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【学会発表】
演題名
マウスにおけるアマニリグナンの概日リズムへ与える影響
発表者
○山内優輝 1、大池秀明2、間和彦 1、小堀真珠子2
(1 日本製粉㈱・中研、2(独)農研機構・食品総合研究所)
学会名
日本時間生物学会 札幌シンポジウム(ポスター発表)
発表日
2014年7月
【発表内容】
目的
アマニ(亜麻仁)はアマ科に属する一年草の植物(Linum usitatissimum)の種子で、ファイトエ
ストロゲンであるリグナンを豊富に含んでいる。アマニリグナンであるセコイソラリシレジノール・ジ
グルコシド(SDG)は腸内で生理活性物質であるエンテロジオール(END)やエンテロラクトン
(ENL)に代謝されて、心疾患やメタボリックシンドロームの予防効果を有することが示唆されてい
る。また、これまでに体内時計の破綻とメタボリックシンドロームの発症には密接な関連性がある
ことや、女性ホルモンであるエストロゲンが体内時計の調節に関係することも示唆されている。そ
こで本研究ではアマニリグナンがマウスの概日リズムに及ぼす影響を検討した。
方法と結果
【方法】
試験 1: 神経細胞、肝細胞や脂肪細胞を用いて SDG 代謝物である END の時計遺伝子発現に
及ぼす影響をリアルタイム PCR にて調べた。
試験 2: PER2::LUC ノックインマウスから切り出した組織を培養し、PER2 発現リズムへの影響
をルシフェラーゼのレポーターアッセイにより調べた。
試験 3: 7 週齢の C57BL/6J、オスを用い、2 週間予備飼育後、通常食、高脂肪高ショ糖食また
は高脂肪高ショ糖食に 0.5%の SDG を配合した餌を 5 週間自由摂取させた後の、自発行動リズ
ムや遺伝子発現量の比較を行った。
【結果】
試験 1: END の添加により神経細胞において Dec1 と Per1 の一過的な発現誘導が見られた。
また肝細胞や脂肪細胞においても遺伝子発現の変動が見られた。
試験 2: 卵巣や子宮などの生殖器において PER2 発現リズムの位相前進が見られた。
試験 3: SDG 摂取により、マウスの行動リズムは高脂肪高ショ糖食群と差が見られなかった一方
で、肝臓における Bmal1、Clock、Per1、Per2 など時計遺伝子の発現は、高脂肪高ショ糖
食摂取によって変動した遺伝子発現を回復する傾向が見られた。
【結論】
アマニリグナンがマウスの概日リズムに影響を与える可能性が示唆された。
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