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みずほ信託銀行の流動化マザーファンドB受益権に格付け

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みずほ信託銀行の流動化マザーファンドB受益権に格付け
NEWS RELEASE
No.2007-C-141
2007年2月16日
【新規格付け】
指定金銭信託(合同・流動化商品マザー口)
<B受益権>[愛称:スーパーハイウェイ]:AAA
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付けを公表しました。
【案件の概要】
本件は、みずほ信託銀行が受託し管理運営する指定金銭信託(合同・流動化商品マザー口)の B 受益
権に対する格付けである。本件は、一般的な証券化商品とは異なり、裏付け資産が固定化されていない。
合同指定金銭信託の受託者であるみずほ信託銀行が、運用方針に従って計画的に裏付け資産となる証券
化商品を組み入れ、その資産規模に応じて新たな信託受益権を発行する構造となっている。
【格付け対象】
案件の名称
金額
通貨
クーポン・タイプ
利率
裏付け資産
劣後比率
信託期間
償還方法
信託終了日
信用補完
流動性補完
格付け
備考
指定金銭信託(合同・流動化商品マザー口)<B 受益権>
[愛称:スーパーハイウェイ]
信託期間が 2 年以内の契約は原則 3 億円以上で随時信託設定
信託期間が 2 年超の契約は原則 1 億円以上で随時信託設定
日本円
固定
個別契約ごとに予定配当率を設定
組み入れ時に R&I による最上級の格付け(長期AAA、
短期a-1+)が付与されている証券化商品
0%
1 カ月から 5 年の範囲内で随時信託設定される
満期一括償還
①信託期間の満了日
②強制終了となった場合は、一括償還日または残余財産に属す
る金銭の最終交付日
③信託約款の変更時に、受益者が異議を述べた場合の全部解約
超過収益
現金準備
AAA
格付けは信託終了日までに B 受益権の元本が全額償還され、
期日通りに予定配当率に基づく配当が支払われる可能性を評
している。
【案件の仕組み】
本件は、一般的な証券化商品とは異なり、裏付け資産が固定化されていない。合同運用指定金銭信託
の受託者であるみずほ信託銀行が、運用方針に基づき計画的に裏付け資産となる証券化商品を組み入れ
るとともに、その資産規模に応じた信託受益権(A 受益権、B 受益権および C 受益権)を発行している。
スキーム図のように A 受益権、C 受益権、および、格付け対象である B 受益権を発行することで委託
者兼受益者から資金調達を行い、その資金を裏付け資産(指定金銭信託受益権や金銭債権信託受益権な
ど)に投資する構造となっている。また、金利変動リスクをヘッジする目的でみずほ信託銀行(銀行勘
定)をカウンターパーティーとする金利スワップ取引を行っている。本件は、みずほ信託銀行における
中核をなすビジネスである。
●お問い合わせ先
株式
会社
格付投資情報センター
SF本部
〒103-0027 東京都中央区日本橋 1-4-1 日本橋一丁目ビルディング
TEL.03-3276-3406・3428 FAX.03-3276-3429 http://www.r-i.co.jp E-mail [email protected]
格付けは、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務(債券やローンなど)の支払いの確実性(信用力)に対するR&Iの意見を、一定の符号で投資家に投資情報として提供するものであり、
債券やコマーシャルペーパーなどの売買・保有を推奨するものではありません。格付けは信頼すべき情報に基づいたR&Iの意見であり、その正確性及び完全性は必ずしも保証されてはいません。格付けは原則として
発行者から対価を受領して実施したものです。
©Rating and Investment Information, Inc.
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NEWS RELEASE
【スキーム図】
指定金銭信託(合同・流動化商品マザー口)
元本償還
配当
A受益権
金銭債権信託等
裏付け資産
購入代金
証券化商品など
元本償還
配当
※取得時格付け
AAA
ベビー
ファンド
元本償還
配当
投資家
購入代金
投資家(法人)
B受益権
購入代金
元本償還
配当
投資家
C受益権
余資
変
動
購入代金
固
定
固
定
変
動
金利スワップ
みずほ信託銀行(銀行勘定)
【格付けの理由】
案件の仕組みに記載の通り、本件は、一般的な証券化商品とは異なり、裏付け資産が固定化されてい
ない。合同運用指定金銭信託の受託者であるみずほ信託銀行が、運用方針に基づき計画的に裏付け資産
となる証券化商品を組み入れ、その資産規模に応じて信託受益権(A 受益権、B 受益権および C 受益権)
を発行することでバランスとキャッシュフローを管理している。
そのような仕組みを勘案すると、格付け対象となる B 受益権の元本金額と予定配当率相当額が毀損す
る事象は以下の 2 つであると R&I では考えている。
事象1:信託の設定・解約にともなう資金繰りがうまくいかないとき。
事象2:裏付け資産からの元利金の減少。特に以下の事象が生じたとき。
(1)裏付け資産の信用力悪化にともなう損失。
(2)裏付け資産のサービサー破綻による一時的な配当金の減少。
R&I は事象1および事象2が発生する可能性を評価し、信託終了日までに B 受益権の元本が全額償還
され、期日通りに予定配当率に基づく配当が支払われる可能性を AAA と判断した。
1.信託の設定・解約にともなう資金繰り
R&I は、2002 年 1 月 18 日、格付け対象である B 受益権にファンド信用格付け「AAA fc」を付与し、
その後の定期的なモニタリングの結果、現在まで格付け「AAA fc」を維持し続けている。R&I では、ポ
ートフォリオを構成する資産の平均格付けをもとに、ファンドの運用方針、コンプライアンス体制、各
種リスク管理、運営手続きなどの定性的要因を考慮してファンド信用格付けを決定する。B 受益権のフ
ァンド信用格付けにあたっては、特に、十分な余資を確保することで信託の設定・解約にともなう資金
繰りが適切に行われていることを評価している。
B 受益権に付与されたファンド信用格付け「AAA fc」などにより、信託の設定・解約にともなう資金
繰りの管理が、B 受益権の格付けを「AAA」とするのに十分であると判断した。
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格付けは、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務(債券やローンなど)の支払いの確実性(信用力)に対するR&Iの意見を、一定の符号で投資家に投資情報として提供するものであり、
債券やコマーシャルペーパーなどの売買・保有を推奨するものではありません。格付けは信頼すべき情報に基づいたR&Iの意見であり、その正確性及び完全性は必ずしも保証されてはいません。格付けは原則として
発行者から対価を受領して実施したものです。
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NEWS RELEASE
ファンド信用格付けの概要および B 受益権のファンド信用格付けについての詳細は、以下を参照のこ
と。
http://www.r-i.co.jp/toushin/bond/about.html
http://www.r-i.co.jp/toushin/bond/mizuho_m1.html
2.裏付け資産の元利金の減少
R&I のファンド信用格付けが「AAA fc」であることは、ファンドの運用資産の平均格付けが「AAA」
以上の水準であることを意味する。つまり、ファンドの期待損失率が「AAA」以上ということになるが、
それは、運用資産の信用力の悪化などによるファンドの元本減少や予定配当率の未達成の可能性を評価
した結果が「AAA」ということを意味しない。したがって、B 受益権に「AAA」の格付けを付与するに
は、裏付け資産の元利金の減少が、B 受益権の元本および予定配当金額の支払いに与える影響について
検討する必要がある。
(1)裏付け資産の信用力悪化にともなう損失
受託者であるみずほ信託銀行は、A 受益権、C 受益権、および、格付け対象の B 受益権の委託者兼
受益者(投資家)が設定する金銭により裏付け資産(主に証券化商品)を購入する。その裏付け資産
を保有することで得られる配当収入および余資運用収入で、投資家にあらかじめ定められた予定配当
率に基づき計算される配当金を支払う。その際、それら裏付け資産の固有のリスクから生じる損失な
どについて余裕をもって管理運営を行っている。
受託者は R&I の格付けで AAA の証券化商品を裏付け資産として購入し、満期まで保有することを
基本方針としている。ただし、裏付け資産の格付けが AAA 未満に格下げされた場合には、当該裏付
け資産の保有により得られる受益者の利益と売却により得られる受益者の利益を適切に判断した上
で、受益者にとって有益な判断を行う。その判断において、当該裏付け資産を売却する方が受益者に
とって有益であると判断した場合には売却し、当該資産を保有することで将来顕在化する可能性のあ
るパフォーマンスの悪化(デフォルトなど)を回避する。その際、売却損が発生する可能性があるも
のの、売却損が生じても予定配当率を達成できる範囲内で売却を実施する方針である。
R&I は、現状の裏付け資産が R&I が格付けした証券化商品であり、その信用力が AAA と高いこと、
回収率が高いと想定できる証券化商品であること、および、一般的に証券化商品は時間の経過ととも
に信用力が改善する傾向にあることなどを勘案し、受託者の方針の実現可能性は高いものと判断した。
(2)裏付け資産のサービサー破綻による一時的な配当金の減少
裏付け資産の証券化商品の中には、予定配当率を明示せず、サービサーが回収した収益金に応じて
実績配当する商品が含まれる。これらの商品は、サービサー破綻時に回収が一時的に滞っても回収が
正常化したときに滞留していた収益金を受け取る仕組みになっている。したがって、このような商品
のサービサーが破綻した場合、裏付け資産の受取配当が一時的に減少する可能性がある。その受取配
当の減少の程度によっては、B 受益権の予定配当率を達成できない可能性がある。そのリスクに対応
するため、受託者は、裏付け資産の中で、サービサー破綻時に受取配当の減少が最も大きい資産につ
いて、回収金の引渡しが 4 カ月間滞る想定のシミュレーションを行い、新規に発行する受益権の予定
配当率を調整することなどにより、ファンドの超過収益の範囲内で受取配当の減少分を吸収できるこ
とを確認している。
R&I はこのような受託者として管理運営姿勢により、B 受益権の予定配当率に基づく配当の支払い
が期日通りに行えるものと判断した。
【裏付け資産の内容】
現時点での裏付け資産は、自動車ローンやショッピング債権、手形債権などを裏付けとした月次パス
スルー型の証券化商品である。これらの裏付け資産は、現状、ファンドに組み入れる時点において R&I
から AAA 格の格付けを付与されたものとなっている。
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債券やコマーシャルペーパーなどの売買・保有を推奨するものではありません。格付けは信頼すべき情報に基づいたR&Iの意見であり、その正確性及び完全性は必ずしも保証されてはいません。格付けは原則として
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