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転換点の見極め方・トレンドラインの引き方
情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等について は一切保証されておりません。本情報によるいかなる損害も当方では責任が取れませんのでご了承ください。 Q&A:転換点の見極め方 Q:転換点の見極め方についてもう少し詳しく教えていただけたら。 Q:トレンドラインを引く際に参考にする過去の高値・安値はローソク足の終値の事でしょ うか? Q:トレンドラインの引き方 見極め時をもっとまなびたいと思います。 A:ビデオでご説明した、短中期の転換点を見極めるトレンドラインの引き方を、簡単にご 説明します。短中期のトレンドラインで、戻しがなく下げているのをフォーリング・ウェッ ジ、戻しがなく上げているのをライジング・ウェッジと呼びます。ここでは谷越えを例に、 フォーリング・ウェッジの上抜けを扱います。山越えはライジング・ウェッジの下抜けです から、それぞれが買いと売りのポイントで、同じものだからです。 トレンドラインもウェッジも、終値でなく、高値、安値を扱います。現場のディーラーたち は終値にはあまり関心がなく、前の高値、安値を気にします。高値が抜ければ強い、抜けな ければ弱いと感じるので、高値、安値そのものが最も小さな転換点、節目です。 フォーリング・ウェッジの引き方ですが、前日の高値を抜けない日が何日か続いたとします。 これだけで、切り下がる高値を結んだ線が引けるようになります。この線が長く伸びれば伸 びるほど、下降トレンドが続いていることになり、線の重要性が増すことになります。 また、切り下がる角度がシャープであればあるほど、下げの勢いが強いことを表します。こ の時、安値も同様に下げていれば、はっきりとしたフォーリング・ウェッジです。私は上記 のチャートのように、急降下し始めた時に注目して線を引きます。 下げ続けていると、前日の安値を抜けない日がどこかで出てきます。高値も抜けない、安値 も抜けないと、これは値幅が小さくなっている三角保合で、どちらに抜けるかを注目しなけ ればなりません。下抜ければ、下降トレンドが継続されることになり、次に前日の安値を抜 けない日が続く時を待つことになります。 谷越えを待つのですから、前日の安値を下抜けないのが最低の条件です。また、下髭とは、 その日のうちに戻し始めている証ですから、長ければ、長いほど注目します。下値が切り上 がり、小さな三角保合か、あるいはフォーリング・ウェッジを上抜ければ、下降トレンドを 上抜けた手掛かりを得たことになります。谷越えとなり、買える形となりました。 また、その時には2日線、5日線といった、ごく短期の移動平均線が通常少し遅れてゴール デンクロスします。このことは、どちらか1つでも手掛かりとなり、両方揃えば互いを補強 することになります。 ポイントを整理します。 1、高値安値に注目する。 2、高値の切り下がり、安値の切上がりが、すべての転換点の始めである。 3、2つ以上の高値を結んだ線が上抜けないと、フォーリング・ウェッジである。 4、2つ以上の安値を結んだ線が下抜けないと、ライジング・ウェッジである。 5、下値が切り上がり、上値がフォーリング・ウェッジを上抜けると、谷越えの暗示となる。 6、上値が切り下がり、下値がライジング・ウェッジを下抜けると、山越えの暗示となる。 7、下髭、上髭は、そのものだけで転換点の暗示となる。 8、なぜなら、それより短い足(週間に対する日足、日足に対する時間足)では、すでにフ ォーリング・ウェッジを上抜け、ライジング・ウェッジを下抜けている可能性が高いか らだ。 フラクタル(自己相似性)については、名前だけ覚えておいて下さい。時間足も、日足も、 週足も、月足も並べれば同じような形をしているという意味です。このことから、導き出さ れることも多いのですが、ここでは省かせて下さい。 9、ゴールデンクロス、デッドクロスも転換点の暗示である。 10、トレンドラインと移動平均線はお互いを補強する。 といったところです。 Q:トレンドの転換点の見極め方、大変勉強になりました。ロスカットもその延長線上にあ ると考えてよろしいのでしょうか。 A:まさしくその通りです。転換点の見極めとは、谷越え、山越えの見極めです。谷の下抜 け、山の上抜けは間違いを示唆していますので、ロスカットのポイントとなります。 この時、空売りの場合には、ダマシに気を付けながらも、基本はできるだけ早く損切りする 必要があります。一方、買いの場合には、他のリスク管理の方法がありますので、折に触れ てご説明いたします。 Q:転換点を見極めるのが重要という事ですが、トレンドラインの引き方がよく分かりませ ん。上昇トレンドの際の安値下降トレンドの際の高値とありましたが、値動きが在る程度予 測できないとラインって引けないものなのでしょうか・・・?具体的に転換点とはどういう 特徴を持つものなのかが知りたいです。単純にトレンドラインを越えたから売買したら、予 想に反してまだ下がったとかあるのじゃないかと思いました。 A:トレンドラインは過去の高値と高値、過去の安値と安値とを結びますので、予測で描く 余地はありません。もっとも、過去から現在の延長線上に未来の予測線が引けますが、それ は株価がそこに来た時点でトレンドが続いているかの判断に使うもので、現時点では単な る延長線です。 転換点とは、下げてきた株価が上げ始めるところ。下げてきた株価が上げ始めるところです。 転換点は後になってからしか分かりません。トレンドラインやその他のテクニカル指標は すべて「手掛かり」なのです。したがって、間違えていた場合には、損切り等でリスクを管 理する必要があります。 転換点の見極めとは、いくつかの手掛かりを頼りに、本物の転換点か、ダマシかの見極めで す。私は繰り返すことでしか、上達しないと思っています。 とはいえ、ぼんやり売買するのと、 「見極めるぞ」と真剣に見ているのとでは、時間が経て ば大きな差となるかと思います。 Q:きれいにトレンドラインが引けないいろいろなチャートがあると思うのでそれもまた 教えてもらいたいと思います。 A:テクニカル指標とは、指標それぞれが持つ考え方(トレンドを示唆する。行き過ぎを示 唆するなど)を背景に、株価の動きを分かりやすく見せようとするものです。トレンドライ ンも、そのものが目的ではなく、株価の位置確認の目安となるものですので、大まかなイメ ージで十分かと思います。 Q:過去のチャートで転換点を指摘するのは簡単ですが、チャートの右端でどう判断するか を教えてください。 Q:トレンドライン、転換点について。過去のチャートではよく判るが、リアルタイムのチ ャートでは自信がありません。 Q:チャートで転換点を見極めるのは、後からならば簡単ですがやはり難しいと思います。 もう少し深く知りたいと思いました。 A:私が相場に入った 1980 年代の初め頃は、今ほどチャートは一般的ではありませんでし た。テクニカル分析をする人たちは、罫線引きと呼ばれ、少し下に見られていました。実際 に儲けるのとは違う。現場では、チャートなど見ている時間がないというのが、ディーラー たちの考えでした。当時は、リアルタイムのチャートがなかったので、私なども昨日までの 動きには余り興味がありませんでした。 ディーラーたちが頼りにしていたのは、値動きのみです。単純に言えば、朝の高値を覚えて おき、抜ければ買い、抜けなければ売りでした。少し長めのトレードでは、以前の高値、安 値を手掛かりに同じ事をしていました。例えば、以前の高値に近付きながら、上抜けがない と売るのです。そして、ある時、それがダブルトップで売ることではないかと気付き、手書 きのチャートを付け始めました。為替と債券で 10 年は付けたと思います。 ディーラーたちが頼りにしているのは、値動きのみです。その値動きを忠実に記録したもの がチャートです。 多くのチャートに目を通していると、上げそうなチャート、下げそうなチャートに出会いま す。上げそうな、下げそうなとは、過去のことではなく、右端のこれからの展開を予測して いることになります。その意味では、チャートは天気図に似ています。気圧の谷や、風の動 きで、明日の天気を予報しているのです。天気図も未来を扱っていますが、知識と経験でよ く当たるようになります。 熟練のお天気オジサンでも時々外すように、私もしょっちゅう転換点の見極めを外します。 外れるのを見越して、売買しています。だからリスク管理が必要なのです。 Q:トレードルールを作る時の、基本をしっかり教えてください。 A:根拠を持たないでトレードすると、勝っても再現性がなく、負けても原因が分かりませ ん。人それぞれ、株式投資を行う根拠は違うと思いますが、相場は転換点の見極めにつきる と、私は思っています。 ルールは簡単です。一か八かを避けることです。転換点の見極めが、どこまで上達しても、 未来に起きることを予測できる人はいないかと思います。例えば、リーマンショックはある いは事前の予測は可能でしたが、大震災は不可能だったかと思います。未来が予測できない のなら、外れた時のことを考えて投資するしかありません。 リスク管理には損切りや、銘柄入れ替えによるものがありますが、一番簡単なのは少額で分 散することです。無理をすると冷静ではいられませんので、焦らないようにして下さい。 投資の学校 矢口新