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大 オオ きい 数 スウ を 調 シラ べよう
第4学年2組 算数科学習指導案 平成19年5月24日(木)第2時 4年2組教室 1.単 元 大きい数を調べよう T・Tによる指導 7時間完了 2.構 想 万、億、兆と数の範囲が大きくなるにつれて、児童は数の把握が難しくなってくる。一桁や二桁の数 なら、指を遣ったり、図で書いたりして理解できるのだが、千万などの大きな数になると、数字がたく さん並んでいて、数学的な感覚を身につけているというよりも、知識の分野であり、考えるものという よりも、覚えるものだという印象があり、定着が浅いのだろう。今回の単元につながる学習としては、 1年生では100までの数、2年生では1万までの数、3年生では1千万までの数を経てきた。本単元 では、さらに大きな数の単位である、 「億」 「兆」を学習する。今までで、大きな数に苦手意識を持って いた子どもにとっては、かなり取り組みにくい分野になるとも考えられる。 この学級の子どもたちは、明るく、男女の仲がとてもよい。放課には、男女で夢中になって楽しんだ り、教室でいっしょに手遊びする姿も見られる。また、授業では、大きな声で発言ができる子どもが多 く、算数の簡単な問題の答えなどは、ほぼ全員の子どもの手が挙がるほど、発言への意欲も高い。しか しながら、思考力が求められるような問題を出すと、十分に考えないで「分からない」と答える子ども や、すぐあきらめて答え合わせを待つ子どもが目立つ。自分の力で解決するというよりも、誰かに教え てもらうということに頼っているようである。4月に学習した、コンパスを使った模様作りでは、もよ うを見ただけで、「こんなの無理だよ」とあきらめてしまう子どもが数人いた。 そんな子どもたちに対し、本単元では、億や兆を大きな数を知識としてのみとらえるのではなく、小 学校で学習する数では最大となるその大きさも、量感を感じることで、数概念として把握させたい。大 きな数と聞いて、遠い世界のことだからよく分からないと壁を作ってしまわないように、今回の導入で、 目で見て感じることができる数であることを体感させ、この後の学習へとつなげていきたいと考えた。 本単元では、実際にお札を数えるという作業を入れながら、一億という数の大きさを実感させたい。 そのために、まずは一人でテレビなどでも目にする1センチの百万円の厚さを作り、次にグループ活動 で一千万円の束を作り、そして最後には一億円の束をクラス全体で作り上げたい。その活動を通して、 子どもたちは見たこともない1億円の1メートルにもなる厚みに感動を覚え、億という大きさを肌で実 感することができるだろう。大きな数に苦手意識を持っていて、一人では、作業が難航する子どもも、 グループ、そしてクラス全体へと学習の輪が広がる中で、だんだんと大きな数の楽しさを味わわせたい。 そして、自分が苦手だなと思う分野のことでも、考えて答えにたどり着くような感触を覚え、考えるこ とに積極的な態度をもつ子どもたちに育てていきたい。 【指標児童について】 A男 〔現状〕 学習への取り組みに、集中力の波がある。得意なことに関しては、話もよく聞き、作業も懸 命に取りかかるのだが、自分が進んで興味をもてる内容でないときには、真剣に話を聞けなかったり、 取り組みもおろそかになることがある。特に算数では、自分がはじめからできるような問題であると、 集中して授業に臨むものの、少し複雑だと感じるものには、進んで考えようとせず、受身的な学習態度 になる。既習事項である、千万までの大きな数の学習には、苦手意識があるようで、今回の単元にも不 安を感じると思われる。 〔願い〕 苦手なことにすぐあきらめたり、にげるのではなく、分かる喜びや、苦手な学習にも楽しさ があることを経験し、自分自身が困難だと感じることにも、分かろうとする意欲を持って取り組み、自 ら進んで考える子どもになってほしい。今回の単元からは、導入で関心を引き、分かろうとして取り組 めば、苦手なところにも発見やおもしろさがあることを感じさせたい。その経験が、後の学習によい影 響をもってつながるはずである。 それがさらには、自分自身の学校生活にも結びつき、いろんな壁や困難に直面したときに、ねばりづ よく考え、どうにかしようと行動することにつながってほしい。 3.単元の目標 ・ 億や兆をこえる大きな数の表し方や仕組みに関心を持ち、それらの数の読み方、書き方を知ろうと する。 ・ 万までの十進法取り記数法の原理を生かして、億や兆までの数の仕組みを考えることができる。 ・ 大きな数の読み書きができる。 ・ 大きな数の構成と仕組みが分かる。 4.指導計画 学 習 課 題 一億と いう数の仕組みを 学 習 内 容 ・ 調べ、一億の位までの数を正 一万円札を積んだ、1億という しく読もう。 十億ま での数を正しく読 もう。 量感の把握 時間 備 考 1 位取り板 (本時) ・ 億という用語、読み方の理解 ・ 十億という用語、読み方の理解 作ったお札 練習プリント 1 位取り板 1 数直線 ・ 兆という用語、読み方の理解 一兆を こえる数の仕組み を理解しよう。 2億5 000万はどんな ・ 2億5000万の構成の理解 数か調べよう。 大きな 数を0~9までの 数字で表そう。 ・ 13桁の数の作成・発表 ・ 大きな 数の仕組みをみつ 10倍した数、10でわった数 1 の理解 けよう。 既習の かけざんの結果を 活用して、大きな数のかけざ ・ 35×27=945を使った計 算の工夫 1 んの仕方を考えよう。 練習問題に取り組もう ・ これまでの学習の復習 1 たしかめ問題をやろう。 ・ これまでの学習の復習 1 5.本 時 (1)本時のねらい ① お札を数えるという活動を通して、千万より大きい数に着目し、大きな数の仕組みや読み方につい て進んで調べようとする。 (関心・意欲) ② 「億」という位を知り、「億」の位までの数を正しく読むことができる。 (知識・理解) (2)準 備 教師 ア 位取り板 イ 作った一万円札 児童 ア 位取り板 イ 筆記用具 ウ 一億までの金額を書いたプリント (3)学習の流れ 段 時 階 間 導 5 入 教師1の働きかけ 子どもの活動 教師2の働きかけ ○千万までの数字を提示 1.教師の出す問題を見て、千 ○不安な子どもで 万の位までの数を読む。 も安心して声が出 し、読ませる。 ・千万の位までの読み方 せるように、いっし が不十分な児童について ょに大きい声で読 は、4つの区切りで読む む。 備考 ように助言する。 10 ○作った一万円札を、も し宝クジがあたったらと その高さを測ってみる。 ○各班に作ったお 作 っ た 札を渡す。 一 万 円 工夫して登場させ、百万 札 を 配 円の束の高さを考えさせ 布 る。 展 開 2.一人で百万円の束を作り、 25 3. 一万円札で一千万円分積む ○班ごとに分かれ どうなるかを発問する。 と、何センチメートルか予 てお札を数えるの ・一千万が一万の 1000 想する。 で、作業が難航して ○一千万円では、高さは 倍であることが分からな 4. グループで実際にお札を数 い児童については、数の え、一千万円の高さを確か 仕組みを確認できるよう める。 いる班を支援する。 板書する。 ○課題を書いたカードを 5. 本時の学習課題を知る。 張り、全員で読ませる。 一千万円より大きな数の仕組みを調べよう 千 万 の ○千万を10個集めると どんな数になるのかを発 問する。 ○千万の次の単位は億で あることを伝える。 束 の 予 6. 千万をこえる数の仕組みを 備 も 用 考える。 意 ・億は聞いたことのある単位だ な。 ・大きすぎて想像できないよ。 ・一億は、一万の 10000 倍ということをおさえ る。 ○一億円積んだときの高 さはどうなるかを考えさ せる。 7. 一万円で一億円積むと、何 センチになるのか考える。 ○1億という数の 量感を全員が感じ ・一億は1千万の10倍だから、 るため、全員が見え ・千万の10倍が一億で 千万を10束積めばいいよ。 あることを振り返り、実 ・さっき作った千万の束を班ご るように配慮する。 際にみんなで作った千万 とにあわせて積んでみよう の束を10束積んで、み よ。 んなで高さを測る場を設 ける。 ○一億までの数を提示 し、読ませる。 8. 1億の数を理解し、いろい ろな金額を読む。 ○大きな声で数を 読めた児童をほめ ・位取り版を使い、読み る。 やすくする。 ○机間指導をして、 ・4桁区切りでも読める つまずいていると ように支援する。 思われる児童には、 位取りや4桁区切 りの方法について 個別に声かけをす る。 ま 5 ○算数日記を書かせる。 9.算数日記を書く。 ○次時は1億より大きな 10.次時の予告を聞く。 と め 数について学習すること を伝える。 (4)評 価 ① 作った一万円札を使って、意欲的に大きな数の仕組みなどについて考えたり、活動しようとしたか。 (指標児童 A 男の3・5・6の活動から) ② 位取り板を使って、一億までの数を理解し、大きな声で読んだり、プリントに正しく書いたりする ことができたか。 (7の活動やプリント、日記から)