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世界の水問題~安全な飲み水へのアクセス~
2015 年 6 月発行 News Letter No. 22 Summer 2015 Open: 月‐金曜日 10:00‐17:00 *土日祝日、年末年始、夏期休暇期間は閉館 〒603-8577 京都市北区等持院北町 56-1 立命館大学衣笠キャンパス明学館 1 階 TEL:075(465)8107 FAX:075(465)8334 世 界 の水 問 題 ~安全な飲み水へのアクセス~ 国連は、長年にわたってさまざまな水の問題について取り組んできました。 今回は、その中から安全な飲み水について注目します。日本では、蛇口をひねればきれいな水が出てきます が、開発途上国の中には、安全な飲み水を手に入れることができない人が多くいます。そのため、不衛生な水に よって子どもが感染症(下痢など)にかかり命を落としてしまったり、女性や子ども(特に女の子)が水汲みのため に長時間を費やし、教育を受ける機会を失ってしまったりする原因となっています。 水の問題を改善することは、ジェンダー平等の推進、乳幼児死亡率の削減等にもつながります。 <ミレニアム開発目標の中のひとつとしても・・・> 2015 年までに達成すべき 8 つの目標を設定したミレニア ム開発目標(MDGs)の目標のひとつに「2015 年までに安全な 飲料水と衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半 減する」があり、改善に向けた活動が行われてきました。 1990 年当時は、改善された水源*1 を利用できる人は世界 の人口の 76%でしたが、2012 年までに 89%となり 22 年間で 13%増加し、人数にするとおよそ 23 億人の人々が改善された けれども、2012 年の時点でまだ安全な水を利用できない人が 7 億 4800 万人’(そのうちの%がサハラ以 水源を利用できるようになりました。特に、人口の多い中国と 南のアフリカ)もいるのです。 インドでの改善が進んだことが大きく影響しています。 *1 改善された水源・・・外部からの汚染から十分に保護される構造を備えている水源・給水施設のこと ©UNITED NATIONS / UN PHOTO 「飲み水に関する MDGsの Global Issues A t o達成状況, Z .2012」 (第 7 回 ) 達成(Met target) 達成可能(On track) 不十分な進展 国連は世界中のさまざまな課題に取り組んでいます。 (Progress insufficient) このコーナーでは、国連のホームページで紹介されている 30 の Global Issues についてアルファベット ・ 未達成(Not on track) 順にご紹介します。(http://www.un.org/en/globalissues/)第 7 回目は下記のキーワードです。 適用データなし ©UNICEF (Insufficient data or not applicable) <典拠資料> Progress on sanitation and 上記の分布図は、「飲み水に関する MDGsの達成状況.2012」ですが、サハラ以南 のアフリカのほとんどの国が未達成となっています。原因のひとつとして、高い人口 こK 増加率が影響していると考えられています。依然として、45 カ国の人々は安全な飲料 水を利用することができずにいるのです。 参考資料: 国連 HP、日本ユニセフ協会 HP drinking- water 2014 update (衛生施設と飲料水の前 進:2014) (WHO & UNICEF 2014) News Letter No. 22 Summer 2015 Global Issues A to Z (第 7 回 ) 国連は世界中のさまざまな課題に取り組んでいます。 このコーナーでは、国連のホームページで紹介されている 30 の Global Issues についてアルファベット 順にご紹介します。(http://www.un.org/en/globalissues/)第 7 回目は下記のキーワードです。 H E A L TH 〔 保 健〕 国連では、基礎的な保健サービスや衛生施設の改善、また感染症の対策を行ってきました。 健康についての研究や各種の国際的基準の策定も行っています。 こK 関連機関:国連児童基金(UNICEF)→子どもと母親の健康に焦点を合わせた活動を行う 世界保健機関(WHO) →病気に関するグローバルな活動を調整する専門機関 国連人口基金(UNFPA) →リプロダクティブ・ヘルス(生と生殖に関する健康)問題に取り組む 月‐金曜日 10:00‐17:00 *土日祝日、年末年始、夏期休暇期間は閉館 Open: HUM AN R I G H TS 〔 人 権〕 〒603-8577 京都市北区等持院北町 56-1 立命館大学衣笠キャンパス明学館 1 階 国連は、 「国連憲章」と「世界人権宣言」を礎として全ての国が願う共通の人権(人として生きる権利) TEL:075(465)8107 FAX:075(465)8334 を促進する機構を作り上げました。数多くの国際人権条約・国際規約を作ることにより、女性、子ども、 世 界 の水 問 題 ~安 全 な水 にアクセス 障害者、移住労働者などの弱い立場にある人々を擁護するための特定の基準も定められています。 関連機関:国連人権理事会(UNHRC) 国連人権高等弁務官事務所(UNOHCHR) H U M AN S E T T L E M E N TS 〔 人 間 居 住 〕 現在、世界人口のうちの半数近くが都市部に住んでいますが、さらに 2050 年までに都市に住む人の 数は世界の人口の 2/3 以上になるといわれています。しかし、多くの開発途上国では都市に住む半数 以上の人々がスラムに住んでいて、適切な住居、水、衛生環境などを得ることができません。 国連ではこうした状況の改善に取り組むための機関を設立し、活動しています。 関連機関:国連人間居住計画(UN-HABITAT) H U M AN I T A R I A N A S S I S TA N C E 〔 人 道 支 援 〕 国連では、第 2 次世界大戦後の人道的支援活動を調整して以降、長年にわたり紛争や自然災害など の際の緊急援助や長期支援の活動を行ってきました。これを人道支援といいます。 関連機関:国連人道問題調整事務所(OCHA) 国連児童基金(UNICEF) 世界食糧計画(WFP) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) 国連食糧農業機関(FAO) 発行:京都国連寄託図書館 <6 月のミニ展示のお知らせ> 〒603-8577 立命館大学衣笠キャンパス明学館 1階 写真パネル展:50 カ国の子どもたち I N 京都市北区等持院北町 T ER N A T I O N AL 56-1 LAW 〔国際法〕 けれども、2012 年の時点でまだ安全な水を利用できない人が 7 億 4800 万人’(そのうちの%がサハラ以 TEL :075(465)8107 FAX:075(465)8334 2015.6.9-6.19 国際の平和と安全や経済社会開発を進めていくために、国家間の関係を規制する法律の基礎となる URL:http://www.ritsumei.ac.jp/acd/in/cger/kunl/index.html 南のアフリカ)もいるのです。 ぜひ、ご来館ください。 国際法(条約、規約など)を締結することは国連の活動の中でもっとも知られている業績のひとつです。 Kyoto United Nations Depository Library News Letter No. 22 「人権法」や「国際人道法」等これまでに 500 件以上の多国間協定の締結に力を注いできました。 関連機関:国際司法裁判所(ICJ) 国際刑事裁判所(ICC) 発行:京都国連寄託図書館 〒603-8577 京都市北区等持院北町 56-1 立命館大学衣笠キャンパス明学館 1 階 TEL :075(465)8107 FAX:075(465)8334 URL:http://www.ritsumei.ac.jp/acd/in/cger/kunl/index.html Kyoto United Nations Depository Library News Letter No. 22 参考資料:国連 HP / 国際連合の基礎知識 / 国連広報センターHP <6 月のミニ展示のお知らせ> 写真パネル展:50 カ国の子どもたち 2015 年 6 月 9 日-19 日 ぜひ、ご来館ください。