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質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書

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質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書
質の高い大学教育推進プログラム
実施状況報告書
大
学
等
名
久留米工業高等専門学校
取
組
名
称
CIMS を 活 用 し た 機 械 要 素 設 計 と 産 学 連 携
申
請
区
分
教育方法の工夫改善を主とする取組
取
組
期
間
平成20年度 ~ 平成22年度
(3年間)
取 組 学 部 等
機 械 工 学 科 ( 専 攻 科 /機 械 ・ 電 気 シ ス テ ム 工 学 専 攻 ) 取 組 担 当 者
Webサイト
http://evo.me.kurume-nct.ac.jp/GP/index.html
藤田雅俊
機 械 工 学 専 門 分 野 の 座 学 教 育 で 習 得 し た 知 識 を 、3 D-CAD や CAE・CAM
などのデジタル・エンジニアリングを活用することでものづくりの
取 組 の 概 要
演習の中でのシミュレーションと専門知識の総合的な応用理解に結
びつけることを第 1 の目的としている。これにより機械設計・加工
能力向上の学生教育と、企業向け公開講座等の社会人技術教育を進
め、共同研究等のシーズの掘起しに役立て、教育と研究の相乗的な
向上を目指した。
1.取組の実施状況等
①取組の実施状況
( 1 )取 組 の 実 施 体 制:本 取 組 の マ ネ ジ メ ン ト 体 制 と し て 、運 営 の エ ン ジ ン を 機 械 工
学 科 教 室 会 議 に 置 き 、 機 械 工 学 科 教 員 全 員 が 機 械 設 計 ・ 加 工 教 育 に 関 し て 3D-CAD を
中 心 と し た デ ジ タ ル・エ ン ジ ニ ア リ ン グ を 活 用 し 、座 学 理 論 の 実 践 的 応 用 理 解 を 進 め
る こ と を 目 指 し 、定 常 的 に 意 見 交 換 と 改 善 の 協 議 を 行 っ た 。中 心 科 目 と な る 機 械 要 素
設 計 実 験 Ⅰ ,Ⅱ で は 、12 名 の 教 員 の 内 8 名 が 担 当 し た 。ま た 、学 校 全 体 と し て 、教 務
委 員 会 が 中 心 と な っ た FD 会 議 で 学 内 全 体 に 取 組 の 広 報 ・ 事 業 内 容 の 周 知 ・ 連 携 の 案
内を行った。
(2)取組み実施計画
① 全 体 ス ケ ジ ュ ー ル 及 び 年 次 毎 の 実 施 計 画 : 全 体 を 3 年 計 画 と し 、 平 成 20・ 21 年 度
に CIMS に 関 す る 企 業 活 動 ・ 教 育 利 用 等 に 関 す る 先 進 事 例 を 調 査 す る と 共 に 、 機 械 設
計 教 育 に お け る 3D-CAD 教 育 の 高 度 化 と 活 用 普 及 、機 械 要 素 設 計 実 験 に お け る CAE/CAM
の 導 入 を 行 い 、平 成 22 年 度 は CIMS を 活 用 し た 機 械 要 素 設 計 教 育・研 究 の 有 効 性 の 検
証 並 び に 成 果 の 検 証 を 行 っ た 。 期 間 中 、 通 算 6 回 の 3D-CAD 関 連 の 社 会 人 向 け 公 開 講
座 並 び に 、デ ジ タ ル・エ ン ジ ニ ア リ ン グ の 社 会 動 向 を 考 え る た め の イ ン テ グ ラ ル セ ミ
ナ ー を 開 催 し た 。ま た 、技 術 者 を 取 巻 く 社 会 環 境 を テ ー マ に 本 校 学 生 の モ テ ィ ベ ー シ
ョ ン 向 上 を 目 的 と し た 講 演 会 「 教 育 GP フ ォ ー ラ ム 」 を 通 算 4 回 開 催 し た 。
② 取 組 み に 参 加 す る 教 職 員 と 学 生 数:参 加 教 員 は 機 械 工 学 科 全 教 員 。参 加 学 生 数 は 3
年 次 か ら 専 攻 科 2 年 次 ま で の 機 械 工 学 科 学 生 全 員 が 相 当 す る 。他 専 攻 の 学 生 は 、カ リ
キュラム上の科目としては対応できていないが、卒業研究・専攻科研究において
3D-CAD や デ ジ タ ル ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 応 用 す る 学 生 に つ い て は 支 援 を 行 っ た 。
( 3 )社 会 へ の 情 報 提 供:◆ 取 組 の 情 報 公 開 に つ い て 専 用 の WEBSITE を 立 ち 上 げ 、迅
速 な 情 報 提 供 を 行 っ た り 、 文 部 科 学 省 の GP ポ ー タ ル サ イ ト へ の 情 報 提 示 を 行 っ た 。
ま た 、 教 育 GP パ ン フ レ ッ ト の 作 成 、 産 学 民 連 携 テ ク ノ セ ン タ ー 報 に お け る 取 組 紹 介
等、他高専・他機関への積極的な広報を行った。
本 取 組 の 情 報 提 供 WESITE: http://evo.me.kurume-nct.ac.jp/GP/index.html
◆ 催 事 や 教 育 集 会 な ど に 関 し て は 、 取 組 最 終 年 度 に あ た る 平 成 23 年 1 月 に 大 学 教 育
改 革 合 同 フ ォ ー ラ ム で の ポ ス タ ー セ ッ シ ョ ン の 参 加 や 、全 国 高 専 テ ク ノ フ ォ ー ラ ム へ
の継続的な情報提供、その他地域での産学連携推進イベントへの参加等に参加した。
ま た Singapore Polytechnic で 開 催 さ れ た 3rd International Symposium on Advances
in Technology Education や 、 日 本 設 計 工 学 会 主 催 の 「 第 2 回 設 計 工 学 に 関 す る 国
際 会 議 」、平 成 22 年 度 九 州 工 学 教 育 協 会 講 演 会 等 、各 種 教 育 イ ベ ン ト や 学 協 会 へ の 教
育報告を積極的に行った。
②取組の成果
教 育 内 容 の 改 善:◆ カ リ キ ュ ラ ム と し て 、3 年 次 ま で の 機 械 製 図 Ⅰ ~ Ⅲ で 手 書 き を ベ
ー ス と し た 立 体 把 握 能 力 と 製 図 法 の 習 得 を 徹 底 し 、 3 年 次 の CAD 演 習 か ら 3D-CAD を
習 得 さ せ て い る 。4 年 次 の 機 械 設 計 法 ・ 機 械 設 計 製 図 を 経 て 、取 組 の 中 心 と な る 5 年
次 通 年 科 目 の 機 械 要 素 設 計 実 験 Ⅰ ,Ⅱ に お い て 、 3D-CAD に よ る 機 械 要 素 の 最 適 設 計 、
机 上 解 析 と CAE シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 、簡 易 加 工 に よ る 造 形 、破 壊 実 験 な ど に よ る 工 学 的
検 証 ま で 、 工 学 的 知 識 の 総 合 的 な 活 用 を 体 験 さ せ て い る 。 ◆ GP 採 択 ( 平 成 20 年 度 )
よ り 、CAE 解 析 の 演 習 を 材 料 力 学 に お け る 弾 性 解 析 か ら 非 線 形 解 析 ,熱 流 体 解 析 に 広
げ、機械工学科教員の殆どが関わる科目となっている。
取 組 の 目 標 と 成 果 : ◆ カ リ キ ュ ラ ム 上 は 3D-CAD 教 育 を 低 学 年 で 学 習 さ せ る 方 向 で 変
更 を し て い る 。 5 年 生 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 で は 、 約 9 割 の 学 生 が 3D-CAD の 活 用 に つ
い て 十 分 な 理 解 を 示 し て お り 、取 組 前 と 比 較 す る と 毎 年 理 解 力 が 高 ま っ て い る 。ま た
3D-CAD の 習 得 に あ た っ て は 、殆 ど の 学 生 が 手 書 き 製 図 や 2D 製 作 図 と の 関 連 と 必 要 性
に 理 解 を 示 し て い る 。 ◆ GP に 伴 い 3D-CAD に 連 動 し た デ ジ タ ル 解 析 ソ フ ト の 導 入 も
進み、熱流体解析といった、可視化の難しい工学分野での学生理解が進んでいる。
◆ 3D-CAD ベ ン ダ ー で あ る Solid Works 社 の 技 能 認 定 ト ラ イ ア ル で は 、 5 年 生 で 約 5
割 の 学 生 が 60% を 得 点 し て お り 、 国 内 平 均 以 上 の ス キ ル を 身 に つ け て き て い る 。
◆ 2010 年 に は 、 日 本 機 械 学 会 の 計 算 力 学 技 術 者 公 認 CAE 技 能 講 習 会 機 関 と し て 国 内
高 専 と し て は 2 校 目 と な る 認 定 を 受 け た 。こ れ に よ り 技 術 士 補 に 必 要 な 初 級 の 試 験 免
除、2 級の講習が免除されることになった。 ◆本取組にあたり、より活発で緊密な
産 学 連 携 を 目 指 し 、 共 同 研 究 な ど の 産 学 連 携 活 動 の 20% 増 を 目 標 に 掲 げ た が 、 こ こ
数年の景気低迷のためか共同研究等の契約件数は取組期間中に伸ばすことはできな
か っ た 。 し か し 、 イ ン テ グ ラ ル セ ミ ナ ー や 3D-CAD 公 開 講 座 の 開 設 な ど に よ り 、 本 取
組 関 連 の 技 術 相 談 件 数 は 確 実 な 伸 び を 示 し て お り 、今 後 の 産 学 連 携 の 基 礎 と な る と 考
えている。
取 組 が 学 内 外 に 及 ぼ し た 効 果 : ◆ GP の 取 組 か ら 連 携 が は じ ま っ た 熊 本 高 専 八 代 キ ャ
ン パ ス 等 の 教 育 機 関 か ら 、先 進 的 取 組 と し て 今 後 の 連 携 を 促 進 す る 意 向 が 示 さ れ て い
る 。日 本 設 計 工 学 会 九 州 支 部 か ら は 、本 取 組 で 作 成 し た 社 会 人 公 開 講 座 用 テ キ ス ト の
共 同 利 用 に つ い て の 打 診 が あ り 、出 版 化 に 向 け て 準 備 中 で あ る 。ま た 、CAE 講 座 テ キ
ストについては出版社からの打診があり、こちらも準備中である。
地 域・企 業 か ら の 外 部 評 価:◆ 福 岡 県 自 動 車 産 業 振 興 室 、久 留 米 リ サ ー チ パ ー ク 等 の
行 政 機 関 、公 設 研 究 機 関 よ り 、地 域 企 業 と よ り 一 層 の 連 携 を 取 っ た 取 組 の 推 進 を 求 め
ら れ て い る 。 ◆ 就 職 し た 卒 業 生 か ら 、現 在 の 企 業 業 務 の 内 容 に つ い て の 報 告 を 受 け 、
今後の学生教育に求められる本校の姿勢や教育方法についてのアドバイスを受けて
い る 。◆ 取 組 最 終 年 度 に 行 っ た 外 部 評 価 委 員 会 で は 、九 州 大 学 工 学 研 究 院 、福 岡 県 商
工 部 自 動 車 産 業 振 興 室 、福 岡 県 工 業 技 術 セ ン タ ー 、久 留 米 リ サ ー チ パ ー ク 、久 留 米 市
商 工 会 議 所 、久 留 米 市 商 工 部 新 産 業 創 出 支 援 課 な ど 産 学 官 連 携 機 関 か ら の 委 員 参 加 を
依頼し、取組全体について評価及び助言、要望を頂いた。
③評価及び改善・充実への取組
取 組 の 評 価・改 善 体 制:◆ 取 組 の 評 価・改 善 体 制 は 、毎 月 の 機 械 工 学 科 教 室 会 議 に お
い て 取 組 の 進 行 状 況 の 情 報 共 有 を 目 的 と し た 意 見 交 換 を 行 っ た 。こ の 場 に お い て 、毎
年 の 3D-CAD や CAE/CAM ソ フ ト の 更 新 や 、教 育 用 PC の バ ー ジ ョ ン ア ッ プ 、機 材 の 更 新・
購 入 、ソ フ ト の 更 新 に 伴 う テ キ ス ト の バ ー ジ ョ ン ア ッ プ 、教 材 の 新 規 作 成 な ど 、教 育
内 容 の 継 続 的 更 新 が 議 論 さ れ 、事 業 が 推 進 さ れ た 。中 心 科 目 と な る 機 械 要 素 設 計 実 験
に つ い て は 、科 目 終 了 後 ア ン ケ ー ト 調 査 を 継 続 的 に 行 い 、次 年 度 の 科 目 へ の フ ォ ー ド
バ ッ ク を 行 っ た 。 ◆ 学 校 全 体 の 取 組 体 制 に つ い て は 、全 校 FD 会 議 が こ れ に あ た る 予
定 と し て い た が 、事 業 の 実 施 経 過 報 告 に 終 始 す る こ と が 多 く 、全 校 レ ベ ル で 改 善 へ の
取 組 に つ な げ る こ と は 難 し か っ た と 言 え る 。 全 教 員 が 参 加 す る FD 会 議 で は な く 、 GP
の プ ロ ジ ェ ク ト 推 進 の 内 部 評 価 組 織 を 設 け る こ と も 検 討 さ れ た が 、他 学 科 か ら の 取 組
へ の 参 加 が 不 調 で あ っ た た め 実 現 し て い な い 。改 善 体 制 と し て は 不 十 分 な 結 果 で あ っ
た と 言 え る 。◆ 取 組 期 間 終 了 後 と な る 平 成 23 年 6 月 の 全 校 FD 会 議 で は 、国 立 高 専 機
構 の 林 理 事 長 も 出 席 の 上 で 、平 成 22 年 度 に 終 了 し た 現 代 GP と 共 に 、取 組 の 成 果 報 告
を行う予定である。
取 組 の 達 成 度:◆ 達 成 度 に つ い て は 、目 標 と 成 果・外 部 評 価 の 項 で 言 及 し た が 、学 生
教 育 に つ い て は 想 定 し た 目 的 を 達 し た と 評 価 さ れ て い る 。達 成 度 が 補 足 し て い る 事 項
と し て は 、取 組 の 広 報 体 制 並 び に 地 域 と の 一 層 の 連 携 が 求 め ら れ て い る 点 、目 標 と し
た 産 学 連 携 活 動( 共 同 研 究 な ど )の 2 0 % 増 が 達 成 で き な か っ た 点 な ど 、外 部 連 携 に
不 十 分 な 内 容 が 指 摘 さ れ て い る 。今 後 は 、産 学 民 連 携 テ ク ノ セ ン タ ー 等 の 外 部 コ ラ ボ
レイション機関を活用し、より緊密な地域連携教育・研究を推進する予定である。
学習成果の評価方法について:◆本取組の中心科目である機械要素設計実験は、教
材 開 発 、授 業 運 営 方 法 、評 価 方 法 等 、す べ て 本 校 独 自 に 開 発 し た 科 目 で あ る 。そ の た
め 、学 習 成 果 の 評 価 方 法 に は 一 般 的 に 定 量 的 な 方 法 が 存 在 せ ず 、本 校 教 員 が 開 設 以 来
試 行 検 討 を 継 続 し な が ら 運 営 し て い る 。継 続 的 に 実 施 し て い る ア ン ケ ー ト か ら 、学 生
の 目 標 達 成 度 や 理 解 度 は 概 ね 良 好 な も の と な っ て い る が 、他 校 の 学 生 と 比 較 し た 場 合
の能力評価が難しい点が課題となっている。本校独自の教育方法による人材育成を、
就 職 先 企 業 や 進 学 先 大 学 等 へ ア ピ ー ル す る 点 で も 、客 観 的 指 標 と し 難 い 。企 業 へ の 人
材 供 給 と い う 点 か ら は 、カ リ キ ュ ラ ム・教 育 内 容 に つ い て 、企 業 を 含 め た 議 論 検 討 の
場 が 必 要 と 考 え て い る 。◆ こ れ ら の 課 題 を 継 続 的 に 改 善 推 進 す る た め に 、九 州 沖 縄 地
区の高専間で連携し、デジタル・エンジニアリングの教育導入についての情報交換、
教 材 開 発 、 教 育 評 価 な ど に 関 す る 協 働 活 動 を 目 指 し 、 平 成 23 年 度 の 国 立 高 専 機 構 ・
高 専 改 革 推 進 経 費 に 申 請 し て い る 。各 高 専 独 自 で 行 わ れ て い る デ ジ タ ル・エ ン ジ ニ ア
リング教育の指標化が求められる段階に来ていると思われる。
④財政支援期間終了後の取組
財政支援期間終了後の取組推進について:本取組は、機械工学科カリキュラム全体
に 波 及 す る 内 容 と な っ て お り 、今 後 も 各 分 野 毎 に 理 論 と 実 習 、解 析 、検 証 と い う サ イ
クルを基本として推進する方針である。
・強度解析⇒現行のハンドル単体の設計から、 複数部品の組合せ にモデルの強度解
析・試験を検討中。
・流体解析⇒抗力係数の最適設計から、 風車の効率 へ変更 。
・熱解析⇒単体の熱伝導や熱伝達の解析・実験から、 複数部品の熱伝導・熱伝達 の
解析・実験を検討中。
・運動解析⇒構造物の 固有値解析・モーション解析 ・実験を来年度から実施予定。
・公差解析⇒機械設計製図に、 公差の考え方や累積誤差の演習 を導入 。
取 組 体 制 : GP 取 組 期 間 中 は 機 械 工 学 科 が 中 心 と な っ て 行 っ て き た が 、 民 間 企 業 や 高
等教育機関(他高専)等の外部機関との連携や、学内他学科との連携を考慮すると、
本 校 の コ ラ ボ レ イ ト 機 関 で あ る 産 学 民 連 携 テ ク ノ セ ン タ ー が 中 心 と な り 、産 学 連 携 ・
教 育 連 携 の 実 質 的 運 営 機 関 と す る べ き で あ る と 考 え ら れ る 。ま た 期 間 中 、各 種 研 究 集
会・学協会等での発表により他機関から様々な意見を頂き、取組に反映してきたが、
本 校 と 同 様 の 理 念 を 持 っ た 取 組 が 多 い こ と も 判 明 し た 。今 後 は 他 機 関 で の 同 様 の 取 組
に つ い て 、一 層 効 果 的 で 効 率 的 な 取 組 と な る よ う 意 見 交 換 や 、教 育 資 料 の 共 有 化・共
同 利 用 な ど の 工 夫 の 余 地 が あ る の で は な い か と 思 わ れ る 。次 の ス テ ッ プ へ の 継 続 的 改
善を進めている。
財 政 措 置 : GP に よ り 、 3D-CAD に 関 連 し た 設 計 ・ 加 工 関 連 機 器 、 工 学 計 測 ・ 解 析 機 器
の 導 入 を 進 め る こ と が で き た が 、 現 在 の こ れ ら 機 器 や 3D-CAD な ど の ソ フ ト は 、 コ ン
ピ ュ ー タ ー 開 発 の 進 展 に 伴 担 が 年 々 増 加 し て き て い る 。当 面 は 学 科 予 算 で の 対 応 が 基
本 と な る が 、学 校 予 算 で 賄 う に は 将 来 展 望 が 見 通 せ な い 状 況 に な り つ つ あ る 。特 に 各
高 専 で 導 入 が 進 ん で い る 3D-CAD ソ フ ト や 、 こ の デ ー タ を 活 用 し 造 形 す る ラ ピ ッ ド プ
ロ ト タ イ プ ( 3D プ リ ン タ ー ) は 、 高 専 に お け る 実 践 的 設 計 教 育 に お い て は 適 し た 教
育 機 材 で あ る と 思 わ れ る が 、そ の 維 持 更 新 は 各 校 で の 負 担 と な っ て い る 。教 育・研 究
業 務 以 外 に 、こ れ ら 更 新 等 の 業 務 の 負 荷 が 増 え て ゆ く こ と は 、教 育 現 場 の 空 洞 化 に も
つながると危惧している。
さ ら な る 教 育 の 質 的 向 上 に 向 け た 計 画 : 平 成 23 年 3 月 で の 取 組 終 了 に 伴 い 、 上 記 取
組 体 制 の 刷 新 と 、財 政 措 置 の 確 保 に 向 け て 、国 立 高 専 機 構 の 高 専 改 革 推 進 経 費 を 申 請
し て い る 。こ れ は 、九 州 沖 縄 地 区 の デ ジ タ ル・エ ン ジ ニ ア リ ン グ 教 育 の 連 携 と 推 進 を
目 指 し 、本 校 並 び に 熊 本 高 専 八 代 キ ャ ン パ ス が 連 絡 ハ ブ 校 と な り 、こ れ ま で の 取 組 成
果の高専間活用や、教育方法・手段の研究を進めようとする取組である。
継 続 実 施 に あ た っ て の 課 題:第 1 は 上 記 の 財 政 に つ い て の 課 題 で あ る 。本 取 組 で 整 備
さ れ た 機 器 の み な ら ず 、 学 内 の デ ジ タ ル 機 器 の 維 持 更 新 が 課 題 と な る 。 ま た 3D-CAD
の 高 度 化 に 伴 い 、各 専 門 分 野 で の 計 測・解 析 機 器 も デ ジ タ ル 化 が 進 み 、全 体 を 見 据 え
た維持更新は、今後各校の負担となると思われる。
2.取組の全体像
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