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7 スポーツ活動と関連する公共空間

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7 スポーツ活動と関連する公共空間
第2章
フットパス *(イギリスを発祥とする森林や
田園地帯,古い街並み等地域に昔からあるあり
のままの風景を楽しみながら歩くことができる
小路)の空間整備が行われ,筑波山麓地域を中
心とした文化資源をつなげ,観光客が楽しめる
道標・案内看板,休憩所などを整備しています。
7 スポーツ活動と関連する公共空間 *
ペデストリアンデッキ
ペデストリアンデッキ*とは,立体交差な
どによって車道から分離された歩行者や自
転車専用の通路のことです。本市では,ユ
ニバーサルデザインの理念に配慮した安
心・安全な歩行空間を創出するためにペデ
ストリアンデッキの整備事業を行っていま
す。総延長は,約 48km となっています。本
市は,自転車専用レーン設置の検討を進め
ながら,老朽化したペデストリアンデッキ
の改修工事を進めており,平成 20 年度末のペデストリアンデッキ改修整備率(赤塚・
妻木線)は 40.4%でしたが,平成 26 年度までに 100%の整備率を目標値として掲げて
います。また,ペデストリアンデッキは,市民のジョギングやウォーキング,散歩な
どの運動やスポーツを行う公共空間となっており,本市の特色ある空間を形成してい
ます。さらに,茨城県ヘルスロードと対応してウォーキングコースが設定されており,
パンフレットなどでも紹介されています。
つくばりんりんロード
つくばりんりんロードは、全長 40.1km のサ
イクリングのための専用道路です。サイクリ
ングなどのスポーツイベントも実施されてい
ます。茨城県では,
「いばらきサイクルツーリ
ズム推進事業」が実施され,つくばりんりん
ロード利活用促進会議が設置されており,つ
くばりんりんロードは茨城県を代表する人気
のサイクリングコースとなっています。また,
レンタサイクル事業も行われています。さらに,本市では,サイクリングイベントを実
施し,山麓から筑波山の景観を味わう「スロースポーツ」として育成し,「スローツー
30
第2章
リズム」の展開を図ろうとしています。
8 体育施設及び学校施設(体育館等)の耐震化の状況
体育施設耐震化 平成 26 年度 100%目標
本市は,つくば市耐震改修促進計画に基づき社会体育施設の耐震診断を行い,その
結果に応じて工事を実施し,市民が使用する社会体育施設の安全性と災害時の予備避
難場所としての確保に努めています。昭和 56 年以前に建設された体育館2,柔剣道場
1を対象としています。平成 24 年度の体育館の耐震化率は,67%であり,平成 26 年
度で 100%を目標としています。
また,本市のスポーツ施設は,築平均 30 年と老朽化しており,それに伴う改修など
の経費の増大により,今後,スポーツ施設の維持管理は困難になることが予測されま
す。施設管理の中で多くの市民のニーズにどう対応していくかが,本市の重要な課題
であるといえます。
学校施設耐震化
本市は,小学校と中学校の学校施設の耐震化事業も行っており,学校施設の中で体
育館等についても耐震化が進められています。平成 24 年度は,学校施設耐震化率 64%
を目標として設定しました。
9 スポーツ環境整備に関する計画等の状況: 総合運動公園の整備検討
第3次つくば市総合計画では,スポーツ・レクリエーション環境の充実として,市
民の総合的なスポーツ・レクリエーション活動の拠点となる総合運動公園などの整備
を検討することが掲げられています。また,つくば市都市計画マスタープランでは,
筑波山観光・レクリエーションゾーンの設定,歩行空間の整備・拡充(ペデストリア
ンデッキの補修含む。),自転車利用環境の整備(つくばりんりんロードの活用含む。),
公園・緑地の整備,総合運動公園の整備検討などが位置付けられています。
10 スポーツ施設の課題
つくば市「スポーツ活動に関する調査」によれば,スポーツ推進に対する市民の要
望は極めて高く,多くの要望が 80%程度あり,本市のスポーツ推進施策への市民の期
待は大きいといえます。特に,学校体育施設の開放・整備,野外スポーツ活動施設の
整備,公共スポーツ施設における健康・体力相談体制の整備,スポーツ施設の整備な
ど,スポーツ施設の整備と関連した要望が軒並み高い値を示しています。
31
第2章
図表 24
スポーツ推進への要望
特にスポーツ施設の中でも,体育館,プール,テニスコートなどの公共スポーツ施
設への要望の割合が高く,利用手続き,料金の支払い方法などの簡略化,身近で利用
できる施設数の増加,早朝や夜間の利用時間帯の拡大などの要望が 70%から 50%程度
あります。
また,本市のスポーツ施設は,体育施設,公園施設,文化施設,観光施設,健康増
進施設,歩道・空間,生涯学習施設などの多様な施設の中に点在しており,それぞれ
の施設を主管する担当部局が異なっている状況があります。スポーツの推進の観点か
らは,スポーツ環境の総合的な整備を図るために,関連する担当部局が連携してスポ
ーツ施設に関する情報を共有するとともに,スポーツ施設の利用状況等の基本情報を
集約して把握し,施策や事業の改善に生かすことができる体制を構築する必要があり
ます。
さらに,本市では,各種スポーツ施設を集積し,大規模なスポーツ競技会等を開催
することができるキャパシティを備え,かつ公式試合ができる総合スポーツ施設は,
整備されていないのが現状です。また,市内各所に点在する多くのスポーツ施設が老
朽化しており,市民の総合的なスポーツ・レクリエーション活動の拠点整備に対する
要望は大変多くなっている状況にあります。
こうした状況の中,今後,本市の自治体規模に見合った,本市のランドマークとな
る総合運動公園等の整備を実現し,本市のスポーツを通じたまちづくりの拠点として
活用していくことが必要となっています。
32
第2章
第4節 学校の体育・スポーツの現状と課題
1 子どもの体力の状況
本市,茨城県及び全国の小・中学校の新体力テスト合計点の平均値の比較
平成 20 年度から平成 24 年度までの全国体力・運動能力,運動習慣等調査によれば,
本市の小学校5年生男子及び女子の新体力テスト* 合計点の平均値は増加の傾向にあ
ります。しかし,平成 20 年度から平成 24 年度までの茨城県の値と比べると,本市の
小学校5年生の新体力テストの値は茨城県より低いといえます。また、平成 20 年度か
ら平成 23 年度までの全国の値と比べると,本市の女子の値は全国の値より高いですが,
男子の値は全国の値より低い傾向にあります(資料8「新体力テスト結果の年次推移の比較」
参照)。
図表 25
つくば市小学校5年生新体力テスト合計点の平均値年次推移
図表 26
つくば市中学校2年生体力テスト合計点の平均値年次推移
33
第2章
平成 20 年度から平成 24 年度までの本市の中学校2年生の新体力テスト合計点の平
均値は,男子は若干増加傾向にありますが,女子は減少傾向にあります。また,平成
20 年度から平成 23 年度までの茨城県の値と比べると,本市の中学校2年生の新体力
テストの合計点の平均値は,男女とも茨城県の値より低いといえます。さらに,平成
20 年度から平成 22 年度までの全国の値と比べると,本市の女子の値は全国の値より
高い傾向にありますが,本市の男子の値は全国の値より平成 20 年度と平成 22 年度で
低い結果となっています(資料8参照)。
本市及び茨城県の小・中学校の体力テスト総合評価段階別人数の割合の比較
平成 22 年度から平成 24 年度までの体力テストの総合評価段階別人数の割合*を本市
と茨城県で比べると,本市の小学校5年生と中学校2年生の値は,男女とも県を下回
っています(資料9「小・中学校の体力テスト総合評価段階別人数の割合の比較」参
照)。例えば,平成 24 年度でみてみると,A+B の割合(体力テストの合計点の5段階
ABCDE 評定のうち,よい方の A と B の総合評価段階の者の割合)が,本市の小学校5
年生が 43.60%,中学校2年生が 50.56%であるのに対して,茨城県の小学校5年生が
51.72%,中学校2年生が 60.46%となっています。ただし,全国調査では,小学生が
37.93%,中学生が 46.26%であり,本市の小学生及び中学生の値は,全国調査の値よ
りは高いといえます。
図表27 平成24 年度の小・中学校の体力テスト総合評価段階別人数の割合の比較
(A+B の割合)
つくば市
茨城県
小学5年生
43.60%
51.72%
中学2年生
50.56%
60.46%
また,本市では,茨城県の児童・生徒の体力アップ推進プロジェクト事業において,
各学校の体力的課題に即した「体力アップ推進プラン」を策定し,体力向上のための
取組を実施しています。さらに,茨城県のホームページ上において, 11 の運動種目に
取り組み,ランキングを競う「スポーツチャレンジ」に各校が任意で参加しています。
本市の小学生及び中学生の体力は,小学校5年生では上昇傾向にあり,中学校2年
生では男子は若干上昇の傾向にありますが,女子は低下傾向にあります。また,茨城
県の値と比べると本市の小・中学生の値は低い傾向があり,子どもの体力の向上につ
いてはさらに取り組む必要があります。
34
第2章
2 中学校の運動部員数の推移
平成 21 年度から平成 25 年度までのつくば市中学校体育連盟に所属している部員数
の推移をみてみると,平成 21 年度が 4,389 名,平成 22 年度が 4,452 名,平成 23 年度
が 4,530 名,平成 24 年度が 4,703 名,平成 25 年度が 4,745 名と年々増加傾向にあり
ます。平成 25 年度の部員数を種目別にみると,テニス 837 名,バスケットボール 679
名,サッカー632 名,卓球 601 名の順に多いといえます。
図表 28
平成 21 年度から平成 25 年度の
つくば市中学校運動部員数の推移
年度
部員数
平成21年度
4,389
平成22年度
4,452
平成23年度
4,530
平成24年度
4,703
平成25年度
4,745
図表 29 平成 25 年度つくば市中学校運動部員数の運動部別内訳
野 球
男
女
402
0
402
バレー
男
女
73 349
422
陸 上
男
女
181 198
379
サッカー
男
女
627
5
632
バスケット
男
女
345 334
679
テニス
男
女
369 468
837
卓 球
男
女
359 242
601
水 泳 バドミントン 器械体操
男
女
男
女
男
女
94
66
46
82
15
29
160
128
44
剣 道
男
女
156 131
287
柔 道
男
女
44
21
65
部員数
女 大会のみ
39 参加
101
4,745
新体操 ハンドボール
8
8
男
62
また,中学校部活動支援事業として,市立中学校を対象に,各部活動の用具購入費,
修繕費及び各種大会に参加するためのバスの賃借料などの費用を支給し,部活動環境
の整備と保護者の経済的負担の軽減を図っています。全国大会及び関東各種大会出場
補助事業も行っています。また,中学校体育連盟が主催する関東大会以上の大会及び
JOC ジュニアオリンピックカップに出場する際の交通費・宿泊費を補助しています。
3 体育連盟の活動
つくば市小学校体育連盟
つくば市小学校体育連盟は,本市の補助事業として,市内の小学生を対象に開催さ
35
第2章
れる陸上記録会を開催しています。平成 25 年度は,全 37 の小学校のうち,北部は 20
校,1,000 名で,南部は 17 校,1,000 名で陸上記録会が実施されます。
つくば市中学校体育連盟
つくば市中学校体育連盟は,本市の補助事業として,市内の中学生を対象に陸上競
技大会,総合体育大会,新人体育大会を開催しています。対象種目としては,陸上競
技,野球,バレーボール,バスケットボール,ソフトテニス,柔道,卓球,剣道,サ
ッカー,バドミントン,水泳,体操,ハンドボールなどがあります。また,つくば市
中学校体育連盟では,事業報告の一環として,毎年「中体連誌」を発行しています。
4 放課後子ども教室によるスポーツ活動
放課後子ども教室では,市内の小学校1年生から6年生の児童を対象に,スポーツ
活動や文化活動など様々な体験活動や地域の方々との交流活動を行っています。平成
23 年度は計 73 回の事業を実施し,参加児童数は延べ 3,027 名,地域の協力スタッフ
は延べ 502 名でした。平成 24 年度は 97 回の事業を実施し,参加児童数は延べ 4,414
名,地域の協力スタッフは延べ 761 名でした。このうち,スポーツに関するものは,
平成 23 年度が 22 回(全体の 28.9%),平成 24 年度が 30 回(全体の 30.9%)ありま
した。
また,本市の小学校では,放課後にスポーツ・レクリエーション等を行っています。
指導者は,主に地域の人材を活用しています。実施回数は,年間3回,月1回,週2回
など各地域によって異なります。平成 25 年度現在,24 校がこの事業を活用しており,
平成 27 年までに全校実施を目指しています。
5 放課後児童クラブによる遊びやスポーツ活動
放課後児童クラブ事業は,放課後の保育に欠ける児童に対して,児童の健全な育成
を図るために,児童館や児童クラブ専有室を利用して,適切な遊び及び生活の場を提
供するものです。また,このために,本市では,放課後児童クラブ施設の整備を行っ
ています。放課後児童クラブは,平成 25 年度では公営 19 団体,民間 22 団体となって
います。放課後児童クラブの利用者数は,平成 20 年度は 1,256 名でしたが,平成 23
年度は 1,621 名にまで増加しています。児童館には,プレイルーム,館庭などの施設
があり,ドッジボールやさまざまな遊びが行われています。また,年1回,児童館対
抗スポーツ大会が開催されています。
6 学校の体育・スポーツの課題
本市では,中学校の運動部活動の支援及び補助,小学校及び中学校の体育連盟への
36
第2章
補助,小学校の放課後子どもクラブによるスポーツ活動の実施,放課後児童クラブに
よる遊びやスポーツ活動の実施など,学校の体育・スポーツを活性化する事業や取組
が行われています。しかし,体力テストの合計点の平均値や総合評価段階別人数の割
合をみてみると,本市は茨城県と比べて男女ともに値が低く,学校における子どもの
体力の改善を図る必要があります。また,中学校の運動部活動は,部員数の増加傾向
がみられる一方で,一週間のスポーツ時間が0分の中学校2年生が,女子で 16%,男
子で 4%いるなど,子どものスポーツ活動は二極化の傾向も推察されます。
第5節 障害者スポーツの現状と課題
1 つくば市の障害者スポーツの取組の現状
障害児スポーツ教室
本市では,障害児の体力増強・交流・余暇の充実等を図るため,また,集団行動に
より社会生活の基盤を築き,自立と社会参加の促進を図ることを目的として,いきい
きプラザにおいて,障害児スポーツ教室を開催しています。土曜日の午前中を前半の
部と後半の部に分けて,それぞれ定員 10 名にて,年 10 回開催しています。
おひさまサンサン生き生きまつり
おひさまサンサン生き生きまつり事業は,平成 13 年度に障害者のスポーツ大会と福
祉のまちフェスティバルを統合して開催し,平成 18 年度からは,高齢者いきいきまつ
りと合同開催し,障害者(児)
・高齢者及び一般市民合わせて例年 2,000 人を超える参
加者がボランティア・市民等の協力を得ながらスポーツやレクリエーション等に参加
し,市民の障害に対する理解,普及啓発及び社会参加の促進を目的として実施してい
ます。
みんなで DO!スポーツ
つくば市社会福祉協議会は,市内の知的障害者を対象に,
「みんなで DO ! スポーツ」
を開催し,スポーツを通して地域との交流や仲間づくりを推進しています。毎月1回
つくば市大穂体育館を中心に活動を行っており,筑波大学学生団体「スポーティア」
がボランティアとして活動をサポートしています。
体験乗馬療法事業
体験乗馬療法事業は,地域生活支援事業における社会参加支援として行われている
もので,乗馬を通して動物とふれあう心を養い,また,障害児と健常児の交流を図り,
市民の障害に対する理解,普及啓発及び社会参加の促進を目的として実施されていま
す。
37
第2章
2 障害者スポーツのための団体・組織
本市には,障害者同士などの任意の自主的な団体やグループが,それぞれの認識の
基にスポーツ教室や競技スポーツを実施している中,本市が主催する障害者スポーツ
のための事業は,社会参加と啓発を目的としていることから,誰もが参加できるよう
全ての障害者を対象とした事業となっています。茨城県または茨城県障害者スポー
ツ・文化協会,茨城県特別支援学校体育連盟(特体連)などが主催する障害者スポー
ツの大会・イベント,教室・研修会などが行われています。また,筑波大学、筑波技
術大学及び県立医療大学の三大学連携事業として「障害者スポーツイベント」が毎年
開催されています。
3 障害者スポーツの課題
本市の障害者スポーツ団体やグループは,それぞれの認識の基にスポーツ教室や競
技スポーツを実施していることから,行政の関与によらない運営を重んじるところも
ある中,必要に応じて団体やグループ間の連携を支援していくことが想定され,障害
者スポーツの振興と合わせ,スポーツ振興と障害者福祉との観点から関係部局が連携
して課題解決に取り組むことが必要となっています。さらに,スポーツ施設の整備に
おいても,障害者がスポーツをすることができる施設・設備の整備が求められます。
一方,本市の障害者スポーツの団体や組織を統括する組織がなく,障害者スポーツ
の組織連携を支援していくことが必要となっています。スポーツイベントや大会の開
催,障害者のためのスポーツ指導者の養成など,障害者スポーツに関係する団体等が
取り組む自主的・主体的な活動を本市としても支援するよう検討する必要があります。
第6節 高齢者スポーツの現状と課題
1 高齢者スポーツの現状
いばらきねんりんスポーツつくば市大会
茨城県健康福祉祭の一環として,いばらきねんりんスポーツつくば市大会が実施さ
れています。実施種目としては,クロッケー,ゲートボール,ペタンク,グラウンド
ゴルフ,輪投げなどがあります。この大会は,本市及びつくば市社会福祉協議会によ
って主催され,つくば市シルバークラブ連合会,つくば市ゲートボール連合会,つく
ば市クロッケー連盟によって後援されています。
高齢者いきいき健康アップ事業
高齢者が住み慣れた地域で,健康で自立した生活ができることを目指して,高齢者
38
第2章
いきいき健康アップ事業を実施しています。この事業は,高齢者が活動量計(高機能
万歩計)を身につけて,運動した活動のデータを市内6か所に設置する読み取り機器
により確認し,健康づくりと介護予防に役立てるものです。平成 25 年度から試験的に
行い,平成 26 年度から本格的に実施します。平成 25 年度は,市内在住で介護認定を
受けていない,歩くことに支障のない 65 歳以上の高齢者 240 名を対象としています。
シルバークラブによるスポーツ活動
高齢者が自身の住み慣れた地域で仲間たちと共に健康でいきいきと活動するために,
各地区にシルバークラブが自主組織され,つくば市シルバークラブ連合会を構成して
います。各単位シルバークラブでは,グラウンドゴルフ,ペタンク,クロッケーなど
のスポーツ活動が行われています。ただし、単位シルバークラブは,平成 20 年度では
クラブ数 189,会員数 9,292 名であったものが,平成 24 年度ではクラブ数 164,会員
数 8,043 名に減少してきていることが問題点として指摘できます。
75 歳からのいきいき運動教室(元気はつらつ運動教室)
高齢者が自立した生活を営むことができるように,運動習慣を身につけ,生活機能
の維持・向上を図るために,75 歳以上の高齢者を対象に,いきいきプラザを会場とし
て転倒防止・筋力の保持を目的とした運動を行い,運動指導,健康相談,栄養相談を
行っています。また,平成 25 年度は,元気はつらつ運動教室として,運動強度に応じ
て教室を2つに分けて,前期・後期合計 210 名の定員で各6か月間 20 回のプログラム
を実施しています。
2 高齢者スポーツの課題
平成 23 年度つくば市市民意識調査報告書によれば,本市のスポーツ・レクリエーシ
ョンへの取り組みに対する市民の満足度は,特に 60 歳以上の者の満足度が低く,高齢
者スポーツをいかに推進するかが課題となっています。高齢になるに従ってスポーツ
を通して仲間との交流を望む人の割合は増加傾向にありますが,実際の高齢者のスポ
ーツ活動の場となってきたシルバークラブや地域のスポーツ振興会などへの参加者数
は減少傾向にあることが問題点として指摘できます。団体の中には高齢化が進み,新
しい加入者が入らない状況もみうけられます。また,ゲートボールの流行など,以前
は人気のあった高齢者向けのスポーツも現在では人気がなくなる状況があり,新たな
高齢者向けの運動・スポーツプログラムの開発・普及や,高齢者の交流や活動の場と
なる組織基盤の活性化が必要となっています。
本市の高齢化率は,平成 12 年度では 12.7%でしたが,平成 26 年度には 18.1%にな
ることが見込まれており,急速な高齢化によって地域住民の生活にも大きな影響が生
じることが予測されています。本市では,このような状況に対して,高齢者の介護・
予防・医療・生活支援・住まいなどについて包括的にケアする取組が進められていま
39
第2章
すが,高齢者が健康で生きがいをもって,安心して生き生きと暮らせるまちの実現を
図るうえで,運動やスポーツによってもたらされる社会的な活動への参加,生きがい
づくり,健康保持増進,地域での仲間づくりなどの効果が期待されています。
第7節 スポーツイベントの現状と課題
1 つくば市主催のスポーツ大会の状況
本市が主催する平成 24 年度のスポーツ大会としては,つくばマラソン(フルマラソ
ンと 10km の部),つくば健康マラソン大会(ファミリーからシニアまで計 12 種目)つ
くば学園ウオークラリー大会(指定のコースをグループで問題を解きながら歩く),ソ
フトミニバレーボール大会,つくば市長杯サッカー大会があります。特に,つくばマ
ラソンは,本市最大のスポーツイベントとして定着してきています。また,平成 23 年
度から,国際交流のイベントとして,つくばワールドフットサルを開催しています。
今後は,スポーツ大会の参加者の増加や規模の拡大に対応して,安心・安全に大会を
行うことが課題となっています。また,つくば学園ウオークラリー大会については,
参加者が減少傾向にあることが課題となっています。
図表 30
平成 24 年度つくば市主催スポーツ大会
大会名
内 容
対 象
参加者数
場 所
つくば学園
ウオークラリー大会
指定のコースをグループで問題を解
オープン参加
きながら歩く
144組 463名
春日学園
(春日小中学校)
つくばマラソン
フルマラソン,10㎞の部
高校生以上の健康な方
14,144名
フル:11,603名
10km: 2,541名
筑波大学発着の
日本陸連公認コース
つくば健康マラソン大会
ファミリーからシニアまで計12種目
市内・近隣市町村在住,ま
たは市内在学・在勤の方
1,626名
筑波大学陸上競技場
および学内道路
ソフトミニバレーボール大会
バドミントンコートを使用。男子・女
子・混合の部
※大会特別ルールを適用
市内在住・在勤の方
※学生を除く
133名
谷田部総合体育館
つくば市長杯(U-15)サッカー大会
4ブロックによる予選トーナメント。各
市内中学校
ブロック1位による決勝リーグ戦。
16チーム
フットボールスタジア
ムつくば(セキショウ・
チャレンジスタジアム)
つくば市長杯(U-18)サッカー大会
トーナメント勝ち点方式。
市内高等学校・クラブチーム 8チーム
つくばワールドフットサル
エンジョイクラス,オープンクラス,
ファミリークラス
オープン参加
47チーム83名
(うち外国人 23か
国95名)
フットボールスタジア
ムつくば(セキショウ・
チャレンジスタジアム)
フットボールスタジア
ムつくば(セキショウ・
チャレンジスタジアム)
2 つくば市体育協会のスポーツ行事
つくば市体育協会の専門部会,スポーツ振興会及びスポーツ少年団の平成 25 年度の
スポーツ行事としては,以下のものがあります。
40
第2章
図表 31
支 部 名
大 穂
豊 里
谷田部
桜
筑 波
茎 崎
図表 32
種 目
スポーツ振興会のスポーツ行事
行 事 名 ( )内は実施予定期日ほか
グラウンドゴルフ大会(6/2・12/8) ハイキング(10/6) 文化祭遊びの広場(11/2市文化祭時)
歩け歩け大会(3/2)
グラウンドゴルフ(講習会 6/30、大会 7/7 川口公園) ソフトボール大会(8/4)
ソフトバレーボール大会(6/23・10/20) グラウンドゴルフ大会(11/10 川口公園)
ソフトミニバレー大会(2/9 市内オープン) [地区別行事 谷田部(グラウンドゴルフ 6/23・10/27 運動会10/13)
真瀬(ソフトミニバレー 6/23、グラウンドゴルフ 7/14・11/17、運動会 10/6、スポーツ交流会 1/19) 島名(グラウン
ドゴルフ 7/7、運動会 10/6、ゴルフ 11/14、スポーツ交流会 1/26) 葛城(グラウンドゴルフ 10/6・3/2) 小野川
(グラウンドゴルフ 7/21、運動会 10/13、ファミリーソフトボール 10/27~、ペタンク 5/12)]
グラウンドゴルフ大会(11/10)健康ハイキング(9/30)
[地区別行事 栗原(グラウンドゴルフ大会11/11 歩く会 1/1 栗原小~一の矢神社往復) 桜南(歩く会・レクリエー
ション大会 10/14 桜南小~洞峰公園、スポ少交流会 12/23) 竹園(ウオークラリー 11/3 竹園西小~洞峰公園)
梅園(梅園地区 運動会 10月頃) 九重(スポーツフェステバル11/16) 栄( ハイキング5/19 地域探訪9/22, 里山探
検11/7 ボーリング大会1/19)]
ハイキング(5/26) バドミントン教室(6/14~3回 金曜夜) ソフトボール大会(8/18) グラウンドゴルフ大会
(9/22、2/23) 筑波山ハイキング(11/17) 歩く会(3/30) 初心者テニス教室(11/10、12/1.8.15)
グラウンドゴルフ大会(5/21) 男女混合ソフトボール大会(9/8) ファミリーウオーキング(10/27) ファミリー
フットサル大会(3/21)
専門部会のスポーツ行事
行 事 名 ( )内は実施予定期日および参加対象
春季大会(4/2~登録チーム) 連盟杯大会(5/3~ 市内中学生7/7~ 市内・近隣代表社会人、11/3少年)
秋季大会(9/1~登録チーム) 審判講習会(6/24審判部、H26.3/30春季大会参加チーム)
連盟杯大会(5/19~登録チーム) ナイター大会(7/16~登録チーム) 市民大会(9/22~登録チーム) 女子
ソフトボール
大会 (10/13登録チーム他、6/16ひまわり杯) 審判講習会(5/11登録チーム3名以上)
社会人部 : 6人制大会(春季 5/12、混合7/7、市民 9/1登録チーム、近隣女子 9/29、近隣男子 10/20,秋季
11/17 登録チーム)9人制大会(春季 6/15登録チーム)
軟式野球
バレーボール
女子部 : 市民(6/23 市内チーム) 女子オープン(12/1 登録チーム) 近隣(2/2・16) 他、地区大会
審判講習会(4/21) ソフトバレーボール大会(6/2)、ビーチボールバレー大会(10/27)
クラブ対抗団体戦2回(5/19・11/23 登録クラブ・登録者) 市民大会(7/7 市内社会人) 初心者親睦大会(6/22)
バドミントン つくばオープン(10/6 市内外愛好者) 師走大会(12/8 登録者) 新春大会(1/19登録者) ミックス大会(2/23 登
録者)
つくばオープン(6/2 高校生以上) 市民大会(10/20高校生以上、市在住在勤の社会人)
ソフトテニス
つくばオープンシニア大会(3/2) 教室(4/27, 5/4・11・18)
ミックスダブルス大会(4/6・7 ) 春季大会(5/5・6ダブルス 登録者) シングルス大会(9/14・15市在住在勤の社会
テニス
人) 秋季市民大会(10/5・76ダブルス 登録者)
剣 道
市民大会(6/9 兼県青年大会予選) 少年大会運営協力(市長杯 10/14、錬成 12/8)
スキー
市民スキーツアー(2月 市民、小中学生は保護者同伴) 講習会(年4回 登録者)
バスケットボール
市民大会(6/16~ 登録チーム) 市民リーグ(9/1~日曜日 登録チーム) 市選手権(2/23~ 登録チーム)
卓球
春季大会(5/12団体戦) 市民大会(6/9個人戦) 秋季大会(10/6 個人戦) 冬季大会(1/19 個人戦)
ラージボール卓球(2/9)
空手道
つくば市大会(6/2 体協・スポ少登録者・他)
陸上競技
つくば選手権(11/10) つくば健康マラソン協力(未定)
パワーリフティング
近隣大会(5/19登録者・近隣愛好者) ベンチプレス大会(9/29 登録者)
ゲートボール 市大会(5・9・11・3月登録者) 審判講習会(各大会前日) 他各種大会参加
ゴルフ
地区対抗(4/23 1チーム8名~15名 市民登録者 つくばねカントリークラブ) 市民大会(7/24 筑波東京ゴルフクラ
ブ) 市アマチュア選手権(11/12 市民 豊里ゴルフコース)
クロッケー
体協大会(6月、7月、10月、2月 登録者) 他、地区大会など
ハンドボール 市総合大会(6/22 大人から子供まで、トッププレーヤーから初心者まで) 学園オープン(2/1)
フォークダンスフォークダンス大会(4/27)
サッカー
サッカーリーグ戦(4/6~) シニアサッカーリーグ戦(5/5~)
41
第2章
図表 33
種 目
スポーツ少年団のスポーツ行事
単位団数 主 な 行 事 ・ 活 動
軟式野球
19単位団 市本部長杯大会(4/28・29) 市長杯大会(8/10~) 他に地区大会を実施
剣 道
16単位団 市長杯大会(10/14) 錬成大会(12/8) 交流会(11/30)
サッカー
22単位団 市長杯大会(5/18・19) 低学年大会(6/29 ・30) フットサル大会(12/7) 近隣大会(3/1・2)
ミニバスケットボール
17単位団
市長杯大会(5/5・6) 女子サマーゲーム(8/3・4 ) 男子サマーゲーム(8/10・11) つくばカップ女子
(12/14・15) つくば交流会男子(12/15) 新人戦(1/12・13) 審判講習会(3/30)
空 手 道
5単位団
市大会(6/2) 他に団ごとに県・県南・近隣大会などに参加
ハンドボール 1単位団
県大会参加(5月) 市総合大会(6月) 関東大会(7月) 他、各種大会参加
柔 道
3単位団
単位団ごとに県大会などに参加
バレーボール 6単位団
単位団ごとに県大会などに参加
バドミントン
1単位団
市長杯大会(11/24 市内登録者の個人戦)
卓 球
1単位団
近隣市町村大会などに参加
陸上競技
1単位団
市競技会、近隣市町村・県競技会に参加
少林寺拳法
1単位団
近隣市町村大会などに参加
飛込み
1単位団
近隣市町村大会などに参加
ゴルフ
1単位団
近隣市町村大会などに参加
図表 34
平成 24 年度
NO
つくば市後援名義承認一覧表(スポーツ関係事業)
団体名
事業名
1
社団法人つくば青年会議所
ツール・ド・つくば2012(第4回筑波山ヒルクライム大会)
2
茨城県少年軟式野球国際交流協会
平成24年度 IBA茨城国際交流大会
3
茨城県少年軟式野球国際交流協会
平成24年度 IBA中学生大会
4
株式会社 茨城新聞社
第37回茨城県選抜中学校野球大会
5
宝篋山アルペン倶楽部
第17回宝篋山ハイキング
6
公益財団法人茨城県体育協会
平成24年度県民総合体育大会兼国民体育大会茨城県大会
7
つくば市スポーツ少年団
平成24年度第39回日独スポーツ少年団同時交流事業
8
関彰商事株式会社
セキショウ国際女子オープンテニストーナメント2012
9
株式会社 サマンサタバサジャパンリミテッド サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント
10
筑波大学オリエンテーリング愛好会
第33回筑波大学オリエンテーリング大会
11
つくば市パワーリフティング協会
第25回関東ベンチプレス選手権大会
12
茨城県山岳連盟
第52回全国日本登山体育大会茨城大会
13
㈱デイトリック
JBL2(日本バスケットボール2部機構)公式戦
開幕戦 デイトリックつくば vs 日立電線 ブルドックス
第4節デイトリックつくば vs TGI-Dライズ
14
石岡トレイルランクラブ
第三回筑波山トレイルラン大会
15
特定非営利活動法人日本スポーツ振興協会 日本スポーツ振興協会ジュニアテニストーナメント
16
筑波大学国際テニス大会実行委員会
第3回筑波大学国際テニストーナメント
17
つくば市体育協会
第22回つくば市少年剣道錬成大会
18
つくば100キロウォーク実行委員会
2013 つくば100キロウォーク大会
19
宝篋山アルペン倶楽部
第18回宝篋山ハイキング
20
トスリーグ事務局
TOSSリーグテニス大会
21
NPO法人アクティブつくば
つくばスポーツ大賞2012
42
第2章
3 つくば市によるスポーツイベントの後援承認
本市では,民間団体が主催するスポーツイベントや関連行事に対して市の後援を承
認しています。平成 24 年度では,21 のスポーツ関係行事の後援を承認しました。ス
ポーツイベントの後援申請が増加する場合には,本市が主催するスポーツイベントと
の日程の調整や,スポーツイベントの承認の条件を検討する必要も生じています。
4 つくばウォークの日
本市では,毎月第 1 日曜日をつくばウォー
クの日と定め,運動に親しむ機会をつくり,
市民のウォーキングコースを紹介しています。
また,ウォーキングコースについては,茨城
県ヘルスロードも活用しています。平成 23
年度は 10 回,延べ 945 名,平成 24 年度は 10
回,延べ 1,854 名のイベントへの参加がありました。運動普及推進員の資格を持つ指
導者によって指導が行われています。運動普及推進員おすすめのつくば市ウォーキン
グコースが設定され,パンフレットで紹介しています。
5 スポーツイベントの課題
マラソンやウォーキングなどのスポーツイベントは,本市の自然環境に適合したイ
ベントとして人気が高いといえます。今後は,マラソンブームの影響もあり規模が拡
大してきている大会については,イベントの効率的な運営体制の整備や,参加者が安
心して安全に活動することができる安全管理体制の一層の整備が課題となっています。
また,本市においては,これまでスポーツイベントは,スポーツ大会などの,
「する」
スポーツ*のイベントが中心でしたが,市民がスポーツ文化を理解するためのフォーラ
ム・講習会の開催や,すべての市民が参画し,お互い交流することができるスポーツ
フェスティバルやスポーツの日の行事などを新たに検討することが課題として挙げら
れます。
第8節 スポーツ指導者の現状と課題
1 スポーツ推進委員の現状と課題
本市では,つくば市スポーツ推進委員規則に基づきスポーツ推進委員 *が任命されて
43
第2章
います。平成 24 年度の活動実績としては,つくば市スポーツ推進委員協議会研修会の
開催,市主催スポーツ関連事業(つくばマラソン,つくば学園ウオークラリー大会,
つくば健康マラソン大会など)の役員協力,県スポーツ推進委員協議会研修会等への
参加などがあります。
この他,スポーツ推進委員には,地域住民のニーズを踏まえたスポーツのコーディ
ネートの役割が期待されていますが,現状では,スポーツ専門家として地域で活発に
活動する委員から名誉職的な立場で活動に参画する委員まで,活動内容がさまざまで
あると考えられます。また,拠点クラブや総合型地域スポーツクラブの創設・運営な
どへの参画はあまりみられない状況があります。地域のスポーツの推進におけるスポ
ーツ推進委員の役割は非常に重要であることから,スポーツ推進委員の資格条件,任
期,研修教育などを整備し,スポーツ推進委員の資質向上の取組が行われ,地域でス
ポーツをする人だけでなく関係者や関連団体を結び付け、地域のスポーツ活動の組織
化に貢献することが期待されています。
図表 35
平成 24 年度つくば市スポーツ推進委員協議会事業
事業名
場 所
内 容
総会
つくば市役所
事業報告・決算報告・事業計画(案)・予算(案)
つくば学園ウオークラリー大会
春日学園
大会役員 (24名参加)
県スポ推総会及び功労者表彰式
霞ヶ浦文化体育館
事業報告・収支決算報告・事業計画(案)・予算(案)・功労者表彰
県南スポ推理事会・総会
霞ヶ浦文化体育館
事業報告・決算報告・事業計画(案)・予算(案)
関東スポーツ推進委員研究大会
長野県松本市
講演・分科会 (2日間:8名参加)
研修会
つくばウエルネスパーク スポーツ基本法について・グランドゴルフ (21名参加)
県南スポ推協郡市会長事務担当者会議
稲敷市
地区別研修会について
理事会
つくば市役所
後期事業について
つくばマラソン
市内マラソンコース
大会役員(受付・走路員) (45名参加)
全国スポーツ推進委員研究協議会
長崎県立総合体育館
講演・分科会 (3名参加)
県南スポ推地区別研修会
石岡運動公園
テーピング実習 (8名参加)
つくば健康マラソン大会
筑波大学内周回コース 大会役員 (35名参加)
県スポ推理事会・幹事会
霞ヶ浦文化体育館
事業報告・収支決算報告・事業計画(案)・収支予算(案)
理事会
つくば市役所
総会について (委員推薦)
県スポ推女性研修会
下妻市
ビーチボールバレー (6名参加)
2 スポーツ少年団の指導者
平成 19 年度から平成 25 年度までのつくば市のスポーツ少年団の指導者数の推移を
みると,610 名から 545 名へと減少傾向にあります。指導者の減少傾向に歯止めをか
けるためには,資格を所持している指導者が地域で活躍できる環境を整備し,指導者
を積極的に支援していくことが課題となっています。
44
第2章
また,地域のスポーツの活性化と定着化を実現することができる高い資質と能力を
備えた指導者の養成が必要となっています。このため,つくば市スポーツ少年団は,
日本体育協会公認スポーツ指導者制度に基づき,スポーツ指導者をサポートする「ス
ポーツリーダー」の養成を目的として,日本体育協会日本スポーツ少年団,茨城県ス
ポーツ少年団と共催でスポーツリーダー養成講習会を開催しています。また,この講
習会は,スポーツ少年団認定員養成講習会を兼ねるものとなっています。本市のスポ
ーツ少年団における認定員または認定育成員の資格を有する有資格指導者は,平成 25
年6月現在,215 名となっています。
3 本市における日本体育協会公認スポーツ指導者の状況
本市における平成 25 年度 6 月現在の日本体育協会公認スポーツ指導者 *の登録状況
は,以下のとおりです。
図表 36
つくば市の日本体育協会公認スポーツ指導者の状況
資格名
指導員
コーチ
スポーツリーダー
上級指導員
上級コーチ
ジュニアスポーツ指導員
教師
スポーツプログラマー
アスレティックトレーナー
アシスタントマネジャー
合計
人数
87
43
22
20
18
7
6
3
2
1
209
4 学校におけるスポーツ指導者の状況
学校においては,まず,各学校の部活動の顧問による指導が行われています。しか
し,学校における体育・スポーツの指導の専門性が求められるようになり,また学校
スポーツとトップスポーツとの好循環や連携も課題として掲げられるようになってい
ます。
例えば,本市でも,平成 24 年度には,日本体育協会の委託事業としてスポーツ選手
活用体力向上事業を実施し,小学校にトップ選手を派遣して,運動の実技指導や交流
会が行われています。
平成 25 年度には,国の委託事業である地域スポーツとトップスポーツの好循環推進
プロジェクトを本市と連携してつくば FC が国の委託を受け,人材をコーディネートし,
小学校の体育授業に派遣することが行われています。
45
第2章
また,本市では,中学校の武道必修化に対応して,保健体育科の教員を対象にした柔
道及び剣道の実技指導者講習会を実施しています。さらに,茨城県の中学校武道(柔
道)授業における外部指導者の派遣支援事業を活用して,平成 24 年度には体育授業(柔
道)に茨城県柔道連盟と県警の連携による人材バンクから外部指導者の派遣を受けて
います。
5 運動普及推進員の状況
本市は,運動普及推進員*の養成・資格・講座・委嘱を行い,地域での運動のきっか
けづくり,地区組織活動の推進を図っています。特に,運動普及推進員は,つくばウ
ォークなどの活動を推進しています。運動推進員養成講座を平成 23 年度には7回,30
名,延べ 197 名,運動推進員継続講座を平成 23 年度には6回,85 名,延べ 256 名,
平成 24 年度には6回,84 名,延べ 301 名に対して実施しています。また,運動普及
推進員活動は,平成 23 年度は 55 名により 21 回,平成 24 年度は 63 名により 105 回実
施されました。
6 スポーツ指導者の課題
本市では,スポーツ推進委員の研修会,スポーツ少年団の指導者養成講習会,運動
普及推進員に関連する養成講座など,スポーツ指導者の育成や資質の向上が一部で行
われていますが,スポーツ指導者の研修及び資質向上を質・量ともにさらに充実させ
る必要があります。地域のスポーツ指導者の人材育成,資質向上,系統的な研修会な
どの開催は,地域のスポーツ指導者が地域のスポーツ活動を推進していく上で最も重
要な支援策であるといえます。スポーツを通じた地域の交流やスポーツ団体の活性化
を進めるためにも,十分な資質と能力を備えたスポーツ指導者が必要となっています。
スポーツ指導者に関する育成及び支援が遅れると,今後とも各地区・地域における組
織的なスポーツ活動の停滞や指導者の減少へとつながる危険性があると考えられます。
また,本市におけるスポーツ指導者の活動実態を把握する必要があります。さらに,
スポーツ指導者には,スポーツ種目の技術指導だけでなく,スポーツ文化とその価値
の継承,人格的・道徳的な教育,スポーツ団体間の連携やマネジメント,地域と行政
との橋渡し役などを行うことが求められています。
第9節 スポーツ教室の現状と課題
1 つくば市によるスポーツ教室
本市は,平成 24 年度の活動実績として,ソフトエアロビ&チューブトレーニング教
46
第2章
室,ゴルフ教室,テニス教室,水中運動教室,トレイルラン教室,オリジナルヨガ教
室,バドミントン教室,ジョギング教室,チビッコスキースクールなどのスポーツ教
室を実施しています。延べ参加者数は,1,120 名となっています。スポーツ教室の情
報は,市報,ホームページ,チラシのほか,専用の Facebook ページにおいても情報提
供をしています。
図表 37
平成 24 年度スポーツ教室開催実績一覧
教室名
内容
ソフトエアロビとチューブを使った
ソフトエアロビ&
トレーニングによる健康の維持,体
チューブトレーニング
力の向上を図る
初心者から経験者までレベルに応じ
バドミントン
たレッスンを行う
初心者から経験者までレベルに応じ
ゴルフ
たレッスンを行う
幼児の部 水遊びの楽しさを学ぶ
水泳
学童の部 個人のレベルにあわせて
水泳を楽しみ,泳力の向上を図る
対象
市内在住・在勤・在学
の18歳以上の方
※高校生を除く
幼児(平成25・26年度
小学校入学予定者)
学童(小学3~6年生)
開催日・回数
参加者数
場所
6月8日~7月20日
毎週金曜日 全7回
20名(延114名)
大穂体育館
(平成24年度)
6月2日~6月16日
毎週火・土曜日 全8回
6月10日~7月29日
毎週日曜日 全8回
36名(延158名)
桜総合体育館
(平成24年度)
26名(延181名)
柳橋ゴルフ場
(平成24年度)
7月30日(金)~8月3日
(金) 全5回
51名(延215名) つくば市立前野小学
(平成24年度) 校
40名(延164名)
大穂体育館
(平成24年度)
オリジナルヨガ
ヨガによる柔軟性の向上,健康の維
持を図る
9月4日~10月23日
毎週火曜日 全7回
※9月18日を除く
水中運動
体力水準の低い高齢者や,激しい運
市内在住・在勤・在学
動をすることが難しい人などが,気
の18歳以上の方
軽に参加できるプログラムを実施
※高校生を除く
し,健康の維持,体力の向上を図る
9月4日~9月28日
9名(延39名)
毎週火・金曜日 全7回
(平成24年度)
※9月18日を除く
硬式テニス
初心者から経験者までレベルに応じ
たレッスンを行う
10月13日~11月17日
毎週土曜日 全5回
※11月3日を除く
谷田部テニスコート
37名(延109名)
※雨天時は谷田部総
(平成24年度)
合体育館
12月2日(日),15日
(土)
平成25年1月12日(土)
全3回
22名(延42名)
(平成24年度)
ジョギング
チビッコスキー
トレイルラン
ジョギング初心者が5㎞を完走でき
るようになることを目標とし,ジョ 市内在住・在勤の
ギングの楽しさと基本的な技術を学 中学生以上の方
ぶ
スキーの楽しさと技術を学び,参加
者同士の交流を図るとともに,集団 市内在学の小学6年生
生活の大切さを学ぶ
市内在住・在勤・在学の
トレイルランを通して,参加者の体
18歳以上の方
力・健康づくりを図るとともに,参
(※高校生を除く)
加者同士の交流の場を設ける。また
ロードランニングや登
トレイルランを楽しむために,山に
山等の経験者で,普段
入る心構えやマナーを知ることを目
から身体を動かしてい
的とする。
る方
つくば市ふれあいプ
ラザ
つくば市内
平成25年3月23日(土) 176名
~25日(月)
(平成24年度)
群馬県
平成25年2月9日,2月16 50(延112名)
日,3月9日
(平成24年度)
全て土曜日
つくば市内
2 出前体操教室
本市では、出前体操教室を地区集会施設などを利用して開催し,いきいきプラザか
ら派遣されたインストラクターなどによる体操,運動,セラバンド,ボール,ヨガな
どの体験プログラムを実施しています。平成 23 度は 260 回,延べ 2,861 人,平成 24
47
第2章
年度は 553 回,延べ 6,641 人に対して出前体操教室を実施しました。
3 いきいき運動教室・75 歳からのいきいき運動教室
いきいきプラザにおいて 55 歳以上の主
に高齢者を対象に有酸素運動を中心に軽い
運動・ストレッチなどの運動教室を行い,
体力測定を実施するとともに,運動講話な
どの生活指導を行っています。平成 23 年度
は前期延べ 3,693 人,後期延べ 3,751 人,
平成 24 年度は前期延べ 3,762 人,後期延べ
3,812 人に対していきいき運動教室を実施
しました。
4 つくば ICT 健康サポートパイロット事業
本市では,試験的な事業として平成 24 年度,25 年度に,民間フィットネスクラブ
に運動教室を業務委託し,ICT を活用した健康情報の「見える化」を行う健康サポー
ト事業を実施しました。このプログラムは,本市,筑波大学,インテル社の三者地域
連携事業として行われたもので,健康増進を図るとともに,生活習慣病を予防し医療
費の抑制を図ることを目的としたものです。平成 24 年度は 151 人の参加がありました。
5 スポーツ教室の課題
本市においては,スポーツ教室の開催を積極的に行っていますが,年々参加者が減
少する教室もあり,教室の参加者実績を考慮し,内容を精選し,事業の改善をする必
要があります。また,民間のスポーツクラブとの事業内容の差別化をどのように図る
かが課題となっています。
また,これまでのスポーツ教室の内容は,「する」スポーツ*のための技術指導や健
康のための体操や運動の実践指導を中心に行われてきましたが,今後は,地域住民の
交流が促進されることに主眼を置いたスポーツ教室の開催や、スポーツ文化やスポー
ツを通じた人と人の結びつきの在り方を学ぶような講演会等の開催も行う必要があり
ます。
48
第2章
第 10 節 つくば市の行政組織とスポーツ関連事業の現状と課題
1 つくば市のスポーツ関連事業の状況
本市の内部部局が実施しているスポーツと関連がある事務事業をまとめると,図表
38 のとおりとなります。市民のスポーツの振興に関する事務は,市民部スポーツ振興
課が分掌していますが,スポーツに関連する事務事業は,8部 18 課に及んでいます。
スポーツは,教育,福祉,健康,観光,都市建設など様々な関連があり,多様な部局
で関連する事業や取組が個別に実施されているため,関連する事務事業の重複,分散,
複雑化が生じており,統一的・総合的なスポーツの推進のための事業ができにくい状
況を生じさせています。平成 23 年度つくば市市民意識調査報告書によれば,本市の現
状やまちづくりへの取り組みに対する市民の満足度は,スポーツ・レクリエーション
については,0.52 ポイントであり,27 項目中 15 位にとどまっています。また,特に
60 歳以上の者の満足度が低いといえます。このような状況を改善するためには,行政
組織内部で相互に連携を深め,情報を交換しながら組織的・効率的に関連する事業の
展開を図っていくことが不可欠といえます。
2 スポーツ関連事業の課題
本市のスポーツ推進を総合的かつ計画的に実施していくためには,複数の内部部局
に分散した事務事業の連携のための体制を整備することが課題として挙げられます。
スポーツ推進計画に基づいて,より行政組織内部の組織的な連携を構築することが必
要となっています。
49
第2章
図表 38
つくば市の関連事業一覧(平成 25 年度までのもの)
部名
市長公室
企画部
担当課名
秘書課
企画課
事業名または取組名
つくば市の後援名義使用の承認
総合計画の企画・策定
アントラーズフレンドリータウン
市民部
国際・文化課
つくばカピオ管理運営事業
つくばワールドフットサル
スポーツ振興課
スポーツ推進委員協議会事業
スポーツ教室開催事業
スポーツ大会開催
つくばマラソン開催事業
つくば健康マラソン開催事業
つくば学園ウオークラリー大会開催事業
スポーツ推進審議会事業
つくば市レクリエーション協会連携・補助
全国大会出場補助
県立高等学校体育施設開放
つくば市体育協会連携・補助
つくばユナイテドSun GAIA関連の取組
生涯学習課
地域交流センター主催行事
つくば市ふれあいプラザの管理運営
福祉部
障害福祉課
障害児スポーツ教室開催事業
おひさまサンサン生き生きまつり事業
体験乗馬療法事業
高齢福祉課
いばらきねんりんスポーツつくば市大会
高齢者いきいき健康アップ事業
シルバークラブ
こども課
放課後児童クラブ事業
放課後児童クラブ施設整備事業
保健医療部 健康増進課
つくばICT健康サポートパイロット事業(平成24年度,平成25年度)
いきいき運動教室
75歳からのいきいき運動教室(元気はつらつ運動教室)
出前体操教室
運動普及推進員養成等
つくばウォークの日(運動普及事業)
いきいきプラザ管理運営
経済部
観光物産課
豊里ゆかりの森施設管理運営事業
筑波ふれあいの里施設管理運営事業
茎崎こもれび六斗の森施設管理運営事業
スポーツツーリズムの展開
筑波山周辺観光整備計画(筑波山麓整備事業)
フットパス空間整備及びイベント
つくばりんりんロード活性化
宝篋山PR
つくば市へのスポーツ合宿誘致の取組
都市建設部 都市施設課
体育施設耐震化事業
体育施設維持管理事業
つくばウェルネスパーク管理事業
公園整備事業
公園内テニスコート改修事業
公園管理(指定管理者)委託事業
公園維持管理事業
道路課
ペデストリアンデッキ再整備事業
教育委員会 教育施設課
学校施設開放事業(各学校)
小学校・中学校施設(校舎・体育館等)の耐震化事業
教育総務課
小学校体育連盟補助事業
中学校体育連盟補助事業
つくばFCと連携したサッカー指導事業
全国及び関東各種大会出場補助事業
学務課
中学校部活動支援事業
教育指導課
保健体育研修講座
中学校武道(柔道)授業における外部指導者の派遣支援
スポーツ選手活用体力向上事業
学校体育コーディネート事業
体育授業サポーター派遣事業
地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト
体力テストの実施(各学校)
児童生徒の体力アップ推進プロジェクト事業・スポーツチャレンジ
放課後子ども教室推進事業
健康教育課
体力・運動能力調集計委託事業
つくば市総合教育研究所 体つくり運動研修講座
50
第2章
第 11 節 スポーツ推進のための連携・協働の現状と課題
1 地域におけるスポーツ推進のための連携・協働の現状と課題
スポーツ基本法及びスポーツ基本計画にも示されているように,スポーツを推進し
ていくためには,スポーツに関する多様な主体(国,地方公共団体,独立行政法人,
学校,スポーツ団体,地域の団体,民間事業者など)が連携・協働して,スポーツの
推進を総合的かつ計画的に取り組んでいくことが重要となっています。
特に,スポーツ基本計画第3章に,スポーツの推進を総合的かつ計画的に取り組む
べき施策として「住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備」が掲げられて
おり,地域スポーツと企業・大学等との連携が求められています。本市においても,
国及び県の事業等との連携,つくば市体育協会,中学校体育連盟,小学校体育連盟な
どの体育・スポーツ系の統一団体との連携,小学校,中学校,高校,大学などの教育
機関との連携,民間のスポーツ団体との連携が行われています。しかしながら,これ
らの連携の内容は,団体への補助事業やスポーツイベントの開催,スポーツ教室の指
導など,限られた範囲のものにとどまっている現状があります。人と人とが交流し,
地域の一体感や活力を醸成していくためには,さらに緊密な連携を多方面で展開する
ことが必要となっています。
また,スポーツの推進のための人的物的資源は分散・分割されており,このように
分散・分割された資源を組織的連携により結びつけ,有効に活用し,好循環を生み出
すことが必要となっています。さらに,行政主導によるスポーツの推進には限界があ
り,官民の連携・協働やパートナーシップの構築が求められています。特に,スポー
ツ基本計画にも掲げられているように,トップスポーツと地域におけるスポーツとの
連携・協働の推進や,地域スポーツと企業・大学等との連携・協働の推進を図ること
が重要となっています。
2 筑波大学との連携に関する市民の意識と課題
本市は,平成 15 年より筑波大学との間で包括的な連携協定を締結し、大学と市の情
報,資源及び研究成果等の交流並びにその活用を行っています。スポーツや健康の分
野においても,つくばマラソンの開催,学校への指導者・サポーターの派遣などで,
既に多様な連携・協働が行われています。
しかし,つくば市「スポーツ活動に関する調査」によれば,筑波大学によるスポー
ツに関する事業に対する市民の要望は非常に高く,多くの要望が 80%程度となってい
ます。本市と筑波大学とが連携してスポーツ事業を展開し,スポーツのまちつくばを
実現させていくことへの期待は大きいといえます。特に,スポーツ施設の開放,専門
的・科学的な健康運動プログラムの指導・助言,高度で専門的なスポーツの指導,高
齢者のスポーツ活動への指導・支援,障害者のスポーツ活動の指導・支援などを望む
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第2章
割合が大きいといえます。また,65 歳以上では,全体の要望と同様な傾向があります
が,特に高齢者のスポーツ活動の指導・支援への要望が最も高くなっています。
これまで,本市は,筑波大学との間で高齢者スポーツ,障害者スポーツ,健康運動
プログラムの指導・支援について十分な連携は行ってきておらず,さらなる連携の強
化を行うことが課題として挙げられます。また,つくば市のスポーツの推進を主導す
る重要なパートナーとして連携・協働の体制を確立することが期待されています。
図表 39
本市と筑波大学との連携に対する市民の意識
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