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GYG林業技GIJUTSU - 日本森林技術協会デジタル図書館

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GYG林業技GIJUTSU - 日本森林技術協会デジタル図書館
昭和26年9月4日第
==
ISSNO388-8606
種郵便物認可昭和63年7月10日発行(毎月1回10日発行)通巻556号
業
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556
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I GYG林業技GIJUTSU
の測量・測定器
蜻度と機動性を追求したレベル付トランシットコンパス
高感度磁石分度、帰雰式5分読水平分度、望遠鐙
付大型両面気泡管等を備えて、水準測量をはじめ
あらゆる測量にこの−台で充分対応できます。
望遠霊気泡管:両面型5.2%ミラー付
磁石分度:内径70%1.又は30目盛
高度分度:全円1.目盛
水平分度:5分目盛0-bac帰零方式
L S-25
望遠鏡:12倍反転可能
し
重量:13009
§ルトラコン
(牛方式双視実体鏡)
コ ン ド ルT-22Y
霧蕊
灘
たコンピュータ内蔵座標計算式面積線長測定器
直線部分は頂点をイントするだけ、71イ型の場合
は円弧部分も3点のポイントだけで線上をトレー
スする必要がありません。微小図形から長大図面
まで、大型偏心トレースレンズで座ったままのラ
クな姿勢で測定できます。亨型はあらゆる測定デ
ータを記録するミニプリンターを装備し、しかも
外部のコンピュータやプリンターとつなぐための
、
インターフェイスを内蔵しています。
<特長〉’■直線図形は頂点をポイントするだけで迅速測定
■曲線図形も正確に計れる
亜面積のほか、線長を同時測定
■縮尺単位を反映して自動計算
■線分解能:0.05mmの高性能
■コードレス、コンパクト設計
■偏心トレースレンズとダイヤモンドローラー採用
X-PLANM6"i
エクスブラン
テ 一 ア イ
X-PLAN360d/360i
血牛方商呂
■3点ポイントによる円弧処理
■カタカナ表示の操作ガイド
■座標軸が任意に設定できる
■データのナンバリング機能、等
東京都大田区千鳥2-12-7
TELO3(750)0242代〒146
繍業擬鋳
7.1988 No. 556
出f
黒川
一日一
<論壇>白書にみる日本林業の技術展望
目 次
之…2
複層林施業事例を見て−これからの技術的検討課題
その1目標に応じた施業体系の検討
一スギ,ヒノキの場合………………藤森隆郎・・・7
木造住宅を分解すると−部材別樹種・使用量..……・山井良三郎…11
折れたばかりの生枝は切り落とそう
一心腐れについての考察
佐保春芳…15
国有林野事業における蜂刺され災害の現状と対策…・・林野庁厚生課・・19
朝比奈
大田
13.販路を開く“そりもと材”の生産
正宏
<私の技術ノート>
雲
…
2
$
表紙写真
山峡の譜
山崎一変わった仲間たち(三)
第35回森林・林業
写真コンクール
佳作
「山で描く」
宇江敏勝…26
私の古樹巡礼
C
日本海と庄内平野を眺望
する「眺海の森」で写生
をする緑の少年団
60.高津,連理のマツ/61.牛島のフジ
J
木の名の由来
梅津勤一
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深津
小林義患3,
4.アサダ..
(山形県酒田市)
1
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クミ
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ン鐸石
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サXり
アL談
I
激
1988.7
八木下弘…28
農林時事解説……・…
統計にみる日本の林業
林政拾遺抄…・・・…
32
こだま“..…・………・・
35
32
JournalofJournals.….…..
36
33
技術情報…………・……
38
本の紹介・…….
34
林業関係行事一覧(7.8月)
39
日本林業技術歯会第43回通常総会報告"…・・・
40
山火事予知ポスター「図案」「標語」募集要領
46
2
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一壇一
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白書にみる日本林業の
技術展望
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黒川宣之、
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はじめに
変化がめまぐるしい経済を対象とした経済白書などと違って,遅々とした木
の成長に象徴されるように動きが乏しい森林を取り扱う林業白書の場合,毎年
なにか目新しい内容を盛り込むのは容易なことではあるまい。にもかかわら
ず,いつもなかなか適切な課題が取り上げられていて感心させられる。
61年度はコスト引下げによる林業の活力回復を取り上げていた。林業経営
を100ha以上の林業主業型,20haから100haの複合経営型,それ以下の小規
模経営型の3タイプに分け,主業型は機械化などによるコスト引下げに努め,
複合型は農業やキノコ栽培,観光林業などと組み合わせて自立を図る・小規模
型は森林組合を中心に共同管理を目指す,といったタイプ別の経営展開の方向
を示した。
62年度は一転して,林業の技術革新の展望を取り上げている。「林業技術の
ルネサンスを目指して」という副題のもとに,単なる機械化だけでなく,バイ
オテクノロジーなどの先端技術の活用から流通の合理化,需要分野の拡大,技
術の開発推進体制の確立まで,幅広くふれており,時宜を得た提言と思う。技
術というのは,これまでの林業では比較的なおざりにされてきた分野なので,
白書が本格的に取り上げた意義は大きい。
わが国の林業は円高に伴う外材,代替材の攻勢の激化や労働力不足と高齢化
のいっそうの進行,林業経営意欲の減退などなど,基調としては依然厳しい環
境にある。林業関係者の口から出る言葉も,水源基金などの設立による国民の
支持を訴えたり,国からの助成の強化を求めたり,他力本願的なものが目立
つ。森林の持つ公益的機能の大きさと,置かれている環境の厳しさからいえ
ば,それも無理からぬことかもしれない。水源かん養など公益的機能の恩恵を
受けている自治体などが,なんらかの形で林業振興,森林づくりに協力するの
は当然のことといえる。
しかし,すべての保誰がそうであるように,それに安住してしまうと,どう
しても自主的な創意工夫への努力が弱まる。助成を当然のことと考えてしま
う。白書からもそうした感じを受けることがあった。しかし今度の白書には,
技術の振興によって林業の自立を図っていこうという積極的な姿勢が感じら
れ,これまでになく明るい印象を受けた。これは技術という夢を描きやすい対
*朝日新聞論説副主幹
1988.7
林業技術No.55619
象を扱っているためでもあろう。またここ数年の住宅着工戸数の増加で木材市
3
況がやや上向いていることとも無関係ではあるまい。が,いずれにしても,常
に明るい展望を持って努力していくということは貴重なことである。
各産業分野でバイオテクノロジーなどの先端技術の導入による技術革新が見
られるなかで,今度の林業白書が森林関係の技術の新たな展開方向として強調
しているのは,①森林の多面的機能の維持・増進のための管理技術,②低コス
トを目指した林業技術,③木材利用の多様化へ向けての技術,④森林バイオマ
ス(森林生物資源)の有効利用,⑤技術の開発推進体制の確立,の5点である。
それぞれに大切な視点であり,これらの技術の導入によって,林業と林産業の
新たな展開が期待される。以下,主な項目について白書の考え方を紹介し,そ
の意義と問題点を考えてみたい。
森林に対する国民の要求は近年ますます多様化し,森林が果たすべき機能は
森林の多面的な機能の
木材生産や国土の保全,水資源のかん養に加えて,森林浴,自然観察,スポー
ツ,文化活動など生活環境保全・保健文化機能へと広がっている。森林の管理
維持・増進のための管
理技術
に当たっては,そのうちどの職能にもっとも適した森林かということをまず判
断しなくてはならない。そのためには森林の状況や地形,土壌,気候などの環境
条件を的確に把握するとともに,これらの各種機能がどのようなメカニズムに
よって発揮されるのかを解明する必要がある。密度が適正で形が良く成長力の
h
盛んな森林は木材生産に適しており,根の発達が良好で豊かな土壌を有する森
林は水源かん養機能が優れている。また,樹高が高く,葉の量が多い森林は,
大気の浄化,騒音の防止など生活環境保全の機能が高い。
このようにして担うべき主な機能がはっきりすれば,その機能がより高度に
発揮されるような整備を効率的に進めることができる。整備コストは軽減され
るし,最近各地で多発しているような林業生産と自然保護の対立といった,機
能間の摩擦もかなり緩和されることだろう。
白書はこうした管理技術を磨くため,森林の状況や機能についての基礎的な
研究資料を蓄積することや,森林の働きをより正確に評価する技術,山地災害
の場所や時間を予知する技術などの開発などが必要,と指摘している。皆伐一
新植方式による単層林施業が一般的だったわが国の林業でも,最近は樹齢の異
なる複数の樹種の森林を造成する複層林施業の必要が叫ばれているし,経費節
減のためにもできるだけ自然力を活用した天然林施業を目指すべきだという声
が高まっている。どれももっともなことだが,外野席からいわせてもらうと,
機能別整備の問題も含めて,いささか取り組みが遅きに過ぎるのではないか。
そうした面での技術的研究が立ち遅れているためだろう。
ニュージーランドでは羊の林間放牧が盛んだが,ただやみくもに放牧してい
るのではなく,単位面積当たりの羊の放牧頭数と木の本数をどの割合にしたと
きに羊と木の成長がともに最大になるか,という研究を地道に続け,豊富な資
料が蓄積されている。牛の林間放牧がよいとなると,ろくに基礎的な研究もし
ないで手探りで実施に移す日本とは,森林整備に取り組む姿勢に基本的な違い
があるように思った。今からでも遅くはない。森林の美しさや豊かさを十分に
林業技術No.5561988.7
4
生かせるような,きめ細かな管理技術を確立してもらいたいものだ。
低コストを目指した林
業技術
わが国の育林は単位面積当たりの労働投入量がきわめて多い。高温多湿で雑
草木が生えやすく,下刈りなどに手がかかることや,立地条件が悪く作業の機
械化が進まないためである。農林水産省の調べでは,木を植えて伐採するまで
に1ha当たり200人日程度の労働量が投入されており,スギ,ヒノキで200万
円以上かかる。米国太平洋岸ではヘクタール当たりの植栽本数が1,000本と少
ないこともあって,経費はわが国の1/10程度で済んでいる。
白書は育林費を節減するため,森林生態学などをもとに,自然のメカニズム
をうまく利用して労働力投入量を最小限に抑える知識集約型の省力育林の確立
を第一にあげている。例えば伐採方法を工夫して林内の日照をコントロールし
雑草の成育を抑えて下刈りの手間を省くとか,天然の力を活用して広葉樹など
の更新を図るといった工夫である。
次に,地ごしらえや植付けの作業に適する自走式機械の開発や防虫などの薬
剤の効率的な使用をもあげている。路網の整備と合わせて地ごしらえ,植付
け,下刈りなどの作業方法を改善することにより,労働投入量を21世紀まで
に半減できるという予測もある。さらに細胞融合,遺伝子操作などの技術によ
り,成長の早い樹種や各種被害に対する抵抗性の優れた品種を作り出したり,
苗木の短期大量増殖技術などを進めるべきだとも提言している。
丸太生産ではここ10年,生産費に占める人件費の割合が6割程度から下が
らない。人力に依存する度合いが高いためで,丸太価格は下がっているのに生
産費が下がらないため,丸太価格に占める生産費の割合は51年の27%から61
年の40%へと高まった。スギ,ヒノキの丸太生産費は米国,カナダの約3倍
となっている。傾斜地の多い北米では架線用支柱(タワー)付き集材機による
架線集材が進んでおり,また,立木を伐採する自走式機械であるフェラーパン
チャーや集材専用のトラクターであるスキッダー,枝払い,玉切りを行うプロ
セッサーなどによる作業が広く行われている。また北欧では伐採,枝払い,玉
切りを1台で行うハーベスターが実用化している。
わが国で機械化が進まない理由としては,立地条件のほかに,素材生産者や
森林組合などの規模が小さく,機械の稼働率など採算面で不安があるとか,林
業機械市場の規模が小さいため機械メーカーも大型,高性能機械の開発にあま
り熱意を見せない,といったことがあげられている。しかし,チェンソーと集
材機を組み合わせた現行の作業システムの改良では限界があるので,わが国の
地形に合わせて,①地形が緩やかで作業規模が大きい場合には,自走式機械を
中心とした比較的大型の多工程処理機械,②地形が急│唆で高密な路網の整備が
難しい場合には,移動が容易な高性能集材機,③地形が緩やかで作業規模が小
さい場合には,比較的小型で必要により農業などにも使える多機能を備えた機
械,をそれぞれ開発する必要があると白書は指摘.している。
どれももっともな提言である。ただ,林業生産者や機械市場の規模が小さい
などの制約を地道に克服しないと,提言はとても実現できない。また特に気を
林業技術No.5561988.7
5
つけなくてはならないのは,機械化を急ぐあまり,農業で見られるような機械
への過剰投資,機械化貧乏に陥ってはならないということである。白書が擬械
化の一つの目玉として推奨している,,伐採から枝払い,玉切りまで1台ででき
るハーベスターの実演をフィンランドの森で何回か見る機会があった。確かに
安全で便利な機械だが,傾斜の多いわが国の地形に果たして合うのか,1台
5,000万円も払ってコストが下がるのか,と疑問に思った。便利だからと安易
に飛びついていると悔いを残すことになる。わが国の地形に合ったものに改良
することが大前提だ。
ほとんどの需要分野で木材の代替材が普及し,住宅建築についても木造率が
低下の一途をたどっている現況から見て,木材の品質,性能の向上とコストダ
木材利用の多様化へ向
けての技術
ウン,さらには新たな加工技術の開発による需要分野の拡大に取り組むことが
緊急の課題となっている。白書は,①木材の防火性能の向上,②木材の狂い,
割れなどを防ぐための乾燥技術,③薬剤注入による防腐.防虫処理技術,④耐
水性,耐磨耗性を強めるための表面処理技術,の研究開発を提言している。
防火性能の向上については今行われているリン酸アンモニウムの加圧注入に
加えて,木材を構成する細胞膜内にセラミックスを形成することにより,加熱
しても炭化するだけで炎を出さない難燃材の研究が進められ,かなりの成果を
上げている。
現行のJAS規格は製材の構造強度を直接規定したものではないため,製材
の強度などが必ずしも均一でないという批判がある。強度性能の評価をもとに
等級区分や性能の標準化を図り,鉄などの工業製品と変わらない性能の均一な
素材商品として大量に流通させることが必要,という白書の指描は特に重要な
ことだ。製材加工工程についても,コンピュータ制御により原木測定,木取
り,製品仕分けなどをする機械や高速製材機械などを導入し,低コストの製材
加工ラインによる量産を目指す必要がある。
建築用資材の品質・性能に対する要求はこれからますます高度化することが
のこぎり
予想されるので,加工についてもこれまでのように鋸で切断するという考え
を改め,パーティクルポード,集成材などのように,さまざまな方法で加工
し,これを再び接着,構成することにより新しい素材を生産したり,金属,グ
ラスファイバー,プラスチックなど他の素材と組み合わせて,両方の長所を生
かした複合材を開発するなどの方向を目指すべきだ。肌ざわりがやわらかで,
吸放湿性や断熱性に優れた天然の素材である木材の良さは広く認められている
ので,こうしたやり方によって工業製品の強度や品質面での安定性が付け加わ
れば,木材の需要は大きく伸びることだろう。
これと合わせて欠かせないのが,木材流通システムの整備である。需要者の
ニーズにこたえるためには,需要の動向を的確にとらえる情報網の開発や規
格・寸法の標準化,現物を見たうえでの取引から信用に基づいた取引への転
換,共同輸配送の導入などが必要と白書も指摘しているが,まったく同感であ
る。これまでの林野行政はもっぱら川上の分野に向けられ,需要者のニーズに
林業技術No.5561988.7
6
そった商品を供給するという発想に欠けていた。それが林業の不振をもたらし
た一因といっても過言ではあるまい。もし通産省が工業の育成に努めたような
発想と熱意で取り組んでいたなら,わが国林業ももっと活力が出てきていたに
違いない。ハード官庁からソフト官庁へ,林野庁の脱皮を期待したい。
森林バイオマス(森林
紙数がつきてしまったが,木材の新たな需要の拡大という点で興味深いのが
生物資源)の有効利用
森林バイオマスの成分を分離し,その有効利用を図るバイオマス変換技術の活
用である。木材はセルロースなどの多糖類を70∼80%,芳香族高分子である
リグニンを20∼30%含んでおり,低カロリー甘味料,香料,医薬品などさま
ざまな利用が可能である。軽くて強い炭素繊維を生産したり,家畜の飼料とし
て利用したり,液化してエネルギーとして利用する研究も進んでいる。こうし
た森林バイオマスを利用して,さまざまな製品を生み出す新しい産業が生まれ
る可能性がある。
森林の年間生産量は石油の約10倍といわれ,石油などの資源が有限である
のに対して,木材は再生産が可能という絶対の長所を持っている。林業の前途
は洋々たるものがあり,むしろ再生産がきかなくなるほど過伐することのない
よう,心がけることが必要だろう。
このように森林と林業に未来を開く技術だが,その対象は自然科学から社会
科学まで広範にわたり,また成果を得るまでに長い時間と費用がかかる。しか
し,林家や林業関係の企業は規模が小さいのでその負担に耐えられない。技術
の開発と実用化のしっかりした推進体制をつくりあげないと,これまで述べて
きたことはすべて絵にかいたモチに終わってしまう。業界と学会と国が緊密に
協力しあって,研究者,技術者の計画的な謎成や研究施設の整備,研究成果の
活用・普及などを図っていく必要がある。セルロース,リグニンなどを分離抽
出し,その用途開発を図るため13企業が参加した「木材成分総合利用技術研
究組合」や18企業が参加した「木材炭化成分多用途利用技術研究組合」など
が活動しているが,こうした仕組みを広げていくことも望ましい。
<完>
林業技術No.5561988.7
7
’
藤森隆郎
,1
複層林施業事例を見て−−これからの技術的検討課題
その'目標に応じた施業体系の検討
−スギ,ヒノキの場合一
’
’
はじめに
昭和50年代にスギやヒノキの二段林が各地で
造成され,現在10年生近くになっているものが
多い。これらの林分の多くは二段林造成時に強度
に間伐された上木が再閉鎖してきて林内照度が低
下し,下木の生長のために上木を間伐しなければ
ならなくなっている。しかし二段林の間伐の経験
はなく,間伐により下木を傷めることに大きな不
安を持ち,また間伐をした場合の収支計算をする
と間伐経費のほうが高くつき,間伐に踏み切れな
いでいるところが多く見られる。
長期二段林注')や択伐林を造成維持するために
写真・155年生スギ林にスギを下水植栽して9年目の表・2
の二段林。
間伐の1年前に掻影(静岡県富士宮市白糸財産区有
林
)
は間伐が不可欠であり,間伐実行の阻害要因を検
討し,それを除去していかなければならない。し
度の造林専門部会が静岡県で開催され,そのメイ
かし目標によっては無理に間伐をすることなく短
ンテーマの複層林施業の現地検討会が富士宮市白
糸財産区の3つの二段林で行われた。そのうちの
2林分を表・1と2に示す。これらはいずれも昭和
53年から55年にかけて造成されたスギースギ,
期二段林注')を考えてもよいのではないか。そう
いう問題を目標に応じた施業体系の中でとらえて
検討したい。
注1)早稲田4),安藤勤は二段林の種類を林冠層の重
複期間によって常時二段林と一時二段林に分け,一時
二段林を長期型と短期型に分けている。この分け方に
従うと,一時二段林短期型,一時二段林長期型と呼ぶ
ことになるが,それらを短期二段林,長期二段林と呼
んでも一時二段林であることはわかる。一時二段林短
(長)期型というようにいちいち長い用語を使うこと
は不便で,またかえって複雑でわかりにくい。短期二
段林,長期二段林,常時二段林として何ら不都合はな
いと思われるので,本文では短期二段林,長期二段林
を使った。
ヒノキーヒノキの二段林で静岡県林業技術センタ
ーが調査しているものである。白糸財産区事務所
と林業技術センターのご了承を得たので,これら
を検討事例として使わせていただくことにした。
表・1のヒノキーヒノキ二段林は昭和55年4月
に60年生ヒノキ林に3段階の強度の異なる間伐
を加えて造成されたものである。それから7年間
の林内相対照度と下木の樹高生長の変化を示した
ものが図・1である。Ry注2)が0.7と0.6ではほ
とんど差がないが,0.5になると相対照度は一気
1.検討すべき問題の事例
関東中部林業研究機関連絡協議会の昭和6ユ年
に高くなり,それに応じて樹高生長も大きくなっ
ている。表にはないが,もう1つのスギースギニ
林業技術No.5561988.7
8
yら掲刀
R
OOO
08X
表・1ヒノキーヒノキ二段林の設定時の擬況3)
(上木60年生,下水実生3年生)
口
Ry
間伐後の上木の概況
密度
植栽時下木
薔
均
胸
蔦
平均樹商
密度
− 樹 高
765
QQQ
60
R
ノ$
〃
50
300
樹嘉
123
試験区
下
0
−
一一一相対照度
−
相
40対
蝋
度
3
0
<
%
)
表・2スギースギニ段林の設定時の擬況3)200
(上木55年生,下木2,3年生苗23クローン+実生苗)(囑耐)
密度
薔
均
胸
息
C、
0.6
32
111
間伐後の上木の概況
Ry
(1年後)
植栽時の下木の概況
平均樹高
、
21
密度
平均胸禰
直 径
10
本/ha
,
3 α〕0
湖
100
平均嵩高
C、
1.0
C、
63
X
0
0
段林でもRyが0.6と0.5ではそれぞれに大きな
差が出ており,Ry0.6の区では設定時(昭和54
年4月)相対照度が20%であったものが8年後に
昭和55565758596061年
図・1ヒノキーヒノキ二段林の林内相対照度と樹高
生長の年次変化3)
畷高は12月,照度は7,8月測定)
8%に,RyO.5の区では46%であったのが25%
となっている。
樹高生長麓は18cmと19cnlである。スギ,ヒノキ
注2)Ryは収職比数のことで,林分の込み方の度合を
ともに樹高生長が10cmぐらいになると梢頭枯れ
示すものである。密度管理図において等樹高線ごとに
が発生したり,幹曲りなど形質劣化が生じてくる
最多密度線上の林分材積(これを1とする)に対する
ことを,私たちの二段林試験地(茨城県筑波)で
一定の材積比(0.9,0.8など)で示されているもので
認めているので,その点からも間伐が必要な時期
ある。
にさしかかってきているといえる。
なお図。1で相対照度は年次的に減少傾向を示
しかし白糸財産区では次の理由で間伐に踏み切
しているのは事実であるが,年次的増減が目立っ
れないということであった。すなわち下木を傷め
ている。これは測定時の天候の違い,または測定
ることが不安である。そして下木を傷めないよう
時間の違いが影響しているものと思われる。測定
に注意しながら間伐をすると,伐出経費が高くつ
はできるだけ同じ天候下で同じ時間に行われるこ
き採算が合わないということである。この問題点
とが望ましい。しかしそのことはなかなか難し
を次のように整理した。
く,相対照度は誤差の大きいものであることも心
得ておいたほうがよい。
(1)下木の損傷を極度に心配し,そのことが伐
出経費の計算を高めている。
さてヒノキーヒノキ林のRyが0.7と0.6の区
(2)現在伐出しようとする上木は一斉林で育っ
では相対照度が10%前後に低下してきている
てきたものであり,また良質材生産のための保育
(図・1)。これまでに得られた知識からして相対照
のなされていない一般材である。上木が複屑林施
度が10%を割ると下木の生長は大きく落ち,活
業下で育ち,よく管理されてきたものであれば年
力も低下しはじめるので間伐が必要になってく
輪構成,無節性に優れて材の単価力:高く間伐によ
る1>oそのことからするとRyが0.7と0.6の区
る収益が期待される。胸高直径がヒノキで20clll
はそろそろ間伐が必要ということになる。Ryが
以上(表・1),スギで30cm以上(表・2)あるのに,
0.7,0.6の区ともに樹高生長が目立って減少して
それで間伐の採算がとれないようだと複層林を維
きているということはないが,最近2年間の平均
持回転させていく原動力は乏しい。
林業技術No.5561988.7
9
(1)に関しては多少下木を傷めても大勢に影響の
造成に着手したことが間違っていたということに
ないことを認識すべきである。久万地方のスギー
なる。複層林を造成するときには,次にくる上木
ヒノキニ段林における上木の伐倒・集材作業によ
の間伐,または皆伐のことをしっかり検討してお
る下木の損傷率の例2)を見てみよう。1つは上木
くべきである。さらにいうならば,目標に応じた
66年生スギ,下木11年生ヒノキの林分で,枝条
施業体系を定めて複層林の造成に着手すべきであ
をつけたまま伐倒し,キャタトラ地びき集材した
る
。
もの(林分I)である。もう1つは上木67年生
さて静岡で行われた関東中部造林専門部会から
スギ,下木12年生ヒノキの林分で,枝払いをし
1年半たった62年の5月に,再び白糸財産区に
てから伐倒し,トラッククレーン地びき集材した
寄せてもらう機会を得,その後の施業の模様をう
もの(林分Ⅱ)である。生育不能の損傷率は林分
かがった。それによると3林分のうちの1つ,表。
Iで4%,林分Ⅱで2%であった。すべての傷を
2のスギースギニ段林で62年12月にヘリコプタ
含めた損傷率は林分Iで18%,林分Ⅱで23%で
ーを使った立ち木集材によって間伐を実行したと
あった。
いうことであった。
同じ方法で伐出を行っても林分構造によって損
25%(材積75㎡)間伐するということで自走式
傷率は変わるだろうが,仮に白糸財産区でもすべ
リモコン搬器使用による経費を試算したところ
ての傷の損傷率が上記のように20%程度とする
112万円であった。間伐木の収入が176万円だっ
と,表・1と2の林分では3,000本のうち2,400本
たので十分収益が得られたはずである。
が無傷で残ることになる。損傷木の分布がある程
一方ヘリによる立ち木集材は300万円以上かか
度均等ならば,樹高力式2∼3mでこれぐらいの本
るところを試験ということで,赤字にならないよ
数があれば全く問題はない。問題があるとすれ
う特別に行うことができたということであった。
ば,被害木が集中分布することで,被害木の分布
ヘリによる方法では確かに下木の損傷はほとんど
について調査解析していく必要がある。それによ
なかったが,経費,作業法などの点で普及には,
って損傷木の集中分布を避ける伐木集材法や植栽
なお検討を必要とする。自走式リモコン搬器使用
法などを検討していくことが必要である。逆に集
による間伐で収益の得られることがわかったの
中分布させて被害率を小さくし,作業能率を高め
に,あえてそれを避けたのは,下木の損傷をおそ
るという手も考えられる。この辺は今後の研究課
れすぎてのことである。先にも検討したように,
題として重要なところである。
多少の下木の損傷は許されるものとして,自走式
(2)の間伐収支に関しては現在造成中の複層林の
リモコン搬器等による地上作業の間伐を他の林分
多くに共通した問題であり,その経営において間
にも実行すべきであろう。あるいは,集材だけの
伐は複層林造成のための必要経費と認めるか否か
ヘリ使用も検討の対象となろう。
の判断を必要としている。必要経費と認めるなら
なお,表・2の林分は林内相対照度,下木の生長
ば速やかに間伐を実行すべきである。そうでなけ
から見て,間伐実行の優先順位は低いものであ
れば上木をまとめて皆伐し,そっくり下木に世代
る。あえてその林分から間伐を始めたのは,林分
の交代を譲るべきである。全部の上木をまとめて
面積が広く,かつ小さな試験区に細分されていな
伐出すれば-'一分に収益が上げられるはずである。
いのでやりやすく,採算上有利だったからであろ
伐出本数が多くなることで下木の損傷率は高まる
う。機械力を使った伐出のときにはこういう問題
であろうが,間伐を繰り返していけば損傷木の積
も伴うが,その検討は別の機会にゆだねたい。
算値は似たものとなるはずである。
2.目標に応じた複層林施業
上木の間伐もできない,また上木の皆伐もした
白糸財産区では長期二段林を造成・維持してい
くないということであれば,この時点で二段林の
くことを考えている。しかしその目標は必ずしも
林業技術NO.5561988.7
10
明白なものではない。同じことは全国各地に見ら
を短くし,③の長期にわたり要求される集約施業
れることである。そこでスギやヒノキ等有用針葉
の度合を緩和しうるものでもある。
樹を主体とする森林施業の利点と問題点を整理
2)長期二段林施業
し,それらのどこに重点を置くか,すなわち目標
複層林施業の利点①と②(短期二段林の目標)
に従った複層林施業体系に検討を加えたい。それ
に加えて③の保続性の高い森林の確保と④の良質
をはっきりさせておかないと訳のわからない結果
材・生産が長期二段林施業の目標である。良質材生
を招くおそれがある。
産は長期二段林(または択伐林)でなくても一斉
複層林施業の利点として求めようとしている大
きな事項は次のとおりである。
林施業でも可能であるが,③の保続性の高い森林
の確保こそ長期二段林施業の最大の目標といえよ
①皆伐に伴う表層土の流亡の回避
う。その意味から長期二段林施業は,択伐林施業
②下刈り労力の軽減(炎天下の苛酷な作業から
またはそれに近いものまでもっていくことによっ
の解放)
て究極の目標が達成される。④の良質材生産は③
③保続性の高い森林の確保
の保続性の高い森林の造成・維持のための施業に
④年輪総成,無節性に優れた材の生産
よって同時に達成されるものといってよい。
⑤幼齢時の寒さの害の回避(これは地域的なも
保続性の高い森林の造成・維持は林業経営の理
のであり,本文での検討項目からは外す)
念である。そのために長期二段林施業や択伐林施
一方複層林施業の問題点として次のものが挙げ
業は理想のものであるが,複層林施業の問題点の
られる。
①下木を'傷めないように_上木を伐出するのに手
①から③までをクリアせねばならず,技術的に高
度なものが要求される。
おわりに
間がかかり,伐出コストが高くつく
②下木は冠雪害に対して弱い場合がある
現在森林施業に要求されている大きな事項とし
③複層林は上木と下木の2層またはそれ以上で
て,低コスl、,公益性への考慮を高めることなど
光を受けるために,上木または下木を定期的
が挙げられている。これらはいずれも複層林施業
に間伐または枝打ちしていかないと,林床植
に関係することであるが,すべてを満たすことは
生を欠亡させることになる
矛盾をきたす。しかしこれらを混同させて何とな
1)短期二段林施業
く複層林を造成しつつあるところが多いのが現状
複層林施業の利点のうち①と②,すなわち皆伐
である。次号ではこれらをもう少し掘り下げて考
に伴う表層土の流亡の回避と下刈り労力の軽減を
え,複層林施業をそれぞれ体系的により詳しく検
目標とするならば,下木の損傷を気にした間伐を
討したい。
行う必要はない。その場合は主伐の10年ぐらい
前に上木を強度に間伐して(Ry0.6から0.5ぐ
(ふじもり〆かお鴬謹總長)
らい)下木を植栽し,下木が3nl余りに達し,下
刈りの必要がなく,上木を伐採すれば数年後に下
木が閉鎖すると見られる段階で上木を皆伐してや
ればよい。
この短期二段林施業は皆伐施業の欠点を避ける
ことを目的としたものであり,その目的を達すれ
ば複層林を維持することに苦労する必要はないの
である。それは同時に複層林施業の問題点①の伐
出の苦労を1回で済ませ,②の冠雪害の危険期間
林業技術No.5561988.7
引 用 文 献
1)安藤貴:複層林施業の要点,わかりやすい林業研究解
説シリーズ79,林業科学技術振興所,80pp,1985
2)得居修:スギ・ヒノキースギ・ヒノキ複層林施業:天
然林施業と複臓林施業一その考え方と実際,日本林業調
査会,325∼3!11,1986
3)静岡県林案技術センターより盗単醍供
4)早稲田収:非皆伐作業法(その2)多段林作業一総
説,これからの森林施業,坂口勝美監修,全国林業改良普
及協会b360∼373,1975
11
’
山井良三郎
木造住宅を分解すると
−部材別樹種。使用量一
’
’
はじめに
用量や構成部材の樹種などについて述べてほしい
わが国における木材の最大の需要先は建築分野
との依頼があったので,日本住宅・木材技術セン
であるので,建築物における木材利用の動向はも
ター(住木センターと略記)が調査した資料を中
とより,建築物の着工量の増減などを把握してお
心に,その一端を紹介することにする。
くことは,木材の需給の安定化を図るうえで,き
1.面積原単位の調査例
わめて重要である。なお,建築物には用途,構
建築の分野では,通例,建築床面積1㎡または
造,規模などによっていろいろの種類があるが,
それらの中で,木材の需給ともっとも密接な関係
1坪(3.3㎡)当たりに使用される資材の標準数
量や労働の標準時間などを求め,これを面積原単
にあるのは木造住宅である。
位と称し,資材や労働力の量的予測や原価計算の
特に,木造住宅の中でも,在来軸組工法は日本
基礎としている。
の林業や地場産業と深いかかわりがあるので,そ
木造住宅のうち,在来軸組工法住宅の面積原単
れらの振興を図るうえからも,その工法による住
位については,かなり以前から住木センターで継
宅建設に必要な単位床面積当たりの木材使用量や
続的に調査が行われているので,その結果の一部
労働力などの実態を,社会情勢の変化や需要者の
を紹介する。
ニーズの変化に応じて把握しておく必要がある。
たまたま,編集部から川上側の林木生産と川下
(1)53年度の調査
表・1の結果は,住木センターが53年度に日本
側の住宅生産の連係に役立つ情報の一つとして,
木材青壮年団体連合会の協力を得て,各道府県の
標記の題目で,住宅を建てる際に必要な木材の使
中堅製材所および木材店など101事業所から445
表・1地鐘別単位面積当たり製材使用量単位:㎡/㎡,()内は機成割合%
用
地
域|合計
東
陸
部
畿
0.1670
0.1130
0.1908
0.1368
0.2021
0.1301
0.1901
0.1195
中 国
0.1650
0.1075
四 国
0.1966
0.1312
九 州
0.1851
0.1221
全国平均
0.1845
0.1231
(“.7)
天 井
475688127
7
6
6
7
8
0
9
8
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
■0
●0
PO
号O
。0
●0
●0
■0
■
0
関
北
中
近
小 屋
639289172
4
8
8
6
0
3
0
4
7
2
2
2
3
4
4
3
5
5
0
0
申0
甲0
由0
り0
●0
骨0
■0
qq
O
0
0
0
0
0
0
0
0
0‘1112
壁
614637896
6
6
5
今
3
6
8
5
64
62
700
640
6
6
4
0
0
0
0
0
0
0
●0
●0
△0
●0
■0
●0
、0
■0
D
O
0.1594
床
236846570
5
8
5
5
5
9
1
4
9
6
4
4
5
5
4
4
5
5
0
各0
90
口0
。0
。0
●0
。0
●0
■
0
0
0
0
0
0
0
0
0
東 北
仕上材
4.35786064
4
7
1
1
2
1
1
2
4
叩叩叩叩叩叩的叩叩
■0
、0
■0
e0
●0
●0
■0
Q■
0
0
0.1313
2〃○3016794
3
7
6
8
0
7
7
9
6
”唾哩“““皿mm
G0
a0
■0
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早0
由0
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■
0
0.2486
7264今13992
3
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叩mma“”鯉““
■0
■0
a0
●0
■0
●0
●0
●0
●
0
構造材’│
下地材│造作材
北 海 道
|部位別内訳
途 別 内 訳
その他
0.0647
0.0200
0.0207
0.02“
0.0247
0.0250
0.0195
0.0152
0.0116
’
林業技術No.5561988.7
12
表・2用途別・部位別部材概要
部位’構造材|下地材
床
壁
舗掛難戦桁舗籔'蕊
他
荒床,捨床,その
柱(管柱,通し柱,その他),間柱,筋
かい,ぬき,まぐさ,窓台,その他
胴縁,ラス下地
木ずり下地,その
他
小屋梁,軒桁,小屋火打,
み木,母屋,_たる木圦たる
為瀞珈薑
なげし,しきい,かもい,たたみ寄せ,
ひとすじ,かまち,落し掛け,額,枠,
幅木,つけ柱,見切縁,方立,その他
天井
壁仕上板,外壁用
下見板,その他
野地板,瓦棒,瓦 (小屋造作材)
桟,その他
筋かい,雲筋かい,方づえ,その他
(天井機造材)
縁甲板,フローリ
ング,複合床,そ
の他
他
小屋
造 作 材 | 仕 上 材
(床造作材)
(小屋仕上材)
’
野縁,野
野縁うけ,
吊木,吊
吊木うけ,
板野縁,, そ の 他
天井回り縁,天井なげし,さお縁,その
他
’
天井板,合板天,
つき板天,その他
件の木拾い表(木材明細書)の提供を受け,その
㎡(2.168石/坪)となっている。これらの地域
中から木拾い表が比較的そろっているものを各県
別の数値が得られれば,地域の住宅の建て方や平
ごとに3∼4件選び,合計119件について集計し
面計画の特徴などを分析する手がかりが得られる
たものである。
ものと期待されたが,標本の抽出方法をよほど考
用途別の内訳のうち構造材はともかく,その他
の分類は発表者によって多少異なるので,ここで
の床(床組),壁(軸組),小屋(小屋組),天井
に属する部材名の概略を表・2に示した。
えないと,これらの数値から直ちに地域特性を推
論することは困難のようである。
用途別の内訳を見ると,全国平均では構造材が
67%で2/3を占め,下地材14%,造作材18%,
以上述べたほかに,軒,ひさし,戸袋,階段,押
仕上材1%となっている。また,部位別の内訳を
入れ,納戸,床の間,床柱,ぬれ縁,バルコニー,
見ると,床28%,壁34%,小屋20%,天井5
ベランダ,ポーチ,出窓,物入れ,棚,書院,玄
%,その他13%となっている。
関などの構成部材が挙げられるが,それらは主と
(2)59∼61年度の調査
して造作材に属している。さらに仕上材として補
住木センターは57年度,60年度にも面積原単
足材が挙げられよう。
一般に,住宅の建設工事を行う際には,設計図
位の調査結果を発表しているが,さらに59年度
から61年度にかけて「日本型木造住宅部材調査
書や仕様書に基づいて,原則として市場に流通し
普及事業」を実施し,その調査でも岩手,富山,
ている製材品の中から,工事に必要な部材を所要
茨城,長野,静岡,奈良,島根,高知,宮崎の9県
の数量だけ樹種,品等,断面寸法,長さごとに選
の行政および研究機関のご協力を得て,新設木造
び出しており,その調べた結果を表にしたのがい
住宅の面積原単位を求めている。その結果を表・3
わゆる木拾い表である。それらを集計すれば使用
に示した。表中の面積原単位および用途別内訳の
する木材の総量が求められ,各部材ごとに単価を
数値は59,60年の両年度に調査した149件の集
記入して集計すれば木材の総価格が求められる。
計であるが,部位別内訳の数値は59年度に調査
しかし,木拾い表の中には慣習上その拾い方に
した86件の集計である。9県で求めた個々の面
精粗があるばかりでなく,補足材の扱い方にも差
積原単位の範囲は0.139㎡/㎡から0.290㎡/㎡
異があるため,その結果は必ずしも正確なものと
で,平均値は0.196㎡/㎡である。
限らないので,確度を上げる際には,関係する設
計図書との照合が行われる。
表・1によれば,在来軸組工法住宅の床面積1㎡
2.面積原単位に影響する因子
わが国の在来軸組工法では,使用される木材の
寸法体系,平面計画における基準寸法(3尺,1
当たりの製材使用量は,東北の0.1594㎡から北
間,関東間,関西間など),内法の高さ,主要部
海道の0.2486㎡までに及び,全国平均は0.1845
位の構成方式,施工方法,造作関係の納まり等が
林業技術No.5561988.7
13
表・3地域別単位面積当たり製材使用量
単位:㎡/㎡,()内は比率%
部 位 別 内 訳
用途別内訳,
0.027
0.141
0.027
0.207
0.143
0.030
0.197
0.138
0.017
0.198
0.143
0.025
0.193
0.12フ
0.016
0.191
0.136
0.020
0.187
0.132
0.023
0.188
0.122
0.031
0.196
0.185
0.024
(100)
(
6
9
)
(12)
0.002
0.063
0.062
0.002
0.062
0.063
0.005
0.059
0.061
0.“2
0.056
0.068
0.001
0.072
0.061
0.015
0.065
0,050
0.004
0.066
0.060
0.004
0.058
0.068
0.005
0.050
0.067
0.004
(2)
’
0.061
0.062
(32)
(
3
2
)
2082501958,J
000000000q/t
0.134
0.216
30
4︽50
334
↓30
24今
39
0
● ●0
。 q0
a0
。0
■ ■0
6 01
平 均
0.191
84
69
33
,7
J
2
20
49
25
31
39
29O
2
0
0
0
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0
0
01
o0
D0
a0
●
0
0
0、
0ゆ
0り
0血
0◆
o●
f、
手山城野岡良根知崎
岩富茨長静奈島高宮
“.│・ョ,織鐘櫛,…,…, 仕上材|床|壁|小屋│天井│その他
0.013
0.013
0.005
0.046
0.023
0.014
0.012
0.013
0.007
0.017
0.012
0.030
0.CO9
0.015
0.007
0.026
0.010
0.014
0.011
0.021
(6)
(
1
1
)
システムとして完了しており,それを前提に構造
程度などによっても影響を受けるものと思われ
計算を行わないでも個々の住宅が建てられてい
る
。
3.部材の樹種および寸法
る。
古い時代の住宅は,地域の自然条件,社会条
これまで,床面積1㎡当たりの木材の使用量を
件,生産条件などの影響を受け,その平面計画や
用途別,部位別に概観してきたが,さらに細かく
建物形態に地域性が見られたが,最近のように,
部材の樹種および寸法などについて調査した資料
生活様式,建築材料,施工方法などが全国的に共
もかなり蓄積されている。前述の住木センターが
通化されてくると,地域に固有な特徴はしだいに
実施した「日本型木造住宅部材調査普及事業」の
薄れ,民家風の住宅,伝統的な間取り,特定の部
中でも,主要部材の樹種名,断面寸法,長さなど
材の樹種などに,わずかに地域性が残っている程
が調査されている。表・4に対象とした9地域に
度になってきた。
おける主要部材の樹種名を示した。木拾い表に記
先に述べた面積原単位の地域による差も,いわ
ゆる地域特性というほどのものでなく,調査対象
載された部材ごとの樹種名のうち,使用頻度の高
いものが示されている。
となった住宅の型式(農村型,都市型,折衷型),
通し柱や管柱は,長野を除く地域でいずれも国
グレード(普請の程度),床,壁,小屋などの主
産材の使用頻度が高い。通し柱の断面寸法は12.0
要部位の構成方法などの差異によるものと思われ
cm角が首位で,10.5cm角がこれに次いでいる。
る
。
管柱は10.5cm角が首位で,12.0cm角がこれに次
すなわち,床に関しては,部材の断面寸法と配
置,梁のかけ方,床高,床の型式(和・洋),壁
に関しては,間取り,部屋の高さ,壁の開口部の
いでいる。なお,奈良では通し柱に13.5cm角が
使われる例もある。
土台は耐久性の観点から,長年使われてきた地
大小,壁の種類(大壁・真壁),屋根に関しては,
域産材が選好されている。輸入材では防腐処理し
屋根の型式(切妻,寄棟,入母屋),屋根勾配,
たベイツガ,ソ連カラマツ,ベイヒバが使われて
●
屋根葺材の種類,小屋組のかけ方,軒あるいはけ
いる。土台の断面寸法は10.5cm角が首位で,
● ●
らばの出,部材の断面寸法と配置などのいかんに
12.0cm角がこれに次いでいる。地域によっては
よって,木材の面積原単位は変化する。このほ
10.5×12.0cmのものも使われている。
か,住宅における木材の使用量は,新建材の採用
間柱,大引,根太,たる木,母屋などは,国産
や加工機械の進歩による施工技術の変化,住宅機
材ではマツ,スギ,ヒノキ,輸入材ではベイツ
器の普及による工事仕様の変化,法律上の規制の
ガ,ベイマツなど使われているが,富山でたる木
林業技術No.5561988.7
14
表・4対象地域における主要部材の樹種
ス ギ
ス ギ
ベイツガ
ベイツガ
ベイツガ
ヒノキ
ヒノキ
上ノく
ヒノキ
ス ギ
ベイツガ
カラマツ
防 腐
ヒ ノ く
腐キバ
ヒ
ノずぶ︲
防ヒベ
123
F −
ソ連カラ
防 腐
ス ギ
ス ギ
ヒノキ
ヒノキ
ヒノキ
ス ギ
ヒノキ
ス ギ
防 腐
防 腐
ギキッ
ノ
ベィマッ
マ ツ
ス ギ
ス ギ
レ ノ 生
T 戸 夕 ▼
ヒノキ
ベィマッ
ス ギ
ベイマッ
ヒノキ
マ ツ
ベィマッ
ギキッ
マ ツ
ノ
ヒノキ
ベイツガ
ベィマッ
スヒマ
ノ振
ベイマッ
ツギキ
ヒベス
マ ツ
キッギ
ノ権
キッギ
ヒベス
’
ス ギ
ベスヒ
病ノ
ヒノキ
マ ツ
ギ
イマツ
ス ギ
ヒノキ
イツガ
ノ
27.0cm,30.0cm,36.0cmのものが多い。
よび母屋の断面寸法は9.Ocm角と10.5cm角のも
おわりに
のが多いが,母屋は地域によっては12.0cm角
ギキッ
スヒマ
マ
ツツギ
イ
ベマス
マ
ツツギ
マ ツ
注:木拾い表から主要部材の樹種について,上位のものを掲上した
にソ連エゾマツが使われている例もある。大引お
口
ス ギ
スヒマ
マ
シギッ
ヒノキ
ス ギ
ツッギ
マ ツ
ベィマッ
ヒノキ
ス ギ
ベスマ
ヒノキ
ツギキ
ベイツガ
ベイマツ
ベマス
ベイツガ
ベイマッ
ベイツガ
ス ギ
ベイマッ
マ ツ
イ
マ
ツツギ
ベイマッ
イ
マベス
123
マ ツ
ス ギ
腐ツギ
ツ
ヒノキ
ス ギ
イ
ガギッ
ス ギ
イツガ
マ ツ
マ
ベイマッ
イ
ス ギ
ベマス
マ ツ
ス ギ
マ ツ
マベ
123
母屋
マ ツ
ベイマッ
ベイツガ
ベスヒ
︾〒
イツガ
ソ連エゾ
ベイマッ
ベイツガ
病ノ
スベ
ツ要子バ
マスヒ
123
たる木
ベイマッ
マ ッ
マ
ベスマ
マ ツ
ツ
ベイマツ
ガギッ
マ ツ
ヒノキ
イ
123
マ ツ
マ ツ
宮 崎
ヒノキ
ベィマッ
イ
ス ギ
ヒノキ
ヒ ノ #
ス ギ
防ベス
ベイツガ
ベイマッ
島 根
ベイツガ
ヒノキ
ツ
ツギキ
ノ
マスヒ
123
マ ッ
ベイツガ
桁差
ベィマッ
ベイツガ
ヒノキ
ベイマツ
ヒノ噂
マ ツ
ベイツガ
梁。
・胴
ス ギ
ベスマ
ス ギ
防 腐
イ
ガギゾ
ベスソ
123
ツエ
イ連
ヒノキ
ヒノキ
腐キッ
ヒノキ
ス ギ
ノ
ベイツガ
ヒノキ
防ヒマ
ス ギ
ヒノキ
ギキッ
ス ギ
ベイツガ
│茨城 │長野 │静岡 │奈良
ノ
123
ー
1
管柱 土台 間柱 大引 根太
ベィッ
ベィヒ
ス ギ
ベイツガ
ベィヒバ
スヒマ
ス
ギガバ
123
通し柱
│部材│順位│岩手
富 山
10.5cmなどとしているものが多い。間柱の断面
紙面の都合で十分に意を尽せないが,この小文
で紹介してきた面積原単位,住宅部材の樹種およ
び寸法などを系統的に,かつ継続的に調査し,そ
の結果を整理しておくことは,木材需給の安定化
や製材規格の合理化を図るうえで,きわめて重要
寸法は真壁と大壁とで異なるが,1辺を3.0cmま
な課題である。
たは4.5cnl,他辺を4.5cm,9.0cnl,10.5cm,
なお,最近,日本木材備蓄機構より『木材需要
動向総合調査』に関する報告書が発表され,その
中に各種の建築物に使用される木材の面積原単位
12.0×15.0cmのものも使われている。根太,た
る木の断面寸法は地域によってかなり分散してい
るが,1辺を4.5cmとし,他辺を4.5cnl,6.0cI11,
12.0cnlなどとしているものが多い。
・小屋梁の樹種は,国産材ではアカマツ,スギ,
カラマツなどで,輸入材はベイマツ,ベイツガ,
ソ連カラマツなどである。断面が円形の丸太と矩
形の角材が用いられており,丸太の末口寸法では
などが詳述されているので,参考にされたい。
(
や
ま
い
“
う
ぎ
綴
ろ
う
“
)
日
本
住
宅
木
材
技
術
セ
ン
,
_
繍
…
)
18.0cm,21.0cmなどが多用されている。
梁,桁,胴差の樹種は,小屋梁と同様である。
断面は多岐にわたるが,幅は10.5cm,11.5cm,
12.0cmの3種類で,梁せい(高さ)が10.5cm,
12.0cm,15.0cm,18.0cm,21.0cm,24.0cm,
林業技術No.5561988.7
〔訂正〕本誌555号(6月号)に掲戦しました「山村観光開
発と環境保全」の中で錐者(柳次郎氏)の職名を前職
名のまま褐戦しましたで,次のように訂正いたしま
す ( 編 集 部 )
(正)林業試験場経営部軽営鮒一科長
15
佐保春芳
折れたばかりの生枝は切り落とそう
一心腐れについての考察一
はじめに
マツの梢端にでき,その重みで梢端が折れ,つい
樹木には生長阻害や枯死等のさまざまな病害が
でその部分から菌が侵入して幹に腐れを生じたの
ある。とりわけ収税時に材価を下落させる心腐れ
である。特にカラマツの枝は折れやすく,少しの
や根株腐れは,事前にはわからず伐採して初めて
霧氷が付着しても風によって折れて損傷を残すこ
気がつく病害であり,最も重要な病害の1つであ
とになる。霧氷による梢の折損が繰り返されてい
る。本病は,枝から病原菌が侵入して幹に達し,
るために,梢端部には枝の折れたあとがいくつも
幹に傷や心腐れを起こすことがよく知られてい
あったし,正常な先のとがった樹形を作らず,梢
る。この場合,枯れた枝から菌が入るといわれて
端部が丸くなった樹形となっていた。
いるが,本当にそうだろうか。もしそうだとする
したがって,霧氷地帯にカラマツを植えないこ
と手入れ不足で枝打ちの遅れている林分は枯れ枝
とがよいし,また梢端が折れにくいトウヒ属やモ
が多く,したがってきわめて高率に心腐れがあっ
ミ属のほうが損傷がなく,新植するときはシラベ
てもよいことになる。また天然林では当然なこと
がよいと提案している。
に下枝が自然に枯れて落ちるわけだが,その枯れ
枝が原因で,100%の幹に心腐れがあるとは聞い
ていない。
この事実を別な角度から見ると,次のことが浮
かび上がってくる。
太い枝や幹から出ている折れた枝は先端の緑葉
しかし,現実問題として心腐れが生じている
を生ずる部分が脱落しているが,すぐに枯死する
が,この場合の菌の侵入場所はどこなのだろうか
わけではなく,しばらくの間は生きているのであ
考えてみたい。
る。先端の緑葉が欠損しているために栄養分は流
(1)観察例一富士山のカラマツの心腐れ
下してこないし,また水も吸い上げてくれないの
筆者の疑問に対する解答の1つが,富士山のカ
で,枝だけでは生きていられないことになり,ゆ
ラマツ心腐れ調査の結論である。この調査は20
っくりと枯死に向かう。どのくらいの期間生きて
年以上も昔に行われたもので,林業試験場菌類研
いるかはよくわからないが,しばらくは細々と生
究室の成果である。
命を維持しているはずである。そこへ菌が侵入す
すなわち,心腐れの被害は本数で90%に及ぶ
る。ナラタケやマツノネクチタケが細々と生きて
部分もあり,材は使い物にならない場合が多かっ
いる伐根の形成層に第一の足場を作るのと同じ
た。病原菌はチウロコタケモドキとミヤマシロア
く,幹の腐朽菌もやっと生きている栄養分も水分
ミタケであった。被害部位は幹の上部に集中して
もある枝に侵入すると考えられる。本当に枯れて
いた。この調査の結論を述べれば次のようであ
しまったら,栄謎分も含水率もともに乏しく,腐
る
。
朽菌の生育には不適当である。
この調査地は霧が多く,特に冬期の霧氷がカラ
(2)実験例-1T""zp(mis""pqpo(I加接種
林業技術No.5561988.7
16
1
,
c
ド
型
一
1
L
▲
‐
も
=
〆弛争一画壬、』
毎
写真・1黒い粒はT.h""0虚αの子実体で,大i
大きさは直径1∼3mm。
蚤1∼3mm・樹皮の上に生ずる(高橋郁雄氏原図)
枯れてしまった枝は菌の侵入門戸になりにくい
かどうかを知るための筆者の実験である。ただし
供試菌は材質腐朽菌ではなくn''"力α"iSノWo・
加伽〃である。この菌は弱い菌であるが,この点
が逆に接種できるか否かは宿主のほうの状況で決
まるため,実験には好都合である。
イの枝は元気に生き続けているので,当然接種は
不成功であった。
もし,王〃y加加〃αが強力な菌であったらイ
の枝でも接種できたであろう。我々がまだ生きて
いると判断しているような枝でも,自然状態では
マツの場合はその前にすでに死にかけていて,
この菌はストローブマツに寄生して,枯れ枝で
T."""0〃αが最終的に枯死させた例があった。
まだ先端に枯れた針葉が着いているような状態の
イの区分でも後になって緑葉も枯れてしまったと
ときに,子実体を認めるし,緑葉の着いたままの
枝を切り落としたときも,たくさんの子実体が生
きは接種は成功した。
ずる。
枝には侵入して子実体を形成するが,元気な枝に
本実験にはストローブマツが用いられた。植栽
後約10年生のストローブマツの枝を次の3通り
は侵入できないようであり,同時に枯死し乾燥し
ている枝もまた,寄生の対象ではないことが明ら
に区分した。
かになった。
イ先端に緑葉の着いたままの枝
ロ先端の緑葉の部分を切り落とした枝
ハすでに完全に枯れてしまった枝
これらイーハの枝は,すべて生きている幹から
すなわち,T.伽〃"0〃αはすでに弱っている
ところでこの実験結果を発表しなかったのは2
つの理由があった。
第’は緑葉を切り落としたロの枝で,接種しな
かった部分にもT・加砂”0戒αや"o/gcO72gc"ifz
伸びていて状況は同じである。次にこれらの枝に
cz""γ6"z"αの子実体が自然状態で発生したため
すでにT・恥妙qpo〃αの寄生している他の枝を縛
で’接種部に生じた子実体は疑いもなく接種の結
りつけて,その後は自然状態で感染するのを待っ
果であると判断できるが,そうではないと言い切
た。これらの枝のうち,接種が成功して子実体が
れなかったためである。同時に行ったS.czicz"'-
形成されたのはロの枝だけであった。ハの枝はす
6"郡zαの同じ方法で行われた接種実験もまったく
でに枯れているので子実体形成がもっとも盛んで
同じような結果となった。野外での接種実験では,
あると推定していたが,実際は不成功であった。
他からの自然感染は止むを得ないことである。
林業技術No.5561988.7
17
第2は緑葉を残したまま接種はしたが,その枝
部分から上が枯死してしまう例が多く,接種しな
がすでに枯れかけていたと思われる状態があった
くても枯れたこともあって子実体を形成した率は
ことである。肉眼的には元気そうでも実はすでに
低かった。
枯れ枝になる寸前であったかもしれない枝に接種
しかし,残った苗ではドライアイスによって急
したことは十分考えられる。若い人工林の下部の
激に凍結させられた部分は死んで,菌が侵入した
枝は次々と枯れ上がっていくのは当然で,この点
ことは事実であり,まったく無処理で野外に放置
の見方が甘かったのであろう。
した苗に対しても接種は不成功であった。これら
これらの実験で明らかになったことは,病害発
生には条件が必要で,枝が元気でも,また表皮に
の事実から,樹皮に深い傷ができるか,または極
度に弱ったときに菌が侵入することが明らかとな
しわのできているような枯れた状態でも,ともに
った。自然状態では強風により折れ曲がったり,
接種では子実体を形成しないということである。
寒風による凍害で樹皮が死んだときに菌の侵入を
すなわち,木のほうが元気なら弱い病原菌は侵入
許すのであると考えられる。
できないことを示している。
(3)実験例-2Lach"e"邸ZaP加i接種
一
議
同嗣
樹病学は理論的な数学とは異なり,実験の前に
この実験は現在の林業試験場菌類研究室の阿部
先の先までの細部にわたって推測できるわけでは
恭久氏によるものである。この病原菌はハイマツ
ない。たとえ接種実験が成功しても,実験1で述
やストローブマツの胴枯性病害を起因するもの
べたように“枝が弱っていたから菌の侵入に対し
で,相当に強力な病原性を持っている。
抵抗できなかったのであろう”との1つの推論が
接種は,釘で針による種痘のように樹皮に穴を
入ってくる。いうなれば,状況証拠で固めていく
開けるものと,熱した釘で穴を開けるものの2種
が実施された。釘で穴を開けると樹脂がにじみ出
形が樹病学には不可欠である。最初に述べたカラ
してくるが,菌は侵入できて樹皮に変色が現れ
で証明しなければダメだとすることで解決できる
た。もちろん焼いた釘で穴を開けたときも接種は
成功した。この場合,単に釘で穴を開けた場合は
熱した釘を用いたより低率の成功例となった。
次に筆者の実験であるが,釘を用いず,ドライ
だろうか。類似の実験例や状況証拠を基にある考
アイスによって傷を作る方法が用いられた。この
いるが,薬効について西洋医学のように100%明
マツの心腐れも,実験しにくいことなので,実験
えを導き出して防除対策が立てられれば,それも
また,進歩であると筆者は考えている。
現在漢方薬が見直されて,広範囲に使用されて
実験は林業試験場東北支場において行われた。ま
らかにされているわけではない。漢方医学の根底
ず初冬にストローブマツの苗木の2年生枝にドラ
にあるものは,病気を含めて人間の体を考えて,
イアイスを15∼20分間押しつけ,その後は①-
体のほうの健康度を増進させて病気を押さえ込も
10。Cの寒害実験室予備低温室内に3日間放置,②
うとするのである。長い歴史のうえで,この薬は
そのまま温室内に放置,の2通りの処理をし,初
この病気に効果があるというのは明らかにされて
春になって培養した菌を接種した。①は野外気温
いるが,どの成分が病気のどの部分に効いている
が-10。C以下になる冬期を経過して,ドライア
かは鮮明でないことがある。
イスを押しつけた部分からその周囲の変色は明ら
このような漢方医学的な考え方が樹病学にもあ
かであったが,②は温室内にあったため生育して
ってよいと思う。例えば,枝打ちをすると若い松
樹皮の表面だけの変色にとどまった。
林で葉ふるい病が軽くなり,松の生長もよくなる
これらの①と②に対する接種試験結果は,①は
事実がある。枝打ちによって地上付近の空中湿度
成功して子実体の形成を見たが,②は不成功であ
は下がり,胞子の放出や発芽に不適当な状態とな
った。特に①の場合はドライアイスを押しつけた
り,さらに胞子が濃厚に感染する地表に近い部分
林業技術No.5561988.7
18
の針葉もないので感染量は減ってしまう。これら
葉樹でもキリの胴枯病や腐乱病の大きな病斑の中
の関係を1つ1つ証明していくには莫大なエネル
央に枯れ枝が残っているのが普通であるが,これ
ギーと時間を必要とする。細かい証明はなくて
も実は枯れた枝から菌が侵入したといわれている
も,現実には病状は好転しているのだから,これ
が,折れたばかりの生枝からの侵入であったかも
で防除の目的は達していることになる。心腐れも
しれない。ただ,この点についての証明はない。
その1つ1つは証明しきれないが,いくつかの事
しかし,上記の各例から推測して,何らかの理由
例から,折れたばかりの枝が原因らしいことはわ
で折れた枝から菌が侵入したと考えてもよいであ
かる。またそのような枝に自然状態で子実体を見
ろう。
つけることも多い。
富士山のカラマツの場合,ごく若い,∼2年生
むすび
枝が折れても,心腐れ病菌の侵入を招かず,数年
病害発生には菌の生育に適した条件とともに,
生以上(直径5cm以上)の枝が折れたときに心腐
木のほうの感染しやすい条件が必要であることを
れ病菌の侵入があったと思われる。このことか
述べた。強力な菌であれば,木のほうがどのよう
ら,心材化が始まってから折れた枝が菌の侵入場
な状態であろうがおかまいなしに侵入しては発病
所になるといえそうである。したがって,少し太
することになる。ただ,樹木病害では,強力な菌
くなった枝が雪や風で折れたときは要注意とな
よりは何か宿主に侵入するため好条件になるのを
り,幹の付け根から切り落としたほうが将来のた
待っている菌のほうが多いと思うし,幹の心腐れ
めによいであろう。
や根株腐れの菌は後者に属している。したがっ
前述したとおり,病害を扱う場合には数学とは
て,風や雪で折れたばかりの生枝は絶好の侵入場
異なり,たとえ接種試験が成功しても,細部につ
所になってしまう。
いてまではわからず,どこか筋道を立てて考える
現在,材価が下がって手入れをしないことが多
ことが必要になってくる。長い間には,推理して
いが,将来の材価を考えたら,折れた生枝を残し
いた部分も研究の進歩によって埋められるし,最
ておくことは大きな損失につながる可能性があ
小の努力で目的を達成できるような施業方法も各
る。富士山のカラマツがこのことを示している。
部門の協力で明らかになるであろう。
これまでは針葉樹を念頭において考えたが,広
(さほはるよし.前林業試験場保護部樹病科長)
刊行のご案内
林野庁監修
(財)日本木材備蓄機構発行
(社)日本林業技術協会編集
くらしと木鬘製皇蕊
A4変型判4色刷・24頁
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東京書籍発行
林業技術No.5561988.7
森林の1叩不思議
四六判・222頁
定価980円
19
林野庁厚生課
国有林野事業におI掲
蜂刺され災害の現状と対策
1.はじめに
昭和62年度に営林署の作業現場で峰に刺され
て死亡するという災害が3件も発生した。それ以
前にも昭和40年度から昭和61年度までの22年
間に,4人が蜂に刺されて死亡しており,5.5年
に1件の割合で発生したことになる(表・1)。
昭和57年度から昭和62年度までの6年間に,
国有林野事業で蜂刺されにより治療を受けた者の
数は,1,763人であり,最低が昭和57年度の199
キイロスズメパチの巣を占拠しているオオスズメバチ
人,最高が昭和62年度の412人で,6年間の平
均は294人である。なお,地域的には全体の2/3
っている(表。4)。ちなみに毒ヘビ等による死亡
が青森,秋田営林局管内で発生している(表・2)。
者数は年平均14.8人であり,蜂の被害のほうが
昭和62年8月にとりまとめた調査によると,国
毒ヘビ等の被害よりはるかに多いのに,その実態
有林野事業に従事する職員のうちで調査できた職
は世間でもあまり知られておらず,最近になって
員40,382人の68%に当たる27,258人が蜂に刺
やっとマスコミや関係省庁で取り上げられるよう
された経験があり,3,034人が蜂刺されによりシ
になった。
2.蜂刺されの恐ろしさ
ョックを経験している。これは,調査した職員の
峰刺されで最も恐ろしいのはアレルギー反応に
8%,蜂刺され経験者の11%に当たる(表・3)。
11
44.14904464257802
i
1
3
4
1
2
1
1
2
合計
ワ]
高 知
熊 本
育祇鵯
1
下刈り.周囲Ⅷi,t, 安全点検中
241
6
31
1i
1
1i
1
ミーティング‘│’
大 阪
1
小︲|
E−
数一
,1111137
y
亡↑
波棚蝿弱“|鯉計
下 刈 り
’
1
1
1
籍古股
5
22
56
21
1 21047”2“
1 5抄66
つる切l)
州
館
森
剛
怖
京
野
23
被災水‘捌從
函
青
秋
前
東
催
582
69
17
4 31
1 01
6 38
218
2
1
1
7
北 見
幣 広
句
最高は昭和59年度の73人,年平均は40人とな
マー︽J91424856061−910
旭 川
1ワー26119
北海道
間で320人にのぼり,最低が昭和55年度の25人,
表・1昭和40年度以降蜂刺されによる死亡災害
211797
諒藍両一遥墜’57158159160161162
8703668035075929
者数は,昭和54年度から昭和61年度までの8年
618
0 91
6 83
200
20
700
112
2
9
3
表・2年度別蜂刺され災害件数
厚生省の人口動態統計によれば,蜂による死亡
注:()は,死亡災害で内省である
林業技術No.5561988.7
20
表・3蜂刺され経験者の調査
潤盗職貝数
2871
945。2.690
術 広
'イイ館
T!f.if
2.765
“も2.748
1.620
別玲1.355
5,971
91も5.430
秋H1
6.651
“先6,393
前 橘
3.617
刷vロ3.029
蝋 点
腿 野
2,297
74"61.703
3.()20
<75島】2.259
満古雌
1,780
好1焔)1,497
大 阪
尚 知
熊 本
2.851
“魅’2,822
2,281
'85略)l‘938
4,374
1脚岬3.955
合‘;│・
15.385
18リ恥14().H82
145
242
580
60
90
269
172
162
95
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295
1
(
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9
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求総
一
調代駁11
数に対する斗!
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験肴
調炎職&{
敵に対する錦’
人 数
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北 兄
227人
1
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北海道
旭 川
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1・1
2242。9
72
人数|鶏島蕊&’輿シ農
1
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4■8
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凸胤
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刺 傷 畿 駿
職艮総数
(61.4.1現在)
743人
37。v
1,179
47
504
19
619
23
661
49
1,015
19
3.964
62
870
29
391
23
512
23
0
0
565
20
888
46
1,213
31
1閲,124
32
注:昭和62年8月とりまとめ
ひひ■■
4
00◆0
27
1
1
0
2
3
2
(
〉
2
16
人
118人
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人
3
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1
人
9
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034
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138
1
7
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人
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人
1
2
0
0014104
1
ー 一
人
56
70090ワー9
人
1
つつが虫
H本住1m噸虫
30ワ︼5018
ムヵデおょ獅燃ヤスデ(アリ.MI
21
スズメバチ,キパチおよびミツバチ
人
サソリ
1
008013
1
鞭グモ
ー ー
nb
0701−
2204
表・4有毒昆虫類等による死亡者數(全国)
原因となったイf.雌蛇虫雛等154年度
錐ヘビおよび碓トカケ
58
厚生省大臣官房統計儲報部寅料「人口動態統計」による
よるものであって,初めて蜂に刺された場合,数
ない。
匹の蜂に刺されただけでは生命を脅かすような大
死亡の多くは,上気道の浮腫による窒息死であ
事には至らない場合が多いが,2回目以降に刺さ
るといわれており,蜂刺されの場合は,15分程
れると,初回にできた抗蜂毒抗体と,新たに体内
度で症状が発現し,死亡例の66%は1時間以内と
に注入された蜂毒抗原とが抗原抗体反応を起こす
いう報告もある。
といわれている。中等度の症状では,口内のしび
3.どんな蜂にどこを刺されるか
れ,頭痛,めまい,腹痛,下痢,はきけ,ぜいめ
人を刺す蜂の種類も地方によって異なるが,一
い(分泌物がからんで呼吸のたびにのどがぜいぜ
般に蜂に襲われるのは不意討ち的な瞬間の出来事
ふしゆ
いすること)が起こり,全身に浮腫が出て,重症
であるから,正確な名前を判別することは困難な
になるとさらに呼吸が苦しくなり,全身の力が抜
ことが多い。青森営林局管内で昭和61年度およ
け,意識は明│朧でなくなり,錯乱状態になったり
び62年度に蜂刺され災害を起こした加害種のう
するといわれている。
ち種類の判別しているものは,クロスズメバチ,
重篤な症状はアナフィラキシーショックといわ
オオスズメバチ,キイロスズメバチ等のスズメバ
れるもので,全身の発赤,じんましんあるいは血
チ類が64%で,アシナガバチ類は36%であった。
管浮腫,喉頭・咽頭・口唇,舌の浮腫,ぜいめい,
また秋田営林局管内で昭和62年度に蜂刺され災
チアノーゼ,虚脱,尿や便をもらす,意識障害,
害を起こした加害種のうち種類の判別できるもの
四肢のけいれんなどがみられ,血圧が下がり脈も
は,キイロスズメパチ,クロスズメパチ等スズメバ
ふれにくくなるといわれている。ここまで重篤に
チ類が75%で,アシナガバチ類は25%であった。
なると一刻を争って救急措置をとらなければなら
昭和61年度の蜂刺され災害の部位別件数は,
林業技術No.5561988.7
21
表・5昭和61年度部位別蜂刺され災害件数
大 版
I研知
1
1
〃
月
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(
1
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1
4
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注:()は,死亡災害で内響である
2
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)
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その他の'胎郁位
前 橘
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1
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秋H1
1
3
4414904464ク﹄5戸﹄8,﹄
胴体と肢体
青 森
24631
腹合部位
函 館
000001010100003
上叫∼前脚
蝋部と胴体・頭部
と脚臘
1
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釧
.
幣 広
8
)
〈
1
計
.
#
1
旭
1蛾の似釧附
1
嗣体の{齢部位
6 1 心 1 1 ︽ 1 0 。94
胸部
胆部
腰部
大腿∼下腿
足竹
北 兇
01U11蝿Ⅲ5102010粥
8
(
1
)
貯部
胴 体
僻部
│、.11世
蝋部
72
2
1
1
1
蛾ル1!
計
旭 川
891101111合計
26002調犯7200321“
計
10
北瀧道
261
噸部の似合部位
│獺の悩合訓力
蔑雨 廻16
0911232633u0224
顔而
34
190ワ︼13
|吃573諏釧
1
耳
頭 部
上 肢
手
︻″f
眼
193
弧蓋部
表・7昭和62年度月別蜂刺され災害件数
区 分 | 件 数
000111230柵n021Ⅲ
件数
899264
I X 分
顔面が92件で全体の35%を占め,これに眼,頭
顔面が92件で全体の35%を占め,これに眼,頭注:()は,死亡災害で内書である
蓋部等を加えた頭部は134件で51%である。さら
蓋部等を加えた頭部は134件で51%である。さら4.いつごろ刺されるか
に頚部の8件および頭部と他の部位との複合部位
に頚部の8件および頭部と他の部位との複合部位昭和61年度と昭和62年度の月別蜂刺され災害
12件を合わせると154件となり,全体の58%を件数を見ると,6月から11月であり,まれに3月
占めていることから,防蜂網等による頭部・頚部に刺されているが,7月から9月に集中している
の保謹が重要である。(表・7)。
次いで上肢が72件で27%を占め,これに下肢社会性蜂と呼ばれる集団生活をする蜂の場合,
との複合部位7件を加えると79件で全体の30%ミツバチを除くほかの蜂は,春にただ1匹の女王
程度は上肢を刺されている。中でも手の34件と蜂が巣作りにとりかかり,初夏になって働き蜂が
手首の4件を合わせると38件となり全体の14%生まれ,しだいに巣は大きくなって,働き蜂の数
を占めていることから,手袋の役割も大きいといも増えてくると防衛力も高まって人が刺される機
える(表・5)。会も多くなる。
事業別蜂刺され災害件数は,造林が最も多く,アシナガバチ類は,いずれの種も巣が最大の大
昭和61年度は77%,昭和62年度は71%を占めきさに達するのは7月下旬から8月で,人が山で
ている(表。6)。刺されるのも7∼8月が最も多いといわれてい
表・6事業別蜂刺され災害件数
一
1
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1ワ︼
1
(1)33
1
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(
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121034141100007ゥ︾63
)
(
U000115000001008
(1)1
3018
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)
(
184227191104.3407
)
(
二
22536661今210477リー4
度
│ 6 1 f i
その他
計|製品生産|造林l林道
○斗l
幸二卸
一
582
69
177
431
106
3ワ8
ー18
2
1
1
1
腱
その他
1423347
1 1 0 0 0 1 0 1 H3
1
01010リ﹄6010いり00011
1
.
制
4690675311り6000$
抑
11571鋤
凸
0712089
0 0 0 0 0 2 2 0 14
1
海
道川見広館緤田補京野屋阪知本場
北旭北幣函帝欲削来任緒大間熊育
鳶職 退萎
6(}郭
製品生産|造林|林遊
注;()は,死亡災害で内書である
林業技術No.5561988.7
22
チの恐怖
スズメバチ
今
−スメパチ,クロスズメパチ(チ),
アシナガバチ等噸をつ唯しkう
ハチ建雄陳危険砥趾虫です.直よう事象髭おいては。今年度飼檎局彊侭で1人がアシナガパチに燭
61単度に陣審遮支鰯菅内も1人がクロスズメパナに射されて死亡しておりまオ・・また.釣、順展では
駕職,!
で.59単暉と61年度に括れぞれ1人スズノパナ医剥さ孔死亡して泊ります.
…‘’、.と‘,うように零…‘、‘'…・-蝿−−−−−一…壱一
、
j
鮠
】
"、づ毎6謹詫仁一1墾顛01秒=力、
a=、うぉ&=卵1」さ才Lたら
届んで卜、&ハチを哩膿‘斜通したり.ハチの臥を鰯数したりすると.もち
ろん斜畠れ正丁が.スズメパナ.クロ黒ズノパチ.アシナガパチは掻団生
沿t凱唯84の技.切り緑の中.土伽中芯ど隙々》曇してむり‘其の一定随
馴内罠近番司ただMでも一芥健攻挫して8吉す.
''1塗f塞蕊垂重重と型つくよう腱飛び回愚ときは要注恵I
慨
で
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ル
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“
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一
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…
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…
…
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全=、靱岩C逗卵ljさ』純.党産し、ソ筥や↓こ↓鋲
のハナカlいeX鋤炭ぴ立ったり‘まとわりつくように氏び園るとさば.
。uを職め休金効かき厳いようにずる’tハナば効くものを騒的侭する.)
。者の価.ハチと艮剣方伽へ帥かにあとヅさりして,その堵から違さ
か6.
①廊針が残っていたら.蝿嬉ち陞りI薄挫くとともに,島は酒も‘6穂↓ナ早
く硬い出し、水で碇い砿1..
②腕ヒスタミン剤砿晶うか‘糾冊皮撤喉ルモン踊帖こう壱ぬり,塾餡琶
冷やす.表た.シ可クク暖験牡について1名,幾陣の踊狙のもとに腕ヒス
タミン瞳荊捧をI剛テさ世る.
①ハチシ嘩サク経賎行が別を机た嶋○や.そのMlu》柵であっても、量も
勉蔭とされる諏偏等を剥さ札た嶋倫は.一AI(,聴く哩鞄の乎圏を愛IFろ
−
④ じ ん ユ し ん ‘ 呼 吸 園 翻.低血圧.発舶などのシ宙ツク錘状があらわれ
た嶋倉の救急概説とし て【&.
O原則としてなるぺく単《鰹鞭蝿間へ蝿ぶ.牧鯉珊‘クソ力枠を川し、
ろ.llj⑯鯉L,所で彬釛、兜と判断したら.Cやみに軌かしたり.醐力
妙行Iエ馳対値させない.
Oinってくるハツか多6,とaは.で心ろだけ週くへ遜lyろしかないが,
I∼2匹のI#は近くの淡み虻どの6ド侭伏せ飛び去るのを将っ.
O狐いかけてくる1M肱,手近芯*の松.乎批い‘その他布り合わせの
物を噸上で震り圏し躯がら逃げる.もちろん鼠を揃Mルないようlこず
くaですが.大型のハナは脳の.上から‘“けことがあるので気をつけ
る必梗があり唆す.
O刺された部位暑溢やし‘愈鰍があれば戟嬉餌を飲浬,せる.
oベルト,地下足唆,乎護.税臘等‘体をI別jけている駒をゆるめて
やる.
O辻く嶋霧に側孔ての体位に窟か。u,気迅ぞ蘭侭する.
O呼吸が停止(微騎になった塔合を竹む)した場も18.遡やかに人エ
呼吸等を桁う.
②シ甘ワク腿験瀞については,作寵の地17方向に同かって投方に趣証す
ることや.町飽唾融り歩遡等の近くに農遼する北どの偲嘩も必要通す.
【林野庁tjV畿糊・盟勝鍋一源】
図・1蜂対策をよびかけるチラシ
る。スズメバチ類の働き蜂は,6∼7月から生ま
仕方と,ショック経験者の配置方法を示してい
れ,8月に急速に数を増す。巣の発達のピークは
秋で,営巣活動は11月まで続く種もあり,被害
は7月ごろから発生し10月ごろまで長期にわた
(2)救急処置
るといわれている。
5.蜂刺され災害防止対策
国有林野事業では,これまで次のような対策を
講じてきた。
(1)蜂に刺されないための措置
ア.防蜂網の着用
イ.蜂の巣を発見した場合および峰が飛び交って
いるのを確認した場合は,テープ等で危険区域
を標示し,その箇所では防蜂網を使用するか,
立ち入らないようにする。
また,巣の状況によっては事前に除去するこ
とも考慮する。
ウ.蜂の生態,習性等について,最近の参考資料
を各営林局に送付し,蜂対策に活用するととも
に,職員にも周知させる。
エ.当面の措置として,チラシ「ハチの恐怖」を
作成し,現場職員等に配布し,周知徹底を図っ
た。このチラシの中に「ハチに刺されないため
には」として,蜂の攻撃を受けたときの対処の
林業技術No.5561988.7
る(図・1)。
前記のチラシの中に「ハチに刺されたら」とし
て,応急手当と被災者の医療機関への搬送方法を
示している。特に,蜂ショック経験者が刺された
場合およびその他の者であっても,頚部等を刺さ
れた場合や多数の蜂に刺された場合は,一刻も早
く医師の手当てを受けることとしている(図・1)。
今後,蜂刺され防止対策として,①防蜂網を着
用しやすいものに改良し,その完全着用を図る,
②防蜂手袋の使用,③スプレー式殺虫剤の携行等
を推進するほか,蜂アレルギー者に対しての調査
は,①精度の高いアンケート調査の実施,②血液
検査の可能性の検討を行い,また,救急対策とし
ては,血管収縮,昇圧等を目的としたアナキット,
エピペン等の輸入により,自己注射を医師の管理
のもとに実施すること等の検討を行うこととして
いる。(文黄・山本忠司)
毎口一一一=一画q■ー一■■一一一画=ー■L一口一一=‐‐=ロ■ロロ一一一や、色今4■ローゆ守口■=q■■一一一■q■=のq■‐ 一一■■−●一一q■G●−‐Ⅱ■−−−−−−
i仮称群の生態と蜂羅及びその予防,治疲対策』が林材|
│業労働災害防止協会から本年8月に発行される予定です。|
;それぞれの分野での権威者である賭先生方にわかりやすく|
│書いていただいています.
23
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蒸頚蕊繊難議嬢
朝比奈正義・大田宏行
13.販路を開く‘‘そりもと材"の生産
1.はじめに
なく,家を建てる人の好み,大工さんの考え方に
私たちの製品事業所では,従来,スギ,ヒノキ
よって違ってくることがある。そりもと材は化粧
の採材に当たっては,元の曲り部分(根曲り)は
物であるので,節のない,しかもそりにそって木
主として1.8mに採材してきた(階段板やパルプ
目の通ったものがよい。このようなものを製材す
材に使われている)。しかし,当地方では,特に
るため,末口径26cm上のもので,樹心が真ん中
スギの根曲り部分を2.2mに採材し7"そりもと
にある素直な材が必要である。
● 、
材”として建築材に用いていることを知った。
従来の1.8m採材を40cn1程度長くした2.2m
採材に変えたことが,これまで敬遠されていた根
曲り木の有効な活用を産み,利用範囲を拡大した
3・そりもと材の生産経過
昭和60年9月,箸現場,業界の三者が現地
に集合して,現物の全幹材を前に各々の観点から
素材の付加価値を高めるための採材検討会を実施
のである。
2.そりもと材とは
そりもと材とは,木造日本建築で入母屋造りの
屋根の隅の部分に使用される化粧材をいう。使用
木材は主として,スギ,ヒノキが使われている。
元部分の根張りおよび曲りを利用するもので,長
さ2.2mに採材したものを幅約12.5cm,厚さ約
7.0cm,そして元の部分を曲りにそって約10度に
なるように製材して使用する。
● ●
ただし,幅,厚,そしてそりは,これにつなが
写真・1そりもと材を
使用した屋根
る広小舞に合わせて使用するため一定の決まりは
そりもと材の形状
そりもと材を使用してでき
そりもと材を重ねたものを
上がった屋根の部分
正面から見たもの
'
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Ⅲ
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川
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Ⅱ
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Ⅱ
Ⅱ
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林業技術No.5561988.7
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した。
のと思料する。
この席上,特に末口径が26cm上のスギの根曲
次に金額での比較では,算出の前提条件とし
りを特殊材一そりもと材として生産することに着
眼した。それから5カ月後の2月17日の公売で,
初めて“そりもと材”と銘うって8本,1757㎡
て,4.0m,3.0mの一般材は基準価格を使用し
た。1.81n材の単価は,そりもと材の径級範囲を
別枇とした販売実績がないので,販売結果と予定
を出品したところ,㎡当たり36,426円の高値で
価格等を見て決定した。また2.2m材の単価は販
落札,1.8m材に比べて,値開率163%の好成績
売金額を使用した。
を挙げたのである。
この前提条件で試算してみると,1.8m採材で
これが自信となって,より理想的なそりもと材
を生産するために,最も適した素材の見分け方を
現場の職員が周知できるよう,降雨時を利用して
木造建築現場や地元製材工場での製材風景を見学
は27'332円,2.2m採材では,33,896円と算出
され,1本の全幹材について,2.2nl採材のほう
が6,564円,24%も有利に販売されることが見込
まれることとなった。
するなどあらゆる機会をとらえて勉強してきた。
そりもと材は曲りおよび根張りを利用すること
から,伐倒時点でその良し悪しを見分けることが
何よりも大切なことである。
4.実行結果
(1)採材方法による比較
全幹材の1番玉を従来の1.8m採材としたもの
とそりもと材2.2m採材としたものとをそれぞれ
の材積および金額で比較してみた。
材積では1.8m採材が1.136㎡に対し,2.2m
採材は,1.175㎡とわずかであるが材積の増が見
られた。このことは,そりもと材を生産する全幹
材は,樹齢の高いものを用いるので,うらごけが
少なく,比較的完満な材であることに相関するも
写真・2
そりもと材
の木取り
採材方濃による比較
I)材槻
I8,採材
比較
∼
材 積
1.8m材
2.2m材
1.郷二比べ
1.136耐
1.175耐
0.039印”
2.2m採材
写真・3そりもと材の定規
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そりもと材として生産可能な材は,積極的にるように,伐倒,集材の工程において付加価値を
2.2m材として生産するのが望ましいといえる。高める生産,販売を積極的に取り組んできた。
(2)販売結果署においては,生産販売対策委員会を設置し
表・2に示したように,3年間実行してきたそりて,市場の動向を的確に把握するよう努め,現場
もと材の販売結果は,市場の出回りが少ない特殊にあっては,主任をチーフとして枇積み,採材方
材としての強みが表われている。法等,少しでも高く売れるべく工夫をしてきた。
5.考察この特殊材一そりもと材の生産は,個々の’本,
スギの根張りと根曲り部分を利用した新たな採1本,材の特性を生かした新しい採材方法として
材方法を昭和60年度から取り組んできた力式,そ定着させるために,職員が各々の職場で努力し成
りもと材の生産には,ただ曲りがあるだけではな功したものである。
く,どんな曲りがそりもと材として適するかを見現場の実行段階でのいくつかの困難性を乗り越
分ける高度な知識と豊かな経験が必須条件となるえて,職員の汗と努力で成功をもたらしたこと
ことを教えられた。は,収入面もさることながら,生産事業における
また,そりもと材の生産では,根張りや,根曲職員の利潤追求の意識の高揚に大きな成果をもた
りのために盤台での作業,櫛積み作業が困難とならすことができたと考えている。
ること,さらに,少量販売のため,土場スペース
今後の課題は,「千葉営林署の公売に参加すれ
の確保も重要なことになるといった問題点も抱えば,必ず特殊材が手に入る」というイメージアッ
ているが,材の有効活用,そして生産マンとしてプに取り組みながら,実積を積み上げて地元業界
のプロ意識の向上が図られ,利潤を追求する意識の要望に応えていくことである。
の高揚は大である。
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我々は常に1本の材が最大限の価値を発揮でき
表・1採材方法別の比較.=−−−.画一一“一.=
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14,955
40,006
17,000
42,863
112
169
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207
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217
販売結果比較院)’243
268
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写真・4そりもと材の製品
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林業技術No.5561988.7
26
一
きたものの、家財道具の一つも出せないまま全焼
た。身体だけは家族ともども外に逃れることはで
ところが二日の夜中に、自分の家が火災になっ
それは猿を一度に三匹捕ったという話だった。
打つばかりである。
井戸が二十二、三歳のころだった。あるとき喜
い女たちは、筏を係留する川原までも出てきたと
いう。彼女たちのことをゴザオダキと呼んだ。つ
どき
まり莫産をわきに抱えており、それを敷いて野外
えた。それは明日の狩猟の支度をして、火薬と弾
したのである。その猛火の中から鉄砲の音が聞こ
大塔川を一に一緑乗り︵一日二往復︶するつもりだっ
た。十二発を用意していたのが、ちょうどその数
くに猿の群れを見つけた。おい、今日はもう一荷
丸をつめた薬莱がつぎつぎにさく裂する音だっ
作という相棒と二人で、一幅の筏に乗って下った
で春をひさいだ か ら で あ る 。
ある晩は食卓のそばの土間で、石油の空かんで
たき火をしながら、老人たちの話に私は耳を傾け
だけにしとこうやないか、ということになり、本
いうまでもない。だが、さらに胸にこたえたのは
るのだった。
井戸は黒っぽいネルの寝巻姿で火のそばに立
火の海に鳴りわたった鉄砲の音で、それきり狩猟
また、別の晩、井戸は風呂に入っており、私は
はやめてしまった、と彼は話した。
正月早々に焼け出されて、途方にくれたことは
だけ鳴ってやまった。
ち、いつぽう是長という小柄な老人は、作業衣の
走って、家から鉄砲を持ってきた。
流の中継地へ筏をつなぐと、二人ともあたふたと
これなが
ままで、食卓の下にかがみ込んでいた。井戸は綱
た。ところが一荷目を下っている途中で、川岸近
ときのことである。その日は本流との出会いまで
(画・錐者)
子よくしゃべり、是長はもっぱら聞き役で、﹁ほ
ァ。"“.
喜作は川の上手から、井戸は下手から猿の群れ
らった。
かまどに薪をくべながら、川船の話も聞かせても
を挟み撃ちにした。互いの姿は見えないが、しば
らくすると喜作の鉄砲が二発続けて鳴った。捕っ
であった。ところで井戸によれば、筏師と船頭は
船は筏とともにかつては熊野川の運送の担い手
たかな、と思っていると、猿の群れがこちらへ逃
げてくる。井戸は川岸の岩陰に身を隠しながら、
い流れでは相手がじゃまになり、ときには筏に当
あまり仲がよくなかったという。それは広くもな
特に大きな猿を狙って鉄砲を放った。
やがて喜作が来たが、彼は撃ち損じたという。
井戸たち三人組は、十津川︵熊野川︶に面した山
てられて、船が割れるという事故もあったそうだ。
﹁見てみい、おれは二匹捕ったぞ﹂井戸がそう言
いながら近づいてみると、倒れた猿の下から小さ
の中腹で、杉の伐採跡の地ごしらえをしていた。
な声が聞こえた。母猿の胸を貫いた弾丸が子猿も
傷つけたのである。逃げもしないで鳴いているの
りである。川は山崎の上流一キロの地点で、風屋
ところどころに汚れたような水が澱んでいるばか
夫と
だが、そこから見下す川は流れがほとんどなく、
猿は里へ担ぎ出して売ったが、三匹合わせて五
なた
を、鉈で打って殺した。
十銭も手に入れることができた。筏だと二荷乗り
ダムにさえぎられているのだ。
もって、ほそぼそと糊口をしのぐばかりだった。
川の花形だった筏師も、いまでは老いて山仕事で
その死んだような川を眺めながら、かつて熊野
をして一日十五銭だったころの話である。
事も休みなので、三日は朝からまた猿を撃ちに行
それから数年たった正月のことである。筏の仕
こうと、喜作たちと約束をしていた。
林業技術No.5561988.7
う認ほう﹂とか、﹁ああ、そうかい﹂と相づちを
、
27
山峡の篭
ところで最近になって私は熊野川の筏について
書いた作品を出版した︵﹁青春を川に浮かべて﹂
とだが、そもそもの端緒は十四年前の井戸さんと
福音館書店︶。その取材を始めたのは数年前のこ
ある夕方、私は里の雑貨店まで電話を借りに出
の出会いだったのである。
事をしながら、あるいは寝床の中でも話してもら
筏について聞き始めたのである。また別の夜に食
山崎l変わった仲間たち日
宇江敏
て、三人共同の煮炊きをした。だが炊事場は一つ
別世帯であった。彼らもガスコンロを台所に瞳い
の酒瓶を持ってやり、いっしょに坂を登りながら、
かけると、井戸も買物に来ていた。その帰り、彼
現場へ入って四日目に山小屋の同居人が増え
たのである。みんな七十に近い老人ばかりだ。彼
は交代で使う羽目になった。どちらかが食卓を陣
だし、狭い土間に食卓も一つきりである。それら
材の流送に従事していたという。井戸はおもに支
あり、盛んだったころは六、七百人もの筏師が木
とだれかが言い、﹁ああ、どうぞ使わんせ﹂と答
﹁すまんけど、かん切りを貸してくれんかい﹂
系︶の筏は、二間材を数本横に並べて一床とし、
流の大塔川で筏に乗っていた。熊野川︵十津川水
熊野川では流域の各集落に二十数組の筏組合が
らと私どもは場所は違うけれども、ともに山番の
口の敷居に腰かけたりして箸を使う始末だった。
取ると、はみ出した者は、土間の隅に立ったり、入
方がいうさか行ったんじゃが、話にならなんだ﹂
それを縦に十二床つないで一幅として、材積は平
ひととこ
と一人が言った。﹁空いとるもんを、貸してくれ
均七○石︵約十九・六立方メートル︶ほどの大き
さである。水量の少ない支流は一幅を二人がかり
りとりも聞かれた。
える。うす暗いランプの明かりの下で、そんなや
もちろん風呂も共同で、先に仕事から帰った者
で乗り下った。そして本流に出ると、三幅をくつ
たらもえらいじゃろ﹂と、滝田が慰めた。
が薪でたいた。そして互いに順番をゆずり合いな
つけてもやいにし、そこから河口の新宮までは一
、、、
小屋には部屋が二つしかなかった。今まではそ
老人たちは川下の和歌山県本宮町から来てい
が、本流は一石につきいくらの請負いで、しかも
勘定は、筏を組んで支流を乗るのは日当払いだ
人で下るのである。
や手荷物の包みを解いた。六畳の広さに、小さな
た。なかでも井戸という背の高い一人は、かつて
ろは、せっかくの稼ぎを遊びで使い果たしたと、
新宮の問屋から即金で支払われた。だから若いこ
た。
がら、五右衛門釜の少ない汚れた湯を使うのだっ
窓が一つあるだけの、ただでさえ陰気な所に、四
にもいくつかのダムができたことにより、筏が姿
は熊野川で筏乗りをしていたという。熊野川流域
だった。
井戸の話は遊郭にもおよび、はては狼談になるの
人がひしめいて寝ることになったのだ。最初は私
た。そのあいだ井戸さんは山仕事に転向して働い
遊郭は町の中にあるのだが、その管轄に属さな
を消してから、すでに十年近い歳月が過ぎてい
てきたのだ。
し、まあ、これも面白かろう、枕を並べながら老
二つの組は仕事も違うからして、炊事のほうも
人たちの昔話でも聞かせてもらおう、と思った。
もいささか閉口した。ただ、また気をとりなお
していたのである。三人の老人は私の部屋で布団
の一つで滝田たち三人が、もう一つで私が寝起き
﹁そら、荷物を持って、行ったり来たり、あん
てもええのに、偏屈な奴じゃ﹂
﹁奥の小屋のう、一○万円で買うてやるて、親
土本から仕事をもらっているのだった。
い、私はそれを日記とともにメモするのだった。
た。以前ここにいたNの組の三人がまた帰って来
勝
林業技術No.5561988,7
28
リンホフ・スーパーテヒニカ4×5.150ミリレンズ。トライX
牛島のフジ
特微国指定天然記念物
在埼玉県蓉日部市牛島字川島
通東武野田線藤の牛島下車,,5分
徴国指定特別天然記念物。樹齢推定,200年,
呼所交特
五月の半ばごろ﹁フジの花を見に行かない﹂と
別牛島のフジー酒好きの紫の君
いう妻の誘いで、埼玉県の春日部の﹁牛島のフ
ジ﹂を訪ねた。
空はぬけるような五月晴れ、小島すい子氏の藤
に入る。庭園の片側には数軒の茶店があり、団体
花園には三本のフジがあった。入園料を払って中
客や観光客でにぎわっていた。
入口から入って左側に二本と、三○メ︲︲トルば
かり離れた右側にもフジがあり、それぞれの棚が
つくってある。前者のフジが国指定の特別天然記
念物。右側のフジ棚は小さいながら、幹・花とも
いのだろう。
に活気にあふれていた。左側のフジより樹齢が若
花はさすがに見事。往時には花ぷさが二メート
ルにも達したと記録にあるが、年々、少しずつ衰
えを見せているとかで、今は一・五メートルぐら
いだろうか。この花を咲かせるため、毎年大量の
酒カスを根元にほどこすと聞いた。
﹁紫の君﹂を思わせる優雅なフジの花が酒を好
むとは面白い。
入口に近いほうのフジの幹は何本かにわかれて
のたうちまわっているが、奥の一本は無数のヘビ
がからみ合うような形で幹を形成している。昭和
十三年、秋剛営林署に勤務したおり、券の男鹿半
島の山で、目撃した何百、何千という青大将の交
尾の状況が、まざまざとよみがえった。よじれ合
うこのフジの幹はまさしくそれであった。
林業技術No.5561988.7
〔商津、辿理のマツ〕
所在鮒根県益田市高津字松崎。琴平神社境内
交通山除水線石見益田駅。タクシー10分
島のフジ〕
根元の総周囲約9m
29
高津、連理のマツ
私の古樹巡礼
八木下弘
ブロニカ六×六・一○○ミリレンズ。トライX
写真・文
即高津、連理のマツlあなた百までわしや九
﹁連理﹂とは、①一本の木の枝が他の木の枝と
十九まで
男女の深い契りのたとえ。と辞典にある。
連らなって木理が通じていること。②夫婦または
なんと味わい深い姿の夫婦マツだろう。二株の
クロマッが互いに約一・五メートルを隔てて南北
に並び立っている。南株︵写真左︶の根元周囲約
二・五メートル、目通り幹囲約二・一五メート
ル、北株︵写真右︶の根元の周囲約一・八メート
ル、目通り幹囲約一・六メートル。連理の枝の長
がっている。
さは約一・四五メートルで南方からやや北方に上
これからすれば、この枝は南株から発出して、
北株に癒着したものであることは明らかである、
お主つ
と文献に記されている。
め立つ
ようすれば南株︵男松︶が差し伸べた愛の手を
て今日まで仲むつまじく生存してきたのである。
北株︵女松︶がやさしく受け止め、夫婦マツとし
柳腰のような女松の姿態はなんともいえないお
色気を感じさせる。見方によっては彼女のほうか
ら愛の手を伸べたと見てとれぬでもない。少し反
り身の男松は、さすがにがっちりと愛の手を受け
夛のなた百までわしや九十九まで、ともに白髪
止めてたくましい。
よわい
の生えるまで﹂の例えのごとく、この夫婦マツも
三百数十年の齢を保ってきたが、伝え聞くところ
によれば昭和五十七年二月、マックイ虫の猛威に
あい女松は枯れたという。
林業技術No.5561988‘7
30
〆
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キ科の落葉高木で、高さ十五∼二○メートル、
形態。分布など温帯の山地に生えるカバノ
直径五○∼七○センチになる。北海道から九
地にも見られるが、イタヤカエデ、ミズナラな
州、朝鮮半島、中国に分布し、関東周辺の山
どと混生して単木的に生えていることが多い。
若木の樹皮は平滑であるが、ミノカブリ、ハ
はささくれてきて、暗灰褐色の浅く縦裂した薄
ネカワなどと呼ばれるように成木になると樹皮
片が下から反り返って、特異な外観になるから
他樹と見分けやすい。この材は紅褐色の散孔材
で硬いから、中国ではアサダに鉄木の名を与え
ている。学名もまた、骨を意味する○異gか
らきたR時旨という属名が使われている。
四∼五月、新葉とともに開花し、多数の雄
花がひも状に集まって垂れ下がり、細い雌花
の穂は上を向いてつく。果穂はクマシデの果
穂に似ているが、やや小型で長い柄があり、
の内側には二個の堅果がある。クマシデの果
卵形の膨らんだ果苞が重なっている。各果苞
苞は縁に鋸歯があり、果苞基部の側片が内折
して堅果を包むが、アサダは全縁で、側片が
に毛が少なく、脈上に長毛があるクマシデに
ない。また、葉の側脈が二○∼二四対で全体
比べて、アサダの葉は狭卵形で側脈が九∼十
五対と少なく、若い葉はビロード状に腺毛を
まじえた軟毛を密生している特徴がある。
林業技術No.5561988.7
一ど嫁一夏
〆うこ
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'一一
、
アサダ
寺崎留吉『続日本植物図 譜
」
4アサダ
欧米では、早くからウインター・ボタニー
深津正
小林義雄
ソネの合いの子の意味のアズサゾネではない
かと考えた。つまりアズサゾネのアズサがア
サとつまってアサゾネとなり、それから転じ
てアサゾウ・アサジなどの語が生まれ、さら
クマシデをクロソネといい、またアカシデ
に転じてアサダになったというわけである。
にアカソネ、イヌシデにシロソネ、サワシバ
数年前の一月初め、草友数名と冬枯れの高
りなどが重要なポイントとなる。
をはじめ、冬芽の姿、葉の落ちたあとの枝ぶ
た。ウインター・ポタニーでは、樹肌の状態
とこの面での良い手引書が現れるようになっ
しているが、わが国では、最近になってやっ
ところで、アサダの名でいつも気になるの
とでは、樹肌がかなり違うように思われる。
は見分けやすいほうだが、これも成木と若木
サダ︵カバノキ科︶である。冬の落葉樹として
のかぶり﹂、﹁はねかわ﹂などの異称のあるア
しく裂けた一本の樹を見つけた。まさに﹁み
このとき、ふと雑木林の中に、樹皮の荒々
ラとの間になんらかの共通点を見いだして、
実地の経験に基づいて、アズサとアサダとナ
はちょっと理解に苦しむが、案外山村の人が、
サの転化したものであろう。アサナラのナラ
またアカザ・アカゾウ・アカダなどの力は
にイシゾネの方言がそれぞれあることを考え
尾を歩きかたがた、冬の落葉樹の観察を試み
はその語源である。﹃牧野新日本植物図鑑﹄
ちなみに﹃本草綱目啓蒙﹄に、天竺桂︵ヤ
ると、アサゾネの名前があっても、なんら不
たことがある。ミズキやケヤキは樹姿で、シ
には、﹁アサダの意味は不明﹄とあり、別に
サダ・クロアサダなどの異名を挙げ、この実
プニッケイ︶の阿州︵阿波︶の方言としてア
いじらしいばかりに映じたものである。
ラキ・リョウブ・ウリハダカエデ・エゴノキ
とはない。
その語源について書かれたものを目にしたこ
と称して、冬の落葉樹を観察する趣味が普及
などは樹肌で、はっきりそれとわかるが、コ
に膨らんでいる。それぞれの樹が、それぞれ
もを身にまとい、いまにもはち切れんばかり
せるかと思うと、コブシの芽は、薄い毛ごろ
の花芽が、間近い春を待ちこがれる風情を見
い。クロモジ・アブラチャン・ダンコウバイ
芽の先が独特の曲がり方をしているのも面白
見えるのが妙である。ムラサキシキブの裸の
こで私は、アサダの名の起こりは、アズサと
はシデ︵ソネ︶の仲間にそっくりである。そ
は、アズサ︵ミズメ︶によく似ており、果実
とがわかる。そもそもアサダの葉や尾状花穂
アサジ・アズサ・アンサなどの方言があるこ
と、アサダには、アカザ・アカゾウ・アカダ・
倉田博士の﹃日本主要樹木方言集﹄をみる
得るに至らない。
はないかと考えられるが、この点まだ確証を
らみて、この語は古い時代の朝鮮語の名残で
があるように思われる。因州の地理的位置か
州︵因幡︶の方言としているアサカイと関係
アサダは、やはり同書に、ヤブニッケイの因
から木蝋を採る旨書かれている。ここにいう
ぼんぞうこうもくけいもう
ラとなったものかもしれない。
アズサナラと称したものが、つまってアサナ
思議ではない。
ナラは、成木と若木とでは、まったく別物に
の形で冬の営みを行っている姿は、見た目に
木の名の由来
31
林業技術No.5561988.7
32
農林謁壽
このことから,国有林ではこの葉
枯らし材の生産・販売を拡大してい
く方針を定め,今後広範な需要拡大
とその定蒲を強力に図ることとして
‘‘葉枯らし材"の生産を開始〈国有林〉
いる。
具体的には,
1.国有林葉枯らし材ブランド化
国有林では,木材が未乾燥のまま
建築等に使用されることによって生
ずるさまざまなトラブルから,消費
者の木材に対する不信感を助長し,
ず,玉切りもしないで林地に数箇月
その結果が木材離れにつながってい
ることなどから,原木を乾燥して木
材業者に供給する体制づくりを進め
ていたが〃今年からいわゆる酸枯
らし材」を安定的に生産,販売して
いくこととし,その内容を公表し
推進委員会の設椴
国有林葉枯らし材について全国的
放置し,葉からの蒸散作用で含水率
を低下させるもので,木が根から吸
い上げた水分を葉で蒸散させる生理
め,これにかかわる柵報交換,提言
を利用したものであり,丸太を内部
から無理なくゆっくり乾燥させるた
を求めるため委員会(座長・下川英
雄日本住宅,木材技術センター理事
めきわめて良好な乾燥材となる。
こうして生産された材は,取り扱
いやすい,連蕊のに軽い,色.篭が
長)を設け,葉枯らし材の普及,生
産,その他必要な事項について事業
の実行と併行して検討を進めていく
いい,狂いが少ないなど木材として
こととしている。
に広範な需要を拡大・定着させるた
た
。
さまざまな付加価値が生ずることか
なお,委員会の幟成は,木材業
この葉枯らし材の技術は全国で,
葉枯らし材,葉干し材,あく抜き材
ら,当然材価も有利となり,また製
界,建築業界,研究機関など11名
材の工程でも歩止りが向上する,製
品後の乾燥工程が不用となり,最終
的には建築物としても高品質に仕上
となっている。
などと林業関係者の間で呼ばれてい
るもので,山地で丸太を生産する
際,伐倒した原木を,枝葉を払わ
● 甲 ● = ● 。
がることになる。
− ” ● A ,
■ 吟
2.葉枯らし材生産のための作業
標準の策定
葉枯らし材の目的は材の含水率の
…; よa=震幸9雫全西口““出、誓芯。.=,巴ロ宰台=・や垂▲Ej鐸・や乳諦T2坐【糞一等琴.毎画&吃V,も借涙騨=己篭=$ず.墨もI
けている(図.1,2)。CO2などの気上昇し,海面水位も20∼140cIn上昇
体漉度の上昇がもたらす温室効果すると予測されており,大規模な気
│劔鴬畦瞳誘謬雛瞬鍾縫鑛舗
二酸化炭素と林業は'フロンガスによるオゾン層の破候変動や沿岸地方の都市の浸水など
壊とともに地球の大気環境に関するによる被害の発生が危ぐされてい
大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度憂うつな問題となっている。る。
は0.03%程度であるが,産業革命以温室効果の影響として,現在のすこのような事態を回避するために
降,石炭,石油などの化石燃料の使う勢が続けば,2030年代には地球のは,化石燃料の使用を極力少なくす
用麓の増加に伴い,確実に上昇を続平均気温は,現在よりも1.5∼4.5・Cることなどが基本となるが,CO3濃
図・1ハワイ・マウナロア山における二酸化炭素濃度
の経年変化図・2化石燃料からの二酸化炭素の排出量の推移
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QUALITY1985」による
資料:R.M.Rotty「DistributionandChangesinIndustrial
CarbonDioxideProduction」(198D等による
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林業技術No.5561988.7
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三
三
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が,現場での含水率測定は技術的
二二
三
にも作業的にも問題があることか
三
=
三
ら,林業試験場において行った試
験結果に基づいて,伐倒後の林地
放迩時間,伐倒の時期,対象林分
の設定,葉枯らしの処理等につい
三
三
=
て作業を標準化し,これに基づい
三
た作業を行うことによって目的が
三
ニー
ー
ー
ーニ
目=
=二
達成される方法を採用している。
3.国有林ブランド材の名称の
=
公募
三
菜枯らし材は,国有林材でも特
に良材を選んで生産することとし
三
=
二=
三
奈良俣ダム7号土捨場。植栽後1.4年後の林相(60年5月植栽)
=三
二二
ているが,塵枯らし材」という
三
語呂からのイメージが立枯れ木な
三
どを連想させること。また,乾燥
三
丸太という新しい商品市場の開拓
の必要性から,新しいブランド材
としての名称を公募して,木材関
係者以外にもアピールすることを
三
=
==
三
三
三
三
利根川の最上流支川の楢俣川に,
ていることという条件が付されてい三
=
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一
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三
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ねらいとしている。
三
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誰
林政拾遣抄奈良俣ダムの±捨場警
=三
==
堂 壬 = 凸 民 ロ ー ‘ = I
度の上昇抑制については,森林の造
成と木材の使用拡大が有効な手だて
三
三
三
三
三
三
三
三
三
三
三
であると考えられる。
三
=
植物は,光合成により1kgの成長
=
=
三
に伴い約1.6kgのCO2を吸収し,約
いま奈良俣ダム建設が進められてい
る。借受者は貸付者(国有林野当局)三
る。利根川上流多目的ダム群の1つ
による道路,保全施設等工作物の仕臺
として,昭和53年から着手された
様,強度,法面の安定性,表土層の状三
ロックフィルダムである。堤高158
1ny堤頂長520m,堤体積1,310万
態および草本,樹木の生育の状況等言
の検査を受け,返地のかし担保責任三
mpの巨大ダムで,総貯水容量は
等に関する協定を結ぶこととされて三
9,000万II13に及ぶ。ダムが大きけれ
いる〔「国有林野の貸付地等を返地言
=
=
呂=
=
==
=
ば捨土量も膨大である。その捨土を
させる場合の取扱いについて」(昭冒
堆積する吐捨場」の緑化も,ダム
和57年1月5日,56前管第1474言
建設に併行して進められている。
号)。土捨場は耕うん客土(良質の冒
=
=
晨
一
1.2kgの酸素を放出するといわれて
いる。森林は,巨大なガス交換器と
三
一
して,大気中のCO2を固定する働き
三
をしているわけである。また,森林生
P
態系において,枯死した樹木はやが
一
三
’ =
=
て分解され,固定されていた炭素は
ー
奈良俣ダムでの土捨場は1号から
土を厚さ50cm以上盛る)し,草本旨
7号まで7カ所あり,特に7号土捨
場は154,833m?の広さで,堆積した
種子の吹き付けと樹木(肥料木を含三
む)の植栽を行い,補植,下刈り,三
捨土量も320万1113に達する。国有林
追肥等の保育手入れを3年を目途に三
野の貸付地で,現在ススキ,イタド
行わせるなどの措置をするとしてい三
リ,オトコヨモギ,ホワイトクロー
る 〕 。 臺
バー,クリーピングレッドフェスク
この地方は冷温帯広葉樹林が多三
=
=
二
呂=
=
三
弓=
一
再びCO2となって大気中に放出され
I
一
三
るわけであるが,木材を住宅や家具
=
=
三
などに使用することは,CO2の放出
を防ぐ有効な手段ともなっている。
三
三
わが国は世界でも有数の化石燃料
=
二二
等草生種による一次緑化とともに,
く,尾根筋にはヒバ,ヒメコマツの三
カラマツ,ヤマハンノキ,ヤシャブ
群落があり,山腹,平たん地にはブ三
シ等の樹木による二次緑化に努めら
ナ,ミズナラ,サワグルミ,ホオノ言
れている。写真に示されるように,
キ,カエデ,トチノキ等の天然生広言
現状は緑に包まれ,地盤も安定した
葉樹林が広がっている。これらの樹冒
種が進入し,土捨場が「自然の緑の三
場」になる日の近いことを期待した三
=
=
=芽
=
=
=
消費国となっており,大気環境の保
全の観点からも,海外における森林
卜
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
低減にあることはいうまでもない
=
一
土地となっている。
目=
造成にいっそう協力するとともに,
三
土捨場として貸付けた土地を返地
一
林業の活性化と木材需要の拡大に取
り組むことが重要となっている。
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.
鞄 ’ 1
|
三
=
三
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弓=
三
訓
させる場金土砂崩壊,流出等の災
害に対する保全措置が十分に行われ
い。
(筒井辿夫)三
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原
林業技術No.5561988.7
34
行政学専攻の新進学者が書いた本
量軸蛎弼E
で理解することがその実証の有力な
である。5年ほど前,国際基督教大
手だてだと思う」
学大学院の助手であった著者から,
『農林水産省百年史』の資料につい
国際基督教大学教養学部
助教授・学術博士
て私に照会文が来た。その中で,彼
著者のこの言葉が本替の性絡を明
確に語っている。当時非常に髄いた
のは,ちょうど私が本誌に連載して
は林政史研究の問題意識を次のよう
いた“物語林政史”(『森のきた道』)
西尾隆著
に書いていた。
の執筆描想との期せざる符合であっ
「林学には近代日本林政史研究の
た。そこで回答がてら私の連載物を
日本森林行政
史の研究
蓄積があるが,行政学の立場からこ
紹介し,二,三の文通があった。と
れに付け加えるものはないか,とい
ころが今春,その後助教授になった
うのが基本的な関心である。林政学
筆者から久々の来信があり,当時の
では林政史の展開を,思想的技術的
林政史の論文で学位を得ていたが,
−環境保全の源流
根拠や,社会的経済的要因から説明
それが昨年東大法学部教授の目に留
しているが,政策の作成や実施過程
まって,東大出版会から標題の本と
発 行
東京大学出版会
〒113束京都文京区水郷7-3-1
束大椛内
(縁03-811-8814)
昭和63年6月24日
A5判・384頁
定価6,200円
の主体である行政組織(農林省山林
して発行されることになったと知ら
局)との関係には立入った分析がな
された。
されていない。“組織とは政策目標
著者は明治以来の林政史の過程に
を実現するための単なる道具ではな
ついて,農林省内に組織された山林
く,それ自体価値を帯び,哲学をも
局の有機体的な自律活動の側面を実
って政策に影響するところの一つの
証的にとらえる。その活動の基底に
有機体である”と考える。……林政
ある哲学の根元は,主として新しく
史の表舞台とは別個に“逸史”“回
ドイツに学んだ森林保続の理念であ
顧談”の形で語られる舞台裏の現象
るとし,それが国・公・私有林に次
をも,同じ土俵で一元的な枠組の中
次と政策を形成していく有様を,関
高度成長の時代が終わりを告げて
運動メカニズムと性格,その意義と
岩手大学農学部・農学博士
からすでに久しい。あと数年する
発展方向を「村おこし」の実態に即
岡田秀二著
と,低成長ないし安定成長と特徴づ
しながら明らかにすることである。
地域開発と山
村・林業の再
生
けられた現在は,高度成長期と同じ
年月を経過することとなる。そうし
では次の点から具体的アプローチが
た現在の林政,山村問題をめぐる中
試みられている。山村問題を日本資
心的課題の1つとして地域林業形
本主義の蓄職職造,地域開発政策と
成,地方林政にかかわる多くの議論
の関連で歴史的に把握し,こうした
が,積み重ねられてきた。それら諸
視角から山村問題を整理するため,
議論をふまえた本瞥の課題設定は明
第一編「戦後の地域開発と山村ゴで
快である。
発 行
杜陵商速印刷C株)出版部
〒020巻手県盛岡祇葡大通1-17-5
こうして設定された課題に,本書
は,戦後を3つの時期に区分して山
まず,国家と林業,山村とのかか
村の変貌過程の実態を包括的に明ら
わりを重視し,諸政策が巨大資本の
かにし,これが本書の特徴の1つを
蓄積と農山村支配にどのような役割
なしている。次いで,第二編の琳
を演じてきたか,それらが山村の経
政の展開と山村の対応」では,第二
済と林業の再生産をどのように規定
章において岩手県を事例として「地
しているかを明らかにすることであ
方林政の職造と展開」が論じられ,
(称0196-51-2110)
昭和63年3月20日
る。次いで,こうした上からの山村
第三章「窮迫する山村の対応」では
A5判・284頁
定価2,500円
再編,林業再椛成の一方で,山村,
林業の側からの自主的,主体的な山
と地元の対応」,「地方林政の充実に
村再編,林業再椛成の動きを,その
よる『村おこし』への取り組み」が
林業技術No.5561988.7
「巨大開発椛想の地域林業への影響
35
係した人物の性格や行動に即して明
らかにする。ヨーロッパで,岩倉使
I
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r
司
琶 國剛
節団や留学生の目に映じた“管理さ
れた森林の整々たるイメージ”が,
歴代林政人の内面心理において,意
識すると否とにかかわらず収れんす
林業の将来は〃
る彼岸の指標であり続けたと分析す
る。これらは,濁った戦後林政の源
流をたどって著者が出会った清流だ
ったと言う。
戦時増伐において“国破れても山
河を残す”気概を持たなかった当局
者の責任論が,この筋から必然的に
発生する。また,現下の林政につい
て,状勢打開のためには単に政策的
努力の強調にとどまらず,新しい価
値の哲学と行動力を以てそれを担う
組織の在り方を重視すべしとの結論
が,論理の帰結として導ぴかれる。
林学の外の分野で,このような研
究書がものされ,行政学界で注目さ
れていることを紹介し,味読を勧め
る次第である。鮴政総合調査研究所
理事長・手東平三郎)
実態的に明らかにされている。ここ
では,今日の林政が中央集権的性格
を強化しながらも,地方林政を重視
する形で展開している点に着目し,
これまで,その枠組,実態の解明
が不一'一分であった地方林政の役割が
明確にされている。また,「『村おこ
し』こそが盗本の地域支配の現実の
林業の将来に夢がありますか?と
基幹産業であり,農林業の振興を最
問われて,明解に「明るい夢があ
優先施策にしている。しかし財政力
る」と答えることができる人はいる
が弱く,農産物輸入自由化の打撃も
予想され,人口の減少,高齢化がい
っそう進み,地域社会の活力が減退
しそうであるとなっている。これを
見ても林業に明るい材料はない。
ところが,最近林業機械の開発に
明るい動きがある,と先般業界紙に
報道されていた。林業試験場の開発
した二両連結車両および段軸車両
で,今これに取り付ける作業機の開
発を行っているとのことである。こ
の機械が本物となり,わが国の複雑
な地形に適用可能となれば,明るい
材料の1つとなるだろうが,残され
た課題が多い。労働力のこと,林業
経営者の資金力のこと,特に大型機
械の購入となれば数千万円が必要,
共同購入,共同利用,リース制度な
どいろいろ対応策が考えられている
が,なかなかヒットが出ないところ
に悩みがある。
森林の面から見れば,将来的には
公益的機能,特に保健休蕊,水資源
のかん養などの環境的盗源は,今後
わが国の経済社会が高度化,複雑化
するにつれて,ますますその意義は
高まるが,それが経済的に即山村に
はね返らないところに,林業として
の悩みがある。一般財源の導入等の
財政的援助が大変重要に思うが,国
民にその必要性を理解されるための
努力が必要と思う。
暗い面ばかり見すぎるかとも思う
が,足元をじっくり見つめることが
今は特に重要な時期にあると思うこ
だろうか。昭和62年度の『林業白
書』では,林業・林産業の活性化に
欠かせない最重要課題に「林業・林
産業の技術革新」を取り上げている。
技術開発の重要性は以前から叫ばれ
てきているにもかかわらず,遅々と
して進んでいないため,『林業白書』
のメインテーマに技術問題を取り上
げ,今後大いに国を挙げて積極的に
技術開発・普及を推進しようという
のであり,期待される。例えば,伐
採搬出の功程を見ると,わが国と比
較して,カナダ,北米が約5倍,北
欧が約3倍となっている。これは地
形の違いばかりでは理解し得ない大
きな差である。多分,林業機械など
の技術開発の差によるものが大半で
はないだろうか。わが国の林業機械
の基本開発は国費によるものが中心
であるが,その後の実用化開発が必
ずしも十分でないことも一因とな
り,林業の機械化が遅れているもの
と考えられる。
農山村の振興が林業の活性化のた
中から生じた山村地域の発展のまさ
めに重要な課題である。牛肉,オレ
に『現実性』を備えた運動であり,
ンジの自由化問題に代表されるよう
に,最近の農山村を取り巻く環境は
誠に厳しい。農業の衰退が農山村の
崩壊を招き,股業との兼業労働力に
依存する度合いが高い林業にとって
重大な問題である。
先般,自治省が公表した「小規模
町村(人口5,000人未満)の実態調
査」によれば,全国557の小規模町
村は農山漁村が多く,第一次産業が
その発展に向けての課題追求にこそ
山村再建の,そして『国産材時代』
を山村隆林家経営の確立へとつなげ
る形で現実のものとする途である」
という認識が示され,この認識が本
書の主旋律をなしていると思われ
る
。
村おこし,林業,山村問題に関心
を持つ人々のみならず,より広く読
まれるべき書であろう。
のごろである。(N.R.)
(この棚は編集委員が担当しています)
(筑波大学腿林学系助教授・成田雅美)
林業技術No.5561988.7
釘の劣化から見た木造住宅の劣
化環境
林試今村浩人
林業試験場場報No.286
1988年5月p.2∼3
人気のある木造住宅も耐久性の点
の造林面積を考慮し,齢級配置の平
「緑花」の手法として考えられる
均化に努めている。良質材生産を中
ことは,新たに土地を確保して「花」
心に,短伐期集約育林と長伐期,超
を導入するのではなく既存の緑地・
長伐期を組み合わせ,どの山からで
空間を生かし,そこを「花」によっ
も高収益が上げられる林業を目標と
てリフォームすることである。具体
している。枝打作業班をつくり,20
的な方策としては,①都市内緑地に
で心配されることがある。多種多様
年生以下のスギ・ヒノキはほぼ枝打
散見するやぶ状の植栽地等の林床を
の家屋について耐久性を評価し耐久
ちを終え,優良磨き丸太を販売でき
整理し,花潅木,野生草花を配する,
性向上策を考えなければならない。
るようになった。製材業を兼業し,
②道路鋲鉄道敷等ののり面(傾斜
そこで木造住宅の耐久性評価方法
また品種的にも質的にも安心できる
地)が雑草地化している例が多い
の一つとして釘を用いる方法を試み
苗木を確保するねらいから自家育苗
が,草花,花潅木で化粧し直す,③
た。
で造林できるようにし,天然出絞ス
建築物の屋上・壁面等を新たな緑花
ギと海布丸太用苗木を新しい試みと
対象空間として取り上げる。
釘の劣化に注目したのは,釘も木
材も主として水によって劣化する。
して育苗し植栽している。
今後,緑花の主役として期待され
新築時に用いた釘は新しく,ほとん
天然林はモミ,ツガ,マツ等の針・
るのは斑入り植物やワイルドフラワ
ど規格品であるため,経過年数ごと
葉樹,ケヤキ,サクラ等の有用広葉
ーである。斑入り植物は葉の着生期
の釘の劣化度の比較がしやすいこと
樹を育成する施業を行い資源を充実
間中彩りのある景が楽しめる。ワイ
である。
させたいと考えている。
ルドフラワ一は広義の「花」による
釘のさび斑を尺度として木材含水
率と釘の劣化度の関係を調べ,また
この林業経営は第26回腿林水産
祭で農林水産大臣賀を受けた。
釘と木材の劣化を支配する住宅壁内
緑花の有力な素材として注目を浴び
ているもので,山野に自生する草本
類や,園芸用草花の中,種子の混播
の環境や外壁に影響する日射,常風
都市緑花考一花による都市の
などで容易に繁殖でき,粗放な管理
向,潮風等について調査し,木造住
緑化を考える
でも美しい花をつけるものである。
宅の環境の履歴を評価することは簡
単ではないが,釘がかなりの情報を
与えてくれることがわかってきた。
東京農大近藤三雄
グリーン.エージNo.173
1988年5月p,8∼15
近く開催される「国際花と緑の博
高蓄積・高度集約・高収益林業
覧会」を一つの契機として,花によ
をめざして
る都市の緑化が待望されている。公
自営富田又嗣
マツ枯損跡地の低位生産性土壌
林試・関西支場西田豊昭
関西支場研究情報No.8
1988年5月p・2
マツ枯損跡地の再生利用を研究課
害問題,環境問題を契機として行わ
題とし,技術会議でほ「低位生産釧
れてきた都市緑化は,広く単に数多
帯のマツ枯損跡地におけるヒノキ人
く木を植える「緑化」から脱却し,
工林育成技術の確立」という特別研
経営している山林は810haで,和
場の空間特性,生活者の要望に合致
究が進行中である。マツ枯損跡地に
歌山県内に86%,残りは宮崎県,奈
した快適な緑をつくるために,広義
は生産性の低い土壌が広く分布して
良県,三重県に所在している。人工
の花の利用により空間を明るく彩る
いる。近畿・中国地域の低山地帯に
林率63%で,うちスギ40%,ヒノ
「緑花」へと発想の転換を図らなけ
普通に認ぬられる黄色系あるいは赤
山林No.1249
1988年6月p。20∼29
キ60%で,法正林に近づくよう毎年
林業技術No.5561988.7
ればならない。
色系褐色森林土もその一つである。
37
これらの土壌の生産力がなぜ低い
調査結果からすると生長旺盛な幼
全体を統括する水資源の基本法「中
のか,土壌の化学的性質に重点を置
齢林が多く,現在の蓄稜の2割程度
華人民共和国水法」を制定して,や
いて考えてみた。
を占める胸高直径30cm以上の林木
るべきこと,改革すべき重要な事業
この黄色味あるいは赤色味の強い
の蓄積が20年後には3割強まで増
に法律の根拠を与え,すべての水に
土壌は,程度の差はあるが,その生
加することが可能となるなど,通的
関する活動を法制管理の軌道に乗せ
成過程において塩基の流亡が進んで
にも質的にも資源内容の充実が期待
る必要がでてきたのである。
化学性が不良化し,供給される塩基
できる。
「水法」は1988年1月21日に公
の量は少なく,そのうえ,これらの
土壊は迩粘埴質で透水性が悪く,理
学性も不良であることが多い。
このように,黄色味あるいは赤色
味の強い土壌の生産性はきわめて低
布,同年7月1日から施行されるこ
製材品取引の変化とEOS導入
とになっており,総則,開発利用,
の意義
水・水域および水施設の保全,用水
林政総合調査研究所安藤嘉友
住宅と木材No.124
く,それらの分布する地域では低位
1988年4月p.18∼22
生産徒林地が形成されやすく,土壌
木材流通業界は,かつて経験した
の生産性を高めてやることが林業技
ことのない“もの余り”の時代,典
術の大きな課題の一つである。
型的な買手市場化に直面し,製材品
のかなり具体的な内容が盛り込まれ
ている。
になるか
る。現物熟覧取引が崩れ出し,役物
などを除いては現物を見ない電話や
報
)
ファックスによる発注が圧倒的に多
1988年6月P、24∼26
利水および水資源の開発にあたって
木材利用の芽ばえ−家畜の餌
一般民有林における広葉樹賦存
北方林業No.471
付則の7章53条で構成され,治水,
取引も著しい変化を示すに至ってい
状況調査の結果について(第Ⅳ
北海道林務部下村清蔵
管理,水防と洪水対策,法的責任,
くなり,取引が小口化,多頻度化
し,また商流と物流の分化が進行し
東大農佐々木恵彦
グリーン・パワーNo.115
1988年7月p、34∼35
ヤギは紙を食べる。ヤギばかりで
なく,羊,牛,カモシカなど反綴動
ている。
北海道の一般民有林の広葉樹賦存
こうした変化のもとで,製材品取
物は紙のようなセルロース繊維を消
状況調査結果について第1報から第
引へのEOS(コンピュータを利用
化することができる。牛の胃は4室
Ⅲ報にわたって報告されたが,概括
した受発注オンライン化)導入に向
に分かれ第一胃と第二胃には,微生
すると次のとおりである。
けての動きが表面化し,オンライン
物が共生し,草や紙などの繊維質を
①天然林の齢級別面積は,10齢
ネットワークシステムの形成を通じ
分解しセルロースをブドウ糖に変え
級をピークとした齢級機成になって
て製材品の情報取引化,流通の合理
る。牛の胃はバイオリアクター(生
いる,②林分タイプは主要樹種構成
化を図るという新しい展開が大いに
物反応器)なのである。
から6タイプに区分される,③林分
期待されるところである。
牛の胃の中で消化されない。反溺胃
内容から広葉樹林施業の対象林分は
約54万haと推計される,④これら
対象林分はほとんどが過密林分で間
伐を要する。
北海道の民有林の天然広葉樹林
紙は木材から作られるが,木粉は
中国「水法」の公布について
東京農大佐藤俊郎
水利科学No.181
1988年6月p.50∼60
の微生物といえども木材を分解する
ことを難しくしているのはリグニン
の存在である。
したがって木材を牛の餌にするた
中国にとって歴史的に水害防止と
めには,高温,高圧の蒸気で蒸煮・
業方法が砿立しているとはいえず,
水利開発は国家の安泰と国民経済に
爆砕といった処理をし,牛の胃の中
施業を円滑に推進していくためには
かかわる大切なことであった。社会
で分解,消化しやくする。これまで
は,施業の実縦が少なく,必ずしも施
施業指針の整術,施業技術の普及啓
経済の発展は水資源をめぐる関係を
用材価値の低かった樹種,シラカン
もう,また広葉樹中小径材の利用開
複雑化し,現行の管理体制,政策,
バ,ポプラ,アカシア,シナノキな
発や生産材の安定取引対策など,多
法令は客観的な情勢と社会的な要請
どが蒸煮・爆砕処理に適し,糖化率
に即応できなくなってきた。そこで
の高い飼料になるという。
くの課題がある。
林業技術No.5561988.7
38
負担②(京都大学和歌山演習林にお
OoB0■■■日当■
■■■9日Il0
■09日■■■■9。
0Q■1凸■▲I
D凸日Ⅱ日■■■
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1
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潤術情廟
岐阜大学農学部研究報告
※ここに紹介する責料は市販されてい
ないものです。必要な方は発行所へ頒
ける実験例)
布方を依頼するか,頒布先でご覧下さ
口神戸における環境情報システムの
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緑地保全への活用
演習林報告第59号
第52号(林業関係分)
昭和62年12月
京都大学農学部附属演習林
昭和62年12月
岐阜大学農学部
く林学科>
口明治期京都における社寺上地林の
風致
口傾斜刺激法による針葉樹仮道管分
化過程の所要時間の推定
ロ和歌山演習林におけるニホンカモ
口数種の広葉樹材繊維の横断面寸法
シカ(C"'・ico"zisc"""s)および
の年輪内変動
口今須林業に関する研究Ⅱ−択伐
ニホンジカ(Ceγ""s"Wo")の生息
□「木材ノエ蕊的利用」にみられる
林経営者の意識について
数の推定
材質と用途の関係
口木材価格の形成機構に関する研究
口外国産マツ属の虫害に関する研究
ロパネルのイメージに及ぼす節の影
一ヒノキ丸太の商品分化
第8報マツパノタマパエの加害
響
口都市近郊里山地帯の最適利用モデ
について(続)
口木材の乾燥過程で発生するAEに
ルの策定に関する研究(Ⅳ)−都市
ロ粗放仕立てのスギ壮齢林分の構造
ついての二三の考察
成長と里山空間の変貌
山形県側岡市・山形市,栃木県栃
と生長
ロ帯鋸歯の片あさりがひき曲がりに
口閉鎖したスギ林における施肥効果
及ぼす影響
木市,広島県尾道市,香川県高松市,
一個体の大きさと幹の生長経過
ロセルロースの還元性末端難の反応
愛媛県宇和島市,大分県日田市およ
口針葉樹の冬芽の形態と伸長様式
性1−フェニルセルロシドの調製
び長崎県長崎市の実態分析
−マツ属の新条形成をめぐって
口高速液体クロマトグラフィーによ
口都市近郊里山地帯の最適利用モデ
口京都大学芦生演習林における2,
るセロオリゴ糖の簡便な調製法
ルの策定に関する研究(V)−農地
3の低木種の萌芽による再生産につ
及び森林の利用・保全
いて
福島県林業試験場研究報告
ロアカマツ林における落葉の分解と
第20号
山形県餌岡市・山形市,栃木県栃
木市,広島県尾道市,香川県高松市,
土壌堆積腐植屑の形成過程
愛媛県宇和島市,大分県日田市およ
ロ山地小流域におけるBHCの挙動
福島県林業試験場
び長崎県長崎市の実態分析
ロ森林計画に関する研究一多目的
口地域林業の組織化モデルに関する
ロヒノキのフェノール性心材成分と
昭和62年12月
計画法の応用について
研究
心材色
口国有林丸太流通市場の競争構造
口特用林産の経営改善に関する調査
ロエゾマツ(Pic"jezoe"sis)材の
口戦後における林業技術の展開と基
研究
フェノール成分(蕊2報)-Ketoma-
本法林政
ロヒノキ林の造成技術に関する研究
tairesmol,Matairesinolの単離お
口風化花崗岩山地源流城の地下水,
ロ福島県におけるマツの枯損動態に
よび数種のフェノール類の確認
土壌水分変動の実態
関する研究
ロマングローブの化学成分(第3報)
口竜王山試験流域の水文観測報告
口海岸防災林に関する研究
−樹皮について
口枝打跡の追跡調査(Ⅲ)−−枝打後
ロキリタンソ病抵抗性育種苗の現地
く山地開発研究施設>
2∼4年の枝打跡の変化と節解析
適応試験
ロハチジョウススキ,オギ及びそれ
口休道の機械施工に関する研究一一
ロ会津地方におけるシイタケ栽培技
らの3×−,4×一雑種の生態的側
その変遷と実態
術体系化に関する研究
面(3)地上部現存量及び刈取反応
口枝打ち機械の作業功程について(3)
ロ御岳山・亜高山帯天然林の動態
−異なった枝打ち機械による作業
(Xm)一林内稚樹の幹形と年齢推
功程の比較(2)
定法の問題点
口心拍数からみた山林労働者の歩行
林業技術No.5561988.7
39
林業関係行事一覧
7 月
主催団体・会場・行事内容等
区 分 | 行 事 名 | 期 間
中央第16回JAS製材品普及7,7∼10.19全日本木材市場連盟。展示会場(7/7・東京木材市場(株),8/31・西垣
推進展示会林業(株),9/14・大阪木材市場(株),9/22・福島県中央木材市場,
9/27・肥後木材(株),10/6.鱗)津山綜合木材市場,10/14.(鯛東
海木材相互市場,10/19・東京中央木材市場(株)〕
第7回工場緑化推進全国大7.11日本緑化センター。東京都港区
会
昭和63年度自然に親しむ7.21∼8.20環境庁
〃
〃
運動
〃
第4回民有林治山工31ドコン7,28日本治山治水協会。日本都市センターホール
クール
烏取智頭杉「日本の家」設計.7.1∼12.l智頭町。
ンテスト
奈良奈良県林材まつり7.10∼10.3O奈良県森林組合連合会。桜井市
三重昭和63年度三重県乾椎茸7.11三重県。松阪市
品評会
石川昭和63年度東日本地区緑7.16石川県。松任市
化推進シンポジウム
宮崎第36回全国乾椎茸品評会7.23∼25日本椎茸農業協同組合連合会・宮崎県・宮崎県経済農業協同組合連合
会。宮崎市民会館・宮崎中央公園ほか。しいたけシンポジウム・国際
流通懇談会・機器展示会・地場産品即売会ほか
福島緑の少年団大会7.27∼29福島県緑化推進委員会。福島県県民の森。交換会,ゲーム大会,キャ
ンプ大会等,実縦発表会,参集者約2,700名
宮城第7同今扇都市緑化せんだ7.29∼10.16(財)都市緑化埜金。仙台市
いフェア
岐阜第20回岐阜県林材振興大7.28岐阜県。岐阜市
会
前橋営林局森と湖に親しむコンサート7.30建設省・林野庁。赤谷湖(相俣ダム)周辺。群馬交響楽団の演奏・イ
メージソングの発表・さとう宗幸コンサート等音楽を通して,森林が
もつ水源かん蕊の重要性を広く認識してもらう
8 月
区 分 行 事 名
期 間
主催団体・会場・行事内容等
−
愛媛昭和63年度全国緑の少年
8.3∼5
国土緑化推進擬構。愛媛県。全国の緑の少年団ならびに指導者が一堂
団交流集会
宮城第34回全国こけし祭り
三重林業振興大会
8.7
に会し,野外学習等を通じて交歓し合う
宮城県。鳴子町
岐
8.26
阜|入会林野研究全国大会8.31∼9.1
三重県林業関係団体辿絡協議会。津センターパレス。林業,木材産業
の活路を見いだすため,関係者が一堂に会し,「森林,林材業を語る
つどい」を開催
入会林野研究全国大会実行委員会。岐阜市。入会林野の研究ならびに
整備推進に関するシン叙ジウムを開催
林業技術No.5561988.7
40
日本林業技術協会第43回通常総会報告
昭和63年5月25日(水)午後2時から,虎ノ門パストラル(港区虎ノ門)新館1階ホールにおいて開
催,会員269名(委任状提出者8,264名)が出席して盛大に行われた。
鈴木理事長のあいさつに続いて,林野庁長官松田堯氏,林業試験場長山口博昭氏,日本林業協会会長
片山正英氏の各氏から祝辞をいただいたあと,第34回林業技術賞,第34回林業技術コンテスト受賞者な
らびに本会永年勤続職員の表彰を行った。総会議事に入り,議長に森林開発公団理事高野国夫氏を選出
し,下記議案について審議し,それぞれ原案どおり承認可決され,午後4時閉会した。
第43回通常総会決議公告
昭和63年5月25日開催の本会通常総会において次のとおり決議されましたので
会員各位に公告します。
昭和63年5月25日
社団法人日本林業技術協会
理事長鈴木郁雄
案案案案
議議議議
号号号号
1234
第第第第
昭和62年度業務報告および収支決算報告の件
昭和63年度事業計画および収支予算の件…”
缶■
、●
.…・原案どおり承認可決
..…原案どおり承認可決
昭和63年度借入金の限度額の件………….…
…・・原案どおり承認可決
任期満了に伴う役員改選の件….…・……………
…・・・・・別掲のとおり選出
1.昭和62年度業務報告および収支決算
報告
昭和62年度の事業計画の策定にあたっては,リゾー
ものが多いのも今年度の特徴である。
1.会員関係(会議。支部活動など)
(1)会員数(昭和63年3月31日現在)
ト法の制定などに伴いそれに関連する当協会の事業運営
林野庁支部(346),林業試験場支部(174),森林開発
に拡大の兆しが見える一方,円高の進行など不安定要因
公団支部(294),営林(支)局支部(4,599),都道府県
もあったので,前年度実績とほぼ同じ程度の規模で予算
支部(5,826),大学支部(1,078うち学生718),本部
編成を行ったところである。
直結分会(146),個人会員(1,357),特別会員・甲
しかし,関係機関および会員の皆さんのご指導,ご協
力により,予定をか癒り上回る規模の事業を遂行するこ
とができた。
特に,リゾート法やヒューマングリーンプランに基づ
(141)・乙(41),個人終身会員(233),名誉会員・外
国会員(30)合計14,265名
(2)会員のための事業
①会誌『林業技術』の配布,②技術参考図書の配布
くスキー場などの森林を活用したレクリエーション開発
縢林の100不思議』,③林業手帳の配布,④会誌綴
計画についての環境アセスメントの受注および林野公共
込用ファイル,会員バッジの配布,⑤出版物の会員割
事業の大型補正予算の執行に伴う生活環境保全林整備事
業などの計画の受注が増加し,また,国際事業も4カ国
の開発調査を本絡実施したので事業量が拡大した。
なお,国内調査事業は,年度後半に受注が増加したた
め,62年度から63年度に継続して事業を実施している
林業技術NO.5561988.7
引および物品の斡旋,⑥その他
(3)総会
第42回通常総会を昭和62年5月29日虎ノ門パスト
ラルにおいて開催した。
(4)理事会
41
理事会,常務理事会を次のとおり開催した。
①理事会(62.5.29),②常務理事会(62.5.15,10.23,
1
2
.
1
8
,
6
3
.
3
.
1
8
)
昭和62年度収支決算報告書
〔損益計算書〕(別表')皇繍:鰯罷目
(5)支部連合会および支部に関する事項
借
科
a)支部連合会大会を次のとおり開催し,本部から役
員等が出席した。
北海道支部連合会大会(札幌市.62.11.5),東北・
奥羽支部連合会合同大会(青森市.62.8.27),北関
東・南関東支部連合会合同大会(甲府市.62.10.
15),中部・信州支部連合会合同大会(名古屋市.
62.10.10),関西・四国支部連合会合同大会(松山
市.62.10.13),九州支部連合会大会(福岡市.62.
1
0
.
3
)
b)支部連合会および支部の活動のため,次の交付を
行った。
①支部交付金,②支部連合会大会補助金,③支部活
動補助金
2.事業報告
(1)機関誌の発行
会誌『林業技術』の編集にあたっては,林業技術およ
び関連情報を迅速的確に会員に伝達すること,ならびに
主要な林業技術の解説を中心に,会員の技術向上に役立
つ記事の充実に努めた。発行部数No.541∼552,合計
合
研究発表会を行った。④第35回森林・林業写真コンク
一
航
(3)林業技士養成事業
農林水産事務次官依命通達および林野庁長官通達に基
調国そ
業技士瀧成事業を引き続き実施した。62年度の各部門
別の認定者は次のとおりである。
期
取 利
収
金勘定
棚 卸
︽ロ
戻品計
3,128人),林業機械(6人・339人),林業経営(28
業収
業収
他収
館 収
当
森林評価(認定9人・累計266人),森林土木(68人.
収
導収
指導
修 収
研究
研究
処理
業収
業収
検査
測 収
真 収
測定
方
目
| 金 額
入入入入入入入入入入息入入
記念品を贈呈した。③林木育種協会との共催で林木育種
人・2,456人),計(111人・6,189人)
1,845,163,751
入入収収収収入入収収入入入
主催の業務研究発表会等に役員を派逝し,入賞者に対し
科
究技研調航磁般測航航写森査際の会受雑引末
ストの審査を行った。②林野庁・営林(支)局・地方庁
な推進を図るため,専門的技術者の縫成・登録を行う林
計
費指術査測算事事測林事事
会研
①第33回林業技術賞ならびに第33回林業技術コンテ
づいて,森林・林業に関する技術の適用,普及等の適正
41,864,967円
144,585,810
43,670,240
14,042,376
44,694,156
26,537,489
15,641,549
76,739,031
253,245,779
2,414,988
123,756,798
81,253,811
45,820,182
260,294,132
106,023,622
811,595,939
620,835,463
190,760,476
114,124,996
4'099,262
6219237
2,367,730
15,536,767
91,500,000
27,250,260
9,439,215
貸
(2)技術奨励等
ール(後援・林野庁)を行い入賞者には賞状,賞金,副
金 額
会 員 費
研 究 指 導 費
技 術 指 導 費
研 修 費
調 査 研 究 費
航 測 研 究 費
技 術 開 発 費
一 般 事 業 費
航 測 事 業 費
航 測 検 査 費
航 測 費
写 真 作 成 費
森 林 測 定 費
調 査 事 業 費
国 際 事 業 費
一 般 管 理 費
人 件 費
遮 営 費
そ の 他 費 用
雑 損 失
固定資産除却損
貸 倒 損 失
減 価 償 却 費
引当金勘定繰入
期 首 棚 卸 品
当 期 剰 余 金
189,100部。
賞を贈呈した。
方
目
48,973,300円
218,681,456
45,741,700
9,8409456
85,726,000
70,905,100
6,468,200
85,603,215
463,325,983
80,442,013
199,009,020
163,711,690
70,163,260
603,512,800
357,005,465
39,311,402
11,844,500
13,784,954
6,974,811
7,207,137
28,750,130
1,845,163,751
林業技術No.5561988.7
42
39,571,918
短期借入金
振替貯金
851,186
前 受 金
定期預金
163,478,158
預 り 金
貸付信託
仮 受 金
長期借入金
売 掛 金
390,788,513
預り保証金
有価証券
10,000,000
納税引当金
仮 払 金
2,368,365
退職給与引当金
1
未 収 金
部 分 林
基 本 金
新技術開発
研究基金
設備充当積立金
繰越剰余金
当期剰余金
出 鐙 金
2,800,000
敷 金
917,700
合計’1,178,287,339
金
金
品
品
役員保険積立金
土地・建物
器具・備品
設 傭
部 分 林
出 資 金
敷 金
合 計
1,178,287,339
600080007000
601330006000
700470003000
,2
,9
,0
,0
夕0
,4
,0
〃0
,0
夕
5,
0,9
904643000000
3100785900000
設 伽
13
記
錘0
鍵
1〃2
9
9
3
9
7
2
9
9
5
,6
96
J
8
1
31
器具・伽品
施設拡充引当金
払
付
卸
掛
,2
〃6
,4
〃1
,0
76
P3
,4
,0
,
7,0
2
土地・建物
修繕引当金
1
役員保険職立金
貸倒引当金
有 価 証 券
361
111935
12.3
1
仕 掛 品
80
13
,
9
8学
12○
〃
1
9
4
8
3
9
73
58
2
棚 卸 品
73
77
9
4
0
4
顕釦
01
〃
弱3印
917
,
02
8
2
貸 付 金
1
現 金
普 通 預 金
振 替 貯 金
定 期 預 金
貸 付 信 託
売 掛 金
未 収 金
仮
貸
棚
仕
未 払 金
短期借入金
前 受 金
預 り 金
仮 受 金
長期借入金
預り保証金
納税引当金
退職給与引当金
貸倒引当金
修繕引当金
施設拡充引当金
小
計
846,491,311
正 味 財 産
合計’1,178,287,339
(4)技術指導および研修
合
計
l繰越剰余金
円円円
年度は2回実施した(第1回7.20∼2424名,第
l繰越剰余金
2当期剰余金
計
これを次のとおり処分する。
358
1
1
2
3
2
5
,0
F
119
3
37
7
34
和58年度から「空中写真セミナー」を開催し,本
1,178,287,339
33
F
4,9
8
4
②空中写真の利用技術の向上と普及に資するため,昭
331,796,028
〔剰余金処分〕(別表4)
①林業技術の向上とその普及に資するため,本会役職
員を派遣した(24件)。
一円
普通預金
1
6868003052031313000
額一列飢旧娼叩飢凱、妬叩蝿廻加”軍配弘叩沁
一〃,39,,,,,9〃〃py,,13?
7118088085048399307
0757098063593897201
558447703977529.︾589
未 払 金
目
科
,0
,2
,0
,8
,4
,3
,7
,8
〃6
86
〃2
9
3,
9,3,0,5,0
円
3,507,916
01
0
0
0
8
9
0才8
0
9
417
1
0
5
62
現 金
目録〕(別表3)
昭和63年3月31日現在
金3噸62”122,錘131
’
60008000700000035
額円
疋,
叩
伽
網
沼
叩
,
,
9
F
j叩
j叩
9妬
,叩
#叩
〃叩
J印
j加
J叩
,印
j刻
刀
科 目
〃0
j2
p1
j6
,3
14
J0
〃0
74
J4
、9
〃
7
6
1J
0
4
今
金哩
卵
6
141
1
9
3
5〃7
5
6,
8
借
5“
0だ
9“
29
4叩
.”
0叩
00
1娼
9
方鈎叩
記0
”0
叩0、
四5
m0
叩0銅
昭和63年3月31日現在〔財産
〔貸借対照表〕(別表2)
43,770,528円
2回10.19∼2313名)。
③県からの受入研修を行った。(2件,3名)。
④職員の研修を次のとおり行った。スペイン語研修1
名,国際協力事業団が行う派遣前専門家等中期研修
1名,熱帯造林および公園計画について(タイ国
か9名,オペレーター研修5名。
(5)林業技術の研究・開発
本会の重点事業として,その推進に努めた。
へ)6名,千葉大リモートセンシング研修1名,コ
調査研究関係では,森林を,林業,環境保全等の公益
ンピュータシステム管理者研修2名,システム・パ
的機能,山村地域,国民など,森林にかかわる多面的な
ーフォーマンス・ワークショップ1名,三次元CA
視点からとらえ,森林の総合的利用を通して林業振興,
D/CAMシステム研修1名,データベース入門ほ
森林レクリエーション振興,環境保全機能増進等を図る
林業技術No.5561988.7
43
昭和63年度収支予算書(別表5)
目
項
千円
研究指導収入
319,000 技術指導収入
3
1 OOO
研修収入
調査研究収入
航測研究収入
電算処理収入
1
1 OOO
201 OOO
7 OOO
9
2
,
.
0
0
1
一
般
事
業
収
入
航測事業収入
479,000 航測検査収入
航測収入
写真収入
森林測定収入
調査事業収入
国際事業収入
1
会誌発行費
支部交付金
支部補助金
技術奨励費
369,000 技 術 指 導 費
3
1 000
研 修 費
調査研究費
航測研究費
201 000
1
1 000
技術開発費
OOO
航測事業費
000
000
国際事業蟹
215,000
計
|計
111
35,000 部 分 林 費
設備備品費
建築費等返済
予 備 費
1,850,000
航測関係では,リモートセンシング技術の森林・林業
調査事業費|‘・8,00
鬮
際
事
業
費
’
2
1
5
,
0
。
■!4Jd■■1可j■■!
その他支出
608'000
4,000
各種の調査研究事業を実施した。
2
了
,
0
0
〈
2
1
0
,
0
0
(
1
4
2
,
0
0
(
rLFLrLrL
O
OOO
00
00
11
30,000 会 館 収 入
“6,000 航 測
6
7
,
0
0
〈
651,000 調 査 事 業 賀
'
2
3
.
,
0
0
0
1
国
際
事
業
収
入
’
’
3
.
,
0
0
。
1
,
8
5
0
,
0
0
0
1
研究指導費
千円
鰯
92,000 一 般 事 業 費
受取利息
雑 収 入
計
、
00
2,
4,
その他収入
651,000…
1
0000
0
0
0
0
0000
,
91
010,0
2267
21
一般事業収入
49,000 会 員 費
“4■■■■
49,000 会 費 収 入
75
会費収入
目
0000
0000
0505
千円
37
,
81
4F2
5
2
項
l
0
o 11
1,
,850,
,00
について,技術の│淵発・普及を推進した。
①空中写真撒影
への利用開発に重点をおき,リモートセンシング技術の
森林計画樹立,治山計画作成,森林保全調査等のた
森林計画をはじめとする林業行政への活用調査,山地災
めに,21/23普通焦点カメラ,30/23長焦点カメラを
害モニタリングへの利用の基礎研究,赤外カラー写真活
用いて,モノクロ,天然色カラー,赤外カラー等の空
用による松くい虫被害の防除効果判定等を実施した。
中写真の撮影を行った。
情報処理の分野では,森林・林業へのコンピュータ利
普通焦点・モノクロ撒影(RMKA21/23):森林
用を総合的に検討し,具体的には森林資源憎報のデータ
計画(7件,361,100ha),普通焦点・天然色カラー
ベース化の検試産業連関表数値情報を利用した木材需
給構造の分析等を行った。
なお,これら業務の実行と将来業務のシステム開発の
(RMKA21/23):みどりの調査(1件,88,900
ha),長焦点・モノクロ(RMKA30/23):治山計画
(1件,5,000ha),アセスメン│、等(2件,1,400
基として,ハードウェア,ソフトウェアを含めたコンピ
11a),長焦点・天然色カラー(RMKA30/23);松枯
ュータシステムの整備に着手し,主・副記録装種の拡
損調査(1件,500ha),長焦点・赤外カラー(RM
充,画像処理装置の導入等,ハードウェアの整備,およ
KA30/23):松くい虫被害調査(2件,7,500ha)。
び画像処理ソフトウェア,林道計画のソフトウェア等の
②測量
整備を図った。
(6)航測事業
豊富な経験と蓄積された高度の航測技術を活用して,
森林計画のための正射写真図の作製,空中写真判読
による林相図の作製,森林基本図の経年変化修正,地
形図の作製等を行った。
利用目的に応じた空中写真の撮影,正射写真図等の作
また治山計画,土地利用計画等の設計計画図とし
製・解析,森林基本図等の地図の作製・修正および空中
て,大縮尺地形図の作成および分収造林契約地等の境
写翼の作製・頒布等を行うとともに,その効果的な活用
界測躍,境界図の作製その他の調査等を行った。
林業技術No.5561988,7
“
正射写真図(19件,180,420ha),林相図・地番図
再版隣のきた道一明治から昭和へ.日本林政史のド
等(9件,85,704ha),治山調査図(3件,18,168
ラマ」(手束平三郎著),驍林組合検査実務必挑(_上・
ha),森林基本図修正(5"27,945M),地形図(6
下巻)」(林野庁監燭,「日本の森林資源」(林野庁監
件,2,25211a),治山調査図印刷・作製(3件,900
修),「スギ・ヒノキせん孔性害虫−その見分け方と
枚),境界図(6件,7,167ha),森林調査(6"
防除」(林野庁・林業試験場監修),その他,森林航測
2,638ha),その他(6件)。
(No.152∼154)・林業手帳・林業ノート・担当区ノート
③空中写真作製・頒布
空中写真の効果的な活用と普及に努めるとともに,
林野関係の空中写真について,林野庁との基本契約に
基づき,その作製・頒布を行った。
ポジフィルム(10,294枚),密着写真(38,082枚),
引伸写真(54,248枚),その他(15,191枚)
(7)航測検査
・山火事予知ポスターなどを製作した。
(11)調査機材等の製作・販売
デンドロメーター・空中写真実体鏡・斜面測盆器・点
格子板等の測定機器類空中写真保管庫,気象観測機
器,ポケットコンピュータ(架線設計計算・コンパス測
量面積計算・林道設計計算),映画プリント,ビデオテ
ープなどの販売を行った。
森林計画関係の空中写真測量成果については,その統
一した糖度の確保と技術向上のため,林野庁が指定する
3.資産管理その他
機関の糖度分析を受けることとなっており,本会が引き
(1)部分林の管理
続きその指定を受け,航測成果の精度分析を行った。
空中写真撮影(3,915,5001,a),正射写真図(644,932
熊本営林局熊本営林署管内阿蘇深葉部分林(10.06
ha・59年度ヒノキ苗35,000本植栽)の下刈りを行
h
a
)
った。また,東京営林局平塚営林署管内泉国有林内
(8)調査事業
部分林について,間伐調査を実施した。
林野庁等の諸官庁,公団,地方公共団体,民間企業等
からの発注を受け,合計186件の調査を実施した。その
4.収支決算報告別表1∼4のとおり。
主要項目を挙げると次のとおりである。
森林調査,森林施業(34件),治山・林道調査(43
5.監査報告
件),森林レクリエーション関係調査(41件),森林
監 事 新 庄 稔
林地開発計画についてのアセスメント調査(49件),
監 事 光 本 政 光
地域振興計画調査(11朔,その他(8件)
(9)国際協力事業
①種子の輸出:台湾(吉野スギ1.5kg),フランス(秋
田スギ2.5kg,球磨スギ5kg)
社団法人日本林業技術協会の62年4月1日から63年
3月31日までの第40期の損益計算誉貸借対照表およ
び財産目録について監査し,次のとおり報告します。
(1)損益計算響貸借対照表および財産目録は,一般
②開発調査:エクアドル共和国北東部林業資源調査,
に公正妥当と認められる会計基準および定款に従
フィリピン共和国広域森林情報分析管理計画調査,
い,法人の損益および財産の状況を正しく示してい
タイ国有林管理計画開発調査,タンザニア連合共和
国キリマンジャロ林業開発計画調査を行った。
③技術者派遣:ナイジェリア,ペルー,フィリピン,
パラグァイ,ケニア,パプア・ニニーギニア,イン
ドネシア,チリ,アルゼンチン,タンザニア,マラ
ウイに技術者を派遣した(11件,11名)。
④海外研修生の受入れ:14件,13カ国から42名の研
修員の受入れを行った。
(10)図書出版等
隣林の100不思議」(日本林業技術協会編/会員配
布図書),再版「私たちの森林」(日本林業技術協会編),
林業技術No.5561988.7
るものと認める。
(2)理事の業務執行に関し法令および定款に違反する
事実はないものと認める。
45
強化する
QJ44FD
Ⅱ、昭和63年度事業計画および収支予算
1.事業の方針
林業技術の開発・改良と普及を推進する
技術指導,調査・研究等の業務体制の強化を図る
電算管理システムを拡充し,業務成果の高度化を
近時,森林の多面的な機能の高度発揮に対する国民の
図る
要請は,国内的にも国際的にも一段と高くなってきてお
6
海外への技術協力体制の強化を図る
り,これらの要請に的確にこたえるよう林業技術者に寄
せられている期待もまたかつてなく大きいものがある。
2.収支予算別表5のとおり
㈱日本林業技術協会は,林業技術者の職能集団として
は世界有数の組織である。昭和63年度は,会員が期待
にこたえた活動を行い得るよう技術の開発・改良,普及
Ⅲ、昭和63年度借入金の限度額
を図る公益事業の充実と,その財政確保を図るための収
益事業の積極的推進に努あることとし,特に次の事項に
昭和63年度の借入金の限度額は,前年度の実行結果,
重点をおいて事業を実施する。
本年度の見通しなどを勘案して,4億5,000万円とす
1.支部との連擁を密にして組織活動の強化を図る
る
。
2.北海道事務所等の地方事務所を拠点に地域活動を
Ⅳ、任期満了に伴う役員改選
本和
○佐
藤昭
勢田
山田井
能天原畠山谷
入見
○湯
***
*進
勝照正啓
:膿鈴木
本職
事
上飯坂
神足
*松
理
大矢
栗原
田雅
理 事 筒 井
*船渡
*平田
*鈴木
築地
*江口
俊行
尾崎
彦幸寿実浩浩郎輝治
江藤
本泰
吉
尭
素克
常務理事
田昭
森
*四位
誠夫
田ノ本
彰吉
○*伏見
夫人雄司忠男昭栄明
専務理事○長谷川
常務理事松
迪清忠隆
理事長○鈴木郁雄
二次文治司一
下記の通り選出された。
喜一郎
英雄
監 事 新 庄 稔
房男
光本政光
俊男
(注)○印は常勤役員
*印は新任役員
林業技術No.5561988.7
46
山火事予知ポスター「図案」「標語」募集要領
<要旨>山林火災の危険を広く国民一般に周知させ,
山林火災の予防・森林愛謹の必要性を強調したもの。
ただし未発表の創作に限る。入選作品のうち特に優秀
なものは63年度当協会作成の『山火事予知ポスター』
として採用します。どなたでも応募できます。
<作品要領>図案について,ポスター用紙は51cmX
36cm,縦がきとする。油彩・水彩・クレヨン何でも
可。ポスター作品の衷面にも住所・氏名を明記のこと。
標語については官制はがきに1人何点でも可。文語,
口語,長さも自由。
応募作品は一切お返ししません。入選作品の著作権
│協会。の
◎理事会
昭和63年度第1回理事会を次の
とおり開催した。
日時:5月25日12時から
場所:虎ノ門パストラル
出席者:鈴木(郁),長谷川,尾崎
江藤,大矢,神足,滑川,人見,松
田,吉田,湯本,佐藤,山田,筒井,
田ノ本,村松,(監事)新庄,光本,
(顧問)猪野,松井,坂口,蓑輪,
小畠,計23名
識事:鈴木理事長から62年度
は関係者のご指導,ご支援により,
かなりの成果を得た旨のあいさつが
あったのち,第43回通常総会提出
議案について審議し,全員異議なく
了承された。
◎支部幹事会
昭和63年度の支部幹事会を次の
とおり開催した。
日時:5月26日10時から
場所:本会5階会議室
出席者:都道府県支部18名,営林
局支部7名,森林開発公団1名,新
潟大学1名,計28名と本部から鈴
木理事長ほか役職員が出席した。
鈴木理事長から日ごろの各支部の
ご活躍と幹事の御労苦に謝意を述べ
たあと議事に入り,本部から支部連
合大会補助金を会員数に70円を乗
じた金額を100円に改正する旨報
告。会員増加対策特に転出入者に対
する相互連絡,終身会員の確保対
策,林業技術誌の内容等について意
見交換を行った。62年度に会員増
加に努力された,林野庁,帯広,熊
木営林(支)局,山形,福島,栃木,
京都,山口,宮崎の各府県,岩手,
林業技術No.5561988.7
はすべて日本林業技術協会に帰属することとします。
<募集締切期日および送付先>昭和63年9月5日締
切(当日消印有効)。日本林業技術協会『山火事予知ポ
スター図案・標語』係まで。
<発表>入没者には直接通知するとともに,会誌「林
業技術」10月号に発表いたします。
<入賞者には>1等(図案・標語の部各1名)日本林業
技術協会理事長賞(副賞として記念品),2等(図案・
標語の部各2名)同賞(副賞として記念品),佳作若
干名には記念品を贈呈いたします。
日本林業技術協会
日本,玉川,三重,高知,宮崎琉
球各大学支部に記念品を贈呈する旨
報告,正午から懇親会に入り盛会の
うちに終了した。
◎講師派遣
1.講師:松井光端顧問
依頼先:林野庁林業講習所
内容:署長研修(1)これからの森
林施業
期間:6/10
2.講師:蜂屋欣二技術指導役
依頼先:全国広葉樹協会連合会
内容:第1回自然保謹研究会自
然保護問題
期間:6/23
.海外派遣
1.国際協力事業団からの依頼によ
り,ペルー国アマゾン林業開発実
証調査のため6月27日から7月
8日まで松井顧問を派遺した。
2.国際協力事業団からの依頼によ
り,フィリピン共和国広域森林情
報分析管理計画調査,ドラフI、報
告のため6/7∼14まで小路ロ誠志
郎国際事業部課長を派遣した。
3.インドネシア林業事情調査のた
め,6/8∼16まで小原忠夫国際事
業部課長を派遣した。
◎海外研修員受入れ
1.中華民国行政院からの依頼により
次の研修員を受入れた。
氏名:黄博淵ほか4名
研修科目:森林レクリエーション
を主体とした林業経営施業およ
び手法〔5/30∼6/23〕
2.国際協力事業団からの依頼により
パラグアイ国,中部パラグァイ森
林造成計画プロジェクトの研修員
を受入れた。
氏名;レネ・ミケール・ブルガ
ーダほか2名
研修科目:造林(普及政策),林
業機械〔6/6∼7/1〕
◎調査研究部関係業務
1.6月24日,本会会議室において
「保安林管理情報システム開発調
査委員会」を開催した。
2.6月24日,都内都市センタービ
ルにおいて「地下鉄7号線建設計
画に伴う国立科学博物館附属自然
教育園環境保全調査委員会」を開
催した。
3.6月30日,本会にて「水源地森
林機能研究会」を開催した。
◎調査部,技術開発部関係業務
1.6月2日,日上八甲田山岳スキー
場整備事業環境影響評価調査委員
会」を青森市にて開催した。
2.6月21日,「国際花と緑の博覧会
展示物調査委員会」を本会にて開
催した。
◎本部組織の改正
7月1日付をもって,調査第四部
を森林測定部に改めた。
昭和63年7月10日発行
林 業 技 術
第556号
編集発行人鈴木郁雄
印刷所株式会社太平社
発行所
社団法人日本林業技術協会
(〒102)東京都千代田区六番町7
電話03(261)5281(代)∼7
FAXO3(261)5393
(振替東京3−60448番)
R1NGYOGIJUTSU
publishedby
JAPANFORESTTECHNICAL
ASSOCIATION
TOKYOJAPAN
〔普通会饗305",円・藻身会餐(個人)30,"0円。
日 本 林 業調 査
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林 業 ・林産業
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鈴木健夫・青木宏一郎著
B5判/198頁/定価3,800円/〒300
本苫は,スキー濡要の蝿りI的な見通しに立って.よ
り良いスキー鵜の実現をめざし,既存スキー場の利
川爽態をもとに,スキー場内の獺施設につ&、ての規
膜鱒:定から、符,鯉常までわかりやすく股│州されて
いる。特に,111zi、III1題となっている環境影響の刷猛
国民/kiiW"かさをjiWすにつれ,食べ物はより自然的,よりf擁
や評価にっL、ては,許澱可申術.迩艇副f(防災)
II蝿もの"}められ,澗度品は本物のよさや商級品力況直されて
を蹄まえて示きれている。また,スキー場の遮営で
は、j雌晩振興を棚うこと力揃提として番かれ,収支
jillll1から巡鰯l餓スキー珊内のII轍についてまで
きているなかて、きのこ,山菜うるし等の特朋林産物に対する
刷民の│卿心力禰まっている。これら糊ロ林産物は,厳しい経翻k
触れている。
作目となっており,また各地で行われているむらおこし通勤にも
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大きな鍔lllを果たしている。このような状況のなかて;林野庁が
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況にある山村地域の艇林家にとって”りlに収入の織られ&ft砿殿
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林野庁監修●A5判/380旬定価3,800円/〒300
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I民有林法令要覧 ’
実施している叩"リ1林産むらづくり」?j蝶は山村において規模の
小さい馴喋体でも手軽に取り組めること等から発足以来好評を得
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振替口座東京二−一九五二九八番
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林野庁監修
B6判/1418頁/定価4,800円/〒300
この法令要随は,"108回国会及び第1091可国会で
制定・改服された法鯛kぴにそのIMI係政背令等を含
とも撫林内の未利用資源の掘起こし,山イ《推民の定住化と地域の
め,鐙Wiの泓冷・通途類を採鉢するばかりでなく,
発展のために貢:Xするものと期待されているところである。本醤 村敏稲雛会の報告剛柾kの墾水方向」をはじめとし
は,このような特用林産むらづくりの実務に役立つばかりでなく, た綱k」皇の重要浅科や林業金融林難鋤リの概要な
特剛朴雌物の生産振興にも斑するものと思われる。
ビも収録しており.関係者にとって必鍍のもの。
ており,毎年百数十の喋落で新規に埼乎されている。また,今後
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好評発売中,
☆刊行以来大きな反響一『日経』『朝日』『読売』『毎日』『日本農業』『京都』新聞く読書・文化欄>で紹介ノ
森のきた道一囎舗鮎鷺意"":議瀞
枢要の地位を歴任した著者が,膨大な資料を駆使して綿密な考証と巧みな語りで好評を博したく林業技
術>連載「物語林政史」待望の刊行/(縦組みとし,資料写真・人名索引を付していっそうの充実をはかり
ました)●これまでの正史,逸史,秘史の枠を越えたノンフィクション史話。・諸々の基本政策の創始,変
遷の過程を時代の背景とともに活写。
「・・・…大久保利通がドイツ流林学を導入する逸話,それが官僚磯織の中で屈折し,貫徹し,現代に何を残したか,歴史的
人物の挿話とともに興味深い。無味乾燥の林政史にドラマを持ち込み,同時に政策史の流れを骨太に描いた労作」(『毎
日新聞』3月24日付暁瞥柵)
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鳥総蕊蝋室渡辺宏著A5判264頁定価3,000円(〒共)
空中写真は,森林資源調査や森林計画樹立のためだけでなく,今では林業のあらゆる分野で
利用されています。林業技術者はだれでも空中写真測量技術を修得しておく必要があるといえ
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本書は,空中写真測量の基礎から実務までをわかりやすく解説し好評であった旧著を,技術
・機器の進歩・改良に対応して大幅に改訂しました。<演習>の項には本書の1/4のスペース
を割いて編集されており,研修用にも最適の教材であります。
−発行日本林業技術協会
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社会が多様化するに従い、気象衛星などによる
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フ種の気象を観測し、そのデータを
パソコンで表やグラフに解析する超低価格な気象観測システム
データとその単位が、
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