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変わる日本の投資環境

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変わる日本の投資環境
情報提供資料
2015年6月
変わる日本の投資環境
~キーワードは“ROE”~
三井住友アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、
一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
この資料の最終ページに重要な注意事項を記載しております。
必ずご確認ください。
作成基準日:2015年4月
情報提供資料
変わる日本の投資環境
 アベノミクスの成長戦略の一環として、日本版スチュワードシップ・コード*やコーポレートガバナン
ス・コード*の策定等の様々な改革が実行され、日本株を取り巻く環境は変化してきています。
 特に注目を集めている指標が“ROE”(自己資本利益率)です。今後、ROEの向上が日本株上昇の
キーワードになると考えられます。
純利益の拡大
キーワードは
“ROE”
企業活動による効果
ROEとは・・・
純利益
ROE (%) =
×100
自己資本
財務効率化による効果
株主還元の積極化
(自己資本の減少)
資本と負債の最適なバランス
自社株買い
配当支払い
ROEが高い
• 一般的に効率的な経営ができており、株主にとって魅力的な企業といわれます。
ROEが低い
• 一般的に効率的な経営ができておらず、株主にとって魅力的な企業ではないといわれます。
(出所)各種資料等を基に三井住友アセットマネジメント作成
*は6ページの「点検!注目のワード」をご参照ください。
※上記はROEの理解を深めていただくためのイメージ図であり、すべてのケースにあてはまるわけではありません。
この資料の最終ページに重要な注意事項を記載しております。
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作成基準日:2015年4月
1
情報提供資料
日本の「これまで」と「これから」
これまで
日本株の低迷
•
•
•
•
これから
欧米企業と比べて低いROE
株式の持ち合いによる物言わぬ株主
株主への低い利益還元
内部留保の積増し
…等
中長期にわたる持続的な成長への変革
*
<事例> 経済産業省の「伊藤レポート 」
ROE向上等を提言
企業と投資家の「協創」による持続的価値創造やROEの向上等を提言。
*
 経済産業省が「伊藤レポート 」を発表(2014年8月)
株主主導による企業
価値向上政策の導入
<事例> 信託銀行や生命保険会社
住友生命が議決権行使基準の厳格化を発表。りそな銀行の信託部門や
三菱UFJ信託銀行はROEの独自基準に満たない企業に改善を促す。
 「JPX日経インデックス400」の算出開始(2014年1月)
*
 「日本版スチュワードシップ・コード 」の策定(2014年2月)
<事例> ファナック
企業自らの変革を促す
政策の導入
2015年4月に連結配当性向を従前の2倍の60%に引き上げ、今後5年
間の平均総還元性向を最大80%と発表。
新任社外取締役候補の定時株主総会での提案を併せて発表。
*
 「コーポレートガバナンス・コード 」の策定(2015年3月)
 会社法の改正(社外取締役導入促進:2015年5月)
ROEの向上・株主への
利益還元強化へ
日本株への評価見直し
(出所)各種資料等を基に三井住友アセットマネジメント作成
*は6ページの「点検!注目のワード」をご参照ください。
※上記は例示を目的とするものであり、すべてを網羅するものではありません。また個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を
推奨するものではありません。
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2
必ずご確認ください。
作成基準日:2015年4月
情報提供資料
キーワード“ROE”
 ROEとは、企業が自己資本に対してどれだけの利益を上げることができたかをみる指標です。
<計算式>
ROE
(自己資本利益率)
純利益(株主に対するリターンの原資)
=
自己資本(企業が株主から預かった資金)
 日本企業は、欧米企業に比べて、ROEの水準が低位にとどまっており、これが日本株に対する
低評価の一因でした。
日米欧のROEの推移
(%)
25
日本
米国
欧州
米国
14.2%
20
15
欧州
10.7%
10
日本
8.3%
5
0
-5
05/3
07/3
09/3
11/3
13/3
(注1)データは2005年3月末~2015年3月末。
(注2)日本はTOPIX、米国はS&P500種指数、欧州はストックス・ヨーロッパ600指数を使用。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
15/3
(年/月)
日米欧の株式市場の推移
米国
216
(ポイント)
240
220
欧州
202
200
リーマンショック
2008年9月
180
160
日本
157
140
120
100
80
60
05/3
07/3
09/3
11/3
13/3
15/3
(年/月)
(注1)データは2005年3月末~2015年3月末。2005年3月末を100として指数化。
(注2)日本はTOPIX、米国はS&P500種指数、欧州はストックス・ヨーロッパ600指数(すべて配当込み、現地通貨ベース)を使用。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
※上記は過去の実績であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
この資料の最終ページに重要な注意事項を記載しております。
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作成基準日:2015年4月
3
情報提供資料
世界の中の日本企業
 主要国・地域の予想ROEおよび実績PBRの関係から、日本のROEが本格的に改善していくと予想
される局面では、今後の株価上昇が期待されます。
主要国・地域の予想ROEと実績PBRの関係
(実績PBR、倍)
3.0
米国
ROEの向上
2.5
株価上昇を期待
欧州
2.0
カナダ
イギリス
ドイツ
フランス
1.5
日本
イタリア
1.0
6
8
10
12
14
16
(予想ROE、%)
(注1)データは2015年3月末。
(注2)日本はTOPIX、米国はS&P500種指数、欧州はストックス・ヨーロッパ600指数、ドイツはDAX指数、イギリスはFTSE100指数、
フランスはCAC40指数、イタリアはFTSE MIB指数、カナダはS&Pトロント総合指数を使用。
(注3)予想ROEはBloombergによる予想値を使用。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
※上記は過去の実績および将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
 PBRとROEの関係は、下記の式のように計算されます。
PBRとROEの関係式
PBR(倍)
(株価純資産倍率)
=
1株当たり純利益(EPS)
株価
1株当たり純資産(BPS)
ROE(%)
(自己資本利益率)
=
PER(倍)
×
×
1株当たり純資産(BPS)
(株価収益率)
株価
1株当たり純利益(EPS)
※BPS(1株当たり純資産)は純資産(≒自己資本)を発行済み株式数で割って算出した値です。
PBR(株価純資産倍率)とは・・・?
株価が1株当たり純資産(BPS)の何倍まで買わ
れているかをみる投資尺度です。
現在の株価が企業の資産価値(解散価値)に対
して割高か割安かを判断する目安として利用さ
れます。
PER(株価収益率)とは・・・?
株価が1株当たり純利益(EPS)の何倍まで買わ
れているかをみる投資尺度です。
現在の株価が企業の利益水準に対して割高か
割安かを判断する目安として利用されます。
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作成基準日:2015年4月
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情報提供資料
今後の株主還元への期待
 株主還元のひとつの指標である総還元性向*1を比較すると、日本企業は欧米企業に比べて、
低位にとどまっています。
日米欧の総還元性向の比較
総還元性向
配当性向
自社株買い額
÷
当期純利益
日本
36.2%
25.9%
10.3%
米国
85.7%
34.7%
51.0%
欧州
84.1%
62.6%
21.4%
*1
*2
*1総還元性向とは、当期純利益に対する、配当額と自社株買い額の合計の割合を表したものです。
総還元性向=(配当額+自社株買い額)÷当期純利益×100%
*2配当性向とは、当期純利益の中から、配当金をどのくらい支払っているかの割合を表したものです。
配当性向=配当額÷当期純利益×100%
(注1)データは2013年。小数点以下第2位を四捨五入。
(注2)日本はTOPIX、米国はS&P500種指数、欧州はストックス・ヨーロッパ600指数を使用。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
 長引くデフレ環境等から日本企業は内部留保の積増しに動き、企業の内部留保、保有する現預金は
いずれも過去最高水準となっており、株主への利益還元余力は十分にあります。
 株主への利益還元強化に動く企業は投資家から高い評価を受ける傾向が強く、株価の上昇を期待。
日本企業の内部留保と現預金の推移
(兆円)
400
現預金
300
内部留保
約328兆円
内部留保
株主への積極的な利益還元
現預金
約174兆円
株価上昇を期待
200
100
0
80
85
90
95
00
05
10
(年度)
(注)データは1980年度~2013年度。
(出所)財務省「法人企業統計」を基に三井住友アセットマネジメント作成
※上記は過去の実績であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
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作成基準日:2015年4月
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情報提供資料
点検!注目のワード
「伊藤レポート」とは?
 2014年8月発表の「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロ
ジェクト(座長:伊藤邦雄 一橋大学大学院商学研究科教授)の「最終報告書」のことです。
 「伊藤レポート」の中で、企業が投資家との対話を通じて持続的成長に向けた資金を獲得し、企業価値を高
めていくための課題を分析し、提言を行っています。
日本版スチュワードシップ・コードとは?
 機関投資家には株主として企業と対話することで中長期的な企業価値を高め、顧客や受益者の投資リター
ンを拡大させる責任があると定めた行動規範のことをいいます。
 2014年2月に金融庁の有識者検討会で策定され、国内外の機関投資家が受け入れを表明しています。
 日本版スチュワードシップ・コードの導入により、中長期的視点から企業価値および資本効率を高め、「企業
の持続的成長」を促すことが期待されます。
コーポレートガバナンス・コードとは?
 上場企業を対象にした企業統治の規範のことです。取締役会のあり方や役員報酬の決め方等、企業が守る
べき行動を規定しており、行動を実施しない企業は理由を投資家に説明する必要があります。
 株主との対話等の5つの基本原則で構成しており、企業が稼いだ利益を従業員や株主等に還元する好循環
の実現を目指し、2015年6月から適用を開始する予定です。
 コーポレートガバナンス・コードは、健全な企業家精神の発揮を促し、会社の持続的な成長と中長期的な企
業価値の向上を図ることに主眼を置いています。
(出所)各種資料等を基に三井住友アセットマネジメント作成
<ご参考>重要性を増す、企業と投資家の視点の一致
 株式価値向上のために重視する指標として、投資家ではROEと答えた割合が約93%と最も高かった
一方、企業はROEが約59%となり、投資家と企業の間では、ROEに対する認識に差があります。
 今後は、投資家との対話を通じて、企業がROE向上に積極的に取り組んでいくことが期待されます。
株式価値向上に向け企業が重視することが
望ましいと投資家が考える経営指標
ROE
企業が株式価値向上に向け
経営目標としている指標
93.0
54.7
配当性向
総還元性向
43.0
利益額・利益の
伸び率
32.6
0
20
40
61.0
ROE
59.1
売上高利益率
58.7
売上高・売上高の
伸び率
38.4
売上高利益率
利益額・利益の
伸び率
50.9
配当性向
60
80
100
47.5
0
20
40
(%)
60
80
100
(%)
(出所)一般社団法人生命保険協会「平成26年 生命保険協会調査」を基に三井住友アセットマネジメント作成
この資料の最終ページに重要な注意事項を記載しております。
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作成基準日:2015年4月
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【重要な注意事項】
【投資信託商品についてのご注意(リスク、費用)】
 投資信託に係るリスクについて
投資信託の基準価額は、投資信託に組み入れられる有価証券の値動き等(外貨建資産には為替変動もありま
す。)の影響により上下します。基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用の結
果として投資信託に生じた利益および損失は、すべて受益者に帰属します。したがって、投資信託は預貯金とは異
なり、投資元本が保証されているものではなく、一定の投資成果を保証するものでもありません。
 投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
 直接ご負担いただく費用・・・申込手数料 上限3.78%(税込)
・・・換金(解約)手数料 上限1.08%(税込)
・・・信託財産留保額 上限3.50%
 投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・信託報酬 上限 年2.052%(税込)
 その他費用・・・ 監査費用、有価証券の売買時の手数料、デリバティブ取引等に要する費用(それらにかかる消費
税等相当額を含みます。)、および外国における資産の保管等に要する費用等が信託財産から支払われます。ま
た、投資信託によっては成功報酬が定められており当該成功報酬が信託財産から支払われます。投資信託証券を
組み入れる場合には、お客さまが間接的に支払う費用として、当該投資信託の資産から支払われる運用報酬、投
資資産の取引費用等が発生します。これらの費用等に関しましては、その時々の取引内容等により金額が決定し、
運用の状況により変化するため、予めその上限額、計算方法等を具体的には記載できません。
※なお、お客さまにご負担いただく上記費用等の合計額、その上限額および計算方法等は、お客さまの保有期間に
応じて異なる等の理由により予め具体的に記載することはできません。
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につき
ましては、三井住友アセットマネジメントが運用するすべての投資信託(基準日現在において有価証券届出書を提
出済みの未設定の投資信託を含みます。)における、それぞれの費用の最高の料率を記載しております。投資信託
に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前に投資信託説明
書(交付目論見書)や契約締結前交付書面等を必ずご覧ください。
 投資信託は、預貯金や保険契約と異なり、預金保険・貯金保険・保険契約者保護機構の保護の対象ではありませ
ん。また登録金融機関でご購入の場合、投資者保護基金の支払対象とはなりません。
 投資信託は、クローズド期間、国内外の休祭日の取扱い等により、換金等ができないことがありますのでご注意くだ
さい。
[2014 年4月1日現在]
 当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、
株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
 当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
 当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
 当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今
後の市場環境等を保証するものではありません。
 当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するも
のではありません。
 当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者
および許諾者に帰属します。
この資料の最終ページに重要な注意事項を記載しております。
 当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
必ずご確認ください。
作成基準日:2015年4月
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