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中1 音楽科 「日本の民謡に親しもう」 ∼「こきりこ節」に挑戦∼
H23授業のエキスパート養成事業 中1 音楽科 「日本の民謡に親しもう」 ∼「こきりこ節」に挑戦∼ 《本題材で重点を置く指導事項》 A表現(1)歌唱イ 〔共通事項〕音色、旋律 ● 曲種に応じた発声により、言葉の特性を生かして歌うこと。 《主な言語活動》 ● 民謡の声や表現の特徴を捉え、グループごとに話し合いながら曲にふさわしい表現を工夫 する活動を通して、音楽表現を高めるとともに、日本の民謡のよさや面白さを感じ取らせる。 《題材の目標》 ○ 日本の民謡に関心をもち、声や歌い方、言葉の特性を生かして歌う学習に主体的に取 り組む。 【音楽への関心・意欲・態度】 ○ 日本の民謡の声の出し方や特徴ある歌い方を感じ取り、それらを生かした表現を工夫 する。 【音楽表現の創意工夫】 ○ 日本の民謡にふさわしい声や歌い方、身体の使い方などの技能を身に付けて歌う。 【音楽表現の技能】 《題材の学習活動》 第 1 次 ◇ ◇ 民謡鑑賞教室で感じ取った民謡の特徴や雰囲気について話し合う。 グループに分かれて民謡に合った表現を工夫しながら「こきりこ節」を歌う。 第 2 次 ◇ ゲストティーチャーの演奏から、民謡の声の出し方の特徴や節回し、リズムなどを聴き取 ったり、 「こきりこ節」の雰囲気を感じ取ったりながら、曲にふさわしい表現を工夫する。 第 3 次 ◇ ◇ 工夫したことを生かしながら、グループごとに「こきりこ節」を発表する。 郷土に伝わる民謡を歌う。 〔盆踊り歌「高松音頭」 、新民謡「やわたはまテヤテヤ音頭」 〕 授業改善のポイント ◇ 民謡との出会いの工夫 事前のアンケート結果により、民謡を聴いたり歌った りした経験がない生徒が多いことが分かったため、授業 の前に民謡鑑賞教室を実施した。 また、教材については、八幡浜市商工会議所、地域の 民謡教室、愛媛民謡民舞協会、 「高松音頭」の継承者の方 等から助言を得ながら、生徒の歌いやすい曲、地域に伝 わっている曲を取り上げた。 ◇ ゲストティーチャーとの連携 授業にゲストティーチャーを招き、身近な場所で歌声 を聴く機会を設けるとともに、ゲストティーチャーに質 問したり、グループで話し合ったりしながら、民謡の特 徴を捉え、民謡の歌い方を工夫させる活動を取り入れ た。 参考1:ゲストティーチャーとの連携 ∼「民謡鑑賞教室」の開催∼ 本題材に取り組む前に、愛媛県民謡民舞協会の方をお迎えして、「民謡鑑賞教室」を実施した。 初めて民謡に触れる生徒が多く、生の演奏を鑑賞したことにより、その力強い歌声や節回しなどに 圧倒されると同時に、三味線、尺八等の音色を味わい、民謡に対する興味・関心が高まった。 また、同じ民謡は少しずつ変化しながらそれぞれの 地域で歌い継がれているということや、曲が生まれた いきさつ、各曲の背景などを知ることで、民謡に親近 感を抱く生徒もいた。日本の伝統音楽に親しむ絶好の 機会となった。 【演奏曲目】 ♪斎太郎節 ♪伊予櫓漕唄 ♪三坂馬子唄 ♪ソーラン節 ♪ばらぬき唄 ♪伊勢音頭 ♪別子石刀節 ♪筑後酒造り唄 ♪櫨採り唄 ♪五木の子守歌 など 参考2:ゲストティーチャーとの連携 ∼授業の進め方∼ 1 ワークシートの活用 民謡を歌う際、普段の合唱とどのような点が違うかを歌い 比べながら表現を工夫させた。 「コブシはどの音に、どのよ うにかけたらよいか。 」 「ゲストティーチャーの先生はどんな 抑揚で歌っているか。 」 「声の出し方はどうか。 」など、話し 合う中で出た意見や講師からのアドバイスを、拡大したワー クシートに書き込みながら活動させた。 2 一斉指導とグループ活動のバランス 第二次にゲストティーチャーを招いた授業を進めるに当た って、学習形態による効果を確認した。 一斉学習 → グループ学習 一斉指導に重点を置いた場合、コブシや抑揚の付け方の理 解が深まり、短い練習時間の中で生徒の表現の技能に高まり が見られた。 初めて民謡を歌う生徒の表現の技能を高めるには、グルー プ活動の前に、一斉学習の時間を取り、講師の範唱を聴きな がら十分に反復練習を行うことが効果的であることを改めて 確認した。 グループ学習 → 一斉学習 一方、別の学級の指導において、グループで話し合う活動 に重点を置いたところ、生徒は、コブシや細かい抑揚の表現 に苦心し、自信をもって歌えるようになるまでに時間を要し た。しかし、グループ発表に向けて試行錯誤しながら熱心に 練習を重ね、一斉学習の中で曲を仕上げた学級よりも、主体 的に取り組んだ。発表会での達成感も大きかったものと思わ れる。 また、講師が各グループの活動に関わることによって、生 徒は一斉指導では気付かなかった民謡の特徴を感じ取り、自 分の言葉で友達に伝える姿が見られた。 今後も、ゲストティーチャーを迎えて授業をする際には、打合せや事前の指導を十分に行うと ともに、限られた時間をより充実させるため、授業の形態や時間の使い方などを工夫していきた い。