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防護の施策
前項の防護の目標を達成するために実施する施策を以下に示す。
~侵食への対応~
1)九十九里浜や平砂浦の長大な砂浜の保全・回復のための広域的な漂砂管理の推進
砂浜は貴重かつ重要な防災施設でもあることから、侵食の進行が懸念される九十九
里浜や平砂浦の長大な砂浜においては、その保全・回復を図るため、沿岸の漂砂機構
や流入河川の土砂動態を十分に把握し、広域的な漂砂管理を推進するものとする。
2) 土砂動態の解明、砂浜の保全・回復のための調査、観測
九十九里浜などの広域的な漂砂管理の推進や沿岸に点在するポケットビーチの侵食
への対応に向けては、沿岸や流入河川における土砂動態や各海岸特有の漂砂特性を十
分に把握する必要がある。そのため急激な侵食が予想される海岸においては、関係機
関と連携しつつ、沿岸や流入河川における土砂動態や各海岸特有の漂砂特性の解明に
資する調査・観測を実施していくものとする。
現状では比較的砂浜幅が広いが侵食傾向にある海岸、また、現状で浜幅が狭い海岸
もある。このような地域については、来襲波浪や地形変化の継続的な観測を行うなど、
積極的に予防措置を講じるものとする。
3)
漂砂系を維持する保全施設整備
侵食が著しい海岸については、隣接海岸や河口部などの周辺環境に対する影響およ
び漂砂の動向の変化を把握するとともに、沿岸や流入河川における土砂動態や各海岸
特有の漂砂特性に配慮し、漂砂系を維持することを基本とし、適切な保全施設整備を
図るものとする。
~高潮・高波・津波からの防護~
4) 地域や周辺の海岸環境に配慮した方法による浸水及び越波被害の防止
太平洋に面し、海底勾配が急であり、背後地盤が低いことなどから、高潮・高波及
び津波により浸水及び越波被害が著しい海岸については、砂浜や岩礁などの消波機能
および砂丘や海岸林などの浸水の防止・抑制機能などの自然の防災機能を活用した保
全施設整備を行う方針とする。地域住民や漁業利用者に防災対策に対する理解を得る
とともに、周辺の環境、利用に対する影響を最小限におさえる方法で浸水及び越波被
害の防止を図るものとする。
2-12
~ソフト面における津波対策の拡充~
5) 地域における津波対策への支援
2011 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震津波では、九十九里浜ゾーン(飯
岡漁港から太東漁港)を中心に甚大な津波被害が発生していることから、早急な津波
対策が望まれる。
今後もハード対策のみならず予想される津波被害の想定などの津波対策に関する調
査・研究を推進しその周知を図るなど、総合的な津波対策へむけて地域における避難
体制・安全情報伝達などの津波対策を支援していくものとする。
~飛砂被害・塩害の低減~
6) 海浜植生や海岸林による被害の低減効果の検討
砂浜の状況や背後の海岸林、土地利用などに十分に配慮し、海浜植生や海岸林によ
る被害の低減効果の検討を推進するなど、砂浜の保全や保安林の整備と併せた広い視
野での対策を実施していく。
~海岸管理~
7) 海岸保全施設の維持管理
定期的に巡視を行い、老朽化や不等沈下、液状化、地形の変化などにより施設の防
護効果の低下が懸念される海岸保全施設については、点検、補修、施設の耐震強化な
どの適切な維持・管理を実施し、防護機能の保持に努める。
8) 侵食や高潮・高波に関するデータ収集
千葉東沿岸では、銚子、乙浜、布良など沿岸各地で波浪や潮位の定点観測が実施さ
れていることから、海岸災害に関する精度の高い予測や適切な対応方策の検討を行う
ために、海岸における防護の対象となる台風や低気圧などの潮位や波浪等に関するデ
ータや海岸の地形変化状況を継続的に観測・監視し、侵食や高潮・高波に関するデー
タ収集に努める。
2-13
2-3. 海岸環境の整備及び保全に関する事項
~生物の生息環境の保全~
1) 海岸保全区域における動植物の生息・生育環境の保全と
周辺の自然環境と調和した保全施設整備
九十九里の砂浜や一宮川・夷隅川の河口干潟、外房の岩礁や崖の海岸、平砂浦の砂
丘や海岸林などは、ウミガメやコアジサシ、砂丘植物群落、塩湿地植生、磯の生物や
崖地植生、その他海岸に生息する昆虫類など地域特有の動植物の生息・生育基盤とな
っていることから、海岸保全施設の整備にあたっては、陸域・海域の生物の生育・生
息状況を十分に把握し、生育・生息域の保全・再生方策の導入を検討し、周辺の自然
環境に与える影響を最小限に抑えるものとする。
生物の生育・生息が減少・消失した箇所や既に設置されている施設等については、
地域の自然環境の再生や周辺環境との調和に配慮し、必要に応じて改善策を検討して
いく方針とする。
~良好な海岸景観の保全~
2) 砂浜、岩礁、海食崖などの多様な自然の海岸景観の保全
砂浜の侵食や海岸の人工化により、雄大な九十九里の“白砂青松”や屏風ヶ浦、太
東崎などの“勇壮な海食崖”、外房の“変化に富んだ岩礁海岸”などの自然の海岸景
観が失われてきた現状もあることから、貴重な海岸景観や、背後地や周辺地域と一体
となった景観の連続性を十分検討し、海岸景観の保全対策を実施していくものとする。
~人為的な影響の緩和~
3) 海岸への漂着ゴミや流木、水質悪化への対応
きれいで快適な海岸、生物にやさしい海岸をめざし、地域や各種機関との連携を図
りながら、漂着ゴミや流木に対する処理システムの構築や良好な水質の保全のための
啓発活動の推進など、流域を含めた広域的な視野に立った対策を支援する。
4) 動植物の保護のための施設整備・保護意識の啓発
砂浜や砂丘、岩礁、崖、海岸林、河口など、保護すべき重要な動植物の生息地にお
いては、進入防止・看板類等の保護対策や、保全のための啓発活動の充実、また、日
常的なモニタリング、愛護活動を促進するなどの保護管理のための体勢づくりを支援
する。
5)油流出等の突発的な事故への適切な対応
本沿岸は、平成 10 年 8 月に犬吠埼沖の貨物船・タンカーの衝突に伴い、大量の油
が海岸に漂着した経験を持っているが、人々の生活だけでなく、油流出等の突発的に
生じる事故に対しては、海岸環境への影響を最小限でくい止めるため適切な対応を図
る。
2-14
2-4. 海岸における公衆の適正な利用に関する事項
~海岸整備における海岸域利用への配慮~
1) 保全施設整備における海岸域利用への配慮
保全施設整備においては、C.C.Z整備や海岸環境整備などの海岸環境に配慮した
既存の事業を活用するとともに、背後地の土地利用計画や道路網の整備などのまちづ
くりや港湾、漁港および地引き網等の漁業での利用、海水浴やサーフィン等のレクリ
エーション利用および観光利用と十分に調整を図るものとする。さらに、整備による
波や流れの変化などの海域環境への影響に対し、適切に対応していくものとする。
~適正な海岸利用の推進~
2) 保全地区と利用地区の適正な棲み分け
近年、人為的な影響による海岸環境のダメージが危惧されている。利用を規制し保
護区域(特に外房・南房地区の岩礁海岸等)として資源を守っていく区域を定めるなど、
保全すべき自然環境と地域ニーズに沿った海岸利用の棲み分けを行っていくことを
目指すものとする。
3) 「海の家等適正利用指針」などによる適正な海岸利用の推進
適正利用を遵守する体制の構築と計画的な海岸利用の推進、健全で秩序ある海岸利
用の推進、地域ニーズと調和した海岸利用の推進のため、平成 15 年 4 月に施工され
る(ただし 1 年間は試行期間)
「千葉県海の家等適正利用指針」に基づき、市町村に
おいて地域特性に応じた計画的な海岸利用の促進を図るともに、海岸の適正な管理に
努める。
また、海浜への車両の乗り入れ等、海岸の自然環境に極めて大きなダメージを与え
る行為については、千葉県立自然公園条例に基づく乗り入れ規制の徹底遵守を図るほ
か、地域特性に応じた海岸利用のルール作りなど、人為的な影響の抑制方法の検討を
行う。
~海浜利用に関わる生活環境の悪化防止~
4) 誇りのもてる美しい海岸づくり
海岸利用に関わるゴミ問題や景観の悪化、来訪者のマナーなど、地域住民の日常生
活の快適さを損なう様々な問題が強く指摘されている。
海岸利用マナーの啓発・向上を図るほか、利便施設整備の環境や景観に対する配慮
や施設の維持・管理を徹底して、年間を通じ美しい環境を維持することにより、汚す
ことがためらわれるような、地域主体による誇りのもてる美しい海岸づくりを支援す
る。
5) 利用者の啓発・PR、管理・監視体制づくり
環境維持・改善に対する利用者の啓発・PRを実施するとともに、関係機関をはじ
め市町村や地域団体など地元地域を主体とし利用者も含めた管理や監視の体制・組織
づくり、さらには地域特性に応じた海岸利用のルール作りを支援する。
2-15
~日常生活の快適性を高める海岸整備~
6) 日常生活の快適性を高める海岸整備
年間を通じた地域の人々の利用や高齢化が進む地域特性を踏まえ、海岸保全施設等
の整備にあたっては、地域住民の日常生活における快適性や地域への愛着を育む環境
づくりに配慮するなど、だれもが気軽に利用できるバリアフリーの海岸環境づくりを
推進する。
7) 海辺へのアクセス性の向上
海と地域住民の日常生活は密接に結びつきながら地域文化を形成してきたが、現在
は、生活形態や産業形態の変化により海との結びつきが薄れつつある。
サイン施設や散策路、駐車場の整備など海岸部と背後集落とのアクセス性の向上を
図る整備を行う。
8) 海岸の環境教育と情報の発信・集積による魅力ある海岸づくり
海岸保全に関する地域活動や教育文化施設などと連携して、海岸における地域の歴
史や文化、海岸の成立ちや動植物などの自然環境、さらには海岸により異なる波や流
れの特性、津波の恐ろしさを学ぶ機会を設けるなど、海岸の環境教育を支援する。
さらに、海岸に関する情報を積極的に発信するとともに、広く情報の集積に努め、
安全性の確保はもとより、海岸の快適性・利便性の向上による利用促進に努めるなど、
地域における魅力ある海岸づくりを支援する。
~市町村による日常的管理の実施~
9) 海岸の一体的な適正利用を進めるための市町村への日常的管理移管の推進
上記に掲げる保全すべき自然環境と地域ニーズとの調和を保つ施策や、地域特性に
応じた海岸利用のルールづくりの推進、地域と一体なった魅力ある海岸づくりの促進
と、不法占用解消後の適正利用推進のため、成東町同様、市町村による適正利用の計
画化と市町村に対する日常的管理移管を推進することが望ましい。
○市町村による日常的管理の実施
○ 自然環境保全、海岸の適正利用
・ 自然環境保全ゾーンの設定
・ 無秩序な海岸利用の規制
○ 夏季における観光利用
・ 観光入込客を想定した計画的な利用
・ 自然環境保全ゾーンと調和した夏季限定の利便施設の計画的な設置等
○ 夏季以外においても利用される公益施設の設置
・ 自然環境保全ゾーンに配慮した市町村による最小限の規模の公益施設の設置
2-16
2-5. 魅力ある海岸づくりの健全な推進のための方策
~地域ごとの“魅力ある海岸づくり会議”の創設への支援~
地域の意向や特性に応じたきめこまやかな海岸づくりを推進していくために、地域
においては市町村や海岸に関係する地域団体および地域住民などからなる地域会議
『 “○○海岸の魅力ある海岸づくり会議”
』を創設し、海岸管理者による『海岸保全
基本計画』に基づく沿岸全体における防護・環境・利用の調和した総合的な海岸管理
と定期的に連絡・調整をとりつつ、適切な海岸保全を推進していくことが望ましい。
平成 15 年度以降新たに整備に着手する海岸事業については、本基本計画で定めた
「海岸保全施設の整備に関する基本的な事項」を基本とし、
『 “○○海岸の魅力ある
海岸づくり会議”
』等の地域会議において意見を聴くなど、地域の意見を反映した整
備を推進するものとする。
(補修等についてはこの限りでない)
そのため、海岸管理者からなる『千葉県海岸保全連絡調整会議』は、“地域会議”
創設のための規定や運用方策を検討するものとする。
さらに、
“地域会議”が創設された際には、海岸の防護・環境・利用に関する情報
の提供のほか、地域における環境教育の推進への支援などを行うものとする。
☆地域主体による魅力ある海岸づくり!
市町村
NPO
地域住民
関係団体
漁業者
海岸占用者
連絡・調整
「○○海岸の魅力ある海岸づくり会議」
“市町村”、
“各種団体”、
“地域住民”ほかによる
魅力ある○○海岸づくりの連絡調整
『海岸づくり会議』
『海岸保全基本計画』に
(仮称)の報告
基づく連絡・調整
「千葉県海岸保全連絡調整会議」
“海岸管理者等の海岸関係行政機関”による
千葉県全体の海岸づくりの連絡調整
2-17
利用者
匝瑳の魅力ある海岸づくり会議(H23 年度~)
一宮の魅力ある海岸づくり会議(H22 年度~)
鋸南町勝山漁港海岸づくり会議(H15 年度)
鴨川沿岸・海岸づくり会議(H15~H18 年度)
白渚海岸を語る会(H11~H14 年度)
那古船形海岸づくり会議(H19~H23 年度)
海岸づくり会議の設置状況
2-18
≪目次≫
3. ゾーン毎の海岸の現況及び保全の方向.......................................... 3- 1
3-1. ゾーン区分 ............................................................. 3- 1
3-2. 各ゾーンの現況と問題点・課題............................................ 3- 3
3-2-1. 防護面における各ゾーンの現況と問題点・課題 .......................... 3- 3
3-2-2. 環境面における各ゾーンの現況と問題点・課題 .......................... 3- 4
3-2-3. 利用面における各ゾーンの現況と問題点・課題 .......................... 3- 5
3-3. 各ゾーンの保全の方向 ................................................... 3- 6
3-3-1. 防護面における各ゾーンの保全の方向 .................................. 3- 6
3-3-2. 環境面における各ゾーンの保全の方向 .................................. 3- 7
3-3-3. 利用面における各ゾーンの保全の方向 .................................. 3- 8
3. ゾーン毎の海岸の現況及び保全の方向
3-1. ゾーン区分
▼ 千葉東沿岸には様々な性状の海岸があるため、その保全や整備は、個々の海岸の防
護・環境・利用の特性に応じて行なわれていくべきものと考えられるが、一方で広
域的に調和の取れた対応を図ることも重要であることから、以下に示す観点から千
葉東沿岸を大局的にみたゾーン区分を行った。
▼ 千葉東沿岸は、銚子半島の岩礁や小規模な砂浜(ポケットビーチ)、屏風ヶ浦、太
東崎の海食崖、飯岡町から一宮町に至る長大な砂浜などからなる九十九里浜沿岸と、
海岸段丘の発達により生成された岩礁海岸および多くの流入する河川からの堆積
土砂によって生成されたポケットビーチからなる外房沿岸とに大別されるが、それ
ぞれ多様性に富んだ海岸形態や自然環境を有している。
▼ 今後はそれぞれの海岸のもつ自然環境や背後の土地利用等に応じたよりきめ細か
い対策が必要であることから、沿岸をゾーン区分し、ゾーン毎に、実施していく海
岸の防護・環境・利用に関する施策を定める。
▼ 区分に際しては、海岸の性状(地形)、漂砂の連続性や海岸線および背後地の土地
利用状況や海岸の自然環境を考慮した。
3-1
図- 3-1 ゾーン区分
3-2
3-2. 各ゾーンの現況と問題点・課題
千葉東沿岸における現状認識をもとに、区分したゾーン毎に海岸保全の問題点・課題を整理すると以下のとおりである。
3-2-1. 防護面における各ゾーンの現況と問題点・課題
海岸保全の問題点・課題
銚子半島ゾーン
(茨城県境~上永井海岸)
九十九里浜ゾーン
(飯岡漁港~太東漁港)
・“東洋のドーバー”と称される屏
風ヶ浦や犬吠埼の海食崖や岩礁海
岸が海岸線の多くを占める。
・屏風ヶ浦海岸小浜地区の崖海岸は
浸食により海岸線後退の恐れがあ
る。
・崖・岩礁海岸に囲まれて君ヶ浜や
酉明浦などの砂浜海岸が点在する
が、浜幅は狭い。
・酉明地区では飛砂被害が問題とな
っている。
○海岸侵食への対応
防
護
面
鴨川・千倉ゾーン
(天津小湊町境~千倉海岸)
館山・白浜ゾーン
(千倉漁港~洲崎)
・日本有数の長大な砂浜海岸である九十九里浜
は、中央部では自然のままの砂浜が残るが、両
端部は侵食傾向にある。
・太東海岸太東地区の崖海岸の侵食により海岸
線後退の恐れがある。
・下永井地区・横根地区、吉崎地区~木戸地区
は、飛砂が問題となっている。
・北九十九里~木戸にかけての九十九里浜の北
部の海岸は、侵食・飛砂の問題があり、北九十
九里地区の一部や吉崎地区は浜幅が狭い。
・白子、一松、一宮の九十九里浜の南部の海岸
は、侵食傾向にあり、一宮地区は浜幅が狭い。
【地域の声】
【地域の声】
・一部、くずれそうな場所があり保 ・九十九里海岸は、ともかく、砂浜の保全対策
護が必要。
が何にも増して優先する。
・外川漁港で、定期的に、浚渫して ・九十九里浜の侵食が進みつつある。砂が流出
いる砂を九十九里海岸の侵食され しないような方法と、海岸を元に戻す方策を検
ているようなところへサンドパイ 討してもらいたい。
パスする計画はないのでしょうか。 ・保全施設は必要だが、地元の意見を良く聞い
て、自然に馴染む形で設置して欲しい。
・ヘッドランド建設後の漂砂下手側の侵食が非
常に激しく、浜崖化する。
・大変お金がかかるでしょうけど、やはりある
程度、野栄以南のほうにもヘッドランドは必要
ではないか。
・海岸線の大半は八幡岬から岩和田にか
けての崖海岸とゾーン南部の岩礁海岸で
あり、ゾーン北端に和泉、日在浦地区、
南部に岩和田地区、部原地区などのポケ
ットビーチが点在している。
・和泉、日在浦地区や岩和田地区、部原
地区は比較的延長の長い砂浜であるが、
浜幅は狭い。
・勝浦東部漁港海岸では砂浜の侵食が問
題となっている。
・東条海岸・前原横渚海岸、真門から和
田浦、白渚から瀬戸にかけての比較的長
い緩い弓なりの砂浜と太海、江見太夫
崎・吉浦の岩礁海岸からなる沿岸である。
・和田浦地区、白渚地区などは浜幅が狭
く、白子漁港海岸の砂浜は侵食傾向にあ
る。
・天津小湊海岸神明地区では飛砂が問題
となっている。
・南房総南端の変化に富んだ岩礁海岸と長大
な砂浜海岸である平砂浦、伊戸から洲崎に至
る岩礁海岸からなる沿岸である。
・乙浜漁港海岸は侵食傾向にある。
【地域の声】
・大原町の日在では、ウミガメの上陸や
ラグーンもあって、すごく自然環境に恵
まれているが、将来海面が上がってくる
と、このラグーンもなくなってしまうだ
ろう。温暖化による海面上昇を計画を立
てる中に組み込んでいただきたい。
・砂浜の保全と景観に配慮した海食崖の
侵食対策に取り組んで欲しい。
【地域の声】
・平砂浦の保安林を守るための直立護岸や、
緩傾斜護岸、テトラポットなどの人工構造物
は、侵食の原因ともなっており必要ない。
・相浜海水浴場脇の漁港脇に砂がたまり、平
砂浦の保安林の前の浜が侵食している。
・海岸背後に道路が通っている外川
漁港海岸、名洗港海岸等では、越波、
飛沫が問題となっている。
・外川漁港海岸では保全施設の老朽
化、屏風ヶ浦海岸小浜地区では保全
施設の沈下が問題となっている。
・海岸線は崖や丘陵地が多く、点在する
中小河川が流入する狭い低地に道路、鉄
道、住宅地が立地している。
・太東地区では、保全施設のコンクリー
ト劣化が問題となっている。
・大原漁港海岸、岩和田漁港海岸、御宿
漁港海岸、勝浦東部漁港海岸、串浜漁港
海岸、松部漁港海岸、守谷漁港海岸、興
津港海岸興津地区、大沢漁港海岸では、
越波、飛沫被害が懸念されている。
【地域の声】
・沖合いの岩礁が波消しの効果を果たし
ているので沿岸への被害は急には発生し
ません。 海の中へ手をつけることだけ
は避けてください。
【地域の声】
・東条海岸~待崎川河口にかけての侵食
が激しい状況となっている。
・東条海岸の砂の減少と越波の被害が顕
著。局所的な対策ではなく、高所的な視
点での海岸域管理が必要。
・消波ブロックによる対策ではなく、養
浜による対策が望ましい。
・東条海岸は昔より砂浜が狭くなり、浜
ガケも見受けられる。景観上のこともあ
ろうが、離岸堤の設置等が望まれる。
・天津小湊海岸浜荻一号地区への消波ブ
ロック投入は反対です。
・前原海岸等の住宅密集地域には高潮対
策をお願いしたい。
・海岸線は、比較的広い鴨川市、和田町・
丸山町、千倉町の低平地と丘陵地に点在
する中小河川が流入する狭い低地に道
路、鉄道、住宅地が立地している。
・小湊漁港海岸、天津小湊海岸、天津漁
港海岸、浜荻漁港海岸、鴨川海岸、江見・
和田・丸山海岸、千倉海岸では、越波、
飛沫被害が懸念されている。
・海岸背後には、殆んどの場所で海岸林が設置
されており、また道路や住宅地はこれら海岸林
を隔てて陸側に立地している。
・北九十九里地区~木戸地区にかけてと南部の
一宮地区は、越波、飛沫が問題となっている。
・北九十九里地区では、老朽化、沈下、コンク
リート劣化、耐震性の強化が問題となってい
る。
○高潮・高波からの防護
・地域防災計画で津波対策が講じら
れており、名洗地区では津波対策ハ
ザードマップが作成されている。
○津波からの避難と備え
夷隅ゾーン
(太東海岸~天津小湊町境)
・地域防災計画で津波対策が講じられており、
全ての地区で避難地が設定されている。
・地域防災計画で津波対策が講じられて
おり、興津港海岸では津波防災ハザード
マップが作成されている。
・全ての地区において避難地が設定され
小湊漁港海岸~天津小湊町境においては
避難路も設定されている。
【地域の声】
・沖合いの岩礁が波消しの効果を果たし
ているので沿岸への被害は急には発生し
ません。 海の中へ手をつけることだけ
は避けてください。
・昔は砂浜が広く、子供らの野球もでき
た。
・地域防災計画で津波対策が講じられて
おり、鴨川漁港海岸、和田漁港海岸、千
倉漁港海岸では津波防災ハザードマップ
が作成されている。
・全海岸において避難地が設定され、天
津小湊町境~浜荻二号海岸においては避
難路も設定されている。
・海岸は、幅1キロ程度のなだらかな段丘と
なっており、花畑や農地が多い。
・比較的地盤が高いところや海岸線より離れ
たところの土地利用が多い。
・川下漁港海岸、白浜西部漁港海岸では越波、
飛沫被害が懸念されている。
【地域の声】
・沖合いの岩礁が波消しの効果を果たしてい
るので沿岸への被害は急には発生しません。
海の中へ手をつけることだけは避けてくだ
さい。
・地域防災計画で津波対策が講じられてお
り、乙浜漁港海岸、富崎漁港海岸では津波防
災ハザードマップが作成されている。
・全ての地区において避難地が設定されてい
る。
3-3
3-2-2. 環境面における各ゾーンの現況と問題点・課題
海岸保全
の問題
点・課題
銚子半島ゾーン
(茨城県境~上永井海岸)
九十九里浜ゾーン
(飯岡漁港~太東漁港)
特定植物群落
「犬若海岸崖地植生」、「渡海神社の
森」
「九十九里浜北部の砂丘植生」、「八日市場のハマハナ
ヤスリ群落」、「九十九里浜中央北部の砂丘植生」、「九
十九里地区ハマナス」、「九十九里町のハマニンニク群
落」、「一宮川河口の塩湿地植生」、「長生村一松の砂
丘植生」
「部原の海岸林」、「勝浦八坂神社の森林」
海浜植物
ハマヒルガオ
ハマヒルガオ、ハマエンドウ、ハマボウフウ、コウボウ
ムギ、ハマニンニク、ハマナシ、コウボウシバ
太東海浜植物群落(スカシユリ、ハマヒルガオ、ハマボウフウ等)
海岸林、植生等
の生育する海
岸
「君ヶ浜海岸~酉明浦海岸」
「飯岡漁港海岸」、「九十九里地区(北九十九里)~栗
山川漁港海岸」、「南九十九里地区(白子)~(一宮)」
保全または配慮が必要な対象
植物
○多様な
動植物の
生息・生育
環境の保
全
動物
ウミガメの上
陸する海岸
海域生物の
生息環境
現存する藻場
「銚子漁港海岸~上永井海岸」
河口干潟
自然景観資源
環
境
面
景観指定
車両乗り入れ規制の現状
○人為的
な影響等
による海
岸環境の
変化
海岸のゴミ散乱の状況
水質
自然公園
○自然環
境基盤の
維持・保全
環境関連
の規制区
域等
夷隅ゾーン
(太東海岸~天津小湊町境)
「九十九里海岸北九十九里海岸地区(木戸)」、「九十
九里海岸南九十九里一号海岸(白子)(一宮)」
「太東海岸~日在浦海岸」、「部原海岸~勝浦東部漁港海岸」
「太東漁港海岸太東海岸」、「下永井海岸~太東海岸」
「太東海岸」、「大原漁港海岸~天津小湊町境」
一宮川の河口干潟
【地域の声】
・九十九里海岸は、砂浜と松林があって海浜植物、湿地
植物が生育している。
・砂浜から海岸林にかけては、生物多様性そのもの。特
に海岸林の野鳥の多さ、場所によるが湿性植物の多さは
抜群。トータルとしての保全が必要。
・緩傾斜護岸の下に埋められてしまった砂などにも当然
いろいろな生物がいたはずで、これらの住処を奪った緩
傾斜護岸はすぐにでも取り払ってください。
夷隅川の河口干潟
【地域の声】
・日在浦の海岸は、人工的な構築物が設けられ、ウミガメの上陸は本当
に僅かばかりになってしまっている。こういう貴重な社会教育や観光の
資源ともなりうる生物に優しい、海岸環境の保全や開発に留意して様々
なプロジェクトを進めて欲しい。
「銚子漁港海岸~名洗港海岸」
「北九十九里地区(吉崎)~(野手)」、「栗山川漁港
海岸」、「北九十九里地区(横芝)」、「南九十九里二
号地区(片貝)(白子)(長生)」、「太東漁港海岸」
保安林
「名洗港海岸~屏風ヶ浦海岸小浜地
区」
飯岡海岸横根地区~南九十九里一号地区(一宮)にかけ、
「日在・和泉浦海岸」、「御宿海岸」
ほぼ全域に分布
「九十九里海岸(木戸)、(蓮沼)、(本須賀)、(片
貝)、(白子)、(長生)(一宮)」
「太東海岸~天津小湊町境」
館山・白浜ゾーン
(千倉漁港~洲崎)
「天津小湊町マルバチシャノキ」、「誕生寺のスダジイ林」
コウボウムギ、ハマニンニク、ハマイチ
ョウ、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、イ
ワダレソウ
「天津小湊町ほぼ全域」、「浜波太海岸~江見漁港海岸」、「千
倉海岸瀬戸地区~惣戸漁港海岸」
「川口海岸~洲崎漁港海岸」
【地域の声】
・昔はスナメリ(歯クジラ)が鴨川では、頻繁に見られたが最近
は少なくなった。
・白渚海岸では、緩傾斜護岸が入る前は、夜に磯に行けば、1
日50匹以上のイセエビが取れたが、今は一晩がんばっても数
匹しか獲れないと、地元の漁師さんが言っていた。
・ハマヒルガオ、ハマゴボウ等の植物、カメの産卵場所が少な
くなった。
「八幡岬(海食崖)」、「大原町大井付近の海食崖(海食崖)」、「大
原町三十根、御宿町小浦付近の海食崖(海食崖)」、
「八幡岬(海食崖)」、
「犬吠埼(海食崖)」、「胎内くぐり
「おせんころがし(断層海岸)」、「鯛の浦(海食崖)」、「鴨
「九十九里浜(砂丘)」、「殿下・南川岸湿原(湿原)」、 「尾名浦のメガネ岩(海食洞)」、「黒ヶ鼻(海食崖)」、「勝浦港小
(海食洞)、「屏風ヶ浦(海食崖)」、
川松島(多島海)」、「仁右衛門(波食台)」、「太海フラワ
「北中瀬・南中瀬(湿原)」
吉尾付近の海食崖(海食崖)」、「鵜原理想郷(海食崖)」、「大ヶ岬
「通蓮洞(跡)(海食洞)
ーセンター内海食洞穴(海食洞)」
(海食崖)」、「守谷の洞窟(海食洞)」、「守谷の海岸石畳(波食台)」、
「験潮付近の波食台(波食台)」、「勝浦市興津付近の海食崖(海食崖)」
・日本の渚百選:「前原・横渚海岸」
・日本の渚百選:「犬吠埼君ヶ浜海岸」 ・日本の渚百選、白砂青松百選:「九十九里浜」
・日本の渚百選:「鵜原・守谷海岸」
・新日本百景:「鴨川松島」、「仁右衛門島」
・白砂青松百選:「東条海岸」
・君ヶ浜海岸、名洗港海岸、小浜海岸
・和田浦海岸・白渚海岸、大原海岸、瀬戸海岸では車両乗り入
では車両乗り入れ規制が行われてい ・ほぼ全域に渡り車両乗り入れ規制が行われている。
・車両乗り入れ規制が行われている砂浜海岸がある。
れ規制が行われている。
る。
・ゴミは各地で問題となっている。
・ゴミはほぼ全域で問題となっている。
・ゴミは各地で問題となっている。
・ゴミは各地で問題となっている。
・海水浴場の水質は、全て「適」であり、 ・海水浴場の水質は「適」が 9 ヶ所、「可」が 15 ヶ所で
・海水浴場の水質は、全て「適」であり、水質が良好であることを示
・海水浴場の水質は、全て「適」であり、水質が良好であることを示している。
水質が良好であることを示している。
ある。
している。
【地域の声】
【地域の声】
・産業と観光の発展に合わせて、九十九里浜の雄大な海
・南房総は、海岸が PR ポイントであり、美しい海岸線の保全は、
岸線の自然を残しておく場所も考慮してほしい。
観光が主である南房総の問題としてではなく、千葉県全体の問
【地域の声】
・ウミガメ孵化の監視活動中に車両乗り入れを目撃した。
題である。
・南房総は、海岸が PR ポイントであり、美しい海岸線の保全は、観光
・水上バイクなどのオイルや燃料もできる限り環境に優しいも
が主である南房総の問題としてではなく、千葉県全体の問題である。
・車両乗り入れや海の家の不法占有は許されるべきでな
のが使用されるように規制する。ハイオクガソリンや燃料添加
・海岸沿いの身近な機関の職員が少し時間を割いて海岸美化に目を向け
い。
剤の使用は全面的に禁止すべき。
てもらい、地域の人たちも一緒にボランティア活動で海岸を掃除してい
・松林の利用方法も検討していただきたい。
・海岸で焚き火やキャンプファイヤーをして、きちんと火の始
くことが、この観光地からスタートできればと思う。
・個々の植物とか動物だけを保護するということではな
末をせずに放置する人々がいる。海岸での焚き火はできる場所
・海岸に漂着する流木について県と地域ボランティアの人たちが一緒に
くて、海岸の自然全体を保全していく方向でやっていた
を限定してはいかがでしょう。
処理することはできないか。
だきたい。トータルで考えていただければ、多分、植物
・夏だけ存在している海の家は、海に排水を垂れ流しし、撤去
も動物も住みやすくて、人間と共存しているようになっ
後は、釘やガラスなどを置き去りにし、まったく海に対してプ
ていけるだろうと考えています。
ラスにならない。
・水郷海岸国定公園:「銚子漁港海岸
・九十九里県立自然公園:「飯岡海岸横根地区~南九十九
~名洗港海岸」
・南房総国定公園:千倉町「白子漁港」を除く全域に亘り指定
里一号地区(一宮)(片貝漁港を除く)」
・南房総国定公園:全域に亘り指定されている。
・九十九里県立自然公園:「屏風ヶ浦
されている。
・南房総国定公園:「太東漁港海岸」
海岸小浜地区」
鳥獣保護区
海岸砂丘
鴨川・千倉ゾーン
(天津小湊町境~千倉海岸)
「平磯海岸(波食台)」、「白浜海岸(波
食台)」、「白浜の鐘乳洞(海食洞)」、
「野島崎(波食台)」、「布良の海食洞
(海食洞)」、「洲の崎(海食崖)」
・白砂青松百選:「平砂浦」
・ゴミは各地で問題となっている。
・海水浴場の水質は全て「適」であり、水質
が良好であることを示している。
【地域の声】
・南房総は、海岸が PR ポイントであり、
美しい海岸線の保全は、観光が主である
南房総の問題としてではなく、千葉県全
体の問題である。
・南房総国定公園:全域に亘り指定され
ている。
「天津小湊町境~小湊漁港海岸」、「広場東海岸~前原横渚海
岸」、「瀬戸海岸~惣戸漁港海岸」
「川口海岸~平砂浦海岸」
「広場東海岸~前原横渚海岸」、「真門海岸~和田浦海岸」、
「大原海岸~三原海岸」、「瀬戸海岸」
「白浜海岸」、「平砂浦海岸」
「平砂浦海岸」
3-4
3-2-3. 利用面における各ゾーンの現況と問題点・課題
海岸保全
の問題
点・課題
○周辺地
域の土地
利用との
連携・調整
調整または
配慮・改善が
必要な対象
背後の土地
利用状況
・住民地や商業業務用地等の高度な利用がなさ
れている。
海岸周辺の
主な施設
・海岸周辺には「流通生産施設」、
「福祉施設」、 ・海岸周辺には「コミュニティー施設」や「海岸利用施設」
「医療施設」等が整備されている。
が多く立地している。
観光レク資
源
漁港・港湾の
立地
漁業活動
海水浴場
利
サーフィン
銚子半島ゾーン
(茨城県境~上永井海岸)
・「銚子ポートタワー」、「ウオッセ 21 水産
物卸売りセンター」、「君ヶ浜しおさい公園」、
「犬吠埼灯台」、「犬吠埼マリン」、「地球の
丸く見える丘展望台館」、
「犬吠埼の化石蓮痕」、
「銚子マリーナ」、
「屏風ヶ浦スポーツロッジ」、
「スパマリン銚子」、「フラワーパラダイス銚
子」
【地域の声】
・このような総合的な計画をなされるんであれ
ば、その中で、これからの自然志向の風潮の中
で、人間が身の丈をもって親しめるような、点
だけではなくて、人間が線で移動できるような
面的な面からの活用も、ぜひお願いしたい。
・人工リーフを設置するとサーフィンする場合
に非常に危険となっている。
漁港:「銚子漁港」、「外川漁港」
港湾:「名洗港」
浅海域ではハマグリを対象とした貝桁網漁業
が行われている
「海鹿島海水浴場」など3箇所
「君ヶ浜海岸 君ヶ浜地区」、
「酉明浦海岸 酉
明地区」、「名洗港海岸 名洗地区」、「屏風
ヶ浦海岸 小浜地区」
用
面
○海岸利
用の錯綜
に対する
対応
民俗文化(祭
り・イベン
ト)
大潮祭、きんめだい祭り
文化財
「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」、「千騎ヶ岩」
地域活動
「遠足」、「ボランティア・NPO 等」
ほか
九十九里浜ゾーン
(飯岡漁港~太東漁港)
・農用地や森林に囲まれた住宅地利用が主となっている。
鴨川・千倉ゾーン
(天津小湊町境~千倉海岸)
・主に森林が多く、その中に漁港を中心とした集落や商業地
が点在している。
・鴨川市を除いて漁港を中心とした集落を中心として、低地では
農用地利用が多くなっている。
・農用地やその他の利用が多い。
・海岸周辺は「教育施設」、「コミュニティー施設」が多く
立地して、「医療施設」5 ヶ所、「福祉施設」は 1 ヶ所
・海岸周辺には「流通・生産施設」及び「見学施設」、「コミュ
ニティー施設」が比較的多く立地している。
・海岸周辺に立地する主要な施設は少ない。
・「いいおかみなと公園」、「飯岡観光センター」、「飯岡
温泉」、「砂丘群落」、「矢指ヶ浦温泉館」、「旭九十九里
・「日在海浜公園」、「サボテン園」、「メキシコ記念公園」、 ・「鴨川シーワールド」、「鴨川市郷土資料館」、「道の駅鴨川
温泉」、「マリンピアくりやまがわ」、「横芝海の子供の国」、
「月の沙漠記念館・御宿町立歴史民族資料館」、「勝浦海中 オーシャンパーク」、「吉浦湯元温泉」、「ローズマリー公園」、
「蓮沼海浜公園」、「徳富藘花文学碑」、「ふるさと自然公
公園」
「千倉温泉」
園センター」、「アクア健康センター」、「白子温泉」、「県
立一宮キャンプ場」
【地域の声】
・海水浴から自然観察、文学散歩まで、全国有数の(地味で
はあるが)質の高い観光地としての要素がある。
・片貝漁港周辺の利用を促進してもらいたい。
漁港:「飯岡漁港」、「栗山川漁港」、「片貝漁港」、「太
東漁港」
浅海域ではハマグリやナガラミを対象とした貝桁網漁業や
浅海域でのアジ等の地引き網等が行われている
「飯岡海水浴場」、「本須賀海水浴場」など 27 箇所
「飯岡海岸 上永井地区」、「飯岡海岸 横根地区」、「北
九十九里」、「本須賀」、「片貝漁港海岸」、「片貝」、「白
里」、「一松」、「一宮」、「太東漁港海岸」
「YOU 遊フェスティバル」、「サマーフェスタ」、「初日の
出」、「八坂神社御輿浜降り」、「松風マラソン大会」、「ビ
ーチサッカー大会」、「ライフセービング大会」「ふるさと
祭り」、「地曳きまつり」、「白子神社祭礼」、「九十九里
はだしで歩こう大会」 他
「(県)飯縄寺本堂」、「(町)木造マリア観音座像」、「飯
縄寺仁王門」、「飯縄寺鐘楼」
「ボランティア・NPO 等」、「海の村交流会」、「自然観察」、
「遠足」、「シーサイドウォッチ」
【地域の声】(沿岸全般)
・千葉の海は綺麗なので、お金をかけず、景色
を見ながらスポーツを楽しめる場所があれば、
利用者が増えるのでは。
○海岸に
おける利
便性、快適
性の向上
夷隅ゾーン
(太東海岸~天津小湊町境)
【地域の声】
・レクリエーションという立場から、特に釣り人の視点から
防波堤の設計、これも考えていただきたい。
漁港:「大原漁港」、「御宿漁港」など 12 漁港
港湾:「興津港」
岩礁の多い海岸沿いで磯根資源を対象に素潜りによるアワ
ビ、サザエ漁やエビの刺し網漁業が行われている
「鵜原海水浴場」、「守谷海水浴場」など 14 箇所
「太東海岸 太東地区」、「和泉海岸 和泉浦地区」、「大
原海岸 日在浦地区」、「岩和田海岸 岩和田地区」、「御
宿地区」、「勝浦海岸 部原地区」、「勝浦東部漁港海岸」、
「串浜漁港海岸」、「松部漁港海岸」
館山・白浜ゾーン
(千倉漁港~洲崎)
・「白浜海洋美術館」、「野島崎灯台」、「白浜温泉」、
「根本キャンプ場」、「白浜フラワーパーク」、「不老
山薬師温泉」、「平砂浦温泉」、「南房パラダイス」、
「館山ファミリーパーク」
【地域の声】
・鴨川は湘南に絶対負けないポテンシャルの高い場所です。
・鴨川駅から海までの通り、前原海岸の前の道路脇の店などを整
備すれば、観光スポットになる。
・鴨川マリーナ周辺は、手を加えれば観光スポットになる。
・宿泊業者にとってサーファーのみなさんは通年房総へ来られる
お客様です。若者にとって魅力のある房総半島にして下さい。
漁港:「小湊漁港」、「鴨川漁港」など 10 漁港
漁港:「千倉漁港」、「乙浜漁港」など 16 漁港
岩礁の多い海岸沿いで磯根資源を対象に素潜りによるアワビ、サ
ザエ漁やエビの刺し網漁業が行われている
「和田浦海水浴場」など8箇所
「東条海岸 広場東地区」、「鴨川海岸 前原横渚地区」、「江
見海岸 真門地区」、「江見 外堀」、「和田海岸 和田浦地区」、
「和田海岸 白渚地区」、「和田海岸 大原地区」、「開発地区」、
「千倉海岸 三原地区」、「千倉海岸 瀬戸地区」
岩礁の多い海岸沿いで磯根資源を対象に素潜りによる
アワビ、サザエ漁やエビの刺し網漁業が行われている
「根本海水浴場」など3箇所
「大原はだか祭り」、「浜勝浦まつり」ほか
「伊勢エビ踊り焼きフェスタ」、「ビーチバレー大会」ほか
「洲崎まつり」ほか
国・県・市町指定文化財多数
県・市町指定文化財多数
国・県・市町指定文化財多数
「ボランティア・NPO 等」
「ボランティア・NPO 等」
【地域の声】
・釣り人、サーファー、観光客等の利用も多いが、昔は砂浜が広
く、子供らの野球もできた。
【地域の声】
・平砂浦は、貴重なサーフポイントなので、是非このす
ばらしい場所を守ってもらいたい。
「ボランティア・NPO 等」、「砂の芸術」、「海浜生物学習」、
「自然観察」、「水泳」
【地域の声】
・海を利用するレジャーが一層盛んになるにつれて、その人
たちの利害のぶつかり合いを調整する必要があると思いま
す。共存のために、湾内、沿岸の海上交通や規制標識やマッ
プを策定すべきではないでしょうか。
アクセス
・殆んどの場所では海岸背後に道路が通ってお
・海岸近くに道路が通っており、片貝漁港から一松海岸にか
り、海岸・水際へのアクセス性は良好であるが、
けては九十九里有料道路も通っている。九十九里道路区間で
屏風ヶ浦海岸は崖の為に近づくことは出来な
は、海岸迄のアクセスはあまり良好とは云えない。
い。
・御宿町から天津小湊町境にかけては、海岸背後に国道 128
号が通っており、これらの場所での海岸・水際へのアクセス
は非常に良好である。
・海岸背後には、国道 128 号及び 410 号が通っており、全域に亘
り海岸及び水際へのアクセスは非常に良好である。
海岸の利便
性、快適性
・君ヶ浜海岸、酉明浦海岸、外川海岸、名洗港
海岸では、海岸における計画的な適正利用を図
るとともに、利便施設の改善等の課題がある。
・君ヶ浜海岸、外川漁港海岸ではバリアフリー
化の必要性が指摘されている。
・海岸における計画的な適正利用を図るとともに、利便施設
の改善等の課題がある海岸が多い。
・不法占用解消後の適正利用の推進を図る施策を講じる必要
がある。
・バリアフリー化の必要性が指摘されている。
・海岸における計画的な適正利用を図るとともに、利便施設
の改善等の課題がある海岸が多い。
・岩和田漁港海岸、網代湾海岸、勝浦海岸、鵜原漁港海岸、
興津海岸ではバリアフリー化の必要性が指摘されている。
・海岸における計画的な適正利用を図るとともに、利便施設の改
善等の課題がある海岸が多い。
・バリアフリー化の必要性が指摘されている海岸が多い。
【地域の声】
・安全な遊歩道がほしい。
【地域の声】
・親水という目的の緩傾斜護岸が作られていますが、この護
岸は、ヌルヌルの海草が付着し、滑りやすくなり、また、ム
ラサキイガイやカキなどが付着し、素足で歩くにはとても危
険な状態になっていて、本来の親水という目的とかけ離れた
状態となっている。
【地域の声】
・和田・白渚海岸で海岸利用のための駐車場やアクセス道が極端
にすくなく、利用しづらい。
・無料駐車場、シャワー、トイレなども整備してもらいたい。
・和田浦の海水浴場は、日本の海水浴場55選などに選ばれるほ
どであるが、駐車場が狭いので困っている。保安林を駐車場とし
て解放してもらいたい。
「平砂浦」
・千倉町から白浜町にかけては、海岸の近くに国道 410
号が通っており、海岸へのアクセスは良好であり、洲崎
にかけては主要な道路は通っていないが、海岸近くに道
路があり、海岸近くのアクセスは良好といえる。
・水際へのアクセスは岩礁海岸が多いため、地形的に近
づくことが困難な場所が多い
・乙浜漁港海岸、富崎漁港海岸は海岸における計画的な
適正利用を図るとともに、利便施設の改善等の課題があ
る。
・乙浜漁港海岸、富崎漁港海岸ではバリアフリー化の必
要性が指摘されている。
【地域の声】
・平砂浦海岸は、海岸利用のための駐車場やアクセス道
が極端にすくなく、利用しづらい海岸になっている。
3-5
3-3. 各ゾーンの保全の方向
第 3-2 章で整理した海岸保全の問題点・課題に対する各ゾーンの保全の方向は以下のとおりである。海岸保全の取り組みは、広域及び多岐に渡ることから対応する課題や実施する目的に応じて海岸管理者を始め地元市町
村、関係団体、地域住民が協働、連携して取り組んでいく。
3-3-1. 防護面における各ゾーンの保全の方向
テーマ(案)
銚子半島ゾーン
(茨城県境~上永井海岸)
~雄大な屏風ヶ浦からの崖景観の保全と観光レクリエーショ
ン資源と連携した海岸利用の推進~
○砂浜の保全・回
復のための広域的
な漂砂管理の推進
○土砂動態の解
明、砂浜の保全・
回復のための調
査、観測
○漂砂系を維持する
保全施設整備
実
施
:
防
護
海
岸
管
理
者
主
導
○地域や周辺の海岸
環境に配慮した方法
による浸水及び越波
被害の防止
○津波対策の拡充
○飛砂被害の低減
○海岸保全施設の維
持管理
“東洋のドーバー”と称される屏風ヶ浦の一部の地域では、
海食崖の侵食がみられることから、地域住民や漁業利用者に防
災対策に対する理解を得るとともに、県立自然公園ともなって
いる雄大な海食崖の自然景観の連続性などに十分配慮し、それ
らへの影響を最小限におさえる方法で崖侵食対策を進めるも
のとする。
君ヶ浜や酉明浜など比較的砂浜幅の狭い海岸では、来襲波浪
や地形変化の継続的な観測を行うなど、積極的に砂浜の侵食に
対する予防措置を講じる。
九十九里浜ゾーン
(飯岡漁港~太東漁港)
~長大な九十九里浜の白砂青松の保全・回復~
九十九里浜では、北九十九里から木戸にかけての北部の海岸および白子から一宮にかけての南部の海岸は、侵食が問
題となっており、北九十九里地区の一部、吉崎地区、一宮地区は浜幅が狭い。
九十九里浜は、日本有数の長大な砂浜海岸であり、植生が繁茂し砂丘や海岸林とあいまって形成される雄大な景観は
「日本の渚百選」に選定されるなど地域の誇りとなっている。さらには、地域の産業や観光の貴重な資源であり、重要
な防災施設でもあることから、砂浜の恒久的な保全に向けて、漂砂機構を十分に把握し、広域的な漂砂管理を推進する。
現在、九十九里浜の南北両端で侵食が進行しつつあり、その要因として、漂砂の供給源である屏風ヶ浦、太東崎から
の供給が減少したことが挙げられる。
既存の調査・研究結果によると九十九里浜沿岸の沿岸漂砂は、南北両端から中央部に向かう流れである。
将来的には、漂砂供給源である屏風ヶ浦、太東崎からの漂砂の供給は、崖侵食防止対策の実施により期待できない状況
であり、さらには、流入河川からの供給土砂量も、河川規模が小さいために期待できるものではない。
したがって、九十九里浜における海岸保全対策は、現在の漂砂環境を十分に把握し、土砂の収支をバランスさせるこ
とで海浜の保全を図ることが最も望ましいと考えられる。
広域的な漂砂管理に向けては、土砂動態の現状を詳細に把握する必要があるため、その解明に資する調査・観測を実
施していく。
また、九十九里浜の中央部では、自然のままの砂浜が残るが、一部、侵食傾向にある海岸もある。このような地域に
ついては、来襲波浪や地形変化の継続的な観測を行うなど、積極的に予防措置を講じる。
夷隅ゾーン
(太東海岸~天津小湊町境)
~自然の観光資源を活かした親し
みの海辺空間づくり~
鴨川・千倉ゾーン
(天津小湊町境~千倉海岸)
~地域と自然が融合したふれあいの
海辺づくり~
館山・白浜ゾーン
(千倉漁港~洲崎)
~人々が集う憩い・安らぎの美し
い海辺づくり~
和泉、日在浦地区や岩和田地区、
部原地区など比較的砂浜幅の狭い
海岸では、来襲波浪や地形変化の継
続的な観測を行うなど、積極的に砂
浜の侵食に対する予防措置を講じ
る。
和田浦地区や白渚地区など砂浜幅
の狭い海岸では、来襲波浪や地形変化
の継続的な観測を行うなど、積極的に
砂浜の侵食に対する予防措置を講じ
る。
白砂青松百選に選定され背後
に砂丘が広がる平砂浦や侵食傾
向にある海岸では、来襲波浪や地
形変化の継続的な観測を行うな
ど、積極的に砂浜の侵食の予防措
置を講じる。
勝浦東部漁港海岸などでは砂浜
の侵食が問題となっていることか
ら、地域住民に防災対策に対する理
解を得つつ、盛んなサーフィン利用
や海水浴利用、アワビ、サザエを中
心とした浅海域における漁業、周辺
海域の藻場、「南房総国定公園」に
選定されているその海岸景観や海
岸固有の漂砂特性に配慮し、漂砂系
を維持することを基本とし、それら
への影響を最小限におさえる方法
で対策を進める。
白子漁港海岸などでは砂浜の侵食
が問題となっていることから、地域住
民に防災対策に対する理解を得つつ、
盛んなサーフィン利用や海水浴利用、
アワビ、サザエを中心とした浅海域に
おける漁業、周辺海域の藻場および白
子漁港を除く全域が「南房総国定公
園」に選定されている海岸景観や海岸
固有の漂砂特性に配慮し、漂砂系を維
持することを基本とし、それらへの影
響を最小限におさえる方法で対策を
進める。
海岸線は比較的広い低平地と丘陵
地に点在する中小河川が流入する狭
い低地に道路、鉄道、住宅地が立地し
ており、小湊漁港海岸内浦地区、天津
漁港海岸、広場東海岸、白渚海岸など
では、越波、飛沫が問題となっている
ことから、自然の消波機能を補完する
対策を行う方針とし、地域住民や漁業
利用者に防災対策に対する理解を得
るとともに、藻場や海水浴利用など周
辺の環境、利用に対する影響を最小限
におさえる方法で浸水及び越波被害
の防止を図るものとする。
乙浜漁港海岸などでは砂浜の
侵食が問題となっていることか
現在、九十九里浜においては、南北両端の急激な侵食が連鎖的に伝播することを防止し、安定海浜を保つため、ヘッ
ら、地域住民に防災対策に対する
君ヶ浜や酉明浜では砂浜の侵食が問題となっていることか
ドランド工法等による侵食対策がすすめられている現状にある。
理解を得つつ、盛んなサーフィン
ら、地域住民に防災対策に対する理解を得つつ、盛んなサーフ
侵食が著しい区域については、自然の消波機能を補完する保全施設整備を行う方針とし、海岸全体における土砂動態
利用や海水浴利用、アワビ、サザ
ィン利用や海水浴利用、浅海域における漁業、周辺海域の藻場、 に注目し、整備による隣接海岸や河口部などの周辺環境に対する影響および漂砂の動向の変化を把握し、各海岸特有の
エを中心とした浅海域における
「水郷海岸国定公園」や「日本の渚百選」に選定されているそ 漂砂特性を踏まえ、適切な保全施設整備を図るものとする。
漁業、周辺海域の藻場、「南房総
の海岸景観や海岸固有の漂砂特性に配慮し、漂砂系を維持する
さらに、侵食対策の推進にあたっては、砂浜の維持にとどまらず、その復元に向け、片貝漁港や飯岡漁港、太東漁港
国定公園」に選定されている海岸
ことを基本とし、それらへの影響を最小限におさえる方法で対 など土砂の堆積域からのサンドバイパスやサンドリサイクルにより砂を循環させること、陸域での余剰土砂等を利用し
景観や海岸固有の漂砂特性に配
策を進める。
た養浜工により土砂の供給を増やすことにより、新たな平衡状態を創出することを目指すものとする。そして、十分な
慮し、漂砂系を維持することを基
砂浜が保たれた場合には、より自然に近いかたちでの砂浜の保全を図るものとする。
本とし、それらへの影響を最小限
におさえる方法で対策を進める。
海岸線は、幅1キロ程度のなだ
海岸線は崖や丘陵地が多く、点在
らかな段丘となっており、比較的
する中小河川が流入する狭い低地
地盤が高いところや海岸線より
に道路、鉄道、住宅地が立地してお
離れたところの土地利用が多い
海岸背後には、殆んどの場所で海岸林が設置されており、また道路や住宅地はこれら海岸林を隔てて陸側に立地して り、岩和田漁港海岸、御宿漁港海岸
海岸背後に道路が通っている外川漁港海岸、名洗港海岸など
が、川下漁港海岸、白浜西部漁港
いる場合がほとんどであるが、北九十九里地区から木戸地区にかけてと南部の一宮地区は、越波、飛沫が問題となって などでは、越波、飛沫が問題となっ
では、越波、飛沫が問題となっていることから、自然の消波機
海岸では越波、飛沫が問題となっ
いる。
ていることから、自然の消波機能を
能を補完する対策を行う方針とし、地域住民や漁業利用者に防
ていることから、自然の消波機能
地域住民や浅海域で貝桁網漁業などを営む漁業利用者に防災対策に対する理解を得るとともに、広範囲にわたる海水 補完する対策を行う方針とし、地域
災対策に対する理解を得るとともに、藻場や海水浴利用など周
を補完する対策を行う方針とし、
浴利用や世界選手権が開催されるなどメッカともなっているサーフィン利用、各地に分布するハマヒルガオ、ハマナス、 住民や漁業利用者に防災対策に対
辺の環境、利用に対する影響を最小限におさえる方法で浸水及
地域住民や漁業利用者に防災対
ハマニンニクなどの砂丘植生や海浜植物群落、河口部の塩湿地植生などの周辺の環境、漁業などの利用に対する影響を する理解を得るとともに、藻場や海
び越波被害の防止を図るものとする。
策に対する理解を得るとともに、
最小限におさえる方法で浸水及び越波被害の防止を図るものとする。
水浴利用など周辺の環境、利用に対
藻場や海水浴利用など周辺の環
する影響を最小限におさえる方法
境、利用に対する影響を最小限に
で浸水及び越波被害の防止を図る
おさえる方法で浸水及び越波被
ものとする。
害の防止を図るものとする。
平成 23 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震により、特に九十九里浜の低平地や河口部において甚大な被害が発生した。また、その他にも過去に津波の遡上による被害がある箇所もあり、海岸の地形特性や津波の波源の位置によっては、遡上高が大きくなることも考えられることから、津
波対策の拡充が望まれる。
津波来襲の実績,津波の浸入や遡上を抑制する盾となる砂丘や松林などの自然の防災機能,予想される津波被害の想定などの津波対策に関する調査・研究を推進しその周知を図るなど、地域における避難体制・安全情報伝達などの津波対策を支援していくものとする。
酉明地区では飛砂被害が問題となっていることから、砂浜の状
下永井地区・横根地区、吉崎地区から木戸地区は、飛砂が問題となっている。砂浜の状況や背後の松林、土地利用
況や背後の土地利用などに十分に配慮し、海浜植生や海岸林によ
などに十分に配慮し、海浜植生や海岸林による被害の低減効果の検討を推進するなど、砂浜、海浜植生の保全や保安
る被害の低減効果の検討を推進するなど、砂浜、海浜植生の保全
林の整備など併せた広い視野での対策を実施していく。
などと併せた広い視野での対策を実施していく。
外川漁港海岸では保全施設の老朽化、屏風ヶ浦海岸小浜地区で
防護効果の低下が懸念される海
は保全施設の沈下が問題となっていることから、点検、補修、施
岸保全施設については、適切な維
設の耐震強化などの適切な維持・管理を実施し、防護機能の保持
持・管理を実施し、防護機能の保
に努める。
持に努める。
3-6
3-3-2. 環境面における各ゾーンの保全の方向
テーマ(案)
○海岸保全区域における動植
物の生息・生育環境の保全と
周辺の自然環境と調和した保
全施設整備
銚子半島ゾーン
(茨城県境~上永井海岸)
九十九里浜ゾーン
(飯岡漁港~太東漁港)
夷隅ゾーン
(太東海岸~天津小湊町境)
鴨川・千倉ゾーン
(天津小湊町境~千倉海岸)
館山・白浜ゾーン
(千倉漁港~洲崎)
~雄大な屏風ヶ浦からの崖景観の保全と観光レクリ
エーション資源と連携した海岸利用の推進~
~長大な九十九里浜の白砂青松の保全・回復~
~自然の観光資源を活かした親しみの海辺
空間づくり~
~地域と自然が融合したふれあいの
海辺づくり~
~人々が集う憩い・安らぎの美しい海
辺づくり~
屏風ヶ浦などの岩礁・崖海岸や海岸林などは、磯の
生物や崖地植生、海岸に生息する昆虫類など地域特有
の動植物の生息・生育基盤となっていることから、海
岸保全施設の整備にあたっては、陸域・海域の生物の
生育・生息状況を十分に把握し、生育・生息域の保全・
再生方策の導入を検討し、周辺の自然環境に与える影
響を最小限に抑えるものとする。
既に設置されている施設等については、地域の自然
環境の再生や周辺環境との調和に配慮し、生物の生
育・生息が減少・消失した箇所では、必要に応じて改
善策を検討していく方針とする。
九十九里の砂浜、河口干潟および海岸林は、ウミガメ
やコアジサシ、砂丘植物群落、塩湿地植生、海岸に生息
する昆虫類など地域特有の動植物の生息・生育基盤とな
っていることから、海岸保全施設の整備にあたっては、
陸域・海域の生物の生育・生息状況を十分に把握し、生
育・生息域の保全・再生方策の導入を検討し、周辺の自
然環境に与える影響を最小限に抑えるものとする。
既に設置されている施設等については、地域の自然環
境の再生や周辺環境との調和に配慮し、生物の生育・生
息が減少・消失した箇所では、必要に応じて改善策を検
討していく方針とする。
岩礁・崖海岸や海岸林などは、磯の生物
や崖地植生、海岸に生息する昆虫類など地
域特有の動植物の生息・生育基盤となって
いることから、海岸保全施設の整備にあた
っては、陸域・海域の生物の生育・生息状
況を十分に把握し、生育・生息域の保全・
再生方策の導入を検討し、夷隅川の河口干
潟等の周辺の自然環境に与える影響を最小
限に抑えるものとする。
既に設置されている施設等については、
地域の自然環境の再生や周辺環境との調和
に配慮し、生物の生育・生息が減少・消失
した箇所では、必要に応じて改善策を検討
していく方針とする。
犬吠埼や屏風ヶ浦の海食崖、通蓮洞(跡)や胎内く
ぐりの海食洞や日本の渚百選に選定されている犬吠
埼君ヶ浜海岸などの貴重な海岸景観や、背後地や周辺
地域と一体となった景観の連続性を十分検討し、海岸
景観の保全対策を実施していくものとする。
九十九里浜の砂丘や殿下・南川岸、北中瀬・南中瀬の
湿原や日本の渚百選、白砂青松百選に選定されている九
十九里浜などの貴重な海岸景観や、背後地や周辺地域と
一体となった景観の連続性を十分検討し、海岸景観の保
全対策を実施していくものとする。
八幡岬や鵜原理想郷に代表される海食崖
や海食洞・波食台および日本の渚百選に選
定されている鵜原海岸、守谷海岸などの貴
重な海岸景観や、背後地や周辺地域と一体
となった景観の連続性を十分検討し、海岸
景観の保全対策を実施していくものとす
る。
岩礁・崖海岸や海岸林などは、磯
の生物や崖地植生、海岸に生息する
昆 虫 類 な ど地 域 特 有の 動 植物の 生
息・生育基盤となっていることから、
海岸保全施設の整備にあたっては、
陸域・海域の生物の生育・生息状況
を十分に把握し、生育・生息域の保
全・再生方策の導入を検討し、周辺
の自然環境に与える影響を最小限に
抑えるものとする。
既に設置されている施設等につい
ては、地域の自然環境の再生や周辺
環 境 と の 調和 に 配 慮し 、 生物の 生
育・生息が減少・消失した箇所では、
必要に応じて改善策を検討していく
方針とする。
おせんころがし(断層海岸)、鯛
の浦(海食崖)、鴨川松島(多島海)、
仁右衛門(波食台)や日本の渚百選
に「前原・横渚海岸」、新日本百景
に「鴨川松島」、「仁右衛門島」お
よび白砂青松百選に「東条海岸」が
それぞれ選定されていることから、
これら貴重な海岸景観や、背後地や
周辺地域と一体となった景観の連続
性を十分検討し、海岸景観の保全対
策を実施していくものとする。
岩礁・崖海岸や平砂浦の砂丘や海岸
林などは、磯の生物や崖地植生、海岸
に生息する昆虫類など地域特有の動植
物の生息・生育基盤となっていること
から、海岸保全施設の整備にあたって
は、陸域・海域の生物の生育・生息状
況を十分に把握し、生育・生息域の保
全・再生方策の導入を検討し、周辺の
自然環境に与える影響を最小限に抑え
るものとする。
既に設置されている施設等について
は、地域の自然環境の再生や周辺環境
との調和に配慮し、生物の生育・生息
が減少・消失した箇所では、必要に応
じて改善策を検討していく方針とす
る。
平磯海岸、白浜海岸および野島崎に
代表される波食台、白浜や布良の海食
洞、洲の崎の海食崖および日本の渚百
選に選定されている平砂浦などの貴重
な海岸景観や、背後地や周辺地域と一
体となった景観の連続性を十分検討
し、海岸景観の保全対策を実施してい
くものとする。
各地で海岸に散乱するゴミが問題となっているこ
とから、きれいで快適な海岸、生物にやさしい海岸を
めざし、地域や各種機関との連携を図りながら、漂着
ゴミや流木に対する処理システムの構築や良好な水
質の保全のための啓発活動の推進など、利根川など流
域を含めた広域的な視野に立った対策を支援する。
ほぼ全域にわたり散乱するなど海岸のゴミが問題とな
っていることから、きれいで快適な海岸、生物にやさし
い海岸をめざし、地域や各種機関との連携を図りながら、
漂着ゴミや流木に対する処理システムの構築や良好な水
質の保全のための啓発活動の推進など、一宮川など沿岸
に流入する河川の流域を含めた広域的な視野に立った対
策を支援する。
ほぼ全域にわたり散乱するなど海岸のゴ
ミが問題となっていることから、きれいで
快適な海岸、生物にやさしい海岸をめざし、
地域や各種機関との連携を図りながら、漂
着ゴミや流木に対する処理システムの構築
や良好な水質の保全のための啓発活動の推
進など、夷隅川など沿岸に流入する河川の
流域を含めた広域的な視野に立った対策を
支援する。
ほぼ全域にわたり散乱するなど海
岸のゴミが問題となっていることか
ら、きれいで快適な海岸、生物にや
さしい海岸をめざし、地域や各種機
関との連携を図りながら、漂着ゴミ
や流木に対する処理システムの構築
や良好な水質の保全のための啓発活
動の推進など、加茂川など沿岸に流
入する河川の流域を含めた広域的な
視野に立った対策を支援する。
各地で海岸に散乱するゴミが問題と
なっていることから、きれいで快適な
海岸、生物にやさしい海岸をめざし、
地域や各種機関との連携を図りなが
ら、漂着ゴミや流木に対する処理シス
テムの構築や良好な水質の保全のため
の啓発活動の推進など、流域を含めた
広域的な視野に立った対策を支援す
る。
犬若海岸の崖地植生や砂浜に生育するハマヒルガ
オなどの生息地においては、進入防止・看板類等の保
護対策や、保全のための啓蒙活動の充実、また、日常
的なモニタリング、愛護活動を促進するなど、保護管
理のための体勢づくりを支援する。
九十九里浜には、ハマヒルガオ、ハマナス、ハマニン
ニクなどの砂丘植生や海浜植物群落が各地に分布し、河
口部には塩湿地植生が繁茂している。また、アカウミガ
メが上陸散乱し、コアジサシなどの鳥類がコロニーをつ
くるなど、様々な動植物が生育・生息していることから、
それらの生育・生息地においては、進入防止・看板類等
の保護対策や、保全のための啓蒙活動の充実、また、日
常的なモニタリング、愛護活動を促進するなど、保護管
理のための体勢づくりを支援する。
「部原の海岸林」や上陸が僅かとなった
アカウミガメなどの動植物が生育・生息し
ていることから、それらの生育・生息地に
おいては、進入防止・看板類等の保護対策
や、保全のための啓蒙活動の充実、また、
日常的なモニタリング、愛護活動を促進す
るなど、保護管理のための体勢づくりを支
援する。
かつては広く分布していたハマヒ
ルガオや上陸が僅かとなったアカウ
ミガメなどの動植物の生育・生息の
場の回復を目指して、進入防止・看
板類等の保護対策や、保全のための
啓蒙活動の充実、また、日常的なモ
ニタリング、愛護活動を促進するな
ど、保護管理のための体勢づくりを
支援する。
かつては広く分布していたハマヒル
ガオや上陸が僅かとなったアカウミガ
メなどの動植物の生育・生息の場の回
復を目指して、進入防止・看板類等の
保護対策や、保全のための啓蒙活動の
充実、また、日常的なモニタリング、
愛護活動を促進するなど、保護管理の
ための体勢づくりを支援する。
実
施
:
環
境
地
域
(
市
町
村
、
関
係
団
体
、
地
域
住
民
)
と
海
岸
管
理
者
の
協
働
、
連
携
○砂浜、岩礁、海食崖などの
多様な自然の海岸景観の保全
○海岸への漂着ゴミなどへの
対応
○動植物の保護のための施設
整備・保護意識の啓蒙
本沿岸は、平成 10 年 8 月に犬吠埼沖の貨物船・タンカーの衝突に伴い、大量の油が海岸に漂着した経験を持っているが、人々の生活だけでなく、油流出等の突発的に生じる事故に対しては、海岸環境への影響を最小限でくい止めるため
適切な対応を図る。
:
者岸実
主 管 施 ○油流出等の突発的な事故へ
導 理 海 の適切な対応
3-7
3-3-3. 利用面における各ゾーンの保全の方向
テーマ(案)
○保全施設整備
における海岸域
利用への配慮
利
用
地
域
(
市
町
村
、
関
係
団
体
、
地
域
住
民
)
と
海
岸
管
理
者
の
協
働
、
連
携
○保全地区と利
用地区の適正な
棲み分け
○誇りのもてる
美しい地域づく
り
○利用者の啓
発・PR、管理・
監視体制づくり
○海岸の環境教
育と情報発信に
よる魅力ある海
岸づくり
○市町村による
日常的管理の実
施
○「海の家等適
正利用指針」な
どによる適正な
海岸利用の推進
実
施
主
体
:
海
岸
管
理
者
主
導
○日常生活の快
適性を高める海
岸整備
○海辺へのアク
セス性の向上
銚子半島ゾーン
(茨城県境~上永井海岸)
~雄大な屏風ヶ浦からの崖景観の保全と観光レクリ
エーション資源と連携した海岸利用の推進~
保全施設整備においては、既存の事業を活用すると
ともに、背後地の土地利用計画や道路網の整備などの
まちづくりや港湾、漁港利用、海水浴やサーフィン等
のレクリエーション利用および観光利用と十分に調
整を図るものとする。さらに、整備による波や流れの
変化などの海域環境への影響に対し、適切に対応して
いくものとする。
人為的な影響による海岸環境のダメージが危惧さ
れている。利用を規制し保護区域(海浜植物や海食崖、
海食洞等)として資源を守っていく区域を定めるな
ど、保全すべき自然環境と地域ニーズに沿った海岸利
用の棲み分けを行っていくことを目指すものとする。
君ヶ浜海岸、外川漁港海岸などでは、利便施設の不
足・改善の必要性が指摘されているほか、各地でゴミ
の散乱が問題となっていることから、海岸利用マナー
の啓発・向上を図るほか、利便施設整備の環境や景観
に対する配慮や施設の維持・管理を徹底して、年間を
通じ美しい環境を維持することにより、汚すことがた
めらわれるような、地域主体による誇りのもてる美し
い海岸づくりを支援する。
九十九里浜ゾーン
(飯岡漁港~太東漁港)
夷隅ゾーン
(太東海岸~天津小湊町境)
鴨川・千倉ゾーン
(天津小湊町境~千倉海岸)
館山・白浜ゾーン
(千倉漁港~洲崎)
~長大な九十九里浜の白砂青松の保全・回復~
~自然の観光資源を活かした親しみの海辺空間づくり~
~地域と自然が融合したふれあいの海辺づくり~
~人々が集う憩い・安らぎの美しい海辺づくり~
保全施設整備においては、既存の事業を活用するととも
に、背後地の土地利用計画や道路網の整備などのまちづく
りや漁港および地引き網等の漁業での利用、海水浴やサー
フィン等のレクリエーション利用および観光利用と十分
に調整を図るものとする。さらに、整備による波や流れの
変化などの海域環境への影響に対し、適切に対応していく
ものとする。
人為的な影響による海岸環境のダメージが危惧されて
いる。利用を規制し保護区域(ウミガメや海浜植物等)と
して資源を守っていく区域を定めるなど、保全すべき自然
環境と地域ニーズに沿った海岸利用の棲み分けを行って
いくことを目指すものとする。
利便施設の不足・改善等の課題がある海岸が多く、ほぼ
全域にわたりゴミが散乱するなどの問題が指摘されてい
ることから、海岸利用マナーの啓発・向上を図るほか、利
便施設整備の環境や景観に対する配慮や施設の維持・管理
を徹底して、年間を通じ美しい環境を維持することによ
り、汚すことがためらわれるような地域主体による誇りの
もてる美しい海岸づくりを支援する。
保全施設整備においては、既存の事業を活用するととも
に、背後地の土地利用計画や道路網の整備などのまちづくり
や港湾、漁港利用、海水浴やサーフィン等のレクリエーショ
ン利用および観光利用と十分に調整を図るものとする。さら
に、整備による波や流れの変化などの海域環境への影響に対
し、適切に対応していくものとする。
保全施設整備においては、C.C.Z整備などの海岸環境に
配慮した既存の事業を活用するとともに、背後地の土地利用
計画や道路網の整備などのまちづくりや港湾、漁港利用、海
水浴やサーフィン等のレクリエーション利用および観光利
用と十分に調整を図るものとする。さらに、整備による波や
流れの変化などの海域環境への影響に対し、適切に対応して
いくものとする。
人為的な影響による海岸環境のダメージが危惧されてい
る。利用を規制し保護区域(断層海岸、海食崖、波食台)と
して資源を守っていく区域を定めるなど、保全すべき自然環
境と地域ニーズに沿った海岸利用の棲み分けを行っていく
ことを目指すものとする。
本ゾーンでは、利便施設の不足・改善の必要性が指摘され
ている海岸が多いほか、各地でゴミの散乱が問題となってい
ることから、海岸利用マナーの啓発・向上を図るほか、利便
施設整備の環境や景観に対する配慮や施設の維持・管理を徹
底して、年間を通じ美しい環境を維持することにより、汚す
ことがためらわれるような地域主体による誇りのもてる美
しい海岸づくりを支援する。
保全施設整備においては、既存の事業を活用するととも
に、背後地の土地利用計画や道路網の整備などのまちづく
りや漁港利用、海水浴やサーフィン等のレクリエーション
利用および観光利用と十分に調整を図るものとする。さら
に、整備による波や流れの変化などの海域環境への影響に
対し、適切に対応していくものとする。
環境維持・改善に対する利用者の啓発・PR を実施すると
ともに、市町村や地域団体など地元地域を主体とした管理
や監視の体制・組織づくり、さらには地域特性に応じた海
岸利用のルール作りを推進する。
沿岸各地の砂浜で、浜降りやはだしで歩こう会などの祭
りやイベントが行われ、一宮ではサーフィンの世界大会が
開催され、また、自然観察やボランティアや NPO などによ
る地域活動があるなど、地域の文化が育まれている。さら
に魅力ある海岸を目指して、海岸保全に関する地域活動や
教育文化施設などと連携して、海岸における地域の歴史や
文化、海岸の成立ちや動植物などの自然環境、さらには海
岸により異なる波や流れの特性、津波の恐ろしさを学ぶ機
会を設けるなど、海岸の環境教育を推進する。
さらに、海岸に関する情報を積極的に発信するととも
に、広く情報の収集に努め、安全性の確保はもとより、海
岸の快適性・利便性の向上に努めなど、魅力ある海岸づく
りを推進する。
環境維持・改善に対する利用者の啓発・PR を実施するとと
もに、市町村や地域団体など地元地域を主体とした管理や監
視の体制・組織づくり、さらには地域特性に応じた海岸利用
のルール作りを推進する。
海岸域では、「大原はだか祭り」や「浜勝浦まつり」とい
った海にまつわる祭りや多数の文化財、またはボランティア
や NPO などによる地域活動があるなど、地域の文化が育まれ
ている。さらには海浜生物学習や自然観察など自然環境が学
ばれており、より一層の海岸の環境教育を推進するととも
に、海岸に関する情報を積極的に発信するとともに、広く情
報の収集に努め、安全性の確保はもとより、海岸の快適性・
利便性の向上に努めるなど、魅力ある海岸づくりを推進す
る。
環境維持・改善に対する利用者の啓発・PR を実施するとと
もに、市町村や地域団体など地元地域を主体とした管理や監
視の体制・組織づくり、さらには地域特性に応じた海岸利用
のルール作りを推進する。
海岸域では、「伊勢エビ踊り焼きフェスタ」やビーチバレ
ー大会といった海にまつわる祭り・イベントや多数の文化
財、またはボランティアや NPO などによる地域活動があるな
ど、地域の文化が育まれている。さらに魅力ある海岸を目指
して、海岸保全に関する地域活動や教育文化施設などと連携
して、海岸における地域の歴史や文化、海岸の成立ちや動植
物などの自然環境、さらには海岸により異なる波や流れの特
性、津波の恐ろしさを学ぶ機会を設けるなど、海岸の環境教
育を推進するとともに、海岸に関する情報を積極的に発信す
るとともに、広く情報の収集に努め、安全性の確保はもとよ
り、海岸の快適性・利便性の向上に努めるなど、魅力ある海
岸づくりを推進する。
保全すべき自然環境と地域ニーズとの調和を保つ施策
や、地域特性に応じた海岸利用のルールづくりの推進、地
域と一体なった魅力ある海岸づくりの促進と、不法占用解
消後の適正利用推進のため、市町村による適正利用の計画
化と市町村に対する日常的管理移管を推進する。
適正利用を遵守する体制の構築と計画的な海岸利用の
推進、健全で秩序ある海岸利用の推進、地域ニーズと調和
した海岸利用の推進のため、「千葉県海の家等適正利用指
針」に基づき、市町村において地域特性に応じた計画的な
海岸利用の促進を図るとともに、海岸の適正な管理に努め
る。
また、九十九里浜では、車などの無秩序な乗り入れで自
然環境が破壊されないよう、海浜への車両の乗り入れが規
制されているが、乗り入れ規制の徹底遵守を図るほか、地
域特性に応じた海岸利用のルール作りなど、人為的な影響
の抑制方法の検討を行う。
君ヶ浜海岸、外川漁港海岸では、海岸のバリアフリ
海岸のバリアフリー化の必要性が指摘されている海岸
ー化の必要性が指摘されていることから、年間を通じ があることから、年間を通じた地域の人々の利用や高齢化
た地域の人々の利用や高齢化が進む地域特性を踏ま が進む地域特性を踏まえ、だれもが気軽に利用できるバリ
え、だれもが気軽に利用できるバリアフリーの海岸環 アフリーの海岸環境づくりを目指す。
境づくりを目指す。また、保全施設整備にあたっては、
保全施設整備にあたっては、地域住民の日常生活におけ
地域住民の日常生活における快適性や地域への愛着 る快適性や地域への愛着を育む環境づくりに配慮する。
を育む環境づくりに配慮する。
殆んどの場所では海岸背後に道路が通っており、海
全線にわたり海岸付近に道路が通っているが、片貝から
岸・水際へのアクセス性は良好であるが、海と地域住 一松の九十九里有料道路区間では、海岸迄のアクセスが良
民の日常生活は密接に結びつきながら地域文化を形 好とは云えない。
成してきたが、現在は、生活形態や産業形態の変化に
海と地域住民の日常生活は密接に結びつきながら地域
より海との結びつきが薄れつつある。サイン施設や散 文化を形成してきたが、現在は、生活形態や産業形態の変
策路など海岸部と背後集落とのアクセス性を高める 化により海との結びつきが薄れつつある。
整備を行う。
サイン施設の整備など海岸部と背後集落とのアクセス
性を高める整備を行う。
保全すべき自然環境と地域ニーズとの調和を保つ施策や、
地域特性に応じた海岸利用のルールづくりの推進、地域と一
体なった魅力ある海岸づくりの促進のため、市町村による適
正利用の計画化と市町村に対する日常的管理移管を推進す
る。
適正利用を遵守する体制の構築と計画的な海岸利用の推
進、健全で秩序ある海岸利用の推進、地域ニーズと調和した
海岸利用の推進のため、「千葉県海の家等適正利用指針」に
基づき、市町村において地域特性に応じた計画的な海岸利用
の促進を図るとともに、海岸の適正な管理に努める。
また、本ゾーンの砂浜海岸の一部では、車などの無秩序な
乗り入れで自然環境が破壊されないよう、海浜への車両の乗
り入れが規制されているが、乗り入れ規制の徹底遵守を図る
ほか、地域特性に応じた海岸利用のルール作りなど、人為的
な影響の抑制方法の検討を行う。
保全すべき自然環境と地域ニーズとの調和を保つ施策や、
地域特性に応じた海岸利用のルールづくりの推進、地域と一
体なった魅力ある海岸づくりの促進のため、市町村による適
正利用の計画化と市町村に対する日常的管理移管を推進す
る。
適正利用を遵守する体制の構築と計画的な海岸利用の推
進、健全で秩序ある海岸利用の推進、地域ニーズと調和した
海岸利用の推進のため、「千葉県海の家等適正利用指針」に
基づき、市町村において地域特性に応じた計画的な海岸利用
の促進を図るとともに、海岸の適正な管理に努める。
また、和田浦海岸、白渚海岸、大原海岸、瀬戸海岸といっ
た砂浜海岸では、車などの無秩序な乗り入れで自然環境が破
壊されないよう、海浜への車両の乗り入れが規制されている
が、乗り入れ規制の徹底遵守を図るほか、地域特性に応じた
海岸利用のルール作りなど、人為的な影響の抑制方法の検討
を行う。
多くの海岸で、バリアフリー化の必要性が指摘されている
ことから、年間を通じた地域の人々の利用や高齢化が進む地
域特性を踏まえ、だれもが気軽に利用できるバリアフリーの
海岸環境づくりを目指す。また、保全施設整備にあたっては、
地域住民の日常生活における快適性や地域への愛着を育む
環境づくりに配慮する。
環境維持・改善に対する利用者の啓発・PR を実施す
るとともに、市町村や地域団体など地元地域を主体と
した管理や監視の体制・組織づくり、さらには地域特
性に応じた海岸利用のルール作りを推進する。
海岸域では、「大潮祭」や「きんめだい祭り」の海
にまつわる祭りや「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」など
の文化財、またはボランティアや NPO などによる地域
活動があるなど、地域の文化が育まれている。さらに
魅力ある海岸を目指して、海岸保全に関する地域活動
や教育文化施設などと連携して、海岸における地域の
歴史や文化、海岸の成立ちや動植物などの自然環境、
さらには海岸により異なる波や流れの特性、津波の恐
ろしさを学ぶ機会を設けるなど、海岸の環境教育を推
進するとともに、海岸に関する情報を積極的に発信す
るとともに、広く情報の収集に努め、安全性の確保は
もとより、海岸の快適性・利便性の向上に努めるなど、
魅力ある海岸づくりを推進する。
保全すべき自然環境と地域ニーズとの調和を保つ
施策や、地域特性に応じた海岸利用のルールづくりの
推進、地域と一体なった魅力ある海岸づくりの促進の
ため、市町村による適正利用の計画化と市町村に対す
る日常的管理移管を推進する。
適正利用を遵守する体制の構築と計画的な海岸利
用の推進、健全で秩序ある海岸利用の推進、地域ニー
ズと調和した海岸利用の推進のため、「千葉県海の家
等適正利用指針」に基づき、市町村において地域特性
に応じた計画的な海岸利用の促進を図るとともに、海
岸の適正な管理に努める。
人為的な影響による海岸環境のダメージが危惧されてい
る。利用を規制し保護区域(ウミガメや海食崖や海食洞・波
食台)として資源を守っていく区域を定めるなど、保全すべ
き自然環境と地域ニーズに沿った海岸利用の棲み分けを行
っていくことを目指すものとする。
本ゾーンでは、利便施設の不足・改善の必要性が指摘され
ている海岸が多いほか、各地でゴミの散乱が問題となってい
ることから、海岸利用マナーの啓発・向上を図るほか、利便
施設整備の環境や景観に対する配慮や施設の維持・管理を徹
底して、年間を通じ美しい環境を維持することにより、汚す
ことがためらわれるような地域主体による誇りのもてる美
しい海岸づくりを支援する。
岩和田漁港海岸、網代湾海岸、勝浦海岸、鵜原漁港海岸で
は、海岸のバリアフリー化の必要性が指摘されていることか
ら、年間を通じた地域の人々の利用や高齢化が進む地域特性
を踏まえ、だれもが気軽に利用できるバリアフリーの海岸環
境づくりを目指す。また、保全施設整備にあたっては、地域
住民の日常生活における快適性や地域への愛着を育む環境
づくりに配慮する。
御宿町~天津小湊町境にかけては海岸背後に道路が通っ
ており、海岸・水際へのアクセス性は良好であるが、海と地
域住民の日常生活は密接に結びつきながら地域文化を形成
してきたが、現在は、生活形態や産業形態の変化により海と
の結びつきが薄れつつある。サイン施設や散策路など海岸部
と背後集落とのアクセス性を高める整備を行う。
海岸背後に道路が通っており、海岸・水際へのアクセス性
は良好であるが、海と地域住民の日常生活は密接に結びつき
ながら地域文化を形成してきたが、現在は、生活形態や産業
形態の変化により海との結びつきが薄れつつある。サイン施
設や散策路など海岸部と背後集落とのアクセス性を高める
整備を行う。
人為的な影響による海岸環境のダメージが危惧されて
いる。利用を規制し保護区域(波食台、海食洞、海食崖等)
として資源を守っていく区域を定めるなど、保全すべき自
然環境と地域ニーズに沿った海岸利用の棲み分けを行っ
ていくことを目指すものとする。
南房総の温暖な気候に咲く花に彩られる自然のままの
美しい海岸線は、地域のみならず国民の財産である。
乙浜漁港海岸や富崎漁港海岸などでは、利便施設の不
足・改善の必要性が指摘されているほか、各地でゴミの散
乱が問題となっていることから、海岸利用マナーの啓発・
向上を図るほか、利便施設整備の環境や景観に対する配慮
や施設の維持・管理を徹底して、年間を通じ美しい環境を
維持することにより、汚すことがためらわれるような地域
主体による全国に誇る魅力ある地域づくりをを支援する。
環境維持・改善に対する利用者の啓発・PR を実施すると
ともに、市町村や地域団体など地元地域を主体とした管理
や監視の体制・組織づくり、さらには地域特性に応じた海
岸利用のルール作りを推進する。
海岸域では、「洲崎まつり」などの海にまつわる祭りや
国・県・市町指定の文化財、またはボランティアや NPO な
どによる地域活動があるなど、地域の文化が育まれている
とともに、全国に誇る観光地であり、南房総国定公園に指
定されている自然のままの海岸が多く残る魅力あふれる
海岸である。
海岸保全に関する地域活動や教育文化施設などと連携
して、海岸における地域の歴史や文化、海岸の成立ちや動
植物などの自然環境、さらには海岸により異なる波や流れ
の特性、津波の恐ろしさを学ぶ機会を設けるなど、海岸の
環境教育を推進する。
さらに、海岸に関する情報を積極的に発信するととも
に、広く情報の収集に努め、安全性の確保はもとより、海
岸の快適性・利便性の向上に努めるなど、さらなる魅力の
向上に努める。
保全すべき自然環境と地域ニーズとの調和を保つ施策
や、地域特性に応じた海岸利用のルールづくりの推進、地
域と一体なった魅力ある海岸づくりの促進のため、市町村
による適正利用の計画化と市町村に対する日常的管理移
管を推進する。
適正利用を遵守する体制の構築と計画的な海岸利用の
推進、健全で秩序ある海岸利用の推進、地域ニーズと調和
した海岸利用の推進のため、「千葉県海の家等適正利用指
針」に基づき、市町村において地域特性に応じた計画的な
海岸利用の促進を図るとともに、海岸の適正な管理に努め
る。
全国的な観光地でもあることから年間を通じた地域内
外の人々の利用や高齢化が進む地域特性を踏まえ、だれも
が気軽に利用できるバリアフリーの海岸環境づくりを目
指す。また、地域住民の日常生活における快適性や地域へ
の愛着を育む環境づくりに配慮する。
ほぼ全線にわたり海岸線付近に国道他の道路が走って
おり、海岸近くへのアクセスは良好といえる。ただし、水
際へのアクセスは岩礁海岸が多い地形的特性により、近づ
くことが困難な場所が多い。
海と地域住民の日常生活は密接に結びつきながら地域
文化を形成してきたが、現在は、生活形態や産業形態の変
化により海との結びつきが薄れつつある。
サイン施設や散策路、駐車場の整備など水辺へのアクセ
ス性の向上を図る整備を行う。
3-8
≪目次≫
4. 海岸保全施設の整備に関する基本的な事項について .............................. 4- 1
4-1. 海岸保全施設の整備 ..................................................... 4- 1
4-1-1. 海岸保全施設整備の基本方針.......................................... 4- 1
4-2. 海岸保全施設を整備しようとする区域...................................... 4- 6
4-3. 海岸保全施設の種類、規模及び配置等...................................... 4- 7
4-3-1. 海岸保全対策工法の適用性 ........................................... 4- 7
4-3-2. 海岸保全施設整備の全体計画.......................................... 4- 9
4-4. 海岸保全施設による受益の地域及びその状況 ................................ 4- 40
4. 海岸保全施設の整備に関する基本的な事項について
4-1. 海岸保全施設の整備
4-1-1.海岸保全施設整備の基本方針
▼千葉東沿岸におけるこれからの海岸保全施設の整備については、防護水準として
示されたように保全に関する基本的な事項を踏まえ、防護・環境・利用の調和に十
分配慮し、以下に示す基本方針のもとで推進していくものとする。
▼さらに、銚子市から館山市洲崎までの海岸線を構成する我が国最大級の九十九里
浜ならびに岩礁とポケットビーチが交互に連続する南房総の海岸は、そのほとんど
が国定公園あるいは県立自然公園に指定され、自然豊かな海岸を生かした観光利用
や豊富な水産資源とともに活発な漁業活動が営まれていることから、それぞれの海
岸のもつ多様な地域特性を踏まえたものとする。
表- 4-1(1) 海岸保全施設整備の基本方針(①防護に関して)
①防護に関して(沿岸住民の生命と財産を守る安全な海岸の整備)
・九十九里浜や南房総に点在するポケットビーチは、近年侵食傾向が著しい個所が
あり、越波による浸水被害の増大が懸念されることから、砂浜の維持を最優先と
した保全対策を推進する。
・銚子地域や南房総の岩礁海岸部は、数多くの漁港とともに集落や道路などが海岸
線まで迫っている地区が多く、消波・越波対策を主体とした施設整備を推進する。
・老朽化などによる海岸保全施設の新たな整備を実施する場合にも、所要の防護水
準を確保しつつ、環境や利用面に十分配慮したものとする。
・特に、千葉県を代表する九十九里浜については、北側と南側での侵食傾向が著し
く、観光面や地引網及びお祭りなど地域の住民生活への影響も出てきていること
から、サンドリサイクルやサンドバイパスなどによる広域的な漂砂管理を行う。
4-1
表- 4-1(2) 海岸保全施設整備の基本方針(②環境に関して)
②環境に関して(雄大な景観を有する自然豊かな海岸の整備)
・千葉東沿岸は、ほぼ全域が国定公園あるいは県立自然公園に指定され、九十九里浜
に代表されるように雄大な自然景観を有していることから、保全施設の整備にあた
っては、海岸景観や自然景観が損なわれることのないよう配慮し、改変が避けられ
ない場合は、その影響を極力軽微なものとなるよう努める。
・さらに、活発な漁業活動に見られるように、魚貝類などの豊かな生物生息環境が保
たれた海岸であり、植物も含めたこれら生態系に十分配慮した施設の整備に努め
る。
・また、九十九里浜や南房総のポケットビーチには、砂浜の背後に保安林が存在し、
白砂青松の美しい海岸景観を有していることから、これらに配慮した施設の整備に
努める。
表- 4-1(3) 海岸保全施設整備の基本方針(③利用に関して)
③利用に関して(地域住民をはじめ多くの人々が適切に利用できる海岸の整備)
・千葉東沿岸には、九十九里浜の長大な砂浜と数多くのポケットビーチがあり、夏の
海水浴場や年間を通したサーフィン・釣り等のレクリエーションや観光スポットと
して多くの人々に利用されており、砂浜の保全を最優先としつつ利用者の利便性や
地域住民の生活環境の向上に寄与することを配慮した施設の整備に努める。
・南房総を中心として多くの漁港があり、岩礁部を主体とし砂浜も含めた海岸は漁業
活動に不可欠な場となっており、レクリエーション利用との住み分けを考えた適切
な海岸利用に配慮した施設の整備に努める。
・首都圏に近接する千葉東沿岸は、人々のニーズの多様化を十分満足させることがで
きるポテンシャルを有している海岸であり、利用者自らが安全確保を留意しつつ健
全で快適な海岸利用の増進につながるようなソフト対策の充実を図るとともに、こ
れらを踏まえた施設の整備に努める。
4-2
<<九十九里浜の砂浜の保全方策>>
九十九里の砂浜は、波浪を軽減し、陸域への波の進入を防ぐという防災
機能を有している。また、雄大かつ開放的な海岸景観を織りなすだけでな
く、生物の多様な生息空間を創出するとともに貝類などの水産資源の生息
空間にもなっている。さらには、安らぎ、憩いといった人々の精神的な活
動の場でもある。将来にわたり、九十九里浜の適切な保全・利用を図るた
めには、砂浜の価値を十分に理解し、砂浜自体の保全を最優先の課題とし
て取り上げ、漂砂機構を把握した上で適切な方法で、砂浜の恒久的な保全
に向けて取り組む必要がある。
現在、九十九里浜の南北両端で侵食が進行しつつあり、その要因として、
漂砂の供給源である屏風ヶ浦、太東崎からの供給が減少したことが挙げら
れる。
既存の調査・研究結果によると九十九里浜沿岸の沿岸漂砂は、南北両端
から中央部に向かう流れである。将来的には、漂砂供給源である屏風ヶ浦、
太東崎からの漂砂の供給は、崖侵食防止対策の実施により期待できない状
況であり、さらには、流入河川からの供給土砂量も、河川規模が小さいた
めに期待できるものではない。
したがって、九十九里浜における海岸保全対策は、現在の漂砂環境を十
分に把握し、土砂の収支をバランスさせることで海浜の保全を図ることが
最も望ましいと考えられたことから、沿岸漂砂の流出阻止効果が高く、設
置間隔が広いことから、砂浜の利用面や景観面への影響が少ないヘッドラ
ンド工法を採用することとした。
当面は安定海浜を保つ必要があるためヘッドランド工法により南北両
端の急激な侵食が連鎖的に伝播することを防止するものとする。さらには
砂浜の維持にとどまらず、その復元に向け、片貝漁港や飯岡漁港、太東漁
港など土砂の堆積域からのサンドバイパスやサンドリサイクルにより砂
を循環させること、陸域での余剰土砂等を利用した養浜工により土砂の供
給を増やすことにより、新たな平衡状態を創出することを目指すものとす
る。そして、十分な砂浜が保たれた場合には、より自然に近いかたちでの
砂浜の保全を図るものとする。
今後、最も効率の良い、自然と調和した海浜保全を考える上においては、
定常波浪観測施設による波浪外力の観測のほか、広域的漂砂機構調査の推
進が必要であると考えられる。
4-3
九十九里地域における想定浚渫土量の年次計画
No.
1
2
3
4
5
6
7
漁港名
種目
泊地
銚子漁港 特第3種 航路
(H14~23)
維持
漁港計
泊地
外川漁港 第2種 航路
(H14~23)
維持
漁港計
泊地
飯岡漁港 第1種 航路
(H14~23)
維持
漁港計
泊地
栗山川漁 第1種
航路
港
維持
(H13~22)
漁港計
泊地
片貝漁港 第4種 航路
(H14~23)
維持
漁港計
泊地
航路
太東漁港 第1種
維持
(H13~17)
堆積
漁港計
泊地
大原漁港 第3種 航路
(H13~17)
維持
漁港計
総計
No.
港湾名
8
名洗港
9
種別
種別
種目
泊地
地方港
航路
湾
維持
泊地
地方港
興津港
航路
湾
維持
総計
浚渫実績※1
(m3/年)
35,000
1989~1999
平均
8,000
1989~1999
平均
12,000
1989~1999
平均
21,000
1989~1999
平均
25,000
1989~1999
平均
5,000
1989~1998
平均
6,000
1989~1998
平均
112,000
―
浚渫実績※1
(m3/年)
14,224
―
―
―
14,224
年平均
(養浜利用可能土量)
(単位:m3/年)
想定浚渫土量※2
(単位:m3)
875,400
102,200
93,100
1,070,700
94,800
22,700
20,000
137,500
39,600
144,000
34,600
218,200
40,000
33,000
102,800
175,800
121,200
178,400
62,700
362,300
2,500
12,000
57,000
10,000
81,500
5,000
16,000
34,200
55,200
2,101,200
不可
不可
不可
0
不可
不可
不可
0
不可
18,000
3,460
21,460
4,000
3,300
10,280
17,580
11,140
15,600
6,270
33,010
不可
6,000
5,700
10,000
21,700
不可
6,000
3,420
9,420
103,170
想定浚渫土量※1
1992~1999
平均
―
―
浚渫実績※3
(m3/年)
0
想定浚渫土量※3
(m3/年)
No.
河川名
H13
H14
10
堀川
400
2,500
1,500
11
栗山川
0
4,000
400
12
一宮川
36,000
28,000
6,000
13
南白亀川
3,000
3,300
14
赤目川
―
―
3,000
15,000
(H.16~H.17)
H15以降
※1:「平成11年度 県単海岸調査委託(サンドリサイクル業務計画作成)業務 報告書」(千葉県長生土木事務所,平成12年3月)より抜粋
※2:漁港課資料(H14.11)より
沖捨単価(標準):グラブ浚渫船(5m3)による掘削1,650円/m3、土運船による沖捨200円/m3・km
※3:河川海岸課資料(H15.2)より
4-4
南九十九里浜養浜計画の策定
南九十九里浜では 1990 年代から海岸侵食が顕著となったため、海岸保全を目的にヘッド
ランドによる侵食対策を鋭意講じてきました。事業着手から約 20 年が経過した現在、対策
区間である一宮海岸では施設の整備効果によって侵食速度の低減が図られましたが、
依然と
して局所的な汀線後退や浜崖の形成が進み、
さらに漂砂下手側の一松海岸以北では侵食域が
年々拡大しつつあります。これは、夷隅川や太東崎からの土砂供給が枯渇したためであり、
このままでは海岸保全どころか更なる侵食の進行と侵食域の拡大は否めません。また、海岸
侵食の進行と時期を同じくするように,海域での貝類の漁獲量が減少している箇所もありま
す。そのため、侵食による海底地形や底質の変化が貝類の生息環境に影響を与える可能性も
考えられます。
千葉県では平成 16 年度より、枯渇した土砂供給を人為的に代替するための「養浜」の実
施に向けて調査検討に着手し、平成 19 年度までに砂浜の現状と今後の見通し、ならびに、
養浜の有用性について検討してきました。
さらに、平成 20 年度には学識経験者、漁業関係者および行政関係者で構成する「南九十
九里浜養浜計画策定会議」を設立し、詳細の検討を進めてきました。
その成果として、
「南九十九里浜養浜計画」を平成 21 年 3 月に策定し、養浜を実施してい
ます。
一宮海岸の養浜実績(平成 24 年度末現在)
実施年度
養浜量(m3)
平成 17 年度
5,000
平成 18 年度
20,000
平成 19 年度
14,000
平成 20 年度
14,000
平成 21 年度
39,000
平成 22 年度
19,000
平成 23 年度
7,800
平成 24 年度
43,000
合計
161,800
4-5
4-2. 岸保全施設を整備しようとする区域
▼ 海岸保全施設を整備しようとする区域は、沿岸における海岸の保全・整備に関
する問題点・課題があり、その整備の必要性が高く、早期達成が望まれる以下
に示す区域とする。
【侵食への対応】
【侵食対策施設】~侵食への対応~
○海岸線の後退が著しい海岸、侵食の進行が懸念される海岸および海浜地消失の
危機にある海岸
・九十九里浜や外房のポケットビーチ等にあるように周辺海岸や川からの供給土
砂量の減少や海岸域の人工的な改変などにより発生した侵食、さらには、軟質な
岩石海岸の浸食などに対し、沿岸における波や流れによる砂の移動(漂砂)など
の地域特有の海岸の形成過程に配慮し、海岸線の保全、侵食による地域の被害の
防止、海岸地形の回復を図るために必要な海岸保全施設を整備する。
【越波・浸水への対応】
【高潮・高波、津波対策施設】~浸水及び越波への対応~
○背後に集落や農地、道路などの防護すべき生命・財産があり、浸水及び越波
による被害発生の危険性がある海岸
・高潮・波浪、津波に対する防護については海岸保全施設の基本的な機能であり、
原則として全てのゾーンを対象とし、砂浜や砂丘、松林などの自然地形、土塁、
海岸部の道路等の有する消波及び浸水低減機能とも併せて、各種の海岸保全施設
により防護することを、基本的な考え方とする。
≪消波施設の例≫
人工リーフ
護岸
4-6
4-3. 海岸保全施設の種類、規模及び配置等
4-3-1.海岸保全対策工法の適用性
▼ 各ゾーンに対する海岸保全対策工法の適用性を示す。
表- 4-2(1) 各ゾーンにおける海岸保全施設の適用性(その1)
対策工の主な特性
離岸堤
人工リーフ
(潜堤)
消波
施設
波力を
弱める
新型離岸堤
海
岸
保
全
施
設
の
適
用
性
漂砂制御
施設
波や流れを制
御することによ
り、漂砂量を制御
し、海岸線の侵
食や、土砂の過
度の堆積を防止
する
津波対策
施設
津波の遡上を
未然に防ぎ背後
地を浸水から守
る
波浪・高
潮対策施
設
台風や低気圧
の来襲時におけ
る水位上昇と高
波の越波による
浸水から背後地
を守る
波力を弱
める
・海浜の安定化が期待でき、高波浪の減衰効果は高い。構造物が水面下となること
から海岸景観上は好ましいが、堤体規模が大きくなるため工費は高くなる。浅海域
における活動への配慮が必要となる
【効果:間接的な漂砂制御(波高,波向き,波浪による流れを制御),背後への堆
砂,沿岸漂砂の制御(漂砂量の低減),岸沖漂砂の制御(前浜の確保)】
・耐久性が高い。大水深に設置できるため、急勾配海岸に対応し、離岸距離を大き
くとれる。種々の波浪条件に対して高い減衰効果(海域の静穏化)が期待でき、ま
た海浜の安定化が期待できる。没水型あるいは低天端であり、海岸景観への影響は
軽微である。海上施工となり、堤体規模が大きいため、工費は高くなる。
【効果:消波,波高減衰,背後への堆砂,沿岸漂砂の制御(漂砂量の低減),岸沖
漂砂の制御(前浜の確保)】
養浜
・海浜の維持・回復・創出が図れる。土砂流出の防止対策が必要となる。
【効果:海浜の維持・回復・創出】
突堤
・沿岸漂砂を制御し、堆積域を形成することができる。岸沖漂砂は制御不可。陸上
施工となり、工費も比較的安価である。
【効果:沿岸漂砂の卓越する海岸における侵食の防止・軽減,海浜の維持・安定化
(沿岸漂砂の捕捉による漂砂量の減少)】
ヘッドランド
人工岬
・堤体間における沿岸漂砂を制御することにより、海浜の安定化が図れる。突堤に
比べ設置間隔が長くなるため、海岸域の利用や景観等の自然環境に与える影響が軽
減できる。
【効果:沿岸漂砂の卓越する海岸における安定海浜の形成】
堤防,胸壁
陸閘,門扉
水門
堤防・護岸
(直立)
堤防・護岸
(緩傾斜)
根固消波工
消波
施設
・直接的に波浪を低減することから背後に静穏域が確保され、海浜の安定化が図れ
る。浅海域における活動への配慮が必要となる。
【効果:消波,波高減衰,背後への堆砂,沿岸漂砂の制御(漂砂量の低減),岸沖
漂砂の制御(前浜の確保)】
消波堤
養浜
・津波の影響を受けやすい地形条件にある海岸、津波来襲による被害が予想される
海岸においては、津波浸水の防止効果は高い。高天端となることから、視界が阻害
されやすく、堤体規模が大きいため、景観や環境への影響は大きく、工費は高くな
る。
【効果:浸水の防止】
・越波・浸水を直接的に防ぐ。また、崖海岸においては海岸線の後退速度の減衰が
期待できる。
【効果:越波・浸水の防止】
・越波・浸水を直接的に防ぎ、親水スポットの形成が図れるが、設置面積が大きく
なるため、海浜地の消失を伴う。
【効果:越波・浸水の防止】
・景観上は好ましいとは言えないが、工費は比較的安価であり、早期における越波
や波圧の低減効果が期待できる。
【効果:消波】
・景観上は好ましいとは言えないが、工費は比較的安価であり、越波や波圧の低減
効果や海岸線の後退速度の減衰が、早期に期待できる。
【効果:海崖・砂浜の侵食防止(汀線の現状維持),消波】
・越波・浸水の低減効果が図れる。土砂流出の防止対策が必要となる。
【効果:消波】
適用【高い◎⇔○⇔△⇔×低い】
銚子半島ゾーン
○:君ヶ浜や酉明浜のポケットビーチなどでは、背後に静
穏域が確保されるとともに、海浜の安定化の効果がある。
養浜との組合せにより、海浜の維持・回復が期待でき、親
水性の向上が図れる。浅海域における活動への配慮が必要
となる。
九十九里浜ゾーン
△:直接的に波浪を低減し、養浜と合わせ海浜の安定化が図ることが可能であるが、沿岸
漂砂が卓越することから漂砂下手側の隣接海岸への波及効果が大きく、一連区間への設置
が懸念される。さらに、それに伴い長大な砂浜景観が阻害されるとともに、浅海域の生物
や漁業活動への配慮が必要となる。
○:君ヶ浜や酉明浜のポケットビーチなどでは、高波浪の
減衰効果は高く、養浜との組合せにより、安定海浜の形成・
親水性の向上が期待できる。海岸景観上は好ましいが、工
費は高くなる。浅海域における活動への配慮が必要となる。
△:高波浪の減衰効果は高く、養浜と合わせ海浜の安定化が図ることが可能であるが、沿
岸漂砂が卓越することから隣接海岸における漂砂への波及効果が懸念される。さらに、そ
れに伴う、浅海域の生物や漁業活動への配慮が必要となる。また、海岸景観上は好ましい
が、工費は高くなる。
×:効果は、離岸堤・人工リーフに準じる。急勾配海岸に
対応し、大水深に設置することから、本ゾーンの海岸では
適用性は低い。
×:効果は、離岸堤・人工リーフに準じる。急勾配海岸に対応し、大水深に設置すること
から、遠浅海岸である本ゾーンの海岸では適用性は低い。
◎:侵食が進むポケットビーチなどでは、海浜の維持・回
復が期待できるとともに、消波効果の向上が図れる。漂砂
制御構造物との組合せが必要となる場合がある。
△:君ヶ浜や酉明浜のポケットビーチなどでは、沿岸漂砂
を制御し、堆積域を形成することができる反面、相対的に
侵食域の形成も促す。海浜の維持・回復や親水性の向上が
期待できるが、沖合消波施設や養浜との組合せが必要とな
る場合がある。
△:養浜と組合せることにより新たな安定海浜が形成でき
る。君ヶ浜や酉明浜のポケットビーチなどでは、突堤に比
べ、設置間隔が長くなるため、適用性は低い。
◎:砂浜の保全・回復および砂浜による消波機能の向上が期待できることから、侵食防止
に効果が高い。遠浅海岸であるとともに、沿岸漂砂が卓越することから、漂砂制御構造物
もしくは漂砂制御対策(サンドバイパス、サンドリサイクル)の必要性が高い。
○:沿岸漂砂を制御し、堆積域を形成することができる反面、相対的に侵食域の形成も促
す。沿岸漂砂が卓越することから漂砂下手側の隣接海岸への配慮が必要となる。また、遠
浅海岸であるため、十分な捕砂効果を得るためには、設置規模が大きくなる。海浜の維持・
回復や親水性の向上が期待できるが、沖合消波施設や養浜との組合せが必要となる場合が
ある。
◎:沿岸漂砂が卓越する長大な砂浜海岸であることから、漂砂を制御し堆積域を形成する
ことができる反面、相対的に侵食域の形成も促す。漂砂下手側の隣接海岸への配慮が必要
となる。また、遠浅海岸であるため、十分な捕砂効果を得るためには設置規模が大きくな
るが、設置間隔が長くなるため、突堤に比べ、必要基数が少なくなるとともに海岸域の利
用や景観等の自然環境に与える影響が軽減できる。海浜の維持は期待できるが、土砂の供
給が期待できない九十九里浜においては、砂浜の回復や親水性の向上に向けて養浜との組
合せが必要となる。
△:津波浸水の防止効果は高いが、高天端となることから、
△:津波浸水の防止効果は高いが、高天端となることから、視界が阻害されやすく、堤体
視界が阻害されやすく、堤体規模が大きいため、景観や環
規模が大きいため、景観や環境への影響は大きく、工費は高くなる。
境への影響は大きく、工費は高くなる。
○:越波・浸水を直接的に防ぐ。屏風ヶ浦など背後地盤が
高い海岸では、設置の必要性は低い。
○:越波・浸水を直接的に防ぐ。
△:君ヶ浜や酉明浜のポケットビーチなどでは、設置面積
が大きくなるため、適用性は低い。新たな海浜地の造成を
伴う場合には、越波・浸水からの防護効果や親水スポット
の形成が期待できる。
△:越波・浸水を直接的に防ぎ、親水スポットの形成が図れるが、直立堤に比べ設置面積
が大きくなるため、海浜地の消失を伴う。
△:応急的、即効的な消波効果があるが、景観上好ましく
なく、海岸へのアクセスを阻害する。
△:応急的、即効的な消波効果があるが、景観上好ましくなく、海岸へのアクセスを阻害
する。
○:景観上好ましくなく、水際へのアクセスを阻害するが、
屏風ヶ浦の海食崖などに対しては、即効的な侵食防止効果 △:景観上好ましくなく、水際へのアクセスを阻害するが、即効的な侵食防止効果がある。
がある。
◎:砂浜による消波機能の向上が期待できることから、越波・浸水の低減効果が高い。遠
◎:ポケットビーチなどでは、消波効果の向上が図れる。
浅海岸であるとともに、沿岸漂砂が卓越することから、漂砂制御構造物もしくは漂砂制御
漂砂制御構造物との組合せが必要となる場合がある。
対策(サンドバイパス、サンドリサイクル)の必要性が高い。
・本ゾーンの海岸は、外洋に面し開けた形状で一連の遠浅海岸であり漂砂の移動が広範囲
・本ゾーンの海岸は、外洋に面し開けた形状の海岸である
におよぶため、漂砂制御施設の必要規模は大きくなるが、広い砂浜が維持されれば消波施
ため、漂砂制御施設、波浪・高潮対策施設としては、消波
設の必要規模は小さくなる。
長大な砂浜であるため、海岸線に対し平行に並ぶ保全施設は、
効果を伴う施設の適用性が高い。
景観や浅海域の生物、採貝などの漁業活に与える影響が大きい。
4-7
表- 4-2(2) 各ゾーンにおける海岸保全施設の適用性(その2)
離岸堤
消波
施設
波力
を弱
める
人工リーフ
(潜堤)
新型離岸堤
養浜
海
岸
保
全
施
設
の
適
用
性
漂砂制
御施設
津波対
策施設
波 浪 ・
高潮対
策施設
波や流れを
制御すること
により、漂砂
量を制御し、
海岸線の侵
食や、土砂の
過度の堆積を
防止する
津波の遡
上を未然に
防ぎ背後地
を浸水から
守る
台風や低
気圧の来襲
時における水
位上昇と高波
の越波による
浸水から背後
地を守る
突堤
ヘッドラン
ド
人工岬
堤防,胸壁
陸閘,門扉
水門
堤防・護岸
(直立)
堤防・護岸
(緩傾斜)
根固消波工
消波
施設
波力を
弱める
消波堤
養浜
対策工の主な特性
・直接的に波浪を低減することから背後に静穏域が確保され、海浜の安定化が図
れる。浅海域における活動への配慮が必要となる。
【効果:消波,波高減衰,背後への堆砂,沿岸漂砂の制御(漂砂量の低減),岸
沖漂砂の制御(前浜の確保)】
・海浜の安定化が期待でき、高波浪の減衰効果は高い。構造物が水面下となるこ
とから海岸景観上は好ましいが、堤体規模が大きくなるため工費は高くなる。浅
海域における活動への配慮が必要となる
【効果:間接的な漂砂制御(波高,波向き,波浪による流れを制御),背後への
堆砂,沿岸漂砂の制御(漂砂量の低減),岸沖漂砂の制御(前浜の確保)】
・耐久性が高い。大水深に設置できるため、急勾配海岸に対応し、離岸距離を大
きくとれる。種々の波浪条件に対して高い減衰効果(海域の静穏化)が期待でき、
また海浜の安定化が期待できる。没水型あるいは低天端であり、海岸景観への影
響は軽微である。海上施工となり、堤体規模が大きいため、工費は高くなる。
【効果:消波,波高減衰,背後への堆砂,沿岸漂砂の制御(漂砂量の低減),岸
沖漂砂の制御(前浜の確保)】
・海浜の維持・回復・創出が図れる。土砂流出の防止対策が必要となる。
【効果:海浜の維持・回復・創出】
・沿岸漂砂を制御し、堆積域を形成することができる。岸沖漂砂は制御不可。陸
上施工となり、工費も比較的安価である。
【効果:沿岸漂砂の卓越する海岸における侵食の防止・軽減,海浜の維持・安定
化(沿岸漂砂の捕捉による漂砂量の減少)】
・堤体間における沿岸漂砂を制御することにより、海浜の安定化が図れる。突堤
に比べ設置間隔が長くなるため、海岸域の利用や景観等の自然環境に与える影響
が軽減できる。
【効果:沿岸漂砂の卓越する海岸における安定海浜の形成】
・津波の影響を受けやすい地形条件にある海岸、津波来襲による被害が予想され
る海岸においては、津波浸水の防止効果は高い。高天端となることから、視界が
阻害されやすく、堤体規模が大きいため、景観や環境への影響は大きく、工費は
高くなる。
【効果:浸水の防止】
・越波・浸水を直接的に防ぐ。また、崖海岸においては海岸線の後退速度の減衰
が期待できる。
【効果:越波・浸水の防止】
・越波・浸水を直接的に防ぎ、親水スポットの形成が図れるが、設置面積が大き
くなるため、海浜地の消失を伴う。
【効果:越波・浸水の防止】
・景観上は好ましいとは言えないが、工費は比較的安価であり、早期における越
波や波圧の低減効果が期待できる。
【効果:消波】
・景観上は好ましいとは言えないが、工費は比較的安価であり、越波や波圧の低
減効果や海岸線の後退速度の減衰が、早期に期待できる。
【効果:海崖・砂浜の侵食防止(汀線の現状維持),消波】
・越波・浸水の低減効果が図れる。土砂流出の防止対策が必要となる。
【効果:消波】
適用【高い◎⇔○⇔△⇔×低い】
夷隅ゾーン・鴨川・千倉ゾーン・館山・白浜ゾーン
○:ポケットビーチなどでは、背後に静穏域が確保されるとともに、海浜の安定化の効果がある。養
浜との組合せにより、海浜の維持・回復が期待でき、親水性の向上が図れる。沿岸漂砂が卓越する直
線状の海岸では、漂砂下手側の隣接海岸への波及効果が予想され、一連区間への設置が懸念される。
さらに、それに伴い自然の砂浜景観が阻害されるとともに浅海域における活動への配慮が必要となる。
○:ポケットビーチなどでは、高波浪の減衰効果は高く、養浜との組合せにより、安定海浜の形成・
親水性の向上が期待できる。沿岸漂砂が卓越する海岸では、隣接海岸における漂砂への波及効果が懸
念される。海岸景観上は好ましいが、工費は高くなる。浅海域における活動への配慮が必要となる。
×:効果は、離岸堤・人工リーフに準じる。急勾配海岸に対応し、大水深に設置することから、本ゾ
ーンの海岸では、湾内における船舶の航行や養殖などの漁業活動に支障が出ることが予想されること
から、適用性は低い。
◎:侵食が進むポケットビーチなどでは、海浜の維持・回復が期待できるとともに、消波効果の向上
が図れる。漂砂制御構造物との組合せが必要となる場合がある。
△:ポケットビーチなどでは、沿岸漂砂を制御し、堆積域を形成することができる反面、相対的に侵
食域の形成も促す。沿岸漂砂が卓越する海岸では、漂砂下手側の隣接海岸への配慮が必要となる。海
浜の維持・回復や親水性の向上が期待できるが、沖合消波施設や養浜との組合せが必要となる場合が
ある。
△:養浜と組合せることにより新たな安定海浜が形成できる。ポケットビーチなどでは、突堤に比べ、
設置間隔が長くなるため、適用性は低い。沿岸漂砂が卓越する海岸では、漂砂下手側の隣接海岸への
配慮が必要となる。
△:津波浸水の防止効果は高いが、高天端となることから、視界が阻害されやすく、堤体規模が大き
いため、景観や環境への影響は大きく、工費は高くなる。
○:越波・浸水を直接的に防ぐ。崖や丘陵地が直接海へ迫るなど背後地盤が高い海岸では、設置の必
要性は低い。
△:ポケットビーチなどでは、設置面積が大きくなるため、適用性は低い。新たな海浜地の造成を伴
う場合には、越波・浸水からの防護効果や親水スポットの形成が期待できる。
△:応急的、即効的な消波効果があるが、景観上好ましくなく、海岸へのアクセスを阻害する。
○:景観上好ましくなく、水際へのアクセスを阻害するが、海食崖などに対しては、即効的な侵食防
止効果がある。
◎:ポケットビーチなどでは、消波効果の向上が図れる。漂砂制御構造物との組合せが必要となる場
合がある。
・入り江が外洋に面し開けた形状の海岸では、漂砂制御施設、波浪・高潮対策施設としては、消波効
果を伴う施設の適用性が高い。
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