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Title 高分子の流体効果,DNA凝縮 - Kyoto University Research
Title Author(s) Citation Issue Date URL 高分子の流体効果,DNA凝縮 : 科学者の楽園インドバンガ ロールより 菊池, 伯夫; 石本, 志高 物性研究 (2008), 89(4): 449-526 2008-01-20 http://hdl.handle.net/2433/110990 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 89-4 ( 2 0 0 8 1 ) 物性研究 高分子の流体効果, DNA凝 縮 一科学者の楽園インドバンガロールより 菊泡{自夫¥ 1 石本志高 t 1 ¥ ! I a t t e rTheory , D e p a r t n l e n to fP h y s i c s, l n d i a nl n s t i t u t eo fS c i e n c e, B a n g a l o r e5 6 0012l n d i a ↑C e n t r ef o rCondensed +Okayamal n s t i t u t ef o rQuantumP h y s i c s, 1 9 1Kyouyama, Okayama7 0 0 0 0 1 5Japan (2007年 9月 20日受理) はじめに ま?大きい 高分子,膜,液晶等を務めとするソフトマ歩一{柔らかい凝縮系,複雑涜体とも呼ばれる)I 肉部自畠度に起居する多種多様な静的・動的性貫を示し,学衛的側面のみならず医学・工学的応用の面 〈例えば薬品設計?液晶ディスプレイ等〉からも注呂され,現在なお発展している分野である.また統計 力学等の理論を実験・テストするの!こも理想的であり,より複雑な生物の問題との顎保も含めて興味深 い系である.今回はソフトマタ一物理の話題のーっとして?高分子の涜体効果に注目する ソフトマター のみならずう細抱内環象のような生物物理ラ非平葡現象でも流体i ま重様な役割を果たすからラ流体効果を ま意味がある.またヲ実質ソフトマターの問題だが?その生物物理的な応用話題と 扱う手法の開発と応掃 i して半題菌性高分子鎖のウイツプ・トロイド転移 (DNA凝縮〉を述べる.各章 i ま次のように構或される. 1-3章では,溶接中の高分子ダイナミクスにおける流体効果i こ関する問題を扱う. 1章で初めに,高 分子ダイナミクスの流体効票を扱うシミュレーションモデルとして,ハイプ、リッド MDjSRD法を紹介 く する.このモデルは生体膜(ベシクル,赤血培), DNAのマイクロチャネルでの運動を初めとして p 多 のソフトマターの問題で用いられている.モデルの導入後?高分子鎮の平衡ダイナミクスの一里塚であ ouse(流体効果なし)jZimm(流体効果あり)ダイナミクスがモデルで成り立つことを示す. る)R 2章で f ;t,実験で今なお動的過翠の観1 ' 1が難しく 3 流体シミュレーションが当時冨難であったうコイ jレ・グ a ビュー jレ転移のキネティクスについて議論する.シミュレーションの知見より?コイル・グロ ビュール転移のキネティクスを現象論的に説明し)1 9 8 5年に d eGeuuesによって提唱された理論以来 一致した見解がない問題の決着を試みる.ここでキネティクスにおける流体の役割と重要性が明らかに なる.次節以降への理論的準舗とウォーミンゲアップも兼ねて,理論誌なるべく重惑的かつ物理的に丁 寧に解説した. 高分子の流体効果の最後となる 3章で i ま?単一高分子鎮の一端を力 F で粘性流棒中(溶接)を引っ張 るときのドリフト・ダイナミクスの問題を語べる.ここで R ouse/Zimmダイナミクスを,ランジバン 方程式と等備なフォッカ-.ブランク方程式経患で定式化することで?場の理論的扱いが可能となる.ま た,流体効果はくりこみ群の方法によって扱う.カの大きさ,高分子鎮長によって,夕、イナミクスが劇的 支・末諸問距離の力への非線影芯答を謡べる. に変わることを示しラ高分子鎖の平均速 j 4章で i 式 2章の話題である題曲性高分子鎮のコイル'グ司ビュール転移の問題に対をなす,よりス ティフなワイヤー・鞭のような半屈曲性高分子のウィッブ・トロイド転移の爵題を議論する.この問題は DNA凝縮実験と竃接際保があり?興味深い問題である.0 ( 3 )非線形シグマモデルと経路積分表示を用 いることで?ウイッブ・トロイド転移が定式化できる.ウイップ,ト aイド状態を運動方程式の古典解と reen関数も摂動議 して導きヲエネルギー準位などを議論する.半屈曲鎮の種々の形状を与える,有効 G cが,鎖長のオーターが変わっても L = 4 0 0-5 0, O O O b p で計算する.また)DNAトロイドの平均半径 7・ 6 . 6 μr n )I まとんど変わらないと言う不思議な実験事実 Tcr v L V , 指数 v~O に対し?物理 ( 1 3 2 . 8nm-1 量の相互作用聖依存性を譲べることで,この問題に薪たな解釈,答えを提案する.最後に DNA凝縮の実 験と比較し,定量的一致を克る. z I本 稿i ま、編集部の方から特にお顕いして執筆していただいた記事である。 -449ー 菊池伯夫、石本志高 5章では,科学者の楽園インド・バンガ E ーんから 1 著者 (NK)のインド科学研究所藩在記(奮爵記7 ) をレポートします.日本ライギリス,ドイツでの研究生活を経て,インド科学研究所への大移動となった 今@l,インドならではの様々なハプニングや?素晴しい出会いが待ち受けていました.研究という仕事に 護わるようになり,それにより多くの素晴らしい人々や?文化との薪鮮な出会いが B々与えられること に幸せを惑じます.移動には慢れたはずであった著者を常に剥激し,髄ませヲそれでもなお飽きさせない インドの魅力を,生活の初期セットアップを中心に報告させていただきます. -謝辞本稿の内容の i まとんどはう素晴しい共同研究者達と共に成し遂げたものである.1ヲ2 章のコイ J レグロどュ -JI;転移の問題は?イギリス Oxford大学理論物理の J u l i aYeomans 氏との研究で?博士論文の一部から抜粋した.彼女の厳しい指導と叱時激励なしに i ま ouglasAbraham氏 う 終えることはなかったであろう.また,有益な助言をいただいた D JohnCardy氏 ヲ C h r i sP o o l e y氏にも惑謝申し上げたい. 3章の高分子のドリフト運動の研究は?ドイツ H a l l e大学理論物理の SemjonStepanow 氏との共同研究である.素靖しい研究環境と時間を与えてくださった Stepanow氏と, Trimper氏に惑謝申し上げたい. 4章の DNA凝縮問題は,ドイツ1¥t l a i n z大学物理の KurtBinder氏のグループ, H a l l e大学にいたときのものでありヲ現在開山光量子研究所 の共著者石本志高まとの共同研究である.マインツグループメンバーとの議論は大変 有益で、あった. また?本稿の執筆を勧めてくださった東北大学物理の内田就也氏,これまで数々の日本 での議論の場を提供していただき叱時激励いただいた東京大学物理工学の土井正男氏? 東京大学の田中肇氏?東北大学物理のJlI 勝年洋氏,学部詩代に学問の魅力を伝えご教示 いただいた鈴木増雄先生,吉江修ff;インド滞在紀にイラストを提供していただいた アーテイスト渡遺あしな氏物性研究執筆の際お世話になった野坂氏に,この場を持っ て心から惑謝申し上げる 2 0 0 7年 9月 声 hd n u 4 DNA 凝縮 高分子の流体効果、 一科学者の楽霞インドバンガロールより- CON'TENTS 4 6 7 4 6 7 4 6 8 • • . . a 術部制燭制働組側似側側関知郎防問問 • . . 司 iQUQU • . . 44579002 3 ヌUQM 84ad斗・ 8 4 A 9 d 4 A s a斗 a I . 0 i ウ'門 a 司 i 4 半届菌性高分子鎖の低エネルギー状態とウィップ・ト 5 イド転移 4 . 1 イントロダクション 4 . 2 半題曲性高分子鎖のモデル. ,. . . ~ . .. 4 . 3 0(3)非線形シグマモデ jレ 4 . 4 吉典解?ウィップ・トロイド転移... . ... .. • • . . 4. 4. 1 吉典解. . ,. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4. 4. 2 s lカ梧互作用ポテンシャ jレ.... • .. 4. 4. 3 トロイド?ウイップ状態 4. 4 . 4 エネルギー準位,ウイップ・トロイド転移 4 . 5 安定性?ゆらぎ,喪動論. 4 . 5 . 1 安定性..... .. . • .. .. .. .. .. .. .. • .. • .. 4 . 5 . 2 低エネルギー有効 G r e e n関数 4 . 6 トロイド平士号 クロスセクション半径の相互作用故存性..... • 4 . 6 . 1 デルタ関数型 s l力 . 4 . 6 . 2 Vand e rWaalsポテンシャんと有頭サイズ効果... .• . ... 4 . 6 . 3 湯川ポテンシャ jレヲー設論. 4 . 7 実験との比較 司 i A告dιZA せ 3 理想高分子鎮のドリフトダイナミクス 3 . 1 イントロダクション 3 . 2 フオーマリズム. 3 . 3 ドリフト速度の摂動計算 3. 4 縦方向サイズの摂動計算. . 3 . 5 結集 3 . 5 . 1 弱い力舟場合 3 . 5 . 2 強いカの場合 3 . 6 まとめ a おおお日おお釘目印 2 コイ jレ・グロピュール転移のキネティクス 2 . 1 イントロダクション 2 . 2 現象論的モデル dadsAa4444444 1 高分子の涜体効果 1 .1 イントロダクション 1 . 1 .1 平傷状態での性質. . 1 . 1 .2 動的性貫. .. 1 .2 高分子ダイナミクスのシミュレーションモデル. . 1 .2 . 1 高分子鎖のモデル. • 1 .2 . 2 溶接モデルと高分子鰻の流体力ップリング 1 .3 良溶接中でのスケー 1 )ン グ . 1 .4 図 ・& Fhd τ t A a 菊地位夫、石本志高 5 科学者の寒国インドバンガ Eーjレより ー イ ン ド 科 学 研 究 所 滞 在 記 -Since15/07/2007 5 . 1 5 . 2 5 . 3 4 5. 5 . 5 5 . 6 5 . 7 5 1 5 入 国 編 . .....• • ....• ............• .• .........• ..• .... 5 1 5 薦インドの食事について. .• • • • ~ • • ..• • .. • • • • • • .・. • • .• • • .• • • • .5 1 6 インド科学研究所. • • .• .• • • • • .• • • • • • .• .• • • ..• .• • • • • • • • • • • 5 1 8 キャンパスライフ. • . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 1 8 バンガローんの風景 . . • • • • .• • ..• • .. .. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . • • . • . . . . . 5 2 1 ラマヌジャンハウス .• .• • ..• ..• .• .• • • • • • • • • • • ..• • .....• • • 5 2 3 インドと言う国. • • • • . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . • • . . • . . • . • . . . • . • . . . . . . • . 5 2 3 a ιH A守 FD つ DNA 凝縮 高分子の流体効果、 一科学者の楽冨インドバンガロールよりー CHAPTER 1 高分子の流体効果 1 . 1 イントロダクション この章で 1 1,希薄溶液中で、の高分子(ポ 1 )マ-)の運動に注目する . 8常的な高分子の例としては, チューインガム?ピザの上のチーズなどが患い浮かぶで島ろう.溶媒中での高分子の運動を理解すること は,生化学等の学衛的側面はもとより,工業的応用の密からも重要である.先ず予礎知識として?高分子 の静的・動的性賓を特撮づける基本的な量についてまとめる.詳しくは土井・ Edwardsの教科書等 [ 1, 2 ] で詳しく書かれているので?ここで i ま重要な性覧のみまとめる.希薄溶;夜中で、は,高分子鎖の各モノマー h y d r o d y n a m i c .i n t e r a c t i o n )がヲ高分子の動的援る舞いに重要な役 セグメント慢の流捧力学的棺互作用 ( 1, 2 ] . 裂を果たすことが分かる [ 1 . 1 .1 平衡状態での性質 高分子鎮の静的特性を特徴づける最も基本的な量の一つ 1 1,その平均的な拡がりの程度(大きさ)であろ う.これは橿性半窪によって次のように与えられる 右 芸 (R一 九)2 噌 Rg2 = Np i ここで Riは i番巨のモノマーの位置 Npl まモノマーの数,Rc 'Tn f ま高分子鎮の童心 R crn= ( 1 .1 ) 走ZZR4 を表す.この性質はよく知られていて [ 1, 2 , ] Npが大きいとき次のスケーリングに従う Rg~ N;l I I まボンド長う指数 νi まモデルのミク口な詳紐によらない普遍的な量である. ( 1 .2 ) u FhU 、 町 4 菊池伯夫、五本志高 高分子鎖が良溶媒中または高温環境にあるときラ高分子鎖は拡がった状態で存在し,指数は ν=0.588 (良溶媒)となる.これはモノマーセグメント閉の排除体穣効果が重要となり?有効相互作 F 震が斥力とな 容媒または抵温環境では, vand e rWaals主力(またはモノマーと溶媒粒子の斥 るためである.一方?貧 j 力)が排除体讃を上田りうモノマ一間の者効棺互作用は引力となる.よって?高分子は球状のグロビュー ル形態を取る ν=0.333(貧溶媒).排韓{本積と有識引力がバランスするとき?高分子鎖は理想、鎖(ガウス 鎮)のようと振る舞い,この渥度は@温室と呼ばれ,指数は ν=t{@溶媒)となる. 1 . 1 .2 動的性質 高分子鎖の動的特性i ま,重心の拡散定数で、特徴づけられよう [ 1, 2 J .コロイドのブラウン運動(流体効果 なじ)は,アインシュタインのブラウン運動理論で記述され,拡歎定数は次のようになる DL=千 ここでう k Bは Boltzmann定数 τ TIま逼度,10I まコロイド粒子に作用する産擦標数を表すを 高分子鎖の運動を,ビーズ(モノマ一)がパネでつながれたバネビーズモデルのブラウン運動でモデ 9 5 3年 , Rouseによって初めてモデル化されたが [ 1, 3 ],Rouseモデ ル化するのは自然であるう.これは 1 ルでは排除体積と流体効果が無視されている.よって,高分子はガウス鎮 ( e溶媒)でありヲ童心の拡散 定数と特徴的な緩和詩聞は次のように与えられる D 3 7 1A T γ lV+2u, (Rou 吋. ア ラ 工 (3 ) ここで νは平衝での憧をとる.しかし?これらは実験結果と一致しない.。溶媒では,実験植は次のよう になる Dcmr v, N戸 1 / 7T lV ぺ ( E x p e r i m e n t ). ( 1 .4 ) この矛震はモノマーセグメント間の流体力学相互作用を無視したためである.あるモノマーが動くと? そ札によって生じる涜体効果が溶媒中を伝殺し?弛のモノマーの移動度に影響を与える.なお, Rouseモ ま高分子メ jレトをよく記述することが分かつている [ 1, 2 ] . デル i 1 9 5 6年に Zimmは高分子ダイナミクスへの流体効果を, Oseenテンソ jレを用いて解析した [ 1ラ 4 J . Oseenテンソんはヲ移動度マトリクス Hn T n を与える.半径 αの粒子が静止した粘性 1 7の流体中に多数 n= 1 , 2, ・ ・ .)がビーズに加えられると,ピーズは定常速震 Vnで動 浮遊している場合を考える.力 Fn ( く.カが弱ければ速度との線形関係が得られる 九=乞 Hnrn ( 1 .5 ) 1) , 非正縮性流体の流体力学方程式 ( N a v i e r S t o k e s方程式)を?榎性項を無視し, S t o k e s摩擦と =6π17α を用 ふ A告 に1 . V A 高分子の淀体効果、 DNA 凝結 一科学者の楽冨インドバン芳、ロールよりー いて解くと?移動車マトリクスを得る Hnrn=~仰向α) , IT(Rn-Rrn). ( n=m) ( 1 .6 ) (nヲ6m) ここで O seenテンソル T は 町村二 ~rヰ+ 1, π ηr Lγ ( 1 . 7 ) ろ Iは単位行列である. Zimmはこれらの結果を用いて?バネどーズモデルを解析した [ 1, 4 ] . ここで HnrnI ま (Rn-R rn) の非線型関数であるため,高分子の運動方程式も非線形となる.方程式を評僅するため, Zimmは移動変 p r e a v e r a g e近松)を行った ( H n r n )e q ' マトリクス Hnrnを平衡での{直で置き換えると言う大変荒い近叡 ( しかし後 i 二?この近i 訟を用いて計算した童心の拡散定数は,くりこみ群の方法等のより洗練された方法 1 J .。溶媒での Zimmモデんのスケーリ で計算された値と 10%程度しか違わないことが分かっている [ ング賠は次のようになる ず ぺ DZz Np-U( Rg-1), "1 Tr" (Zimm) ( 1 .8 ) これは実験(1.4 )と一致している.なお,排徐体穫効果を考嘉した場合(良溶媒)のスケーリング剥も, Rouse( 1 .3 ),Zimrn( 1 .8 )モデんで与えられており ν =0 . 5 8 8となる [ 1 J . 1 . 2 高分子夕、イナミクスのシミュレーションモデル このセクションでは,高分子ダイナミクスにおける流体効果を扱うシミュレーションモデルを紹介する. 希薄溶液中で、の高分子ダイナミクスのシミュレーションは 2 広範冨にわたる時間,長さのスケールのため 難しい.高分子の動的特性は流体力学梧互作用によって支配されることが前節から分かる.各モノマー の熟ゆらぎの時間スケールに比べ,涜体力学梧互作用はゆっくりと伝搬する長距離作用であるため?数 値的に流体効果の効いてくる時間のスケールに,高分子・溶媒粒子双方に関し?分子動力学法で到達す るのは難しい. 8 1 5 J . この問題を解決するため?メゾスケール淀体シミュレーションモデルが近年盛んに顎究された [ メゾスケールモデルと i 式撤視的な系を扱う分子動力学法や, e視的な系を扱う N a v i e r S t o k e s方謹式な どの既存の方法では扱いが難しい中間のスケールにおける流体効果を扱うためのシミュレーション法の 総称である.高分子や生体膜系においては特にう溶媒の熱揺らぎ効果を含む流体力学相互作障が重要な u F同 a今 FD 菊浩イ富夫、石本志高 役割を果たす. 9 9 9年に M a l e v a n e t sと Kapralによっ ここではう溶媒の流体効果を扱うメゾスケールモデんとして, 1 て提唱された SRD法 ( s t o c h a s t i cr o t a t i o ndynamicsm o d e l )[ 1 4, 1 5 ]に注目する.この手法ではヲ輸送{系 数(粘性?摩擦{菜数ラ拡散定数など〉が統計力学・還義論を用いて解析的に厳密に計算でき,数僅計算と の完全な一致も得てモデルが制御可能であることが確認されている [ 7 ] .また,非平衡における涜れの結 果を扱うためには欠かせない,ずり〈シアー)境界条件等もモデんに導入されている. SRD法はアルゴ リズムが非常に簡潔なため,並弼計算機などを用いずとも大規模かつ効率の良い計算が可能である.ま た粒子ベースのモデんであるため複雑な形状の境界も憧単!こ扱え,多くの数値計算法に晃られる 境界 3 点もある [ 1 6 ]. {車問題に起因する不安定性がないと言う事i 溶震である高分子鎖を分子動力学法でモデル化し、 SRD法によってモデル北された落蝶と力ップリ : 去),高分子鎖が既知の静的・ ングすることにより高分子溶液を実現し{ハイブリッド分子動力学・ SRD5 I に従うことを示す.なお, SRD法の解説と輪送係数の計算等法文献 [ 7 , ] MDjSRD 動的スケーリング員J 法の高分子系でのシミュレーションは文献 [ 1 6, 23, 2 4 ]を参顛されたい. 1 . 2 . 1 高分子鎖のモデル 高分子鎮は?モノマー(ビーズ)がパネによってつながれた,バネ・ゼーズ模聖 [ 1 8, 2 2 ]でモデ jレ北され こ沿った隣り合うモノマ一間の謹離は?有効 Kuhn長 ( p e r s i s t el 1c e長}を表す.バネ i ま伸びが有限 る.鎮i である非線形バネ, FENEポテンシャんにより与えられる = 伊1 + (土r ], r<Ro ( 1 .9 ) r ) ここで T はモノマ - iと j間の産離であり ,Roはバネの伸び最大長を表す. 良溶媒中では?高分子の各モノマー排捺体穫効果が効いてくるため?高分子鎖は理想、鎖{ガウス鎖)に 比べより拡がった彰状をとる.この排除体積効果(斥力相互作用)は,モノマ一間で作用するシフトされ euuard-JO l l e sポテンシャ jレでモデル化される [ 1 9, 2 2 ] たL ε E ﹃E I--J + zpf J ' a z a u 、 ‘ 9 一 , ノ b ﹄ ミ 、g-T A 円4 , 宅 σ 一 T 、 、〆 , , . ‘ . r Z E L F 4 A 、 z , ノ ︾ it itEJ 一 一 q' ‘ 、 、 J ' z a , O OF- , G e a L V 7 ・< 2 tσ ? ( 1 .1 0 ) r>2 tσ . 貧j 容媒中では,高分子鎖は表面エネルギーを最小にするため,コンパクトな球状のグロビュー J レ務態 e n l l a r d Jo n e sポテンシャル [ 1 9, 2 2 ]を用い をとる.これはモノマー排除体積と長距離引力相互作用を L ることで記述される 唱 、もき,F ' A 噌 'Z4 、 毛 'A r ' Z 41ititil-﹁I 00 〆 ¥Ef/ 4 一 γ σ It'、 s- 4 内 ¥ミESS/ 唱 ' ・ e 一γ σ F﹄ /tEt-- At 、 、 r a g g a E 2 2 L 、 、 毛 筆a q' , , , r ' 審 ミ 、 一 一 07d T O WL FhU A性 FO 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 -科学者の楽園インドパンガ官}ルより- Kremerと G r e s t[ 1 8 Jに従い,パラメーターは r e d u c e dLennard-Jones単位で次のようにとる ε =1 . 0, σ =1 .0,κ=30ε/σ. 2,Ro= 1 .5 σ.なお, FE 詩Eポテンシャルで Ro= 1 .5 σ を用いることで,ボンドが 1 8 ] . 互いに横切るのを避けることができる [ 高分子の運動は分子動力学法でシミュレートする.ここで?ニュートンの運動方程式は v e l o c i t yVerl e t アルゴリズム [ 1 9 1を用いて解く.分子動力学法のタイムステップは ,O t!.fD = 0 . 0 0 2o tとするーここで 3 o tは(1.1 2 )で定義された溶媒の c o l l i s i o nステップ罰の時間である.以下白 =1でシミュレーションす るが?これは高分子が分子動力学法に従い 5 0 0ステップ動いた時 ,i 容 嬢とカップリングすることを意味 する.マルチタイムステップを採用することで,懇運動する高分子と,ゆっくりと緩和する流体力学的椙 互作用と言う, 2つの異なる時間スケールの運動を効率よくモデル化できる. 1 .2 . 2 溶媒モテ、んと高分子鎖の流体力ップリング 溶媒のダイナミクスは, S t o c h a s t i cR o t a t i o nDynamics法 (SRD法)によってモテ、ん化する [ 1 4ぅ1 5, 2 3, 2 4 ] . 溶媒 i ま非常に大きい N = 1 3 1 0 7 2鐙の質量 m の質点粒子からなり?各粒子は連続空間を連続な速度分 r e e 布でラタイムステッブ関需で動く.アルゴソズムは以下の 2つのステップからなる.先ず初めに, f s t r e a m i n gステッブによって?時刻 tにおける各粒子の位置 Ti(t)がアップデートされる 。 向 + Ti( t + o t )= Ti( t ) ) o t . ( 1 .1 2 ) ここで?間的は粒子速度 ,d tI ま溶接粒子のヲイムステップで 8 t= 1とする. o l l i s i o ns t e pを溶接粒子と高分子の罰方に行う.系!まー涯の長さ αのセ jレジ /αd留からなる 次に c d次元正方格子に粗視 4 とされる{函1. J ) . シミュレーシヨンでは α =1,L = 32,d= 3次元を用いる. Is.畏はなく何題でも詰めることができる(ただし系の粒子数 i ま一定である). なおヲ各セ jレ内の粒子数に事J c o l l i s i o ns t e pf まセんごとに実行する.粒子 iの速度をアップデートする場合?先ず初めに粒子 tの入った L . . . . . ・ ・ . . . . . . . .・ . • . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・ . .. . •. '. . -. . ' . . . : . . . . ー~ . ・ ・ ・ • . . . . . _ . . . . . . j . . . . _ . . . . . . . _ . ・ . .. ・ . ・ ・ . . . . _ . : _ . ・ .. •• . . . . ・ ・ . . : J . . . _ . . . . _ . . . . . . . _ _ _ .e _ .. . . . . . . . ・ ・ ・ . ・ ・ . . . . _ . ・ ・ ・ . . ・ ' 。 •. . _ . . . 1 .・ ・ ・・ • ・••. ・ . . ・ _ ー - 1. • ....~ . . . .~. ー - , 6 +J.l . • ' 1• _~. ,. . 4 . : . .~_~ .- ~ ~_. • J . ... . . . . " ' L . -- - ...-.-.-_ e _e-. ー ー ー ー ー ・ 惨 - •• - = ----_ . • • 1 -• • 1 . : . : .~ , -e ' ‘ • f, . . , . ー - i ~., , ". .f, . . ‘.f_ 4 砂 -. . - ...~. 1 . L .L.I •_ ' 8 .o , , , . +-11炉 a F i g u r e1 .1 :系の租視北 セル内にある全ての粒子の童心速震 Vcm( t )を計算する.次i こ?粒子 iのセルの重 11)速震に対する相対速 i 円 A吐 z u 菊池信夫、石本志高 度を自転し‘アップデー卜する ( t +8 t )= 杉i +R (Vi( t )-Vcm( t ) )• ( 1 .1 3 ) Vcm( t ) R は,速度を杏タイムステッ 7- セ jむごとにランダムに選ばれた d次元空間上の轄の回りに?国定自転 角 α(0<α 三π )だけ自転させる毘転行列を表す.なお毘転角は系の粘性?拡散定数などに影響を与える 7 }を参照ト (理論とシミュレーシヨンの輸送係数の詳細は,文献 [ まf r ee -s t r e a m I u g,c o l l i s i o nの高ステップに関して不変であるから,系はミクロカノ 位椙空間の体藁 i 1 4 J .溶媒粒子の初期分寄としてうセ jレの平均粒子数密度が γとなるように,系 ニカル分脊で記述される [ 内部に粒子をランダムに配量した.粒子速度 iはま一様分布から与えた(←一 V,nα z古三壬~vO' α 三 Vm,aωx) 似 ( 〈 α 主 =丸 x, ヲ 払 Y斗 z ) . ‘ ここで 叫 U叫 ? 打 … ? J V I 杭 a文we 必i 註 l B o l 民 l 匂 t z Z l n 肌 a nu分布に緩和する.なお系全体の正味の運動量i ι 粒子の初期速度分布を与え である五 すればならない [ 7 J . たときゼロにしな i モデルの初期段階にう低温で溶媒の輸送係数が異常を示すことが I h l eと K r o l l[ 2 0 ]によって指摘さ r e e -s t r e a m i n gステップでセルを出ずに留まり,同じセ jレ肉 れた.これはういくつかの粒子が低温のため f o l l i s i o nステップに参加し分子混沌の復定が破れるからである. I h l eと K r o l lは c o l l i s i o ns t e p で恒震も c の ~I二,各セんをランダムな位霊に配置することで問題を解決した,このグリッドシフトを龍単に実行 すると i ま,全ての粒子を院じランダムベクトル{ただし各或分は [ a / 2,α / 2 ]の間の値をとる)だけ,各 c o l l i s i o nステップの前に動かせばよい.そして C O l l i S i O l lステップ後に元の場所に戻せばよい.グリッド シフトの結果として,分子混沌の仮定の田復はもとより?系内部の運動量の缶達も加速されるため,系は より早く緩和する.今回のシミュレーションではグリッドシフトを用いた. C o l l i s i o nステッブは溶媒粒子と高分子の盆置には影響を与えないが,与えられたセル内で高分子モ o l l i s i o nステップでセんの運動量とエネルギーは保存されるか ノマーと溶接粒子は運動量を交換する.c ら,すなわち員所的に質量,運動量,エネルギーが保存するため,連続体謹援で涜体力学方程式が獲得さ 1 4 ] . 実際, SRD法に関し Malevanetsと Kapral[ 1 4,1 5 ]により?長さと時間に関する Chapmanれる [ Enskog展需を行うことで N a v I e r S t o k e s方程式が導かれている.よって?涜体力学的相互作犀は溶媒を 介し 高分子に伝搬する(注:高分子が c o l l i s i o nステップ l 二含まれているためである).特筆すべきは?溶 3 媒粒子のミクロな詳細は無視されていることである.よって,流体力学的相互作用を最小のコンピュー ターパワーで、モデル化するのが可能となる.なお,モノマーのサイズ(排除体積)をセんの大きさと詞じ 程度に取ることで?同じセ jレ内で数値の高分子モノマーが運動量を交換するのが避けられる. 特に役立つ特徴として, SRD法は流掠力学的相互作用効果を簡単にスイッチオフできる.従って,ハ o l l i s i o l l イドロダイナミック溶接(熱浴)を?ブラウニアン溶接(熱浴)にかえることができる.これはラ各 c ステップ後に,全ての溶接粒子速度をランダムに棺互交換することで実現できる.当然ヲ系全体の運動量 FhU OO 4 4 高分子の流体効果、 DNA 凝結 -耗学者の楽冨インドパンガ E ー ル よ り - i ま保存されるから?この操作は涜体力学方程式を獲得するのに必要な馬所的な運動量保存の条件を,系 全体の運動量保存則i こ緩和したことになる.よって,流体力学的相互作用を生じる董接の原因である溶 1 1 -Boltzmann分布はいずれの場合も成り立っていることに注 媒中の速度椙需が消える.ただし, Maxwe 意されたい.シミュレーションを需じ初期条件とパラメーターで,しかし?涜体熱果ありと無しの場合で シミュレーションすることで?涜体の効果をどンポイントに晃ることができる. 特に言及しない隈り,シミュレーションではパラメ一歩ーを,溶媒の平均粒子数 γ=4.0,溶媒粒子賓 量 m=4.0,高分子モノマー質量五f 二 1 6 . 0,寄媒の回転角 α =子系の大きさ L=3 2,; , 星 度 kBT=0 . 8 とする. 1 . 3 良溶媒中でのスケーリング このセクションでは前節のモデルを用いて?良溶媒中での高分子鎮の静的・動的性賓を調べる.よく知 られたう静的・動的スケーリング射がモデんに関し成り立つことを示す.異体的にはう高分子鎮の慣性半 g( 1 .1 )と重心の拡散定数 径R Dcmを評{面する. e n n a r d Jo n e sポテンシャル(1.1 0 )でモデル生する [ 1 9, 2 2 } .長さ モノマー排除体積はシフトされた L Np の高分子鎖を,温度 kBTj ε=0.8の手衡状態にある良溶媒中 i こ入れ, 1 0 0, 000溶媒ヲイムステップだ けシミュレートし平衡化した • Np = 1 6, 32, 64, 80, 1 0 0, 1 2 8, 1 5 6, 200の各高分子に爵しヲ統計的に独立 00, 0 0 0溶媒の時開ステップシミュレートし,慣性半径,童心の拡散定数をブ、 な 4つのランで,十分長い 4 ラウニアン溶媒(流体効果なし Lハイド口ダイナミック溶媒{流体効果あり)で計草した.ここで重心の 拡散定数は,グリーン・久保の公式を用い 2 童心の速度相関関数を積分することで環IJった [ 2 1 } . 函1.2 1a:,長さlV 6, 3 2, 6 4, 80,1 0 0, 1 2 8, 1 5 6ラ 200の高分子鎮の慢性半窪 R gをプロットしたもので p =1 g あり ,R 1'-./ N;で握数 ν=0.586土 0.012である.これは?理論とモンテカルロ等のシミュレーションでよ . 5 8 8とよく一致する.またラ貧溶媒中での慣性半径の値はう長さ Np =60, 1 0 0, 2 0 0, 3 0 0 く知らむた値 ν =0 の高分子鎮に関し(医1.3 ),指数は ν =0 . 3 2 3土 0 . 0 0 3であり,これも理論檀ジニ 0 . 3 3 3とよく合っている. 図1.4と1.5に,それぞれブラウニアン?ハイドロダイナミック溶媒中での規格北された重むの相関 爵数の数僅計算結栗を示す P一lf 一U ノア U n u i AU 4ι-nu u 一旬 一 一 4 ' ν C ( 1 .1 4 ) ブラウニアン溶媒中では ,C ( t )I ま亘接ランジバン方程式から得られる[?, 1 } C ( t ) 作( O ) ' v( 0 ) )e一 長t ( v( O ) . v( 0 ) ) = ε一 長 ( 1 .1 5 ) Fhd A竺 QU 菊池佑夫、石本志高 ここで ,( v( O ) . v( 0 ) )=菩まきである誕って C(t)は鎖長 Nplこ関して独立であり,各デ 5 1は 1粒子の )のグラフに一致する.これは Rouseモデルの特徴的な振る舞いである. 速童相関麗数(図1.4 まど, 図1 .5I t,ハイドロタイナミック遺媒中の高分子鎮の重心速震相関 C ( t )を表す.鎖長が長い i o n gt i m et a i lは,流体効果 C(t)が時間と共にゆっくりと緩和するのが晃られる.この?流体効果による l を考嘉した高分子鎖の Zimmダイナミクスに特徴的な挙動である.また?ブラウニアン・ハイド Eダイ .7,1 .81こ示す.それぞれの差は?読体の効果を表して ナミック溶媒中での速度棺関頭数 C ( t )を図1.6,1 a i l sが見られる. おザヲより長い鎮ほど,より長い hydrodynamict 容蝶中で 童心の拡散定数はそれぞ、れの j C (吟をグ 1 )ーン・久保の公式を用いて積分することで得られ る.函1.9に 3ブラウニアン溶媒中での重むの拡散定数 D 3 7 1の韻長 Np依存註を示す.見事に ,Rouseス ケ-1)ング (D571 lE-1)が成り立っていることが分かる. B r o w n i a n )と Zimm( h y d r o d y n a m i c)の 2 一方,ハイドロダイナミツク溶媒中では ?D21は Rouse( つの効果が混在するが,十分長い高分子でほう Rouse項 ( , , , Np-1)(まZimm項 ( r v~-O , 588 ( r vRg-l))に 比べ阜く緩和する.従って 3 この撞嬰では D~n r vRg-1 ( c h a p t e r1 )のようにスケールする.しかしヲコ ンピュータシミュレーションで扱うような比較的短い高分子では,しばしば Rouse項の寄与は無視でき ない.よって, Zimm項の寄与を見るためヲ Rouse項の寄与をハイドロダイナミックな溶媒で得られた拡 散定数 D ! ; n-D f n .から差し引くことでヲ純粋な流鉢効果 (Zimm項)を見る.この結果 Dι-D371を 寵性半径 Rgの関数として?図1.1 0に示す.鎖長が長くなるにつれ 2 拡散定数のハイド Eダイナミック f ' JRg-l)に達することが分かる. な寄与が?期待される Zimm極限 ( t,シミュレーションモデんがうよく知られた高分子鎮の Zimm. Rouseダイナミ このセクションで ( 2 2 ],異なるバネポテンシャルを用いた場 クスを再現できることを確認した.なお?理想鎖(ガウス鎖)[ 合 [ 1 6 ]も同様に,よく知られた静的・動的スケーリング異J I が成り立つことが分かつている. 1 . 4 図 - 460一 高分子の流体効果、 DNA 疑縮 一科学者の楽霞インドバンガロールより- 2 10 Z 0 3コ C I l . . 〉、 01 寸 ち 1 0 ' ω コ コ て c 0 : : : 10 . L 1 0 ' 2' 叩 NF 0 3 10 F i g u r e1 .2 : 良溶接でのラ慢性半径 Rgの高分子鎖長銀存性 Np=1 6, 3 2, 6 4, 8 01 0 0、1 2 8、1 5 62 0 0 . ヲ ち 1 10 A ﹂a 0 E u z m wK ト ωコ 一 ℃m w g 0 1 0 2 1 0 Np 10 噌 墨 3 10 F i g u r e1 .3 :貧溶謀での,fJ貫性半径 Rgの高分子鎮長依存性 Np=6 0,1 0 0, 2 0 0, 3 0 0 . 11品 F0 4 菊池伯夫、石本志高 トー-叱=1 Np=16 Np=32 A Np= 64 oNp=100 ~ 0 . 8 c 1 0 . 6 u 0. 4 0 . 2 O 5 O 15 10 τime F i g u r e1 .4 :ブラウニアン溶媒での,高分子鎮の規格北された童心速度桓関関数 C ( t ) . ﹃ a u £u q J QU424a ﹄ 0. 4 4gn4A 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ppeD O-pnv ・曹 。 40gA0 0 . 6 MNNN・NNN 持. 0 . 8 、 、 、 弘 ‘ 、 、 、 0 . 2 O O 曳、 、 文 5 10 15 Time F i g u r e1 .5 : ハイドロダイナミック溶接での,高分子鎖の規路化された重心速度相関関数 C ( t ) . 斗 占 つ中 p o d 高分子の流体効果、 DNA 疑結 一科学者の楽匿インドバンガロールより- Brownian Hydrodynamic ー -. .Hydrodynamiccontribution ケ一色 トー---K 0 . 8 0 . 6 )O (日 1 0 Time ト会 5 +4az 書 O O 主 a 唱 主 ふ L ・ a A - 、ua- 、 . 込 0 . 2 、畠守 、¥, 岳 J I ¥r 0 . 4 1 5 20 Figure1 .6 : 鎮 長 時 =200の高分子畿の規格化された童心速度担関関数 C ( t ) . Brownian Hydrodynamic 争ーー..H ydrodynamicc o n t r i b u t i o n 企ー一色 持一一~ 0 . 8 0 . 6 u ¥ 民 0 . 2 O O 15 5 20 Time .7 : 鎮長 Np 二 4の高分子鎮の蔑格化された童心速度梧欝関数 C ( t ) . Figure1 A 品企 qG 6 菊池伯夫、石本志高 0 . 5 .Brownian NI'=2 誕一一剖 N I ' =4 F 4 0. ・-{J ~-ー也 N i>=16 ←--4NP=200 0 . 3 o 0 . 2 0 . 1 O O 5 .8 : 種々の鎖長 Figure1 15 10 Time 20 Nplこ対する規格化された重心速度額関関数 C(のへの流体の寄与 I頁 1 0 -1 •N u m e r i c a lr e s u l t s ----Rouses c a l i n g , ・ 〆 2 1 0 - ? m E 戸「 O ノ4 . .- 3 1 0 - ~ 〆 4 1 0 ~ 10 v 1 0 -2 N _ -1 1 0 -1 P Figure1 .9 :ブラウニアン溶媒での重むの拡散定数 DZEの鎮長 Np = 16, 32)64, 100, 156, 200法存性 - 464一 高分子の涜体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽屡インドバンガロールよりー 1 0 -1 • Numericalr e s u l t s -ーー- Zimms c a l i n g JF , a' , + s 主ノ a , , , , , 1 0 -2 c Z 口 玄 〆 E E C3 3 1 0 - J ・" E 」割 P 〆 ' 4 1 0 ~ 1 0- 0 1 0 -1 Rgt 10 D Z z F i g u r e1 .1 0 :童心の拡散定数の?ハイドロダイナミックな寄与 からブ、ラウ二アン寄与 6, 32, 64, 100, 1 5 6, 2 0 0 . たもののう積性半径 Rg 依存性.ここで Np ニ 1 D ι を引い F L O P ι 0 4 講池倍夫、石本志高 BIBLIOGRAPHY [ 1 ] M.DoiandS .F .Edwards,Thet h e o r y0 /polymerdynαmics,Clare凶 onPress,Oxford(1986). Sc αl i 勾 Co ηc e pぉ i nPolymeγP h y s i c s, C o r n e l lU凶 v e r s i t yP r e s s, NewYork( 1 9 7 9 ) . 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I u s 路s a 僻 . w i 邸 S 路a 紅 吋 由 d i た e M.Ri 単 p必 o 1哀 R.G.Wi 註 叫 ω 此 1 k l 除 e 位佼 E G .Gorn卯 pp民 e r ', J .Ch 泌 l 記 加 e 引削 1 恥 1 ヲ ヲ 主 ? 二 ヲ - 466一 高分子の流体効果、 DNA 疑縞 -科学者の楽匿インドバンガロールより一 CHAPTER2 コイル・グロビュール転移のキネティクス 2 . 1 イントロダクション 希薄高分子溶液中 i こおいて溶媒の性質を良港媒から貧溶媒に変化させた場合,または温度を下げた場合, まセグメント揮に生じる有効引力によって?広がったランダムコイル状態から緊密な球 屈曲性高分子鎮 i 状のグロビュー jレ状態に転移する(コイル・グ Eビューん転移).そのダイナミクスは,タンパク質の折 り畳みと言う重要な開題の拐期ステージ i こ似ていると予想され,大変注目されている.この転移の静的 性賓はガウス鎖近似と場の理論?モン子力ん Eシミュレーション等を用いてすでに十分理解されている. 9 8 5年に deGennesによっ しかしその言語的メカニズム?特に重要となる溶媒の涜体効果に関しては, 1 て提唱された理論間以来一致した晃解がない.その理由は,実験で高分子一本鎮の運動を観測するの 2 6 J,そして従来の計算機?シミュレーション手法では涜体効果の効く時 が技術的に医難で、あったこと [ 間・長さのスケーんに到達できなかったためである.その結果シミュレーション誌涜体効果なしで行わ れ [ 7, 1 2, 20, 2 1],理論は動的過程についての仮定を基に作られていた [ 7 1 4, 1 9 ] .また, (準)解析的な手 法として L a n g e v i n方程式 i こ基づいたモデルを用いる方法もある [ 1 5 1 9 J . これらの理議で導かれた流 体効果ありの場合の,コイル・グ Eピュ-)レ転移を特撒づける時間の高分子モノマー数(鎖長)依存性 7H lVJぬ詣数はヲ v=2( d eG e n l l e s( 1 9 ] ), v=1( Buguine ta l .( 9 , ]P i t a r d( 1 9 ] ), v=6 / 5( H a l p e r i n rv3 o l d b a r t( 1 0 ] ),v= 1 /2(Dawsone ta l . ) , ν =5 / 6(Abramse tal .[ 1 4 ] )と,全く一致がない.な a吋 G おっい最近,強力なコンゼュータ一環境が利用できれば,分子動力学法を用いて高分子と溶接を?ある程 1 4, 2 2 ] 震の大きさの系でシミュレーションできるようになった [ 霊 d告 ウt p o 菊池伯夫、石本志高 Force ‘ ー ー ー F i g u r e2 . 1 :ダンベルモデル.パールがストリング中のモノマーを毅寂するとき,エネルギが放出され? 結果ストリングから正味の力をうける. 2 . 2 現象論的モデル 前章のシミュレーションモデルを黒い,コイル・グロピューん転移のキネティクスを涜体勢果あり・無 しで調べると,次のことが分かった ( K i k u c h i Yeomans2 0 0 2,2 0 0 5[ 2 3, 2 4 ] ) : ー流体力学的棺互作用はうコイん・夕、ロどュー jレ転移のキネティクスを涜体効果無しの場合に比べ加 速する.コイ jレ・グロビューん転移の特徴的詩間 ( c o l l a p s et i m e )は?アH あり), N;399土0 . 0 8 1(流体効果 TB NJ888土 0.086 (流体効果無し)となる. -キネティクスの経蕗は特に変わらない(堕 2 . 2 ) . 流体効果のあるなしによってキネティクスを調べたことでう涜体の役割 i まずいぶん明らかになった.し かしながら,キネティクスをきちんと記述する理論的措像が欠けていると言わねばならない.よって?こ 2 3, 2 4 }を元に 3 現象論的モデルを考える. のセクションではシミュレーションの知見 [ 先ず?良溶媒から貧溶媒にクエンチすると,高分子鎖の各部分でモノマーが凝集したパールの該生成 が記こる.パーんはモノマーを構成要素とするストリングによってつながれているため,高分子鎮全体 の形状はネックレスのようになる.次に,各パ-}レはストリング要素のセグメントを逐次級殺するため, 高分子鎖全体の収縮につながり,やがてグロビュール状態へと移る.ここで初期の核生成は,高分子鎮の 拡がった初期状態からグロゼューんへの転移持関に比べ十分速いため?全体のコイル・グ Eビューん転 移詩間にはほとんど寄与しないと考えてよいであろう.実際,我々のシミュレーションでは核生成はキ ネティクス全体の時間の約 5%,あらわに溶媒粒子と高分子を分子動力学法でモデん北したシミュレー ション (N 5 1 2 )( 1 4 jでは 3%以下となっている.特に蒔端のパールi 式セグメントの吸収と共にどん p= どん大きくえよるから(よってパールの運動速度も遅くなる Lキネティクスは末端パーんの運動i こよって 記述されると考えてよいであろう. 震象論的モデルとして?モノマーを構成要素とするストリングによってつながれた末端パーんの運 . 1 ) .パーんがモノマーを一つ吸収すると,エネルギー ε が敢出される, 動を考えよう(ダンベル?思 2 よって,パーんはストリングより正味 fの力を受ける.高分子鎮は十分長いから (Np クスはパール間の引力相互作用ではなく,ストリングのテンション rv 1 04),キネティ fによってコントローんされる. Aせ pO o o 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 先ず,力 一科学者の楽園インドバンガロールより- fを見積もろう.各モノマーは,最近接セグメントとしか相互作用しないと振定するが, レ・ワー jレス型の引力 i ま距離に比例して急激に悪くなるから十分妥当であろう.よって 7 各 ファン・デ J モノマーのエネルギーは ギ -Eb ょ rv ε となる.次に,半径 Rrv αNtのパーんのエネルギ -Epl ま,内部エネル εNp と表面エネルギー " , - のサイズ(半笹 Es f'V εNlからなる.ここで ,a1 まモノマー直径であり,パーん ー R )は?半径 R の球殻の中 i こ重径 αのモノマーが Np 担詰まっていると考えることより ( 4 πR3/ 3r v Npa3)導かれる. パーんがストリング中のモノマーを一つ吸収する(食べる)詩,放出されるエネルギーは Elib 表面エネ凶一項 = (持+1 )-E p( J も ) 一( ε ) Ep rv 一ε . ( 2 . 1 ) o (-εが)は十分大きい叫に対して寄与が小さいので無視したよって?力 11ま (なされた仕事)/(動いた距離)であるからう Elib f 一 一 一-r、 J ε ( 2 . 2 ) - αα となる. パールが力 fで溶媒中を引っ張られる時?涜体は運動にどのような影響を及ぼすであろうか?この 効果を見るため,先ず涜体効果無しの場合(ブラウニアン熟浴)を考え?後援ど涜体効果ありの場合と比 Z B はランジバン方程式 較する.ブラウニアン・パールの平均速度 ¥ p dV . B ( t ) 一 -Np cV:(t)+η( t )十 f d t ρ ( 2 . 3 ) N..,lII~ー = より決定でき 会( 1 -一長 市 )=vf伸一長十 7 となる.ここで ( 2. 4 ) e z は摩擦係数であり, η( t )I まガウシアン自色ノイズである .N はパーんを構成するモノ p マ一数を表す.通常,高分子の運動で問題とする時間のスケールは r-..J 10-58であるから [ 1],パーんは終 端遼震で動くとしてよい.よって慣性項は無視できーパーんの平場速度は t→ ∞ で 17B p f 1 も ご - 469一 ( 2 . 5 ) 菊地位夫、石本志高 となる.よって ( 2 . 2 )と ( 2 . 5 )よりブラウニアン溶接中でのパーん速度 B v _ " ' ニ ーN-1 r αt ( 2 . 6 ) を得る, 次に涜捧効果のある場合を考える.粘性流体中(ハイドロダイナミツク熱浴)でヲカ れるパーんの平均速度 fでドラッグさ H v lにより p はストークス J I J uH_ f C1ηR -P ( 2 . 7 ) である .η は溶媒のシアー粘性を表し ,R はパーん半径である.係数 C1 I ま流体中で、苦 i っ張られる物 体の影によって異なった値を取りラ球の場合 C1 =6 π である.なおシミュレーション [ 2 3ヲ2 4 ]では C1 = ( 7 . 6 1土 0 . 0 6汁を得たが,グロビューんは正確には表酉のスムーズな疎ではないから,十分妥当な 2 . 2 )と ( 2 . 7 )より粘性涜体中のパール速度は 結果であろう.よって ( ε TTH 一 主 ・ 'p 一 η α一 2 ヲM . L ( 2 . 8 ) となる. (2.6) と (2.8) より?力 f によって粘性流体中をドラッグされるパーんの運動遼産 I~ ,涜体力学的梧互 作用によって高められることが見てとれる(速度の Np 依存性を見よ ).しかしブラウニアン港嬢中では, 需乙力 fで引っ張る場合,粘性涜体中に比ベパーんの運動速度は遅くなるが,これは物理的には溶媒と 2 3, 2 4 ] . パーん間の速震椙関がないためである [ 1¥ーんはストリング中のモノマーを逐次吸収していくから, 1 もの時間変化率は次のように書くこと ができる dN p ーら d t α ( 2 . 9 ) 粘性涜体中の速~ ( 2 . 8 )とブラウニアン溶接中の速震 ( 2 . 6 )を用いて ( 2 . 9 )を解くとう各パール中のモノ マー数の発展則が導かれる ザ~(会)4β ( 2 . 1 0 ) ゲ~(会)言β ( 2 . 1 1 ) - 470- DNA 疑結 高分子の流体効果、 一科学者の楽麗インドバンガロールよりー よって,粘性流体中の方がより速くパールサイズが大きくなることが分かり,これはパール速震と流体 との梧関のためである. レグロビュー 各パール中のモノマー数が?高分子鎖全体のモノマー数のオーダーに等しいとき?コイ i ル転移キネティクスの時間ァは次のように与えられる P ( 2 . 1 3 ) 4- ザゲ ¥11it ノ ¥sjJノ i α一、 3 α一 ε 句、一E η一 、 、 fIt-- /IItE1 百九官 ( 2 . 1 2 ) なお )t をァで置き換えた.ァ lVJの指数は?粘性涜体中とブラウニアン溶媒中におけるシミュレーショ ン結果 九r 1 .399土0 .081 T H r v lV p r1 .888土0 .086 ( 2 . 1 4 ) ー 九 iB f"Vー 1V 'P と誤差の範密内の精霊で一致している. Kuznetsov他著 [ 1 7 Jは,良溶媒から貧溶媒ヘクエンチしたときのコイル・グロどューん転移のキネ aussians e l f c o l i s i s t e n t法によって誤ベた.このシミュレーションで?キネティクスには 3 ティクスを)G つのステージ(初期のスピノダル過程,長いコースニング過程,コンパクトになり形を最適化する過程) があることが分かつた.十分長い高分子鎮の場合 2番巨のステージが支詑的 i こなり, TB TH NJ34土0.03 N;96土ω lとなる.これは裳々の結果と非常によい精震で一致している. 最後に)( 2 . 1 2 )を用いて実際の系における 1O-3kgm-18-1)モノマーの大きさ α T Hを見積もる.温度 2 00C における水の粘性 1 7= 1 .0x 1 .6x1 O-9m)ファン・デル・ワールス力の大きさ ε 2 . 0x 1O-21m2kg8-2を用いると, TH22.0× 104lds となる.典聖的な高分子 Np r v 1 04の場合 おり,この予言は ( 2 . 1 5 ) 0 -48となる.最近,実験が少しづ、つ可能になってきて T Hr v 1 Y e他著 [ 2 5 ]の実験で理にかなった精度で確認されている.実験的に するのは大変興味深くう近い蒋来実現されることを期待したい. T H r v N~ を検証 t 可 4 菊池伯夫、石本志高 = 手 ち て~.~.f,"'・%-.t.. . . jz2 ・ h z ~ fj 鳴き桑 nl釦 参 必 d 必 者 ・ ~~ f dFd __. . Nt J J . h Jdpa 向......~' s d " , . . . . . . . T v o 司 &厳島都 Jdv " 〆§/急 義FJ 甲府意 . .d ノ〆 JYJ' -~・ # > " ぜ . t ・ 9 J /j B r甜 議 f : f T . t / f ' • . F i n a lS t a t e F i g u r e2 . 2 :涜体効果あり・なしの場合のキネティクスの経路 (N= 3 0 0 ) t 可 つ白 4 高分子の流体鶏果、 DNA 疑縞 一科学者の楽罷インドバンガロールより- BIBLIOGRAPHY [ 1 ]P .G .deGennes, J .Physiq関 . L e t t .4 6 :L 6 3 9( 19 8 5 ) . [ 2 ]Z .Wa 時, J .YuandB .Chu,M a c r o m o l e c u l e s .2 5 :1 6 1 8( 1 9 9 2 ) . [ 3 ] Q.Ying,B .ChuandA .Y u .Grosberg, M a c r o m o l e c u l e s .2 8 :1 8 0( 1 9宮5 ) . J .Che 瓜 P h y s .1 0 6 :6492( 1 9 9 7 ) [ 4 ]P .W.Zhua l l dD .H .Napper, .M.B a y s a l, N .Kayaman, E .E, G u r e landF .E .Karaz, M a c r o m o l e c u l e s .3 2 :8399( 1 9 9 9 ) . [ 5 ]B [ 6 ] M.Nakataa 吋T.Nakagawa ,J .Che 批 P h y s .1 1 0 :2703( 1 9 9 9 ) . E u r o p h y s .L e t t .2 5 :409( 19 9 4 ) . [ 7 JB .O s t r o v s k yandY .Bar-Yam, [ 8 ] K.A .Dawso 民E.G .Timoshenkoa 吋 P .Kiernan, I INuovoCimentoD.1 6 :6 7 5( 1 9 9 4 ) . F .BrochardWyarta 吋 P .G .deGennes, ComptesRe 凶邸d eL'Academied e sS c i e n c e s [ 9 ]A .Buguin, I I B3 2 2 :7 4 1( 1 9 9 6 ) . 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J 円 円 i 4・ 菊池信夫、石本志高 CHAPTER 3 理想高分子鎖のドリフトダイナミクス 3 . 1 イントロダクション この章で i 之単一の屈曲性理想高分子鎖〈ガウス鎖)の一端に力を加え,港謀中で引っ張る時のドリフト運 動を調べる.物体を港媒中で引っ張る富典論として,アインシュタインのブラウン運動(涜体効果なし L S t o k e sの粘性流体中の理識がある.溶媒中を引っ張ら乱る物体の速震は定常状態でそれぞれ ,VB = F lfo (ブラウニアント Vs~ FI(C ηs R)(流体中)となる.これらお単純な物体(球体など)を引っ張る場合と っ張る力,高分子鎮長?涜体とのカップリン夕、?高分 異なりラ高分子を引っ張るときのダイナミクスは号 i 子鎮の葬一様な形状等の需での相互作用により?複雑なものとなる.また我々の場合は,高分子鎖全体に っ張る時と質的に異なることに注意されたい. 一様な外場や力を加えてき i っ張られるとき 3 高分子鎮はかなり伸びた(スト 有限の経路長 L の高分子鎖が強い力で、溶媒中をき i レツチされた)状態になるから涜体効果はあまり重要でないと考えられる.よって高分子鎖の平均速度 っ張られる力の方向に沿った拡がり(縦方向のサイズ)I j :1 涜体効果なしの高分子夕、イナミクスを と,写 i 記述する Rouseモデんによって計算されよう V- F foN' ( 3 . 1 ) 一 一 一 一 FLl ( 戸( 0, t )-r (L, の)=一一一 2dk T' Z B ( 3 . 2 ) dlま系の次元を表す.一方,高分子鎖を弱い力で引っ張るときは?流体相互作用が重要となるから (Zimm 領域 L辛士号速度は S t o k e s型の振る舞いをすると考えられる F -'hH 一 R IA-、hM 一 π 丈む 一z v ( 3 . 3 ) 司 t Aせ 4 A 高分子の流体効果、 DNA 奨結 一科学者の楽匿インドバンガロールより- ここで Rh~l ..fN 1まヲ理想高分子鎮のハイドロダイナミツク半径を表す.この領域では,喜 i つ張られた とき高分子鎖がとる非一様形状によザ?物理量の引っ張る力に隠する非線型応答が起こるであろう.も し,非常に長い高分子鎖を有i 衷の(ただし強い力)でき i っ張る詩 i 式 洗 体i まスクリーニン夕、されず影響を 及i ますかもしれないが, S t o k e s領域であるかどうかは分からない.この領域で遠震や縦方向サイズがど のように援る舞うかは明らかでなく,また, Rouse領域から Zimm領域へのクロスオーバーもどうなる か定かではない. この章では,高分子鎖のドリフト運動におけるこれらの撮る舞いをう摂動論とくりこみ群の方法を 3 .りから ( 3 . 3 )へのクロスオーバーは?くりこみ群の 罵いて調べる.結果?異なる領域が特定される. ( 方法的枠組で,流体相互作馬の強い領域でスケールに依存する牽擦係数のくりこみによって記述され 5 ] -[ 7 ] .強い力的場合,高分子鎮が非常に伸びたストレツチ状態のため?流体効果は弱いと考えられ? る [ Rouseダイナミクスへのクロスオーバーが予想できる.しかし我々の結果 i 志速震と縦方向サイズの涜 V f L 芦互に関して異常な対数銀存性を示す. 体相互作用による 1次補正項は?パラメーター βF . 2跨でフオーマリズムを述べ,次に高分子鎮の平均速度の摂動計算を 3 . 3節で行う.次に,ド 先ず, 3 . 4で察動計算し, 3 . 5節で速度と縦方向的サイズを弱い力?強い力 リフト高分子鎮の縦方向のサイズを 3 に対して解析する. 3 . 2 フオーマリズム 高分子鎖のドリフトダイナミクス i , ま Kirkwood拡散方程式 ( F o k k e r P l a n c k方在式)で記述でき,連続極 1 ] 限で次のようになる [ δP( { r ( s ) }, t ) a t Idん S 三 一 [D8 μ8 ( S 1-8 2 )+Tμ ν ( r ( S l )-r ( s 2 ) ) ] 2 Id 一 ん る18r ( S l ) o 1/ 件一則的2hLjp sr{S2)5r(S2) 4 ) ( 3. 流体力学的相互作用を記述する O seenテンソル (kBTをかけたもの)は ,d次元で次の表式となる BT 門 仇 ).r ( s 2 ) )= k X;~1 恥 自由エネルギー (kBTをかけたもの r d dq一 1( t I 一 8 一年 J( 2 付 (mv ) e i q ( r ( S l )-r(s2)) dq2 L z軸iこ沿った事 iっ張る力はそれぞれ 品 = 訂 ds(ザ)¥民間 L ( 3 . 5 ) FHU ウt λせ 菊池佑夫、石本志高 と与えられる. Rouseモ ー ド も は 位 置 ベ ク ト ル r ( s )( 0: : ;s壬 L )のフーリエ展開係数でう r(s) = LQskも ,QskI ま( 0,L)で正規車交系をなす Qsk= ~ k=O 戸マ子 IJ i c o s手 ( 3 . 6 ) k=l2, 3, . ラ Kirkwood拡散方程式は?基準座標で次のように書き換えられる δP(乙 t;~O , to) ( 3 . 7 ) δ t = L o p÷LtP. とはふの省略記号であり,オベレ ? t- Loと L iはそれぞれ次のように与えられる Lo=Doマ :+DoλkV'~~r Doβ F μQOkV'~, ( 3 . 8 ) ( 3 . 9 ) L i = マ211:口町1 十 λm~~) ーマCTIZβFI/. ここで, V 'k三 E j t ' f o L シ 吋 d ω k T 戸門 ι f 市 T二 市 げ L = (sdーがる ( 8 2 )=乞 (Qs 1 ね - S1 μ f . t μ 1 / U f o Lω s l k T (r叶 / i I / QS2n)~!: である. 以後,流体力学相互作用を要動として扱い 末端に加えられた力で引っ張られる Rouse鎮を基準状態 3 ( r e f e r e n c es t a t e )とする.流体効果を無視した場合 ( Li= 0 ),( 3 . 7 )の解は基準 Rouse状患の遷移確率密 震を与える 九(乙 t;F, to)=il---JJf つ 品( 釘 4 伽 げ π 吋 f バ ω 点 ( 収 k t一 叫 t O ω ω ) )町 ( (ごご~rト一 βFμQo批k/入Àk 一 dμα匂叫 k以(t 一お ω)け)2\ expI一 、 1 4fdt-t O ) _ _ _ _( ( 4 πD o t ) d / 2…y IX ( c g-Doβ内 d-d ザ } 4Dot ¥ ( 3 . 1 0 ) 可 FO 4i 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽園インドバンガロールより- ここで t αk ( t )= exp(-Do入k ) ,f k ( t )= 1-e x p (-2Do入以) 2入k であり ,Do= k BTl/fI まモノマーの自己拡散係数, λk=千 ( 亨) 2f ま Rouse匡有{直を表す.なお )Doが 上記の形を取るのは?連続体極限のためである. 高分子のドリフト速度,力に沿った平行方向の拡がり(以後,縦方向のサイズと呼ぶ)等の摂動計算を 実行するため, Kirkwood拡散方程式を積分方程式で書くと次の表式を得る 叩 υ ι JD 例 と以川 ) 引 t t ; 悦 ; 之 と "ピ t ' ' ) L i ( (阿 ) t ' ;わ 0 ) ( 3 . 1 1 ) ( 3 . 1 1 )をイタレーションすると?涜体力学椙互作用に関する摂動展開を得る.これは記号で P =九 十 九L iP = Po+九 L i P O+POLi九 LiP=・・・のように書ける. 3.3 ドリフト速度の摂動計算 この節では, ( 3 . 1 1 )を用い,高分子鎖のドリフト速震を流体相互作用の 1次のオーダーまで計算する,高 分子鎮の重心 r cI ま , Rouse モード ~k=O を用いて次のようになる) r c も=o/V ' L=(l/L)!OLdsr( S ) よって平均速度の計算は,ゼロモードの期待檀の計算になる ,( r c ( t ) )= ( V c( t ) )t : ( 3 . 1 2 ) ( も= o ( t ) )三 J D と ごk=OP託 , の 式( 3 . 1 2 )を涜体効果のゼロオーダーで計算?すなわち基準 Rouse状態の遷移確率密度 ( 3 . 1 0 )を期いて 計算すると?定常状態で次のようになる ( C k =山 ) ) 0= l : . 乙 ;=lJ \~!IO f V Lt ここで末端 S= O fこ加えた引っ張る力はヲ z軸に沿って与えた F=FZ.よって, Rouse 速度作~ ( t ) ) O= F/(fN)を得る.流体勢果的 1次のオーダー論正項は, ( 3 . 1 1 )の右側の P を 九 i こ換えることで次のよ うに計算できる ( 髭= O ( t ) ) l f f1t-毛 仏 H I r dtf jLd S 2 。ん O dsfi o T Z Z( 払 2 jqfeit Q2n} 革問∞九附 oX 巧 i ヴ4 4 菊池信夫、石本志高 ここで T. f W ( q )=千 何 人 事 ) れ こ 関 す る 積 分 を 行 う と 次 式 を 得 る ( C k = O ( t ) ) l = βFQoojtdtflLdS2lLd jI2EQ叫 TZZ(q)QSIOX J t , ん ん S1} (21リ / ふ Qsln-Qs2n _ 2手 ( QSln-QS2n)2 ¥ expI i q zFβ , 〉 : o n - q〉 : i l r¥ 乞:λn 会; 2 入π / ( 3 . 1 4 ) ( 3 . 1 4 )における和を実行すると次のようになる (52=o(t))z=fdzrjLdS2jLdsli ddq J , ん ん J( 21f) d t Z( TZ q ) Q S I 0βFQooe x p( i q zι 外( 81 ,8 2 )αq 2 ). ( 3 . 1 5 ) ここで αと bI ま以下のように定義される a ふ(QSln-QS2n)2 主 2λπ=刃 181-821, 一 ぶ QS l -Qs Liλ ηπ QOn = η 2 nri = q l二関する積分を実行すると?ドリフト速度の表式を得る v~(t) 一 (Ck=O(t)) vL t r F. 1 ん (d ¥d/2 r 2 d / 2 _1-- (X2J 1'~l\ T(1+ 一一 {-i f d / 2i dZ2j kl んN¥- , 22 dも ¥2πlJ J o ん 1 A ( y ) m -, + ・ ー ) .'( 3 . 1 6 ) 頭数 A ( y )と独立変数立はそれぞれ次のように与えられる A (ν ( 王 子r (三 ? とy 2 )+r ( 守 ) ) , μ /lL/ 佑 一ω x 吋 け d ) y =βF (X2 Z 勾 \1/?/~ 1 / ( 3 . 1 7 ) X2十 x ε 1 r ( α ,z )=JzOOdtta-le-tI まインコンプリートなガンマ関数である.関数 A匂〉は,変数 u が小さな・大き な撞隈で次のよう振る舞う ) 3 1 2 i j -給計 J Z ; ; ; J + ? A(u 〉=〈》 2十 (d-l)(rh乎)+ヰL U1 -478- y < <1, ,y > >1 . ( 3 . 1 8 ) 高分子の流体効果、 DNA 凝諦 一科学者の楽園インドバンガロールより- F → 0の極隈では ,X1と X2に関する ( 3 . 1 6 )の積分が実行できて次式を得る J 5 Z 2 f h A(0) I , ¥f , ¥A( 0)口 ~A(O). 1(Z2-zdd/2-1(6-d){4-d)4-d f' A ( 3 . 1 9 ) なおラ最後の表式で与えられたドリフト速震に関する,涜体勢果の l次補正項の 4次元近傍での振る舞 いは,速度のくりこみ群による解析で重要となる. 3 . 4 縦方向サイズの摂動計算 この節では?高分子の事!っ張られる力の方向に沿った拡がり(縦方向のサイズ)を流体調互作障の l次の オーダーまで求める.縦方向のサイズは Rouseモードを用いて次のように与えられる ゲ( 0, t )一 山 ( 3 . 2 0 ) 流体効果のゼロオーダー ( R o u s e )で,定常状態での僅を計算すると次の表式を得る FLl 2dkBT ( r Z ( O, t )-r Z ( L, t ) ) o=一 一 一 υ 流体効果の(詩的)への l次補正は ( 3 . 1 1 )を用いて以下のようになる r んJ ん Jロ( ( t q z m Z Q U一川伽…パ一寸イq ぷ 2 2 ( ωι レ t (と~(t))l β sF d t ' j λ t む-_. -",¥,. ~ I 2 7 吟 け r ) d O ず つ n 伶 ( 仏 仏 Q 仏 仏 5 恥 s 釘 5 1 仏 叩 1 1 山 n- γ 入n げ刊 丸 L . . . . J 2, ¥ 1 1 . q積分とヲ kと nに寵する和を前節と詞様に行うと,縦方向のサイズの表式を得る 山 品 (1一法(引い L2一 旬 -r , Z ( L, t ) )= ここで B βF♂ 7EE)=fzdZ2fE2dZ1(2X2一判官) j。 .( 1 ( 3 . 2 2 )の積分を小さな力に対しラれと ん い2-:r:d旬 2-1 X2に関して実行すると次のようになる f p Br(F→ 0 )= " ( 口 , - 479- j ¥A ( O ) J ( 3 . 2 1 ) 菊地位夫、石本志高 最後の表式は 4次元で有隈となるから?くりこみ群の方法の梓績では, ( 3 . 2 2 )の藻数に現れるパラメー ラL,l ,Tはくりこめないことを意味する.唾ーのくりこみ量はモノマー牽擦係数である‘また タ- F ( 3 . 2 2 )より,涜体力学椙互作用は高分子鎖の離方向サイズを小さくすることが分かる, 3 . 5 結果 この蔀では,高分子のドリフト速度と縦方需のサイズを 3 ドライピングカ F と鎮長 Lの関数として調 べる. 3 . 5 . 1 弱い力の場合 ドリフト速度へわ 1次靖正項 1 ; : 1 : )1次の補正を越えて流体力学梧互作用効果を考慮することができるく 3 . 1 6 )の積分が 4 りこみ群による解析のス安ート地点である.くりこみ群を適用する基本的な観瀦は)( 次元で対数発散することである(臨界次元法 dニ 4,d>4で淀体相互作用 i まi r r e l e v a l 誌になる).この発 散は d<4次元で 1 j ( 4 d )種として現れる.理論を正尉化 ( r e g u l a r i z e )するため,嬰動展開のこれらの っ張る力 F が小さい場合, ( 3 . 1 6 ) 樺はラ摩擦探数の適切なくりこみによって取り除かねばならない.き i からくりこまれた摩擦係数は次のように導ける f=的 ー か げ _)..e恥 ( 3 . 2 3 ) ここで ε=4-dでおりヲも=( f o j (ηs d ) ) ( d j ( 21rl ) ) dj2 I 主流体力学相互作用に関する摂動の展開パラメー 3 . 2 3 )において紫外カットオフ λは d=4次元への極限を可能にするために導入した.カッ ターを表す. ( ま,高分子鎖に沿った長さ入より小さい経路長 トオフ i I S l-s 2 1< 入だけ離れたモノマ一間の淀体相互作 3 . 1 6 )から得られた摩擦係数のくりこみ ( 3 . 2 3 )はヲ異なる高分子ダイナミクスの問題で 用を捺外する. ( 5 ]-[ 7 ] .なお,排除体積効果を考慮しない今屈の場合,葦擦係数のみがくりこ 導かれたものと一致する [ まれる. 摩擦孫数のくりこみに加え 3 流体相互作居の強さをコントローんする結合定数{すなわち展開パラ 3 . 1 6 )または ( 3 . 2 2 )をよくみると?無次元の襟の展開パラメー メータ)のくりこみも考える必要がある. ( ターを得る L L ) W d U / 2 L σ ε ザ / 0 =ム(三 ηs d ' 2 π l ( 3 . 2 4 ) 結合定数も摩擦孫数と同様にくりこまれることが分かる. カットオフの微少変化による,牽擦係数と流体力学穏互作患の強さの繰り込みは徴分方程式で与え - 480- 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽醤インドバンガロールよりー られ, o n e l o o pオーダーで次のようになる λ12L -3 切・ 一 一 δ入 4-' f δW e 3 2 入一一 …三 β{ω). θ入 = ~w2- ~w'L.+ 4 ( 3 . 2 5 ) ( 3 . 2 6 ) w=( f/ ( ηs d ) ) (d /( 21 [ l ))d/2入 信/ 2は無次元有効結合定数である. ( 3 . 2 5 )と ( 3 . 2 6 )の解は 1= f i O 1+と まu(入f-M/2〉 ? f( 一 d)d/2ぽ2 w =一 f / s d' 2 1 [ l 1 m I ( 3 . 2 7 ) ( 3 . 2 8 ) となるー ( 3 . 2 7 )からラ入m が十分大きいときな1が 島c e d p o i n tv a l u ew* = 2ε/3に漸近することが分か w )の zeropointに対応する. Fixed-pointで?有効摩擦係数は る.これは Gell-Mann-Low関数グ( r / 2のように譲る舞う.力が小さいときは,入m l 入J ま Lに等しいから?くりこまれた(有効)摩擦係数は 1=w*ηsld/2L-E/2とスケールする.従って?ドリフト速震は次のようになる F ー F v' " 一 一 一 一ηs(Ll C fN )d/2-1・ この結果は d=3次元で, S t o k e s翼J I( 3 . 3 )と一致する. 高分子の縦方向サイズの 1次の構正項をみると, 4次元で有隈となることがわかる.これは,唯一く りこまれる摩擦係数が縦方向のサイズのゼロオーダー項に現れなかったため,予想されたことであるー 3 . 2 2 )の裸の震関パラメ一歩ーをく 従って 2 くりこみ群の方法による縦方向のサイズに慢する予測は, ( りこまれたもので置き換えることとなる. ( 3 . 2 8 )により, 1次の捕正は εのオーダーのため, 4次元直下 で小さい. 弱い力の場合 ドソフト速度のくりこまれた理論は次のようになる 3 F _ . 1 +-;ωBv(βFJTL万立)+・.) . fN' .4 vz=7 一( 1 ( 3 . 2 9 ) ) = j ; d Z 2 rd Z I J 2 5 7 2 1である.縦方向のサイズは ここで B v( βF. j l 万 三 ヨ FLl. 1 Z ( L, ( r Z ( O, βF. t)-r ・ t ) )=一 一 一 ( 1-: j l ; ' w B r ( 訂2d)十・・) , 2dkBT 4 ( 3 . 3 0 ) となる.有効展開パラメータ - wは小さいので(""O ( E ) ),震調 ( 3 . 2 9 )と ( 3 . 3 0 )は信頼できる結果であ - 481- 菊池伯夫、石本志高 る.関数 B v ( z )と B1・( Z )の I j ¥さい zの{直に関する展開は?次のようになる B v ( z ) B, ( z ) 1 1 3 6_.2 , 1 9 3 6 6 _ . 4, 一 一 1 4 1 7 5一78 82875 一 , ~ ~ ! 64 464 _ . 2, 1 0 7 8 5 4+・・・ 4 5 31185 .19144125- . ← 番 γ 十 くりこまれた理論 ( 3 . 2 9 )と ( 3 . 3 0 )I ι ドリフト速度と縦方向のサイズのき│つ張る力に関する非線形蕗答 を示している. 3 . 3 )l i,拡散定数に関する Kirkwoodのような手法 また?ドリフト速度に関する Zimm理論の結果 ( 3 . 1 6 )の括弧の中の 1を無視すると摩擦係数が落ち ,N に対する依存性は をとることでも得られる. ( ( 3 . 3 )と詞じになる. 3 . 5 . 2 強い力の場合 この蔀では, βFJlL/2dが大きいとき(すなわち強い力 F で高分子鎖を引っ張るとき)の,ドリフト速 3 . 1 6,3 . 2 2 )における積分を見積もるため, ( 3 . 1 8 ) 度と縦方向サイズの 1次補正項を考える.強い力での ( で与えられる漸近形 A( 討を用いる • t= X2 - Xlに関する積分の,積分額域 t=Oでの発散を避けるた o:::-:= 6 /Lls2F2を導入する.すると )tとおに関して積分が解析的に実行でき ,d=3で め,カットオフ t J )表式を得る 次( 叱.} J v f = L L d川 C Cy F(Li)1/2)114 sF(L l )1 / 2 foN¥- .-V~V- ( 3 . 3 1 ) は数量係数である.強い力 F,有隈の鎮長 Lの場合,流体相互作用の 1次繍正は非常に小さくなり, Rouse結果 ( 3 . 1 )を得る.しかしヲ大きな L,宥隈の F の場合, 1次補正項は LIこ関して対数的i こ大きく まより大きくなる.残念ながら, V~ に関する全ての摂動展擦の効果を扱 なり?非常に大きな LIこ対して i う解析手法がないため)Kirkwoodの流儀に従いう ( 3 . 3 1 )の第一壌の 1を無視して外挿し,結性涜体中の 速度を得る / 2 βF( Ll )1 / 2 v:=一 一 ァ l n ( βF( L I ) 1 / 2 )l n c r J sNl 2s ( 3 . 3 2 )はこの領域では(有限の ( 3 . 3 2 ) F,大きな L ),流体力学相互作用が高分子の振る舞いを決定づけると言う ことを示している.この領域での流体効果は,高分子鎖の引っ張られる方向に垂重な方向のゆらぎ(横方向 こ起因していると考えられる.なお長さ のゆらぎ)I L,クロスセクション半径 lの slender-body( L> >1 の 司ツド)を流体中で、長軸に平向方向,垂直方向にドラッグするときちどちらの場合も V~ rv Fln(L/l )/ { 1 7 s L ) のように振る舞う [ 1, 4, 8 ] ) . 高分子はロッドと違い横方向のゆらぎもあるからヲ単純に辻較できないが? ロッドの場合に対数項が現れる点は興味深い. 8 斗・ a つん 00 高分子の流体効果、 DNA 議縮 一科学者の楽匿インドバンガロールよち- 開様にラ高分子鎖の縦方向サイズの,流体の 1次補正項を計算すると次のように主る … L l ( ( I n盟ヂこ-2 )l nβ (F(Ll )1/2) ¥ r1-e r ,coLll¥ ム ノ÷… i 2dk ( r Z ( O, t )-r Z ( L, t ) )= 一一一 ( 3 . 3 3 ) よって 3 流体力学棺互作用は高分子鎮の縦方向サイズを小さくすることが分かる.残念ながら,高分子の 縦サイズに関する流体梧互作用の全ての摂動効果を扱う解析手法はない. 3 . 1 6 ),( 3 . 2 2 )の舗正項は,高分子鎮の引っ張る力に関する非線型誌答を示唆 なおう F 手01こ対する ( している. 3 . 6 まとめ 単一理想高分子鎖の一揖に力を加え,溶媒中をき│っ張る時のドリフト運動を,流体相互作用効果を摂動論 とくりこみ群の方法の枠組内で考慮することにより語ベた.高分子鎮のドリフト速度と縦方需に拡がっ た大きさの?引っ張る力に対する非線型応答を讃ベ,興味深い結果を得た.これらの予言を,光ピンセッ こ検証することは非常に巽味深い. トなどを用い高分子鎮を溶媒中で引っ張り?実験的 i -483- 菊池信夫、石本志高 BIBLIOGRAPHY [ l J M.DoIandS .F .Edwards, TheTheoryo fPolymerDynamics( C l a r e 凶 0九 Oxford,1 9 8 6 ) . .Kirkwood, J .Poly此 Sc. i21, 1 ,1 9 5 4 ;J .KirkwoodandJ .J .Riseman, J .Che恥 Phys.16, 565, [ 2 ]J 1 9 4 8 . [ 3 ]B .Zimm, J .Che瓜 P h y s .24, 2 6 9, 1 9 5 6 . [ 4 ] R.G.La ぉ 0民 T .T .P e r k i n s, D .E .Smith, a 吋 S .Chu, P h y s .R e v .E55,1 7 9 4( 1 9 9 7 ) . .Wa略 [ 5 ]S .Q K.F .F r e e d, J .Chem.P h y s .85, 6210( 1 9 8 6 ) . [ 6 ] Y.Oono, Adv.Che氾 P h y s .61, 3 0 1( 1 9 8 5 ) . 巧 [S .Stepanowa 吋 G .Hehnis, P h y s .R e v .A 39, 6037( 1 9 8 9 ) . [ 8 ] G.K.B a t c h e l o r, J .F l u i dMech.44, 4 1 9( 1 9 7 0 ) . - 484- 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽屋インドバンガロー Jレより- CHAPTER 4 半屈曲性高分子鎖の低エネルギー状態とウイツ プ・トロイド転移 4 . 1 イントロダクション 自黙界で毘られる生体分子 I t,c o l l a p s eした状態で存在することが多々ある [ 1 3 1 . 例えば,歪自寅 i ま菌 n a t i v e状態Lその機能において重要な役割を 有な 3次元立体構造をエネルギー最低状態でとっており ( 果たしている [ 4 ] .DNAは例えば, phagec a p s i d sの中に密に詰められコンパクトな形状をとっている. 5 一司.近 また DNAトロイドは,遺伝子治療における遺託子輸送の運び手候構としても注目されている [ 年実験按樟?の進歩によって?生体高分子の物理的性賓を 1分子レぺんで観測できるようになった [ 8 1 2 ] . 最も簡単なモデルである?屈菌性高分子鎮の静的性賓はこれまでと十分理解された [ 1 3 ] .しかし,多 くの DNA,アクチンヲコラーゲンのような生体高分子は非常に大きいパシスタント長(曲がることがで 1 ] .伊j えば DNA2重らせんは,一般にセグメント直 きない長さ)を持ち,半屈曲性高分子と分類される [ nrnでありうパシスタント長 l ~50 ", 60nm を持つ(屈曲性高分子の場合,セグメント長とパ 窪が σ三 2 シスタント長は i まぼ同じである).よって DNAは経路長が fに比べてある程度長ければ,半題曲性高分 1 ] . 子として振る舞う [ 半屈曲性高分子l ま貧溶接中(すなわちできる譲りコンパクトな状態が好ま怠る条件)で,由 i ずのエネ ルギーと表亜エネルギーを最小免しようとする結果,トロイド(ドーナツの形状)影慈を取る.このこと はう曲げのエネんギーを考嘉しなくてよい題曲性高分子の場合,排除体構と引力がバランスして球状の グロビュ -Jレ形惑をとることに比べ対照的である.実捺ヲ多値イオン等の凝縮を誘起するエージェント まムチ(ウイッフ)のような状態(またはコイル)かち,トロイド状態に を DNA溶液に趨えると, DNAf 1 3 1 6 J . 半屈菌性高分子{または DNA鎖)のウイツプ{コイル)・トロイド転移を理解しよう 転移する [ ときこれまで多くの実験う解析論?シミュレーションが行われた. A告 00 F5 菊池信夫、石本志高 この問題に関する?諺大な量の文識とこれまでの進震・課題は文蘇 [ 2 4, 49, 5 0 ]とこの章最後の文躍 を参類されたい.ここではうまだ理解・解決されていない問題を述ベヲ次節以降でこれらの問題の決着を 試みる. -実験ラシミュレーション 3 現象論の結果,トロイド形態は基産状態であるらしいと考えられている. しかし理論では基憲状態を仮定し,トロイドの物理的性買を計算しているためきちんとした証明 はない [ 2 6 ] . -トロイド形状を半窟菌性高分子モデんから,解として導く. -実験?シミュレーションよりウィッフ・トロイド転移は 1次転移と考えられている.トロイド解を 導き理論で説暁する. -実験で DNAト E イドの平均半径九が?鎮長のオーダーが変わっても L 400-50ラ O O O b p ( 1 3 2 . 8nm-16.6t7吋ほとんど変わらないと言う観測事実が島る r cr v L V , 指数ジ~ 0[ 1 4, 1 5, 5 1 ] . 理論の予言は大きな Lに対し ,r cr v Lぺ 指 数 ν = tでほぼ一致している [ 2 4, 27, 2 9, 5 2, 5 3 ] . この 隈題の解決. なお?理論的に半屈曲性高分子のウィップ・トロイド転移をモデル化するのは?屈畠性高分子鎖の場 合に比べ難しい.屈曲鎮のコイ jレ・グロゼューん転移の場合,場ぬ理論とガウス近似でよく説明できる 1 3, 1 7, 1 8 ],半屈曲性高分子鎮の場合,上述の現象を含めて説明できる簡単なミクロな理論はない.モ が [ 2 1 ] デル住を難しくするのは,半題曲性鎖の局所的な非伸長拘東条件(よって理論は非ガウス鎮となる)[ と,解析論を困難にする経路に治った非島所的な引力相互作用のためである. これらの問題に決着を克るため,先ず次節で半屈曲性高分子鎮のウイップ・トロイド転移を,経路積 ( 3 )非線形シグマモデんを用いてモデん化する.次に,ト E イド?ウイップ状態を古典解として導 分と 0 き,エネルギー準位を導きだし, (梧)転移を議論する.安定性を議論し 低エネルギー(または詞義でパ 2 シスタント長が大きい半屈曲鎖)有効グソーン関数を摂動論で導く.次に,相互作用の聖がトロイドの 物理的性質(平均半径,クロスセクション半径など)にどのような影響を与えるか見る.実験で現実的な 0 0r v 400に対し,湯 1 1 1ポテンシャル(スク 1 )ーニングパラメーター トロイドのワインディング数 Nc = 1 κ =0 . 5rv 1.0) の場合 V~O も van d e rWaals型自力の場合ジ=0 . 1rv 0 . 1 3を得る.最後に DNA凝縮の 実験と比較し?定量的一致を見る. - 486- 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽冨インドバンガロールより- 4 . 2 半屈曲性高分子鎖のモデル 連続体謹隈でうセグメント簡の相互作用を考慮した半屈曲性高分子銭の G reen関数(末端間ベクトんの 1,経路積分表示で次のように書ける 分布関数)/ ι ;u i, i l f ;L, W)= N-j ( " r ( L )= 互 , 否(L)=江 f 1 D[ 汽s ) ]~-冗 [r.ü, 'W) G(O ここで,高分子鎖は l u I 2= 1の局所的な非伸長条件 ( 4 . 1 ) [ 2 1, 2 2 ]を満たす. -3は経路長 Lの半屈虐性高分子 ( s )1 1sにおける 3次 元 位 量 ベ ク ト 時 計 五( s )三 等 1 1sにおける単 鎮上(経路上)の点を表し ,i Nは規格北因子である. 位方向(接線)ベクトル , F r e e dや K l e i n e r t[ 1 8, 2 1 ] 1二設い,ハミ jレトニアンを湿度 kBTで、蔀って無次元化した量は次のように 書ける T S VA S 十 H s d ft10 L 一 一 W 4U 冗 R ( 4 . 2 ) H(s)は局所的な曲げエネルギー ,V A T ( S )は引力梧互作用を表す 町 Hω s ) 2"引│去会か否司刈( 1 ω = -w 九T ( 必 附 -i(s')1 ) ( 4 . 3 ) ( 4. 4 ) 11 まパシスタント長 ,W I まセグメント簡のき│力格互作用のカップリング定数で正の値を取る.温度 β = 1j{kBT)は暗!こ iと W に含まれており,後に系の熱力学的振舞を議論する際に明に書く .lf ま半屈 bに比べ十分長いと仮定 鹿性高分子鎮のスティフネス(曲がる事ができない長さ)を表すから,ボンド長 l 1> >l b ) 'なおう引力相互作用の影に隠しては様様な議論があるが,有効的なき i 力がトロイド状態に する ( 4 6 ] .DNA凝縮の場合,電請,ソ jレト?そして砲の 導くのに重要であると言う見解でほぼ一致している [ 決定されていない要素間の麓合作用で,有効引力は短距離相互作用が支配的となると大旨理解されてい T ( S )を用い る.従って, DNA隷縮の最も簡単なモデルとして,上記のヂ jレタ関数的な引力相互作用玖4 1 8, 2 1 ] .後に,トロイドの物理的性糞の相互作用依存性ゃう DNA凝縮の実験と比較する際に,より現 る [ 実的なポテンシャんを用いるが,トロイド状態を安定解として導き出すと言う現在の巨的には?デルタポ A T ( S )は Sでの値がヲ他の点 s 'E( 0, s )の情報を含むため,経路積分表 テンシャんで十分である.なお ,V A T ( S )は正確には, sと い E )間の自三エネ 示で非局所的な椙互作用となることに注意されたい.また ,V ルギーを呂避するためカットオフを導入する必要があるが,片付 S )= W J ; E [ d s ' J河川 j i ( s )-i ( s ' ), ) I ここでは便室上それを暗に仮定し, ( 4.4)を罵いる.デルタ関数は?アーギュメントがゼロを返すとき(す なわち高分子鎖が重なる場合),相互作屈し?値 - Wをとることを注意されたい. -487- 幕池信夫、石本志高 ι 以 後 Fを単位方向ベクト i レヨで表すよってバルトニアン制(めとなり, Green関数 G(O , R ; 今;L,W) i まgに属する汎関数種分となる G= j~~J V [ i t ( s ) ]8( J o州 L なお,汽 L )= ε ) s )一長 ( 4 . 5 ) 一行伊 L J o d s i t ( s )を黒(,¥,ヤコビアンは規制ヒ因子山こ吸収し,ここでは省いたデ M 欝数は, 半屈曲性高分子鎮の末端関ベクト jレを選び出す. 4 . 3 0(3)非線形シグマモデル 事l :n相互作用する半屈曲性高分子鎮の汎関数積分 ( 4 . 5 )を?局所的な非伸長条件下で解析的に実行する ま!ま不可能である.よって?系の器エネルギーでの振舞に注目する.すなわち?冗 C u ) (またはアク ことは, I )を最小化することにより,古典解を求める.実際,半題菌性高分子の場合,非常に大きい自由 ション S 度を持つ屈菌性高分子鎖の場合と異なり?スティフネスのためエントロピー効果は襲いと考えられるか ら この近似は妥当であろう,この近似の妥当性は,後述の安定性の議論,ウィッブ状惑からトロイド状 2 態への椙転移が一次的であることから保証される. レトニアンは 先ず簡単のため?曲げエネルギーのみを考えよう .W=Oの詩,無次元化されたハミ J ' u 場によってのみ与えられる S 4 内 ↓ u n o s , α L 一 FL qL P I o 一 一 ア QU 4HU 一 一'P R 冗 F什 叫川町 冗 一 一 一 ( 4 . 6 ) ただし, I 五( s ) 12 = 1の昆所的な非伸長条件を潜たさねばならない.これは?高分子物理では Kratky-Porod モデんとしてよく知られているが,場の理論でよく調べられている線形シグマモデルの低エネルギー握 ( 3 )非線形シグマモデルと解釈できる.数学的には,連続体極限での古典的なハイゼンベ jレ 隈,または 0 4 7 ] . クモデル(£2=1)とも関等である [ ここでは 0 (3)非線形シグマモデルを,半毘謹性高分子鎮の経路積分表示による定式化に用いる.こ ( 3 )非線形シグマモデル こでワインディング数とトポロジカル不変性を患い浮かべることができればヲ 0 と半屈曲性高分子鎮のトロイド状態が密接な関保であることが推測できる.またこれは,拘束条件下で O,L ]での量子力学に他ならない.罵所的非停長条件 i 五12=1は 5の僅を,単位醸状に制寵 のう詩詞 sE[ u ?-u~. これを するから?これは次的ように書ける必=1- 恥 (4.6) に代入するとアクシヨン U21=jfdspj]九 ( s陶 s ( 4 . 7 ) を得る.半屈曲性高分子鎖の経路積分が念頭にあるから,表現としてアクションを用いる G i jl i,3次 -488- 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽園インドバンガロールよりー 元召空間単位球上のメトリックを表す 111litz ノ E 一u 3 9町一 マ い 了-v一判 uト 包 一 一 同 -U 一吋 J÷HU 一÷ / f i z z ¥ 科 一 一 一 命 。u u り G ( 4 . 8 ) これは,非線彰シグマモデルと呼ばれる. ま次のように書ける アクションはう球座標表示で i us i uO uc o sr . p 官 U 2 = TusiuOusiur . pu 特) O t t osO Tuc u U3 紅 C C O S F ? ( 4 . 9 ) a r c t a n主 主 u " ' 1 フ ー U qL 11zj ψ ij いz 目、、 今“・ f ' I 。 円o、 十九戸 ・ sn 0w 泣 rruz AV-1- ju AoU 5 ぃ 88 , G d LL fIfofI'o l一 2 l一 2 一 一 y 日 u n v s ここで, ( O I , (2)三(()加 r . pu ),メトワック - 迂i γ t t 7・ ' U l ( 4 . 1 0 ) GlJ は対角行列で次のように与えられる l 11 , GlJ[ ( } 1( } 2 ] 三 0 } 1 0 s i n 2( J ( 4 . 1 1 ) これは同じ球面上 82のメトリックであるため 7 本質的に G叶叫!と同等である. アクション ( 4 . 1 0 )の正準量子化 i 乱系の罵所的な性賓を調べるには適しているがラトロイド状態のよ 4 . 1 0 )の富農解 うな系全体の(巨視的な)スケールの性質を見るには遣していない.よって,アクション ( を導き,近鋳のゆらぎを考えることにする.アクション ( 4 . 1 0 )を部分積分すると次式を得る rL , L 8 [ 九 r . pu J= -~ Jo叫九δ2 ( } u+r . pu( 80s 山 u0 8 )r . pt l ]+ISu蜘 e , L r ( 4 . 1 2 ) , L ここで表面寝 l S u r f a c e J o= をi 九8 ( } u+s i u 乙( } ur . puδr . pu J oI ま以下の理由で無視できる.先ず,球産標表示 θ u ( O ), r . pu ( O ) )= ( 0, 0 )と北極にとることで表面項の半分は無視できる.また?安定解を持つと仮定す で{ s ), " (u),表菌項の寄与はバルク項i 二誌ベ十分小さいことが分かる", 0告) ( ( l bI まボンド長を表 ると,立( - 489- 菊池信夫、石本志高 す).アクション ( 4 . 1 0 )を 九 と ψuに関して最小化すると,運動方程式 ( E u l e r L a g r a n g e方程式)を得る i- -δ2+?(δ仇 J ) 2 ]f u =0 2 J ( δf o t九δ [ 8 ]仇 u)c +2 4 . 4 古典解,ウィップ z = o . ( 4 . 1 3 ) トロイド転移 4 . 1 3 )から古典解を導き,それを用いてエネルギー準位を計算し,ウィップ・ このセクションでは先ず, ( トロイド転移を議論する. 4 . 4 . 1 古典解 4 . 1 3 )から 4 . 1 3 )の解として?トライアル解札 =0を考える,最拐の式 ( 先ず?運動方程式 ( f J S I l l2 ザu)2 u( =0 πまたはめι=0 ) u=0の下での解,( ) u=0 を得る.よって解は?九 =O, , f,1f,またはザu=Oである.( i lを持つことと同等である.従って,古典解i ま,ある一定の龍 i ま九=?または吾 c o n s tとなる. 2 ψむ =0を得る.よって,芭典解i ま次のようになる 4 . 1 3 )に代入すると, δ 九=号を 2番目の運動方程式 ( )= c o n s t . i l (s 20 QU 十 α mY 一 一 η EG α σ A π一 2 一 一 or 4 . 1 4 ) ( ま α, bI )= c o n s t .は方向ベクトんが一定であることを表すから,物理的に i ま定数である.最初の解剖 s デエネルギーがゼロであるから,エネル ロッド{棒)扶態であることを表す.これは,ロッド状態では歯 i ギー謹小鐘で島ることは自暁である.注目すべきは 2番目の吉典解で,これは単泣球菌の大円(=泰道) . 1 ),これはトロイド状態に相当する.物理的には,ワイヤー(ま 上での自由粒子の一様運動を表し(匡 4 たはしなりのある竹)を盛げるとき,テニスラケット状に曲げたりするより,曲げ角震一定で円弧を描い て曲げた方がエネルギー的には効率がよいからであザ,撞笹を叡る.ここで極僅と言ったのは,引力相 互作詞がない場合,円強?または同じ円菰上にワインディング数 N 自分何度も巻いたものは,その形状 を保てず不安定な鞍点だからである.手を放した途端に,円彊はまっすぐなワイヤーに戻ることが容易 に分かる.よって引力梧互作用がある場合のみ 3 トロイド状態は安定解となる.ロッド,ウイップ ,N 田 巻きトロイド)のうちどの状態が最小檀になるかは 経路長,パシス告ント長?ヲ i 力の強さの 3つのパラ 3 メータ間の接合で決まる.例えばパシスタント長が経諮長に匹敵するロッドやアクチンのような物体で, 主力が弱ければ自ツドが安定解となる. 2上の大円に治った一定速震 . 1 4 ),すなわち u ( s )= 一定(ロツド解),または S また,求めた吉典解(4 Aせ Qd ハ U 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽璽インドバンガロールより- I s h i m o t o での毘転{トロイド解)は,一巌解であることが対称性の議論で示される 詳しい証明註文献 ( a 0 0 7 )を参照されたい.なお古典解 ( 4 . 1 4 )は?ソリトン解と言う意味でうトポロジカんな解とみ Kikuchi,2 l . ! 四 Uz Uy 二沿った経路. F i g u r e4 . 1 :( 4 . 1 3 )の芭典解: ( a )1=一定ヲ ( b )82上の大同 i なすことができる. 4 . 4 . 2 引力梧互作用ポテンシャル このセクションでは,得られた吉典解 ( 4 . 1 4 )を元にき i 力梧互作用を計算する.本来,曲げエネルギーに 力項 ( 4.4)を加えたものを最小化し, E u l e r -Lagrange方程式を導くのが正しいが,比較的篇潔な今回 きi 力項の のような場合でも大変な困難を伴う.しかし,今居の場合実行でき,き i ( J u と<P u に関する一階徴 . 1 4 )に対してゼロとなり,運動方程式に寄与しないことが示される.よって,既に得られ 分が古典解(4 4 . 1 4 )は系全体の運動方程式の薮密解となることが分かる.義明は技巧釣で複雑であるため, た古典解 ( I s h i m o t o K i k u c h i,2 0 0 7 )を参照されたい. 詳縮は文献 ( さて,ヲ i 力ポテンシャ jレ( 4.4)を考える.半屈曲性高分子鎮上に沿った非居所的相互作用のため一般 NU ﹃ tTiv 44 sf , α 2 t a t ' r s 4'心V 一 一 4HU , α flo 4 2 u v ↓MU , α fsIPO QU 4 代 S - 4 . 1 4 )を用いて以下のように解くことができる.先ず ( 4. 4 ) を 的に扱うのは難しいがラ古典解 ( ( 4 . 1 5) を馬いて書き換えると,次のようになる ね T ω l( 1 :印 ) ) s ニ -lV d s 'O d t ( 4 . 1 6 ) よってこの問題は?吾空間で,古典解i こ関してゼロでない値を返す o(J~: d ti 1 ( t ) )を見付ける陪題に婦着 - 491- 菊地伯夫、石本志高 されるすなわち,与えられた 8 1こ対し, ! 1 ;dtal= 0を溝たす吾(8')を見付ければよい.なお,厳密iこ 'に関する穫分 i まOから S一正であるから, 8 '=Sの場合法捺く. はs 4 . 9 )で,これは次のよう!こ書ける 球座標表示 ( l f : 1ω 1 , Sd t叫 =0 , ι c o 仇 d 仇 a 凶 t 似山 同 岳 S s 訟 泊 山 I 悶 凶 I 1 1九 Si11ipu ( 4 . 1 7 ) 夜 d 吉典解の一つであるロッド解何 =co ηs t . )はこれらの方程式を溝たさず,写 i 力相互作用しない.これは ロッドの定義どおり,司ツド上の巽なる 2点が交わらないことより自明である.もう一つの吉典解であ 4 . 1 4 )を ( 4 . 1 7 ),こ代入すると?次式を得る るト B イド解 ( 。 c o s O u ( s ) 0 う tcosW)=:作i n ( a s + b )一 山 ' + b ) )=0, l~t 山 +b) = ~附州ー co何十b))=O α 従って 3 解は s-s '= 2nπ/α>0,η ε Zとなる.一般性を失うことなく, ( 4 . 1 8 ) α>0,nεZ+を仮定する. 会 ︺ d) α九い げ,↓ u a d s fils 片 ﹂ a71u iaTVπ , hb π A= 一 同町 司 s af-s s fils= 。。ι = Gauss記 号 1を用いて N ( s )三 α {s / 2 π 1:を導入すると,次のようになる ( 4 . 1 9 ) よって,引力ポテンシャんは V A T ( S )= -W.N ( s ) . ( 4 . 2 0 ) となる.なお N(L)は S2球面上の大円(図 4 . 1 )に沿ったトロイド解 ( 4 . 1 4 )のワインディング数を表す. 最後のステップとして s,こ関する積分を行うと?古典解に対する無次元ハミ jレトニアン(平均場近似自 lGauss'symbol[ x ]giv君sthegreatestintegerthati snotexceedingx . Aせ QU つb 高分子の流体効果、 D到A凝縮 一科学者の楽璽インドバンガロールより- 由エネルギー)が導かれる υ L 〉S ρ l か =や -w 子 4( 芸叫 L 冗 , Z i [ W]= d叫 ゐ [ 2 : N ( L J ] ( 4 . 2 1 ) 第 1項は菌 i ずエネルギーを表し,第 2,3項はワインディング数に関するトポロジカルな項と考える事が できる.長さ Lの高分子鎖が り N ( L )田巻くとき?高分子鎖は長さ子の円強を N ( L )田巻いたものとう残 ( L ) )か ら な る ( Lー 与N 4 . 4 . 3 トロイドヲウイップ状態 i Z空間におけるワインディング数がゼロでない古典解は,位置ベクトル空間 Fでも同様にぐるぐると円 4 . 1 4 )は F空間でト E イド形状を形或し始め, 張を措く{巻く).すなわち ?α>警の時, 2番目の古典解 ( s i n ( α : 8+b )-s i ) } 叫b ~{ -~ {c仰 8+b)-c州 } I r ( 8 )= 4 . 2 2 ) ( c o n s t . そして,F9弧のクロスセクションのセグメント需主力で安定化する.ただし,現時点で排除体積を考嘉し ま円弧上で ていないため,トロイド i N ( L )自重なり合ったものとなり 7 クロスセクションの厚みはゼロと なる.排除体護と引力の双方を考慮して,トロイド解を導くことは困難を極めるが,トロイド解を導くに こ2 排験体護も考慮したより麗実的なモデ は現時点のモデルで十分である.後に実験との比較をする際 i α が 増 加 し 苧 ? 作 εZ+)の ルを考嘉するこのような古典解をトロイド状態と以後呼ぶことにする . 値を越えるとき,ワインディング数が増加して η になった別のトロイド状態が表れる.ここで 1 ト / α iま . 2 ) . ロイド半窪を表すことに注意されたい{図 4 まトロイド状態のように R弧を影成できない高分子鎮の高 0<α 三 警 の 場 合 半 屈 畠 性 高 分 子 鎖 i 壌はくっついていないためヲ自由に動くことができ,勉の高分子鎖中の部分間接ゆらいでいる.高分子鎮 のエネ jレギーが曲げヱネ jレ ギ 一 千 を α =警で越えない限り,半謡曲鎖はウイツプ状態 )をと (N= 0 こ近いうしなった鞭のような状態をウイッブ状態と呼ぶことにする.次 る.この低エネルギーのロッド i のセクションでは,ウイップ,トロイド状態の厳密なエネルギー準位を計算し,これら状態間の椙転移を 議論する. 令U Qd A‘ 菊池伯夫、石本志高 百弓lI ps t a t e s T o r o i ds t a t e s 宅 ー ー ー N=l N=2 N=O F i g u r e4 . 2 : ウイップ (N= 0 ),トロイド状態 (N三 1 ) .bのi 直i ま方向ベクトル U iの初期値による. 4 . 4 . 4 エネルギー準位予ウイップ・トロイド転移 古典解(4 . 1 4 )を用いてう自由エネルギーは l , L, W, aの関数で次のように書ける L l . . . . 1τ 日F 冗c l ( a, l , L, W ' )三τ α斗ー.:.-N ( L )( N ( L )+1 )-WL .N ( L ) . , L α ( 4 . 2 3 ) これは α=01こ 対 し 半 =0と定義すればロツド解i 二対応し 3 上部全ての古典解に対して有効とな 二書いてお る.なおこれまでの文献では,前もってトロイド形状を仮定して自由エネルギーを現象議的i り,運動方程式の解として徴視的に導いたのは今回が始めてで、あることを付け加えておく.よって蓑々 は厳密なウイップ・トロイド状態のエネルギー準位を見ることができる立場にある. 先ず ,L,W ,l を固定した場合を考えよう.定義で冗 ( α )三冗 c l ( a, l , L,W)1 まα三Gの全ての領域で 連続かつ,次の各セグメントでスムーズな関数である αε{苧 2π{i+1~] f o rNεZ>O・ しかし,各セグメントの接続部分で i まスムーズでない?営 εZ+・ここで ラメータを導入すると,エネルギーはワインディング数と して,エネルギー準註を異なる ( 4 . 2 4 ) C三(去 ) 2芽と言う無次元パ C の簡単な関数になる.詳しい表式は後述と C の{直に対し,ワインヂイング教の関数としてプロットしたものを図 4 . 3 に示す.これは C onwell等による異なるソルト条件化での 3kbDNA凝縮の実験結果 [ 5 ]と定性的に一 致している. 4 . 2 4 )を , 0番呂から数えて N 番目のセグメントと呼ぶ.また, cが唯一エネ jレギー 以後セグメント ( o n f o r m a t i o n )1 ¥ラメータと呼ぶこと i こする. の形を決めるから,形態(c . 2 3 )は α=αc (N)三 さて,次にグラフの特性を謂べよう .N(L)= N が国定されているとするとヲ(4 d斗ム A斗-a Gd 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 2 x 一科学者の楽麗インドバンガロールより- 3 4 5 F i g u r e4 . 3 :エネルギー冗 ( α )の種々の cに対する?ワインディング数 x =αL/2π僚存性.万 ( α )は便宜 上 JWlで、スケーんしている. ( 守 N(N+1))1/3で極小となるよって?各セグメントは次の 3つのうちどれかの場合になる (i)αc(N) 豆半の場合,冗 (α) はセグメントで単調な関数であり, α=~子で極小となる. ( i i ) 三子 <αc ( N )< 出芋♀の場合ヲ行 ( α )は α!こ寵して 2次式であり, α=αc { N )で極小となる ( i i i ) 出 宇 旦 <αc(め の 場 合 間α )はセグメントで単語な関数であり ?α=出芋斗で、極小となる ( i ),( i i i )の場合は j 準}安定点がセグメントに存在しないことを意味するから?物理的にはあまり重要 ではない.従って, ( i i )の場合に注自する. ( i i )番自の場合であるための N の条件詰次のようになる(図 4. 4 ) Ndc)< N o rcど 4, <Nu(c) f o r0壬c<4, 1< N <Nu(c) f ( 4 . 2 5 ) ここで Ndc) 一 : ( l j + F 1 ) Nu(c) 一 昨日) ( 4 . 2 6 ) ここで N を N(L)=α [L/21 f ]に換えれば, αに関する条件を間接に求めることができる. . 3,4.4より,明らかに 1個以上の(準)安定トロイド状態がほとんどの形態パラメータ 図4 Cで見ら F l o バ τ ι o d 菊池信夫、石本志高 Regionofln 飽きe rNf o rMinima 2 3 5 C 4 6 7 s 9 1 0 F i g u r e4.4:太線と切れ線はそれぞれ極小題に対する N の上 Z 艮下限を表す.すなわち ,N u.dc)(そし て C 5 1 2 ) N U L { c )の 瀬 近 値 は ゐ dけ c ( c i f Zめとなる ( 4 . 2 3 )の曲げエネルギー項が単譲増加関数で?残りの引力項がスムーズでない れる.これはエネんギー 減少関数のためである.この二つの要素間のバランスにより,複数の極小檀とそれらの関のエネルギーバ リアが生じる.極小僅の数i ま,おおまかに N に対する領域の幅で与えられる?すなわち ,Nu(c)-Ndc). たとえばす C と 4の場合? Nu(c)-Ndc) l + i 可 ( F ? 子 一V l -~つ) → ; ( 2 吉 : ( ← 一 → 寸 1 ) 1+ さ 一 Z 乎 半' G r ) 3+2(gij台 (~r) ( 4 . 2 7 ) となる.ここで ( αh ,= a (α+1 )・・・何十 k-1)1 まPochhammer記号である.よって,ワインディング数 1 以上の極小値が,少なくとも 3つあることが分かる .O<c<4の場合, 3つ以上の極小僅を持つ条件は C >3となる.まとめるとヲ C >3の場合,少なくとも正のワインデイング数の極小値が 3つ存在する. a l ld e rWaals引力等を用いると,ヨ i 力によって極小植の数が変わる場合が なお,主力梧互作用として v ある, 次に, N 番邑のセグメントに極小笹が表れ ,i 高える C の臨界値を求めるー -496- N 番目のセグメントの下 DNA 凝縮 高分子の流体効果、 ー科学者の楽霞インドバンガロールより- 限i ま ( N )_ r 2 l ¥ 1v ( 4 . 2 8 ) N+l 一 一 一 一 < N, C i で与えられ,上震は + > C が次の不等式を溝たすときう N N N 一 ÷一 N { U となる.よって ( 4 . 2 9 ) N 番目のセグメント i ま極小と主主りラ(準)安定点となる (N)_ __ _ __ . ( N ) C i' <c<乙U ? t<C< 4の詩,最初のセグメント 伊i えi ま ( 4 . 3 0 ) α三[子誓 J(すなわち N = 1 )は α=αc( 1 )で極小となる. さて形態パラメータ - Cの値を換えていくとき,系のエネルギー最小檀(安定点)はどこに現れるだ ろうか?すなわち, C の臨界値を求めることで?半屈曲性高分子の形態閉ぬ構造椙転移を議論することが できる.本お 3 ここで相転移と言う言葉を用いたがきもちろん有隈長の単一高分子鎖という有隈系を扱う ため熱力学的には相転移と言う言葉は正しくない.しかし高分子物理の議論に相転移の概念は設に立つ ので,ここで泣状態簡の転移と言う意味で詞いる. N u ( c )三 1(すなわち C ざま)の場合 ( 4 . 2 5 )の 2番目の条件が消えるため,抵エネルギーでウイツプ 扶態のみが存在可能となる.このパラメータ領域でき α=0のロッド状態(エネルギーゼロ)が基底状態 となる .α=0の庖りのゆらぎを考量して,この担をウイツプ相と呼ぶ続いて?臨界僅 C= iでウイツ プ相からウイツプ・トロイド共存相への転移が起こる 一方, C >tの場合ヲ少なくとも 1つ ンディング数 N(L)の(準)安定なトロイド状態が存在する. cが 3 正のワイ t から大きくなるにつ九最初のセグ まある正 ( J )龍から徐々に減少し , N =1の安定トロイド状態を表す極小{直がウイップ状 メントの極小笹 i l=0 )と等しくなるとき?ウイップが支配的な桓から?ト E イドが支配的な棺への穏転 態む基底状態(冗c . 3参頚トこの臨界値は C=2 7 / 1 6である.なおラ α=0のヨッド状態と N =1安定ト 移が起こる(図 4 7 / 1 6の場合ヲトロ ロイドの間にポテンシャルバリアがあるため,梧転移は一次的であると言える.c>2 レギー密 4 . 3より,購り合うトロイド極小笹罰にエネルギーバリア イド状態が支配的になる.また,エネ i が存在し,異なるワインディング数のトヨイド関棺転移が一次的であることが分かる. 4 . 2 3 )と αc ( N )を , cと変数 x三 誌 を 用 い て 書 き 換 え て 後ほどの計算の便宣上,自岳エネルギー ( おく ~VL 冗 cl(α Jム Hf)=万 一 冗 ( c, x ) =h 手 前{ J e冗 ( c, x ) }= τ一c1-l( c, x ) 4 π2 l ヲ - 497ー ( 4 . 3 1 ) 菊池佑夫、石本志高 ここで 行 υ =三 + 主 州 ( 4 . 3 2 ) よって, [ x J= N(L),x c ( [ x ] )=主 袋) L= { c .[ X J ( [ X ]+1)}1/3. 4 . 5 安定性ヲゆらぎぅ摂動論 これまでアクションお一階微分から導かれた古典解を扱った.よって?解は形態空間でアクションの最 ま主力相互作用を考麗しなければ必ずしも安定ではない. 小値または極小{直に相当する.しかし,古典解 i 引力なし (W=O)の場合?アクションの 2錆微分テスト i ま正の僅でないヘシアンを与えラ鞍点であるこ とを意味する の ひ 5 2 S [ 九l.Pu ]I 5ψ~ I w = o 6 2 S [ O u, I . Pu ] 1 ( l必)cos20u, 6θ~. I V l '=0 62 S [ θu, l . Pu ]I d O u d ψtl. ιω l( 2 O 仇 州 201 ( . )+ I H/=O detHlw=o = å~S a<paeS δ。 ゐ S δd ' S <0 ( 4 . 3 3 ) H/=O 4 . 5 . 1 安定性 主力相互作用を考量すると,ワインディング数 2以上のトロイドが母らぎのもとで(準)安定になる.全 てのアクションのニ潜徴分が引力つきで正となる,すなわち状態が安定であることを示すのは,引力項 1の特殊関数を含むため容易ではない.しかし?以下のように系の安定性を簡単に見る方法がある. がi lsの小さなゆらぎを考えよう.この場合,エネルギーは 吉典解からのセグメント d ls. 冗( 6 α )と W.d ( 4 . 3 4 ) だけ増加する.より一般的i こ,エネルギーを αまた詰 Z とんの関数として書くことができる,すなわち, エネルギー準位の古典解からのずれである • l sをトロイドの壌からはがされた長さとする.ここでらを - 498- 高分子の流体効果、 DNA 凝靖 一科学者の楽園インドバンガロールより- 一⋮⋮中山⋮ zuh-- 〆 -E 4 3 2 1 0 1 2 3・ JVA叶 今3 今JH'inu'A 今 - L 'r H V a l l e yo ft h eH a m i l t o n i a n白 t h ec o n f i g u r a t i o ns p a c e(c=4) 6 x I s F i g u r e4 . 5 : 引力イせきの場合のエネルギー準位冗(民 l s ) .覆宣上プロットの最大値は 4とし ,l sは Lで規 格化した.谷 i こ沿った方向は古典解の Z 変数でーパラメ一歩化した.その車交方向 i ま吉典解からのゆらぎ l sを表す.グラフから分かるように,らはウイップ状態いくりに対して平である. 80(2)司転によって?例えば各節で 9 0度 7 局所的な曲 I デエネルギーを保ったまま回転する.よって 万α (, l s ) = 冗( x, l s ) Z L 2十字 x ( 1- -W 刷 ~)] 同 (t ) ! + 1 ) 1 t ) ] Wl[x(1- i ) ] 十 s ( 4 . 3 5 ) ここで x=昔である(函 4 . 5 ) . 微小セグメント 8 lsに関するエネルギー損失は 8E= lVN8ls, であることが分かる ( 4 . 3 6 ) N は局所前 i 二重なったセグメント数 N=[当 戸 ! を 表 す な お l s= Lの 場 合 エネルギーは曲げのエネルギー E=守α2に等しくなる. 従って?ゆらぎの下でトロイド状態は一般に{準)安定となることがわかる.なおここで注意したい のは,古典解に沿ったゆらぎは平である可能性があるため,あるワインディング数から期のワインディ ング数トロイドへの転移は起こりうると言う点である.このことは,いくつかの〈準)安定トロイド状 態の存在と,トロイド間揺転移を示唆する. ワインディング数 10)トロイドに劃しては?安定性は C の檀による.吉虞解に沿った転移i おまぽ平で -499- 菊地位夫、石本志高 i >iの時は,引力梧 あり, c三 の場合自然とウイップ状態に落ちていくから(図 4 . 5 ),不安定である . C 力桓互作用しない部分は全体のエネルギーを増やさない 互作用する部分が局所的に安定化させるが?き i 隈り自由に重却するので ,N =1のトロイド状態は部分的に安定,または準安定と言えよう金 一方 7 ウイップ状態はたとえ引力調互作用するとしても,接触しない譲り引力的エネ Iレギーへの寄与 はないので,いずれにせよ不安定状態である.よって,ある特定のウイップ形状を取り出して存症確率 L )に近いエネ jレギーを持つ全てのウイッブ扶態 を晃積もってもあまり意味がない.むしろ?冗 {α<2π/ の確率を,そのような状態を数えるかエントロビーを見積もって,考える必要がある.なお?基本的!こウ イップ状態は口ッド状態より起こりやすい. がボンド長らより十分長く,ウイップ状態が無視できる 上述の理由から ,l グ数 N 二 C 三4の持,ワインディン [ x ]~ 2以上の中のあるトロイド状態が基底状態であると言える.最後に 口ッド状態 (α=0) 3 と N =1トロイド需での一次的梧転移があることを思い出して欲しい.二つの状態間のポテンシャル パ げ は 千 で 与 え ら れ る か ら う 転 移l 主l 5 0 n r nの DNAの場合 L <抗 t'J t'J l p ,1H,の時 e-1かそれ μnt以下の DNAト E イドが昆られないのはこのためであろう. 以下の確率で抑えられる‘実験で 1 4 . 5 . 2 器エネルギー有効 Green関数 これまでの低エネんギ一理論の最後のステップとして?低エネルギーにおける有効 Green関数 Ge , f fを 摂動論を用いてトロイド?ウイップ解より求める.関数をより簡単にするため,パシスタント長 lを菌定 する.よって )Geffは Lと W ,または同等に Cと Lの関数となる.また,安定なトロイドの存在を保証 (去) 2三4を仮定する. するため, c=芸 トロイド扶態の Green頭数を GT,ウイップ状態のそれを G加とする.全てのトロイド状態の GTへ の寄与の和を敢りたいから,末端間ベクトル互?初期・終端の方向ベクトル{否i, U f )を GT (同様に Gw) に欝し省く.よって GT は C ニ c (ァ)のみの関数となる.ここで ,c ( r )はトロイドセグメントの鎖長ァの 関数である .Gw もまたァの関数となる(この場合,引力相互作罵しえよいウイツプセグメントの長さであ ..しかしながら )Gw(ァ)はウイッブの定義より W に依存しないことに注意されたい. る) F h u ハU ハ υ 高分子の流体効果、 DNA 疑縮 一科学者の楽園インドバンガロールよりー 上述の下で 者勢 Green関数は摂義論で次のように書ける 3 G e j j ( c, L )= Gw(L) "L-Lmin. 十 I G T ( c ( L ) )+2 Id 7GT(c(L-7))Gω(7) イ1 J 2 2 d u ( γ i ) G 州 7 1叫 +[佐川 L ー Gw(乃) ] γ ) )GT( ア ) 叫: 2 j 3 F c ( L 乃 7 叫 討 2 仇 凶) 一 叩T 市 州 ( 什 引 π 仇 け 1 ア ) 悶 G ω バ J 川〈什 ー 7 η Z ÷ん 主与? 何 F H 仲 判 似 ( 丙 C c い 但 { L 昨 L ル 一η 寸 一叫 叩 ω ι 帥バ ω w ( 山 什 何 η r ア 1 ρ 焔 州 ) 烏 G 悶 向 何 州 T ( ι ……π r o +/ 7 " 1 .3 d 7 i 1Gω(71)X m 2 :t = lT.i<L-L'm.u 乏 しt =. 1 . . J 刊 一 台 ) ) r nd7i1 GT( T 2 ) Gw( 乃) (L GT十( L一江戸j )x +2J::3>O,,2>Lmin , E t = l(.;く L-L L Z =. 1 1 n何 . J ι Gω(7dGT(ア2)G ω(7 3 ) i 刊 ( ← ← ι )ωM ( 叫 九 ん 三 山 : 三 : 汎 : : :[立合ト削向ベ巧イい ト L一 さ 去 討 巧 → i 山山( 問 ψ が 仇 仇 ) 山 川 烏 G 肋 州 乃 何 刊 T (山九)] + . , .• ここで Lmin は ,(準)安定ト E イド状態の存在できる最小の長さを表しヲ形態パラメ一歩 C(Lmin) = ( 4 . 3 7 ) C の下摂 1 / 2によって与えられる Lmin= ( 4 . 3 8 ) ( 4 . 3 7 )の最初の括弧はトロイドを一つだけ含む影状からの寄与を表す .2番呂の接弧l ま,ト E イドを 2つ 含む形状からの寄与を表す.ここで,実験でも観測されるオタマジャクシ形状(トロイド一つにウイッブ が尻罵として付いたもの)が低エネルギー摂動識の第 3壌として現れるのは大変興味深い.オヲマジャ クシ形状は過度に電荷を帯びていたりいくつかの理屈が考えられるが,統計力学的に表現できるのは注 4 . 3 7 )は概略的に密 4 . 6のように描くことができる. 目すべき点である. ( 詳絡は後ほど述べるが,我々のクロスセクションの厚みのない n 理想トロイド"に関し,エネルギー最 Fhd τlA AU 菊地位夫、石本志高 Zerot o r o i d , 向 、. O....To凶 , . . . . , .… .Whip O~~ αコ α: rooo ひくわ《心。 a : : x コ αx : rc ゎο Twoto ~ocx:r ooo~ OOO~匂 DOひ F i g u r e4 . 6 : (4.37) の各項はトロイド (0) とウイツプ(~ )の請によって表現される .3番目の項はオタ ) (謹数からなるトロイド)となっている. マジャヲシ形態 (0"')と呼ぶ .5番巨以降は全てマルチト 1 小謹を取る支配的なワインディング数 Ncがァの 2次式である C ( T )に比例することが分かる.加えて, れ c(N )において次のようになる, M i l l仰 糾 エネルギーの最小笹i c 異なる長さ 7と ) -q ふ^-'-守ご法 ) 3 .よって, Lのトロイドの存在確率の割合いを見襲もると? GT(C(T)~ fV::寺三(到3ρ-d長 (L 3 _T 3 ) G T ( c ( L ) ) εヰ三(去 r ν 4 . 3 9 ) ( となる L は L3~ 併と十分大きいとすれ fi , 短い経路長のトロイド状態iま上式の確率で抑えられほ 25π2lW)t( 併 ) を 得 る とんど存在しない(必よりう L3 と ( W ,,-,O(l),l > > lとすれば ?L3》 静 となる)• 倒えばヲこの条件は実験との比較セクシヨンで考える DNAの場合成り立っている,よって,上述の (訪ね謹に対して正当北されよう.なお,各経路または形状の統計的重みは,ウイツ 摂動計算は大きい c こ注意されたい.また,ラケットのような状態や他の可 プ状態や規格化因子に対しヲ指定されていない点、i 能な形状も見詰もっていない笹よってこれ以上?各項の詑較はしない. まウイップとトロイドヲオタマジャクシ影状のみを扱ったが,勉に扱わねば或らない形態があ ここで i る.シミュレーションによって,半屈曲性鎖は鎮長,スティフネスヲ引力相互作馬の大きさ ,1.昆震などの o l l a p s eしたロッドヲラケット形状等の形態を取ることが分かっている.興 条件次第でト 2 イド以外に, c 2 4, 3 4, t u k a l lら [ 味漂いのは,野口ら [ ,S 3 5 Jと 3 9 Jによる形態のスティフネス依存性の研究である.ここ o l l a p s eしたロッド状態をある中閣のスティフネスの場合に観漉している.スティフ で彼らはトロイド, c ネスを増やすとト司イド状態がより起こり易いことが示されている. C o l l a p s eしたロッドは我々のモデルでは出てこないが,考えられる理由としてはう大きな l ,低い温度 o l l a p s e Tで!ま芭典解でないからであろう.地の理由としては,居所的非{事長条件 1u12 = 1が強すぎるか, c nノ“ n u υ h F 高分子の流体効果、 DNA 凝結 ー科学者の楽園インドパンガ百ールよりー したロッドがエネルギー的に好まれない可能性があげられる.すなわち,蓑々のモデルは既にある程度 o l l a p s eしたロッドは i まとんど起こり得ないと言うことなのかもしれ スティフな領域にあり?そこでは c ない.また,シミュレーションでは主に不連続な半謡曲鎮モデルを用いるため 3 達続体モデんで i まー穀に 好まれない,突黙のへアピンが可能になる可能性もある.実欝スティフネスを強くすると?トロイド状態 がより起こり易くなる [ 3 5, 3 9 ] .この中間のスティフ領域での問題は解決に誤っていない. 4.6 トロイド平均 z クロスセクション半径の相互作用依存性 これまで主にウイップ・トロイド転移に関し議論をすすめてきたが?以後トロイドの物理的性質(平均半径? クロスセクシヨン半径)の相互作層型依存性を調べる.イントロダクションで書いた問題の一つに?実験で , 0 0 0 b p( 1 3 2 . 8ηm-16.6μ11 1 , ) DNAトロイドの平均半径九が?鎮長のオーダーが変わっても L=400-50 ほとんど変わらないと言う観灘事実がある ,Tc rv Lぺ指数 v: : :0[ 1 4, 1 5, 5 1 ] . 一方,理論は大きな Lに V ' 指数ジ 対し ,r c rv L , = iという結果でほぼ一致している [ 2 4, 27, 29, 52, 5 3 ] .この箆ではこの問題を議 論する. 主幹題曲性高分子鎖にデルタ関数自力相互作用を用いて導いた,理想トロイドのハミ lレトニアン(平均 場近叡自由エネルギー)( 4 . 2 1 ),( 4 . 3 2 )をよく見ると?排除体積も考慮した?より一般の相互作用に対し ても書き下せることが分かる.告意のセグメント需(短・長距離)引力ポテンシャんによって,しっかり と密に詰まったトロイド(エントロピー効果が強くトロイド影状が変形していたり不安定でない場合を 意味する〉のエネルギーはー穀に次のように書けるであろう l , L, W) 冗cl(a, や" 1[予仲 ( L一 千) ω叶 ( 4. 4 0 ) 第 1項i ま由i ずエネルギーを表し?第 2項はき i 力相互作周から生じる.排除体護法トロイドのクロスセ クションの幾何学を考えることで含まれる.引力として多体相互作用もモデルに導入可能だが,簡単の ため 2体相互作用に諜定する.議論が少々一殻的になるがう次のセクションのデルタポテンシャル(理 [L/2π ] 1ま音寺述のワイン 想、トロイド〉の場合と比較しながら読めば,より理解し易いと思われる .N三 α テ、イング数を表す長さ Lの高分子鎖が N [ID巻くとき,長さ守的円が N 巻と ,N@]巻いて余った長さ ( L一 子 N)となる.V ( N )1 まトロイドクロスセクシヨンの引力エネルギーで,エネ jレギー単位i ま-Wで a p ( N )三 γ( N十 1 )-V ( N )I まハミルトニアンの連続性を補うために導入したが,これが薮密な ある .G まど分かる なお?引力ポテンシャル(すなわち冗c lの 値に比べ非常によい近訟となっていることが後 i z 第 2項〉はトロイド半径,または需義でトロイドぬ平均謂長の線形関数と仮定した [ 5 4 ] . 芸(去 形態パラメータ - c三 l>0と変数 x=営 と o( i . e .[ x ]= N)を用いて?ハミルトニアン i ま V Fhu 。 円ハ 菊池弛夫、石本志高 次のように簡単になる:冗c l (α, l , L, W)= WL.冗( c, x ), x2 , f ( [ x ] ) 冗(ぃ) = E÷-7-Gαp ( [ x ] ), ( 4. 41 ) ここで f(N)三 NV(N+1)-(N+l)V(N). デルタ関数型の引力の場合法(4 . 3 2 )を参照されたい.理論の一貫性のため, V ( O )=V ( l )=0,よって x=Oで 呼 ♀ → O . W の値を換えることで, V ( 2 )I ま1 1こ捜格北される 半屈曲性高分子鎖がト E イド を影成する条件として,これまでと導いた WL>>lと c>4を坂定する. 41 )の最小値によって与えられる支配的なワインディング数 Nどを用 ト司イドの大抵の物理量iι(4. いてう十分良い精度で毘積もることができる.伊j えばうトロイドの平均半径は 日ーと"-'Lv(N で与えられる • ( 4. 4 2 ) c) 2 π Nc v(N 二対する指数を表す.冗 ( c, x )は C の檀によって決まるから c)は与えられた Nc I 3 c=芸 ( 去) 2と Ncの関係が薄られれば,トロイド平均半径が計算できる. m 番目のセグメント (m<x<m+1)における,冗 ( c, x )に注目しよう.唯一の撞植は x= x c ( m )三 ( 2 c f ( m ) )言で与えられる.極{産のセグメシトでの存在条件は ,f(m)>0かつ m < xc (m)<m+1であ り,よって c 山 )<c<叫 m)と な る こ こ で CL(m)= ポ 子 山1 . )= 等 詳 で あ る f(m)>0の u(m)~ cdm) であるから c~ 説会?となる.従って大きな Nc に対して? 条件下で m が大きければ ,c c-N c関係はほぼ一意的に次のように決まる C N : 一 一 一) -一 2 f ( N c' 円 ( 4. 4 3 ) J これを ( 4: 4 2 )I 二代入すると,椙互作罵ポテンシャルの影 V(N)が指定されるとき, r crv L (Nc}を得る. I/ なお ,1t( c, x )に関する Z の 2階微分は ,xE Z 以外で正であるから,全ての極値 i ま安定となる.小さ -N a:,前速のそれとは違うことに注意されたい. DNAのような現実の鎖 い値の Ncl二対する c c関係 I は有限系であるから?この点は理論を実験と比較するとき重要となる.この場合,上述の関係に代わり c Edp)2cu{Nc) を用いる さて,次第ではいよいよ引力ポテンシャルを指定しヲトロイド平均半径・ クロスセクシヨン半径を計算する. h 戸 u ハV A 4 高分子の流体効果、 DNA 疑縮 ー科学者の楽屋インドバンガロールより- 4 . 6 . 1 デルタ関数型引力 最も嵩単なき!カポテンシャルの一つは?デルタ関数聖であろう 吋 LPSF5(i汽Sト市)!) S )= 1 iA T( ( 4. 4 4 ) これまでに N 三 4のトロイドは, c>4で安定であることを示した.この厚みゼロの理想鎮で l i,各セ グメントは同じ円弧上に何度も巻いて重なった砲のセグメント全てと相互作用する.よって V ( N )I ま相 互作用するセグメントの組となる N N 品 ti 一qL 一 一 ι 川 乞 日 N G 一 一 N V G a p ( N )は Gαp ( N ) V(N+1)-V ( N )=Nで与えられる.よって f ( N )は f ( N )=NV(N+1)一(N+ 二 l ) V ( N )二戸 ( N+1 )>0となる・これ杭らを七Cω( 問 N 的)に代入すると?勾以(問 N 的)= 晶 I 品 ζTと 叫 c: を得る.高近形では cfr)2NC3cifvJ竺 Nc であるあから次のよう i こなる ( 4. 45 ) : : : : :c . Nc c 従って?支記的な理想トロイド半径は, c三 喜(去 ) 2であることを思い出すと次の表式を得る L 41rl 2N WL 7・二二一一ー一一ー=一一一ー 1 r c し ( 4. 4 6 ) 4 . 6 . 2 VanderWaalsポテンシャルと有限サイズ効果 現実ぬ物理系では?トロイド i まク 5 スセクションが有限の軍さを持つから,平地半径やク E スセクショ ン半径等の物理量は理想、鎮のそれとは異なる.よって,有霞効果をハミ jレトニアンの V ( N )にとり入れ なければならない.なお?より正確に曲げのエネルギーの有限サイズ効果も考慮することができるが,解 系数が変化する程震で定性的な結果には影響がないので,ここでは考えない 軒がより複雑になる上に, i s h i m o tか五i k u c h i, 2 0 0 7 ) . (文献 I 先ず v and e rWaals型 または詞等な短距離が支配的な宥効引力を考える.トロイドクロスセクショ 3 2 量されたヘキサゴン近艇を用いる(図 4 . 7 ) . またう各セグメント ンとして セグメントがヘキサゴンにi1 1 a l ld e rWaals引力で?最近接セグメントのみと相互作用すると仮定する.ヘキサゴンクロスセ は有効 v クションの形状を板定した跨点で,セグメントの排除体積効果は自動的に含まれている.このヘキサゴ 6 ト ン自己置はう DNA凝縮の実験でも観測されているからヲ十分喪い近似であろう [ セグメントが完全ヘキサゴンクロスセクションに配置された場合を考えると{霞 4 . 7 ),ワインディン FO ハU F z D 菊池伯夫、石本志高 F i g u r e4 . 7 :トロイドクロスセクションの彰状:図 i ま 1辺が 5個のセグメントからなる完全ヘキサゴン 90r'----~------~----~----~----~~--~ 80ι … ーョ千日ー ーーー 7 0 ι . . . . 、...…ぃ・・ 601-....................ム・ 0 い “ ・ し 4 …~...... ‘ R e a le x a m p l e- 一 / . . . . . . . . . . . L . . . . . . . . . . . . .....q~P..t.i~l.l:1l:1~!\.~J?p.~~.x.::. - J . E , j . . . . . . . . . . . . . . . . . + . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ; , e 争 ー , . i 日 牟 ー ょ . . . . . . . . . . . . . 〆 : … . ' ' 〆 . , . + . ,. F i g u r e4 . 8 : トロイドクロスセクションにおける最近接相互作用する対の数.厳密に数えた不連続関数 V d i s c r的 (N)と連続近似 ν (N)の場合. まN = 7 , 1 9, 3 7,'"となる.この場合,最近接棺互作用するセグメント対の数i ι ヘキサゴンクロ グ 数i d i s cγe t e ( N )として スセクションの鱗り合うセグメント聞のリンクの数に等しい.その数は不連続贋数 V 数えることができる. 1辺 η {十 1 )セグメントからなる完全ヘキサゴンの場合?ワインディング数は N = l十 乞6i= 3n(η 十1)+1, すなわち ? η =!+ム ¥/N- ~で与えられる. v号 V 4 H 図4 . 7において,最近接セクメント聞の童心を綜で結ぶと, 1辺 1の正三角形セんからなる完全ヘキ Fh-v p o n v 高分子の流体効果、 DNA 姦縮 ー科学者の楽密インドバンガロールより- サゴンとなる.この三角形の週の数を数えれば?最近接相互作用するリンクの数となる 2 ) V d i s c r 出 ( N)= [ 3x( N o .o ft h er e g u l a rt r i a n g l e s :6n +(Perimeterofthehexagon:6n)]/2 =( 3・6n2 十 6 n )/ 2=3n(3η 十 1 ) JN て1 / 4, = 3N-2v 包 ( 4. 47 ) ここで N=1, 7, 1 9, 3 7, ' " で島る.よって一般的な N の値に対して ,V d i s c r e t e ( N )を近似的に連続関数 に解析接続できる J V(N)= 3N-2v ' 3 万て守4 . ( 4. 4 8 ) この近i W ま厳密i こ数えた不連続関数 V d i s c r e t ε( N)( 函4 . 8 )を非常に良い精度で記述する.なお 1 N = 3 までは理想鎖と vand e rWaals最近接相互作用の場合で相互作用対の数に違いが生じないため?有隈サ イズ効票を導入する盛要はない.よってこの効果は N と 4の場合となる.また,高分子鎮のもつれ会い や結び自の効果は考慮していない. こよって, cが大きいときの支配的なトロイドの c-N 欝箆と詞接の解析i c 関孫を得る Nc ~ ( 2♂ ) c ( 4. 49 ) 言 これを九三台に代入すると,トロイドの平均半径は次のようになる 1-5 L W /it--¥ 一 25 ¥ itノ 一 ー 、 ri C π υ c T 一 ( 4 . 5 0 ) なお後のセクションで, T4DNA,スパーム DNAの平均半径は定量的にこの表式で与えられることを示 す また,このスケーリング z 同様に, 1沼 Tcr v L きは文献と一致する [ 2 4, 27, 29, 52, 5 3 ] . (n+1 )値のセグメントから或る完全ヘキサゴンのクロスセクションの卒均半径はラ次 のようになる r ' c r o s s= 弓 V 3 ( ぺ) l d 呼~Nき [1- 示。(走) ] l d んはセグメント直径を表す 大きな cに対して Nc ~ V 3 ( 4 . 5 1 ) ( 2 c ):3であるからうクロスセクシヨン平均半 Fhd ウt AV 菊地伯夫、石本志高 径i ま となる.なお,スケー I }ング Tcross sご rv 内 /T i { f¥言 V ; 2 '(伽)一到す )l d ~./~ミム氏 い q L~ は非常 i こ大きな N に対して計葬された [24] と一致する. また?ク g スセクションの車みはゼロだが?影式的に理想鎮の場合 (N : :c )も計算できる, cc γc ross 強 制 芸) t i d 4 . 6 . 3 湯J I Iポテンシャルヲ一般論 実験では?負に害電した DNAセグメント間のクーロン斥力作需に打ち勝ち,トロイド凝縮を誘起する 5 7, 1 4, 1 5, 24, 2 9ヲ 4 9 5 1 ] . DNA鎮を屈むイオン雲のために, ため多値イオン等を DNA溶液に入れる [ DNAセグメント慣の引力はスクリーンされたクーロン引力,すなわち湯J11 裂のき l :nと考えることもで きょう , -dd(r/ ld一司) X p ( 1 ノ シ ヤ )=-w γ (ん) ここで 7・はセグメント対罷の距離を表す.相互作用Be離は,溶媒のソルト濃度等に依存するスクリーニ ングパラメーターぉ(逆スクリーニング長)で特撮づけられる.低スクリーニング極援では κ → Oでは, 力に相当する. ポテンシャルはクーロンヨ i ポテンシャんのみならず,一般に V(N)の量を?相互作用するセグメント 種々の κの憧に対する湯JlI すから解析的に莞積もるのは非常に難しい.これは主に?長距離作罵するポテンシャんの性質 対の数だ i のためである.よってラトロイドクロスセクションの引力エネルギーを数謹的に薮密i こ計算し?次の関数 α でフィットする.ここで,関数 V(N)は一般にトロイドクロスセクション半径 ( (n+お)の多項式と して展開できると仮定する, 伊 ) 叫+ 5 叫J 1 b 2←Jih←J34←J-4 = 咋3 1 咋F 咋F咋 -F 中9 7付 完 了 ,A = b( 方Y 1 2 = h (方Y 1 3 = b 3 (完 了1 4 = b 4 (会Y 芸あるこのフィ o( ここでおこ b 1 1 e rWaals型の V(N)がそれぞれ次の関数で与えられると言う前節での結畏に基 ット罷数は,理想鎖と vand づいている V i d e a l ( N )= ~(n v ' 3 f N 3N-2 + 計七 ~(n+ おと金=出芋旦 , V¥iDW(N)= 9(η+~)と 6(n+~) 寸= 弓理想トロイドクロスセクション中の全てのセグメント i 志望 i 力エネんギー -wで ( 2 )が 1に規格北されている.このことは ,V(N)の上限は V i d e a l ( N )で与えられる 相互作用しヲまた V ことを意味する.一方,V(N)の下限は,引力エネルギー -wの vanderWaals最近接梧互作用の場合 - 508- 高分子の流体効果、 DNA 疑縮 一科学者の楽醤インドバンガロールより一 となる.よって,次の不等式を得る V i d e a l ( N )芝川N)さ V γD v v ( N ) . ( 4 . 5 3 ) 従って,湯川ポテンシヤルの場合はこの領域にあり, ( 4 . 5 2 )の 3次 の 嘆 い +~)3 を持つ可能性を推測で きる.この解析に調し,クロスセクションはトロイド平均半径に比べ相対的に小さくな i すればならない. : : : : :r c r o s s )はこの効果をより真剣に考慮すれば修正 よって?トロイドートロイドグ Eビュール転移点(アc : されるであろう. (N)は次のようになる 対応する関数 f ~Ci[(~ l ) N t +計 = -1 十 ( 志 ( い )(7i-34い」 ω (N~-3) ] ( 4 . 5 4 ) ここで1, =α , α-, 1 α-2, α-3, α-4に関して和を取りヲ C α =Ao,Cα ,_1=Al'G ,α2=A2'Cα ,-3=A3ヲ C α -4=A4である .Ncが大きい極眼?ただしトロイド・トロイドグロビュー jレ転移点以下で ,f(N)は Ao{三一存 N警 ( 2<α 三4 ),Ar { 号1_存N手 (α=2の (VDWtype)となる.条件 f(N)>0(すなわち )>0( 九 >0 )を溝たすには ,Cα ,=Ao( r vb 2<α::;4 ),Ca-l= A1( r v b1) <0(α=2 )でなけれ i まなら o ない. r c )とつ 平均ト 2 イド半径 ( aスセクシヨン半径 ( r ・ c r o s s )は 3 大きな C の恒に対し次のように計算で きる 1 )I d e a lt y p e(α ニ 4): 九=会話 γ…=~幸子作)き(引きらL ( bo>0 ), I I ) Coulombtype(α=斗 rc=6dd( が まD . : . t, 1… =吟i3(会)き(引き ldLi( b ), o>0 セぷ t,Tooss=2乎 (4U(手 ) ま ldLt( b <0 ) I I I )VDWt y p e( a=2 ) :1・ c= ( % b i ) なお,理想ト 1 aイド, vanderWaals最近接椙互作用するトロイド半径 i ま,それぞれ, の場合{理想ト ・ Case1で お = 3 aイド), caseI I Iで b t する.以下で, c a s eI Iが 1 =-6の場合 (VDWトロイド)に対 t Coulomb型であることを示す. . 1I ま種々のスクワーニングパラメーター κに 対 す る 湯 J I Iポテンシャル, VDWポテンシャル 表4 -w(争)β{β=6 )に対して厳密こ計算された V ( N )の , ( 4 . 5 2 )を用いた最小二乗法によるフィットを示 す.数値計算では, 1辺 5 0個のセグメント(すなわちワインディング数 N = 3n(n+1 )十 1= 7 3 5 1 )から VIま便宣上 1とした.表 なる完全ヘキサゴンを考えた.セグメント董径んと自力エネ jレギーの大きさ V a s eI I(Coulomb型)f 二分類できることが分かる.湯Jl I~テ より, κ =O(Coulomb桓互作用)の結果が c QU AU FO 菊池伯夫、石本志高 。 0 . 0 1 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0. 4 0 . 5 0 . 6 0 . 7 0 . 8 0 . 9 1 .0 β=6 α 3 . 0 0 0 0 7 士0 . 0 0 0 0 3 . 0 0 5 2 9 2 . 6 5 3 9 1土0 2 . 0 0 8 4 5土0 . 0 0 3 8 6 2 . 0 0 0 4 8土0 . 0 0 2 0 7 2 . 0 0 0 0 8土0 . 0 0 1 1 3 2 . 0 0 0 0 2土0 . 0 0 0 6 3 1 .9 9957 土0 . 0 0 0 2 0 1 .9 9958土0 . 0 0 0 1 3 1 .9 9963土0 . 0 0 0 0 8 1 .9 9969土0 . 0 0 0 0 6 1 .9 9974土0 . 0 0 0 0 5 1 .9 9978土0 . 0 0 0 0 4 1 .9 9999土0 . 0 0 0 0 1 b b 1 o . 0 0 6 . 2 5 士0 . 0 2 8 . 3 8土0 土1 3 . 2 9 2 1 4 . 2 7 2 8 . 9 2土0 . 7 4 土3 7 . 6 4 9 5 4 . 1 4 1 1 0. 4 5 土2 . 0 2 5 9 . 9 3土9 . 0 6 5 9 . 2 0土0 . 5 9 ー2 土0 . 2 2 ー1 21 .6 1土3 . 1 7 4 1 . 0 6 . 1 0 7 3 . 3 2土1.34 3 2 . 0 3土0 .1 2土0 . 2 5 51 2 6 . 6 9 土0 . 0 2 . 1 3 3 8 . 5 6土0 2 3 . 1 2土0 . 0 1 . 0 1 3 0 . 6 8土0 . 0 8 2 0 . 5 8土0 1 8 . 6 9土0 . 0 1 2 5 . 3 8土0 . 0 5 . 0 0 21 .6 3士0 . 0 4 1 7 . 2 3土0 1 6 . 0 7 土0 . 0 0 1 8 . 8 7 土0 . 0 3 土0 . 0 0 6 . 8 5 9 . 5 6土0 . 0 0 きβ ) T a b l e4 . 1 :種々のスクリーニングパラメーター刈こ対する湯川ポテンシャル, VDWポテンシヤん -W( )に対して厳密に計算された V(N)の , ( 4 . 5 2 )を用いた最小二乗法によるフィット結果.便宜上 W ( βニ 6 と ら は 1とした.データは 0', b ,んのみ表示した. o ンシヤ jレ(κ=0ム0. 4 ,0 . 5, 0 . 6, 0 . 7ヲ 0 . 8, 0 . 9ラ 1 .0 )と , VDW(β=6 )の結果は c a s eI I I(VDW聖)である . 0 1, 0 . 1, 0 . 2の湯川ポテンシャルの場合で,指数 αは 2rv3の檀を取 ことが分かる.興味深いのは ?κ=0 I I )から vand e rWaals型 ( I I I )への転移はこの領域で起こる.なお,小さな η<3に る. Coulomb型 ( 対して 最小二乗法によるフィットが κ 三0 . 3の湯 J I Iポテンシャルの V(N)に爵し少々ずれる.しかしヲ 3 大きな η の振舞i こは彰響がないから 2 これまでの結果には影響がない.また表には載せていないが?ポ テンシヤル -w(き)β(β=3r v2 4 )の 場 合 c a s eI I I(VDW聖)に分類される.ただし, β=1 2の場 ", c a s eI I ) . 合 3次の項が重要となる ( c 不等式 V i d e a l ( N )三 V(N)と V¥'Dw(N)は,トロイド平均半径九 r vLv(N )I こ関する指数 ν(N )が ヲ c e rWaalsトロイドのそれで下・上最が与えられることを意味 大きな Ncl二対する理想、トロイドと vand する 三 : 一 例 Nc) また理議から次の重要なことが導ける .V(N)が ( 4 . 5 5 ) (π+訟の多事式で与えられる躍り ,f(Nc)rvNc( すな vc r v ま成立し得ない.これ i わち N;r L2)とならないから?大きな c lこ対し九 r v Loの麗孫 i ま?実験でよく知 cr vLOと矛窟している.これ拾いったいどういうことを意味するのであろうか?この問題 られた事実 r c vLv(N )の詣数叫 Nc )を,有限の支配的なワインディング数 Nc を解決するためラトロイド平均半径 Tcr . 9 ) . 指数は理論から次のように定義される ν(N / 1 ジf(N : に対してプロットする(函 4 c)三 1-2 c) 九 =L j ( 2πNc)= L j ( 2町市町>) =( 2 π〉守釈す -1(Wj2l ) ーホ玩T L1一可告ゴ 宅 ハV z a に υ 奨縮 高分子の流体効果、 DNA 一科学者の楽屋インドバンガロールより- 0 . 2 。 AUAυAυ 246 s o n k m同 (山︿)﹀吉 0 . 8 50 100 200 150 250 300 350 400 NC F i g u r e4 . 9 : 有譲の支配的ワインディング数 Ncに対する,ト司イド平均半径九 Lv(Nr . )の指数 ν(N . c) データ i 之 湯1 1 1ポテンシャル (κ=0 . 5r v 1 .0 ),Coulombポテンシャん,完全・最近接相互作用 Vand e r Waals引力,デルタ関数聖引力(理想、トロイド)I こ関してプロットした. ('..J ここで?者隈の関数 νf(N 00r v 400(すなわち現実的な T4 c)は c=N~f(N,,) と定義される • Nc =1 DNA[ 4 9 Jやスパーム DNA[1生 15 , 51] のト 2 イドのワインヂィング数)に対して 2ν~ 0(湯JlI ポテン . 5 シャ jレ?κ=0 !"v 1 .0 ),ν=0 . 1r v 0 . 1 3( v a nd e rWaals主力)を得るーこの結果は?実験でよく知られた 事実 V : , O に一致し?説明可能寺一つのシナリオで島ろう. 害られたスケーリングより?半題曲性高分子鎖の構造相転移も議論できる,トロイドクロスセクショ ンの半径がセグメント重径にほぼ等しくなるとき き?スケーリング γC r v 1 r c r ' o s s: : : : : 'l dヲウイツプ・トロイド (N )転移が起 cニ 1 L,相互作用の型に依存しない転移線 l/Wr v L2 を得る.また,トロイド・トロイ ドグロビュール転移京 rc: : : : : 'r crosS 1 =麗し 1 r ・ C rv 1 ' *L~ r! l J を侍る. L3はグロビューんのような物体の . . J - " . 自 主 T " C rv スケーリングに一致している. 4 . 7 実験との比較 この節で i ま , 理 論 よ り 導 会 批 ト ロ イ ド 平 均 半 径 九 三 台 を 用 い て DNA凝縮実験結果と比較しヲ理 and e rWaals最近接指互作用によって導かれた表 議が実験に定量的に一致することを見る.ここでは v 式を黒いる い 一出(ザ=剛一》川(長) ( 6 π ) - 511- ( 4 . 5 6 ) 菊池伯夫、石本志高 ( 4.4)の話会定数は w=試合)と与えられるであろう ここで kf i t=t:ノマーセグメント中の電気双種 子の教を表し 3 各自大きさ正の v a l ld e rWaals相互作用を生み出す.んはモノマーセグメントの経路に .66nm. また, lmrv らを仮定する. 沿った長さを表し,ヘリックスのピッチの半分とする lm~ 5bp= 1 なお?第 2 近接相互作用の結合定数は大変小さい W2~2-6W= 会 W から十分無携できよう. 先ずき吉 J I Iグループ i 二よる T4 DNA 実験で報告された平均半径 [16J と比較する • L = 57pm, ま次のようになる 1~50rv60nm , 1mを用いると 3 平均半径 i r c= 29.09B-t' " ' '3 1. 29B-~ [ n m ] . ( 4 . 5 7 ) ここで B 三 告 で 島 る . こ れ は B 1 .1 5の時?実験僅 Tc竺 2 8 . 5nmと非常によい一致を与える r . . ; 1 5 JラSpermDNA( L= 20. 4 μm)のトロイドに関して 同様の議論を Bloomfieldによって報告された [ 行うとラ理論壇i ま次のようになる r c= 23.69Bー さ ' " ' '25. 4 8Bー さ [ n m ] . これ iま実験値 rc~26.25 ( 4 . 5 8 ) nmと B ,,-, 0 . 8 5のとき一致する. 1 6 ],この場合主力が熱ゆらぎ なお,最初の T4DNAトロイドはラ密に詰まったトロイドであるので [ kBTIこ比べ強いと考えられ ,B >1 1ま妥当であるう.後者の SpermDNAの場合はすこし拡がったトロ イドで,有効セグメント亘径が密に詰まったトロイドに比べ大きい.よって,襲めの?しかしトロイド形 状を保つには十分強い引力を持つから,少し小さめの Bを持つことが予想され,理論と一致する. 円 r “ 宅3 Fhu 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽園インドバンガロールよりー BIBLIOGRAPHY [ 1 ] M.DoiandS .F .Edwards,Thet 初 旬 。' fp o l y m e r 'dy 問 問c s(ClarendonP r e s s,Oxford,1 9 8 6 ) . [ 2 ]P . G. deGennes,Sc αl i n gConcepお i nPolymerP h y s i c s( C o r n e l lU n i v e r s i t yP r e s s,NewYork, 1 9 7 9 ) . [ 3 ]A .Y.GrosbergandA .R .Khokhlov, S t a t i s t i c a lp h y s i c so fm a c T O m o l e c u l e s(AmericanI n s t i t u t e o fP h y s i c s, NewYork, 1 9 9 4 ) . [ 4 ]A . V. F il1k e l s t e i na l l dO. 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[ 1 4 ) V.A.Bloom 註e l d, Biopolymers31, 1 4 7 1( 1 9 9 1 ) . [ 1 5 J V.A.Bloo l 1 l 註e l d, C u r r .Opi 凶 011S t r u c t .BioL6, 334( 1 9 9 6 ) . .Yoshikawa,a凶 T.Kanbe,Langmuir ・1 5ヲ 4085( 1 9 9 9 ) [ 1 6 J Y.Yoshikawa,K ー [ 1 7 ]I .M.L i f s h i t z,A .Y.G r o s l 則 g , andA .R.Khokhlov,R e v .Mod.P h y s .50, 683( 1 9 7 8 ) . [ 1 8 ] A.L .Kholoder 立oandK .F .F r e e d,J .P h y s .A:Math.Gen.17,2703( 19 8 4 ) . [ 1 9 ]P .G.deGennes, J .Phys.( F r a民 e )L e t t .46, L639( 1 9 8 5 ) . ( 2 0 ] Y.A.Kuznetsov, E .G.Timoshe 成 : O , a凶 K.A.Dawsoll,J .Chel 孔 P h y s .104 3338( 1 9 9 6 a ) . “ 宅 惚 攻 叫 功 l お [ 2 1 可 ]H .Kl 以 e i限 r 凡 P α a t hI η n t ε句 ' 9 r s仇 z ηQ匂切 α 仰n t 如匂似 rnMe 舵c hα " 戊 l / t , C ム S 皮 8 α t a t i ω ば s ti c s ふ ?α ndPolν y r n e 白r P勾 h ν 伊 伊 δ 幻 & ; 1 , ω タ , ; 偽 白 凸 α η dF おi η α T c i a lMα a r γ' kε 的t お s(Wぽ o r l dS c i た 如 e 剖l 凶長 f i cP u b l i s h i n gCompa 可, 2 0 0 4 ) . [ 2 2 ] K.F .F : 陀 e d Adv.Che低 ラ P h y s .22,1( 1 9 7 2 ) . 可3ム 。 円FD 菊池伯夫、石本志高 [ 2 3 ]A .Y .Grosberga 凶 A .R .Khokhlov, Adv.P o l y 瓜 S c i .41, 5 3( 1 9 8 1ト [ 2 毛 M.R.Stuka九 V.A.Iva , ∞v,A.Y.Grosberg,W.Paul,andK.Binder,J .Che乱 P h y s .118,3392 ( 2 0 0 3 ) . [ 2 5 ]J .Ubbi 出 a ndT .Od 詰k, E u r o p h y s .L e t t .33, 353( 1 9 9 6 ) . 司 ]B .Sc 出h 1 凶 l u r 叱r ,F .C .Ma 舵 . c 阻 K ( 三u 凶 1 詑 主O 邸s h,a r 凶 D .R .M.Wi 辺 l l i 泊 a口 m杭 Eぽ ur 叩 o ph ; 防 y s .L e t t .51, 279( 2 0 0 0 ) . [ 2 6 ラ [ 2守B.S c h n u r r,F .G i t t e s,andF .C .MacKintosh, ' P h y s .R e v .E65,061904( 2 0 0 2 ) . [ 2 8 ]G .G.P e r e i r aandD.R .M.W i l l i a m s, E u r o p h y s .L e t t .50, 5 5 9( 2 0 0 0 ) . [ 2 9 ]I .C .B .M i l l e r,M.Kee 剖o k,G.G .P e r e i r a,andD .R .M.W i l l i a n 眠 P h y s .主e v .E 71,031802 ( 2 0 0 5 ) . [ 3 0 ]S .Y .Park D .H a r r i e s, a 吋 W.M.G e l b a r t,B i o p h y s .J .75,7 1 4( 1 9 9 8 ) . ラ [ 3 1 ]Y .Takenaka,K .Yoshikawa,Y.Yoshikawa,Y . Koyama,andT .Kanbe,J . Che氾 P h y s .123, 014902( 2 0 0 5 ) . u a l i, andF .C .MacKi 叫o s h, P h y s .R e v .E69 021916( 2 0 0 4 ) . [ 3 2 ]A .Montesi ラ ~M. Pぉ q ヲ [ 3 3 ]I .R .CookeandD .R .M.W i l l i a m s, P h y s i c . aA 339, 4 5( 2 0 0 4 ) . [ 3 4 ]H .Nog吋 l I ,S .S a i t o,S .K i d o a k i, andK .Yoshikawa,Che弘 P h y s .L e t t .261,527( 1 9 9 6 ) . .Chem.P h y s .109, 5070( 1 9 9 8 ) . [ 3 5 ]H .NoguchiandK .Yoshikawa J ぅ [ 3 6 ]Y .A .KuznetsovandE .G.Timoshe 比 0, J .Chem.P h y s .111, 3744( 1 9 9 9 ) . [ 3 7 ]Y .A .Kuznetsov,E .G.Timoshe 此 0, a 凶 K .A .Dawson,J .Che 弘 P h y s .105,7 1 1 6( 1 9 9 6 bト [ 3 8 ]V .A .I v a ∞. v,W.Paul,andK .B i n d e r, J .Chem.P h y s .109,5659( 1 9 9 8 ) . .A .Martemya l 1 ova,M.R .Sれ ぬn, V .A .I v a n o v,M.M u e l l e rW.Paul, a凶 K.町 B i 凶 e 佼r 司 ¥ ‘ J .Ch 児e l H [ 3 9 ]J ラ 2 0 0 5 ) . Phys 122,174907( 霊 叫c i s, C e l l13, 295( 1 9 7 8 ) . [ 4 0 ]T .H .Eickbusha l l dE .N .Moudrial [ 4 1 ]G .E .Plu民 P .G .A r s c o t t,a吋 V .A .B l ool11f i e l d,B i o p o l Yl11e r s30,6 3 1( 19 9 0 ) . .FangandJ .H .Hoh, FEBSL e t t .459,1 7 3( 1 9 9 9 ) . [ 4 2 ]Y [ 4 3 ]C .B o t t c h e r, J .A恥 Chem.S o c .120, 1 2( 1 9銘 ト [ 4 4 ]B .Ha l 1 1p r e c h tandH.K l e i n e r t, P h ) 尽 R e v .E 71, 031803( 2 0 0 5 ) . [ 4 5 ]A .J .S pakowitzandZ .G .Wang, P h y s .R e v .L e t t .91, 1 6 6 1 0 2( 2 0 0 3 ) [ 4 6 ]. A .Y.Grosberg, T .T.Nguyen,andB .1 .S h k l o v s k i i,R e v .Mod.P h y s .74, 329( 2 0 0 2 ) . [ 4 7 ]P .M.ChaikinandT.Lube 凶 cy ,P T i n c i p l e s0 1c o n d e n s e dr n α t t e rp h y s i c s(CambridgeU n i v e r s i t y P陀 s s, C倒 油 r i d g e,1 9 9 5 ) . [ 4 8 Ji l 1p r i v a t ecommun I c a t i o nwithY .T a k e l 点王a( 2 0 0 5 ) . [ 4 9 JY .Yoshikawa,K .YoshikawιandT .Kanbe,Langmuir15,4 0 8 5( 1 9 9 9 ) . [ 5 0 ]Y .I s hiIl1o t oa 吋 N .Kik吋 l I ,J .Che恥 P h y s .125,074905( 2 0 0 6 ) . l d,B i o p o l y m e r s30 619( 1 9 9 0 ) . [ 5 1 JP .G .A r s c o t tandV.A .Bloom長e ヲ [ 5 2 ]A .G .Cherstvy ,J .P h y s .conde 凶 .M atter17 1 3 6 3( 2 0 0 5 ) . ラ [ 5 3 ]J .UbbinkandT .Od当k, B i o p h y s .J .68, 5 4( 1 9 9 5 ) . [ 5 4 ]E .A l l a h y a r o v,H .Lowe 九 回l dG .Gompper,E u r o p h y s .L e t t .68,894( 2 0 0 4 ) . i 匂a Aせ FD 高分子の流集効果、 DNA 疑箱 一科学者の楽冨インドバンガロールより- CHAPTER 5 科学者の楽園インドバンガロールより ーインド科学研究所滞在記 - S i n c e1 5 / 0 7 / 2 0 0 7 この章では,科学者の楽冨インド・バンガロールからラ著者 ( NK)のインド科学穣究所薄在記(奮潤記?) をレポートします .8本?イギリス?ドイツでの研究生活を経て,インド科学研究所への大移動となった 今回ヲインドならではの様々なハプニングや,素晴しい出会いが持ち受けていました,研究という仕事に こより多くの素靖らしい人々や,文化との新鮮な出会いが日々与えられること 携わるようになり,それi こは慣れたはずで、あった著者を常に騨激し?悩ませ,それでもなお飽きさせない に幸せを感じます.移動i インドの魅力を,生活の拐期セットアップを中心に報告させていただきます. 5 . 1 入国編 インド・バンガロールへ入冨 0時?素行機は無事シンガポーんからバンガロールへ到着{バンガロール 夜 1 毘本聞の直行痩は今のと 0,荷物も無事現れる.外冨入用の入題審査カウンターがなく,インド人の ころない).特に問題なく入 0 こ混ざってお入国となった.空港は患ったより(予想還り)小さい.こんなに小さい空港は日本にはな 到i いであろう.とりあえず,潟ごルからんピーに少しばかり両替をする.レシートが欲しいと言うと?笑わ れた.用心深く緊張感のあるスタートとなった. ISC( I n d i a nI n s t i t u t eo fS c i e n c e )へ 空港かも I i,セキュサティの問題で送速の人は決して中には入れない.正確にはむしろ,スワや,ぼ インドの空港 l る人等を入れないためかもしれない.空港出口を出ると,すさまじい数の迎えの人の山.怪しい観光馬 まゅうにあ らしき人,オートリクシャー{三輪タクシー)などもいる.これぞインド,人人人の波.数十 i o r i oK i k u c h iI I S cというサインボードを見つけ るであろう,週えのサインボードの数々.幸いすぐに, N E 司 よ FO 。 声 菊地位夫、石本志高 た.迎えのタクシードライバーに荷物を渡したが,気がつくといつの罰にかインド入が二人我々の荷物 を運んでいるー前回の 3遷需のインド捺行以来 3年ぶりのインドでう一瞬油訴してインドという冨を忘 れていた.予想通り(?),荷物運び代としてシンガポールドんか米ドルをくれと要求される.もちろん拒 2 5円}だけ渡すこと 否.でもあまりにしつこいので 運ばれた自分への畠戒の意味もこめて, 10)レピー ( 3 i こする.二人だからおんピーとかいろいろ言っていたが?我々はタクシーに乗り込む.後で分かったこ とだが,適切なチップを払ったようだ.研究所にきちんと手配された運転手は,最初余計なことをするな という惑じで需物運びを避けようとしていたがうある程変以上は無理やり避けなかったのは,それで生 活をしている措震の人々に対する理解であろう{インドは非公式だが,未だに力一ストの名残i まかなり 0分i まどかかると罰いたような気がしたがなかなか着かない.どこか違うとこ 強いと覇いた).移動は 3 こ連れて仔かれるのでは(?)とき道中晃知らぬ運 ろ(慢しい旅行局や土産物量,犯罪の匂いのする場所)I )ラ 転手を一時疑い不安になってきたころ?ドライバーの携帯竜話が鳴った.電話の主はヲホストのシュ 1 ム・ラーマスワミさん(今後は敬意を込めてラーマ先生)で,我々を安心させるため念には念を入れて電 o a dを抜け?予定通り研究所に到着.入り口のセ 話をくれた.喧騒のインドらしい下町から高級倍 M Gr キュリティチェックを終え?美しい街路樹の立ち並ぶキャンパス内の道をどんどん進んでいくと,道路の 荷競が美しく光で彩られた道が現れた.キャンパス内のゲストハウスに無事到着?深夜 12詩で、あった. ゲストハウスの風呂とトイレ チェックインを終え,部屋の水道をひねると一語氷が集ったが 2 それはどうやらあまり使っていないため で,開題はすぐに解決した .3年前のインド一ヶ月康行の持法?どこでも赤っぽい色でラさびた臭いの71< なんて普通だったので,透明に近いあまり臭わない水(むしろ東京の木の方がカルキ臭い)に感動した. お場も出てとても快遥だった.部屋にはテレビもあるので,驚いてしまった.ちなみにトイレは?前田の 掠行ではほぼ全て和式だったがうこちらは洋式水洗トイレでこれまた感動した.ところで驚いたおが 2 イ ンドのゲストハウスは,輯金 昼食,午後のお茶とスナック,夕食と?なんと 4食付.至れり尽くせりで 3 ある. 5 . 2 南インドの食事について 輯食 ドーサと呼ばれる米のクレープに,数種類のカレー?セットドーサ(米粉で作った蒸しパンのようなもの} をカレーに浸して食べる. 昼食 . 1 )と言う, 6種類ぐらいのカレーがそれぞれ小さな器に入れられ宅銀色のお i まんのような ターリ(函 5 お血の馬りに盛られる(南インドでは力一ストの低い人との接触を嫌い バナナの葉っぱが敷いてある 2 ことも多い).中心にはライスヲチャパティと言う小さいナンのようなパンが盛られる.手でライスや力 υ に 1i F0 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽盟インドバンガロールよりー F i g u r e5 . 1 :ターリ レー,ヨーグ J レトなど好みで混ぜながらいただく. スナック サモーサと言う?テトラポット状の揚げ物で?厚めの鮫子の皮にスパイシーなジャガイモを詰めたもの. i t hマサラ). バンガロールでは,それを食べる直前につぶし?豆力レーをかけて食べる(サモーサ w インドカレーとヌテラ人間 南インドは基本的にベジタリアンで?とにかく野菜や豆カレー中心で、おいしい.日本の小麦粉たっぷりの 十っぽい本場のカレーは?大のカレー好きスパイス好きな我々にとって最高である!至福 カレーと比べ ,i の食事告イムを過ごしているが予ゲストハウスの酉洋人はたいてい 1 )タイヤ気味.特i こ哀れなの 1 ; 1 : , ヌ ッ テラ軍団.この西洋入 4人組のグループは,お昼にはヌツテラ{チヨコレート)をパンに塗って金べると 思えば,夜はダイニングホーんに入ってきた途端i こ泣きそうな(?)顔をし, (我々i ま数々の力レーにウハ ウハ顔Lご飯をちょこっともって金べるだけ.スパイス仁完全にリタイア・・・ ゲストハウスの夕食前に ゲストハウスには覇昼娩と 3 食付いていることは以前述べたが,今日は夕食前の麗景について. 一 応3 7 詩半から 9 詩までとなっているものの, 7 時半になっても全くと言っていいi まど,準嬬ができていな い , ここで集るようではまだまだインド拐級者. こういう時間を楽しんでこそ上級に近づく. 先ず 鱗の部屋で 10 謹類以上 i ま軽くあるインド新聞の中から興味あるものを選びソファでくつろぎながら読 んでいると?おじさんが 8 時 10分墳に満面の笑みでスープをカップに入れて持ってきてくれる.スー . . . . . 8詩半ごろには準舗ができる. プを飲みつつ新聞を語んでいると, 8詩 2 0分 . くつろいでいる入が多い, インド人はこうして h 田 u 可 4 1ょ 菊池信夫、石本志高 5 . 3 インド科学研究所 ホストのラーマ先生登場 こショーツで,自転車をこいで我らのホストであ インドで最樟の輯がやってきた.遠くから青のシャツ i . 2 ) . るラーマ先生がついに現る(図 5 感動のご対面.ラーマ先生も昨晩?三一口ッパで、の会議から戻っ たばかザー車速案内され 7 妻共々ヲまずは物理学科の先生の部屋へ行く.噂どおり?とてもフレンドリー で?活動的な人である.妻にも常に気を使ってくれるし,我々の事務作業予家の手配 3 家財道具謂達までヲ 担当の詩問を現在まで嫌な蕗一つせず,むしろ楽しんで助けていただいた.遅末の遊びの棺談・手伝い 3 までしてくださる.なお,ラーマ先生は,アメリカで学部から博士までして その後ポスドクを含めて 1 p 年間アメリカにいたそうです.シカゴのマゼンコや,ペンシルパニアのんペンスキーという超一流の科 学者のもとで研究していたとのこと.研究者としての好奇む,実行力?豊富なアイデア想録力と?超一流 である. 1 0 0眉年記念フエロー 0 0周年記念フエローなるもの 今国インドへ来ることになったのは,インド政府からインド科学研究所 1 をいただくことになったためです.研究所内では全部で 7人ぐらいいるらしいがヲどうやら外冨人は拐 o i n tだと言われ)1 0 0麗年記念フエ めての模様.謹蔑探検などどうなっているの?と聞いたら, goodp 0 0 ローはちょうど始まったばかりなので,今保険会社と真剣に交渉中だと言っていた.つまり,邑分で 1 周年記念フエ自ーの付帯条件をどんどんよくすれば良いようだ.パイオニア(?).そういえば,未だに学 位証明書も正式な名前等の証明書も要求されていないし,契約書にもサインしてないけど,給料も入っ てきた.信用してくれたってこと?これまで住んでいたイギリス,ドイツでは起こり得ないことである. インド好きの人,嫌いな人 外昌人がインド i こ数年滞在するのは,インド入にとってかなり珍しいようでよく驚かれる.もちろん超 歓迎ムーが、なので我々は幸せ者である.最近,イラン入のポスドク研究員が,やって来て一遍間でインド になじめず速攻リタイア?国にかえったらしい.カレーを食べまくり,チャイブレーク,インド生活を既 ま大きい??? に大満喫の我々に対する期待i 5 . 4 キャンパスライフ 庭冨都市 レf i,南インドの政治経済の中心,インドの IT産業の中心でもあるが 3 庭園都市と呼ばれる バンガロー l だけあり,街のあちこちに緑・庭置があるし?気鎮も標高約千メートルの高療のせいかとても快適.だい I S cキャンパス i ま?ある意味 I I S c村.外部から遮断され守ら たい 25度ぐらいで湿度も偉く快適です. I れた空間である.敷地内i こは外の喧騒とは対照的な,静かでゆったりとした雰囲気と?緑の多い美しい空 間が広がっている.壁で屈まれた広いキャンパス内に!志銀行はもとより)ThomasCockや,スーパー, τ24 Fhu 。 。 高分子の流体効果、 D封A凝結 一科学者の楽冨インドバンガロールよりー F i g u r e5 . 2 : Pro f .SriramRamaswamy h 目 u 1ょ QU 菊池佑夫、石本志高 F i g u r e5ふ物理学科{凝縮系〉のピル 吉本屋,八百屋,雑貨蒙?力フェ,レストラン?プール,テニスコート,ビリヤード,グランドヲ 旅行代理j 理髪庖?クリーニング?ヘルスセンター(軽い需院),図書館?峡醤舘等?生活!こ必要なものは伺でもある ( 国 5.4).もちろんス安ッフや学生の家や寮もある.キャンパス内は,巨木i こ鳥のさえずり, 1 )スが走り まわり,蝶が舞い,夜になれば蛍もでてくる(ちなみに?見たこともない様々な虫はもちろんのこと,サ んも犬も蛇も?サソリもいる).庭冨と森のある自然豊かな美しいキャンパスです. 物理学科のトイレ オフィスのすぐ近くにトイレがあるのだが?壊れている.直るのは明日かもしれないし 1年後かもし れないし?インド人もそう言っている.仕方ないのでう隣のピルのトイレまで, 200メート jレぐらい歩く. なおトイレ i こはトイレットペーパーがないので,持参しないと 3 ハンドウォッシュレツト(インド式)に なる.もちろんタオルやエ 79-オんなどというものはないので,洗ったら,ばっぱっと水をはらって?オ レ歩いていけばラその頃には手が乾いているのである(隣り部量にいたミネソ フィスまで 2 0 0メート J a l l s教授董缶トこの一晃壊れたトイレを,ただほったらかしのようで,実は計算されたよう タ大学の V な合理性に説轄です. チャイブレーク こ金べていたら実は物理学科長だっ 毎遇 ChandanDasguptaおじさん(って思って毎日?妻とお昼を一緒i . 5 )と,ラーマ先生のグループでグループセミナーがあるとのことなので,インドで初のサイエン た,菌 5 スに参加.インド入学生のインド英語がまだ理解できなかったのと 3 黒板で書いている字の色が薄すぎ a l l s教授とうたたね .2時半頃突如部屋に,サリーを着 てよく見えず,隣に重った前述のミネソタ大の V h n u FD , っ 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽屋インドバンガロー l レよち- F i g u r e5.4:科学研究所中央塔 た女性がニコニコしながら,お盆の上にたくさんのチャイをのせ,部屋に入ってきた! (チヤイ:インド の紅茶をミルク?生萎?カルダモン,砂糖で案出したお茶で小さな器で飲む.)なんとセミナー中にチャー イブレーク.インドのチャイは本当に最高なのです. 5 . 5 バンガロールの風景 郵便局 ドイツから送った荷物 5箱?巨本から送った荷物 3語がキャンパス前の郵{更罵にとめられていると言う ので引き取りに行く.ラーマ先生のボーイ(正羅には何でも墨さん)と二人で行く.ポストマスター(欝 護局長, 40ぐらいの女性)のところにいきなり逼されるとラ今まで晃たことのないほど,いったいどう すればこんなになるんだと言うぐらい四角い籍が完全にまんじゅうのように丸く変彩して?超ぼろぼろ す,はみ出した中暑を支えるためひもでぐるぐる巻きにされた籍が現れる.うおっ?中身が大丈夫か に破 l 超心配!とりあえず,書類にサインだけ 8軟させられた.ううむ.ポストマスターは何か話したそうだが 7 もじもじして,たまにどこから来たの?とか劃いてくる.数年ぐらい薄在する予定と言うと, Welcomet o I n d i aと微笑をいただく.なお,籍の中身が想像を絶することになっていたのは言うまでもない. ガス台とシリンダーを買いにいこう 今ヨはラーマ先生のボーイと一緒に, HPガスと言うガス屋に行く.ガスストーブ(ガスコンロのこと)ヲ ガスの入ったシリンダーを購入し雇けてもらう.ちなみに?火をライ歩ーでつけて,ガスを出して火をつ けるのです.まさにキャンプのようである.原点に戻った生活で、す. 1A 可 今L Fhu 菊地信夫、石本志高 銀行で口座を開こう t a t eBanko fl n d i aに任く.正謹に 給料をもらうにはインドの銀行口座が必要なので,キャンパス内の S は既に一重行ったのだが,書類の数が多いため,出宣したので、ある.ちなみに,インドで口座を開くには, まラーマ先生の紹介.たくさんの書類のうち税金に関す 誰かの紹介がないとダメなようでラ我々の場合 i るもので時間を取られ?いよいよ E座ができるとおもいきや,担当のおじさんが,お昼を食べたいから明 日朝来て欲しいと言うことで出産し決定!出来上がった書類を受け取るだけなのに?なぜ明日にしない とい汁ないのだろうか? 銀行で口座を開こう 2 まスムーズに事が進んだと君、いきや,通接に君と奥さんの写真を貼るから 2枚欲しい 翌朝出童す 今田 i a と言われる.そんな,詐自,明自来いって言っただけで写真が必要なんて言つてないじゃないか.とはい 6枚撮ったのだった.銀行のおじ え,大体こんな事が起きるのはインド経験から予想済み,先 E写真を 1 去我々二人の写真を見つめている.どっちがどっちの写真だか分からないようだった.確かにヲ今 さん i 我々は叙たような髪彰かもしれない.でも,こっちが男でこっちが女だ.残念ながら?穫には分からない ようだ.ともかくそういうわけで,最終的に通帳を手i こ入れる.そしたら?通帳の名前が間違っていた・ また出産し?の嫌な予惑がしたが?手書きですぐ重してくれた.ふう. 2 ーラム発見! i,南インドで朝,主に女性が宗教的なまじないで,自宅前の道路仁一筆書き的に幾何 コーラムというの l 学的な模様を書いたものである.新居のラマヌジャンハウスに行く途中の家々の門の前で?実物を偶然 発見大惑動!これが噂の南インドの本物コーラム! バンガロール一高級な M Gロードへ その 1-リクシャーと対決 インドでは基本的に,三輸のオートリクシャー(タクシー)で移動する.しかし予外人は基本的にメーター で走ってくれない.インド入でもお金持ちだったりすると走ってくれない,つまり交渉になる.最初? キャンパス内で捕まえ,メーターで、走ってくれといったらう蕪視して立ち去られた(拒否).次に通りに出 て捕まえると,奇跡的にメーターで行ってくれることに.行き i ま45J レピーで MGIJードまで行けた.後 に知ったことだが, 4 5はかなり正しい相場のようだ.帰りは,題高級ショッピンク径?の M Gロードで拾 0 0とか 1 2 0とか吹っかけてくる.しかし,どう交渉しても 9 0ルビーより下が うリクシャーのせいか, 1 ず らない{まだ正規料金の約2告の値段).土産物屋に行くなら安くするとか?爵が鋒っているから謹上i とか,道路が込んでいるから高くなるとか?と i こかくとんでもない輩ばかり.とりあえず .MGを少し離 0J レピーまで下げる. Nos hopと約束して?今 80)ところ れて交渉をして,交渉を始めてから 6台自に 8 は妥協,無念 その 2 一高級ショッピング 立 G ロードはうバンガロールー高級なブランド傷として知られている.確かにインドにしてはかなり高 今' ' u Fhd qL DNA 凝縮 高分子の流体効果、 一科学者の楽園インドパンガロ-)レより- 級,道行く人もジーンズ仁シャツ,女性はサリーやパンジャミよりミニスカートに Tシャツだったりう全 くインドらしくない.ラバッツァのようなカフェまである.我々のイメージするインドにしてはかなりす ごい?驚きである.しかし?東京などとは比べてはいけない.インドでは相対的にすごいのである.恐る ) は?テントで生活する貧匿に窮する人々. べきは, M Gロードの片側は高級ショッピング街,道路の反対袈J この差や矛盾こそ,インドという匿なのであろうか.経済大屋で常にものの溢れている冨もあれば,詞時 i こ地球のどこかで人が凱えで死んでいる.普段日本にいるとなかなか見ることができないこの世の現実 を,インドでは酉の中で全て晃ることができてしまう恐ろしさがある. 5 . 6 ラマヌジャンハウス ラマヌジャンの7匹の犬 我々の入居予定の No.22ラマヌジャンハウスは,最近人が住んでいなかったため?その間に 7匹の犬の 縄張りとなってしまったようだ.用事で家に向かうと?やつらは吠えたり義々を威嚇したりする.狂犬 癖や史書請を持っている可能性を考えると,かなり由る.犬たちは不法占拠,椙撲をしたり?会議をした りヲやりたい放題である.ということでラーマ先生仁相談すると?犬は今,研究所内でどんどん増えてい てう問題のようである.学生やス歩ッフがえさを与えたりするのと,インド i ま殺生をしないので?ますま す増えているらしい.ラーマ先生がセキュリティオフィスに連絡すると,専門のチームに連絡が行って, ま殺生をしないという意味を持つ仏 駆黙してくれることになった.ただ専門チーム名はカルナ.カルナ i ヶ月以上たち,我々は犬と友達に 教用語であるから 2 どう駆除してくれるのかは分からない.あれから 1 なりつつある.結扇駆除はされていません.このまま番犬にしょうかなと思う今日このごろ. 猛獣から家を守ろう 蒙のドア!ま?荷でも家のベンカタイアが?インド最強らしい鍵を購入してくれたので?これで安全?蚊と 研究所 サルと蛇よけをつけるため?殺人に窓の大きさを灘り i こきて見穣もりを出してもらう.ちなみに J 内の窓はどこへいっても鉄格子が安全上の理由で付いている. 5 . 7 インドと言う国 インド時間 インド入は働き者である.でも?この悠久の時の流れのような?ゆったり主目減がなんともいえない.どん 主計二読しくしてても?なぜか皆の動きがかなりゆっくり.忙しくてカオスなのにゆっくり.不思議な感 ま超カオスだが,どんなに忙しくても人々のスピードはゆっくりなので全く忙しいと感 覚です.インド i )エイティブになるしヲ科学者としての誹究効率も最大になる じない.そういう環境ぬせいか,とてもク 1 のではと期待したいところです. M υ Fhid 丹 、 , , っ 菊地伯夫、石本志高 想像を絶するインド人パーティーへ ラーマ先生の友人{生物物理学者)マダン・ラオ宅で, 1麓になった患子の誕生パーティーがあるとのこ とでお呼ばれした.インド人は基本的に菜食でお )~Iま飲まないので(ヒンドゥー教 L 何を持っていくか 考えた結果?チヨコも暑さで溶けるだろうから,ショートブレッドを購入してもって行く.ラーマ先生の 運転でラーマファミリーと共に,大混雑のカオスバンガローんの道を進んでいく.道に迷いながらなん とか到着.そこで驚いたのが,ワインが出てきた あれっアルコール?と思いきやヲ隣のタミルナドウ捕 a のインド原産の赤ワインらしく?どうやらインド人はお酒を飲 eょうだ.かなりおいしくて驚いた.マ ダンさんは 7 日本にも行った事があるようで 7 そお擦は泡盛,酒?ビールラ焼蔀と楽しんだ模様.そのう ち?あれよあれよと言うまに,どんどん人がやってきては消え?ほとんどがアーテイストやサイエンテイ ストゃう産者だ,映画監督と,様々な騒種に面白い人たちばかり.どんどん,酒のボトルも増え,ワイン, t c . . .と何でもあり.その挙句に?牛肉は出てくるは 3 ケバブ!ま出 ピーん,ウオツカ,ブランデー?ラム酒, e てくるは(ちなみにマダンさんの奥さんは菜食だがマダンさんが食べるとのこと L菜食?禁酒のはずの とンドゥはいったい?そしてあまりにインド人が超ハイテンション(でも皆とても心這かく優しい)でラ 我々もたじた乙になるほどの勢い.そのうち生漢奏も始まり夜はふけていく. ラーマ先生のおうちでパーティー インドについてちょうど 2遣問.今 Eはラーマスワミ家にお呼ばれ. 2遺連続で遊んで下さるラーマ先 生に惑謹.先生もキャンパス肉に住んでいるので けっこう近く.障の研究所で教授の奥さんのラマラ子 2 供のビジューとアチヱン(今日はおばあちゃんの家で試験勉強中),オフィスメートのスーミトラと呈那 ヶ月来ているドイツ人のエイドリアンたちと,楽しいひと時を過ごす.家 のラピンドラヲイギリスから 3 族ぞるみでもお世話になり,至れり尽くせりのラーマ先生. 我々のわくわくインド生活はこのような幕開けで始まりました. A 斗& 今 ム FO 高分子の流体効果、 DNA 凝縮 一科学者の楽園インドバンガロールより- F i g u r e5 . 5 :P r of .C h a n d a l lDasgupta Fhu Rd つ中 菊池信夫、石本志高 F i g u r e5 . 6 :デカン高原の嵐景 , , 白 p o q 。 戸