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世界に広がる北海道ブランドの確立(PDF)
1 道産食品の輸出拡大に向けた食産業の競争力強化 (内閣府、厚生労働省、農林水産省、経済産業省) 国が農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略において掲げた、2020年(平 成32年)に農林水産物・食品の輸出額を1兆円とする目標を達成するために も、道が策定した「北海道食の輸出拡大戦略」に掲げる施策を推進し、2018年 (平成30年)に道産食品輸出1,000億円を実現することが極めて重要である。 そのためには、本道の豊富で優れた農林水産物などの食材を活かし、「北海 道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」の推進など食クラスター活動を 加速させ、幅広い産業の連携による北海道ならではの食の総合産業化の実現に 向けた取組や輸出拡大に向けた環境整備の推進が必要である。 【提案・要望事項】 ○ 農畜産物・水産物・加工食品の輸出拡大に向けた環境整備や食のブランド 化の推進(厚生労働省、農林水産省、経済産業省) ○ 「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」構想の充実・発展に向 けた支援の継続及び食クラスター活動の展開に対する支援の強化 (内閣府、農林水産省、経済産業省) ○ 日本産食品の安全性確認のための検査体制の充実や環境放射線モニタリン グ体制の強化など輸出規制の緩和に向けた政府としての適切な支援の充実 (厚生労働省、農林水産省、経済産業省) 【提案・要望の内容】 ◆ HACCP基準等に適応した関連施設の整備への支援、検疫面での輸出規 制の緩和や中国向け輸出に対応した精米施設の指定に向けた国家間交渉の推 進、鮮度保持技術などの技術開発等における国内外バリューチェーンの構築 等の体制整備、輸出先国の規制内容等の情報充実など海外の販路開拓に取り 組む事業者に対する支援など、環境を整備すること。また、地理的表示保護 制度の普及や諸外国における相互認証など、日本産食品のブランド力強化を 進めること。 さらに、ホタテガイなどの輸出拡大を図るため、EU向けホタテ貝生産海 域のモニタリングに対する支援を継続するとともに、国内外における競争力 発揮に向けて、資源の持続的な利用と生態系の保全に取り組む漁業を認証す る日本発の水産エコラベル「MELジャパン」の認知度を向上させること。 ◆ 東アジアにおける食の研究開発・輸出拠点化を目指す「北海道フード・コ ンプレックス国際戦略総合特区」構想の充実・発展に向け、安全で高品質な 農畜産物等の生産体制の強化や輸出の推進のための施設整備への税制・金融 ・財政支援の継続・拡充を行うとともに、産学官金が連携し、オール北海道 で食の高付加価値化や販路拡大などを推進する、食クラスター活動に対する 支援策の強化など、国による環境整備の充実を行うこと。 ◆ 国の責任による輸出品及び環境放射線の検査体制を充実するとともにモニ タリングを継続実施して国内の情報を的確に把握し、各国からの信頼回復に 向け、日本の食品の安全性を積極的に情報発信すること。 - 1 - ■道における輸出拡大目標 ■道産食品に係る諸外国・地域の輸入規制状況 (平成28年6月1日現在) (億円) 必要証明書等 主な国・地域名 韓国、中国、レバノン、インドネシア、オマーン、カ タール、サウジアラビア、バーレーン、コンゴ民主共和 放射性物質 国、 EU※ 、スイス※ 、リヒテンシ ュタイン※ 、ノ ル 検査証明書 (14カ国・地域) ウェー※、アイスランド※ ※特定品目を計50%以上含む加工品等 韓国、中国、ブルネイ、ニューカレドニア、タイ、アル ゼンチン、仏領ポリネシア、アラブ首長国連邦、エジプ ト、 モロッコ 、シンガ ポール、台 湾、フィ リピン 、 産地等証明書 (19カ国・地域) EU※、スイス※、リヒテンシュタイン※、ノルウェー ※、アイスランド※、エジプト ※放射性物質検査証明書対象以外の食品 レバノン、オマーン、香港、台湾、米国、EU※、スイス 通関時放射性 ※、リヒテンシュタイン※、ノルウェー※、アイスラン 物質検査 ド※、ロシア、ネパール、パキスタン、ウクライナ、イ (18カ国・地域) スラエル、イラン、トルコ、モーリシャス ※放射性物質検査証明書対象以外の食品 (貿易統計(財務省)を元に集計) (東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応:農林水産省) ■北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区 ■食クラスター連携協議体(平成28年3月末現在、2,181機関、532プロジェクトを推進) 2 世界に向けた滞在交流型観光地づくりの推進 (内閣府、法務省、外務省、国土交通省、警察庁) 国において訪日外国人旅行者の増加に向けた施策を展開している中、道にお いては、2020年の外国人観光客300万人の実現に向けた取組を推進している。 本道観光が観光立国・日本をリードし、今後とも持続的に発展するためには、 外国人観光客の誘致促進に向けた取組や魅力ある滞在交流型観光地づくりの推 進を図るなど、国際競争力の強化に向けた施策の推進が必要である。 【提案・要望事項】 ○ ○ ○ ○ ○ 「北海道観光振興特別措置法」の早期制定(国土交通省) ビジット・ジャパン事業の更なる推進(国土交通省) 観光客受入体制整備の推進(国土交通省、警察庁) 広域観光周遊ルート形成促進事業に対する財政的支援の拡充(国土交通省) 日本版DMOの形成・確立に向けた候補法人に対する支援制度の創設 (国土交通省) ○ 外航クルーズ船の海外臨船審査の適用及び港湾における出入国管理体制の 更なる充実(法務省) ○ ビザの免除や数次ビザの適用国の拡大など、ビザ発給要件の更なる緩和 (法務省、外務省、国土交通省) ○ 統合型リゾート(IR)の整備促進に向けた制度上の措置(内閣府、国土交通省) 【提案・要望の内容】 ◆ 本道観光の持続的発展を図り、観光立国・日本をリードしていくため、本 道の観光振興に関する施設実施に必要な財政上、税制上又は金融上の特別の 措置などを内容とする「北海道観光振興特別措置法」を早期に制定すること。 ◆ 道が持つ可能性を最大限発揮し、国が進める観光立国実現へ貢献するた め、成長著しいアジアはもとより、欧米からの誘客の促進に向け、ビジット ・ジャパン事業の更なる推進のほか、MICEの誘致・開催など、地域にお ける取組に対する支援強化も含め、積極的な誘客施策を展開すること。 ◆ 国際競争力の高い魅力ある観光地の形成を促進するため、外国語併記の観 光案内標識の設置をはじめ、無料公衆無線LAN環境の整備充実や道内をレ ンタカーで周遊する外国人観光客の安全・安心を確保する交通安全標識など 外国人観光客の受入体制を早期に整備すること。 ◆ 外国人観光客が集中しているゴールデンルートから地方への分散化を目的 に認定された道内2つの広域観光周遊ルートの形成を促進し、国の目指す 「観光先進国」化に貢献するため、財政的支援の拡充を図ること。 ◆ 観光地づくりを担う主体としての日本版DMOの形成・確立を促進するた め、各種データの収集・分析、戦略策定、専門人材の確保など、日本版DMO 候補法人に対する総合的な財政支援制度を創設すること。 ◆ 外航クルーズ船が寄港した際における乗客の上陸時間の拡大を図り、寄港 地における消費を促すため、乗客数2,000名を目安に実施されている海外臨船 審査を、北海道内に寄港するクルーズ船にも適用するほか、出入国管理に係 る人員や審査機器の確保など更なる体制整備を図ること。 ◆ ビザ申請者の負担軽減を図ることで市場拡大につながる可能性が非常に高 いことから、中国やロシアなどにおいて、更なる訪日査証制度の緩和を推進 すること。 ◆ 観光分野の国際競争力を強化し、国が進める観光立国実現を図るため、本 道が持つ優位性や潜在力を生かすことのできる統合型リゾート(IR)の整 備推進に向けた制度上の措置を講ずること。 - 2 - <本道における広域観光周遊ルート> 「日本のてっぺん。きた北海道ルート。」 【H28.6認定】 「きた北海道」とインバウンドの一大拠点「札 幌」「旭川」をつなぎ、国が目指すインバウンド 誘致4,000万人の一翼を担い、観光先進国化 に貢献する。 「アジアの宝 悠久の自然美への道 ひがし北・海・道」 【H27.6認定】 「富良野・美瑛観光圏」、「水のカムイ観光圏」、 「シーニックバイウェイ北海道」と受入観光整 備・滞在コンテンツの充実などに向けて、密接 な連携・協働を図る。 <日本版DMO形成・確立に向けた支援制度のイメージ> 国 <ビザ発給要件緩和措置状況> 地方 総合的な財政支援 ○ビザ発給免除国(アジア) ◆地域の多様な関係者との 協力体制の構築 ◆戦略策定のための基本的 なデータの収集・分析 形成・確立 支援 (年度) タイ、インドネシア、ブルネイ 登録 DMOを形成しようとしている地域など <訪日外国人来道者(実人数)の推移> 韓国、台湾、香港、シンガポール、 マレーシア、マカオ [15日以内] 日本版DMO候補法人 ◆効果的なブランディングや プロモーション手法の検討 ◆人材育成に対する支援 など [90日以内] 日本版DMO ○ビザ発給国(アジア) 中国、ベトナム、フィリピン、インド など 3 アジア・ロシア極東地域との経済交流の拡大と海外への魅力の発信 (内閣府、外務省、経済産業省) アジアなどの成長力を本道に取り込んでいくためには、寒冷地技術や環境技 術など先進的な産業技術を活かした中小企業の海外展開やロシア極東地域との 経済交流の拡大を図るとともに、北海道ならではの豊かな自然環境や食、文化 といった魅力を海外に発信していくことが重要であることから、これらに関連 する地域の先導的な取組に対して、国の積極的な支援が必要である。 【提案・要望事項】 ○ 「クールHOKKAIDO」の取組(ローカル版クールジャパン)への支 援の強化(内閣府、経済産業省) ○ 中小企業等の海外展開を促す取組への支援の充実(経済産業省) ○ 日露経済交流促進に向けた地域が主体となる課題解決貢献型の経済交流事 業への支援の充実(外務省、経済産業省) ○ 健康関連分野に係る海外との交流促進に対する支援(外務省、経済産業省) 【提案・要望の内容】 ◆ 道では、様々な分野の関係者との重層的なネットワークを広げ、各種メデ ィアを戦略的に活用して、自然、食、文化、産業など本道の魅力や強みを丸 ごと世界に売り込む「クールHOKKAIDO」を推進し、輸出はもとよ り、技術交流や誘客、交通ネットワークの拡大など、海外市場の成長力を本 道に取り込んでいるところである。 本道の雄大な自然や豊かな道産食品などは、我が国の中でもとりわけアジ アの新興国に訴求力が高いことから、クールジャパン関連施策において、地 域の先導的な取組(ローカル版クールジャパン)に対して積極的な支援を行 うこと。 ◆ アジアの成長力を本道経済に取り込むためには、道内中小企業等の海外に おける新市場進出が重要であり、食や観光に加え、寒冷地技術や省エネ技術 などあらゆる産業の強みを活用した輸出拡大・海外展開のための支援を充実 すること。 また、中小企業の自社の優れた技術を活かした海外展開を促進するために は、知的財産権の確保に関する国の財政措置を充実すること。 ◆ 道では、これまでの日露首脳会談における日本政府の経済外交に呼応し、 道とロシア極東地域との経済連携協力を積極的に進めているところである。 ロシア極東地域は、ロシアの中でも人口減少が大きく、インフラの整備も 遅れていることから、社会的課題の解決をきっかけとしたビジネス参入の可 能性が大きい。 このため、我が国との経済交流における地理的優位性を考慮し、地方が主 体となってロシア極東地域の社会的課題解決に貢献する事業に対する支援を 充実すること。 ◆ 北海道とロシア極東地域との「医療技術の向上」に資する健康関連分野の 交流促進のため、国において地域における官民一体となった健康関連分野の 展開を行う組織の創設と運営支援を行うこと。 また、地方自治体及び公設試、大学、健康関連企業等が連携した技術交流 の取組に対する財政支援をすること。 - 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