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急性虫垂炎
H25.10.4. 救急部カンファレンス 急性虫垂炎 外科 間野 洋平 急性虫垂炎 ・虫垂炎とは ・診断 ・治療 虫垂炎とは ・虫垂内腔の閉塞による炎症 ・リンパ組織の過形成や糞石による閉塞 ・5-7%の人が一度は虫垂炎を発症する。 ・腫瘍性病変の影響によるものもある。 虫垂炎とは ・60歳以下の急性腹症の20-30%は 急性虫垂炎。60歳以上では4%程度。 ・全体の死亡率は1%未満、高齢者の 死亡率は5-15%と決して低くない。 ・全体の穿孔発生率は17-40%、高齢 者の穿孔率は60-70%と高率。 診断に必要なこと ・病歴聴取 ・診察 ・検査 病歴聴取 ・いつからどのような症状があるか をきちんと聴取する 【主な症状】 腹痛(心窩部→右下腹部) 発熱 嘔気 便秘 典型的な病歴 元来健康な29歳男性。 心窩部痛で目覚めて、その後間もなく 食欲不振・悪心・嘔吐が出現した。 痛みは徐々に右下腹部に移動し、増 悪、次第に発熱を認めるようになった。 歩くと痛みがお腹に響くようになった。 典型的な病歴 元来健康な29歳男性。 心窩部痛で目覚めて、その後間もなく 食欲不振・悪心・嘔吐が出現した。 痛みは徐々に右下腹部に移動し、増 悪、次第に発熱を認めるようになった。 歩くと痛みがお腹に響くようになった。 診察 丁寧な腹部所見の診察が重要 ① 圧痛はMcBureney点あることが多い ② Blumberg徴候の有無、その範囲 ③ 腸蠕動は減弱していることが多い ④ 虫垂が背側にある場合は症状が弱い ⑤ 腸腰筋徴候や内閉鎖筋徴候、直腸診・・・ 検査 ①血液検査:白血球とCRPの上昇 (初期には変化がないことも少なくない) ②腹部超音波検査 (侵襲が少ない) ③腹部CT検査 (造影剤や放射線の問題はあるが 周囲臓器との関係把握や 他疾患の鑑別が容易) 検査の有用性 (理想的には) あくまでも検査は病歴と診察所見の裏付け エコーやCTが臨床診察よりも優れているという 報告はない (現実には) 高齢者では病歴がはっきりせず、診察所見も 典型的ではないことが多い。 Common diseaseとして虫垂炎を念頭に診察や 検査を行わなければ正確な診断が行えない。 治療 手 術 v.s. 保存的加療 保存的加療後、炎症が治まった時点で待機的 に虫垂切除を施行することもある 治療 <緊急手術の絶対適応> ①汎発性腹膜炎の状態 <緊急手術を見送る場合> ①回盲部までの炎症の波及 →回盲部切除が必要となる可能性 ※穿孔+膿瘍形成となっていても 局所的な炎症であれば保存的加療可 穿刺ドレナージを要することはある 当院の救急において必要なこと • 腹痛の患者は虫垂炎の可能性を考 慮すること • 診断や方針に苦慮した場合は遠慮 なく外科医に相談すること