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(ごみ)処理基本計画
柏 崎 市 一般廃棄物(ごみ)処理基本計画 【平成 28 年度∼平成 37 年度】 【概要版】 1 計画策定の考え方 (本編P1∼P.8) 1-1.計画策定の趣旨 市民・事業者・行政が協働し、廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用及び廃棄物の適正処理 を行い、循環型社会を構築するとともに、環境保全の取り組みを推進するため、柏崎市一般廃 棄物(ごみ)処理基本計画(以下「本計画」という。)を定めるものとします。 一般廃棄物処理基本計画は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号) 第6条第1項に規定されており、目標年次を概ね10年から15年先において概ね5年ごとに改定す るものとされています。前回計画を策定した平成23年から5年が経過した平成28年度を開始時 期とし、目標年度を平成37年度とする計画期間10年間と定めて本計画を策定します。 1-2.基本理念と基本方針 (1) 基本理念 本計画の基本理念は次のとおりとします。 ∼市民・事業者・行政の協働による環境負荷の少ない循環型社会の構築∼ (2) 基本方針 基本理念の実現のため、柏崎市環境基本計画を踏まえ、以下の基本方針を定めます。 方針1 廃棄物の発生抑制・循環的利用の促進 ごみの発生抑制、再使用、再生利用を促進し、ごみの発生抑制を強力に進めるとともに、 資源が循環する社会を構築します。 方針2 廃棄物の適正処理の推進 ごみの適正かつ安全な処理の推進により、ごみ減量化、資源化を推進するとともに、施設 の機能保全を図ります。 方針3 不法投棄防止対策の推進 不法投棄の未然防止と早期の発見や対応を行うために、不法投棄防止に向けて広く意識啓 発を図るとともに、情報提供体制を整備し不法投棄防止に取り組みます。 1 2 ごみ処理における課題 (本編P.41∼P.43) 2-1.発生抑制に関する課題 排出量は、平成22年度以降は横ばい傾向であり、目標値を達成するため、さらなる発生抑制 が必要な状況となっています。 (図1) 図 1 ごみ排出量の推移 リサイクル率は、平成23年度まで増加し ていますが、平成24年度以降減少に転じて います。また、前回計画の平成27年度にお ける目標値23.3%に対し、現状推移による推 計値は19.7%となっており目標を達成でき ない見込みです。リサイクル率の向上のた めの取り組みが必要です。 (図2) 図2「資源物量合計」 リサイクル率= 図1「ごみ排出量合計」 図 2 資源物量とリサイクル率の推移 2-2.収集・運搬に関する課題 現在の分別収集区分には大きな課題はありませんが、発生抑制、再使用、再生利用を効果的 に実行するため収集回数や区分について継続的な検討が必要です。 2-3.中間処理に関する課題 (1) ごみ焼却施設 クリーンセンターかしわざき焼却施設の平成37年以降のあり方について、施設をさらに延 命化もしくは、更新の検討が必要となります。 (2) 粗大ごみ処理施設・資源物中間処理施設 粗大ごみ処理施設は設備が老朽化していること、施設が分散していることから、粗大ごみ 及び資源物を総合的に処理できる新しい中間処理施設の整備も必要となっています。 2 2-4.最終処分に関する課題 エコグリーン柏崎夏渡は平成50年度まで使用期間が延長されます。使用期間が延長されたこ とから、浸出水処理施設においては、耐用年数を超える設備や、老朽化した設備を更新・改修 し延命化する必要があります。 2-5.ごみ処理経費に関する課題 ごみ処理経費は、平成22年度から平成26年 度の状況をみると、約1,044∼1,370百万円と 約3割程度変動しており、経費の平準化が必 要となっています。 (図3) また、中間処理施設の老朽化や分別収集区 分の変更等により、今後もごみ処理経費が増 加する可能性があるため、収集運搬や施設維 持管理において一層の合理化が求められます。 図 3 ごみ処理経費の推移 3 将来値の設定(目標設定) (本編P.44∼P.50) 3-1.目標値の設定 (1) 1人1日あたりのごみ排出量 平成26年度までの排出傾向を踏まえたうえで、平成37年度には平成26年度実績(954g) から8.9%削減した869gとすることを目指します。(図4) 市民1人が1日あたりに出すごみを85グラム(8.9%)減量します。 (2) リサイクル率 柏崎市の現況や新潟県の平均値(H20年度:22.6%)を踏まえ実現可能な身の丈に合った 目標値として、リサイクル率は平成32年度までに21%以上とし、平成37年度までに23%以上 とすることを目指します。 (図5) 市全体のリサイクル率を23%にします。 図4 目標値(ごみ排出量) 図5 目標値(リサイクル率) 3 3-2.目標達成時のごみ排出量の見通し 表1 目標達成時のごみ排出量の推移 実 績 年 度 区 分 計画収集人口 家庭系ごみ 排 出 事業系ごみ 量 合 計 (人) 予 測 平成28年度 平成32年度 平成37年度 平成22年度 平成26年度 初年度 中間年度 目標年度 90,766 87,857 86,283 82,807 77,909 (t) 20,493 20,224 19,116 17,742 16,237 619 631 607 587 571 11,121 10,365 10,046 9,369 8,475 336 323 319 310 298 31,958 30,589 29,162 27,111 24,712 965 954 926 897 869 (g/人・日) (t) (g/人・日) (t) (g/人・日) リサイクル量 (t) 6,433 6,016 5,791 5,762 5,717 リサイクル率 (%) 20.1% 19.7% 19.9% 21.3% 23.1% 24,987 24,018 22,840 20,854 18,545 754 749 725 690 652 3,668 3,482 3,312 3,038 2,720 焼却処理量 (t) (g/人・日) 最終処分量 (t) ※平成24年度以降は集団回収を実施しておりません。 ※平成22年度の排出量合計には、集団回収量(344t/年)が含まれています。 ※最終処分量には刈羽村分も含んでいます。 4 ごみ処理基本計画 (本編P.51∼P.64) 4-1.廃棄物の発生抑制・循環的利用の促進 廃棄物処理施設整備計画等に示される国や県の方針を踏まえ、もっとも環境負荷が低く、財 政にも寄与しうる「発生抑制、再使用」に優先的に取り組むものとします。 (1) 発生抑制(リデュース) 家庭ごみの分別への理解を深め、日常を見直し、発生の抑制を推進します。また、事業者 による自主回収を推進します。 (2) 再使用(リユース) 廃棄する前に「もったいない」という意識の普及啓発を推進します。 (3) 再生利用(リサイクル) 市民に対して正しい分別方法を周知、廃棄物処理過程における資源化を推進します。 4-2.廃棄物の適正処理の推進 ごみの適正かつ安全な処理の推進により、ごみ減量化、資源化を推進するとともに、施設の 機能保全を図ります。 (1) 収集・運搬計画 収集運搬は、常に迅速かつ効率的に行われるよう検討します。また、地球温暖化防止の観 点から、低公害車両の導入を推進します。 4 (2) 中間処理計画 中間処理においては、安定的かつ衛生的に処理しながら、資源物回収を行い、再使用・再 生利用を推進していきます。 1) 燃やすごみの施設整備計画 クリーンセンターかしわざき焼却施設の平成37年以降の施設整備方針として、施設をさら に延命化する方法と新しい施設に更新する方法のいずれとするか検討することとします。 延命化する場合と更新する場合の事業スケジュールを表2、表3に示します。 (ア) 延命化する場合 表2 延命化する場合の事業スケジュール(案) H28 項 目 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 基本構想 循環型社会形成推進地 域計画改訂 長寿命化計画策定 基幹的設備改良工事 実施設計・発注事務 基幹的設備改良工事 *改良内容にアセスが必要な工事は含まないものとする *平成38年度に改良後稼働 (イ) 更新する場合 表3 更新する場合の事業スケジュール(案) 項 目 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 基本構想・適地選定 基本計画 循環型社会形成推進地 域計画改訂 測量・地質調査 環境影響評価 基本設計 実施設計・発注事務 建設工事 *平成38年度に新施設稼働 2) 燃やさないごみ、粗大ごみ及び資源物の施設整備計画 粗大ごみ処理施設は稼働開始から24年、可燃性粗大ごみ処理施設は19年、資源物中間処 理施設は17年が経過しており、設備が老朽化していること、施設が分散していることから、 粗大ごみ及び資源物を併せて処理できる新しい中間処理施設の整備を検討します。 5 (3) 最終処分計画 ごみの減量化・資源化施策を進めることを前提に、適正な埋立管理と浸出水処理施設の運 転を行い、周辺環境の保全に努めます。 浸出水処理施設の延命化にあたっては、基幹的設備改良工事として短期間で実施する方法 と毎年の定期整備工事の中で中期的に実施する方法のいずれとするか検討することとします。 浸出水処理施設を延命化する場合の事業スケジュールを表4に示します。 表4 浸出水処理施設を延命化する場合の事業スケジュール(案) H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 項 目 基本構想 長寿命化計画策定 基幹的設備改良工事 実施設計・発注事務 浸出水処理施設 基幹的設備改良工事 改良後稼働 4-3.不法投棄防止対策の推進 廃棄物の不法投棄は、主に市道や林道に多く、以前に比べ大規模な不法投棄は減少しまし たが、小規模な不法投棄は依然として後を絶ちません。 市民への環境啓発及び監視体制の強化など不法投棄の防止策を図ります。 また、警察などの関係機関とも連携を強化し、情報伝達を密にして不法投棄の監視体制を 充実させます。 4-4.その他(災害時の廃棄物処理の検討) (1) 応急体制の整備 大規模地震や津波発生時に対応可能するため、廃棄物処理施設の耐震化等を図るとともに、 廃棄物処理活動が迅速に行われるよう処理体制の整備を推進します。 (2) 災害廃棄物の処理 災害等で発生した廃棄物を適正処理するために、市が現有機械器具及び民間から借り上げ た機械器具を最大限に活用し、迅速に実施します。 (3) 市町村災害廃棄物処理計画の策定の検討 「災害対策基本法(昭和36年11月15日 法律第223号)」、 「廃棄物の処理及び清掃に関する 法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律(平成27年法律第58号)」、「災害廃棄物対策 指針(平成26年3月 環境省)」等を踏まえ、「柏崎市地域防災計画」と整合性を図り、災害 時の廃棄物処理についての組織体制、協力・支援体制、仮置場の選定、処理スケジュール、 処理方法等について具体的に示した災害廃棄物処理計画の策定を検討します。 6 5 ごみの排出を抑制するための方策 (本編P.65∼P.74) 5-1.廃棄物減量等推進審議会の充実 今後とも、廃棄物減量等推進審議会の一層の充実を図り、市民各層からの意見を拝聴するとと もに行政の施策に反映させ、ごみの減量化と資源化を推進することとします。 5-2.ごみの減量化・資源化と適正処理への取り組み 3-1.で定めた目標値の達成に向け、ごみの減量化・資源化と適正処理への取り組みが求められ ます。 今後、目標年度(平成37年度)まで現状のままの状態で推移した場合の推計値と、ごみの減量 化・資源化に関する各種施策を行った場合の推計値を図6に示します。市民・事業者・行政が協 働し、各種施策へ取り組む必要があります。 現状推移した場合の推計値(平成 37 年度) (t) 排出量 26,674 リサイクル量 (t) 5,243 リサイクル率 (%) 19.7% 焼却処理量 (t) 20,946 最終処分量 (t) 3,036 ごみの減量化・資源化と適正処理への各種取り組み 市民 事業者 ・燃やすごみの中に紙類が多く 見られることから、紙類、特 に雑紙を分別 ・生ごみの少ない調理を実施し、 食べ残しを減らす ・生ごみを捨てる場合、水切り を徹底 ・不用品交換会やフリーマーケ ット、リユースショップを利 用 ・マイボトルを持参し、使い捨 て容器の削減に協力 ・本市で収集しないごみについ ては、正しい方法で処理 市 ・オフィスや店舗から発生する ・事業者が実施する事業系ごみ 紙ごみや生ごみを自主ルート の減量及び資源化に向けた取 で資源化 り組みへの支援 ・飲食店は、食べ残しを減らす ・事業所等への情報提供により、 ため、メニューの作成 自己処理責任に関する周知を ・リサイクルに適した原材料、 徹底 素材の使用 ・モデルとなる事業所を、市の ・リサイクル製品や、環境にや ホームページ等で周知・紹介 さしい商品の製造、販売活動 ・消費者団体等が実施する不用 の促進 品販売会などを支援 ・市のイベントにフリーマーケ ット や リユ ース食 器 等を導 入、再使用の普及啓発を図る ・ごみの減量・資源物リサイク ルに取り組む店舗等を柏崎市 リサイクル協力店として認定 各種施策を行った場合の推計値 取り組みによる (平成 37 年度) 削減効果 排出量 (t) 24,712 −1,962 リサイクル量 (t) 5,717 +474 リサイクル率 (%) 23.1% +3.4% 焼却処理量 (t) 18,545 −2,401 最終処分量 (t) 2,720 −316 図6 現状推移した場合と各種施策を行った場合の比較 7 5-3.今後 10 年間で新たに取り組む方策 (1) 資源物の収集体制見直しによるリサイクル率向上及び焼却ごみ量低減 分別収集の促進のため、紙類について資源物として分別しやすい収集形態に改善するととも に、収集体制の見直しを検討します。 例えば、燃やすごみに資源化可能な紙類が多く含まれているため、資源物としての回収方法 を見直すことにより、リサイクル率向上と焼却ごみの低減が期待できます。 (2) 事業系ごみの減量・資源化に向けた取り組みへの支援 家庭ごみに限ったリサイクル率は高い水準で推移しています。 (図 7)また、柏崎市の事業系 ごみの比率は、全国(29.2%) 、県(31.1%)に比べ 33.9%と高い状況にあります。したがって、 事業系ごみの減量化や資源化が重要と考えられますので、事業者が実施する事業系ごみの減量 及び資源化に向けた取り組みへの支援を積極的に行います。 柏崎市では第 3 次産業の割合が多く、中でも「卸売業、小売業」の占める割合が大きくなっ ていますので、オフィスや店舗から発生する紙ごみや生ごみを自主ルートで資源化することに より、事業系ごみの減量に寄与するものと考えられます。 事業系一般廃棄物及び産業廃棄物の分別方法を周知することにより、減量・資源化を推進し ていきます。 図7 家庭系ごみリサイクル率の推移 8