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【全訳】 裁判官・検事 女子率アップ 裁判官や検事を目指す女性が増えている。2015 年度には、新たに採用された裁判官で 女性の割合が初めて 40%を超え、検察官でも 9 年連続で女性が 30%台を占めた。 男女共同参画を推進する中で国家公務員への女性の進出は法曹界のリードが目立つ。 省庁のキャリア官僚を目指すため 2015 年度に採用された新規職員のうち,女性の割合 が初めて 30%を超えた。 ただし、裁判所も検察も幹部への女性登用は依然として進んでいない。女性の人員が まだ相対的に少ないためである。 1 月 18 日に、東京都千代田区の最高裁で新任裁判官への辞令公布式が開かれた。緊張 の面持ちで参列する 91 名のうち、女性は 38 人。全体の約 42%に相当する。 「何事にも熱心に取り組む裁判官になりたい」20 代女性はこう話した。「多くの女性 が後に続いてくれると嬉しい」 例年、司法修習の修了生のうち女性は約 25%となっている。しかし、裁判官の採用で は 2006 年以降、ほぼ毎年 30%台をキープして増加傾向にある。昨年 4 月の時点で全裁 判官における女性の割合は約 24%となった。 (1) 将来的な仕事の予定が立てやすいことや、母親になる女性に対する援助があること などが、裁判官が女性に人気の職業である理由の一つとしてある。 東京地裁で裁判長を務める 53 歳の女性判事は、同じく裁判官である夫とともに 2 人 の子育てをしながら京都府や熊本県などで地方勤務を経験した。 「子供がまだ小さい頃は家族との同居を希望しました。その結果、転勤先が夫と同じ になったりしました」と振り返る。 「仕事それ自体が魅力的なのはもちろんですが、実の ところ、産休や育休をとりやすいのも魅力につながっているのかもしれません」 2014 年度では、育児休暇の取得率が女性裁判官で約 97%。女性の全国平均では約 87% であった。男性裁判官においては約 7%が育休を取得。男性の全国平均では約 2%となっ ている。 近年、マタニティー・ハラスメント(妊娠や出産を理由とした、職場での不利益な取 り扱い)などのように、女性の権利をめぐる訴訟も多くなっている。 「女性の社会進出にともなう問題に対処していくには、男性裁判官だけで遂行するの はやはり不自然。裁判に女性の視点が入る意味は大きい」とベテラン裁判官は語る。 隔世の感 検察官も 2007 年度以降、女性の採用比率が 30%台で推移している。全体での割合も 昨年で 22%となった。 検察官の役割も近年は変わりつつある。刑事裁判の方法に変更があったことなどが理 由だ。2008 年には刑事裁判への被害者参加制度が始まり、公判における被害者の役割の 重要性が増した。さらに 2009 年には裁判員制度が導入された。検察官というと被疑者 の責任を厳しく追求するイメージがあったものだが、現在では被害者やその遺族に対し て親身に接し、裁判員へ罪状を簡潔に分かりやすく説明する能力が求められている。 「女性検察官の方がコミュニケーション能力にたけており、取り調べの際に再犯を起 こさぬよう促すのも上手だ」と最高検察庁(最高検)幹部は話した。 最高検では、検察官の仕事と育児の両立支援にも力を入れている。例えば最近配信さ れたメールマガジンでは、男性検事が育児休暇について話し合う座談会の様子や、東京 都霞が関周辺での保育園の空き状況などが紹介されている。 「捜査に追われる中で仕事か家庭かの選択を迫られた私達の時代と比べると、隔世の 感がある」と 50 歳代のある女性検事は話している。