高施工型建築構造用590N/mm 2 厚鋼板SA440B-U SA440C

SA440B-U,SA440C-U
2
高施工型 建築構造用高性能590N/mm 鋼材
SA440B-U, SA440C-U
は、建築物の高層化、大規模化に伴う厚肉・高強度鋼材の要請にお応えするため、いち
2
JFEスチール
早く「低降伏比590N/mm 級鋼材」を開発し、昭和61年に初めて実プロジェクトで採
用され、平成3年度「大河内記念技術賞」を受賞いたしました。その後、建設省総合技
術開発プロジェクト「建設事業への新材料・新素材利用技術の開発」の成果をもとに、
2
平成8年に「建築構造用高性能590N/mm 鋼材SA440」の大臣認定を取得いたしました。さらにJFEス
チールでは、溶接性、施工性を改善すべく研究を重ね、「低降伏比」と「高溶接施工性」を合わせて実現
2
できる新しい鋼材「SA440-U」を開発いたしました。本鋼材の開発により、590N/mm 鋼材の溶接時予
2
熱が、従来の490N/mm 鋼材の予熱条件と同じように行えるようになりました。
国土交通大臣認定
国住指第318号 MSTL-9004（西日本製鉄所 倉敷地区）
国住指第319号 MSTL-9005（西日本製鉄所 福山地区、東日本製鉄所 京浜地区）
■高い基準強度
全製造範囲（厚さ19∼100mm）にわたり、基準強度は、
従来型
SA440
2
F＝440N/mm と一定です。
■優れた塑性変形性能
高強度にもかかわらず降伏比は80％以下と低く抑えており、
大地震時に優れた塑性変形性能が得られます。
■高い靭性
シャルピー吸収エネルギーを0℃で47Jと高く規定してお
ります。
従来の特長に加え、
以下の高溶接施工性を実現しております。
■溶接時の予熱温度を低減
溶接割れ感受性組成PCMを格段に低くしておりますので、
高施工型
SA440-U
予熱温度が低減できます。
■溶接部の硬さ上昇を低減
炭素量を低く抑えておりますので、本溶接部に加え、組立
溶接部や付属金物溶接部等のショートビード部、およびス
タッド溶接部の硬さ上昇を小さくできます。
■溶接管理の低減と健全な溶接部の実現
予熱温度を低減でき、溶接部の硬さ上昇を小さくできるこ
とから、工事現場における溶接管理の軽減と健全な溶接部
の実現が図れます。
1
SA440B-U, SA440C-U
規 格
1 化学成分
種類の記号
（％）
厚 さ t
C
mm
Si
Mn
P
S
19 ≦ t ≦ 40
SA440B-U
40 ＜ t ≦ 100
19 ≦ t ≦ 40
SA440C-U
Ceq
(1)
PCM
(2)
従来鋼 のPCM
0.44以下
0.12以下
［従来鋼(3)
(3)
0.28以下
0.030以下
0.47以下
0.55以下
1.60以下
0.18以下］
0.008以下
0.30以下
0.22以下
0.44以下
0.28以下
0.47以下
0.30以下
0.020以下
40 ＜ t ≦ 100
必要に応じて、上記以外の合金元素を添加できます。
受渡当事者間の協定により、炭素当量（Ceq）の代わりに溶接割れ感受性組成（PCM）を適用できます。
（1）Ceq（％）＝C＋Si/24＋Mn/6＋Ni/40＋Cr/5＋Mo/4＋V/14
（2）PCM（％）＝C＋Si/30＋Mn/20＋Cu/20＋Ni/60＋Cr/20＋Mo/15＋V/10＋5B
（3）従来のSA440B、SA440C
2 機械的性質
降伏点又は耐力
種類の記号
2
引張強さ
伸 び
降伏比
2
N/mm
N/mm
％
440∼540
590∼740
80以下
SA440B-U
SA440C-U
試験片
％
5号
26以上
4号
20以上
シャルピー吸収エネルギー 厚さ方向特性 絞り ％
3個平均 J （0℃、Vノッチ、圧延方向） 3個の平均 個々の試験値
47以上
25以上
15以上
降伏比（％）＝（降伏点又は耐力/引張強さ）×100
3 超音波探傷試験
SA440C-U（SA440B-Uは受渡当事者間の協定による）は、JIS G 0901により超音波探傷試
験を行い、等級Yに合格するものとします。
4 形状、寸法、質量の許容差
厚板の形状、寸法、重量およびその許容差は、JIS G 3193に準じます。ただし、厚さの許容差
はJIS G 3136によります。
製造工程
高 炉
スラブ加熱
溶銑脱硫・脱燐
厚板圧延
転 炉
熱処理
脱 ガ ス
検 査
鋳 造
熱処理設備
2
品質特性例
■母材特性
《化学成分》
熱処理技術に対応した合金成分の最適調整により、低C、低PCM化を実現し、従来鋼に比べ、格段
に優れた溶接施工性を確保しています。
（％）
種類の記号
厚
C
Si
Mn
P
S
Ceq
PCM
40
0.09
0.25
1.35
0.010
0.003
0.44
0.20
80
0.09
0.25
1.50
0.010
0.002
0.46
0.20
80
0.13
0.25
1.44
0.012
0.002
0.44
0.24
さ mm
SA440C-U
SA440C（従来型）
上記以外の合金元素を添加しております。
《機械的性質》
■引張試験
種類の記号
厚 さ
mm
試験片
降伏点又は
耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸 び
％
降伏比
％
40
JIS 5号
504
644
51
78
80
JIS 4号
460
625
31
74
80
JIS 4号
451
600
31
75
SA440C-U
SA440C（従来型）
■厚さ方向特性
種類の記号
絞 り ％ 厚 さ
mm
個 々
平 均
40
71, 73, 73
72
80
74, 74, 76
75
80
71, 72, 72
72
SA440C-U
SA440C（従来型）
■シャルピー衝撃試験
種類の記号
厚 さ
mm
シャルピー吸収エネルギー J（0℃、Vノッチ、圧延方向）
1
2
3
平 均
40
251
273
265
263
80
319
320
320
320
80
280
270
278
276
SA440C-U
SA440C（従来型）
SA440-Uは、優れた母材特性を変えることなく、低C、低PCM化を実現しています。
3
SA440B-U, SA440C-U
溶
接
性
■最高硬さ試験
高施工型（t=80mm）
試験温度：25℃
■全厚でのHAZ最高硬さ試験結果
550
550
t=80mm（元厚）
500
450
400
350
被覆アーク溶接
300
t=20mm（減厚）
500
最高硬さ HV10
最高硬さ HV10
高施工型（t=80mm）
試験温度：25℃
■HAZ最高硬さに及ぼすビード長さの影響
450
400
350
被覆アーク溶接 17kJ/cm
300
JIS Z 3101
（標準条件）
炭酸ガスアーク溶接
250
200
0
250
5
10
15
200
0
20
50
入 熱 kJ/cm SA440-Uは、ショートビード溶接や小入熱溶接となっ
100
150
ビード長さ mm ■y形溶接割れ試験
試
た場合でも、溶接熱影響部の硬さ上昇が小さく抑えられ
供
SA440C-U
SA440（従来型）
さ
80mm
方
法
被覆アーク溶接（SMAW）
接
材
料
JIS Z3212 D5816：4mmφ
接
条
件
170A-25V-15cm/min.
熱
17kJ/cm
気
20℃-60％
ます。指針＊で推奨されている最小ビード長50mm以下
厚
でもHV10≦350を満足しています。
溶
接
＊建築構造用高性能590N/mm2鋼材（SA440）設計・溶接施工指針
1996.10（社）鋼材倶楽部
溶
溶
入
雰
鋼
囲
100
高性能590N/mm2鋼材の溶接では、指針によれば100℃
以上の予熱が推奨されていますが、SA440-Uは、予熱の
大幅な低減が可能になります。
予熱温度 ℃
75
：割れなし
50
：割れ発生
25
0
割れ防止予熱温度
0℃
100 ℃
JIS Z3158 試験片厚：80mm
スタッドボルト・
付属金物溶接後
の
性
質
確性試験用ボックス柱外観
4
■スタッドボルト
■スタッドボルト溶接部硬さ分布
■スタッドボルト溶接条件
スタッドボルト
500
電 流
アークタイム
1250A
0.8sec.
WM
■スタッドボルト形状
HAZ
HV10
400
φ16mm ×100mm
母材
測定位置
300
母 材
熱影響部
母 材
200
100
-15
-10
-5
0
5
距 離 mm 10
15
スタッドボルト溶接部マクロ組織
■付属金物
■付属金物溶接部の硬さ試験結果
付属金物種類
エレクションピース
梯子取付金具
安全帯取付金具
ビード長さ mm
170
45
40
最高硬さ HV10
262
332
347
■付属金物溶接部の硬さと分布
●エレクションピース
●梯子取付金具
●安全帯取付金具
400
400
400
350
350
350
母 材
300
300
HV10
熱影響部
HV10
HV10
母 材
母 材 熱影響部 母 材
300
母 材
250
250
250
200
200
200
150
-15
-10
-5
0
距 離 mm 5
10
150
-15
-10
-5
0
距 離 mm 5
10
150
-15
母 材
熱影響部
-10
-5
0
距 離 mm 5
10
■付属金物溶接部マクロ組織
●エレクションピース
●梯子取付金具
●安全帯取付金具
付属金物溶接条件 :
280A-32V-35cm/min-15kJ/cm
SA440-Uは、スタッドボルト、付属金物の溶接部硬さの上昇を大幅に抑制します。
5
SA440B-U, SA440C-U
溶接継手性能
■引張試験
溶
接
方
法
開
先
形
状
厚 さ mm
引張強さ N/mm2
破断位置
641
母材
645
母材
628
母材
523
ダイアフラム側母材
520
梁材側母材
切欠位置
vEo J
25°
炭酸ガスアーク溶接
80
80
入 熱：25kJ/cm
溶接材料：JIS Z3312 YGW21
10
20°
サブマージアーク溶接
45
45
入 熱：45kJ/cm
溶接材料：JIS Z3353 YES51
6
ダイアフラム
25
75
エレクトロスラグ溶接（十字継手）
入 熱：551kJ/cm
溶接材料：JIS Z3353 YES62/FS-FG3
40
35°
梁フランジ
CO2
300
SN490B
40
75
SN490B
■シャルピー衝撃試験
溶
接
方
法
開先形状（試験片採取位置）
厚 さ mm
45°ファイナル側
炭酸ガスアーク溶接
入 熱：25kJ/cm
溶接材料：JIS Z3312 YGW21
26
2
（ファイナル側 1/4t）
溶接金属
113
ボンド部
298
35°
HAZ
264
20°
（1/4t）
80
80
54
サブマージアーク溶接
入 熱：45kJ/cm
溶接材料：JIS Z3353 YES51
45
45
6
溶接金属
96
ボンド部
105
HAZ
288
ダイアフラム
入 熱：600∼650kJ/cm
溶接材料：JIS Z3353 YES62/FS-FG3
6
（柱材側）
40
エレクトロスラグ溶接
25
75
柱材
75
溶接金属
55
HAZ
55
《代表的な推奨溶接材料》
溶
接
方
法
JIS規格と種類の記号
JFEスチール
神戸製鋼所
JIS Z3312
YGW21
KC-60
MG-60
JIS Z3183
S624-H4
（ワ イ ヤ × フラックス）
KW-101B × KB-110
炭酸ガスアーク溶接
サブマージアーク溶接
JIS Z3183
S584-H
（ワ イ ヤ × フラックス）
US-49
× MF-38
JIS Z3353
YES62/FS-FG3
非消耗式エレクトロスラグ溶接
（ワ イ ヤ × フラックス）
KW-101B × KF-100
継手硬さ特性
■炭酸ガスアーク溶接
■硬度測定位置
供 試 鋼（厚さ）
SA440C-U（80mm）
予 熱
な し
開 先
レ開先
溶接条件（入熱）
310A-37V-28cm/min.（25kJ/cm）
表層下2mm
1/4t
300
300
表層下 2mm
1/4 t
250
HV10
HV10
250
200
溶接金属
母材
ボンド部
150
-40
ボンド部
150
HAZ
-20
0
20
溶接金属中央からの距離 mm 溶接金属
母材
母材
ボンド部
HAZ
100
200
HAZ
40
100
-40
-20
母材
ボンド部
HAZ
0
20
40
溶接金属中央からの距離 mm SA440-Uは溶接熱影響部の硬度上昇が小さく、高品質の溶接継手が得られます。
7
SA440B-U, SA440C-U
適
用
例
新潟スタジアム ビッグスワン 設計監理：
（株）日建設計
六本木ヒルズ 森タワー 設計監理：森ビル（株）、
（株）入江三宅設計事務所
8
パシフィックセンチュリープレイス丸の内
設計監理：
（株）日建設計、
（株）竹中工務店
明治生命さいたま新都心ビル ランド・アクシス・タワー
設計監理：
（株）日建設計
ご注文に際して
用途・加工方法をお知らせ下さい。
例えば、溶接四面ボックス柱、貫通ダイアフラム等。
注） 溶接四面ボックス柱のスキンプレート等、鋼板の厚さ方向に応力が加わる部材
として使用される場合は、C種をご指定下さい。
9
Cat.No.C1J-006-00
http://www.jfe-steel.co.jp
本 社 〒100 - 0011 東京都千代田区内幸町 2 丁目 2 番 3 号（日比谷国際ビル）TEL 03(3597)3111 FAX 03(3597)4860
大 阪 支 社
〒530-8353 大阪市北区堂島 1 丁目 6 番 20 号（堂島アバンザ 10 F）
TEL 06(6342)0707
FAX 06(6342)0706
名古屋支社
〒451-6018 名古屋市西区牛島町 6 番 1 号（名古屋ルーセントタワー 18 F）
TEL 052(561)8612
FAX 052(561)3374
北海道支社
〒060-0005 札幌市中央区北五条西 2 丁目 5 番（JRタワー 17 F）
TEL 011(251)2551
FAX 011(251)7130
東 北 支 社
〒980-0811 仙台市青葉区一番町 4 丁目 1 番 25 号（東二番丁スクエア 3 F）
TEL 022(221)1691
FAX 022(221)1695
新 潟 支 社
〒950-0087 新潟市中央区東大通 1 丁目 3 番 1 号（新潟帝石ビル 4 F）
TEL 025(241)9111
FAX 025(241)7443
北 陸 支 社
〒930-0004 富山市桜橋通り 3 番 1 号（富山電気ビル 3 F）
TEL 076(441)2056
FAX 076(441)2058
中 国 支 社
〒730-0036 広島市中区袋町 4 番 21 号（広島富国生命ビル 7 F）
TEL 082(245)9700
FAX 082(245)9611
四 国 支 社
〒760-0019 高松市サンポ−ト 2 番 1 号（高松シンボルタワ− 23 F）
TEL 087(822)5100
FAX 087(822)5105
九 州 支 社
〒812-0025 福岡市博多区店屋町 1 番 35 号（博多三井ビルディング 2 号館 7F）
TEL 092(263)1651
FAX 092(263)1656
千葉営業所
〒260-0028 千葉市中央区新町 3 番地 13（千葉TNビル 5 F）
TEL 043(238)8001
FAX 043(238)8008
神奈川営業所
〒231-0011 横浜市中区太田町 1 丁目 10 番（NGS太田町ビル 4 F）
TEL 045(212)9860
FAX 045(212)9873
静岡営業所
〒422-8061 静岡市駿河区森下町 1 番 35 号（静岡MYタワー 13 F）
TEL 054(288)9910
FAX 054(288)9877
岡山営業所
〒700-0821 岡山市北区中山下 1 丁目 8 番 45 号（NTTクレド岡山ビル 18 F）
TEL 086(224)1281
FAX 086(224)1285
沖縄営業所
〒900-0015 那覇市久茂地 3 丁目 21 番 1 号（國場ビル）
TEL 098(868)9295
FAX 098(868)5458
海外事務所
ニューヨーク、ヒューストン、ブリスベン、ブラジル、ロンドン、ドバイ、ニューデリー、ムンバイ、シンガポール、バンコック、
ベトナム、ジャ力ルタ、マニラ、ソウル、北京、上海、広州
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03.4- 1 -1、SP シ