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無機質系被覆工法
無機質系被覆工法「ハイブリッドレジン NP 工法」と有機質系被覆工法「エポキシ樹脂工法」 コンクリート製水道施設に対する保護被覆工法の特性比較 項 目 無機質系被覆工法「ハイブリッドレジン NP 工法」 ●無機質系被覆(塗料)とは ●有機質系被覆(塗料)とは ○無機系被覆とは、分子の基本骨格(構造の柱部分) が炭素−炭素(C-C)以外の結合で構成されていま 無機質系被覆、有機質系 有機質系被覆工法「エポキシ樹脂工法」 す。 ○有機系被覆とは、分子の基本骨格(構造の柱部分) が炭素−炭素(C-C)の結合で構成されています。 ○有機系被覆は、主に石油(ナフサ)を原料として製 被覆(塗料)とは 造されています。 ※無機質材の主なものには、鉱物、岩石、セメント、 ガラス、セラミック、金属等があります。 ※水道施設で使用されている有機系被覆としては、 エポキシ、ビニルエステル、ポリエステル、ポリウ レア、ポリウレタン等があります。 ● ハイブリッドレジン NP 工法とは、 ○シリコーンレジンと無機質粉体によってハイブリ ッド* 1) 構造の無機質系被覆を形成する保護被覆工 法です。 材料特性 ● エポキシ樹脂工法とは ○エポキシ樹脂などは有機系被覆(塗料)と呼ばれて おり、水道施設などの防水、防食被覆工法として使 用されています。 ○シリコーンレジンは、分子の基本骨格がシロキサン 結合(Si-O-Si)で、結合エネルギーが大きいとい う特性によってガラスに近似した無機系被覆を構 成します。 ○シリコーンレジンは、自然界に存在するケイ石 (SiO 2 )を主原料として製造されています。 ●Si-O 結合の結合エネルギー 結合エネルギー 106kcal/mol ●C-C 結合の結合エネルギー 85kcal/mol Si-O結合は、有機質系のC-C結合に対し、約 25%も結合エネルギー * 2 ) が強く、熱や光などの物理的エネルギ ーに分解され難く安定で、耐塩素性や耐候性に優れています。 *1)ハイブリッドとは、2 つの異質のものを組合せて一つの目的をなすものをいう。 *2)結合エネルギーとは、原子・分子間の結合の強さをいい、数値が大きいほど変質し難い。 1 項 目 無機質系被覆工法「ハイブリッドレジン NP 工法」 有機質系被覆工法「エポキシ樹脂工法」 ● 次亜塩素酸ナトリウム 5%水溶液、1000 時間浸漬後 ● 次亜塩素酸ナトリウム 5%水溶液、1000 時間浸漬後 ツヤ引け、白化等の劣化現象なし。 白化・脆弱化現象あり。 耐環境性(耐塩素水性) 浸漬部分 異常なし 浸漬部分 白く変色 ハイブリッドレジン ● SUV、1000 時間後の光沢保持率 エポキシ樹脂 ● SUV、1000 時間後の光沢保持率 ハイブリッドレジン NP 工法 98% エポキシ樹脂工法 10% 耐環境性(促進耐候性) 光保持率(%) 図-1促進耐候性試験 120 100 80 60 40 20 0 ハイブリッドレジン NP工法 エポキシ樹脂 0 200 400 600 時間 800 1000 2 項 目 無機質系被覆工法「ハイブリッドレジン NP 工法」 ● 透水性(水圧 0.3MPa、1 時間後の質量増加量) 接着安定性(接着強さ) 透水量 0.0g 有機質系被覆工法「エポキシ樹脂工法」 ● 透水性(水圧 0.3MPa、1 時間後の質量増加量) 透水量 0.1g 品質規格(JWWAK143):透水量 0.2g 以下 環境遮断性(透水性) 標準状態:2.8 N/mm 2 標準状態:2.9 N/mm 2 吸水状態:2.4 N/mm 2 吸水状態:2.1N/mm 2 品質規格(JWWAK143) 標準状態:1.5N/mm 2 以上 吸水状態:1.2N/mm 2 以上 耐オゾン性 施工性 (高湿度環境) 浸出性(水質試験) ●3~5ppm オゾン水 1000 時間 変化なし オゾン水 1000 時間 白化・溶解 ●空気中の水分との反応硬化特性を持ち、施工環境の温 ●施工した樹脂が硬化途中や未硬化時に高湿度環境に 度・湿度の影響が小さい施工性と、被覆の硬化に悪影 なった場合、樹脂の硬化反応が阻害され、白化現象・ 響が少ない特性を持つ。 硬化不良、接着不良等の障害が生じる場合がある。 ●厚生省令第 15 号第 1 条 17.ハ及び厚生労働省令第 5 合の浸出性 46 項目の規格適合 ●20 年以上の耐用年数が期待できる。 耐用年数 ●3~5ppm ●JWWAK143、浸出性 10 項目の規格適合 ●耐用年数や性能保証期間が 10 年間とされている。 無機質系被覆の耐環境性(促進耐候性)や環境遮断性 水道施設で使用されている消毒用塩素の促進試験(高 (透水性)は、有機質系被覆の数倍以上の性能を有し 濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液)で白化等の劣化 ている。また耐環境性(耐塩素水性)では有機質系被 現象が生じている。 覆が白化する高濃度の次亜塩素酸ナトリウムへの浸 漬環境でも白化していない。 3 項 目 無機質系被覆工法「ハイブリッドレジン NP 工法」 ●農業用水路での耐汚染性テスト状況 有機質系被覆工法「エポキシ樹脂工法」 ●農業用水路での耐汚染性テスト状況 耐汚染性 (農業用水路) 1 年後の状況。表面 に藻の繁殖有り。 水洗い清掃後、藻が除 去できた。 ●沈殿池水路の防藻対策施工状況 1 年後の状況。表面に藻の繁殖有り 水洗い清掃後、藻の除去ができない。 藻の着床、汚染有り。 ●沈殿池水路の防藻対策施工状況 耐汚染性 (沈殿池水路) 夏期供用 1 ヶ月後 被覆から有害物の溶 出が無い為、被覆表面 に藻が繁殖。 水洗い清掃後 ガラスに近似した無 機質系被覆のため、藻 が除去できた。 沈殿池水路供用状況 藻の発生・沈着。 水洗い・清掃後も藻が 取れ難い。 4