Comments
Description
Transcript
No.1 変化する自動車業界
01.4.18 No.1 内山 貴史 変化する自動車業界 ○生き残りをかけた合併・提携の動き ・9グループに収斂した世界の自動車業界 1998 年 5 月ドイツのダイムラーベンツとアメリカのクライスラーが合併したのをきっかけに、全 世界の自動車メーカーはグループ化に大きく動き出した。 これは今後、燃料電池や ITS(高度道路交通システム)といった環境・安全に対する投資が増大す ることが予想され、こうした事業を支えるには規模が不可欠になってくる、という判断があったた めである。 なかでもアメリカのビッグスリーと呼ばれるゼネラルモーターズ(GM)、クライスラー、フォード の規模拡大の動きはめまぐるしく、2001 年 9 月には世界の自動車メーカーは ・フォード ・ホンダ ・GM ・日産/ルノー ・クライスラー ・プジョー/シトロエン ・トヨタ自動車 ・フォルクスワーゲン ・BMW の9グループにまで収斂した。 ・日本のメーカーのグループ戦略 日本のメーカーもこの合従連衡の流れに飲み込まれ、国内メーカー11 社のうち、トヨタ自動車グ ループ(トヨタ、ダイハツ、日野、ヤマハ)とホンダ以外の 7 社は外資の傘下に組み込まれた。 こうした合併・提携は2つのパターンに分けられる。 「経営の悪化から外資に救済を求めての合併」 と「自社の規模を考え生き残るための積極的な資本提携」の 2 つで、前者には日産、三菱、マツダ といった大手のメーカーが多く、後者はスズキ、富士重工業、いすゞのような中堅のメーカーが多 いというのも特徴で、大手がバブル崩壊後も市場の揺り返しを期待し、肥大化した経営体質の改革 に乗りださなかったことに対するツケを払うかたちになっている。また前者が外資に主導権を握ら れているのに対し、後者には各社の自主性が重んじられるという傾向がある。 しかしこうした合併・提携で成功したと断言できるのは、未だ日産とルノーのケースだけで、さ らにこれから各メーカーの合併・提携の成否が問われてくる事と思われる。 ・提携・合併によって残った9グループ グループ元 ゼネラルモーターズ フォード クライスラー プジョー・シトロエン トヨタ自動車 ホンダ 日産・ルノー 主な傘下メーカー・提携先 スズキ/富士重工/いすゞ/フィアット等 マツダ/ボルボ/ランドローバー等 三菱自動車工業/現代自動車 プジョー/シトロエン ダイハツ/日野ディーゼル/ヤマハ発動機 特に無し 日産自動車/日産ディーゼル/ルノー BMW 特に無し フォルクスワーゲン 特に無し