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研究設備一覧

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研究設備一覧
大分県地域結集型研究開発プログラム
次世代電磁力応用技術支援機器等一覧
A : 電磁鋼板磁気特性評価
B : 磁性材料の特性改良法の開発
ベクトル磁気特性動的磁区観察装置(SEM)
高磁束密度二次元ベクトル磁気特性測定システム
1
実機内の磁束条件を模擬した励磁を行い、磁束密度
と磁界強度をベクトル量として測定し、機器設計のた
めのデータベースを構築することが可能な装置
1
インバータ機器用サージ電圧試験システム
二次元ひずみ・応力ベクトル磁気特性測定システム
2
実機内の応力や磁束条件下における磁気特性の正確
把握可能な応力印加時におけるベクトル磁気特性・二
次元磁気ひずみを測定可能な装置
2
自動局所二次元ベクトル磁気特性測定システム
3
磁束分布や鉄損分布を自動で測定を行う。2mm×
2mmの極小局所ベクトル磁気センサーを使用してお
り、モータ等の複雑な形状で狭い領域の測定が可能
4
部分放電特性、発生箇所、状況をリアルタイムで観
測できる装置インバータサージによるマグネットワ
イヤの寿命評価試験が可能
真空均温熱処理装置
3
磁気損失分布可視化システム
サーモグラフィカメラを用いた微小温度時間変化分
布測定が可能な装置(真空中に設置することで熱的外
乱を軽減可能)
動的な磁区挙動を詳細に観測し、応力下のベクトル
磁気特性測定結果を鑑み、応力により磁区構造を制御
し、低損失・高効率を図る
真空装置と電気炉を用いた均温チェンバー(φ36
×200L、温度分布 1000℃±5℃の均―温度)の雰
囲気中で、熱消磁・熱処理可能
低周波誘導加熱装置
4
真空装置と誘導加熱を用いた高速加熱装置で、放射
温度計及び温度コントローラにより加熱温度を制御
しながら熱処理可能
X 線残留応力分布測定装置
5
X線回折により金属の結晶格子間のひずみ量(残留
応力)を測定し,加工・組み立て工程後のモータ鉄心
の残留応力を評価可能な装置
A
電磁鋼板
磁気特性
評価
簡易ベクトル磁気特性評価装置
6
電磁鋼板の材料開発及び機器の製造時における鉄心
材料の磁気特性やバラつきを簡便かつ迅速に測定でき
る装置
B
磁性材料の
特性改良法
の開発
応力負荷型単板磁気試験器
7
無応力、応力下(引張・圧縮)での磁性材料の正確
な交番磁気特性測定装置(無方向性・方向性電磁鋼板、
アモルファス金属薄帯等)
次世代
電磁力
応用技術
小型二軸引張・圧縮応力装置
8
二方向(X,Y 方向)に引張・圧縮応力を印加でき、他装
置と組み合わせることで、応力校正が可能な装置
Bコイル・Hコイル用校正装置
9
ヘルムホルツコイル及び回転ステージを用いた電磁
誘導型センサーの特性(エリアターン・直交度・周波
数特性・位相特性)測定装置
C
永久磁石
評価
C :永久磁石評価
1
ロングパルス磁場永久磁石特性測定システム
【最大30T】
パルス強磁場を用いて強磁性材料(特に永久磁石材
料)の磁気特性を測定する装置
三次元ベクトル分布測定装置
2
D : 電磁力応用機器の評価
マグネットの表面磁場を同位置における3方向(x,
y,z)同時に測定することができる装置
リニアアクチュエータ性能評価システム
1
簡易型永久磁石特性評価装置
3
D
電磁力応用
機器の評価
パルス磁場を用いた永久磁石材料の磁気特性を簡易
的に測定する可搬型装置
リニアアクチュエータの静特性(誘導起電力やコギ
ングなど)、動特性(推力・速度・加速度など)をP
Cベース計測ステーションにより測定
リアルタイム計測制御システム【DSP】
2
MATLAB/Simulink による制御対象のモデリング
とシミュレーション(DSPシステムに実装して実機
を含んだシミュレーションを行う)
電磁鋼板磁気特性評価
高磁束密度ベクトル二次元磁気特性測定システム
A1
ベクトル磁気特性解析による磁性材料の特性把握
図2 VHアナライザー
図1 モータ
B max [T]
測
定
結
果
(a) 励磁器と試料
(b)大容量電源
図4 測定装置
200
Hy [A/m]
1
0
-1
100
0
-100
-200
-2
-2
0
B [T]
2
-200
x
50A470(0°)
50A470(45°)
50A470(90°)
50A1300(0°)
50A1300(45°)
50A1300(90°)
10
100
1000
10000
0
200
Hx [A/m]
(b) Bmax = 1.0 T
(a) 磁束条件
x 10
2000
4
50A470
50A1300
2
1000
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
50A470
50A1300
2
By [T]
●図5に任意方向の交番磁束下の BH カーブを示す。
低 グ レ ー ド (50A1300) に 比 べ 、 高 グ レ ー ド
(50A470)の BH カーブは励磁方向に対する磁界強
度の変化が大きく、機器設計において最適な材料を
選択する必要がある
●図6に回転磁束下のベクトル磁気特性を示す。磁束
密度ベクトルが真円となるように制御し、磁界強度
ベクトルを測定した。1.5 T 以上の高磁束密度領域
になると、各グレードともに磁気異方性は大きく変
化しており、このような特性を考慮した機器設計が
必要である。
Hy [A/m]
機
器
の
概
要
●測定原理:図3にベクトル磁気特性の定義を示す。
y (T.D.)
従来はある特定方向の磁気特性が測定されていた
H (Hx, Hy)
が、本装置では、二方向から励磁し、任意方向の
交番磁束及び回転磁束を発させ、磁束密度ベクト
B (Bx, By)
ル B と磁界強度ベクトル H を測定できる。
H
●測定装置:測定部装置中央に80mm×80mm 角
の鉄心材料を設置し、励磁用継鉄(ヨーク)を対
極して配置し、コイルは x、y 方向の各対直列に接
B
続する(図4(a))
。さらに、2台の大容量電源(高
砂社製、(図4(b))を使用することで高磁束密度レ
x (R.D.)
ベルまでの励磁が可能となる。また、探りコイル
-1
と H コイルを使用し、磁束密度と磁界強度波形を B = tan (By / Bx)
測定する。さらに、岩通計測と共同で開発した高
 = Bmin / Bmax
速・高精度で測定できるVHアナライザーを用い
図3 ベクトル磁気特性の
る。
定義
50A470
50A1300
0
-1000
Hy [A/m]
利
用
分
野
●モータ・発電機などの回転機一般の高効率・低損失設計
実機モータ鉄心材料の励磁状態に近い状態での磁気特
性評価が可能であり、1.9T 以上の高磁束密度領域での
ベクトル磁気測定(世界初)が可能できる。データベース
を、ベクトル磁気特性解析ソフトウェアに用いることで、
電気機器用鉄心構造の最適化を図ることができる。
・ベクトル磁気特性解析ソフト(ミューテック、フォトン)
1
0
-1
-2
-2000
-2000
0
H [A/m]
x
100000
2000
-2
0
Hx [A/m]
2
4
x 10
(c) Bmax = 1.5 T
(d) Bmax = 1.9 T
図6 回転磁束下の磁界強度ベクトル軌跡
H max [A/m]
図5 任意方向交番磁束下の BH カーブ
所
在
大分大学(共同研究講座)
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電磁鋼板磁気特性評価
二次元ひずみ・応力ベクトル磁気特性測定システム
A2
応力印下時の磁性材料ベクトル磁気特性評価
交番磁束
図1 モータ鉄心
VH analyzer
磁気ひずみ評価用ゲージ
 = 120
o
図2 システムの外観
Bx
45
Hx
By
Slit width : 0.2
0
90
Hy
Power amplifier
’ = 0 o
Mechanical strain
Pre amplifier
IWATSU
 = 60 o
Six-axial
strain gauge
Ex
=0o
’ = 45
Ey
o
’ = 90 o
60
B-coils
Cross H-coil
Unit : mm
図3 十字形測定試料と六軸ひずみゲージ
●電磁鋼板の圧延方向に対して応力を印加し、
応力印加方向と同方向に励磁を行った時の
BHループの変化を図5に示す。引張応力に
よってBHループの膨らみが減少し、圧縮応
力によって増加する。また,低い引張応力に
よって磁気損失が減少していることから,応
力によって損失を低減できる。
●図6に回転磁束下のベクトル磁気特性を示
す。圧延方向に引張応力を印加した場合、応
力印加方向と直角方向の磁界強度ベクトル
が増加し、応力磁気異方性が生じる。また、
圧縮応力を印加した場合、応力印加方向と平
行方向の磁界強度ベクトルの値が増加する。
応力によってベクトル磁気特性を制御する
ことが可能となる。
0
120
図4 応力ベクトル磁気特性測定システム
14000
1 引張応力
2.5
12000
0.5
2.0
10000
8000
0
-0.5
1.5
μ max
Wm
6000
1.0
4000
圧縮応力
0.5
2000
-1
0
-500
0
H [A/m]
0.0
-50 -40 -30 -20 -10 0
500
W m [W/kg]
125
10 20 30 40 50
s [MPa]
図5 応力印加方向と同じ方向の磁気特性
500
1
引張応力
0.5
Hy [A/m]
80
B [T]
125
Magnetostriction
Exciting coil
応力評価用ゲージ
m
R.D.
By [T]
T.D.
測
定
結
果
回転磁束
60
機
器
の
概
要
応力
●測定原理:図3に測定試料とひずみゲージを示す。無方向性電磁鋼板を十字形に切出した測定試料を用い,十
字形試料の4つの端部を固定し外部荷重を加え鋼板面内に応力を印加する。十字形試料の中央部に六軸ひずみ
ゲージを貼り、三方向のゲージのひずみの値から応力を求め、三方向のひずみゲージで磁気ひずみを測定、応
力と磁気特性の関係を測定する。
●測定装置:図1に測定システムを示す。二軸方向の応力印加機構を有し、最大±50 MPa まで引張・圧縮応力
を印加できる。8ch の応力 VH アナライザ(岩通製)を使用し、磁束密度、磁界強度、磁気ひずみを短時間に測
定可能である。さらに、ロックアンプ(NF 社製)を 3 台使用し,高周波ノイズの少ない磁気ひずみを測定する。
80
利
用
分
野
●図1に示すようにモータ使用時において、残留応力
や交番・回転時速が発生し、磁気特性は複雑に変化す
る。本システムは、実機内の応力や励磁状態に近い条
件下でベクトル磁気特性を測定することができる。応
力ベクトル磁気特性測定結果のデータベースを用いて
ベクトル磁気特性解析を行うことによって、電気機器
用鉄心構造の最適化を図ることができる。さらに、応
力とベクトル磁気特性の因果関係を解明するため、応
力下の二次元磁気ひずみ測定が可能である(図2)
。
・応力を利用した電気機器の高効率・低損失化
・応力を利用した新しい磁性材料開発
応力
0
-0.5
-1
-1
0
Bx [T]
1
0
圧縮応力
-500
-500
0
Hx [A/m]
500
図6 応力下のベクトル磁気特性測定結果
所
在
大分大学(共同研究講座)
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電磁鋼板磁気特性評価
自動局所二次元ベクトル磁気特性測定システム
A3
磁束密度分布や鉄損分布等の磁気特性を自動で測定

利
用
分
野





機
器
の
概
要







測
定
結
果
世界初の2mm×2mmの極小局所ベクトル磁気センサーを
組みこんでおり、モータ等の複雑な形状で狭い領域の測定が可
能
磁束密度と磁界強度をベクトル量で測定するため鉄損を直接
求めることが可能
モータ実機の磁気特性を測定可能であり、コンピュータシミュ
レーションと比較検討が可能
世界初の2mm×2mmの極小局所ベクトル磁気セ <超小型探針センサ>
ンサーによる測定
2 方向に設置された B コイル、H コイルによりベク
トル量として測定が可能
自動設置ロボットによる測定の自動化により、複数
のサンプルに対しても手間なくそくていが可能。
各種汎用ソフトのメッシュデータを直接実写映像と
フィッテイングできるため、測定領域の設定が容易。
タッチパネルによる操作により、直感的な操作が可
センサ写真
能
磁束密度のベクトル挙動を把握できるため、磁束線
の流れが実機で確認可能
コンター表示やベクトル表示に加え、磁束密度ベク
トルの軌跡、磁界強度ベクトルの軌跡の確認可能に
なり、実機の局所部での磁束条件が把握可能になる。
最大磁束密度分布、最大磁界強度分布、鉄損分布局所
で実測可能。
ティースの先端で最大磁束密度、最大磁界強度、鉄損
いずれも大きな値をとることがわかる。
下図は方向性電磁鋼板の結晶粒が鉄損に与える影響
を明らかにした結果である。結晶粒の大きさや、磁化
容易方向の影響が確認できる。
センサが小型化された
事から新しい材料開発にも活用可能である。
Hmax
0.1
0.095
0.09
0.09
0.1
Iron loss
0.095
0.08
0.075
0.09
0.9
0.085
0.8
0.08
0.7
10
0.085
200
0.08
0.6
0.075
12
250
1
0.085
8
150
0.075
0.5
0.07
6
0.07
0.07
0.4
0.065
0.065
0.06
0.055
最大磁束密度分布
-0.015
-0.01
-0.005
0
0.005
0.01
0.015
0.05
-0.02
100
0.065
0.3
0.06
0.055
所
在
テイング
1.1
0.095
0.05
-0.02
メッシュデータフィッ
鉄損分布+B ベクトル分布
<モータの実測結果>
Bmax
0.1
制御構成図
0.2
0.06
0.1
0.055
最大磁界強度分布
0.02
-0.015
-0.01
-0.005
0
0.005
0.01
0.05
0.015
-0.02
4
50
0.02
-0.015
-0.01
2
鉄損分布
-0.005
0
0.005
大分県産業科学技術センター
0.01
0.015
磁束密度ベクトル軌跡
0.02
0
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電磁鋼板磁気特性評価
A4
磁気損失分布可視化システム
電磁鋼板の鉄損分布測定ツール 【サーモグラフィカメラ】




利
用
分
野
機
器
の
概
要
測
定
結
果
所
在





鋼板素材などの磁気損失の有無やこの分布の検査、確認ができる。
鋼板の切断・曲げなど加工後の磁気損失の有無や分布の検査、確認ができる。
製品組立後のカットサンプルによる磁気損失の有無や分布の検査、確認ができる。
鋼板加工や製品組立て前後での磁気損失や分布差異から最適加工・組立法を開発できる。被測定面には非
接触で、板面全体の損失分布を短時間で可視化できる技術であり、これら以外にも、銅損失や軸受けなど
摩擦損失の分布の実測にも応用展開が可能である。
モータの鉄損分布の可視化が可能であり、コンピュータシミュレーションとの比較検討が可能である。
モータの回転部の鉄損分布の可視化が可能であり、誘導機などの損失解明に利用可能である。
変圧器の鉄損分布可視化が可能であり、接合部における損失増加などを領域で評価可能
巻鉄心変圧器などの巻圧力や、曲げ半径などが損失に与える影響を評価可能。
鉄損による品質のばらつき原因を特性可能
●測定の原理:電磁鋼板を磁化する時に発生する磁気損失は、熱と
なって消費されるため、損失の大きさに応じて板面上に温度分布が
発生する。この板面上の温度分布をサーモグラフィーで観察するこ
とによって、損失分布を知ることができる。測定では、磁化の開始
や停止後の板面温度の時間に対する温度勾配をコンピュータ処理
することによって、従来では出来なかった高感度・高応答で温度分
布を求めて、磁気損失分布として可視化している。
●測定装置:装置は、真空チャンバーの中に試料をセットした励磁
ヨークと、これを乗せて上下できるリフター先端の台がある。励
磁ヨークで励磁された試料の表面を、サファイアレンズを通して
サーモグラフィーで観察し、そのデータをコンピュータ処理する
ことによって、磁気損失分布を画面の上で見ることができる。サ
ーモグラフィーの焦点距離調整のため、測定対象物はリフターで
上下できる構成となっている。熱の伝達による外乱をふせぐた
め、
試料は最大 0.0001P 程度の真空度雰囲気中に設置している。
最大直径 800mm の大きさまでの試料が設置可能である。
測定装置概要
●従来技術は、直接接触させる必要があり、表面が皮膜処
理されたサンプルなどでは、皮膜除去が必要となり、特
性に影響を与えることも有る。本技術・装置では、温度
上昇や降下等の変化をデータ処理することによって磁
気損失分布を求めているため、
試料に何らの処置を施す
ことなく、非接触・短時間で板面全体の磁気損失分布を
知ることができる。
●変圧器形状の模擬サンプルを用いた測定結果の一例を示す。AとBの部分の磁気
損失の状況を示しており、赤い程、磁気損失の値が大きく、発熱して温度上昇し
ている。これら分布の状況は、BH センサーを用いるなど他の方法による測定結
果ともよく一致している。さらに、モータコアの磁気損失分布についても、被測
定用モータの永久磁石ロータを別のドライビングモータを用いて回転させるなど
の方法を採用し、スーテタコアを励磁して磁気損失分布を測定した。この一例を
図に示す。
大分大学(共同研究講座)
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電磁鋼板磁気特性評価
A5
X 線残留応力分布測定装置
X 線回折による金属結晶格子間ひずみ(残留応力)測定
製品
磁気特性の劣化
加工・組
立て工程
鉄損
利
用
分
野
●電気機器の鉄心材料は,応力の影響を受けやすく,
加工・組立て工程の外部応力や残留応力によって磁
気特性が劣化し,ビルディングファクターが増加す
る(図1)
。本装置は、モータ鉄心表面の微小領域の
残留応力分布を測定することができ、残留応力の発
生箇所や製品組立の良否の評価が可能である。
・電気機器の製造
・金属材料の加工・開発
・製品の品質管理
素材
磁束密度
図1 加工・組立工程における磁気特性劣化
 
2
Strength I
●測定の原理:結晶格子間隔の歪をX
X-ray generator
 
Collimator
線回折によって測定することで残留応
 
N’(Normal plate of
N(Normal plate
crystal lattice plane)
力を求めるものである(図2)
。各結晶
of Specimen)
X-ray Detector
粒での歪はX線の入射角ψと反射する

ときの角度θの関数として表され、こ
2
Compression
の測定される歪と外部応力の印加によ
Radiation
Diffraction
る歪とを対応付けしておくことによっ
て残留応力が求まる。
Angle rang of
measurement
●測定装置:図3に測定装置を示す。
Tensile
2

2  ~ 
微小部 X 線応力測定装置(AutoMate,
sin2
(株)リガク社製)、最大試料サイズが
  2 
E

s 
cot  0
50 x 120 mm、試料重量は 20 kg、
2  1    180
  sin 2  
試 料 ス テ ージ の 寸 法は 150 mm x 図2 X 線残留応力の測定方法
150 mm,x 及び y 方向に±50 mm,
z 方向に 40 mm 移動である。図4に
示すように、自動回転ステージを設置
し、3 方向の応力を測定可能である。
機
器
の
概
要
図3 測定装置
測
定
結
果
所
在
●図4にモータ鉄心の周方向と径方向の残留
応力分布の測定結果である。測定に使用した
モータ鉄心は、フレームに圧入されている鉄
心のカットサンプルであり、励磁巻線、かし
め、切欠きが施されている。カシメ部分に非
常に大きな引張応力と圧縮応力が混在して
いる。また,残留応力ティース部において径方
向に対して引張の残留応力が生じる。
モータ鉄心内の様々な箇所において残留
応力が発生しており,残留応力が発生した鉄
心部の磁気特性は大きく劣化する。このよう
な結果を踏まえ,残留応力の発生を防ぐよう
な鉄心加工技術の開発が必要である。
図4 測定方法
(a) 径方向
(b) 周方向
図5 モータ鉄心の残留応力分布
大分県産業科学技術センター
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電磁鋼板磁気特性評価
簡易ベクトル磁気特性評価装置
A6
電磁鋼板磁気特性測定の簡便化ツール
利
用
分
野
●新しい電磁鋼板の材料開発及び機器の製造時
における電磁鋼板の磁気特性の判別やライン上
におけるバラつき評価するためのベクトル磁気
特性測定装置である(図1)
。
・磁性材料の開発支援
・電気機器の設計・開発支援
図1 簡易ベクトル磁気特性評価装置
機
器
の
概
要
●測定原理:図2にベクトル磁気特性の定義を示す。磁束密度ベクトルの大きさ Bmax と圧延方向からの磁束密
度ベクトルの傾き角度θB を定義し、二方向から励磁することで、任意方向の磁気特性を評価可能である。
●測定装置:図3に示すように二方向の励磁鉄心とコイルを使用し、x と y 向から励磁を行い,任意方向のベク
トル磁気特性を評価できる。図4に測定方法を示す。磁束密度測定は,励磁器に巻いた B コイルを使用し,磁界
強度測定は,励磁電流法を採用した。磁束密度を正弦波にするためにフィードバック制御する必要があるが、本
装置では、測定時間を短縮するためアナログ回路を用いたフィードバック制御を行っている。差動増幅器に B コ
イルの出力信号と A/D コンバータの正弦波信号を入力することで, B コイルが正弦波になるように、差動増幅
器から励磁電圧が出力される。本装置は、無方向性電磁鋼板、最大磁束密度を0.1~0.8Tまで測定可能であ
る。
PC
直角方向
D/A converter
H
A/D converter
B
B
D
圧延方向
Bmax = √(Bx2+By2)
B =
tan-1(B
y/
P
Excitin
g coil
B-coil
Specimen
Bx)
P : Power amplifier
図2 ベクトル磁気特性の定義
図3 二方向励磁器
D : Differential amplifier
図4 測定方法
●図5に磁束密度条件を示す。磁束密度ベクトルの方向θB 圧延方向から直角方向に 15°ずつ変化させて測定
した。図6に各種電磁鋼板の磁気損失を示す。高グレード(50A1300)と低グレード(50A270)の磁気損失を
比較した。グレードごとに磁気損失に差異が生じており、磁束密度ベクトルの方向によっても異なる。本装置
を用いて電磁鋼板のグレードの判別及び任意方向の磁気特性の評価が可能である。
0.6
0.4
0.2
0
0
0.5
Bx [T]
0.3
0.3
0.2
0.2
0.1
0
80
1
図5 磁束密度ベクトルの軌跡
所
在
0.4
0.4
0.4
Wm [W/kg]
0°
15°
30°
45°
60°
75°
90°
Wm [W/kg]
0.8
By [T]
測
定
結
果
0.5
0.5
1
0.4
0.2
40
B [°]
20
0 0
0.2
0.4
0.2
0.1
0.1
60
0.3
0.3
0.6
0
Bmax [T]
0
80
0.1
60
40
B [°]
20
0 0
0.2
0.4
0.6
0
Bmax [T]
(a) 50A270
(b) 50A1300
図6 各種電磁鋼板の任意方向の磁気損失
大分大学(共同研究講座)
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電磁鋼板磁気特性評価
応力負荷型単板磁気試験器
A7
軟磁性材料の正確な交流磁気特性測定に
利
用
分
野
機
器
の
概
要
●無応力下や引張・圧縮応力下の正確な一次元磁気特性を測定
●国際電気標準会議(IEC)で標準化されたエプスタイン試験器
(IEC 60404-2)や単板磁気特性試験器(IEC 60404-3)の
上位機種として利用
●電磁力応用機器に用いる電磁鋼板の鋼種選定や受入検査、
または新しい電磁鋼板の特性評価などに利活用が可能
・電磁鋼板の製造メーカ
・モータやトランスなどに電磁鋼板を使用する機器メーカ
・磁気特性の測定機器メーカ
・磁気特性の試験受託メーカや公設試験研究機関
●測定の原理:
・2 種類の試料サイズに対応:100mm 幅用/30mm 幅
用
・磁束正弦波制御による交流磁気特性測定
・H コイル法を採用
… 2 個の H コイルを試料上下に近接配置
… 検出コイル間の位相誤差を補正
・均一磁場での磁気特性測定
… 励磁コイル中央 100mm の均一磁場領域を利用
・B コイルの断面積(空隙補償量)を最小限に設計
・電磁鋼板長手方向への応力印加機構を保有
… ±15MPa(100mm 幅用)
… ±100MPa(30mm 幅用)
・磁気ひずみの測定も可能
励磁コイル
エプスタイン試験器 単板磁気特性試験器
(IEC60404-2 準拠)(IEC 60404-3 準拠)
●応力負荷型単板磁気試験器の外観
ヨークユニット
測定試料
応力負荷機構
コイルユニット
100mm 幅用(試料長:500mm/応力印加用
550mm)
測定試料
応力負荷機構
空隙補償コイル
Bコイル
試料
●これまでの磁気特性試験器の外観(一例)
100mm
Hコイル 1
Hコイル 2
応力負荷型単板磁気試験器のコイルユニットの構造
コイルユニット
ヨークユニット
30mm 幅用(試料長:280mm/応力印加用
305mm)
●測定項目(無方向性電磁鋼板/方向性電磁鋼板/アモルファス金属薄帯 など)
・磁化特性、鉄損特性、BH ループ、磁界強度の高調波解析、透磁率特性など
・磁界強度の測定:H コイル法(励磁電流法も可能)
・応力下磁気特性:無応力/引張応力/圧縮応力
・励磁周波数:50Hz/60Hz/100Hz/200Hz
・磁気ひずみ測定
2.5
鉄損, W[W/kg]
測
定
結
果
2
3
35A250, 圧延方向
35A250, 直角方向
30P120
アモルファス
2.5
鉄損, W[W/kg]
3
1.5
1
1.5
1
0.5
0.5
0
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2
磁束密度, B[T]
各種電磁鋼板の鉄損測定例(50Hz)
所
在
2
+15MPa
+10MPa
+5MPa
0MPa
-5MPa
-10MPa
-15MPa
0
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8
磁束密度, B[T]
応力下の鉄損測定例(35A250(圧延方向)、50Hz)
大分県産業科学技術センター
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次世代省エネ・高効率モータの開発
小型二軸引張・圧縮応力装置
A8
各方向ひずみ-応力特性測定が可能な小型試験機
利
用
分
野
●二方向(X,Y 方向)に引張・圧縮応力を印
加できると同時に,二方向のひずみ-応力
特性測定が可能な小型試験機である(図
1)
。本装置は、非常小型であるため、他の
装置と組み合わせることで応力の校正試験
機に用いることができる(図2)
。
・材料開発(小型サンプルの機械特性試験,
X 線残留応力測定の校正試験機)
図1 小型二軸応力試験機
スリット 7本 x 4箇所
3.6
50
固定用穴(φ 5 x 8)
15
機
器
の
概
要
●機器の概要:図3に小型二軸応力試験片を示
す。試料の4箇所をチャックで固定すると同時
に,応力印加時の試料のすべりを防ぐために,φ
5mm の貫通穴をあけ,固定する。また,試料中
央部の応力の均一度を向上させるため,試験片に
スリットを施している。
●機器の仕様:・型式:IE-987(岩通計測)
・ 試 料 寸 法 :50 × 50mm ・ 試 料 厚 :0.35, 0.5
mm
・応力:引張/圧縮 ・カセンサ:ロードセル
・機器の外形:350×350×106
・ひずみ測定:三軸ひずみゲージ(図4)
図2 X 線残留応力測定装置に設置
15
50
3.6
図3 試料形状
図4
三軸ひずみゲージ
●図5に外部応力とひずみの関係を示す。測定試料の中央部にひずみゲージを貼り,一方向から外部応力を印加
し,ひずみゲージを用いてその方向のひずみを測定した。x 及び方向の外部応力に対して、ひずみ量は線形的
に増加している。本装置では、0.35mm の板厚の電磁鋼板に対して、100 MPa 程度まで応力を印加可能で
ある。
●本装置用いて X 線残留応力値を校正するため、応力試験機を X 線残留応力測定装置内に設置し、外部応力を
印加した状態で、X 線残留応力測定を行った。図6に外部応力σと勾配 M の関係を示す。勾配 M は,X 線残
留応力値を算出するために必要な値である。引張応力の増加に伴って,勾配 M は直線的に減少している。さ
らに、外部応力と X 線によって得られた勾配 M には相関関係があり,この直線の傾きを校正係数として用い
る。
測
定
結
果
0
100
x
y
-0.1
60
ε x-σ
40
20
ε y-σ
0
0
100
200
ε [μ ]
x
-0.15
-0.2
1回目
2回目
3回目
-0.25
-0.3
y
-0.35
300
図5 ひずみ-応力特性係
所
在
M [°]
σ [MPa]
80
-0.05
400
0
20
40
60
80
Appleid stress σ [MPa]
100
図6 X 線残留応力と二軸応力試験機の相関関係
大分県産業科学技術センター
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電磁鋼板磁気特性評価
A9
Bコイル・Hコイル用校正装置
電磁誘導型センサーの特性測定と較正に
利
用
分
野
機
器
の
概
要
電磁誘導型センサーの特性測定とセンサー較正システムの開発により、
●製品、機器、材料の磁気による影響の検査
●プローブ、センサー等の較正
●ホールIC、ホール素子等、磁気センサーの検査
等に利用が可能である。
●機器の概要:
ヘルムホルツコイル及び回転ステージを用いて電磁誘導型センサーのエリアターン、直交度、周波数特性、
位相特性を測定するための装置
●機器の構成:
・測定範囲:20mmx20mmx20mm
・直交度測定分解能:0.1°
・周波数特性:50~1000Hz
●本機器は、
①電磁誘導型センサーのエリアターン測定
②2方向巻き電磁誘導型センサーの直交度測定
③電磁誘導型センサーの周波数特性及び位相特性測定
が可能な特徴を保持している。
●測定データ例を下図に示す。
測
定
結
果
所
在
大分県産業科学技術センター
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磁性材料の特性改良法の開発
B1
ベクトル磁気特性動的磁区観察装置(SEM)
任意の磁束条件下で動的磁区挙動をミクロ観測
利
用
分
野
機
器
の
概
要
電子線照射による磁区の観察技術であり、鋼板に何ら影響を与えることなく無接触
で磁区を観察できる。また、磁界を変化させて磁区の変化状況も観察でき、磁化時
の磁界強度を把握することができる。電子線照射を用いた技術であり、高い分解能
での観察が可能であることより、
●鋼板の磁区を観察することによって、磁気異方性の存在や分布、更にその方向や
大きさの程度を知ることができる。
●磁界を印加しつつ磁区の動きを観察することで、磁化のための磁界強度や位置毎
の磁化の様子を知ることができる。
●加工前後の磁区の変化を観察することで、加工法に伴う磁気異方性の発生・方向・
大きさなどを知ることができ、加工法の改善につながる。
等への利用が可能である。
●測定の原理:電磁鋼板などの磁性材料に電子線を照射すると、そこからの反射電子線は磁区構造による磁気モ
ーメントの向きに影響を受ける。このため、反射電子線による像は、磁区構造に起因した白黒の像を描く。こ
の現象を利用するもので、電子線の照射と像の検出には走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscope,
SEM)を用いる。
●測定装置:装置は、走査型電子顕微鏡(SEM)と、ベクトル磁気特性測定装置をセットする真空チャンバー、
測定装置をX軸方向とY軸方向に移動させるステージ、および制御・解析用のコンピュータから構成されてい
る。
測定装置システムのブロック
測定装置
測
定
結
果
●従来、Kerr効果を利用した磁区観察
顕微鏡があるが、分解能は1μm程度で
あり、1nmレベルの走査型電子顕微鏡
に比べて分解能が劣る。また、被測定表
面の処理が必要な場合もあり、磁区に影
響を与えることがある。
●分解能の良い装置として磁気力顕微鏡
(Magnetic Force Microscope )など
もあるが、測定された磁気力分布と磁区
構造との位置対応が不明確なことや、探
針からの漏れ磁場が試料に影響を与え
るなどの課題がある。
図1 励磁条件
図3 直交方向励磁
図2 圧延方向励磁
●測定結果例:電磁鋼板に図1に示す励磁条件で磁界を印加した時の、磁区の変化状況の例を示す。図2は圧延
方向と平行に磁界を印加、図3はこれと直角に磁界を印加している。磁気異方性と磁界印加の方向によって、
磁区の変化の違いと共に、図2の①や⑦の磁界Hの違いも判り、電磁鋼板の磁気異方性に対する評価を行うこ
とができる。
所
在
大分大学(共同研究講座)
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磁性材料の特性改良法の開発
B2
インバータ機器用サージ電圧試験システム
部分放電のリアルタイム観測が可能
利
用
分
野
機
器
の
概
要
高圧パルス励磁耐圧試験システムの開発により、
●次世代インバータモータの開発に必要なマグネットワイヤの特性試験
●放電現象全般に共通する高速現象(電圧電流波形,微弱光)の高感度時間空間分解観
測
●薄膜絶縁材料の高繰り返しインパルス電圧による新規評価試験
等に利用可能である。
●機器の概要:部分放電の放電特性,発生箇所、状況をリアルタイムで観測できる装置である。特に、インバータ
サージによるマグネットワイヤの寿命を加速試験により評価できる。耐インバータサージ特性に優れたエナメ
ル線の開発において活用される。
●機器の構成:
・高圧パルス発生器:出力パルス電圧:0~±5kv、 パルス周波数:10Hz ~100kHz
パルス幅:1μS~lmS、 同一極性パルス数:1~999
・高圧パルス波形測定装置:光ファイバによる絶縁方式、DC~500MHz,2GS/s、16M point/Ch
・部分放電観測装置ICCD検出器:Gate 5 ns、
・分光感度:160nm ~900nm、
・画素数:1000×1000
●本システムは、次の特徴を持っている。
①高速・高繰返しの模擬インバータサージによる試験システム:加速試験による寿命予測
②電圧・電流波形の取得においてノイズの影響を受けない光ファイバによるアイソレーション方式
③放電の高感度検出(2段MCPによるフォトンカウンティング):部分放電開始・消滅電圧の測定
④試料の弱点箇所の発見も可能なその場観測による3Dイメージングシステム
●サンプル測定データの例を下図に示す。
機
器
の
特
徴
所
在
大分大学(金澤研)
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磁性材料の特性改良法の開発
B3
真空均温熱処理装置
永久磁石・金属・電子デバイスの熱処理ツール
利
用
分
野
均温容積で温度分布±5℃の均―度で真空装置と電気炉により真空中、ガス雰囲気
中で真空均温熱処理装置であり、
●永久磁石試料の熱消磁及び熱処理
●金属、電子デバイス等の熱処理
●ウエハー、セラミックス等の熱処理
●形状記憶合金薄膜の熱処理
等に利用が可能である。
●機器の概要:均温容積Φ36×200L、温度分布1000℃で±5℃、の均―度で真空装置と電気炉を用い
て真空中及びガス雰囲気中で熱処理する装置
●機器の構成:
・均温容積:Φ36×200L、
・到達真空度:5×10―4Pa、
・最高到達温度:1000℃
機
器
の
概
要
●本機器は、①昇温中でも電気炉内の試料が見える、②温度分布1000℃で±5℃、③昇一降温速度が速い
④真空・ガス雰囲気中での昇温、⑤多数の試料の同時処理 等の優れた特徴を持っている。
●測定データの例を下図に示す。
機
器
の
特
徴
所
在
大分大学(共同研究講座)
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磁性材料の特性改良法の開発
B4
低周波誘導加熱装置
永久磁石材料の熱消磁及び熱処理ツール
利
用
分
野
永久磁石材料の熱消磁及び熱処理ツールである真空誘導加熱装置は、
●永久磁石試料の熱消磁及び熱処理
●焼き嵌め
●焼鈍
●焼き入れ
●永久磁石減磁評価
等に利用が出来る。
●機器の概要:
・真空装置と誘導加熱を用いて、真空中及びガス雰囲気中で高速加熱する装置である。
・放射温度計及び温度コントローラにより、加熱温度を制御しながら熱処理が可能である。
●機器の構成:
加熱試料サイズ:Φ10×20L、放射温度計:200℃~800℃、到達真空度:5×10 ̄4Pa
放射温度計:800℃~1400℃、最高到達温度:1400℃、周波数:15kHz~45kHz
機
器
の
概
要
機
器
の
特
徴
●本真空誘導加熱装置は、永久磁石材料の熱消磁及び熱処理
ツールとして、
①昇・降速度が速い、②急速冷却が可能、③真空・ガス雰
囲気中での熱処理が可能、④放射温度計による温度制御が
可能 等の特徴を有している。
 右図は永久磁石温度による減磁を調査した結果である。
50 度程度の温度上昇でも磁石中心付近は減磁してしま
うことがわかる。
 温度上昇とともに減磁が進み、残留磁化が小さくなって
いることがわかる
熱処理の違いによる磁石表面磁束測定結果
(円柱磁石 B の絶対値)
所
在
大分大学(共同研究講座)
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永久磁石評価
C1
ロングパルス磁場永久磁石特性測定システム【最大30T】
永久磁石の高精度磁気特性測定が可能なツール
利
用
分
野
機
器
の
概
要
測
定
結
果
磁化検出コイルに測定試料を挿入し、測定試料にパルス強磁場を
印加したときに検出コイルに発生する誘起電圧から磁化特性を算
出する、高パルス磁場永久磁石測定評価システムの技術・装置は、
●永久磁石材料の容易軸および困難軸方向の飽和領域に至る磁気
特性の測定
●永久磁石材料の保持力や最大エネルギー積の測定値とカタログ
値の校正
●高精度設計を必要とする電気機器における正確な材料評価手段
の提供等、
・成長を続ける永久磁石応用製品(自動車、回転機、情報・通信、
音響、計測、医療、風力発電等)に利用できる。
自動車
音響機器
風力発電
●測定の原理:パルス磁場を用いて永久磁石材料の磁化特性を測定する方法は磁化検出コイルを使用する誘導法が広く用いられて
いる。以下により永久磁石材料の磁化特性を求める。
①液体窒素を用いて着磁コイルを冷却することで、強磁界低周波パルス励磁が可能とする
②磁化検出コイルの中に測定試料を挿入し、測定試料にパルス強地場を印加したときに検出コイルに発生する誘起電圧を積分す
ることで磁界強度を算出する。
●測定装置:図に測定システムの概要と装置を示す。試料を磁化特性,磁界強度検出コイルの中に挿入し、これを着磁コイルの中に
挿入する。着磁コイルを液体窒素で冷却し、着磁コイルが十分冷却後コンデンサの充電を行う。充電完了後、放電信号を出力し
コンデンサの放電を行い、パルス磁場を発生させ、磁化特性測定用センサから出力される信号をAD変換器に入力する。測定さ
れた出力信号をコンピュータ PC で数値積分し試料の磁化特性を求める。
着磁電源装置は、2000μF、3000V のコンデンサを 14 基と 10000μF、1000V のコンデンサを10基搭載している。
放電の制御には大電力用のサイリスタを用い、サイリスタの入力信号の制御には絶縁できる光ファイバーを用いてサイリスタの
ON/OFFの切り替えを行う。極性切り替えスイッチで発生磁場の方向を切り替えることができ、測定試料のヒステリシス曲
線の測定が可能となる。着磁コイルを液体窒素で冷却することで、抵抗値の温度依存成分を下げ、ロングパルス磁場(1秒)を
発生させることができる(発生磁場を高める)
。
●従来の技術および装置に比べて、①液体窒素を用いることで従来の発生磁場の3倍程度大きくなる(33T)
、②渦電流の影響の
小さいロングパルス(1秒)磁場を発生可能である、③2層コイルを用いて試料近傍の磁界強度を測定できる優位性がある。
●着磁コイルを液体窒素で冷却することによって抵抗値を下げることができ、発生磁場が3倍程度大きくなっている。
●Ni、Co、Feの直径10mm長さ 20mm 円柱状試料を用いて磁化検出コイル測定精度の検証を行った結果、
①直列型センサ 磁化の大きさが小さい、②理論値との相対誤差は15%、③同軸型センサー2つのコイルが同軸上に配置され
ているため磁界成分μ0Hの差が小さく精度が良い事が分かった。
●Nd-Fe-B系焼結磁石の磁化特性を飽和領域まで測定した(図4)
。磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向に切り出した試料に
17Tの磁場を印加した。
発生磁場の比較
所
在
回転機
Nd-Fe-B系焼結磁石の磁化特性
a)磁化容易軸
b)磁化困難軸
大分県産業科学技術センター
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永久磁石評価
C2
三次元ベクトル分布測定装置
永久磁石応用機器の3D表面磁場測定ツール
利
用
分
野
●モータの小型化に対応し、小型モータの内側の磁界を測定したいとニーズに応え、世界初の1.8mm×1.5
mm角、長さ40mmという3軸プローブメータを独自に開発した。
センサーはプローブ先端からわずか0.3mmのところに設置され、被測定物である小型モータなどの底付近の
磁界も3次元ベクトル測定できる。
・この技術を活用することで、マグネットを利用するモータ関連、自動車業界、携帯電話、医療関連、各種磁気
センサー、コピー関連機器、音響など広範囲で利用可能である。
回転機
機
器
の
概
要
測
定
結
果
自動車
携帯電話
●測定の原理:
3軸ベクトル測定と1軸測定の違いは、磁気を真の姿で捉えることが
できる。1軸測定は縦横無尽蔵に走る磁気ベクトルのうち、ある1方
向の成分を計測しているのにすぎず、磁界の解析を完全に行うことが
できない。
1軸測定の場合ラジアル方向にセンサーを設置して計測するのに対
して、ベクトル測定の場合は、ラジアル方向と接線方向、さらにアキ
シャル方向(軸方向)の磁束密度を計測し、そのデータを基に3次元
ベクトルを演算する。
●測定装置:
今まで目でみることが出来なったマグネットの表面磁場を同位置に
おける3方向(X,Y,Z)同時に測定できる装置
音響機器
3次元磁界ベクトル分布測定装置
●1つのチップのセンサーで3方向の磁束密度を同時に計測すること
ができ、センサボリュム0.001mm3、各軸の相対角度誤差0.1°
以内と非常に高い精度があり、同時間、同ポイントにおける高精度な
3軸測定が可能である。
●1軸に比べて6倍のデータを集積することが可能で、今まで見えなか
った磁界を映し出すことによって一歩進んだ磁界解析を行うことが
出来る。
Bx 方向
By 方向
名刺サイズ磁石表面磁束測定結果
所
在
磁気センサー
Bz 方向
大分県産業科学技術センター
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永久磁石評価
C3
簡易型永久磁石特性評価装置
永久磁石材料の磁化容易軸方向の磁気特性測定
簡易型永久磁石特性評価システムは、
●世の中で成長を続ける永久磁石応用製品(自動車、回転機、情報・通信、音響、
計測、医療、風力発電等)の材料の磁気特性測定用として、広く利用可能である。
利
用
分
野
機
器
の
概
要
測
定
結
果
所
在
●機器の概要:パルス磁場を用いて、永久磁石材料の磁気特性を簡易的に測定する装置である。
●機器の構成:
充電電圧:500V
測定試料サイズ:φ10XL30
コンデンサ容量:13.2mF
測定試料サイズ:φ3XL20
最大発生磁場:5T
●本開発の簡易型永久磁石特性評価システムは、
①小型の装置なので持ち運びが可能
②永久磁石材料の磁化容易軸方向の磁気特性測定が可能
③パルスコイルを変えることにより発生磁場の強さを変えることが可能
等の、特徴を有している。
●測定データ例を下図に示す。
大分県産業科学技術センター
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電磁力応用機器の評価
D1
リニアアクチュエータ性能評価システム
PCベース計測ステーションによる動特性測定
●アクチュエータの性能評価
●PCベース計測ステーションの計測モジュール群による測定データをPCに高速転送し、データ処理や保存が
可能
利
用
分
野
半導体製造装置用アクチュエータ
●機器の概要:直線運動するアクチュエータの誘導起電力やコギングなどの静特性と推力、速度、加速度などの
動特性をPCベース計測ステーションにより測定。
●PCベース計測ステーション
計測モジュール:①4ch-ひずみ測定(ロードセル)
、②10ch-温度測定、③加速度測定、④4ch-A/D変換、
⑤4ch-D/A変換、⑥4ch-タイミング計測、レーザ測長計(変位計測と変位解析ソフトウェアによる速度、
加速度特性の評価)
、AC/DC電流プローブ、ディジタルストレージ・オシロスコープ、バイポーラ電源。
機
器
の
概
要
システム外観
レーザ測長計
PCベース計測ステーション
●リニアアクチュエータの特性測定データ例
測
定
結
果
所
在
大分県産業科学技術センター
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電磁力応用機器の評価
D2
リアルタイム計測制御システム 【DSP】
モータの駆動・計測制御系設計シミュレーション
●モータ駆動制御
●計測制御システムの組込み制御設計
等に活用できる。
利
用
分
野
駆動制御装置例
自動計測・制御システムの構成例
機
器
の
概
要
●機器の概要:制御システムにおけるモータの駆動制御、計測制御を
行うための制御系設計において、MATLAB/Simulink による制御
対象のモデリングとシミュレーションを実行し、DSPシステムコ
ントローラに実装して実機を含んだシミュレーションを行う。これ
により、制御ソフトウェアをリアルタイムで検証・診断することで、
制御システムの最適化と高速化が可能となる。
●機器の構成:
・MATLAB/Simulink
・計測制御DSPシステムコントローラ
拡張モジュール:
①8ch-A/D変換、②8ch-D/A変換、③32ch-ディジタル
(フォトカプラ)入出力、④6ch-パルス(エンコーダ)入出力、
⑤14ch-PWM入出力、⑥三相PWMモータ制御、
⑦SH-2 CPUデバッガ
【DSP システムコントローラと
MATLAB/Simulink】
●制御系設計例
MATLAB/Simulink とDSPシステムコントローラによる制御系
のモデルベースデザイン
機
器
の
特
徴
所
在
【MATLAB/Simulink による制御系設
計】
大分県産業科学技術センター
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Fly UP