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Virtex-4 FPGAを利用した ソフトウェア無線

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Virtex-4 FPGAを利用した ソフトウェア無線
SYSTEM DESIGN CHALLENGES
Virtex-4 FPGAを利用した
ソフトウェア無線
Virtex-4 FPGAにより高度なDSP機能を実現した
Red River社の最新PCMCIA Type II モジュール
ノートブック PCにソフトウェア無線機能を追加
Ken Sienski
President
Red River
[email protected]
1996年に設立されたRed River社は、エンベデッド システム市
ソフトウェア無線トランシーバに変換します。Pocket Changeの
CardBusPCカードには、カード端に設置されたMMCX同軸コネクタ
を通じて、2つのアナログ信号を入力することができます。レシーバ
入力は14ビット
(80 MSPS)A/DコンバータにACカップリングされ、
トランスミッタ出力は14ビット(100 MSPS)D/Aコンバータを通じ
場において、ソフトウェア無線アプリケーションを中心に高性能信号
て供給されます。ほとんどのデジタルロジックは、Virtex-4 FPGA
処理やデータ通信用のソリューションを手がけています。
デバイスで供給されています。
ソフトウェア無線市場におけるRed River社の主な課題は、複数の
モデル351の開発着手にあたり、市場で入手可能なさまざまな製
コンフィギュレーションに対する要求を満たすハードウェア プラット
品を検討した結果、最終的にVirtex-4 FPGAを採用することを決定
フォームを実現することでした。顧客のなかには、そのまま使用でき
しました。Virtex-4 FPGAファミリは、Red River社のニーズと顧
る既製の無線ソリューションを求める顧客もいれば、カスタム機能を
客要求の両方を満たす高い柔軟性と機能を備えています。
追加できる無線プラットフォームを望む顧客もいます。このようなさ
モデル351のデザインは、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、
まざまな要求に対応するには、いずれの要求も満たすプログラマブル
専用PCIバス コントローラ(ホストコンピュータへのCardBus イン
シリコン ソリューションが不可欠です。
ターフェイス用)に接続されたVirtex-4 FPGAで構成されています
ザイリンクスのVirtex-4TM FPGAファミリは、顧客の求めるさま
(図1)
。モデル351は従来のソフトウェア無線ユーザーを対象として
ざまな要求を最小限のコストで実現する最適なソリューションです。
いますが、信号の収集や生成、信号情報収集、トランシーバ モデム
FIFOロジック、エンベデッドPowerPCTM、
RocketIOTMトランシーバ、
アルゴリズムのプロトタイピング、周波数ホップ信号の生成、ポータ
イーサネットMAC、先進の省電力、パッケージング技術などの機能
ブルな信号録画/再生アプリケーションにも適しています。
を備えたVirtex-4デバイスは、Red River社にとって理想的な選択
肢といえます。
カスタマイズと柔軟性
当初は専用デジタル アップコンバータ/ダウンコンバータを使用し
モデル351(Pocket Change)
Red River社の次世代製品であるモデル351「Pocket Change」
は、あらゆるポータブル コンピュータを高性能のマルチチャネル
てモデル351のトランシーバ機能をインプリメントすることを考え
ていましたが、顧客の多くは、自らの設計にカスタム機能を追加で
きる柔軟性を望んでいました。このカスタマイズに関する要求が、
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SYSTEM DESIGN CHALLENGES
います。FIFOは、
図 1 モデル 351 のブロック図
External
Clock
AC
Coupler
A/D
D/A
Clock Select
Oscillator
Digital
Data/Control
Local Bus Interface
Analog
Output
A/DまたはD/Aコ
Xilinx Virtex-4 FPGAs
User-Configurable Logic
AC
Coupler
A/D and D/A Interface
Analog
Input
ン バ ー タ とDMA
動作におけるロー
CardBus
Interface
Host
Processor
Configuration
Flash
カルバスとの間
の、データのバッ
ファリングに使用
され、メモリ転送
に ホ ス ト CPUを
使用することなく
高性能の処理を行
うことができます。
このため、モデル
プログラマブル技術の採用に踏み切る要因となりました。
先進のプログラマブルロジック アーキテクチャを選択することに
351は、ホストコンピュータのCPU性能のすべてを消費することなく、
デジタル無線データを柔軟に処理することができます。Virtex-4
より、カスタマイズに対する顧客の幅広い要求に対応することが可
FPGAは、高性能の内部ブロックRAMとユニークな組み込みFIFO
能になりました。ザイリンクスのISETM 開発ソフトウェアを使用する
ロジックを備えたアナログ コンポーネントとホスト インターフェイス
と、Red River社の顧客は、使い慣れた設計環境でVirtex-4 FPGA
のバンド幅に対応できる充分なFIFO数と性能を備えています。
の未使用ロジックにカスタムDSP機能を組み込むことができます。
Virtex-4 FPGA採用のもう1つの利点は、1つの共通ハードウェア
プラットフォームで複数の製品を提供できることです。これはハード
ウェアの開発時間の短縮に有効な上、在庫管理も容易になります。
3つのプラットフォームでさまざまな要求に対応
3つのVirtex-4プラットフォーム(LX、SX、FX)を使用すれば、
いくつもの異なる新製品にユニークな機能を付与することができま
す。カスタム ロジック機能の追加を希望する顧客に対しては、LX
電力およびスペース面の効率
CardBusPCカード開発における課題の1つは、PCMCIAの機能仕
様と、3.3Wという厳しい消費電力要求を満足できるデバイスを選択
プラットフォームを使用します。LXでは、同じパッケージ フット
プリントでさまざまなゲート集積度を選ぶことができるので、同じ
ベースデザインで、さまざまな顧客ニーズに対応できます。
することです。Virtex-4ファミリの電力効率は他社の同様のプログ
Red River社のデザインは、信号の変調と復調を含め、計算集約
ラマブルロジック ソリューションに比べてわずか半分の電力しか消
的な処理のために極めて強力なDSP性能を追加的に必要とする場合
費しないという驚嘆すべきものでした。
があります。このようなアプリケーションには、かつてない強力な
Virtex-4 FPGAは、Red River社の厳しい消費電力要求を満た
す一方で、驚くべき機能と性能を提供してくれました。さらに、
PCMCIAには、Type IIモジュールのフォーム ファクターに合わせる
ための厳密な厚さ制限があります。Virtex-4のFF668パッケージは、
この厚さ要件を満たす数少ないFPGAパッケージの1つです。
DSP性能を備えたSXプラットフォームが最も適していると考えられ
ます。
その他いくつかのデ ザインにおいては、VxWorksが動作する
PowerPC、光インターフェイスおよびPCI Expressインターフェ
イス用のRocketIOトランシーバ、ギガビット イーサネットMAC
コアなど、FXプラットフォームの提供する高度なシステムレベル機能
先進の機能と性能
ソフトウェア無線アプリケーションの重要な要件の1つに、高性能
DSPが挙げられます。これは、複数の信号チャネルをリアルタイム
ブロックが実装されています。Virtex-4デバイスは、3種類のプラット
フォームを選択可能で、Red River社の製品ライン全般にわたり、さ
まざまな機能を提供することができます。
でサポートする必要があるためです。
Virtex-4 FPGAは、モデル351のアナログバンド幅全体にわたっ
て、マルチチャネルのデジタル アップコンバージョンとダウンコン
結 論
ソフトウェア無線製品は幅広いアプリケーション領域に対応する
バージョンを行うことができます。また、Virtex-4デバイスは、受信
必要がありますが、そのためのコンポーネント機能の選択が重要と
信号データの周波数解析のために高速フーリエ変換(FFT)を行うこ
なります。固定または移動設備用の両用に一連のソリューションを展
ともできます。
開する際には、さまざまな機能を選択できる余地と十分な性能が求
Virtex-4 FPGAは、ホストコンピュータとA/DまたはD/Aコン
バータ間でやりとりするデジタル情報を対象に、極めて負荷の大き
められます。Virtex-4の3つのプラットフォームはこれらの条件を満
たします。
い処理を行うこともできます。この信号処理能力は、SXプラット
新しいモデル351は、標準的なノート型コンピュータで使用でき
フォームの能力をそのまま利用したものです。Virtex-4デバイスは、
る極めて小型の省電力型モジュールで、極めて高い能力を発揮しま
各FPGA内の強力な並列処理能力の利点を生かすことにより、高い
す。モデル351ならびに他のRed River社製品の詳細については、
DSP性能を実現することができます。計算集約的なアルゴリズム
www.red-river.comをご覧ください。
(ソフトウェア無線のDUC/DDCアプリケーションなど)において、
最大500 MHzの速度を誇る乗算/加算/累積エンジンの大量のDSP
スライスが、これまで固定ASIC技術でしか得ることのできなかった
性能を提供します。
Red River社のデザインでは、マルチ キュー FIFO機能をインプリ
メントするために、FPGAの内部ブロックメモリも幅広く使用されて
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