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和泉市におけるホテル誘致の経済波及効果
和泉市におけるホテル誘致の経済波及効果 平成 27 年 8 月 和 泉 市 目 次 Ⅰ はじめに ···································································································· 1 Ⅱ 直接効果の項目 ··························································································· 2 1.ホテルの建設事業費 ·················································································· 2 2.ホテル従業者による消費支出 ······································································ 2 3.ホテル宿泊者による消費支出 ······································································ 4 4.コンベンションホール利用者による消費支出 ················································· 6 5.ホテルレストラン利用者による消費支出 ······················································· 8 6.立体駐車場の年間運営費による消費支出 ······················································· 9 Ⅲ 直接効果の総計 ························································································ 10 Ⅳ 経済波及効果 ··························································································· 11 Ⅴ 結論 ······································································································· 14 Ⅰ はじめに 1 月 24 日の地域誌「ニュースせんなん」に「和泉市に初の都市型ホテルが誕生か」の記 事が掲載されていた。記事によると、UR(都市再生機構)が「トリヴェ-ル和泉におい て業種をホテルに限定した事業用地の分譲を行っている。和泉市には都市型(シティ)ホ テルがないため、市民が結婚披露宴などを開催する際、近隣市町のホテルを利用している。 また、和泉市に観光やビジネスで来られるビジターも近隣市町のホテルを利用することが 多いと言われていると述べられている。 ホテルの誘致は、観光やビジネスで来られるビジターには高い利便性をもたらすことだ けではなく、地域経済の活性化にもつながることが期待できる。 本報告書は、和泉市におけるホテル誘致が大阪府及び地元である和泉市でどれほど経済 波及効果があるかを推計したものである。推計の結果、ホテル誘致の経済波及効果は大阪 府では初年度は約 54 億 7,800 万円、2 年目以降の平年度は約 34 億 9,100 万円となった。 さらに、地元の和泉市では、初年度約 42 億 1,300 万円、2 年目以降の平年度は約 28 億 5,800 万円という大きな経済波及効果があることが示された。 1 Ⅱ 直接効果の項目 ホテル誘致の直接効果は、ホテル建設事業費、雇用者による消費支出、宿泊者による消 費支出、コンベンションホール利用者による消費支出、ホテルレストラン利用者による消 費支出、立体駐車場の運営による消費支出から推計する。 1.ホテルの建設事業費 ホテルの建設事業費は表 1 で示されている。推計の結果、ホテルの建設事業費は約 12 億 円である。 表1 ホテルの建設事業費 単位:億円 項目 建設事業費 ホテル 10.50 立体駐車場 1.50 合計 12.00 データの出所:和泉市商工労働室の提供によるものである。 2.ホテル従業者による消費支出 和泉市周辺地域のホテルの従業者数について、和泉市周辺地域のホテルA(駅前)とホ テルB(高速口)でヒアリング調査を行った。ヒアリング調査の結果は表 2 で示されてい る。 表2 部屋数及び従業者数につてのヒアリング調査の結果 項目 ホテルA(駅前) ホテルB(高速口) 部屋数(室) 50 150 従業者数(人) 85 120 データの出所: 和泉市商工労働室による周辺地域のホテルへのヒアリング調査結果によるものである。 飲食・宿泊業の従業者の和泉市内・市外の居住者数及び居住率は、表 3 で示されている。 和泉市内居住率は約 70%、和泉市外居住率は約 30%であると仮定する。 2 表3 飲食・宿泊業の従業者の市内・市外居住者数及びその割合 単位:人 項目 人数 割合 市内 1,577 0.70 641 0.29 府外 29 0.01 合計 2,247 1.00 府内他市区町村 データの出所: ・「平成 17 年国勢調査」 第 5 表「常住地又は従業地による産業(大分類)男女別 15 歳以上従業者数(雇用者―特掲) ・和泉市外居住率=府内他市居住率+他府居住率 推計したホテル従業者数及びそのうち市内居住従業者数、市外居住従業者数は、表 4 で示されている。推計の結果、市内居住ホテル従業者は 128 人、市外居住ホテル従業者 は 54 人、ホテル従業者は合計 183 人である。 表4 市内・市外居住のホテル従業者数 単位:人 項目 人数 市内居住従業者数 128 市外居住従業者数 54 183 合計 注: ・ホテル従業者数は以下のように推計した。 Aホテル(駅前)室平均従業者数=85 人/50 室=1.7 人 Bホテル(高速口)室平均従業者数=120 人/150 室=0.8 人 AホテルとBホテルの室平均従業者数=(1.7+0.8)/2=1.25 人 ホテル従業者数=AホテルとBホテルの室平均従業者数×室数 和泉市商工労働室提供によると、ホテル部屋数は 146 室である。 ・市内居住従業者数と市外居住従業者数は以下のように推計した。 表 3 によると、和泉市の飲食・宿泊業の従業者は、その 70%が市内に、30%が市外に 居住している。 市内居住従業者=従業者総数 183 人×市内居住率 70%=128 人 市外居住従業者=従業者総数 183 人×市内居住率 30%=54 人 ホテル従業者による年間消費支出は、表 5 で示されている。推計の結果、ホテル従業者 による年間消費支額は約 1 億 4,875 万円となった。 3 表5 ホテル従業者による年間消費支出 単位:百万円 項目 消費金額 市内居住従業者 140.97 市外居住従業者 7.78 148.75 合計 注: ・和泉市における和泉市外居住従業者の消費支出は昼食だけと仮定する。 和泉市における和泉市外居住従業者の消費支出 =昼食代×(365 日-平均年間休日総数)×従業者数 ・「平成 25 年度労働統計要覧」によると、宿泊業・飲食サービス業の従業者の平均年間休 日総数は 101 日である。 ・ 「2014 年サラリーマンのお小遣い調査」 (新生銀行 26 年 6 月)によると、サラリーマン の平均昼食代は 541 円である。 ・和泉市における和泉市内居住従業者の年間消費支出の推計は以下となる。 和泉市における和泉市内居住従業者の年間消費支出 =年間現金給与×可処分所得率×平均消費性向×従業者数 ・宿泊業・飲食サービス業の従業者の一ヶ月現金給与は「毎月労働統計調査報告書」(大 府平成 26 年平均)によると、14 万 8,634 円である。 年間現金給与=一ヶ月現金給与×12 ヶ月 ・可処分所得率=可処分所得/実収入 「平成 25 年度大阪府統計年鑑」(平成 26 年 3 月)によると、実収入は 489,020 円、可 処分所得は 409,101 円である。推計した可処分所得率は約 0.8365 である。 ・平均消費性向=消費支出額/可処分所得 「平成 25 年度大阪府統計年鑑」(平成 26 年 3 月)によると、消費支出額は 301,758 円 である。推計した平均消費性向は 0.7376 である。 3.ホテル宿泊者による消費支出 ホテルの年間宿泊者数は表 6 で示されている。推計の結果、ホテルの年間宿泊者は 5 万 6,962 人である。 表6 ホテルの年間宿泊者 単位:人 部屋種類 部屋数(室) 年間平均稼働率 年間宿泊者数 シングル 112 0.867 35,443 ツイン 34 0.867 21,519 146 * 56,962 合計 4 注: ・ホテルの部屋数は和泉市商工労働室提供によるものである。 ・観光統計平成 26 年の年間集計によると、平成 26 年大阪府のシティホテルの年間平均稼 働率は 86.7%である。 ・シングル年間宿泊者数=シングル部屋数×稼働率×365 日 ・ツイン年間宿泊者数=ツイン部屋数×2 人×稼働率×365 日 宿泊者一人当たり消費支出額は表 7 で示されている。推計の結果、シングル宿泊者一人 当たり消費支出額は 3 万 7,466 円、ツイン宿泊者一人当たり消費支出額は 3 万 5,716 円で ある。 表7 消費項目 宿泊者一人当たり消費支出額 シングル宿泊者 単位:円 ツイン宿泊者 宿泊費 6,500 4,750 参加費 6,145 6,145 交通費 12,282 12,282 飲食費 5,445 5,445 土産・買物代 5,212 5,212 入場料・娯楽費 1,882 1,882 合計 37,466 35,716 注: ・宿泊費は和泉市商工労働室提供によるものである。 ただし、ツインの宿泊費は 9,500 円を 2 人で割り、ツイン宿泊者一人当たり宿泊費を推 計した。 ・他の消費項目のデータは「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」(国土交通省観 光庁 2011 年)によるものである。主目的地(最遠地)は近畿の場合のデータである。 宿泊者による年間消費支出額は表 8 で示されている。推計の結果、宿泊者による年間消 費支出額は約 20 億 9,648 万円である。 5 表8 宿泊者による年間消費支出額 消費項目 シングル宿泊者 単位:百万円 ツイン宿泊者 合計 宿泊費 230.38 102.21 332.59 参加費 217.80 132.23 350.03 交通費 435.31 264.30 699.61 飲食費 192.99 117.17 310.16 土産・買物代 184.73 112.16 296.89 入場料・娯楽費 66.70 40.50 107.20 1,327.91 768.57 2,096.48 合計 4.コンベンションホール利用者による消費支出 建設される予定ホテルのコンベンションホールの予定建設面積、予定収容人数及び予想 年間平均稼働率は表 9 で示されている。予定建設面積は 300 平方メートルから 500 平方メ ートルである。予定収容人数は 100 人から 160 人である。予想年間平均稼働率は 70%であ る。 表9 建設される予定ホテルのコンベンションホールについて 項目 面積・人数など 予定建設面積 300 平方メートル~500 平方メートル 予定収容人数 100 人~160 人 予想年間平均稼働率 70% 注:和泉市商工労働室へのヒアリング調査結果によるものである。 コンベンションホールの年間利用者数の推計結果は表 10 で示されている。推計の結果、 コンベンションホールの宴会利用者は 1 万 2,775 人、コンベンションホール会議など利用 者は 1 万 2,775 人、コンベンションホールの年間利用者の合計は 2 万 5,550 人となった。 表 10 コンベンションホールの年間利用者数 単位:人 項目 人数 年間宴会利用者 12,775 年間会議など利用者 12,775 合計 25,550 6 注: ・コンベンションホールの年間利用者数=予定収容人数×365 日×予想年間平均稼働率 7 割 =100 人×365 日×0.7=25,550 人 ・コンベンションホールの年間利用者数の推計に用いた予定収容人数は、コンベンション ホール面積 300 平方メートルの場合の収容人数 100 人である。 ・コンベンションホールの年間利用者における宴会利用者と会議等利用者はそれぞれ半分 であると仮定し、年間宴会利用者数と年間会議等利用者数を推計した。 コンベンションホール利用者一人当たり消費支出額は表 11 で示されている。推計の結果、 宴会利用者一人当たり消費支出額は 2 万 944 円、会議等利用者一人当たり消費支出額は 1 万 3,989 円である。 表 11 コンベンションホール利用者一人当たり消費支出額 単位:円 消費項目 宴会利用者 会議等利用者 宿泊費 0 0 参加費 1,864 1,864 交通費 6,156 6,156 飲食費 8,500 1,545 土産・買物代 3,151 3,151 入場料・娯楽費 1,273 1,273 合計 20,944 13,989 注: ・宴会利用者の一人当たり消費支出額は、飲食費以外の消費支出は「旅行・観光産業の経 済効果に関する調査研究」 (国土交通省観光庁 2011 年)によるものである。主目的地(最 遠地)は近畿の場合のデータである。 ・宴会利用者の一人当たり飲食費は以下のように仮定している。和泉市商工労働室の調査 結果によると、シティホテル・高級ビジネスホテルの宴会料金は、夜の場合は 11,000 円 ぐらい、昼の場合は 6,000 円ぐらいである。 ・これらの条件を参考に、その平均利用料金は以下のように推計した。 宴会の平均料金=(夜の平均利用料金 11,000 円+昼の平均利用料金 6,000 円)÷2 ・会議等利用者の一人当たり消費支出額は、旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」 (国土交通省観光庁 2011 年)によるものである。主目的地(最遠地)は近畿のデータ を参考にしている。 コンベンションホール利用者による年間消費支出額は表 12 で示されている。推計の結果、 コンベンションホール利用者による年間消費支出額は約 4 億 4,627 万円である。 7 表 12 コンベンションホール利用者による年間消費支出額 消費項目 宴会利用者 会議等利用者 単位:百万円 合計 宿泊費 0.00 0.00 0.00 参加費 23.81 23.81 47.63 交通費 78.64 78.64 157.29 飲食費 108.59 19.74 128.32 土産・買物代 40.25 40.25 80.51 入場料・娯楽費 16.26 16.26 32.53 合計 267.56 178.71 446.27 5.ホテルレストラン利用者による消費支出 ホテルレストランの年間利用者数、利用者一人当たり消費支出額、年間消費支出額は表 13 で示されている。推計の結果、ホテルレストラン年間ランチ利用者は 28,481 人、ディナ ー利用者は 28,481 人である。一人当たり消費支出額はランチ利用者が 3,500 円、ディナー 利用者が 6,500 円である。ホテルレストラン利用者による年間消費支出額消費は約 2 億 8,481 万円である。 表 13 ホテルレストラン利用者による年間消費支出額 項目 ランチ利用者 28,481 28,481 3,500 6,500 99,683,500 185,126,500 年間利用者数 一人当たり消費支出額 年間消費支出額 ディナー利用者 単位:人・円 合計 56,962 * 284,810,000 注: ・和泉市商工労働室の調査結果によると、シティホテル、高級ビジネスホテルのランチに 関しては宿泊者の利用が少ない、他方、ディナーは宿泊者の 5 割程度が利用すると考え られるので、表 6 で推計したホテルの年間宿泊者数 56,962 人の 5 割の 28,481 人がディ ナーを利用すると仮定する。ゆえに、宿泊者のディナー利用者数 28,481 人、宿泊者以外 のディナー利用者数は宿泊者のディナー利用者と同じ、28,481 人であるとする。宿泊者 のディナー利用者の消費支出は宿泊者による消費支出とは重複しているので、二重計算 を避けるために控除する。宿泊者以外のディナー利用者数を用いて、ディナー利用者に よる消費支出額を推計した。 ・ホテルレストランのランチ利用者は宿泊者がなく、全員非宿泊者と仮定する。その人数 はホテルレストランディナー年間利用者数とは同じ、28,481 人と仮定した。 ・和泉市商工労働室の調査結果によると、シティホテル、高級ビジネスホテルのレストラ ン利用者一人当たり消費支出額はランチが 3,500 円、ディナーは 6,500 円である。 8 6.立体駐車場の年間運営費による消費支出 立体駐車場の年間運営費は表 14 で示されている。推計の結果、立体駐車場の年間運営費 は約 2,400 万円である。 表 14 立体駐車場の年間運営費 項目 単位:万円 金額 200 一カ月運営費 2,400 年間運営費 データの出所:和泉市商工労働室提供によるものである。 9 Ⅲ 直接効果の総計 (1)消費主体別の消費支出総計 ホテル誘致の消費主体別の消費支出額の総計は、表 15 で示されている。推計の結果、 ホテル誘致の消費支出額は、総計約 42 億 30 万円となった。 表 15 消費主体別の消費支出額の総計 単位:百万円 消費主体 消費金額 建設事業費 1,200.00 従業者による消費支出 148.75 宿泊者による消費支出 2,096.48 コンベンションホール利用者による消費支出 446.27 ホテルレストラン利用者による消費支出 284.81 駐車場の年間運営費 24.00 4,200.30 合計 (2)消費項目別の消費支出総計 ホテル誘致の消費項目別の消費支出額の総計は、表 16 で示されている。推計の結果、 ホテル誘致の消費支出額は、総計約 42 億 30 万円となった。 表 16 消費項目別の消費支出額の総計 単位:百万円 消費項目 消費金額 建設事業費 1,200.00 従業者による消費支出 148.75 宿泊費 332.59 参加費 397.66 交通費 856.89 飲食費 723.29 土産・買物代 377.39 入場料・娯楽費 139.73 駐車場の年間運営費 24.00 4,200.30 合計 10 Ⅳ 経済波及効果 (1)産業連関表への按分 これまで計算した直接効果約 42 億 30 万円を、「平成 17 年大阪府産業連関表」に按分 して、大阪府におけるホテル誘致の経済波及効果を推計する。産業連関表への按分は表 17 で示される。 表 17 産業連関表への按分 消費項目 産業連関表への按分 建設費 建設 従業者による消費支出 すべての部門 宿泊費 対個人サービス 参加費 対個人サービス 交通費 運輸 飲食費 対個人サービス 土産・買物代 商業 入場料・娯楽費 対個人サービス 駐車場の年間運営費 対事業サービス (2)大阪府における経済波及効果 「平成 17 年大阪府産業連関表」を用いて、大阪府におけるホテル誘致の初年度の経済 波及効果を推計すると、約 54 億 7,800 万円となった。さらに、粗付加価値創出は約 31 億 6,900 万円になった。 表 18 大阪府における初年度の経済波及効果 単位:億円・人 項目 生産創出 雇用創出 粗付加価値創出 直接効果と一次波及効果 46.30 444 26.78 二次波及効果 8.48 56 4.91 合計 54.78 500 31.69 注:推計に用いた産業連関表は「平成 17 年大阪府産業連関表」である。 次に、初期の投資である建設事業費を含まない平年度の経済波及効果を推定する。建 設の初期投資支出の経済波及効果は一時的なものであるので、初期投資が終了するとそ の経済波及効果は無くなることになる。これに対して利用者、従業員などの消費支出の 経済波及効果は恒常的なものであり、ホテルが存続する限りその波及効果は長期に継続 していくと考えられる。それらの値をもとにして、平年度の経済波及効果を計算する。 11 「平成 17 年大阪府産業連関表」を用いて、大阪府におけるホテル誘致の平年度の経済 波及効果を推計すると、約 34 億 9,100 万円となった。さらに、粗付加価値創出は約 20 億 2,000 万円になった。 表 19 大阪府における平年度の経済波及効果 単位:億円・人 項目 生産創出 雇用創出 粗付加価値創出 直接効果と一次波及効果 29.85 325 17.27 二次波及効果 5.06 33 2.93 合計 34.91 358 20.20 注:推計に用いた産業連関表は「平成 17 年大阪府産業連関表」である。 (3)和泉市における経済波及効果 次に、和泉市におけるホテル誘致の経済波及効果を求める。和泉市には産業連関表が ないので、 「平成 17 年大阪府産業連関表」を用いて計算した大阪府における経済波及効 果をもとに和泉市における経済波及効果を推計する。つまり、表 18、表 19 で推計した大 阪府における経済波及効果を和泉市の経済規模に応じて配分することにより和泉市にお ける経済波及効果を求めた。 和泉市におけるホテル誘致の初年度の経済波及効果は表 20 で示されている。推計の結 果、和泉市における初年度の経済波及効果約 42 億 1,300 万円となった。さらに、粗付加 価値創出は約 24 億 3,700 万になった。 表 20 和泉市における初年度の経済波及効果 単位:億円・人 項目 生産創出 雇用創出 粗付加価値創出 直接効果と一次波及効果 42.05 403 24.32 二次波及効果 0.08 1 0.05 合計 42.13 403.77 24.37 和泉市におけるホテル誘致の平年度の経済波及効果は表 21 で示されている。推計の結 果、和泉市における平年度の経済波及効果約 28 億 5,800 万円となった。さらに、粗付加 価値創出は約 16 億 5,300 万になった。 表 21 和泉市における平年度の経済波及効果 単位:億円・人 項目 生産創出 雇用創出 粗付加価値創出 直接効果と一次波及効果 28.53 311 16.51 二次波及効果 0.05 0 0.03 合計 28.58 311 16.53 12 和泉市における経済波及効果の推計方法(按分方法) ・建設事業費、従業者による消費支出、宿泊者による消費支出、コンベンションホール利 用者による消費支出、ホテルレストラン利用者による消費支出、駐車場の年間運営費は 和泉市内における直接効果と仮定する。 ・一次波及効果と二次波及効果は和泉市の大阪府に占める経済規模の比率をもとにして、 和泉市に按分する。和泉市の大阪府に占める経済規模を製造業の製造品出荷額等及び商 業の年間商品販売額を参考にしている。その結果、和泉市の大阪府に占める経済規模の 比率は 1%である。 ・和泉市と大阪府全体の製造業の製造品出荷額等と商業の商業年間商品販売額を比較する と、表 22 のようになる。これらのデータから、和泉市の経済規模は大阪府全体の約 1% であると言える。 表 22 和泉市経済規模と大阪府経済規模の比較(製造業・商業) 項目 単位:百万円 製造品出荷額等 年間商品販売額 和泉市 160,879.28 137,750.00 大阪府 16,022,740.91 9,650,541.00 0.01 0.01 割合 データの出所: ・製造品出荷額等は「平成 24 年工業統計」によるものである。 ・年間商品販売額は」 「平成 19 年商業統計」によるものである。 13 Ⅴ 結論 大阪府におけるホテル誘致の初年度の経済波及効果は、約 54 億 7,800 万円、そして粗付 加価値創出は約 31 億 6,900 万円となった。 和泉市におけるホテル誘致の初年度の経済波及効果は、約 42 億 1,300 万円、そして粗付 加価値創出は約 24 億 3,700 万円となった。 大阪府におけるホテル誘致の 2 年目以降の平年度の経済波及効果は、約 34 億 9,100 万円、 そして粗付加価値創出は約 20 億 2,000 万円となった。 和泉市におけるホテル誘致の 2 年目以降の平年度の経済波及効果は、約 28 億 5,800 万円、 そして粗付加価値創出は約 16 億 5,300 万円となった。 このように、和泉市におけるホテル誘致は、地元の和泉市だけではなく、大阪府にも大 きな経済効果をもたらすことが判明した。 ※本報告書の結果を無断で論文、報告書などに使用されることはお断りします。 ※なお、本報告では、計算の都合上四捨五入しているので、合計額の最後の一桁が合わな い場合があることをご承知下さい。 ※本報告書作成にあたり関係各位から多くの参考資料をいただきました。ここに感謝する 次第です。 14 和泉市におけるホテル誘致の経済波及効果 発 行 発 行 所 平成 27 年(2015 年)8 月 和泉市(環境産業部商工労働室) 〒594-8501 大阪府和泉市府中町二丁目 7 番 5 号 TEL 0725-99-8123 FAX 0725-41-1553 URL http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/