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Title 高速測光法を利用した分光分析システム
Title Author(s) 高速測光法を利用した分光分析システムに関する研究 荒木, 勉 Citation Issue Date Text Version ETD URL http://hdl.handle.net/11094/480 DOI Rights Osaka University 目 緒 次 論1 第1章 光 電 子 増 倍 管 ダ イ ノ ー サ ド制 御 法 を 用 い た ン プ リ ン グ 型 高 速 時 間 分 解 分 光 測 光 装 置 の 性 能 向 上 に 関 す る 研 究 1.1.緒 言3 1・2・ 光 電 子 増 倍 管 内 部 ゲ ー ト 法 の 概 要4 13・ 高 精 度 タ イ ミ ン グ 制 御 装 置 の 試 作6 1.4・ 1・5.偶 i.3.1.装 置 の 概 要 と構 成6 i.3.2.装 置 の詳 細9 発 光 ダ イ オ ー ド を 用 い た テ ス ト 用 パ ル ス 光 源 の 試 作13 i.4.1.ナ ノ秒 パ ル ス 光 源14 1.4.2,二 色 パ ル ス光 源15 数 番 ダ イ ノー 正.5.1.光 ド遅 延 制 御 方 式 に よ る 分 解 時 間 の 短 縮 … …i6 電 子 増 倍 管 利 得 制 御 特 性i6 1・5・2・遅 延 制 御 ゲ ー ト回 路18 1・6・ 1.7.結 1.5.3.制 御 特 性 の 評 価23 1.5.4.今 後 の 発 展28 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド信 号 補 償 用 ボ ッ ク ス カ ー 積 分 器 の 試 作 i.6.1.動 作 原 理 と構 成29 1.6.2.装 置 の 詳 細31 1.6.3.バ ヅク グ ラ ン ド信 号 の 補 償32 言33 i … …29 第2章 多 チ ャネ ル統 計 的 サ ンプ リング型 ナ ノ 秒 測 光 装 置 の 試 作' 2.1.諸 言36 2。2.光 子 計 数 方 式 に よ る搾 間 分 解 測 光 装 置 の 概 要37 2.3.多 チ ャ ネ ル 同 時 検 出 方 式 ナ ノ 秒 測 光 装 置 の 試 作40 2.4.多 2.5.結 第3章 2.3.1.動 作 原 理 と構 成40 2.3.2.装 置 の 詳 細43 2.3.3.装 置 性 能 の評 価50 2.3.4.け い 光 寿 命 測 定 へ の 応 用53 チ ャ ネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ ト ロ ン の 試 作54 2.4.1.動 作 原 理 と構 成 丶54 2.4.2.装 置 の 詳 細57 2.4.3.装 置 性 能 の 評 価65 2.4.4.時 間分 解 け い 光 ス ペ ク トル 測 定 へ の 応 用66 言70 高 速 パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ の 過 渡 発 光 特 性 の 測 定 と 解 析 5.1.緒 言72 5.2.原 子 吸 光 分 析73 3.3ホ ロ カ ソー ド ラ ン プ 駆 動 回 路76 -u一 3.4.測 定 系'78 3.4.1.測 光 光 学 系78 3.4,2.波 長 分 解 能79 3・4・3・ ア ナ ロ グ方 式 サ ン プ リン グ型 時 間 分 解 測 光 装 置80 3.4・4・ 光 子 計 数 方 式 サ ン プ リ ン グ型 時 間 分 解 測 光 装 置82 ろ.5.ホ 。カソー ドランプの過灘 3.5.1.パ ル ス発 光 強 度 波 形86 3.5.2,安 定 時 間89 3,5.3.時 間分 解 ス ペ ク トル90 3.5.4.分 析 線 プ ロ フ ィル92 3.6.結 第4章 光鍵 專ゾ 芝 言98 高 速 パ ル ス 動 作t口 力 ソ ー ド ラ ン プ の 原 子 吸 光 分 析 へ の 応 用(1) (高 4.1.緒 4.2.時 4.b.分 言100 閤 勞 解 測 光 型 原 子 吸 光 分 析 装 置100 析 装 置 の 評 価lo3 4.3.Z.主 波長 シフ ト 4.3.2.分 析 線 プ ロ フ ィ ル と検 量 線105 4.3.3.SN比 4.3.4.近 4.4.結 輝 度 発 光 線 に よ るSN比 臼103 の 改 善106 接 線 の 抑 制109 言II2 -m一 の 改 善) 、6 第5章 高 速 パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ の原 子 吸 光 分 析 へ の 応 用(II) (時 5.1.緒 言113 5.2.バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の 補 正 法i14 5.5.時 間 分 解 測 光 型 二 波 長 原 子 吸 光 分 析 装 置 の 試 作ll7 5,3.1.動 作原 理117 5.3.2.装 置構 成 の概要118 5.3.3.装 置 の詳細120 5.4.二 波 長 の 選 択 と 分 離i23 5.5.バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の 補 正129 5.6.結 測 定 謝 間分 解 測 光 型二 波長 原 子 吸 光 分析 装 置 の 試 作 言133 ・記 録 装 置 一 覧'135 辞136 関 連 発 表 論 文137 参 考 文 献138 -iiii一 ♪ 緒 論 従 来 よ り、 物 性 研 究 な どの 基 礎 分 野 か ら 定 性 ・定 量 分 析 な ど の 応 用 分 野 に 至 る ま で 分 光 測 光 技 術 は さ ま ざ ま な 形 で 用 い られ て き た が 、 そ の ほ と ん ど は 時 間 的 変 化 を 無 視 し た(測 定対 象が 時間 的に 不 変 か 、 あ る い は 変 動 す る も の で あ っ て も 時 間 的 に 平 均 化 さ れ た ス ペ ク トル を 対 象 と す る)い る静 的 分 光 測 光 で あ っ た.し わ ゆ か し近 年 種 々 の緩 和 機 構 の究 明 、 化 学 反 応 の 追 跡 、 中 間 生 成 物 の 分 析 な ど、 時 間 的 に 変 化 す る 現 象 の 分 光 学 的 研 究 が 注 目 さ れ 、 そ の 観 測 手 段 と して 種 々 の 高 速 測 光 法 が 開発 さ れ 、 一 部 実 用 に 供 さ れ て い る.さ らに最 近 のエ レ ク トロニ クスの発達 や 高速 検 出器 の 出現 に よっ て 高 速 測 光 技 術 の 進 歩 が 著 し く助 長 さ れ た.そ れ と呼応 して次 々 と新 し く測定 対象が 現 わ れ、 現 在 で は 高 速 分 光 研 究 は 、物 理 、 化 学 あ る い は生 物 の 分 野 は じ め 、 医 学 、薬 学 な ど の 各 分 野 に お い て 必 要 不 可 欠 の も の とな り つ つ あ る。 動 的 測 光 法 の歴 史}姑 く、 す で に1900年 技 法 が 試 み られ て い る.そ にSh・ ・t・ ・Dに よっ て 流 し スペ ク ト・ レ写 真 の れ か ら現 在 に 至 る ま で の 間 に 数 多 く の 高 速 測 光 法 が 開発 され て き た が 、 そ の 中で も 特 に 重 要 な 情 報 が 多 く得 られ 、 実 用 性 の 高 い測 光 法 は 時 々 刻 々 変 化 す る スペ ク トル の 過 渡 状 態を 時 間 的 に 分 離 して 測 光 で き る いわ ゆ る 時 間 分 解 測 光 法 と 呼 ば れ る 手 法 で あ る.こ 解 測 光 法 は 測 光 方 式 に よつ て 高 速 時 間 掃 引 法2)∼10)、 長走 査 法17)∼27)、 の時 間 分 短 時 間 間 欠 霧 出 法11)∼16)、 高速波 お よび サ ソ プ リ ソ グ法 に 分 類 され る が 、 こ の う ち 本 研 究 で 一 貫 して 取 り扱 わ れ て い る 方 式 は サ ン プ リソ グ法 で あ る.サ ソ プ リ ソ グ法 は 検 出 器 と し て 光 電 検 出 器 を 用 い、 特 に 繰 り返 し再 現 さ れ る現 象 に っ い て の み 対 象 に で き る 方 式 で 、 繰 り返 し現 わ れ る 信 号 の 一 部 を 毎 回 サ ン プ ル し、 そ の 出 力 を 帯 域 幅 の 狭 い 電 気 系 で 処 理 した 後 、 表 示 記 録 系 へ 導 く も の で あ る.こ の よう に サ ン プ リ ソ グ法 は単 発 現 象 に は応 用 で き な い、 信 号 利 用 率 が 非 常 に 悪 い な ど の 欠 点 を 持 っ に も か か わ らず 、SN比 、 定 量 性 、 分 解 時 間 に す ぐれ 、 さ らに 時 間 分 野 ス ペ ク トル を ペ ン書 き レ コー ダ に よっ て 高 精 度 に 記 録 で き る な ど、 そ の 利 用 価 値 は極 め て 高 い. さ て 、 最 近 生 化 学 試 料 に 対 す る 分 光学 的 研 究 が とみ に 注 目 を 浴 び て きて い る が 、 そ の 場 合 当 然 の こ とな が ら非 固 定 試 料 す なわ ち 生 きた 状 態 の 試 料 を 観 測 す る こ と に 関 心 が 集 ま る.し か し、 生 物 発 光 は 極 め て 微 弱 で あ り、 また 、 吸 光 や け い 光 を 観 測 す る 場 合 、 照 射 エ ネ ル ギー に よ る 試 料 破 壊 や 変 質 を 防 ぐ た め 、 照 射 光 を 微 弱 化 す る措 置 を と る こ とが 多 く、 微 弱 光 に 対 処 し う る 高 感 度 測 光 装 置が 入 用 と な る.し た が っ て 、 生 化 学 試 料 を 対 象 と した 高 速 分 光 研 究 を 遂 行 す る た め に,は、 時 間 分 解 測 光 装 置 に は 高 速 性 と高 感 度 性 の 両 立 が 必 要 で あ る こ と は 言 う ま で も な い.に これ を 満 足 させ る も の は あ らわ れ て い な い の カ{実情 で あ る.こ もか か わ ら ず 、 い ま だ の よ う に 高 速 時 間 分 解 測 光 装 置 目体 未 確 立 で あ る た め 、 時 間 分 解 法 の 分 光 分 析 へ の 応 用 は ほ と ん どな さ れ て い な い.こ の よ うな背 景か ら著 者 は、 高速 測 光 法 を 利 用 した 分 光 分 析 シ ステ ム に 関 す る 研 究 を 行 な った 次 第 で あ る. -1一 本 論 文 は5っ の 章 か ら構 成 さ れ て い る.こ の う ち 第i章 で は高 速微 弱光 を 対象 とした 光電子 増倍 管 内 部 ゲ占 ト方 式 に よ る サ ン プ リ ソ グ型 時 間 分 解 測 光 装 置 の 時 間 分 解 能 向 上 とSN比 研 究 結 果 を 中 心 に 述 ぺ る.こ 改 善に 関す る こ で の 研 究 細 目 は サ ソ プ リ ン グ型 高 速 測 光 シ ス テ ム の 試 作 、 テ ス ト用 ナ ノ秒 パ ル ス光 源 の 試 作 、 偶 数 番 ダ イ ォー ド遅 延 餓 御 方 式 に よ る 分 解 時 間 の 短 縮 お よ びパ ッ ク グ ラ ウ ソ ド信 号 補 償 用 ボ ッ ク ス カー 積 分 器 の 試 作 で あ る.な お 、 こ の ボ ッ ク ス カー 積 分 器 は第3章 、第 4章 で 言 及 す る 研 究 で も 応 用 さ れ て い る. 第2章 で は 目 的 を 極 微 弱 光 に 対 す る 高 能 率 高 速 測 光 に 置 き、 シ ン グ ル チ ャ ネ ル で あ る た め 信 号 利 用 率 が 極 め て 悪 か っ た 遅 延 一 致 装 置 の 多 チ ャ ネ ル 化 と、 コ ン ピ ュー タ援 用 に よ る 測 定 の 自 動 化 に 関 す る研 究 結 果 を 中 心 に 述 べ る.上 記の 目 的 を 達 成 す る た め 、 単 一 線 路 ク ロ ノ ト ロ ンと バー ニ ア ク ロ ノ トロ ンを そ れ ぞ れ 原 形 と し た2種 の 多 チ ャ ネ ル 光 子 計 数 装 置 を 試 作 し、ま た こ の よ う に 高 能 率 化 され た 装 置 に よっ て 今 ま で 困 難 と さ れ て い た ナ ノ秒 極 微 弱 け い 光 の 時 間 分 解 ス ベ ク トル の 測 定 を 行 な っ た. 以 上 は 主 眼 を 高 速 測 光 装 置 の 性 能 向 上 に 置 い た も の で あ る が 、 そ れ に 対 し て 第3章 以 降で は サ ン プ リ ン グ型 高 速 測 光 法 の 分 光 分 析 へ の 積 極 的 な 応 用 と い う こ と に 重 点 を 置 き、 パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソ ー ドラ ソ プ に よ る原 子 吸 光 分 光 分 析 の 性 能 向 上 に 関 す る一 連 の 研 究 成 果 を 中 心 に 記 述 す る. こ の う ち 第3章 で は 原 子 吸 光 分 光 分 析 用 光 源 で あ る ホ ロ カ ソー ドラ ン プ を 高 速 大 電 流 パ ル スで 駆 動 した 時 に 得 られ る 高 輝 度 過 渡 発 光 線 の 強 度 変 化 や 線 プ ロ フ ィル の 推 移 な ど動 的 な特 性 を 時 間分 解 分 光 測 光 装 置 に よ っ て 詳 細 に 測 定 した 結 果 と そ の 解 析 に っ い て 述 べ る. 第4章 SN比 で は、 第3章 で 得 た 基 礎 的 デー タ を も と に パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソー ドラ ン プ使 用 時 に お け る お よ び測 定 感 度 向 上 に っ いて 言 及 す る.そ こで は 実 際 に 時 間 分 解 測 光 型 原 子 吸 光 分 析 装 置 に ,/ よって吸光 分析 を遂 行 し、実用 面 か らの評 価 を行 っ て いる。 第5章 で は高 感度 原 子 吸光 分析 にお いて 非常 に大 きな問 題 とな るパ ック グ ラウ ソ ド吸収 の影 響 を 補 正 し、高 精度 の分析が 遂行 で きる時 間分 解測 光型 二 波長 原子 吸光 分析 装 置の 試作 に 関 して詳 述す る.従 来 の静 的 な分光 法 の概念 で は二 波長 の分 離 は光学 的 な分 散素 子に 依 らね ば実現 し得 なか った が、 こ こで は、 時 間分 解法 に よ って 二 波長 分離 を 行な って いる.こ の方 式 は高 速測 光法 の 応用 面で の一 っ の方 向を示 した もの とい え よう. な お、巻 末 に は本 実験 を行 な うに あた り使 用 した測 定器 の一 覧を 示 した.こ こに示 した 以外 の測 定 器や 光学 部 品 な どにっ いて は使 用の っ ど本 文 中に型 式名 を記 載 した. -2一 第1章 1.1.緒 光 雷 子 増 倍 い た サ ン プ 光 測 光 装 置 管 ダ イ ノ ー リ ン グ 型 高 速 能 向 上 に の 性 ド 制 御 法 を 用 時 間 分 解 分 関 す る 研 究 言 一 般 に 高 速 発 光 現 象 の 観 測 で は 過 度 光 を光 電 検 出 器 で検 知 し 、 そ の 出 力 を 高 速 オ シ ロ ス コー プ上 に 表 示 す る と い う方 法 が よ く用 い られ る。 こ の 方式 に 訟 け る電 気 信 号 伝 達 系 は 検 出器 とそ の 出 力 回 路 、 伝 送 ケ ーブル 、広 帯 域 増 幅 器 、 ブ ラ ウン 管fzど か ら な る が 、 系 全 体 の 総 合 特 性 は 検 出 器 自体 の 利 得 、 周 波 数 特 性 、 雑 音、 波 長 特 性 を は じ め 検 出 器 出 力 回 路 な ら び に 増 幅 系 の 周 波 数 特 性 、 イ ン ピー ダ ンス 整 合 状 態 、 そ れ に ブ ラ ウ ン管 の 特 性 左 ど の 集 積 と し て あ らわ さ れ る。 した が って 、 現 象 が 高 速 に な れ ば そ れ に 応 じて 測 定 系 の 周 波 数 帯 域 幅 を広 くす る必 要 が あ る こ とは も ち ろ ん の こ と で あ る が 、 そ れ と 同時 に 測 定 系 各 部 の 結 合 部 に つ い て も細 心 の 注 意 を 払 わ ねば な ら左 し ∼ し か し な が ら 現 象 自体 が 一 定 周 期 で 繰 り返 し 再 現 さ れ る 場 合 に は サ ン プt)ン グ測 光 法 を 採 用 す る こ と に よ り、 比 較 的 容 易 に高 速 測 光 が 遂 行 で き る28)。 こ の 方 式 は 現 象 の 各 周期 毎 に 信 号 波 形 上 の 一 点 を サ ン プ リ ン グ し、 そ の サ ン プ ル 点 の 位 相 を順 次 移 動 さ せ る こ とに よ り、 波 形 自体 を狭 い 帯 域 幅 を もつ 測 定 系 を 介 し て 再 現 し よ うと い う もの で あ る。 した が っ て、 測 定 系 固 有 の 雑 音 の み な らず パ ル ス 放 電 な ど に と もな う高 周 波 雑 音 の 混 入 す る要 素 が 少 な く左 り、 ま た 測 定 系 各部 の 結 合 が容 易 に な る な どSN比 の 点 で 、 微 弱 光 の 測 定 に は 極 め て 有 利 で あ るcま た 上 記 の ほ か 、 表 示 ・記mペ ン書 き レ コ ー ダ を 使 用 で き る た め 波 形 解 析 が 容 易 に な る点 、 あ るい は サ ン プ リン グ パ ル ス の 位相 を 固 定 し て 波 長 走 査 を 行 な う こ と に よ り時 間 分 解 ス ペ ク トル の 記 録 で き る 点 な ど大 き左 特 長 が あ る。 し か し 欠 点 と し て は 対 象 が繰 り返 し現 象 に限 られ る こ と、 検 出 器 内 部 ゲ ー ト方 式 を 用 い る場 合 に測 定 波 長域 が 可 視 、 紫 外 に 限 られ る こ と、 澄 よ び 信 号 利 用 率 が 分 解 時 間 の 短 縮 と と もに 非 常 に 悪 くな る こ とな ど で あ る。 サ ン プ リ ン グ 法 は サ ン プ リン グ を 測 定 系 の ど の部 分 で 行 な うか に よ り、 さ ら に 分 類 す る こ と が で き る。 原 理 か ら 考 え て サ ン プ リ ン グ動 作 は で き る だ け 系 の 入 力 側 で行 な う こ と が 望 ま しい が 、 光 束 自 体 を電 気 光 学 素 子 な ど の 高 速 シ ヤ ・タ ー で サ ン プ ル す る 方 法 は装 置 が 複 雑 化 す る こ とに 問 題 が あ る 。 そ の 点 、 最 も よ く使 わ れ るの は サ ン プ リン グ オ シ ロス コ ー プ に よ り光 電 検 出 器 出 力 を サ ン プ リ ン グ す る方 法 と、 検 出器 と して 光 電 子 増 倍 管 を 用 い て そ れ 自体 に ゲ ー ト作 用 を持 た せ る 光 電 子 増 倍 管 内部 ゲ ー ト方 式 で あ る。 前 者 は す べ て を市 販 品 で 構 成 で き る の で 便 利 で あ る が 、 サ ン プ リン グ へ ッ ド自体 の 分 解 能 は サ ブ ナ ノ秒 ・ ま で 可 能 で あ る に もか か わ らず シス テ ム全 体 と し て み た 場 合 、 分 解 時 間 は 検 出 器 の 応 答 性 あ る い は迷 容 量 に よ っ て 制 限 を受 け る 点 、 ま た 検 出 器 か ら サ ン プ リ ン グ オ シ ロ ス コ ー プ ま で の 信 号 送 信 中 に高 周 波 雑 音 の 混 入 を 受 け や す い 点 友 ど に 注 意 を要 す る 。 そ れ に 対 し 一3一 一 て後 老で は今 の と ころ高 分解 の もの は市 販 され てお らず 、 目的に応 じて 製作 す る必 要 が あ るが、前 者 に 比 べ てサ ン プ リング動作 を よ り系 の入 力側 で行 左 ってい るた め、 高 周波 雑音 混 入 が少 左 く、 ま た光 電子 増倍 管 の出 力負 荷抵 抗 を大 き くとれ るの で、微 弱 光 の測 定 には極 めて 有利 とな る。 しかし 分 解時 間 が光電 子 増倍 管の2次 電 子 走 行時 間 広 炉 りの領 域 に近 づ くと利得 の激減 や観 測 波 形歪 な ど を生 じや す く、 この 点 の 克服 が切 望 さ れて い た。 それ と同 時 に装 置 の特性 を評価 す る ため の手軽 な テ ス ト用 ナ ノ秒 パ ルス光 源 の 出現 が待 たれ てい た。 著 者 は この よ うな背景 か ら、 一 連 のサ ン プ リング型 時間 分 解 分光測 光 シス テ ムの性 能 向上 に関 し て 、 特 に光電 子 増 倍管 内部 ゲ ー ト法 の時 間 分 解 能向上 とSN比 者 が醗 した新 し就 電 子騰 行 電 子 同 期 法3°)31)碓 1.8nsecま 管 ゲー ・法 は、従 来 よ りあ る騰 能 を合 わせ て持 つ偶数 翻 の改 善 を中心 に研 究 を行 左 った。著 翻 イ・一 洞 時 制御 法29)と 走 イ ノ ー ド遅 延 制 御 方 式 で あ り、 極 く騨 に で の 時 間 分 解 が 高 利 得 、 無 歪 で 達 成 で き、 し か も分 解 時 間 は 可 変 で あ る こ と が主 な 特 長 で あ る。 ま た サ ン プ リン グ の 繰 り返 し 周 波 数 に 関 して 従 来 の 内 部 ゲー ト回 路 で は 、 パ ル ス 発 生 器 の 制 約 か ら高 分 解 測 光 時 に は 数10kHz以 上 の 動 作 が 困 難 で あ っ た が、 試 作 回 路 で はjoOkHz を 起 こ え もな お 安 定 に 動 作 す る。 さ らに 本 方 式 は じ め 、 部 分 ダ イ ノ ー ド制 御 方 式 の 共 通 し た 問 題 で あ った ゲ ー トオ フ時 の 光 電 流 リー ク に 対 して は 、 そ の 補 償 を 目 的 と し た専 用 の ダ ブ ル ボ ック ス カー 積 分 器 を試 作 し 、 ゲ ー テ ィン グ光 電 子 増 倍 管 シ ス テ ム と 併 用 す る こ と に よ って 、 光 電 流 リー ク を含 め た バ ック グ ラ ウ ン ドの完 全 左 る 除 去 を行 な って い る。 し た が っ てバ ックグ ラ ウン ド混 入 の た め 、 高 時 間 分 解 測 光 時 に と か くSN比 が 悪 化 し が ち で あ っ た 時 間 分 解 ス ペ ク トル の 測 定 が 極 め て 高精 度 に 遂 行 で き る よ うに な った 。 ま た 以 上 の 特 性 を 評 価 す る た め の テ ス ト用 光 源 と し て 発 光 ダ イオ ー ドを 用 い た ナ ノ 秒 パ ル ス 光 源 を 試 作 した 。 こ の 光 源 の 発 光 時 間 幅 は1.4nsecで の 纔 り返 し 動 作 が可 能 で 、 し か も小 型 、 か つ250V程 あ り、100kHz以 上 度 の 比 較 的 低 供 給 電 圧 で作 動 可 能 で あ る と い う数 々 の 特 長 を も つ 。 本 章 で は は じ め に 光 電 子 増 倍 管 内 部 ゲ ー ト法 の 概 要 に 触 れ ・ 続 い て 実 際 の装 置 に つ い て 述 べ て ゆ く。 1.2.光 電 子 増 倍 管 内 部 ゲ ー ト法 の 概 要 光 電 子 増 倍 管 内 部 ゲ ー ト方 式 の 特 長 は 次 の5点 で あ,る。 (1、 検 出 器 出 力 側 の 浮 遊 容 量 、 浮 遊 イ ン ダ ク タ ンス の 影 響 や イ ン ピー ダ ンス 整 合 の 制 限 左 ど に わ ず らわ さ れ る こ と な く、 検 出 器 出 力 を 高 負 荷 抵 抗 を 介 し て 能 率 よ く取 り 出 し得 る。 (2)サ ン プ リ ン グ 部 が 検 出 器 内部 で あ る た め 、 そ の 出 力 は 直 接 狭 帯 域 測 定 系 に接 続 で き る。 した が って 高 周 波 の 内部 雑 音 あ るい は 誘 導 雑 音 を 著 し く軽 減 で き る。 (3、 検 出器 出 力 を 直接 広 帯 域 増 幅 器 に結 合 す る場 合 、 過 渡 現 象 終 了 近 くの 出 力 の 測 定 に 際 し・ 前 一4一 に あ らわ れ た信 号 で 増 幅 器 が 飽 和 し て不 感 時 間 を生 じ る こ と が あ る が 、 これ を避 け る こ と が で き る。 (4、 検 出 器 の 動 作 時 間 が 短 か い の で 暗 電 流 の 影響 を軽 減 で き、 さ らに 過 電 圧 状 態 で 用 い て 感 度 増 加 が 可 能 で あ る。 (51増 倍 管 の2次 電 子 走 行 時 間 の 広 が りを 制 御 しな が ら ゲ ー ト動 作 を行 な え ぱ 分 簸 時 間 の 短 縮 が 可 能 で あ る。 光 電 子 増 倍 管 内 部 ゲー ト方 式 は 制 御 方 法 に ょって 、 全 ダ イ ノー ド同 時 制 御 法32)、部 分 ダ イ ノー ド同 時 制 御 法29)・3$),36)、 制御 列 。 ドを持 つ 糲 子増儲 を用 い 砺 法37)∼39)、 の ・つに大 別 さ れ る 。 こ の うち 全 ダ イ ノー ド同 時 制 御 方 式 は 、 各 電 極 を 結 合 す る 電 圧供 給 用 分 圧 抵 抗 群 全 体 に 幅 の 狭 い 高 圧 パ ル ス を 加 え、 ゲー ト動 作 を行 な わ せ る も の で あ る。 こ の 方 式 で は 過 電 圧 状 態 で 増 倍 管 を 動 作 させ る こ と に よ り利 得 向 上 を 図 る こ とが で き る が 、 印 加 パ ルス 電 圧 に よ って 大 幅 に利 得 が 変 動 す る 点 、 ま た 幅 の狭 い 高 圧 パ ル ス を 発生 さ せ る こ と が 困 難 で あ る点 が 実 用 化 を 阻 ん で い る。 こ れ に対 し て 部 分 ダ イ ノー ド同 時 制 御 法 は1個 も し くは 数 個 の ダ イ ノ ー ドに バ イア ス を 加 え て 増 倍 管 を カ ・ トオ フ状 態 に し て 澄 き、 そ れ に比 較 的 低 圧 の 制 御 パ ル ス を 印 加 す る方 式 で あ る。 こ の 方 式 を 通 常 の サ イ ドウ イ ン ドウ タ イ プ の 光 電 子 増 倍 管 に適 用 す る場 合 、 偶 数 番 目 の ダ イ ノー ドを 同 時 に 制 御 す れ ば 良 好 な 結 果 が得 られ る と の 報 告 が な さ れ てX36)。 部 分 ダ イ ノー ド同 時 制 御 法 で は パ ル ス 発 生 器 の 製 作 が 比 較 的 容 易 で あ り、 ま た 印 加 パ ル ス 高 の 変 動 が 測 定 値 に 大 き く は 影 響 し な い と い う利 点 が あ るが 、 増 倍 管 を完 全 に は カ ッ トオ フ で きな い た め 、 ゲ ー1トオ フ時 で あ って も入 射 光 に 対 し て わ ず か に 漏 れ 信 号 電 流 が 出 力 さ れ る。 しか し、 これ は 後 述 の ボ ・ク ス カ ー 積 分 器 に ょ り完 全 に 補 償 で き る の で 重 大 な欠 陥 と は な らな い 。 制 御 グ リ ッ ドを持 つ 光 電 子 増 倍 管 を使 用 す る 方 法 で は、 増 倍 管 自体 ゲ ー ト動 作 の 目的 に か な う よ うに 設 計 さ れ て お り、 数Vか ら十 数Vの 制御 パ ルス に よ っ て 動 作 す るの で 使 用 は容 易 で あ る が、 光 電 子 増 倍 管 が 非 常 に 高 価 で あ るの が難 点 で あ る。 '以 上3つ の 方 式 いずれ の場 合 も 、分 解 時 間 は光 電 子 増 倍 管 内 の2次 電 子 走 行 時 間 の 広 が り に よ って 制 限 を受 け る。 し た が っ て 通 常 の サ イ ドウ イ ン ドウ タ イ ブ の もの を 使 用 し た場 合 、 最 小 分 解 時 間 は 3nsec前 後 となるが、 こ れ よ り分 解 時 間 を短 縮 す る に は 電 子 走 行 時 聞 の補 正 を し た 走 行 電 子 同 期 法 に よ らね ば な らな い 。 走 行 電 子 醐 法 はR.GB。 。n。tt37)に よ り〃 チ レ_タ ーの けい光 測 光 用 に 初 め て 用 い ら れ た もの で 、 増 倍 管 内電 子 走 行 と 同 期 して 順 次 ダ イ ノ ー ドを 制 御 す る 方 法 で あ る。 原 回 略 で は ダ イ ノー ト 群 を遅 延 ケ ー ブ ル で 結 合 す る こ と に よ り、 印 加 パ ル ス 伝 送 時 間 と2次 電 子 走 行 と を 同 期 さ せ 、1nsec前 後 の 分 解 時 間 を 達 成 して い る。 た だ 問 題 は、 遅 延 時 間 の 調 整 が 困 難 を 極 め る と ころ に あ る。 し か し こ の 点 は、 内 田 らX31)に よっ て 遅 延 時 間 の調 整 の 比 較 的 容 易PLC遅 延 回 路 が 用 い られ る に 至 り解 決 さ れ た 。 著 者 の 考 案 し た 偶 数 番 ダ イ ノー ド遅 延 制 御 方 式 は 、 偶 数 番 ダ イ ノ ー ドに 走 行2次 一 馳5一 電 子 と同 期 し た ゲ ー トパ ル ス を 印 加 す る もの で ・ 部 分 ダ イ ノ ー ド同時 制 御 方 式 と走 行 電 子 同 期 方 式 を 折 中 さ せ た 方 式 で あ る と い え る。 した が ってmと し て も、 前 老 の 製 作 の 容 易 さ 、 お よ び 後 者 の 高 時 間 分 解 特 性 を 兼 ね備 え て い る。 た だ し原 理 の 一 端 は 部 分 ダ イ ノー ド制 御 方 式 が 担 って い る た め 、 ケー トオ フ時 に 漏 れ 電 流 を生 じ る 欠 点 が あ る。 しか し こ の 点 は ボ ック ス カ ー 積 分 器 に よ る補 償 を 講 ず る こ と に よ り解 決 が な さ れ るの で 大 き左 問 題 とは な ら左 い 。 1.3.高 精 度 タ イ ミ ン グ 制 御 装 置 の 試 作 1.3:L装 置 の概 要 と構 成 サ ン プ1】ン グ 測 光 法 は 本 論 文 中一 貫 して 用 い られ る技 法 で あ り、 そ の 原 理 は 簡 潔 左 が ら、 こ れ に よ って も た ら さ れ る 利 点 は 前 述 の よ う に非 常 に 大 き く、 ま た 応 用 面 も多 岐 に わ た る。 こ こ で は 、 は じ め に サ ン プ リン グ 法 の 原 理 に つ い て 簡 単 に 説 明 す る 。 図1.1サ 図1.1は ン プ リン グ法 の原 理 原 理 を示 し た もの で 、 繰 り返 して 再 現 さ れ る信 号 波 形 上 の一 点 をdt時 間 サ ン プル して そ の 出 力 を狭 帯 域 信 号 処 理 系 へ 送 り込 み 、 チ ャー ト レ コー ダ 上 へ 記 録 させ て い る。 サ ン プ リン グ 時 刻tdを 図 の よ うにto,t亘 ・ … …tnと 逐 次 移 動 さ せ て 行 く と同 時 に 、 チ ャー トレ コー ダ のX軸 送 りを こ れ と 同 期 さ せ る ζ、 過 渡 光 の 時 間 変 化 が 正 確 に記 録 さ れ る。 ま た 分 光 器 を挿 入 し て・td を 固 定 した ま ー ま で 波 長 走 査 を行 な う と・ 時 刻tdに 雜 け る時 間 分 解 ス ペ ク トル が 得 ら れ る。 サ ン プ リン グ法 で は こ の 図 か ら もわ か る よ う に、 高 速 現 象 の 観 測 分 解 時 間 は4tそ の もめ と な り、1回 現 象 毎 に 」t時 間 の 情 報 の み を取 り出 す だ け で あ る た め 、 そ の 情 報 利 用 率 は 極 め て 低 い 瓜 一6一 の 繰 り返 し積 算 す れ ば 良 好 なSN比 図1.2け 図1.2は ∼ が 得 ら れ る。 い 光 観 測 用 サ ン プ リン グ 型 時 間 分 解 測 光 シス テ ム 、 け い 光 減 衰 波 形 観測 用 に 構 成 さ れ た試 作 時 間 分 解 測 光 シス テ ム の ブ ロ ック 図 で あ る。 一 殻 に サ ン プ リン グ 方式 を用 い た 高 速 分 光 測 光 装 置 の 電 気 系 は 大 別 し て、 タ イ ミ ン グ 系 、 サ ン プ リ ン グ系 、 澄 よ び 記 録 表 示 系 の3系 統 に 分 け ら れ る が、 この 中 で 最 も重 要 で 装 置 の{生能 を 決 定 づ け る 部 分 は 光 電 子 増 倍 管 を用 い た サ ン プ リン グ 系 で あ る。 ま た タ イ ミン グ系 は 光源 トリ ガ パ ル ス と サ ン プ リン グ パ ル ス の 時 間 関 係 を 正 確 に決 定 し、 さ らに 前 者 に 対 す る後 老 の パ ル ス 発 生 時 刻 を外 部 ま 之 は 内 部 制 御 に よ って 精 度 よ く 自 由 に遅 延 さ せ る機 能 を 持 つ 系 で あ・ り、 そ の 精 度 は 直 接 分 解 時 間 に 影 響 を 与 え る。 光 電 子 増 倍 管 内 部 ゲ ー ト方 式 を 用 い た ナ ノ 秒 サ ン プ リ ン グ系Vcつ い て の 詳 細 は(1.4)節 で述 べ る こ と に して 、 こ こ で は サ ン プ リン グ 系 の 能 力 を 十 分 に 引 き出 す べ く試作 さ れ た タ イ ミン グ制 御 装 置 に つ い て の 説 明 を 行 な う。 本 タ イ,ン グ制雛 置 は 以 前 内 田 ら29)に よ 。て 製 作 さ れ た もの を 原 形 と し て 、 こ れ を さ ら跡 型 、 か つ 高 精 度 化 し た もの で あ り、 ナ ノ 秒 か らマ イ ク ロ秒 領 域 に わ た る さ ま ざ ま な 過 渡 現 象 の測 定 に 適 用 で き、 加 うる に コ ン ピ ュー タ に よ る制 御 も可 能 な よ うに 設 計 さ れ て い る。 は じ め に装 置 の 諸 特 性 を表L1に 示 し て 診 く。 -7一 表Uタ Operation Light . 1, Frequency Source Trig. Operation Signal Mode 1.6, max. Out. max. 5 kHz rise time 2Ons)k 1 psec 50, 0.5, 100, 300 nsec, 1, 2, 3, 10, tHIGH(height TTL(height 1, min 20 60V, min. 5V, width 5, width 1ps) 30 psec 15ns, rise time 3ns)k 0 -,-5V transient time waveform delay measurement : auto scanning) resolved spectral measurement (time delay : manual) computer (time 図1.3は 3, 315V, width 300ns, 5V, width 1ps) (time ー 2, 1 psec tHIGH(height TTL(height PM Sampling Channel Fixed time delay Variable time delay scanning delay range auto scanning time Output pulse Delay 1.2, Channel Fixed time delay Output pulse Time イ ミン グ制御 装置 の性 能 controlled delay : measurement computer) 試 作 装 置 の タ イ ム図 を 示 し た もの で あ る。 装 置 全 体 の 繰 り返 し 周 波 数 を決 定 す る 主 パ ル ス 発 生 器 も し くは 外 部 パ ル ス 発 生 器 か らの 出 力 パ ル ス は2つ に 分 岐 され 、 光 源 ト リガ 用 の 固定 遅 延 回 路 と サ ン プi)ン グ パ ル ス 発 生 用 の 連 続 可 変 遅 延 回 路 に 同 時 に 入 る。 こ こで 固 定 遅 延 回 路 の 遅 延 時 間 は ポ テ ン シ ョ メー タ の 回 転 に 比 例 す る形 で 一 与 え られ ・ 手動 で1μsecま で の 値に 固定 で ノ き る。 一 方 、 可 変 遅 延 回路 は時 間 遅 延 操 作 を行 な う可 変 遅 延 部 と 固 定 遅 延 部 の2つ の 部 分 か ら成 ' h立 っ て い る。 この う ち可 変 遅 延 部 で は先 ほ ど の 固 定 遅 延 回 路 と 同 様 、 遅 延 時 間 が 手 動 で 連 続 的 に 可 変 で あ る ほ か、 別 に 設 け た パ ル ス 発 生 器 か ら の パ ル ス 列 をD/A変 換 器 に よ り連 続 的 に 上 昇 す る電 圧信 号 に 変 換 し 、この 電 圧 信 号 に 比 例 す る 形 で自動 的 に走 査 で きる。なお 、 この部 分 で の 可 変 遅延 時 間 域 お よ び走 査 時 間 は表1.1に 示 す よ うに6段 階 に切 り換 え られ る よ うに な っ て い る。 時 間遅延 走 査部 の 出力 パ ルス は さ らに 固 定 遅 延 部 に 入 力 さ れ こ こで1μsec 図1・3タ イ ミ ン グ制 御 装 置 各 部 の タ イム 図 -8一 ま で の 時 間 達 延 が 手 動 で 与 え られ る。 本 装 置 で は この よ うに、 光 源 ト リガ チ ャ ネル 、 サ ン プ リン グ チ ャ ネ ル に そ れ ぞ れ 独 立 の 固 定 遅 延 回 路 が 取 り付 け ら れ て い る た め 、 サ ン プ リン グパ 々 ス 発 生 時 刻 を光 源 ト リ ガパ ル ス 発 生 の 前 後 に 広 範 囲 に わ た って 自由 に 移 動 可 能 とな り、 現 象 の あ ら わ れ る 前 後 の 状 態 あ るい は 現 象 発 生 中 の特 定 の時 間 域 の 状 態 を 詳 細 に測 定 す る こ とが で き る。 光 源 トリ ガ チ ャネ ル の 最 終 段 に は、 ザ イ ラ トロ ン制 御 方 式 の け い光 励 起 用 パ ル ス 光 源 を ト リガ す る 目 的 で、 立 ち上 り時 間20nsec、 波 高315Vの 正 パ ル ス を発 生 さ せ る 回 路 が 設 け ら れ て V・ る。 ま た 、 サ ン プ リ ン グ チ ャネ ル め 最 終 段 に は 偶 数 番 ダ イ ノー ド制 御 用 の パ ル ス 発 生 回路 が付 属 して お り、509負 荷 に 対 し、 立 ち上 り時 間 、 立 ち 下 り時 間 と も3nsec,波 高60Vの 正パ ル ス を 発 生 さ せ て い る。 こ の パ ル ス を 偶 数 番 ダ イ ノー ド同 時 制御 回 路 へ 印 加 し た場 合 、 分 解 時 間 と して は 約3nsecが 時 は509の 祷 られ る(図1.21(B)を 参 照)。 こ れ よhも 長 い 分 解 時 間 が 必 要 な 同 軸 ケ ー ブ ル を外 蔀 コ ネ ク タ に 接 続 す る こ とに よ り制 御 パ ル ス 幅 を 伸 長 し、 目的 を 達 成 し て い る。 さ ら に 本 装 置 の 特 長 は 遅 延 時 間 の 走 査 を外 部 コ ン ピ ュ ー タ か らの 命 令 で 制 御 で き る こ と に あ る。 コ ン ピ ュー タ 制 御 寺に は 可 変 遅 延 時 間 域 を あ らか じめ 指 定 し た ス テ ップ 数 で デ ィ ジタ ル 的 に 走 査 さ せ る 方 式 が と られ る。 こ こ で 各 ス テ ップ を あ らか じめ コ ン ピ ュmメ き、 各 番 地 の メモ リにA/D変 モ リ番 地 に 対 応 さ せ て お 換 さ れ た光 電 出 力 信 号 を逐 次 記 憶 さ せ な が ら遅 延 時 間 走 査 を行 な え ぱ、 過 渡 発 光 波 形 の 時 間 変 化 が オ ン ラ イ ン で コ ン ピ ュー タ.に記 憶 さ れ る。 そ の うえ で必 要 な処 理 を 施 した 波 形 を 出 力 す れ ば、 極 め て 高 精 度 高 能 率 の 測 光 が 遂 行 で き る。 L32.装 置 の詳 細 ㈲ 主 パル ス発生 器 図1.4に 主 パ ル ス 発 生 器 の詳 細 を 示 す 。 本 装 置 の 繰 り返 し 周 波 数 は サ イ ラ トロ ンの駆 動 を 考慮 し て1kHz か ら2kHzの 間 を 特 に細 か く分 割 してい る。 (B)時 雕 延 回路 、 可 変 遅 延 、 固 定 遅 延 と も時 閻 遅 延 の原 理 は 同 じで あ り、 図1 。5に 示 し た 模 式 図 に よ って 動 作 が 説 明 さ れ る。 ま た実 際 の 回 路 も図1.6(A1,(B】 に 示 図1.4主 一9一 パ ルス パル ス発生 器 す よ うに そ の 基 本 構 成 に お い て は 何 等 か わ る と こ ろ は な い 。 遅 延 回 路 で は 主 パ ル ス も し くは 外 部 ト リ ガパ ル ス に ょ って ミ ラー 積 分 回 路 を駆 動 し 直 線 性 の す ぐれ た 鋸 歯 状 波 を 発 生 さ せ て い イ ナ ス 入 力 に 加 え る。 一 方 、 プ ラス 入 力 に は 、 あ らか じめ 定 め られ た参 照 電 圧 を 印 加 ナ る。 この よ うに し た 場 合 、 鋸 歯 状 波 レペ ル が 参 照 電 圧 よ り高 くな っ た 時 点 で コ ンパ レ ー タ か ら出 力 が あ らわ れ 、 主 パ ル ス ト リ ガ か ら コ ンパ レm出 力 パ ル ス 発 生 ま で時 図1.5時 間 遅延 の原 理 間 が 遅 延 さ れ る。 こ こ で 鋸 歯 状 波 が 正 確 な 直 線 で あ れ ば 遅 延 時 間 は 参 照 電 圧 に 比 例 す る こ と に な る。 し た が って 参 照 電 圧 を 低 速 で 自 動 的 に上 昇 さ せ 、 こ れ をXYレ ぱ 、X軸 コー ダ のX軸 へ入 力す れ は 正 確 に遅 延 時 間 に 対 応 して チ ャー ト上 に は 現 象 の 時 間 変 化 が 記 録 さ れ る こ と に な る 。 ま た 所 定 の 遅 延 時 聞 と な る よ う参 照 電 圧 を 固定 し、 モ ノク ロ メー タ の 波 長 送 り を レ コー ダ と 同 期 さ せ れ ば そ の 時 刻 に 澄 け る時 間 分 解 ス ペ ク トル が チ ャー ト紙 上 に 記 録 さ れ る 。 攻 澄、 可 変 遅 延 部 の 最 大 遅 延 時 間 は 鋸 歯状 波 の 勾 配 を 変 化 さ せ る こ と に よ り表1.1に るo 図1・6遅 延 回路 ・ω 固定 遅延 一io一 示 す 値 に切 り換 え て い 図L6⑧ 図1.7参 可 変 遅 延 照 電 圧 発 生 回 路 一11一 ◎ 参 照電 圧 発生 器 前 述 の よ うに 、 連 続 的 に 遅 延 す るサ ン プ リ ン グパ ル ス を 発生 さ せ る た め に は 低 速 で し か も時 間 的 に一 定 の 割 合 で 上 昇 す る 参 照 電 圧 が必 要 と な るc本 装 置 で は 特 に コ ン ピ ュー タ に ょ る制 御 、 上 昇 率 設 定 の 容 易 さ 、 精 度 左 ど を 考 慮 し て 図1.71/示 変 換 器(テ (D)光 レダ イ ン4023型)を す よ うな カ ウ ンmと10ビ ッ トD,/A 中 心 に 構 成 した デ ィ ジ タ ル 参 照 電 圧 発 生 器 を 試 作 し た 。 源 ト リ ガノくル ス 発 生 回 路 お よび サ ン プ リ ン グパ1Lス 発 生 回 路 け い 光 励 起 用 ナ ノ秒 パ ル ス 光 源 の ス イ ッチ ン グ 素 子 で あ る サ イ ラ ト ロン(東 芝1G35P) を 直 接 ト リ ガす るた め 、 図1.8に 示 す パ ル ス 発 生 器 か ら波 高315Vの た だ し、 こ こで 使 用 した 高 圧 ス イ ッチ ン グ ト ラ ン ジス タ(東 あ り、 そ の ま ま で は 出 力 電 圧 が 不 足 す る の で3段 正 パ ル ス を 出 力 し て い る。 芝2SA510)の 耐 圧 は150Vで 直 列 接 続 す る こ と に よ り必 要 な パ ル ス 高 を得 て い る。 一 方 、 光 電 子 増 倍 管 偶 数 番 ダ イ ノー ド同 時 制 御 用 サ ン プ リツ グパ ル ス は 図1.9に た よ うに、アバ ランシ ェ トラン ジスタ(日 立2SC479H)ス イ ッチ ン グ 方 式 の 伝 送 線 路 充 放 電 型 超 高 速 パ ル ス発 生 器 か ら得 て い る。 図L8光 一 般 に 出 力 パ ル ス 幅Tw(nsec)と 源hリ ガ パ ル ス発 生 回 路 充 放 電 線 長L(m)の Tw=10L(1.1) -is一 示 し 間に は の 関 係 が あ る。 本 装 置 で は15nsecの 放 電 線(509同 パ ル ス 幅 を得 る た め に 、 この 関 係 に従 って1 .5mの 軸 ケ ー ブ ル3D2V)を 充 内 蔵 して い る。 も し、 そ れ 以 上 の 幅 が 必 要 な 場 合 は さ ら に ケ ー ブ ル 長 を 延 長 す る こ と に よ り 目的 を 達 成 で き る よ うに な っ て い る。 出 力 パ ル ス の 立 ち上 り特 性 や 再 現性 をは じめ と す る諸 特 性 は ア バ ラ ン シ ェ ト ラ ン ジス タ に よ っ て 決 定 され る と 言 って も過 言 で は な い。 ア バ ラ ン シ ェ トラ ン ジス タ は 一 般 に 高 価 で あ り、 ま た入 手 も困 難 で あ る こ と が 多'C著 者 は 市 販 の 高速 ス イ ッチ ン グ トラ ン ジス タ 中、 ア バ ラ ン シ ェス ィ ッチ ン グ 動 作 特 性 を 示 す もの が い く種 か 存 在 す る こ と に注 目 し、 そ の 選 出 を行 左 った 結 果 、 日立2SC 479H涛 よびNatTonalSemiconductor2N3725で は90%以 上 の割合 で アバ ラ ン シ ェ特 性 を示 す こ と を 見 出 し た 。 こ こに 述 べ た パ ル ス 発 生 器 は じ め、 こ の後 説 明 す る諸 回 路 に お い て は ・ そ の 中 で も特 に ア バ ラ ン シ ェブ レー ク ダ ウ ン 電 圧 が150V以 上 の もの を 選 別 して 使 用 して い る。 図L9ダ 1・.4.発 発撫 光 ダ イオ ー イ ノー ド制 御 パ ル ス発 生 回 路 ド を 用 い た テ ス ト用 パ ル ス 光 源 の 試 作 翫(・WHM)の 光灘 対 す 。測定 半 値幅 を 、M、 す 鳳,、 tは 次 式 で近 似 で き る。 ・=tM-ti(・ .・) -13一 、 光 シス テ 。の分 解時 間 た だ し、 そ れ ぞ れ の 波 形 は す べ て ガ ウス 波 形 と仮 定 す る。tを 精 度 よ く推 定 す る た め に は 光 源 発 光 持 続 時 間 は で き る 限 り短 か い こ と が 望 ま し く、 少 左 く と も測 光 シス テ ム の分 解 時 間 以 下 で あ る こ と 腰 求 さ れ る.。 放 電 管43)が の 要 求 を み た す 光 源 と し て は ピ ・秒.・ル ス レー ザ ー4°)∼42)や サ ブ ナ.秒 繖 あ るが 、 い ず れ も取 り扱 い の煩 雑 な 点 と、 繰 り返 し 周 波 数 を大 き く と れ な い とい う点 で 真 に 実 用 的 で あ る とは 言 い 難 い 。 そ こ で 本 研 究 に 齢 い て は 製 作 の 容 易 さ、 取 り扱 い の 簡 便 さ、 ま た 経 済 性 お よ び 良 好 な 繰 り返 し動 作 特 性 な ど を考 慮 し て 発 光 ダ イ オ ー ド(LED)を 用 い た ナ ノ秒 パ ル ス 光 源 を 試 作 し 、 測 光 装 置 の 諸 性 能 の測 定 に 使 用 し た 。 さ ら に 、 ボ ック ス カm分 時 間50nsecの 1.4.1.ナ 器 の パ ッ ク グ ラ ウ ン ド信 号 除 去 能 力 を評 価 す る た め の 光 源 と し て 発 光 赤 色 光 に 発 光 時 間4Rsecの 緑 色 光 を 重 畳 さ せ た二 色 パ ル ス 光 源 を試 作 した 。 ノ秒パ ル・ ス光 源 ナ ノ 秒LED.・ 、 レス 光 源 は す で 榔 くつ 醗 表 ω ず れ も同 じで 、 ア バ ラ ン シ ェ トラ ン ジス タ でLEDを ∼46)さ れ て い る.こ れ ら囑 作原 醗 い 高 速 駆 動 す る方 式 を 採 って い る。 こ こ で新 た に 試 作 した 光 源 も駆 動 原 理 は 今 ま で の もの と 同 じ で あ る が、LEDを 吟 味 し、 ま た ア バ ラ ン シ ェ トラ ン ジス タ の 直 列 接 続 使 用 を 行 な っ た り逆 バ イ ア ス印 加 回 路 な どに 工 夫 を 加 え た 結 果 、極 め て簡 素 な 回 路 で あhな が ら こ れ まで 発 表 さ れ た もの よ り も短 時 間 発 光 に成 功 し た 。 図1.10発 図L10は 試 作 し たLEDパ 光 ダ イオ ー ド ナ ノ秒 パ ル ス 光 源 ルス 光 源 の 詳 細 で あ る。LEDは2段 直 列 に接 続 さ れた アバ ラン シ ェ トラ ン ジス タ に ょ っ て 駆 動 さ れ る。 こ こ で イ ン ダ ク タ ン スLはLEDの 再 結 合 彳 ヤqア を強 制 的 に 分 離 し、 光 消 滅 時 間 を短 縮 す るた め の 過 渡 逆 バ イ ア ス 電 圧 発 生 用 の も の で あ り・ ま た ダ イ オ ー ドD1∼D3は 逆 バ イ アス の 過 電 圧 か らLEDを 発 光 強 度 と発 光 時 間 は 充 電 用 コ ンデ ン サCお 保 護す るため の もので あ る。 一14一 よ び そ の 充 電 電 圧 に よ っ て 調 整 で き る が、 そ の つ ど逆 バ イア ス 発 生 用 コ イル の ピ ッチ を変 化 さ せ て 、 寄 生 発 振 に 起 因 す る 発 光 波 形 歪 が 最 小 に 左 る よ う イ ンダ ク タ ンス を再 調 整 す る 必 要 が あ る。 LEDと し て はGaAsPタ イ プ(赤 色 、 中心 波 長6550べ)の もの が 高 速 応 答 性 の 点 で 他 の も の よ り優 れ て い る こ と は周 知 さ れ て い る。 本 研 究 で は こ の 中 で も特 に 短 時 間 発 光 に適 して い る と 思 わ れ る小 型LED数 種 に つ い て 上 記 駆 動 回 路 で 発 光 さ せ 、 そ の 発 光 特 性 を 高 速 ス ト1,一 ク カ メ ラ(TRWlD型)で 測 定 を行 左 い 、 最 終 的 にLitronixRL-50を 採 用 し た 。図1.10 に示 し た 回 路 定 数 の も とで の発 光 時 間(FWHM)は1.4nsecで 作 は100kHz程 XP-23な あ り、 そ の時 の 発 光 繰 り返 し動 度 ま で 安 定 で あ る。 これ よ り さ ら に 短 時 間 発 光 が 必 要 な場 合 に はFeranti ど の 逆 バ イ ア ス型LEDを しか し、 逆 バ イ ア ス 型LEDは 使 用 す れ ば1nsec以 下 の 発 光 が 実 現 で き る46)。 発 光 強 度 が小 さい こ とが 欠 点 で あh.SN比 に 関 して問題 が生 じ る点 、 注 意 す る必 要 が あ る。 1.4.2.二 色 パルス 光 源 こ の 光 源 は バ ック グラ ウン ド光 補 正 用 ボ ・ク ス カ ー 積 分 器 の 性 能 をテ ス トす る た め に 試作 し た も の で あ り、 発 光 時 間50nsecの 発光 時 間4μsecの 図1,11に 赤 色 光(中 緑 色 光(中 心波長 心 波 長6550λ)に バ ックグ ラ ウン ドパ ル ス 光 と して ゜5550A)を 重 畳 させ て い る。 二 色 光 源 の詳 細 を 示 す 。 赤 色 光 は 先 ほ ど と 同 じ くLitronixIRL-50型LED 十200V 。 1丶 nix・ (655°A) PG8(555°A) Tτ1:2N3725(NS)SELECTEDFORゑVALANCHESW工1CHING Tr2Tr5:2SC373(Toshiba) DIND3:151588(Toshiba) 図1.11二 色 パ ル ス 光 源 一15一 o を ア バ ラ ン シ ェ トラ ン ジス タ で 駆 動 す る こ とに よ り得 て い るが 、 発 光 時 間 は50nsecで ょい た め 逆 バ イア ズ 印 加 回路 は 省 略 し た 。 一 方 、 緑 色 光 は シ ャー プGL-30PG8型LED(GaP タ イ プ)を ス イ ッチ ン グ トラ ン ジス タ で駆 動 す る こ と に よ って 得 て い るρ 二 色 の 相 対 発光 強 度 の 調 整 は 緑 色 光 側 に と り つ け られ た 可 変 抵 抗(5k9)に な お 、 本 光 源 で は2つ のLEDは を 望 む 場 合 は 二 色LED(シ 接 着 さ れ 、 一 体 化 して 使 用 し て い るが 、 よ り完 全 左 る一 体 化 ャ ー プGL-40RGな か し現 在 の.とこ ろ 二 色LEDは ょ って な さ れ る。 全 てGaPタ ど)を 使 用 す る の も一 つ の 方 策 で あ る。 し イ プ で あ る た め 高 速 応 答 性 に 劣 う 難 点 が あ る。 左お 両 テ ス ト用 光 源 の 発 光 特 性 につ い て は 後 ほ ど詳 述 す る 。 1.5.偶 数 番 ダ イ ノー ド遅 延 制 御 方 式 に よ る 分 解 時 間 の 短 縮 光 電 子 増 倍 管 ダ イ ノー ドゲ ー ト方 式 に よ るサ ン プ リン グ 測 光 に 澄 い て は 、 製 作 の 容 易 さ と安 定 性 の 点 か ら偶 数 番 ダ イ ノー ド同 時 制 御 方 式 が よ く利 用 さ れ て い る が 、 そ の反 面 、カ ソー ドか らア ノー ド に 至 る2次 電 子 走 行 時 間 の広 が りに よ り分 解 時 間 が 制 限 さ れ る と い う こ と は 前 述 し た 。1P21, R106な ど の サ イ ドウイン ドウタ イ プ光 電 子 増 倍 管 を使 用 した場 合 、この 方式 では2.5nsec以 下 の分解 時 間 を 得 るこ とが で き風 ∼ その うえ 、制 御 電 極 間 の 浮 遊 容 量 や 浮 遊 イ ン ダ ク タ ン ス の 影 響 で 制 御 パ ル ス 上 に オ ー バ ー シ ュ ー トや ア ン ダ ー シ ュー トな どの 寄 生 発 振 を生 じ、 そ の た め に 高 分 解 時 に お け る 出 力 波 形 に 歪 を 伴 友 い や す い 。 波 形 歪 を排 除 す る 最 善 の 策 は こ の よ う左 寄 生 発 振 を 抑 制 す る こ とで あ る が、 そ れ に は 制 御 パ ル ス の 立 ち上 り特 性 と立 ち下 り特 性 を あ る程 度 犠 牲 に す る必 要 が あ り・ 分 解 時 間 特 性 の 劣 化 を 避 け 得 な い とい う矛 盾 が 生 じ る。 そ こで この 矛 盾 を断 ち、 高 分 解 で 歪 の な い 波 形 を 高 利 得 で 得 る こ とを 目 的 と し、 偶 数 番 ダ イ ノ ー ドに2次 電 子 走 行 と同 期 し た 遅 延 ゲ ー トパ ル ス を 印 加 す る偶 数 番 ダ イ ノー ド遅 延 制 御 方 式 を考 案 した 次 第 で あ る。 1、5.1.光 電子 増 倍管 利得 制御特 性 本 研 究 で は 遅 延 制 御 方 式 を3種 を 把 握 で き る よ う、 そ の3種 、 の光 電 子 増 倍 管 に 対 し て 適 用 し た 。 の外 形 写 真 を 図1.12に ドゥ イ ン ドウ タ イ プ のHTV-R843、 は じめ に電極 形体 の概要 示 して 齢 く。 こ こで は左 か ら 順 に 小 型 サ イ 汎 用 サ イ ドウ イ ン ドウ タ イ プ のHTV-R106(以 上 浜 松 テ レ ビ)、 訟 よ びEMI-9594Bが 配 列 さ れ て い る(比 較 の た め・ 長 さ 約14伽 の万 年 筆 が 置 か れ て い る)。 光 電 子 増 倍 管 の ダ イ ノ ー ドに 負 バ イ ア ス 電 圧 を与 え る と利 得 が 減 少 ・ し、 増 倍 管 は カ ッ トオ フ状 態瞰 るが、 その 際、 特m数 の偶y,?_'イ ノー ド鯛 29)_. し て も 良 好 な カ 。 トオ フ 特 性 が 得 られ る っ 表1.2は'一 一16一 時喇 鮒 れ眦 鮒 浅 い ・ミイ アス に対 ゜r'Tし た 増 倍 管 の 偶 数 番 タ イ ノ ー ドに 同 時 に 負 バ イア ス 電 圧 を 加 え た 時 の 静 的 左 諸 特 性 を ま と め た も の で あ る。 こ こで、 負 バ イアス 電 圧は 各増 倍 管 に対 す る 最 適 値 が あ り、 ま た 同 一 機 種 で あ って も製 品 に よ って 最 適電 圧に多少 の偏 差 があ るが、 続 いて 述 べ る制御 パル ス 発生 回路 の 出 力 パ ル ス 電 圧 を考 慮 し て 、 こ こ ではい ずれ の光電 子 増倍 管 に対 し て も一50Vの バ イ ア ス を与 え た 時 の 特 性 を 測 定 し た 。 カ ・ トオ フ特 性 の 良 否 を 表 わ す もの と し て 本表 で は バ ヅ クグ ラウン ド電 流 比 が IiTV-R843HTV-RlO6EMI曙9594B用 い ら奴 い る。 こ 娵,・ イア ス 印 加 時 の 利 得 と、 正 規 電 圧 時 の 利 図1.12光 電 子増 倍管外 観 得 の 比 で 定 義 さ れ る 量 で あ り、 こ れ が 小 さい ほ ど良 好 左 カ ッ トオ フ 特 性 が 得 られ て い る こ とに な る。 カ ッ トオ フ時 に お・ け る暗 電 流 「 は 測 定 のSN比 に 直 接 影 響 を与 え る の で 、 光 電 子 増 倍 管 の 選 定 に は 十 分 注 意 す る必 要 が あ る。 測 定 し た3種 の 光 電 子 増 倍 管 の うち で は 、4個 らず 、HTV-R843の の ダ イ ノ ー ドを 同 時 に 制 御 して い る に もか か わ カ ッ トオ フ特 性 は 余 り良 好 とは い え な い よ うで あ る。 しか し こ れ は ボ 。クス カ ー 積 分 器 で 補 償 で き る た め 重 大 な 欠 点 とは な ら な い 。 特 に こ の 増 倍 管 は 小 型 で あ る た め 装 置 全 体 を コ ンパ ク トに 構 成 す る こ と が で き る う え、 電 極 が きわ め て 小 さ い た め 、 浮 遊 容 量 や浮 遊 イ ン ダ ク タ ンス に 起 因 す る制 御 パ ル ス 波 形 歪 が 少 な くな る とい う点 で 、 大 型 の もの よ り も装 置 制 作 に 関 して 有 利 とな る。EMI-9594Bは 表L2光 P.M. こ れ と は 反 対 に 電 極 の 形 状 か 大 き く、 し か も電 極 電 子 増 倍 管 ダ イ ノ ー ド制 御 特 性(静 PHOTOCATHODE OVERALL GAIN APPLY NORMAL VOLTAGE OPERATION under DC HTV-R106 S 19 -1000 V 3x HTV-R843 S 5 -1000 V 2 „e 10 6 EMI-9594B S 11 -2000 V 106 108 -17一 CONTROLLED DYNODE NUMBER 特 性) BACKGROUND RATIO (bias, -50V) 2,4,6 3.0 x 10-4 2,4,6,8 1.4 x 103 6,8,10 1.1 x 10-4 DARK CURRENT under CUT-OFF 300 30 1800 STATE pA pA pA と ソ ケ ッ ト端 子 間 の り一 ド線 が 長 い た め 、 伝 送 ケ ー ブ ル と 制 御 電 極 と の イ ン ピー ダ ンス 整 合 が 困 難 で あ り、 波 形 歪 に 関 して は 著 し く不 利 と な る 。 1.5.2.遅 延 制 御 ゲ ー ト回 路 図1・13診 よ び 図1・14は 示 し た もの で あh.こ 従 来 か ら あ る偶 数 番 ダ イ ノ ー ド同 時 制 御 回 路 と走 行 電 子 同 期 回 路 を. の う ち 前 者 の 特 徴 は す で に 述 べ た 。 後 者 は 確 か に 時 間 分 解 特 性 は 向上 す る OU丁 ' IN ・1 -1000V 図1.13偶 数 番 ダ イ ノ ー ド同 時 制 御 方 式 光 電 子 増 倍 管 ゲ ー ト回 路 もの の 、 内 部 電 極 の 構 造 や 電 界 の 違 い が あ る た め 遅 延 時 間 の 正 確 な調 整 が 困 難 で あ り、 ま た 遅 延 回 路 群 伝 播 中 に パ ル ス 傾 斜 角 の 変 化 を きた す こ と左 ど か 謬灘 鱗 蒜 騨 も こ れ に 対 して 偶 数 番 ダ イ ノ ー ド遅 延 制 御 方 式 で は 製 作 調 整 が 平 易化 さ れ、 ま た 分 解 時 間 が 可 変 に な って い る。 図1・14走 行電子 同期制 御方式 図1 .15は 本 方 式 の 原 理 図 で あ る。 光 電 子 増 倍 管 ゲ ー ト回 路 各電 極 間の電 圧 は偶数 番 ダ イノー ト 伺 時 制 御 方 式 と同 様 で あ り、 こ こで は No.2、4、6各 ダ イ ノ ー ドに 一50Vの ー ドに は 目的 と す る時 刻 に 波 高50V程 逆 バ イア ス 電 圧 が 与 え ら れ て い る 。 こ れ ら の ダ イノ 度 の サ ン プ リ ン グ パ ル ス が 印 加 さ れ る わ け で あ るが 、そ の 時 走 行 電 子 と印 加 パ ル ス の 位 相 が 一 致 す る よ うに 遅 延 ケ 三 ブ ル で 印 加 パ ル ス を順 次 遅 延 させ て 一18一 い る。 こ の よ うな 措 置 を講 ず る こ と に よ り、 位 相 の 揃 っ た2次 電 子の み が増倍 され、 電子 走 行時 間 広 が りが 抑 え ら れ るCこ の 方式 は 図1.13あ る い は 図1.14に 示 し た走 行 電 子 方 式 と異 な り、 制御 ダ イ ノー ドに接 続 され る遅 延 線 は 1本 で あ る た め 、 両者 の イ ン ピー ダ ンス 整 合 と遅 延 時 間 の 調 整 が 容 易 で あ る。 さて 、 遅 延 制 御 方 式 を適 用 す る に は 制 御 ダ イ ノー ド間 の 電 子 走 行 時 間 を知 る必 要 が あ る が、 こ れ は 近 似 的 に は 管 内 の 電子 伝 播 時 間 を 図1.15遅 電 極 数 で 除 し て 求 め る こ とが で き る。 た と え ば 、1P21な を1000Vの 延制 御方 式 の原理 ど の サ イ ドウ イ ン ドゥ タ イ プ の もの 供 給 電 圧 で使 用一 し た場 合 の カ ソ ー ド∼ ア ノー ド間 の電 子 伝 播 時 間 は 約16nsecで あ る ゆ え、 ダ ィ ノー ド2段 当 りの 走 行 時 間 は 約3.2nsecと 計 算 さ れ る。 し か し本 研 究 にお い て は さ らに 高 精 度 を 期 す る た め に、 以 下 に 述 べ る要 領 で 走 行 時 間 の 測 定 を行 な った 。 ま ずNo.2ダ イ ノー ドの み に 逆 バ イ ア ス 電 圧 を 加 え 、 光 電 子 増 倍 管 を カ ッ トオ フ 状 態 に す る。 こ の 状 態 で 先 ほ どのLEDパ ル ス 光 を 照 射 し 、 幅2nsec程 度 の サ ン ブ1)ン グ パ ル ス をNo .2ダ イ ノー ドに 印 加 し 宏 が ら光 源 と サ ン プ リン グ パ ル ス の タ イ ミ ング を 走 査 し て 発 光 波 形 の記 録 を行 な う。 次 にNo.2ダ イ ノー ドに か え てNo.4ダ イ ノ ー ドを制 御 し、 同 様 に 発 光 波 形 を 記 録 す る。 こ うし て 記 録 され た 波 形 の ピ ー ク は 図1.16に 示 す よ うに そ れ ぞ れ 制 御 ダ イ ノー ド間 の2次 電子 走 行 時 間 分 だ け 分 離 し て い る。 こ め よ うに 分 離 記 録 さ れ た 波 形 の ピ ー ク 間 隔 か らHTV-R106の ダ イ ノー ドNo.2∼No.4間 の 電 子 走 行 時 間 が3.3nsec、 で あ る と い う結 果 を得 た 。 他 の2種 ー ド間 の 電 子 走 行 時 間 を求 め た ま たNo .4 ̄No.6間 の 光 電 子 増 倍 管 に つ い て も同 様 な測 定 を行 な い 、 制 御 ダ イノ 。 そ れ らの 結 果 を ま と め て 表1.3に 示 すC表 中 に は 遅 延 時 間 に相 当 す る 同 軸 ケ ー ブ ル 長 を も同 時 に 記 入 して あ る が、 こ の値 は 同 軸 ケ ー ブ ル(75ρ m当 た りの 遅 延 時 間 を5nsecと が3.6nsec 、50ρ)1 し て 換 算 した もの で あ る。 な 澄 、 以 上 の 測 定 は 、 管 供 給 電 圧 を 表1・2に 示 す 値 と し・ 逆 バ イア ス 電 圧 を 一50V、 サ ン ブ リ ン グ パ ル ス 高 を50Vに 統 一 して行 な った 。 上 記 の 検 討 を 踏 ま え た う え でHTV-R106に 1.17に 対 して最 終的 に 決定 した遅延制 御 回路 を図 示 す。 -19一 、 s 前 述 し た よ うに 、No.2.4,6 の3づ の ダ イ ノ ー ドに は 正 規 電 圧 に 対 し50Vの 註 誘 z wト z 負 バ イ ア ス が か け られ て い る。 こ の 電 圧 分 布 で は光 電 子 増 倍 管の利 得 は正 規 電圧 状 態 に比べ て 3×10-a倍 に 低 下 した カ 。 トォ フ状 態 に あ る。 こ の 状 態 か らオ ン状 態 へ 短 時 間 だ け 復 帰 さ せ るべ く、 制 OlO20TIME(nsec) 御 パ ル ス が3段 図1.16電 バ ラ ン シ ェ ト ラ ン ジス タ か ら発 せ ら 子 走行 時 間 の測 定 (HTV-R106) れ る が・ こ こで 制 御 パ ル ス 幅 はTR -1の 表1.3 コ レク タ に 接 続 さ れ た 充 放 電 制 御 ダ ィ ノー ド間 の電 子走 行 時間 と ケ ー ブ ル(RG-58/U、502) 相 当す る同軸 ケー ブル長 の 長 さ に よ って 、 ま た パ ルス 高 は そ ELECTRON P.M. に直列 接 続 され たア and between Tlh1E TRAVEL CORRESPONDING CON凹ROLLED CABLE DYNODE の 充 電 電 圧 に よ って 調 節 す る こ とが LENGTH で き る。 図 中 の定 数 で は259負 D4 D2 荷 3.6ns 3.3ns HTV R106 D6 に 対 し、 パ ル ス 幅(FWHM)は2 720mm 670mm 齒 HTV R843 EMI 9594B D4 D6 5.3ns Ens 1060mm パ ル ス 高 は50Vと な る。 こ の制 御 パ ル ス は3本 の759同 軸 S.lns D8 D6 1200mm nsec、 D8 2SOmm SOOmm 360mm D4 1.4ns 2.Sns 1.8ns D2 D10 ケ ー ブ ル(RG-59B/U)に 分 1020mm 岐 さ れ 、 制 御 ダ イ ノ ー ドに伝 送 さ れ 図1・17遅 延 制 御 方 式 光 電 子 増 倍 管 ゲ ー ト回 路 一20一 る 。 そ の 際 、 ダ イ ノー ド上 で2次 電 子 到 来 と制 御 パ ル ス 到 着 の タ イ ミン グ が一 致 す る よ う、 相 隣 り合 う伝 送 ケ ー ブ ル は 表1.3に ー ドとNo .6ダ 示 し た 値 だ け 長 さ に 差 を持 た せ て あ る 。 図1.18はNo.4ダ イノ イ ノー ドに 印加 さ れ る遅 延 制 御 パ ルス の オ シ ロ ス コー プ写 真 で あ り、 高速 制 御 パ ル ス の 波 形 と そ れ が 遅 延 され て 印 加 さ れ る様 子 が わ か る。 管 内 電 子 走 行 時 間 は ダ イ ノー ド 電 圧 に よ って 変 化 す る うえ 、 同 じ タ イプ の機 種 で あ って も製 品 間 で わず か な相違 があ る。 したが って 厳 密 には、 回路 製作毎 に供給 電 圧 分 圧 用 抵 抗 の誤 差 と増 倍 管 個 々 の 特 性 を 考 慮 して ケ ー ブ ル 長 を 適 宜 調 整必 要 が あ る が 、J級(誤 5%)の 図1.18}ITV-R106のNo.4,作 No・6ダ 抵 抗 を使 用 し て 回 路 を製 した 場 合 、R106以 イ ノ ー ド印 加 用 遅 延 制 御 パ ル ス 波 形 差± 外 の 同一 形 状 の 増 倍 管(1P21 、931A) な ど)に 対 して 何 等 の 定 数 変 更 を 施 さ ず と も実 用 上 問 題 な く使 用 で きる こ とが 確 認 さ れ た 。 本 試 作 回路 の 動 作 繰 り返 し上 限 周 波 数 は パ ル ス 幅 と の 関 連 に お い て 、 最 下 段 の ア パ ラ ン シ ェ ト ラ ン ジス タ の コ レ ク タ 損 失 特 性 で 決 ま る。 図1.17の り、 そ の 時 のh返 し動 作lrk100kHzを 定 数 にお い て は 、 パ ル ス 幅 は2nsecで あ 越 え て も安 定 で あ っ た。 こ れ は比 較 的 大 き な パ ル ス幅 を 要 し た従 来 の 同時 制 御 方 式 に 比 べ、 数 倍 の 上 限 値 で あ る と い え る。 試 作 回 路 で は3つ の ダ イ ノー ドを制 御 し た た め、 バ ック グラ ウン ド電 流 比 と して は3×10'a を 得 た が、 これ よ り も小 さ 方 バ ヅク グラ ウン ド電 流 比 を 実 現 す る た め に は3つ てNo.8ダ イ ノー ド も遅 延 制 御 す れ ば 目的 が 達 成 で き る。 そ う し た場 合19ρ(75ρ/4)負 荷 に 対 し50Vの 700V程 の ダ イ ノ ー ドに 加 え パ ルス を 発 生 さ せ る関 係 上 、 ア パ ラ ン シ ェ ト ラ ン ジス タ は4段 直列 で使 用 し、 度 の 電 圧 を 供 給 す る必 要 が あ る。!」・ 型 サ イ ドウ イン ドウ タ イ プ のHTV-R843に 対 す る遅 延 制 御 回 路 で は上 記 の 方 針 に した が って4つ 成 は 今 述 べ た 点 を除 い てHTV-RlO6と ドオ ン タ イブ のEMI-9594BUC対 2次 電 子 走 行 時 間 は 表1.3に の ダ イ ノ ー ドを制 御 し て い る が、 回 路 の 構 同 じ で あ るた め 説 明 な ど は省 略 し、 高速 高 利 得 へ ・ す る説 明 に 移 る。EMI-9594Bの 示 し た よ うに 約5nsecで 御 す る 場 合 、 ケ ー ブ ル 長 は3mを あ る。 し た が って4つ 制 御 ダ イ ノー ド間 の の ダ イ ノー ドを制 越 し、 そ の 際 の 伝 播 パ ル ス の 減 衰 が 無 視 で きな い 。 そ こ で 試 作 一21一 回 路 で は この よ うな 減 衰 を 避 け る た め 、 各 ダ イ ノー ド専 用 の パ ル ス 発 生 器 を独 立 に 設 け 、 そ れ ら の ト リ ガタ イ ミン グ を 同 軸 ケ ー ブ ル で 必要 な だ け 遅 延 さ せ る方 式 を採 用 し たcそ の 結果 、個 々の ダ イ ノー ドに対 す る 制 御 パ ル ス 幅 お よ び波 高 の調 整 が 可 能 と な り、 制 御 パ ル ス と し て の 最 適 条 件 を 見..し や す く 左 っ た ほ か 、 パ ル ス 発 生 器1つ 当 た り の 負 担 が 小 さ くな る た め、 ア バ ラ ン シ ェ ト ラ ン ジス タ 直列 使 用 の 必 要 が な く宏 り、 安 定 性 が 向 上 し た 。 そ れ と と もに 繰 り返 し動 作 の 上 限 も大 き くな っ た。 図1.19EMI-9594Bダ 図1.彡OEMI-9594B用 イ ノ ー ド分 旺 回路 遅 延 制 御 パ ル ス 発生 回路 瑠 一22一 図1。19お ・よび 図1.20はEMI9594BUL対 す る ダ イ ノ ー ド分 圧 回 路 と ・ こ れ を制 御 す る 遅 延 制 御 パ ル ス 発 生 回 路 で あ る。No.4、6、8.10に 抵 抗 に よ り0∼-50Vの 対 し て 与 え られ る バ イ ア ス 電 圧 は 可 変 範 囲 に 変 化 で き、 こ れ ら4つ の ダ イ ノー ドの うち 任 意 の 組 み 合 わ せ に よ る制 御 が可 能 で あ る。 本 実 験 で は 最 終 的ucs,8,10の 組 み 合 わ せ で 制 御 を 行 な った が そ の 理 由 に つ い て は 後 ほ ど触 れ る。 ま た こ の よ う 左可 変 バ イ ア ス 回 路 を 持 って い るた め 、4つ 全 てを 零 バ イ ア ス と す れ ば 増 倍 管 は正 規 電 圧状 態 と な り、 定 常 光 に対 す る測 定 が 遂 行 で き る。 そ の 際 に バ イ ア ス を 零 か らわ ず か に 移 動 さ せ る こ とに よ り、 利 得 に 対 す る最 適 点 を 見 い 出 し う る。 な お丶 フ 矛一 カ ス 電 極(F)とNo.2ダ イ ノー ドの電 位 が 可 変 に 左 って い るが 、 こ れ は光 電 面 照 射 位 置 の 違 い に ょ る2次 電 子 飛 行 軌 跡 を修 正 す る た め の 措 置 で あ る。 遅延 制御 パ ルー ス は 次 の よ うに して 発 生 さ れ る。TTLレ ベ ル の 正 パ ル ス で ま ずTr1が チ ン グ し、 立 ち上 りの 急 峻 な正 パ ル ス を 発 生 す る。 こ の パ ル ス に ょ っ てTr2∼Tr5が ス イ 。 再び ト リガ さ れ る わ け で あ る が 、 そ の 際 ダ イ ノー ド間 の 電 子 走 行 時 間 に 相 当 し た 遅 延 時 間 を持 つ511 同 軸 ケ ー ブ ル(RG-1.74U)を さ れ る制 御 パ ルス は2次 介 して ト リ ガパ ル ス が 印 加 さ れ る。 し た が っ て 最 終 的 に 出 力 電 子 と同 期 す る よ う順 次 遅 延 し た も の と な っ て い る。 こ こ で、 そ れ ぞ れ の パ ル ス 幅 左 らび にパ ル ス 高 は 充 電 用 可 変 コ ンデ ンサ(最 変 抵 抗(50k9)に 1.5.3.制 大30pF)お よ び充 電 電 圧 調 整 用 可 よ って 変 化 さ せ る こ と が で き る よ うに 友 っ て い る。 御 特 性 の 評価 ダ イ ノー ド遅 延 制 御 法 の 繃 卸特 性 を 評 価 す る た め に 、 試 作 し た3種 の 光 電 子 増 倍 管 ゲ ー ト回 路 に つ い て ゲ ー トパ ルス 幅 に 対 す る分 解 時 間 と利 得 の関 係 を 求 め た 。 こ の 測 定 に 際 し て は、 前 述 の LEDナ ノ 秒 パ ル ス 光 源 か らの 光 を光 電 面 中 央 に 集 光 し、 カ ソ ー ドとNo.1ダ イ ノ ー ドとの 間 で 診 こ る 光 電 子 飛 行 時 間 の 広 が り を 極 力 小 さ くし て い る。 な お 、 分 解 時 間 は(1.2)式 を用い て算 出 した 。 まず は じ め にHTV-Rlo6に 対 して 考 察 を行 な う。 図1.21は 分 解 時 間 と利 得 の 変 化 を示 し た も の で、 こ の う ち(A)は新 し く開 発 した 遅 延 制 御 方 式 、 ⑧ は従 来 よ りあ る同 時 制 御 方 式 の 分 解 、 利 得 特 性 で あ る。 なお 、 こ の図 の 利 得 の ス ケ ー ル は 増 倍 管 が 正 規 電 圧 状 態 に あ る時 の 利 得 を1と し て い る。 こ の 結 果 か ら明 らか な よ うに、 従 来 の 方 式 の 最 小 分 解 時 間 は2.7nsecで し、 遅 延 方 式 で は1.8nsecに あ る の に対 ま で 短 縮 さ れ て 齢 り、 分 解 時 間 の 短 縮 に 遅 延 制 御 方 式 が極 め て 有 効 で あ る こ と が こ こ た 実 証 さ れ た。 ま た 利 得 に つ い て も遅 延 制御 方式 の 優 位 性 が 立 証 さ れ た。 な 診 、 遅 延 指1脚方 式 で は3nsec以 上 の ゲーFパ ル ス 幅 に対 し て 利 得 が1を 越 え ごい る が、 これ は 制 御 ダ イ ノー ドが 極 くわ ず か だ け 過 電 圧状 態 に な っ て い るた や で あ る と思 わ れ る 。 ζ の よ う に 遅 延 制 御 方 式 に よ り、 従 来 の 方 式 に対 して 時 間 分 解 特 性 、 利 得 特 性 と も格 段 の 向上 一23一 図1.21ダ イノ ー ド制 御 パ ル ス 幅 に対 す る 分 解 時 間 と 利 得 の 関 係 。 ㈹ 遅 延 制 御 方 式 、 (B洞 時 制 御 方 式 、 光 電 子 増 倍 管:HTV-R106 図1.22LEDパ ル ス 光 源 に 対 す る 遅 延 制 御 光 電 子 増 倍 管(HTV-R106、 パ ル ス 幅2nsec)の 増 倍 管(HTV-R106、 ゲー ト 応 答 と制 御 パ ル ス 上 に 寄 生 発 振 を生 じ た 同 時 制 御 光 電 子 ゲ ー トパ ル ス 幅14nsec)の 一24一 応答 が 左 さ れ た わ け で あ る が、 本方 式 の 実 用 性 を 確 か め る うえ か らさ らに 観 測 波 形 歪 に 関 し て の 評 価 を行 左 う必 要 が あ る。 ゲ ー トパ ル ス 幅 の 短 縮 に した が っ て 立 ち上 が り部 あ るい は 減 衰 部 に 歪 を伴 左 い 左 が ら半 値 幅 自 体 は縮 小 し て い くよ うな 観 測 波 形 が得 られ た 場 合 、 見 か け 上 分 解 時 間 は 短 縮 され た と し て も真 に高 分 解 特 性 が 達 成 さ れ た とは 言 い 難 い。 し か し こ の よ う左 現 象 は 高 時 間 分 解 測 光 時 に は よ く見 られ、 従 来 の 走 行 電 子 同 期 方式 で は 減 衰 部 の 歪 が、 ま た 偶 数 番 ダ イ ノー ド同時 制脚 方 式 で は 立 ち 上 が り部 の 歪 が問 題 と 左 っ て い た。 この 点 を 明 確 に す る た め に 、遅 延 制 御 方 式 に よ っ て求 め たLED光 源 に 対 す る観 測 波 形 の一 例 を 図1.22(A}に 、 ま た 比 較 の た め に従 来 の同 時 制 御 方式 に よ って 得 ら れ た 歪 を 伴 左 う観 測 波形 の例 を 同 図B)に 示 す 。 こ の 例 か ら明 らか な よ うに 、 遅 延 制 御 方 式 で は 高 時 間 分 解 測 光 時 に お い て 波 形 歪 が ほ と ん ど 左 く、 実 用 的 な 見 地 か ら極 め て 有 効 で あ る こ と が確 認 され た 。 HTV-R843の 分 解 、 利 得 、 歪 に 関 す る諸 特 性 はHTV-R106と 全 く同 様 で あ っ た の で こ こ で は 説 明 を省 略 す る。 し か し、EMI-9594Bは 前2者 とは 異 な った 特 性 を 示 す 。 ン ピーダ ンー ス不 整 合 に 起 因 して い る。 こ の 増 倍 管 は 形 状 が 大 き く、 か つ ヘ ッ ドオ ン タ イプ で あ る た め 、 必 然 的 に 電 極 か ら ソケ ッ ト端 子 ま で の 距 離 が 長 く、 浮 な りや す く、 図1.23(C1に 図1・23EMI'9594B闢 す る ゲー トパ ・ レス ㈹ ⑧ パ ル ス発 生 器 出 力 波 形 ◎ ◎ ダ イ ノ ー ドへ 印 加 後 の波 形 よ う嘆 イ ノr.上 示す 形 制 御 パ ルス は缶、1緲 で大 き旙 生発 振 を 起 こ し、 顕 著 な オ ー パ ー シ ュー トを生 ず る。 そ の 度 合 は ソ ケ ッ ト端 子 か ら離 れ た 若 い 番 号 の ダ イ ノー ドほ ど大 きい 。 こ の よ うな 状 態 で は 歪 の 左い 観 測 波 形 を 得 る こ と は 不 可 能 に 近 い 。 し か し こ こ で 注 目 す べ き こ とは 制 御 パ ル ス 幅 を2nsec程 度 に ま で 短 縮 し た 場 合 、 図 中(以(D)1/L示 さ れ る よ う に、 グ イ ノ ー ド上 の 制 御 パ ー25一 ル ス は も と の 波 形 に比 べ て 著 し く歪 ん で は い る もの の 、 有 害 な サ ブ ピー ク は 消 滅 す る こ とで あ る。 し た が って 観 測 波 形 の 歪 は 減 少 す る。 この こ と を 明 確 に す る た め に 、 幅2nsecの 制 御パ ルス を ダ ・ ・一 ・に 印 ・・し た 時 のLEDパ ル ス 光 源 に対 す る 応 答 波 形 を 図L24 に 示 す 。 た だ し こ こ で 、(A)はNo.4, 6,8,・0ダ イ ノー ドを制 御 した 時 、(B1はNo.s,8,10グ イノー ドを制 御 し た 時 、(C)は 増 倍 管 を正 規 電 圧状態 に してサ ンプ リングオ シロ ス コ ー プ に よ って 観 測 した 時 の 波 形 で あ る。 欧 は 比 較 的 ソ ケ ッ ト端 子 か ら離 れ たNo.4ダ イ ノー ドを も制 御 し て い る た め 、 イ ン ピー ダ ンス 不 整 合 の 影 響 が 強 くあ ら わ れ 、 応 答 波 形 減 衰 部 に 歪 を 生 じ て い る。 し か し、 N・ ・4ダ イ ノ ーrを 制 御 か ら外 した (B)では 顕 著 左 歪 は あ らわ れ て む らず 、 ま た 波 形 の 半 値 幅 も(A、 と か わ ら左 い 。 纛 藩 二;蠶蠶 実 に物 語 って い る。(B)の 場 合 の 分 解 K→ →5nsec時 間 は(1・2)式 か ら1・9nsecと 推 定 で き る。 な お 、(B、(Clと も減 衰 部 に わ ず か に テ イ リン グ を生 じ て い 幽 る力丶正糲 圧状態で単魂 電弼 ル ス に 対 す る 応 答 を 観 測 し て も同様 に テ イ ・ ン グ ・生 ず … ■1て 、 本輝 ■1・ と櫞 ■1次 図1・24LEDパ ル ス 光 源 に 対 す るEMI9594Bを 子 増骼 う か ・み 固 有 のmで ・ ・ れ ・。 に 。。.、,、,、 。ダ,.一, 制 御 した 場 合 に 詮 け る制 御 パ ル ス の応 答 ㈹No.4,6,8,10ダ (B)No.6.8,10ダ ◎ 正 規 電EE使 用(サ イ ノー ドを 遅 延 制 御 イ ノー ドを遅 延 制 御 ン プllン グ オ シ ロス コー プ で 観 測) -26一 幅 と分 解時 間 及 び 利 得 の 関 係 に つ い て 調 べ た 。 そ の 結 果 パ ル ス 幅1.6∼2.5nsecの 範 囲 では利得 の変動 は あ るものの応 答 波形 の形 状 そ の も6)は 変 化 せ ず 、 分 解 時 商 は1.9nsecに 保 た れ る こ と、 し か し 制御 パ ル ス 幅 が3nsec を 越 え る と徐 々 に 観 測 波 形 歪 が 生 じ て く る こ とが わ か った 。 利 得 は 制 御 パ ル ス 幅2nsecの 正 規 電 旺 状 態 に比 べて6倍 場合 とな るが 、 こ れ は 寄 生 発 振 の た め、 設 定 電 圧 以 上 の パ ル ス が ダ イ ノ ー ドに 印 加 さ れ 、 ゲ ー トオ ン時 の 鰰 御 ダ イ ノ ー ド電 圧 が 過 電 圧 状 態 に な る た め で あ る。 こ の よ うに EMI-9594Bの 分 解 時 間 は 先 ほ ど の サ イ ドウ イ ン ドウ タ イ プ の よ うに 自 由 に は 設 定 で きず 、 そ の 点 で の 融 通 性 に は 欠 け る もの の 、HTV-R106に 比 べ て 約100倍 の高利 得 で、 し か も 同 等 の 分 解 時 間 が 達 成 で き る こ と は 極 め て 大 き 攻 魅 力 で あ る と い え る。 今 後 こ の 増 倍 管 に対 し て' 課 せ ら れ た 問 題 は イン ピ レ ダ ンス 整 合 法 で あ り、 こ れ が 解 決 さ れ れ ば 飛 躍 的 な性 能 向 上 が な さ れ る こ と に な る。 最 後 に光 電 面 照 射 条 件 と分 解 時 間 の 関 係 に つ い て 測 定 を行 左 っ た 結 果 に つ い て 詳 述 す る。 光 電 子 増 倍 管 の イ ンパ ルス 光 に 対 す る応 答 時 間 広 が りの 原 因 と し て は 、 光 電 面 か ら初 段 ダ イ ノー ドへ 飛 行 す る光 電 子 の 軌 跡 の偏 差 が 大 きな 比 重 を 占 めて い る。 し た が って 高 速 測 光 を行 な うに は こ の 部 分 に 診 け る 時 間 偏 差 を 極 力 小 さ くす る た め 、 飛 行 軌 跡 を 揃 え る 目的 で 、 光 電 面 上 の 一 点 に の み 皺 測 定 光 を 照 射 す る必 要 が あ る。 事 実 、 こ れ ま で の 測 定 は す べ て 光 電 面 の 中心 を点 照 射 し て行 な っ た。 し か し こ う し た 場 合 、 光 電 面 上 の 照 射 エ ネ ル ギ ー 密 度 が 大 き く左 る た め米 電 子 放 出 が飽 和 し やす く、 測 定 光 量 の ダ イナ ミ ック レ ン ジを 大 き くで き な い とい う問 題 が 生 じた 。 ま た光 電 面 上 の 感 度 分 布 の 違 い に よ り、 光 照 射 位 置 の わ ず か な変 位 に対 して も利 得 が 大 き く変 動 し、 再 現 性 の 面 で も と か く問 題 とな った ・ 図1・25は サ イ ドウ イ ン ドウ タ イ プ光 電 子 増 倍 管(RCA-1P2$) を 例 に と り、 光 電 面 光 照 射 位 置 と利 得 の 関 係 を 調 べ た 結 果 を 示 した も の で あ る が 、 光 電 面 短 軸 方 向 に 沿 っ て 大 きな 感 度 偏 差 を もつ こ と が わ か る。 こ の 結 果 か らわ か る よ うに 、 強 度 に 対 す る定 量 性 を向 上 さ せ るた め に は 光 電 面 の 短 軸 牽 カ バ ー す る よ うな 光 束 を 照 射 す れ ば よ い や け で あ るが 、 そ の 際 の 照 射 条 件 と分 解 時 間 の 関 係 を 明 確 に し て お く必 要 が あ る 。 そ こ で ダ イ ノ ー ド遅 延 制 御 さ れ たHTV-R106型 光 電 子 増 倍 管 を用 い て 種 々 の 光 電 面 照 射 条 件 の も とに お け るLEDパ ス 光 に 対 す る応 答 波 形 を 測 定 し た。 結 果 を ま と め て 図1 。26に ル 示 す 。 こ の 図 か らは 、 縦 線 照 射 〔C) が ダ イ ナ ミ ック レ ン ジ と分 解 時 間 の 兼 ね 合 い の うえ で 一 番 妥 当 で あ る と判 定 で き る。 しか も実 用 上 か ら 考 え て も・ モ ノ ク ロ メー タ の ス リ ヅr形 状 と適 合 す る た め 好 都 合 で あ る。 しか し光 電 面 の 感 度 分 布 に よ る 影 響 の 問 題 は 、 こ の 照 射 法 に よ って は 解 決 さ れ て 澄 らず、 分 解 とダ イナ ミ ック レ ン ジ澄 よ び感 度 分 布 の 問 題 を 同 時 に 満 足 さ せ る こ と は 今 の と ころ 不 可 能 で あ る と い う結 論 を 下 さ ざ るを 得 な い 。 一=27一 一 1.5.4.a後 の発 展 以 上 述 べ た 試 作 ダ イ ノー ド制 御 鬻 璽謄殿購 時 間 を短 縮 す るた め の 考 察 を以 下 に 行 な う。 (1)高 速 制御 パ ル ス を安定 に発生 させ る た め に は ア バ ラ ン シ ェ ト ラ ン ジス タ の 直 刻 使 用 は 回 避 す べ き で あ る。 そ れ に は試 作 回 路 ' で 使 用 し た もの よ り も低 内 部抵 抗 で、 か つ ア バ ラ ン シ ェ ブv一 図1.25サ イ ド ウ イ ン ドウ タ イ プ光 電 子 増 倍 管 あ 光 電 面 感 度 分 布 の一例(RCA-1P21)ク ダ ウン電 圧の 高 い アバ ランシ ェ トラ ン ジス タ の 使 用 が 望 ま し い 。 こ の 目的 に 叶 う もの と して Motorola2N-5271な どが あ り、 こ れ ら を 使 用 し た場 合1個 で25ρ ま た は199負 荷 に対 し50V以 七の 超 高速 パ :蠶 譱繍 鷹 る。 (2)も し 遅 延 ケ ー プ ル 長 が数m以 上 に な る場 合 、 上 記 の よ うに し て 発 生 さ せ た制 御 パ ルス を遅 延 伝 送 す る た め の 同 軸 ケー ブ ル と して は 、 特 に 高 周 波 特 性 の す ぐ .れ たRG-11/U㍉RG-13/U な ど が 望 ま しい 。 (3、 ダ イ ノー ドデ カ ッブ リン グ コ ンデ ン サ に は 良 好 左 高 周 波 特 性 図 ・.26光 電面 照射条 件の 勸 廟 する を もつ 貫 鯉 応 答 波 形の変 化 (HTV-R106遅 延 制 御 ゲ ー ト) -28一 を使 用 す べ きで あ るa (41光 電 面 と初 段 ダ イ ノー ド間 の 電 子 飛 行 時 間 の 偏 差 を 小 さ くす る た め に こ の 間 の 電 圧 を さ らに 増 大 さ せ る こ と が 望'まし い 。 1.6.バ ッ ク グ ラ ウ ン ド信 号 補 償 用 ボ ッ ク ス カ ー 積 分 器 の 試 作 ダ イ ノ ー ド遅 延 制 御 方 式 で はバ ックグ ラウン ド電 流比 が10-310°5で 状 態 で あ って も信 号 電 流 が ゲ ー トオ ン 時 の10-3∼10-5程 をCRフ あ るた め 、 カ ッ トオ フ 度 あ らわ れ る。 し た が っ て 出 力 光 電 流 ィル タ を 介 し て 直 流 増 幅 す る 場 合 、 系 疏 的誤 差 が 生 ず る こ と は 避 け 得 左 い 。 こ の誤 差 は 時 間 分 解 ス ペ ク トル の 測 定 時 に は ゴ ー ス トス ペ ク トル の形 に な っ て あ らわ れ る。 特 に 被 測 定 光 の 持 続 時 間 に 対 す る 分 解 時 間 の 比 が バ ックグ ラ ウン ド電 流 比 よ り大 きNと き、 誤 差 成 分 の 方 が 信 号 成 分 よ り 大 き く友 る うえ 、 発 光 が 微 弱 な 場 合 、 そ の 発 光 に も と ず くバ ックグ ラ ウン ド信 号 成 分 の み 左 らず 暗 電 流 の 変 動 に と も な うべ 一 ス ラ イ ン変 動 の 影 響 を も受 け る。 こ の 影 響 は 分 解 時 間 が 短 か く左 るほ ど大 き くな る た め 、 高 時 間 分 解 測 光 時 に は と か くSN比 が 劣 下 し が ち で あ った 。 そ こ で 本 研 究 に 澄 い て は 、毎 回 の 測 定 値 か ら誤 差 成 分 を 差 し 引 き積 算 す る こ と に よ り測 定 精 度 とSN比 の 向上 を 図 った ドリ フ ト補 償 型 ダ プ ル ポ 。ク ス カ 門 積 分 器 を試 作 し 、 そ の性 能 を テ ス ト光 源 に ょ っ て 評 価 した 。 試 作 ボ ック ー ス カ ー 積 分 器 の 設 計 方 針 と し て は 特 に ダ イ ノ ー ド遅 延 制 御 光 電 子 増 倍 管 シ ス テ ム と併 用 し て 、 2nsec以 下 の 分 解 で時 間 分 解 ス ペ ク トル を収 得 で き る と とを 目的 と し て い る。 な お 第3章 澄 よ び第4章 に お い て 述 べ るダ ブ ル ボ ・ク ス カ ー 積 分 器 は こ れ を原 形 と し て マ イ ク ロ 秒 領 域 の 測 光 に 供 す る よ う改 作 し た もの で あ る。 1.6.1.動 作 原 理 と構 成 は じめ に 本 ボ ック ス カ ー 積 分 器 を使 用 し た ナ ノ 秒 測 光 シス テ ム の ブ ロ ック 図 を図1.27に 装 置 全 体 は1MHzの aOkHzに 示 す。 水 晶 発 振 器 で 制 御 さ れ て い る。 こ の 発 振 は プ ロ グ ラム カ ゥ ン タ で0 .5k∼ ま で 分 周 さ れ 、 騨 光 装 置 の全 体 の 繰 り返 し動 作 を つ か さ ど る 主 パ ル ス と して 用 い ら れ る。 光 源 は主 パ ル ス と 同 一 の 周 波 数 で 繰 り返 し発 光 す る が 、 こ れ に対 して 光 電 子 増 倍 管 に よ る 芽 ン プ リングは光 源の 発光 中 と発 光 開始以 前 の交互 に行 な わ れ る。 前老 は 発光信 号 収得 用 で あ り、 後老 は バ ヅクグ ラウン ド信 号 補 正 に 用 い られ る。 し た が って 信 号 利 用 率 ほ 今 ま で の 半 分 に 左 る が、 し か しSN比 図L28は の改 善 度 は そ れ を補 って も余 りあ る。 一 一 ボ ック ス カ ー 積 分 器 各 部 の 動 作 の タ イ ミ ン グ を 示 し た も の で あ り、 こ の 図 に 従 って 本 シス テ ム の動 作 を説 明 す る。 まず 光 電 子 増 倍 管 ゲ ー トに よ っ て信 号 光 が サ ン プ リ ン グ さ れ 、 そ の 光 電 出 力 電 流 は 時 定 数20 μsecのCR回 路 に よ っ て 充 放 電 さ れ る 。 こ の 充 放 電 電 圧 は ア ナ ロ グ ス イ ッチAとCR積 一29一 分回路 図1.27ボ ックス カ ー 積 分 器 を併 用 し た 時 間 分 解 分 光 測 光 シ ス テ ム か らな る ボ ック ス カ ー 積 分 器 に よ って200μsecの 間 積 分 さ れ る。 言 うま で も左 く こ こ で の 積 分 値 は 〔信 号+漏 れ 電 流+暗 電 流 〕に 比 例 し た 値 とな る。 引 き続 き次 の 回 では光 電子 増倍 管 のサ ソプ リ ング パ ル ス を 乖 源 発 光 開 始 以 前2μsec に発 生 させ、 同時 に ア ナ ログス イ ッチBを 図1.28ボ ッ クス カ ー積 分 器 各 部 の タ イ ミン グ 図 動 作 さ せ てC漏 れ 電 流+ 暗 電 流 〕を 取 得 す る。 そ うし て こ れ を 前 回 の 値 か ら 差 し 引 き積 分 し、 そ の 出 力 を サ ン プ ル ホ ー ル ドす る。 最 後 に こ の ホ ー ル ド信 号 を フ ィル タ で 平 滑 化 し、 最 終 的 な 出 力 信 号 とす れ ば 雑 音 の 除 去 さ れ た 巌 測 定 光 の信 号 成 分 の み が 取 り出 さ れ る。 こ こ で ア ナ ロ グ ス イ ッチA,Bの ゲ ー ト時 間 の 差 は 雑 音 除 去 能 率 に 直 接 影 響 す る た め 、 こ れ を 正 確 に 零 と し な け れ ぱ な ら左 い 。 この 点 、 試 作 装 置 で は1MHzの 制 御 し て い る の で 温mど 水 晶 発 振 周 波 数 を 分 周 す る こ とに よ り ゲ ー ト回 路 を に よ る影 響 を受 け る こ と な く高 精 度 の 測 定 を行 攻 う こ とが で き る。 -30一 1.6:2.装 置 の詳 細 図1.29に ボ ックス カー 積 分 器 の 回 路 図 を示 す 。 た だ し こ の 図 で は デ ィ ジ タ ル コ ン ト ロー ル 部 は 模 式 化 さ れ て い る。 ダ イ ノー ド遅 延 制 御 光 電 子 増 倍 管 の ア ノー ドには ダイ ノー ド制 御 パル ス に ょ る立 ち上 りの 鋭 い 波. 高10V程 度 の 誘 導 パ ルス が あ らわ れ る。 こ の誘 導 パ ルス に よ る増 幅 器 飽 科 を 防 ぐた め 、 ボ ック ス カー 積 分 器 入 力 端 子 に は カ ッ トオ フ 周 波 数 約2MHzのLCフ 去 し て い る。 ま た こ のLCフ ィル タ を 設 け 、 高 周 波 成 分 を除 ィル タ は 同 時 に信 号 光 電 流 パ ル ス を積 分 し、 増 幅 に か 左 うパ ル ス 幅 ま で に 伸 長 さ せ る 左 ど、 そ の 役 割 は 大 きい 。 こ う して 必 要 な 電 圧 に ま で 増 幅 さ れ た 信 号 は 前 述 の よ うに 交 互 に 開 閉 す る ア ナ ロ グー ス イ ッチ に よ り雑 音 除 去 処 理 を受 け 、出力 され る。 本 方 式 で は 原 理 的 にア ナ ログー ス イ 。チ 以 前 の 信 号 増 幅 系 に お い て 発 生 す る ド リフ トや雑 音 成 分 は 増 倍 管 か らの 雑 音 成 分 と も ど も完 全 に 除 去 さ れ るた め 、 そ の 意 味 で は 単 チ ャネ ル ポ 。ク ス カ ー 積 分 器 よ り も増 幅 系 の 製 作 は 容 易 で あ る と い え る。 DRIFTCOPIPEPISA丁EDDOUSIEBOXCARINTEGRATOR 図L29ダ ブ ル ボ ヅ ク ス カ ー積 分 器 一31一 1.62.eッ ク グ ラ ウ ン ド信 号 の補 償 試 作 し た ボ ック ス カ ー 積 分 器 の性 能 を 評 価 す る た め 、 テ ス ト用 二 色 光 源 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル の 測 定 を 行 左 った 。 は じ め に(1,4.2)節 で 述 べ た テ ス ト用 二 色 光 源 の パ ル ス 発 光 波 形 を 図1.30 に 示 し て お く。 こ の 光 源 の 発 光 開 始 後40nsecと2800nsecに 澄 け る時 間 分 解 ス ペ ク トル を 従 来 の直流 信号 処 理法 で記録 した結 果 、 ゲー トオ フ 時 に 鉛 け る漏 れ電 流' の だ め、 図1.31に 示 す よ う に顕 著 な 緑 色 ゴ ー ス トス ペ ク トル が あ ら わ れ た 。 な お 、 こ の 測 定 はHTVR106型 光電子 増 倍 管 に ょるダ イ ノ ー ド遅 延 卸御 方 式 測 光 装 置 に ょ っ て行 な って 齢 り、 サ ン プ リン グパ ル ス 印 加 時 と非 印 加 時 の ス ペ ク ト・ ルが 同 時 に 記 録 さ れ て い る。 本 ボ ック ス カー 積分 器 を併用 した場 合、 近似 的 に は この サ ン プ リン グパ ル ス 印 加 時 図 ・.3・ 二 色光 源 のパ ルス 発光 波形 と彡黝 。時 の 差 成 分(鏘 で 示 した 部 分)を 出 力 す る こ と に 友 る。 図 1.32は こ うし て ボ ッ ク ス カ ー 積 分 灘 郷1惚 鷺 1.30に 示 された赤 色、 緑色 の過渡 発 光 の 推 移 と正 確 に 対 応 して い る こ と が わ か る。 以 上 の よ うに し て 性 能 評 価 を行 ・ ・ 騾 ゲ ー ・糒 の 漏 れ 電 流 の 補 償 と い う 当初 の 目的 が十分 に達 成 され て い る こ とが確認 で きた・ 図1.3i二 色 光 源 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル (ボ ック ス カ ー 積 分 器 未 使 用) -32一 図1.32二 色 光 源 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル (ボ ック ス カ ー 積 分 器 併 用) 1.7.結 言 光 電 子 増倍 管 ゲー ト方 式 サ シ プ リン グ型 高速 測 光 シス テ ム の 分 解 時 間 の 短 縮 を 主 目的 と レ て 偶 数 番 ダ イ ノー ド遅 延 融 卸 回 路 を 考 案 試 作 し、 そ の 性 能 を 評 価 し た。 タ イ ミン グ 制 御 装 置 に つ い て ω 繰 り返 し 現 象 に 対 す るサ ン プ リ γ グ の 身 イ ミン グ を 決 定 す る も の で あ る。 (2)可 変 遅 延 時 間 域 を50nsec∼30μsec'ま で6段 に 切 り換 え られ 、 さ ま ざ ま な 繰 り返 し現 象 に対 処 し得 る。 ③ 可 変 遅 延 回路 は 手 動 、 自動 に 加 え て コ ン ピ ュー タ に よ る 制 御 が 可 能 で あ り、 オ ン ラ ィ ンデ ー タ 収 集 が 実 現 で き る。' (4)光 源 ト リガ チ ャネ ル 、 サ ン プ リ ン グ チ ャネ ル に は そ れ ぞ れ 最 大1μsec'ま 延 回 略 が 設 け られ て い る た め1現 (5)サ イ7ト で遅延 で きる固定遅 象 の 開 始 部 な ど特 定 の時 間領 域 を も詳 細 に観 測 で き る。 ロ ン ト リガ 用 パ ル ス 発 生 器 お よび 偶 数 番 ダ イ ノ ー ド同 時 制 御 用 パ ル ス 罪 生 器 を 内 蔵 し . て い るo -33一 発 光 ダ イ オ ー ドパ ル ス 元 源 に つ い て (1)最 小 発 光 時 間 はi..4nsec.発 光 繰 り返 し 周 波 数 は100kHz以 上 が 可 能 であ る。 ま た発 光 時 間 は 可 変 で あ る。 (2)駆 ③ 動 が 非 常 に 簡 単 で 、 駆 動 回 路 を含 め た 光 源 全 体 の 形 状 を 小 型 化 で き る。 単 色 点 光 源 で あ る う え 、 直 流 点 灯 に 随 時 切 り換 え られ るの で 光 軸 の調 整 が 容 易 で あ る 左 ど、 テ ス,ト用 光 源 と し て の 用 途 が 広 い 。 (4、 目的 に 応 じ て 数 種 のLEDを 結 合 し、 多 色 光 源 を 製 作 で き る。 光 電 子 増 倍 管 ダ イ ノ ー ド遅 延 制 御 方 式 に つ い て (1)偶 (2)3種 数 番 ダ イ ノー ド同 時 制 御 法 と走 行 電 子 同 期 法 を 折 中 さ せ た もの で あ る。 の光 電 子 増 倍 管(HTV-R106、HTV-R843、EMI・9594B)に 果 、 皐 小 分 解 時 間 は い ず れ も1.8∼1.9nsecで 適 用 した結 あ った 。 こ れ は 部 分 ダ イ ノ ー ド制 御 法 と し て は 最 小 の もの で あ る 。 (3)HTV-R106とHTV-R843は ほ ぼ 同 一 の ゲ ー テ ィ ン グ特 性 を 示 した 。 両 者 に つ い て は 分 解 時 間 は 可 変 で あ る。 ま た 最 小 分 解 時 間 に 澄 け る利 得 は 正 規 使 用 時 の0.5倍 (4)EMI-9594Bに 用 時 の6倍 (5)い 対 す る 制 御 パ ル ス 幅 は2nsec程 で あ る。 度 が 最 適 で あ り、 そ の 時 の 利 得 は 正 規 使 で あ った 。 ず れ も100kHz以 上 の 繰 り返 し動 作 が 可 能 で あ る。 ボ ック ス カ ー積 分 器 につ い て (1、 部 分 ダ イ ノ ー ド制 御 光 電 子 増 倍 管 の バ ック グラ ウン ド電 流 を 補 償 し、 ド リフ トや ゴ ー ス トス ペ ク トル の 除 去 を 行 左 う もの で あ る 。 (2)回 路 は 水 晶 発 振 器 か ら の パ ル ス を もと に 制 御 さ れ て い る た め 、 極 め て 安 定 で あ り、 信 頼 性 が 高 いo (3)二 色 光 源 を 用 い て性 能 測 定 を行 な っ た 結 果 ・ 緑 色 ゴー ス トス ペ ク トル が 完 全 に 除 去 さ れ、 所 期 の 目 的 を 十 分 に 達 し得 る こ と を 確 認 し た 。 問 題 点 と今 後 の 目標 (1)分 解 時 間 の さ ら 左 る短 縮 方 法 に つ い て は 前 述 し た。 (21時 間 芬 解 特 性 と ダ イナ ミ ・ク レ ン ジ澄 よ び光 電 面 感度 分 布 の 影 響 の 問 題 を解 決 す ぺ く努 力 を重 ね て ゆ きた い 。 (3)EM1-9594Bの 分 解 時 間 を ぜ ひ と も可 変 に で き る よ うに し た い 。 -34一 (41上 記 の よ うに し て改 良 さ れ た 時 間 分 解 測 光 シ ス テ ム を分 光 分 析 へ 積 極 的 に 導 入 し て ゆ き た い 一35一 。 第2章 2。1.緒 多 チ ャ ネ ル 統 計 的 サ ン プ グ 型 ナ ノ 秒 測 光 装 置 の 試 リ ン 作 言 高 速 発 光 現 象 の 過 渡 的 観 測 を行 な う場 合 、 そ の 現 象 が 繰 り返 し再 現 さ れ る な ら ば 、 前 章 で 述 べ た サ ン プ リ ン グ 測 光 法 に よ って 精 度 よ く実 行 す る こ と が で き る。 し か し測 定対 象 が 極 め て 微 弱 な 時、 ア ナ ロ グ 的 な 光 電 流 測 光 に よ る方 法 で は もは や 必 要ESN比 を確 保 す る こ とが で きな い 。 この よ う 左 極 微 弱 光 に 対 し て は 現 在 の と こ ろ光 子 計 数 法 に よ る 方 式 が 、SN比 、 感度 、分 解 時 間の点 で最 も ナ ぐれ た 測 光 法 で あ る とさ れ て い る 。 し か し従 来 の 測 光 方 式 は 測 定 精 度 の 面 で は 十 分 満 足 の ゆ く も の が 開 発 さ れ て い る も の の 、 本 質 的 に信 号 利 用 率 が 悪 く、 測 定 に 長 時 間 を要 す る ζ と が 最 大 の 欠 点 と な って い る。 そ れ に も か か わ ら ず 、 信 号 利 用 率 の 向 上 に よ る測 定 の 高 能 率 化 を 目指 し た装 置 の 開 発 は 余 り成 さ れ て い な い の が 現 状 で あ る。 こ の よ う な 背 景 か ら、 本 研 究 で は 光 子 計 数 型 高速 測 光装 置 の 高 能 率 化 を 目的 と し て 多 チ ャネ ル 化 の 方 式 を 考 案 し、 装 置 の 試 作 を 行 左 った 。 光 子 計 数 法 を 用 い た 高 速 測 光 方式 の 中 で は 特 に 統 計 的 サ ン プ リン グ法 と呼 ば カ る 原 理 に もと ず く もの が 分 解 時 間 の 点 で 最 も優 れ て 澄 り、 測 光 装 置 も現 在'まで に さ ま ざ ま 左 もの が 開 発 さ れ て い る。 そ の 代 表 的 な もの は 、 す でに 布 販 も され 、 各 方 面 で 盛 ん に使 用 さ れ て い る時 間 振 幅変 換 器(TAC) を用 い た艇 一 致 装 置47)で あ る.こ のmで は毎 回 の働 返 レ測 定 でTAC縞 ・1個 の光 電子 パ ル ス の 遅 延 時 間 しか 測 定 す る能 力 を持 た な い た め 、 信 号 利 用 率 が 極 め て 悪 い 。 遅 延 時 間 を測 定 す る方 法 と し て はTACの 他 に ク ロ ノ トロ ン を 用 い る方 法 が あ る。 バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン は は じめ 核 物 理 計 測 を 目的 と し て1959年12H.W.LefevreとJ.T. R。 。、e1褓 。繝 発48)さ 嫉 一 ニ ァ ク ロ ノ トロ ン が 試 作49)さ ト ロ ンは 元 来 、2個 が 、 そ の 後i965年lrcW.R.B。 。n。ttら に よ 。 て 同 期 式 ・・ れ 、 高 速 発 光 現 象 の 過 渡 的 な測 定 へ 応 用 さ れ た 。 バ ー ニア ク ロ ノ の パ ル ス の時 間 間 隔 の 測 定 を 目的 と し て 考 案 さ れ た もの で あh.TACと く遅 延 一 致 装 置 に 応 用 す る こ と が で き る 。 しか し 、 信 号 利 用 率 の 点 では や は りTAC方 同 じ 式 に よ る遅 延 一 致 法 と 同 じ欠 点 を もっ もの で あ った 。 さ ら に 近 年 、 目覚 しい 進 歩 を とげ た エ レ ク トロ ニ ク ス 技 術 の 普 及 に よ り比 較 的 簡 単 に 高 精 度 のTACが 製 作 さ れ る に及 ん で 、 ク ロ ノ トロ ン に つ い て の そ の 後 の 研 究 は 余 りな さ れ 左 く宏 った 。 そ れ ゆ え 、 現 在 で は 遅 延 一 致 型 光子 計数 装 置 と い え ぱ 一 般 に は TAC方 式 を 指 す の が 普 通 に な っ て い る 。 本 論 文 で も以 下 こ の慣 例 に した が う。 生 化 学 試 料 に対 す る 高 速 分 光 学 的 研 究 の 中 で も、 パ ル ス 光 励 起 に よ る け い 光 測 光 は 特 に有 益 な 情 報 を 与 え る も の で あ る が 、 励 起 光 強 度 が 大 き い と試 料 破 壊 を 招 く こ と が あ る。 特 に 目 の 色 覚 細 胞 な どは照 射光 の 醸 に よ 。て分光雛 が著 し く変 イけ る5°).こ の働 研究燃 鰍 弱 光 に靴 て検 出能力 の あ る光子 計 数装 置が必 要 な のは言 う・ まで もな い が・ 試料 自体 の経時 変化 が一般 の固体 試料 一36一 左 ど に 比 べ て 激 し く、 ま た 変 化 し た 試 料 を新 しい もの に 取 り換 え る に し て も試 料 抽 出 が 困 難 で あ る 場 合 が 多 い た め、 測 光 装 置 に は 短 時 間 に 精 度 よ く測 定 を 完 了 さ せ る能 力 が 要 求 さ れ る。 ま た 発 光 現 象 の 過 渡的 振 舞 だ け で 左 くそ の ス ペ ク トル を測 定 す る こ と も非 常 に 重 要 と 左 るが 、 測 定 能 率 の悪 い 遅 延 一 致 装 置 で は 膨 大 左測 定 時 間 を 要 す る た め 、 測 定 中 に試 料 の特 性 の 変 化 や 光 源 の 発 光 特 性 の 劣 下 な どを 招 き、 高 精 度 の測 定 を行 な う こ とが 非 常 に 困 難 で あ った 。 事 実 、 光 子 計 数 法 に ょ って ナ ノ 秒 領 域 の時 間 分解 ス ペ ク トル を 能 率 よ く測 定 し た 例 は 余 り見 当 らな い 。 今 回 試 作 し た 光 子 計 数 装 置 は、 光 電 パ ル ス 遅 延 素子 と して シ ョ ッ トキ ーICゲ ー トを 利 用 した 同 時 検 出装 置 と、 同 軸 ケ ー ブ ル を遅 延 素 子 と し て 利 用 し た バー ニ ア ク ロ ノ ト ロ ン の2つ で あ る。 こ の う ち 、 前 老 は 単 一 線 路 の ク ロ ノ トロ ン を、 ま た後 者 は 言 うま で も な くバ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン を そ れ ぞ れ 原 形 と し て 、 これ を 多 チ ャ ネ ル 化 す う こ と に よ り信 号 利 用 率 の 大 幅 な 改善 を 行 な って い る。 さ らに 科学 計 測 装 置 の 制 御 や デ ー タ 収 集 な ど に 常 識 化 しつ つ あ る ミニ コ ン ピ ュー タ を オ ン ラ イ ン で結 合 す る こ と に よ って 測 定 の 自動 化 を行 左 って 雜 り、 光 子 計 数 法 に よ る微 弱 光 の時 間 分 解 ス ペ ク トル を極 め て 能 率 よ く取 得 す る こ と が で き る よ うに な った 。 2.2.光 子 計 数 方 式 に よ る 時 間 分 解 測 光 装 置 の 概 要 光 子 計 数 方 式 は、 光 電 子 パ ル ス の 個 数 が 入 射 光 強 度 に 比 例 す る とい う性 質 を利 用 し て光 電 子 パ ル ス の 発 生 個 数 を デ ィ ジ タ ル 的 に 計 数 し、 入 射 光 の強 度 情 報 を得 る もの で あ る 。 光 電 子 パ ル ス は 入 射 光 量 に 比 例 し た数 の 信 号 パ ル ス と、 入 射 光 強 度 に 無 関 係 な 暗 雑 音 パ ル ス とに 分 け られ る。 光 電子 増 倍 管 の暗 雑 音 パ ル ス を発 生 原 因 に よ っ て 分 け る と 次 の4つ (1}陰 に な る。 極 光 電 面 か らの 熱 電 子 放 出 (2、 印 加 電 圧 に よ る ダ イ ノー ド面 か らの 電 子 放 出 (3、 イオ ン フ ィー ドバ ック (41宇 宙 線 、 放 射 線 に よ る シ ン チ レー シ ョ ン こ の う ち(1)が も っ と も支 配 的 で あ る。 ま た、 光 電 子 パ ル ス は ダ イ ノー ド面 で の2次 電 子 増 倍機 構 の ラ ンダ ム 性 に よ らて か な り広 が った 振 幅 分 布 を持 ち 、 しか も信 号 パ ル ス と 暗雑 音 パ ル ス では 一 般 に 異 な っ た振 幅 分 布 を 持 っ51)。 こ の 振 幅 分 布 は光 電 子 増 倍 管 に よ っ て 異 な った 様 子 を 示 す が 、 一 般 に 信 号 パルス の波 高 は暗 雑 音 パル スの波 高 より も大 き くな る。 い て 暗 雑 音 パ ル ス を 除 去 し、SN比 し た が って ・ パ ル ス 波 高 弁 別 器 を用 を向 上 さ せ る こ と が 可 能 と な る。 波 高 弁 別 器 に よ るSN比 善 に つ い て は 、 定 常 光 の 場 合 に は 多 くの 報 告52)が あ る が 、 高 速 測 光 の:場合 に つ い て の こ の種 の報 告 は 余 りな さ れ て は い な い 。 以 上 、 光 子 計 数 法 の特 徴 を要 約 す る と次 の6点 (11入 の改 に な る。 射 光 強 度 が小 さい 場 合 に 、 高 感 度 で し か もSN比 -37一 の大 き な測 光 が 可 能 で あ る。 (2、 光 電 子 増 倍 管 の 印 加 電 圧 の 変 動 や 増 幅 器 の 利 得 変 動 に 対 し、 直 流 測光 の場 合 に 比 べ て 影 響 を受 け に く.く・ 測 光 系 全 体 の 利 得 を 長 時 間 一 定 に 保 つ こ と が で き る。 (3)光 ④ 電 子 増 倍 管 の 暗 電 流 ド リフ トの 影 響 を ほ と ん ど受 け な い 。 積 算 に よ るSN比 改 善 に お い て 、 デ ィ ジタ ル 量 で あ るた め に 測 定 回 路 の ド リフ トが な く、 積 算 時 間 を無 限 に 長 く と る こ と が で き る。 (5)光 電 子 パ ル ス の 発 生 時 刻 の み が 測 定 量 で あ る よ う左 測 光 方 式(統 計 的 サ ン プ リン グ 法 に よ る高 速 測 光 方 式 左 ど)の 場 合 、 光 電 子 増 倍 管 の 帯 域 を越 え る高 速 現 象 を も観 測 す る こ と が で き る 。 (6)測 定 量 が デ ィ ジタ ル 量 で あ る た め 、 コ ン ピ ュー タ に よ る装 置 の 制 御 、 デ ー タ処 理 攻 ど を容 易 に 行 な う こ とが で き る。 光 子 計 数 法 を用 い た 高速 測 光 方 式 は デ ィ ジタ ル サ ン プ リン グ 法 と統 計 的 サ ン プ リン グ 法 とに 大 別 す る こ と が で き る。 デ ィ ジタ ル サ ン プ リン グ方 式 は 、 前 章 で 述 べ た 光 電 流 測 定 に よ る サ ン プ リ ン グ型 時 間 分 解 測 光 方 式 と 同 様 に 考 え る こ と が で き る。 これ は、 現 象 の 持 続 時 間 に比 べ て 十 分 短 い幅 の ゲ ー トパ ルス に ょ って 光 子 計 数 器 を動 作 さ せ 、 光 電 子 パ ル ス を計 数 す る一 方 、 ゲ ー トパ ルス を 現 象 に 対 して 時 間 的 に 移 動 さ せ る 方式 で あ り、 現 象 に 対 す る ゲ ー トパ ル ス の 移 動 方 法 の 違 い に よ つて シ ン グ ル チ ャネ ル デ ィ ジ タ ル サ ン ブ リン グ 法 とマ ル チ チ ャネ ル デ ィ ジ タ ル サ ン プ リ ン グ法 に 分 け ら れ る 。 シ ン グ ル チ ャ ネ ル サ ン プ リ ン グ法 は 現 象 の 繰 り返 し に応 じて ゲー トパ ル ス を 移 動 させ る もの で、1回 い て1個 の 現 象 につ の ゲー トパ ル ス を対 応 させ て い る た め 信 号 利 用 率 は 悪 い 。 ま た、 マ ルチ チ ャネ ル 法 は 現 象 の 過 渡 的 変 化 を 追 従 す る よ う に、 対 応 す る ゲー トを 順 次開 い て ゆ く方式 で あ り、1回 の 現 象 に つい て の 信 号 利 用 率 が 高 い 。 両 者 と も繰 り返 し 現 象 に 対 し て 用 い ら れ る が ・ 余 り高速 左 現 象 に 対 し て は 検 出 能 力 が な く、 数 十nsecの 分 解 が 限 度 で あ る。 シ ン グ ル チ ャ ネ ル サ ン プ リン グ法 の 具体 例 に つ い て は第3章 リン グ 法 の 例 と し て はJ.A.W.B,。 ら53)の 行 な 。妨 で 詳 述 す る。 マ ル チ チ ャネ ル サ ン プ 式 が あ る.こ れは 〃 グ・ レチbネ マ ル チ チ ャネ ル 法 の組 み 合 わ せ と考 え る こ と が で き る。 現 象 を カ パ ー す る た め に は100チ の 低 速 メモ リ(コ ア メ モ リ)を 用 い 、 別 に 光 電 子 パ ル ス を 計 数 す る た め の10チ フ ァ メモ リが 用 い られ て い る。 この バ ッフ ァ メ モ リはECLゲ して は10nsecを ル法と ャネ ル ャ・ ネ ル の 高速 バ 。 ー トを用 い て お り、 最 小 分 解 時 間 と 達 成 して い る。 デ ィ ジ タ ル サ ン プ リン グ法 と統 計 的 サ ン プ リン グ法 の最 も異 な る 点 は そ の測 定 量 で あ り、 前 者 は 光 電 子 パ ル ス の 発 生 個 数 を測 定 す る の に対 し、 後 者 は 光 電 子 パ ル ス の 発 生 時 刻 を測 定 す る。 図2.1 は 現 象 の 開 始 時 をt=oと した時 、 光電子 パ ル・ ス の 発 生 時 刻t1,t2を 測 定 す る こ と に よ り過 渡 的 波 形 を ヒ ス トグ ラ ム と し て 求 め る こ とを 示 し た 図 で あ る。 こ の 楊 合 、1個 値 が1回 の 現 象 で 高 々1個 の メモ リに加 算 さ れ る で あ る こ と もデ ィ ジ タ ル サ ン プ リン グ 法 と本 質 的 に 異 な る点 で あ る 。 ま 一38一 図2・1統 計 的 サ ン プ リン グ 法 の原 理 図2.2TACを 用 い た遅延 一 致法 た 、 発生 時 刻 だ け を問 題 と し て い るた め、 光 電 子 パ ル ス が 光 電 子 増 倍 管 の 帯 域 幅 に ょ って 制 限 を受 け て い る場 合 で あ って もそ れ と は 無 関 係 に 、 よ り高速 現 象 の 過 渡 的 観 測 を 行 な う こ と が 可 能 で あ る。 以 下 具 体 例 を示 す 。 ωTAC方 式 遅 延 一 致 装 置(遅 代表的雛 h,Ortec社 延 一 致 装 置) 置 構 成 の ブ ・ 。ク 図54)を 図 、.、に 示 す.。 の方 灘 現在 最 砿 く用 い られ て お は じめ 数 社 か ら市 販 も さ れ て い る。 パ ル ー ス発 生時刻 の測 定 は時 間振 幅 変換器 (TAC)と 多 チ ャネ ル パ ル ス 波 高 分 析 器(MCPHA)に ょ っ て 行 な わ れ る。 パ ル ス 光 は モ ノ ク ロ メー タ に よ っ て適 当 な励 起 波 長 が 選 択 さ れ 、 試 料 を励 起 す る。 発 光 開 始 信 号 は 光 電 子 増 倍 管(1P28)に よ っ て 検 出 さ れ 、 波 高弁 別 器 通 過 後TACが い 光 に も とつ く光 電 子 パ ルス が 高 速 光 電 子 増 倍 管(56UVP)か ってTACが 動 作 を完 了 す る。TACは ら出 力 さ れ る が、 こ れ に ょ 動 作 開 始 か ら完 了 ま で の 時 間 を電 圧 信 号 に 変 換 す る。 こ の 変 換 さ れ た 電 圧 は 直 ち にMCPHAに (PDP-10)に 動 作 状 態 に さ れ る。一 方 、 け よ って 波 高 分 析 が 行 な わ れ 、 ミニ コ ン ピ ュ ー タ 導 か れ る。 ミニ コ ン ピ ュー タ は 光 電 子 パ ル ス 数 の ヒス トグ ラ ム を 作 成 す る ほ か 、 必 要 な 処 理 を行 な い、 結 果 を タ イ プ ア ウ トす る。 TAC方 合 ・2個 式 遅 延 一 致 法 の最 大 の 欠 点 は2個 ま た は そ れ 以 上 の 光 電 子 パ ルス の 発 生 が あ っ た場 目以 降 の パ ル ス は 計 数 損 失 さ れ て し ま う こ と で あ る。 計 数 損 失 は 観 測 波 形 を歪 曲 化 さ せ る の で 、 実 際 の測 定 で は光 電 子 増 倍 管 へ の 入 射 光 量 を適 当 に 減 少 さ せ 、1回 光 電 子 パ ル ス の 発 生 確 率 を1%以 下 に 抑 制 し て い る。 -39一 の 現 象 に対す る ⑧ ク ロ ノ トロ ン方 式 遅 延 一 致 装 置 TAC方 式 が 遅 延 時 間 を ア ナ ロ グ的 に処 理 し た の に 対 し、 この 方式 で は遅 延 時 闇 を ケ ー ブ ル 内 の 伝 播 距 離 の 差 に 置 きか え て デ ィ ジ タ ル 的 に 検 出 す る も の で あ る。 前述 の よ う に バ ー ニ ァ ク ロ ノ トロ ン は2個 の パ ル ス 間 隔 を 測 定 す る装 置 で あ り、 構 成 は 図2.3に 示 す よ う に ル ー プ状 の 2個 の リン グ発 振 器 ㈹ ⑧ 、 一 致 回 路 、 ス ケ ー ラか ら成 り立 って い る。 ま ず リン グ 発 振 器(勘,⑧ に そ れ ぞ れd.tだ 時 間 差dτ け 離 れ た ス タ ー トな ら び に ス ト ッ プ パ ル ス を 加 え る。 こ の 時 、(B1の ル ー プ は に 相 当 す る だ け ω よ り短 か くし て あ る の で 、(βレレー プ を ス ト ッ プパ ル ス が1周 こ とに ω ル ー プ 内 の ス タ ー トパ ル スticdτ ず つ 追 い つ き、n(霜4t/dτ)周 か ら出 力 と して 取 り出 さ れ る。 ス ト ッ プパ ル ス が 周 回 し た 回数nを す る 目に 一 致 回 路 ス ケ ー ラ で 計 数 し て メ モ リ・ 内 の番 地 指 定 を 行 な い ・ そ の 番 地 の 内 容 に1を 加 え て ヒス ト グ ラム を作 成 す る。 こ の 方 法 は 安 定 性 が よ い が、 信 号 利 用 率 と い う点 で は 先 ほ どの 遅 延 一 致 法 と同 じ く極 め て 不 利 で あ る。 図2.3パ ー ニア ク ロノ トロンの原理 2・3.多 チ ャ ネ ル 同 時 検 出 方 式 ナ ノ 秒 測 光 装 置 の 試 作 2.3,1.動 作 原 理 と構 成 こ の装 置 は 、 従 来 信 号 遅 延 素 子 と し て 同 軸 ケ ー ブ ル が 使 用 さ れ て い た クAノ の 遅 延 部 をIC化 原 理 は、1現 トロ ン に 対 し、 そ す る と と もに 多 チ ャ ネ ル 化 し て信 号 利 用 率 の 向 上 を 図 った もの で あ る。 象 当 りい くつ か の 光 電 子 パ ル ス が 出 力 さ れ る時 、 そ れ ら を遅 延 回路 に 導 い て そ の 中に記憶 伝 播 させ、 各 パル ス発 生時刻 情 報 を遅延 回路上 の位 置 情報 に置 き換 え た後 、外 部 か らホ ー ル ドパ ル ス を与 え て 固 定 す る 動 作 を基 本 と し て い る。 続 い て 固 定 さ れ た 情 報 をい くつ か の メモ リ番 地 に対 応 さ せ 、 そ の番 地 の 内 容 に1を 加 算 す る こ と に よ って ヒ ス トグ ラ ム作 成 を行 な う。 mO一 図2,4は この 方 式 の 原 理 図 で あ るが 、 簡 単 の た め8チ ャ ネ ル か ら成 る遅 延 回路 を用 い た も の を 示 し て あ る。 図2.4多 チ ャネ ル 同 時 検 出 装 置 の原 理 左 か ら入 った 光 電 子 パ ル ス 列 が 逐 次 遅 延 回 路 中 を 伝 播 す る が、 現 象 発 生 か ら丁 度 全 遅 延 時 間 を 経 過 し た 時 刻 に 各 チ ャネ ル に 併 設 され た 一 致 回 路 へ 同 時 に ゲ ー トパ ル ス を加 え る。 こ の ゲ ー トパ ル ス の 幅 は 各 チ ャ ネ ル の 遅 延 時 間 に 等 し く、 ま売 、 そ の 発 生 の タ イ ミン グは 零 時 刻 パ ル ス を遅 延 させ る こ と に よ っ て 制御 し て い る。 各 チ ャネ ル 中 に 存 在 す る 光 電 子 パ ル ス は ゲ ー トパ ルス 印加 に ょ って 固 定 さ れ る。 そ の 位 置 を外 部 か ら セ ンス して 、 各 チ ャネ ル に相 当 す る メ モ リ番 地 の 内 容 に1を 加 え る。 実 際 に は 、 セ ンス 左 らび に デm収 集 動 作 は オ ン ラ イ ン ミニ コ ン ピ ュ ー タ を 用 い て 行 友 う。 F.M,CH -19CH-18 APE 図2.5け い光寿 命 測定 用 同時検 出 システム ー41一 -OCH 図2,5は こ4)方 式 を 用 い た け い 光 寿 命 測 光 シ ス テ ム の ブ ロ ッ ク 図 で あ る。 パ ル ス 光 源 に よ る試 料 励 起 後 の け い 光 に も ζず い て 逐 次 発 生 す る光 電 子 パ ル ス 列 は、 波 高 弁 別 器 通 過 後20チ ャネ ル の 遅 延 回 路 へ 導 か れ る。 通 常 の ク ロ ノ トロ ンで は 遅 延 素 子 と し て 同 軸 ケ ー ブ ル 左 どの 受 動 的 左 も の を 使 用 して い た の に 対 し、 本 装 置 で は シ3ッ トキ ーTTLゲ ー トで 構 成 し た 遅 延 回 路 を 用 い て .い る の が 大 き 左 特 長 で あ る。 こ の 遅 延 素 子 は 高速 ゲ ー トの 固 有 伝 播 遅 延 時 間 とパ ル ス 整 形 作 用 と を 巧 み に 利 用 し た もの で 、1段 ー 『 ち 分 解 時 間 は6.2nsec、20チ 当 り6.2nsecの 遅延 時間 を持 つ。 した が ってチ ャネル 幅す なわ ャネ ル に よ って124nsecの 時 間 範 囲 を カ バ ー す る。 この よ う な 能 動 的 な 遅延 素子 を 使 用 し た た め 、 伝 播 に よ る波 形 の 歪 を 順 次 補 正 し な が ら パ ル ス を伝 送 で き、 チ ャネ ル を 無 限 に 増 設 す る こ と が 可 能 と な った 。 し か し、 測 定 時 間 域 の拡 大 は チ ャ ネ ル 増 設 と い う方 法 に 依 らず と も、20チ nsec)を ャネ ル(124 ブ ロ ック と して ゲ ー トパ ル ス 発 生 時 刻 を ミニ コ ン ピ ュー タ の メモ リ番 地 指 定 順 位 と連 動 し て 切 り換 え る ご と に よ り、 現 行 の チ ャネ ル 数 の ま ま で 実 行 で き る。 た とえ ば 、 は じめ の 励 起 で は 正 規 モ ー ドで 測 定 を行 な う。 こ の モ ー ドで は 零 時 刻 か ら124nsec後 致 回 路 へ 印 加 し、 得 ら れ た デ ー タ を0∼19番 刻 か ら248nsec後 に ゲ ー トパ ル ス を一 地 の メ モ!〕に 格 納 す る。 続 く回 の 励 起 で は 、 零 時 に ゲ ー トパ ルス を 印 加 し、 得 ら れ た デ ー タ を20∼39番 張 モ ー ドで 測 定 を行 な う。 これ を順 次 繰 り返 す こ と に よ り0∼29番 地 に 格 納 す る拡 地 の メモ リに は248nsec の 時 間 域 の ヒス トグ ラ ム が 作 成 さ れ る。 ま た ゲ ー トパ ル ー ス の 印 加 時 刻 を正 規 モ ー ドに 対 し3.1 nsecだ け 遅 延 さ せ 、 零時 刻 か ら127.1nsec後 に 印 加 す れ ば 拡 張 モ ー ドと 同 じ 原 理 で 内挿 が実 行 で き る。 こ の 場 合 、 チ ャ ネ ル 当 りの 分 解 時 間 は6.2nsecで 見 か け上3.lnsecの あ る が 、 チ ャネ ル 間 の 内 挿 の た め 分 解 が 得 ら れ 、 正 規 モ ー ドに比 べ て よ り高 密度 の ヒス トグ ラ ム を 作 成 す る こ と が で き る。 こ の よ うに 時 間 域 の操 作 が 自 由 に 行 な え る こ と が 本 装 置 の 大 き な特 長 で あ る 。 さ て 遅 延 回 路 を伝 播 した パ ル ス は 波 形 整 形 回 路 を 通 過後 一 致 回 路 へ 導 か れ る が 、 こ の 整 形 回 路 は 遅 延 園 路 と同 じ く シ ョ ッ トキ ーTTLゲ ー トか ら構 成 さ れ て 齢 り、 波 形 整 形 と 同 時 に 遅 延 回 路 と一 致 回 路 との 間 の イ ンタ ー フ ェ イス の役 目 を果 し てNる 。 一 致 回路 と し て は 特 に 高 速 性 が 要 求 され る た め、 トン ネ ル ダ イ オ ー ド単 安 定 マ ル チ バ イ ブ レー タ を使 用 し た超 高 速 型 を採 用 し た 。 こ れ は 基 本 的 に は 後 述 の 前 縁 型 波 高 弁 別 器 と 同 じ も の で あ る。 一方 ,, 、 励 起 用 パ ル ス 光 源 の 放 電 電 流 パ ル ス を 零 時 刻 決 定信 号 と し て 検 出 後 、 正 規 モ ー ドで は 、 124nsecの 時 点 で 幅6nsecの 一 致 回 路へ導 かれ 矩 形 ゲー トパ ルス が発 生 し、 同 時 に20チ ャネ ル 分 に 分 岐後 、 こ こ で光 電 子 パ ル ス と の一 致 が と られ る。 一 致 回 路 の 出 力 パ ル ス 幅 は1μsec に'まで 伸 長 され て い る。 こ の 一 致 情 報 は プリヅプ フ ロ ップ か ら成 る バ ッフ ァ レ ジス タ に 蓄 わ え ら れ 、 コ ン ピ ュ ー タ の 対 応 メモ リ番 地 に 転 送 さ れ る。 以 上 の 動 作 が 完 了 す る と、 終 了 パ ル ヌ が コ ン ピ ュ ー タ か ら発 生 し て バ ・ フ ァvジ ス タ を リセット -42一 し、 続 く回 の 測 定 に備 え る。 測 定 の繰h返 し 積 算 回数 は 測 定 者 が初 期 パ ラ メー タ と し て指 定 す る よ う に な っ て い る・ 本 実 験 で は 、 い ず カ か の 番 地 の 内 容 が10000に な った 時 点 で 自 動 的 に 全 チ ャネ ル の 計 数 値 を タ イ プ ア ウ トさ せ て い る0 2.3.2.装 岬 置 の詳 細 で は前 述 の鯉 晦 ずい て試 作 した多 チ ャネ ル 購 検畷 置 につ いて の細部 にわ焔 説明 を行 左 う。 は じめ に試 作 装 置 の諸 性 能 を表2.1に Measurement Channel Time Time 示す。 124 Range Sensitivity sensitivity time of timing time of delay dead time nsec/channel -5 mV(p -p) disc. circuit 5 18 nsec 7551 .ド 18 nsec discriminator ', delayed coincidence gate pulse interface Mini-Computer Rate of • HITAC-10(16 Operation lower bit, 400 interpolation (time range Mode (time circuit generating circuit for mini-computer than expansion (A)測 at nsec timing Constitution Measurement 時 検出装 置 の性能 nsec 6.2 Resolution Repetition .1同 20 Number Counting max. dead dead total 表2 4k word) Hz mode 124ns, ・ 3.1ns/channel) mode range normal mode (time range 248ns, 6.2ns/channel) 124ns, 6.2ns/channel) 光光学系 こ こ で は 特 に け い 光 寿 命 測 定 用 に 構 成 し た シス テ ム に もと ず い て 説 明 を行 な う。 光 学 系 の 配 置 は け い 光 寿 命 測 定 用 と し て は 基 本 的 な 様 式 で あ り、 先 ほ ど 図2.5に 示 し た よ うに 励 起 用 ナ ノ 秒 パ ル ス 光 源 、 試 料 ス ペ ー ス 、 黔 よ び 高 速 光 電 子 増 倍 管(EMI-9594B)か ら成 り立 っ て い る。 励 起 波 長 とけ い光 波 長 の 分 離 選 択 に は モ ノ ク ロ メー タ の使 用 が一 般 的 で あ るが 、 本 装 置 の 大 き な特 徴 で あ る光 電 子 パ ル ス 同 時 検 出 に ょ る 広 ダ イ ナ ミック レ ン ジの測 定 を 遂 行 す るた め に 、 光 量 利 用 率 の 点 で 有 利 な ガ ラス フ ィル タ を使 用 し て い る。 使 用 し た フ ィル タ は 励 起 側 で は バ ン ドパ ス フ ィ ル タ(東 芝UV-D25)、 け い 光 側 で は ロー パ ス フ ィル タ(東 芝UV-39) で あ る。'また 必 要 に 応 じて 偏 光 子 、 検 光 子 を 配 置 す る こ と に よ り、 分 子 偏 光 構 造 に も と ず く偏 光 け い 光 の 測 定 も行 な うこ とが で き る よ うに な って い る 。 励起 用 パ ル ・ ス光 源 とし て は 電 極 間 隔3醐 の 水 素 封 入 型(150Torr)ラ ー43一 ンプを金属 シール ド中 に 同 軸 型 に マ ウ ン トし た もの を 用 い て い る。 この 放 電 管 の 動 作 モ ー ドは 弛 緩 自走 放 電 型 で あ る 。 図2.6に 源 回 路 を示 す 。 ま た 図2.7は 光 パルー ス光 源 の 発 光 特 性 を示 し た もの で あ る。 こ こ で 、 発 光 ス ペ ク トル は 島 津MAF -1型 分 光 器(1200本/鱈 回 折 格 子 、 ブ レー ズ 波 長 3000A)と 光 電 子 増 倍 管HTV-R106(分 光感度 S-19)を 使 用 し て 直 流 測 光 で 得 ら れ た 時 間 的 に平 均 化 さ れ た もの で あ る。 ス ペ ク トル ス リッN幅 は17入 で 使 用 した 。 ま た 発 光 波 形 は光 電 子 増 倍 管 の 出 力 を 直接 サ ン ブ リン グオシ ロス コー プで観 測 した もので、 は 約13nsecと 約2kVで 図2.6自 走 放電型 げい 光励起 (2.1)式 左 っ て い る。 ラ ン プ の放 電 開 始 電 圧 は あ り、 そ れ 以 上 の 電 圧 を 印 加 す る こ と に よ っ て ラ ン プ は 自走 放 電 す る。 そ の繰 り返 し周 波 数 は5kV 用パ ルス 光源 っ た。 放 電1回 測定半 値幅 に 対 し500 当 り放 射 さ れ る光 子 数Nは pps、6kVに あ 電 気 エ ネル ギーが全 て光 に変 換 され る と仮定 すれば で あ らわ さ せ る。 図z.z励 対 して300ppsで 起 用 パルス 光源 の 発光特 性 ω 発 光 ス ペ ク トル ⑧ 発 光 波 形 と放 電 電 流 波 形 一44一 N=!CV2/hYC2.1) 2 た だ し、Cは 充 電 容 量 、Vは 平 均 放 射 波 長 を3000λ 、 。13と 放 電 開 始 電 圧 、hは プ ラ ンク 定 数 、vは と 仮 定 す る時 、C=10pF.V=2kVを 放 射 光 の 振 動 数 で あ る。 代 入 す る とN=2× 計 算 さ れ る。 し か し、 一 般 に ナ ノ秒 ・・ル ス 光 源 の 放 射 効 率 は 極 め て 低 く、1「5 の オ_ダ_で あ る56)0し た が って 毎 回 の 放 電 に よ る発 生 光 子 数 は108程 度 で あ る と推 定 で き るが 、 こ の 点 に 関 して は 光 量 子 計 に よ る確 認 が 必 要 で あ る。 高 利 得 高 速 光 電 子 増 倍 管EMI-9594B(特 性 は 第1章 で 紹 介)は 励起 光 束 と直角 に配置 さ れ 、 け い 光 を検 出 し て い る が、 特 に 高 速 姓 を期 す た め に け い 光 光 束 を光 電 面 中 央 に 集 光 させ て い る。 (B)高 速 前 縁 タ イ ミ ン グ型 時 間 弁 別 回 路 、 波高 弁別 器 は光 電子 増倍管 の暗雑 音 パルー ス を除 去 し・ かつ 信 号 パ ル ス の 波 形 整 形 を行 左 う も の で、 光 子 計 数 装 置 に は 不可 欠 の も ∂)であ る。 時 間 分 解 測 光 装 置 では この 部 分 で光 子 発 隼 の タ イ ミン グ を も決 定 し て い るた め 特 に 高 速 性 が 要 求 さ れ、 ま た 不 感 時 間 も可 能 な 限 り短 か くす る 必 要 が あ るaし か し 市 販 品 に は こ れ らの 要 求 を満 足 す る もの は 見 あ た ら な い 。 そ こ で、 本 研 究 に 於 い て は トンネ ル ダ イオ ー ド(NEClS2199)を 用 い て 不 感 時 間 の 短 縮 を 図 っ た 高速 前 縁 型 の も の を試 作 し た 。 光 電 子 増 倍 管 か ら取 り出 さ れ る光 電 子 パ ル ス の平 均 波 高 値 は 、759負 9594Bで V)で 数 百mV(供 あh,後 給 電 圧 一2000V)、HTV-R106で 荷 に 対 しEMI- 十 数mV(供 給 電 圧 一1000 者 で は トン ネ ル ダ イオ ー ドを 精 度 よ く駆 動 す る に は 電 圧 が若 干 不 足 で あ る。 そ の た め 試 作 装 置 で は 帯 域300MHz、 利 得8倍 の 広 帯 域 前 置 増 幅 器 を内 蔵 し 、 光 電 子 増 倍 管 に 応 じ て適 宜 使 用 し て い る。 高 速 前 縁 タ イ ミン グ 型 時 間 弁 別 回 路 は 高 速 前 置 増 幅 器 と前 縁 型 波 高 弁 別 器 澄 よ び、 トン ネ ル ダ イオ ー ド出力 レベ ル をTTLレ ベ ル に ま で増 幅 す る部 分 か ら成 り 立 って い る。 は じめ に試 作 し た時 間 弁 別 器 の性 能 を 表2.2に 、 ま た詳 細 な 回 路 図 を 図2.8に 示 す。 波 高 弁 別 レベ ル は10回 転 へ1,ポ ッ ト(5009)に 前 置 増 幅 器 を 使 用 し た 場 合 一5∼-22mVP'Pで よ つて 設 定 す る・ が ・ そ の 可 変 範 囲 は・ あ る。 本 回路 は 前 縁 型 を 使 用 しで い るた め 、 入 力 振 幅 の 差 に よ っ て タ イ ミン グ誤 差 を生 じ る。 そ の 値 は 入 力 パ ル ー ス 波 高 値 を 一50mV. か ら一200mVま で 変 化 さ せ た 場 合 、 約1。6nsecで テ ム に 使 用 す る 限 りに 澄 い て は 何 等 問 題 は な い 。 図2.9は 一45一 あ り、 分 解 時 間6.2nsecの ピ ー ク 間 隔5nsecの 本 測 光 シス 連 続 パ ル スを 表22時 間弁 別 回路 の性 能 Inputエmpedance 75Ω. AdjastableDisc.Level 一5mV-..-22mVp-p(input1) (P-P) 一`QmVti-220mVp-p(input2) OutputImpedance tenskR(currentsource) OutputPulse height-1.6V(50」}10ad) width2.Snsec DeadTime 5nsec TimingError 1.6nsec(inputpulseheight50∼200mV) +15V PUT ・N・UT エNPUT -15vTr -3 「 「Tr ,Tr-425C987 -52SC387A 図2.8前 縁 タ イ ミン グ型 時 間 弁 別 回路 慰 纛蹴 る。 図2.9連 続 パ ルス に対 す る弁別 回路 の応 答 一46一 (C1多 チ ヤ ネ ル 同時 検 出 回 路 図2.10同 時 検 多 チ ャ ネ ル 同 時 検 出 回路 の 詳 細 を 図2.10に TTL、 シ ョ ッ トキ ーTTL左 出 回 路 示 す 。 遅 延ICゲ ー ト素子 と し て はECL、 どが 考 え られ るが 、 伝 播 時 間 の 温 度 ド1】フ ト、 高 速 性 澄 よび 消 費 電 力 を 考 慮 して シ ・ ・ トキ ーNANDゲ ー トSN74SOON(伝 ゲー ト)を 採 用 した 。 パ ル ス を 非 反 転 伝 送 す る た め 、 直 列2素 播 遅 延 時 間3.1nsec/ 子 で1段 の 遅 延 チ ャネ ル ブ ロ ッ ク と し て い る 。 こ の よ う な 能 動 的 な 素 子 を利 用 し た こ と に よ り、 波 高 を減 衰 さ せ る こ と な く光 電 子 パ ル ス を 一 方 向 に 逐 次 伝 送 させ る こ と が で き る うえ 、 回 路 自体 を極 め て コ ンパ ク トに構 成 で きた 。 遅 延 回 路 と一 致 回 路 の インmフ NANDゲ 図2.11は ル ス が1チ ェ イス は 波 形 整 形 回 路 を も兼 ね て 、 シ ョ ッ トキ ー ー トと不 飽 和 型 トラ ン ジス タ イ ン パ ー タ で構 成 し た 。 互 い に 隣 り合 った チ ャネ ル の イ ン バ ー タ 出 力 の オ シ ロ ス コニ プ写 真 で あ るが 、 パ ャネ ル 当 り6.2nsec遅 延 さ れ て い る こ と が わ か る。 波 形 整 形 さ れ た 光 電 子 パ ル ス は次 に 一 致 回 路 へ 導 か れ 、 こ こ で ゲ ー トパ ル ス と の一 致 が と ら れ る。 こ の 一 致 回 路 は 前 述 の波 高弁 別 器 と 同 じ く超 高 速 の トン ネ ル ダ イオ ー ド(NEClS 2200)を 用 い た単 安 定 マ ル チ バ イブ レー タ で構 成 さ れ て い る た め、 極 め て精 度 よ く一 致 動 作 が遂 行 で き る。 さ て、 一 致 情 報 は 一 旦TTLバ ッ フ ァ レ ジス タ に 記 憶 き れ る わ け で あ る が、 トン ネ ル ダ イオ ー47一 一 ド単安 定 回 路 の 出 力 パ ル ス(波 0.4V.幅100nsec)で 高 は 直接 レ ジス タ を駆 動 で きた い た め 、 図z. 10に TTL単 示 す よ うに トラ ン ジス タ と、 安 定 マ ル チ バ イ ブ レー タ に よ るパ ル ス 増 幅 回 路 を一 致 回 路 と レ ジス タ の 間 に 設 け て あ る 。 ⑪錨 備 蠶 ㌻ パ ル ス 発 生 器 の2つ 、 か ら構 成 さ れ て い る。 こ の うち前 者 は ゲー トパ ル ス 発生 の タ イ ミン グ を 制 御 し、 正 規 、 内 挿 、 拡 張 の3つ の モ ー ドの 操 作 を行 な う も の で あ り、 ま た 後 者 は 幅6nsecの トパ ル ー ス を作 り出 し、 そ れ を20チ 矩 形 状 の ゲー ャ ネ ル 分 に分 岐 し、 各 チ ャネ ル の 一 致 回 路 へ 同 位 相 で か つ 歪 み な く伝 送 さ せ る もの で あ る 。 ま ず は じ め に、 時 間 制 御 回 路 の タ イ ミン グ図 を 図2・12に ド ー amp Disc。 。.,e-F-20ns_____」 GateTrig. Gate 一一3'3ms-→iL 一_一..八 一 H(・24…(・2ns3.lns(in124ns(ex・erpolatansion)'一} _5・・L∫ 一 L亅 一rL Readysus ase 示 」 _」 一 -lms 図2.12時 ミニ コ ン ピ ュ ー タ(HITAC-10)で ム 作 成 を行 な うた め に要 す る1サ 一 一一 一 一一L」 Ph 間 制御 回路 タ イ ミング図 パ ・フ ァ レ ジ ス タ の 内 容 を セ ン ス し、 ヒ ス トグ ラ イク ル の 実 行 時 間 は 約2.5msecで あ る 。 測 定 の 繰 り返 し周 波 数 の上 限 は コ ン ピ ュー タ の 実 行 時 間 に よ って 決 定 さ れ 、 本 装 置 で は400Hzの 測 定 可 能 で あ る が 、 少 し余 裕 を 持 た せ て300Hz(3.3msec)で 全 測 定 を行 な っ た。 シス テ ム 全 体 の 主 ト!」ガに は 自走 型 励 起 用 光 源 の放 電 電 流 パ ル ー ス(パ を 利 用 して い る。 正 規 モ ー ドで は 零 時 刻 か ら124nsec後 こ で い う零 時 刻 と は 現 象 の 観 測 開 始 時 点 で あhこ ,; 繰 り返 しで ル ス 高5V、 幅20nsec) に ゲ ー トパ ル ス が 発 生 す る が・ こ の 時 刻 は 光 源 発 光 開 始 時 に 対 し光 電 子 増 倍 管 の2次 電 子 走 行 時 間 分(EMI-9594Bで は 約40nsec)牟 け 遅 延 し て い る。 し た が っ ロ も て 電 子 走 行 時 間 の 補 償 を 考 慮 し て ゲー トパ ル ス の 発 生 時 刻 は 、 主 トi)ガ パ ル ス 発 生 後130∼ 200nsecの 範 囲 で 可 変 に し て い る。 内 挿 モ ー ドで は ゲよ トパ ル ス が 蓉 時 刻 か ら124nsec 後 と127.lnsec後 の交 互 に 発 生 し、 ま た 拡 張 モ ー ドで は124nsec後 と248nsec後 に 交 互 に 発 生 す る。 そ の 際 、 交 互 ゲ ー トパ ル ス の 判 別 を行 左 うた め に コ ン ピ ュー タ は フ エ ィ ズ 信 号 を セ ン ス し、 コ ン ピ ュー タ 内 の40チ.ヤ に 、 あ るい は 前 後20チ ガ か ら5μsec翫 ネ ル 分 の メモ リ番 地 を偶 数 チ ャネ ル と奇 数 チ ャ ネ ル ーb7)Lず つに 振 り分 け る 動 作 を行 って い る。 コ ソ ピ ュー タ は ・ 主 トリ 時 点 で 発 生 す る許 可 信 号(R耳ADY信 号)を セ ンス す る 頃 フ ェ イ ズ を 判 別 し 左 参 らデ ー タ収 集 を行 な うわ け で あ る が、HITAC-10は1語16ビ bで あ る た め20ヂ ャネ ル 分 の デmを10チ 回 路 の 詳 細 は 図2.13に ャネ ル ず つ2回 示 す 通 り で あ る。.民 図a..13時 図2,14ゲ 間 制 御 回路 ー トパ ル ス 発 生 器 一49一 ちに前 記 の ッ に 分 け 転 送 を 行 な う。 時 間 制 御 5nsec H ゲ ー トパ ル ス 発 生 器 は 図2.14に 示 す よ うに ア パ ラ ン シ ェ トラ ン ジス タ ⊥ (日 立2SC497H)を o.2v グ素子 とし ス イ ッチ ン て 利 用 し た充 放 電 線 路 型 と 7「 。て 鰄 。れ て紘 時間 制御 部 か 、 の ト リガ パ ル ス に よ って50ρ 負荷 に 対 し幅6nsec,波 矩形 パ 高20Vの ル ス を 発 生 す る。 こ の ゲ ー トパ ル ス は さ ら に20チ ャネ ル 分 に 分 岐 、 減 衰 さ れ、 個 々 の一 致 回 路 へ と 導 か れ る。 図 ■ ■■ ■■■ ■ ■■ 匿■ ■■■ 』 ■■215に 分岐後のゲーhパルス波形を 示 し て お・く。 図2.1520チ 2.3.3。 ㈹ ャネ ル に 分 岐 さ れ た ゲー トパ ルス 波 形 装 置性 能 の評 価 装 置 の測 定 能率 試 作 した 多 チ ャネ ル光 子 計 数 装 置 は 原 理 的 に は 最 高20個 の光電 子パ ルス の発 生時 刻 の同時 測 定 が 可 能 で あ る。 し か し現 実 に は 試 作 装 置 の 検 出 系 は18nsecの 同 時 検 出可 能 左 パ ルー スの 最 小 時 間 間 隔 は 不 感 時 間 に 等 し く18nsecと 不 感 時 間 を 持 って お り、 な る。 こ の 不 感 時 間 は 遅 延 素 子 の 特 性 に よ って 決 ま る 性 質 の もの で あ る た め 、 シ ョ ッ トキ ーTTLゲ SOON)を 使 用 す る限 り に お い て は18nsec以 ー ト(SN74 下 の 不 感 時 間 は 達 成 で きな い 。 一 方 、 従 来 の 遅 延 一 致 装 置 で は零 時 刻 に 光 電 子 パ ルス を 検 出 し た と仮 定 す る と、 続 くパ ル ス は もは や 検 出 不 能 で あ る た め 、 測 定 時 間 域 を124nsecと な わ ちi24nsecで し た 場 含、 不 感 時 間 は 測 定 時 間 域 そ の もの 、 す あ る と考 え る こ と が で き る。 そ こ で、 光 子 の 発 生 が ボ ア ソ ン分 布 で あ る と仮 定 して 試 作 装 置 と従 来 の もの との 測 定 能 率 の 比 較 を試 み る。 光 子 の発 生 が ボ ア ソ ン分 布 に従 う と 仮 定 し た場 合 、 そ の よ う な光 に よ っ て 光 電 子 増 倍 管 か ら 発 生 す る光 電 子 パ ル ス もボ ア ソ ン分 布 に 従 い 、 光 電 子 パ ルス を 波 高 弁 別 し た 後 の 出 力 パ ルス も ま た ボ ア ソ ン 分 布 に 従 う。 し た が って 光 子 そ の もの の か わ りに 弁 別 器 の 出 力 光 電 子 パ ル ス を 用 い て 評 価 を行 左 って も何 等 差 しつ か え な い 。T時 T)と 聞 内 にn個 の パ ル ス が 発 生 す る 確 率 をP(n, す る と、 P(・ ・T)e° (Tk)n。-Tk・ 。1(2.・) -50一 と な る ・ ここ でK・ 騨 位 時 問 内 に 発 生 す る ノくル ス の 平 鯛 検 出 系 に ラ ン ダ ム な パ ル ス が 入 力 し た 時 の 計 数 損 失Plossを 数 で あ る・ 次 に 不 麟 間Tを 持つ 次 の よ う に定 義 す る。 P(nZ2,T) pl ossp( こ の 式 に(2.2)式 nZ1,T) を 綬 入 す る と(2.4)式 を得 る。 ・-rP(0,T)・P(1,TD1-(1+Tk。),-Tk・ 02.loss1‐P(0 ,T)1‐e‐Tk(4) 今 、 計 数 損 失 に よ る誤 差 を1%と す る 時 、Tkoは0.02と は め る と、 不 感 時 間(18nsec)内 時 間 域(124nsec)内 な る。 こ の 値 を試 作 装 置 に あ て に 発 生 す る パ ル ス の 平 均個 数 が0.02と 左 るので、 測定 に 発 生 す るパ ル ス の平 均 個 数kは k=D.14(counts/124nsec)(2.5) と 左 る 。 一 方 、 従 来 の単 一 光 子 遅 延 一 致 法 で は不 感 時 間 は124nsecで あh, keO。02(counts/124nsec)(2.6) と 左 る。 す な わ ち 試 作 装 置 で は従 来 の もの に 比 べ て7倍 の 入 射 光 強 度 で あ って も同 じ計 数 損 失 で測 定 す う こ とが 可 能 と な る。 上 記 の 考 察 か ら もわ か る よ う に検 出 能 率 は 不 感 時 間 に 反 比 例 し て い る 。 し 準 が っ て 能 率 を比 較 す る場 合 、 不 感 時 間 の 比 較 に 置 きか え て こ れ を論 じ て も よレ・ 。 (B)チ ャネ ル間 の一様 性 試 作 装 置 の 不 感 時 間 は18nsecで あ り、 チ ヤ ネ ル 間 の 時 間 遅延 は6.2nsecで ゲ ー トパ ルス 印 加 時 に光 電 子 パ ル ス が2つ あ る た め、 の チ ヤ ネ ル の 中間 に 存 在 し な い 限 り、 隣 り合 っ た2 つ のチ ヤネ ル か ら 同 時 に 一 致 信 号 が 出 力 され る こ と は 左 い 。 も し両 チ ャネ ル か ら出 力 さ れ た場 合 、 本 装 置 で は番 号 の若 い チ ャネ ル を、 一 致 と み な し、 後 の チ ャ ネnを 不一 致 と みな して計数 してい る。 ラ ン ダ ム パ ル ス に 対 す る各 チ ャ ネ ル の 計 数 率 の一 様 性 を調 べ る た め に 、 微 弱 定 常 光 を照 射 し 一51一 た 光 電 子 増 倍 管 か ら の 出 力 パ ル ス の 計 数 を 試 作 装 置 に よ って 行 な った 。 そ の 結 果 、 ±5%の 範 囲 内 に 計 数 偏 差 が 納 ま って い る こ と が 確 認 さ れ た 。 相 対 標 準 偏 差 に 換 算 す る と34%(18720 ±634counts/channel)と 左 る。 な 齢、 こ の 測 定 に お け る1回 当 りの 平 均 光 電 子 パ ル ス 検 出 数 は α5個 で あ っ た 。 ⑥ パ イ ル ア 。 ブ効 果56)に 不 感 時 間 内 に2つ よ る 翻1跛 形 歪 また はそれ 以 上の 光電 子 パルー ス が 到 来 し、 計 数 損 失 を 引 き起 こ す こ と を パ イル ア ッ プ効 果 と言 い、 高 速 発 光現 象 の 過 渡 的 観 測 で は こ の パ イル ア ・ プ効 果 は 観 測 波 形 の 歪 と左 っ て 現 わ れ る。 こ こ で は試 作 装 置 に よ って 強 度 の 異 な る 発 光 現 象 を 実 際 に 測 定 し、 計 数 損 失 と波 形 歪 の 関 係 に つ い て 調 査 した 結 果 に つ い て述 べ る。 水 素 放 電 管 の 発 光 波 形 測 定 に お い て 、 図2.16は 推 移 を 示 し た もの で あ り、 ま た 図2.17は 入 射 光 強 度 を 変 化 さ せ た場 合 の 観 測 波 形 の 全 計 数 値 を繰 り返 し発 光 回 数 で 割 っ た 値 を計 数 率 と 定 義 し、 そ れ と入 射 光 強 度 との 関 係 を示 した もの で あ る 。 た だ し直 線 ㈲ は 相 対 入 射 光 強 度 が 1の 場 合 を一 応 理 想 的 な 波 形 で あ る と し て 作 成 した もの で あ る。 相 対 入 射 光 強 度 が10程 で の 計 数 率 は 入 射 光 強 度 とほ ぼ 比 例 関 係 に あ り波 形 の 歪 も少 な い が》 強 度 が15を 度ま 越 え る と急 激 に 計 数 損 失 が 増 大 し、 難 篶灘1 ッ プ 効果 が顕 著 に な つた 獺1蠶 ご1 た発光 持 続時 間の半 値幅 も小 さ く左 る傾 向 が ある 騨轍 図2.16水 素 放電 管 の 発 光 波 形 観 測 時 に 澄 け る波 形 歪 (内 挿 モ ー ドに よ る測 定) -52一 図217 入 射 光 強 度 と計 数 率 の 関 係 2.3.4.け い 光 寿 命 測 定 へ の応 用 試 作 シス テ ム の実 用 分 析 へ の 応 用 と して 、 永 素 放 電 管 パ ル ヌ 光 励 起 に よ る け い 光 寿 命 測 定 を行 な った。 被 測 定 試 料 は1ppmの 4.9×1-2Mア 図2.5に 図2.18励 硫 酸 彳 ニ ー ネ(0,1N硫 ニ:1ン 混 合(ノ 酸 溶 液)お ー マ ル ヘ キ サ ン溶 液)の2つ よ び1-5Mピ レン ・ で あ る。 左 お、 光 学 系 の 配 置 は 示 す 通 りで あ る。 起 元 波 形 と硫 酸 彳 ニ ー ネ .図2.19励 け い光 減 衰 波 形 起 光 波 形 と ピ レ ン ゜ア ニ リ ン 混 合 け い光 減 衰 波 形 (対 数 プ ロ ッ ト、 丙揮 毛 一 ド)(対 数 プ ロ ・ ト、 拡 張 モー ド) -53一 はpめ に硫 酸 彳 ニ ー ネ に 対 す る洲 定 を 内 挿 モ ー ドで行 な った 結 果 を 図2.18に 示 す。 ここでは け い 光 減 衰 波 形 と光 源 発 光 波 形 の 強 度 を 対 数 表 示 し て あ る。 硫 酸 キ ニ ー ネ溶 液 は け い 光 寿 命 測 定 装 置 の 性 能 を 評 価 す るた め 一 般 に よ く用 い られ る試 料 で あ り、 濃 度10-5M(0.1N硫 に 対 す る 寿 命 と し てlrkCfi。nら 3nsecと な?て のP57)で は1S .。nsec.Z,。g。,ら 酸 溶 液) の 黠5叫 は23± い る。 ま た 著 老 ら が試 作 し た ダ イ ノ ー ドゲ ー ト方 式 時 間 分 解 測 光 装 置 で 求 め た 濃 度1PPm(0.1N硫 酸 溶 液)の 試 料 の 寿 命 は20.8nsecで あ っ た 。 寿 命 は 濃 度 に よ って 変 化 す る ほ か、 温 度 に よ って も影 響 を受 け る。 本 試 作 光 子 計 数 装 置 で 測 定 し た 寿 命 は 図2.18に 示 し た よ うに21.7nsecで も あ り、 こ れ は 測 定 時 の 温 度 の 影 響 を 考 慮 した 場 合 、 極 め て 妥 当 左 値 で あ る とい え る。 次 に ピ レ ン ・ア ニit.ン混 合 溶 液 の け い 光 減 衰 波 形 に つ い て 述 べ る。 ピ レン 単 体 の 場 合 、 け い 光 寿 命 は 約450nsecで あ るが、共 存 の アニ 【 】ン に よ っ て 静的 に ク エ ン チ ン グ さ れ 、50nsec 前 後 に 寿 命 が 短 縮 さ れ る。 図2.19は 、 動 作 を 拡 張 モ ー ドに 切 り換 え て248nsecの 測 定 し た 結 果 を 示 し た もの で あ る が 、51.6nsecの 寿 命 が得 られてい るこ とがわ か る。 前 述 の 解 析 に 診 い て試 作 装 置 の 検 出能 率 は従 来 の 遅 延 一 致 装 置 に 比 べ て7倍 果 が得 ら れ た 。 硫 酸 キ ニ ー ネ の 測 定 に お い て1現 時 間域 で 向 上 す る とい う結 象 当 りの 平 均 検 出光 電 子 パ ル ス数 は0.2で あり こ の 程 度 の検 出 数 で は 十 分 の 測 定 精 度 が得 られ る こ と が け い 光 寿 命 の うえ か ら実 証 さ れ た 。 一 方 、 測 定 所 要 時 間 に つ い て 考 え た 場 合 、 試 作 装 置 で は コ ン ピ ュー タ の 実 行 速 度 に よ る制 限 か ら、 測 定 の 繰 り返 し は 毎 秒300回 20分 と な り 、 あ まり能 率 が よい とはいえ ず 、 硫 酸 キ ニー ネ の 測 定 に お い て は を 要 し て い る。 し か し こ れ に つ い て は、 バ ッ フ ァvジ ス タ を計 数 能 力 の あ る カ ウ ン タ に置 き換 え 、 こ の 部 分 を バ ッフ ァカ ウ ン タ と す る こ と に よ り所 要 時 間 を一 挙 に 数 十 分 の 一 に ー まで短 縮 す る こ と が で き る。 2・4・ 多 チ ャ ネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ ト ロ ン の 試 作 グ ー ト用ICを 遅 延 素子 と し た 同時 検 出 装 置 は 素 子 自体 の 持 つ 伝 播 遅 延 時 間 と不 感 時 間 に よ って 分 解 時 闘 と計 数 率 に制 限 を受 け た 。 そ こ で さ らに 分 解 時 間 と能 率 の 向 上 を 図 る 目 的 で 、 同 軸 ケ ー ブ ル を遅 延 素 子 と し た 多 チ ャネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン を試 作 し、 時 間 分 解 け い 光 ス ペ ク トル 測 定 へ 応 用 し た。 2.4.1.動 作 原理 と構 成 (2.2)節 に お い セ 説 明 し た バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン が2つ の パ ルス 間 の 時 間 間 隔 を測 定 す る の に 対 し て 、 新 し く開 発 し た 多 チ ャネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン で は 、 パ ル ス 循 環 用 同 軸 ケ ー ブ ル に 一 連 の光 電 子パ ルス 列 を記憶 循 環 させ なが ら 、 そ れ ら個 々 の パ ル ス と零 時 刻 パ ルス 間 の 時 間 間 隔 一54一 を1回 で 測 定 し て し ま う もの で あ る。 時 間 測 定 の 原 理 自体 は 通 常 の バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン と 同 じ で あ る が 、 循 環 数 を記 録 す るス ケ ー ラ の 代 わ りに1周 毎 にiビ 。 トず つ シ フ トさ れ る 高 速 シ フ ト レ ジス タ を バ ッフ ァ メモ リ と し て 採 用 し 、 多 チ ャネ ル 化 を 図 った 点 が 特 徴 で あ る。 図2.20は こ の 基 本 構 成(a、と 動 作 原 理(b】を示 した も のZあ る・ 励 起 光 源 も し くは 現 象 と同 期 し て 得 鵜黙三 繼ll 、 プ(B耽 加 え 、 循 環 さ せ て 両 者 の 一 致 を検 出 す る。 前 述 し た よ うに 、 dτ で1チ ャネ ル 当 りの 時 間 幅 、 す なわ ち分解時 間が、 一 ま た(B)の 同 驚簟 響 騨欝鸞 館1 プ を1周 す る毎 に4τ ず つ零時 刻 パ ル ス を 追 って ゆ き 、 追 い つ い た 時、 一 致 回 路 か らパ ル ス が 出 力 さ れ る。 こ の 出 力 は 直 ち に シス ト レ ジス タ に 転 送 記 録 さ れ る が 、 こ こ で レ ジス タ の 内 容 は 光 電 子 パ ル ス 列 が(B)ルー プ を 一 巡 す る毎 に ク ロ 齒 ック パ ル ス に よ っ て1ビ ッ ト分 だ け シ フ トさ れ る よ う に な って い る。 こ の 動 作 を 最 大N=T/dτ 回繰 織5男1脅 雛 高論 ;羮 瀦 鞴謙 禦 鶯 図2.20多 チ ャネ ル イく一 ニ ア ク ロ ノ トロ ン の 構 成(a),dτ と動 作 原 理b、 で記 録 さ れ る。 こ の よ う に し て 得 られ た 情 報 は 、 各 ビ 。 晦 対 応 す る ミニ コ ン ピ ュmの ー55一 に メモ リ番 地 に 加 算 記 録 さ れ て ヒ ス トグ ラム の 作 成 が行 左 わ れ る。 図2.21は 命 測 定 系 の プ ロ ・ク 図 で あ り、 ま た 図2.22は ' ・図2 .21多 この 方 式 に よ る け い 光 寿 装 置 各 部 の タ イ ミン グ図 で あ る。 チ ャネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン を 用 い た けい光 寿命 測 定 システ ム 図2.22バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン 各 部 の タ イ ミ ン グ図 一56-一 遅 延 ル ー プ(A1,(B)と し て は 、 ケ ー ブ ル の 減 衰 特 性 を 考 慮 し て30mの (特 性 イ ン ピー ダ ンス509)をdτ ー タ の 語 長(16ビ が2.5nsecに ッ ト)を 考 慮 して48ビ て い る。 し た が って チ ャネ ル 数 は48ζ 同 軸 ケ ー ブ ル3D2V な る よ う設 定 して あ る。 ま た ミニ コ ン ピ ュ ッrの シ フ ト レ ジス タ を バ ッフ ァ メモ リと し て用 い な り、 現 象 観 測 時 間 域 は120nsecと 倍 管 か らの 信 号 パ ル ス 列 は 広 帯 域 増 幅 器 を 経 て 時 間 弁 別 器 に 入h、 な る。 光 電 子 増 そ の 後 ル ー プ(Blrc加 え られ る。 ル ー プ(Al,(Bllzそ れ ぞ れ挿 入 され て い る1¥ル ス 再 生 増 幅 器 は トソ ネ ル ダ イオ ー ド単 安 定 マ ル チ バ イ ブ レ ー タ を 中心 に構 成 さ れ て お り.、減 衰 し た パ ル ス を逐 次 波 形 整 形 し 左 が ら循 環 さ せ る 動 作 を 行 な う。 一 致 回 路 の 出 力 は1周 に つ き1回 の 割 合 で シ フ トvジ ス タ に 記 録 さ れ 、48周 に ヒス トグ ラ ム作 成 の た め コiピ ュ7タ に 取 り込 ま れ る。 そ れ と 同 時 に}次 後 自動 的 の測 定 に備 えて ルー プ 内 パ ル ス は す べ て ク リア さ れ る。 ミニ コ ン ピ ュー タ は ク ロ ノ トロ ン 制 御 、 ヒス トグ ラ ム 計 算 、 最 小 二 乗 法 適 合 に よ る け い 光 寿 命 の計 算 、 チ ャー ト レ コ ー ダ あ るい は テ レ タ イ プ 上 へ の 出 力 友 ど を遂 行 す る の み 左 らず 、48チ ャネ ル を ブ ロ ッ ク と し た 時 間 軸 の拡 大 、 モ ノ ク ロ メー タ の波 長 走 査 制御 な ど を実 行 す る。 測 定 用 の プ ロ グ ラ ム の 作 成 に 当 って は シ ス テ ム の 不 感 時 間 を最 小 に し、 測 定 周 期 の 短 縮 を図 る よ う留 意 す べ き で あ る。 本装 置 の 場 合 、48チ ャネ ル の ヒス トグ ラム 計 算 に 費 や さ れ る計 算 時 間 は1現 し 周 波 数 は400Hz以 象 当 り2 .6msecで あ り・ 現 象 のh返 に 制 限 さ れ る。 この 点 で の 能 率 は 先 に 試 作 し た 同 時 検 出 装 置 と同 じ で あ る が 、 電 気 系(高 ス 回 路 〉の 不 感 時 間 を7.5nsecに い う点 で 妹 先 の 装 置 の2倍 に 向 上 して い る 。 ま た分 解 時 間 も6・2nsecか ら2.5nsecへ と短 縮 置 の詳 細 は じめ に 試 作 装 置 の 特 性 の 一 覧 を表2.3に 表2.3多 Measurement Channel Time 示 し て 於 く。 チ ャ ネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ シ の性 能 Time 120 nsec Range Number max. dead 1 48 2.5 Resolution Counting nsec/channel Characteristics sensitivity time of timing -16 my (p-p) 7.5 nsec circuit Constitution timing at 5011 oscillators coincidence high 48 circuit speed bit gate shiftregister control circuit interface Measurement for HITAC -10 Minicomputer Rate of Operation max. Mode 385 time Hz bit, (48 4k resolved or word eh) waveform channel measurement 一57一 mini-computer (16 transient (48 尸 discriminator ring PepetitiOn 速パル ま で 減 少 さ せ る こ と が で き た た め、 検 出 能 率(計 数 能 率)と さ れ て い る。- 24.a装 下 measurement 96 spectral channel) ) ω 光 学 系 けい光 寿命 測 定 用 の光 学 系 は前述 の同時 検 出装 置 の もの と同 じであ る ので説 明 を省 略 す る。 ま た時 間分 解ス ペ ク トル測 定用 の光学 系 につ いて は 後 節で詳 述 す る。 (B1高 速 前縁 タ イ ミング型 時 間 弁別 回 路 ここ で使用 した時 間弁 別器 の構成 は基 本 的 には前 作 の もの と同 じであ るが・ さ らに高精 康化 を 期 す る た め に、 波 高 表24時 弁 別 を行 な った後再 び 閭弁 翔 回路 の性 能 トン ネ ル ダ イ オ ー ドで Input 介 さず に 直接 出力 して い る点 が 特 徴 で あ る。 表2.4に 50 impedance min Level 波 形 整 形 し、 増 幅 器 を 時間 弁別 器 の Amplifier gain Bandwidth Output impedance Pulse height Pulse width 7.5 Dead 7 0 -16 300 - mVp-p MHz 10 time Timing . 150 - 1.6 nsec 1.6 error 170 mVp-p (FWHM) nsec nsec height at input pulse of 50 up to 200 mVp-p 特 性 を 、 ま た 図2.23 には 回路 の詳 細 を示 す。 図2.23前 ◎ 縁 タ イ ミ ン グ型 時 間 弁 別 回 路 リン グ 発 振 器 バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン の 最 も大 き左 特 徴 で あ る1】ン グ 発 振 器 は 、 同 軸 遅 延 線 と リフ レ ッ シ ュ ア ン プ に ょ っ て構 成 さ れ て い る。 使 用 した 同 軸 ケ ー ブ ル 長 は、 ル ー プ 囚 で30m.ル 30.5mで は 約60%に あ るが 、 これ ら を伝 播 した パ ル ス(波 、 半 値 幅 は2倍 高150mV、 に 変 化 し て し ま うた め 、pン 一58一 半 値 幅i.6nsec)の ー プ(Bだ 波 高値 グ発 振 器 を接 続 さ せ る に は1回 の循 環 毎 に リ フ レ ッ シ ュア ン プに よ っ て増 幅'波 図2・24に 形 整 形 を行 な う必 要 が あ る。 ・ こ の た め に 試 作 し た ル ー プ(A】 の リ ン グ 発 振 器 の 詳 細 を 示 す 。 本 回 路 は2個 の入 力 端 子 を も ちそ れ ぞ れ ア イ ソ レー タ を 介 して 増 幅 部 と 結 合 され て い る、 光 電 子 パ ル ス 列 は、 は じめSIGNALINPUTか ら遅 延 ケー ブ ル 中 へ 注 入 さ れ 循 環 が 始 ま る。 循 環 中 の パ ル ス 列 は 逐 次SIGNALOUTPUTか ら一 致 回 路 へ 出 力 さ れ て い る。 パ ル ス 列 が48回 目の 循 環 を完 了 し、 所 定 の 測 定 を完 了 し た時 点 で 、 制 御 部 の 発 す る ク リア パ ル ス がCLEARPULSEINPUTUc 加 え ら れ、 リ ン グ 内 の循 環 が 終 了 す る。 し た時 の パ ル ス 循 環 の様 子 を 図2,25 に示 す。 ル ー プ(Bb)qン グ発 振 器 の 構 造 は原 50 干 理 的 に は ω と 同 じ で あ る が、 入 力 パ ル ス が1個 で あ る た め 不 感 時 間 を考 慮 す る必 要 は な く、 回 路 構 成 は 図2.26に 示 す よ う畷 分簡 単 嫉 ・て い る・ 図 ・25 一59一 ル ー プω の 櫞 パ ルス 波 形 図2.26ル ー プ⑬ リン グ発 振 器 回 路 図 ル ー プ ⑧ の 遅 延 同 軸 ケ ー プ ル 長 は 、 分 解 時 間drに ってh.本 実 験 で はdr=2 時 間 は5nsec/mで (D)ゲ ,5nsecと 相 当 す る 分 だ け ル ー プ(Alの もの よ り長 くな して い る。 一 方 、 同 軸 ケ ー ブ ル(3D2V)の あ る の で 結 局 、(A)を30mと し た 時 、(B}は30,5mと 遅延 な る。 ー ト回 路 ゲ ー ト回 路 は 所 定 の 時 間 内 に 発 生 し た 光 電 子 パ ル ス 列 の み を リ ン グ発 振 器 に 送 り込 む 働 き を す る 。 半 値 幅1.6nsecの 弁 別 器 出 力 パ ル ス の 列 を 乱 す こ と な く通 過 さ せ る に は こ の 部 分 で の 不 感 時 間 が 短 か い こ とが 必 要 で あ るが 、 試 作 回 路 で は7.5nSecに 制 限 さ れ た。 こ れ は 、 弁 別 器 を始 め 信 号 パ ル ス に対 す る タ イ ミ ン グ 回 路 の 不 感 時 間 中一 番 大 き い 値 で あ り、 し た が って 試 作 装 置 の 不 感 時 間 は ゲ ー ト回 路 の 不 感 時 間 と同 じ く7。5nsecと ゲ ー ト回 路 の 構 成 は 図2.27に な る。 示 す 通 り、 トン ネ ル ダ イオ ー ド単 安 定 マ ル チ バ イ ブ レー タ と パ ルス バ イア ス 回 路 か ら成 り立 って い る。 トン ネ ル ダ イオ ー ドの バ イ ア ス は 単 に 光 電 子 パ ル ス 信 号 が加 わ っ た の み で は 単 安 定 マ ル チ バ イ ブ レ ー タ が ト リ ガ さ れ な い が、 こ れ に さ らに ゲ ー ト パ ル ス に ょ る過 渡 的 な バ イ ア ス が 重 畳 し た 時 に は ト リ ガさ れ る よ うに な っ て い る。 し た が って 連 続 し た光 電 子 パ ル ス 列 の うち 、 ゲ ー トパ ル ス 発 生 と時 間 的 に 一 致 した 部 分 の み が 選 択 的 に 出 一60一 力 され 、 ル ー プω の リン グ発 振 器 へ と導 か れ る こ と に な る。 ⑧欝 ング畑 跏 致 回路 に 導 か れeケ 一 ー ブル 内 を 循 環 し 左 が ら逐 次 一 致 が と ら れ る 。 こ の 一 致 回 路 は ゲ ー ト回 路 と 同 じ く ト ン ネ ル ダ イ オ ー ド単 ξ 灘 嫐 灘二 慧 劉 繕;鰌露 二 島 纖 う に 調 整 さ れ て い る。 図2.28 は この 一 致 回 路 の 詳 し い 回路 図 で 図227ゲ ー ト 回 路 で あ る。 トン ネ ル ダ ィ ォ ー ド単 安 定 回 路 の 出 力 パ ル ス(波 っ て 幅50nsec,波 高Q4V)は 高4Vの ビデ オ 増 幅 器 とTTL単 安 定 マ ル チ バ イブ レー タ に ょ パ ル ス に 波 形 整 形 さ れ て 出 力 さ れ る。 図2.28一 致 回 路 一si一 (F、 髄 卸 部 お よ び 制 御 用 ソ フ トウ エ ア 試 作 装 置 の 制 御 部 は 図2.29に 示 す よ うな 各 ブ ロ ック よ り構 成 され て い る。 卜 ℃DE図a29制 御 部 の構 成 そ れ ぞ れ の ブ ロ ック の 働 ら きは 次 に 説 明 す る 通 りで あ る。 (A)48ビ ッ トシ フ ト レ ジー ス タ(バ ッ フ ァ メモq) パ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン の 一 致 回 路 の 出 力 を ク ロ ック パ ル ス(ス タ ー トパ ル ス)と 同 期 して 記 憶 す る。 (B1ス ケー ラ バー ニ ア ク ロ ノ トロ ン の ク ロ ッ クパ ル ス を 計 数 す る48進 メモ リ が48ビ ッ ト分 の デm収 カ ウ ンタで あ る 集 を 終 え た 後 、 デ ー タ フ ラ グ をw1鬯 。 上 記 バ ッフ ァ にす るeそ れ と同時 に リン グ発 振 器 内 の 循 環 パ ル ス を ク,iア す る。 (◎ ゲ ー ト トラ ン ス ミ ッタ デ コ ー ダ か らの 読 み 出 し命 令 に ょ って48ビ ッ トシ フ トレ ジス タの 下 位16ビ ッ トの 内容 を ミニ コ ン ピ ュー タ に 転 送 す る。 (D116ビ 16ビ 位16ビ ッ トシ フ トパ ル ス 発 生 器 ッ トの デ ー タ を 転 送 し た 後 、16個 ッ トに 次 の16ビ の シ フ トパ ル ス を 発 生 し 、 シ フ トレ ジス タ の下 ッ トの デ ー タ を セ 。 トす る。 (E、 デ コ ー ダ ミニ コ ン ピ ュ ー タ か らの 命 令 を 解 読 し、 デ ー タ転 送 、 モ ノ ク ロ メー タ 波 長 走 査 用 の パ ル ス モmの 制御 を行 な わ せ る ほ か、 測 定 モ ー ドの 選 択 な どを 行 な う。 -62一 (Flパ ル ス モ ー タ フ ラ グ コ ン トロ ー ラ デ コ ー ダ か ら のパ ル ス キ ー タ 回 転 信 号 に よ って パ ル ス モmフ パ ル ス モ ー タ フ ラ グは 内 部 の タ イ マ ー に よ って 約0.4sec後 HITAC-10の 語 長 は16ビ で 説 明 した よ うに16ビ ・ トで あ るた め 、48ビ ・ トず つ3回 グ図 と制 御 部 の詳 細 回 路 図 は 図2.30お コ ン ピ ュmへ ラ グ を"1flに す る。 な澄 に ク1】ア さ れ る。 ッ ト分 の デ ー タ 収 集 は 上 記 ◎,(n) に 分 け て行 左 っ て い る。 な お 、 こ れ らの 制 御 の タ イ ミン よび 図2.31に の デ ー タ 転 送 は 、HITAC-10の 示 す 通 り で あ る。 メ モ リ容 量(4k語)の 関 係か ら低速 モ ー ドで 行 左 って い る。 さ て 、 コ ン ピ ュ ー タ へ の デ ー タ 転 送 完 了 後 、 直 ち に ヒス トグ ラ ム 計 算 .が 行 な わ れ るわ け て あ る が 、 こ こ で の 計 算 実 行 時 間 短 縮 を 図 る た め、 そ の プ ロ グ ラ ム に は 特 に 工 夫 を 施 し た 結 果 、1サ イ ク ル の所 要 時 間Irk2.6msecと 周 波 数 は 最 高385Haと な った 。 し た が っ て 測 定 の 繰 り返 し な る。 試 作 装 置 の た め に 作 成 し た プ ロ グ ラ ム は 以 上 述 べ た ク ロ ノ ト ロ ン制 御 ル ー チ ン の ほ か 、 タ イ プ ア ゥ トル ー チ ン、 最 小 二 乗 法 に よ る け い 光 寿 命 計 算 の ル ー チ ン か ら構 成 さ れ て い る。 タ イ プ ア ゥ トル ー チ ンは 所 定 の 測 定 終 了 後 、 図2.32の よ うな 形 式 で チ ャネ ル 毎 の 計 数 値 と対 数 変 換 した 観 測 波 形 をデ ー タ タ イ プ ラ イ タ上 に 印 字 す る。 観 測 波 形 の 印 字 は フ ルス ケ ー ル を52点 で 印字 す る もの で、 測 定 終 了 後 直 ち に観 測 波 形 の 概 略 を 知 る こ と が で き る 。 け い光 寿 命 計 算 ル ー チ ン で は 対数 変 換 法 に よ っ て け い 光 寿 命 の 計 算 を行 って い る。 観 測 さ れ る け い 光 波 形 は真 の けい 光 球 衰 波 形 と装 置 関 数(励 起 光 源 の 観 測 波 形)と の コン ボ リ ュー シ ョ ン に な って い る が 、 げ い 光 寿 命 が 励 起 光 源 の 発 光 時 間 半 値 幅 に 比 べ て 十 分 大 き い 時 、 光 源 発 光 波 形 の影 響 をほ と ん ど受 け 左 い 時 間 領 域 で は け い 光 減 衰 波 形 は 指 数 関 数 と な る。 試 作 プ ロ グ ラム は 特 に 観 測 け い 光 減 衰 波 形 が 単 一 の 指 数 関 数 で表 わ さ れ る領 域 に 齢 い て 適 用 で きる 図2.30基 本 動 作 時 に 澄 け る制 御 部 の タ イ ミン グ 図 一63一 図2.31制 図3.32硫 御 回路 の回 路 図 酸 彳 ニ ー ネ け い 光 減 衰 波 形 タ イ プ ア ウ ト形 式 一64一 も の で 、 け い 光 寿 命 の 計 算 式 は(2.7)式 と な る。 n(n‐i)(n十2)/12 r‐dr(2.7) n一且n-1 〔(・-1)/2〕ECi-E(iCi) id}i=o た だ し τは け い 光 寿 命 、nは 計 算 に 使 用 す る デm点 数 、Ciは 対 数 変 換 さ れ た 計 数 値 、dr は チ ャネ ル 幅 で あ る 。 2.4.3.装 置性 能 の 評価 (A1分 解 時 間 と不 感 時 間 多 チ ャ ネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン は 原 理 的 に は 最 高48個 可 能 で あ る。 し か し ゲーr回 数 は16個 路 の 不 感 時 間(7.5nsec)に の パ ルス の 発 生 時 刻 の 同 時 測 定 が よ る影 響 で 同 時 計 数 可 能 な パ ル ス に 制 限 さ れ る。 こ こ で は 装 置 全 体 の 不 感 時 間 を 測 定 し、 あ わ せ て 分 解 時 間 の 測 定 を も行 な う 目的 で 、 時 間 間 隔 の異 な る対 パ ル ス を疑 似 光 電 子 パ ル ス 信 号 と し て 試 作 装 置 へ 入 力 し・ 実 際 に そ の 時 間 間 隔 を 測 定 し た。 図2,33は 『 得 られ た 結 果 で あ る 。 こ の 図 に お け る 直 線 の 傾 き か ら求 め た 分 解 時 間 は2.5"nnsec/channelで れ と等 し く7.5nsecで あ った 。 ま た 、 不 感 時 間 は ゲ ー ト回 路 の そ あ っ た。 分 解 時 間 は2個 ル の 長 さ を 変 え る こ とに よ つて 調 節 可 能 で あh,以 のi]ン グ発 振 器 の 周 期 の 差 を 外 部 接 続 ケ ー ブ 後 の 測 定 に お い て ケ ー ブ ル 長 を 変 え る時 に は 同 様 の測 定 を行 友 い 、 チ ャ ネル 当 わ の 時 間 幅 を 較 正 して い る。 図2.33入 力 パ ル ス の 時 間 聞 隔 とそ れ に 図2.34ラ 対 応 す る チ ャネ ル 間 隔 の 関 係 ング ムパ ルス に対 す る チ ャネノル 間 の 一 様 性 ー65一 (B、 チ ャネ ル 間 の 一 様 性 前 作 の 同 時 検 出 装 置 と 同様 、 光 電 子 増 倍 管EMI-9594Bか らの ラ ン ダ ム 光 電 子 パ ル ス 列 を入 力 し て 試 作 装 置 の チ ャネ ル 間 の 一 様 性 を測 定 し た。 結 果 を 図2.34に ヵ}ら47チ ャネル ャ ネ ル ま で の 計 数 値 の相 対 標 準 偏 差 は1.4%(8827±126counts/channel) に 押 え られ 、 同 時 検 出 方 式 の そ れ(3.4%)よ ネ ル か ら4チ ャネ ル ま で のm性 ー タ は 通 常5チ り も優 れ て い る こ と が わ か る。 し か し、0チ ャ は 劣 る 。 こ の原 因 とし て は ゲ ー トパ ル ス 立 ち上 り部 の オ ー バ ー シ ュー トな どの 寄 生 発 振 が 考 え ら れ る が (C)パ 示 す が 、5チ 、 い ず れ に せ よ、 け い 光 減 衰 波 形 の測 定 に 必 要 なデ ャネ ル 以 降 に く る こ と が 多 い の で 重 大 左 欠 陥 と は 考 え られ 左 い 。 イ ル ア ・ プ効 果 に よ る波 形 歪 パ イ ル ア ッ プ効 果 に よ る観 測 波 形 歪 を 定 量 的 に 考 察 す る た め に、 入 射 光 強 度 に 対 す る け い 光 寿 命 の 測 定 値 の 関 係 を 調 べ た 。 け い 光 試 料 と して は10-5Mピ t)ン 混 合(pヘ キ サ ン溶 液)を レ ン ・4.9×10-2Mア ニ 用 い、 試 料 と光 電 子 増 倍 管 の 間 に 光 学 ア ッテ ネ ー タ を挿 入 して 光 量 を変化 さ せ た。 表2.5お よ び 図2.35は 入 射 光量 に 対す るけい光 減 衰波 形観 測 のデ ータ で あ る。光 量 が最小 で あ る デ ー タ(A?では パ イ ル ア ッ プ効 果 が 無 視 で き、 け い 光 減 衰 波 形 は無 歪 で あ る と仮 定 し て こ の 時 の 寿 命(49.2nsec)を 真 値 と み な す 。 こ うし た 時 、(B),(Cl,(D1の 差 で真 値 と一 致 す る。 す な わ ち、 こ の よ うな け い 光 減 衰 波 形 測 定 で は1現 ル ス 発 生 個 数 が1程 POWER NUMBER 1.0 1.56 3.06 9.02 20.8 2.4,4,時 RATIO 内の誤 象 当 り平 均 光 電 子 パ 度 まで十 分 の精度 で測定 可 能 で あ る ことを意 味 す る。 表25け INCIDENT 寿 命 は5%以 い光 減衰 波形 測定 デ ータ of EXCITATION (NE) TOTAL COUNTS (rc ) 1,488,000 916,500 447,800 175,500 105,600 COUNT RATE DATA (TC) / (NE) 208,648 0.14 A 205,137 0.22 B 204,105 0.46 1.20 2.05 C 211,015 216,192 D 間 分 解 け い 光 ス ペ ク トル 測 定 へ の応 用 定 常 光 に よ っ て 得 られ る け い 光 ス ペ ク トル が 分 子 、 原 子 の 励 起 状 態 に 関 す る 定 常 的 な 情 報 を提 供 す るの に対 し、パ ル・ ス光 励 起 に よ っ て得 ら れ る時 間 分 解 ス ペ ク トル は励 起 状 態 の 過 渡 的 な 振 舞 一66一 を 直 接 示 す も の で あ る。 け い 光 測 定 に お い て 特 に 時 間 分 解 ス ペ ク トル が重 要 視 さ れ る例 と し て、 エ ク サ イ マ と エ ク サ イ 彳 レ ック ス の生 成 過 程 の 研 究 が あ る。 これ らは 励 起 状 態 に あ る分 子 と基 底 状 態 に あ る 分 子 との 相 互 作 用 に よ っ て 生 成 さ れ る不 安 定 中 間 体 で あ るが 、 時 間 分 解 ス ペ ク トル は こ の よ うな 不 安 定 中 間 体 の 生 成 過 程 は じめ 、 分 子 内 、 分 子 間 の エネ ル ギー移動 に関 す る知見 を 直 接 与 え る も の で あ る。 光 子 計 数 法 に よ って 微 弱 光 の時 間分 解 分 光 測 光 を行 左 う場 合 、 時 間 と 波 長 を パ ラ メmと し た 大 量 の デ ー タ を必 要 とす る関 係 上 、 低 能 率 の 従 来 の シ ン グ ル チ ャネ ル 法 で は 測 定 時 間 が膨 大 と 左 る こ と が避 け られ ず 、 実 用 上 大 きな 図2・35入 射 光 強 度 とけ い光 寿 命 測 定 値 との 関 係 障 害 が あ っ た。 これ に対 し 、 オ ン ラ イ ン ミ三 コ ン ピ ュ ー タ 援 用 型 の本 シス テ で は 原 理 的 に 最 高48個 の時 間 パ ラ メー タ を 同 時 に 設 定 す る こ と が で き、 微 弱 光 の時 間 分 解 ス ペ ク トル を 極 め て 能 率 よ く測 定 す る こ と が で き る。 図2.36 一 図2.36試 作 しだ時 間分 解分 光 測光 シス テム の 測 定原 理(4チ ャネ ル の 場 合) -67一 図2.37時 間 分 解分 光測 光 シス テ ムの構成 に試 作 し た 時 間 分 解 測 光 シス テ ム の測 定 原 理 を、 ま た 図2,37に は シ ス テ ム 構 成 の プ ロ ・ク 図 を 示 す。 け い 光 の 分 光 測 光 を行 友 う場 合 、 本mら ば 励 起 側 に もモ ノク ロ メー タ を配 置 し て 単 色 光 励 起 とす べ き で あ る が、 光 量 利 用 率 を 考 慮 し て、 試 作 した シ ス テ ム で は 励 起 側 に は モ ノ ク ロ メー タ は 使 用 せ ず バ ン ドパ ス フ ィル タ(UV-D25)を 使 用 し て い る 。 さ らに 高 次 光 除 去 の た め 、 け い 光 ス ペ ク トル は ロ ー パ ス フ ィル タ(UV-39)を (日 本 分 光CT-25型)の 通 し て 測 定 さ れ る。 ・ また 、 モ ノ ク ロ メ ー タ 光 量 利 用 率 を も大 き くす る 目的 で 入 ・出 射 スu・ ク トル ス リ ッ ト幅100A)に ト幅 を3mm(ス ペ 拡 大 し て い る。. 測 定 は 次 の よ う左 手 順 で行 な う。 ま ず モ ノ ク ロ メー タ の 波 長 を λ 畳に セ ッ トし 、 あ ら か じめ 設 定 し た 回 数 だ け ク ロ ノ トロ ン を動 作 さ せ て 過 渡 測 定 を 行 な う。 λ1で の 測 定 終 了 後 、 パ ルス モ ー タ(日 本 パ ル ス モ ー タPF7-48C型 モ ー タ とP-53B型 駆 動 ユ ニ ッ ト)に よ っ てd2へ 波 長 を 送 り同 様 の 測 定 を行 な う。 こ う し て 順 次 λ3,λ4で の 測 定 を 行 な うわ け で あ る が 以 上 の 動 作 は す べ て ミニ コ ン ピ ュー タ に よ る 制 御 で オ ン ラ イ ン で 行 って い る。 そ の 際 、 走 査 波 長 域 お よ び そ の 領 域 内 の ス テ ッ プ数 の 指 定 は テ レ タ イ プ上 か らの 操 作 に よ っ て行 な う。 全 測 定 が 終 了 し た 後 、 ミ ニ コ ン ピ ュ ー タ はXYレ 図2.38に コ ン ピ ュー タ 内 の メ モqマ コー ダ上 に 時 間 分 解 ス ペ ク トル を出 力 す る。 ッ プ を示 す 。 プ ロ グ ラム は 指i御ルー チ ン とデ ー タ エ リァ か ら成 り立 っ て 澄 り、 制 御 ル ー チ ンに 約1k語 を要 し、 デ ー タ エ リア と して は2400語 を用 意 し た。 表26チ ャ ネ ル数 を 限 定 した場 合 の測 定 繰 り返 し上 限 周 波 数 齟 QiANNELIR.R.MEASUREMENT NUMBER(max) 1i4.38KHz 413.07 612.56 912 1511.47 2411 4810.57 図2.38時 間 分 解 ス ペ ク トル 測 定 用 プ ロ グ ラ ム の メモ,iマ ップ .: し た が って 時 間 分 解 ス ペ ク トル の 測 定 を行 左 う場 合 、 チ ャネ ル 数48の ル 点 は 最 大50ま で と れ る。 ま た チ ャネ ル数 を6と し た時 、400ま 時 、 波長 軸上 のサ ンプ で の サ ン プル 点 の 蓄 積 が 可 能 と な る 。 前 述 の よ うに本 シス テ ム と)測定 繰 り返 し 周 波 数 の 制 限 は 大 部 分 ヒス トグ ラム 計 算 時 間 に よ って 受 け て い る た め 、 チ ャネ ル数 を 限 定 す れ ば そ れ だ け 繰 り返 し 周 波 数 は 高 く と れ る こ と に な る。HITAC-10の サ イク ル タ イ ム(1.4Rsec)を 考 慮 して ・ チ ャネ ル 数 を限 定 し た場 合 の 測 定 の 最 高 繰 り返 し 周 波 数 を計 算 し た 結 果 が 表2.6で あ る。 へ 試 作 し た シ ス テ ム を 用 い て ピ レ ン の時 間 分 解 け い 光 ス ペ ク トル の 測 定 を行 左 った 。 試 料 は 】O Mピ 合(メ レ ン(〃 。ヘ キ サ ン溶 液)純 び1・-5Mピ チ ル シ ク ロヘ キ サ ン溶 液)の2つ ル を 図2.39お よび 図2.40に レン ・2× ・ ・_3Mデ ・エ ≠ ・ ・ア ざン混 を用 意 し た。 そ れ ぞ れ の 試 料 の 時 間 分 解 け い 光 ス ペ ク ト 示 す。 こ れ ら に は バ ック グ ラ ウ ン ドを 調 べ る 目的 で試 料 を溶 媒 に 置 き換 え て 同 一 条 件 で 測 定 し た 結 果 も同 時 に 示 して あ る。 図2・39に おい ては モ ノマー け い光 ロ (°3900A)が 励 起 後 約15nsecで 完 全 に 消 滅 した 後 、 エ ク サ イ マ け い 光(4800A)が 時間 む と と もに 成 長 す る過 程 が、 ま た 図2.40に お い て は エ クサ イ プ レ ック ス け い 光(4400A)が 長 し て く る状 態 が よ くあ ら わ れ て い る。 左 お 、 この 測 定 に お け るチ ャネ ル 数 は4と 波 数 は 約2.8kHzと し繰 り返 し 周 して ク ロ ノ トロ ン を動 作 さ せ た 。 測 定 に 要 し た 時 間 は ・ 各 波 長 当 り20万 3.39ピ レ ン の 時 間 分 解 け い 光 ス ペ ク トル ー69一 成 図3.40ピ 回 の 積 算 を行 な った 図2.39の レ ン ・デ ィエ チ ル ア ミン の 時 間 分解 け い 光 ス ペ ク トル 場 合 約2時 間 、80万 回 の 積 算 を行 左 った 図2.40の 場 合 では約 6時 間 で あ った 。 こ の こ と を み て も、 従 来 の 単 一 光 子 遅 延 一 致 法 に よ る 同 様 左 測 定 で は 数 日 を要 し て い た の に 比 べ格 段 の進 歩 で あ る とい え る 。 2.5.結 言 高速 極 微 弱 発 光 現 象 の 高 感 度 測 定 に供 す る2種 類 の 多 チ ャネ ル 統 計 的 サ ン プitン グ型 光 子 計 数 測 光 装 置 の試 作 を行 左 っ た 。 同 時 検 出型 測 光 装 置 に つ い て (1)元 来 、 単 一 パ ル.スし か 検 出 で き な か っ た ク ロ ノ ト ロ ン に対 し・ 複 数 個 の パ ル ス を も 同 時 検 出 可 能 と 左 る よ9多 チ ャネ ル 化 を 図 っ た も の で あ る 。 (2).チ ャネ ル数 は20.チ ャネ ル 幅(分 解 時 間)は し た が っ て 原 理 的 に は1発 光 現 象 当 り最 大20痼 (3)光 歩2nsec、 測 定 時 間 域 は124nsecで の 光 電 子 パ ルx同 電 子 パ ル ス 遅 延 素子 と し て シ ョ ッ トキ ーTTLICを 一70一 あ る。 時 検 出 が 可 能 で あ る。 使 用 し た。 した が っ て チ ャネ ル の 増 設 には 制 限 が 左 い 。 (4)コ ン ピ ュ ー タ(ミ ニ コ ン ピ ュ ー タ)制 御 に よ る測 定 の 自 動 化 が 図 ら れ て い る 。 測 定 の 際 に は 内 挿 モ ー ド、 拡 張 モ ー ドの 選 択 に よ り、 測 定 時 間 域 の 操 作 が 自在 に 行 な え る。 (5)時 間 弁 別 回 路 の 不 感 時 間 は5nsecで 遅 延 回 路 の 不 感 時 間 は18nsecで あ る。 これ は 前 縁 型 と し て は 最 小 の もの で あ る。 一 方 、 あ り、 これ に よ っ て 同 時 検 出 光 電 子 パ ル ス 数 は 最 高7個 限 さ れ る。 ま た 測 定 の 繰 り返 し 周 波数 は ミニ コ ン ピ ュmの に制 演 算 時 間 に よ って 最 高400Hzに 制 限 を受 け る。 した が って 同 一 繰 り返 し周 波 数 に よ る 測 定 で は 従 来 の装 置 に 比 べ て 測 定 所 要 時 間 は1/7に 短 縮 さ れ る。 (6、 硫 酸 キ ニ ー ネ 澄 よ び ピvン ・ア ニ リン の け い 光 寿 命 の測 定 を 行 左 い 、 本 測 光 シ ス テ ム の 動 作 を 確 認 し た。 多 チ ャネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン に つ い て (1)シ ン グル チ ャネ ル バー ニ ア ク ロ ノ トロ ン を 多 チ ャ ネ ル化 した もの で あ る。 (2)最 大 チ ャネ ル 数 は48、 理 的 に は1発 最 小 チ ャネ ル 幅 は2.5nsec,測 光 現 象 当 り最 大48個 定 時 間 域 は120nsecで の 光 電 子 パ ル ス 同 時 検 出 が 可 能 で あ る。 あh.原 ・ 、〔3)ミ ニ コ ン ピ ュー タ 制 御 に よ る時 間 分 解 ス ペ ク トル の 自 動 測 定 が実 行 で き る 。' (4)遅 延 素 子 と し て は 同 軸 ケ ー ブ ル を使 用 し て 澄 り、 ケ ー ブ ル 長 に よ り、 分 解 時 間 お よ び 測 定 時 間 域 を 自 由 に 設 定 で きる。 (5)装 置 の 不 感 時 間lrk7.5nsecで あ る。 し た が っ て従 来 ゐ もの に比 べ 測 定 所 要 時 間 は1/10以 下 で 済 む。 (6、 ピ レ ン知 よ び ピ レ ン ゜デ ィエ チ ル ア ミン の 時 間 分 解 け い 光 ス ペ ク トル の測 定 を行 攻 い 、 本 シ ス テ ム の 動 作 を 確 認 し た。 問 題 点 と今 後 の 目標 (1}シ ョ ッ トキ ーIC(SN74SOON)を 使 用 す る 限 り、 伝 播 遅 延 時 間 と不 感 時 間 の 制 限 か ら 同 時 検 出装 置 の 性 能 を こ れ 以 上 向 上 さ せ る こ とは 困 難 で あ り、 新 た な る 能 動 遅 延 素 子 の 出 現 が 望 ま れ る。 (2)多 、, チ ャネ ル バ ー ニ ア ク ロ ノ トロ ン の 分 解 時 間 と不 感 時 間 は、 主 に時 間 弁 別 回 路 と そ れ に 類 似 す るパ ルス 回路 に よ っ て 制 限 を受 け るた め 、 この 部 分 の 性 能 改 善 が 装 置 全 体 の性 能 向 上 を持 た らす。 (3)両 方 式 と も、 計 数 能 力 を 持 つ バ ッフ ァ メモ リを 採 用 す る こ と に よh,さ ら に 高 い 繰 り返 し動 作 で 測 定 を 遂 行 し らる。 測 定 時 問 の 短 縮 を 図 る 客 め 、 ぜ び ともバ ッ ファメモ リ部 を 改 良 す る必 要 が あ る。 (41け い 光 励 起 用 パ ル ス 放 電 管 に 関 す る研 究 も並 行 して 進 め て ゆ き た い。 -71一 第3章 高 速 パ ル ス 動 作 の 過 渡 発 3.1.緒 光 特 ホ ロ カ ソ 厂 性 の 測 定 と 解 ド ラ ン プ 析 言 ・955年 財 一 ス ・ラitア のA,W。1。h5咲 よ 。て 提 唱 さ嫉 肝 吸光分 光 分析 は 金 属元 素の 微 量 定 量 分 析 法 と して は 精 度 が 高 く、 し か も取 り扱 い が 比 較 的 簡 単 友 た め 、 わ ず か の 間 に 急 速 に普 及 し 、 特 に 公 害 分 析 の 方 面 で は 今 や 必 要 欠 くべ か らざ る 存 在 と 左 って い る。 こ の 分 析 法 の 感 度 、 精 度 は そ れ に 用 い る分 析 用 光 源 に よ って 大 き く左 右 さ れ る 。 一 般 に は 光 源 と して 被 測 定 元 素 の 共 鳴 線 を発 光 す る ホ ロ カ ソー ドラ ン プ が 用 い られ て い る が 、必 ず し も 発 光 強 度 が 十 分 で あ る とは い え ず、 高 精 度 微 量 分 析 に 困 難 を 来 た す こ と が 多 い 。 吸 収 に 関 係 の な い ス ペ ク トル 線 が 分 析 線 に 近 接 し て 存 在 す る場 合 、 モ ノ ク ロ メー タ に よ って これ を 除 去 す る必 要 が あ る が、 狭 い ス リ ッ ト幅 で の モ ノ ク ロ メー タ の使 用 は 検 知 器 へ の 入 射 光 量 を 減 じSN比 の低下 を 招 く。 一 方 、 測 定 感 度 は分 析 線 の 形 状 に よ って 大 き く影 響 を 受 け る。 し た が って 十 分ESN比 を 保 ち 、 かつ 高 感 度 の 測 定 を行 な うた め に は 高 輝 度 で 線 幅 の 狭 い共 鳴 線 を 発 光 し、 し か も近 接 線 が 少 な い うえ に そ れ ら の 強 度 が小 さ い ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ が必 要 と な る 。 しか しmと 線 幅 とは互 い に 相 反 す る要 素 を持 つ た め 、 単 に ラ ン プ の 直 流 放 電 電 流 を 増 加 さ せ て発 光 強 度 を増 し た と して も線 幅 が 広 がh.か え っ て 測 定 感 度 を 低 下 さ せ る ば か り か ラ ン プ の 寿 命 短 縮 を 招 く こ と に もな り好 結 果 は 期 待 で き左 い 。 比 較 的 高 い 輝 度 の 分 析 用 光 源 と し て は 、 高 輝 度 ホ ロカ ソー ド ラ ン プ60)や ン プ61)が あ るが、 吋 れ も特 別 備 助 装 置 を必 要 とす る の で 余 り一 般 瞰 水 冷 式 ホ ロ カ ソー ドラ 甑Lて い 左 い.発 光 強 度 を 増 大 さ せ る も う一 つ の 有 効 左 手 法 と し て 、 市 販 の ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ を 高 速 大電 流 パ ル ス で h返 し黼 的瞰 れ る う え、 黼 電 さ せ る 高速 ・・ル ス 駆 動 法62)が あ る.こ 電 力 もわ ず か で あ る 点 が 注 目 さ れ 、 分 櫞 力 の方 法 齲 フ,ル 輝麟 の過巌 光 線 が騨 略 ら 化 測 定 の 報 告63)が 一部 の元素 に ついて す で に左 され てい る 。 し か し さ ら に 一 歩 進 ん で こ の 過 渡 発 光 特 性 を積 極 的 に 原 子 吸 光 分 析 へ 取 り入 れ 分 析 性 能 の 向 上 を 図 る に は 、 分 析 線 プ ロ フ ィル の み な らず 近 接 線 スペ ク トル を 含 め た パ ル ス 鄲 動 ホ ロ カ ソー ドラ ン プ の 詳 細 な 時 間 的 発 光 特 性 を 把 握 し て お く必 要 が あ る・ この よ うな 観 点 か ら著 者 は 市 販 の ホ ロ カ ソー ドラ ン プ を パ ル ス駆 動 し、 そ の 過 渡 発 光 線 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル をア ナ ロ グ 方 式 サ ン プ リン グ 型 時 間 分 解 測 光 装 置 に よ つて詳 し く測 定 す る と と もに 、 さ らに フ ァブ リペ ロ干 渉 計 と光 子 計 数 方 式 サ ン プ リン グ型 時 間 分 解 測 光 装 置 と を併 用 して 分 析 線 プ ロ フ ィ ル の 過 渡 変 化 の測 定 を 行 な っ た。 'そ の結 果 、 パ ル ス 放 電 開 始 後 中 期 の 時 間 領 域 に お い て 分 析 線 は 線 幅 の広 が りが 小 さ くし 発 光 強 度 は 直 流 点 灯 時 の数 十 か ら数 百 倍 に 達 す る こ と、 さ ら に 、 分 析 線 に 比 べ て 近 接 線 発 光 強 度 の 著 し く抑 一72一 制 さ れ た 時 間 領 域 が 存 在 す る こ と が 明 らか と な った 。 し た が って 実 際 に原 子 吸 光 分 光 分 析 へ 高 速 パ ルス 駆 動 ホ ロ カ ソー ドラ ン プ と時 間 分 解 測 光 の 手 法 を 導 入 した 場 合 、SN比 の 改善 を は じ め分 析 性 能 の 向 上 が 実 現 で き る もの と 思 わ れ る。 第3章 か ら 第5章 に か け て 記 述 し た 一 連 の研 究 は 、 高 速 パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ と原 子 吸 光 分 光 分 析 へ の 応 用 に 関 す る も の で あ る。 この う ち本 章 に お い て は 特 に ホ ロ カ ソー ドラン プ の パ ル ス 発 光 特 性 に つ い て 詳 述 す る。 ま た、 第4章 で は主 にSN比 改 善 の試 み ・ さ らに 第5章 で は二 波長 分 析 へ の 応 用 に つ い て 述 べ る。 3.2.原 子 吸 光 分 析 本 論 に 入 る前 に 原 子 吸 光 分 光 分 析(以 下 、 原 子 吸 光 分 析 と略 す)に つ い て 簡 単 に 触 れ る。 今 、 金 属 塩 溶 液 を霧 状 に して フレ ー ム に導 入 す る と金 属 元 素 は 熱 解 離 に ょ って 原 子 状 に 左 る が 、 そ の ほ と ん どは 基 底 状 態 に あ り、 極 く一 部 が 励 起 状 態 に あ る。 原 子 吸 光 分 析 は 基 底 状 態 に ょ る 光 量 子 吸 収 を 測 定 す る も の で あ る 。 す な わ ち図s.iに 示 す よ うに、 金 属 塩 溶 液 を 噴 霧 し た フ レー ム にそ の金 属 の 発 光 線 を 出 す 光 源 か らの光 を 通 し、 吸 収 さ れ る エ ネ ル ギ ー を 測 定 す る。 図31原 強 度Ioの 子 吸光 分析 の原 理 白 色 光 が 単 原 子 蒸 気 を 通 過 す る と一 部 の 光 が 吸 収 さ れ 、 透 過 光 強 度1(v)は の よ うな振 動 数 分 布 を示 す 。YOは 分 布 波 形 の 中 心 振 動 数 で あh.相 、 図32吸 光 線㈹ と吸 光 係数⑧ 一73一 図3,2(A) 当す る波長 を中心 波長 あ るい は 主 波 長 と 呼 ぶ 。 こ の 場 合 に原 子 蒸 気 は 振 動 数 レoで 吸 光 線 を持 つ と い うが 、 こ こ で 吸 光 層 の 厚 さ り(の原 子 蒸 気 の 吸 光 係 数K(Y)を 次式 の よ うに 定 義 す る 。 ICY)°loe-K(Y)x(3.1) 吸 光 線 の 形 状 は 電 子 遷 移 の種 類 に よ っ て 決 ま る ほ か 、 温 度 、 圧 力 な ど に よ って か わ る。 図3.2(B、 に 示 す よ うな 吸 光 係 数 の ピ ー ク 値Koを 極 大 吸 光 係 数 と呼 ぶ 。 フ レー ム 中 で の 吸 光 線 の 半 値 幅dY は 波 長 に 換 算 し て 数 十 鵬 λ 程 度 で あ る。 吸 光 係 数 と 原 子 濃 度 と の 間 に は(3.2)式 の 関 係 が あ る。 πe2 K(・)dY-、 ・Nf(3.2) me た だ し、eは 電 子 の電 荷 、mは 電 子 の質 量 、cは fは 振 動 子 強 度 で あ る。(3.2)式 光 速 、Nは 単 位体積 中の 吸光 に関 与 す る原子数 、 の 左 辺 は 積 分 吸 光 係 数 と呼 ば れ 、 こ れ を求 め る と定 量 分 析 が で き る。 し か し、 そ の た め に は 分 散 系 の 波 長 分 解 を 少 な く と もmAの 桁 で分 融 で きな け れ ば な ら ず非 常 に 困 難 で あ る た め 、 通 常 は 極 大 吸 光 係 数 を 求 め て 定 量 を行 左 う。 吸 光 線 幅 の 広 が りに ドプ ラー 広 が り の み が 関与 して い る と仮 定 す れ ば 、 極 大 吸 光 係 数 と 原 子 濃 度 と の 関 係 は(3.3)式 で あ らわさ れ る。 ・。-1 。!辱 ÷ …(3.・) 分 析 条 件 が 一 定 で あ れ ば 試 料 中 の 分 析 元 素 の濃 度 と原 子 濃 度 は 比 例 す る の で 、Koが 度 を 決 定 す る こ と が で き る。Koは 、 中 心 波 長 が 吸 光 線 と一 致 し、 かつ 吸 光 線 幅 よ り も十 分狭 い輝 線 ス ペ ク トル'を用 い て 測 定 す る こ と が で き る。 ホ ロカ ソ ー ド ラン プ(以 下HCLと うな 被 測 定 元 素 特 有 の 波 長 の 、 鋭 い 発 光 線 を放 射 す る光 源 で あ り、 通 常 図3.3の 略 す)は SHIELD そ の もの で 作 る か 、 あ る い は そ の 元 素 を 含 有 す る合 金 で 作 ら れ て お り、 陰 極 物 質 の ス ペ ク トル 低 温度 光 源 で あ り、 ま た 内 部 ガス 圧 も 小 さ い た め 、 吸光 線 に比 べ て ド. プ ラ ー 広 がh.ロ ー レ ン ヅ広 が 図3.3ホ 一74一 そのよ よ う左 形 状 を して い る 。 陰 極 の 内面 は被 測 定 元 素 線 を 放 射 す る 。HCLは わ か れ は濃 ロ カ ソー ド ラ ン プ の構 造 りと もノ 亅 丶さ い 。 測 定 元素 の ゴペ ク ・ トル 線 の う ち、 分 析 線 と し て 用 い ら れ る輝 線 は共 鳴 線 の 中 で も特 に 吸光 感 度 が 高 く(振 動 子 強 度 が 大 き く)、 か つ そ の付 近 に は 吸 収 に 関 係 の 左 い ス ペ ク トル 線(近 接 線)が 存 在 して い 左 い もの が 選 ば れ る。 原 子 吸光 分 光 光 度 計 で は 、 フ レー ム 透 過 光 の 強 度 を全 波 長 に つ い て 積 分 し た 積 分 吸 光 量 を 測 定 し て い る た め 、 分 析 線 幅 が 広 が った り、 あ るい は 近 接 線 が 混 入 し た場 合 、 検 量 線 の勾 配 は 小 さ くな る 。 な お・ 、 以 後 、 分 析 性 能 評 価 の た め に測 定 感 度 と い う用 語 を 用 い る が 、 こ れ は 検 量 線 の 勾 配 に 相 当 す る もの で あ る こ とを 明記 して お く。 測 定 感 度 は ま た 、 吸光 線 の 中 心 波 長 の 不 一 致 に よ って も影 響 を受 け る。 こ の 中 心 波 長 の 不 一 致 は 主 に 。-vン 。効 果 に もと つ く吸 光 鰰 心 波長 の長波 闘 へ の移 動 源 因 して い る64).纏 が り と中 心 波 長 の 不 一 致 が測 定 感 度 に お よぼ す 影 響 に つ い て の 実 験 的 な 考 察 は 第4章 ってい るが、 の広 にお いて行 な こ こ で は は じ め に理 論 的 な 考 察 を加 え る。.一 吸 光 係 数K(〃)の 形 状 は 、 本 来 は ガ ウ ス 波 形 と ロ ー レ ン ヅ 波 形 の 重 畳 し たVoigt波 示 す が 、 取 り扱 い を 簡 単 に す る た め 、 図.3.4に 示 す よ うに 中 心 周 波 数0・ 半 値 幅dYの 形を 三 角 波形 と 仮 定 す る。 一 方 、 分 析 線 は 自 己 吸 収 に よ っ て 尖 端 が 平 担 に な る こ と が 多 い た め 、 強 度Io,幅 a〃(a〈1)の 矩 形 と 仮 定 し た。 ま た 両 者 の 中心 波 長 の 不 一 致 を あ ら わ す パ ラ メー タ と して 分 割 比 p(0≦p≦1)を 導 入 す る。 こ の 時 、 フ レー ム の 吸 光 係 数K(レ)、 へ の 入 射 光 量S。 ・ フ レ ー ム透 過 後 の光 量Sは レ 分 析 線 強 度 波 形1(y)、 そ れ ぞ れ(3・4)∼(3・7)式 で あ ら わ さ れ る・ ・(Y>={K° 0(1--dv):1:1;::(34) 1-{:°::∵1∴ .(35) So=1padY (3.6) ・-II(y)・-K(Y)dv(3.・) -75一 フ レー ム た だ し 、 計 算 の 都 合 上 、 フ レ ー ム の 吸 光 層 の 厚 さ は1と (3.8)式 し た 。 し た が っ て フ レ ー ム の 吸 光 度Aは と な る。 A=1・Sog S=0.43430。 こr_.でpを 。-1。(・paK°+e!l-・)・Kし ・)〕(38) aKp 変 数 と し た 揚 合 、 吸 光 度 が 最 大 と な る のgyp=05の 時 で あ る。 こ の こ と は 、 吸 光 線 と 分 析 線 の 中心 波 長 の ず れ が 大 き くな る に し た が っ て 測 定 感 度 が 低 下 す る こ と を 意 味 す る。 次 に、 1.5を(3.8)式 に 代 入 し 、(adYKo/2)に 関 し て テ ー ラ ー 展 開 を 行 な う と(3.9)式 を得 る。 、(・dYK・)、(a"K°)2 A=0.3434〔Ko‐ln(・+ 、1+、1+… この 式 か ら分 析 線 幅adYが ・・う 〕(3.・) 零 の 時 、 吸 光 度 と極 大 吸 光 係 数Koが 比 例 し、 検 量 線 は 良好 な 直 線 霧 簾 麓戳 騾 が 大 き くな る に従 って 、 検 量 線 は に(3.9)式 は 示 して い る 。 この よ うに 分 析 線 幅 が 広 がh,か つ吸 光 線 中 心 波 長 との ず れ が 大 き い ほ ど湾 曲 の 度 合 が 大 き く左 る と い う 結 果 が得 られた 。 図a4吸 3.3.ホ HCLパ 光 線 と分 析 線 ロ カ ソ ー ドラ ン プ 駆 動 回 路 ルス 駆 動 法 は 、 繰 り返 し 周 波 数1kHz、 に よ っ てHCLを 幅20μsec、 瞬 間 的 に 放 電 さ せ るガ 式 で あ る 。 図3.5に 尖 頭 値 数 百mAの パ ルス 電流 ラ ン プ駆 動 回 路 を 示 す 。 こ こ で は パ ル ス 放 電 用 ス イ ッチ ン グ素 子 と し て ビー ム 出 力 管6DQ5を 使 用 し て い る。 パ ル ス 放 電 は ラ ィ プ の ア ノ ー ド ・カ ソ ー ド間 に放 電 開 始 電 圧 以 上 の高 い パ ル ス 電 圧 を加 えて 行 左 う こ とが で き る が 、 放 電 の 過 渡 特 性 、 発 光 の ジタ ー 、 齢 よ び安 定 性 を考 慮 して 、 あ らか じめ2mA程 ア ス 電 流 で 放 電 さ せ て 診 き、 そ れ に パ ル ス 電 流 を重 畳 さ せ る 方 式 を採 用 し た。 -76一 度 のバ イ バ イ アス 電 流 は、 図3.5ホ 6DQ5の ロカ ソー ドラ ン プ駆 動 回 路 グ リ ・ ドバ イア ス 電 圧VGを 制 御 す る こ と に よ り最 大20糀Aま で 連 続 的 に変 化 さ せる こ.とが で き る。 し た が って 、 パ ル ス 電 圧 を 加 え 友 け れ ば 通 常 の 直 流 点 灯 用 電 源 と な る。 放 電 中 の ラ ン プ の平 均 電 流 は ラ ン プ と 直 列 に 接 続 さ れ た 電 流 計 で 読 み 取 れ る よ うに な っ て い る。 一 方 パ ル ス 電 流 の 尖 頭 値 は 入 力 可 変 減 衰 器(2k9可 パ ル ス 電 流 値 はHCLの 変 抵 抗)に よ って 最 大200mA一 ア ノー ドに 直 列 に 接 続 さ れ た109の まで 任 意 に 設 定 で き るC 固定 抵抗 の 両端 の電 圧波形 をオ シ ロ ス コ ー プ上 に表 示 し て 、 そ の 振 幅 か ら計 算 した 。 HCL駆 常 のHCLの 動 パ ル ス 電 流 の最 大 値 、aお よ び繰 り返 し周 波 数 は 次 の 条 件 を考 慮 し て 決 定 し た 。 通 最 大 定 格 直 流 電 流 値 お よ び 実 用 電 流 値 は そ れ ぞ れ20mAお こで ま ず 最 初 に 、 最 大 パ ル ス 電 流 は 最 大 定 格 直 流 値 の10倍 ラン プ に200mAの μsecで よ び10mAで 、 す な わ ち200mAと あ る。 そ 定め た。 また ス テ ・プ 電 流 を加 え た 時 の分 析 線 発 光 強 度 波 形 の 立 ち上 り時 間 が5∼15 あ る こ とか ら、 パ ル ス 幅 を20μsecと 繰 り返 しパ ルス 電 流 に2吼Aの した 。 最 後 に幅20/sec.尖 頭 値200㎜Aの バ イ ア ス 電 流 を 重 畳 さ せ た 時 の 平 均 電 流 が 実 用 電 流 値(10mA) 以 下 に な る よ う、 繰 り返 し周 波 数 は1kHzと した。 この 条 件 の も とで は 平 均 電 流 は 高h6mAと な る。 した が っ て 、 ラ ン プの 寿 命 が 積 算 消 費 電 力 に の み 関 係 す る と考 え る な ら ば 大 電 流 パ ルス 駆 動 を 行 な って も ラ ン プ の 寿 命 を損 左 うこ と に は 左 らな い と思 わ れ る が ・ 十 分 な 結 論 は ま だ 得 られ て い ない 。 -77一 3.4.測 HCLは 定 系 繰 り返 し周 波 数1kHzで パ ル ス 放 電 さ れ る の で 、 そ の 過 渡 的 発 光 特 性 の 測 定 に はSN 比 の 優 れ た サ ン プ リン グ測 光 の 手 法 を用 い る こ と が で き る。 パ ル ス 駆 動 さ れ たHCLの パ ル ス発 光 強 度 波 形 左 ら び に ス ペ ク トル の 時 間 変 化 の 測 定 に は ア ナ ロ グ ス イ ・チ を 用 い た ア ナ ロ グ方 式 の サ ン プ リ ン ク型 時 間 分 解 測 光 装 置 を 、 ま た フ ァブ リペ ロ 干 渉 計 に よ る分 析 線 プ ロ フ ィ ル の 測 定 で は 検 知 器 へ の 入 射 光 量 が 激 減 す る た め 、 光 子 計 数 方 式 の サ ン プ リ ン グ型 時 間 分 解 測 光 装 置 を 用 い た 。 3。4。1.測 光 光 学 系 モ ノ ク ロ メmと し て は1200本/翩 1型 な ら び に1440本/翩 はHCLの の 回 折 格 子 を持 つ 逆 線 分 散16.6/髪/砌 の 回折 格 子 を持 つ 逆 線 分 散20べ/砌 の 日立139型 の 島 津MAFを用 い た。 前老 発 光 ス ペ ク トル 測 定 用 と し て ア ナ ロ グ 方 式 の 測 光 装 置 と結 合 し て0.25嫁 のス ペク ト ル ス リ ッ ト幅 で 用 い 、 ま た 後 老 は フ ァ ブt)ペ ロ 干 渉 計 の前 置 分 散 用 モ ノ ク ロ メー タ と し て 使 用 し て い る。 図3.6に 図 を 、 ま た 図3.7に 光 子 計 数 方 式 の 測 光 装 置 と組 み 合 わ せ た フ ァ ブ リペ ロ 干 渉 計 の 光 学 系 ブ ロ ッ ク は フ ァ ブ リペ ロ干 渉 計 の 光 学 系 配 置 の 写 真 を示 す 。 図3・6フ ァブ リペ ロ干 渉 計 と結 合 した 光子 計 数 方式 時 間分 解 分光 測 光 装置 の構成 一78一 ・C・M°N°CHRMATOR° 一 ↓ 工F.P.NTERFER。METERPINHOLEp・M・ 壷 図3.7フ 壷 母 ァブ リペ ロ 干 渉 計 光 学 系 フ ァブ リペ ロ干 渉 計 は 、 エ タ ロ ン有 効 径40㎜ -100型 、 面 間 隔9mm、 気 圧 走 査 方 式 、の 日本 光 学FIP で あ る。 干 渉 計 内 の 気 圧 は ロ ー タ リー ポ ン プ(日 立4VP℃3型)で ま で 排 気 し た 後、 り一 ク バ ル ブ に よ って 大 気 圧 ま で 約15分 圧 力 変 換 器(共 和 電 業PG'2KU型)に ダ のX軸 へ 入 力 して い る。 図3.8に 900㎜ 、 長 さ3mの よ って 電 圧 に変 換 し、 波 長 走 査 信 号 と してXYレ 圧 力 ・電 圧 変 換 回 路 を 示 す 。 な お 、 光 学 系 全 体 は300呶 み ぞ 型 鋼 材 の上 に 固 定 した 重 さ 約200kgの 長分 解能 る高波 長 分解 測光 装置 の波 は フ ィネ スFを 65) い て評 価 す るこ とがで きる 。 Fは フ ァ ブ9ペ ロ干 渉 計 の 自 由 ス ペ ク トル域dλ と最 小 分 解半 値 波長 幅 δλとを 用 い て(3.10)式 で定義 さ れ る量 で あ る。 図3・8圧 一?9一 コー × 光 学 ベ ン チ に配 列 し、 外 部 フ ア ブ リペ ロ干 渉 計 に よ 長 分鯱 ほ ぼo.1Torr 間 で復 圧 さ せてい るが、 この気 圧 を の 振 動 に よ る 悪 影 響 か ら回 避 し て い る。 3.4.2.波 ジ 力 ・電 圧 変 換 回 路 F-4λ/δ こ の う ちdλ λ(310) は エ タ ロ ン の 面 間 隔tEと 入 射 波 長 λ に よ って(3・11)式 の 関 係 の も とに 一 意 的 に 決 定 さ れ る。 ・ え 一 λ2/・ ・E した が って 測 定 シス テ ム と し て はFが い てFは .(3.・ ・) 大 きい ほ ど高 波 長 分 解 で あ る とい え る 。 実 際 の 測 光 に 診 、 鏡 面 の 反 射 率 、 鏡 面 の 平 行 平 面 度 、 出 ロ ピ ン ホ ー ル径 に よ って 制 限 を 受 け る。 こ の う ち測 定 者 寮 操 作 で きる 量 は平 行 度 と ピン ホ ー ル 径 の2つ で あ る が 、 特 に 前 者 の調 整 の 良 否 は 分 解 能 に 多 大 の 影 響 を 与 え る の で 細 心 の 注 意 を要 す る。 ま た ピ ン ホ ー ル径 の 大 小 は 光 束 利 用 率 に 関 わ る の で、SN比 を 考 慮 した 上 で 決 定 し左 け れ ば な ら な い 。 このFIP-100型 渉 計 のHe-Neレ ー ザ ー 光 波 長(6328且)に フ ァブqペ ロ干 対 す る 自 由 ス ペ ク トル 域 は220mλ(Q56 じ c糀一1)で あh.出 口 直 径 を10㎜ ロ ピ ン ホ ー ル 直径 を3㎜ に した 場 合 の フ ィネ ス は11と 程 度 に しぼ る こ と に よ り ま た ピ ン ホ ー ル径 を2伽 左 る が、 干 渉 計 の 開 に ま で 縮 小 す る こ と に よ り、 フ ィネ ス を こ れ よ り もさ らに 大 き くす る こ とが で き る。 上 記 方 策 を実 施 した 時 に起 る 検 知 器 へ の 入 射光 量減少 の問題 は、 光子 計 数 方式 を 驚1羨1驚畿 1ここ 瓣 謙 繍 謙: る 制 限 か ら達 成 困 難 で あ る と思 わ れ る。 3.4.3.ア ナ ロ グ方 式 サ ン フ リン ク型 時 煮三1鰈1飜 第1章 で 詳 述 し た ダ イ ノ ー ド制 御 法 が 右 効 で あ る。 し か しパ ル ス 駆 動HCL に 関 して は ・ 発 光 持 続 時 間 が20,LCsec図3.爭He刷Neレ ーザ ー 光 に 対 す る 干渉 波 形 一80一 と比 較 的 長 く、 ま た 立 ち 上 り時 間 もそ れ ほ ど 急峻 で左 い の で 分.m間 は1μsec程 お よ び 回 路 を 左 るべ く簡 単 に す る こ と な どを 考 慮 し て 、 こ こ で は 市 販 のMOSア (ア ナ ロ グ デ バ イスAD7510J型)を 図3.10ア サ ン プ1,ン グ 素子 と して 用 い た2チ 度 で よい こ と、 ナ ロ グス イ ッチ ャネ ル の ダ ブ ル ボ ッ ナ ロ グ方 式 サ ン プ リン グ型 時 間 分 解 測 光 装 置 ク ス カ ー 積 分 器 を 試 作 し た。 図 3。10が 測 光 系 全 体 の ブ ロ ック 図 で あ り、 ま た 図3.11は 測光 系 各 部 の タ イ ミ ン グ図 で あ る。 さて、 電 気 系の主 要部 分 は基本 的 に は タ イ ミン グ 制 御 回路 とボ ック ス カ ー 積 分 器 で あ る が 、 こ の う ち タ イ,ン グ禰 回路 朧 図3・1塒 間1:n測 光 装 置 の タ イ ミン グ 図 i章 で 述 べ た もの を そ の ま ま 使 用 し た。 一 方 、 光 電 流 信 号 処 理 鵯曩二 羅∵坡 カ ー 積 分 器 の 前 置 増 幅 器 と して は 、 帯 域20MHzの 増 幅 器(テ を利 得20倍 高速 演算 レダ イ ン1322型) で 使 用 し て い る。 図3.12ダ 一81一 ブ ル ボ ッ クス カ ー 積 分 器 本 装 置 の ボ 。ク ス カ ー 積 分 器 は ド リフ ト補 償 型 の ダ ブ ル ボ ・ク ス カ ー 積 分 器 と して 構 成 さ れ て い る が 、 この 方 式 は 光 電 子 増 倍 管 の 暗 電 流 や シ ョ ッ ト雑 音 電 流 に と もな う雑 音 成 分 な らび に 増 幅 器 ドリ フ ト成 分 左 ど を 除 去 し、 高 いSN比 が 得 られ る と こ ろ に 特 長 が あ る。 した が っ て 前 置 増 幅 器 の オ フ セ 憂 ト調 整 な ど も簡 略 化 で き る 。 こ の 目的 の た め ア ナ ロ グス イ ッチ は 、HCL発 周 期 中2回 動 作 す る。 ま ずHCLの ア ナ ロ グ ス イ 。チ がts時 し、 次 の 同鯲 一2が 同 様 にt 発 光 と 同 期 し て サ ン ブ ル ホ ー ル ド回 路C1〕(S/H-1)の 間(1μsec)だ で ホ ー ル ドす る.さ け 閉 じ、 雑 音 成 分 を 含 む 過 渡 信 号 光 電 流 を サ ン プ ル らに ・ ン プ放 電 休 止 中 の 時 刻T〆2(5・ ・μ・ec)にS畑 s時 間 だ け 動 作 し て 雑 音 成 分 をサ ン プ ル し、 次 の 周 期 ま で ホ ー ル ドす る。 こ れ ら の サ ン プ ル ホ ー ル ド回 路 出 力 信 号 はCR積 型)に 光 の1 分 回路 通 過 後 、 次 段 の 差 動 増 幅 器(東 亜 電 波PM-18 加 え られ 信 号 成 分 の み が 出 力 さ れ る。 さ ら に こ の 出 力 信 号 は 後 続 の フ ィル タ で平 均 化 さ れ、 レ コ ー ダ のY軸 HCLの に 入 力 さ れ る。 パ ル ス 発 光 強 度 波 形 は 、XYレ コ ー ダ のX軸 ヘ サ ン プ0ン グ パ ル ス(1)の 遅 延 時 間tに 比 例 し た 電 圧 信 号 を加 え る こ と に よ って 記 録 さ れ る。 一 方 、 遅 延 時 間 を 特 定 の時 刻 に 固定 し、 モ ノ ク ロ メ ー タ の波 長 走 査 を レ コ ー ダ のX軸 走 査 と同 期 さ 巷 れ ば 時 間 分 解 ス ペ ク トル が ヂ ャ ー ト紙 上 に 記 録 で き る。 な お 、 以 下 特 に こ だ わ り の な い 限h、 前 縁 に 対 す る サ ン プUン a4.4.光 サ ン プqン グ時 刻 丁 は ラ ン プ駆 動 パ ル ス グ パ ル ス 発 生 時 刻 を 指 す もの で あ る こ と を 明記 し てお く。 子 計 数 方 式 サ ン プ リ ン グ型 時 間 分 解 測 光 装 置 フ ァブ リペ ロ 干 渉 計 に よ る輝 線 プ ロ フ ィル の 時 間 変 化 の 測 定 に お い て は 信 号 光 量 が 極 め て少 な くな り、 ア ナ ロ グ 的 な 測 定 が 困 難 とな る。 そ こ で本 実 験 で は光 子 計 数 を 基 本 と した サ ン プ リ ン グ 型 時 間 分 解 測 光 装 置 を 試 作 して 使 用 し た 。 華 置 自体 は 、 信 号 の 検 出 処 理 が デ ィ ジ タ ル 的 に な さ れ る点 を除 い て は 原 理 的 に前 記 の ア ナ ロ グ 方 式 と異 な る と こ ろ は な い 。 第2章 で触 れ た 分 類 法 に 従 え ぱ 、 シ ン グ ル チ ャネ ル ・デ ィ ジタ ル サ ン ブ リン グ 方 式 で あ る とい え る 。 ㈹ 装 置 の 概要 装 置 構 成 の ブ ロ ック 図 は す で に 図3.6に 示 し た 。 光 電 子 増 倍 管 か ら の 出 力 信 号 パ ルス 列 は 前 置 増 幅 器 で 増 幅 後 、 前 縁 型 波 高 弁 別 器 に 導 か れ る。 こ こ で 暗 雑 音 パ ル ス が 除 去 さ れ る と 同 時 に 光 電 子 パ ル ス が 幅8nsecの 矩 形パ ルー ス に 波 形 整 形 さ れ る。 整 形 さ れ た パ ル ス 列 は 加 減 算 計 数 回 路 で計 数 さ れ る が 、 加 算 、 減 算 の切 り換 え は こ の 計 数 回 路 自体 が デ ィ ジ タ ル ダ ブ ル ボ ・ク ス カ ー 積 分 器 と し て 動 作 す る よ うに 行 な わ れ る。 す な わ ち、HCLの ブ リン グ ゲーhパ ル ス に よ って 加 算 ゲ ー ト(UPゲ サ ン ー ト)を 開 き、 ま ず 〔光 電 子 パ ル ス 十 雑 音 パ ル ス 〕を 計 数 す る。 次 に ラ ン プ の 点 灯 休止 中 に 同 じ く幅2μsecの 一82一 点 灯 中、 幅2Rsecの ゲ ー トパ ル ス に ょ って 減 算 ゲー ト(DOWNゲ ー ト)を 開 き、 雑 音 パ ル ス を 加 算 計 数 値 か ら減 算 計 数 す る。 こ の 差計 数 値 は 直 ち にD/A変 換 さ れ、 さ らに 能 動 フ ィル タ を 介 し て レ コ ー ダ に 入 力 さ れ る。 こ の よ うな 加 減 算 ゲー ト方 式 に よ り、 背 景 光 や あ る い は弁 別 器 で除 去 し きれ ず に残 留 し た 暗 雑 音 パ ル ス な どの 雑 音 成 分 が 効 果 的 に 除 去 さ れ る の で、 特 殊 な光 子 計 数 用 の 光 電 子 増 倍 管 の 使 用 や 光 電 子 増 倍 管 の 冷 却 は 必 ず し も必 要 と しな い 。 一 般 に 光 子 計 数 装 置 で は 入 射 光 量 が あ る 程 度 増 大 す る と光 電 子 パ イル ア ッ プ効 果 に ょ って 測 定 値 に誤 差 を 生 じ る の で、 本 実 験 で は 光 量 に 応 じて ス イ ッチ で 前 述 の ア ナ ロ グ方 式 ボ 。ク ス カ ー 積 分 器 に 随 時 切 り換 え られ る よ うに して あ る。 こ の 場 合 、 光 電 子 増 倍 管(1P28)は その ま ま で 、 信 号 処 理 系 の み が切 り換 え られ る 。 ま た定 常 光 を 測 定 す る 場 合 、 光 束 チ ョ ッパ と同 期 して 加 瀕 ゲ ー 、を 開 閉 す れ ばSSPC斌66)(同 騨 畦 電 子 計3'式)に よ る測 光 が 実 現 で き る こ と も本 装 置 の 特 長 の 一 つ で あ る。 ⑧ 装 置 の詳細 波 高 弁 別 回路 は 基 本的 には 第2章 で 述 べ た もの と同 じ で あ る が・ 測 定 対 象 が マ イ ク ロ秒 の オ ー ダ ー で あ り、 そ れ ほ ど高 速 性 は 要 求 さ れ な い た め 、 トン ネ ル ダ イオ ー ド単 安 定 出 力 パ ル ス 幅 を8nsecと し た 。 ま た 前 置 増 幅 器 に は 帯 域40MHz、 サ スSN7510L型)を あ る。 波 高 示 さ れ た タイ ミン グ に し た が い 、可 逆 カ ウ ン タ(テ キサス して 示 さ れて い る。 これ ら の 図 か ら もわ か る よ うに 本 装 置 で はSWI・ 切 り換 え に よ って 加 算 計 数 方 式 、 加 減 算 計 数 方 式(以 上 パ ル ス 幽発 光嗣 し て)あ るい は 直 流 光 測 光 モ ー ドな ど を選 択 で き る よ うに な っ て い る。 さて、 本測 光装 置 にお いて は 計数可 能 な光電子 パル ス列 の最 小 時 間 間 隔 は 波 高 弁 別 器 の 不 感時 間 に 等 し く20nsecで あ る。 試 作 装 置 で は 加 減 算 ゲー ト幅 を 2μsecと キ よ って 加 減 算 計 数 さ れ る 。 こ の 計 数 部 本 体 の 構 成 お よび 回 路 の詳 細 は そ れ ぞ れ 図3.14,図3.15と SW.2の の ビデ オ 増 帳 器(テ 使 用 して い る。 左 詮 こ の 弁 別 器 の 不 感 時 間 は20nsecで 弁 別 さ れ た信 号 パ ル ス は 図3.13に SN74193)に 利 得100倍 し て い る た め 、1現 象 当 り の 最 大 計 数 値 は ・ μseca・a光 子誘 一83一 蠅 の ゲ ー ト タイ ミv7図 図3.14光 図3.15光 子 計 数 装 置 ゲー ト 部 の ブ ロ ック 図 子 計 数 装 置 ゲー ト部 の 詳 細 一84一 /20nsec(=iOO)と 持 た せ て8ビ な り、 カ ゥ ン タ と し て は7ビ ッ ト(256)を ッ トあ れ ば よ い が、 こ こ で は 余 裕 を 用 い た 。 ゲ ー ト幅 を4μsecよ 応 じて ビ ッ ト数 を 増 や せ ば よ い。 カ ゥ ン タ の 計 数 値 は1サ り も大 き くす る場 合 は 、 そ れ に イ ク ル 終 了 毎 に レ ジス タ に格 納 さ れ る が、 こ の よ うに して 格 納 さ れ た 計 数 値 は 直 ち に10ビ 。 トのD/A変 換 器(ア スDAC10Z型)に らm定 の フ ィ ル タ に よ る平 滑 よ って ア ナ ロ グ 量 に 変 換 さ れ.さ 数4秒 ナ ロ グデ バ ィ 化 処 理 を 受 け た後 、 最 終 的 に レ コー ダ に 導 か れ る。 (C1装 置 の性 能 図3.16に 本装 置 の入 射 光 量 に 対 す る 直 線 性 を 示 す 。 これ は 検 知 器 へ の 入 射 光 量 が光 源 と検 知 器 と の 間 の 距 離 の 自乗 に 反 比 例 す る こ と を利 用 して 測 定 し た 結 果 で あ る。 光 源 と し て は 小 型 タ ン グ ス テ ン電 球 を用 い 、 装 置 は 加 算 グ ー トに ょ る動 作 を さ せ た。 入 射 光 量 が 大 き くな る と 直 線 性 か ら の ず れ が大 き くな る が、 これ は パ イ ル ア ップ効 果 が 顕 著 に 表 って くる た め で あ る。 図3.16光 子計 数 装置 の直 線性 図3.17加 一85一 減 算 方式 に よる雑音 の除 去 加 減 算 計 数 方 式 に よ る雑 音 除 去 を 評 価 す る た め に 、 パ ル ス 駆 動 さ れ たNaHCLの5890 X発 光 線 プ ロ フ ィル の測 定 を微 弱 な 背 景 光 が 存 在 す る状 態 の もと で行 左 った .O 。 図3.17が その 結 果 で あ る が 、 こ の 測 定 結 果 か ら、 加 減 算 計 数 方 式 が 単 左 る加 算 計 数 方 式 に 比 べ てSN比 の点 で 極 め て 有 利 とな る こ とが 実 証 さ れ た 。 3,5.ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ の 過 渡 発 光 分 光 特 性 HCLの 分 析 線 発 光 強 度 を1、 ラ ン プ放 電 電 流 をiと す れ ば 両 者 の 関 係 は 次 式 で 近 似 され る67) 1=A(in十C)(3.12) た だ し、Aお よ びCは 正 の 定 数 、nは 整 数 で あ る。 通 常nは2以 上 の値 を とるが 組 成 元 素 や カ ソー ド形 状 で 決 ま る 臨 界電 流 値 以 上 で は 自 己吸 収 の た めnは HCLの 大 電 流 パ ル ス 駆 動 に 齢 い て は、 実 用 電 流 値 の10倍 、 ホ ロカ ソー ド これ よ り小 さ くな る。 以 上 の 電 流 で 瞬 間 的 に 放 電 させ る の で 大 幅 な輝 度 増 大 が 期 待 さ れ る反 面 、 線 幅 の 広 が り が懸 念 さ れ る。 ま た近 接 線 増 大 の 程 度 も問 題 と 友 る・ こ の 点 を 明 確 に す る た め ・ パ ル ス 駆 動HCLの 発 光 ス ペ ク トル お よ び 分 析 線 プ ロ フ ィル 過 渡 特 性 の 詳 細 な 測 定 を行 左 った 。 3.5.1.パ ルス 発光 強度 波形 測 定 に 用 い た ラ ン プ の 種 類 と動 作 条 件 な ら び に測 牢 結 果 の 一 部 を ま と め て 表3 .1に 示 す 。 ラ ン プ は い ず れ も 日立HLA-3型 表81ホ お よ びHLA-4型(Na(1)の み)で あ る。 ロカ ソ ー ドラ ン プの 一 覧 とパ ル ス発 光 強 度 特 性 INTENSITY FILLER HCL GAS MAX DC CURRENT MAX PULSE (mA) Na (1) Na(2) Al-Ca-Mg Ba -Cu Fe-Ni-Cu 3 (mA) Ar 15 100 Ar 50 500 Ne Ne Ne 20 20 20 CURRENT 150 150 200 OBSERVED LINE (A) -86一 RATIO (PULSE)/(DC 10mA) 20 Na 5890.0 Al 3961.5 50 Ca 4226.7 30 Mg 2852.1 10 Ba 5535.6 on Cu 3247.5 150 Fe 3719.9 200 4 Fe 2483.3 1 Ni *Largecapacityしype ENHANCE 2320.0 140 55 。 パ ル ス 電 流 値 上 限 の 決 定 方 法 は 前 述 し た が、 ここ に 示 し た上 限 値 は さ らに 安 定 性 を も考 慮 した も の で あhNa(ll,A1-Ca-Mg,Ba-Cuの 倍 か ら50mAを 各HCLに 減 じ た値 を パ ル ス 電 流 の上 限 値 と し た 。NaHCL(2、 対 して は 最 大 定 格 電 流 値 の10 に つ い て は 、 図3.5に し た 回 路 で は 電 流 容 量 が 不 足 す るの で専 用 の駆 動 回 路 を別 に用 い 、 バ イ ア ス 電 流 を10mAと 示 て 、 繰 り返 し周 波数500Hz,幅60/sec.最 パ ル ス 駆 動HCLの 大 値500mAの パ ル ス 電 流 を 重 畳 させ た 。 発 光 波 形 と放 電 電 流 波 形 の代 表 例 と してNa(1)とCaに を そ れ ぞ れ 図3。18お 図3.18NaHCLの よ び 図3.19dz示 ついて の測定結 果 す。 パ ルス 発 光 強 度 波 形(A1と放 電 電 流 波 形(B)。 い)の点 線 レベ ル は10mA で 同 じ ラ ン プ を 直 流 点 灯 し た 時 の 分 析 線 発 光 強 度 を あ らわ すC 図3.19A1-Ca-MgHCLのCa分 mAで 析 線 発 光 強 度 波 形 脚 と 放 電 電 流 波 形 ⑧ 。(A)の点 線 は10 同 じ ラ ン プ を 直 流 点 灯 した時 のCa分 -87一 し 析 線 発光 強 度 をあ らわす 。 両 老 と もω は パ ル ス 電 流 値 を 変 え た時 の 発 光 強 度 波 形 で あ り、 図 中 の 縦 軸 強 度 目盛 は 同一 の HCLを10mAの 直 流 電 流 で 点 灯 した 時 の 分 析 線 発 光 強 度 に 対 す る比 を あ らわ し て い る。 ま た (B)は上 限 パ ル ス 電 流 値 に お け る 放 電 電 流 波 形 で あ る が 、 こ こ で い う パ ル ス 電 流 値 とは 過 渡 電 流 波 形 の 平 坦 部 の 波 高 値 の こ と で あ る。 放 電 開 始 部 に は い ず れ も管 内 の 希 ガス 放 電 に よ る もの と思 わ れ る電 流 ピー ク が 生 じ て い る 。 パ ル ス 電 流 値 を100mAと Na分 析 線 は 放 電 開 始 後7μsecで す る。 こ れ に 対 してCa分 し た場 合 、 図 か ら 明 ら か 左 よ うに、 強 度 が ピー ク に 達 し、 そ の 後10μsec付 近 か ら強 度 が 減少 析 線 の 強度 は 時 間 的 に 単 調 に 増 加 す る。 他 のHCLに 測 定 を行 左 った 結 果 、 表3.1に 状 に な り、NaHCL(2、 示 した 上 限 電 流 で 放 電 さ せ た 場 合 、Mg分 知 よ びBa分 析 線 はNa(11と つ い て も同 様 の 析 線 の 強度 波形 は台形 同 じ傾 向 を、 ま た そ れ 以 外 の 分 析 線 はCa と 同 様 の 傾 向 を 示 す こ と が わ か っ た。 この よ う に、 同 一 の ラ ン プ で あ って も分 析 線 相 互 間 で パ ル ス 発 光 波 形 が 異 友 っ て い る。 表3 .1 中 の最 右 欄 に そ れ ぞ れ 、 ラ ン プ の 上 限 電 流 で パ ル ス 駆 動 し た時 の 各 分 析 線 の ピ ー ク 発 光 強 度 を10 ・mA(実 用 電 流)で 直 流 点 灯 し た 時 の 発 光 強 度 との 比 で示 した 。 た だ し、 大 容 量 型 のNaHCL (2)に つ い て は 直 流 放 電 電 流30mAの 式 の 係 数nは1以 時 と 比 較 した 。 こ の 表 か らNa(2)とMgt関 下 、 他 の 分 析 線 では1以 し て は(3,12) 上 の 値 を と る こ とが わ か る 。 しか しい ず れ も2を 越 え る こ と が な い の は、 臨 界 電 流 を 越 え て 自 己 吸収 の 影 響 が 大 き くあ ら わ れ て い る た め と 思 わ れ る。 図3.20NaHCL(1め パ ルス 発光 強度 波 形 。 図3.18に ス 電 流 が2倍 図3.2iNaHCL(2)の 対 して バ イ ア パ ルス 発 光 強度 波 形 のバ イ アス電 流依 存性 に な っ て い る。 -88一 次 に 発 光 強 度 の バ イ ア ス電 流 に対 す る依 存 性 に つ い て 測 定 し た。 図3・20はNaHCL(1)に し て 、 先 ほ ど の 発 光 波 形 測 定 の 際 の バ イ ア ス 電 流(2mA)を2倍(4.mA)に 定 した 発 光 波 形 で あ る。 ま た 図3.21に はNaHCL(2、 対 増 加 して 測 の バ イ ア ス 電 流 を0か ら15mA'ま で4 段 階 に 変 化 さ せ た 場 合 の 過 渡 発 光 波 形 が 示 さ れ て い る。 以上 の 測 定 結 果 か らわ か る よ うに、NaHCL(1、 は ほ と ん ど変 化 し な い の に 対 し、Na(2、 い る。 通 常 の 容 量 のHCLに で は バ イア ス 電 流 に ょ っ τ 強 度 な らび に 波 形 で は バ イ ア ス 電 流 の 変 化 に 対 して 敏 感 に 強 度 が 反 応 し て 対 す る同 様 な 測 定 の 鯖 果 、 傾 向 は い ず れ もNaHCL(11と 同 じであ る こ とが わ か っ た 。 し た が って バ イア ス 電 流 に対 す る 発 光 強 度 の 大 きな 依 存 特 性 は 大 容 量 型 の NaHCL(2、 特 有 の 性 質 で あ る と思 わ れ る 。 そ れ ゆ え 一 般 に は バ イ ア ス 電 流 値 に 関 して は 数mA 程 度 の 範 囲 で 適 当 な 値 を選 ん で も さ しつ か え な いb 3.5.2.安 定時間 分 析 線 強 度 が ラ ン プ 点 灯 開 始 の 時 点 よ り安 定 す る ま で の変 位 を ド リフ ト、 そ の 時 間 を 安 定 時 間r と い う。 安 定 時 間 は 陰 極 内 面 か らの 発 生 原 子 数(し た が って 電 流 密 度)と 陰 極 空 間体 積 に南係す る 。 中空 陰 極 内径 の 小 さ な もの ほ ど発 生 原 子 数 が 多 く、 空 間 体 積 が 小 さ い の で 、 ド リ フ トは 小 さ くま た 安 定 時 間 は 短 か くな る。 π 般 に は 安 定 時 間 に 数 十 分 を要 す る が 、 低 融 点 金 属 の 場 合 は ジ ュ ー ル熱 に よ っ て 発 生 す る 蒸 気 原 子 が重 畳 す る の で安 定 時 間 は 高 融 点 の もの よ り長Y'C安 少 しで も短 縮 す る た め、 市 販 の 原 子 吸 光 分 析 装 置 で は 分 析 開 始 のm間 定時 間 を 程 度 以 前 か ら数mAの 電 流 で ラ ン プ を予 備 放 電 さ せ て い る。 複 光 東 方 式 を 採 用 す れ ば 、 見 か け 上 ラン プ 発 光 強 度 は 速 や か に安 定 す るが 、 実 際 に は 分 析 線 プ ロ フ ィ ル が時 間 的 に 変 化 して お り、 測 定 感 度 が 安 定 す る ま で の 時 間 は や は リ ラ ン プ の 安 定 時 間 に等 し く左 る。 図3.22直 流 点 灯HCLと パ ル ス 駆 動HCLの :・ 安 定時間 パ ル ス 駆 動HCLで は瞬 間 的 な電 流密度 が高 く 、 ま た ジ ュー ル 熱 の 発 生 も少 な い の で安 定 時 間 は 短 か く な る もの と推 察 さ れ る。 そ こで 実 際 にAl-Ca-MgHCLのCa分 析 線 を対 象に 直 流 点 灯 時 とパ ル ス 駆 動 時 に診 け る ド リ フ トの 比 較 を 行 な った 。 図3 .22が 放雷 開 始 時 か らの両 方 式 に 対 す る 発 光 強 度 の 時 間 変 化 の 記 録 で あ り、 こ の 図 か ら安 定 時 間 に 関 して 明 らか に パ ル ス 方 式 が優 れ て い る こ とが わ か る。 他 の ラ ン プ に 対 して も同m測 定 し た 結 果 、 パ ル ス 駆 動 方 式 で は い ず れ も10分 程 度 で安 定 状 態 に達 し、 この 点 で も 分 析 能 率 が 大 い に 改 善 さ れ る こ とが わ か っ た 。 3.5.3.時 間 分 解 ス ペ ク トル パ ル ス 駆 動HCL¢ 略 分 析線 のパ ルス発 光 波形 間 に 差が あ るの と同様 、同 一元 素 の 発光 線で あ っ て も分 析 線 と そ れ 以 外 の ス ペ ク トル 線 の パ ル ス 発 光 波形 は 異 左 る 。 した が っ て 発 光 線相 互 の 強 度 関 係 は 瞬 間 的 に 変 化 し、 直 流 点 灯 時 と は 異 な った 様 子 を 示 す 。 そ の 例 と し て こ こ で は 発 光 線 の ス ペ ク トル が 複 雑 なFe-Ni-Cu多 232α0λ 元 素HCLのFe分 析 線248a3盡 近 傍 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル を そ れ ぞ れ 図3.23お 縦 軸 の 強 度 目盛 は 直 流 電 流10mAで よび 図3 .24に 近 傍 とNi分 示 す。 な お、 図 中の 点 灯 し た時 の 分 析 線 強 度 に対 す る比 で あ ら わ し て あ る。 0 図3.23Fe分 析 線 析 線2483.3A付 ー9 .0一 近 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル 図3.24Ni分 図325直 析 線232α0盡 流 点 灯 時 とパ ル ス 駆 動(サ 時 刻5μsec)時 のFe分 付 近 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル ン プ リン グ 析 線248a3べ 付近の 発 光 ス ペ ク トル の比 較 図3.`23か ら は、Fe分 図3.26直 流 点 灯 時 と パ ル ス 駆 動(サ リ ング 時 刻5μsec)時 のNi分 ンプ 析線 ゜232QOA付 近 の 発 光 ス ペ ク トル の比 較 析 線 に比 べFe中 り時 間 が 大 き く、 放 電 開 始 後5μsecの 性 線2484.2嫁 とFeイ オ ン線24864双 の立 ち上 時 点 で は 、 ま だ こ れ ら の 近 接 線 が ほ と ん ど 成 長 して い な 一91一 い こ と が わ か る。 ま たNiに 原 子 線232L4孟 つ い て も同 様 で 、5μsecの 時 点 で はNiイ オ ン線231GOA,Ni は ほ と ん ど増 大 し て い な い こ と が 時 間 分 解 ス ペ ク トル 上 か らわ か る。 次 に 直 流 点 灯 の場 合 の ス ペ ク トル との 比 較 を行 な っ た 。 図3.25は た 場 合 と パ ル ス 放 電 開 始 後5μsecの た も の で あ る。 ま た 図3.26は 時 点 に お け るFe分 同 じ くNi分 直 流 電 流10mAで 点灯 し 析 線 近 傍 の 詳 細 な ス ペ ク トル を比 較 し 析 線 近 傍 の ス ペ ク トル の 比 較 で あ る。 こ れ らの 図 か ら もパ ル ス 駆 動 に ょ っ て 近 接 線 が 著 し く抑 制 さ れ て い る こ と が は っ き り とわ か る。 し た が って 、 原 子 吸 光 分 析 時 に 低 分 解 状 態 で モ ノ ク ロ メー タ が 使 用 で き る こ とに な り、 分 析 装 置 の簡 素 化 が は か れ る う え、 ス ペ ク トル ス リ 。 ト幅 の 拡 大 に と も左 う光 束 利 用 率 の 増 大 に よ ってSN比 導 かれ る な ど・HCLパ の向上 が ルス 駆 動 法 に よ っ て も た らさ れ る効 果 は 極 め て 大 きい と い え るC の 次 に封 入 ガス 発 光 線 が 分 析 線 に 近 接 し て 現 わ れ る 場 合 に つ い て 述 べ るcた 3719.9べ に 対 して2本 のNe発 光 線3713.3盡,3727.3が と え ばFe分 近 接 して い る。Ne発 析線 光 線 とFe 分 析 線 の 発 光 強 度 の 電 流 依 存 性 をみ た場 合 、 前 者 は 中 空 陰 極 空 間 の 気 体 原 子 密 度 が 常 に ほ ぼ 一 定 で あ る の で 、 発 光 強 度 が 放 電 電 流 に関 して 比 例 関 係 に あ る の に 対 し て、 後 老 は 前 述 の よ うに(3. 12)式 に 齢 け る係 数nが1以 μsecに 齢 け るス ペ ク トル を図3.27に '大 してい る のに対 し 、Ne発 上 に な る 。 直 流 電 流10mAで 点 灯 し た 時 とパ ル ス 放 電 開 始 後20 示 す が 、 パ ル ス 駆 動 に よ りFe発 光 強 度 が200倍 に増 光 強 度 は 大 き くは 増 大 して お らず 、 相 対 的 に抑 制 され てい る こ とが わ か る。 こ の よ うに 封 入 ガス 発 光 線 が 相対 的 に抑 制 さ れ るので発 光ス ペ ク トル 間 の 干 渉 が な く宏h. 篤蛸欝濃駿 る を 得 な か っ た い ζ つ か の ラン し 三 窯灘 蝉 3.5.4.分 析 線 プ ロ フ ィル す で に 触 れ た よ うに ・ 大 電 流 図3 .27直 流 点 灯 時 とパ ル ス 駆 動(サ パ ル ス 駆 動 に よ って 分 析 線 の 発 グ 時 刻20μsec)時 光 強 度 を 著 し く増 大 さ せ 37199べ て もそ 一92一 のFe分 ン プ リン 析線 付 近 の発光 一 ス ペ ク トル の 比 較 の た め に 線 幅 が 広 が った リ ピー ク 波 長 が 移 動 し た の で は 必 ず し も感 度 向 上 に つ 攻 が らな い 。 原 子 吸 光 分 析 の 性 能 はHGLの 分 析 線 プ ロ フ ィル で 決 定 さ れ る と 言 って も過 言 で は な い 。 そ こ で こ の 点 を 明 ら か に す る た め分 析 線 プ ロ フ ィ ル の時 間 変 化 を 光 子 計 数 方 式 時 間 分 解 測 光 装 置 と フ ァ ブ リペ ロ干 渉 計 に よ っ て 詳 細 に 測 定 し た 。 干 渉 計 の 反 射 フ ィネ ネ を考 慮 し た 場 合 、 測 定 対 象は 比 較 的 長 波 長 の も の が 望 ま し い 。 そ こ で 本 実 験 で は 被 測 定 分 析 線 と し て 、Na:'IEA, Ba553敦6埋,C・a42267Aの3つ を 選 出 し た 。 この うちNaとCaは 特 に 自 己 吸収 が生 じ や す い と さ れ て い る 元 素 の 代 表 的 な もの で あ る 。 玄ず は じ め に 図a28にNaHCL(1)の 解 プ ロ フ ィル ム、 於 よび そ の比 較 の た め に 直 流10mA点 時 間分 灯 時 の プ ロ フ ィル を 同 時 に 示 す 。 な 変 図 中 に示 した 線 幅 は 記 録 波 形 か ら求 め た測 定 値 で あ る。 図3.28NaHCL(1)の 時 間 分 解 分 析 線 プ ロ フ ィ ル と 直 流 点 灯 時 の プ ロ フ ィル 線 幅 が 最 小 と な る の は 放 電 開 始 後5.∼10μsecで あ る が 、 こ れ は 図3.18に ー ク に 達 す る時 刻 と一 致 し てい る 。 過 渡 発 光 強 度 波 形(図3.18)を おい て強度 が ピ み る と時 間 の 経 過 と と もに 強 度 が 減 少 す る が 、 こ の 原 因 が 自 己 吸 収 に よ る もの で あ る こ と は15μsec以 降顕 著 に あ らわ れ る 自 己 反 転 現 象 に よ っ七 立 証 さ れ る。 も う少 し詳 し くプ ロ フ ィル を 比 較 す る た め に大 容 量 型 の NaHCL(2、 に つ い て 様 々 な 放 電 電 流 に 対 す る プ ロ フ ィル を測 定 し た。 最 初 に 直 流 点 灯 時 の プA フ ィル を図3.29に 示 す。 噛 一93一 こ こ で は10mAと20 mAの もの に 対 し て は 縦 軸 ス ケ ー ル を3倍 に 拡 大 して 『 記 録 して あ る゜ こ の図 力:ら 鑽讖;籌 分 解 プ ロ フ ィル を 図3.30 に 示 す が、 こ こ で は パ ルス 電 流 を500mAと ■し、 バ イ アス 電 流 を5mAと10 鵬Aに 設 定 した 時 の 結 果 が 繋灘 に 示 し、 そ の 時 の 発 光 強 度 灘 盞1;1鸞 野 の 結 果 か らはNa'HCL(1、 の よ うな 動 的 左 プ ロ フ ィル の 変 化 は み られ な い 。 Naと 同 様 に 測 定 し たBa 二ll灘 諜愚 ロ フ イル を 図3.31お 図3.32に ・ よび 示 す が、 こ れ ら の 元 素 の プ ロ フ ィル の 動 的 変 化 はNa(2め 場 合 よ りも さ ら に少 な く、 直 流 点 灯 時 に 比 べ て わ ず か に 線 幅 が 広 が る の み で・ 自 己 反 転 の 兆 候 な どは 全 く見 られない 。 以 上 か ら パ ル ス 駆 動 に よ り若 干 の 線 幅 の 増 大 を み る もの の 、 自 己 反 転 の な い 良好 な 形 状 の 高 輝 一94山 図3.31Ba分 析 線 の時 間 分 解 プ ロ フ ィル と直 流 点 灯 時 の プ ロ フ ィル 度 分 析 線 が 得 られ る こ と が わ か った 。 線 幅 に 関 し て 以 上 の測 定 結 果 を'まとめ る と表3.2の な るCた よ うに だ し真 の 線幅 を 求 め る に は 表 中 の 値 に 対 し て装 置 関 数 の 補 正 を要 す る。 パ ル ス 駆 動HCLに 対 して は パ ル ス 電 界 に よ る シ ュ タル ク シ フ ト と過 渡 的 に 発 生 す る 金 属 蒸 気 に よ る ロ ー レ ン ツシ フ トが 生 ず る 可能 性 が あ り、 実 用 性 を考 え る 場 合、 こ の 点 塗 明 確 に す る必 要 が あ ・・ そ ・圃 定対 象 として ・ ・とC・ 腿 び・ パ ・ ・ス騒 一95一 時㈱ 略 発光 中'心漲 シフ トの — 表a2各 元 素 の分 析 線 幅(測 定 値)。 の 線 幅 を 記 入 。 た だ しNa(2)で OBSERVED パ ル ス 駆 動 に対 し て は放 電 開 始 後10 は20,usecの LINE WIDTH ,C4sec 線 幅 を記入 AND DRIVE CURRENT ANALYTE WIDTH -- DC (CURliENF)- 51mR Na(1) 5890 0 . OA (10mA) Na(2) 5890.0R (30mA) 26mR (15mA) Ba Ca 69mR (100mA) 60mR 5535.6A 4 0 WIDTH (CURRENT) PULSED - 226.7A 60mA (500mA) -- 18A (15mA) 32mA (150mA) 26mY1 (150mA) ・ 零sa町)lingtime:20etcsec 測 定 を行 左 っ た 。 こ こ でNaとCaを 選 ん だ 理 由 は、NaHCL(1】 に顕 著 な 自 己 反 転 が 生 ず る と こ ろ か ら 見 て 多 量 の 金属 蒸 気 が 発 生 して 澄 り、 そ の た め ロー レ ン ツ シ フ トが 起 り や す く、Na HCL(2、 に 対 し て は 大 電 流 放 電 の た め シ ュタ ル ク シ フ トが生 じや す い ζ予 想 さ れ た か ら で あ る。 ま たCaは パ ル ス 駆 動 に よ る 線 幅 の 増 大 率 が 一 番 大 き か った か らで あ る。 波 長 シ フ ト測 定 の た め 、HCLか らの 測 定 光 と同 時 にHe-Neレ ー ザ ー 光(6328且)を フ ァブ リペ ロ干 渉 計 へ 入 射 し・ レー サ ー 光 に よ る 干 渉 ピー ク を 波 長 マ ー カ ー と し て 用 い た 。 そ の 際 、 ダ ブ ル ボ ック ス カ ー 積 分 方 式 あ るい は 加 減 算 ゲー ト方 式 で は レー ザ ー 光 に よ る 直 流 信 号 成 分 が 消 去 さ れ る の で ・ サ ン ブ ル ホ ー ル ド回 路 〔1〕 行 な った 。 図3.33は10mAで の み 、 あ るい は 加 算 ゲ ー トの み を 動 作 さ せ て 測 定 を 直 流 点 灯 し たNaHCL(11の る が 、 気 圧 走 査 を行 左 うに つ れ てNa発 分 析 線 プ ロ フ ィル の記 録 波 形 で あ 光 線 の 干 渉 波 形 と レー サ ー 光 に よ る 干 渉 波 形 と が 次 第 に 分 離 さ れ て ゆ く過 程 が わ か る。 こ の よ うな 方 法 を と る ζ と に よh.常 ら れ 、 高 精 度 の 測 定 の遂 行 が可 能 とな る。 左詮 、 本 測 定 で は 図3.33中 番 目 のNaピ NaHCL(1、 して10mAの に正 確 左 相 対 波 長 基 準 が 得 に も表 示 し た よ う に、8 ー ク の 両 側 に あ ら わ れ る レ ー サ ー 干 渉 ピー ク を波 長 マ ー カ ー と し て 使 用 し た 。 に対 す る 波 長 シ フ ト測 定 の 結 果 を ま と め て 図3.34に 示す。 ここで は波長 基準 と 直 流 点 灯 時 の もの を採 用 し て い るが 、 パ ル ス 駆 動 時 に18μsecの 一96一 時 点 でわ ずか 図3.33レ に6語 ー ザ ー 光 とNa光 の 干 渉 ピー ク の 分 離 過 程 の 長 波 長 側 への シフ トが翻1 灘釁㍍鰤驚鸞 HCL(2、 とCaに つ い て も同 様 に測 定 を行 な っ た が 、 こ れ らに は パ ル ス 駆 動 に お け る 中心 波 長 シ フ トは い か な る時 点 に お い て も 見 い だ さ れ 左 か った 。 以 上 パ ル ス 動 作HCLの 過 渡発 光 特 性 につ いて 測定 結果 を中心 に述 べ て きた。 パ ル ス 法 特 有 の 高 輝 度 特 性 は 、 原子 吸光 分 析 に 際 し、SN比 の 改 善 な ど の 性 能 向上 の 期 待 を 十 分 に 抱 だ か せ る に足 る も の と思 わ れ る。 なお、 パ ルー ス 動 作 に よ る ラ ン プの 寿 命 に つ い て は 実 用 上 大 い に 関 心 の持 た れ る と こ ろ で あ る。 本 章 か ら第5 章 に か け て述 べ られ て い る一 連 の 実 験 で は、 い ず れ の,ガ 図3・34NaHCL(1)に に 対 して も あ のら 測わ 定す ・ 破繍 。 -97一 対 す る中心 波 長 シ フ ト 波 形 ω の 中心li・ を 延べ 数百 時 間の パルー ス 使 用 が 左 さ れ た が 何 等 特 性 の 劣 下 は生 じ な か っ た。 し か し 今 後 こ の 問 題 に 関 し て は さ ら に 定 量 的 左検 討 が 必 要 で あ る。 3.6.結 言 原 子 吸光 分 析 へ の 応 用 性 を考 慮 し て 、 パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プ の 過 渡 発 光 特 性 を詳 細 に 測 定 した 。 ホ ロカ ソー ドラ ン プ の パ ル ス 駆 動 方 法 に つ い て (1、 高 速 大 電 流 パ ル ス でh返 (21駆 し放 電 さ せ る こ と に よ り輝 度 増 大 を 図 る 方 式 で あ る。 動 電 流 は 、 繰 り返 し 周 波 数1kHz、 2mAの 幅20,[lseq尖 頭 値200mA程 度 のパルス 電 流 に バ イ ア ス 電 流 を重 畳 さ せ た もの で あ る。 し た が って 平 均 電 流 は 高 々6mAと な り、 一 般 的左 使用 方 法 に比 べ 消費電 力は少 ない。 測光装 置 につい て (1)ア ナ ロ グ方 式 の 測 光 装 置 の 分 解 時 間 は1μsecで あ る。 本 装 置 は ダ ブ ル ボ ック ス カ ー 積 分 方 式 を採 用 す る こ と に ょ り背 景 光 や 検 出 器 雑 音 を 能 率 よ く除 去 し て い る。 (2)フ ァ ブ リペ ロ千 渉 計 と加 減 算 ゲ ー ト方 式 光 子 計 数 装 置 を結 合 し た 極 微 弱 光 用 の 高 波 長 分 解 時 間 分 解 測 光 装 置 を試 作 し た。 本 装 置 の 波 長 分 解 能 は0.04(翅 一璽 、 時 間 分 解 能 は2μsecで あ る。 ホ ロ カ ソー ドラ ン プ の 過 渡 発 光 特 性 に つ い て (1)パ ル ス 駆 動 に よ っ て 直 流 点 灯 時 に比 べ 最 高200倍 の 分 析 線 発 光 強 度 が 得 ら れ る。 (21発 光 強 度 が 安 定 す る'まで に 要 す る 時 間 は 高 々10兮 で あh,直 流 点灯 方式 に比 べて非 常 に短 か いo' (3、 放 電 開 始 後5μsecの し20μsec付 時 点 で は 共 鳴 線 以 外 の 金 属 元 素 近 接 線 は ほ と ん ど成 長 し て い な い 。 しか 近 で は 近 接 線 強 度 は 著 し く増 大 す る。 (4)放 電 開 始 後20μsec付 近 で は 封 入 ガス 発 光 線 強 度 は 分 析 線 強 度 に 比 べ て 相 対 的 に 抑 制 さ れ る。 (51放 電 開 始 後10μsecま で の 時 点 で は 線 幅 の 広 が りは 顕 著 でな い 。18μsecの HCL(1、 (sl主 時 点 で はNa の 自 己 反転 が 著 し く左 る 。 波 長 シ フ トに 関 して は 、NaHCL(1)に 対 し て18μsecの 時 点 で6視1羣 の 長 波 長 シ フ トが 観 測 さ れ た 以 外 、 他 の ラ ン プ につ い て シ フ トは 認 め ら れ な か っ た 。 ⑦ 以 上 の 結 果 か らみ て 、 原 子 吸 光 分 析 に パ ル ス 動 作HCLを る もの と思 わ れ る。 .. 応用 す れ ば分 析性 能 の向上 が な され 問 題 点 と 今 後 の 目標 (iさ らに 様 々 な パ ル ス 駆 動 条 件 の も と で の 過 渡 発光 特 性 の詳 細 な測 定 を行 な い た い 。 (2、 本 研 究 で は ホ ロ カ ソ ー ド内 の 場 所 的 に 平 均 化 さ れ た 発 光 特 性 を測 定 し た が 、 実 際 は カ ソ ー ド中 の 各 部 分 に よ っ て 発 光 特 性 は 異 な って い る もの と推 察 さ れ る。 した が って ホ ロ カ ソ ー ド中 を 局 所 的 に測 定 し、 場 所 的 に 詳 し く過 渡 発 光 特 性 を 把 握 す る必 要 性 を 感 じ る。 .. 第4章 高 速 パ ル ス 動 作 の 原 子 (高 4.1.緒 吸 光 ホ ロ カ ソ ー ド ラ ン プ 分 析 へ の 応 用(1) 輝 度 発 光 線 に よ るSN比 の 改 善) 言 ホ ロカソー ドランプ(HCL)を 高速大電流パルスで繰 り返 し瞬間放電 させることによって もたら され る大岬 な 瞬間 発光 強度 の増 大や 近接線 の抑制 作 用、 あ るいは分 析線 プ ロフ ィル な どの過渡 発光特 性 の 詳 細 に つ い て は 第3章 で 詳 し く述 ぺ た 。 次 の 段 階 と して 著 者 は 、 こ の 過 渡 的 な 発 光 線 の 特 徴 を 積 極 的 に 原 子 吸 光 分 析 へ 取 り入 れ 、 パ ル ス 駆 動 法 の 特 色 を 活 か し て分 析 性 能 の 向 上 を 図 る た め 、 パ ル ス 駆 動HCLと サ ン プ リ ン グ型 測 光 装 置 を 結 合 した 新 しい 時 間 分 解 測 光 型 の 原 子 吸 光 分 析 装 置 を試 作 し 性 能 の評 価 を行 なつ た。 今 まで に も 高 速 ・・ル ス 動 作 … 硼 ・・て 原 子 吸 光 蜥 絎 な 。た 報 告62)・68)、 。あ るが 、 。れ ら は い ず れ もパ ル ス 発 光 現 象 全 体 を 検 出す る 方 式 で あ った 。 こ れ に 対 して 本 試 作 装 置 の 信 号 処 理 系 で は パ ル ス 発 光 現 象 の うち 時 間 的 に特 定 の 領 域 の み を選 択 的 に 検 出 す る 方 式 を 採 っ て い る 。 した が って 、 分 析 男 光 源 と し て特 に好 ま しい 部 分 だ け を 利 用 す る こ とが で き る 点 で 装 置 と し て の 機 能 が 従 来 の もの よ り も大 き く向 上 し て い る。 こ の試 作 装 置 の 性 能 を 評 価 す る た め 、 測 定 感 度 やSN比 を 行 な っ た。 そ の 結 果 、SN比 に つ い て 通 常 の 直 流 点 灯 方 式 の もの と比 較 に 関 して 大 幅 な 改 善 が な さ れ る こ とが 理 論 的 に も実 験 的 に も確 か め ら れ た 。 また 測 定 感 度 に 関 して は 直 流 点 灯 の も の と同 程 度 で あ るが 、 近 接 線 の 存 在 が 感 度 に 関 与 す る場 合 はら パ ル ス 法 に よ る近 接 線 抑 制 効 果 が 活 か され 、 感 度 が 大 き く向 上 す る こ とが 明 ら か と な った 。 感 度 SN比 ば か りで は な く、 さ ら に 測 定 能 率 に 関 して も 光 源 が 速 や か に安 定 状 態 に 達 す る う え , 、広 い ス リ ッ ト幅 で モ ノク ロ メ ー タ が 使 用 で き るた め 測 定 中 に度 々 モ ノ ク ロメ ー タ の 波 長 調 整 を 行 な う必 要 が な くな るな ど の 点 で も 大 き く改 善 さ れ て い る。 本 章 で は こ の よ うに良 好 な 分 析 性 能 の 得 ら れ る時 間 分 解 測 光型 原子 吸光 兮析 装置 につい ては じめ に その構成 を述べ 、次K試 料吸 光線 と光 源 発光線 のプ ロフ ィ ル の関 わ りが 測定 感度 に お よぼ す影響 につ いて考 察 し、 さ らにSN比 と測定 感度 お よび 測定能 率 の改 善 に つい て考察 を進 める。 4.2.時 図4.1お 間分 解 測 光型 原子 吸 光分 析鞐 置 よび 図4.2は 時 間 分 解 測 光 型 原 子 吸 光 分 析 装 置 の ブ ロ ック 図 と各 部 の タ イ ミン グ 図 で あ る。 本 装 置 の 特 徴 は サ ン プ リ ン グ型 時 間 分 解 測 光 法 の 手 法 を原 子 吸 光 分析 に取 り入 れ た と こ ろ に あ る 。 し た が り てHCL駆 動 回 路 お よ び 信 号 処 理 回 路 は 通 常 の 原 子 吸 光 分 析 装 置 と著 し く異 な っ て い る。 す な わ ち 、 従 来 の 装 置 で はHCLは 直 流 点 灯 さ れ る か 、 も し くは デ ュー テ ィ比(現 ‐ioo‐ 象 持 続 時 間/繰 り返 し 図4.1時 間 分解 測光 型原 子吸光 分析 装置 の 構成 図4.2試 周 期)0.5の 作 装 置 各 部 の タ イ ミン グ 図 パ ル ス で駆 動 さ れ て い た の に 対 し、 本 方 式 で は デ ュー テ ィ比o.02程 度 の パ ル ス で駆 動 さ れ る。 信 号 処 理 回 路 は パ ル ス 光 の うち 、 原 子 吸 光 分 析 用 光 源 と し て 最 適 の時 間 領 域 の み を 選 択 し て 検 知 す る よ うに 制 御 され る。 装 置 の 電 気 系 は 基 本 的 に は 第3章 で 述 べ た も の と同 一 で あ る の で 、 こ こ で は 簡 単 な説 明 に と ど め て お く。 HCLは ラ γ プ 駆 動 回 路 に ょ っ て 繰 り返 し周 波 数1kHz、 ル ス 電 流 で駆 動 さ れ るが 、 安 定 性 を 考 慮 し て2mAの 幅20μsec,尖 頭 値200mAの パ ー, バ イア ス 電 流 を重 畳 さ せ て あ る。 過 渡 発 光 を 時 間 的 に 選 択検 出 す る 信 号 処 理 系 は 、 ダ ブ ル ボ ック ス カー 積 分 器 お よび そ の 動 作 時 刻 を 決 定 す る タ イ ミ ン グ 制 御 回 路 で 構 成 さ れ て い る。 ダ ブ ル ボ ック ス カ ー 積 分 方 式 に よ る 測 定 で は 、 ラ ン プ 発 光 中 の 指定 の 時 刻 と ラ ン プ 放 電 休 止 中 に 交 互 に 動 作 す る サ ン プ ル ホ ー ル ド回 路 の 働 き に よ っ て 、 フ レー ム 発光 成 分 や 、 検 出器 雑 音 成 分 な ど が 能 率 よ く除 去 さ れ る。 ゆ え に単 チ ャネ ル ボ ック ス カー 積 分 器 に よ る 測 定 に 比 ぺ 、SN比 は 向 上 し、 得 ら れ た 分 析 結 果 の 信 頼 性 も高 くな る。 本 装 置 の ラ ン プ駆 動 回 路 お よ び ダ ブ ル ボ ック ス カ ー 積 分 器 は 第3章 が 、 タ イ ミン グ制 御 回 路 は 専 用 の もの を試 作 した 。 図4.3に す 。 ま た 表4.1は 制 御 回 路 の 性 能 表 で あ る。 -101一 で 述 べ た もの を そ の ま ま用 い た 試 作 した タ イ ミ ン グ制 御 回 路 の詳 細 を 示 図4.3タ イ ミン グ 制 御 回 路 表4.1タ 試 作 装 置 は 構 造 上 シ ン グ ル ビー ム 単 波 長 方 式 で あ るの で 高精 度 の 分 析 を行 な うた め に は、 ア トマ イザ ー と して は バ ック グ ラ ウ ン ド吸 収 が 生 じ に く く、 か つ 再 現 性 の 優 れ た も の を 使 用 す る必 要 が あ る 。 こ の 点 を 考 慮 し て 本 実 験 で は 予 混 型 バ ー ナ ー(日 立207型)を 空気 イ ミン グ 制 御 回 路 の 性 能 REPETITION FREQ. of HCL DISCHARGE HCL DISCHARGE SAMPLING (1) and 200, 2k, WIDTH PULSE (2) WITDH 2psec 0 TIME 0 VOLTAGE lk Hz 20psec TIME DELAY of SAMPLING PULSE(1) DELAY 500, 5k, 40psec — 5V ・テ セ チ レ ン フ レー ム で 用 い た 。 な お 予 混 型 ,バー ナ ー澄 よ び バ ックグ ラウン ド吸 収 に つ い て は 第5章 少 な い 島 津D-40型 で 詳 述 す る。 また モ ノ ク ロ メ ー タ には 迷 光 の を 、 光 電 子 増 倍 管 に は 浜 松 テ レ ビR106型 を使 用 した 。 時 間 分 解 測 光 型 原 子 吸 光 分 析 装 置 の 評価 は 通 常 の装 置 と の 比 較 に お い て な さ れ るが 、 本 装 置 を 通 常 の 方 式 で 用 い る場 合 に は 、 ア トマ イ ザ ー や モ ノ ク ロメ ー タ な どの 光 学 系 の 配 置 は そ の ま ま に し てHCLを 10Hzの 直 流 点 灯 し、 回 転 光 束 チ ョ ヅパ で 光 束 を変 調 した 。 そ の 信 号 の検 出処 理 に は ロ ック イ ン増 幅 器(NF 回 路 設 計LI-572B型)を あて た。 -102一 4.3.分 析 装 置の評 価 パ ルス駆 動HCLの 最 大 の特 色 は その 大 きな発光 強度 にあ る。 この特 色 を活 か し、 分析 性能 の 向 上 を 図 るべ く新 たに試作 した 時間 分解 型 原子 吸光分 析装 置 によっ て 実 際 に試料 を分析 し、 従来 の装 置 に よる分析 結果 と比 較 しなが ら性 能の 評価 を行 なった。 4.3.1.主 波長 シ フ ト 原 子 の 吸光 分析 におい て検 量線 の勾 配 と直線 性 の良否 、 すなわ ち 測定 感度 の比 較は分析 装 置 の基 本 的 な性 能 を評価 す る上 で非 常 に重 要 であ る。 す で に前章 で も触 れ た よ うに、HCLの 分析 線 と試 料 吸 光線 の形 状 、お よび 両者 の主 波長 の不一 掌は 測定 感度 に直接 影響 をお よぼす 。特 に主 波長 の不 む 一 致 は 検 量 線 の 勾 配 に大 き く関 係 して くる。 そ こ で こ の 関 係 を 明 確 に す る た めNa(i11)を 例 に と り、 分 析 線 と吸 光 線 の 中 心 波 長 の 差 を 測 定 し、 次 に 分 析 線 の 試 料 透 過 後 の プ ロ フ ィル の 測 定 を 行 な っ た。 Naの 吸 光 線 を 求 め る た め には フ ァ ブ リペ ロ干 渉 計(日 の 自 由ス ペ ク トル 域(0.56伽 一1)内 本 光 学FIP-100型 気 圧 走 査 方 式) に 納 ま り、 しか も 吸 光 線 の 波 長 域 全 体 に わ た り一 様 の 強 度 を も つ 光 源 が 必 要 と な る が 、 これ を 白 色 光 源 か ら 分 光 して 得 る こ とは 光 量 の 利 用 率 や 波 長 精 度 の 点 か ら 考 え て 余 り得 策 とは い え な い 。 そ こで こ こ では フ レー ム 中 のNa試 プ ロ フ ィ ル と 一 致 す る と見 な して 、10ppmのNa試 料 発光 線 プ ロ フ ィル が 吸 光 料 水 溶 液 を 噴 霧 した 時 の 共 鳴 線 の 発 光 を 、 フ ァ ブ リペ ロ干 渉 計 で 測 定 記 録 し た 。 そ の 際 、 波 長 マ ー カー と して 図4.4に 示 す よ う にHe=Ne む レー ザ ー 光(6528A)を 被 測 定 光 と同 時 に 干 渉 計 へ 入 射 して い る 。 図4,4フ 波 長 シ フ ト測 定 結 果 を 図4.5に ァ ブ リペ ロ 干 渉 計 光 学 系 示 す 。 な お 、Na水 溶 液 と し て は 原 子 吸 光 分 析 用 標 準 試 料(和 光 純 薬 工 業 製1000ppm標 準 液)を 脱 イオ ン水 で 稀 釈 した もの を 使 用 した 。 以 下 、 本 章 お よび 第5 章 に お い て特 に こ とわhの な い 限 り、 分析 試 料 は 上 記 製 の 標 準 試 料 液 を脱 イオ ン水 で 所 定 の 濃 度 に ま で 稀 釈 した もの で あ る。Na共 鳴 線 の 主 波 長 基 準 と し て はNaHCLl2)(日 一103一 立HLA-3型)を 20mAで 直 流 点 灯 し た 時 の 中 心 波 長 を採 用 し た 。 また 、 ラ ン プ の 発 光 波 長 シ フ トの 有 無 も観 測 す る た め に 、 最 大 定 格 電 流(50mA)で 点 灯 した 時 の プ ロ フ ィ ル が 同 時 に 示 さ れ て い る・ こ こ で ㈹ ・蹴 50mAで そ れ ぞ れ ラ ン プ を2 直 流 点 灯 した 時 のNa分 ◎ は バ ー ナ ー 上 面10mmの 総 蠶 よび 位 置 よ り放 射 さ れ る試 料 発 光 プ ロ フ ィル で あ る。 ま た 各 々 のNaプ レ燕 .OmAお 析 線 プ ロ フ ィル で あ り、 ロ フ ィル の 両 側 の ピ ー ク は 瓢 対、約,。.-r・.-P, へ 移 動 し て い るが 、 これ は フ レー ム 中 で の 原 子 衝 突 に起 因 す る ロー レ ン ツ シ フ トに よ る も の と考 え ら れ る69)。50mAで ラ 謂竃 農纛甑 繋警羃 曇 畫 灘諜 比 べ て 小 さ い の で 主 波 長 シ フ トは 顕 著 で は な い 。 次 に フ レー ム の 高 さ 方 向 の シ フ トの 変 化 を 調 べ る た め 、 バ ー ナ ー 上 面5図4 翩 お よび25㎜ の位 置 か らの 放 射 に つ い て も同 様 に 測 定 を 行 .5試 料 吸光 線 の主 波長 シフ ト。 破 線 は プ ロ フ ィノ 咽 の 中心 波長 を あ らわす。 なつ た が 変 化 は 見 い だ さ れ ず 、 い ず れ も シ フ ト量 は20m且 であ つた。 こ の よ うな吸 光 線 の'ロー レ ン ッ シ フ トの た め 分 析 線 は 当 然 長 波 長 側 に 強 く吸 収 を 受 け る もの と 予 想 され る。 自 己反 転 分 析 線 を 利 用 して こ の こ とを 確 認 した 結 果 を 図4.6に 示 す が 、 吸 光 量 が 大 き くな る に つ れ 左 右 の 対 称 性 が 損 な わ れ て ゆ く こ とが わ か る 。 な お 、 こ こ で は 波形 を 比 較 し て 見 や す くす る た め 、 ピー ク 値 が ほ ぼ 等 し く な る よ うス ケ ー ル を 変 化 させ て あ る。 図4.6自 己 反 転 を 生 じ た 分 析 線 の7レ ー ム透過後 の プ ロ フィル。 縦 軸 の 数 値 は ピー ク パ ー セ ン ト透 過 率 を あ ら わ す 。 -104一 4.3.2.分 析 線 プ ロ フ ィル と検 量 線 原 子 吸 光 分 光 光 度 計 で は 原 理 的 に、 積 分 吸 光 量 を 測 定 して 分 析 値 を得 て い る 。 した が っ て 第3章 に お い て す で に 解 析 し た よ うK、 分析 線 と吸 光 線 の 中心 波 長 が ず れ て 、 吸 収 が 分 析 線 中 心 波長 に 関 して 非 対 称 に な っ たh、 あ る い は 自 己吸 収 に ょ っ て 分 析 線 自 身 の 幅 が 広 が っ た り した場 合 、 分 析 線 の 非 吸 収 領 域 が 大 き くな る た め に検 量 線 が 湾 曲 し、 勾 配 も小 さ くな る。 そ の度 合 は 先 ほ ど 求 め た 吸 光 主 波 長 の シ フ トと 分 析 線 の プ ロ フ ィ ル に 大 き く依 存 す る 。 こ の こ と を 明確 に し 、 か つHCLパ 実 用 性 を 評価 す る た めeは じ め に パ ルス 駆 動 時 と 直 流 点 灯 時 に お け るNaHCL② ル ス駆 動 法 の の分析 線 プ ロフ ィ ル を 測 定 し、 次 に そ れ ら の プ ロ フ ィ ル に 対 応 す る 検 量 線 を求 め て 測 定 感 度 の 比 較 を 行 な っ た 。 そ の 結 果 を ま とめ て 図4.7に 示す。 こ こ で は 、 実 用 電 流(30mA)お ㈹,⑧ よび 最 大 定 格 値(50mA)で と し、 ま た パ ル ス 駆 動 に 際 して は 、 尖 頭 電 流 を500mAに 開 始 後20μsecお よび60μsecに の 直 流 放 電使 用 に 対 す る 結 果 を 固定 して サ ン プ リ ン グ 時 刻 を 放 電 設 定 して そ れ ら に対 す る結 果 を ◎,◎ と して 示 して あ る。 さ ら に 発光 強 度 が 比 較 で き る よ う プ ロ フ ィ ル 縦 軸 目 盛 は ㈲ の ピー ク 強度 を 基 準 に して 記 入 して あ る。 な お 検 量 線 作 成 に あ た って は 、 再 現 性 を 期 す る た め に バ ー ナ ー を 横 方 向(短 純 物 に対 す る感 度 を 低 下 さ せ 、SN比 の 向 上 を 図 った こ と を 付 記す る。 -105一 光 路)で 使 用 し てNa不 図47に お い て 分 析 線 プ ロ フ ィ ル ω と◎ ま、 ほ ぼ 同 一 の 形 状 を し て い る。 こ の こ とは 検 量 線 に も 反 映 さ れ て お り、 事 実 、 検 量 線 ㈹,◎ 間 に ほ とん ど 差 は 見 ら れ な い。 ま た⑪ の よ うに 自 己 吸 収 が 進 み 、 さ ら に 自 己 反 転 を 生 じ て ⑧ の よ うな 形 状Kな る と、 そ れ に 応 じ て検 量 線 も非 直線 化 して 勾 配 が 小 さ く な っ て ゆ く過 程 が よ くわ か る。 そ の場 合 分 析 線 自身 の 波 長 シ フ トが 問 題 とな る が 、 上 記 い ず れ の場 合 も基 準 波 長 ,(20mAで 直 流 点 灯 した 時 の 中心 波 長)に 対 して シ フ トは 認 め ら れ な か っ た 。 以 上 の 結 果 か ら、 分 析 線 の 形 状 と検 量 線 と の 関 係 が 明 瞭 化 さ れ た と同 時 に、 パ ル ス駆 動 法 を 導 入 した 場 合 、 た と え 自 己吸 収 が 起 こ りや す い 元 素 で あ っ て も時 間 分 解 型 の 原 子 吸 光 分 析 装 置 を用 い て 適 切 な 時 刻 に サ ・ ン ブ リ ン グ を行 な うこ と に よ り 、 直流点灯 に よる従 来の 方式 の もの と同等 の測定 感度 が 得 ら れ るこ と が 確 認 さ れ た。 4.3.3.SN比 の改善 こ れ ま で 主 に 測定 感 度 に つ い て 考 察 して き た が 、 本 節 で は 次 の 段 階 と して 、 高輝 度 発 光 特 性 が も た ら すSN比 の 改 善 効 果 に つ い て考 察 を 進 め る。 そ こで ま ず は じ あ に 従 来 の 方 式 と パ ル ス 駆 動 方式 とのSN比 波 形 を 比 較 す る。 直 流 点 灯HCLの 発 光 を光 電 子 増 倍 管(PM)と の 比 較 計 算 を 行 な い 、 次 に実 測 の吸 光 直 流 増 幅 器 で図4 .8㈲ 出 し た 時 の 信 号 や 雑 音 を 次 の よ う に定 義 す る。 Is:HCL発 光 に よ るPM有 is:PMシ ョ ッ ト雑 音 電 流 id:PM暗 雑 音電 流 if:フ dfdc:直 A:定 効 信号 光電 流 レー ム 発 光 お よ び 背景 光 に も とず く雑 音 電 流 流 測 光 装 置 の 等 価 雑 音 帯域 幅 数 図4.8直 流 信 号 処 理 法 ㈹ と ボ ック ス ガ ー 積 分 器 法 ⑬ 一106一 の よ うに 検 こ の 時 、SN比 は(4.1)式 で 与 え ら れ る。 __Is_ A( 今 、HCLパ Yi2+Jla+働 ルス駆 動法Kよ って直流 点灯 時のN倍 の 発光強 度が得 られ た とす る と、PM有 流 はN倍 にな り、 シ 。ッ 囃 音 は 厨 黻 刷 再 ∫・・xの ボ ・ク ・ か 倍 にな る.し か し他 囃 積艦(図4.・(B)〉 式 で 与 え ら れ る 。 た だ し 、(4.1),(4.2)式 効信 号 電 音は 変化 しない。 したが ・て 等価 儲 に よ・て 蹴 を 行 な う駘 のSN比1熄 子) と も、 ラ ン プ 発 光 強 度 の ゆ ら ぎ 、 お よび 増 幅 器 の 雑 音は 考慮 され ていな い。 (- A(厩+紫 甲 瓦(4.2) さ て 、 こ こで 両 者 の 等 価 雑 音 帯 域 幅 を 求 め る 。 直 流 測 光 方 式 で は ∠右cと C)と の 関 係 は(4.3)式 積 分 回 路 の 時 定 数(R・ で あ ら わ され る。 `Fdf ・・1/YR.c.(4.3) 一方 、 ボ ック ス カー 積 分 器 につ い て 考 え る と、 積 分 回 路 の 時 定 数(r・c)が し周 期 よ り も十 分 大 き い と仮 定 す る と4∫boxは(4.4)式 ング 繰 り返 し周 期 、tsは サ ン プ リン グ 繰 り返 で 与 え ら れ る 。 た だ し、Tdは サ ンプ リ サ ン プ リン グ時 間 幅 で あ る。 1 吻 ∫・・xフ _(4.、)式 ・ ・ …,/・ 右 辺 の分母 は,.Cな ・(44) る観 瀕、 黼 内驫 間をあ、わ拾 雑音 成 分 の うち 、 シ ョ ッ ト雑 音 の 支 配 が 他 に比 ぺ て小 さ く∴ か つ 、 両 方 式 の 時 定 数 が 等 しい(R・C=r・c)、 すな わ獺 測 時 間が 乳 い と仮 定 してSNPを 比鞠 れ ば(4.5)式 が 得 ら れ る・ (S/N)pulse (S/N)dc‐Nts/Td(4.5) こ の 式 は 、 サ ン プ リン グ 時 間幅 を 拡 げ 、 か つ 、 放 電 繰 り返 し周 波 数 を 大 き くす れ ば そ れ だ けSN比 一107一 が 改 善 され る こ と を 明 示 して い る 。 しか し、 時 間 分 解 方 式 の 特 徴 で あ る 特 定 時 間 領 域 の 選 択 的 な サ ン プ リ ン グ を 考 え る 時 、 サ ン プ リ ン グ パ ル ス 幅 の 拡 大 に は 自ず と 限 度 が あ り 、 ま た ラ ン プ の 寿 命 を 考 慮 し た 場 合 、 そ の 繰 り返 し周 波 数 に も制 限 が あ る。 試 作 装 置 で は 以 上 を 考 え 合 わ せ て 、 繰 り返 し周 期 (Td)を1msec、 サ ン プ リ ング 幅(is)を2μsecと し て あ る 。 した が っ て こ れ を(4,・ 毒5式 へ 代入 す る と (S/N)pulse .N (S/N)dc午22(46) と な る。 す な わ ち 指 定 サ ン プ リ ン グ 時 刻 に お け る 発 光 強 度 増 大 率Nが22倍 式 よ りもSN比 が 良 くな る こ と に な る。 パ ル ス 駆 動 に よ る 各 分 析 線 の 発 光 強 度 増 大 率 は す で に 表3 .1(第3章)に 一 部 を 残 い た ほ と ん ど の も の に つ い て20倍 てSN比 以上 にな る時、従来 の 方 示 さ れ て い る。 そ こで は、 以 上 の 強 度 増 大 が 達 成 され て お り 、 パルス 駆動 法 に よ っ の 改 善 が な され る も の と 予 想 され る。 実 際 の 分 析 に お い て は ロ ック イ ン増 幅 器 や ダ ブ ル ボ ック ス カー 積 分 器 で 雑 音 の 軽 減 を は か っ て い る。 特 に 、 ロ ック イ ン増 幅 器 と光 束 チ ョ ッパ と を 併 用 す る 場 合 に は 利 用 光 量 が 半 分 に な る 。 ま た ボ ック ス カ ー 積 分 器 で は 真 の 時 定 数 に比 べ て 見 か け 上 の時 定 数 が 大 き くな る 点 に も 注 意 を 要 す る 。 そ こ で実 用 む に即 して上 記 考 察 結 果 を吟 味 す る 目的 で 、Fe2483.3A分 析 線 を 例 に と り実 測 の 吸 光 波 形 の 比 較 を ひ 行 な っ た 。・試 料 は0.3ppmFe水 溶 液 で あ る 。 モ ノ ク ロ メ ー タ の ス ペ ク トル ス リ ッ ト幅(SBW)は む 2A,ま た 測 定 系 の 時 定 数 は 両 者 と も5secと し たが 、 これ は ス テ ッ プ 入 力 信 号 を用 い て 実 測 した 測 光 系 全 体 の 時 定 数 である。こ の 状 況 の も とで の 吸 光 記 録 波 形 を 図4.9に 示 す 。 こ こ で上 段 は 直 流 点 灯 の 0 Fe2483.3A,CFe/ S.B.W.2AO 図4.9直 流 点 灯HCLと パ ルス動 作 ll蹣 鏃 分 析鞭 1' .3ppm HCL(放 電 電 流10mA)と パ ル ス 電 流200mA)と ロ ッ ク イ ン 増 幅 器 に よ る も の 、 下段 は パ ル ス 動 作HCL(バ ボ ック ス カ ー 積 分 器(サ ン プ リン グ 時 刻15μsec)に イ ァ ス2mA, よ る も の で あ り、 い ず れ も再 現 性 を 調 べ る た め 試 料 溶 液 の 噴 霧 は2回 ず つ 行 な った 。 パ ル ス 駆 動 時 の 分 析 線 瞬 間 発光 強 度 は 直 流 点 灯 時 の130倍 へ 代 入 す れ ば 約6倍 事 実 、 図4.9か あ り、 これ を(4.6)式 ら 明 ら か な よ うに 、 パ ル ス 駆 動 方 式 に よるSN比 のSN比 改 善 が 予 想 さ れ る。 の 改 善 度 が 著 しい 。 こ の よ うな 高S N比 が も た ら され た 結 果 、 よ りい っ そ うの低 濃 度 試 料 に対 す る 高 精 度 定 量 の 実 現 が 時 間 分 解 測 光 型 原 子 吸 光 分 析 装 置 に よ っ て約 束 さ れ る。 4.3.4.近 接線 の抑制 こ れ まで は 分 析 線 と吸 光 線 の 関 わ りか ら測 定 感 度 に 対 す る考 察 を 行 な っ て き た が 、 本 節 で は さ ら に 近 接 線 が 関 与 す る場 合 に つ い て 考 え 、 パ ル ス駆 動 法 の 特 色 で あ る近 接 線 抑 制 作 用 が 分 析 性 能 に お よ ぼ す効 果 につ い て考察 す る。 市 販 の 原 子 吸 光 分 光 光 度 計 には 近 接 線 を 除 去 す る 目的 で モ ノク ロ メmが 付 属 して い るが 、 分 解 能 の 制 限 か ら複 雑 な 近 接 線 ス ペ ク トル を 持 つ もの に 対 して は 分 析 線 と近 接 線 の 完 全 な 分 離 が 困 難 な 場 合 が 多 い 。 ま た 光 量 利 用 率 に 関 して 考xた 場 合 、HCLの 光 放 射 部 分 は 直 径 数 ㎜ の 円 形 開 口 で あ る た め、 これ をい か に 能 率 よ くモ ノク ロ メー タ の 入 射 ス リ ッ ト上 に集 光 した と して も結 像 直 径 が ス リ ッ ト幅 よ り大 き くな り、 全 光 束 を 利 用 す る こ とが で き な い 。 そ の うえ さ ら に悪 い こ と に は 分 解 を 増 す 目的 で ス リ ッ ト幅 を 狭 め る と 、 当 然 の こ と な が ら そ れ に 従 っ て 光 束 利 用 率 も減 少 し、 著 し くSN比 く。 この よ うに 、 近 接 線 の 混 入 を 防 ぐとSN比 が 悪 化 し、 反 対 に 高SN比 の 劣 下 を招 を得 る た め ス リ ッ ト幅 を拡 げ る と近 接 線 混 入 の た め 測 定 感 度 が 低 下 す る と い う矛 盾 が 生 じ 、 こ れ を 断 ち 切 らね ば 分 析 性 能 の 大 幅 な 向 上 は 望 み 得 な い 。 しか しHCLパ ル ス 駆 動 法 を 採 用 す る こ と に よ り近 接 線 が 効 果 的 に 抑 制 で き る の で 、 こ の 矛 盾 は 解 消 さ れ 、 広 い ス リ ッ ト幅 の も と で も 良 好 な 感 度 の 分析 が 遂 行 で き る 。 そ の こ とを 明 ら か にす る た め 、Ni分 析 線 を 対 象 に して 近 接 線 抑 制 に よ る効 果 を 評 価 した 。 む パ ルス 駆 動 さ れ たFe‐Ni‐CuHCLのNi分 析 線(2320.OA)付 お よ び 直 流 点 灯 時 の ス ペ ク トル と の 比 較 は す で に第3章(図3.24,図3.26)で め て 図4.10に 直 流 点 灯 時 と パ ル ス 駆 動 時(5μsecの -109一 時 点)の 近 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル 行 な われ たが、改 発 光 ス ペ ク トル を 示 す 。 \ ロ 図4.10直 流 点灯 鯨 と パ ル ス駆 動 ⑧(サ のFe‐Ni-CuHCLの2320且 ン プ リ ン グ 時 刻5μsec) 付 近 の 発 光 ス ペ ク トル む こ の 測 定 に お い て 、 モ ノク ロ メ ー タ の ス ペ ク トル ス リ ッ ト幅 はo.z5Aで 使 用 さ れ た が 、 こ れは 原 む 子 吸 光 分 光 光 度 計 付 属 モ ノ ク ロ メ ー タ で は 限 度 に 近 い 分 解 で あ る。 こ の 場 合Niイ オ ン線2319.8A む をNi分 析 線2320.OAか ら分 離 す る には 分 解 が 不 足 し て お り、 両 者 の 区 別 が つ か な い 。 しか しパ ノ し 久 む 動 作HCLで は 他 の イオ ン線(2321.4Aな 察 され る 。 一 般 に 多 元 素HCLの ど)同 様 、 発 光 強 度 が 相 対 的 に 抑 制 さ れ て い る も の と推 分 析 線 発 光 強 度 は 単 元 素 の もの よ り も小 さ く、 モ ノ ク ロメ ー タ の ス リ ッ ト幅 を 狭 く して 使 用 す る こと はSN比 の 点 で 極 め て不 利 と な る。 そ れ ゆ え通 常 の 直 流 点 灯 方 式 で む は 、 ス ペ ク トル ス リ ッ ト幅(SBW)を アA程 度 に まで 拡 げ て必 要 なSN比 を 確保 してい るのが実 情 で あ る。 当 然 の こ とな が ら 測 定 感 度 は 低 下 す るが 止 む を 得 な い 。 しか し前 述 の よ うに パ ル ス 駆 動HC Lで は近 接 線 強 度 が 相 対 的 に 減 少 す る の で 感度 の 低 下 が 防 げ る。 こ の こ と を 検 量 線 の うえ か ら確 か め た 結 果 が 図4.11で あ る。 こ こで は 図4.10に ◎ と し て パ ル ス 駆 動HCLを20μsecの 示 し た ス ペ ク トル に 対 応 す る検 量 線 ㈲,⑬ の 他 に、 時 点 で サ ン プ リ ン グ した 時 の 検 量 線 も求 め て あ る。 この 場 合 ◎ は 近 接 線 増 大 の た め 測 定 感 度 が 著 し く低 下 して い る。 しか し他 方 こ の こ とは 、 ラ ン プ 放 電 条 件 や 光 学 系 あ る い は ア トマ イ ザ ー に は 何 等 の変 更 も加 え る こ と な く、 サ ン プ リン グ時 刻 を た だ 操 作 す る だ け で 高 濃 度 試 料 を も稀 釈 す る こ と な く迅 速 に定 量 で き る こ とを 意味 し て い る 。 こ の 点 で も時 間分 解 法 に よ つ て 測 定 能 率 の 向 上 が な さ れ て い る こ と が わ か る。 再 度SN比 に つ い て 考 え る。 パ ル ス 放 電 開 始 後5μsecに で あ る 。 一 方 、 図4.11の お け るNi分 析 線 の 発 光 強 度 は 直 流 点 灯 時 の18倍 一llO一 検量 線 L O 図4.11ス ペ ク トル ス リ ッ ト幅7Aの も とで のNiの 検 量線 ㈹ 直 流 点灯HCL ⑧ パ ル ス 動 作HCL(サ ンプ リ ング 時 刻5μsec) ◎ パ ル ス 動 作HCL(サ ンプ リ ン グ 時 刻20usec) 0 ⑧ と同 等 の 勾 配 の 検 量 線 を 直 流 点 灯HCLを 用 い て 得 る に は 、 ス ペ ク トル ス リ ッ ト幅 を2A以 下にす る必 要 が あ る。 した が っ て ス リ ッ ト幅 の 違 い に よ る 光 量 利用 率 の 差 を 考 慮 す れ ば 、 パ ル ス駆 動 に よ っ て 実 質 的 に60倍 比 は 約3倍 以 上 の 発光 強 度 増 大 が 達 成 さ れ た こ と にな り、 こ れ を(4.6)式 に 代 入 す る とSN 向 上 す る とい う結 果 が 得 ら れ る 。 近 接 線 抑 制 に よ っ て こ の よ うに 広 い ス リ ッ ト幅 で モ ノク ロ メー タ が 使 用 で き る た め 光 量 の 利 用 率 が 向 上 し、SN比 の 改 善 が な さ れ る わけ で あ るが 、 広 い ス リ ッ ト幅 で 使 用 で き る こ との 利 点 は 他 に も い くつ か あ る。 一 つ に は モ ノク ロメ ー タ 自体 が 簡 素 化 で き る こ とで あ り、 比 較 的 低 分 解 能 の モ ノ ク ロ メ ー タ で も 十 分 使 用 に 耐 え うる。 原 子 吸 光 分 析 で は 特 に バ ー ナ ー 部 か ら の 熱 輻 射 の た め モ ノ ク ロメー タ の透 過 中 心 波 長 が ド リフ トを 起 こ し、 測 定 中 しば し ば 波 長 調 整 を 行 な う必 要 が あ っ た が 、 モ ノ ク ロメ ー タ を低 分 解 状 態 で 使 用 す る 場 合 に は 透 過 中心 波 長 の わ ず か な変 化 に対 し て は 透 過 光 量 が ほ とん ど 影 響 を 受 け な い た め 、 波 長 調整 を頻 繁 に 行 な う必 要 が な い 。 これ な ど も一 つ の 利 点 で あ ろ う。 また 、 近 接線 が 抑 制 さ れ る た め 、 発 光 ス ペ クhル が 簡 単 に な り'、今 まで と か く面 倒 で あ った 分 析 線 の 拾 い 出 し 作 業 が 試 作 装 置 で は 極 め て 容 易 にな る こ と も大 き な 収 穫 で あ る。 以 上 の よ うに 、SN比 の 改 善 とい う だ け で な く、 測 定 の 能 率 の 向 上 とい う点 で もパ ル ス 駆 動 方 式 は 大 きな 効 果 を もた ら した と い え る。 -111一 4.4.結 言 パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソー ド ラン プ と時 間 分 解 測 光 技 術 を 原 子 吸 光 分 析 へ 導 入 し 、 分 析 性 能 の向 上 、 特 にSN比 の改 善 を試 みた。 時間 分解 測光 型 原子 吸光 分析 装置 につい て (1}パ ル ス 動 作 ホ ロカ ソ ー ド ラ ン プ よ り放 射 さ れ る過 渡 発 光 線 の うち 、 分 析 線 と し て適 当 な 時 間 領 域 の 部 分 だ け を 選 択 的 に サ ン プ リ ン グ し、 原 子 吸 光 分 析 に使 用 し て い る 。 ② ダ ブル ボ ッ ク ス カー 積 分 方 式 に よ っ て フ レー ム 発 光 成 分 や 検 出 器 雑 音 な ど を 除 去 して い る (3}原 。 子 化 部 には 予 混 型 フ レー ム ア トマ イザ ー を使 用 し て い る。 分析 性 能 に つ い て (1)測 定 感 度 は 従 来 の もの と同 等 で あ る。 12)ホ 動 ソー ド ラ ン プ ・・ル ス 飄 論 上SN比 (3)Feの に よ ・て 醸 萠 時 の2・ 倍 以 上 の 発 光 強 度 が 得 られ る時 、理 は 改 善 され る。 吸 光 波 形 の 比 較 で は 著 し くSN比 が 改 善 さ れ る こ とが 実 証 され 、 所 期 の 目的 が 十 分 達 し う る こ とが 確 認 で き た 。 (4}時 間 分 解 測 光 型 で は 近 接 線 抑 制 効 果 の た め モ ノ ク ロメ ー タの ス ペ ク トル ス リッ ト幅 を 拡 大 し た 時 、 測 定 感 度 の低 下 は ほ とん ど起 こらない。 した が っ て低 分 解 能 の モ ノ ク ロメ ー タ で あ って も実 用 に 供 す る。 問 題 点 と今 後 の 目標 (1}サ ン プ リ ン グ 時 間 幅 を 発 光 持 続 時 間 の1/10に した が ってSN比 設 定 して い る た め に 、 光 電 流 の 利 用 率 が低 い。 を さ ら に 改 善 す る に は 、 測 定 感 度 が 低 下 しな い 範 囲 で サ ン プ リン グ時 間 幅 を 大 き くす る必 要 が あ る 。 t2)HCLパ ル ス 駆 動 回 路 の 立 ち上 り特 性 を 改 善 す る こ と に よ り分 析 線 発 光 の 立 ち 上 りを早 く し 、 イオ ン線 発 光 強 度 の 相 対 的 な 抑 制 を 一 層 強 化 す る こ とが 望 まれ る。 ㈲ 原 子 け い 光 へ も 、 パ ル ス動 作HCLを 応 用 してゆ きたい。 -112一 第5章 高速 パ ル ス動 作 ホ ロカ ソー ドラン プの 原子 吸 光分 析 法 へ の応 用(II) (時 間 分解 測光型 二波 長 原 子吸光 分 析 装置 の 試作) 5.1.緒 言 光源 の安定 性 や信号 処理技 術 が発達 し、 さ らにパ ルス駆動技 術 を導入 す るに及 ん で原子吸 光分 析 装 置 の性 能 は著 し く向上 したが 、一方 では感 度が 向上 す るにつれ て散乱 や分子吸 収 な どに よる測 定 誤 差 が大 き な問 題 と 宏 つ て きた 。分 子 吸 収 は 炭 素 化 合物 の ラ ジ カ ル やoxラ で あh、 ジ カ ル に 原 因 す る もの 光 散 乱 は煙 霧 化 さ れ た 粒 子 が 原 因 す るが 、 分 子 吸 収 と光 散 乱 と を 区 別 す る こ とは 困 難 で あ る の で 、 両 者 に よ る干 渉 の こ とを バ ヅ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 と呼 ぶ 。 フ レ ー ム 中 に 澄 け る原 子 吸 光 線 幅 む が数 十mA程 む 度 で あ る の に対 し、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ト 吸 収 は そ れ よhは るか に広 い100A以 上 の波 長 域 に わ た っ て起 こ る の が普 通 で あ る。 光 散 乱 は 全 消 費 バ ー ナ ー に よ る乱 流 炎 に は よ く見 られ る現 象 で あ る。 しか しな が ら、 一 般 に よ く用 い られ 、 ま た本 実 験 で も使 用 した 予 混 型 バ ー ナ ー に よ る層 流 炎 の場 合 に は 、 大 きな液 滴 は 噴 霧 室(予 混 室)内 で取h除 か れ 、極 く細 か な霧 粒 子 のみ が 炎 中 に 導 入 さ れ るた め に光 散 乱 は ほ とん ど見 られ ず 、 バ ッ クグ ラ ウ ン ド吸 収 の主 因 は 分 子 吸収 だ け に な る。 こ の バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 は フ レ ー ム発 光 な ど と違 い 、 光 源 を 変 調 したhあ るい は ダ ブ ル ボ ッ クス カ ー積 分 器 を用 い て も除 去 し きれ ぬ性 質 の も の で あ る 。 従 来 バ ック グ ラ ウ ン ド吸 収 が 他 の干 渉 現 象 に比 べ て表 面 に 出 る こ とが 多 くなか った のは・そ れ が 問 題 と な る以 前 に 共 存 物 に よ る化 学 干 渉 な どが あ ら わ れ 、 こ れ を避 け る方 策 を講 ず る こ とは バ ッ クグ ラ ウ ン ド吸 収 を避 け る こ と に も な って い た た め と考 え られ る。 す な わ ち 、 化 学 干 渉 が 比 較 的 少 ない と され て い る予 混 型 バ ーナ ー の使 用 は 、 一 方 で は 前 述 の よ うに光 散 乱 を も避 け てい る こ と に な っ て い る 。 ま た 、 化 学 干 渉 を 避 け るた め に有 機 溶 媒 抽 出 に よ る共 存 物 の除 去 が しば しば行 な わ れ る が 、 これ に よ っ て バ ッ クグ ラ ウ ン ド吸 収 も軽 減 さ れ て い る わ け で あ るQし 原 子 化 部 と して 、 グ ラ 。 。 イ トア ト。 イ ザ ー69)、 ボ ニ ト.71)、 デ ル ブ ス 。 。 プ72)、 。,ラ メ ・rア あ る いは ・ り 。 ド ミ 。 ク琺73)な か し近 年 高 感 度 を 得 るた め の トマ イ ザ ー7°)、 サ ・ プ リ〃 どが 考 案 され 実 用 化 さ れ る に 輸 よん で 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸収 の 問 題 が 大 き く ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ は じめ た 。 とい うの は 、 こ れ ら の原 子 化 法 で は フ レー ム法 に 比 べ て 原 理 的 に 原 子 蒸 気 密 度 が 高 く、 そ れ ゆ え 共 存 物 質 の 蒸 気 密, 度 も高 くな る た め で あ る。 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 に よ る測 定 誤 差 を な くす に は そ の 原 因 と な っ てい' る物 質 を除 くか 、 あ る い は 光 学 的 に 何 等 か の補 正 を行 な う必 要 が あ る。 二 波 長 測 光 方 式 は 後 者 の う む ち の一方式 で あh、 分 析 線 の波長 か ら十A程 度離 れ た波長 を選 び、 この波 長 での吸 収 を測 定 して バ ッ クグ ラ ウン ド吸収 を補 正 す る方法 で あ る。通 常 、補正波 長 で の吸収 測定 には重 水素 ラ ンプな どの 連続 光源 が用 い られ 為。 -113一 著 者は第3章 澄 よび第4章 に 診い ては高 速 パ ルス動作 ホ ロカ ソー ドラン プの 過度 発光 特 性 の測定 と解析 、さ らに原子 吸光 分析 へ の応 用 に つい て詳 述 した が 、 ここでは パル ス動作 ホ ロカ ソー ドラン ㌧ の新 た な る応 用 と して、時 間艪 a ,fロ カ ソ ー ド ラ ン プ(HCL)か 測 光型 の原子 吸光 分析装 置 を勵 上げ る。 この 鑓 では 、本 の ら時 間 的 に わ ず か な が ら分 離 して 放 射 され る分 析 線 と非 共 鳴 線 と を 、 本 論 文 を 通 じて の 一 貫 した 手 法 で あ る高 速 サ ン プ リ ン グ型 時 間 分 解 測 光 法 に よh検 出 処 理 して 澄 り 、高 速 測 光 の技 法 を最 大 限 に 活 用 した もの とい え よ う。 また 、 シ ン グ ル ビ ー ム方 式 の 原 子 吸 光 分 光 光 度 計 に 対 し、単 に 電 気 回 路 を 付 加 す るの み で 簡 単 に二 波 長 方 式 に改 造 で き る こ と も大 き な利 点で あ る。 本 章 で は、 は じめ に バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 補 正 の い く つ か の 手 法 に つ い て 触 れ、 次 に 試 作 装 置 の 原 理 、 構 成 を 述 べ 、 最 後 に 実 用 に即 して 試 作 装 置 の 評 価 を行 な う。 5.2.バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の 補 正 法74) バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の 影 響 を避 け る に は 、 そ の 原 因 と な っ て い る物 質 を取h除 く こ とが まず 考 え られ る 。 原 子 化 を フ レ ー ム に よ っ て行 な う場 合 、 予 混 型 バ ー ナ ー の 使 用 が 有 効 で あ る こ とは す で に述 べ た 。 グ ラ フ ァ イ トア トマ イ ザ ー に よ る原 子 化 法 で は 、被 分 析 元 素 を 原 子 化 す る前 段 階 と して 原 子 化 温 度 よh低 い 温 度 で乾 燥 あ るい は 灰 化 を行 な うが 、 そ の 前 段 階 を適 当 に 選 ぶ こ とに よっ て あ る程 度 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 を軽 減 す る こ とが で き る。 ま た 、 測 定 時 間 の 都 合 上 あ るい は ア トマ イ ザ ー の構 造 上 、1段 階 で加 熱 分 解 を 行 な う場 合 に は分 離 生 成 ガ ス を 高 温 炭 素 中 に 通 し 、 こ こ で遊 離 炭 素 や炭 化 水 素 の ラ ジ カ ル を分 解 した 後 測 定 す れ ば バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 が 取h除 75)が あ ・ 。 しか しい ず れ に して も、 完 全@ぺ て の 波 長mわ け た とい う報 告 た レ ・。 ク グ ラ ウ 。,吸 収 が 取 り 除 け る わ け で は な く、 以 下 に 述 べ る光 学 的 な 方 法 に依 る必 要 が あ る。 光 学 的 な 補 正 は 次 の よ うに行 な う。 分 析 線 波 長 か ら10∼ °20Aれた波 長 に 澄 け る吸 光 度 を 、 重 水 素 ラ ン プ あ る い は 目的 元 素 以 外 の ラ ン プで 測 定 す る。 こ の波 長 に 澄 け る光 散 乱 や 分 子 吸 収 は 、 分 析 線 の 波 長 に 器 け る光 散 乱 や 分 子 吸 収k近 似 的 に 等 しい と仮 定 して 、 目 的 元 素 の 吸 光 度 か ら差 し 引 き して 補 正 を行 な う。 これ が 二 波 長 測 光 方 式 と呼 ばれ る も の で あh、 原 理 は 既 に1951年 Chance76)に ・ ・ て ミ ト・ ン ド リア の呼 吸 を 研 究 す 。 目的 で 開 発 さ奴 へ 導 入 され た の は1960年 目立 つ.他 に入 っ て か らで あh、 実 際 の ・つ の 方 法 は 驃 鞦77)と い るが .の分 析 へ の 応 用 は1973年 呼 ば れ る方 法 で 、.れ 、B . 、原子 吸 光分析 以 降 に 多 い ことが も二 波 長 方 式 の 噸 で は あ るが バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の み な ら ず ガ ス 圧 の 変 動 に よ る噴 霧 量 の変 化 や フ レー ム の原 子 密 度 分 布 の変 化 を も補 正 し よ う とす る もの で あ る 。 -114一 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ドを 補 正 す る二 波 長 方 式 は 、補 正 用 に 用 い る光 源 に よ っ て 次 の4つ (A)非 (A)非 吸収 近 接 線 に よ る方 法 (B)連 続 ス ペ ク トル光 源 に よ る方 法 (C)ゼ ー マ ン ス ペ ク トル に よ る方 法 (D)共 鳴 線 の 自己 反 転 に よ る方 法 に 分 け ら れ る。 吸 収 近 接 雛78)・79) HCLか らは 分 析 線 の ほ か そ れ に近 接 して、 目的 元 素 の吸 収 に関 与 し な い ス ペ ク ドル 線(非 吸 収 近 接 線)が 放 射 さ れ て い るが 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 に対 し ては 分 析 線 、近 接 線 と も同 量 の吸 収 を受 け る と見 な せ るの で 、 近 接 線 を補 正 用 参 照 線 と して 使 用 す る こ とが で き る 。 こ の 方 法 は 、 シ ン グ ル ビー ム方 式 の分 光 光 度 計 で は2つ の 波長 を 順 次 測 定 す る こ とに な り測 定 時 間 が 長 くか か る 。 した が っ て グ ラ フ ァ イ トア トマ ィザ ー の よ うに 短 時 間 の うち に 吸収 が変 化 す る よ う な原 子 化 部 を 用 い た分 析 装 置 で は 、 そ の ま ま近 接 線 法 を適 用 す る こ とは で き な い 。 また 、非 吸 収 近 接 線 法 は 特 別 の 光 源 を必 要 と しな い と い う簡 便 さ は あ るが 、 必 ず しも適 当 な非 共 鳴 線 が あ る とは 限 ら な い。 本 章 で 述 べ ら れ て い る時 間分 解 型 二 波 長 方 式 は 、 原 理 的 には この 非 吸 収 近 接 線 法 に も とず いて い る。 しか し な が ら二 波 長 同 時 測 定 が 行 な え る ので 順 次 測 定 とい う煩 雑 さが 解 消 さ れ 、測 定 能 率 が 大 き く向 上 す る 。 した が っ て バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 が 大 き く、 か つ反 応 の急 な グ ラ フ ァ イ rア トマ イ ザ ー に対 し て も十 分 適 用 し得 る。 so>,si)(B)連 続 ス ペ ク トル光 源 法 市 販 の 二 波 長 原 子 吸 光 分 光 光 度 計 で は 、 バ ッ ク グ ラウ ン ド補 正 用 光 源 と して通 常 、重 水 素 ラ ッ プや 水 素 ラ ン プが 用 い られ る 。 こ の 方 式 で は バ ッ クグ ラ ウ ン ド吸 収 の 測 定 を共 鳴 線 か らわ ず か に離 れ た 波 長 で行 な う場 合 と、 同 一 の 波 長 で行 な う場 合 とが あ る。 前 者 の場 合 は(A)の 非 吸 収 近 接 線 法 と 同 じ考 え 方 で あ るが 、後 者 で は 原 子 吸 収 が 重 畳 す る こ と に な る。 しか しモ ノ ク ロ メ ー タ の ス ペ クrル ス リ ッ ト幅 は 目的 元 素 の 共 鳴 吸 収 幅 よhも は る か に 広 い た め 、 事 実 上 こ れ に よ っ て測 定 さ れ る の は ス ペ ク トル幅 の 広 い バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 だ け と見 なす こ とが で き る。 (C)ゼ ー マ ン ス ペ ク トル法 光畔 嬲 を か け る とゼ ー マ ン効 果 に よ つ て ス ペ ・ ト・ 櫞 が喊 分 とσ±成分 畍 裂 すると い う性 質 を 利 用 し、 π成 分 に よ っ て 目的 元 素 の 原 子 吸収 を 測 定 し、 また σ ± 成 分 に よっ て バ ッ ー115一 ・グラ ウン ト 汲 収 を測 定 す る方 式 で あ る 。 そ の 測 定 原 理 の例82)を 図5ユ 図5.・ に示 す 。 ゼ ー マ ン ス ペ ク トル方 式 に よ るバ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 補 正 の原 理 こ の例 で は 水 銀 ラ ン プ に 数 千 ガ ウス の磁 場Hを かけ る こ とに よっ て 、Hg分 析線 ゜2537A む を も と の波 長 と同 一波 長 の π成 分 と 、 こ れ よh数 十mAれ た σ+誇 よび6成 分 に 分 裂 させ て い る 。 こ こで σ ± 成 分 と π成 分 とは 互 い に 直 交 した偏 光 特 性 を持 つ た め 、 光 路 中 に 置 い た 偏 光子 を 回 転 す れ ば π 成 分 と σ± 成 分 を交 互 に 取h出 す こ とが で き る。 こ の 力 式 の 付 随 的 な 利 点 は 、分 析 線 と補 正 線 の ソ ー ス が 同 一 の発 光 線 で あ るた め に 、 光 源 強 度 の 変 動 を も同 時 に補 正 で き る こ と で あ る。 な お ゼ ーマ ン ス ペ クhル 法 で は 、 光1=u`".を か け る方 式 の 他 に 、原 子 化 部 に 磁 場 を 印 加 し て吸 収 線 の ほ うを 分 裂 さ せ る方 式 も試 み られ て い る83) (D)共 。 鳴 線 自己反転 法 水 銀 ラン プ で は 管 内 圧 力 を 高 くす る と圧 力 広 が りに よ って 容 易 に共 鳴 線 幅 が 広 が る が 、水 銀 蒸 気 中 に この 光 束 を 通 過 さ せ る と 自 己反 転 した ス ペ ク トルが 得 られ る 。 自己 反 転 した スペ ク ト ル は もは や 水 銀 原 子 化 試 料 に ょ っ て 吸 収 を受 け な い た め 、 こ れ を バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 補 正 用 と し て用 い る こ と が で きる84).一 方 、.分析 用 光 灘 は 、脈 纐 の狭 砿 銀 ラ 。 プ を あ て る。 以 上 、 代 表 的 な バ ッ ク グ ラウ ン ド吸 収 の補 正 法 に つ い て略 述 した が 、 い ず れ も一 長 一 短 を 持 ち 、 い ま だ に決 定 的 と も い え る もの は あ ら わ れ て い な い の が現 状 で あ る。 -116一 5.3.時 間 分 解 測 光 型 二 波 長 原 子 吸 光 分 析 装 置 の 試 作 丘81.動 HCLを 作 原 理 高 速 パ ル ス駆 動 した場 合 の過 渡 発 光 特 性 に つ い て は 第3章 に 訟 い て論 じた が 、 さ ら に 詳 し く動 的 な発 光 を追 跡 して ゆ く と 、通 常 は 過 渡 光 放 射 が終 結 し て い る と思 われ る パ ル ス放 電 終 了 後 数10μ,secの 時 点 に 訟 い て も金 属 元 素 の イ オ ン線 は まだ 放 射 さ れ 鱗纛 懲 纂 れ たFe診 よびNiの 発 光 線(分 析 線 と近 接 イ オ ン線)ρ パ ル ス発 光 強 度 波 形 を 見 れ ば 明 ら かで あ る。 こ こ で 図5.4は そ の 時 の パ ル ス放 電電 流 波 形 で あh、 放 電 自 体 は 急 速 に終 了 す る特 性 を示 す 。 な 診 、 測 定 に用 い た ラ ン プはFe…NiCuHCL(日 立HLA-3型 ・で あ る。 こ の よ う な現 象 はAI‐Ca --MgHCLのMg発 HCLのCd発 図5.3Fe-Ni-CuHCLのNi共 鳴 線 とNiイ 線 の パルス発光波 形 オ ンHLA-3型HCL)に れ 光線 やCd 光 線(い ず れ も日立 対 し て もみ ら 、必 ず し もFeとNiだ け の特 有 の性 質 の もの で は ない こ とが 確 認、 され た 。 :[ 50m ト 爿5usec 図5.4Fe-Ni-℃uHCLの パ ル ス放 電 電 流 波 形 一117一 a 、HCLの 分 析 線 と隣 接 す る イ オ ン 線 の 波 長 を そ れ ぞ れ λ1(分 析 線),λ2 (イ オ ン線)と す る と 、 そ の パ ル ス発 光 波 形 は 図5.5に 示 す よ う な形 状 を 示 す も の と推 察 され る。 こ こ で 、Alと ノ2と 梦二 ゜ ト幅 が λ1とd2を 同 時 に通 過 さ せ るに 十 分 な ほ ど広 くと られ て い る と仮 定 す る 時 、検 出 器 の 過 渡 光 電 流 出 力 波 形 は 図5. 5の 点 線 で描 か れ た よ う な2成 分 の重畳 波 形 と な る。 この 光 電 出 力 を サ ン プル ホ ー ル ド回 路1(S/H-1)に よ っ て 時 刻T1で サ ン プ リ ン グす れ ば ず く信 号 が 得 られ る こ と は 明 らか で あ る。 同 様 に 、時 刻T2で 、 重 畳 波 形 の うち λ1に も と サ ン ブル ホ ー ル ド回 路2を 動作さ せ れ ば 減2成 分 が 得 られ る 。 こ こ で 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 に対 して ば λ1と S/H-1の 出 力信 号 をS/H-zの ノ2は 同 量 の 吸 光 を受 け る と見 な せ る の で 、 出 力 信 号 で 割 り算 す れ ば バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸収 が 補 正 され る こ とにな る。 こ の よ うに同 一 光 源 か ら分 析 線 と参 照 線(イ オ ン線)を 時 間 的 に 分 離 して取h出 す こ とが で き る の で 、 シ ン グ ル ビー ムの 分 光 光 度 計 を そ の ま ま利 用 で き る うえ 、機 械 的 な光 束 チ ョ ッパ を必 要 と し ない 。 さ ら に 、 モ ノ ク ロ メ ー タ の スペ ク トル ス リ ッ ト幅 を広 く と る の で 結 果 的 に 高 分 解 の も の は 必 要 と さ れ な い 、 な ど本 方 式 に よ る利 点 は数 多 くあ げ られ る。 しか し、本 方 式 を 実 現 す るた め に は 適 切 な非 吸 収 近 接 線 が 存 在 す る こ とが 必 要 で あh、 実 用 性 に 関 して こ の点 が 問 題 と な る と こ ろ で あ る。 な 黔 、応 用 可 能 と思 わ れ る発 光 線 に つ い て は(5.4)節 5.3.2.装 で ま とめて示 す 。 置 構 成 の概 要 は じめ に試 作 した 時 間 分 解 測 光 型 二 波 長 原 子 吸 光 分 光 光度 計 の ブ ロ ッ ク鹵 と グ 図 を図5.6齢 よ び図5.7に 示 す 。装 置 は 大 き く分 け て 、 ラ ン フ駆 動 部 、 タ ブ ミ ン グ制 御 部 、信 号 検 出 処 理 部 澄 よび 原 子 化 部 を含 む光 学 系 の4つ 化 部)は 第4章 各部 の タ イ ミン グ 冷 ら構 成 され て 夢 り、 こ ¢!うち 、 光 学 系(原 子 で 述 べ た もの と同 一 で あ る 。 ま た 、 信 号 検 出 処 理 部 の 中 心 を なす ・2チャ ネ ル ボ ッ クス カ ー積 分 器 は 、第3章 で述 ぺ た ダ ブ ル ボ ッ クズ ヵ 一積 分 器 か ら差 動 増 幅 器 を省 略 した も の を そ の ま ま使 用 して い る。 -iis一 図5.6時 間 分解 二 波 長 原 子 吸 光 分 光 光 度 計 の 構 成 図5.7分 試 作 装 置 で は 、 先 ほ ど図5.5で 光 光 度 計 各 部 の タ イ ミ ン グ図 、㌧ 説 明 した サ ン プ リ ン グ の タ イ ミ ン グ とは 異 な り、 パ ル ス放 電 を 分 析 線 取 得 用 と参 照 線 取 得 用 の2つ に 分 け 、交 互 に 異 な った 電 流 で ラ ン プを 放 電 さ せ て い る。 そ れ と同 期 し て サ ン プ リン グ を毎 回 の放 電 に つ き1回 だ け 行 な っ て い る が 、 これ は 、 比 較 的 接 近 し た 時 刻 に サ ン プ リ ン グ を続 け て2回 行 な う とサ ン プ ル ホ ー ル ド回 路 間 に 有 害 な干 渉 の起 る可 能 性 が あ る こ と、 ま た 分析 用 と参 照 用 の2つ に パ ル ス 放 電 を分 け る こ とに よ リ ラン プ駆 動 条 件 の 自 由 度 が 増 し、最 適 の 条 件 を 選 ぶ こ とが 可 能 と な る、 な どの 点 を考 慮 した た め で あ る。 主 パ ル ス は500オsecの 間 隔 で装 置 全 体 の ト リ ガ パ ル ス を発 生 す る。 こ れ と同 翠 して ラ ン プ が パ ル ス放 電 す る わ け そ あ るが 、 上 記 の理 由 に よh、 放 電 は2種 の駆 動 パ ル 孑 で交 互 に な さ れ る。 こ の よ うな交 互 の 放 電 と同 期.した サ ン プ リ ン グパ ル ス(1)と(2)で2チ 器 を 動 作 さ せ 、 分 析 線 とバ ッ クグ ラ ウ ン ド補 正 線(参 作 を 遂 行 す るた め 、 タ イ ミン グ制 御 部 は2チ ャ ネ ル の ボ ッ クス カ ー積 分 照 線)を 取 得 して い る 。以 上 の サ ン プル 動 ャ ネ ル の可 変 遅 延 回 路 を 有 し、2つ ー119一 の サ ン プ リン グ パ ル ス の発 生 時 刻 は ラ ン プ発 光 開 始 時 点 か ら50μsecま で の 間 を そ れ ぞ れ独 立 に 設 定 で き る よ うに な っ て い る 。 イ オ ン線 を参 照 線 と して 利 用 す る場 合 、分 析 線 は 過 渡 発 光 現 象 の 立 ち上 り部 を サ ン プ リン グす る こ とに よ り得 られ る 。 した が って 、 ラ ン プ放 電 持 続 時 間 幅 は 短 か くて よい しか し、 参 照 線 と してNeな ど封 入 ガス の発 光 線 を利 用 す る場 合 に は 第3章(図3 た よ うに 、放 電 開 始 か ら20/tsec以 述べ 降 に サ ン プ リン グ時 刻 を設 定 す れ ば 良 好 な分析 線 が 得 ら れ る 。 そ の点 を考 慮 して 分 析 線 取 得 の た め の ラン プ放 電 持 続 時 間 は40オsecと 参 照 線 取 得 の た め の放 電 持 続 時 間 は 消 費 電 力 を考 慮 し て 数オsecと 20オsecに .27)で 。 した 。 一方、 した 。 しか し必 要 に 応 じて ま で拡 大 で き る 。 ま た 、 バ イ ア ス電 流 は 、 こ れ を ラ ン プに 印加 しな い場 合 で も発 光 の ジ タ ー は増 大 しな か っ た の で通 常 は 零 と して い る。 2チ ャ ネ ル の ボ ッ クス カ ー積 分 器 出 力 は2台 る。 こ こ で 、第1チ の チ ャ ー トレ コ ー ダ に導 か れ 、 吸 光 波 形 を記 録 す ャネル には原 子 吸収 とバ ックグラ ウン ト 吸 収 の 重 畳 吸 収 が 、 ま た 、 第2チ ャ ネ ル に は バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 が 記 録 さ れ る 。 本 来 は 両 チ ャネ ル 出 力信 号 の 比 を と って 補 正 後 の 信 号 を レ コー ダ に 記 録 す べ きで あ る が 、 本 実 験 で は バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 自体 を 記 録 す る 目 的 で こ り よ う な措 置 を とっ た 。 5.3.3.装 (A)ラ 置 の 詳 細 ン プ駆 動 回 路 HCL駆 動 回路 は ①DCブ て い る。 こ の う ちDCブ ロッ ク、② 分 析 ブ ロ ッ ク、 ③ 参 照 ブロ ッ クの3つ か ら構 成 さ れ ロ ッ クは ラ ン プに 直 流 電 流 を供 給 す る働 き を す る。 した が っ て、 直 流 点 灯 時 に こ の ブ ロ ッ クが 使 用 さ れ るほ か 、 パ ル ス駆 動 時 に 澄 い て もバ イ ア ス電 流 供 給 用 と して 1使 用 され る 。 パ ル ス駆 動 時 に 澄 いて 中 心 と な る働 きを す る の は 分 析,参 照 の 両 ブ ロ ッ クで あ る 。 そ の名 の示 す と誇 り前者 は分 析 線 取 得 用 の 、 ま た 後 者 は 参 照 線 取 得 用 の駆 動 パ ル ス を 発 生 させ る部 分 で あh、 放 電 電 流 を表5.1に 示 した値 ま で 自 由 に 設 定 で き る。 一 方 、駆 動 パ ルス 幅 は タ イ ミン グ制 御 回路 に よ っ て決 定 され る 。 表51ラ ン プ駆 動 回 路 各 部 の 定 格 4 pc MAX. CURRENT PULSE WIDTH 50mA _.-------- ‐iao‐ CI ANAL. 0 REF. 200mA 300mA 40usec 3 —20usec 一 図5.8HCL駆 図5,8は 動 回 路 ラ ン プ駆 動 回 路 の詳 細 を 示 した もの で あ る 。 こ の 回路 全体 は 半 導 体 素 子 で 構 成 され て 澄 り、 第3章 澄 よび 第4章 で 述 べ た 実 験 に使 用 され た 管 球 式 の もの に 比 べ 高 速 化 さ れ て い る と同 時 に 小 型 化 され て い る の が特 徴 で あ る 。DCブ ベ ー ス 電 流 を100kSZの -、m△ ロ ッ クで は 、 トラ ン ジ ス タ1(TR-1)の 可 変 抵 抗 で 変 化 さ せ る こ と に よhラ ン プの 直 流 放 電 電 流 を0∼50 の 範 囲 で 任 意 に 設 定 で き る。 さ て 、 分 析 線 を得 る た め に は 過 渡 発 光 線 の 立 ち 上 り部 を サ ン プ リン グす る 関 係 上 、.立ち 上h時 間 の短 か い駆 動 パ ル ス が 必 要 と な るが 、 こ の 目 的 の た め 分 析 ブ ロ ッ クで は ス イ ッ チ ン グ モ ー ドで トラ ン ジ ス タを 使 用 し、 良 好 な立 ち上 り特 性 を得 て い る。 そ の際 、 パ ル ス電 流 値 の 調 整 は供 給 電 圧(+・HV)を300∼500Vの 間 で 変 化 させ る こ と に よ っ て行 な っ て い る 。 一 方 、 参 照 線 を 取 得 す る た め に過 渡 発 光 の減 衰 部 を サ ンプ リン グす るが 、 分 析 線 成 分 を 混 入 さ せ な い た め に は 放 電 電 流 を で き るだ け 急 速 に カ ッ トオ フ状 態 に さ せ る必 要 一121一 が あ る 。 この た め参 照 ブ ロ ッ ク で は 全 段 不 飽 和 モ ー ドで トラ ン ジ ス タ を 動 作 さ せ て電 荷 蓄 積 効 果 を軽 滅 し、 良好 な 立 ち 下 り特 性 を得 て い る。 こ の 参 照 ブ ロ ッ ク に お け る放 電 電 流 の設 定 は 10k.SZの 以 上3つ 入 力 可 変 抵 抗 に よh、0∼300mAの 範 囲 で 任 意 の値 が 選 べ る。 の ブ ロ ッ クの 出 力 段 は 互 い に並 列 に 接 続 さ れ 、 そ れ ぞ れ の出 力電 流 の 加 算 電 流 に よ っ て ラ ン プ が 駆 動 され る。 そ の 時 の放 電 電 流 の 平 均 値 は 付 属 の 直 流 電 流 計(10mA用 用 に 切h換 え 可)に と50mA よ っ て読 み取 っ て い る。 ま た 、 パ ル ス電 流 値 は モ ニ タ端 子 に オ シ ロ ス コ ー プ を 接 続 し、10SZの 固 定 抵 抗 両 端 の 電 圧 波 形 か ら計 算 して い る。 (B)タ イ ミン グ制 御 回 路 図5.9は タ イ ミ ン グ制 御 回 路 の ブ ロ ッ ク図 で あ る。 構 成 は第1章 制 御 部 をそ の 蚕 ま2チ 秒 領 域 で あh、 に 澄 い て述 べ た タ イ ミ ン グ ャ ネ ル に拡 張 し た もの とな っ て い るが 、 回 路 自体 は 測 定 対 象 が マ イ ク ロ そ れ ほ ど高 速 性 は要 求 さ れ な い こ と もあ り 、 図5.10に 示 した よ うに 多 分 に簡 素 化 さ れ た もの と な っ た 。 .BLOCK ] 一 2 図5.9タ イ ミ ン グ制 御 回 路 の 構 成 一122一 ・ 図5.10タ イ ミン グ制 御 回路 の詳 細 遅 延 時 間 と参 照 光 用 トリ ガ パ ル ス幅 は ヘ リポ ッ ト1∼3(VR1∼3)に そ の 可 変 幅 は6倍(最 小 設 定 値 を5オsecと す れ ば5∼30;tcsecが よ っ て可 変 で あ る 。 可 変 域 と な る)で あ るた め、 そ れ 以 外 の値 が 必 要 な場 合 には 目的 に応 じて最 小 設 定 値 を再 決 定 す る必 要 が あ る。 (C)信 号 検 出 処 理 回 路 訟 よび 光 学 系 信 号 検 出 処 理 回 路 に つNて は す で に述 べ た の で説 明 を省 略 す る。 ま た 光 学 系 は 第4章 に黔い て 述 べ た も の と同 一 で あ る た め 、 こ こで は各 部 品 型 式 名 の み を記 す 。原 子 化 部 は 日立207型 予 混 フ レ ー ム ア トマ イ ザ ー(空 気 一 ア セ チvン 光 電 子 増 倍 管 は 浜 松R106型 5.4.二 フ レ ー ム)、 モ ノ ク ロ メmは 島 津D-40型, で あ る。 波 長 の 選 択 と分 離 前 に も触 れ た よ うに、 時 間分 解 測 光 型 二 波 長法 で は 分 析 線 に近 接 す る適 切 な非 共 鳴 線 の 存 在 が 必 要 で あ る 。 利 用 可 能 な近 接 線 と しては 、 封 入 ガ ス発 光線 、分 析 元 素 の イ オ ン線 、 分 析 元 素以 外 の イ オ ン線 の3つ が考 え られ る 。 こ れ らの例 と して 本 実 験 で は表5.2に 一123一 示 す 各 発 光 線 を 利 用 して 二 波 長 測 光 を行 な っ た 。「 表 ほ2試 作 装 置 で 使 用 し た分 析 線 と近 接 線 HCL REFERENCE (R) (1) Fe -Ni -Cu Fe(I) 3719.9 Ne(jl) 3713. 3 (2) Al-Ca-Mg Mg(I) 2852.1 2802. Mg(11) 2798. 1 Cd (3) 表 中Cd分 ANALYSIS(R) Cd(I) 2288.0 析 線 に対 す る参 照 線 と してFeとCuの の 組 成 元 素 で あ る。CuやFeあ るい はNiの 7 2795. 5 Fe (E) 2294. 6 Cu(E) 2294. 4 イ オ ン 線 を あ げ た が 、 これ らは ホ ロ カ ソー ド ス ペ ク トル線 は 非 常 に複 雑 で あh、 広 い波長域 にわ た っ て分 布 して い る 。 した が っ て封 入 ガ ス発 光 線 あ る い は 分 析 元 素 の イ オ ン線 な どが 近 接 して い な い 場 合 で も、 カ ソ ー ド合 金 にCu,Fe,Niな どが 含 まれ てい る時 に は こ れ らの 元 素 の イオ ン線 を 参 照 線 と しで 利 用 で きる 。 表5.3に 一 時 間 分 解 二 波 長 方 式 に 応 用 で き る と思 わ れ る分 析 線 と非 共 鳴 線 の組 み 合 わ せ を 示 して 診 く。 た だ しこ の 表 に 澄 け る 金 属 元 素 の 非 共 鳴 線 は いず れ も イ オ ン線 で あ る。 表53試 作 装 置 に適 用 可 能 な発 光 線 の組 み 合 わ せ 0 (A) ANALYSIS IV, 0 REFELENCE J (A) 0 ANALYSIS (A) 0 REFERENCE (A) Ag 3280 .7 Ag 2938 .6 Na 3302 .3 Ne 3369 8 Ba 5535 .6 Ne 5562 .8 Ni 2320 .0 Ni 2319 0 Ca 4226 .7 Ne 4304 .0 Pd 2476 .4 Pd 2477 0 Co 2407 .2 Co 2414 .0 Sr 4607 .3 Ne 4537 8 Cr 3578 .7 Ne 3520 .5 Ti 3642 .6 Ne 3520 5 Fe 2483 .3 Fe 2486 .3 T1 2767 .9 Ne 2775 0 Li 6707 .8 Ne 6717 .0 V 3183 .4 V 3199 8 Na 5890 .0 Ne 5852 .5 Zn11.38..6 Zn 2102 2 図5.11は 幅3オsecの 駆 動 パ ル スでFe-Ni-CuHCLを 3719.9AとNe発 放 電 さ せ た場 合 のFe分 ー 一 一 --rr 析線 くコ 光 線3713.3Aの パ ル ス 発 光 強 度 波 形 、黔 よび 放 電 電 流 波 形 で あ る 。Fe共 卩 一124一 鳴 図5.11Fe分 析 線 とNe発 ISCHARGECURRENTパ 光線 の ルス発光波形 ・ 絃 び・ 放 ω 匚 _ O 而 〉一 窪 畧 三 。 3A 1020(usec) 線 はNeの ス パ ッ タ リン グに よ っ て生 成 され る た め 発 光 がNeよ に は ピ ー クが2つ り遅 れ る 。 さ ら にNeの 発 光波形 で き 、 か つ放 電 が 終 了 した に もか か わ らず な 訟 発 光 が持 続 して い る。 この よ う な 現 象 は イ ン パ ル ス に近 い 高 速 大 電 流 パ ル ス でHCLを 駆 動 した 場 合 、 ス パ ッ タ リン グ進 行 途 中 で放 電 が 打 ち切 ら れ る う え 、 放 電 の 動 作 領 域 が 異 常 グ ロー域 か らア ー ク 領 域 に また が るた め に引 き起 こ さ れ た 過 渡 的 な も ので あh、 そ の解 析 は まだ な さ れ て い な い 。 Neの 発 光 成 分 の み を 得 る に は 、 こ の 図 に む い て15オsecの 時 点 で 光 電 流 を サ ン プ リン グす れ ば よ い 。 一 方 、 分 析 線 発 光 強 度 は ス パ ッ タ リ ン グが 十 分 に行 な わ れ て 診 れ ば 、 放 電 電 流 の2乗 以 上 の累 乗 に比 例 し て増 大 す る の に対 し、 封 入 ガ ス ス ペ ク トル線 強 度 は 放 電 電 流 に 比 例 す る 。 した が っ て 、 パ ル ス放 電 持 続 時 間 を40オsec程 度 に ま で 伸 長 さ せ 、 ス パ ッ タ リ ン グを あ る程 度 進 行 さ せ た 状 態 で 光電 流 を サ ン プ リ シ グ す れ ば 、Neに 図5.12は 比 べ て著 し く強 度 の 勝 ったFe分 析 線 が 得 られ る。 上 記 の方 法 に よっ て 分 離 さ れ た スペ ク トル を 示 した もの で あ る 。 こ の測 定 で は 試 作 二 波 む 長 分 光 光 度 計 の モ ノ クロ メ ー タ の ス ペ ク トル ス リ ッ ト幅 を0.5Aに に示 した2台 の レ コ ー ダ 上 に ス ペ ク トル 寉 同m記 の よ う に な る。 時 間 分解 方 式 に よ っ てFeとNeの し て波 長 走 査 を行 な い 、図5.6 録 した。 そ の時 の ラ ン プ放 電 電 流 波 形 は 図5.13 発 光 線 が 分 離 し得 る こ とが この 結 果 か ら も確 認 む さ れ た 。 し た が っ て モ ノ ク ロ メ ー タ の 透 過 中 心 波 長 をFe3719.9AとNe3713.3Aの む (3715A)に む 中間 む 定 め 、 か つ スペ ク トル ス リ ッ ト幅 を15A程 度 に 設 定 す れ ば 、1本 の ラ ン プか ら分 析 線 と参 照 線 が 独 立 に 得 られ 、 バ ソ クグ ラ ウ ン ド吸 収 の補 正 が 十 分 に遂 行 で き る もの と予 想 さ れ る。 -125一 図5.12Fe分 析 線 とNe発 光 線 の分 離 図5 .13Fe-Ni--CuHCLの パ ル ス放 電 電 流 波 形 DISC 図5.14M・ 次 に2齟 の分 析 線 と・ オン線 の パ・ レス 発 光 波 険 の難 してMg発 たA1《 ⊃・覗 ・HCLのM・ 形 の騨 材 び放 騙 黻 光練 蜥 つ い て述 ぺ る。鮪 線2852 ・・醍 計 を図5 .・4に 示 す.触 、び 放 驪 畑 形 ど と同 じく幅 ・μ,e,の ㎏ 材 ・線2795 .・肋 パ ル スで鵬 し パル ス発光強 麒 どの ・・の例 と同 じ く、M、 分析 線 発光皴 波形 瞰 驪 黻 形 と廠 棚 であるのに対 し・イオ・勧 瀕 輔 腓 常 脹 い..の 、うな減 鯵 齟 こ こ綱 示 した イ 〃 して ⑫ ては 焔 ・ したが ・ て ・ 放 翻 線 だ け で な く・他 のMSイ オ ・線 、 始 後2・ ∼4・オ・ecの 一izs一 °2798.1A,・8。°2.7Al2対 間 で サ ・ プ リ ・ グ を行 な う こ とた よ h、 分 析 線 成 分 の 混 入 の 少 な い 、 イ オ ン線 を 中心 と した ス ペ ク トル が得 られ る こ とに な る。 最 後 の 例 と してCdHCLに つ い て考 察 す る。 直 流 点 灯 したCdHCLの 発 光 ス ペ ク トル を分 解 む 波 長0.25Aの モ ノ ク ロ メ ー タ(島 津MAF-1型 む Cd分 析 線2288.OAの カ ソ ー ドはCd単 上1本 を ス リ ッ ト幅15オmで 使 用)で 測 定 した 結 果 、 くラ 近 接 線 と して2294A付 体 で 形 成 せ ず 、FeやCuの 近 に1本 の 輝 線 が 観 測 され た 。CdHCLで は 合 金 と して形 成 さ れ て い る点 を考 慮 す れ ば 、 み か け む む の 輝 線 と し て 観 測 さ れ た も の は 実 はFe(旺)2294.6A,Fe(1)2294.4A,Cu(耳) む くユ く む 2294.4A>Cd2294.3A,Fe2293.8A,Cu(1)2293.8Aな ど の ス ペ ク トル 線 が 複 雑 に 重 畳 し た も の で あ る と 推 察 で き る 。 図5.15にCd分 析 線 と近 接 線 の 過 渡 発 光 波 形 を 示 す が 、 OISCHARGECURREN丁 3 ' a X1 ζ N ≡ (りsec) 図5.15Cd分 析 線 と近 接 線 の パル ス 発 光 強 度 波 形 と放 電 電 流 波 形 こ の図 に お い て近 接 線 発 光 波 形 が複 雑 な形 状 を して い る理 由 と し て 、減 衰 特 性 の異 な った数 本 の 輝 む 線 の重 畳 を 考 え れ ば 納 得 で き る 。 な 澄 、 図 中 に は 近 接 線 の 代 表 と してCd2294.3Aを あ る。 -127一 記 載 しで 試 作 装 置 の2波 長 分 離 能 力 を評 価 す るた め に 先 ほ どのFe,Ne発 線 と同 様 、M9とCdに 光 つ い て もモ ノ ク ロ メ ー タ の波 長 走 査(波 は ゜0.5Aに 設 定)を 長 分解 行 な い 、時 間 分 解 スペ ク トル を求 め た 。 そ の結 果 を 図5.16澄 よび 図5.17に 尓すが、 分 析 線 と補 正 線 が は っ さhと 分離 し 得 る こ とが 確 認 さ れ た 。 な澄 、 以 土 の測 定 に 誇 け るパ ル ス 電 流 値 や サ ン プ リン グ時 刻 な どの 条 件 は表5.4VC 記 され た 通hで あ る。 図5.16M9分 ANALYSISPARTREFERENCEPART 図517Cd分 析 線 と近 接 線 の分 離 ‐ias‐ 析 線 と イ オ ン線 の分 離 5.5.バ ッ ク グ ラ ゥ ン ド吸 収 の 補 正 プレ弘 ア トマ ィ ザ_を 使 用 した 場 合 、 全 消 費型 バ ー ナ ー で は共 存 物 質 と し て高 皴 のN・Cl が 試 料 中 に 含 まれ て い る時 に バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の 影 響 が強 くあ らわ れ る 。 こ れ はNaCIの 度 が 高 く、 完 全 に原 子 化 さ れ な い た め に 起 こ る光 散 乱 が 原 因 で あh、 濃 た とえ予 混 型 バ ー ナ ー で も こ の 影 響 を 無 祝 す る こ とは で き な い 。NaC1粒 ・ 子 に よ る光 散 乱 が 影 響 を 澄 よぼ す 波 長 域 は ・図5.18 む に示 す よ うに 糊 域 鈴3…Aま で で あ る・ と こ ろで ・m汚 染 な どで 問題 と な つ て い るCdや H9な ど の重 金 属 を 含 あ て 主 要 な 金 属 の 多 くは この 波 長 域 に 分 析 波 長 を持 つ た め 、海 水 中 や 体 液 中 の 金 属 の 芬 析 に澄 い て は バ ッ グ グ ラ ウ ン ド吸収 に 対 して 十 分 な 注 意 を 払 う必 要 が あ るQ 図5.18NaCIに よるバ ッ クグ ラウ ン ド吸 収85)(長 光路 バ ーナ ー を使 用) む 本 実 験 の場 合 につ い て考 え る と 、Feの 分 析 波 長 が3720Aで あh、 こ の 波 長 で はNaCIの 散 乱 の影 響 は ほ と ん ど あ らわ れ な い 。 試 作 装 置 の バ ッ ク グ ラ ウ ン ド補 正 能 力 を評 価 す るた め に は, む 2000Aか む ら4000Aに が \ 上 記 の理 由 でNaCIは わ た る波 長 域 で 強 い バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 を 引 き起 こす 物 質 が必 要 とな る 適 当 で あ る とは い え ない 。 一方 、試 料 溶 液 と し て有 機 溶 媒 が 用 い られ る時 には フ レ ー ム中 に 多 量 の炭 素 粒 子 が 発 生 し、 こ の た め 分 析 光 は 散 乱 さ れ 、強 い バ ソ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 が 起 こ るこ とが 多 い 。zの よ うな 光 散 乱 に よ っ て 影 響 を受 け る波 長 域 は 紫 外 か ら可 視 に 致 る 広 範 囲 に わ た る。 以 上 の 点 を考 慮 して 、 『パ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 を 増 大 さ せ る 目的 で試 料 溶 媒 と して エ タ ノ ー ル(試 薬1級)を 使 用 した 。 ま た測 定 中 、試 料 吸 入 時 以 外 は 常 に 純 水(脱 イ オ ン 水)を フ レ ー ム 中 に噴 霧 させ 、 水 溶 液試 料 に対 して は バ ッ ク グラ ウ ン ド吸 収 を等 価 的 に 零 とみ な せ る状 態 に し て い る。3種 の元 素(Fe,M9,Cd)に つ い て の 二 波 長 原 子 吸 光 分 析 を遂 行 した 際 の ラン プ駆, 動 条 件 な らび に 光 学 系 の波 長 の 設 雉 お よび サ ン プ リン グ時 刻 な ど を ま とめ て 表5.4に -129一 示 し て お く。 表54試 ANALYTE 作装 置 の動作 条件 I H C L MONO CHRO MATOR Mg Fe Fe -Ni -Cu Central Wavelength 2290 R 601,, 40R Anal. Fe(I)3719.9 Mg(I)2852,1 Cd(I)2288.0 Ref. Ne (It) 3713.3 Mg(Ji Fe(11)2294.6 Cu(1)2294.4 DRIVING PULSE CURRENT Anal. DRIVING TRIGGER PULSE WIDTH Anal. Ref. 250 2802.7 2798.1 2795.5 150 mA 320 mA mA 40 Ref. 35 usec Ref. 15 usec 5 usec 30 150 usec 40 1 光 線 に よ る参 照 部 、 下 段 はFe共 usec 3 。 図5.19はFeの 吸 光記 録波 鳴 線 に よ る分 析 部 で あ る ー ル燃 焼 に よ っ て 発 生 す る バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 に 対 し て は 分 析 部 る こ とが ま ず 確 認 され た 。Feを mA usec 関 して バ ッ ク グ ラ ウ ン ド補 正 能 力 の評 価 を 行 な う 形 で あ る 。 こ こ で 土 段 はNe発 250 usec 3 Anal. INTENSITY INCREASED RATIO of ANAL. LINE (Pulsed 1 DC 10mAfat shown sampling time は じめ にFeに Cd 2830 A 15A USED LINES SAMPLING TIME Al-Ca-Mg 3715 R S B W Cd 。エタノ 、参 照 部 と も同 量 の 吸 収 を受 け 含 有 した エ タ ノ ー ル に 対 し ては 同 じFe濃 度 の 水 溶 液 試 料 に比 べ て吸 光 量 が 大 き くな るが 、 しか しそ れ は パ ソ ク グ ラ ウン ド吸 収 が 関 与 す るた め で あ る こ と も は っ き hと 記 録 さ れ て い る。 した が っ て以 上 の 事 実 か ら、 参 照 部 の信 号 に よ っ て 分 析 部 の 信 号 を補 正 す れ ば 、 真 の 原 子 吸 光 が 求 ま るこ とが 明 らか と な る。 と こ ろ で 、Feの 水 溶 液 試 料 に対 し て は 参 照 部 に 吸 収 が あ ら わ れ な い のが 理 想 的 で あ るが 、 先 ほ ど も(図5.12)示 した よ うに 、 参 照 部 に わ ず か だ け分 析 線 成 分 が 混 入 して い る た め 参 照 部 に 少 し吸収 が 生 ず る。 しか しな が ら 、 こ の 吸 収 は 極 く微 量 で あ り実 用 上 無 視 して も差 しつ か え な い。 -130一 図5.20試 作 装 置 と通 常 の 直 流 点 灯HCL に よ る姫 (ス ペ クrル 図5.19Feに と の検 量 線 の 0 ス リ ッ ト幅15A) 対 す る 二波 長 吸 光 記 録 波 形 次 に試 作 装 置 に よ るFeの 検 量 線 を 求 め た 。 ま た 、 参 考 の た め光 学 系 は そ の ま ま に し、HCLを 直 流 点 灯 して 通 常 の 方 式 に よ っ て も検 量 線 を 求 め た 。 そ の 際 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 が 大 きい と 、 補 正 能 力 の な い 単 一 波 長 方 式 と の比 較 が 不 可 能 で あ るた め 、 試 料 は 水 溶 液 と した 。 図5.20に 検量 む 線 の 一 部 を 示 す 。15Aと 直 流 点 灯HCLで い う広 い スペ ク トル ス リ ッ ト幅 で モ ノ ク ロ メー タ を使 用 し た場 合 に は 、 は 近 接 線 が除 去 さ れ ず に 透 過 し て し ま うが 、 パ ル ス 駆 動HCLで は 原 理 的 に分 析 部 へ の 近 接 線 混 入 が ほ とん ど な く、 感 度 の 低 下 は起 こ ら な い 。 単 一 波 長 方 式 で は 当然 の こ とな が ら ス リ ッ ト幅 を狭 め て ゆ く と二 波 長 方 式 と同 等 の 感 度 と な る。 M9とCdVc対 澄 よび 図5.22に し て もFeと 示 す 。M9とCdで 同 様 、エ タ ノ ー ル溶 液 試 料 の 吸 光 波 形 を 求 め た 。 こ の 結 果 を 図5.21 はFeの 場 合 と異 な り、 分 析 線 を 得 る た め に 過 渡 光 電 流 の 立 ち 上 り部 を サ ン プ リ ン グ し て い る 。 し た が っ て 、 近 接 線 の混 入 率 は サ ン プ リン グ 時 刻 の設 定 の 如 何 に よ っ て異 な る。 す な わ ち 、 放 電 開始 直 後 に サ ン プ リ ン グ を行 な っ た場 合 、 近 接 線 が ま だ 成 長 して い な い た め に 低 混 入 率 が 達 成 で き、 測 定 感 度 が 高 くな る が 、 そ の 反 面 、 取 得 光 電 流 が 少 な い た め 、 SN比 に 関 して 問 題 が 生 ず る。 本 実 験 で は い ず れ も通 常 の 方 式 と同 程 度 の 感 度 と な る よ う に サ ン プ リン ク時 刻 を設 定 して あ るが 、 吸 光 記 録 波 形 を 見 る限ESN比 -131一 に 関 して何 等 問 題 は 生 じて い な い 。 図5.21Mgに 対 す る二 波 長 吸 光 記 録 波 形 図5.22Cdに 対 す る二 波 長 吸 光 記 録 波 形 な お 、 サ ン プ リン ク時 点 に 澄 け る各 分 析 線 の 発 光 強 度 と直 流 点 灯10mA時 比 を表5.4に の分 析 線 発 光 強 度 との 示 して あ る 。 本 方 式 は モ ノ クロ メ ー タ を低 分 解 状 態 で 使 用 して い る た め 、光 量 利 用率 が 向 上 す る反 面 、 フ レ ー ム発 光 の混 入 が 大 き くな る恐 れ が あ る。Fe,Mg,Cdの3元 素 に対 しては そ の影 響 は ほ とん ど認 め られ な か っ た が フ シ ー ム中 で の 発 光 が著 し い元 素 、 た と え ばNa, Caな どで は 測 定 誤 差 が 大 き く な る。 そ こ で 最 後 に 今 後 の改 良 点 と し て 、 よ り完 全 に 種k の誤 差 を補 正 で き る時 間分 解測 光型 二波 長原 層 図5.23ド リ フ ト補 償 型 二波 長 分析 装置 の 信 号 処 理 部 一132一 子 吸 光 分 柝 装 置 の構 成 を 示 す 。 図5.23が 試 案 した 分 析 装 置 の信 号 処 理 部 の ブ ロ ッ ク図 で あ る。 こ こで は,ド リ フ ト補 償 型 の ダ ブ ル ボ ッ クヌ カ ー積 分 器 を2台 一に よhフ 並 列 に 使 用 し、 そ の 出 力 の 比 を と る こ と レ ー ム発 光 や 暗 電 流 雑 音 成 分 、 な らび に バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 を 同 時 に補 正 で き る よ うに な つ て い る。 以 上 、 時 間 分 解 方 弐 に よ る二 波 長 原 子 吸 光 分 析 装 置 の 原 理 、 構 成 な らび に実 用性 に 関 して述 べ て きた 。 従 来 、 光 源 を パ ル ス駆 動 す る 主 目 的 は 高 強 度 を得 る こ と と 消 費 電 力 の 低 滅 に あ っ た 。 第4章 で述 べた 研 究 の 一部 は こ の考 え に 沿 っ た もの で あ る。 そ れ に 対 し 、本研 究 の 特 徴 は 、 時 間 分 解 測 光 法 に よ っ て波 長 の 分 離 を行 な っ た こ と に あ る。 今 ま で の 静的 な 分 光 の概 念 で は 輝 線 の 分 離 は モ ノ ク ロ メ ー タ な どの 分 光 素 子 に依 らね ば 成 し得 ぬ こ とで あ つ た。 しか し、 こ の よ うに 高 速 測 光 法 に よ っ て分 離 で き る とい うて とは 、 パ ル ス駆 動 法 あ るい は 高 速 分 光 測 光 法 の新 た な方 向 を示 した も の とい え よ う。 本 研 究 で は 時 間 分 解 法 を 特 に 原 子 吸 光 分 析 に 応 用 した が 、 こ の技 法 は 発 光 分 析 や け い 光 分 析 な どに も広 く応用 で き る も の と思 わ れ る。 5.6.結 言 時 間 分 解 測 光 型 二 波 長 原子 吸 光 分 析 装 置 を 試 作 し、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の補 正 を行 な っ た 。 時 間分解 測光 型二 波長 原子 吸光分 析 装置 に っ いて (1)パ 一 ル ス動 作 ホ ロ カ ソ ー ドラ ン プか ら放 射 され る 過 渡 発 光 線 の 時 間 分 解 ス ペ ク トル を利 用 し て バ ッ ク グ ラ ウ ン ド補 正 を行 な う方 式 で あ る。 し た が っ て 、 モ ノ ク ロ メー タは 波 長 分離 の た め で は な く、 バ ン ドパ ス フ ィル タ と して 用 い られ る。 (2)補 正 線 と して は ホ ロカ ソー ド組 成 元 素 の イ オ ン線 あ るい は 封 入 ガ ス 発 光 線 な どの近 接 線 を 利 用 す る。 (3)光 学 系 とし ては 従 来 の シ ン グ ル ビ ー ム の もの が そ の ま ま使 用 で き る。 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 の 補 正 に つ い て (1)バ ッ ク グ ラ ウン ド吸 収 を増 大 させ るた め 、試 料 溶 媒 と して エ タ ノ ー ル を 使 用 した 。 (2)Fe,M9,Cdの 分 析 に 対 してパ ッ ク グ ラ ウ ン ド吸 収 補 正 能 力 の評 価 を行 な った 結 果 、 十 分 に 実 用 に供 し得 る との 確 証 を得 た 。 問 題 と今 後 の 目標 く1)イ オ ン線 発 光 に 見 られ る テ ィ リン グ現 象 の原 因 究 明 に向 っ て努 力 して ゆ き た い 。 (2)信 号 利 用 率 に 関 して は 第4章 の結 言 で 述 べ た 事 項 と同 様 、 こ れ を ぜ ひ と も改 善 す る必 要 が 一133一 あ る。 (3)高 精 度 分 析 を遂 行 す る に は フ レ ー ム発 光 の影 響 を 補 償 す る必 要 が あ るが 、 そ の た め の 方 策 は す で に(5.5)節 で述べ た 。 一134一 測 定 ・記 録 装 置 一 覧 オ シ ロ ス コー プ:岩 崎SS-4100G、 帯 域IOMHz 日 立V-1000、 帯 域80MHz サ ソ プ リ ソ グ オ シ ロ ス コー プ:岩 XYレ コー ダ:理 崎SAS-5009B、 帯 域1.8GHz 研 電 子F-3C チ ャ ー ト レ コ ー ダ:日 周 波 数 カ ウ ソ タ:竹 立 『QPD-53 田 理 研TR-5735 デ ィ ジ タ ル ボ ル ト メー タ:横 河2802 デ ィ ジ タ ル マ ル チ メ ー タ:岩 崎VOAC-707 光 電 子 増 倍 管 高 圧 電 源:PowerDesignsPacific2K-10 μ μAメ ー タ(直 流 増 幅 器):東 亜 電 波PM-18・ 入 力 イ ソ ピー -135一 ダ ソ ス10MB 謝 辞 本研 究は 大阪大 学 工学 部応 用物 理学 教 室藤 田研 究室 に お いて1972年10月 11月 よ り1976年 まで の期間 にわ た って 行 な った もの で あ る.終 りに 臨み、 終 始 懇切 な る御 指 導 を賜 った 大阪 大 学 工学 部藤 田茂 教授 、 な らびに 研究 の細 部 にわ た り貴重 な御 教示 と御 討論 を頂 い た 同工学 部南 茂 ゆ 夫 助 教授、 実 験に 際 し有益 な御 助 言 を頂 いた 同工学 部 助手 内 田照雄博 士 に心 か ら感 謝 の意を あ らわ す 次 第で あ る.ま た実 験 の遂 行に 当 り、 装 置 の試作、 プロ グラム の開 発 な どに御 協 力 頂いた 元本 工 学 部 大学 院生 石川 典 夫氏 、戎 富雄 氏、 木本 輝代 志氏、 な らびに 図表作 成 にあた り御 尽 力 下 さった本 学 事 務官鶴 谷 美幸 氏 は じめ 研 究室 の皆様 に厚 く御 礼 申 し上 げる.な お、 けい光測 定 に 使 用 した 各種 試料 の作成 、 実験 結果 の解 釈 な どにっ いて は大阪 大学 基 礎工学 部 又賀 舞 教授 の御 援 助 を得 た こ とを 付 記す る. -136一 関 連 発 表 論 疹文 〔第 璋 〕T,Ar・ki,T,U・hid・ ・and .S,Mi・ami 'ASimplePhotomultipiierGatingCircuit fortheNanosecondRegion" Japan,J.appl,Phys,,」5,2421C1976), 〔第2章 〕S.Minami,T.Arak『iT,Uchidaand『K・Kimoto" 'HighSpeedSpectroscopicMeasurementofVeryWeak RadiationwithMultichannelCoincidenceTechnique" Japan,J,app1,Phys,,Supp1,14‐x,39(1975), 〔第3章 〕 荒 木 勉,内 田 照 雄,南 茂夫 「 マ イ ク ロ 秒 領 域 に お け る パ ル ス 動 作 ホ ロ カ ソー ドラ ン プの 過 渡 発 光 特 性 」 分 光 研 究26巻1号(1977). 〔第5章 〕T.ArakiT,Uch{daandS.Minami "ADual ‐WavelengthAtomicAbsorption SpectrophotometerusingaPulsedHollowCathode I_amp" ApPl.Spectrosc6py誌 嚥 31洛 -137一 ユ雪 ω η 冫 . 参 考 文 献 1)A,ShusterandG.Hemsalech:Phil.Trans.,193A, 212(1900). ・'☆ ∫勾一 一 岨 嚇 一(醐 3)H.W.DieinumandDeDoer:Spectrochim.Acta,2, 318(1943). 4)J.M.Nobbs:Spectrochim.Acta,18,936(1959). 5)B.Brixner:Rev.Sci.Iristrum.,38,287(1967). b)L.BlitzerandW.M.Cady:J.Opt.Soc.Amer.,41, 44°(1951). 7)L.Blitzer:J,Opt.Soc.Amer.,45,564(1955). 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