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匠の世界
WRITER PROFILE
MISSION STATEMENT
「一芸に秀でる」…人より優れたモノをもつ。翻訳の世界で一流のプロとして活躍されて
いる方々は、ほぼ例外なくご本人が自負し周りも高く評価する「コアコンピタンス」を
おもちでしょう。外国語や母国語の力量はいうまでもなく、自らの軸足をしっかり定め、
深い専門知識や卓越したスキル、優れた思想や知見をおもちになり、それを核にして地
中深く広く根を張ることによって、揺るぎないステータスを築いていらっしゃいます。
このコーナーでは、主に産業翻訳の分野で活躍されている翻訳者の中から、翻訳あるい
は翻訳周辺技術における「その道のプロ」と呼ぶに相応しい方々をお招きして、様々な
切り口からそのお人柄に迫ろうと思います。どうぞご期待下さい。
お ぐま や よ い
小熊 弥生
フリーランス通訳への道
同時通訳者、バイリンガル MC、英語モチ
ベーションアップセミナー講師。
1971 年生まれ。1991 年実践女子短期大学
国文科卒業、2004 年早稲田大学社会科学
部卒業。 短大卒業後に通訳者を目指すも、
英語力は英検 4 級、TOEIC280 点と“平均
以下”からスタートを切る。独自の勉強
法を駆使し、半年後に TOEIC805 点を取得
して大手英会話学校主任講師に。その後、
TOEIC950 点、英検 1 級、通訳検定 2 級を
取得し、短大卒業から 3 年半で通訳者デ
ビューを果たす。
現在はフリーの同時通訳者として、経済、
産業、環境、医学、エンターテイメント、
政治など広い分野で活躍中。世界的ベス
トセラー作家のアンソニー・ロビンズ氏
やノーベル物理学賞受賞者の来日公演、
F1 ドライバーのヤルノ・トゥルーリー氏
取材、有名企業 CEO 来日記念取材などで
通訳を務める。2010 年には『世界衝撃映
像社』
(フジテレビ)にレギュラー出演し、
“バラエティーもできる通訳”として新た
な領域を切り開く。自身の経験をベース
にした「英語モチベーションアップセミ
ナー」
「超スピード学習法セミナー」では、
英語学習への意欲を引き出す講演や一人
ひとりの目的に合った効果的な学習プロ
グラム作りが好評を得ている。著書に、
発売後数ヶ月 8 万部突破しベストセラー
となった『TOEIC テスト 280 点だった私
が半年で 800 点、3 年で同時通訳者になれ
た 42 のルール』(幻冬舎)と発売 5 日目
で重版となった『英語が面白てとまらな
い感動のマスターマップ勉強法』(中経出
版)がある。
皆さんこんにちは。小熊弥生です。今回、寄稿させていただくことになり、何
を書こうかと考えた時に思い出したのが、「私、同時通訳者を目指すことに」とい
う読者からの感想文です。私が「TOEIC280 点から」を出版し、是非、自分がわ
くわくするような目標をたててくださいというメッセージを伝えてきたせいか、
「通訳を目指しています。」という方から相談を受けることが多くなりました。そ
ういう方に是非、具体的にどのような能力・知識・準備が必要なのかお伝えした
いと思いました。この記事を参考にして、是非具体的な行動計画をたてていただ
ければ幸いです。
フリーランスの通訳の仕事
通訳というと国際会議の同時通訳と外国から映画俳優が来日した時の通訳イ
メージが強いですが、実際には、企業間や国や大学など依頼主も幅広く、分野は
経済、政治、産業、学界、芸能など沢山あります。
職としての形態も幅が広いのですが、ざっくり言うと社内通訳、フリーランス
の通訳に二分できます。社内通訳にも派遣と直接契約と正規社員と雇用形態が複
数ありますが、基本的には一時的な雇用と通訳を位置づけている会社では派遣が
多いようです。派遣会社が入れば当然給与も低くはなりますが、会社への売り込
みをしてくれることを考えれば、最初は派遣会社のネットワークに頼るしかない
でしょう。
通訳学校がエージェントも兼ねていることも多く、卒業生はまずは派遣部の紹
介で社内通訳なり、その後、フリーランスになってからは、同じエージェントの
通訳部に単発の仕事を紹介してもらうことが多いようです。ただ、同級生や先輩
は過去の雇用主からの紹介で直接契約し、社内通訳になったり、単発で仕事を引
き受けることも最近は増えていると個人的に感じています。エージェントを介さ
ずに仕事を受けることを直で受けると言います。料金はほとんどの場合は高くな
りますが、資料やパートナーになる通訳の手配、見積もりと請求書の処理など通
訳準備以外の雑務も増え、時間もとられます。エージェントに登録する場合も信
頼を得てから定期的に仕事紹介してもらえるまで時間もかかりますので、フリー
ランスになって間もない頃は、収入を安定できる直の仕事を持つ事も意識してお
くと良いでしょう。
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匠の世界
私自身も社内通訳からフリーになったので、ビジネスシーンの通訳が一番多い
のですが、映画の配給会社でバイヤーをしていた友人は映画が多いため、エンター
テイメントの通訳が一番多いなど、通訳本人の経歴も活躍の場に影響があります。
私の知る限りでも、教師、ピアニスト、新聞記者、通訳エージェントのコーディネー
ター、エンジニア、特許事務所の職員、研究者、外務省や総務省の公務員など様々
な職業から通訳になっている方がいらっしゃいます。教師は人前で話すことにな
れている、ピアニストの方はリテンションと呼ばれる一時的な記憶に優れている、
記者の方は時事に精通している、コーディネーターの方は配慮が行き届いている、
エンジニアは技術に詳しい、特許事務所の職員は特殊が用語になれている、研究
者は事前の調査にたけているなど、それぞれのバックグランドを活かされてなが
ら活躍されています。
実際に一つの分野だけで仕事ができるか、という質問をうけますが、医学の場
合には専門で仕事をされている方が多いようです。日本が世界で最も早く高齢化
社会となることもあり、製薬を含めた医学は今後も安定した需要が続くと見られ
ています。以前は IT や金融のどちらかを専門としていた方も少なかったそうです
が、IT バブルの崩壊、リーマンショックの影響で一時的に仕事の数が減ったこと
もあり、リスク分散のために他の分野もカバーするようになった方も多いとエー
ジェントからも聞いています。
私自身も 2004 年頃まではほぼ IT だけで仕事をしていましたが、2009 年以降は
政治、産業、学界、芸能と分野を増やしました。実際に幅を広げて思ったことは、
当然準備時間は専業の時よりも増えましたが、やりがい、楽しさ、刺激という意
味では広い分野をカバーするようにして良かったと思っています。カバー領域と
経済の効率性で言うと、カバー範囲が少なくて、リピート率が高いと準備時間は
かなり短縮できるので、効率が高いことになります。どういう形態で、どういう
O W N E R
P R O F I L E
幅で仕事をするのかは自分の準備時間も含めて働ける時間と市場の需要を考えて
決めていくと良いと思います。
通訳向き不向き
私自身も多いに悩んだ通訳の向き不向きの話をしたいと思います。通訳という
仕事は、思った以上に幅広い仕事です。医学のようにかなり専門的な内容から、
テレビの簡単な英会話程度の通訳まで幅広くありますから、それぞれに向き不向
きがあります。まずは全体に通じていえる向き不向きについて書きましょう。
どんな通訳の仕事でも共通しているのは、人と話すということです。ですので、
国際会議の通訳だけをされる予定の方以外は、人と話すことがいやでない方の方
が良いと思います。
特に翻訳の仕事と対比しますと、翻訳では句読点、固有名詞の表記の仕方など
細かい確認を根気よくしていく必要があるのに対して、通訳者の場合は、突然想
定外の話を通訳しなければならず、専門用語を万が一わからなくても理解しても
らえるように説明できる語彙と瞬発的な対応力が求められます。
大量の資料が早くて一ヶ月、遅ければ前夜に送られてくることもありますので、
短時間で読んで準備できるような体力と能力が必要です。
フリーランスの駆け出しの頃は「緊急案件」で「すぐ来てください」、「明日来
松田 浩一
横浜市在住。長年 SONY 開発系エンジニアと
して務め、一念発起して 2004 年春に早期退
職し、2005 年秋よりフリーランスの特許翻訳
者/産業翻訳者として独立して現在に至る。
専門分野は電子・電気/通信・ネットワーク
/機械系。本業の翻訳と並行して、翻訳スクー
ル講師、ネット翻訳道場の講師、SNS の翻訳
コミュニティ管理者などを兼務。元気の源は
愛犬と愛猫とジムでのエクササイズ。辞書と
音楽と iPhone が大好き。Facebook と mixi
で同名のコミュニティ「翻訳の泉」を主宰。
Facebook:http://www.facebook.com/honyaku.
no.izumi
mixi:http://c.mixi.jp/honyaku
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匠の世界
てください」というところから仕事をまわしてもらうことが多くなりますから、
資料をすぐ読んで、すぐ通訳できるような柔軟性と瞬発力が、最初は特に必要に
なります。
もちろん社内通訳やフリーランスの通訳でも、同じクライアントの同じ内容の
会議が定期的に入るとその分は準備にかかる時間の負担は軽くなります。こういっ
た仕事を増やすには、長期的な関係構築が求められるでしょうし、クライアント
から意見や助言を求められることも少なくないようです。そういう意味でも、社
内の方やお客様と良好な関係を築ける方は仕事がしやくなるとと思います。
さらに、フリーランスでも以前よりもサービス精神が求められるようになって
きたと個人的には感じていますし、そういう傾向があることはエージェントから
も言われています。これは市場が人手不足だった売り手市場だったのが、通訳が
できる人材が増え、買い手市場になったことも一因のようです。
どこかの専属にならない限りは常に勉強することが求められますので、受験勉
強を毎日していても苦にならない人が一番向いているなと思います。
特に、専門的な分野でも通訳されたい方はここが重要です。
比較的難しくない分野の場合は資料の量が多くありませんが、場合によっては、
一日で電話帳 1 冊分の資料を読んで理解し、通訳できる準備することが求められ
ることも少なくありません。
速読が得意、大学院などで専門的な知識を勉強されている、受験勉強が得意、
試験や暗記が苦にならない人も向いていると思います。
私自身が通訳になるために通った学校で優秀だった方は、優等生でもともと読
書量も多かったと思われる方が抜きん出たパフォーマンスを発揮していました。
それから地道に努力を続けられる人、好奇心が強く、色々な分野・出来事を常
に情報収集するような方も向いていると思います。
またイギリスやアメリカで、バイリンガルの教育を受けた方、留学生、帰国子
女の方は、一般的に英語力も高く、海外の文化や習慣、考え方にも精通している
ので、向いている方と言えるでしょう。
通訳になるための準備方法
それでは、これから実際に通訳なるための準備方法についてお話しましょう。
大きくわけて三つの選択肢がありますが、ほとんどの方は学校に通っているケー
スが多いようです。通訳者の方には 150 名ほどお会いしていますが、そのうち、
学校に通わずにフリーで活躍されている方は、数名しかおりません。社内通訳を
含めた、専属通訳となるともう少し人数は多いように思います。
・学校に通う
まず学校に通うという選択肢は私にとってはとても有益でした。通訳者になる
ための勉強自体やり方が全くわかりませんでしたので、そういう意味ではとても
役立ちました。先輩とも出会うことができ、ほとんどの学校がエージェントにも
なっていますので、そこから仕事をもらうことができたのも良かったと思います。
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匠の世界
ただし、通訳学校は安くありませんので、しっかりと必要な素地、英検一級レベ
ル、TOEIC950 点以上のレベルの英語力、時事に関する知識(ビジネスや政治や
環境や法律や医学などの専門知識も含めて)を自分で準備してからの方が、より
デビューは早まると思います。それから、大切なのは信頼関係の構築でもありま
す。学校の先生が自分の先輩となって、自分を育ててくれる機会をくれることも
ありますので、良好な人間関係を築くことは想像されているよりも重要になりま
す。元同級生から仕事が来ることもありますから、360 度営業ではありませんが、
誰とでも良好な関係を築けるようにしておきましょう。私自身も、同級生、先生、
学校などなどいろんな方からお仕事をいただいたりしています。
・独学
私は独学で勉強してないので、どんな勉強法で皆様がうまくなったかはわか
りませんが、通訳学校の模擬レッスンを受けて、これなら自分でできると思っ
て勉強され、現在、某企業内で活躍されている方もいらっしゃいます。今は日
英がある雑誌、記事、資料も多いですから、それをサイトラする、動画を逐次
通訳する、同通するといった訓練もできると思います。一人でコツコツやどん
どん学習できるタイプの方は独学が良いのかもしれません。
・勉強会
私は個人的には大好きな勉強法です。一番最初に通訳学校に通った時にも同
級生とよく勉強会を企画しては会議室や空いている学校の教室を使って勉強し
ていました。今でも通訳仲間とスカイプを使った勉強会、物理的に集まっての
勉強会などいろいろ企画して、開催しています。ただ、私の知っている範囲では、
勉強会だけで通訳者になった方はいませんので、あくまで学校での勉強を強化
するための補足的なやり方だと思っています。
通訳のキャリアパス
冒頭で通訳にはいろんな仕事があるという話をしました。キャリアパスとして
はどんな経路があるかを少しお話したいと思います。
・アテンド
アテンドというのは来日時のお迎えから、お見送りまで含めて付き添い、打
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ち合わせの通訳からその他の案内も含めて行う通訳をさします。よく有るのは
展示会でのアテンド通訳です。一番初心者でもできるとされており、20 年ぐら
い前までは唯一の入門の仕事として位置づけられていたと私は理解しています
が、ここ 10 年ぐらいの傾向としては社内通訳のニーズも高まり、私自身もそう
でしたが、次に書く社内通訳も入門者の仕事になる場合も増えてきています。
・社内通訳
社内通訳というのは、ある企業の中で専属的に通訳する通訳者をさします。
しかし社内通訳にも種類がありますので、全ての社内通訳が入門レベルという
わけでもありません。社内のある一人の役員につく場合は、分野が限定される
という意味で、ある一定期間つとめれば比較的やりやすくなるという点はあり
ますが、その役員の方がとても守備範囲が広ければ自ずと自分の通訳の領域も
広くなりますので、必ず通訳難易度として低いというわけでもありません。逆
にプロジェクトの通訳で、プロジェクトのメンバーとしては 40 名ぐらいで、メ
ンバーがとても通訳を使いなれていて、専門用語をカタカナにしてくれるなど
配慮が行き届いている場合は、やりやすいということも多々ありますので、状
況次第で社内通訳の難易度も変わります。一番難易度が高いのはプール制になっ
ている場合ではないかと思います。この場合は、社内でもカバーすべき範囲が
広くなるからです。私自身も某外資系通信機器メーカーで社内通訳として働い
ていた時には毎日のように本屋に行き、専門書を 2、3 冊購入し、深夜まで勉強
しているという状態でした。
・フリーランス通訳
現在私はこのフリーランス通訳者に属しています。通訳エージェントに登録
し、そこから携帯メールや電話で問い合わせをいただき、ほぼ毎日異なるお客
様のところで、スポット的にお仕事をするということになります。通訳エージェ
ントによっては専属と呼ばれる独占契約を数名から数十名の通訳者と契約して
いる場合もありますが、全体の数としては一部になります。私の周りの通訳者
の方と自分の経験からお話しますとだいたい 3 社から 20 社程度のエージェント
に登録をしています。フリーランスの通訳はたぶん一番仕事の仕方の幅も広い
と思います。多くの方はご縁によって、自分の仕事の分野が決まっている場合
が多いようですが、IT だけ、医学だけ、法律だけ、金融だけと一つの分野のみ
で仕事されている方もいらっしゃいます。IT バブルの崩壊直後、金融危機の直
後など、特定の分野での仕事がぐっと減ったなどの経緯があり、統計をとった
わけでは有りませんが最近は複数の分野をする人が増えているように感じてい
ます。
私の理解では国際会議通訳がピラミッドの一番頂点であると思います。フリー
ランスの通訳者の中でも仕事のほとんどが国際会議の同時通訳というのは、40
代から 50 代の方が多いとエージェントから聞いています。もちろん 20 代後半、
30 代でもそういう方もいらっしゃいますが、実力や環境やタイミングなどが揃っ
たまれなケースでしょう。放送通訳も比較的年齢層が高いと聞いていますが、
私自身放送通訳は未経験のため、あくまで参考情報としてください。
まとめますと、最初からフリーランスで難しいアテンドの仕事を少しずつこな
し、国際会議までまかされるようになるか、最初はアテンドをして、社内通訳に
なり、いつくかの会社での経験を経て、フリーランスになるというのが王道のよ
うです。
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フリーランス通訳の一週間
フリーランスの通訳という仕事がどういう感じかをつかんでいただくために、
私自身の一週間がどのようになっているかをお話しましょう。
月曜日:朝、前日までに調べ作成した単語帳を確認。午後、通訳の現場に集合し、
お客様と移動中の車の中で打ち合わせ。会議の内容・骨子を伝えてもらい、自
分が調べてなかった固有名詞を車の中で検索し、日本語の正式名を確認。待ち
合わせ中に日本人のスタッフの方にも訳語に複数の選択肢がある場合、どちら
が良いかなどを確認。訪問先を 2 件終了後、夜のリセプション。事前の資料を
もらうが、実際のスピーチは全く違うことがわかり、その場で即興。リリース
いただくまで現場で張り付き。21 時にリリース後に夕食、翌日の資料を日英併
記にし、サイトラして就寝。
火曜日:朝、現場に向かう途中、日経新聞をざっと読む。現場で、パートナーの
通訳さんと挨拶。前日の注意点を共有。当日の読み原稿の有無を確認。なかな
か原稿作成者と連絡がとれないが、開始 30 分までにやっと原稿が手に入る。二
人で分担し、キーワードに訳語を書き込む。同通開始、原稿読む箇所もあれば、
読まない箇所もあるという状態。終了後、記者取材で別室に移動し、逐次通訳。
自分の分担が終わったところで終了。お客様にご挨拶し、お昼を食べる。夜の
案件の準備をするため、電源のあるカフェを探し移動。そこで、メールや電話
など雑務を終わらせつつ、プレゼン資料につけていたベタ訳を確認。その会社
の他のイベント動画を You tube で見て、その会社の特徴を理解。念のため、単
語帳も手書きで作成。開始 30 分前に会場に入る。担当者を見つけて、ご挨拶。
講演者の方に、紹介いただき、質問をし、明確にする。通訳の場所も打ち合わせ、
必ず聞き取れ、スライドを見ることができる場所を確保。逐次のため、発言を
短めにしてもらうように依頼。本番、講演者が緊張し、小声になってしまった
ので、声を大きくしてもらうようにお願いする。プレゼンは終了し、質疑応答。
質問をウィスパリングするために、自分も登壇。質疑終了後、イベントの終わ
りに再度、質疑をするため待機。メールなど雑務を処理。21 時仕事終了。翌日
の準備資料を確認。ほとんど情報がない状態のため、その会社に関するホーム
ページを見てから就寝。
水曜日:取材のために、出版社に訪問。一時間ほどのインタビュー。終了後、ジ
ムで気分転換し、夜の仕事の準備。電源が使えるカフェでメール、記事、ブログ、
原稿を書く。現場に到着、数名の知り合いの通訳に挨拶。本番。翌日の資料が
バイク便で届いてるので、それを読んで、略語など聞き取りにくい社内用語を
ハイライト後、就寝。
木曜日:朝早めに起きて、ハイライトした用語を単語帳に書き込む。本番。終了後、
昼食。午後の現場に移動。テレビ局のため、待ち時間が長い。その間に、通訳エー
ジェントの方と情報交換。本人との打ち合わせもなく、本番。その後、翌日の
バイリンガル MC の打ち合わせを兼ねた夕食。当日のスピーチ原稿の依頼と原
稿がない部分に関してはどんな内容をお話されたいのかを聞き取りしつつ、各
国のアクセントに耳をならせる。特に固有名詞を詳しくメモする。日本の文化
についても少し伝える。終了後、帰宅。
金曜日:司会本番。打ち合わせ後、再度流れをスタッフに確認。前日にスピーチ
原稿が用意できてなかった方より原稿を預かり、すぐスラッシュ入れて、サイ
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匠の世界
トラ準備。手書きの読めない原稿は、本人に確認。本番。既に作成してある日英
併記の司会原稿を読み上げつつ、アドリブはその場で対応。終了後、夫とゆっく
り外食。
土曜日:朝、8 時から勉強会。翌週の仕事のトピックに関連する動画を同通やウェ
ブサイトをサイトラ。パフォーマンスを録音し、お互いの改善点を話し合う。
午後はジム、学校、レッスン、原稿を書く、翌週の資料の読み込みなど。
日曜 日:朝、8 時から勉強会。自分の苦手な分野のトピックに関連する動画で同
通。勉強会終了後、翌週の資料の読み込み。
というのが私の一週間の流れです。
今は本の出版とセミナーも不定期に開催してますいので、それも空いている時
間で対応しています。なんとなく流れがわかっていただけましたでしょうか。
それでは、少しでもここで書かせていただいた情報が、皆様が通訳を目指され
る上でお役にたてれば幸いです。目標達成目指して頑張ってください。
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