イングランドの市民性教育」近藤孝弘編『統合ヨーロッパの市民性教育』検討
6.Democratic Citizenship: Nationality and Citizenship 精読
7.Democratic Citizenship: Citizenship as Deliberation 精読
8.Democratic Citizenship: Cosmopolitan Citizenship? 精読
9.安達智史「第5章 移民、シティズンシップ、ブリティッシュネス:リベラルなナショナリズム」『リベラル・ナショナリズムと多文化主義』
検討
10.Democratic Citizenship: Feminist Theory and Active Citizenship 精読
11.Democratic Citizenship: What Should be the Aims of Citizenship Education? 精読
12.Democratic Citizenship: Realizing Aims-Procedures and Institutions 精読
13.研究報告会 その1
14.研究報告会 その2
15.まとめ
授業の方法:
文献講読を基本とする。英語文献については、訳読による精読を行う。日本語文献については、報告者が論文の概要と(疑問点や討
論の論点を提示する)コメントを発表し、討論を行う。また、各自の研究を発表する研究報告会も行う予定である。
成績評価方法:
毎回提出するコメントカードとゼミでの報告および討論を合わせて総合的に評価する。
教科書:
Penny Enslin & Patricia White(2003) Democratic Citizenship, in: Nigel Blake et al. eds. The Blackwell Guide to the Philosophy of
Education (Oxford: Blackwell Publishing).
近藤孝弘編(2013)『統合ヨーロッパの市民性教育』名古屋大学出版会。
安達智史(2013)『リベラル・ナショナリズムと多文化主義:イギリスの社会統合とムスリム』勁草書房。
参考書:
戸田山和久(2012)『新版 論文の教室:レポートから卒論まで』NHK 出版。
長沼豊・大久保正弘編(2012)『社会を変える教育 Citizenship Education ~英国のシティズンシップ教育とクリック・レポートから~』キ
ーステージ 21。Norio Ikeno ed.(2011)Citizenship Education in Japan (London: Continuum).
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐9‐
科目番号:0961303
担当教員:田中
智志
単位数:2
講義題目:教育臨床学演習
学期:冬
授業科目:基礎教育学演習
Seminar in Clinical Approach to Education
授業の目的・概要:
この演習では、「教育臨床学概説」を踏まえつつ、自律性、関係性、固有性(かけがえのなさ)、共鳴共振などの教育臨床学の基礎概
念について、現代の社会情況を踏まえつつ、具体的な教育問題・生育問題を取りあげながら、その理解を深めることをめざす。
授業計画:
第1回 教育臨床学の目的
第2回 教育臨床学の方法
第3回 教育臨床学の概念
第4回 臨床哲学の主題1―――自律性と関係性
第5回 臨床哲学の主題2―――関係性と固有性
第6回 臨床哲学の主題3―――機能性と有用性
第7回 臨床哲学の主題4―――脱学校化論1
第8回 臨床哲学の主題5―――脱学校化論2
第9回 臨床哲学の主題6―――教育批判1
第10回 臨床哲学の主題7―――教育批判2
第11回 臨床哲学の主題8―――有用性と公正1
第12回 臨床哲学の主題9―――有用性と公正2
第13回 教育の関係性1―――愛1
第14回 教育の関係性2―――愛2
第15回 演習のまとめと最終レポート
授業の方法:
授業は、基本的に毎回、報告者を定めて、報告、討議を行う。とりあげる事例や文献については、参加者(報告者)の意向を最大限に
尊重する。基本的に制限をもうけない。たとえば、少年犯罪の生育歴にかんする事例分析も、授業における子どもの発話分析も可能で
ある。デューイについての考察も、デリダについての考察も可能である。
内容のうえで報告者に求められることは、その分析ないし考察によって、人(子ども)がよりよく生きるための知恵(思考活動)が暗示な
いし示唆されていることである。
成績評価方法:
毎回の各人の発表の内容、議論における各人の発言内容から、総合的に評価する。出席を重視する。
教科書:
テクストはとくに定めないが、必要な文献は授業の開始時にリストにして配布する。
参考書:
適宜、指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐10‐
科目番号:0961304
担当教員:小国喜弘
単位数:2
講義題目:日本教育史演習
学期:夏
授業科目:基礎教育学演習
Seminar in Japanese Educational History
授業の目的・概要:
日本教育史研究に必要な研究能力、基礎的教養を獲得することを目指している。
具体的な題材としては、日本の戦後教育の転換期である 1970 年代に焦点をあてて検討をおこなう。当該時期は、非行・校内暴力・い
じめ・不登校など様々な教育問題が発生した時期であった。その背景には、産業構造の転換・家庭生活の変化をはじめとする社会の
変動があった。さらにこの時期は、杉本判決をきっかけとして、「学習権」に関する思想が浸透しはじめた時期にもあたっている。
昨年度のゼミの成果を引き継ぎ、グループワークにおいて個別テーマの追求を行うことを課題とする。またテーマは昨年度と同じだ
が、講読する文献やグループの追求主題は別のものとする。
授業計画:
第 1回:オリエンテーション(総論1:ゼミでつけたい学力と教育史の研究法)
第 2回:昨年度のゼミの成果の報告
第 3回:グループ分け(関心により4つに分ける)
<共通文献講読1>
第 4回:先行研究の整理 1(片桐芳雄・木村元『教育から見る日本の社会と歴史』、八千代出版、2008 年)・グループワーク
第 5回:先行研究の整理 2(中西新太郎『思春期の危機を生きる子どもたち』はるか書房、2001 年)・グループワーク
第 6回:先行研究の整理 3(広田照幸「学校像の変容と<教育問題>」『岩波講座 現代の教育』第二巻、岩波書店、1998 年) ・グ
ループワーク
<グループ発表>
第 7回:グループによる中間発表1・2
第 8回:グループによる中間発表3・4
<共通文献講読2>
第 9回:文献講読とグループワーク(文献についてはグループワークとの関係で設定する)
第10回:文献講読とグループワーク(同上)
<グループ成果発表>
第11回:グループ発表1
第12回:グループ発表2
第13回:グループ発表3
第14回:グループ発表4
第15回:まとめ
授業の方法:
集団での討議により教育を多面的に見て考える力、議論する力、論点を整理し仮説を構築する力の形成を目指したいと思います。
なお、適宜、学校見学を行い、現在の学校教育が抱える問題についての共通した認識を形成する。
成績評価方法:
基本的に発表の質によって評価する。
1 文献を十分に読み込み論点を整理できているか
2 周辺の文献、先行研究を踏まえているか
3 発表回までのゼミの流れを踏まえた発表になっているか
4 新たな視点の提示をなし得ているか
なお、3分の2以上の出席をもって単位認定の最低要件とする。
‐11‐
教科書:
共通文献については、前週までに原則として PDF ファイルにて共有する。
参考書:
履修上の注意・備考:
1回目に発表の順番を含め履修方法について説明するので極力欠席しないこと。
演習での積極的な発言・参加を求めている。
なお、皆さんの大学生活で考えると、ゼミでの協働的学習への参加は、非常に重要な機会となるはずです。その意味において、楽しく、
知的に充実した半期のゼミをつくりたいと思います。
教育職員免許法上の認定科目:
‐12‐
科目番号:0961401
担当教員:片山勝茂
単位数:2
講義題目:道徳と教育
学期:夏
授業科目:基礎教育学特殊講義
Morality and Education
授業の目的・概要:
道徳教育に関する理論と実践についての基本的知識・理解を得るとともに、道徳教育の授業を実践し、批評する能力を身につけ、現
代の道徳と教育に関わる問題について(他の人々とコミュニケーションをとりながら)批判的に考える力を身につけることを目的とする。
授業計画:
1.オリエンテーション、道徳教育の基本とよくある問題点
2.中学校学習指導要領「総則」と「道徳」のポイント
3.道徳の学習指導案の実例と作成のポイント
4.オリジナルな教材の開発による道徳教育
5.アイスブレイク・エンカウンターを用いた道徳教育
6.「価値の明確化」方式の道徳教育
7.モラルジレンマを用いた道徳教育
8.モラルスキルを育成する道徳教育
9.問題解決型の道徳授業
10.人権教育の理論と実践
11.いじめの防止・対処のための道徳教育
12.規範意識を育成する道徳教育
13.自己肯定感を育む道徳教育
14.男女の平等とハラスメントの防止のための教育
15.ナショナル・アイデンティティと多文化共生のための道徳・シティズンシップ教育
授業の方法:
できる限りワークショップ形式を取り入れ、(アイスブレイクやエンカウンターなどを活用した)参加体験型学習を体験してもらう予定であ
る。また、模擬授業を実施し、相互批評を行うことと、授業で紹介する文献について発表し、ディスカッションを行うことも予定している。
成績評価方法:試験は行わず、毎回提出するコメントカードと期末レポートおよび授業中の発表と質疑応答を合わせて総合的に評価
する。期末レポートは三つをまとめた形での提出を求める予定である。一つは授業で扱った事柄をテーマに 4,000 字程度で論じたもの
とする。残り二つは、道徳の学習指導案を2種類、違う内容・形式のものを提出してもらう予定である。
教科書:文部科学省(2008)『中学校学習指導要領解説 道徳編』日本文教出版。(文部科学省のウェブサイトからダウンロード可能)
道徳教育の充実に関する懇談会(2013)『今後の道徳教育の改善・充実方策について(報告)~新しい時代を、人としてより良く生きる
力を育てるために~』(文部科学省のウェブサイトからダウンロード可能)
参考書:宇佐美寛(1989)『「道徳」授業になにができるか』明治図書。
杉浦健(2005)『おいしい授業の作り方:授業作り初心者のための「せりふ」で作る実践的・学習指導案作成法』ナカニシヤ出版。
谷田増幸編著(2010)『新中学校道徳指導細案』明治図書出版。
中戸義雄・岡部美香編著(2005)『道徳教育の可能性:その理論と実践』ナカニシヤ出版。
中村清(2005)『改訂 道徳教育論:価値観多様化時代の道徳教育』東洋館出版社。
諸富祥彦編著(2005)『道徳授業の新しいアプローチ 10』明治図書。
履修上の注意・備考:
正当な理由があって欠席する人は配慮するので、A5(A4の半分)の紙に所属、学籍番号氏名、(欠席する)日付と授業の回数(第何
回目の授業か)、欠席理由を書いて提出すること(様式自由、事後でもよい)。
教育職員免許法上の認定科目:※6 参照,教科又は教職に関する科目
‐13‐
科目番号:0961402
担当教員:根占献一
単位数:2
学期:夏
講義題目:ヒューマニズム(人文主義)と学校・大学・アカデミー 授業科目:
―イタリア・ルネサンス期の教育と思想をめぐって
基礎教育学特殊講義
Humanism and the Culture of Schools, Universities, and Academies in the Italian Renaissance
授業の目的・概要:
イタリア・ルネサンスは概して美術史の範囲で理解されるとともに、中世の他のルネサンス、カロリング・ルネサンスや 12 世紀ルネサン
スとの相違があいまいになる面があります。
本授業では特に「ヒューマニズム(人文主義)」を軸に、いくつかの点で中世と近代の文化的相違が明瞭となるよう目指します。
授業計画:
先ずルネサンス、人文主義の概念を明確にすることから始めて、個別の歴史的事象を扱うようにします。
最終的には、この時代の人文主義がイエズス会の活動を通じて日本とも同時代的に深くかかわっていること、つまりイタリア・ルネサン
スは中世のルネサンスと違い、世界的広がりを持つことを明らかにしたいと考えます。
授業の方法:
主に口頭による講義形式となりますが、参考資料なども配り、受講生皆で考えていくスタイルを導入する予定です。
ただし、受講生数によります。
成績評価方法:
テーマに応じて意見・感想を聞くこともあるでしょう。リアクション・ペーパーに記入を求めてゆきたいと思います。
そのほか、授業への取り組み方、出席回数、試験などで総合的に判断します。
教科書:
教科書はありませんが、下記の参考書がこれに準ずると考えることもできます。
参考書:
ガレン『ルネサンスの教育』(近藤恒一訳、知泉書館)
根占献一『フィレンツェ共和国のヒューマニストーイタリア・ルネサンス研究』(創文社)
同上『共和国のプラトン的世界ーイタリア・ルネサンス研究(続)』(創文社)
また授業を通じて必要な文献等は多々紹介することになるでしょう。
履修上の注意・備考:
各自、講義からノートを作ってもらうよう希望します。特にありませんが、質問等は歓迎します。
教育職員免許法上の認定科目:
‐14‐
科目番号:0961403
担当教員:下山晴彦,野崎大地,南風原 単位数:2
学期:夏
朝和,星加良司,川本隆史,能智正博,
仁平典宏,石丸径一郎
講義題目:バリア・スタディーズ
授業科目:基礎教育学特殊講義
Barrier Studies
授業の目的・概要:
人々は、社会生活をおくるにあたって様々な困難に遭遇する。中でも、障害者を含めて社会の中で周縁的な位置に置かれているマイノ
リティの人々にとって、建築物や社会制度や文化価値それ自体が、構造的なバリアを構成していることが多い。
バリア研究は、こうした物理的・社会的・文化的バリアを抽出し、記述し、知識を集積することで、そうしたバリアを乗り越える方策を探る
ものである。
本講義は、幅広い専門性を持つ教員による講義を通じて、バリアについて多角的に把握するための視点と道具を提供することを目的
とする。
授業計画:
第 1 回: オリエンテーション
第 2 回: 「バリア」の認識論(星加)
第 3 回: 社会現象としての障害(星加)
第 4 回: 障害によって明らかにされた脳の働き(野崎)
第 5 回: 障害を科学の力で克服する試み(野崎)
第 6 回: 障害者の語り(能智)
第 7 回: 当事者研究の可能性(熊谷)
第 8 回: 3・11 の問題系と障害(仁平)
第 9 回: 性的マイノリティのバリアフリー(石丸)
第 10 回: 精神障害の診断分類の相対性(下山)
第 11 回: 教育評価におけるバリアフリー(南風原)
第 12 回: 障碍・依存・ケア(川本)
第 13 回: 総括
授業の方法:
オムニバス形式の講義を行う。
成績評価方法:
受講生の積極的な授業参加による貢献を重視する。
すなわち討論における課題提起や、随時課されるエッセイ等の提出基づいて、総合評価を行う。
教科書:
特になし
参考書:
授業時に指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐15‐
科目番号:0961501
担当教員:全教員
単位数:2
講義題目:基礎教育学研究指導
学期:通年
授業科目:基礎教育学研究指導
Tutorial in Basic Theories of Education
授業の目的・概要:
基礎教育学コースの卒業論文の完成を目標に、各人の問題関心を学術研究としてテーマ化することからはじめ、資料選択の適否、方
法論の検討、論述方法等について、適宜指導を行う。金森が教育哲学・科学思想史、小玉と片山が教育人間学・教育思想、川本が西
洋教育史、小国が日本教育史、田中が教育臨床学・教育実践論を担当し、個別指導を中心とするが、必要に応じてグループでの指導
の機会も設ける。
授業計画:
この授業は集中形態の授業である。
履修者は複数回にわたり、自分の卒業論文の研究主題についての報告を行う。その報告のために、履修者は事前に自分の研究テー
マに関連する教員から資料選択の適否、方法論の検討、論述方法等についての指導を受け、充分な準備をしなければならない。
報告においては、自分の研究内容についての系統的なプレゼンテーションをしなければならない。その報告を受けて、担当教員全員な
らびに当日の参加者との間で質疑応答を行う。
第1回 基礎教育学研究指導 オリエンテーション
第16回 秋季報告1
第2回 卒業論文作成における留意点
第17回 秋季報告2
第3回 卒業論文作成のためのガイドライン
第18回 秋季報告3
第4回 卒業論文作成のための主題選択(個別指導)1
第19回 秋季報告4
第5回 卒業論文作成のための主題選択(個別指導)2
第20回 最終報告1
第6回 卒業論文作成の方法(個別指導)1
第21回 最終報告2
第7回 論文作成の方法(個別指導)2
第22回 最終報告3
第8回 個別の報告・全体の指導1
第23回 最終報告4
第9回 個別の報告・全体の指導2
第24回 直前指導1
第10回 個別の報告・全体の指導3
第25回 直前指導2
第11回 個別の報告・全体の指導4
第26回 直前指導3
第12回 中間報告1
第27回 直前指導4
第13回 中間報告2
第28回 概要作成1
第14回 中間報告3
第29回 概要作成2
第15回 中間報告4
第30回 研究指導のまとめ
授業の方法:
個別指導を中心とするが、必要に応じてグループでの指導の機会も設ける。
成績評価方法:
各自の目標達成度、研究成果によって評価を行う。
教科書:
必要な文献については、各自のテーマに即して指示する。
参考書:
必要な文献について、各自のテーマに即して指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐16‐
教育社会科学専修
科目番号:0962301
担当教員:山本清
単位数:2
講義題目:教育社会科学演習 I
学期:夏
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in the Education and Social Science Ⅰ
授業の目的・概要:
我が国においても教育政策で証拠に基づく政策立案や形成が叫ばれているが、その元来の発想と展開を学ぶとともに何が課題なの
かを批判的に考察します。
授業計画:
1. 公共政策と教育分野
2. 合理的政策形成
3. 参加的政策形成
4. 政策の評価
5. 政策と証拠
6. 証拠の種類
7. 証拠に基づくとは
8. 証拠に依拠しないとは
9. 政策形成の過程
10.政策研究と実務
11.政治的過程と政策
12.外国での事例
13.我が国での事例
14.なぜ証拠に基づかないのか
15.解決すべき課題
授業の方法:
履修者からの報告に基づき全員が議論し、合わせて議論の整理とまとめを教員側が行います。
成績評価方法:
毎回の演習時での報告と討議への参加によって評価します。
教科書:
Ben Levin et al. (2013). The Impact of Research in Education: An international perspective, The Policy Press.
参考書:
演習時に指示します。
履修上の注意・備考:
履修者は報告が求められます。
教育職員免許法上の認定科目:
‐17‐
科目番号:0962302
担当教員:小方直幸,福留東土
講義題目:教育社会科学演習 II
単位数:2
学期:夏
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in the Education and Social Science II
授業の目的・概要:
大学のあり方について日米比較を軸として考察する授業である。学生自らの大学生活を思考の出発点とし、それを相対化しながら批
判的に考察できるようになることを目標とする。学生生活に関わる身近なトピックを取り上げながら日本の大学のあり方について考察
し、さらにアメリカの大学と比較することを通して大学に関する見方を拡張させる。
大学入試、学生生活、授業料と奨学金、大学の起源と歴史、大学の多様性の 5 つをトピックとして取り上げ、それぞれ日本とアメリカ
の状況について解説しながら、受講生と一緒に考察を進める。
事前の知識は必要としない。大学や学生生活に関心を持つ学生の受講を歓迎する。
授業計画:
1.オリエンテーション/大学の起源
2.アメリカの大学の歴史(1):ハーバードはいかにしてできたのか
3.アメリカの大学の歴史(2):現代アメリカ大学の源流を探る
4.日本の大学の歴史(1):東大はいかにしてできたのか
5.日本の大学の歴史(2):戦後大学の改革と変容
6.さまざまな大学(1):アメリカ―コミュニティカレッジ、営利大学
7.さまざまな大学(2):日本―短期大学、専門学校
8.前半のまとめ
9.大学入試の日米比較(1):アメリカ
10.大学入試の日米比較(2):日本
11.学生生活の日米比較(1):アメリカ
12.学生生活の日米比較(2):日本
13.授業料・奨学金の日米比較(1):アメリカ
14.授業料・奨学金の日米比較(2):日本
15.後半のまとめ
授業の方法:
主に講義による。
成績評価方法:
期末レポート、および授業への参加度による。
教科書:
特に指定しない。授業のレジュメを配布する。
参考書:
授業中に適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐18‐
科目番号:0962303
担当教員:橋本鉱市
単位数:2
講義題目:高等教育の社会学
学期:夏
授業科目:教育社会科学演習
Sociology of Higher Education
授業の目的・概要:
専門職養成は高等教育が果たす最も中核的な機能の一つである。
この授業では、大学における教員養成(特に高校教員)を中心な事例として取り上げ、社会学的な視点からその制度、組織、政策など
について学修し、ケーススタディやフィールドワークを通じて、専門教育・専門職養成に関する知見と洞察を深める。
授業計画:
第 1 回:イントロダクション:教員養成制度の概観、講義内容の説明
第 2~4 回:教員養成・教員社会の歴史・制度
第 5~6 回: 専門職・専門性に関する議論・政策
第 7~8 回:高校教員養成における大学教育の役割
第 9~10 回:採用試験・異動・キャリア形成
第 11~12 回:ケーススタディとフィールドワーク
第 13~14 回: 教員養成の高度化と教職大学院
第 15 回:総括-今後の行方
授業の方法:
毎回、様々な重要論文を取り上げ、その内容紹介とレビューを各一人ずつ担当・発表するという形で、基本的に演習方式で進める。
並行して高校現場などへのフィールドワークなども行う。
成績評価方法:
テキストレポート(30%)、 討論・フィールドへの参加度(40%)、 期末レポート(30%)
教科書:
リーディングスはコピーを用意する。随時指定。
参考書:
市川昭午編 1986『教師=専門職論の再検討』教育開発研究所
久富善之編 2008『教師の専門性とアイデンティティ』勁草書房
油布佐和子編 2009『教師という仕事』日本図書センター
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐19‐
科目番号:0962304
担当教員:小林雅之
単位数:2
講義題目:教育経済学
学期:冬
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in Economics of Education
授業の目的・概要:
教育の経済的側面に着目して、分析・研究の基礎的な概念を解説するとともに、教育経済学の考え方を踏まえて、必要 な分析手法を
習得させることが、この演習の目的である。参加者は、授業に参加するとともに、パソコンを用いて、 データをもとに基礎的な指標の算
出、分析を行う。
授業計画:
1 教育の経済分析と政策
2 教育市場と労働市場の理論と計測
3 高等教育進学動向と高等教育政策
4 高等教育進学率の時系列分析 1-記述統計と回帰分析
5 重回帰分析と分散分析 2-進学需要の重回帰分析
6 県別大学進学率の分析
7 演習課題の発表-重回帰分析の政策的含意
8 進路選択の分析ーパス解析
9 教育費負担問題
10 高等教育機会の均等のための政策
11 演習課題の発表-重回帰分析の政策的含意
12 教育投資収益率と進路選択-収益率の計測
13 不確実性の諸理論 まとめと課題
14 演習課題の発表-収益率の政策的含意
15 最終試験
授業の方法:
講義および演習(課題の発表と討論)
成績評価方法:
試験 60 点、課題 40 点、その他発表に追加点
教科書:
参考書:
金子元久・小林雅之『教育の政治経済学』放送大学教育振興会
小林雅之『進学格差』ちくま新書
小林雅之『大学進学の機会』東京大学出版会
履修上の注意・備考:
統計ソフトまたはエクセルによる計算を習得していること
統計学や経済学を履修していることが望ましいが、必須要件ではない。
統計の基礎と経済学の基本的な考え方を身につけることにより、様々な分野で応用することができる。
教育職員免許法上の認定科目:
‐20‐
科目番号:0962305
担当教員:恒吉僚子
単位数:2
学期:冬
講義題目:Global Issues in the Japanese Educational Context 授業科目:
(グローバル課題と日本の教育)
教育社会科学演習
Global Issues in the Japanese Educational Context
授業の目的・概要:
This is an interactive course which started in October 2013; the course targets qualities which are seen as necessary in a global and
multicultural world. Focusing on global/multicultural issues in Japanese education that are shared with many other nations, the course
encourages students to compare Japanese education with counterparts in other countries. Students are paired with Australian
students and engage in intercultural interaction on key themes. Students also discuss with foreign guest speakers online.
Students
are provided with basic readings on the theme, as well as opportunities to expand their understanding through discussion and analysis.
Because of its interactive nature, the course may limit student numbers if more than 12 students apply.
授業計画:
Week 1. Introduction & Arranging Online Pals with Australian Students
Each student taking the course will be paired with Australian online pals. For those who may benefit more from exchange with Japanese
students, that will also be taken into consideration.
Week 2. Country Images of Japan
Week 3. Presentation of online pal discussions and online talk with American Teachers on educating for a global and multicultural
society
Week 4. (continued) (may invite a guest lecturer from an Asian country)
Week 5. Preparing for the group presentation
Week 6. Group Presentation: Educating for Global and Multicultural Leadership (cross-national comparisons)
Week 7. Group Presentation (continued)
Week 8. The Strengths and Weaknesses of the Japanese Model of Schooling (cross-national comparisons)
Week 9:
Critically Analyzing the "World-Class" University
Week 10: "Global Talent" Reforms in Japan (cross-national comparisons)
Week 11 Analyzing English as a Internationalization Strategies: Asia and Europe
Week 12: Where Do We Go From Here?
Week 13: Group discussions
Week 14: Final proposal and discussion
Week 15:Final proposal and discussion
授業の方法:
The class will combine lectures, discussions, online discussions with students/teachers in foreign countries, and presentations.
成績評価方法:
A combination of the following.
(1) three tasks (group task is 20%, individual task is 30%, group proposal is 20%), (2) contribution to the class (30%).
教科書:References and explanation of the course will be provided at the first lecture.
参考書:
履修上の注意・備考:本講義の受講生で、英語による専門科目の講義の理解に不安があったり、より理解を深めたい学生は、本講義
の直前に行われている比較教育学概論(日本語)の受講を勧めます(本講義の内容に対応しています)。なお、言うまでもなく、それぞ
れ別個の講義ですので、いずれも単独で受講できます。
教育職員免許法上の認定科目:
‐21‐
科目番号:0962306
担当教員:本田由紀
単位数:2
講義題目:教育社会学理論演習
学期:冬
授業科目:教育社会科学演習
Seminar on Theories of the Sociology of Education
授業の目的・概要:
この授業では、古典から最新のものまで(教育)社会学に関わる主な社会学理論についての基本文献を講読することを通じて、(教育)
社会学的な「ものの考え方」とは何か、それは時代や社会によってどのような拘束性を帯びているか、理論と現実を照らし合わせること
によってどのように双方に対して示唆が得られるかを学ぶことを目的とする。
授業計画:
第1回:オリエンテーション
第2回:社会学とは何か
第3回・第4回:デュルケム
第5回・第6回:ジンメル
第7回・第8回:ウェーバー
第9回・第10回:パーソンズ
第11回・第12回:マートン
第13回・第14回:ルーマン
第15回:全体の振り返りとまとめ
授業の方法:
各回の指定文献について出席者はあらかじめ講読票を書いて提出する。それに加えて各回の担当者が詳細なレジメを作って発表し、
その内容について全員で議論を行う。学期末には特定の理論や概念を取り上げて検討するレポートを執筆する。
成績評価方法:
各回の講読票およびレジメと期末レポートを 7:3 の比で評価する。
教科書:
佐藤俊樹『社会学の方法-その歴史と構造』ミネルヴァ書房
参考書:
各回に関する参考文献を前回までに提示する。
履修上の注意・備考:
事前に「教育社会学概論」を履修していることが望ましい。
社会学史の幹となる「巨人」たちの思考方法をたどることにより、社会学という学問の固有の特性を理解することができる内容であるた
め、社会学系の大学院への進学を考えている者はもちろん、幅広い社会科学系の学問分野および仕事分野の基礎教養として役立
つ。
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐22‐
科目番号:0962307
担当教員:仁平典宏
単位数:2
講義題目:生活保障システムと教育
学期:冬
授業科目:教育社会科学演習
Livelihood Security System and Education
授業の目的・概要:
2000 年代の格差拡大や貧困、社会的排除の深刻化に伴い、教育社会学においても、教育とそれらの問題との関係が先鋭に問われる
ようになった。そこでは特定の教育制度や実践のあり方が、格差拡大に寄与することや、逆に包摂を生み出すということが主張され
た。
しかし、教育システム内部から社会問題を観察する時、教育や学校の役割を――プラスにせよマイナスにせよ――過度に評価する教
育決定論に陥ることが多い。教育の位置価を的確に捉えるためには、一度、教育という限定を外して隣接諸制度や構造――日本型生
活保障システム――について理解する必要があるだろう。日本型生活保障とは、低水準の社会保障を、家族と企業の雇用保障と経済
政策によって機能的に代替する仕組みである。その仕組みの複合的な崩れが、近年の社会的排除の広がりや社会再生産の条件の
崩れにつながった。そこに教育はいかなる形で関与しているのだろうか。
本授業では、生活保障を巡る様々な問題・論点を横断的に検討し、そこにおける教育の可能性と不可能性について議論していきたい。
授業計画:
第 1 回:イントロダクション
第 2 回~第 14 回:
テキスト購読に基づくディスカッション(扱う論点は主に次の通りである〔順不同〕。日本型雇用とその変化、ワークフェア/アクティベー
ション、ワークライフバランスと生活時間、少子高齢化、ジェンダー格差、福祉レジーム論と日本の位置、地域格差と空間的ケインズ主
義、ベーシックインカム、貧困とセーフティネット、社会的排除/包摂、子どもの貧困と累積リスク)
第 15 回:総括討論とまとめ
授業の方法:
毎回指定された文献や論文を購読し、レジュメで内容を確認した上で、ディスカッションを行う。
成績評価方法:
担当回のレジュメ作成、議論への参加(コメントシート)、期末レポートを3:4:3の比率で評価する。
教科書:
各回の授業で用いるテキストを初回に提示する。
参考書:
宮本太郎編、2013、『生活保障の戦略―教育・雇用・社会保障をつなぐ』岩波書店
白波瀬佐和子、2009、『日本の不平等を考える―少子高齢社会の国際比較』東京大学出版会
濱口桂一郎、2013、『若者と労働―「入社」の仕組みから解きほぐす』中央公論新社
小熊英二編、2014、『平成史―増補新版』河出書房新社
履修上の注意・備考:
教育研究を行う人はもちろん、社会保障や雇用問題などに関心があれば、専門領域を問わずに歓迎する。特になし。
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐23‐
科目番号:0962308
担当教員:大桃敏行,勝野正章,
単位数:2
学期:冬
村上祐介
講義題目:教育行政調査演習 III
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in Field Research on Educational Administration III
授業の目的・概要:
自治体や学校をフィールドとして実際の調査を通じて教育政策の課題、教育行政や学校の改革動態について理解を深めることを目標
とする。テーマや調査対象は参加者の討議により自主的に決定する。調査結果を報告書にまとめる。本演習は原則として教育行政調
査演習Ⅳとあわせて履修する。
授業計画:
テーマの設定、先行研究の検討、実地調査、小グループ並びに全体での討議、報告書の作成。
授業の方法:
大学での討議と実地調査を組み合わせて行う。
時間割上に設定された時間以外に調査に出かける場合も生じることに留意してほしい。
成績評価方法:出席と報告書の執筆による。
教科書:特に指定しない。
参考書:設定したテーマにあわせて授業で指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
科目番号:0962309
担当教員:勝野正章
単位数:2
講義題目:教育行政・学校経営演習 I
学期:夏
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in Educational Administration and School Management I
授業の目的・概要:
学校改革―特に、教師の学びあいや授業その他の教育活動をめぐる協同的取り組みに焦点をあてる―を社会的・政治的文脈に位置
付けるとともに、学校の組織や教育活動の性質に即して分析する。そのために必要な基礎理論や分析概念を習得する。
授業計画:
授業の方法:
文献研究に加え、高校をフィールドとして教師の学びあいや授業その他に関する協同的取り組みの事例研究を実施する。
成績評価方法:
平常点及び学期末レポートで評価する。
教科書:
参考書:
菊地栄治『希望をつむぐ高校 生徒の現実と向き合う学校改革』岩波書店、2012 年
McLaughlin, M.W. & Talbert, J. E. (2001). Professional communities and the work of high school teaching, Chicago & London: The
University of chigago Press.
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐24‐
科目番号:0962310
担当教員:大桃敏行
単位数:2
講義題目:教育行政・学校経営演習 II
学期:夏
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in Educational Administration and School Management II
授業の目的・概要:
教育行政・学校経営改革について理解を深め、改革課題を分析していく力を培うことを目標とする。教育行政・学校経営改革に関する
文献の分析と改革プランの発表、それに関する討議を中心に行う。
授業計画:
1)ガイダンス
2)教育行政・学校経営改革の動向
3)~14)
次の領域の論文の検討、改革プランの発表、それに関する討議
教育のガバナンス改革、教育行財政制度改革、学校経営改革、学校参加と学校選択の自由、教員制度改革、学校制度改革、生涯
学習・子ども子育て支援行政など。
15)全体討議
授業の方法:
1)教育行政・学校経営改革並びにそれに関連する領域からテーマを選ぶ。
2)選んだテーマに関する論文や具体的な改革提言、政府文書などを分析し、それに基づき自らの改革プランを作成し発表する。
3)他の受講生の発表に対してコメントを作成し発表する。
4)分析論文、改革プラン、コメントに関して討議を行う。
5)授業でのコメントや討議をふまえ、関連文献の分析結果と自らの改革プランをレポートにまとめる。
成績評価方法:
発表、討議への参加とレポートにより行う。
教科書:
使用しない。
授業の初回に分析対象論文のリストを示す。
参考書:
適宜、授業で指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐25‐
科目番号:0962311
担当教員:牧野篤,李正連,新藤浩伸 単位数:2
講義題目:社会教育学演習 IV
学期:冬
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in Adult and Lifelong Education Ⅳ
授業の目的・概要:
本演習Ⅲと同様に、社会教育・生涯学習を専門的に学ぼうとする受講者に、教育や学びが広く人が社会の中で生きようとすることに
深く関わるものであることを理解してもらうために、社会的な課題に関わるトピックスや議論を取り上げて、文献を検討するとともに、地
域のアクターとのかかわりを通して、地域社会で人が生きることとその課題を体験的に考察することを目的とする。
文献講読を基本として、社会への目を養いつつ、地域社会における実習を行い、報告書をまとめ、さらにそれを地域住民へと還元す
る取り組みを行う。本演習は、社会教育学演習Ⅲと連続的に扱う。
授業計画:
演習Ⅲと同様に、本演習は住民アクターとのかかわりを通して、住民がまちをつくる過程に参加し、かつその分析を進め、報告書をま
とめるとともに、それを人々に還元して、交流するために、演習ⅢとⅣとを連続として扱う。
夏期休業中に行う長野県飯田市での調査実習をもとに、報告書づくりを基本としたゼミを行う。
演習Ⅳでは、報告書をとりまとめるため、受講者各自に報告書の執筆を求める。基本的に、各自が関心を持ったテーマを選定して、
調査実習で集めたインタビューの記録や文献資料を用いて、報告書の各受け持ちパートを執筆する。
また、報告書執筆と並行して、執筆に必要な関係の理論的な文献を行動する。たとえば、「定常型社会」に関する文献、グローバル
化・少子高齢化・産業構造に転換によってもたらされる社会構造の変化などに関する文献、日本各地の新しいまちづくりの取り組みに
関する文献など。
また、授業期間中に東京近郊の自治体への訪問も予定している(追加・変更の可能性あり)。
授業の方法:
演習形式とし、受講者の積極的な発言を期待する。
調査実習の後には、報告書の作成を進めるため、自覚的な探求的態度で臨むことが求められる。
成績評価方法:
授業への参加と報告書執筆にもとづき評価する。
教科書:
参考書: 適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
演習Ⅰと演習Ⅱに分割しての受講は妨げないが、授業計画に書いたように、演習ⅢとⅣを連続として扱うため、通年の受講が望まし
い。
地域社会とのかかわりを通して、人とふれあい、語り合うこととはどういうことなのか、自分なりにとらえ返して欲しい。
教育職員免許法上の認定科目:
‐26‐
科目番号:0962312
担当教員:新藤浩伸
単位数:1
講義題目:博物館学特別研究
学期:通年
授業科目:教育社会科学演習
Special Studies in Museum Activities
授業の目的・概要:
博物館実習について、事前および事後の指導を行う。
授業計画:
実習は、事前のオリエンテーション、博物館現場での実習および実習記録の作成と実習報告の執筆、発表によって行われる。
授業の方法:
実習先については,こちらで紹介できる博物館・美術館もあるが,自分で希望する館がある場合には自分でコンタクトをとる必要があ
る。実習期間だけではなく,事前事後の指導を合わせて出席することが求められている。
成績評価方法:
総合的な評価
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:・
履修するには、原則として前年に、博物館概論(教育学部)、文化施設経営論(文学部)、博物館資料論(文学部)、博物館資料保存論
(理学部)、博物館教育論(教育学部)、博物館展示論(文学部)、博物館情報・メディア論(教育学部)のうち最低二つを受講しているこ
とが必要である。
教育職員免許法上の認定科目:
‐27‐
科目番号:0962313
担当教員:藤江康彦
単位数:2
講義題目:教育方法学演習
学期:冬
授業科目:教育社会科学演習
Seminar of Research on Teaching and Curriculum
授業の目的・概要:
[授業の目標]
この授業では、教育方法学がどういった学問領域なのかをいくつかの研究トピックを探究することを通して理解するとともに、教育方法
学領域の研究方法の基礎を身につける。具体的には、以下の通りである。
1.授業、カリキュラム、教育内容(リテラシー)、教育評価、教師に関する、研究上、実践上の今日的課題について概要を理解する。
2.授業、カリキュラム、教育内容(リテラシー)、教育評価、教師に関して、研究課題を設定し、探究する。
3.課題を探究する過程で、研究論文や実践記録などの文献や記録の採取の仕方、フィールドワークの仕方を身につける。
4.採取した記録のまとめ方やプレゼンテーションの仕方を身につける。
5.教育方法学とはどのような学問か、自分なりの説明ができるようになる。
[授業の概要]
教育方法学は、特定の親学問をもたず、教育事象に対する臨床性やアプローチの学際性を特徴とする。教育実践に関するあらゆる事
柄が研究対象となっているが、主として研究が進められてきたのは、授業研究、カリキュラム研究、教育内容研究、教育評価研究、教
師研究、である。この授業では、授業、カリキュラム、教育内容(リテラシー)、評価、教師という5つのトピックごとに、近年の課題状況を
概観したうえで、グループに分かれて探究し、報告会を行う。
授業計画:
第1回
ガイダンス
第8回
教育方法学の研究方法(2)観察法①
第2回
教育方法学の課題(1)授業
第9回
教育方法学の研究方法(3)観察法②
第3回
教育方法学の課題(2)カリキュラム
第10回 教育方法学の研究方法(4)面接法①
第4回
教育方法学の課題(3)教育内容
第11回 教育方法学の研究方法(5)面接法②
第5回
教育方法学の課題(4)教師
第12回 教育方法学の研究方法(6)データ分析①
第6回
教育方法学の課題(5)評価
第13回 教育方法学の研究方法(7)データ分析②
第7回
教育方法学の研究方法(1)ガイダンス
第14回 教育方法学の研究方法(8)研究の倫理
第15回 報告会
授業の方法:
第1回~第6回は、主として講義と文献購読による情報の共有を行う。
第7回~第11回は、主として学校におけるフィールドワークに基づく調査を行う。
第12回~第15回は、調査方法の分析と、その報告会を行う。
成績評価方法:
授業への参加状況とレポートの提出状況によって総合的に評価する。
教科書:指定しない。
参考書:秋田喜代美・藤江康彦(編)『事例で学ぶ初めての質的研究法 教育・学習編』東京図書
秋田喜代美・恒吉僚子・佐藤学(共編)『教育研究のメソドロジー:学校参加型マインドへのいざない』東京大学出版会
佐藤学『教育方法学』岩波書店
秋田喜代美・藤江康彦『授業研究と学習過程』放送大学教育振興会
このほか、授業中に紹介する。
履修上の注意・備考:情報収集やフィールドワークは受け入れ機関の事情により、必ずしも授業時間内に実施できるとは限らない。授
業時間外でも活動をすることになるので、注意されたい。
教育職員免許法上の認定科目:
‐28‐
科目番号:0962314
担当教員:影浦峡
単位数:2
講義題目:情報組織論演習
学期:冬
授業科目:教育社会科学演習
Seminar in Information Organization
授業の目的・概要:
伝統的な図書館の世界では目録と並んで情報組織化の中心を占めるメカニズムで
ある分類について、実習を交えながら論ずる。
授業計画:
大きく以下の3つのブロックに分けて講義を構成する。
それぞれに4回、小テスト1回、初回は概要説明、最終回は全体まとめの計15回。
(1) 導入:
図書館で採用されている基本的な分類法(十進分類法・ファセット式分類法等)を具体例(特に日本十進分類法)とともに紹介する。
(2) 基礎論:
目線を広げて、世の中にある様々な分類を参照しつつ、そもそも分類とはどのような行為であり資料の分類とは何をするものかについ
て考える。
(3) 技術的展開:
情報/資料の自動分類を含めた分類の新しい動向について論じ、伝統的な図書館分類や情報検索等との関係を考察する。
授業の方法:
講義と簡単な作業を取り混ぜて行う。
成績評価方法:
授業への参加度、作業の達成度と、小テストを考慮した総合評価。
教科書:
使わない。
参考書:
随時紹介する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐29‐
科目番号:0962401
担当教員:朴澤泰男
単位数:2
講義題目:教育調査分析法
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Quantitave Educational Research Methodology
授業の目的・概要:
教育の社会科学的研究に用いられる社会調査データを分析する際に、必要となる統計学に関して入門的な講義を行う。具体的には、
分布と統計量、相関係数、確率論の基礎、サンプリング、推定と検定、クロス集計、回帰分析について概説する。それによって、既存の
分析結果の意味を正確に理解し、自分で新たに意味のある計量分析を行うための初歩的な知識を獲得することを目標とする。「教育
社会学調査実習」の履修者は、この講義を併修すること。
授業計画:
1 イントロダクション
2 度数分布表
3 基本統計量
4 相関係数
5 回帰分析
6 確率モデルと統計的推定
7 統計的検定
8 平均値の差の検定
9 クロス集計と独立性の検定
10 多重クロス集計とエラボレーション
11 偏相関と重回帰分析
12 回帰モデルの説明力と検定
13 重回帰分析の応用
14 ロジスティック回帰分析
15 まとめ
授業の方法:
教科書を用いて講義を行う。
成績評価方法:
中間試験 40%、期末試験 60%
教科書:
南風原朝和『心理統計学の基礎――統合的理解のために』(有斐閣、2002 年)
参考書:
ジョージ・ボーンシュテット&デヴィッド・ノーキ(海野道郎・中村隆監訳)『社会統計学――社会調査のためのデータ分析入門』学生版
(ハーベスト社、1990 年)、太郎丸博『人文・社会科学のためのカテゴリカル・データ解析入門』(ナカニシヤ出版、2005 年)、倉田博史・
星野崇宏『入門統計解析』(新世社、2009 年)
履修上の注意・備考:
「教育社会学調査実習」の履修者は、この講義を併修すること。
「教育社会学調査実習」を履修しない学生が多数、この講義を履修すると見込まれる場合は、受講者数の調整を行う(詳細は初回の
授業で説明する)。この授業科目は、社会調査士資格取得のための「D. 社会調査に必要な統計学に関する科目」、教職課程の「教科
に関する科目(社会学)」にそれぞれ該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐30‐
科目番号:0962402
担当教員:藤田武志
単位数:2
講義題目:学校はデータでどう描けるか
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Describing Schools
授業の目的・概要:
学校について語るとき、私たちの語りは往々にして、自分や身近な人の体験などをもとにした主観的なものとなってしまいがちであ
る。マスメディアで流布される見解も、その域を出ないものが多い。しかし、学校について学問的に分析する際はもちろんのこと、政策
課題として検討するときや、保護者や地域の人間として学校に関わるときにも、議論が錯綜したり、迷走したりしないために、データに
基づいて客観的に学校を理解していることが望ましいだろう。
そこで本講義では、学校の状況をさまざまな観点から描くために、どのようなデータをどう収集し、どのように分析していくことができる
かを考える。具体的には、学校制度の全体的状況、学校段階、学校内のいろいろな場面など、学校を多様な側面からとらえながら、デ
ータによって語る技法や注意点について学習する。また、講義では単に説明を聞くだけではなく、自らデータを操作したり、分析したりと
いった活動も行う予定である。
なお、この講義は、社会調査士資格取得のための「【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目」に該当している。
授業計画:
1.イントロダクション
2.調査の客観性やデータの種類をどう考えるか?
3.既存の資料にはどのようなものがあるか?
4.学校制度の全体像を描く
5.学習場面を描く
6.人間関係を描く
7.問題行動を描く
8.不登校を描く
9.いじめを描く
10.学力を描く
11.教師を描く
12.勉強以外の学習活動を描く
13.教育の国際化を描く
14.生徒文化を描く
15.講義のまとめ
授業の方法:
基礎的な資料とデータの分析に関する説明を聞くとともに、自らデータを操作したり、分析したりといった実習的な活動も行う。
成績評価方法:
(1)小レポート(50%)
(2)最終レポート(50%)
教科書:
教科書は使用しない。
参考書:
講義内で適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐31‐
科目番号:0962403
担当教員:千田有紀
単位数:2
講義題目:近代家族と現代の家族変化
学期:冬
授業科目:教育社会科学特殊講義
The Modern Family and Changes of Contempral Families
授業の目的・概要:
私達がいま馴染んでいる家族は、「近代家族」と呼ばれ、明治期に作られたものである。明治の近代化の過程で、家族だけではなく、
市場や国民国家、家族賃金制度、性別役割分業、貞操観念などの新しい制度や道徳は、複雑に絡み合いながらつくりだされていった
のである。1990 年代には、グロバーバリゼーションの波のなか、これまでつくりだされてきた社会システムに揺らぎが生じている。家族
に関しても、少子高齢化問題、格差の拡大、性解放、いわゆる「できちゃった結婚」やパラサイトシングル、草食系男子などの問題が語
られるようになってきた。近代社会にいおいて家族はどのように作られ、揺らいで行ったのかについて知見を深める。
授業計画:
1.家族とは何か?
2.家族と近代化
3.システムとしての家族(国民国家と家族)
4.システムとしての家族(市場と家族)
5.システムとしての家族(教育と家族)
6.近代家族とは何か
7.近代家族の規範
8.少子化問題と家族
9.性規範の揺らぎと家族
10.格差と家族
11.「機能不全家族」
12.「家」はどのように表象されてきたのか
13.家父長制とは何か
14.新しい家族の試み
15.まとめ
授業の方法:
講義による
成績評価方法:
試験 100%
教科書:
千田有紀『日本型近代家族:どこから来てどこへ行くのか』、勁草書房、2011 年。
参考書:
小山静子『家庭の生成と女性の国民化』、勁草書房、1999 年。
落合恵美子『近代家族とフェミニズム』、勁草書房、1989 年。
上野千鶴子『近代家族の成立と終焉』、岩波書店、1994 年。
山田昌弘『近代家族のゆくえ:家族と愛情のパラドックス」、新曜社、2004 年。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐32‐
科目番号:0962404
担当教員:結城恵
単位数:2
講義題目:フィールドワークの理論と実践
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Theory and Practice of Fieldwork(Undergraduate)
授業の目的・概要:
学校や子どもを取り巻く社会化環境について、質的方法を駆使しながら、データを収集し、社会学的に教育の制度や構造、そこにおけ
る社会化プロセスを考察していく方法論的基盤を習得していくことが講義の目的である。
日本の子どもの置かれた現状を子ども関連の場(例 学校、児童館、部活)において、実際に観察やインタビューをする実地演習も含
みながら、複数の質的方法を用いつつ研究計画を組み立て、遂行していく方法を学ぶ。
授業計画:
1 質的方法や量的方法それぞれの目的・方法・知見の特徴と意義について理解する。
2 質的調査の多様なデータ収集・分析の方法を概観し、その特性を理解する
(聞き取り調査、参与観察法、ドキュメント分析、フィールドワーク、ライフヒストリー分析、会話分析等)。
3 質的調査における倫理について、先行研究における失敗事例と成功事例をもとに学び、調査の企画・運営時に配慮すべき事項と遂
行方法を理解する。
4 各自の問題関心を踏まえ、質的調査の企画を立てる
(調査の目的、内容、方法=目的に合わせた効果的なデータ収集と分析の組み合わせ、調査倫理の確認)。
5 事例ビデオを用いたフィールド・ノーツの作成の講義と実践演習。
6 事例ビデオを用いたドメイン分析の講義と実践演習。
7 事例ビデオを用いたカテゴリー分析の講義と実践演習。
8 事例ビデオを用いたコンポーネント分析の講義と実践演習。
9 事例ビデオを用いたコンポーネント分析に元づく理論化の講義と演習。
10 各自の質的調査に基づいた、フィールドノーツの作成・分析方法の確認と演習。
11 各自の質的調査に基づいた、ドメイン分析の確認と演習。
12 各自の質的調査に基づいた、カテゴリー分析の確認と演習。
13 各自の質的演習に基づいた、コンポーネント分析の確認と演習。
14 各自の質的演習に基づいた、コンポーネント分析に基づく理論化の確認と演習。
15 質的調査報告書の作成方法の講義と演習。
授業の方法:
講義、ディスカッション、グループワーク、フィールドワーク
成績評価方法:
授業への貢献(35%)、レポート(45%)、中間・期末小テスト(20%)を総合して評価します。
教科書:
講義の展開に応じて購読文献および指定文献をあらかじめ指定します。
結城恵『幼稚園で子どもはどう育つか』(有信堂高文社)他。
参考書:
授業に関連する参考文献を随時提示します。
履修上の注意・備考:
講義の展開に応じて指示します。
教育職員免許法上の認定科目:
‐33‐
科目番号:0962405
担当教員:松本直樹
単位数:2
講義題目:図書館情報経営論
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Library and Information Center Management
授業の目的・概要:
図書館はさまざまな職員によって運営されている。こうした組織体としての図書館を適切に経営していくため経営や組織にかかわる知
識は不可欠である。「図書館情報経営論」では,経営者の視点,そして一般の職員の視点から制度,経営,組織にかかわる理解をは
かる。
授業計画:
1 図書館法と関連法規(1)
2 図書館法と関連法規(2)
3 図書館政策
4 自治体の図書館政策
5 管理形態の多様化
6 職員体制,図書館を支える人々
7 人材育成,動機付け
8 計画
9 マーケティング
10 予算
11 図書館評価
12 図書館の危機管理
授業の方法:
レジュメを配布する。教科書は使わない。
成績評価方法:
授業への積極的参加,レポート,テストによって評価する。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
糸賀雅児, 薬袋秀樹編『図書館制度・経営論』樹村房, 2014, 231p.
履修上の注意・備考:
司書科目の「図書館制度・経営論」に相当する。
教育職員免許法上の認定科目:
‐34‐
科目番号:0962406
担当教員:小川義和
単位数:2
講義題目:博物館教育論
学期:冬
授業科目:教育社会科学特殊講義
Museum Education
授業の目的・概要:
博物館における教育活動の基盤となる理論や実践に関する知識と方法を習得させ,博物館の教育機能に関する基礎的能力を養う。
博物館教育について,博物館を利用する人々,博物館,それを取り巻く社会との関係性から考察する。博物館教育の発達とその社
会的背景を紹介し,博物館教育の現代的意義を論じていく。特に従来の教育普及にとどまらない博物館教育の範囲,その独自性と学
習理論,生涯学習の観点から人材養成の必要性等を概説する。これらの基礎的な知識と理論を踏まえ,変化する社会における博物
館教育のあり方について実際に即して考察を深める。さらに具体的な目標論を持って博物館教育活動を企画し,評価するスキルにつ
いて演習を通じて身につけさせる。
授業計画:
第 1 回 博物館教育の意義と理念(1)学びの意義
第 2 回 博物館教育の意義と理念(2)博物館教育の範囲
第 3 回 博物館教育の意義と理念(3)博物館教育の特徴
第 4 回 博物館教育の意義と理念(4)博物館教育の歴史
第 5 回 博物館教育の意義と理念(5)生涯学習の場としての博物館
第 6 回 博物館教育の意義と理念(6)人材養成の場としての博物館
第 7 回 博物館教育の意義と理念(7)博物館における学びの特性と学習理論
第 8 回 博物館教育の意義と理念(8)ミュージアムリテラシーの理念と構成
第 9 回 変化する社会における博物館教育(1)コミュニケーションとしての博物館教育
第 10 回 変化する社会における博物館教育(2)博物館の利用実態と利用者の博物館体験
第 11 回
変化する社会における博物館教育(3)博物館教育の方針と評価
第 12 回
博物館教育の実際(1)博物館教育活動の手法(館内、館外)
第 13 回
博物館教育の実際(2)博物館教育活動の企画と実際
第 14 回
博物館教育の実際(3)博物館教育活動の企画と実際
第 15 回
博物館教育の実際(4)博物館教育と学校教育
授業の方法:
各回、前半は適宜資料を提示しつつ、テーマに基づく概説を行う。
後半は受講生からのテーマに関する質問と議論を行い、教員がまとめる。受講生は問題を整理してテーマに関する報告を提出する。
受講生は最終回に課題を提出する。
成績評価方法:
講義の出席、各回の提出報告書及び最終課題で判断する。
教科書:
参考書:
全国大学博物館学講座協議会西日本部会編「新時代の博物館学」(芙蓉書房出版,2012)
ジョージハイン著、鷹野光行監訳「博物館で学ぶ」(同成社,2010)
履修上の注意・備考:
受講生が主体的に、自主的に博物館を見学し、多様な博物館の様子を把握することをすすめる。また見学した博物館の現状や課題に
ついて講義中に共有するように心がける。なお博物館の見学料金や交通費な自己負担とする。
教育職員免許法上の認定科目:
‐35‐
科目番号:0962407
担当教員:吉良直
単位数:2
講義題目:比較教育行政論―現代アメリカの教育改革―
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Comparative Study of Educational Administration: Focusing on Current Education Reforms in the
U.S.A.
授業の目的・概要:
本科目では、アメリカにおける 1960 年代から現在までの教育改革に着目し、特に 1983 年の『危機に立つ国家』刊行後に推進されてき
た、学力向上を至上命題とする 3 つの波の改革について考察し、理解を深めることを目標とします。3 つの波の改革の中では、主に第
2 の波の現場からの下からの改革、第 3 の波のスタンダードに基づく上からの改革に焦点を当てます。講義題目が「比較教育行政論」
となっている通り、アメリカの教育改革との比較を通して、主に日本の教育改革についても理解を深めることも目指していきます。
本科目で扱う教育改革は、主として連邦政府、州政府レベルの教育政策が中心となりますが、学校レベルの教育実践も含まれます。
具体的には、まずデューイの教育思想に根差した民主的教育の理念と実践の考察から始めます。その後、1960 年代にジョンソン大統
領が提唱した「貧困との闘い」の一環として成立した平等保障策を中心とする「初等中等教育法」と 1970 年代の改革を概観した後に、
上述した『危機に立つ国家』刊行後に推進されてきた 3 つの波の改革の中で、第 2 の波と第 3 の波の改革に焦点を当て、オバマ政権
下の現状も含めて、アメリカの教育改革について考察します。
授業計画:
1. イントロダクション 現代アメリカの教育改革を考える視点
9. 2010 年代 「頂点への競争」
2. 伝統主義教育と進歩主義教育
10. 連邦と州のテスト政策
3. 民主的教育の理念と実践
11. 連邦と州の教員政策
4. 1960 年代 平等保障策(1965 年初等中等教育法成立)
12. 米国教育改革の課題:継続性とケアリングの問題
5. 1970 年代 進歩主義教育
13. 米国教育改革の課題:日本への示唆
6. 1980 年代 3 つの波の改革
14. 最終課題発表(1)
7. 1980 年代 州レベルの改革
15. 最終課題発表(2)、最終討論
8. 1990~2000 年代 アウトカム重視の政策(2002 年 NCLB 法成立)
授業の方法:
教員による講義は最小限にし、アメリカの教育改革に関する各回の文献を受講生が分担して報告し、議論をする形態で授業を進めま
す。授業の後半には、各回の内容に関する映像がある場合、その視聴に基づく議論も行っていきます。
成績評価方法:
授業での報告、議論への参加・貢献度、最終レポートの作成と発表、自己評価を総合的に考慮して評価します。
教科書:
・北野秋男、吉良直、大桃敏行編著 (2012) 『アメリカ教育改革の最前線-頂点への競争-』 学術出版会.
・教科書以外の文献は、コピーを配布します。アメリカの教育改革が主題のため、英語の文献も含まれます。
参考書:
・江原裕美編著 (2003) 『内発的発展と教育―人間主体の社会変革と NGO の地平』新評論.
・北野秋男編著 (2009) 『現代アメリカの教育アセスメント行政の展開-マサチューセッツ州(MCAS)を中心に』東信堂.
・小玉重夫 (2013) 『学力幻想』ちくま新書.
・佐藤三郎編著 (1999) 『世界の教育改革』東信堂.
・佐藤学 (1996) 『カリキュラムの批評』世織書房.
・J・デューイ著/市村尚久訳 (1998) 『学校と社会・子どもとカリキュラム』講談社学術文庫.
・N・ノディングズ著/佐藤
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐36‐
科目番号:0962408
担当教員:尾崎春樹
単位数:2
講義題目:教育法
学期:冬
授業科目:教育社会科学特殊講義
Educational Law
授業の目的・概要:
○戦後形づくられた我が国の教育制度は、現在大きな転換期にある。教育法とそれを支える基本的な考え方も見直しを求められてい
る。講義では、主な教育法のこれまでの基本的考え方を捉えつつ、教育行政担当者の視点から、現在の教育政策や教育現場の課題
を通して、今後の教育法・教育制度の方向性を考えていきたい。
主に取り上げる法律-憲法、教育基本法、学校教育法、地方教育行政関係法、教員関係法など
○教育法考察の論点としては、初等中等教育を中心に次のような政策や課題を取り上げる。
・憲法・教育法の体系と国の教育予算の構造
・教育基本法の理念と教育基本法の改正、法的問題点
・旭川学力テスト判決(教育と教育行政,学習指導要領の法的性格)
・学校制度,教育課程
・学校と家庭・地域の連携(コミュニティスクール,学校選択制)
・教科書検定,教科書採択,国旗・国歌の指導
・教育委員会制度とその改革論,国・都道府県・市町村の責任と役割
・教員に係る諸制度,養成・研修,人事,給与
・(時間が許せば)幼児教育
・その他タイムリ-な教育政策や課題(教育基本条例問題,教科書採択地区問題など)
授業計画:
授業の方法:
講師執筆の「教育法講義」(悠光堂)(367 頁)(平成 25.9.24 刊)を使用予定
成績評価方法:
筆記試験(概ね 75%)と出席点(概ね 25%)との総合評価
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)法律学,(公)法律学(国際法を含む)
‐37‐
科目番号:0962409
担当教員:山内祐平
単位数:2
講義題目:学習環境のデザイン
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Design of Learning Environment
授業の目的・概要:
空間・活動・共同体・人工物の 4 つの視点から学習環境のデザインについて考察する。
本年度はデジタル教材、ワークショップ、サイエンスカフェ、アクティブラーニングスタジオなどのデザインについて、事例研究を通じて検
討する。
授業計画:
1) オリエンテーション
2) 学習環境デザイン論:研究の概説
3) 初等中等教育での展開:カーンアカデミー
4) 高等教育での展開:MIT TEAL
5) オープンエデュケーション:Coursera
6) ソーシャルラーニング:Socla
7) ゲストトーク
8) ストーリーテリング:親子 de 物語
9) シリアスゲーム:FoodForce
10) ワークショップと創造性:CAMP
11) カフェでの対話と学び:UTalk
12) 総合演習
13) 総合演習
14) 総合演習
15) ゲストトーク
授業の方法:
1)担当グループが事例研究を行い発表する。
2)事例についてグループで議論し、デザインの特徴と課題について検討する。
3)議論から出た疑問を報告グループに投げかけ、問いを深める。
4)教育・学習研究の概念との接続について教員が解説する。
成績評価方法:
出席(50%)
グループの事例研究報告の評価(25%)
グループ議論における貢献と発見(25%)
教科書:
山内祐平編「デジタル教材の教育学」東京大学出版会、2010
参考書:
山内祐平編「学びの空間が大学を変える」ボイックス出版、2010
履修上の注意・備考:グループワークのため履修人数制限あり(30 名)
初回授業開始時に定員を大幅に超えた場合、登録受付をしめきり抽選を行う。授業の一部はデジタル教材の開発に関わるゲスト講師
によって行われる。本授業は、メディアコンテンツに関する学部横断型教育プログラムの一環として開講される。
教育職員免許法上の認定科目:
‐38‐
科目番号:0962410
担当教員:宇治橋祐之
単位数:2
講義題目:教育とメディア
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Education and Media
授業の目的・概要:
<授業の目標>
情報化社会が進む中、生徒への知識伝達をねらう一斉型の授業でも、生徒同士の知識構築をねらう協同学習でも、メディアの果た
す役割は大きい。その際に必要な概念のひとつがメディアリテラシーである。本講義では教材開発と放送番組制作の共通点に着目し
ながら、授業設計について学ぶとともに、最新の情報機器・デジタルメディアを活用した実践事例などを通して、メディアを活用した学習
モデルをつくれるようになることをねらう。
<授業の概要>
メディアリテラシーの 3 要素、「メディアを読み解く」「メディアを活用する」「メディアを通じてコミュニケーションをする能力」を軸としなが
ら、教育の場におけるメディア活用について、教材開発の手法や情報機器の活用法などを、実際に数多くの教育番組やコンテンツを制
作してきた講師の実例や、映像での事例も多数交えながら進める。
授業計画:
第1回:ガイダンス、授業設計と番組制作に共通する考え方
第2回:教育とメディアの現状 1 (児童・生徒のメディア利用など)
第3回:教育とメディアの現状 2 (学校教育での ICT 活用など)
第4回:教材開発と番組制作 1(企画・情報の収集)
第5回:教材開発と番組制作 2(情報の選択)
第6回:教材開発と番組制作 3(情報の編集)
第7回:教材開発と番組制作 4(情報の提示・表現)
第8回:教育へのメディア活用 1(視聴覚教育)
第9回:教育へのメディア活用 2(放送教育)
第10回:教育へのメディア活用 3(デジタル教材の活用)
第11回:教育へのメディア活用 4(ネットワークの活用、e-ラーニング)
第12回:教育へのメディア活用 5 (ネットワークの活用、学校間交流学習)
第13回:教育とメディアの新展開(評価手法)
第14回:教育とメディアの新展開(メディアリテラシー教育)
第15回:教育とメディアの新展開(ワークショップ型授業)
授業の方法:
講義を中心とするが、適宜出席者のディッカッションの時間を設ける。授業では毎回、映像を視聴してコメントシートの記入を求める。
授業の後半ではワークショップ型の授業を予定している。
成績評価方法:
毎回の授業時のコメントシート(20%)
レポート 2 回(40%×2)
教科書:テキストは使用しないが、適宜、プリント・web 資料を使用する。
参考書:
山内祐平「デジタル教材の教育学」(東京大学出版会)
水越伸 他「メディアリテラシー・ワークショップ」(東京大学出版会)
その他授業時に指示
履修上の注意・備考:
教育学部生ならびに他学部において教育職員免許状取得を希望する学生に原則として履修を限定する。
教育職員免許法上の認定科目:※8 参照
‐39‐
科目番号:0962411
担当教員:斎藤兆史
単位数:2
講義題目:英語教授法・学習法概論
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
An introduction to methodologies for teaching and learning English
授業の目的・概要:
英語の教授法と学習法を学ぶことにより、日本における英語教育・学習に対する認識を深め、英語教師として、あるいは英語学習者と
して効果的な活動ができるようにする。発展的に、ほかの言語や科目の教育・学習法も自ら研究させることにより、学習者の視点に立
った指導法を身につけられるよう方向付ける。
授業計画:
まず、英語がどのように世界に広まり、いかにして教授・学習されるに至ったかを概観したのち、日本における英語教育・学習の歴史を
時代別に見ていく。つぎに、いままで実践されてきた主な英語教授法を紹介・検討したのち、発音、文法、読解、聴解、作文、会話など
の学習項目別に英語教授・学習法を分析していく。最後に、日本における英語教育・学習のあり方について議論する。毎回のテーマは
以下のとおり。
1 英語小史
2 英語の拡散と多様性
3 日本の英語教育・学習史1(幕末)
4 日本の英語教育・学習史2(明治)
5 日本の英語教育・学習史3(大正・昭和前期)
6 日本の英語教育・学習史4(昭和後期〜現在)
7 英語教授法1(文法・訳読式教授法ほか)
8 英語教授法2(The Silent Way ほか)
9 英語学習法1(発音)
10 英語学習法2(文法)
11 英語学習法3(読解)
12 英語学習法4(聴解)
13 英語学習法5(会話/作文)
14 英語学習法6(その他の独習法)
15 第二言語習得論再考
授業の方法:
まず講義形式で英語教育・学習の歴史、理論、事例を紹介したのち、それぞれの回のテーマについて議論をし、それについての理解
を深める。
成績評価方法:
出席状況、授業への取り組み、最終試験もしくはレポート(履修者の人数によってどちらかを決める)を総合的に見て評価する。
教科書:
プリントを使用する。
参考書:
授業中に指示する。
履修上の注意・備考:
配布されたプリントに基づいて予習をし、問題意識を持って授業に臨むこと。
教育職員免許法上の認定科目:
‐40‐
科目番号:0962412
担当教員:新藤浩伸
単位数:2
講義題目:博物館概論
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Introduction to Museum Studies
授業の目的・概要:
博物館に関する基礎的知識を理解し、専門性の基礎となる能力を養う。
博物館とはいかなる、何のための施設なのかについて、定義、歴史、国際比較等の多面的な視野から理解することを目標とする。
授業計画:
1.オリエンテーション
2.博物館学の目的・方法・構成
3.博物館学史
4.博物館の定義(類縁機関との違いを含む)
5.博物館の種類(館種、設置者別、法的区分等)
6.博物館の目的
7.博物館の機能
8.日本および諸外国の博物館の歴史 ①
9.日本および諸外国の博物館の歴史 ②
10.日本および諸外国の博物館の現状 ①
11.日本および諸外国の博物館の現状 ②
12.学芸員の役割(定義、役割、実態)①
13.学芸員の役割(定義、役割、実態)②
14.博物館関係法令
15.まとめ
授業の方法:
講義による。
成績評価方法:
試験(50%)および授業中に出す課題(50%)による。
教科書:
特に使用しない。
参考書:
福原義春編『地域に生きるミュージアム: 100 人で語るミュージアムの未来 II』現代企画室 、2013 年
ミヒャエル・パーモンティエ著、眞壁宏幹訳『ミュージアム・エデュケーション』慶應義塾大学出版会、2012 年
畑潤・草野滋之『表現・文化活動の社会教育学』学文社、2007 年
その他授業中に指示する。
履修上の注意・備考:
一口に博物館といっても館種も領域も多岐にわたるため、自分自身の専門領域を超えて幅広く関心を持ち、実際に様々な博物館に足
を運ぶことが望まれる。
教育職員免許法上の認定科目:
‐41‐
科目番号:0962413
担当教員:影浦峡,新藤浩伸
講義題目:図書館・博物館情報メディア論
単位数:2
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Infomation Media in Library and Museum
授業の目的・概要:
図書館や博物館における情報の意義と活用方法及び情報発信の課題等について理解し、業務に関する基礎的な情報技術を習得す
る。
授業計画:
1.オリエンテーション
2.データベースの仕組み
3.検索エンジンの仕組み
4.電子資料の管理技術
5.デジタルアーカイブ
6.最新の情報技術と図書館・博物館 (1)
7.最新の情報技術と図書館・博物館 (2)
8.図書館・博物館と知的財産
9.図書館・博物館における情報・メディアの意義 (1)
10.図書館・博物館における情報・メディアの意義 (2)
11.図書館・博物館における情報・メディアの理論
12.図書館・博物館における情報発信 (1)
13.図書館・博物館における情報発信 (2)
14.図書館・博物館における情報技術活用の現状
15.まとめ
授業の方法:
講義および演習による。
成績評価方法:
試験および授業中に出す課題による。
教科書:
特に指定なし。
参考書:
石川徹也・根本彰・吉見俊哉編『つながる図書館・博物館・文書館』東京大学出版会、2011 年
他は授業中に随時紹介する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐42‐
科目番号:0962414
担当教員:板東久美子
単位数:2
講義題目:生涯学習政策論
学期:夏・集中
授業科目:教育社会科学特殊講義
Study on Lifelong Learning Policy
授業の目的・概要:
授業の目標・概要:生涯学習に関わる政策の課題と可能性について、様々な領域や社会的課題を通じて多角的に考える。特に、学校
教育・社会教育・教育行政の身近な現場への訪問や、実際に取組を進めている文部科学省・地方自治体・教育機関・NPO等の関係
者から取組内容や課題について聞くなど、現場に即して課題と政策の在り方を考える。最後には、政策を企画する立場に立ってグル
ープ討議を行う。
授業計画:
① 学修の進め方についてのオリエンテーション、生涯学習政策の基本理念と枠組み
② 教育改革と生涯学習
③ 学校教育と生涯学習政策④ 社会教育と生涯学習政策
⑤ <実地調査①―大学(放送大学・夜間大学院など)>(大学の生涯学習機能)
⑥ 学校、家庭、地域の連携協働、「新しい公共」と生涯学習、
⑦ <実地調査②-小中学校> (地域とともにある学校)
⑧ ICTと生涯学習
⑨ 学習成果の評価・活用
⑩ 産業・雇用の変化と生涯学習
⑪ 超高齢社会と生涯学習
⑫ 実地調査③―自治体生涯学習担当部局、生涯学習施設>(生涯学習振興における行政・施設の役割)
⑬ 東日本大震災からの復興と生涯学習政策
⑭ 熟議(グループ討議)(生涯学習と社会の活性化)
⑮ 熟議結果の発表・討論、まとめ
授業の方法: 講義、実地調査、討議
成績評価方法: 課題レポートに、授業への積極的参加の状況を加味して評価
教科書: 教科書は無いが、参考資料の配布や紹介を行う
参考書: 下記に掲げる審議会等の答申・報告書(冊子やコピーの配布可能なものは当日配布、その他は文部科学省のホームページ
等を参照)のほか、適宜参考資料を紹介・配布
・臨時教育審議会第1次~第 4 次答申(昭和 60―62 年)の生涯学習関連部分
・「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」(平成 4 年 生涯学習審議会答申)
・「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策について」(平成 14 年 中央教育審議会答申)
・「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」(平成 20 年 中央教育審議会答申)
・「子どもの豊かな学びを創造し、地域の絆をつなぐ~地域とともにある学校づくりの推進方策~」(平成 23 年 学校運営の改善に関す
る調査研究協力者会議)
・「長寿社会における生涯学習の在り方について」(平成 24 年 超高齢社会における生涯学習の在り方に関する検討会)
・「つながりが創る豊かな家庭教育」(平成 24 年 家庭教育の推進に関する検討委員会)
・「日本再興戦略ーJAPAN IS BACK-」(平成 25 年 6 月 閣議決定)
・「第 2 期教育振興基本計画」(平成 25 年 6 月 閣議決定)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐43‐
科目番号:0962415
担当教員:三浦太郎
単位数:2
講義題目:図書館文化史
学期:冬
授業科目:教育社会科学特殊講義
Library and Cultural History
授業の目的・概要:
図書の保存・利用の場として,図書館は歴史的にどのように発展してきたのだろうか。本講義では,欧米や日本の図書館の歴史を中
心に論じる。
本を手にしたとき,ふと「これって,なんでこんな形なんだろう」と思ったり,近所の公共図書館で勉強していて,なんとなく「図書館っ
て,いつ頃からあるのか」と疑問に感じたことがあるかもしれない。この授業では,図書や図書館にまつわるいくつかのトピックを拾いな
がら,その成り立ちや移り変わりについて理解を深めることをねらいとする。なかでも「近代公共図書館」という考え方が誕生した背景
や,そうした考え方が日本に入ってきた経緯に焦点を合わせたい。
授業計画:
第1回
文字の誕生と古代アレクサンドリア図書館
第2回
中世修道院図書室と黙読文化
第3回
グーテンベルクの印刷革命
第4回
ドイツ図書館学思想の誕生
第5回
米国ソーシャル・ライブラリーの成立
第6回
米国パブリック・ライブラリーの成立
第7回
米国パブリック・ライブラリーの展開
第8回
イギリスのパブリック・ライブラリーの成立・展開
第9回
日本の公家文庫・僧侶文庫
第 10 回
江戸時代の文庫
第 11 回
明治時代の書籍館・通俗図書館
第 12 回
大正~昭和戦前期の図書館
第 13 回
戦後占領期の図書館改革
第 14 回
戦後の図書館発展の歩み
第 15 回
図書館史研究の手法
授業の方法:講義による。
成績評価方法:試験(80%)および課題レポート(20%)による。
教科書:小黒浩司編著『図書及び図書館史』JLA テキストシリーズ 3-11, 日本図書館協会, 2013 年.
参考書:根本彰編著『図書館情報学基礎』シリーズ図書館情報学 1, 東京大学出版会, 2013 年.
今まど子・高山正也編著『現代日本の図書館構想』勉誠出版, 2013 年.
岩猿敏生著『日本図書館史概説』日外アソシエーツ, 2007 年.
小川徹ほか著『公共図書館サービス・運動の歴史』(1)(2) 日本図書館協会, 2006 年.
Alistair Black ほか著『コミュニティのための図書館』東京大学出版会, 2004 年.
川崎良孝著『図書館の歴史:アメリカ編』増訂 2 版,日本図書館協会, 2003 年.
その他については,授業時間中に指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐44‐
科目番号:0962416
担当教員:金沢みどり
単位数:2
講義題目:読書教育論
学期:夏
授業科目:教育社会科学特殊講義
Reading Education
授業の目的・概要:
子どもにとって読書とは、豊かな感性や情操、思いやりの心などを育み、基礎学力を育てる上で、重要である。
公共図書館の児童サービスでは、保健所・保健センター、保育所、幼稚園、学校、子ども文庫などとの連携協力のもとに、地域社会の
子どもの読書生活がより豊かなものとなるように、読書支援に積極的に取り組んでいる。
本講義では、子どもの読書習慣の確立に向けた児童サービスの理念や取り組みについて講義する。また、近年の社会的な課題であ
る子育て支援も含めて、より広い社会的な視野から子どもや子どもを取り巻く環境についてとらえ、今後の動向も踏まえながら児童サ
ービスのあり方について、知見を深める。
授業計画:
1.児童サービスの意義と基本
2.児童サービスの対象者である子どもへの理解
3.児童の発達段階と資料の種類
4.児童サービスの資料と特徴(1) 絵本、フィクション
5.児童サービスの資料と特徴(2) ノンフィクション、知識の本、レファレンスブック、本以外の資料
6.児童サービスのためのコレクションの構築
7.児童サービスのための環境づくり
8.資料や情報の提供に関するサービス(1) 読書アドバイス、情報サービス、宿題支援
9.資料や情報の提供に関するサービス(2) 育児支援、乳幼児サービス、特別な支援を必要とする子どもへのサービス
10.児童と本を結びつける活動(1) お話し会のあり方、ストーリーテリング、読み聞かせ
11.児童と本を結びつける活動(2) ブックトーク、科学遊び
12.ヤングアダルトサービス
13.子どもの読書活動の推進とネットワーク
14.これからの児童サービスの活性化に向けて
15.児童サービスの評価
授業の方法:
講義による
成績評価方法:
試験(90%)および課題レポート(10%)による。ただし、レポート提出は必須。
教科書:
金沢みどり『児童サービス論』(ライブラリー図書館情報学 第 7 巻)学文社、2012 年。
参考書:
「シリーズ学校図書館学」編集委員会編『読書と豊かな人間性』(シリーズ学校図書館学 第 4 巻)
全国学校図書館協議会、2013 年第 2 刷。
金沢みどり『学校教育における図書館と情報教育』青山社、2008 年。
その他については授業時間中に提示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐45‐
科目番号:0962417
担当教員:下山晴彦,野崎大地,南風原 単位数:2
学期:夏
朝和,星加良司,川本隆史,能智正博,
仁平典宏,石丸径一郎
講義題目:バリア・スタディーズ
授業科目:教育社会科学特殊講義
Barrier Studies
授業の目的・概要:
人々は、社会生活をおくるにあたって様々な困難に遭遇する。中でも、障害者を含めて社会の中で周縁的な位置に置かれているマイノ
リティの人々にとって、建築物や社会制度や文化価値それ自体が、構造的なバリアを構成していることが多い。
バリア研究は、こうした物理的・社会的・文化的バリアを抽出し、記述し、知識を集積することで、そうしたバリアを乗り越える方策を探る
ものである。
本講義は、幅広い専門性を持つ教員による講義を通じて、バリアについて多角的に把握するための視点と道具を提供することを目的
とする。
授業計画:
第 1 回: オリエンテーション
第 2 回: 「バリア」の認識論(星加)
第 3 回: 社会現象としての障害(星加)
第 4 回: 障害によって明らかにされた脳の働き(野崎)
第 5 回: 障害を科学の力で克服する試み(野崎)
第 6 回: 障害者の語り(能智)
第 7 回: 当事者研究の可能性(熊谷)
第 8 回: 3・11 の問題系と障害(仁平)
第 9 回: 性的マイノリティのバリアフリー(石丸)
第 10 回: 精神障害の診断分類の相対性(下山)
第 11 回: 教育評価におけるバリアフリー(南風原)
第 12 回: 障碍・依存・ケア(川本)
第 13 回: 総括
授業の方法:
オムニバス形式の講義を行う。
成績評価方法:
受講生の積極的な授業参加による貢献を重視する。
すなわち討論における課題提起や、随時課されるエッセイ等の提出基づいて、総合評価を行う。
教科書:
特になし
参考書:
授業時に指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐46‐
科目番号:0962418
担当教員:牧野篤
単位数:2
講義題目:高齢化社会のリ・デザイン
学期:冬
授業科目:教育社会科学特殊講義
Re-designing of Aged Society
授業の目的・概要:
本授業は東京大学高齢社会総合研究機構の学部横断型教育プログラム「ジェロントロジー」授業の必修科目2として、教育学研究科・
教育学部との共催によって開講する。「ジェロントロジー」とは、高齢者や高齢社会の諸問題を解決するために生まれた学際的学問の
ことであり、医学、看護学、理学、工学、法学、経済学、社会学、心理学、倫理学、教育学などの幅広い領域を含んでいる。
2013 年に4人に1人が 65 歳以上という超高齢社会を迎えた日本では、専門分化した学問だけでは対応が難しい複雑な問題が生じて
きている。しかも今後、2040 年頃には高齢化率は約 4 割となり、総人口も 1 億人を下回ることが予測されている。その上、2060 年頃に
は、総人口が 8500 万人、そのうちの 1 割の人が要介護者となるとされる。ジェロントロジーを学ぶことは、この社会の構造的な変化を
学ぶことであり、将来どの専門領域に進む上でも非常に有用であると思われる。多くの学生の出席を期待したい。
授業計画:
以下の内容を予定している(担当者によって変更の可能性あり)
・
第1回 導入・高齢社会と生涯学習
・
第2回 高齢化の人口学
・
第3回 人口減少社会における年金と社会保障財政
・
第4回 超高齢社会の社会政策年齢に基づく雇用システムと高齢者雇用
・
第5回 超高齢社会の都市計画・まちづくり
・
第6回 生涯現役社会とは
・
第7回 高齢者の移動を支える
・
第8回 高齢者と法:自己決定と本人保護
・
第9回 超高齢社会のソーシャルワーク
・
第10回 家族介護・施設介護の臨床:臨床を対象とする社会学
・
第11回 高齢者を地域で支える:地域包括ケア
・
第12回 21 世紀の医療・介護・福祉のかたちを考える
・
第13回 高齢社会のコミュニティを支える市民社会組織のまちづくり
・
第14回 総合討議 教員と学生のディスカッション
授業の方法:
講義形式。講義ごとにそれぞれの専門家によって講述されるオムニバス形式をとる。
成績評価方法:
最終回にレポートを課すとともに、出席など履修状況を加味する。
教科書:
牧野篤『シニア世代の学びと社会』(勁草書房)
参考書:
適宜紹介する
履修上の注意・備考:
新しい学問分野をひらく科目でもあるので、つねに社会の動きに関心を持ちつつ、積極的に参加して欲しい。
具体的な疑問についての問い合わせは、東大高齢社会総合研究機構事務室へ。
教育職員免許法上の認定科目:
‐47‐
教育社会科学専修
比較教育社会学コース
科目番号:0963101
担当教員:本田由紀
単位数:2
講義題目:教育社会学概論
学期:夏
授業科目:比較教育社会学概論
Introduction to the Sociology of Education
授業の目的・概要:
教育現象を社会学的に捉えるとは、どういうことか。なぜそれが必要なのか。現在の教育はいかなる状況にあるのか。この概論では、
教育を対象とする社会学の基本的な理論や概念、実証的知見を学ぶことを通じて、教育をめぐって我々が直面している課題を理解す
ることを目的とする。
授業計画:
【パート1:教育社会学という学問】
◆第1回 シラバスの説明、社会学的な見方の特徴
[Keywords-社会化、コミュニケーション、規範、集団、実証性]
◆第2回 近代社会と教育社会学
[Keywords-近代化、メリトクラシー、機能主義、葛藤理論、新しい教育社会学]
◆第3回 日本の教育社会学の流れ
[Keywords-学歴社会]
【パート2:学校の存立構造】
◆第4回 学校の構造特性
[Keywords-全制的施設、トラッキング、かくれたカリキュラム、正当化]
◆第5回 教師という職業
[Keywords-専門職性、同僚性、バーンアウト]
◆第6回 生徒間の関係性
[Keywords-スクールカースト、キャラ、いじめ、社会関係資本、ハイパー・メリトクラシー]
◆第7回 試験・競争・選抜
[Keywords-受験競争、学歴社会、加熱・冷却]
【パート3:学校とその外部】
◆第8回 家族における教育
[Keywords-文化資本、ペアレントクラシー、相互作用 Keyperson-ブルデュー、バーンスタイン]
◆第9回 学校と仕事の接続
[Keywords-学校経由の就職、新卒一括採用、フリーター]
◆第 10 回 政治と教育改革
[Keywords-権力、官僚制、市場、ネオリベラリズム、教育改革]
◆第 11 回 サブカルチャー・ストリート・逸脱
[Keywords-トライブ Keyperson-宮台真司]
【パート4:教育社会学のフロンティア】
◆第 12 回 格差・貧困と教育
[Keywords-不平等、インセンティブ・ディバイド、教育費]
◆第 13 回 教育のレリバンス
[Keywords-シティズンシップ教育、職業教育、労働法教育]
◆第 14 回 ダイバーシティと教育
[Keywords-ジェンダー、グローバル化、移民、多文化共生社会]
‐48‐
◆第 15 回 ポスト近代社会と教育
[Keywords-個人化、再帰性 Keyperson-ギデンズ、ベック、バウマン]
授業の方法:
各回の授業までに、指定された文献を読み、講読票に概要とコメントを記入してきてもらう。それを前提にして、授業は議論と講義を組
み合わせた形で行う。授業では挙手ないし指名によりできるだけ学生からの意見を募る。
成績評価方法:
毎回の授業の最後に出欠確認を兼ねて学生は講読票を提出する(翌週返却する)。また、学期の中ほどで中間レポートを、学期末に
期末レポートの提出を求める。成績は講読票:中間レポート:期末レポート=20:30:50 の比で評価する。
教科書:
各回の授業における2本ずつの講読文献を初回の授業で指示する。
参考書:
各回の授業に関連する参考文献を毎回の授業で提示する。
履修上の注意・備考:
教養学部で開講されている「教育・文化・社会」を事前に履修していることが望ましい。
教育社会学の基本的な考え方、主な理論、分析方法、分析対象について広く理解することができる内容であるため、教職のみならず
教育行政や教育関連産業で将来仕事をしようと考えている者にとっては必須の内容である。
また、学術論文に対して主体的な批評眼を持ちながら読むこと、その上で自らの考えをまとめることについての基礎的な訓練となるた
め、幅広い研究や仕事の分野に応用可能な思考力を形成できる。
教育職員免許法上の認定科目:※4 参照
‐49‐
科目番号:0963102
担当教員:橋本鉱市
単位数:2
講義題目:高等教育概論
学期:冬
授業科目:比較教育社会学概論
Introduction to Higher Education Studies
授業の目的・概要:
今日の高度知識基盤社会にあって、高等教育が果たす役割と意味はきわめて大きなものになってきている。高等教育はどこから来
て、どのような状況にあり、将来どこに向かおうとしているのか。
この授業では、近代大学の誕生から産業化に伴う発展と分化、現状とその課題、さらに今後の変容と展望までを視野に入れつつ、高
等教育が担う機能、構造、政策、歴史などを扱う。具体的には国内外の高等教育がもつ「歴史・理念」、「政策・政治」、「制度・組織」、
「管理・運営」、「財政・財務」、「構成員(教職員・学生)」といった諸側面を政策科学的なアプローチから考察して、高等教育全般にわた
る広い視座と方法論を涵養する。
授業計画:
第 1 回 イントロダクション:高等教育の概観・講義内容の説明
第 2 回 歴史・理念 1
第 3 回 歴史・理念 2
第 4 回 政策・政治 1
第 5 回 政策・政治 2
第 6 回 制度・組織 1
第 7 回 制度・組織 2
第 8 回 管理・運営 1
第 9 回 管理・運営 2
第 10 回 財政・財務
第 11 回 構成員(教職員・学生) 1
第 12 回 構成員(教職員・学生) 2
第 13 回 構成員(教職員・学生) 3
第 14 回 現状と課題
第 15 回 総括・討論
授業の方法:
講義形式を基本とするが(毎回、ハンドアウトならびにパワーポイントなどでの解説)、随時、リアクションペーパー、グループ・ディスカッ
ション、フィールド調査などの形態も織り込みつつ進める。
成績評価方法:
授業への参加度(30%)、レポート(20%)、最終試験(50%)
なお、「優上・優」は受講生の3割までとする厳格な評価方法を採る。
教科書:
リーディングスはコピーなどを用意する。随時指定。
参考書:
リーディングスはコピーなどを用意する。随時指定。
履修上の注意・備考:
「優上・優」は受講生の3割までとする厳格な評価方法を採る。
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐50‐
科目番号:0963103
担当教員:恒吉僚子
単位数:2
講義題目:比較教育学概論
学期:冬
授業科目:比較教育社会学概論
Introduction to Comparative Education
授業の目的・概要:
本講義では、国や地域間の比較、一定社会内の異なる文化集団間(例 民族集団間)の比較を行ないながら、多くの文化が共生して
いる、グローバルな時代における教育のあり方について社会学的に考察する。諸外国の教育システムの類型化、外国の教育モデルを
借用した教育改革が持つ課題や特徴(例 アメリカの教育モデルを日本に適用した例)、諸外国の教育政策の国際比較等のマクロなレ
ベルでの分析と共に、授業ビデオの国際比較や海外の学校の映像の分析等、ミクロなレベルでの考察も行なう。日本を軸にして考え
ていく。
(講義の中心的テーマ)
(1)国境や文化を越えた問題を理解していくための基礎概念や基礎用語の整理(例 エスニシティ、アイデンティティ、グローバリゼー
ション)とそれを具体的な社会事象や教育実践の分析に応用することによって新たな視点から社会や教育を理解すること。
(2)日本型教育システム、東アジア型の教育等に触れながら、国際的に見た日本の教育の特徴や課題について考えること。
(3)学校や教室がどのような場であるのか、各国での教育実践の理念や系譜について、授業映像等を用いて分析すること。
なおこの授業科目は、教職課程の「教科に関する科目((社)地理学、(公)社会学)」に該当する。
授業計画:
講義1 講義方針の説明と導入
比較教育学とは。対象、領域の説明。
講義2 教育の比較研究を考える
教育とは何か?学校とは何か?比較する意味は?授業、教科書、カリキュラムの比較研究。
基礎概念(例 社会化、潜在的カリキュラム)の整理。
講義3 教科書分析
地域研究と比較教育学。教科書を例にした考察。教科書制度。アメリカを例にした教科書の変遷(人種、ジェンダー、階層)。
関連した基礎概念(例 ステレオタイプ)の考察。
講義 4
教育実践の比較研究
グローバル化、多文化化に向けた教育実践。多文化教育。ビデオ。
講義5 日本の教育の多文化化:現象
講義6 日本の教育の多文化化:実践
日本の中の文化的マイノリティと日本版多文化教育
講義7:日本型教育モデル (ビデオ使用)
講義8:日本型授業:授業比較(ビデオ使用)
講義9:国際モデルとしての日本型教育モデル
講義 10:世界の教育改革:多文化共生視点
講義 11:世界の教育改革:国際化手段としての英語の使用
講義 12:世界の教育改革:市場型改革の論理
講義 13:比較教育学から学校改革を考える
講義 14:比較教育学から大学改革を考える
講義 15:まとめ
‐51‐
授業の方法:
講義を中心としながら配布物、映像等を使って講義で考えていく。
成績評価方法:
講義の中での課題と学期末レポート (第一回講義で説明する)
教科書:
特になし。配布物あり。
参考書:
恒吉僚子『子どもたちの三つの「危機」―国際比較から見る日本の模索』勁草書房、『人間形成の日米比較』中公新書。他随時指定。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)地理学(地誌を含む),(公)社会学
‐52‐
科目番号:0963201
担当教員:中村高康、仁平典宏、藤原翔 単位数:2
講義題目:教育社会学調査実習 I
学期:夏
授業科目:比較教育社会学基礎演習
Training in Research Methods for the Sociology of Education I
授業の目的・概要:
この演習では、「教育社会学調査実習 II~IV」、および「教育調査分析法」と一体となって、教育を中心テーマに、社会調査の手法を実
習を通して学習することを目的とする。とくに、「教育社会学調査実習 I」では、「教育社会学調査実習 III、IV」で行う調査実習で必要とさ
れる知識として、社会調査に関する基本的な考え方、量的調査や質的調査などの社会調査の方法、資料やデータの蒐集から分析ま
での諸過程、質問文の作り方などについて、テキストを用いて学習する。この実習を通じて、社会学的な認識のしかた、問題構成の方
法、社会的現実の記述と分析の方法について学んで欲しい。
授業計画:
1 ガイダンス。 研究の進め方、文献の探し方、調査倫理について。
2 文献講読。社会調査の歴史。社会調査の目的、調査の種類と実例、量的調査と質的調査、統計的調査と事例研究法。
3 文献講読。調査の目的に応じた調査方法の選び方。標本調査の特徴。
4 文献講読。先行研究・先行調査などの探し方。
5 文献講読。社会学の理論と検証。理論仮説ー作業仮説ー検証。
6 文献講読。社会調査の目的。仮説ー質問項目。
7 調査対象訪問。
8 対象訪問で考えたことの報告(調査倫理含む)
9 文献講読。変数のしくみ。データのしくみ。変数の合成のしかた。
10 文献講読。質問紙のしくみ。11 文献講読。ワーディングの注意点。
12 調査対象に関する既存資料・官庁統計などについての報告。
13 研究トピック別に 3 班に分かれて討議(「社会調査とプライバシー」等)
14 同上
15 文献講読。今後の調査の流れについて留意点、課題、作業について説明。
授業の方法:
演習
成績評価方法:
平常点
教科書:
参考書:
『知的複眼思考法』(苅谷剛彦著 講談社 1996 年)『社会調査法入門』(盛山和夫著 有斐閣 2004 年)
『入門・社会調査法』(轟亮・杉野勇編 法律文化社 2010 年)を参考図書とする。
履修上の注意・備考:
コース学生のみ履修可
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐53‐
科目番号:0963202
担当教員:中村高康、仁平典宏、藤原翔 単位数:2
講義題目:教育社会学調査実習 III
学期:夏
授業科目:比較教育社会学基礎演習
Training in Research Methods for the Sociology of Education III
授業の目的・概要:
この演習では、「教育社会学調査実習 I、II、IV」、および「教育調査分析法」と一体となって、教育を中心テーマに、社会調査の手法を実
習を通して学習することを目的とする。とくに、「教育社会学調査実習 III」では、「教育社会学調査実習 IV」で行う質問紙調査の準備段
階として、調査の企画、仮説構成、調査項目の設定、質問文・質問紙の作成、対象者・地域の選定などの作業を行う。
授業計画:
4~5 月:文献講読(実証研究、社会学の考え方、質問紙の作り方・ワーディング・変数のしくみ)、調査の企画、見本となる研究例や先
行研究の検討。
6 月前半:調査対象訪問とフィールドワークの報告。
6 月後半~7 月:仮説構成、質問項目づくり、ワーディング。
授業の方法:
1.調査のテーマ/領域:
中学校の生活と学習に関する調査
2.調査の内容/概要:
東京では国・私立中学や公立中高一貫校を目指す動きが目立ち、その一方で公立中学校にも学校選択制が導入されるなど従来と
はまったく違った状況の中で、公立中学校のあり方自体が問われる時代となっている。この調査実習では、学校自身が本来実施予
定であった学校評価調査を一部代行する形で、公立中学校の学校評価と大学の調査実習のコラボレートを意図したアンケート調査
を実施することで、こうした実態を学生自らがとらえることを目標とする。
3.調査の範囲/対象:
東京都 X 区立中学校生徒および保護者全員
4.主な調査項目:
友人関係、家庭での過ごし方、学校観、授業に対する姿勢、遊び、生活意識、通塾、受験、地域交流など
5.データ収集(現地調査)の方法:
質問紙調査
6.調査の実施時期・調査地・調査員の数:
2014 年 10~11 月・東京都 X 区・区立中学校生徒および保護者全員を対象とする、学校通しの悉皆調査
7.調査における学生のかかわり/役割:
受講学生一人ひとりが社会学的な仮説を立て、その検証に必要な質問をつくり、データ収集後は、コーディング作業、集計表の作
成、分析、考察、レポートの作成まで行う。
成績評価方法:
平常点
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
コース学生のみ履修可
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐54‐
科目番号:0963203
担当教員:中村高康、仁平典宏、藤原翔 単位数:2
講義題目:教育社会学調査実習 II
学期:冬
授業科目:比較教育社会学基礎演習
Training in Research Methods for the Sociology of Education II
授業の目的・概要:
この演習では、「教育社会学調査実習 I、III、IV」、および「教育調査分析法」と一体となって、教育を中心テーマに、社会調査の手法を
実習を通して学習することを目的とする。とくに、「教育社会学調査実習 II」では、「教育社会学調査実習 IV」で行う質問紙調査の分析に
必要とされる知識として、サンプリングの方法、調査の実施方法、調査データの整理、統計の基礎知識や諸分析方法、統計ソフトの使
用方法などについて、テキスト等を用いて学習する。この実習を通して、社会学的な調査の方法と考え方を体得することをめざす。この
実習を通じて、社会学的な認識のしかた、問題構成の方法、社会的現実の記述と分析の方法について学んで欲しい。
授業計画:
1 文献講読。全数調査と標本調査、サンプリングの諸方法。本調査サンプルの特徴と留意点。
2 調査の実施方法に関する説明。
調査対象への質問紙の発送・回収作業、質問紙に添付する、説明や依頼や調査実施方法に関する書類の書き方。
3 分析で主として用いる統計に関する確認の講義。(基礎統計量、クロス分析。エラボレーションなどの研究モデル。)
4 分析で用いる統計ソフト SPSS に関する講義。(データファイルのしくみ。基礎的な記述統計分析。変数の加工方法。)
5 調査データの整理方法に関する講義。(エディティング、コーディング、変数リストのしくみ、コーディングマニュアルの作り方。)
6 エディティング、コーディング作業。同上
7 エディティング、コーディング作業。
8 調査データの整理方法に関する講義(1)。(回答状況に基づく新変数の作成。自由記述の処理。)
9 調査データの整理方法に関する講義(2)。(データクリーニングについて。)
10 調査データの整理方法に関する講義(3)。(基礎集計表の作成方法)
11 受講者全員で、基礎集計表に基づく、データの特徴に関する検討。
12 調査実施過程全般で気づいた問題点の報告と検討。
13 同上。
14 報告書を作成する際の留意点について。
15 担当教員、TA からデータ分析に関する個別指導。
授業の方法:
演習
成績評価方法:
平常点
教科書:
『社会調査法入門』(盛山和夫 有斐閣 2004 年)
『社会調査ゼミナール』(新睦人・盛山和夫著 有斐閣 2008 年)
『入門・社会調査法』(轟亮・杉野勇編 法律文化社 2010 年)
参考書:
履修上の注意・備考:
コース学生のみ履修可
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐55‐
科目番号:0963204
担当教員:中村高康、仁平典宏、藤原翔 単位数:2
講義題目:教育社会学調査実習Ⅳ
学期:冬
授業科目:比較教育社会学基礎演習
Training in Research Methods for the Sociology of Education IV
授業の目的・概要:
この演習では、「教育社会学調査実習 I~III」、および「教育調査分析法」と一体となって、教育を中心テーマに、社会調査の手法を実習
を通して学習することを目的とする。とくに「教育社会学調査実習 IV」では、「教育社会学調査実習 III」を受けて、質問文・質問紙の画
定、サンプリング、質問紙調査の実施、エディティング、集計、分析、仮説検証、報告書の作成を行う。この実習を通して、社会学的な
調査の方法と考え方を体得することをめざす。
授業計画:
10 月:質問紙原案の確定作業、調査対象の責任者のチェックとそれをふまえての修正、質問紙最終稿の確定とレイアウトを含めた質
問紙作成作業、質問紙発送作業。
11~12 月:統計ソフト操作実習。変数リスト、コーディングマニュアル作成作業、エディティング、コーディング作業。
1~2 月:データクリーニング作業、集計表作成作業、データ分析作業と中間報告と検討、レポート作成。
授業の方法:
1.調査のテーマ/領域:
中学校の生活と学習に関する調査
2.調査の内容/概要:
東京では国・私立中学や公立中高一貫校を目指す動きが目立ち、その一方で公立中学校にも学校選択制が導入されるなど従来と
はまったく違った状況の中で、公立中学校のあり方自体が問われる時代となっている。この調査実習では、学校自身が本来実施予
定であった学校評価調査を一部代行する形で、公立中学校の学校評価と大学の調査実習のコラボレートを意図したアンケート調査
を実施することで、こうした実態を学生自らがとらえることを目標とする。
3.調査の範囲/対象:
東京都 X 区立中学校生徒および保護者全員
4.主な調査項目:
家庭での過ごし方、学校観、授業に対する姿勢、遊び、生活意識、通塾、受験、地域交流など
5.データ収集(現地調査)の方法:
質問紙調査
6.調査の実施時期・調査地・調査員の数:
2014 年 10~11 月・東京都 X 区・区立中学校生徒および保護者全員を対象とする、学校通しの悉皆調査
7.調査における学生のかかわり/役割:
受講学生一人ひとりが社会学的な仮説を立て、その検証に必要な質問をつくり、データ収集後は、コーディング作業、集計表の作
成、分析、考察、レポートの作成まで行う。
成績評価方法:
平常点 最終レポート
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
コース学生のみ履修可
教育職員免許法上の認定科目:(社)社会学,(公)社会学
‐56‐
科目番号:0963205
担当教員:全教員
単位数:2
講義題目:比較教育社会学論文指導
学期:通年
授業科目:比較教育社会学基礎演習
Dissertation Research in the Sociology of Education, Comparative Education, and Higher Education
授業の目的・概要:
このゼミは、本コース所属の教員がそれぞれ担当する、論文執筆のための研究指導を目的とした演習である。学部の授業として開講
しているが、学部学生と修士課程の大学院生を中心に、学生・院生間の議論と相互交流の場となることをめざす。そのため、コース所
属の学部学生のみならず、修士課程の学生の履修も期待している。
ゼミの進め方については各教員の判断に任されるが、基本的には、担当する各教員の指導のもと、参加者それぞれの学問的関心を
拡張・深化させ、卒業論文や修士論文の準備に向け、各自の研究を促すことを目的とする。必修としての指定は行わないが、学士課
程・修士課程を貫く本コースの中核的な演習として、学部3,4年次、および修士課程1,2年次の履修を期待する。
なお、以上に述べた授業の性格により、他コースの学生・院生の履修は、原則として認めない。
授業計画:
各教員が第一回ゼミに説明する。
授業の方法:
各教員による。
成績評価方法:
研究計画、発表等による。
教科書:各教員による。
参考書:随時指定。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
科目番号:0963501
担当教員:全教員
単位数:2
講義題目:比較教育社会学研究指導
学期:通年
授業科目:比較教育社会学研究指導
Tutorial in Sociology of Education, Comparative Education and Higher Education
授業の目的・概要:
比較教育社会学コースの4年次に在籍し、卒業論文を執筆しようとする学生の必修科目である。卒業論文の執筆・完成に向けて、論文
のテーマ、構成、内容を各自が発表し、それについて全員が参加して議論する。また、必要に応じて、所定の時間以外に集中して行う
場合もあるので、受講者は掲示ないし教員の指示に留意すること。
授業計画:
詳しくは各教員の第一回ゼミで説明する。
授業の方法:
各教員による。
成績評価方法:
研究計画、発表等による。
教科書:各教員による。
参考書:随時指定。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐57‐
教育社会科学専修
教育実践・政策学コース
科目番号:0964101
担当教員:牧野篤
単位数:2
講義題目:社会教育論 II
学期:夏
授業科目:教育実践・政策学概論
Theories of Adult Education II
授業の目的・概要:
社会教育・生涯学習を学ぶ上で課題となる「人はいかに生きるのか」というテーマをその基礎にある自己認識のあり方に焦点を当て
て、考察する。そこでは、「ことば」とは何か、人が人として生きることの基礎、人が自らを語るとはどういうことなのか、が基本的に問わ
れることとなる。それはまた、教育という場面における「対話」とは何かを問うことにつながる。
受講者自身が、学ぶ人としての自己を見つめ、教育や学習とは何であるのかを考える各自の視点を作り出すことを目的とする。
授業計画:
概ね、以下のような内容から構成される。
1.「ことば」とはなにか
2.「ことば」で語るということ
3.市場社会と他者の存在
4.学校がつくりだす承認関係
5.自立した個人という幻想
6.この社会で生きるということ
7.「社会」の構造
8.「社会」と「国家」
9.意味を問わざるを得ない私たち
10.自分語りと「対話」
11.「対話」と相互承認関係
12.意味ではなく、承認を
13.所与ではなく、生成としての自己へ
14.「学び」とわたし・わたしたち
15.存在としての「学び」
授業の方法:
講義形式とする。
成績評価方法:
適宜レポートを課す。
教科書:
牧野篤『認められたい欲望と過剰な自己語りーそして居合わせた他者・過去とともにある私へ』(東京大学出版会)を用いる。
参考書:
履修上の注意・備考:
人そのものや学びに強い関心をもって授業に臨んで欲しい。
教育職員免許法上の認定科目:
‐58‐
科目番号:0964102
担当教員:浅井幸子
単位数:2
講義題目:教職論
学期:冬
授業科目:教育実践・政策学概論
Introduction to Research on Teacher Development
授業の目的・概要:
教師の仕事に多様な側面からアプローチし、その複雑な構造を理解する。とりわけ教師の仕事の中心である授業の経験に焦点をあて
る。教員免許の取得を目指す履修者には、進路選択を考えるための知識と情報を提供する。
授業計画:
授業の流れは以下のように予定している。各回のトピックは授業の進行の状況に従って変更することもある。
1回 オリエンテーション
2回 教師の仕事
3回 教師のキャリア
4回 近代学校と教職の成立
5回 歴史の中の教師
6回 歴史の中の女性教師
7回 授業をつくる
8回 授業における知識と思考
9回 授業研究と研修
10回 反省的実践家としての教師
11回 教師文化の構造
12回 教師の仕事とジェンダー
13回 教師の同僚性
14回 専門職としての教師
15回 まとめ
授業の方法:
講義を中心に、具体的な課題に即したグループディスカッションを行う。
成績評価方法:
課題レポート(複数回)で評価する。
教科書:
特になし。
参考書:
秋田喜代美、佐藤学編著『新しい時代の教職入門』有斐閣、2006 年。
そのほか、授業中に適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
特になし。
教育職員免許法上の認定科目:※1 参照
‐59‐
科目番号:0964103
担当教員:浅井幸子,北村友人
講義題目:学校教育学概論
単位数:2
学期:夏
授業科目:教育実践・政策学概論
An introduction to Study on School Education
授業の目的・概要:
[授業の目標]
「学校教育」を問う視点を多様化させ、「学校教育」をめぐる問題の多様性と複雑性を理解する。
[授業の概要]
日本の学校教育は改革のうねりの中にある。学校教育は現代社会のさまざまな問題を映しだす鏡であると同時に、これからの社会
を変える大きな鍵でもある。学校教育の課題や展望を追究することは人間が学ぶことや生きることの問い直しにつながる。
このような問題意識にたち、本授業では、学校教育とはどのような事象であるのか、歴史、文化、制度、社会、心理などの多様な側面
からとらえ、議論する。また、子ども、教師、社会や政策決定者が学校教育をめぐってどのような経験をしているのかについて検討し、
当事者の視点からどのように描くことができるかを検討する。その際、国際的な視点も踏まえながら、国内の学校教育の諸課題を考え
ていきたい。
授業計画:
第 1 回 ガイダンス
第 2 回 幼稚園の誕生
第3回 幼稚園と保育園
第 4 回 学校教育と保育
第 5 回 子どもという存在
第 6 回 子どもの声を聴く
第 7 回 子どもの権利
第 8 回 グローバル化時代の学校教育
第 9 回 国際理解と平和のための教育
第 10 回 途上国の教育開発
第 11 回 持続可能な開発のための教育(ESD)
第 12 回 海外の教育実践
第 13 回 市民性教育の実践
授業の方法:
第1回は全体でガイダンスを行う。
第2回以降は、授業は、2名の担当者が、それぞれの専門の立場から学校教育について講じる。映像や画像、文献、資料などを用い、
受講生間の問題の共有と焦点化を図り、議論を深めていく。
成績評価方法:授業への参加状況とレポートの提出状況によって総合的に評価する。
教科書:指定しない。
参考書:
佐藤学・澤野由紀子・北村友人編(2009)『揺れる世界の学力マップ』明石書店
阿部治・田中治彦編(2012)『アジア・太平洋地域の ESD〈持続可能な開発のための教育〉の新展開』明石書店
秋田喜代美・佐藤学(編著)(2006)『新しい時代の教職入門』有斐閣
秋田喜代美・藤江康彦(2010)『授業研究と学習過程』放送大学教育振興会
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐60‐
科目番号:0964104
担当教員:影浦峡
単位数:2
講義題目:情報資料論
学期:夏
授業科目:教育実践・政策学概論
Information Media
授業の目的・概要:
私たちのまわりを取り巻く情報は「情報」として抽象的に存在しているのではなく、広い意味での「モノ」としての媒体を通じて具体的に
(つまり「情報資料」として)存在しています。
本講義では、学習基盤・情報社会基盤としての情報資料をめぐって、情報基盤としての図書館が扱ってきた、あるいは扱うと主張する
「資料」の範囲を暫定的な出発点とし、そのうちの主だったものについて、物質的観点、媒体の構造、社会的機能、生産流通上の特色
等の諸観点から整理するとともに、情報資料世界の構造を整理します。
成績評価は、(a) 数回の小テスト、(b) 電子ブックや携帯読書端末などの新たな動向をめぐる短い情報を英語から翻訳し紹介する課
題、によって行なう予定です。
本講義は、司書資格科目「必修」の「図書館資料論」2単位に相当します。
授業計画:
第 1 講 全体の概要説明
第 2 講 外から見ることと中から見ること
第 3 講 情報・資料の分布と濃度・密度
第 4 講~第5講 本の特性と分布
第 6 講~第8講 印刷出版の特性とメカニズム
第9講 印刷出版の周辺
第 10 講 図書館と印刷出版
第11講~第12講 新しい展開(1):インターネットなど
第13講~第14講 電子出版と携帯読書端末
第15講 全体のまとめ
授業の方法:
講義と演習。
成績評価方法:
授業への参加度と演習。
教科書:
使わない。
参考書:
授業時に紹介する。
履修上の注意・備考:
出席する場合は、それなりに積極的に授業に参加すること。
教育職員免許法上の認定科目:
‐61‐
科目番号:0964201
担当教員:大桃敏行,勝野正章,
単位数:2
学期:冬
村上祐介
講義題目:教育行政調査演習 IV
授業科目:教育実践・政策学基礎演習
Seminar in Field Research on Educational Administration IV
授業の目的・概要:
自治体や学校をフィールドとして実際の調査を通じて教育政策の課題、教育行政や学校の改革動態について理解を深めることを目標
とする。テーマや調査対象は参加者の討議により自主的に決定する。調査結果を報告書にまとめる。本演習は原則として教育行政調
査演習Ⅲとあわせて履修する。
授業計画:
テーマの設定、先行研究の検討、実地調査、小グループ並びに全体での討議、報告書の作成。
授業の方法:
大学での討議と実地調査を組み合わせて行う。
時間割上に設定された時間以外に調査に出かける場合も生じることに留意してほしい。
成績評価方法:
出席と報告書の執筆による。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
設定したテーマにあわせて授業で指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐62‐
科目番号:0964202
担当教員:牧野篤,李正連,新藤浩伸
講義題目:社会教育学演習 III
単位数:2
学期:夏
授業科目:教育実践・政策学基礎演習
Seminar in Adult and Lifelong Education III
授業の目的・概要:
社会教育・生涯学習を専門的に学ぼうとする受講者に、教育や学びが広く人が社会の中で生きようとすることに深く関わるものである
ことを理解してもらうために、社会的な課題に関わるトピックスや議論を取り上げて、文献を検討するとともに、地域の住民アクターとの
かかわりを通して、地域社会で人が生きることとその課題を体験的に考察することを目的とする。
文献講読を基本として、社会への目を養いつつ、地域社会における調査実習を行い、報告書をまとめ、さらにそれを地域社会へと還
元する取り組みを行う。本演習は、社会教育学演習Ⅱと連続的に扱う。
授業計画:
本演習は住民アクターとのかかわりを通して、人々の活動に関与しつつ学び、報告書をまとめるとともに、それを関係者に還元して、
交流するために、演習ⅢとⅣとを連続として扱う。
本演習Ⅲでは、地域社会への調査に先立って、今日の日本の地域社会が抱える諸課題をとらえるために、関連文献の講読を進める
とともに、前年度の報告書の読み合わせを行う。取り扱う文献は、グローバル化の進展にともなう雇用構造の変化、少子高齢化がもた
らす社会構造の変化、過疎化・高齢化に悩む地域社会のありよう、「無縁社会」と呼ばれる社会の出現、さらにこれらの社会にあって進
められる「定常型社会」など新たな社会のあり方の模索など関するものであり、それらを教育と学習という実践の場においてどう受け止
めるのかを考える。
その上で、夏期休業中に長野県飯田市他での調査実習を予定している。参加を前提に受講して欲しい。
授業の方法:
演習形式とし、受講者の積極的な発言を期待する。
実習の後には、報告書の作成を進めるため、自覚的な探求的態度で臨むことが求められる。
成績評価方法:
授業への参加と報告書の執筆にもとづき評価する。
教科書:
参考書:
適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
演習であるため、積極的な参加が求められる。
また、実習や報告書の作成など、探求し、それをまとめ上げる研究的な態度が求められるので、そのつもりで臨んで欲しい。
演習Ⅲ・演習Ⅳに分割しての受講は妨げないが、授業計画に書いたように、演習ⅢとⅣとを連続的に扱うので、通年での受講を求め
たい。
教育職員免許法上の認定科目:
‐63‐
科目番号:0964203
担当教員:斎藤兆史,藤江康彦
講義題目:学校教育学演習
単位数:2
学期:冬
授業科目:教育実践・政策学基礎演習
Seminar in Study on School Education
授業の目的・概要:
「学校教育」をめぐる問題の多様性と複雑性を個々の事例や実践例に即して議論する。
日本の学校教育は改革のうねりの中にある。学校教育は現代社会のさまざまな問題を映し出す鏡であると同時に、これからの社会
を変える大きな鍵でもある。学校教育の課題や展望を追究することは、人間が学ぶことや生きることの問い直しにつながる。
このような問題意識にたち、本授業では、学校教育とはどのような事象であるのか、歴史、文化、制度、社会、心理などの多様な側面
からとらえ、とくに日本の学校における個々の事例や実践例に即して議論する。また、子ども、教師、社会や政策決定者が学校教育を
めぐってどのような経験をしているのかについて検討し、当事者の視点からどのように描くことができるかを探究する。
授業計画:
第1回 ガイダンス
第2回 教師の仕事の特徴
第3回 生徒指導と学級経営
第4回 学校における子どもの発達
第5回 教師と子どもの関係づくり
第6回 教職の事例研究1
第7回 教職の事例研究2
第8回 教職の事例研究3
第9回 学校教育を取り巻くもの
第10回 教科教育の指針ーー学習指導要領
第11回 教科教育の問題点
第12回 授業の事例研究1(初等教育)
第13回 授業の事例研究2(中等教育)
第14回 授業の事例研究3(高等教育)
第15回 まとめ
授業の方法:
第1回は担当教員2人がガイダンスを行う。
第2~8回は藤江が、第9~15回は斎藤が担当し、それぞれの専門の立場から学校教育についての導入を行う。
さらに映像や画像、文献、資料などを用い、個々の事例や実践例に即して学校教育の問題を具体的に議論する。
成績評価方法:
授業への参加状況とレポートによって総合的に評価する。
教科書:
参考書:
演習のなかで適宜指示する。
履修上の注意・備考:
配布された資料や教材を熟読し、問題意識を持って授業に臨むこと。
教育職員免許法上の認定科目:
‐64‐
科目番号:0964501
担当教員:全教員
単位数:2
講義題目:教育実践・政策学研究指導
学期:通年
授業科目:教育実践・政策学研究指導
Tutorial in Educational Administration and Adult Education
授業の目的・概要:
本コース所属学生のために、教育実践・政策学(教育行政学・社会教育学・図書館情報学・学校教育学)に関する卒業論文の執筆指
導を行なう。
授業計画:
各指導教員それぞれによって異なるが、基本的には以下のブロックから構成される:
(1) 導入と卒業論文趣旨・形式の紹介
(2) テーマ選択
(3) 研究のし方
(4) 研究成果のまとめ方
(5) 卒業論文の製作
夏学期に 1 度、全体検討会を持つ。
授業の方法:
各自が卒業論文に向けた研究に取り組み、それに基づいて議論を行なう。
成績評価方法:
平常点による。
教科書:
指定しない。
参考書:
授業時に、テーマに関連した参考書を随時紹介する。
履修上の注意・備考:
卒業論文執筆の規程を踏まえて履修すること。
教育職員免許法上の認定科目:
‐65‐
心身発達科学専修
科目番号:0965301
担当教員:能智正博
単位数:2
講義題目:質的心理学研究法
学期:夏
授業科目:心身発達科学演習
Research Methods for Qualitative Psychology
授業の目的・概要:
めまぐるしく変化する社会のなかで、教育や臨床の現場において現れてくる問題も変化しており、心理学もまた実験室的な研究だけ
はなく、現場の実践と関わりながらの新たなアイデアの探索と知識の生成が求められている。そうした背景のもとで近年注目されてい
るのが、問題の発見と仮説生成を重視する質的研究であり、質的な方法を用いて〈現実〉にアプローチしようとする心理学の実践の全
体を「質的心理学」と呼ぶ。本年は、インタビューを用いたナラティヴ(語り)研究の方法を中心に、質的研究法の理論と技法について理
解を深めることを目標とする。
授業計画:
1)イントロダクション
2)質的研究概説
3)語りとライフストーリー
4)自然場面の観察
5)インタビュー概説
6)インタビューの準備
7)語りのテクストの整理
8)テクストの分析①
9)テクストの分析②
10)分析技法の多様性
11)ライフストーリーをまとめる
12)研究事例①
13)研究事例②
14)成果発表
授業の方法:
実習、講義、受講生の発表を適宜用いながら、授業を進めていく。
成績評価方法:
授業への出席と参加 60%
最終レポート
40%
教科書:
能智正博 『質的研究法』(東京大学出版会、2011)
参考書:
秋田喜代美・能智正博(監修)『はじめての質的研究法』シリーズ、医療編・教育学習編・社会臨床編・生涯発達編(東京図書,2007)
履修上の注意・備考:
原則として、授業にすべて出席できる見込みがあることを受講の条件とする。基本的に授業は時間通りに始める。遅刻しないように。
教育職員免許法上の認定科目:(公)心理学
‐66‐
科目番号:0965302
担当教員:下山晴彦、高橋美保、
単位数:2
学期:夏
石丸径一郎、袴田優子
講義題目:臨床心理学演習
授業科目:心身発達科学演習
Seminar of Clinical Psychology
授業の目的・概要:
臨床心理学の学問体系について、担当教員が講義する。
次に臨床心理学の基本的テーマや技法について、参加者が体験的に学ぶことを目的とする。人数によっては、グループ分けして、体
験実習を行う。
これまでに扱ったテーマや技法に関しては、精神病理、認知行動療法、箱庭療法、呼吸法、リラクセーション、フォーカシング、アサーシ
ョントレーニング、スクールカウンセラー、少年鑑別所などがある。
授業計画:
1.ガイダンス(下山・高橋・石丸・袴田)
2.概説(下山)
3.事例検討+箱庭療法(下山)
4.臨床面接のロールプレイ1(石丸)
5.臨床面接のロールプレイ2(石丸)
6.心理アセスメントとは1(袴田)
7.心理アセスメントとは2(袴田)
8.外部講師(松澤先生)
9. 横浜いずみ学園(外部施設見学)(袴田)
10. 外部講師(北島先生)
11.少年鑑別所(外部施設見学)(袴田)
12.ボディワーク、フォーカシング(高橋)
13.呼吸法、マインドフルネス(高橋)
*順番については変更する可能性があります
授業の方法:
講義とグループ討議、実習、ゲストによるミニレクチャー、施設見学など
成績評価方法:
レポート提出
教科書:
「臨床心理学を学ぶ1 これからの臨床心理学」 下山晴彦 東京大学出版会
参考書:
「よくわかる臨床心理学改訂新版」
下山晴彦(編) ミネルヴァ書房
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐67‐
科目番号:0965303
担当教員:針生悦子
単位数:2
講義題目:発達心理学演習
学期:夏
授業科目:心身発達科学演習
Seminar in Developmental Psychology
授業の目的・概要:
発達心理学の研究論文を手がかりに,背景にある研究の動向や研究方法などについて学ぶ。
授業計画:
各回,自分や他者の理解,物語ること,身ぶり,文字などを取り上げ,検討していく。取り上げる論文やキーワードについては初回授業
時に提示する。
授業の方法:
演習形式。分担を決め,各回,担当者が,割り当てられた論文を中心に,その研究領域においてどのようなことが研究されわかってき
ているかについて調べてきたことを発表,それをもとに討論する。
成績評価方法:授業での発表,出席,期末レポート
教科書:特になし
参考書:必要に応じて紹介する
履修上の注意・備考:
初回授業において割り当てを決めるので,必ず初回授業には出席すること
教育職員免許法上の認定科目:
科目番号:0965304
担当教員:秋田喜代美
単位数:2
講義題目:教授・学習心理学演習
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
Seminar on Psychology of Classroom
授業の目的・概要:
教室や保育における談話分析の方法や概念について文献を読んで知識を得るともに実際に保育あるいは教室観察を小グループで実
施し談話を分析する方法を学び協働で学び合う過程についての理解を深める。
授業計画:
授業前半6回は、文献購読並びに録画DVDによる談話分析、授業後半9回は幼稚園あるいは小中学校での小グループで複数時間
の談話データを収集し比較検討を行うとともにその発表検討を行う。
授業の方法:
文献購読、その概念に基づく分析、そして実際のフィールドでの小グループでの複数回のデータ収集と分析、結果報告という方法をと
る。
成績評価方法:演習への出席と関与、小グループでのフィールドワークによるグループレポートによって行う。
教科書:特に指定せず必要な文献を紹介する。
参考書:
秋田喜代美(編)「教師の言葉とコミュニケーション」教育開発研究所2010
秋田喜代美(編)「対話が生まれる教室」教育開発研究所2014
履修上の注意・備考:
学外フィールドでの観察が入るために、開講予定の時間以外にも授業が行われることがあることをあらかじめ留意されたい。
教育職員免許法上の認定科目:
‐68‐
科目番号:0965305
担当教員:市川伸一、植阪友理
講義題目:学習の相談と指導 I
Counseling for Learning
単位数:2
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
I
授業の目的・概要:
この演習では、「~がわからなくて困っている」という学習者に対する相談・指導を通じて、認知研究と教育実践をつなぐ試みである
「認知カウンセリング」について基本的解説を行い、受講者自らに日常場面でのケースを報告してもらう。
これまでのゼミの例では、家庭教師の場面を利用しての教科指導の例が多いが、必ずしもそれにとらわれる必要はない。報告は、で
きるだけ、心理学的、もしくは、教育方法的な研究と関連させることが望まれる。授業中のケース報告と討論を踏まえて、最終的には報
告集を作成する。
発表内容に即して、心理学的な解説を補足するが、認知心理学、教育心理学の入門的内容は予備知識として前提にするので、講義
または書物で各自習得しておいてほしい。実際にどのような内容のことを行うかは、教科書、及び、これまでの学生が作成したケース
報告集を参照すること。
なお、昨年のⅠの単位取得者も受講することができる。
授業計画:
はじめの数回で、認知カウンセリングの基本的方法、関連する認知心理学的知識を解説する。その後、それぞれの受講者のケース報
告とそれをめぐる討論を1回につき1~2名のペースで行っていく。
授業の方法:
ゼミ形式で、講義、ビデオ視聴、発表、討論を行う。
成績評価方法:
発表、討論、レポートを総合的に評価する。
教科書:
必要に応じて資料を配付する。
参考書:
市川伸一(著)「学習と教育の心理学 増補版(現代心理学入門3)」岩波書店
市川伸一(編)「学習を支える認知カウンセリング---心理学と教育の新たな接点---」ブレーン出版
市川伸一(編)「認知カウンセリングから見た学習方法の相談と指導」ブレーン出版
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐69‐
科目番号:0965306
担当教員:佐々木正人
単位数:2
講義題目:アフォーダンスの観察と表現
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
Observation and Description of Affordances
授業の目的・概要:
以下の手順で進めます。
1)生態心理学、アフォーダンスについて学ぶ。
2)子どもの発達、物のデザイン、ロボット、建築など、アフォーダンスに関連する領域の文献を検討します。
3)参加者をグループに分けて、上記のテーマに関連するアフォダンスの観察を現場で行います。
4)観察結果を表現し、プレゼンし、相互に評価します。
授業計画:
詳細は、参加者数に応じ、参加者と相談して決めます
授業の方法:
講義、文献の購読、参加者のグループによるの観察実践、グループによる発表方式の流れで行います。
成績評価方法:
授業参加状態、発表内容によって評価します
教科書:
以下のいずれかを読んでおくこと
『アフォーダンス入門』講談社学芸文庫
『アフォーダンスー新しい認知の理論』岩波科学ライブラリー
参考書:
最初の時間に資料を配布する
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐70‐
科目番号:0965307
担当教員:小澤基弘
単位数:2
講義題目:ドローイング表現研究Ⅰ
学期:夏
授業科目:心身発達科学演習
Drawing and Creative Expression Ⅰ
授業の目的・概要:
ドローイングとは即興的に描かれる素描表現である。本授業では毎日ドローイングを継続的に表すことを課題とし、毎回の授業でそれ
らを振り返って教師との対話を通して省察する。ドローイング表現とその省察というサイクルの積み重ねのなかから、自分にとって表現
とは何か、いわゆる自己表現の「核」が主体的に見出していくことを本授業の目的とする。
(Drawing is an improvised expression. In this cours students draw every day like dairy and every time at the class they reflect them
with teacher. Through this cycle of expression and reflection,students gradually get to know about what they want to express,that is,
the core of their expression. This is the main theme of this course.)
授業計画:
第1回 オリエンテーション「ドローイングとは何か」
第 2 回~5 回 毎週毎日のドローイング課題を授業時に対話を通して省察する①
第 6 回 中間講義(様々なドローイング作例を示す)
第 7 回~第 14 回 毎週毎日のドローイング課題を授業時に対話を通して省察する②
第 15 回 最終講評およびディスカッション
1 Orientation(Lecture for understanding what drawing is)
2~5 1st cycle of everyday drawing and reflection①
6 Second lecture about various drawings in the world
7~14
2nd cycle of everyday drawing and reflection②
15 Final lecture and critique with free discussion
授業の方法:
ドローイング表現課題(授業外)を毎回の授業時に教師とともに省察するという形態を継続する。基本単位は one-on-one で行う。
(This course consists of the cycle of drawing expression and reflection based on one-on-one guidance.)
成績評価方法:
ドローイング課題の提出、毎回の授業出席、毎回の授業レポート、最終レポートの全てを勘案する。
(everyday drawing, attendance, reports etc.)
教科書:
特に使用しない。
参考書:
『絵画の創造力:ドローイング活用法』(花伝社、2012 年)
『創造のたね:ドローイングのはなし』(日本文教出版、2011 年)
履修上の注意・備考:
特に美術学習歴を問ません。自己表現について興味のある学生はどなたでも受講可能です。ただし、授業形態の関係で最大 20 名ま
でとします。定員になり次第締め切ります。
教育職員免許法上の認定科目:
‐71‐
科目番号:0965308
担当教員:小澤基弘
単位数:2
講義題目:ドローイング表現研究Ⅱ
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
Drawing and Creative Expression Ⅱ
授業の目的・概要:
本授業は夏学期「ドローイング表現研究Ⅰ」に続くものである。Ⅰにおいて日々のドローイング表現とその省察のサイクルの積み重ね
から、自己表現の核をある程度把握したことを前提として進めていく。本授業ではⅠで気づいた自己表現の核を踏まえながら、「ドロー
イングから作品化へ」を目的として表現研究を継続していく。ドローイング表現は、主に自己の内側で完結されても構わないが、「作品」
とは自分の表現意図が他者に伝わるかたちに造形化されることが前提となる。そのためには様々な表現上の創意工夫が必要となる。
本授業では他者コミュニケーションの手立てとしての「作品」の創造を、毎回の授業でそのプロセスを検証しながら段階的に思考してい
く。最終的には展示等のプレゼンテーションを予定している。
(This course is the next stage of ‘Drawing and Creative Expression1’. Students might get to know their own core of expression
through the previous course so this course would be based on it. ‘From Drawing to Art-work’ is the main theme of this course.
Drawing is mainly completed within one’s self but Art-work has presupposition of conveying the expressive intention to others by
plastic embodiement. For doing so, we need various ingenious device. In the process of this course students do try&error to consider
and elaborate their work step by step. Finally they will show their works in public space to present to others.)
授業計画:
第 1 回 オリエンテーション(作品化とは何か)
第 2 回~5 回 作品化へのプロセス検証①
第 6 回 中間講義と批評(プロセス第一段階の省察)
第 7 回~14 回 作品化へのプロセス検証②完成へ向けて
第 15 回 最終プレゼンテーション
1. Orientation(Lecture about what artwork is)
2~5 1st process of making artwork and reflection1
6 halfway critique
7~14 2nd process of making artwork toward completion
15 final critique
授業の方法:
作品化のプロセスを常時記録し(写真で)、その記録を毎回の授業時に教師とともに振り返り省察するという形態をとる。
基本単位は one-on-one で行う。
(Students always record the process of making artwork and everytime of the course we do one-on-one guidance for reflecting the
way and direction of the expression.)
成績評価方法:
作品制作記録課題の提出、毎回の授業出席、毎回の授業レポート、最終レポートの全てを勘案する。
(the photo records of the process of making artwork, attendance, reports etc.)
教科書:特になし
参考書:
『絵画の制作』『絵画の思索』『絵画の創造力』(以上花伝社)、『絵画の教科書』『絵画の制作学』『創造のたね』(以上日本文教出版)
履修上の注意・備考:
「ドローイング表現研究Ⅰ」履修者に限る。ただし、平成 25 年度「芸術心理学演習」(小澤担当)を受講し単位を取得した学生は、本授
業を受講することができるものとする。
教育職員免許法上の認定科目:
‐72‐
4 月 11 日更新
科目番号:0965309
担当教員:尾竹永子
単位数:2
講義題目:デリシャスムーブメント
学期:夏・集中
授業科目:心身発達科学演習
Delicious Movement
授業の目的・概要:
ニューヨークを拠点に Eiko & Koma (www.eikoandkoma.org)として舞台活動を続ける マルチメディア・ムーブメントアーティスト Eiko によ
る身体ムーブメント中心の授業。Eiko 独自のデリシャス・ムーブメントの方法論をもとに、参加者は身体を動かし、 時間と空間の不均
衡と連続を経験する。他の参加者の身体と感性に触れ、他者と自分との境界、共通点、違いを学びながら観察力、想像力、認識力、直
感、美意識を育てる。言葉を使わずに何をどのように認知し、またコミュニケートするか? そのようにして学んだことを再びいかに言葉
で表現するか? 身体、また言語表現において必然である曖昧さに積極的にとりくみながら、 太古からの時間(いのち)の意志と表現
の可能性を探る
授業計画:
1。床でのムーブメント
2。 テーマによるムーブメント。
3。動物、植物、鉱物、もの、環境に向かうムーブメント。
4。空間を感知し 大きな時間の流れのなかで <いま>に取り組む。
5。他の参加者と一緒に動き、個別にも見合う。
6。ムーブメントに芸術性と美の可能性を発見する。
7。ムーブメントを通して詩、死、暴力、共生、デモクラシーなどについて 新たな視点を得て話し合う。
授業の方法:
課題にそってムーブメントの実習をし、小グループで話し合ったあと、全員で質疑応答。また授業時間内にビデオ視聴。 集中講義期間
中は 授業時間外に 毎日約1時間のテキストの読書も必要。 後半は参加者同士が見合いながら動き サポートしながら観察する。集
中講義修了後、課題図書を読み、授業 についてレポートを書く。 教室スペースに限りがあるため受講希望者が多すぎる場合は,初
日に選別方法を提示。
成績評価方法:
出席状況、ムーブメントと話し合いでの積極的参加、他の参加者への協力、課題図書の読み込みとムーブメント学習とのクロスリフェレ
ンス。期末レポート、これらより総合的に評価をする。
教科書(課題図書):
林京子 「祭りの場」「トリニティーからトリニティーへ」(講談社)
山本義隆 [福島の原発事故を巡ってーいくつか学び考えた事](みすず書房) 他 PDF も配布。
参考書:
Eiko & Koma: Time is not even space is not empty
履修上の注意・備考:
授業の予習として http://eikoandkoma.org/deliciousmovement 他関連ホームページを参照してください。
全4日参加できる人のみ履修可。動きやすい服装でくること。 授業は 裸足。ダンスやスポーツの経験など必要なし。
Though I will teach in Japanese, I will partly speak in English if those who have trouble in understanding Japanese are attending the
class.
講師履歴は以下を参照してください。
http://eikoandkoma.org/myparent
http://eikoandkoma.org/information
教育職員免許法上の認定科目:
‐73‐
科目番号:0965310
担当教員:上岡洋晴
単位数:2
講義題目:身体教育方法論
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
Methodology of Physical and Health Education
授業の目的・概要:
本授業では、発育過程にある子どもが、運動嫌いにならず、自分のからだを上手に動かすことができること、生涯スポーツ(身体活
動・運動)に繋がるようにすることについての教育方法論を学ぶ。具体的には、学校体育、社会体育、部活動などがその範疇となる。年
齢や学年に応じた指導方法の具体例や実践(ロールプレイ)を踏まえての講義と学生自身の調査報告を中心に授業を進める。
親子一緒の運動体験、幼児教育(体育)、学校体育、大学体育(学生)、あるいはスポーツ少年団・部活動・自主サークルの実状とそ
の問題点を明らかにすることが議論の出発点となる。例えば、身体活動・運動の質と量が多い子どもと、そうでない子どもの二極化の
対策方法、多くの大学で「体育」がないために学生時代にまったく運動を実践せずに就職していく若者と「メタボリック・シンドローム」の
問題などは議論しておくべき必須事項である。また、何らかの原因で一度運動嫌いになると、以後の参加がかなり困難になることが知
られており、これを防ぐ手立て考えることも現在の体育に求められる大きな課題である。ある動作の学習(例えば、投げる)において、
知的発達段階に応じた上手なインストラクション(言語・非言語)の基本を知ることも不可欠である。
授業は、講義に加えて、事前に設定したテーマに基づき、担当する受講者が、図書・論文・各種統計資料などをまとめてプレセンテー
ションを行い、全員でディスカッションする形式で進める。
体育の教職の単位取得を希望している学生はもちろんのこと、体育のあり方について興味のある学生には適した授業内容である。
なお、この科目は教科に関する科目「(体)保健体育科の指導方法」「(保)保健科の指導方法」に該当する。
授業計画:
第 1-9 回は講義、第 10-15 回は履修学生による個人テーマ別のプレゼンテーションとする。
授業の方法:
資料・新聞記事・パワポイント・映像などを用いた講義や、教室内でできる簡単な軽運動の実習(インストラクションなどのポイント学
習)を行う。プレゼンテーションでは、パワーポイントを用いて、自身でテーマを選び、20 分間程度説明した後に 10 分間の質疑応答を
行う。
成績評価方法:
毎回の授業の最後に 5 分間程度で記載してもらうミニレポートと、プレゼンテーションの内容(質)とその明快さ(分かりやすさ)を総合
して評価する。テストは実施しない。
教科書:
とくになし。
参考書:
文部科学省:小学校学習指導要領(体育編)、中学校・高等学校学習指導要領(保健体育編)
履修上の注意・備考:
履修者によるプレゼンテーションは、単位取得の必須条件とする。
教育職員免許法上の認定科目:(体)保健体育科の指導法,(保)保健科の指導法,便覧 (注 1)参照
‐74‐
科目番号:0965311
担当教員:野崎大地、森田賢治
講義題目:バイオダイナミクス
単位数:2
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
BioDynamics
授業の目的・概要:
腕を伸ばす、立つ、歩くといった動作の制御から、動作遂行や環境変化に際して呼吸・循環系が生体恒常性を維持するように働く機構
にいたるまで、身体運動には多くの生体調節システムの働きが関与している。身体運動を本質的に理解するには、生体調節システム
の構成要素の知識だけでは不十分であり、各要素がどのように相互に組み合わされ、全体としてうまく機能しているのかという視点が
不可欠である。本講義では、生体システムの調節に関して、具体的な例を紹介しつつ、その背後にある仕組みについて、理論・数理的
視点も交えて解説する。
授業計画:
下記の内容について、一回または二回ずつ講義を行っていく予定である。
1. イントロダクション
2. 運動とリズム 〜歩行や鼓動の背後にある仕組み〜
3. 脳から末梢・筋肉へ、筋肉・末梢から脳へ 〜神経伝達の仕組み〜
4. 筋収縮のメカニクス 〜筋はどうやって力を産み出すか〜
5. 筋骨格系のモデル 〜筋により駆動される身体運動〜
6. 身体運動のダイナミクス 〜身体運動の運動方程式〜
7. 身体運動のエナジェティクス 〜エネルギー変換機としての身体〜
8. 身体運動の制御 〜脳が身体運動を制御する仕組み〜
9. 運動と学習 〜小脳・大脳基底核の働きと運動の学習〜
10. 運動と自由意思
授業の方法:
講義形式で行う。使用教材等を下記 URL に置く予定である。
成績評価方法:
平常点(出席)およびレポートによる総合評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
使用教材等を、以下の URL に置く予定である。パスワード等は講義中に知らせる。
http://researchmap.jp/dnozaki/資料公開/
http://researchmap.jp/kenjimorita/資料公開/
教育職員免許法上の認定科目:(体)運動学(運動方法学を含む)
‐75‐
科目番号:0965312
担当教員:佐々木司
単位数:2
講義題目:健康管理研究入門
学期:夏
授業科目:心身発達科学演習
Study of Health-Care and -Promotion Research
授業の目的・概要:
健康管理・公衆衛生研究の理解と、将来社会人や研究者となったときの研究・政策等の立案・理解に必要な基本知識(疫学研究の
様々なスタイル、統計の基本的知識を含む)を習得し、これらの研究に関する論文が理解できるようにすること。またこれを通じて、世
の中にあふれる「科学情報」の中で、信頼できる情報とそうでない情報を区別するポイントについて習得することも目標の1つである。こ
れらの力は、行政、マスコミ、実業界等で将来活躍する上でも今後きわめて重要になると考えられる。
授業計画:
学期の前半は、公衆衛生と疫学研究に関する基礎知識を習得する。後半は、こちらで指定した論文の中から、各回2-3編を担当学
生がそれぞれ紹介し、熟読する。論文は、主に精神疾患、精神保健の疫学研究に関する近年のものから指定する。
授業の方法:
前半は講義形式、後半はレポート形式で行う。
成績評価方法:
課題発表、出席、ならびに期末試験
教科書:
中村好一著「基礎から学ぶ、楽しい疫学(第 3 版)」医学書院
参考書:
S.B.Hulley ら著(木原雅子、木原雅博訳)「医学的研究のデザイン:研究の質を高める疫学的アプローチ(第 3 版)」
メディカル・サイエンス・インターナショナル
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(体)(保)衛生学及び公衆衛生学,便覧 (注 1)参照
‐76‐
科目番号:0965313
担当教員:山本義春
単位数:2
講義題目:教育の生理学
学期:夏
授業科目:心身発達科学演習
Educational Physiology
授業の目的・概要:
教育生理学は、教育対象の精神的・身体的機能の内、特に教育の受け容れを可能にする諸条件と、教育内容・方法・環境の諸条件が
教育効果に如何なる影響をもたらすかを、心身相関を基盤に置きながら、生理学的に解明することを目的とする。特に、現代社会にお
いては、生活習慣、環境と遺伝、ストレス、脳を含めた身体諸機能の可塑性などの諸要因を勘案しつつ考究を行う必要があろう。本講
義では、そこで必要とされる生理学的基礎について文献購読を行う。
授業計画:
以下のトピックスに関連する文献を輪読する(2013 年度実績)。
・興奮性細胞の生理(1)
・興奮性細胞の生理(2)
・神経・筋の情報伝達(1)
・神経・筋の情報伝達(2)
・中枢神経系と感覚-運動連関(1)
・中枢神経系と感覚-運動連関(2)
・睡眠と生体リズム
・自律神経系(1)
・自律神経系(2)
・代謝とその調節(1)
・代謝とその調節(2)
・呼吸と循環の調節(1)
・呼吸と循環の調節(2)
授業の方法:
文献講読および下記 URL での web 教材を用いた解説。
成績評価方法:
平常点(出席)およびレポートによる総合評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(体)生理学(運動生理学を含む),(保)生理学,便覧 (注 1)参照
‐77‐
科目番号:0965314
担当教員:多賀厳太郎
単位数:2
講義題目:心と脳の発達
学期:夏
授業科目:心身発達科学演習
Development of Mind and Brain
授業の目的・概要:
人間の発達は、新生児に与えられた遺伝的要因と生得的な能力、自らを変化・発展させる内在的な機構、物理的環境や他者との相互
作用により適応・学習していく機構などが複雑にからみあう現象である。本演習では、講義及び受講者による原著論文講読、レポート
作成、プレゼンテーションを行い、発達脳科学に関わる基本的概念を学ぶ。
授業計画:
授業の方法:
講義、受講者のプレゼンテーションと全員でのディスカッション。
成績評価方法:
レポート、プレゼンテーション、出席を総合的に評価する。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は教職課程における「教科に関する科目」(体)体育心理学に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(体)体育心理学
‐78‐
科目番号:0965315
担当教員:東郷史治,山本義春
講義題目:安全・安心教育
単位数:2
学期:冬
授業科目:心身発達科学演習
Safety and Security Education
授業の目的・概要:
近年、我が国の交通事故件数や交通事故死亡者数が減少する一方で、自殺率の増加、地球温暖化、原発事故など、子どもの生命や
心身の健康などを脅かす身近な危険因子は多様化しつつある。
これに対し学校では、交通安全のみならず生活安全と災害安全の領域にわたり、児童生徒等の安全確保の取り組みが進められてい
る。そこで本授業では、医学・生物学・理工学を含む学際的視点から、現在の学校と日常生活全般における安全確保のために必要な
事項を理解し、生涯を通じて安心・安全な生活を送る基礎を培うとともに、安心な社会づくりに貢献できるような資質や能力を養うことを
目標とする。
授業計画:
各週の予定項目は以下のとおりである。
ガイダンス
安全安心科学
学校安全(1):交通安全
学校安全(2):体育・スポーツ活動中の事故
災害安全(1):防災
災害安全(2):救命処置
現代生活安全(1):薬物乱用
現代生活安全(2):飲酒・喫煙
現代生活安全(3):精神保健
現代生活安全(4):インターネット・情報セキュリティ
現代生活安全(5):労働安全衛生
現代生活安全(6):高齢社会
環境安全(1):熱中症
環境安全(2):感染症
定期テスト
授業の方法:
学生のプレゼンテーションを中心に授業を進める。
成績評価方法:
平常点(出席)、プレゼンテーション、試験による総合評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は教科に関する科目「(体)(保)学校保健(小児保健、精神保健、学校安全及び救急処置を含む)」に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(体)(保)学校保健,便覧 (注 1)(注 2)参照
‐79‐
科目番号:0965401
担当教員:星野崇宏
単位数:2
講義題目:心理統計学 II
学期:夏
授業科目:心身発達科学特殊講義
Psychological Statistics II
授業の目的・概要:
心理統計学Ⅰに引き続き,調査・実験で得られるデータを解析するための方法と,その背後にある統計的な考え方や理論について解
説する。主な内容は以下の通り。
1.推定と検定の考え方-相関係数を中心に
2.平均値差および連関に関する統計的推測
3.線形モデルの基礎
授業計画:
1.推定量とその標準誤差
2.検定の考え方
3.検定力とその利用
4.区間推定の考え方
5.独立な 2 群の平均値差の検定
6.平均値差および効果量の区間推定
7.対応のある 2 群の平均値差の検定と推定
8.2 群の比率の差の検定
9.カテゴリ変数間の連関の分析
10.変数と統計量のベクトルによる表現
11.回帰分析のベクトル表現
12.平方和および分散の分割
13.独立変数の効果の検定と自由度
14.平均値差への回帰分析的アプローチ
15.線形モデルに基づく統計的方法
授業の方法:
講義による。
成績評価方法:
期末試験による。
教科書:
南風原朝和『心理統計学の基礎-統合的理解のために』(有斐閣,2002 年)
参考書:
南風原朝和・平井洋子・杉澤武俊『心理統計学ワークブック-理解の確認と深化のために』(有斐閣,2009 年)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐80‐
科目番号:0965402
担当教員:南風原朝和
単位数:2
講義題目:心理統計学 III
学期:冬
授業科目:心身発達科学特殊講義
Psychological Statistics III
授業の目的・概要:
心理統計学Ⅱに引き続き,調査・実験で得られるデータを解析するための方法と,
その背後にある統計的な考え方や理論について解説する。主な内容は以下の通り。
1.偏相関と重回帰分析
2.実験デザインと分散分析
3.因子分析と共分散構造分析
授業計画:
1.部分相関係数と偏相関係数
2.偏回帰係数とその解釈
3.重回帰分析のしくみ
4.平方和の分割と重相関係数の検定
5.個々の独立変数の寄与の評価
6.完全無作為 1 要因デザイン
7.多重比較の考え方
8.完全無作為 2 要因デザイン
9.対応のある 1 要因デザイン
10.共分散分析
11.因子分析の考え方とモデル
12.因子分析のしくみと因子の解釈
13.因子の回転
14.共分散構造と母数の推定
15.共分散構造分析による潜在変数間の関係の分析
授業の方法:
講義による。
成績評価方法:
期末試験による。
教科書:
南風原朝和『心理統計学の基礎-統合的理解のために』(有斐閣,2002 年)
参考書:
南風原朝和・平井洋子・杉澤武俊『心理統計学ワークブック-理解の確認と深化のために』(有斐閣,2009 年)
南風原朝和『臨床心理学をまなぶ7 量的研究法』(東京大学出版会,2011 年)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐81‐
科目番号:0965403
担当教員:星加良司
単位数:2
講義題目:ディスアビリティ・スタディーズ
学期:冬
授業科目:心身発達科学特殊講義
Disability Studies
授業の目的・概要:
ディスアビリティ(障害=「できなさ」)について考えるとは、どのような営みだろうか?それは、「できなさ」を抱える個体の性質について
知ることと同時に、いやむしろそれ以上に、「できること」を条件付け、意味付け、価値付けている社会のあり方について考察することで
ある。
この授業では、(1)近年の新しい障害研究のパラダイムと、それに基づく基礎的な理論枠組みについて理解するとともに、(2)社会シス
テムを支える様々な制度や規範と障害問題との連関について、多角的に分析する視点を獲得することを目的とする。
授業計画:
概ね以下の内容に沿って授業を行う。テーマの順序については事情により前後することがある。
1.ガイダンス
2.ディスアビリティとは何か I:近代的カテゴリーとしての障害
3.ディスアビリティとは何か II:無力化(ディスエイブルメント)の規範と表象
4.ディスアビリティとは何か III:「社会モデル」という認識論
5.文献講読 I:「障害」と能力主義
6.文献講読 II:「障害」と美の規範
7.文献講読 III:「障害」と優生思想
8.文献講読 IV:「障害」と包摂の理念
9.文献講読 V:「障害」とケアの理由
10.文献講読 VI:「障害」をめぐるナラティヴ
11.文献講読 VII:ディスアビリティ・スタディーズと当事者性
12.ゲストスピーカーとの対話 I
13.ゲストスピーカーとの対話 II
14.ゲストスピーカーとの対話 III
15.まとめ
授業の方法:
教員による講義、学生による文献報告、ゲストスピーカーを迎えての対話等を組み合わせて授業を進める。いずれの形式においても、
学生の主体的・積極的な参加により、インタラクティヴにディスカッションを展開することが期待されている。
成績評価方法:
平常点 50%、レポート 50%の比率で評価を行う。
平常点は、授業時の報告内容や討論への参加状況について、的確性・論理性・積極性等を考慮して評価する。
レポートは、授業の終了時に提出を求め、授業目標への到達度の観点から評価する。
教科書:
なし
参考書:
初回授業時に指示する。
履修上の注意・備考:障害問題についての予備的な知識は特に必要としない。受講者は、指定文献を予め熟読する等、授業でのディ
スカッションのための十分な準備を行うことが期待される。
教育職員免許法上の認定科目:
‐82‐
科目番号:0965404
担当教員:針生悦子
単位数:2
講義題目:ことばの発達心理学
学期:冬
授業科目:心身発達科学特殊講義
Psychology of Language Development
授業の目的・概要:
子どもの言語獲得の過程とはどのようなものであるか,それを支えている人間の能力とはどのようなものか,言語獲得は人間の認知
や思考にどのような影響を及ぼしうるのか,など,言語,発達,認知をめぐる問題について概観する。また,言語獲得のプロセスやその
所産について研究するための方法について学ぶ。
授業計画:
1,ヒトの言語の特徴:ヒト以外の生き物のコミュニケーション手段との比較から
2,子どもと言語の出あい
3,発話から単語を聴き取る
4,音素聞き分け能力の発達
5,前言語コミュニケーション
6,単語の学習①:音声に意味を結びつける
7,単語の学習②:語彙爆発
8,単語の学習③:動詞の学習
9,文法獲得①:獲得のプロセス
10,文法獲得②:”生得の文法知識”をめぐる議論
11,文法獲得③:文法をつくりだす能力?
12,言語獲得の敏感期?
13,言語と認識①:言語間比較から
14,言語と認識②:発達
授業の方法:
講義。
毎回の授業の最後にリアクションペーパーを提出してもらい,次の回の授業でその内容の紹介,質問への回答なども行っていく。
成績評価方法:
テスト
教科書:
特になし
参考書:
針生悦子(編) 「言語心理学」 朝倉書店
今井むつみ・針生悦子 「ことばをおぼえる仕組み」 ちくま書房
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐83‐
科目番号:0965405
担当教員:武田信子
単位数:2
講義題目:コミュニティワーク入門
学期:夏
授業科目:心身発達科学特殊講義
An Introduction to Community Work
授業の目的・概要:
ソーシャルワークの一分野であるコミュニティワークの考え方を、教育における学校コミュニティ、地域コミュニティを始めとする様々な
分野で活用できるように、実践的に学ぶ。コミュニティ・ワークは、コミュニティ・オーガニゼーションとも呼ばれ、ある共通のインタレスト
を持った人々が、自分たちのウェルビーイングの実現を目指して共に行動できるようにコミュニティ・ワーカーが介入し、エンパワーし
て、市民活動を活性化し、社会変革を起こすことを目的とする。授業においては、その理論を学び、実際にワークショップに参加しなが
ら、最終的にはコミュニティワークの技法の基本を身につけることを目指す。
授業計画:
1.コミュニティワークとは何か
9.自分を知る、他人を知る:ビジョン・エクササイズ
2.コミュニティワーク実践の概念
10.コミュニティを知る:コミュニティ分析
3.コミュニティの組織化の段階(1)
10.価値観を振り返る:根本的な原因の分析
4.コミュニティの組織化の段階(2)
11.できることは何か:力の場の分析
5.コミュニティの組織化の段階(3)
12.もってのほかリストづくり
6.多様性:バルタンのワーク
13.リフレクション
7.国連子どもの権利条約第31条ジェネラルコメント No.17
14.コミュニティ実践をしているゲストによる講演(予定)
8.教育をめぐるマルトリートメント
15.レポートの読み合わせ
授業の方法:
講師がファシリテーターとなり、ミニレクチャーとグループワークを組み合わせたワークショップ形式で進める参加型授業。
成績評価方法:
授業に関連する課題の選択肢を与えるので、その中から自分のテーマを選び、A4で4-5枚の最終レポートを最終回の授業最初に提
出すること。レポートは最終回に学生同士で読み合わせをし、修正しての再提出も可とする。
なお、実践を重視する授業なので、出席・ワークへの参加が単位修得の最低条件。毎回、授業に関するミニコメントを提出すること(た
だし、この内容は評価対象外)。一定以上の出席不良(遅刻を含む)・コメント不提出は、単位が与えられない。
教科書:
ビル・リー著 『地域が変わる 社会が変わる 実践コミュニティワーク』学文社
参考書:
ビル・リー他著 実践コミュニティワーク エクササイズ集 学文社
教師教育学研究会編 教員のためのリフレクション・ワークブック(配布する)
履修上の注意・備考:
教科書を入手すること。理論は教科書に基づいて学ぶ。
実践は、授業のグループワークに参加しつつ体験を増やし、ファシリテーションの技法に慣れ、できれば自分の日常の活動において活
かしていただきたい。
社会を当事者主体に変えていくこと、学校教育を学習者主体に変えていくことに関心のある学生にとって役立つ授業を提供したい。
実際に、教育現場やコミュニティでの活動を行っている受講者は、習熟すれば、実践に応用することができるようになるだろう。
なお、授業計画は、学生の関心、人数等の状況によって、適宜変更される。テキストは、カナダの大学院でコミュニティワーカー養成や
研修に実際に用いられているものを採用している。
授業の進め方や評価の仕方について、学生からシラバス以外の提案があれば、それを勘案して、ともに授業を作っていくこともある。
教育職員免許法上の認定科目:
‐84‐
科目番号:0965406
担当教員:岡田猛
単位数:2
講義題目:創造性の心理学
学期:冬
授業科目:心身発達科学特殊講義
Psychology of Creativity
授業の目的・概要:
創造性の心理学、特に「創造性への認知的アプローチ」を中心とした心理学・認知科学の研究知見について紹介する。
この講義では、研究領域をくまなく概観することを目指すのではなく、芸術創作や科学的発見などに関する研究の具体例を詳細に紹介
しながら、その背後にある考え方や方法論を理解できるように心がける。
なお、実際に創造活動に携わっている専門家の講演も予定している。
授業計画:
・授業案内
・熟達化
・創造性の定義
・創造性の概説
・科学的発見
・妥当性境界
・面白い研究とは
・芸術創作活動
・芸術的インスピレーション
・表現支援
・即興ダンス
・伝統と創造
・創造性評価 等
授業の方法:
基本的には、講義形式の授業である。加えて、参加者の間のディスカッションやゲストスピーカーの講演等も計画している。受講生は
宿題として、文献を読んで授業に臨むことが求められる。
成績評価方法:
毎回の授業のレポートの提出と最終レポートにより評価する。
教科書:
教科書は特に定めず、授業中に適宜関連文献を紹介する。
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐85‐
科目番号:0965407
担当教員:加藤健太郎
単位数:2
講義題目:教育測定
学期:夏
授業科目:心身発達科学特殊講義
Educational and Psychology Measurement
授業の目的・概要:
心理学や教育学では,「心理尺度」や「テスト」を通じて,性格・態度・能力・学力といった人間の様々な特性を測定し,研究仮説を実証
的に検討することが行われる。本講義では,測定の道具としてのテストに着目し,その作成方法や,その性能を定量的に評価するため
の基礎を与えるテスト理論について学ぶ。研究の文脈に限定せず,世の中で用いられている様々なテストに触れ,テストに関する新し
い技術等についても紹介する予定である。
授業計画:
1. ガイダンス/イントロダクション
2. テストの作成(1)
3. テストの作成(2)
4. 古典的テスト理論(1):テスト理論の歴史
5. 古典的テスト理論(2):テストの信頼性
6. 古典的テスト理論(3):テストの妥当性
7. 古典的テスト理論(4):項目分析
8. 一般化可能性理論(1)
9. 一般化可能性理論(2)
10. 項目反応理論(1):古典的テスト理論の限界
11. 項目反応理論(2):項目反応関数と項目情報関数
12. 項目反応理論(3):等化
13. 新しい技術を用いたテスト(1):適応型テスト
14. 新しい技術を用いたテスト(2):e テスティング
15. まとめ・補足
授業の方法:
講義を中心に進める。基本的に板書をするが,必要に応じてパワーポイントや配布資料を用いる。
成績評価方法:
期末レポート 100%
教科書:
特に指定しない。必要な文献は授業中に適宜指示または配布する。
参考書:
南風原朝和 『心理統計学の基礎』 有斐閣アルマ 2002.
日本テスト学会(編)『見直そう,テストを支える基本の技術と教育』 金子書房 2010.
日本テスト学会(編)『テスト・スタンダード:日本のテストの将来に向けて』 金子書房 2007.
履修上の注意・備考:
心理統計学の基礎知識(基礎レベルの記述統計・推測統計・分散分析・回帰分析)を有することを履修の条件とする。
教育職員免許法上の認定科目:
‐86‐
科目番号:0965408
担当教員:仲真紀子
単位数:2
講義題目:子供の証言と司法面接
学期:冬・集中
授業科目:心身発達科学特殊講義
Child Testimony and Forensic Interview
授業の目的・概要:
事件や事故に巻き込まれた子供から,証言・供述を得ることは容易なことではありません。本授業では,近年開発が進み,福祉・司法
の現場でも用いられるようになってきた司法面接(精神的二次被害を最小限にしながら,精度の高い情報の収集を目指す面接法)につ
いて講義,演習を行います。目標は以下の通りです。
(1) 法手続きにおける心理学的諸問題,特に供述や証言の問題に気づく。
(2) 供述や証言にかかわる認知発達心理学的知見を学ぶ。
(3) 司法面接について理解を深め,使用できるようにする。
授業計画:
下記の計画は予定です。内容,順序に変更が生じる可能性もあります。
第 1 回:子どもへの虐待と心理学的諸問題
第 2 回:事情聴取の問題と聴取に関わる認知発達心理学的基礎
第 3 回:司法面接の基礎:自由報告と構造化
第 4 回:面接の計画と記録:SE3R と発話分析シート
第 5,6 回:子供の証言の問題
第 7,8,9 回:面接演習
第 10 回:補強証拠
第 11 回:録画面接の効果
第 12 回:リラクタントな(話したがらない)子どもとリカント(撤回)
第 13 回:虚偽自白の問題とそのメカニズム・対処法
第 14 回:質疑
第 15 回:試験
授業の方法:講義と演習
成績評価方法:試験 20%,演習 80%
教科書:教材は,プリントしてお渡しします。
参考書:
- 仲真紀子(2012).子どもの証言と面接法.
根ヶ山光一・仲真紀子(編著)(2012). 発達科学ハンドブック 4「発達の基盤:身体,認知,情動」. 新曜社.
- 仲真紀子(2011). 法と倫理の心理学:心理学の知識を裁判に活かす-目撃証言,記憶の回復,子どもの証言. 培風館.
- 仲真紀子(2005). 「子どもは出来事をどのように記憶し想起するか」
内田伸子(編)(2005). 心理学−こころの不思議を解き明かす. 光生館.
- アルドリッジ・ウッド(著)仲真紀子(編訳)(2004). 子どもの面接法:司法における子どものケア・ガイド. 北大路書房.
履修上の注意・備考:
授業には,児童虐待に関するトピックが含まれます。また,授業には,演習が含まれます。演習は 4 人チームで行い,ロールプレイと振
り返り(ロールプレイ場面を録画し,全員で振り返る)が含まれます。全日(3 日間)参加できる方で,かつロールプレイ演習・振り返りに
参加できる方を対象とします。履修者数は,32 人を上限とします。
教育職員免許法上の認定科目:
‐87‐
科目番号:0965409
担当教員:野中哲士
単位数:2
講義題目:アフォーダンスの心理学―わざ・配置・変化
学期:夏・集中
授業科目:心身発達科学特殊講義
Psychology of Affordances: Skills, Layouts, and Dynamics
授業の目的・概要:
わたしたちが環境内で何気なく行っている日常のふるまいは、何らかの価値をもたらすようなかたちで環境との「出会い」を連続的にコ
ントロールするものである。それはしばしば予想を超えた情報に依拠しており、情報の媒体も神経系や身体の内部にのみ存在するもの
とは限らない。
本講義では、わたしたちのふるまいが環境と出会うときに起こっているさまざまな調整と、コントロールの基盤となる情報や媒体につい
て、身体の外にある地上環境を視野に入れて議論する。その際、ヒトのわざが見せる独特の秩序や、身体の構造、環境の構造、人工
のデザイン・建築などのモノについて、この環境で変化あるいは持続しつつ場を占めているものの具体例を考慮する。ヒトのふるまい
の秩序、環境や人工物の構造を、その周囲にある環境とのダイナミックな出会いから眺めることで、21 世紀のヒト、モノと環境を繋ぐあ
たらしい科学を模索する。
授業計画:
1.イントロダクション
2.身体の論理1
3.身体の論理2
4.情報と媒体
5.環境の論理:ギブソン情報(specifiers)
6.環境の論理:アフォーダンス
7.環境と出会う身体
8.自発的なかたち(グループワーク)
9.自発的なかたち(発表)
10.スムースでない運動
11.柔軟性と等至性
12.能動的なセンシングシステムとしての探索的身体運動
13.周囲を映すふるまい(グループワーク)
14.周囲を映すふるまい(発表)
15.まとめとレポート
授業の方法:
講義、ディスカッション、グループワーク
成績評価方法:
授業への参加状況(グループ発表)、授業内レポート
教科書:
参考書:
エドワード・S・リード『アフォーダンスの心理学』新曜社 2000 年
J・J・ギブソン『生態学的知覚システム』東京大学出版会 2011 年
Robert Rosen &quot;Essays on Life Itself&quot; Columbia University Press 2000
履修上の注意・備考:
特になし
教育職員免許法上の認定科目:
‐88‐
科目番号:0965410
担当教員:武見ゆかり
単位数:2
講義題目:栄養学概論
学期:夏
授業科目:心身発達科学特殊講義
Introduction to Human Nutrition
授業の目的・概要:
栄養とは、人間が食物として外界から必要な物質(栄養素)を取り入れ代謝して生命活動を続ける営みをいう。人間の健康の維持,増
進のためには適切な栄養が必要である。人間は,食物として外界から必要な物質(栄養素)を取り入れながら,こうした栄養の営みを
行っている。
本講では,人間の栄養の営み及び食生活を、地域社会や環境との関わりで構造的にとらえる基礎と応用を学習する。同時に,自分を
事例として、自分の健康状態やライフスタイルに合った、望ましい食生活を実現できる力の習得も目的とする。
授業計画:
1.オリエンテーション,「栄養学」の視野1:日本の子どもたちの家族との共食
2.「栄養学」の視野2:世界における栄養の二重苦-飢餓と摂取過剰
3.何をどのくらい食べたらよいか:食事バランスガイド
4.何をどのくらい食べたらよいか:6つの基礎食品,四群点数法
5.食事アセスメントの基本としての食事調査法
6.栄養素の機能と代謝① 炭水化物,脂質
7.栄養素の機能と代謝② たんぱく質
8.栄養素の機能と代謝① ビタミン,ミネラル,水分
9.どの栄養素をどのくらい摂取したらよいか:食事摂取基準
10.スポーツと栄養
11.食生活と健康状態の現状と課題:国民健康・栄養調査
12.農業政策と栄養政策
13.食育と食環境づくり
14.健康・栄養情報の読み解き方
15.まとめ:自分のライフスタイルにあった健康な食生活の実現に向けて
授業の方法:
原則講義形式。一部演習も実施。
成績評価方法:
試験(持込不可)、および提出物の状況から、総合的に評価
教科書:
必要資料は随時配布。参考図書を紹介。
参考書:
香川靖雄「やさしい栄養学」(女子栄養大学出版部)
上西一弘「食品成分最新ガイド 栄養素の通になる」(女子栄養大学出版部)
武見ゆかり・吉池信男編「食事バランスガイドを活用した栄養教育・食育実践マニュアル」(第一出版)
履修上の注意・備考:
開講中に数回、授業内容に関するコメントや課題などの提出を求めるので、それに適宜対応すること。
教育職員免許法上の認定科目:(保)栄養学,便覧 (注 1)参照
‐89‐
科目番号:0965411
担当教員:佐々木司,川内基裕
講義題目:機能解剖学 I
単位数:2
学期:夏
授業科目:心身発達科学特殊講義
Functional Anatomy I
授業の目的・概要:
身体運動(器楽、声楽、舞踊などを含む)とその学習の理解、健康の維持・増進とその教育に役立つ、身体(脳・神経を含む)の構造な
らびに機能に関する基本的な知識を学習する。
冬学期の機能解剖学Ⅱとともに単位を取得した者には、解剖実習への参加の権利が与えられる可能性がある。
授業計画:
全 15 回のうち、最終回は試験とし、残り 14 回を、総説、呼吸器、循環器、血液、消化器、筋・骨格系、神経・感覚器、生殖・発生に分け
て講義を行う。講義は佐々木と川内とで、分野によって分担する。
授業の方法:
基本的に講義形式
成績評価方法:
期末試験と出席点(小テストを授業で施行した場合にはその点数が加わる)
教科書:
佐々木担当の授業では、坂井建雄、橋本尚詞「ぜんぶわかる 人体解剖図」成美堂出版 を教科書とする。
参考書:
坂井建雄、久光正「ぜんぶわかる 脳の事典」成美堂出版 藤田恒夫「入門人体解剖学」南江堂
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(体)生理学(運動生理学を含む)
‐90‐
科目番号:0965412
担当教員:本間典子
単位数:2
講義題目:機能解剖学 II
学期:冬
授業科目:心身発達科学特殊講義
Functional Anatomy II
授業の目的・概要:
人体解剖学は、今や医学に留まらず、「人間」を考える多くの学問の基盤ともなる知であるが、医学部以外で実際の人体標本に触れ
る機会はほとんどない。そこで、本講座では、前半で解剖学の基礎知識を学習し、後半で本学の貴重な人体標本を用いた実習に臨む
ことにより、解剖学の精神的背景や生命倫理をも含めた解剖学的視点の習得を目指す。特筆すべきは、本講義単位取得者には、次
年度の医学部肉眼解剖実習への参加資格が与えられることである。
毎年、多様な学部から学生が集まるので、その年々の学生のニーズに合わせて、分子生物学や医学分野の最新の研究トピック・倫
理問題についても随時紹介し、 参加者同士の discussion を交えつつ進めていきたい。
授業計画:
各器官の機能についての講義を10回、人体組織/標本を用いた実習を4回行う。実習には、骨・組織標本観察実習、医学部標本室・
総合博物館見学実習が含まれる。実習では、小論形式のレポートの書き方も指導する予定である。希望者には、講義時間外にマウス
の解剖実習機会も提供する。
授業の方法:
講義は、教育学部の教室で板書とパワーポイントを使って行い、実習は、人体を扱う関係上、医学部の研究室・実習室・標本室・博物
館で行う。
成績評価方法:
講義・実習の出席点とレポート評価で行う。学生一人一人が、人体標本と真摯に向き合うことによって得ることを最も重視するので、実
習の出席点を重く評価する。
教科書:
特に教科書の指定は行わず、適宜プリントで参考資料を配布する。
参考書:
グレイ解剖学(エルゼビアジャパン)、トートラ解剖学(丸善)、ぜんぶ分かる人体解剖図(坂井建雄他 成美堂出版)他
履修上の注意・備考:
全学部の全ての学年の学生を歓迎する。人体構造に関する知識はある程度もっている事が望ましいが、解剖学Iの単位取得は、必
須とはしない。
前述の通り、本講義の単位を取得した学生には、解剖学・組織学に高い関心を持つ希望者に対し、平成27年4月から行われる医学
部での人体解剖実習への参加を認める予定である(詳細については講義で説明する)。全学部からの参加を歓迎したいが、受け入れ
体制に限界があるため、希望者多数の場合は、希望動機や必要性に基づき、選考を行うことをご了承願いたい。
教育職員免許法上の認定科目:(体)生理学(運動生理学を含む)
‐91‐
科目番号:0965413
担当教員:佐々木司,市川伸一,
単位数:2
学期:冬
山本義春,東郷史治
講義題目:ストレス・マネジメント概論
授業科目:心身発達科学特殊講義
Introduction to Stress-Management
授業の目的・概要:
生活上でさまざまな課題、あるいは心理・社会・生物学的なストレスに出会うことは誰もが避けて通れないことである。
本講義では、そのような課題やストレスに対処し、それを克服するためのスキルと身体基盤の獲得・向上に必要な知識の習得を目的と
する。特に大学生活、あるいは卒業後の生活における課題、ストレスへの対処力向上を目標とする。この講義で得られた知識やスキ
ルをもとに、受講者自身の健康増進と維持、生活の充実をはかるとともに、自分の周囲の人々、社会全体の幸福の実現、相互の扶助
に貢献できる人材として各学生が成長することを期待する。学部・大学院を問わず、また教育学部のみでなく、全学の学部・研究科学
生の履修を歓迎する(単位認定については各学部・研究科の規定による)。
授業計画:
講義は毎回オムニバス形式で設定されたテーマごとに、教育学部心身発達専修ならびに本学学生相談ネットワーク本部(精神保健支
援室、学生相談所など)の各教員が授業を行う。 各回の講義テーマは、オリエンテーションおよび相談機関の紹介、学習の動機付け、
生活リズムと心身の健康、不安とつきあう、メンタルヘルス、ストレスと心理的課題、親密な人間関係の発達・発展(家族療法コミュニケ
ーションの知見から)、ハラスメントについて、社会人生活とメンタルヘルス、身体運動とメンタルヘルス、キャリアについて考える、など
を予定している。 各回の予定の詳細については、東京大学ホームページの学生相談ネットワーク本部ホームページも参照して下さ
い。
授業の方法:
基本的には講義形式で行うが、各回で若干異なる
成績評価方法:
毎回の講義で課す小レポートで行う(毎回講義の最後に記述し提出する)。この小レポート提出は出席の確認も兼ねる。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
特に指定しない。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(体)学校保健,便覧 (注 2)参照
‐92‐
科目番号:0965414
担当教員:下山晴彦,野崎大地,南風原 単位数:2
学期:夏
朝和,星加良司,川本隆史,能智正博,
仁平典宏,石丸径一郎
講義題目:バリア・スタディーズ
授業科目:心身発達科学特殊講義
Barrier Studies
授業の目的・概要:
人々は、社会生活をおくるにあたって様々な困難に遭遇する。中でも、障害者を含めて社会の中で周縁的な位置に置かれているマイノ
リティの人々にとって、建築物や社会制度や文化価値それ自体が、構造的なバリアを構成していることが多い。
バリア研究は、こうした物理的・社会的・文化的バリアを抽出し、記述し、知識を集積することで、そうしたバリアを乗り越える方策を探る
ものである。本講義は、幅広い専門性を持つ教員による講義を通じて、バリアについて多角的に把握するための視点と道具を提供す
ることを目的とする。
授業計画:
第 1 回: オリエンテーション
第 2 回: 「バリア」の認識論(星加)
第 3 回: 社会現象としての障害(星加)
第 4 回: 障害によって明らかにされた脳の働き(野崎)
第 5 回: 障害を科学の力で克服する試み(野崎)
第 6 回: 障害者の語り(能智)
第 7 回: 当事者研究の可能性(熊谷)
第 8 回: 3・11 の問題系と障害(仁平)
第 9 回: 性的マイノリティのバリアフリー(石丸)
第 10 回: 精神障害の診断分類の相対性(下山)
第 11 回: 教育評価におけるバリアフリー(南風原)
第 12 回: 障碍・依存・ケア(川本)
第 13 回: 総括
授業の方法:
オムニバス形式の講義を行う。
成績評価方法:
受講生の積極的な授業参加による貢献を重視する。すなわち討論における課題提起や、随時課されるエッセイ等の提出基づいて、総
合評価を行う。
教科書:
特になし
参考書:
授業時に指示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐93‐
心身発達科学専修
科目番号:0966101
教育心理学コース
担当教員:藤村宣之
単位数:2
講義題目:教授・学習心理学概論
学期:夏
授業科目:教育心理学概論
Psychology of Learning and Instruction
授業の目的・概要:
教授・学習にかかわる認知プロセス,小学校~高校の授業における教授・学習のプロセス,それに関連する子どもの発達のプロセス,
それらの学習や発達を促進する学習方法について一人一人の学習者の視点から心理学的に明らかにする。それらの心理学的知見を
もとに,子どもの学力やリテラシーの形成に有効な学習方法やカリキュラムについて検討する。
授業計画:
第1回:子どもの学力の心理学的分析①(数学的・科学的リテラシー,概念的理解)
第2回:子どもの学力の心理学的分析②(読解力,無答率,学習観,手続き的知識)
第3回:教授・学習のベースとなる発達プロセス①(発生的認識論,ピアジェ,構成主義)
第4回:教授・学習のベースとなる発達プロセス②(具体的操作,形式的操作,均衡化)
第5回:教授・学習のベースとなる発達プロセス③(素朴理論,素朴概念,領域固有性)
第6回:教授・学習に関わる認知的プロセス①(知識獲得,熟達化,初心者と熟達者)
第7回:教授・学習に関わる認知的プロセス②(発見学習,有意味受容学習,認知的葛藤)
第8回:授業を通じた短期的変化と学習方法①(既有知識,概念変化,方略変化)
第9回:授業を通じた短期的変化と学習方法②(発問、討論過程,多様性,協同学習)
第10回:授業を通じた長期的変化①(デザイン実験,自己説明,記述型課題)
第11回:授業を通じた長期的変化②(協同的探究学習,教科間連携,言語活動)
第12回:教授・学習過程における社会的相互作用(知識統合,他者の役割,自己内対話)
第13回:教授・学習心理学:新たな研究方法論(個人内変化,マイクロジェネティックアプローチ)
第14回:教授・学習心理学から教育への提言①(教育と発達の関係,最近接発達領域)
第15回:教授・学習心理学から教育への提言②(心理学的学力モデル,カリキュラム)
授業の方法:
学校の授業における教授・学習のプロセスや,それを基礎づける発達や認知のプロセスについて,教科書に記載されている具体的な
研究事例をもとに理解し,さらに,それにもとづく学習方法や学習内容の構成について,教科書に記載されている心理学的実践研究を
中心に考察を深める。
成績評価方法:
授業時の小レポート,および期末レポートにより行う。
教科書:
『数学的・科学的リテラシーの心理学ー子どもの学力はどう高まるかー』(藤村宣之著,有斐閣,2012 年)
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(公)心理学
‐94‐
科目番号:0966102
担当教員:下山晴彦,能智正博,高橋 単位数:2
学期:夏
美保,石丸径一郎,袴田優子
講義題目:心理教育相談(カウンセリング)入門
授業科目:教育心理学概論
Introduction of Counseling
授業の目的・概要:
この授業では、教育学研究科附属心理教育相談室で実施している心理療法やカウンセリングを中心に、心理臨床実践の全体像を紹
介する。目的は、広く一般に開かれた東京大学心理教育相談室のカウンセリング活動を受講生に理解していただくことである。
授業計画:
1. 心理教育相談とは(下山)
2. 来談者中心療法(石丸)
4. 精神分析(高橋)
5. 認知行動療法(石丸)
6. 子どもの認知行動療法(下山)
7. 家族療法(高橋)
8. コミュニティ心理学(能智)
9. リハビリテーション・カウンセリング(能智)
10. 認知リハビリテーション(袴田)
11. 心理療法の作用 メカニズム―精神障害の神経基盤とその回復について(袴田)
12. トラウマの心理療法(袴田)
13. ジェンダーと心理療法(石丸)
14. 日本固有の心理臨床(高橋)
15. 試験(袴田)
*講義の順番は変更になる可能性があります。
授業の方法:
基本的に講義形式だが、回によってはディスカッションを交え、ミニ・レポートを課す場合もある。
成績評価方法:
授業の内容についての筆記試験を通じて成績評価を行う。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
特に指定しない。
履修上の注意・備考:
原則として全回出席の見込みがある学生のみ履修を認める。心理学だけでなく、さまざまな分野の学生の参加を歓迎する。なお、この
授業は、学部横断型バリアフリー教育プログラムの一般科目として認定されている。
教育職員免許法上の認定科目:
‐95‐
科目番号:0966103
担当教員:遠藤利彦
単位数:2
講義題目:発達心理学
学期:夏
授業科目:教育心理学概論
Developmental Psychology
授業の目的・概要:
授業の目標:
現代発達心理学の成果に基づき、子どもの発達のプロセスおよびメカニズムについて基本的理解を得るとともに、子どもの発達に資す
る養育・教育環境の役割について考究する力を身につける。
授業の概要:
近年の発達心理学およびその周辺諸科学の成果に依拠しながら、主に乳幼児期から児童期くらいにかけての子どもの知情意全般の
発達の様相と機序について概説し、それらに養育環境、とりわけ母子、父子といった種々の関係性および社会文化の諸特質がいかな
る影響を及ぼし得るかについて考察を行う。また、早期段階における個人差が何に起因して生じるかを遺伝と環境に関する最新の諸
議論を踏まえながら解説した上で、それがその後の生涯発達過程においてどのような連続性あるいは不連続性を呈するかなどについ
ても論考することにしたい。さらに、そうした標準的な発達プロセスおよびメカニズムとの対比において、ADHD や自閉症あるいは広汎
性発達障害等におけるそれらがいかなる特異性を有しているかを解説し、そうした発達障害に対してどのような支援が必要であるかに
ついて考える。
授業計画:
第1回:私的発達心理学序論:錯覚と発達①
第9回:アタッチメントの個人差とその規定因
第2回:私的発達心理学序論:錯覚と発達②
第 10 回:アタッチメントの生涯発達と世代間伝達
第3回:生涯発達心理学の展開と課題
第 11 回:子どもの対人関係の広がりと自己
第4回:遺伝と環境①:進化発達心理学
第 12 回:感情の起源と発達
第5回:遺伝と環境②:行動遺伝学
第 13 回:感情的知性の発達
第6回:発達における時間の意味:個体発生
第 14 回:「心の理論」の起源と発達
第7回:発達の素地としてのアタッチメント
第 15 回:総括と展望
第8回:アタッチメントの起源と発達
定期試験
授業の方法:
基本的に講義形式で行う。
成績評価方法:
基本的に試験成績に基づいて行う(小レポートを適宜、課す場合もある)。
教科書:
特に用いない。
参考書:
数井みゆき・遠藤利彦(編)『アタッチメント:生涯にわたる絆』ミネルヴァ書房 2005 年
遠藤利彦(編)『発達心理学の新しいかたち』誠信書房 2005 年
遠藤利彦(編)『読む目・読まれる目:視線理解の進化と発達の心理学』東京大学出版会 2005 年
数井みゆき・遠藤利彦(編)『アタッチメントと臨床領域』ミネルヴァ書房 2007 年
遠藤利彦他(著)『乳幼児のこころ:子育ち・子育ての発達心理学』有斐閣 2011 年
小西行郎・遠藤利彦(編)『赤ちゃん学を学ぶ人のために』世界思想社 2012 年
氏家達夫・遠藤利彦(編
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(公)心理学
‐96‐
科目番号:0966201
担当教員:全教員
単位数:4
講義題目:教育心理学実験演習 II
学期:夏
授業科目:教育心理学基礎演習
Experiments in Educational Psychology II
授業の目的・概要:
実習や見学を通じて,教育心理学の研究や実践をおこなうための基礎を養う。
授業計画:
確定したスケジュールは,初回授業で提示するが,面接法,性格検査,発達検査,知能検査,調査(質問紙)データの解析,認知心理
学実験などの実習のほか,必要に応じて,心理学の生かされている現場(学校,老人ホーム)の見学も行っていく。
授業の方法:
実習,見学
成績評価方法:
レポート
教科書:
参考書:
南風原朝和・市川伸一・下山晴彦(編)「心理学研究法入門」東京大学出版会
履修上の注意・備考:
履修は,原則として,教育心理学コースの学生に限る。
教育職員免許法上の認定科目:
科目番号:0966202
担当教員:全教員
単位数:4
講義題目:教育心理学実験演習 III
学期:冬
授業科目:教育心理学基礎演習
Experiments in Educational Psychology III
授業の目的・概要:
具体的な研究テーマのもと,研究の計画からデータの収集と解析,考察,報告書の作成にいたる,一連の研究活動にかかわり,心理
学研究の実際を理解する。
授業計画:
1学期を,前半と後半,2つのタームに分け,それぞれのタームにおいて1つずつ,研究活動をおこなう。テーマは,教員や大学院生の
提案する研究テーマの中から,各自の興味関心にしたがって選択する。
授業の方法:
グループ実習
成績評価方法:
研究活動,レポート
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
履修は,原則として,教育心理学コースの学生に限る。「教育心理学実験演習Ⅰ」「教育心理学実験演習Ⅱ」とともに,実質的に,教育
心理学コースの必修科目である。ほかの実験演習に比べると,参加者自身が,研究に積極的にかかわっていける余地が大きく,コー
スの科目では模擬卒業論文のような位置づけとなっている。
教育職員免許法上の認定科目:
‐97‐
科目番号:0966501
担当教員:全教員
単位数:2
講義題目:教育心理学研究指導
学期:通年
授業科目:教育心理学研究指導
Guided Research in Educational Psychology
授業の目的・概要:
本年度に卒業論文を執筆する予定の学生が,各自の関心にもとづき研究をおこない,心理学の研究論文を作成する。
授業計画:
各自の進捗状況に応じて,コースの教員が個別に指導をおこなっていくほか,年に3回開かれる,コースの全教員と卒業論文の執筆
予定者全員が参加する検討会でも助言をおこなっていく。
授業の方法:
指導教員による個人指導
成績評価方法:
卒業論文作成に向けての研究活動を総合的に評価する。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
卒業論文検討会の日程などについてはコース掲示板にて随時告知するので,常にコースの掲示板に注意しておくこと。
年度初頭の卒業論文ガイダンスには必ず出席すること。
教育職員免許法上の認定科目:
‐98‐
心身発達科学専修
身体教育学コース
科目番号:0967101
担当教員:山本義春
単位数:2
講義題目:身体教育学概論 I
学期:夏
授業科目:身体教育学概論Ⅰ
Introduction to Physical and Health Education I
授業の目的・概要:
からだの理(教育生理学)及び、からだを育むこと(身体教育科学)に関わる基本的な事象と現代的な課題について幅広く学ぶ機会と
する。本講義では、学生のプレゼンテーションと教員の概説との相互交流により、それぞれの問題を論議する。
授業計画:
主要な設定課題は以下の通りである(2013 年度)。
・身体とは?
・身体性とは?
・ストレスと脳
・インターネットと健康
・現代生活と身体(1)睡眠とメンタルヘルス
・現代生活と身体(2)健康づくりのための身体活動
・現代生活と身体(3)立ちくらみ
・現代生活と身体(4)健康と栄養
・身体運動の制御(1)身体運動と脳
・身体運動の制御(2)運動学習
・身体運動の制御(3)歩行
・身体運動の制御(4)姿勢
授業の方法:
最初の2回は教員による講義とし、設定課題とそれに関連する教科書や文献を指定する。それぞれの課題に担当学生を割り当てるの
で、担当学生は課題にかかわる資料を作成し、評価。自らの意見も含めてまとめ、当日発表する。この発表を元に討議する。
成績評価方法:
平常点(出席)、レポートおよび試験よる総合評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(体)体育原理
‐99‐
科目番号:0967102
担当教員:多賀厳太朗
講義題目:身体教育学概論 II
単位数:2
学期:冬
授業科目:身体教育学概論Ⅱ
Introduction to Physical and Health Education II
授業の目的・概要:
脳とこころの発達(発達脳科学)及び、心身の健康と安全(健康教育学)に関わる基本的な事象と現代的な課題について幅広く学ぶ機
会とする。本講義では、学生のプレゼンテーションと教員の概説との相互交流により、それぞれの問題を論議する。主要な設定課題は
以下の通りである。
•発達とは何か
•健康とは何か?保健で何を学ぶか?
•心身の発達
•心身の健康・発達と遺伝・環境
•脳の発達と感受性期
•免疫・アレルギーと感染症予防
•認知・思考・学習の脳科学
•セーフティ・プロモーション
•コミュニケーションと社会性の脳科学
•中枢神経発達・精神発達とその障害の疫学
•脳とコンピューター・人間とロボット
•小児発達障害とはどのようなものか
授業計画:
最初2回は教員による講義、以降は学生のプレゼンテーションを中心に授業を進める。
授業の方法:
最初2回は教員による講義とし、設定課題とそれに関連する教科書や文献を指定する。それぞれの課題に担当学生を割り当てるの
で、担当学生は課題にかかわる資料を作成し、自らの意見も含めてまとめ、当日発表する。この発表を元に討議する。
成績評価方法:
出席、プレゼンテーション、試験の総合評価とする。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は教職課程における「教科に関する科目」(体)学校保健(保)学校保健に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(体)(保)学校保健,便覧 (注 1)(注 2)参照
‐100‐
科目番号:0967201
担当教員:野崎大地,東郷史治,
単位数:4
学期:夏
平島雅也
講義題目:身体教育学実験演習 I
授業科目:身体教育学基礎演習Ⅰ
Laboratory in Physical and Health Education I
授業の目的・概要:
本実験演習の目的は、身体教育学における実験や測定に必要となる方法論・技術を習得することである。具体的には、実際に研究室
で進行している研究テーマにスポットを当てながら、問題設定の方法、様々な実験装置の使い方やデータ処理の方法などについて幅
広く学んでいく。
授業計画:
各週の予定項目は以下のとおりである。
ガイダンス
レポート作成、文献調査の仕方
AD 変換器の使い方(握力データの PC への取り込み)
表計算ソフトの使い方、簡単なデータ処理(統計処理も含む)
筋の電気的活動(筋電図)の測定
解析用アプリケーション(Matlab)の使い方
日常生活下での気分と体調の記録・分析
反射性筋活動の誘発
経頭蓋磁気刺激
心拍、血圧、呼吸の記録
スペクトル解析
授業の方法:
・実験および分析の内容について講義形式のイントロダクション。
・実験機器の使い方、データ処理の仕方を実習。
・グループ毎に取得したデータを分析し、提出期限までにレポートを提出。
成績評価方法:
平常点(出席)およびレポートによる総合評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は教科に関する科目「(体)生理学(運動生理学を含む)、(保)生理学」に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(体)(保)学校保健,便覧 (注 1)(注 2)参照
‐101‐
科目番号:0967202
担当教員:野崎大地,東郷史治,
単位数:4
学期:冬
平島雅也
講義題目:身体教育学実験演習 II
授業科目:身体教育学基礎演習Ⅱ
Laboratory in Physical and Health Education II
授業の目的・概要:
本実験演習の目的は、身体教育学における実験や測定に必要となる方法論・技術を習得することである。具体的には、実際に研究室
で進行している研究テーマにスポットを当てながら、問題設定の方法、様々な実験装置の使い方やデータ処理の方法などについて幅
広く学んでいく(身体教育学実験演習Ⅰに準じて行う)。最後の1ヶ月半は「プロジェクト研究」を行う。
授業計画:
各週の予定項目は以下のとおりである。
モーションキャプチャシステムによる動作分析
身体発揮パワーの計測
床反力の計測
運動学習能力の評価
眼球運動の計測
歩行運動の計測
プロジェクト研究
授業の方法:
・実験および分析の内容について講義形式のイントロダクション。
・実験機器の使い方、データ処理の仕方を実習。
・グループ毎に取得したデータを分析し、提出期限までにレポートを提出。
・プロジェクト研究では、3人ずつのグループで、研究計画の立案、実験の遂行、結果のまとめ、考察、プレゼンテーションまで行う。
成績評価方法:
平常点(出席)、レポート、プロジェクト研究による総合評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は教科に関する科目「(体)生理学(運動生理学を含む)、(保)生理学」に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(体)生理学(運動生理学を含む),(保)生理学,便覧 (注 1)参照
‐102‐
科目番号:0967203
担当教員:野崎大地,東郷史治
講義題目:運動指導方法(夏季野外種目)
単位数:2
学期:夏・集中
授業科目:身体教育学基礎演習Ⅲ
Seminar in Teaching Methodology of Human Movement (Outdoor Activity in Summer)
授業の目的・概要:
野外生活を経験することにより、自然環境の理解を促し、共生の方法を学ぶ一方で、安全かつ効果的な野外活動の指導方法を学ぶ。
これと並行して球技、水泳、ジョギング・ウォーキングを中心とした陸上競技の実習を行い、体育実技指導において必要な指導方法の
習得を目指す。
授業計画:
7月下旬の時期を目処に、3泊4日の予定で実施する。
昨年度は神津島で実施した。
事前(2~4 週間前)に打ち合わせを行い、実習の目的を確認するとともに、現地へのアクセス、現地での活動の詳細、個人毎に装備す
べきもの、職務分担、等を指導、調整、確認する。現地集合、現地解散とし、滞在費は各自が負担する。
授業の方法:
集中講義の形式で、夏季キャンプ実習を行う。
成績評価方法:
出席および平常点。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は教科に関する科目「(体)体育実技」に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:(体)体育実技
科目番号:0967505
担当教員:全教員
単位数:2
講義題目:身体教育学研究指導
学期:通年
授業科目:身体教育学研究指導
Tutorial in Physical and Health Education
授業の目的・概要:
卒業論文作成のためのテーマ設定、研究計画の立て方、先行研究の探索、研究手法、論文執筆の方法、卒論発表会でのプレゼンテ
ーションの方法と内容について、本コース各研究分野(身体教育科学、教育生理学、発達脳科学、健康教育学)の全教員による助言・
指導の機会と場を持つ。
授業計画:
授業の方法:
随時検討会を開催する。
成績評価方法:
平常点(出席・発表)による評価。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
本年度に卒業論文を執筆し提出する予定の 4 年次を対象とする。
教育職員免許法上の認定科目:
‐103‐
教養学部第四学期持出講義
科目番号:0968001
担当教員:小国喜弘,金森修,川本隆史, 単位数:2
学期:冬
小玉重夫,田中智志,片山勝茂
講義題目:基礎教育学概論
授業科目:
Introduction to Basic Theories of Education
授業の目的・概要:
基礎教育学は人文・社会科学的なテキスト解釈の方法によって教育現実に接近しようとする領域であり、教育哲学、教育史、教育人間
学、教育臨床学などの分野を含んで教育学の基礎的領域を構成している。
この概論では、教育哲学・教育史・教育人間学・教育臨床学の分野を中心として、知識伝達と教育、歴史と教育、教育の公共的使
命、教育思想と教育臨床学、といった教育と教育学の基礎的・基本的問題についての概観を与えるとともに、教育の理念と歴史につい
ての理解を深める。
授業計画:
以下の4つのユニットを設け、オムニバスで教育哲学・教育史・教育人間学・教育臨床学それぞれの視点から基礎教育学を概説する。
次の内容で講義を行う。
(1)教育哲学(2回/金森) 1.フランスの教育哲学1、2.フランスの教育哲学2、
(2)教育史(4回/川本・小国) 3.西洋教育史1、4.西洋教育史2、5.日本教育史1、6.日本教育史2
(3)教育人間学(4回/小玉・片山) 7.教育人間学1、8.教育人間学2、9.教育人間学3、10.教育人間学4
(4)教育臨床学(2回/田中) 11.教育臨床学
12.全体ディスカッション
最終回には、試験を行う。
授業の方法:
それぞれの教官が、各自の専門領域と問題意識に基づき、現代教育学についての重要なトピックをとりあげて解説する。基本的には
講義形式だが、講義の最後には質疑応答の時間を設ける。
成績評価方法:
評価については、教官毎の採点を行い、それを授業回数などを勘案しながら、適宜持ち点に傾斜を与え、合理的に集計する。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:※2 参照
‐104‐
科目番号:0968002
担当教員:川本隆史
単位数:2
講義題目:基礎教育学方法論演習 I
学期:冬
授業科目:
Elementary Seminar in Basic Theories of Education I
授業の目的・概要:
「基礎教育学」の方法論のトレーニングとして、文献講読(同じテキストを深くかつ広く読みこなす)を機軸に据える。具体的な進め方に
ついては、初回に参加メンバーの関心および希望を相互に述べ合い、それらの多様性を尊重しつつ決めていくことにしたい。したがっ
て一回目にはメモなりを準備の上で臨むこと。
現時点では、共通のテキストの候補として以下の作品を考えている。
ジョン・ロールズ『正義論〔改訂版〕』紀伊國屋書店、2010 年。
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波文庫 1982 年(初版:新潮社 1937 年)。
授業計画:
授業の方法:
レポーターを定めての報告・討議を軸とするが、参加者全員にレジュメの提出を義務づける。態勢が整えば各回のプロコトルも担当者
を決めて残すことにしたい。
成績評価方法:
各自の目標達成度、研究成果によって評価を行う。
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐105‐
科目番号:0968003
担当教員:本田由紀、大桃敏行、
単位数:2
学期:冬
新藤浩伸、両角亜希子
講義題目:教育・文化・社会
授業科目:
Education, Culture and Society
授業の目的・概要:
教育に関わる社会的あるいは文化的なコンテクストについて概説する。教育学部教育社会科学専修(比較教育社会学コース,教育実
践・政策学コース)の学生にとっては必修の授業であり,本郷の専門課程における学修のための基礎的な知識と基本的な考え方を学
ぶ機会とする。本専修所属で異なったコースに所属する教員4名が担当する。
授業計画:
4名の教員が次のような内容の講義を行う。
(1)新藤浩伸(生涯学習基盤経営コース)
人が日々の生活や労働の中で生涯にわたり楽しみ、学ぶ営みとその社会的基盤について考える。さまざまな機会での学習・文化活
動、活動を支える博物館やホール、公民館といった教育文化施設などを取り上げながら、文化を楽しみ、文化を学ぶことについて考え
る面白さを探る。
(2)大桃敏行(学校開発政策コース)
教育の平等保障に関する論点を整理し、それにもとづき学校参加や学校選択の自由、ホームスクール、スタンダード/アセスメント
改革など現代の教育改革に関するテーマを取りあげ、教育と社会、学校と家庭や地域との関係について検討する。
(3)本田由紀(比較教育社会学コース)
日本社会における教育・仕事・家族の関係の特徴とその変容について、様々なデータや資料に基づき解説する。特に若年労働市場
や家族の問題について、政策動向も視野に入れながら検討することにより、現下の日本の教育がいかなる課題に直面しているかを考
察する。
(4)福留 東土(大学経営・政策コース)
大学とは何かについて考える。まず、皆さん自身が体験した(している)入試・進路選択と大学教育を切り口にして日本の大学のあり方
について考える。次いで、大学の歴史について学ぶことで現代大学の成り立ちを知り、世界に存在する様々な大学について学ぶことで
体験的大学の姿を相対化することを目指す。
各授業の具体的な計画は以下の通り。
1.(新藤)社会において人が楽しみ、学ぶこと
2.(新藤)人が集まる場所としての教育・文化施設
3.(新藤)社会教育・生涯学習について
4.(大桃)教育の平等保障
5.(大桃)学校参加と学校選択の自由
6.(大桃)教育のスタンダード・アセスメント改革
7.(本田)日本社会の変容
8.(本田)教育と仕事
9.(本田)家族と教育
10 (福留)入試・進路選択と大学教育
11 (福留)大学の起源と歴史
12 (福留)世界の大学
13.試験等(予備日)
14.試験等(予備日)
15.試験等(予備日)
‐106‐
授業の方法:
講義形式。部分的に議論などの演習的要素を取り入れる。
成績評価方法:
4名の教員がそれぞれの授業時間のなかで評価を行い合算する。
教科書:
(1)新藤 使わない。レジュメ・資料を授業で配布する。
(2)大桃 使わない。レジュメを授業で配布する。
(3)本田 使わない。レジュメ・資料を授業で配布する。
(4)福留 使わない。レジュメを授業で配布する。
参考書:
(1)新藤
・畑潤・草野滋之編著『表現・文化活動の社会教育学』学文社、2007
(2)大桃
・北野秋男・吉良直・大桃敏行編著『アメリカ教育改革の最前線―頂点への競争―』学術出版会, 2012
(3)本田
・本田由紀『教育の職業的意義』ちくま新書, 2009
(4)福留
特になし
履修上の注意・備考:
この科目は、「教育実践・政策学概論」です。
教育職員免許法上の認定科目:
‐107‐
科目番号:0968004
担当教員:本田由紀,大桃敏行,
単位数:2
学期:冬
新藤浩伸,両角亜希子
講義題目:教育・文化・社会
授業科目:
Education, Culture and Society
授業の目的・概要:
教育に関わる社会的あるいは文化的なコンテクストについて概説する。教育学部教育社会科学専修(比較教育社会学コース,教育実
践・政策学コース)の学生にとっては必修の授業であり,本郷の専門課程における学修のための基礎的な知識と基本的な考え方を学
ぶ機会とする。本専修所属で異なったコースに所属する教員4名が担当する。
授業計画:
4名の教員が次のような内容の講義を行う。
(1)新藤浩伸(生涯学習基盤経営コース)
人が日々の生活や労働の中で生涯にわたり楽しみ、学ぶ営みとその社会的基盤について考える。さまざまな機会での学習・文化活
動、活動を支える博物館やホール、公民館といった教育文化施設などを取り上げながら、文化を楽しみ、文化を学ぶことについて考え
る面白さを探る。
(2)大桃敏行(学校開発政策コース)
教育の平等保障に関する論点を整理し、それにもとづき学校参加や学校選択の自由、ホームスクール、スタンダード/アセスメント
改革など現代の教育改革に関するテーマを取りあげ、教育と社会、学校と家庭や地域との関係について検討する。
(3)本田由紀(比較教育社会学コース)
日本社会における教育・仕事・家族の関係の特徴とその変容について、様々なデータや資料に基づき解説する。特に若年労働市場
や家族の問題について、政策動向も視野に入れながら検討することにより、現下の日本の教育がいかなる課題に直面しているかを考
察する。
(4)両角亜希子(大学経営・政策コース)
大学の経営、大学教育のあり方、現代の高等教育政策といったテーマを取り上げる。これらについての基礎的な知識を身につけ、そ
の事態と趨勢の理解を深めるとともに、その現代的な問題点について各自の問題意識を発展させることを目指したい。
各授業の具体的な計画は以下の通り。
1.(新藤)社会において人が楽しみ、学ぶこと
2.(新藤)人が集まる場所としての教育・文化施設
3.(新藤)社会教育・生涯学習について
4.(大桃)教育の平等保障
5.(大桃)学校参加と学校選択の自由
6.(大桃)教育のスタンダード・アセスメント改革
7.(本田)日本社会の変容
8.(本田)教育と仕事
9.(本田)家族と教育
10.(両角)大学教育の現状と改革課題(1)
11.(両角)大学教育の現状と改革課題(2)
12.(両角)大学教育の現状と改革課題(3)
13.試験等(予備日)
14.試験等(予備日)
15.試験等(予備日)
‐108‐
授業の方法:
講義形式。部分的に議論などの演習的要素を取り入れる。
成績評価方法:
4名の教員がそれぞれの授業時間のなかで評価を行い合算する。
教科書:
(1)新藤 使わない。レジュメ・資料を授業で配布する。
(2)大桃 使わない。レジュメを授業で配布する。
(3)本田 使わない。レジュメ・資料を授業で配布する。
(4)両角 使わない。必要に応じて授業時間内に配布する。
参考書:(1)新藤
・畑潤・草野滋之編著『表現・文化活動の社会教育学』学文社, 2007
(2)大桃
・北野秋男・吉良直・大桃敏行編著『アメリカ教育改革の最前線―頂点への競争―』学術出版会, 2012
(3)本田
・本田由紀『教育の職業的意義』ちくま新書, 2009
(4)両角
特になし
履修上の注意・備考:
この科目は、「教育実践・政策学概論」です。
教育職員免許法上の認定科目:
‐109‐
科目番号:0968005
担当教員:勝野正章、村上祐介
講義題目:教育行財政学
単位数:2
学期:冬
授業科目:
Educational Administration and Educational Finance
授業の目的・概要:
教育行財政学並びに教育(学校)経営学の基本事項について、現代の改革や国際比較の視点を交えながら学び理解を深めることを
目標とする。前半を村上が、後半を勝野が担当する。この科目は教職課程における「教科に関する科目」(社)経済学(公)経済学(国
際経済を含む)である。
授業計画:
教育行財政学分野(村上担当)
1 教育行政の範囲と展開
2 中央政府の教育行財政のしくみ
3 地方政府の教育行財政のしくみ
4 教育行財政の中央地方関係
5 教育費と教育財政
6 教職員に関する制度
教育経営・学校経営分野(勝野担当)
7 学校改善と「効果のある学校」研究
8 学校経営におけるリーダーシップ
9 教師の職能成長と学校経営
10 学校と保護者・地域の連携
11 学校評価・教員評価
12 学校経営と学校組織の改革
授業の方法:
講義を中心とし、内容について討議を行いながら授業を進める。
成績評価方法:
期末試験による。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
小川正人著『現代の教育改革と教育行政』(放送大学教育振興会)
藤田英典・大桃敏行編著『学校改革』(日本図書センター)
勝野正章・藤本典裕編著『教育行政学』(学文社)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:(社)経済学,(公)経済学(国際経済を含む)
‐110‐
科目番号:0968006
担当教員:李正連
単位数:2
講義題目:社会教育論 I
学期:冬
授業科目:
Theories of Adult Education I
授業の目的・概要:
近年、科学技術の発達や情報化、グローバル化、少子高齢化等の急激な社会の変容が進む中、学校教育万能の時代は過ぎ去り、生
涯学習の必要性が世界的な高まりを見せつつある。そこで、この講義では、社会教育・生涯学習の概念及び原理を概観して、理解す
るとともに、日本及び世界諸国における社会教育・生涯学習の動向を検討することによって、社会教育・生涯学習の意義、さらに今後
の社会・生涯教育のあり方について考えることを目的とする。
授業計画:
1.社会教育・生涯学習とは何か
2.社会教育の歴史的理解
3.生涯学習理念の登場背景及び主要な生涯学習論
4.生涯学習の国際的動向①:欧米の動向を中心に
5.生涯学習の国際的動向②:アジアの動向を中心に
6.社会教育・生涯学習の法制及び主要政策
7.生涯学習への移行
8.社会教育施設・職員①:公民館
9.社会教育施設・職員②:図書館・博物館、その他
10.学校教育と社会教育・生涯学習
11.社会的弱者と社会教育・生涯学習
12.まちづくりと社会教育・生涯学習
13.参画型社会と市民の学び
14.現代的課題と社会教育・生涯学習の可能性
15.期末試験
授業の方法:
基本的に講義形式とするが、授業中数回にわたってワーキングペーパーを書いてもらう。
成績評価方法:
授業中のワーキングペーパー40%、期末試験 60%
教科書:
小林文人・伊藤長和・李正連編著『日本の社会教育・生涯学習~新しい時代に向けて~』大学教育出版、2013 年 9 月。
参考書:
授業中随時提示する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目: 教科又は教職に関する科目
‐111‐
科目番号:0968007
担当教員:浅井幸子
単位数:2
講義題目:教育資料調査演習
学期:冬
授業科目:
Seminar in Resources of Educational Research
授業の目的・概要:
教育実践・政策学コースにおける教育資料の範囲と扱い方を学ぶ。
教育実践・政策学コースの学生が教育実践・教育政策について学ぶ際に必要な情報リテラシーを身につける。
大まかな内容は、
駒場図書館、教育学部図書室と総合図書館の利用法
文献の探し方、読み方と書評執筆
雑誌論文の探し方
教育関係行政情報の探し方
各自のテーマによる文献レビュー執筆とそのプレゼンテーション
などである。
授業計画:
1 教育学書と教育学雑誌の概要
2 代表的な雑誌の書評、レビュー、論文を読む
3 教育学書を 1 冊取り上げて書評を書く
4 文献レビューのための文献探索
5 レビュー執筆とプレゼンテーション
授業の方法:
演習方式。方法を学び、それを用いて文章を書いたり、発表したりする。
成績評価方法:
出席(30%)+レポート(40%)+プレゼンテーション(30%)。
教科書:
なし。
参考書:
適宜指定する。
履修上の注意・備考:
履修は教育実践・政策学コースの学生及び司書資格(旧課程)の取得を目指している学生に限る。
教育職員免許法上の認定科目:
‐112‐
科目番号:0968008
担当教員:影浦峡
単位数:2
講義題目:情報・資料分析論演習
学期:冬
授業科目:
Seminar in the Analysis of Information and Documents
授業の目的・概要:
標準的な統計学や調査法演習の一歩手前(といっても内容的に手前なのではなく認識の問題を扱うと言う意味で)として、データのか
たちと形式化、図示、データの背後に世界を想定するとはどういうことか、それに対してどのようなデータをどのように捉えることができ
るか、を学びます。標準的な統計の用語では、記述統計・探索的データ解析・推測統計の基本的枠組みを理解するところまでをカバー
します。実習には、フリーの先端的統計解析・データ解析ソフトであるR(アール)を用います。データのかたちを把握し、そこから解釈の
枠組みへと思考実験的に遡ること、その解釈の枠組みに従ってデータを取扱い処理すること、の2方向へと話を展開します。量的な分
析としては、統計分析の基本をデータのかたちを中心に考えることになります。特に何ということもありませんが、授業は英語でやりま
す。
授業計画:
第1回:導入・データのかたち
第2回:表のかたち、表のバリエーション、グラフのバリエーション、用語、統計の大枠
第3回:量的データの分類とデータの整理、位置の尺度とちらばりの尺度
第4回~第6回:一変量データの分析(1) 図示と R の使い方
第7回~第9回:一変量データの分析(2) 区間推定の考え方と R の使い方
第10回~第12回:一変量データの分析(3) 仮説検定と分散分析
第13回:二変量・多変量・マルチウェイデータ
第14回:再び、データのかたち
第15回:再び、解釈の枠組みについて
授業の方法:
説明と議論・実習・課題を組合せて進めます。
成績評価方法:
成績は、主に(1)については課題の遂行により、(2)については小テストと授業への参加度により評価します。
教科書:
使いません。
参考書:
直接授業には関係しませんが、並行して新井紀子『数学は言葉』(東京図書)を推奨します。
(2)に関連する参考図書として南風原朝和『心理統計学の基礎』(有斐閣)、ホーエル『初等統計学』培風館、柳井晴夫他『やさしい統計
入門』(講談社ブルーバックス)などがあります。好みに応じて手元に置いておくとよいでしょう。英語ではホーエルの原書および Verzani
Using R for Introductory Statistics. Chapman & Hall.が授業との関係ではお勧めです。中級まで進みたい場合 DeGroot & Schervish
Probability and Statistics. Addison Wesley.がよいでしょう。R を用いた入門書として日本語では山田ほか『R によるやさしい統計学』(オ
ーム社)をお勧めします。
履修上の注意・備考:
実習でコンピュータを使います。駒場の情報基盤センターで行います。
特に何ということはありませんが、講義とやりとりは英語で行います。日英の用語対訳表は、必要に応じて授業時に配布します。
教育職員免許法上の認定科目:
‐113‐
科目番号:0968009
担当教員:星野崇宏
単位数:2
講義題目:心理統計学 I
学期:冬
授業科目:
Psychological Statistics I
授業の目的・概要:
心理学研究と統計的方法との関係について概観したうえで,調査や実験で得られるデータを解析するための具体的方法と,その背後
にある統計的な考え方や理論について解説する。主な内容は以下の通り。
1.心理学研究と統計
2.分布の記述的指標とその性質
3.相関関係の把握と回帰分析
4.確率モデルと標本分布
授業計画:
1.研究のプロセス
2.データとその表現
3.分布の代表値
4.分布の散布度
5.変数の線形変換と標準化
6.共分散と相関係数
7.回帰直線のあてはめ
8.回帰分析における予測値と残差の性質
9.相関係数と回帰係数の性質の違い
10.相関と共変と因果
11.測定の妥当性と信頼性
12.確率モデルと標本分布
13.比率の標本分布の導出
14.正規分布モデルと平均の標本分布
15.2 変数正規分布モデルと相関係数・回帰係数の標本分布
16.確率モデルの適用に関する諸問題
授業の方法:
講義による。
成績評価方法:
期末試験による。
教科書:
南風原朝和『心理統計学の基礎-統合的理解のために』(有斐閣,2002 年)
参考書:
南風原朝和・平井洋子・杉澤武俊『心理統計学ワークブック-理解の確認と深化のために』(有斐閣,2009 年)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:
‐114‐
科目番号:0968010
担当教員:コース全教員
講義題目:教育心理学実験演習 I
単位数:4
学期:冬
授業科目:
Experiments in Educational Psychology I
授業の目的・概要:
実習や見学を通じて,教育心理学の研究や実践をおこなうための基礎を養う。
授業計画:
確定したスケジュールは,初回授業で提示するが,面接法,性格検査,発達検査,知能検査,調査(質問紙)データの解析,認知心理
学実験などの実習のほか,必要に応じて,心理学の生かされている現場(養護学校,家庭裁判所)の見学も行っていく。
授業の方法:
実習,見学
成績評価方法:
レポート
教科書:
参考書:
南風原朝和・市川伸一・下山晴彦(編)「心理学研究法入門」東京大学出版会
履修上の注意・備考:
履修は,原則として,教育心理学コースの学生に限る。
教育職員免許法上の認定科目:
‐115‐
教職課程科目(Ⅰ)本郷キャンパス
科目番号:0969101
担当教員:小森潔
単位数:2
講義題目:国語科教育法 III
学期:夏
授業科目:
Japanese Language Teaching Methods III
授業の目的・概要:
「何のために国語を教えるのか」「国語で何を教えるのか」といった根源的な問題について教科書に掲載されている具体的な教材を用
いて検討した上で、各教材の教材価値を判断し、個々の問題意識に基づく授業を構築・展開できるようにする。あわせて、国語教育の
理論的・歴史的問題も視野に含めつつ、現在の国語教育の抱える諸問題を考察し、具体的な指導に活かすことを検討する。
授業計画:
第1回:「国語」という教科への疑問(自己の「国語」体験を振り返る)
第2回:国語教育の目標と意義(「文学教育」か「言語技術教育」か)
第3回:評論の教材研究と教材価値
第4回:評論の具体的な指導法
第5回:小説の教材研究と教材価値
第6回:小説の具体的な指導法
第7回:古典教育の意義(なぜ「古文」「漢文」を教えるのか)
第8回:評価方法(「国語」における適切な評価とは)
第9回:「学習指導案」の作成(教材の価値は・評価のポイントは)
第 10 回:国語教育史(「国語」とは何だったのか)
第 11 回:これからの国語教育(「メディア・リテラシー」等の必要性)
第 12 回:個別発表①(評論・表現教材の学習指導案と模擬授業)
第 13 回:個別発表②(随想・小説・詩・短歌・俳句教材の学習指導案と模擬授業)
第 14 回:個別発表③(古文教材の学習指導案と模擬授業)
第 15 回:個別発表④(漢文教材の学習指導案と模擬授業)
授業の方法:
講義、ディスカッション、個別発表による。
成績評価方法:
各教材の教材価値を自ら判断し、個々の問題意識に基づく授業を構築・展開できる能力を身に付けることができたかどうかを評価のポ
イントとする。具体的には、毎授業時に課される課題、個別発表(教材価値、評価基準等も記載した「学習指導案」の内容も含む)、レ
ポート(各自の問題意識に基づいてテーマを設定する)の3点を評価の対象とする。
教科書:
高等学校の国語教科書(『国語総合』教育出版)を用いる。入手方法は、第1回目の授業時に指示する。
参考書:
授業時間中に提示する。
履修上の注意・備考:
この科目は教職に関する科目であるので、原則として「国語」の教員免許を取得しない者の受講は認めない。
教育職員免許法上の認定科目:国語科の指導法
‐116‐
科目番号:0969102
担当教員:勝亦あき子
講義題目:国語科教育法 IV
単位数:2
学期:冬
授業科目:
Japanese Language Teaching Methods IV
授業の目的・概要:
中等教育における国語教育・国語科教育の今日的課題を概観し、実践的な視点から、教科としての「国語」を理解する。また、教育実
習に資するように、授業構築する力を養う。
授業計画:
内容を前期と後期に分ける。前期は、教科教育としての国語科教育について概論を把握する。後期は、模擬授業を中心として実際の
場としての国語の授業について検討を行う。
1.中等教育における「国語科」
2.学習指導要領
3.「話すこと・聞くこと」の指導
4.「書くこと」の指導
5.「読むこと」の指導
6.「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の指導
7.授業の構成要素
8.教育実習と学習指導案
授業の方法:
基本形態としては、講義及び教員と受講者相互の議論による。
成績評価方法:
出席状況、時間内での取り組みの様子、および数回のレポート
教科書:
中学校・高等学校学習指導要領解説 国語編
参考書:
適宜プリント配付および紹介をする
履修上の注意・備考:
教員として生徒の出欠を管理することが仕事の一つにある。また、教員は生徒と関わっていく仕事でもある。そのため、受講生も自らが
教員として生徒の前に立つことを見据えての関心・意欲・態度を持って授業に臨まれることを期待する。
教育職員免許法上の認定科目:国語科の指導法
‐117‐
4 月 7 日更新
科目番号:0969103
担当教員:小林汎
単位数:2
講義題目:社会科教育法 III
学期:夏
授業科目:
Social Studies Teaching Methods III
授業の目的・概要:
中学校(中等教育の前期)において、社会科を担当する際の実践的指導力の基礎を身に付けることを目的としま
す。その際、社会科のねらいを理解した上で、それを実現するための教員の資質・能力を高めるような社会科の
学習方法(授業方法)が身につくように学びます。
授業計画:
1
「社会科教育法Ⅲ」
事始め(その 1)~オリエンテーション~
2
「社会科教育法Ⅲ」
事始め(その 2)~社会科のカリキュラムの変遷から~
3
“学び”について考える~学校・教育問題と社会科について~
4
“授業とは”~プロの授業から学ぶ①「竹崎季長がんばる」
(ビデオ)
:小 6 の歴史~
5
授業創り(その1)~実物教材の魅力生かすには~
6
授業創り(その2)~“My 実物教材”を見つけよう~
7
“授業とは”~プロの授業から学ぶ②「集団自決はなぜ起きたか」
(ビデオ)
:高 3 の日本史~
8
授業創り(その3)~“立体地球儀の作成から地球と地図を学ぶ(中1地理的分野)~
9
中学校の教科書を知る~どんな特徴があるか、どんな問題があるか~
10 授業創り(その4)~“My 学習プラン”-1 時間の学習指導案を作成する~
11 “授業とは”~プロの授業から学ぶ③ドーデの「最後の授業」が意味するもの:高 1 の地理~
12 模擬授業に挑戦(その1)
13 模擬授業に挑戦(その2)
14 (予備日)
15 まとめ(総括討論)~「社会科教育法Ⅲ」での成果と課題(各自の振り返り)~
(注1:学校現場の授業見学が可能になった場合には、学校訪問を行う場合があります。注2:授業計画は、進度
や受講者の要望等によって変更することがあります)
授業の方法:
・授業方法は、学校現場(教育実習)で多様な授業展開ができるように、グループ学習、作業学習、討論(“白熱
討論”
)等を取り入れた主体的に授業に参加する形態を工夫します。
・模擬授業も時間の許す範囲で取り入れるように工夫します。
成績評価方法:
・
「履修」と「修得」の両面を重視します。
・授業への出席(積極的参加)と課題(レポート、調査報告等)の提出状況と内容(内容を理解し、自分の
言葉で書かれているか)によって総合的に評価します。
教科書:
特にありません。
参考書:
・和井田清司他『中等社会科ハンドブック』(学文社 2013)
・臼井嘉一他『社会・地歴・公民科教育法』
(学文社 1999)
・星野 朗、小林 汎他『地理教育をつくる50のポイント』
(大月書店 2004)
・学習指導要領(中学校、高等学校)及び学習指導要領解説(中学の社会、高校の地歴科、公民科)
・関連する中学校(社会科)及び高等学校(地歴科、公民科)の教科書・地図帳等
‐118‐
履修上の注意・備考:
初回の授業(4 月 7 日)に説明する。
教育職員免許法上の認定科目:社会科の指導法
‐119‐
科目番号:0969104
担当教員:武田竜一
単位数:2
講義題目:社会科教育法 IV
学期:冬
授業科目:
Social Studies Teaching Methods IV
授業の目的・概要:
戦後に誕生した社会科の歴史をたどりながら、経験主義と系統主義カリキュラムの長所と短所を検討しつつ、特に中学校の社会科教
育に要請されていることは何かを追究することが本講座の目的である。さまざまな授業実践に学びつつ、子どもに将来の主権者として
の「問題意識」を抱かせる上で教員に求められる資質を受講者とともに探っていくことも同時に進めていきたい。
授業計画:
1 オリエンテーション(教員のしごととは?)
2
社会科教育の歴史とその目標
3 学習指導要領を読み解く
4 教科書の批判的検討
5 社会科の学力と評価
6 地理的分野の授業をどうつくるか
7 歴史的分野の授業をどうつくるか
8 公民的分野の授業をどうつくるか
9 授業プランの作成[授業内レポート課題]
10 模擬授業とその検討
11 マイクロティーチングに学ぶ
12 主権者形成とシティズンシップ教育
13 一年間のまとめ[筆記試験]
授業の方法:
講義と演習(討論、模擬授業の実施など)を組み合わせて進める。毎回のテーマに関心をもち、教員として生きる自身の将来をイメージ
しながら主体的に参加してほしい。
成績評価方法:
授業内レポート課題と筆記試験に加え、授業への積極的な参加(出席は重視する)を総合的に評価する。
教科書:
『地理の授業で使いたい教材資料』清水書院(2014 年4月刊行予定)
参考書:
『中学校 学習指導要領』平成 20 年3月告示 文部科学省
『中学校社会科重要学習事項 100 の指導事典』 明治図書出版(2013 年)
履修上の注意・備考:
教職にかかわる講座であることから出席を重視する。毎時のレスポンスシートをもって出席の確認をする。次時の授業でその内容を出
席者と共有する。授業内レポート課題の提出と筆記試験の受験を単位修得の上での必須条件とする。詳細については初回の講義で
説明したい。
教育職員免許法上の認定科目:社会科の指導法
‐120‐
9 月 4 日更新
科目番号:0969105
担当教員:小林汎
単位数:2
講義題目:地理歴史科教育法 III
学期:冬
授業科目:
Geography and History Teaching Methods III
授業の目的・概要:
高等学校(中等教育の後期)において、地理歴史科(以下地歴科)を担当する際の実践的指導力の基礎を身に付けることを目的としま
す。その際、地歴科のねらいを理解した上で、それを実現するための教員の資質・能力を高めるような地歴科の学習方法(授業方法)
が身につくように学びます。なお、社会科と地歴科は本来、一体性・連続性があり、中等教育学校、中高一貫校が増加している現状を
踏まえて展開します。
授業計画:
1「地歴科教育法Ⅲ」 事始め(その 1)~オリエンテーション~
・自己紹介、地歴科教育法とは?グループ編成
・”塩”をキーワードに授業創りを考える
2「地歴科教育法Ⅲ」 事始め(その 2)~社会科のカリキュラムの変遷から~
・社会科のカリキュラムの変遷の意味するもの、そこから見えてくるもの
・模擬授業を構想する(グループ討議)
3“授業とは”~プロの授業から学ぶ(その1)
・(ビデオ)「竹崎季長がんばる」(小 6 の歴史)から
・教材研究~実物教材の魅力生かすには~
・小→中→高の発達段階と、スパイラル学習
4 TT で模擬授業①に挑戦 ・・・・2 班程度予定
・模擬授業①と授業研究
・先輩から学ぶ~経験者が語る「授業とは」~
5 TT で模擬授業②に挑戦 ・・・・2 班程度予定
・模擬授業②と授業研究
・学習指導案(授業案)の書き方を検討する
6 TT で模擬授業③に挑戦 ・・・・2 班程度予定
・模擬授業③と授業研究
・板書、プリント、発問を考える
7“授業とは”~プロの授業から学ぶ②
・(ビデオ)「集団自決はなぜ起きたか」(高 3 の日本史)
・「はだしのゲン」から平和と教育を考える~事実とは何か、何を伝えることが”意味のある事実”か~
8“授業とは”~プロの授業から学ぶ③
・ドーデの「最後の授業」が意味するもの(高 1 地理から)~
・模擬授業を構想する(グループ討議)
‐121‐
10 TT で模擬授業④に再挑戦(その1)
・模擬授業④と授業研究
・教科書と実際の授業創りを考える
11 TT で模擬授業⑤に再挑戦(その2)
・模擬授業⑤と授業研究
・教育実習体験者から学ぶ
12 TT で模擬授業⑥に再挑戦(その3)
・模擬授業⑥と授業研究
・教育実習に向けて~実習までの準備、注意すべきことは~
13 まとめ(総括討論)~「地理歴史科教育法Ⅲ」の成果と課題(各自の振り返りをもとに)~
注1:学校現場の授業見学が可能になった場合には、学校訪問を行います。
注2:授業計画は、受講者数、進度、受講者の要望等によって臨機応変に対応し、学習効果が上がるように工夫します。
授業の方法:
・授業方法は、学校現場(教育実習)で多様な授業展開ができるように、グループ学習、作業学習、討論(“白熱討論”)等を取り入れた
主体的に授業に参加する形態を工夫します。
・模擬授業を取り入れて、実践的に地歴科教育法を身に付ける展開とします。
成績評価方法:
・「履修」と「修得」の両面を重視します。
・授業への出席(積極的参加)と課題【小レポート(4~5 回予定)大レポート(1 回)】の提出状況と内容(内容を理解し、自分の言葉で書
かれているか)によって総合的に評価します。
教科書:
特にありません。なお、下記の『中等社会科ハンドブック』を”準教科書”として使用する予定。
参考書:
・和井田清司他『中等社会科ハンドブック』(学文社 2013)
・臼井嘉一他『社会・地歴・公民科教育法』(学文社 1999)
・地理教育研究会編『地理の授業で使いたい教材資料』(清水書院 2014)
・星野 朗、小林 汎他『地理教育をつくる50のポイント』(大月書店 2004)
・学習指導要領(中学校、高等学校)及び学習指導要領解説(中学の社会、高校の地歴科、公民科)
・・・・・学習指導要領は購入するか、文科省の HP からプリントアウトすること。
・関連する中学校(社会科)及び高等学校(地歴科、公民科)の教科書・地図帳等
履修上の注意・備考:
【重要!】第 1 回(10 月 6 日・月)の授業の際に、グループ編成を行うので、受講希望者は必ず出席すること。なお、欠席せざるを得な
い場合には、下記の小林のメールアドレスまで、前日までに連絡するように!
毎回、かなりの枚数の授業プリントを配付します。ファイル(A4 判)して授業に持参することが望ましい。
教育職員免許法上の認定科目:地理歴史科の指導法
‐122‐
科目番号:0969106
担当教員:矢野博之
単位数:2
講義題目:公民科教育法 II
学期:冬
授業科目:
Citizenship Teaching Methods II
授業の目的・概要:
公民科の教育と学びについて,原理的な概説を軸に,その目標・内容について理解する。具体的には,高校公民科(教科「政治経済」
「倫理」「現代社会」)の授業構想・実践を念頭に,基本事項(ねらい・歴史),内容(領域・教材),方法と実践(諸理論や展開の事例研
究)の三方向から迫る。
固定観念を問い直し、公民科授業のイメージを刷新して、その実践へ向けての可能性を広げていく視点を培いたい。
授業計画:
① イントロダクション “公民”とは
② 学校教育のなかでの公民教育の位置
③ 公民科教育の目標と枠組み
④ 公民科教育の歴史的推移と現在位置
⑤ 公民科の内容と領域:「政治経済」政治編
⑥ 公民科の内容と領域:「政治経済」経済編
⑦ 公民科の内容と領域:「倫理」
⑧ 公民科の内容と領域:「現代社会」
⑨ 公民科の実践研究~授業論からの読み解き
⑩ 公民科の実践研究~生徒の学びと認識から
⑪ 公民科の実践研究~体験・活動・参加という手法
⑫ 公民科の教材研究~授業としての知への変換~
⑬ 公民科の授業実践構想演習~指導案の構想と設計~
⑭ 現代社会のなかでの公民教育の課題と展望
⑮ まとめとして
授業の方法:
担当者による講義、あるいは、資料・情報に基づく討論・ワークショップ利用の協同的な学びを用いる。また、随時、映像資料等の視聴
とそれについてのミニレポートも課す。
成績評価方法:
授業への出席・参加状況(20%),ミニレポートや提出物(40%),最終レポート(40%)をめやすに、総合的に評価する。
教科書:
特に指定はない。
参考書:
・社会認識教育学会編『公民科教育』学術図書出版社,2010
・教育実習を考える会編『教育実習生のための学習指導案作成教本 社会地歴公民科【改訂版】』蒼丘書林,2011
・全国公民科・社会科教育研究会授業研究委員会編『高等学校公民科とっておき授業 LIVE 集』清水書院,2013
ほか、適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
教職科目であることを念頭に、当事者意識をもって取り組んでほしい。
教育職員免許法上の認定科目:公民科の指導法
‐123‐
科目番号:0969107
担当教員:戸瀬信之
単位数:2
講義題目:数学科教育法 III
学期:夏
授業科目:
Mathmatics Teaching Methods III
授業の目的・概要:
この講義では、数学教育に従事するために学ぶべき内容であるが、大学の数学の講義では学べない内容について解説します。その
意味でニッチな役割を目指しています。別の表現では、学習指導要領がどのように改訂されても指導的な役割を担える教員を育てる
ためにあります。
授業計画:
以下の内容について過去、現在の学習指導要領を比較しながら解説します。
(1)論理
(2)微分方程式
(3)ベクトルと行列
(4)平面幾何
(5)その他思いついた内容
時間があまったら、実際行われてきた学力調査についての解説を行います。ときたま、小学校のかけ算の順序問題についても触れた
いと思っています。
授業の方法:
講義内容がまとまった時点でレポートの提出を求めます。
成績評価方法:
上記で求めるレポートで成績を判定します。
教科書:
特になし
参考書:
講義中に指示します。
履修上の注意・備考:
特にありません。数学の教員免許を目指す方以外の履修はやめた方がいいです。特にありません。
教育職員免許法上の認定科目:数学科の指導法
‐124‐
科目番号:0969108
担当教員:西脇佳子
単位数:2
講義題目:数学科教育法 IV
学期:冬
授業科目:
Mathmatics Teaching Methods IV
授業の目的・概要:
中等教育段階での数学科の授業を行うときに、事前に教材研究ができ、学習指導案が作成できるようになることを目標とする。単なる
問題提示、その解説、演習という授業の流れにとどまらないためにはどのような点に注意すべきなのかを具体的な指導事例を中心に
考察する。自分の受けてきた授業を振り返り、数学科の授業者に必要な知識・技術についても考察する。中学校・高等学校の学校現
場で指導している立場から、具体的な教材・資料・実践例を通して、数学教育に関するテーマを与える。
授業計画:
1.「数学」と「学校数学」との違い
2.現行の学習指導要領と中学校・高等学校の数学科カリキュラム
3.学習指導要領の歴史
4.学習指導法
5.評価
6.教材研究(確率を例にして)
7.教材研究(統計を例にして)
8.教材開発(教科書の問題を生かす)
9.教材開発(生徒の反応・誤答を生かす)
10.数学的な考え方
11.ICT の活用
12.数学的活動
13.学習指導案の書き方
14.模擬授業(学習指導案の進め方)
15.模擬授業(授業を評価する)
授業の方法:
講義またはテーマごとに課題を提示して、その課題について問題解決し、解決過程を振り返る。
成績評価方法:
テストは行わず、レポート等で評価する。そのレポートや講義中の活動を見て、講義内容を理解し、自らの問題解決過程を振り返り、考
察をしているかどうかを確認する。
教科書:
中学校学習指導要領解説数学編、高等学校学習指導要領解説書数理編数学編
参考書:
履修上の注意・備考:
上記の成績評価方法で述べたように、毎回の講義で学生の活動を重視し、さらにレポートを課すので、講義に出席することを前提とす
る。
教育職員免許法上の認定科目:数学科の指導法
‐125‐
科目番号:0969109
担当教員:前田香織,加藤竜一
講義題目:理科教育法 III
単位数:2
学期:夏
授業科目:
Natural Science Teaching Methods III
授業の目的・概要:
教育学部附属中等教育学校の理科専任教員が担当する。
理科教育を中心に、学生が教育実習をする際に、授業や学校現場で注意すべきこと・工夫できることなどを解説し、模擬授業で実践す
る。具体的には「学校とはどんなところか」、「教員の仕事」、「理科教育では何をするのか」、「様々な授業形態」などの事項を扱う。
この科目は教職課程における「教職に関する科目」の「各教科の指導法」に該当する。
授業計画:
1.理科教育の目的・学習指導要領
2.いろいろな授業方法の紹介
3.理科授業のデザイン①
4.理科授業のデザイン②
5.理科の教材の具体例①
6.理科の教材の具体例②
7.学習指導要領の作成、授業でのメディア・機器の利用
8.模擬授業Ⅰ①
9.模擬授業Ⅰ②
10.実験観察の意義
11.探究活動の指導(科学クラブにおける指導を含む)
12.授業における安全管理、理科室の確保と管理
13.模擬授業Ⅱ①
14.模擬授業Ⅱ②
15.模擬授業Ⅱ③
授業の方法:
講義・演示実験・グループワーク・模擬授業の実践
成績評価方法:
出席状況、レポート、授業に対する取り組み
教科書:
なし
参考書:
中学校学習指導要領・高等学校学習指導要領
履修上の注意・備考:
出席は単位習得の必要条件、遅刻厳禁
教育職員免許法上の認定科目:理科の指導法
‐126‐
科目番号:0969110
担当教員:前田香織,加藤竜一
講義題目:理科教育法 IV
単位数:2
学期:冬
授業科目:
Natural Science Teaching Methods IV
授業の目的・概要:
教育学部附属中等教育学校の理科専任教員が担当する。
理科教育を中心に、学生が教育実習をする際に、授業や学校現場で注意すべきこと・工夫できることなどを解説し、模擬授業で実践す
る。具体的には「学校とはどんなところか」、「教員の仕事」、「理科教育では何をするのか」、「様々な授業形態」などの事項を扱う。
この科目は教職課程における「教職に関する科目」の「各教科の指導法」に該当する。
授業計画:
1.理科教育の目的・学習指導要領
2.いろいろな授業方法の紹介
3.理科授業のデザイン①
4.理科授業のデザイン②
5.理科の教材の具体例①
6.理科の教材の具体例②
7.学習指導要領の作成、授業でのメディア・機器の利用
8.模擬授業Ⅰ①
9.模擬授業Ⅰ②
10.実験観察の意義
11.探究活動の指導(科学クラブにおける指導を含む)
12.授業における安全管理、理科室の確保と管理
13.模擬授業Ⅱ①
14.模擬授業Ⅱ②
15.模擬授業Ⅱ③
授業の方法:
講義・演示実験・グループワーク・模擬授業の実践
成績評価方法:
出席状況、レポート、授業に対する取り組み
教科書:
なし
参考書:
中学校学習指導要領・高等学校学習指導要領
履修上の注意・備考:
出席は単位習得の必要条件、遅刻厳禁
教育職員免許法上の認定科目:理科の指導法
‐127‐
科目番号:0969111
担当教員:奥聡一郎
単位数:2
講義題目:英語科教育法 III
学期:夏
授業科目:
English Language Teaching Methods III
授業の目的・概要:
1. 言語教育・英語教育の現状分析と諸問題
2.小中高大の英語授業の現状把握
3.学習指導要領
4.教授法、言語活動の諸相
5. 教科書研究と教材開発
6. 授業案作成
7.模擬授業
8. 授業の講評
9. 英語教師としての常識の確認
模擬授業を通して内容、方法を議論する。
英語教育全般と授業方法についてレポートを課し、指導案、模擬授業と共に評価の対象とする。
授業計画:
模擬授業の実践を到達目標とし、教壇に立つ前に身につけておくべき知識、教授法などを確認する。
(1) 言語教育の方法と本質、日本の英語教育を取り巻く問題を理解する。
(2) 小学校から大学までの英語授業の実態を批判的に概観し、日本と諸外国の外国語授業と比較対象を行う。
(3) 学習指導要領を精読する。
(4)教授法のまとめと言語活動を概観する。
(5)教科書の内容比較と教材開発の方法を身につける。
(6)学習指導案の作成方法を学ぶ。
(7)受講者による模擬授業を行い、講評、討議する。
(8)英語教師として身につけるべき応用言語学の知識や周辺領域の紹介。
以上から教壇に立つ心構えを身につけてもらう。
授業の方法:
前半は講義と演習を通して、知識の理解を深める。
後半は受講者によるディスカッションとまとめをプレゼンしてもらい、模擬授業に備える。
成績評価方法:
模擬授業と指導案、レポートを総合的に評価する。
教科書:
特に定めない。プリントを配布する。
参考書:
金谷憲他編『大修館 英語授業ハンドブック 中学校編』大修館書店
金谷憲他編『大修館 英語授業ハンドブック 高等学校編』大修館書店
Jim Scrivener. (2010)
Leaning Teaching. The Essential Guide to English Language Teaching. Third Edition.
「英語教育」(大修館書店)などの最新刊に目を通しておいてもらいたい。
履修上の注意・備考:
原則として、教員免許取得予定者を対象とする。履修者数によっては上記の予定を多少変更する。
教育職員免許法上の認定科目:英語科の指導法
‐128‐
Macmillan Books.
科目番号:0969112
担当教員:松村厚子
単位数:2
講義題目:英語科教育法 IV
授業科目:
English Language Teaching Methods IV
授業の目的・概要:
授業計画:
授業の方法:
成績評価方法:
教科書:
参考書:
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:英語科の指導法
‐129‐
学期:冬
科目番号:0969113
担当教員:白水始
単位数:2
講義題目:教育心理 II
学期:夏
授業科目:
Educational Psychology II
授業の目的・概要:
教育心理学とは,人がいかに学ぶかの理論に基づいて,誰もがよりよく学べる教育環境・方法を創り出すための学問分野である。
そこで,本授業では,基本的な学習理論や概念を理解し,それを使って教育問題を検討し授業をデザインする力を身につけ,引いて
は,既存の理論自体を問い直す視座を手に入れることを目標とする。
授業計画:
予定は下記の通りだが,進捗状況に鑑みて,随時変更する可能性がある。
1.フォークペダゴジーを超えて:学習観と教育観
2.意欲は外から引き出せるか :学習への動機づけ
3.理解はどう生まれるか
:問題解決と理解
4.子供は世界をどう見ているか:学習を支える発達
5.世界の見方はどう変わるか :概念変化
6.文化は人をどれほど縛るのか:文化と制約
7.人はいかに熟達するか
:熟達化
8.知識はいかに身につくか
:学習と知識
9.前半のまとめ,後半への疑問作り
10.協調学習をとりいれた授業作り
11.学習過程・成果の評価方法
12.教師の成長
13.教育目標とカリキュラム,テストの意味
14.IT も活用して教育研究方法を刷新する
15.まとめ,今後への疑問作り
授業の方法:
文献読解やデモ実験体験などのグループワークを活用する(ただし,毎回のグループワークは特段の知識や意見を必要としない,参
加しやすいものとする)。適宜講義も行う。授業の中盤や終盤には、複数の授業内容を結びつけ、「概念地図」と呼ばれる二次元配置
を行いながら、学習成果をまとめてゆく。
成績評価方法:
出席・平常活動60%、最終レポートもしくは試験40%
教科書:
特になし。必要資料は授業ごとに配布するか,ウェブ上に掲示する。
参考書:
三宅なほみ・益川弘如・望月俊男『 21 世紀型スキル:学びと評価の新たなかたち』北大路書房, 2014
稲垣佳世子・波多野誼余夫『人はいかに学ぶか』中公新書, 1989
米国学術研究推進会議 (著) 森 敏昭・秋田 喜代美(訳)『授業を変える』北大路書房, 2002
三宅芳雄『教育心理学特論』放送大学教育振興会, 2012
履修上の注意・備考:
本授業は教職課程科目であると同時に参加型の授業であるため,出席を重視する。
教育職員免許法上の認定科目:※3 参照
‐130‐
科目番号:0969114
担当教員:伊藤直樹
単位数:2
講義題目:教育相談 II
学期:冬
授業科目:
School Counseling II
授業の目的・概要:
(授業の目標)
①教育場面におけるカウンセリングの基礎を理解する
②生徒理解の方法について理解する
③学級崩壊の概要と対応法について理解する
④いじめの概要と対応法について理解する
⑤不登校の概要と対応法について理解する
⑥スクールカウンセラーと教師の連携について理解する
⑦保護者対応の方法及び関係機関との連携の進め方について理解する
(授業の概要)
この授業では,教職に就く上で必要となる教育相談の理論及び方法に関する基礎的な知識・技法について学ぶ。具体的には,学校や
教育場面で必要となるカウンセリングなどの相談・支援の技術を理解する。また,学校場面で教師が直面する課題のうち,「学級崩
壊」,「いじめ」,「不登校」を取り上げ,その概要について理解を深めるとともに,保護者対応や関係機関と連携について学ぶ。これら
の点を考慮し,授業は実践的な内容を盛り込みながら進める。
授業計画:
第1講 オリエンテーション~教育相談の理論及び方法を学ぶ意義~
第2講 教育場面におけるカウンセリングの基礎~学校場面での相談~
第3講 教育場面におけるカウンセリングの基礎~紙上カウンセリング(基礎編)~
第4講 教育場面におけるカウンセリングの基礎~紙上カウンセリング(応用編)~
第5講 教育場面におけるカウンセリングの基礎~カウンセリングの基礎技術~
第6講 「学級崩壊」へのアプローチ~概要の理解~
第7講 「学級崩壊」へのアプローチ~学校・教師の対応(保護者対応を含む)~
第8講 「学級崩壊」へのアプローチ~教師の視点と教師-生徒関係~
第9講 「いじめ」へのアプローチ~概要の理解~
第 10 講 「いじめ」へのアプローチ~教師といじめ~
第 11 講 「いじめ」へのアプローチ~事例検討(保護者対応および関係機関との連携を含む)~
第 12 講 「不登校」へのアプローチ~概要の理解~
第 13 講 「不登校」へのアプローチ~教師の対応~
第 14 講 「不登校」へのアプローチ~事例検討(保護者対応および関係機関との連携を含む)~
第 15 講 スクールカウンセラーの位置づけと役割~教師との連携・協働~
授業の方法:
授業は基本的に講義形式で,教科書に沿って行われる。
一つのテーマについて,3回~4回をかけて学習する。
カウンセリング関係の内容を扱う回では実習的な内容を取り入れる。
学校での問題を扱う回では映像資料を用いる。
学校が抱える問題についてどのように考えるか,受講者の意見を求めるので,受講者の積極的な参加を必要とする。
各回の授業の最後の 10 分程度を用いて,与えられた課題に対する小レポートを作成し提出することが必要になる。
‐131‐
成績評価方法:
毎回の授業終了時に,その回で扱ったテーマの理解を問う小レポートを課す(配点:60 点)。学期末に最終レポート(配点:40 点)を課
す。これらの合計点により評価を行う。
教科書:『教育臨床論-教師をめざす人のために-』(伊藤直樹編著,批評社,2009)
参考書:『子どもと教師のもつれ』(近藤邦夫著,岩波書店,1995 年)
『心理療法のかんどころ』(村瀬嘉代子著,金剛出版,1998 年)
『児童精神科ケース集』(小倉清著,岩崎学術出版社,2008 年)
履修上の注意・備考:
予習は必要としないが,遅刻はしないこと。教職科目として認定されているので,教員免許取得を意識して授業を進める。
教育職員免許法上の認定科目:※10 参照
‐132‐
科目番号:0969115
担当教員:大多和直樹
講義題目:生徒指導・進路指導
単位数:2
学期:夏
授業科目:
Student Guidance and Career Guidance
授業の目的・概要:
本授業では、学校教育に求められている生徒指導と進路指導の目的を適切に理解し、実際に実践できる基礎をつくること目標とす
る。1990 年代以降の社会経済変動の学校社会へのインパクトは大きく、従来の状況を前提に生徒指導・進路指導を行うことは難しい
といっても過言ではない。そこで本授業では、1990 年代以降の学校を巡る変容を捉え、現代の生徒指導・進路指導の課題を明確にす
る。そして、1990 年代以降実際に行われてきた生徒指導・進路指導の実践がどのような成果を生み、また、逆にどのような課題を抱え
ているのかについて探っていく。また、最終的には、進路指導と生徒指導をどうリンクさせるべきかについて考えていく。
【授業の到達目標】
・生徒指導は、児童・生徒の人格の健全な発達を図る重要な機能であることを理解する。
・生徒指導は、非行等の対策にとどまらず、一人ひとりの生徒の人格の適切な発達を促すものであることを理解する。
・現代の生徒指導の課題を適切に捉えるため、経済状況や学校と職業へのトランジションの歴史的変容について理解する。
・生徒指導をする際に必要となる生徒文化・若者文化の変遷を説明できる
・生徒指導・進路指導の各論を把握し、現代的課題について考察する
授業計画:
第 1 回 ガイダンス ~生徒指導・進路指導とは何か
第 2 回 学校社会の変容を捉える~戦後の経済と教育の見取り図
第 3 回 生徒文化を捉える①~[1980 年代]非行・逸脱と学校
第 4 回 生徒文化を捉える②~[1990 年代]若者文化の学校への流入の諸相
第 5 回 生徒指導の現代的課題①~支援を核とした生徒指導の隆盛と課題
第 6 回 生徒指導の現代的課題②~生徒のパーソナリティ発達にむけて
第 7 回 生徒指導の現代的課題③~生徒のメディア利用とその指導
第 8 回 生徒指導の現代的課題④~薬物問題とその指導
第 9 回 学校から職業への日本型移行システムの成立とその特質
第 10 回 進路形成の変容を捉える~高卒無業者問題を外観する
第 11 回 進路指導の現代的課題①~階層再生産問題と進路指導
第 12 回 進路指導の現代的課題②~個別支援とキャリアガイダンス
第 13 回 進路指導の現代的課題③~ジョブカフェ、ヤングジョブスポット等、諸機関との連携
第 14 回 生徒指導と進路指導を統合的に捉える
第 15 回 まとめ
授業の方法: 講義形式
成績評価方法: 期末レポート 70% 平常点 30%
教科書: 教科書は用いず授業中に資料を提示する。
参考書:
広田照幸編著『若者文化をどう見るか?―日本社会の具体的変容の中に若者文化を定位する』アドバンテージサーバー
渡部 真・伊藤 茂樹 1994『生徒指導の理論と実践』樹村房
履修上の注意・備考:
最初から最後まで受講できる学生に限る。
教育職員免許法上の認定科目:※9 参照
‐133‐
科目番号:0969116
担当教員:犬塚文雄
単位数:2
講義題目:特別活動の指導法
学期:夏
授業科目:
A way of Instruction of Extracurricular Activities
授業の目的・概要:
特別活動は、子どもたちが学校生活の中で最も楽しみにしている教科外活動の代表であり、教育課程の一領域として位置づけられ
ている。本講では、この特別活動の重要性と困難性を、小集団演習を通して体験的に深めていきたい。
授業計画:
1.オリエンテーション
2.子どもたちの今日的状況とその背景にあるもの
3.望ましい集団活動の条件
4.アイスブレーキングの意義と実際
5.特別活動と教育課程
6.特別活動の目標と内容
7.特別活動の基本的性格・特質
8.特別活動と人間関係形成能力の育成
9.特別活動と道徳・総合領域との関連
11.特別活動とボランティア活動
12.学級活動・ホームルーム活動の現状と課題
13.生徒会活動の現状と課題
14.学校行事の現状と課題
15.特別活動の評価
授業の方法:
本講は、スモールグループワーク方式による演習を重視している。
成績評価方法:
グループ検討レポート(40%)、学期末試験(60%)の比率で評価する。
教科書:
特に指定しない。
参考書:
文部科学省(2008)「中学校学習指導要領解説 特別活動編」ぎょうせい
文部科学省(2009)「高等学校学習指導要領解説 特別活動編」海文堂出版
日本特別活動学会(2010)「新訂キーワードで拓く新しい特別活動」東洋館出版
犬塚文雄編著(2013)「特別活動論」一藝社
履修上の注意・備考:
出席を重視している。
教育職員免許法上の認定科目:※7 参照
‐134‐
科目番号:0969117
担当教員:冨士原紀絵
講義題目:教育課程論
単位数:2
学期:冬
授業科目:
Curriculum Studies
授業の目的・概要:
テーマ「教育課程の編成を理論的、実践的に学ぶ」
教育課程編成の原理を踏まえた上で、取得中の学校種・教科の免許に留まらず、全学校種・各教科・領域における教育課程の編成の
方法を実践的に学ぶ。特色ある学校の教育課程編成の実践例を数多く検討するとともに、それらを元に実際に教育課程の編成を試作
することを目標とする。
授業計画:
第1回 イントロダクション-教育課程とカリキュラム
第2回 最新の学習指導要領の特徴
第3回 教育課程と学習指導要領の関係性
第4回 教育課程と教科書の関係性
第5回~第7回 特色ある教育課程を検討する(小学校、中学校、高等学校を1校づつ)
第8回~第 10 回 日本の教育課程の歴史(戦前・戦後)
第 11 回~第 12 回 教育課程と教育評価
第 13 回~第 15 回 教育課程の試作と相互評価(
授業の方法:
第 1 回から第 12 回までは講義中心。ただし、双方向的遣り取りや作業を含む。
第 5 回から第 7 回はビデオの視聴とそれに関する講義やディスカッションが中心となる。
第 13 回から第 15 回はグループワークを行う。
成績評価方法:
双方的な遣り取りやグループワークといった作業や活動が中心のため、授業での積極的な参加を 60%。
学期末のレポート課題を 40%。これらを合わせて総合評価する。
教科書:
文部科学省『中学校学習指導要領解説 総則編』
参考書:
適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:※5 参照
‐135‐
科目番号:0969118
担当教員:藤江康彦
単位数:2
講義題目:教育方法論
学期:冬
授業科目:
Teaching Methods
授業の目的・概要:
[授業の目標]
学校教育における「授業」について様々な視点から検討することを通して、学校教育や教室といった制度的な学習の場の特質、社会文
化的な状況における子どもの学習のありようと支援の方法、子どもの学習・発達を支援する専門家としての教師の実践を理解すること
をめざす。具体的には以下の通りである。
1.学校教育における授業の特質について制度・文化・社会といった側面から理解する。
2.授業という営みの特徴、授業の構成要素、授業のデザイン、について理解する。
3.授業における子どもの学習の特徴や支援の方法について理解する。
4.専門家としての教師の知識の特徴、専門的発達について理解する。
5.学校や教室とはどのような学習環境であるのか、教師はそこで何をすべきかについて考察する。
[授業の概要]
学校における教師の仕事の中心は授業の構想、実践、省察を通して子どもの学習を支援することである。この授業では、教室という場
の空間、時間、関係のあり方の特徴、学校における授業の目的、授業の形態や構成要素、授業のコミュニケーション、授業のデザイン
と評価、教師の実践的知識と成長などについて、実践事例や研究事例を検討しながら探究していく。社会的、文化的、制度的な場であ
る教室において、教師や子どもがどう生きているのか、教師の立場からその生をどのように看取ることができるのか、ということを追究
していく。
授業計画:
第1回
ガイダンス
〈Ⅰ.授業の背景にあるもの〉
第2回
教室という場所
第3回
学校における学習の特質
第4回
授業を支える制度や文化
第5回
カリキュラムと授業
第6回
学力、リテラシーと評価
〈Ⅱ.授業の構造とコミュニケーション〉
第7回
授業の理論
第8回
授業の構成要素
第9回
授業のコミュニケーションの特徴
第10回 授業のコミュニケーションと学習
第11回 学び合うコミュニティづくりとIT技術の活用
〈Ⅲ.教師の知識と成長〉
第12回 評価の理論
第13回 教師の知識と思考
第14回 教師の成長とライフコース
第15回 まとめ
授業の方法:
講義を中心に、適宜、受講者間のディスカッションを取り入れる。
‐136‐
成績評価方法:
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
「出席および授業中の課題」(60%)、「最終論述課題」(40%)によって総合的に評価する。
ただし、出席が授業回数の3分の2に満たない場合および最終論述課題が未提出の場合は、原則として評価の対象外とする。
教科書:
指定せず、授業中に資料を配付する。
参考書:
秋田喜代美・藤江康彦『授業研究と学習過程』(放送大学教育振興会)
秋田喜代美・佐藤学(編著)『新しい時代の教職入門』(有斐閣)
稲垣忠彦・佐藤学『授業研究入門』(岩波書店)
佐藤学『教育方法学』(岩波書店)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:※8 参照
‐137‐
科目番号:0969119
担当教員:大桃敏行,勝野正章
講義題目:教育実習 I
単位数:3
学期:集中
授業科目:
Student Teaching I
授業の目的・概要:
1. 学校の組織及び教育活動の全般について、実地の観察と参加を通じて理解を深める。
2. 授業を実際に担当し、教科指導に関する指導力の基礎を養う。
3. 学級担任を実際に担当し、その職務内容を理解するとともに、学級経営に関する指導力の基礎を養う。
4. 個々の生徒及び生徒集団について理解を深め、生徒指導に関する指導力の基礎を養う。
授業計画:
事前指導は、4 月中旬に 3 日間連続で約 13 時間、東京大学及び東京大学教育学部附属中等教育学校において実施する。カリキュラ
ム、学級経営、生活指導上の諸問題についての講義、授業観察、学習指導案作成演習を行う。事前指導における学修状況を総合的
に判断し、合格者にのみ本実習を行うことを許可する。
本実習の指導計画は、実習校によって異なるため一概には記載できないが、概ね第 1 週は授業観察を中心に、生徒指導、学級経営、
クラブ・部活動指導、学校行事、校務分掌などについて、指導教員の指導のもとで実際に体験し、指導力及び職務遂行能力の基礎を
養う。第 2 週は、以上の観察と指導・職務への参加を継続するとともに、実際に授業を行う。また、可能な限り研究授業を実施して、授
業実習のまとめを行う。
事後指導は、教育実習終了時期により、7 月または 11 月に東京大学教育学部附属中等教育学校において実施し、教育実習の振り
返りを中心に行う。また、教育実習終了後 1 週間以内に「教育実習レポート」を提出させる。
授業の方法:
事前指導では、講義を通して学校の組織及び教育活動の全般についての理解を深めるとともに、授業観察や学習指導案作成演習を
行う。
本実習では、教育実習生が参加する学習指導、生徒指導、学級経営、クラブ・部活動指導、学校行事、校務分掌などのすべての側面
について、教科及び学級担当の両指導教員を中心に実習校の教職員全体が指導を行う。
事後指導では、「教育実習レポート」の作成やグループ討議によって、教育実習の振り返りを行う。
成績評価方法:
授業の到達目標が十分に達成できたかを基準として評価する。教育実習担当教員 2 名が、教育実習生の作成した「教育実習記録簿」
及び「教育実習レポート」を精査し、教育実習校からの評価を勘案して、総合的に評価する。
教科書:
特になし。
参考書:
特になし。
履修上の注意・備考:
履修に際しては個人による UT-mate からの履修登録ではなく、各自が所属する学部又は研究科(教育部)の担当係へ申し込み書類を
提出すること。
教育職員免許法上の認定科目:教育実習(2 週間)
‐138‐
科目番号:0969120
担当教員:大桃敏行,勝野正章
講義題目:教育実習 II
単位数:5
学期:集中
授業科目:
Student Teaching II
授業の目的・概要:
1. 学校の組織及び教育活動の全般について、実地の観察と参加を通じて理解を深める。
2. 授業を実際に担当し、教科指導に関する指導力の基礎を養う。
3. 学級担任を実際に担当し、その職務内容を理解するとともに、学級経営に関する指導力の基礎を養う。
4. 個々の生徒及び生徒集団について理解を深め、生徒指導に関する指導力の基礎を養う。
授業計画:
事前指導は、4 月中旬に 3 日間連続で約 13 時間、東京大学及び東京大学教育学部附属中等教育学校において実施する。カリキュラ
ム、学級経営、生活指導上の諸問題についての講義、授業観察、学習指導案作成演習を行う。事前指導における学修状況を総合的
に判断し、合格者にのみ本実習を行うことを許可する。
本実習の指導計画は、実習校によって異なるため一概には記載できないが、概ね第 1 週は授業観察を中心に、生徒指導、学級経営、
クラブ・部活動指導、学校行事、校務分掌などについて、指導教員の指導のもとで実際に体験し、指導力及び職務遂行能力の基礎を
養う。第 2 週は、以上の観察と指導・職務への参加を継続するとともに、実際に授業を行う。また、可能な限り研究授業を実施して、授
業実習のまとめを行う。
事後指導は、教育実習終了時期により、7 月または 11 月に東京大学教育学部附属中等教育学校において実施し、教育実習の振り
返りを中心に行う。また、教育実習終了後 1 週間以内に「教育実習レポート」を提出させる。
授業の方法:
事前指導では、講義を通して学校の組織及び教育活動の全般についての理解を深めるとともに、授業観察や学習指導案作成演習を
行う。
本実習では、教育実習生が参加する学習指導、生徒指導、学級経営、クラブ・部活動指導、学校行事、校務分掌などのすべての側面
について、教科及び学級担当の両指導教員を中心に実習校の教職員全体が指導を行う。
事後指導では、「教育実習レポート」の作成やグループ討議によって、教育実習の振り返りを行う。
成績評価方法:
授業の到達目標が十分に達成できたかを基準として評価する。教育実習担当教員 2 名が、教育実習生の作成した「教育実習記録簿」
及び「教育実習レポート」を精査し、教育実習校からの評価を勘案して、総合的に評価する。
教科書:
特になし。
参考書:
特になし。
履修上の注意・備考:
履修に際しては個人による UT-mate からの履修登録ではなく、各自が所属する学部又は研究科(教育部)の担当係へ申し込み書類を
提出すること。
教育職員免許法上の認定科目:教育実習(3 週間以上)
‐139‐
科目番号:0969121
担当教員:勝野正章,片山勝茂,
単位数:2
学期:通年
石橋太加志,福島昌子
講義題目:教職実践演習(中・高)
授業科目:
Seminar on Professional Practice in Teaching
授業の目的・概要:
教職課程における「集大成」として位置づけられる演習であり、各履修者の「教科に関する科目」及び「教職に関する科目」の履修状況
を踏まえ、教員として必要な知識技能を修得したことを確認するために実施する。学校教育、特に中等教育のリーダーとなる教員の育
成を目指し、文部科学省が含むべき事項と定める4事項(①使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項、②社会性や対人関係能
力に関する事項、③幼児児童生徒理解に関する事項、④教科等の指導力に関する事項)の育成を図り、複雑な問題解決に対応でき
る判断力を培うための演習とする。
授業計画:
第1回目授業は7月7日教育実習まとめの会終了後引き続いて、15時から行う予定である(場所は東京大学附属中等教育学校)。
後期の授業日は、後期教育実習期間を除く以下の日程で行われる。
10月3日、10月10日、11月7日、11月14日、11月21日、11月28日、12月5日、12月12日、12月19日、1月9日、1月23日、
1月30日。
また11月14日18時から開催予定の進路セミナー「学校の先生という仕事」(場所は理学部小柴ホールを予定)は、授業の一環として
履修者には出席を必須とするので、留意すること。
演習の内容は、大きくは4ユニット内容から構成される。
ユニット1 教師の専門性・キャリアパスに関わる内容(ガイダンス、中等教育での教師の仕事、学校の先生という仕事)
ユニット2 教科学習指導に関する内容(カリキュラム、学習のつまづき、探究学習、授業分析)
ユニット3 生徒指導や健康保健指導、進路指導、特別活動・学級経営・部活指導等に関する内容
(思春期の心身、思春期臨床、国際理解、保健室からみる学校)
ユニット4 学校組織の一員としての教師の業務や社会・地域との連携に関する内容
(学校組織運営、授業研究、地域との連携、市民性の育成)
授業の方法:
教育学研究科教員と東大付属中等教育学校教員の連携協力のもとで実施される。
教育方法としては、最新の動向やモデル紹介とともに、学校教育実践に関わる事例研究、事例(課題事例)解決等についてグループで
討議交流・省察する方法で実施する。
毎回の内容によるが、基本は「当日の担当講師より、各ユニットに関わる現代的課題の概説、具体的な事例の提出、事例に基づくグル
ープ討議、それらに基づく検討と理解深化、各授業時の振り返りレポートを書く」という形を取る。クラス担任の運営進行で、担任並びに
当日担当講師の2名、あるいは担任による話題提供で原則は進められる。
成績評価方法:演習に参加しての平常点(振り返りレポートの提出を含む)による。出席が重視される。
教科書:特に指定しない。
参考書:各回担当講師が紹介する情報を参考にされたい。
履修上の注意・備考:
教職実践演習を履修する年度末に、教育職員免許状を取得する見込み者又は教育職員免許状の取得に必要な単位の修得をすべて
終える見込みの者が対象となる。
履修登録は UT-mate によらず特別な方法で行うので、下記「関連ホームページ」にて各自確認のうえ遺漏のないよう注意すること。
関連ホームページ : http://www.p.u-tokyo.ac.jp/~edudaiga/kyosyoku/kyosyoku-index.htm
教育職員免許法上の認定科目:
‐140‐
教職課程科目(Ⅱ)駒場キャンパス
科目番号:0969201
担当教員:下地秀樹
単位数:2
講義題目:教育原理
学期:夏
授業科目:
Educational Principles
授業の目的・概要:
「人間は教育されねばならない存在なのか否か」というテーマをめぐり、参加者各人が自己の(被)教育体験を対象化し、相対化する
糸口を探ることを目標とする。このことが「教育を原理的に考える」第一歩である。遠回りのようだが、参加者間の討議により、教育の実
践知の基盤となる反省知が獲得されていくはずである。
授業計画:
授業の目標に近づくべく、教育学および隣接諸科学の成果を援用しながら、主な柱として次のようなテーマを検討する。
1.人間のメルクマール
2.人類化と人間化
3.近代化の行方:イゾラド
4.生命倫理を考える:エンハンスメント
5.正常と異常を考える:野生児の事例
6.近代学校の胎動と近代の人間観
7.臨界期
8.現代発達環境論
9.発達と教育の基礎理論
10.明治初期の教育
11.戦時下の教育
12.教育基本法
13.戦後の中等教育制度
14.学力観:PISA の構想
15.現代の学校改革
授業の方法:
基本的には講義形式であるが、ほぼ毎回、上記問題群に関わる小レポートまたは小テストを課す。その論述を相互に討議し、批評し
あう機会をなるべく多く設けたい。講義は、その結果を反映させながら構成する。
「教職に関する科目」(教員免許取得のための必修科目)であるが、教員免許取得にいたるプロセスのベースとなる問題群について、
あまり先を焦らずに、じっくり考える時間としたい。
成績評価方法:
学期末最終授業時には、総括としてのテストを実施するか、または期末レポートを課し、さらに相互批評を行う。どちらにするかは、授
業中に受講者との相談により決定する。成績評価は、前記「授業の方法」欄に示した小レポートや小テストと、この総括テストまたは期
末レポートを総合した平常点評価とする。敢えて配分を記すと、小レポートおよび小テスト 80%、総括テストまたは期末レポート 20%と
する。
教科書: とくに指定しない。
参考書: 授業中に適宜紹介する。
履修上の注意・備考:
この科目は教職に関する科目である(教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想)
教育職員免許法上の認定科目:※2 参照
‐141‐
科目番号:0969202
担当教員:西野真由美
講義題目:道徳教育の理論と実践
Theory and Practice of
単位数:2
学期:夏
授業科目:
Moral Education
授業の目的・概要:
学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の理論と実践についての理解を深め、道徳教育の視点で学校カリキュラムの全体を捉え、
カリキュラムや授業を構想する力を育てることを目標にしています。
授業計画:
以下のテーマに沿って、進めます。
(1)学校における道徳教育の意義
学校で「道徳」を「教える」なんて無理、不可能。そんな道徳教育への疑問や疑念を出し合って検討したうえで、学校における道徳教育
が何をめざすのかをもう一度確認しましょう。
(2)日本における道徳教育の歴史
明治以降の学校教育が国民意識形成に与えた影響を道徳教育の視点で見直します。
(3)道徳教育の理論
代表的な道徳教育理論を理解して教育実践に生かす方法を検討します。
(4)現代の教育課題と道徳教育
キャリア教育、科学技術教育、情報教育など今日的なテーマに道徳教育でどう取り組むかを具体的に考え、授業案を構想します。
授業の方法:
授業テーマに沿ったグループワークを中心に進めていきます。講義形式で進める場合も、グループワークやディスカッションでの意見を
取り上げながら進めます。
成績評価方法:
出席・平常点 30%、レポート 40%、試験 30%で評価します。
教科書:
講義テーマごとにレジュメを配布します。内容を補完するため、次の教科書を指定します。
高橋勝編著『道徳教育論』培風館(\1900E)
参考書:
参考文献はテーマ別に指示します。授業で配布するレジュメに提示した参考文献のなかから、一冊を選んでレポートを提出して下さ
い。
履修上の注意・備考:
授業では、道徳教育をめぐる様々な問題にグループワークで取り組みます。授業では皆で話し合って考えることを重視し、必要な知識
はレジュメや参考文献で補充しながら、最後は自分で考えを深めてレポートを作成してください。
教育職員免許法上の認定科目:※6 参照, 教科又は教職に関する科目
‐142‐
科目番号:0969203
担当教員:滝充
単位数:2
講義題目:特別活動論
学期:冬
授業科目:
Extra-Curriculum Activity
授業の目的・概要:
本講義では、特別活動の本質とも言える「望ましい集団活動を通して」という方法原理を軸にしながら特別活動のあるべき姿を再確認
し、これからの学校現場で求められる教師としての自覚と認識を高めることを目的とする。
授業計画:
本講義では学生諸君の体験(主に中学校時)を批判的に検討するとともに、近年の新しい考え方や実践を紹介し、特別活動の望まし
い実践について学んでいく。
授業の方法:特別活動という教科の性質も踏まえ、講義では話し合い(意見交換)を重視する。そのため、成績評価についても、下記の
通り、出席点と発言点、小レポートによって行う。詳細については、講義の開始時に説明するので、可能な限り初回の講義には出席さ
れたい。
成績評価方法:
出席点、発言点、小レポート
教科書:
テキスト:文部科学省『中学校学習指導要領解説 特別活動編』ぎょうせい
参考書:
履修上の注意・備考:
この科目は、教職課程における「教職に関する科目」(特別活動の指導法)に該当する。
教育職員免許法上の認定科目:※7 参照
‐143‐
科目番号:0969204
担当教員:西島央
単位数:2
講義題目:教育と社会
学期:冬
授業科目:
Education and Society
授業の目的・概要:
学校教育は、政治、経済、歴史、文化などの社会的要因と関わり合って成り立っており、学校教育に対する理解を深めるためには、そ
れらの要因との関係をふまえて捉えることが求められる。
この授業では、教育と社会との関係について、制度的側面や経営的側面も含めたいくつかのテーマを取り上げて、主に教育社会学の
考え方を用いながら、その実態や背景を読み解き、学校教育に期待される役割と課題を整理していく。そのような作業を通して、教育と
いう営みが単に「子どもに知識や技術を教える」だけのことではなく、社会のありようと深く関わっていることを理解することと、学校教育
に関する諸問題を捉え、学校経営の改善に資するための複眼的で柔軟なものの見方・考え方を身につけていくことを目標とする。
授業計画:
第1回イントロダクション:学校教育は社会とどのように関わっているのか。
第2回 受講生間での学校体験の共有。
第3回教育を社会的・制度的に捉えるとはどういうことか。
第4~5回なぜ学校は小・中・高・大に分かれているのか(教育制度の発展)。
第6~7回なぜ高校や大学に進むのに試験を受けるのか(教育の選抜機能)。
第8回なぜチャイムが鳴ったら席につかなくてはいけないのか(ヒドゥンカリキュラム①)
第9回なぜ学校で音楽や美術を学ぶのか(ヒドゥンカリキュラム②)。
第10~11回なぜ朝ご飯を食べる子どもやピアノを習っている子どもは成績がいいのか(社会階層と教育)。
第12~13回なぜ男子校や女子校があるのか/男の子の教科・女の子の教科(ジェンダーと教育)。
第14回なぜ校長のリーダーシップが期待されるようになったのか(学校組織・経営の変革課題)。
第15回まとめ:再び、学校教育は社会とどのように関わっているのか。
授業の方法:
扱うテーマによって異なるが、講義のみの場合と、グループ討論を行い、翌週その討論内容をふまえて講義をする場合がある。
なお、グループ討論を行う際は、そのための文献や資料を読んでくることが前提になるので留意すること。
成績評価方法:
複数回のグループ討論のまとめ、またはリアクションペーパー(50%)、学期末レポート(50%)
教科書:
とくに指定しない。文献や資料等をまとめたプリントを授業時に毎回配布する。
参考書:
授業に関連する参考文献は随時紹介する。
履修上の注意・備考:
この科目は、教職課程における「教職の基礎理論に関する科目(教育に関する社会的、制度的または経営的事項)」である。
教育職員免許法上の認定科目:※4参照
教育職員免許法上の認定科目:※4 参照
‐144‐
科目番号:0969205
担当教員:大野道夫
単位数:2
講義題目:進路指導・生徒指導
学期:冬
授業科目:
Career Guidance and Pupil Guidance
授業の目的・概要:
この講義では、生徒指導、教育相談及び進路指導の問題を理解するにあたって重要となる、青年期の問題をあつかっていきます。過
去や現在のさまざまな青年の現象・研究を紹介、考察していきたいと思います。
そしてそのなかから、自分もふくめた「生徒・学生としての青年期」について考えていってもらいたいと思います。
授業計画:
1ガイダンスー青年期と学校
2青年期の個体的・歴史的発生
3青年文化の類型と明治の書生の役割型青年文化
4エリクソンとアイデンティティの問題
5青年期と「聖」なるもの
6文化の社会学ー文学、音楽、マンガなどに見られる若者意識
7現代青年の仲間志向ーマンガやグループアイドルの分析から
8若者論の変遷ー各世代の今時の若者
9逸脱型ー1960年代の青年期
10逸脱型ー反抗型・脱出型の変遷
11逸脱型ー性の「逸脱」・カウンセリング
12試験と評価の問題
13ボランティア活動
14いじめ
15まとめ(現代の青年期と進路指導・生徒指導の問題)
(授業日程により、内容がややかわる場合もあります)
授業の方法:
毎回、プリントを配布し、ロック史を中心とした音楽や映画などの青年の現象に関する視聴覚教材をもちいます。授業中にアンケート
をとり、翌週それをもとに授業をする場合もあります。
成績評価方法:
学期末の評価はレポートでおこないます。
教科書:
特に指定しませんが、毎回プリントを配り、視聴覚教材をもちいます。
参考書:
特に指定しませんが、毎回プリントを配り、視聴覚教材をもちいます。その中から興味を持ったものを各自で講読などをして下さい。
履修上の注意・備考:
自分自身が青年期のまっただ中にいると思いますので、自分もふくめた「生徒・学生としての青年期」について考えていって下さい。
教育職員免許法上の認定科目:※9 参照
‐145‐
科目番号:0969206
担当教員:藤江
康彦
単位数:2
講義題目:教育の方法
学期:夏
授業科目:
Teaching Methods
授業の目的・概要:
[授業の目標]
学校教育における「授業」について様々な視点から検討することを通して、学校教育や教室といった制度的な学習の場の特質、社会文
化的な状況における子どもの学習のありようと支援の方法、子どもの学習・発達を支援する専門家としての教師の実践を理解すること
をめざす。具体的には以下の通りである。
1.学校教育における授業の特質について理解する。
2.授業という営みの特徴、授業の構成要素、授業のデザイン、について理解する。
3.授業における子どもの学習の特徴や支援の方法について理解する。
4.専門家としての教師の知識の特徴、専門的発達について理解する。
5.学校や教室とはどのような学習環境であるのか、教師はそこで何をすべきかについて考察する。
[授業の概要]
学校における教師の仕事の中心は授業の構想、実践、省察を通して子どもの学習を支援することである。この授業では、学校におけ
る授業の目的、授業の歴史や形態、授業のコミュニケーション、授業のデザインと評価、教師の実践的知識と成長などについて、実践
事例や研究事例を検討しながら探究していく。社会的、文化的、制度的な場である教室において、教師や子どもがどう生きているの
か、教師の立場からその生をどのように看取ることができるのか、ということを追究していく。
授業計画:
第1回
ガイダンス
第9回
授業の構成要素
第2回
学校教育の目的と学力形成の課題
第10回 学習の理論
第3回
学校における学習の特質
第11回 授業の理論
第4回
授業を支える制度や文化
第12回 授業の評価
第5回
カリキュラムと授業
第13回 教師の知識と思考
第6回
授業のコミュニケーションの特徴
第14回 教師の成長とライフ・コース
第7回
授業のコミュニケーションと学習
第15回 教師の学習、成長への課題
第8回
学び合うコミュニティづくりとIT技術の活用
授業の方法:
講義を中心に、適宜、受講者間のディスカッションを取り入れる。
成績評価方法:
定期試験を行わず、平常試験(小テスト・レポート等)で総合評価する。
「出席および授業中の課題」(60%)、「最終論述課題」(40%)によって総合的に評価する。ただし、出席が授業回数の3分の2に満たない
場合および最終論述課題が未提出の場合は、原則として評価の対象外とする。
教科書:指定せず、授業中に資料を配付する。
参考書:
秋田喜代美・藤江康彦『授業研究と学習過程』(放送大学教育振興会)
秋田喜代美・佐藤学(編著)『新しい時代の教職入門』(有斐閣)
稲垣忠彦・佐藤学『授業研究入門』(岩波書店)
佐藤学『教育方法学』(岩波書店)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:※8 参照
‐146‐
科目番号:0969207
担当教員:勝野正章
単位数:2
講義題目:教師論
学期:夏
授業科目:
Teaching and Teacher Education
授業の目的・概要:
【授業の目標】
1.教職の意義、教員の役割並びに職務内容に関する理解を深める。
2.教職を将来の進路の一つとして真剣に検討している学生に、その検討のための材料を提供する。
3.教職に関する情熱・使命感や子どもに対する責任感、興味・関心という資質能力を育む。
【授業の概要】
授業を通じて教員の職務内容とその特徴、教員にとっての学ぶことの意味、教員の服務と身分保障、教員養成の歴史、保護者・地域
住民との関係づくり等について理解する。さらに、教員のライフコースに即して新採用教員、中堅教員、管理職教員の話を聴く機会を設
けることで、上記の理解を深めるとともに、教職を将来の進路の一つとして真剣に検討している学生に対して、その検討のための材料
を提供する。
授業計画:
第1回:イントロダクション 授業計画、参考書、評価方法の説明
第2回:教員の職務【キーワード 勤務実態調査、多忙化、やりがい】
第3回:教職の特徴【キーワード 無境界性、不確実性、再帰性】
第4回:教員にとっての学ぶことの意味【キーワード 研修の権利と義務、同僚性、授業研究】
第5回:教員のライフコース【キーワード 初任期、中堅期、管理職期】
第6回:ゲストティーチャー(新採用教員)
第7回:教科指導の基礎【キーワード 教材研究、授業のデザイン、学習評価】
第8回:生徒指導の基礎【キーワード 子ども理解、コミュニケーション、カウンセリング】
第9回:教員の服務と身分保障【キーワード 身分上の義務、職務上の義務、ILO/ユネスコ教員の地位に関する勧告】
第10回:ゲストティーチャー(中堅教員)
第11回:教員養成の歴史【キーワード 師範学校、開放制教員養成、免許状制度】
第12回:保護者・地域住民との関係づくり【キーワード 開かれた学校づくり、信頼、説明責任】
第13回:ゲストティーチャー(管理職教員)
第14回:教職の未来【キーワード 学ぶ専門職、教職の公共的使命、教育改革】
第15回:授業のまとめ
ゲストティーチャーの都合等により、授業計画には変更がありうる。
授業の方法:
毎時、授業でとりあげたトピックに関するグループ・ディスカッションの時間を設けるとともに、リアクションペーパーを記入して、内容理
解の確認、深化を図るとともに振り返りを行う。
成績評価方法:
講義で扱った内容に関する理解の確認を中心とする試験を行う。この試験の結果に授業への参加態度等を加味し、上記の到達目標
を基準として総合的に評価する。
教科書:なし
参考書:佐藤学・秋田喜代美編著『新しい時代の教職入門』(有斐閣有アルマ)
履修上の注意・備考:特になし
教育職員免許法上の認定科目:※1 参照
‐147‐
科目番号:0969208
担当教員:岩田一正
単位数:2
講義題目:教育課程
学期:夏
授業科目:
Curriculum Studies
授業の目的・概要:
本講義では,我々の学びを方向づけると同時に,我々の学びの軌跡自体でもあるカリキュラム・教育課程,特に日本のそれが,どの
ような特徴を有するものであるのかを批判的に検討していくことを目標としている。具体的には,以下のようなカリキュラムを巡る諸テー
マを扱うことを通じて,その目標に迫ることとしたい。カリキュラムという用語の歴史,学習指導要領の歴史的変遷(学校教育以外の領
域との連関),カリキュラムの具体的内容の選択基準,カリキュラム編成の方法と類型,総合的な学習の時間/総合学習,教育課程
自体の評価(学力調査の実施方法),ヒドゥン・カリキュラム(研究史,具体的な事例),他国のカリキュラムなどである。
授業計画:
以下のように計画しているが,状況に応じて変更することがある。
1.イントロダクション―カリキュラムという用語の歴史,カリキュラムを巡る諸争点
2.数学・算数の実践の比較―ヴィデオ視聴,教育課程と教育実践の連関
3.学習指導要領の変遷1―1947 年,1951 年,1958 年学習指導要領の特徴
4.学習指導要領の変遷2―1968 年,1977 年,1989 年学習指導要領の特徴
5.学習指導要領の変遷3―1998 年,2003 年,2008 年学習指導要領の特徴
6.PISA 調査について―リテラシー,キー・コンピテンシー,学力調査問題作成方法
7.総合的な学習の時間/総合学習1―導入の経緯・理由,その後の展開
8.総合的な学習の時間/総合学習2―ヴィデオ視聴,教育内容や学習テーマの選択
9.カリキュラム編成の方法・類型と教育内容・カリキュラムの具体的内容の選択基準
10.ヒドゥン・カリキュラム1―ヒドゥン・カリキュラムとは,研究の展開
11.ヒドゥン・カリキュラム2―ヒドゥン・カリキュラムの事例
12.他国のカリキュラム1―アメリカと韓国のカリキュラム
13.他国のカリキュラム2―イギリスとフィンランドのカリキュラム
14.他国のカリキュラム3―ドイツのカリキュラム
15.まとめ
授業の方法: プレゼンテーションソフトを利用した講義。
成績評価方法: 試験(100%)による。
教科書: 『学習指導要領』各年度版
参考書:
Philip Jackson:Life in Classrooms, 1968.
Yoshiko Nozaki:War Memory, Nationalism and Education in Postwar Japan, 1945-2007, 2008.
Henry Giroux:Border Crossings, 2nd ed.,2005.
国立教育政策研究所編『生きるための知識と技能』1・2・3・4(ぎょうせい)
ボウルズ,ギンタス『アメリカ資本主義と学校教育1・2』(岩波書店,1986履修上の注意・備考:
教職志望者が,カリキュラムについての理解を深め,カリキュラムの具体的内容の選択基準や編成の方法と類型を批判的に検討し,
またその検討を踏まえて自分なりにカリキュラムをデザインできること。
教育職員免許法上の認定科目:※5 参照
‐148‐
科目番号:0969209
担当教員:市川伸一,植阪友理
講義題目:教育心理 I
単位数:2
学期:夏
授業科目:
Educational Psychology I
授業の目的・概要:
【授業の目標】
教育心理学的な視点を踏まえて、子どもの学習を理解し、支援することができるようになることを目指す。また、自らの学習や社会的な
問題についても、教育心理学の視点から分析的に考えられるようになることを目指す。
【概要】
教育心理学の中でも、認知主義的な立場を中心に紹介する。具体的には、記憶や学び方といったテーマについて、従来の心理学では
どのようなことが明らかになっているのかを示したうえで、実際に個別学習や授業にどのように応用可能かについても授業では触れ
る。また、障害のある子どもへの支援についても取り上げる。
授業計画:
第1回:ガイダンスと教育心理学における3つの立場[市川伸一・植阪友理]
第2回:学習のメカニズム(第1章)[植阪友理]
第3回:記憶の仕組み(第4章)[植阪友理]
第4回:心理学からみた効果的な覚え方(第5章)[植阪友理]
第5回:自立した学習を支える学び方①(第6章)[植阪友理](学習方略)
第6回:やる気を促し、維持するために(第3章)[市川伸一・植阪友理]
第7回:心理学からやる気を分析する(第2章)[植阪友理]
第8回:自立した学習を支える学び方②(第7章)[植阪友理](メタ認知、学習観)
第9回:中間レポート①を使った討論(パネルディスカッション形式)[植阪友理]
第10回:心理学から個別学習相談のあり方を考える(別途資料配布)[植阪友理]
第11回:心理学から授業のあり方を考える(別途資料配布)[市川伸一・植阪友理]
第12回:発達をみつめる枠組み(第8章)[植阪友理]
第13回:「障害」の理解(第13章), 中間レポー②を使った討論[植阪友理]
期末テスト
授業の方法:
簡単な予習を課し、授業では分かりにくい部分を中心に解説したうえで、実際に学んだ知識を使いながら理解を深めるような活動をペ
アやグループで行ってもらう。
成績評価方法:
期末テストおよび,2 回の中間レポートで評価する。中間レポートは、教育にかかわる問題について自らの意見を書いたもの A4、1 枚
程度。取り上げる問題については授業中に指示する。
教科書:
『絶対役立つ教育心理学』(藤田哲也編,ミネルヴァ書房,2007 年)
参考書:
授業時に適宜,指示する。また,必要に応じて資料として配布する。
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:※3 参照
‐149‐
8 月 1 日更新
科目番号:0969210
担当教員:袴田優子
単位数:2
講義題目:教育相談 I
学期:冬
授業科目:
School Counseling I
授業の目的・概要:
近年、児童虐待やいじめ、自殺者の増加、精神障害による休職者の増加など、メンタルヘルス不調による社会への影響が深刻化し
ている。これに伴い、心理的ケアやサポートの必要性が認識され、教育現場を含め、様々な現場で臨床心理学的実践が試みられてい
る。本授業では、教育に携わる者として必要な心理相談に関する基礎知識の習得を目指す。
臨床心理学の全体像、様々な心理的問題に付随して現れる精神症状、それらに対する代表的な心理介入法について概説する。ま
た、教育現場で遭遇しやすいメンタルヘルス上の問題―虐待やいじめ、自殺の現状についても取り上げる。
授業計画:
1回
ガイダンス 心の問題―異常・正常とは
2回
臨床心理学概論
3回
精神症状の理解(1) 統合失調症
4回
精神症状の理解(2) 気分障害
5回
精神症状の理解(3) 不安障害
6回
精神症状の理解(4) 解離性障害・身体表現性障害
7回
精神症状の理解(5) パーソナリティ障害
8回
精神症状の理解(6) 発達障害
9回
精神症状の理解(7) 神経変性疾患
10 回
心理的介入(1)
精神分析
11 回
心理的介入(2)
クライエント中心療法
12 回
心理的介入(3)
認知行動療法
13 回
現代社会とメンタルヘルス(1)
児童虐待、いじめ、ひきこもり
14 回
現代社会とメンタルヘルス(2)
日本の自殺の現状と対策
15 回
試験
人の心を支える―臨床心理学とは何か
授業の方法:
基本的に講義形式であるが、内容によってグループワーク、体験学習、視聴覚教材による学習をおこなう。
成績評価方法:
試験成績による評価。
教科書:
「よくわかる臨床心理学」下山晴彦(編),ミネルヴァ書房
参考書:
「モデルで考える精神疾患」 ピーター・タイラー(著),堀 弘明(訳)
履修上の注意・備考:
教育職員免許法上の認定科目:※10 参照
‐150‐
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