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授業の実践 - 熊本県教育情報システム

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授業の実践 - 熊本県教育情報システム
●授業の実践にあたって
3
第二章の研究の内容では、「学習の基盤をつく
る」「学習のプロセスをつくる」「思考を深める」
という3つの段階に整理して述べた。
これらは、「算数的活動を豊かに行い、自分の
考えを持ち、筋道を立てた考えが持てるために」
という仮説1に関わる内容が「思考を深める」と
いう段階に相当する。
また、「対話を促す学習過程の工夫をし、考え
をより深めるために」という仮説 2 に関わる内容
が「学習のプロセスをつくる」という段階にあた
り、最後に「算数的活動を支える力をつけるため
に」という仮説 3 に関わる内容が「学習の基盤を
つくる」という段階にあたる。
第三章では、実際の授業例をあげ、仮説に関わ
る実際の手立てをどのように整えていったのか、
そしてその結果、伝え合い、学び合う豊かな算数
的活動は実現できたのかをみていく。
授業の実践
●低学年部の授業実践
複数の算数的表現様式で考える
第2学年「かさ」
●中学年部の授業実践
豊かな操作的活動をとおして考える
第4学年「垂直・平行と四角形」
●高学年部の授業実践
学び合いで課題解決を図る
第5学年「式と計算」
ROKUEI
15
elementary school
3
過程
「複数の算数的表現様式で考える」
本時の目標
かさのたし算の計算の仕方を、L、dLの単位に着目して考え
ることができる。
【数学的な考え方】
第2学年「かさ」
時
間
5'
学習活動及び主な発問(T)
予想される児童の反応(C)
主な
算数的
表現様式
授業の様子
成果と課題
E1:現実的表現、E2:操作的表現
I : 図的表現
S 1 : 言語的表現、S 2 : 記号的表現
1 学習課題を把握する。
●伝え合う/学び合う過程
問題1 1L5dL と5dL のジュースをあわせると、どれだ
けになりますか。
つ
か
む
導
/
入
見
通
す
めあて1L5dL+5dL のけいさんのしかたをかんがえよ
う。
2 解決の見通しを持つ。
(T)どんな方法で計算しますか。
(C)図をつかう。
(C)言葉をつかう。筆算をつかう。
調 7' 3 課題を解決する。
べ
(1)自力解決をする。【I・S1・S2】
る
(T)1L5dL+5dLの計算の仕方を考
3'
えましょう。
15'
(2)ペアトークをする。
(3)みんなで伝え合い、学び合いをする。
【I・S1・S2】
(T)たし算の仕方を説明しましょう。
(C)LをdLにかえてたし算した考え。
1Lを10dL にして
伝
15dL+5dL =20dL
え
合
(C)1Lますを使った考え
課
題
解
決
う
/
学
び
合
う
+
3'
3'
ま
と
め
る
3'
1L5dLのジュースと5dLの
ジュースを見せながら問題文を読
み、その後、大事な言葉「1L5d
L」「5dL」「あわせる」を児童
に出させ、問題文を一緒に完成さ
せていった。
その後、2つのジュースを1つ
の入れ物に入れることで「かさ」
も「あわせる」ことができることを確認した。見通す過程では、2
つのジュースを合わせたことで「かさ」に興味を持ち、筆算・リッ
トルますの図・言葉・dLにする・単位という複数の算数的表現方
法をすぐに出すことができた。
●伝え合う/学び合う過程
自分の考えをノートにかき、
ペアトークを行った。ペアトー
クでは、質問をし、友だちの考
えの良い点を伝え合うことがで
きた。学び合う過程では、児童
の中から「リットルますを使う
考え」「筆算の考え」「Lを d
Lにする考え」「同じ単位をた
す考え」の4人の考えを選び、
意見を交換しながら、質問させたり、説明の補足などの交
流活動を行い、良い点を出し合わせたりした。
●まとめる過程
4つの考えの中で、「はやい」「かんたん」「正確」に
できる仕方を出させた。さらに、既習内容の「長さ」につ
いても触れ、「長さ」と同じように「かさ」も「同じ単
位」をたすということを、児童と一緒にまとめていった。
「もらいタイム」 ※ では、4つの考えの中で、「は・か・
せ」である「同じ単位をたす考え」を、赤鉛筆でノートに
書かせ、学習の定着を図る1つの手だてとした。最後に、
ジュースが本当に2Lあるのかを確かめるために1Lます
2こにジュースを入れ、2Lあることを確かめた。
=
(C)筆算の考え
1L5dL
+
5dL
2L
(C)単位どうしをたした考え
1L5dL+5dL=2L
5dL+5dL=10dL→1L
仮説1について
(4)分かりやすい考えをノートにかく。
(もらいタイム) ※ 【S1】
(5) 実 際 に リ ッ ト ル ま す を 使 い 2 L に な
るか確かめる。
【E1】
(6)本時の学習内容をまとめる。
・同じ単位の数値に着目すればよい
ことに気づく。
【S1】
課 た 3' 4 ためす問題に挑戦する
【S2】
題 め
(T)練習問題に挑戦しましょう。
活 す
用
ふ
り
整
か
理
え
る
3'
実物を提示したり大事な言葉を抜き出したり、
2つのジュースを1つの入れ物に入れたことで児
童が「かさ」に興味を持つことができた。そのこ
とで、言語的表現、図的表現、記号的表現など、
複数の算数的表現を活用し、課題解決をすること
ができた。
仮説2について
ペアトーク→学び合いをしたことで、児童全員
が自分の考えを説明する機会を確保することがで
きた。また、友だちの考えのよさを見つけたり、
質問をしたり、友だちの説明に補足したりするな
どもでき、効果的な対話ができた。
仮説3について
「もらいタイム」(同じ単位をたす)→「ためす」に
生かすことができた。今後は「もらいタイム」の考え
を、振り返りの中で、自分の言葉で書くことができる
ようにしていきたい。
5 学習の振り返りをする。
【S1・S2】
(T)今日の学習で分かったことを書き
ましょう。
※もらいタイム「1単位時間の中でよりよい考えと思われる
ものを自分のノートにまとめる時間」
16
3
4年生
「豊かな操作的活動をとおして考える」
第 4 学年「垂直・平行と四角形」
過程
導
入
本時の目標
つ
か
む
/
見
通
す
時
間
1組の三角定規を使って平行な直線のかき方を考えることができ
る。
【数学的な考え方】
学習活動及び主な発問(T)
予想される児童の反応(C)
主な
算数的
表現様式
授業の様子
成果と課題
E1:現実的表現、E2:操作的表現
I :図的表現
S1:言語的表現、S2:記号的表現
10’ 1 前時の学習をふりかえる。
●つかむ/見通す過程
子どもたちの視覚的なイメージを分かりやすくするために、左のよ
うな家の図を用いた。本時は平行な直線の作
問題1 1 組の三角じょうぎを使って、「点 A を通
あ の直線に対して平行な天井
図のため、床の○
・
あ に平行な直線」をかこう。
って、直線○
の線を作図していくことをイメージさせた。
A
見通す過程では、「平行の条件」(一本の
めあて 1 組の三角定規を使った平行な直線のかき方
直線に垂直に交わる2本の直線)をみんなで
あ
を考えよう。
○
確認し、前時の1組の三角定規を使った垂直
な線のかき方を利用できないか話し合った。このことによりこの後の
3 解決の見通しを持つ。
伝え合いでも、「平行の条件」をもとにした交流が家の図を用いて行
(T)平行ってどんな線でしたか?
うことができた。
(C)一本の直線に垂直に交わっている ●調べる過程
2 本の直線。
見通しをもとにまず自力解決していった。つまずきがみられる子ど
(C)昨日の垂直を利用してかけるかな。もには「おたすけシート(1 枚(もしくは 2 枚)の三角定規の図を固
定したシート)」を配付してそこから考えていかせた。
4 課題を解決する。
2 学習課題を把握する。
10' (1)自力解決を行う。【E2・I・S1】
調
べ
る
課
題
解
決
伝
え
合
う
/
学
び
合
う
ま
と
め
る
課
題
活
用
整
理
た
め
す
ふ
り
か
え
る
(T)平行な線のかき方を考えて、ワー
クシートにかきましょう。なぜそ
れが平行といえるのかわけもかき
ましょう。
(2)みんなで伝え合い、学び合いをする。
【E2・I・S1】
●伝え合う/学び合う過程
13'
(T)一組の三角定規をどのように使っ
話し合いは、初めの発表の子どもだけ指名し、その後は基本的に
て平行な直線をかきましたか。
「指名なし」で前の発表に続けて子どもたち主体で行わせた。これに
(C) 昨日のような垂直
より、児童同士の発表や質問、それに対しての説明という対話が一部
であるが見られるようになった。さらに、図を基に言語での説明を入
A
な線をかいてそれに
・
れるなど、複数の算数的表現様式での表現ができるように促した。
垂直な線をかいて長
また、実物投影機を活用したことで、論点を明確にすることがで
さを等しくして、平
き、これも聞き手の児童の発言を促すきっかけとなった。
あ
○
行にしました。
あ に固定して、
(C)三角定規を直線○
もう一方の三角定規を垂直になる
ように置きました。
そして、下の三角定
A・
規を A まで動かして
A
あ
かきました。こうす
○
ると2つの線はどち
仮説1について
らも左の三角形の辺
「平行の条件」を利用して、平行な線のかき方を考えさせた
に垂直なので平行です。
が条件が複数あったため、その全てを満たさないといけないと
(C) ○○君の考え方がかんたんだ。
誤解していた児童が見られた。操作的表現を中心に多様な考え
2’ (3) 学習内容をまとめる。【S1】
を児童たちは持っていただけに、それらをもっと丁寧に取り上
・三角定規の直角部分を利用すると、
げ、「学び合い/伝え合う」活動につなぐ必要があった。
平行な直線をかくことができる。
仮説2について
5' 5 ためす問題に挑戦する。【E2・I・S1 】
「家の図」や「おたすけシート」、「実物投影機」を活用し
(T)ためす問題に取り組みましょう。
たことで、子どもたちが図形を視覚的にイメージし、スムーズ
5’ 6 学習を振り返る。【S1】
(T)学習の振り返りを書きましょう。
(C)三角定規の直角のところを利用
すると垂直だけでなく、平行もか
けることがわかった。
(C)三角定規の組み合わせ方がわか
った。
17
に互いの考えを伝え合い深めていくことができた。
仮説3について
児童は「~ですよね。」「〇〇は~でいいですか。」等の聞
き手の反応を促す話法(本校ではカーネーション言葉と総称)
を使いながら、基本的に「指名なし」で話し合いを行った。子
どもの主体性が生かされた反面、まだ一部の子どもたちの発表
になるため、今後多くの子どもたちが発表していけるよう工夫
を重ねていきたい。
3
「学び合いで課題解決を図る」
第5学年「式と計算」
過程 時間
つ
か
む 5'
/
見
通
す
導
入
本時の目標
式と図を結びつけて、式を読み取り、その考え方を説明すること
ができる。
【数学的な考え方】
学習活動及び主な発問(T)
予想される児童の反応(C)
主な
算数的
表現様式
1 前時までの学習を想起する。
2 学習課題を把握する。
問題1 いちごがならんでいます。図を見て、いちごの個数を求める式を立てましょ
う。また、図を使ってその式になるわけを説明しましょう。
3 解決の見通しを持つ。
(1)式を立てる
(T)どんな式が立ちま
すか。
(C)4×5
(2)その式になるわけを説明する。
(T)4 はどこのことですか。
(C) 四 角 で 囲 ま れ た 4 個 の こ と で
す。
問題2 くまモン、マジャッキー、ふれきんちゃん、ふなっしーの4人は次
のように式に表しました。4人の式から図に合うものを選びそのわ
けまで説明しましょう。
めあて 図と式を結びつけて、式の意味を説明しよう。
課
題
解
決
課
題
活
用
整
理
授業の様子
成果と課題
E1:現実的表現、E2:操作的表現
I :図的表現
S1:言語的表現、S2:記号的表現
調
4 課題を解決する。
べ 10' (1)自力解決をする。 【I・S1・S2】
る
(T)3 人の考えた式を①②③の図とつ
なげ、その考え方をノートにかき
ましょう。
伝
(2)ペアトークをする。
え 15' (3)みんなで伝え合い、学び合いをす
合
る。
【I・S1・S2・ E2】
う
(T)式と図を結び付けて説明 ①
/
しましょう。
学
(C)いちご5個を1組として
び
まとめると4組でき、式は
②
合
5×4となります。
う
(C)いちご4個が2組、いち
ご6個が2組とすると式 ③
は4×2+6×2となり
ます。
(C)いちご4個が4組あるつ
もりで考えるといちご6個のまと
まりが6組でき、後から付け加え
た分を引くと求められるので式は
ま
6×6-4×4となります。
と
(4)本時の学習内容をまとめる。
め
・式や図からいろいろな考え方を読
る 5'
み取ることができる。
【S1】
【S2】
た 5' 5 ためす問題に挑戦する。
(T)
た
め
す
問
題
に
取
り
組
み
ま
しょ
め
う。
す
ふ
6 学習を振り返り、感想を書く。
り 5'
【S1・S2】
か
(T)学習の振り返りを書きましょう。
え
(C)〇〇さんの説明は分かりやすか
る
った。
●つかむ/見通す過程
問題1において、立式した
後、その理由を「○個の□つ分
だから、○×□」という表現で
説明すればよいことを徹底し、
本時の説明する活動の見通しを
もたせた。本時の課題を提示す
る場面では、3つのキャラクタ
ーの考え方とその考えに対応し
た式のカードを教師が混同して
しまったという設定とし、児童
が図的表現と記号的表現を結びつけて考える必要感をもたせた。見通
す過程では、式の意味の説明の仕方を徹底したことで、図と式を結び
つけた説明がスムーズにできた。さらに、ワークシートにかかれたア
レイ図と式カードを自由に結びつけられるように工夫したことで児童
は、図的表現と記号的表現を結びつけて考えることができた。
●伝え合う/学び合う過程
自分の考えた説明を表現する機会をすべての児童に確保するため
に、ペアトークを行った。ペアトークでは、図のまとまりとその組の
数に着目して式を説明することで、図と式を結びつけた理解に導くこ
とができた。
学び合う過程でも、アレイ図を指し示したり、図にかき込んだりし
て説明することで式の意味を説明する児童の姿が見られた。また、同
じような説明になっても複数の児童に説明する機会をもたせたこと
で、発表者以外の児童の理解も確かなものとなった。
●ためす過程
式を読みとるという本時の目標が達成できたかを測ることができる
ように、ためす問題では、式から場面を予想する問題に取り組ませ
た。例を示し、問題の答え方でつまずく事がないようにしたことで、
習熟度を測ることができた。
仮説1について
記号的表現から、具体的な数え方を読み取らせたり、図
的表現や操作的表現から記号的表現に変換して説明させた
りすることで、相互を関連させて理解することができた。
仮説2について
ペアトークを行うことで、全児童が自分の考えを説明す
る機会を確保することができた。式の数と図の丸の数を対
応させるなどして式と図を指さしながら説明させることで
式の意味を捉えることができた。
仮説3について
図のまとまりとその組の数に着目して、式を説明させる
ことで、式(記号的表現)の意味の定着を図ることができ
た。
18
●伝え合う、学び合う中で算数的活動は
豊かに実践できたか
(1)県学力調査等から
4 課題と今後の展望
算数科における平成 25 年度と 26 年度の県学
力調査の結果は図21の結果であった。これに
よれば、26年度は全体的に底上げができてい
ることがわかる。一方で第 4 学年(現第 5 学年)
及び第6学年(現中学校第1学年)は顕著な伸
びがみられたが、第 5 学年(現 6 学年)は伸び
悩んでおり、学年差の解消が課題である。
次に、児童の算数に関する意識調査を、図 22
に示す。これによれば、すべての項目において
伸びが見られた。意欲的に取り組みつつある姿
を読み取ることができる。
その一方で、ノート指導を重要な要素として
位置付けているが、対話の道具としての機能が
充分に生かせていないということが課題と言え
よう。
(2)授業開発と実践の蓄積に向けて
仮説1に関して:算数的活動を豊かに行
い、自分の考えを持ち、筋道を立てた考え
が持てるために
算数的表現をともなう算数的活動を豊かに行
うために、まずその基礎的な考え方となる算数
的表現と算数的活動との関係性を、小学校学習
指導要領解説算数編を基に全学年分を洗い出し、
※県の正答率を 100 とした指数で表した
【図 21.算数科の県学力調査の結果から】
19
友だちの考 友だちに分 言葉や図や
分かりやす あきらめず えを聞くの かりやすく 表で解くの
いノートを に問題を解 はためにな 説明できて は分かりや
る
いる
すい
書く
く
算数は好き
算数は好き
このような指導を重ねることが、前項で述べ
た「友だちに分かりやすく説明できている」児
童を増やすことにもつながり、児童同士の伝え
合い学び合いの実現の場としての「対話」が深
まってきている。
⑪H26年6月
H27 年7月
⑫H27年7月
言葉や図や表 ⑨H26年6月
で解くのは分
かりやすい
⑩H27年7月
仮説3に関して:算数的活動を支える
力をつけるために
友だちに分か ⑦H26年6月
りやすく説明
できている
⑧H27年7月
各仮説に係るノートに関する指導は、今後も
重要である。学習用具としての機能が果たせる
ように系統的に提案されたノート指導を今後も
丁寧に指導していく必要がある。
また、基礎基本の習得型学習の徹底はまだ十
分とは言いがたい。計算力を高める取組や、全
国学力・学習状況調査や県学力調査の問題を活
用した思考力を高めるドリル的な学習を今後も
継続的に行い、学習過程に意図的に組み込んで
いく。
---------------------------------------おわりに
この2年間「わかる喜びを感じる算数科授業
の創造~伝え合う、学び合う算数的活動を通し
て~」のもと、研究に取り組んで参りました。
これまで、全職員の参画意識を高め、協働で
の課題解決を目指すためにワークショップ形式
での研修を取り入れるなど、児童のみならず、
職員の「学び合い」「伝え合い」も大切にして
きました。
そして、その成果として、算数授業における
「指導過程の確立」、「系統的なノート指導」
や「学習規律の徹底」、「家庭学習の習慣化」
等に改善が見られるようになりました。
しかし、相互に伝え合いながら数学的事象を
多面的に見つめたり、学び合いながら新しい考
えにたどり着くような学びの姿の実現にはまだ
まだ課題があります。今後も、これまでの成果
をいかしながらこの研究テーマの実現に向けて
努力して参る所存です。
最後になりましたが、これまでの研究推進に
あたり、ご指導、ご助言をいただきました熊本
県教育委員会、熊本県立教育センター、玉名教
育事務所、長洲町教育委員会及び校長先生方、
そして、本日ご参会いただきました皆様に深く
感謝し、お礼を申し上げますとともに、今後も
なお一層のご指導、ご支援を賜りますようお願
い申し上げます。
友だちの考えを
⑤H26年6月
聞くのはために
なる
⑥H27年7月
あきらめずに ③H26年6月
問題を解く
④H27年7月
分かりやすい ①H26年6月
ノートを書く
②H27年7月
0%
そう思う
どちらかというと
そう思わない
20% 40% 60% 80% 100%
どちらかというと
そう思う
そう思わない
【図 22.児童の意識調査の結果】
対応づけた。これを基に、各単元の授業で、豊
かな算数的活動を行うためにどのような表現様
式が考えられるかが明確になり、本研究で意図
した授業づくりが共通化できるようになった。
今後は実際の授業実践と照らし合わせながら、
表9の見直しと充実を図っていく。
仮説2に関して:対話を促す学習過程の
工夫をし、考えをより深めるために
算数科の学習過程を児童同士の伝え合い、学
び合いが充実するように見直した。特に展開部
分においては、2つのフェーズ(課題解決、課
題活用)に分けて考えるようにした。すなわち、
「調べる」「伝え合う/学び合う」「まとめる」
を「課題解決」、適用問題に取り組む「ためす」
を「課題活用」のフェーズとすることで、展開
部分をすっきりと整理することができた。
さらに、振り返りに他者の考えのよさに言及
する指導を重ねることで、児童のノートには友
だちの考え方について感想を書くケースが出て
きた。対話の萌芽は充分見られていると考える。
平成 27年 10 月 30 日
長洲町立六栄小学校 教頭
20
塩山 浩人
◆参考文献◆
文部科学省,「小学校学習指導要領解説 算数編」,
東洋館出版社,2008.
熊本県教育委員会,「学習評価の一層の充実に向けて〜
評価基準の設定とそれに基づく授業づくり〜(小学
校)」,2011.(http://kyouiku.higo.ed.jp/page2017/
page3567/page3568/page3572.html 参照日 2014.4.15)
中原忠男,「算数・数学教育における構成的アプローチ
の研究」,聖文社,2001.
熊本県小学校教育研究会算数部会,「平成25年度熊本
の算数」,2013.
田中博史,「使える算数的表現法が育つ授業」,東洋館
出版社,2005.
宇田川浩樹、田中博史,「小学校算数科授業の基礎技
術」,東洋館出版社,2012.
笠井健一,「教育への提言『数学的な考え方を育む学習
指導の在り方と留意点 ねらいと振り返りに着目し
て』」,平成25年度熊本の算数,2013.
◆この他、先進校として下記の各学校の研究紀要そ
の他の資料を参考にさせていただきました◆
熊本県玉名市立玉名町小学校
熊本県山鹿市立六郷小学校
熊本県山鹿市立中富小学校
◆研究同人◆
平成27年度
藤原 伸作
塩山 浩人
橋本 理香
片山 春美
向坂 理子
大丸 祥子
村上 弦大
新道 加代子
館山 敦美
橋本 太郎
松下 哲也
高木 正昭
平田 さゆみ
馬場 眞二
尋木 啓一
廣川 みちる
石井 莉沙
蔵本 聖治
池田 寿美
髙野 恵美子
熊田 理香
平成26年度
大塚 幹子
元田 久美子
小北 晃子
亀丸 美津子
井上 和子
平成27年 10月30日
熊本県長洲町立六栄小学校
ROKUEI elementary school
〒869-0101
熊本県玉名郡長洲町大字宮野957番地1
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