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264 妊産婦の食生活に関する検討 妊娠中毒症、貧血、前期破水との関連 0前回隆子(鳥取大学医療技術短期大学部) 三 瓶まり(鳥取大学医療技術短期大学部) 川上澄枝(鳥取大学医学部附属病院) [はじめに] 妊娠期の B常生活の良否は胎児の分化、発達に影響を与える。今 回は日常生活の中で食生活を取り上げ、胎児に彫響を与える異常症状の妊娠中毒症 貧血、前期破水との関連を検討した。 [対象と方法] 1994年 3 月 と 4 月 の 2 か 月 間 に 鳥 取 県 内 の 某 産 婦 人 科 医 院 に お いて出産予定で、本調査実施前に妊娠中毒症、貧血の発症していない妊婦 初 妊 婦 32名 、 経 妊 婦 令は s o名 ) を 対 象 と し た . 妊 産 婦 の 年 令 は 39 才 で 、 平 均 年 19 - 28 : t4才であった .また新生児の出生時体重の平均は 82 名 ( 2982 : t 360 gで あ っ た。 1.食生活調査 妊 娠 36週 の 妊 婦 健 診 時 に 調 査 用 紙 を 手 渡 し 、 以 下 の 項 目 に つ い てアンケート調査した. 1)食品の摂取頻度等の調査:卵、魚、肉、豆・大豆製品、字、 菜、淡色野菜、牛乳、小魚等について、 i 毎革、緑黄色野 5段 階 の 選 択 肢 ( ほ と ん ど 摂 ら な い 、 時 々 週 1- 2 回 摂 取 、 遡 3 - 4 回 摂 取 、 毎 日 ) を 設 け 、 そ れ ぞ れ の 摂 取 頻 度 、 な ら び に朝食とインスタント麺類の摂取について調査した。 Ca高 含 有 と さ れ る 魚 、 海 革 、 牛 乳 、 乳 製 品 、 豆 腐 、 小 魚 、 小 松 菜 ・ 大 根 と か ぶ の 棄 に つ い て 、 頻 度 か ら カ ル シ ェ ウ ム (Ca) 摂 取 点 数 を 算 出 す る た め に 能 勢 ら の 方 法 で以下の計算をした.摂取頻度「殆ど摂らない」を由、 回 」をふ 「週 3 - 4 回 」 を 20 、 「 毎 日 J を 考慮した食品スコアをそれぞれに l、 『時々 J を 2、 40 と 点 数 化 し 、 10, 6, 「週 1 - 2 Ca合 最 、 吸 i 収率を 4、 7、 l と し て 乗 じ 、 算 出 し た . 2)食事内容のバランス等に関する調査:前日のー 食事の献立、食品名ならびに量 を 具 体 的 に 記 載 し て も ら い 、 そ の 後 面 接 に よ っ て 、 摂 取 量 (g ) を 把 握 し た 。 と れ をもとに日本栄養士会の方法で食事バランス点数を求めた。 2.妊産婦の妊娠中毒症、貧血、前期破水の発症に関する調査: 分娩の時点で アンケート調査以降での異常の発症について外来診療記録から調査した。 [結果と考察] 1)食品の摂取頻度と生活習慣 各種食品の摂取頻度とその割合を表 1に示す o ; i 毎草、苧、豆類では「週 1- 2回 」 、 魚 、 肉 は 「 遇 3 - 4 回 j 、 卵 、 牛 乳 、 緑 黄 色 お よ び 淡 色 野 菜 は f毎 日 j と 答 え た割合が高かった。青年期の非妊時女子での摂取頻度に比較し、各食品で頻度が高 く な る 傾 向 が み ら れ 特 に 魚 摂 取 が 寓 く な っ た . 朝 食 摂 取 は 「 毎 8 J 69名、 く J 10名、 『 抜 く こ と が 多 い J 2 名、 類の摂取は f し な い J 39名、 「時々銭 「摂らない J 1名であった。インスタン卜麺 「 時 々 摂 取 J 40名、 2 ) 食 事 バ ラ ン ス と Ca摂 取 点 数 -2 8 4ー 『週 2 - 3 回 」 が 3 名 で あ っ た . 食事バランス 54.0 : t 12.0で あ っ た . )可ラン 0=82 表 l 食品の摂取獄度とその'"恰 ( 9 6 ) の平均点数は 週 1-2回 週 3 -4回 2 21 35 37 2 食品 頻度 無 跨々 卵 5 毎日 魚L 。 33 42 23 と さ れ る 50点 来 肉 i 2 27 57 13 満 が 26名 牛乳 10 I 7 16 s6 海草 4 10 52 25 10 苧 2 13 52 27 6 豆・大豆製品 。 27 40 19 8 12 24 64 12 31 55 スに問 題 がある (31.7 9 6) で あ っ た . t 真取食品の質と バランスに偏り のあるものが存 淡色野菜 。 。 6 緑黄色野菜 在 し た 。 Ca摂 取 の 目 安 と し て 求 め た Ca摂 取 点 、 の 平 均 は 665 土 225で あ っ た . 3 ) 妊 娠 中 毒 症 、 貧 血 、 前 期 破 水 の 発 症 : 軽 症 な ら び に 重 症 の 妊 娠 中 毒 症 は 82名 中 7名、またヘモグロビンが l lg/ d l未 満 の 値 を 示 し た も の を 貧 血 と す る と 8 名 で あ っ た . 前 期 破 水 は 5 名 で 、 他 の 77名 は 早 期 あ る い は 適 時 磁 水 で あ っ た . こ れ ら の 異 常 の 有 無 男J Iで パ ラ ン ス 点 数 を 比 較 し 、 図 l に 示 し た . バ ラ ン ス 点 数 を 妊 娠 中 毒 症 、 貧 血 、 前 期 破 水 の 有 無 別 で 、 曹 ilcoxonの 順 位 和 検 定 を す る と い ず れ も 疾 患 群 で 有 意 に 低 か っ た (p く O .05) . 前 期 破 水 で は Ca筏 殴 点 数 で も 低 く (図 2 ) 、 妊 娠 経 過 に 及 ぼす食生活の彫 た また、これら の異常と出産 歴 80 8O~ 響が再確認され 80 ‘' * 話 60 l D = r < p 60 60 40 40 40 ~ 2o~ 2O ~ 20 、 1 1 ' ¥ . . * ゎ : 、, で関連のみられ たものは、妊娠 中脅症で、初産 婦 7名 、 経 産 婦 O名 で あ っ た . 初・経産別の 。 。 。 無 有 ( n=75) 無 有 ( 0 = 7 ) 妊伝中毒症 ( n=7 4) 図 l 妊娠中毒症、貧血、初期破水の有無男J Iにみた食事バランス点激 食事バランス点数には差が無く、他の要因の関与も 900 * :P<0.05 * r-ーーーーーーー可 T I - nunu nunU 3 vh咋 ① 妊 娠 10か 月 の 妊 婦 82名 中 で 、 食 事 バ ラ ン ス 点 50米 63 話回引信 [結論] ( 0=5 ) 前期破水 貧血 示唆された . 鐙 有 ( 0=77) (n=8 ) 満 が 26名 、 朝 食 を 銭 く こ と が あ る も の が 13名 あ っ た . ②妊娠中滋症、貧血、前期磁 水 発症者で食事バラン ス 点 数 が 、 前 期 破 水 で Ca摂 取 点 数 が 有 意 に 低 か っ た O 無 有 .図 2 前期破水の有無別にみた Ca摂取点数 バ ラ ン ス 点 数 50未 満 の 26名 中 で の 発 症 者 は 10名 あ っ た . *: Pく 0. 0 5 ③食事餌パランス、摂取頻 度 の少ない食品と朝食療取等の食生活に注意を 要す る. -285ー