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VGA/XGA/SXGA/UXGA スキャンコンバータ VP-704SC

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VGA/XGA/SXGA/UXGA スキャンコンバータ VP-704SC
VGA/XGA/SXGA/UXGA
スキャンコンバータ
VP-704SC
重要:最初に「開梱と梱包の中身」の項を読んで下さい。
重要
この度は、KRAMER製品をお買い求めいただきまして
ありがとうございました。
ご使用の前には同梱のUSER MANUALをよくお読みいただき、
本資料と共に大切に保管しておいて下さい。
1.本資料は、Kramer Electronics 社(以下 Kramer 社と略す)の USER MANUAL の
内容をもとに作成しております。製品のご使用方法について詳しくは USER
MANUAL をご参照下さい。
2.本資料に記載された製品の仕様および外観は改良のため予告なく変更すること
があります。そのため、本資料の記載内容と製品仕様・製品外観が若干変更さ
れている場合がありますことを御了承下さい。
3.本資料の一部または全てを無断で転載または複製することを堅くお断りいたし
ます。
株式会社 エルモ社
KRAMER製品
安全上のご注意
安全にお使いいただくために−必ずお守りください
こ の「 安 全 上 の ご 注 意 」お よ び 製 品( 本 機 )へ の 表 示 で は 、本 機 を 安 全 に 正 し く お
使 い い た だ き 、あ な た や 他 の 人 々 へ の 危 害 や 財 産 へ の 損 害 を 未 然 に 防 止 す る た め に
守っていただきたい事項を示しています。
ご使用前によく読んで大切に保管してください。
次の表示と図記号の意味をよく理解してから本文をお読みください。
警告
注意
この表示を無視して、誤った取り扱いをすると、人が死亡または重
傷を負う可能性が想定される内容を示しています。
この表示を無視して、誤った取り扱いをすると、人が傷害を負う可
能性が想定される内容および物的損害のみの発生が想定される内容
を示しています。
図記号の意味
名称: 注意
意味: 注意しなければならないことを示すもので、具体的な注意内容は近くに
文章や絵で示します。
名称: 禁止
意味: 禁止(してはいけないこと)を示すもので、具体的な注意内容は近くに
文章や絵で示します。
名称: 分解禁止
意味: 製品を分解することで感電などの障害が起こる可能性を示すもので、図
の中に具体的内容が書かれています。
名称: 風呂場・シャワー室での使用禁止
意味: 製品を風呂場やシャワー室で使用することで火災・感電などの障害が起
こる可能性を示すもので、図の中に具体的内容が書かれています。
名称: 接触禁止
意味: 接触すると感電などの障害が起こる可能性を示すもので、図の中に具体
的内容が書かれています。
名称: 電源プラグをコンセントから抜け
意味: 使用者に電源プラグをコンセントから抜くよう指示するもので、図の中
に具体的内容が書かれています。
i
警告
万一、煙が出ている、変なにおいがするときは、すぐに機器本体の電源スイッ
チを切り、その後必ず電源プラグをコンセントから抜く。
煙などが出なくなるのを確認して、販売店に修理をご依頼ください。異常状態
のまま使用すると、火災・感電の原因となります。
万一、機械の内部に水などが入った場合は、まず機器本体の電源スイッチを切
り、電源プラグをコンセントから抜く。
ただちに販売店にご連絡ください。そのまま使用すると火災・感電の原因とな
ります。
万一、異物が機器内部に入った場合は、まず機器本体の電源スイッチを切り、
電源プラグをコンセントから抜く。
ただちに販売店にご連絡ください。そのまま使用すると火災・感電の原因とな
ります。
万一、機器を落としたり、キャビネットなどを破損した場合は、機器本体の電
源スイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く。
ただちに販売店にご連絡ください。そのまま使用すると火災・感電の原因とな
ります。
この機器に水を入れない、またぬらさない。
火災・感電の原因となります。雨天、降雪中、海岸、水辺での使用には、特に
ご注意ください。
表示された電源電圧で使用する。
表示された電源電圧以外では火災・感電の原因となります。
コードの上に重いものをのせたり、コードを本機の下敷にしない。
コードに傷がついて、火災・感電の原因となります。
(コードの上を敷物などで覆うことにより、それに気付かず、重い物をのせて
しまうことがあります。)
機器の上に花びん、植木鉢、コップ、化粧品、薬品や水などの入った容器また
は小さな金属物を置かない。
こぼれたり、中に入った場合、火災・感電の原因となります。
機器の隙間などから内部に金属類や燃えやすいものなどを差し込んだり、押し
込んだりしない。
火災・感電の原因となります。
機器のキャビネットは外さない。
内部には電圧の高い部分があり、感電の原因となります。
内部の点検・整備・修理は販売店にご依頼ください。
電源コードを傷付けたり、加工したり、無理に曲げたり、ねじったり、
引っ張ったり、加熱したりしない。
コードが破損して、火災・感電の原因となります。
ii
機器を改造しない。
火災・感電の原因となります。
電源コードが傷んだら(芯線の露出、断線など)販売店に交換をご依頼くださ
い。
そのまま使用すると火災・感電の原因となります。
風呂場・シャワー室では使用しない。
火災・感電の原因となります。
電源プラグの刃や取付面にほこりが付着している場合は、電源プラグを抜いてから、
ほこりを乾いた布で取り除く。
電源プラグの絶縁低下により、火災の原因となります。
雷が鳴りはじめたら、電源プラグやケーブルには触れない。
感電の原因となります。
注意
湿気やほこりの多い場所に置かない。
火災・感電の原因となることがあります。
調理台や加湿器のそばなど油煙や湯気の当たるような場所に置かない。
火災・感電の原因となることがあります。
ぐらついた台の上や傾いた所など不安定な場所に置かない。
落ちたり、倒れたりして、けがの原因となることがあります。
電源コードを熱器具に近づけない。
コードの被ふくが溶けて、火災・感電の原因となることがあります。
ぬれた手で電源プラグを抜き差ししない。
感電の原因となることがあります。
電源プラグを抜くときは、電源コードを引っ張らない。
コードが傷つき、火災・感電の原因となることがあります。
必ずプラグを持って抜いてください。
iii
移動させる場合は、機器本体の電源スイッチを切り、電源プラグをコンセント
から抜き、機器間の接続コードなど外部の接続コードを外してから行う。
コードが傷つき、火災・感電の原因となることがあります。
風通しの悪い狭い所に機器を押し込まない。
機器の設置は壁から10cm以上の間隔を置く。
熱がこもり、火災の原因となることがあります。
機器を長期間使用にならないときは、安全のため必ず電源プラグをコンセント
から抜く。
火災の原因となることがあります。
機器に乗ったり、ぶら下がったりしない。
特にお子様にはご注意ください。倒れたり、こわれたりして、けがの原因とな
ることがあります。
お手入れの際は、安全のため必ず電源プラグをコンセントから抜いて行う。
感電の原因となることがあります。
接続は指定のコードを使用する。
指定以外のコードを使用したり、コードを延長したりすると発熱し、火災の原
因となることがあります。
屋外で使用しない。
感電の原因となることがあります。
iv
目 次
分 類
名 称
ページ
1. はじめに ......................................................................................................................................... 1
1.1 スキャンコンバータについて ......................................................................................... 1
1.2 画像品質に影響を与える要因 ......................................................................................... 1
2. 機器仕様 ......................................................................................................................................... 2
3. ご使用の前に ................................................................................................................................. 3
4. 開梱と梱包の中身 ......................................................................................................................... 3
5. ハードウェアの接続 ..................................................................................................................... 3
5.1 ラック取付け ..................................................................................................................... 3
5.2 スキャンコンバータのコンピュータ及びモニタへの接続.......................................... 4
5.3 ビデオ出力の接続 ............................................................................................................. 4
5.4 シリアルケーブルの接続 ................................................................................................. 5
5.5 AC 電源の接続................................................................................................................... 5
5.6 スキャンコンバータを ON にする.................................................................................. 5
6. スキャンコンバータの操作 ......................................................................................................... 5
6.1 クイック設定ボタン ......................................................................................................... 6
6.2 電源投入時の特殊ボタンの使用 ..................................................................................... 6
6.3 特殊同時長押しボタン ..................................................................................................... 7
7. メニュー構造と機能制御 ............................................................................................................. 7
7.1 Status モード ...................................................................................................................... 7
7.2 Adjust ...メニュー .............................................................................................................. 8
7.3 Screen Size ... モード ...................................................................................................... 10
7.4 Zoom ...モード.................................................................................................................. 11
7.5 Manual Set ...モード......................................................................................................... 11
8. 拡張メニュー及び機能 ............................................................................................................... 12
8.1 Advanced ...メニュー ....................................................................................................... 12
8.2 Engineering ... メニュー.................................................................................................. 16
9. 赤外線遠隔制御による制御及び設定........................................................................................ 18
9.1 はじめに ........................................................................................................................... 18
9.2 SC-RM 赤外線遠隔制御装置の機能 .............................................................................. 19
10. 遠隔マウスエミュレータ ....................................................................................................... 22
10.1 はじめに ....................................................................................................................... 22
10.2 ハードウェア接続 ....................................................................................................... 22
10.3 スキャンコンバータの設定 ....................................................................................... 22
10.4 マウスエミュレータの使用 ....................................................................................... 22
10.5 ZOOM/PAN モードとマウスモードの切換え......................................................... 23
11. RS-232C コンピュータ制御..................................................................................................... 23
11.1 設定 ............................................................................................................................... 23
11.2 コマンド送信 ............................................................................................................... 23
11.3 コマンドへの応答 ....................................................................................................... 24
11.4 コマンド送信に関する注意事項 ............................................................................... 24
11.5 RS-232 コマンドを特定の機器に制限する .............................................................. 24
11.6 転送速度の変更 ........................................................................................................... 25
12. スキャンコンバータを最大限に活用する............................................................................ 27
13. 技術諸元 ................................................................................................................................... 29
13.1 コンピュータ入力 ....................................................................................................... 29
13.2 ヒューズ交換 ............................................................................................................... 29
14. トラブルシューティング ....................................................................................................... 30
v
1. はじめに
Kramer 製のスキャンコンバータをお買い上げ頂き、ありがとうございました。Kramer 社は、
1981 年より、高品質 AV 機器の開発と製造に専心して参りました。Kramer 社の製品は、世界中
の多くの最高生産設備及びプレゼンテーション設備の一部となっています。近年、さらなる改
善のため、製品の大部分の設計変更と更新を行いました。Kramer 社の AV 専門電子機器は、最
も多機能かつ完全なものの一つであり、品質、技術、出来ばえ、性能に対する価格、新しさの
面で、真に先導的なものです。お買い上げ頂いた高品質スキャンコンバータの他に、高品質ビ
デオスケーラー、マトリクススイッチャー、ラインアンプ、プロセッサ、インターフェース、
コンピュータ関連機器を提供しています。本資料では、VP-704SC の構成、操作方法、オプショ
ンについて説明しています。
1.1 スキャンコンバータにつ い て
デジタルスキャンコンバータは、様々な解像度のコンピュータ信号を標準 NTSC 及び PAL ビ
デオ信号に変換するものです。NTSC 及び PAL テレビシステムでは、一般的なコンピュータ信
号より、解像度がずっと低くなっています。コンピュータでは、標準アナログテレビ解像度の
3倍以上の水平ラインを出力することもよくあります。スキャンコンバージョンは、多数の情
報ラインを少数の空間にはめ込むためのものです。本機は、最高の性能基準に合わせて設計、
製造されており、高解像度を得ることができますが、スキャンコンバージョンの処理全体とそ
の限界を理解することが重要です。
1.2 画像品質に影響を与える 要 因
コンピュータ画像が標準ビデオ信号に変換される際に、画像の品質に影響を与える要因が多
くあります。これは、本資料の「スキャンコンバータを最大限に活用する」で詳細に説明され
ていますが、ここでは主な要因のみ幾つか説明します。
NTSC 及
➣ 初期の解像度−原則として、変換比が低いほど、良い結果が得られます。標準
初期の解像度
び PAL 解像度は、コンピュータの VGA 解像度 640 × 480 に近いため、一般的に、初
期の解像度がこの値に近いほど、良い結果が得られます。コンピュータ解像度が高いほ
ど、NTSC 又は PAL の結果が良いと思われがちですが、実際には、この反対です。低い
コンピュータ解像度で始めることが不可能な場合もありますが、可能であれば、そうし
てください。
➣ 出力画面−
出力画面 5 ビデオ出力や RGB 出力は、複合出力と異なって、輝度と色彩の信号が別個
になっているため、より良好な最終画像が得られます。これにより、色のスメアが少な
く、画像が鮮明になります。できれば、複合出力よりもSビデオ出力や RGB 出力のご使
用をお勧めします。
➣ コンピュータとスキャンコンバータの距離−最終結果で重要な役割を果たします。この
コンピュータとスキャンコンバータの距離
距離は最小限にして下さい。本機には、高品質コンピュータ入力ケーブルが付属してい
ます。これより長い距離も可能ですが、ケーブル損失を防ぐため、特別な対策が必要と
1
なります。対策としては、高品質ケーブル(同軸タイプ)を使用する、ラインアンプを
追加する等があります。
➣ 出力接続ケーブル−低品質ケーブルは干渉波の影響を受けやすく、整合不良によって信
出力接続ケーブル
号品質を低下させ、雑音レベルを上げます。接続ケーブルは、最高品質のものをご使用
下さい。
➣ 隣接する電化製品からの干渉波−これらも信号品質に悪影響を与える場合があります。
隣接する電化製品からの干渉波
例えば、古いコンピュータモニタは、近くのビデオ機器の性能に干渉する非常に高い電
磁界を発生させることがしばしばあります。
2. 機器仕様
コンピュータ入力
最大入力解像度
最大垂直リフレッシュ速度
最大水平走査速度
コンピュータ入力接続
入力レベル
ビデオ出力
ビデオ標準
出力コネクタ
画像スケーリング
オートトラック TM
Zoom & Pan
チラツキ低減
サブキャリアロック
制御方法
外形寸法
質量
電源
RGB と HV 同期
RGB と複合同期
RGB と緑色に同期
1600 × 1200
150Hz
100KHz
HD15 コネクタ
RGB :0.7 V ピークレベル
水平垂直同期:TTL
VGA ループスルー
複合ビデオ:1 Vp-p
Sビデオ:1 Vp-p
RGBS:0.7 Vp-p、TTL 同期
RGBHV :0.7 Vp-p、TTL 同期
YUV(Y、R-Y 、B-Y)
NTSC/PAL 切替式
複合ビデオ:BNC
Sビデオ:4P ミニ DIN
RGBS:BNC
YUV (RGBS と BNC を共用)
独自の方法による
独自の方法による自動画像サイズ調整及び位置決め
2倍
2、4、6ライン
ライン周波数にロック
フロントパネル手動ボタン(フロントパネル LCD 画面付き)
RS-232C シリアル
赤外線遠隔制御
幅 482 mm×高さ 44.5 mm×奥行き 178 mm
約 2.0 kg
AC 100∼240 V、50/60 Hz
2
3. ご使用の前に
最も効率が良いのは、時間をかけて、最初に全ての作業を正確に行うことです。マニュアル
を 15 分読むことで、後に数時間を節約することができます。
4. 開梱と梱包の中身
本製品に含まれている品目を下記に示します。箱と梱包材は、以後の運搬用に保管しておい
て下さい。
➣
➣
➣
➣
➣
➣
➣
➣
➣
➣
スキャンコンバータ本体
AC 電源ケーブル
VGA 入力ケーブル
複合ビデオ出力ケーブル
Sビデオ出力ケーブル
赤外線リモコン
EIA 19 inch ラック用取付けネジ(4本)
ユーザーマニュアル
日本語資料
Kramer 製品の簡易カタログ又は CD
5. ハードウェアの接続
まず、スキャンコンバータと関連ハードウェアを接続します。下記にリアパネルの図を示し
ます。(VP-704SC には、GL IN 及び GL OUT コネクタはありません。)
5.1 ラック取付け
標準 19 インチ(1RU)EIA ラックに取り付けることができます。換気のための空間を上下に
必要としません。ラックの耳の角 4 隅にある穴に適切なネジを取り付けるだけです。
3
5.2 スキャンコンバータのコ ン ピュータ及びモニタへの接続
コンピュータモニタの入力ケーブルをコンピュータの VGA 出力から外します。このケーブル
をスキャンコンバータの裏の VGA OUT コネクタに接続します。HD15 出力コネクタを持たない
マッキントッシュ・コンピュータは、補助アダプタが必要な場合もあります。次に、付属の VGA
ケーブルを使って、コンピュータの VGA 出力をスキャンコンバータの裏の VGA IN コネクタに
接続します。これらの接続を行って、コンピュータとモニタのスイッチを入れると、スキャン
コンバータに電源が入っていなくても、コンピュータ出力がモニタに表示されます。
5.3 ビデオ出力の接続
様々なビデオ画面や他の機器と接続できるよう、スキャンコンバータには、種類の異なる出
力が幾つかあります。出力の種類は、お客様の機器が何を受信できるかに応じて選択します。
➣ 複合ビデオ−付属の複合ビデオケーブルを使って、本機リアパネルの複合ビデオ出力
複合ビデオ
(CV と表示された BNC コネクタ)をお客様のビデオ機器の複合ビデオ入力に接続しま
す。
➣ Sビデオ−付属のSビデオケーブルを使って、本機リアパネルのSビデオ出力をお客様
Sビデオ
のビデオ機器のSビデオ入力に接続します。Sビデオは、複合ビデオより性能が優れて
います。
➣ RGB と複合同期−4×BNC-4×BNC
ケーブルを使って、R、G、B、HS/CS 出力をビデオ
と複合同期
画面に接続します。スキャンコンバータは、HS/CS コネクタから負の CS(複合同期) を
出力するようにデフォルト設定されていますが、問題があれば、これを変更することも
可能です(本資料で後ほど説明する「拡張メニュー及び機能」を参照して下さい)。こ
の出力の水平走査速度は 15.75 kHz であり、コンピュータモニタとの接続に適したもので
はないことに注意して下さい。
➣ RGB と水平垂直同期−5×BNC-5×BNC
ケーブルを使って、R、G、B、HS/CS、VS 出力
と水平垂直同期
をビデオ画面に接続します。スキャンコンバータは、HS/CS 及び VS コネクタから CS(複
合同期)を出力するようにデフォルト設定されていますので、本資料で後ほど説明する
「拡張メニュー及び機能」を参照して、これをご希望の別個の水平同期及び垂直同期に
変更して下さい。機器の操作方法を理解するまでは、他の出力を用いることをお勧めし
ます。
➣ YUV 成分(
)−3×BNC-3×BNC ケーブルを使って、Y、R-Y、B-Y 出
成分(Y 、R-Y 、B-Y)
力をビデオ画面に接続します。RGB モードを出力するようにスキャンコンバータが設定
されている場合は(デフォルト設定)、YUV に切り換える必要があります。本資料で後
ほど説明する「拡張メニュー及び機能」の RGB モードと YUV モードの切換えに関する
部分を参照して下さい。YUV モードでは、他のビデオ出力信号は存在しないため、本機
の操作方法を理解するまでは、他の出力を用いることをお勧めします。
4
5.4 シリアルケーブルの接続
スキャンコンバータの RS-232C ポートをコンピュータの RS-232C ポートに接続することによ
り、スキャンコンバータをコンピュータから制御したり、遠隔マイクロソフトⓇ・シリアルマウ
スエミュレータとして用いることができます。この制御機能の使い方については、本資料で後
ほど説明する「RS-232C コンピュータ制御」を参照して下さい(RS-232C 制御はデフォルト設
定ですので、必要なのは適切な RS-232C ケーブルを接続することだけです)。
5.5 AC 電源の接続
スキャンコンバータには、AC 100∼240 V、50/60 Hz の AC 入力電源が必要です。本機リアパ
ネルの電源 ON/OFF スイッチを OFF 位置にして、付属の AC ケーブルをリアパネルの AC 端子
に差し込み、AC ケーブルを電源コンセントに差し込みます。
5.6 スキャンコンバータを O N にする
全てのケーブルが接続されており、他の全ての機器が ON になっている(お客様のコンピュ
ータモニタが正常に機能する)ことを確認してから、スキャンコンバータのリアパネルにある
AC 電源スイッチを ON にします。多目的 TV モニタを用いる時は、正しいライン入力(AUX 又
は AV)を選択します。これで、コンピュータモニタと同じ画像がビデオモニタに表示されます。
スキャンコンバータのスイッチを ON にすると、フロントパネルの緑色のランプが点灯しま
す。ビデオモニタに画像が表示されても、画像の形、位置、色がおかしい場合は、良好な画像
を得るために状況設定の一部を変更する必要があるかもしれません。例えば、PAL 設定又は
NTSC 設定に切り換えなくてはならない場合があります。お客様の画面装置に応じた正しい設定
に関する詳細ついては、本資料で後ほど説明する「拡張メニュー及び機能」を参照して下さい。
ビデオモニタに画像が表示されない場合は、「お困りの時は」を参照して下さい。考えられる
原因の一つは、YUV 出力が有効な状態になっており、他の全てのビデオ出力が無効になってい
ることです。これは、「拡張メニュー及び機能」でも説明されています。
6. スキャンコンバータの操作
スキャンコンバータを制御する方法は3通りあります。
➣ フロントパネルのボタンと LCD(液晶画面)
➣ 赤外線遠隔制御装置
➣ RS-232C シリアルポートを経由して、コンピュータから直接制御
各制御方法は、本資料のそれぞれの章で説明されています。
5
下記に VP-704SC のフロントパネルの主なボタン及びランプの配置を示します。
➣ LCD−液晶画面(LCD)の一番上の行には、スキャンコンバータの現在のモードが常に
表示されています。電源投入時は、これが「Status」モードになっていますが、本機を用
いて何を行うかによって、これが変わります。一番下の行には、様々な制御方法によっ
て調整された又は調整可能な値が常に表示されています。
と表示された LED が緑
➣ 電源 ON ランプ−スキャンコンバータの電源が入ると、POWER
ランプ
色に点灯します。
➣ MENU ボタン−本機のフロントパネルによる制御を開始し、様々な設定や機能を選択す
ボタン
るのに用います。
➣ OS/US(
(-)
)ボタン−次節で説明する2つの機能を持つボタンですが、通常は、現在表示
ボタン
されている設定又は機能を下げる(取り消す)ために用いられます。
➣ Freeze(
(+)
)ボタン−次節で説明する2つの機能を持つボタンですが、通常は、現在表示
ボタン
されている設定又は機能を上げる(設定する)ために用いられます。
➣ ブザー−設定の変更を確認し、スキャンコンバータが設定をメモリに保存したことを知
ブザー
らせるために内蔵ブザーが用いられています。通常の使用ではこの音が聞こえますが、
必要に応じて、音を消すこともできます。
6.1 クイック設定ボタン
前述の2つの機能を持つボタンで、Status モード(LCD の一番上の行に Status と表示されま
す)でのみ機能します。これらは、使用頻度の高い機能(アンダースキャン/オーバースキャ
ンの切換え、Freeze ON/OFF の切換え等)を素早く実行させるためのものです。
6.2 電源投入時の特殊ボタン の 使用
本機に電源を投入する時に特定のボタンを長押しすると、特定の機能を実行することができ
ます。
OS/US ボタン及び Freeze ボタンを長押しすると、本機が
➣ 初期化リセット−電源投入時に
初期化リセット
初期設定にリセットされます(本機は NTSC ビデオモードになります)。これにより、
ユーザー設定が全て失われてしまうため、取り消すことのできない無効出力が機器設定
によって生じた時にのみ行います。
注記:この方法は、最終手段として用いて下さい。
注記:この方法は、最終手段として用いて下さい。
➣ NTSC モード設定−電源投入時に
OS/US ボタンを長押しすることによって行われます。
モード設定
これにより、非揮発性 PAL/NTSC 設定が NTSC に変わり、電源を切った後もこの状態が
保存されます。
➣ PAL モード設定−電源投入時に
Freeze ボタンを長押しすることによって行われます。
モード設定
6
➣ これにより、非揮発性 PAL/NTSC 設定が PAL に変わり、電源を切った後もこの状態が保
存されます。
6.3 特殊同時長押しボタン
電源が ON の時に、特定のボタンを同時に長押しすると、他の機能を実行することかできま
す。
ボタンと FREEZE ボタンを同時に2秒以上押すことによって、
➣ 現在の設定の保存−MENU
現在の設定の保存
いつでも行えます。これにより、現在の設定(オーバースキャン、YUV モード等)がメ
モリに保存され、次回の電源投入時にスキャンコンバータがこの状態になります。
これを行うと、データが正しく保存された時点で高音の電子音が鳴ります。無効な設定を保
存してしまった時は、初期化リセットを行う必要かあるかも知れません(上記参照)。
これ以外の時に高音の電子音が聞こえたら、他のデータ(解像度を変更した時などに、コン
ピュータから送られる解像度についてスキャンコンバータが推測した情報等)がメモリに保存
されている最中であることを表します。
7. メニュー構造と機能制御
本章では、LCD のメインメニューと、これによってスキャンコンバータをどのように制御で
きるかについて説明します。内部では、赤外線制御とシリアル制御によって、ボタン操作時と
同様に機能が変更されますので、どれが最終的な制御方法になるかに関係なく、本章を読む必
要があります。
拡張機能については、本資料の後半を参照して下さい。
7.1 Status モード
Status モードでは、現在の設定の幾つかの概略が表示されます。これらのほとんど全てが他の
メニューで繰り返され(調整可能)ていますが、そうでないものもあります。
7.1.1 Overscan − クイック設 定
この設定は、メニューをスクロールすることなく変更できるため、クイック設定と呼ばれて
います。OS/US(-)ボタンによって、アンダースキャンとオーバースキャンを切り換えられま
す。
➣ アンダースキャンモード(圧縮モードとも呼ばれます)では、画像の周囲に境界線が残
ります。
➣ オーバースキャンモードでは、境界線がなく、表示される画像は(正しく設定されてい
れば)ビデオモニタ画像より大きくなります。
➣ アンダースキャンとオーバースキャンにより、希望の画像サイズが得られない場合(オ
ーバースキャンでも境界線が残る時など) は、本資料で後ほど説明する「オートトラッ
ク TM」機能が実行されているか確認して下さい。
7
➣ アンダースキャンとオーバースキャンの画像サイズは調整可能であり、調整方法は本資
料「Screen Size ... 」で後ほど説明します。
7.1.2 Freeze − クイック設定
「FREEZE」と表示されている別のクイック設定ボタンです。最初に押すと、本機が特殊なモ
ードに入り、画像と他の全ての機能が Freeze 状態になります。
➣ Freeze は、FREEZE ボタンを再度押して解除するまで有効であり、これを行うまで本機全
体が Freeze 状態のままとなります。
➣ Freeze モードでは、遠隔制御装置の RESET ボタン以外の機能が全て無効になります。
7.1.3 Total Lines(合計ライン数)− 表 示のみ
Status モードの時に、入力コンピュータ画像の走査ライン数が単なる情報として表示されます。
これには、通常は見えないブランクラインも含まれるため、1024×768 の画像には、実際には、
合計で 806 本のラインがあり、そのうちの 38 本は垂直ブランクに用いられます。
7.1.4 Vert Freq(垂直周波数)− 表 示のみ
同じく、入力コンピュータ信号の垂直リフレッシュ速度が単なる情報として表示されます。
これに「合計ライン数」の値を掛けると、水平走査速度になります。コンピュータモニタに画
像を表示する時は、一般的には、リフレッシュ速度は高い方が好ましいのですが、スキャンコ
ンバータにとっては、画素を取り込める時間が長くなるため、低いリフレッシュ速度の方が適
しています。
7.2 Adjust ...メニュー
Status モードから、MENU ボタンを一回押すことによって、直接「Adjust ...」メニューに入る
ことができます。これにより、スキャンコンバータ機能を完全に制御するメニューの最初の一
つに入ることができます。メニューは全て、何も操作しないと、25 秒で時間切れになり、Status
モードに戻ります。各メニューリストの最後に「Exit」が表示されている時に+ボタンを押すと、
以前のメニューに戻ります。
「Adjust ...」メニューの選択項目は全て、MENU ボタンをもう一度押すことによって選択さ
れます。
7.2.1 Flicker Reduction(チラツ キ 低減)
本機は、デフォルト設定では、800×600 及び 1024×768 の解像度に最も適した4ライン・フ
リッカフィルタモードになっています。この選択項目が表示されている時に+ボタン又は−ボ
タンを押すと、2ライン又は6ラインに変わります。
➣ 2ラインモードは、高いフリッカ低減モードで発生する垂直画像ソフト化を避けたい場
2ラインモード
合以外はお勧めできません。この設定では、一般的にラインが下がります。
➣ 4ラインモードは、800×600
及び 1024×768 あたりの解像度に最も適していますが、
4ラインモード
➣ 個人的な好みや表示する画像又はテキストの性格にもよります。ほとんどのフリッカは
➣ 細い水平ラインによって起こりますが、このような場合は、最大のフリッカ低減設定を
8
➣ ご使用下さい。
➣ 6ラインモードは、フリッカ低減効果が最も大きく、CAD
図面のような画像でも、1024
6ラインモード
×768 を越える解像度で、ラインが下がることなく表示されます。このモードは、画像の
垂直ソフト化が大きいため、低い解像度には適していませんが、これは個人的な好みの
問題です。
7.2.2 Auto TrackTM(オートトラ ッ ク
TM)
オートトラック TM は、ビデオモニタ上のコンピュータ画像の大きさ及び位置を自動的に調整
し、センタリングする Kramer 社独自の自動設定ルーチンです。これが実行されると、入力コン
ピュータ画像が走査され、画像のサイズと位置が決定され、希望のビデオ画面上で最適に表示
されるようにします。
スキャンコンバータが新しい解像度又はリフレッシュ速度を最初に見つけると、これをビデ
オモニタ上に最もきれいに表示させる方法を推測します。この推測には精錬が必要な場合があ
り、本機は、オートトラック TM 機能によって、これを改善する画像端を探します。
➣ オートトラック TM 機能を実行する前に、フルスクリーンモードで、薄い色の壁紙の背景
に画像端がはっきり表示されるようにコンピュータを設定します。画像端に沿って黒又
は非常に暗い色があると、オートトラック TM がソース画像のサイズを読み違える場合が
あります。
➣ MS DOS をご使用の場合は、DOS 画面全体がかなり明るい又は白っぽい色の時に、この
機能を使うことをお勧めします。
➣ コンピュータ画面全体をご使用の時のみ、この機能を使うことができます。これにより、
本機は画像端を正しく「見る」ことができ、問題なく作業が行えます。
➣ 「Auto Track TM」と LCD に表示されている時に+ボタンを押すと、このルーチンが開始
され、約 15 秒で終了します。この時に、ビデオモニタ上の画像が移動しますが、終了時
には画像が安定して正しいサイズになり、センタリングされます。
➣ オートトラック TM を実行する時に問題が発生したら、実行レベルを調整することができ
ます(本資料で後ほど説明する「LEVEL ボタン」を参照して下さい)。
➣ 終了時に、オートトラック TM ルーチンは、この特別な解像度とリフレッシュ速度を保存
するので、次回からは、この機能を実行する必要はありません。但し、コンピュータ画
面の解像度を変更した場合は、初期化リセットを行うか、この機器を別のコンピュータ
でご使用下さい。
➣ オートトラック
TM
機能により画像端を正しく検出できないような場合は、RESET を押
して、中断することができます。
注記: オートトラック TM 機能が完了すると、高音の電子音が聞こえます。
9
7.3 Screen Size ... モード
LCD 画面の下側に「Screen Size ... 」と表示されている時に+ボタンを押すことによって選択
されるサブメニューです。これにより、お客様のビデオ画面に合わせてスキャンコンバータ出
力を調整するための値が幾つか表示されます。ビデオに変換したい画像がコンピュータ画像の
どの部分に実際に含まれているのかを本機が把握できるよう、オートトラック TM 機能を事前に
実行することをお勧めします。実行しないと場合によっては、異なる解像度ごとに、調整を繰
り返すことが必要になります。
➣ 表示される値は、アンダースキャンとオーバースキャンのいずれのモードを使っている
かによって決まりますので、値を変更する前に正しいモードが選択されていることを確
認して下さい。
➣ 値は NTSC 出力と PAL 出力で、別々に保存されます。一方を調整しても、他方に影響は
ありません。
➣ 値の調整が終わり、
「Exit」が表示されたら、+ボタンを押します。これで「Screen Size ... 」
メニューに戻りますので、再度メニューボタンを押して、サブメニューに移ることがで
きます。
新しい設定でよければ、前述した同時押しボタンを使って、設定をメモリに保存します。適
切なボタンを長押しすると、値が素早く増減します。
Out H-Center−画面上の画像の水平位置を変更します。
−画面上の画像の水平位置を変更します。
➣ −ボタンを押すと、画像が右に移動します。
➣ +ボタンを押すと、画像が左に移動します。
➣ 画像が画面の水平方向の中心に来るまで調整します。
Out H-Width −画像の幅を変更します。
➣ +ボタンを押すと、画像の幅が大きくなります。
➣ −ボタンを押すと、画像の幅が小さくなります。
➣ 画像が希望の幅になるまで調整します。
Out V-Center−画面上の画像の垂直位置を変更します。
−画面上の画像の垂直位置を変更します。
➣ −ボタンを押すと、画像が上に移動します。
➣ +ボタンを押すと、画像が下に移動します。
➣ 画像が画面の垂直方向の中心に来るまで調整します。
Out V-Height−画像の高さを変更します。
−画像の高さを変更します。
➣ +ボタンを押すと、画像の高さが大きくなります。
➣ −ボタンを押すと、画像の高さが小さくなります。
➣ 画像が希望の高さになるまで調整します。
注記:「Exit」表示された時に+ボタンを押すと、直前のメニューに戻ることができます。
10
7.4 Zoom ...モード
Zoom により、ビデオ画像の一部を通常の二倍の大きさにすることができます。Zoom モード
では、画像を移動(Pan)させて、画面上の表示個所を選択することができます。以下の点にご
注意下さい。
➣ 入力コンピュータ信号の中のコンピュータ画像の最初と最後を本機が正確に把握できる
よう、オートトラック TM 機能を事前に実行することを強くお勧めします。実行しない場
合は、コンピュータ画像の何もない部分まで移動すると良いでしょう。
➣ Zoom を OFF にした時は、Pan 設定が記憶されます。この機能は、多くのトレーニング用
途において有用です。
➣ スキャンコンバータを Zoom モードのまま、特定の画像位置で(電源投入時に)立ち上げ
ることができます。これは、一部の用途で有用であり、前述した特殊な同時長押しボタ
ンによって実施されます。
➣ Zoom ...と表示されている時に+ボタンを押すと、このサブメニューに入ります。
➣ Zoom の ON/OFF−「Zoom OFF」と LCD に表示されている時に+ボタンを押すと、Zoom
が ON になります。−ボタンを押すと、Zoom が OFF に戻ります。メニューボタンを押
すと、下記の選択項目に移動し、Pan 位置を変更できます。
➣ Pan X Pos(水平 Pan 位置の調整)−−ボタンを一度押すと、左側に1ステップ移動しま
す(拡大画像が左に移動します)。+ボタンを一度押すと、右側に1ステップ移動しま
す。
➣ Pan Y Pos(垂直 Pan 位置の調整)−+ボタンを一度押すと、下側に1ステップ移動しま
す。−ボタンを一度押すと、上側に1ステップ移動します。
➣ Exit−「Exit」が表示されている時に+ボタンを押すと、このサブメニューを終了します。
但し、Zoom を解除するまで、画像は拡大されたままです。
7.5 Manual Set ...モード
このサブメニューは、何らかの理由でオートトラック TM が失敗した時のみ必要となります。
他の方法で問題が解決できる場合がありますので、これらのパラメータを調整する前に、オー
トトラック TM に関する説明をお読み下さい。他の方法で問題を解決できない場合は、スキャン
コンバータにコンピュータ RGB 出力の正しい水平位置及び垂直位置及びサイズを「教える」こ
とができます。これにより、スキャンコンバータがこの「入力ウインドウ」を把握し、それを
ビデオ画面上に正しく表示することができます。どんな調整を行っても、スキャンコンバータ
は、お客様の好みのビデオ出力サイズ及び位置設定に「入力ウインドウ」をはめ込もうとしま
す。
注記: この機能はアンダースキャンモードでのみ用いることを強くお勧めします。このモード
以外では、出力ビデオ画像の一部が画面から消えるため、値を正しく調整したかどうか
を確認できません。
調整後は、「VGA Store」を実行して、新しい設定をメモリに保存し、この画面の解像
11
度及びリフレッシュ速度に関する以前の設定に上書きすることができます。
➣ VGA Left(
(画像取込み開始位置)
画像取込み開始位置)−この値を上げると、「入力ウインドウ」の左端が右
に移動します(内蔵メモリに保存されるコンピュータ画像が小さくなります)。コンピ
ュータ画像が切れ始めるまで、この値を上げ、それから1だけ下げます。
➣ VGA Width(
(取込み幅)
取込み幅)−この値を上げると、入力ウインドウが広くなり、より多くの
画素を内蔵メモリに保存できます。理想的には、画像全体を表示するのに十分な画素の
みを取り込むようにします。
➣ VGA Top/4(
(取込み開始ライン)
取込み開始ライン)−VGA Left と同様に、この値を上げると、「入力ウイ
ンドウ」の上端が下に移動し、コンピュータ画像が切れ始めます。これが始まってから
1だけ下げます。表示される値は、内蔵メモリへの取込みを開始する実際のライン番号
を4で除したものなので、/4 と表示されます。
➣ VGA Bot/4(
(取込み終了ライン)
取込み終了ライン)−VGA Top/4 と同様に、画像を取り込む最終ラインを
決定します。画像が切れ始めるまで、この値を上げ、それから1だけ下げます。
➣ VGA Store(
(新しい VGA 設定の保存)
設定の保存)−+ボタンを一回押すと、新しい設定が保存され
ます。電源を切った後でも、保存されます。
8. 拡張メニュー及び機能
作動環境に合わせて本機の基本操作を制御するものです(PAL 又は NTSC ビデオ基準の選択、
LCD コントラストの調整等)。これらは、前述の機能と同じ方法で呼出します(Status モード
で、LCD に「Advanced ...」が表示されるまでメニューボタンを繰り返し押します)。次に、+
ボタンを押して、Advanced サブメニューを選択します。続けてメニューボタンを押すと、次の
Advanced 機能を選択できます。これらの新しい設定は、「Store Settings」同時押しボタンを用
いて(MENU ボタン及び+ボタンを同時に約2秒押し続けて)保存することができます。
8.1 Advanced ...メニュー
8.1.1 Video Standarad − PAL / NTSC
スキャンコンバータでは、ビデオ基準を PAL と NTSC の間で簡単に切り換えることができま
す。
➣ −ボタンを押すと、NTSC モードに切り換わります。
➣ +ボタンを押すと、PAL モードに切り換わります。
➣ 画像サイズ設定は、PAL と NTSC で別々に保存されますので、NTSC で画像サイズを変
更しても、PAL 設定には影響ありません。
12
8.1.2 Output Signal − RGB/Y U V
本機は、RGB 出力又は YUV 出力のいずれかを作成することができます。本機リアパネルの
同じ3つの BNC コネクタから RGB と YUV の両方が出力されるため、正しいフォーマットを出
力するには、スキャンコンバータをその設定に切り換えなくてはなりません。デフォルト設定
は RGB 出力モードとなっています。また、本機には、お客様のビデオ機器の必要に応じて、水
平同期(HS)と垂直同期(VS)をそれぞれ出力する別個の BNC コネクタがあります。これに
ついては、本章で後ほど説明します。
➣ −ボタンを押すと、YUV モードに切り換わります。
➣ +ボタンを押すと、RGB モードに切り換わります。
➣ 設定が間違っていると、これらのコネクタから間違った色が出力されます。
注記: YUV モードでは、複合ビデオ信号及びSビデオ信号は無効になります。
8.1.3 H. Soften − 画像の円滑化
水平フィルタ処理(ソフト化)により、水平方向の画素、テキスト、ラインをを滑らかにで
きます。このチラツキフィルタ処理では、垂直ラインのチラツキのみ制御されます。
➣ ビデオ信号の録画性を改善します(帯域幅を小さくする)。
➣ Zoom モードでは、水平ソフト化は行えません−一時的に無効になります。
➣ +ボタンを押すと、水平ソフト化が ON になります。
−ボタンを押すと、OFF になります。
8.1.4 Sense − オートトラック T M 機能用
感度レベルは、オートトラック TM 機能がコンピュータのビデオ入力をどのように見るかに関
係しています。オートトラック TM の実行により、ビデオモニタに大きすぎる画像が生じた場合
は、画像が暗いために、スキャンコンバータが画像の端を正しく見つけられないことが考えら
れます。感度レベル設定を変更すると、端を見つけるのに必要な明るさを変更することができ
ます。
➣ 1の設定では、30%の明るさに反応します。2の設定では 60%、3の設定では 90%(約)
に反応します。デフォルト設定は1であり、ほとんど全ての画面に適しています。
➣ 感度設定を変更した後で、オートトラック TM を実行し、ビデオモニタに良好な画像が得
られることを確認します。画像が十分なものでなければ、スキャンコンバータを手動で
設定しなくてはならない場合があります(「手動設定」参照)。
➣ +ボタンを押すと、感度設定値が上がります。
➣ −ボタンを押すと、感度設定値が下がります。
13
8.1.5 IR(赤外線)− ON/OFF
近くに設置された複数の機器のうち、一つの機器のみが赤外線遠隔制御コマンドに応答する
ように設定した時に有用な機能です。漂遊又は無作為 IR 信号が取り込まれる可能性のある時や、
他の者が本機の機能を遠隔で変更するのを防ぐために用いることができます。
➣ −ボタンを押すと、赤外線遠隔制御が無効になります。
➣ +ボタンを押すと、赤外線遠隔制御が有効になります。
8.1.6 RGB Term. − コンピュー タ ・ループスルー端末接続
75Ω端末を持つ本機リアパネルのコンピュータモニタループスルーコネクタを、接続するか
否かを決定するものです。
➣ 通常スキャンコンバータは、コンピュータモニタが本機リアパネルの VGA OUT コネク
タに接続されているか否かを検出することによって、接続状態を自動的に設定します(自
動モード)。
➣ 但し、必要であれば、端末接続を OFF にすることができます。例えば、モニタが取り付
けられていることをスキャンコンバータが検出できない場合は、RGB 信号の端末接続が
二重に行われ、ビデオレベルが非常に低くなります。
➣ −ボタンを押すと、端末接続が OFF になります。
➣ +ボタンを押すと、端末接続が ON になります。
8.1.7 RS-232C− 制御/マウス
スキャンコンバータの RS-232C シリアルポートの用途をコンピュータ制御とマイクロソフ
ト ・シリアルマウス操作の間で切り換えることができます。
➣ 赤外線遠隔制御装置を使ってマウスを操作するには、この RS-232C をマウスモードに設
定します。同様に、コンピュータのシリアルリンクを使ってスキャンコンバータを制御
するには、RS-232C 制御モードに設定します。
➣ −ボタンを押すと、マウスモードに切り換わります。
➣ +ボタンを押すと、RS-232C 制御モードに切り換わります。
注記: デフォルト設定は、RS-232C 制御モードです−マウス操作を行うには、マウスモードに
切り換えて下さい。
8.1.8 Baud Rate − RS-232C 制 御 用
コンピュータからスキャンコンバータを制御するには、本機と制御コンピュータに同じ転送
速度を設定する必要があります。
➣ +ボタンと−ボタンを押して、必要な値に変更します。スキャンコンバータの LCD には
実際の転送速度は表示されませんが、それに対応する数字が表示されます。本資料で後
ほど説明する「RS-232C コンピュータ制御」の章の表に、それぞれの数字に対応する転
送速度が示されています。例えば、転送速度を 9600 bps に設定するには、数字を 23 にし
ます。
14
➣ デフォルト設定は「9600.N,8.1」です。パリティは使われず、8つのデータビットと1つ
のストップビットが必要です。
➣ この数字は、RS-232C 制御モードでのみ用いられます。マウスモードでは、この数字は
無視され、常に 1200 bps の転送速度が用いられます。
8.1.9 RS-232C ID
この ID は、複数のスキャンコンバータが全てシリアルケーブルを経由して同じコンピュータ
に接続されている時に用いられます。この ID は、各機器が同じシリアルポートから自己調整を
行えるよう、各機器の ID が独自のものとなるように設定します。この機能は、後の項で詳しく
説明されています。
8.1.10 Sound − ON/OFF
変数が変更された時やスキャンコンバータが設定をメモリに保存した時には、内蔵ブザーが
鳴ります。ブザー音を消したい場合は、この設定を OFF にします。
➣ 通常の電子音は、機能又は値が変更されたことを知らせます。
➣ 高音の電子音は、何かが本機のメモリに書き込まれたことを知らせます。例えば、設定
保存、初期化リセット、オートトラック TM を実行した時や新しい解像度/リフレッシュ
速度を検出した時等です。
➣ −ボタンを押すと、音が OFF になります。
➣ +ボタンを押すと、音が ON になります。
8.1.11 Sync In −「VGA IN」コ ネ クタから
コンピュータから水平同期入力と垂直同期入力を別々にスキャンコンバータに送る必要はあ
りません。これは、複合(混合)同期信号や緑色信号に同期情報を持つ信号(次の項目参照)
も受け入れることができます。これにより、できる限り多くの種類のコンピュータと接続でき
るようになっています。
➣ お客様のコンピュータが複合同期信号を出力する場合は、それを受け入れるようにスキ
ャンコンバータを切り換える必要があります。(デフォルト設定では、水平同期と垂直
同期を別々に受け入れるようになっています。)
➣ 複合同期信号は、下表の選択項目のそれぞれに該当する3つの方法で、本機に送り込む
ことができます。
➣ +ボタンを押すと、次の選択項目に移ります。
➣ −ボタンを押すと、前に戻ります。
同期入力
VGA HV
緑色+同期
ピン 13
ピン 15
詳細
ピン 13 に正又は負の水平同期、
ピン 14 に正又は負の垂直同期
緑色信号に負の複合同期
ピン 13 に負の複合同期
ピン 15 に負の複合同期
15
8.1.12 CSync In Freq − 複合同 期入力周波数
VGA IN 接続で(別個に又は緑色信号と一緒に)複合同期信号を用いる場合、走査速度に応じ
て、この設定を調整する必要があります。
➣ デフォルト設定の 70 は、約 55 kHz の水平周波数に適しています。
➣ 75 kHz 入力の場合は 50 前後まで下げ、31 kHz 入力の場合は 90 前後まで上げます。
➣ 50 未満にすると高周波数にも対応できます。
注記: 水平走査周波数は、重要なものであり、垂直周波数とは異なります。(垂直周波数に画
像のライン数を掛けると、およその水平周波数になります。)
8.1.13 Sync Out − CS/HS 及び V S と表示されている BNC 出力
スキャンコンバータは、水平(HS)又は垂直(VS)の同期信号を別々に出力するか、二つの
複合同期(CS)信号を出力します。これらの同期は、正か負で、本機リアパネルの BNC 出力コ
ネクタから得られます。画像に合った正しい同期出力が得られるよう、本機を切り換える必要
があります。
➣ デフォルト設定では、HS/CS 接続と VS 接続の両方が負の複合同期信号を出力します。
➣ +ボタンを押すと、次の選択項目に移ります。
➣ −ボタンを押すと、前に戻ります。
同期出力
−CS−CS
+CS+CS
−HS−VS
+HS+VS
CS/HS 出力
負の複合同期
正の複合同期
負の水平同期
正の水平同期
VS 出力
負の複合同期
正の複合同期
負の垂直同期
正の垂直同期
8.2 Engineering ... メニュー
本節の項目は、スキャンコンバータの基本操作を変更するものです。変更は非常に技術的な
ものであり、これらを理解してから行って下さい。変更を行う前に、本節の各項目を熟読して
下さい。
➣ 「Engineering」と表示されている時に+ボタンと−ボタンを同時に約2秒間押してから、
両方のボタンを離します。
➣ このモードで変更された設定は、他の設定と同様、メモリに保存されます。
注記: 本節の変更を行う時は、十分な注意が必要です。
16
8.2.1 ADC Ref. − 入力 RGB レ ベ ル
スキャンコンバータは、コンピュータからの(コンピュータモニタ用の)RGB アナログ信号
を取り込み、それをデジタル信号に変換し、信号処理と走査変換を行います。これを実際に行
うのは、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)であり、上側の基準レベルをこれに変更する
のは、明るさ制御と似通っていますが、明るすぎる色を最大明るさレベルに制限するという働
きもあります。これの設定が間違っていると、黄色などの一部の色は灰色がかかったようにな
り、白くなってしまうこともあります。これは、出荷前に調整済であり、通常は、変更の必要
はありません。
➣ この値は、問題が起こった時のみ調整するようにして下さい。調整時は、カラーバーテ
ストパターンをコンピュータ画面に表示させて下さい。調整を精密に監視するため、オ
シロスコープを本機のビデオ出力に接続します。
➣ +ボタンを押すと、ADC 基準入力の電圧が上がります。これにより、サンプル画像が暗
くなり、「制限」効果が低くなります。
➣ −ボタンを押すと、ADC 基準入力の電圧が下がります。これにより、サンプル画像が明
るくなりますが、一部の点では、RGB 入力が制限され始めます。
➣ 出荷前の設定では、0.8 V までの入力電圧が考慮されているので、許容差ずれ RGB 入力
も考慮されています。
8.2.2 DAC Ref. − 出力ビデオ レ ベル
デジタル−アナログコンバータ(DAC)により、処理回路からのデジタル出力が標準ビデオ
モニタやテレビに表示できるアナログ形態に変換されます。基準レベルを変更すると、出力ビ
デオ信号のコントラストを変更する場合と同様の効果があります。
➣ この値は、問題が起こった時のみ調整するようにして下さい。カラーバーテストパター
ンをコンピュータ画面に表示させて下さい。調整を精密に監視するため、オシロスコー
プを本機のビデオ出力に接続します。
➣ +ボタンを押すと、DAC 基準入力の電圧が上がります。
➣ −ボタンを押すと、DAC 基準入力の電圧が下がります。
8.2.3 CV Filter − 複合ビデオ信 号 用
スキャンコンバータは、複合ビデオ出力のフィルタ処理量を制御しています。これを変更し
て、画像を鮮明にしたり、ドットクロールを減らすことができます。
➣ ほとんどの状況では、変更する必要はありません。
➣ +ボタンを押すと、値が大きくなり、フィルタ処理量が増えます。
➣ −ボタンを押すと、値が小さくなり、フィルタ処理量が減ります。
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8.2.4 Adj. Osc. − サブキャリア 周 波数調整
全てのタイミングを発生させるスキャンコンバータの内蔵オシレータを微調整するもので
す 。具体的には、発生している PAL 又は NTSC 信号のサブキャリア周波数を調整します。こ
の周波数は出荷前に設定済ですが、調整が必要になることもあります。
➣ −ボタンを押すと、この値が小さくなり(デフォルト設定は0)、サブキャリア周波数
が低くなります。
➣ +ボタンを押すと、この値が大きくなり、サブキャリア周波数が高くなります。
8.2.5 SC/H Phase − ビデオ出 力 用
サブキャリアと水平同期信号の間の位相遅延を調整するものです。
➣ 通常は、実際の位相関係が測定可能なスタジオ設定にのみ必要です。
➣ デフォルト設定は4であり、これは約0°の位相ずれに相当します。他の値は、下表の
通りです。
値
位相
0
-180
1
-135
2
-90
3
-45
4
0
5
45
6
90
7
135
➣ SC/H 位相を 22.5°単位で調整できます。
➣ +ボタンを押すと、位相値が大きくなります。
➣ −ボタンを押すと、位相値が小さくなります。
8.2.6 Y/C delay − ビデオ出力 用
Y/C 遅延設定により、Sビデオ信号の輝度(Y)部分と色光度(C)部分の間の遅延を制御す
ることができます。
➣ 全てのビデオ信号出力(複合ビデオ、5 ビデオ、RGB、YUV)に影響を与えます。
➣ +ボタンを押すと遅延が大きくなり(色のスメアが左にずれます)、−ボタンを押すと
遅延が小さくなります(色のスメアが右にずれます) 。
デフォルト設定の1では、輝度と色光度が正しく並ぶようになっています。
9. 赤外線遠隔制御による制御及び設定
9.1 はじめに
このスキャンコンバータは、簡単に使えるように設計されており、ほとんどの制御装置がわ
かりやすく、扱いやすくなっています。明るさ制御などの一部の機能は、遠隔制御装置(SC-RM)
上の二つ以上のボタンを押すことが必要ですが、これは本機操作に必要なボタンの全体数を減
らすためです。
遠隔制御装置又はフロントパネルのボタンが効かなくなったら、遠隔制御装置の LOCK ボタ
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ンを間違って押している可能性があります。フロントパネルの電源ランプが点滅している時は、
ロック状態であることを示しています。この機能の ON/OFF の切換えについては、本資料の後
の部分で説明します。
本章では、下記について説明します。
➣ スキャンコンバータの全ての赤外線遠隔制御装置の機能
➣ 遠隔制御装置の設定及び調整と最終画像への影響
➣ 次回の操作のための設定の保存
9.2 SC-RM 赤外線遠隔制御 装 置の機能
本節では、遠隔制御装置の個々のボタンの機能を簡単に説明します。これらの機能に関する
詳細は、本資料で前述されています。
SC-RM の図を下記に示します。
9.2.1 RESET ボタン
本機を最後に保存したユーザー設定に戻します。これは、画像のサイズや位置について行っ
た変更を取り消したい時に便利です。間違った設定をメモリに保存してしまった場合は、本資
料で前述されている初期化リセットを行って下さい。
9.2.2 STORE ボタン
新しい設定をスキャンコンバータのメモリに保存します。これにより、装置のスイッチを切
った後も、設定が保存されます。全ての機能設定(Zoom モード、Position 等)が保存できます。
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9.2.3 U.SCAN/O.SCAN ボタン
このボタンを押すと、アンダースキャンとオーバースキャンが切り換わります。
9.2.4 FREEZE ボタン
フリーズ機能により、現在の画面上の画像と本機自身の全ての設定をフリーズします。
FREEZE ボタンをもう一度押すと、画像のフリーズが解除されます。
9.2.5 AUTO TRACKTM ボタン
オートトラック TM は、ビデオモニタ上でコンピュータ画像の大きさと位置を自動的に調整し、
センタリングする Kramer 社独自の自動設定ボタンです。操作方法の詳細については、本資料で
前述しています。
9.2.6 FILTER ボタン
4ライン・フリッカ低減モードと6ライン・フリッカ低減モードを切り換えます。
9.2.7 SIZE 及び POS(位置)ボ タ ン
アンダースキャンとオーバースキャンのいずれのモードが現在選択されていても、これらの
ボタンにより、ビデオモニタ上の画像のサイズと位置を調整することができます。ここでは、
矢印キーを使って、表示画像の水平方向及び垂直方向のサイズと位置を調整します。
注記: 本機がコンピュータからのソース画像の正確なサイズを把握できるよう、これらの調整
を行う前に、オートトラック TM 機能を実行しておきます。
➣ SIZE 及び POS(位置)は、いつでも同時に有効ですが、一方から一方に簡単に切り換え
ることができます。
➣ 調整を行ったら、今後の使用のため、設定を保存して下さい。
9.2.8 ZOOM ボタン
ZOOM 機能により、ビデオ画像の一部を通常の大きさの二倍にすることができます。ZOOM
ボタンを押すと、この機能が実行されます。ZOOM をもう一度押すと、通常の大きさに戻りま
す。
➣ 矢印キーを使って、画像を移動させ、画像全体を見ることができます。
➣ この設定を保存すると、本機の電源を入れた時に、ZOOM モードのまま、特定の画像位
置で始まります。
➣ ZOOM モードでは、他の設定も調整できます。
注記: 他の設定を調整した後で、ZOOM 位置の制御を元に戻すには、PAN ボタンを押す必要
があります。
20
9.2.9 LOCK ボタン
このボタンを一度押すと、スキャンコンバータのフロントパネルのボタンが無効になります。
LOCK ボタンをもう一度押すと、有効になります。他の者が遠隔制御装置以外で本機を調整し
ないよう、この設定を保存(STORE ボタン)することができます。
注記: この機能は、他のユーザーが機器の設定を勝手に変えないようにするための機能です。
9.2.10 LEVEL ボタン
このボタンは、VP-704SC では用いません。
9.2.11 MANUAL SET
この機能は、何らかの理由でオートトラック TM が失敗した時や、コンピュータ画像の端の背
景部分が暗くて、オートトラック TM が正しく機能しない時にのみ必要となります。他の方法で
問題が解決できる場合がありますので、MANUAL SET パラメータを調整する前に、本節のオー
トトラック TM 及びレベル調整に関する説明をお読み下さい。
この調整により、スキャンコンバータで取り込み、ビデオモニタに表示するコンピュータ画
像部分を手動で選択することができます。これは、実際には、どの部分をスキャンコンバータ
のメモリに保存するかを決定するためのものです。これは、本節で前述した大きさ及び位置の
調整(これは、スキャンコンバータのメモリに保存されているパラメータを変更します)とは
異なります。オートトラック TM と MANUAL SET は、正しい画像をメモリに保存するためのも
のです。最初に画像全体をメモリに保存しておかないと、二度と読み出せなくなります。
注記: この機能はアンダースキャンモードでのみご使用下さい。アンダースキャンモード以外
では、値を正しく調整したかどうかを確認できません。
➣ 遠隔制御装置の AUTO TRACK TM を2回(1.5 秒以内に)押します。電子音が2回鳴りま
す。
➣
➣
➣
➣
適切な矢印キーを押して、上端と左端を調整します。
AUTO TRACK TM をもう一度押します。
適切な矢印キーを押して、下端と右端を調整します。
AUTO TRACK TM をもう一度押します。高音の電子音が鳴り、保存されたことを知らせま
す。
注記: 手動設定モードは 20 秒後に終了し、変更が全て無視されるようになります。
21
10. 遠隔マウスエミュレータ
10.1 はじめに
スキャンコンバータには、マイクロソフト・シリアルマウスの操作に用いる RS-232C 通信ポ
ートがあり、コンピュータ機能は全て、赤外線遠隔制御装置から制御できます。本章では、こ
の機能の設定の仕方と使い方を詳しく説明します。
10.2 ハードウェア接続
この機能の設定には、下記の方法のいずれかで RS-232C ケーブルを接続する必要があります。
➣ (ヌル型)シリアルケーブルを使って、スキャンコンバータの RS-232C コネクタをコン
ピュータの最初のスペア COM ポート(通常は COM2 ですが、COM1 があれば、それを
使います)を接続します。
➣ コンピュータからマウスを外し、マウスを RS-232C Sharer ケーブルに差し込んで、コン
ピュータをスキャンコンバータに接続します。
10.3 スキャンコンバータの設 定
画面上の Advanced メニューで、RS-232C モードがマウス(「制御」でなく)にセットされて
いることを確認します(これはデフォルト設定です)。
10.4 マウスエミュレータの使 用
スキャンコンバータは、コンピュータの標準マウスドライバを使っているので、新しいソフ
トウェアをロードする必要はありません。上述のようにスキャンコンバータ接続後、そのまま
コンピュータを ON にして下さい。
RS-232C Sharer ケーブルを使っている場合は、既存のマウスとスキャンコンバータの遠隔制
御装置が同じ COM ポートとソフトウェアドライバを共有します。
スキャンコンバータに別個の COM ポートを使っている場合は、ブートアップ時にマウスが取
り付けられていることをコンピュータが認識することがあります。認識しない場合は、コンピ
ュータの「コントロールパネル」から「新しいハードウェアを追加する」を実行し、「標準シ
リアルマウス」ドライバをインストールして下さい。
➣ 遠隔制御装置の4つの矢印キーを使って、マウスポインタを画面上で移動させます。
➣ L.CLICK(左クリック)は、標準マウスボタンの左クリックと同じ働きをします。
➣ D.CLICK(ダブルクリック)は、標準マウスボタンの左ダブルクリックと同じ働きをし
ます。
➣ R.CLICK(右クリック)は、標準マウスボタンの右クリックと同じ働きをします。
22
10.5 ZOOM/PAN モードとマ ウ スモードの切換え
Zoom 時の画像移動(Pan)機能とマウス操作機能は同時に用いることができます。遠隔制御
装置の PAN ボタンを押して、矢印キーの機能を切り換えることができます。矢印キーがマウス
ポインタを制御していない時は、PAN を一回押すと、PAN モードが終了します。同様に、PAN
モード(Zoom した画像を画面上で移動させる)に入る時は、PAN をもう一度押します。
11. RS-232C コンピュータ制御
11.1 設定
スキャンコンバータの機能は全て、本機の RS-232C ポート、RS-232C シリアルケーブル、コ
ンピュータの端末操作プログラムを使って、コンピュータから制御することができます。別の
方法として、お客様の使用されているプログラミング言語でシリアル通信ポートを設定するこ
とができれば、お客様のカスタムソフトウェアからスキャンコンバータを制御することもでき
ます。
スキャンコンバータは、通信ポートに下記の設定を使っています。
➣ 8ビットデータ、パリティなし、1ストップビット
➣ フロー制御なし
➣ コンピュータとスキャンコンバータの転送速度を同じ値(通常は 9600)にセットします。
上記ポートの設定方法は、システムヘルプファイル又はコマンド送信に用いるソフトウェア
のヘルプファイルで説明されています。下記の方法は、端末操作プログラムを使うものです。
11.2 コマンド送信
コマンドは、下記のいずれかの方法で、RS-232C を経由して送信します。
➣ 「調整項目」に続けて、=と数字を入力し、リターンキーを押すと、LCD 画面の下側に
表示されているいずれかの設定を変更することができます。例えば、端末操作プログラ
ムを使っている場合は、下記のコマンドを入力して、チラツキ低減を6ラインにセット
することができます。
Flicker Red = 6
➣ 「調整項目」のみを入力して、リターンキーを押すと、設定の現在値が表示されます。
例えば、下記を入力すると、スキャンコンバータから正しい値(6など)が呼び出され
ます。
Flicker Red
23
11.3 コマンドへの応答
スキャンコンバータからの応答は、下記の3つのいずれかとなります。
➣ ? 理解できないことがある(調整項目にスペルミスがある)。
➣ > コマンドが実行されている。
➣ nnnnn(0 から 99999 までの5桁の数字の後に CR 及び LF)設定値が返送された。
11.4 コマンド送信に関する注 意 事項
➣ 2つの値のいずれかとなる設定(例:NTSC 又は PAL)は0又は1として送信されます。
0は OFF 又は「−」状態を表し、1は ON 又は「+」状態を表します。
➣ 最大4文字のを送信するだけでコマンド名を認識させることができます。例えば、Flicker
Red = 2 は、Flic = 2 に短縮することができます。
➣
➣
➣
➣
スペースや改行(ASCII コード 10)は完全に無視されます。
大文字、小文字の区別は無視されます(大文字と小文字のいずれも使えます)。
コマンド又は要求の最後には、必ずリターンキー(ASCII コード 13)を押して下さい。
リターンキー入力が受信されてから 20 ミリ秒以内に、スキャンコンバータが応答します。
もちろん、転送速度の遅れによって反応速度は異なります。
➣ スキャンコンバータ入力バッファは 32 バイトに制限されていますので、これ以上の文字
(CR、LF を含めて)は送信しないで下さい。
➣ 様々な機能の制御方法については、本資料の該当項目を参照して下さい。
11.5 RS-232 コマンドを特定 の 機器に制限する
複数の機器を同じコンピュータシリアルポートに接続している(平行で作動させる)場合は、
RS-232C ID 機能を使って、特定のコマンドが特定のスキャンコンバータにのみ送信されるよう
にすることができます。下記にこの方法を説明します。
➣ 複数の機器を同じコマンドに応答させる場合を除いて(この場合は、これらを同じ ID 値
にします)、各スキャンコンバータに特有の「RS-232C ID」を設定します。デフォルト
値は0です。
➣ コマンド「ID Restrict nnn」を送ります。この、nnn は制御するスキャンコンバータの数
です(0∼255)。
➣ 続いて、送りたいコマンドを送ります。「RS-232C ID」が「ID Restrict」値と同じでない
機器は、これらのコマンドに対して応答や肯定を行いません。
➣ この機能を解除するには、全ての機器において RS-232C ID を同じにし(0が望ましい)、
もちろん、「ID Restrict」もこの値にします。
24
11.6 転送速度の変更
転送速度の変更方法は、本資料の「拡張メニュー及び機能」の章に説明されていますが、数
値と転送速度の関係を下表に示します。191 までの数値を選択できますが、利用できる転送速
度は一般的に限られています。最もよく使われるものを下表に示します。表にない数値に対応
する転送速度は、下記の数式によって算出することができます。
転送速度=
223722
数値+1
よって、使用する数値は下記のように計算します。
223722
数値= −1
転送速度
よく用いられる転送速度
転送速度
115200
57600
38400
28800
19200
数値
1
3
5
7
11
転送速度
14400
9600*
4800
2400
1200
数値
15
22*
46
92
185
*22 転送速度=9600 がデフォルト設定です。
25
利用可能な RS-232C コマンド
設定項目
ADC Ref.
Adj. Osc.
Auto Track
転送速度
Buttons
CSync In Frq
設定範囲
100∼200
-200∼200
0又は1
0∼191
Off 、On
0∼140
CV Filter
DAC Ref.
Flicker Red.
H. Soften
ID Restrict
0∼40
40∼120
2, 4, 6
Off 、On
n
Image Freeze
Off 、On
Infra Red
Locked
Off 、On
Off 、On
Overscan
Out H-Center
Out H-Width
Out V-Center
Out V-Height
Output Sig
Pan X Pos.
Off 、On
n
n
n
n
YUV, RGB
n
Pan Y Pos.
n
Reset
Off 、On
BGR Term.
Off 、Auto
RS-232C
Mouse 、Control
RS-232C ID
0∼225
SC/H Phase
Sense
Sound
Store Settings
Sync In
Sync Out
Total Lines
0∼7
1∼3
Off 、On
-、*
0∼3
0∼3
表示のみ
Vert. Freq
VGA Bot/4:
表示のみ
n
VGA Left:
VGA Store
VGA Top/4:
n
-、*
n
VGA Width:
n
備考
最大入力 RGB 電圧を調整します。
サブキャリア周波数を微調整します。
1にセットするとオートトラックを実行します。
実際の転送速度=230400/(n+1)
Off=フロントパネルを無効にします。
複合同期信号を使っている時に、入力同期周波数を調整し
ます。
複合ビデオ信号に変数フィルタを適用します。
明るさレベル
チラツキ低減ライン数
On=画像を水平方向にソフト化します。
RS-232C 制御をこの値にセットした RS-232C ID を持つ機器
のみに制限します。
On=画像をフリーズします。これが有効の時は、他の設定
を調整しないで下さい。
On=赤外線遠隔制御を有効にします。
On=フロントパネルのボタンと赤外線遠隔制御装置の機能
を全て無効にします。
On=オーバースキャン
画像の左右位置を調整します。
画像の幅を調整します。
画像の上下方向を調整します。
画像の高さを調整します。
適切な出力信号種類を選択します。
Zoom モード時に画像の左右位置を調整します(値を大きく
すると、画像が右に移動します)。
Zoom モード時に画像の上下位置を調整します(値を大きく
すると、画像が下に移動します)。
On=以前の設定にリセットします。自動的に OFF に戻りま
す。
Auto=モニタが取り付けられていることを検出し、RGB を
正しく終了させます。
これを Mouse に変更すると、RS-232C コマンドは無効にな
ります。
一つのシリアルポートから複数の機器を制御する時は、機
器の RS-232C 識別子をセットします。
サブキャリアと水平同期の位相を選択します。
オートトラック機能の感度レベルを調整します。
内蔵スピーカの ON/OFF を切り換えます。
現在の設定を電源投入時のデフォルト値として設定します。
0=VGA HV、1=緑+同期、2=ピン 13、3=ピン 15
0=-CS-CS、1=+CS+CS、2=-HS-VS、3=+HS+VS
垂直ブランクラインを含めた PC 画像のライン数を表示し
ます。
PC 画像の垂直周波数を(1 Hz 単位で)表示します。
PC 信号のどこに画像の下端があるか本機に知らせます(4
で割った値)。
PC 信号のどこに画像の左端があるか本機に知らせます。
今後の使用のために VGA 設定を保存します。
PC 信号のどこに画像の上端があるか本機に知らせます(4
で割った値)。
PC 信号の画像の幅を本機に知らせます。
26
Video Std
Y/C Delay
Zoom
NTSC, PAL
0∼3
Off 、On
ビデオ基準を設定します。
色光度に対する輝度の遅延を調整します。
Zoom モードの ON/OFF を切り換えます。
* 2つのテキスト値がある時は(Off、On 等)、1つめが「0」を機器に送信した時に用いられる設
定で、2つめが「1」を機器に送信した時に用いられる設定です。
12. スキャンコンバータを最大限に活用する
本機は、多くの機能と用途を持つ高品質スキャンコンバータです。本章は、これらの用途や
機能から、本機を最大限に活用してもらうためのものです。
ヒント
1. お客様の機器に S ビデオ入力があれば、復号ビデオよりも S ビデオをご使用下さい。S ビ
デオ信号では色彩と明るさが分離されていますが、復号ビデオではフィルタを使ってこれ
らを電子的に分離する必要があり、このフィルタによって画像が劣化します。
2. ZOOM 機能を活用して下さい。小さな文字が読みにくい時は、Zoom モードを選択すれば、
ずっと読みやすくなります(特に復号ビデオ出力を使っている場合)。これは、プレゼン
テーションにおいて特に有用です。
3. ZOOM モードでは、チラツキ低減設定の変更が必要となる場合があります。チラツキ低
減値を低くすると、小さな文字が読みやすくなります。
4. 画像解像度とリフレッシュ速度が低いほど、画像品質は良くなります。スキャンコンバー
タは全て、ビデオに変換するコンピュータ画像を内蔵メモリに保存しています。このため、
各走査ラインにおいて、コンピュータ画像の「サンプル」を何度も採取します。各サンプ
ルについて、1画素の情報がメモリに保存されます。採取したサンプル数は、画像品質と
比例します−つまり、サンプル数が多いほど、画像品質は良くなります。画像解像度が高
いほど、各走査ラインを表示する時間が短くなり、サンプル採取のための時間が増えるた
め、ライン毎のサンプル数が多くなり、画像品質が良くなります。
5. 解像度が低いほど、「垂直」画像品質が良くなります。テレビでは、画像表示に用いられ
るライン数が固定(PAL では 576、NTSC では 480)されていますが、これらの一部は画
面の上端や下端の外にあります。従って解像度の持つ走査ライン数が多くなるほど(例え
ば、800×600 の解像度では 600 の走査ラインがあります)、スキャンコンバータでこれ
ら全てのラインをテレビ上で利用できる限られた数に圧縮するのは困難なため、解像度を
低くすると、画像品質を高める効果があります。(解像度を変更した後は、オートトラッ
クを実行して下さい。)
6. ラインが下がっていたら、チラツキ低減設定を上げて下さい。640×480 のような低い解
像度では、チラツキ低減設定を2ラインまで下げる必要があるかもしれません。
7. ケーブルとコネクタ:スキャンコンバータに付属しているような高品質のケーブル及びコ
ネクタご使用下さい。高い画像品質が得られるよう、全てのコネクタが正しく接続されて
いることを確認して下さい。
8. お客様のディスプレイ又はプレゼンテーションのデザイン:ディスプレイで用いる画像を
27
設定したり、プレゼンテーションをまとめる時は、人々はそれを遠くから見るということ
に留意して下さい。十分に定義されたフォントやまとまった画像を用いると、ディスプレ
イやプレゼンテーションが見やすくなります。文字間には十分なスペースを取り、通常使
うものより大きな文字を使います。使う色についても配慮が必要です。コントラストの大
きい色の方が遠くから見やすいでしょう。前述のように、正しい解像度を選択することに
よって、ディスプレイの鮮明さと品質も高まります。スキャンコンバータを最適化する上
で、時間をかけて様々な解像度設定で試行錯誤することが必要です。
9. フリーズ機能:この機能は、ビデオモニタに画像を表示したまま、別の画像又はレイアウ
トに移りたい時に便利です。例えば、テキストを表示しているプログラムからグラフィッ
クを表示するプログラムに移りたい時などです。テキスト表示プログラムを閉じる前に、
ビデオ画面上の画像をフリーズします。これで、自由にグラフィック画像プログラムに移
ることができます。これを行ったら、ビデオ画面の画像のフリーズを解除して、新しい画
像を表示することができます。ビデオモニタを見ている人々は、テキスト画像に続いてグ
ラフィック画像を見ることになり、一つのプログラムを閉じて、別のプログラムを開いた
ところは見えません。
28
13. 技術諸元
13.1 コンピュータ入力
スキャンコンバータへの入力は HD-15 コネクタを経由して送られます。
ピン
1
2
3
4
5
6
7
8
用途
赤 0.7 V 以下、75Ω
緑 0.7 V 以下、75Ω
青 0.7 V 以下、75Ω
ID 2、PC モニタピン4に送信
アース
赤アース
緑アース
青アース
ピン
9
10
11
12
13
14
15
用途
PC モニタピン9に送信
アース
アース
ID 1、PC モニタピン 12 に送信
水平同期 TTL
垂直同期 TTL
PC モニタピン 15 に送信
13.2 ヒューズ交換
スキャンコンバータは、保護を高めるため、ヒューズが二重に取り付けられています。主 AC
ヒューズは、リアパネルの ON/OFF スイッチの隣にあります。ヒューズの交換が必要となった
ら、最初のものと同じ種類及びサイズのものをご使用下さい。
29
14. トラブルシューティング
下記の対処方法で問題が解決されない時は、Kramer 社販売店までご連絡下さい。問題が画像
に関するものであれば、技術支援を依頼する前に、コンピュータの解像度とリフレッシュ速度
を確認し、問題が特定の解像度でのみ現れるかどうかを確認して下さい。
問 題
ビデオ画面上の画像が白黒
である。
対処方法
1.
2.
3.
ビデオモニタに画像が映ら
ない。
1.
2.
3.
4.
コンピュータモニタに画像
が映らない。
1.
2.
3.
テレビ上の画像周囲の境界
線が大きい。
1.
2.
機器が赤外線遠隔制御に応
答しない。
1.
2.
3.
テレビ画面のチラツキが大
きい。
1.
2.
Sビデオ又は複合出力を使っている場合は、これらのケーブルが全て正し
く接続されているか確認します。
スキャンコンバータが正しいビデオ基準 PAL/NTSC に設定されているか
確認します(これを変更する手順は、本資料で説明されています)。
テレビ又はビデオ画面の色彩調整が全て正しく設定されているか確認し
ます。
機器をラップトップコンピュータで使っている場合は、外部表示画面を使
用できるようにラップトップが設定されているか確認します。ラップトッ
プには、外部ビデオ接続を自動的に検出できるものもありますが、そのた
めの設定が必要なものもあります。これは多くの場合、キーボード上の2
つのキーを同時に押すことによって実行できます。
スキャンコンバータの電源ランプが消えている場合は、正しい AC 電源が
本機に接続されているか確認し、ヒューズを調べます(手順は本資料で説
明されています)。
電源ランプが点灯している場合は、
a)コンピュータのモニタ出力がスキャンコンバータの VGA IN コネクタ
に接続されているか確認します。
b)スキャンコンバータの出力が本機とビデオモニタの両方で接続されて
いるか確認します。
c)ビデオモニタが ON になっており、正しい入力にセットされており
(AUX 又は A/V が選択されており)、ビデオモニタの明るさとコン
トラストが正しくセットされているか確認して下さい。
スキャンコンバータが YUV モードの時は、他のビデオ出力が全て無効に
なることご注意下さい。
コンピュータの VGA 出力がスキャンコンバータの VGA IN コネクタに接
続されているか確認します。
コンピュータモニタが本機リアパネルの VGA OUT コネクタに接続されて
いるか確認します。
コンピュータモニタが ON になっており、明るさとコントラストが正しく
セットされているか確認します。
これは通常、ラップトップコンピュータを本来の解像度よりも低い解像度
で使っていることを表しています。この場合は、画像端の境界線によって、
低い解像度を高いものに合わせます。
ラップトップ画面の解像度は固定なので、解決方法は2つのみです。
a)現在の解像度をラップトップの内蔵画面に合わせて変更します。
b)ラップトップの画面を消し、ビデオモニタのみに画像を表示するよう
にします。
制御装置にバッテリが正しく挿入されており、十分な充電量が残っている
か確認します。
スキャンコンバータのフロントパネル赤外線ウインドウの前に障害物が
ないか確認します。
スキャンコンバータが IR 装置から制御するように設定されているか確認
します(これを変更する手順は、本資料で説明されています)。
違うチラツキ低減フィルタ設定をご使用下さい(変更する手順は、本資料
で説明されています)。
ビデオモニタのコントラストを下げ、明るさを上げるのも、チラツキに対
して大きな効果があります。
30
問 題
対処方法
テレビ画像が歪んでいる。
一部の色がビデオモニタ上
で正しく出ない。
スメアを減らすにはどうし
たら良いか。
機器を VCR と一緒に使うに
はどうしたら良いか。
録画した画質が悪い。
マウスエミュレータが機能
しない。
1.
これは、画像の一部が非常に暗く、他が非常に明るい時によく起こります。
このような画像の極端な変化は、ビデオモニタでは扱いにくいものです。
2. 試しにビデオモニタのコントラストと明るさの設定を調整してみます。古
いテレビ又は非常に安価なテレビでは、コンピュータ画像を考慮して設計
されていないため、この影響を避けることはできず、一部のグラフィック
画像の四辺が曲がって見えます。唯一の対処方法は、テレビの明るさとコ
ントラストを調整することです。スキャンコンバータに問題はなく、こち
ら側でこの種のテレビの問題を解決することはできません。
3. 問題が解決されない場合は、画面サイズ設定に問題があるかもしれませ
ん。画像と画面上の位置を調整してみて下さい。
1. テレビ又はビデオ画面の色彩(彩度)、色調(濃淡)、コントラスト、明
るさの設定を変えてみます。これらは通常、テレビ番組やビデオを見るた
めに設定されており、コンピュータ画像を見るためのものとは非常に異な
っています。
2. スキャンコンバータの RGB ビデオ出力を使っている場合は、ケーブルが
スキャンコンバータとビデオモニタの両方に正しく取り付けられている
か確認します。
1. スメアは、通常、復号ビデオ接続時に起こり、一般的には、Sビデオ又は
RGB 接続に切り換えない限り避けられません(接続の詳細は本資料で説明
されています)。これは、輝度と色彩の情報が一つの信号に組み合わせら
れており、二つの部分が干渉し合わないように「帯域幅を制限」されてい
るために起こります。
2. 高品質ビデオケーブルを使うと、この影響を押さえることができます。
1. スキャンコンバータのビデオ出力の一つを VCR の入力に接続します。
VCR のアンテナコネクタではなく、VCR の AUX(補助)入力の一つに接
続する場合は、VCR の入力セレクタを正しく設定しなくてはなりません
(チャンネル1、AUX 1、AUX 2 等)。
2. VCR の録画説明書に従います。
1. 標準 VHS ビデオは、コンピュータ画像の細かい部分を録画するのは得意
ではありません。S-VHS ビデオはずっと画質が良く、専用ビデオはさら
に画質が良くなります。
2. 色のスメアは、通常、問題を起こす最大の原因ですが、これは VCR が画
像を最大解像度で録画できないために起こります。コンピュータ画面の解
像度を下げてみると、VCR で扱いやすい画像に近づけることができます。
1. RS-232C ケーブルがスキャンコンバータの裏の RS-232C ポートとコンピ
ュータがマウス用に使っているシリアルポートの両方に正しく接続され
ているか確認します。
マウスに設定されているこ
2. スキャンコンバータがシリアル制御ではなく、
とを確認します。
赤外線遠隔制御装置に良好なバッテリが取り付けられて
おり、
スキャンコンバータがマウスから操作できるように設定されている
か確認します。
3. スキャンコンバータは標準マイクロソフト ・シリアルマウスドライバを
使っています。これは、他のマウスドライバは使えません。問題が起こっ
たら、正常なマウスを接続し、コンピュータを再起動して下さい。コンピ
ュータがブートアップを終了し、マウスの機能が確認されたら、スキャン
コンバータの RS-232C ケーブルと交換します。
注意!
➱ Kramer 社認定技術者以外が機器の修理を行わないで下さい。メーカーの明確な認可なしに
機器を改造又は修正した場合は、機器を操作できなくなることがあります。
➱ 機器を他の機器に接続するには、推奨ケーブルを使って下さい。
31
・ KRAMER は KRAMER E LECTRONICS, Ltd. の 登 録 商 標 で す 。
・ Windows は Microsoft Corporation の登録商標です。
Kramer Electronics Ltd.のウェブサイト www.kramerelectronics.com もご覧下さい。
ウェブサイトから Kramer Electronics Ltd.工場にEメールを送ることもできます。
合わせて、エルモ社のウェブサイト
http://www.elmo.co.jp もご覧いただき、ご意見ご質問をお寄せ下さい。
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