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拡大成長を遂げる中国造船業の 設備状況等に関する調査
助成 拡大成長を遂げる中国造船業の 設備状況等に関する調査 200 9 年 3 月 社団法人 日 本 中 小 型 造 船 工 業 会 財団法人 日 本 船 舶 技 術 研 究 協 会 は じ め に 中国造船産業の急速な発展は、ここ数年来の海運造船市況の高騰を反映 し、投機的とも思われる世界船舶需要の拡大に応える形で成長を遂げてい る。建造需要の急増には、①新興国、とりわけ、中国の経済成長に伴う資 源 需 要 の 増 大 ② ① の 海 運 市 況 に 大 量 の 投 機 マ ネ ー が 流 れ 、こ れ が 船 舶 投 資 や傭船などの現物取引にまで及んでいる等の背景があると見られている。 船舶の需要予測では、世界物流量(海上荷動量)の増加予測と連動する 形 が 安 定 し た 世 界 船 舶 需 要 と 考 え ら れ て い る が 、現 時 点( 2007)に お い て は 、想 定 需 要( 7,800 万 GT)の 約 2 倍 以 上( 16,000 万 GT)の 建 造 需 要 が 発生している。一方で、投機的建造意欲に押し流される形で、中国造船産 業は、粗製乱造とも思えるほどの造船産業への業種拡大・転業化が急激に 進展し、片や既存造船事業者も、前述の世界船舶需要の拡大と中国政府に よる造船産業を中核とした都市化政策、経済発展政策とが相まって、建造 能力、造船設備等の増強を急速に早めている状況下にある。この傾向は、 造船産業を国家の機軸産業に据えている韓国も同様であり、中国政府が進 める対中投資・企業誘致政策に呼応する形で中国国内の各地に造船所、舶 用部品事業者等の企業進出を課している。 他方、こうした拡大傾向にある産業のなかで、建造契約が締結されてい る 2011 年 以 降 に 生 じ る と 予 想 さ れ る 反 動 的 な 造 船 市 場 の 縮 小 、 米 国 か ら 発生したサブプライムローンに伴う世界経済の不況兆候、若しくは原油高 に 伴 う 資 材 等 の コ ス ト 急 増 、( 造 船 業 の 成 長 に 一 定 の タ イ ム ラ グ が 生 じ る ) 搭載主機関等舶用製品の世界的供給不足等の状況下、 (造船産業のみならず、 連 動 す る 舶 用 製 品 市 場 に も 影 響 を 及 ぼ す 、)建 造 契 約 の 解 消 や 、建 造 納 期 遅 延等の造船市場における大きな混乱に対する不安感が産業関係者の中で増 幅 し つ つ あ る 。事 実 、世 界 ロ イ ド 統 計( 2008 現 在 )に よ れ ば 、中 国 の 遅 延 状 況( 竣 工 計 画 よ り 3 ヶ 月 遅 延 )は 、手 持 ち 工 事 量( 1,783 万 GT)に 対 し 、 そ の 約 12.7% に あ た る 227 万 GT と 報 告 さ れ て お り 、こ れ は 、主 要 3 ヶ 国 以外の年間建造量にも匹敵する値となっている。 本調査では、急激に成長を遂げている中国造船所において、国営企業等 (CSIC,CCIC,日 系 造 船 事 業 者 ) を 除 く 、 社 会 的 影 響 力 の 大 き い 、 手 持 ち 工 事量が多い造船事業者を対象に、これら造船所の建造能力、設備能力、工 事遅延状況等について調査を図り、上述統計の妥当性、信憑性を評価し、 2011 年 以 降 の 建 造 需 要 量 を 占 う 意 味 で の 、ま た 、我 が 国 造 船 関 連 事 業 者 の 海外投資又は海外取引、若しくは我が国造船事業者の建造能力、設備拡大 等を検討する際の参考に資することとしたい。 ジェトロ・大連事務所船舶部 (社団法人日本中小型造船工業会共同事務所) ディレクター 小玉 真一 目 1. 前 次 言 ·················································································· 1 企 業 No.1( 福 建 省 馬 尾 造 船 股 份 有 限 公 司 ) ··································· 3 企 業 No.2 (煙 台 莱 佛 士 船 業 有 限 公 司 ) ··········································· 17 企 業 No.3 (臨 海 市 航 暢 船 舶 製 造 有 限 公 司 ) ····································· 29 企 業 No.4 (浙 江 省 海 運 集 団 舟 山 五 洲 船 舶 修 造 有 限 公 司 ) ···················· 41 企 業 No.5 (中 国 長 江 航 運 集 団 宜 昌 船 厰 ) ········································ 53 企 業 No.6 (杭 州 東 風 船 舶 製 造 有 限 公 司 ) ········································ 65 企 業 No.7 (重 慶 東 風 船 舶 工 業 公 司 ) ············································· 77 企 業 No.8 (黄 海 造 船 有 限 公 司 ) ··················································· 89 企 業 No.9 (舟 山 市 龍 泰 船 舶 有 限 公 司 ) ··········································· 101 企 業 No.10 (泰 州 三 福 船 舶 工 程 有 限 公 司 ) ······································· 113 企 業 No.11 (浙 江 宏 冠 船 業 有 限 公 司 ) ············································ 126 企 業 No.12 (臨 海 市 弘 州 造 船 有 限 公 司 ) ········································· 138 企 業 No.13 (山 東 省 威 海 船 厰 ) ···················································· 149 企 業 No.14 (中 国 長 江 航 運 集 団 江 東 船 厰 ) ······································ 161 企 業 No.15 (浙 江 天 時 造 船 有 限 公 司 ) ············································ 172 企 業 No.16 (東 方 造 船 集 団 )························································ 184 企 業 No.17 (浙 江 恒 宇 造 船 有 限 公 司 ) ············································ 196 企 業 No.18 (寧 波 市 東 方 船 舶 修 造 有 限 公 司 ) ···································· 207 2. あ と が き ·················································································· 218 3. 付 録 ·················································································· 220 1.前 言 1. 調 査 の 説 明 本報告書は、下表 1 の造船所に対して、企業の基本情報、造修能力(建造・修 理 設 備 、受 注 状 況 )、経 営 状 況( 販 売 成 長 、財 務 デ ー タ 、技 術 力 )、企 業 戦 略 、遅 延 状 況 の 調 査 を 実 施 し 、こ の 結 果 を も と に 、当 該 造 船 所 の 企 業 信 用 度 に つ い て 総 合 的 に分析・評価したものである。 2. デ ー タ の 出 所 各 調 査 デ ー タ の 出 所 は 、 以 下 の と お り で あ る 。( 詳 細 は 図 1 参 照 ) <間 接 的 資 料 > (1) 卓 上 資 料 : デ ー タ 収 集 ・ 整 理 、 企 業 HP、 イ ン タ ー ネ ッ ト 検 索 、 関 係 メディアなど (2) 関 係 協 会 : 中 国 船 舶 工 業 協 会 (3) 政 府 関 係 : 中 国 工 商 局 、 統 計 局 <直 接 的 資 料 > (1) 対 象 造 船 所 各 部 門 へ の 訪 問 : 財 務 部 、 人 事 部 、 事 務 室 、 生 産 部 、 技 術 部 、 造船部、経営部、資材調達部等 (2) 関 連 会 社 へ の 訪 問 : 親 会 社 、 子 会 社 、 サ プ ラ イ ヤ ー 、 取 引 先 等 3. 付 録 の 一 覧 付 録 1: 造 船 所 18 社 の 企 業 の 基 本 情 報 付 録 2: 造 船 所 18 社 の 建 造 量 推 移 ( 2005-2007 年 ) (調査データ及び中国船舶工業協会の発表データを併記) 付 録 3: 造 船 所 18 社 の 販 売 推 移 ( 2005-2007 年 ) 付 録 4: 造 船 所 18 社 の 手 持 ち 工 事 量 、 付 録 5: 造 船 所 18 社 の 企 業 信 用 度 -1- 図 1 企業の基本状況 データ出所の詳細 間接的資料:工商局 直接的資料:人事部、財務部、事務室 造修能力 間接的資料:会社HP、インターネット検 査 直接的資料:造船部、技術部、経営部 経営状況 間接的資料:工商局(財務報告表) 直接的資料:造船部 、技術 部 、資 材調 達 部 企業戦略 間接的資料:関係メディア 直接的資料:人事部 間接的資料:関係メディア 延期状況 直接的資料:財務部、経営部、人事部、一 部取引先 企業信用度 間接 的資 料 :相 关 媒体 直接 的資 料 :公 司管 理 人 员 、 客 户 1 .各 ル ー ト を 通 じ て 得 た デ ー タ に つ い て は 、細 心 の 注 意 を 払 い 、分 析 し て お り 、 デ ー タ の 正 確 性 と 信 憑 性 を 保 証 す る 。デ ー タ に 不 一 致 が 生 じ た 場 合 は 、各 部 門 を通じて再度確認を行った後、比較検討し、合理的なデータを採用している。 2 .収 集 ル ー ト が 異 な る 等 の 理 由 か ら 、デ ー タ の 不 一 致 が 生 じ た 場 合 は 、報 告 書 中に説明を付している。 3 . 本 報 告 書 で 提 示 し た デ ー タ は 、 特 別 の 説 明 の な い 限 り 、 全 て 2008 年 12 月 までのデータである。 -2- 企 業 No.1 福建省馬尾造船股份有限公司 基本経済指標 福建省 土地面積 12.13 万 km 2 960 万 km 2 総人口数 3,558 万 人 131,448 万 人 2007 年 度 国 内 総 生 産 9,160 億 元 246,619 億 元 -3- 全 国 第一部:企業概要 1. 企 業 情 報 ( 登 録 情 報 ) 企 業 名 福建省馬尾造船股份有限公司 登録住所 福建省福州市馬尾区船政路 3 号 郵便番号 350015 経営住所 福建省福州市馬尾区船政路 3 号 郵便番号 350015 電 話 /FAX 0591-83682412 / 0591-83682198 HP/MAIL www.maweiship.com / [email protected] 企業形態 株 式 有 限 会 社 (非 上 場 、国 有 支 配 企 業 ) 資 本 金 24,037 万 元 設立年月 1980 年 出 資 額 (万 元 ) 出資比率 福建省船舶工業集団会社 13,412 55.80% 福建省福船建設開発会社 300 1.25% 福建省冠海海運有限会社 100 0.40% 福建省東南造船所 300 1.25% 株 主 中国華融資産管理会社 総 計 9,925 41.30% 24,037 100% 法人代表 董 敬知 総 経 理 艾 国棟 社 員 数 1,654 人 敷地面積 33 万 m 2 ・溶解アセチレン、工業酸素、二酸化炭素の生産 経営範囲 ・船舶及び舶用部品の製造、金属成型及び部材加工、船用電 動機の製造及び修理 ・主な業務:コンテナ船の製造 ・ 主 な 船 舶 輸 出 国 : イ ギ リ ス 、ド イ ツ 、オ ラ ン ダ 、フ ラ ン ス 、 業務内容 スウェーデン、ギリシア、キプロス、日本、韓国等 ・船の修理及び屑鉄のセールス事業も展開。 -4- ・同社は、福建省船舶工業集団公司の傘下企業である ・福建省国資委員会授権の国営企業である ・ 同 社 の 前 身 は 、1866 年 設 立 の 中 国 造 船 企 業「 福 建 船 政 」で あり、現在、福建省最大の造船企業である。 ・ イ ギ リ ス LR、 ア メ リ カ ABS、 日 本 NK、 ド イ ツ GL、 フ ラ 企業案内 ン ス BV、 中 国 CCS、 香 港 等 の 船 級 協 会 の 認 証 を 取 得 。 ・ ISO9001 及 び OHSMS 職 業 健 康 安 全 管 理 体 系 の 認 証 を 取 得。 ・機械組立て、パイプ加工、電装、塗装等の工場を有するほ か、船体ブロック加工工場及び溶接工場を有する。 ・ 35,000T 以 下 の 船 舶 設 計 、 製 造 及 び 修 理 が 可 能 で あ り 、 現 在は中国南部の重要な船舶製造基地である。 (社員構成) (資料出所:経理課と人事部) 現 有 社 員 は 1,654 人 、内 、管 理 職 は 171 人 、社 員 数 の 10%を 占 め 、技 術 者 は 268 人 、 社 員 数 の 16%を 占 め る 。 そ の 他 : 派 遣 従 業 員 数 は 約 1,200 人 。 -5- 2. 沿 革 年 月 1980 年 6 月 1983 年 7 月 1986 年 1987 年 1991 年 1993~ 2000 年 事 項 当 該 社 を 登 録 ( 設 立 )。 社 名 :福 建 省 馬 尾 造 船 所 ( 国 有 企 業 、 出 資 先 は 福 建 省 財 務 局 )。 5,000 ト ン 級 の 近 海 貨 物 船 を 建 造 後 、 大 量 に 受 注 。 オ ラ ン ダ IHC 会 社 と の 提 携 に よ り 、 2,300M 3 の ド ラ ッ グ サ ク シ ョン浚渫船を建造。 主 に 香 港 、シ ン ガ ポ ー ル 、マ レ ー シ ア な ど の ア ジ ア 各 国 及 び 地 域 に建造船舶を輸出。 ドイツより輸出船舶を受注。 経営困難となる。 株 式 改 革 の 制 度 を 設 け 、負 債 を 株 に よ り 相 殺 し 、社 名 は 福 建 省 馬 2001 年 12 月 尾 造 船 股 份 有 限 公 司 に 変 更 。「 福 建 省 船 舶 工 業 集 団 会 社 、 福 建 省 福 船 建 設 開 発 会 社 、福 建 省 東 南 造 船 所 、中 国 華 融 資 産 管 理 会 社 及 び福建省琯頭海運総会社」が株主となる。 2003 年 5 月 事業項目に溶解アセチレンの生産及び販売を追加。 2003 年 7 月 事業項目に酸素の生産及び販売を追加。 事業項目から「一、二類の圧力容器の製造、修理」を削除し、企 2003 年 9 月 業発展に必要な「原材料、補足材料、機械設備、部品、技術の輸 入業務」を追加。 2005 年 4 月 株 主 及 び 出 資 比 率 の 変 更:福 建 省 琯 頭 海 運 総 会 社 が す べ て の 株 を 福建省冠海海運有限会社に譲渡。 事 業 範 囲 の 変 更 : 機 械 と 部 品 の 加 工 「( 汚 染 物 質 排 出 許 可 証 有 効 2007 年 4 月 期 限 2006 年 12 月 31 日 ま で )」 を 「( 汚 染 物 質 排 出 許 可 証 有 効 期 限 2007 年 12 月 31 日 ま で )」 に 変 更 。 2008 年 4 月 事業範囲の変更:汚染物質排出許可証有効期限の取消し。支社: 平潭子会社を設立。 -6- 3. 企業組織(組織図) 秘 書 室 企業管理室 社 長 室 監 法 務 室 行 政 室 視 科 学 協会 会 副 経営管理部 社 造 船 室 計 画 室 非 船 室 長 社 理 事 人事総合フ ァイル 三 会 長 人的資源部 教育育成セ ンター 総 理 室 船 体 室 財務管理部 師 理 事 会 秘 書 室 管 タービン室 技 術 部 門 -7- 組 立 室 電 気 室 定 額 室 総 合 室 つづき 工程管理課 コスト管理課 造 船 事業部 内 業 課 外 業 課 甲、居 装 課 装 課 管 理 課 電 装 課 塗 装 課 監 機 視 会 規 格 設備部 副 社 動力エネルギ ー課 埠 頭 管理 室 長 社 理 事 物質管理企画 物 質 管理部 三 会 長 集 配 中 心 倉 庫 管理室 総 師 理 事 会 秘 書 室 検 証 室 計 量 室 品 質 管理部 安 全 防衛室 安 全 防衛部 修 理 事業部 -8- 防 衛 室 機 修 部 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 180 * 26 35,000 200 * 1,60 * 1 2 160 * 23 15,000 100 * 1,45 * 1 3 130 * 20 5,000 45 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 156 * 24 * 9 20,000 15 * 1 2 ― ― ― 3 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 345 20 * 1,15 * 2 2 ― ― 3 ― ― (資料出所:造船部) 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 2005 年 9 54,500 2006 年 9 70,500 2007 年 11 80,550 合 29 205,550 計 積載重量(DWT) 注:2008 年は 14 隻を竣工(累計積載重量は 104,725 トン(2008 年 9 月 30 日迄)) -9- 表 2-5 船 L/B/D(m) DWT 型 隻数 L:129.62 コンテナ船 B:20.6 8,100 D:10.8 主な船型 1 (計 3) 船 主 OPDR 航運会社 引渡日 2006~ 2007 年 船 名 OPOR CANRRI RS L:129.62 コンテナ船 B:20.6 8,100 1 香港富天海運会社 2006 8,100 2 E. KOMROWSKI 2007 年 富天 D:10.8 L:129.62 コンテナ船 B:20.6 ― D:10.8 L:129.62 コンテナ船 B:20.6 8,100 D:10.8 表 2-6 1 (計 2) Peter Harren 2006 年 PANGJA NG 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 平 台 供 給 船 3,500 2 J.B UGLAND SHPG 2011/2012 年 ば ら 積 み 船 32,000 4 VEGA-REEDEREI 2011/2012 年 880TEU コンテナ船 12,400 8 ER SCHIFFAHRT 2009 年 船 型 船 主 納 期 (資料出所:経理課及び経営部) 注:受注船舶は 63 隻(累計積載重量は 757,810 トン(2008 年 9 月 30 日迄)) - 10 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 105,090 2006 年 118,530 2007 年 140,940 (目盛単位:10 万元) 過去 3 年の売上高は年々上昇しており、2007 年の伸び率は対前年同期比を上回っている - 11 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 資産管理データ 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 11,852 14,094 主要業務の支出額 10,453 12,937 主要業務の収益額 1,399 1,157 管理経費 780 957 販売経費 0 0 財務経費 501 21 販売利益 118 179 投資収益 ― 補助金收入 9 11 販売外収入 7 6 その他 -78 -90 総利益 56 106 純利益 55 106 資産に対する収益 ROA 0.27% 0.69% 自己資本利益率 ROE 2.12% 4.20% 6.92 5.08 負債率 - 12 - ―(0.02) 2.技術開発 技術部門 技術者 268 人の内、83 人が設計者,26 人が開発研究者。 設計能力 3.5 万トン以下の船舶の設計及び製造が可能。 設計部門 設計部門を有している。 三つの特許を申請。内、発明特許は 1 つ、実用新案は 2 つ。内容は、 「半 自動外ネジ・ミーリング工具(19871 年)」、 「ボールネジ伝動人力油圧舵 機(1988 年)」、及び「サイホンとフランジコネクター自動二酸化炭素気 開発能力 体保護溶接装置(1997 年)」。但し、近年は大きな開発成果がない。 2008 年、上海船舶設計院との合弁により、福建省斯達瑞船舶設計有限 会社を設立。上海船舶設計院の豊富な船舶設計経験により、船舶の開発 能力が大幅に向上した。 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 1997 年設立。福建省人民政府が授権した国有企業 である。前身は福建省船舶工業会社。 (1983 年に福 親会社 福建省船舶工業集団 建省が省内の船舶工業事業者を統合する目的で設 会社 立)。造船業を主体に、技術者の育成、設計開発、 船舶貿易等を行う多角経営的船舶製造事業者であ る。 株 主 中国華融資産管理会 社 福州開発区工貿会社 国務院の批准を得て、1999 年 10 月 19 日、北京に 設立。独立法人資格を有する国有(独資)金融企業で ある。負債を株と相殺する方法により資金を得る。 福建省馬尾造船股份有限公司の全額出資の子会社 である。 福建開発区海威船舶 福建省馬尾造船股份有限公司が株 55%を保有する 工程有限会社 子会社である。主に船舶修理業務を行う。 福船船務会社 経営権を有しない子会社である。 福建斯達瑞船舶設計 馬尾造船株式有限会社及び上海船舶設計院の合弁 有限会社 により設立。主に船舶の開発設計を行う。 子会社 - 13 - 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 福建斯達瑞船舶設計有限会社 船舶設計 上海船舶設計院 船舶設計 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 フィンランドワシラングループ 本 体 マーク(MAK)(ドイツ輸入) MAN B&W(日本、韓国など輸入) 付 属 品 Rolls-Royce PLC 備 考 (船主指定の)輸出船 7,800 トン、7,300 トン多目的 船、ばら積み船等 10,500 トン多目的船コンテナ 船等 長期に亘る協力企業 - 14 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・同社の主力船種はコンテナ船であるが、単一製品のリスク分散を図 るため、数年来、新製品の開発に注力してきた。現在同社は、コン テナ船、ばら積み船のほか、特殊船(ケミカルタンカー、木材運搬 船等)の建造能力も有している。 最新課題 ・近年、技術者の人材育成に注力している。スウェーデン TRIBON 社の Tribon 船舶設計ソフトウェアシステムを導入し、CAD 三次元 デジタル化設計を展開している。技術部門では、定期的に技術者を 上海に派遣し、トレーニングを実施している。 ・2008 年、同社は、上海船舶設計院と協力し、福建斯達船舶設計有限 公司を設立。同社の開発設計能力を更に強化している。 ・契約締結の受注船では未だキャンセルは発生していないも のの、未契約船では多数のキャンセルが相次いでいる。但し、契約 危機対応 締結の受注量が比較的多いため、企業経営には直接の影響を及ぼし ていない。 ・締結した契約を完璧に履行する。技術力を強化し、危機を乗り切る。 2. 事業計画 組織体制 事業規模 2001 年、株式会社に変更。数年来、組織体制に大きな変更がない。 1866 年設立した(歴史ある)中国国内最古の造船事業者である。国 営企業で、業界内では、大中事業規模に属する。 ・主力建造船(コンテナ船)の優位性を維持し、他の船種(特殊船) を同時に開発する。多品目の製造(船種拡大)を通じて、リスクを 経営方針 分散する。 ・規模を拡大し、建造能力を高める。2010 年までに、年間 24~30 ポ ート(万トン級)の建造能力に達する旨を目標とする。 単一製品は、経済好況時には利益が大きく一貫性があるが、経済危機 時にはリスクが大きい。故に、同社では、数年来、単一製品から多品 発展計画 目を製造(種船拡大)できるよう改善してきた。また、将来展望につ いては、これまでの優位性を維持しつつ、新市場を開拓するとしてい る。 - 15 - 第五部:企業信用度 ・経済危機以前、搭載舶用部品の納品が間に合わず納期遅延となった 経験を有する。市場好況時、海外での主機関が製造ピークと重なり、 半年程度遅延したことがある。 遅延状況 ・経済危機以降、以下の要因より一部船主から引き渡し期日を引き伸 ばす要求がなれた。 1. 船主のビジネス需要の減少に伴い、建造需要も減少となった。 2. 船舶所有者の資金調達面においても影響を受けた。 契約破棄 締結契約のキャンセルは未だ発生していないものの、未契約のものは キャンセルとなった。 大規模製造事業者であるため、近年でも年間何回もの人身障害事故が 不良記録 発生している。事故の再発防止策として、定期的に社員に対し、生産 現場の安全教育を行っている。 紛争事例 なし。 ・建造船舶の品質が良く、機能性に優れている。 取引先評価 ・技術と品質が良く、信頼が持てる。 ・事業経験が長く歴史もあり、企業の成長発展も速いが故に、多くの 海外船主との協力関係を構築できるものと思われる。 第六部:まとめ ・国有資本により設立された株式会社であり、投資の規模も大きく、一定 規模の資本力を有している。 ・同社は福建省最大の造船事業者で、南方の重要な造船基地である。上級 の管理部門も実力を有しており、2006 年には、胡錦濤国家主席の視察 事業評価 も受けた。同社の売上げは上昇傾向にあり、特に 2007 年は著しい成長 を遂げた。 ・コンテナ船を主力船種として建造していたが、リスク分散のため、同時 に、特殊船の開発も推進してきた。 ・同社は事業経験の歴史が長い。 ・同社は技術力に注力している。現在、受注量も多い。 リスク評価 大企業で安定した経営力を有し、業界内で総合実力は平均的以上である。 故に、共同事業の危険度は「低い」と判断する。 - 16 - 企業 No.2 煙台莱佛士船業有限公司 基本経済指標 山東省 土地面積 15.71 万 km2 960 万 km2 総人口数 9,309 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 25,888 億元 246,619 億元 - 17 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 煙台莱佛士船業有限公司 登録住所 山東省煙台市芝フ区芝フ島 70 号 郵便番号 264000 経営住所 山東省煙台市芝フ区芝フ島 70 号 郵便番号 264000 電話/FAX 0535-6801451 / 0535-6801260 HP/MAIL www.yantai-raffles.com / [email protected] 企業形態 合弁企業 資 本 金 12,598 万元 株 設立年月 主 1994 年 出資額(万元) 出資比率 煙台制冷空調実業公司 2,082.36 16.53% シンガポール泰山エネルギー発展有限公司 2,585.64 20.52% 7,930 62.95% 12,598 100% シンガポール莱佛士造船有限公司 総 計 法人代表 章 立人 総 経 理 王 振鏞 社 員 数 1,826 人 敷地面積 72 万m2 各類船舶と関係製品、圧力容器、海上石油工事施設、パイプ、鉄鋼及 経営範囲 びコンクリート製品の設計、製造及び修理 ・主な業務:海洋工事プラットフォームの建設 (同社は、2007 年 10 月、船舶の受注、竣工、引渡しを終え、現在 建設中のプラットフォームは、同社子会社の「煙台莱佛士海洋工程 業務内容 有限公司」が施工中) ・主な船舶輸出国:アメリカ、イギリス、オランダ、南アフリカ、シ ンガポール、タイ、サウジアラビア、香港など ・海洋石油掘削プラットフォームの建設 - 18 - ・シンガポール莱佛士造船有限公司(章立人氏設立)は、中国との合 弁企業で、主な業務は海洋工事プロジェクト。同社は、当該社(煙 台莱佛士船業有限公司)の筆頭株主で、造船業でも数少ない外資企 業の 1 つである。 企業案内 ・ノルウェーDNV、イギリス LR、中国 CCS 等の船級協会の認証を 取得。 ・ISO9001-2000 及び軍事用 GJB9001A の認証を取得。 ・自動化倉庫、前処理施設、組立工場、塗装工場、サンドブラスト工 場、機械加工工場、パイプ加工工場、溶接工場等を有する。子会社 煙台莱佛士海洋工程有限公司は同地に所在する。 (社員構成) (資料出所:経理課と人事部) 現有社員は 1,826 人、内、管理職は 253 人、社員数の 14%を占め、技術者は 386 人、 社員数の 21%を占める。その他:派遣従業員数は約 500 人。 注:2007 年社員数は 616 人,2008 年莱佛士海洋工程公司の社員の一部が当該社に異動 - 19 - 2.沿 革 年 月 1994 年 事 項 煙台造船廠及びシンガポール莱佛士造船有限公司の共同投資より設立。 投資比率の変更: (変更前)シンガポール煙台莱佛士造船有限公司 2007 年 3 月 :62.95%、 中国石化グループ勝利石油管理局 :17.37% 煙台氷輪グループ :16.53% シンガポール泰山エネルギー発展有限公司: 3.15% (変更後)シンガポール煙台莱佛士造船有限公司 煙台氷輪グループ :62.95% :16.53% シンガポール泰山エネルギー発展有限公司:20.52% 株主と投資比率: 2008 年 3 月 シンガポール煙台莱佛士造船有限公司 :62.95% 煙台制冷空調実業公司 :16.53% シンガポール泰山エネルギー発展有限公司:20.52% - 20 - 3.企業組織(組織図) 市場開発部 総 経 理 取締役会 購 買 部 事 務 室 人 事 部 品 質 部 生 産 部 技 術 部 勤 務 部 安 全 部 外協生産部 - 21 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 3 ― ― ― 4 ― ― ― 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 380 * 120 * 14 300,000 200 トン 2 205 * 45 * 8.3 150,000 60 * 2,10 * 1 3 ― ― ― 4 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 310 160 * 2(共用移動クレーン) 2 136 160 * 2(共用移動クレーン) 3 700 160 * 2(共用移動クレーン) 4 354 160 * 2(共用移動クレーン) (資料出所:技術部と市場開発部) 注:同社が有する 4 つの艤装岸壁は海域になっており、長さ 1,500 メートル、深さ 4~9 メート ルで、2,000t のクレーンも配備している。 - 22 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 5 21,000 2006 年 4 65,000 2007 年 3 69,171 12 155,171 合 計 注:2008 年船舶を製造してない。 表 2-5 船 L/B/D(m) 型 半潜水ヨット 専用輸送船 主な船型 DWT 隻数 12,500 1 L:209.34 B:32.2 D:8.5 油 槽 加 工 船 L:60 11,000 SSP300-FPSO B:45.8 1 (自重) 船 主 オランダ DOCKWISE 社 SEVEN MARINE AS 引渡日 船 名 2007 年 游艇特快 2006 年 ― スコットラン プラットフォ ーム供給船 7,910 L:93 4 (kw) イギリス 2005~ ド先锋 号 石油会社 2006 年 スコットラ ンド勝利号 表 2-6 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 船 型 (資料出所:経理課と市場開発部) 注:07 年 10 月、受注船舶の竣工、引渡し以降、現在まで受注なし。 - 23 - 第三部:企業経営状況 1.経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 64,520 2006 年 36,750 2007 年 17,920 (目盛単位:10 万元) 直近三年の売上げは年々減少傾向にあり、2007 年以降は新規受注が一層厳しくなって いる。 - 24 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 3,675 1,792 主要業務の支出額 3,301 467 主要業務の収益額 374 1,325 管理経費 331 355 販売経費 0 0 財務経費 -98 -33 販売利益 141 1,003 投資収益 1 0 補助金收入 0 0 販売外収入 24 57 その他 -112 191 総利益 54 1,251 純利益 32 884 資産に対する収益 ROA 0.41% 17.87% 自己資本利益率 ROE 1.73% 31.27% 3.20 0.75 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 386 人の内、25 人が設計者,開発研究者なし。 設計能力 現在は船舶の製造がなく、主に海洋プラットフォームを製造。 設計部門 設計部門を有していない。 クレーン付きプラットフォームの自主開発能力を有する。船舶の製造に関 開発能力 しては、知的所有権の申請実績はなく、自主開発能力も有していない。将 来的には、中集グループとの共同により研究開発センターを設立する計画 が有る。 - 25 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 シンガポール莱佛士 主に船舶建造と海洋工事プロジェックトに従事す 造船有限公司 る。 親会社 上記会社と同地に所在する。主にジャック掘削プ ラットフォーム、半潜水式掘削プラットフォーム、 煙台莱佛士海洋工程 子会社 有限公司 FPSO、FSO、プラットフォーム供給船、パイプ 敷設船、豪華ヨット及び他の海洋工事用施設を有 する。 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 ― ― 注:船舶設計に関して、過去、海外企業との提携有り。 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 考 体 ― ― 付属品 ― ― 鋼 板 ― ― 塗 料 ― ― 本 注:現在船舶を製造していないため、関係資材の購入はない。 - 26 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 事業内容を海洋工事プロジェックトに変更し、受注した業務のすべて を同社子会社の「莱佛士海洋工のプロジェクト」が担い、「莱佛士海 最新課題 洋工程公司」の主業務は、海洋プロジェックト、特に、海洋プラット フォームの受注に特化している。 主業務は海洋プラットフォームの建造で、金融危機に対して他の船舶 危機対応 事業者より影響が少なく、当該分野に特化し、一層専門性を高めて行 く。 2.事業計画 ・現在、事業内容を変更し、主業務を船舶から海洋プラットフォーム の建造にシフトしている。 ・現在受注したプラットフォームは、主に関連会社の「莱佛士海洋工 組織体制 程有限公司」で建造する。 ・2008 年から会社は受注を受けることなく、2008 年の販売収入は約 8,000 万元であった。 業界内では中小規模事業者に属する。「莱佛士海洋工程有限公司」の 事業規模 事業内容は、他社に比してより専門的で、従来建造した船舶は主にプ ラットフォーム作業船と石油貯蔵船であった。 ・同社「莱佛士海洋工程有限公司」と同地に所在し、2007 年以降管 理部門を統合し、業務を徐々に当該社に移管している。 経営方針 ・莱佛士海洋工程有限公司の目標はベストの海洋工事企業となるこ と。 発展計画 現在、未定である。 - 27 - 第五部:企業信用度 ・金融危機前:船舶の竣工が間に合わず、納期遅延があった。 遅延状況 ・金融危機後:2007 年 10 月以降、新規受注はない。 これまでに、契約のキャンセルは発生していないが、関連会社「莱佛士 契約破棄 海洋工程有限公司」の受注では影響を受けている。 クレーンの点検が実施せず使用することについて、煙台市“安全生産百日 不良記録 会戦”において重大隠弊事例として取り上げられた。 紛争事例 なし ・品質は良好 取引先評価 ・一定の技術力を有している。 第六部:まとめ ・外資系株式企業で、投資規模は平均的。資金力を有している。 ・親会社であるシンガポール莱佛士造船有限公司は、海洋工程プロジェ クトの専門会社である。 事業評価 ・業務を徐々に莱佛士海洋工程有限公司に移管したため、直近 3 年間の 売上額は減少傾向にあり、2008 年の販売額は 8,000 万元であった。 ・業務を子会社に移管したため、将来の成長発展の可能性は未知数で、 企業信用度は低い。 会社の未来発展と方針が未だ明確となっていないため、共同事業の危険 リスク評価 度は「慎重を期す」と判断する。 - 28 - 企業 No.3 臨海市航暢船舶製造有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 29 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 臨海市航暢船舶製造有限公司 登録住所 浙江省臨海市邵家渡街道下洋ス村 郵便番号 317000 経営住所 浙江省臨海市邵家渡街道下洋ス村 郵便番号 317000 電話/FAX 0576-85635502 / 0576-85620938 HP/MAIL www.hcship.com / [email protected] 企業形態 有限責任会社 設立年月 2004 年 8 月 資 本 金 5,100 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 費 敏栄 3,060 60% 費 美菊 2,040 40% 総 5,100 100% 計 法人代表 費 敏栄 総 経 理 費 敏栄 社 員 数 306 人 敷地面積 20.8 万m 2 経営範囲 船舶の製造 ・主な業務:船舶の製造、船台のレンタル事業 ・2008 年以前、造船関連業務(船台のレンタル事業)は行っていな かったが、2008 年以降、造船業の分野に進出。竣工したばら積み 業務内容 船は中国国内船主で、現在建造中の引渡し先はイスラエルである。 ・船台のレンタル事業のほか、個人船主に対する関連サービスも提供 する。 - 30 - ・同社は民間企業で、取締役の費敏栄は 1994 年より造船業に従事。 同社はポンプ式浚渫船の研究製造基地である。 企業案内 ・ISO9001-2000 及び軍事用 GJB9001A の認証を取得。 ・中国 CCS(台州地域を含む)、フランス BV、アメリカ ABS の船 級協会の認証を取得。ISO9001:2000 は申請中。 ・船体ブロック工場、艤装工場、数値制御加工工場を有する。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 306 人、内、管理職は 42 人、社員数の 14%を占め、技術者は 62 人、社 員数の 20%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,800 人。 - 31 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録資本金:50 万元 2004 年 8 月 社名:臨海市航暢船舶製造有限公司,法人代表:費美菊 株主及び出資比率(費美菊 40%、費敏栄 60%) 2004 年 12 月 2006 年 8 月 2006 年 12 月 費美菊が保有する 20%の株権を張林方に譲渡し、法人代表を費敏栄に変 更 登録資本金を 1,000 万元に増資 株主及び出資比率(費美菊 40%,費敏栄 60%) 登録資本金を 5,100 万元に増資 株主及び出資比率は変更なし,会社規模を拡大 3.企業組織(組織図) 技 術 部 事 務 室 副総経理 総 経 理 供給販売部 財 務 部 生 産 部 品 質 部 2009 年、生産部を再編し、安全部等新たな部署を設ける予定。 - 32 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 No. 船台数量及び寸法 長さ * 幅(m) クレーン(t * 数量) 1 110 * 24 ― 2 180 * 24 40 3 190 * 25 60 4 190 * 21 40 5 190 * 24 60 6 150 * 32 60 7 190 * 24 40 8 190 * 26 80 9 195 * 28 60 10 195 * 26 80 11 110 * 26 ― 12 130 * 26 ― 13 195 * 30 160 14 195 * 28 130 15 180 * 30 130 16 180 * 26 130 17 190 * 28 100 18 170 * 28 100 19 135 * 28.3 ― 20 130 * 26 ― 21 110 * 26 ― 注:船台 21 ヶの内訳:1.5~2.5 万トン 8 台,1~1.5 万トン 5 台,1 万トン以下 8 台 - 33 - 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 ― ― 2 ― ― (資料出所:経営開発部) 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 2005 年 11 43,250 2006 年 12 63,094 2007 年 17 99,425 合 40 205,769 計 積載重量(DWT) 注:2007 年以前、同社の主業務は船台レンタル事業であり、上表は、当該船台で竣工した数値。 2008 年では、同社自身でばら積み船 1 隻を竣工。 - 34 - 表 2-5 船 L/B/D(m) 型 主な船型 DWT 隻数 5,000 1 5,000 1 5,000 1 5,000 1 5,000 1 船 主 引渡日 謝良宇 2008 年 L:89.8 B:15.8 ばら積み船 船 太平山 16 D:7.40 L:89.8 B:15.8 ばら積み船 広西防城港錦航 船務有限公司 D:7.40 L:89.8 B:15.8 ばら積み船 南京合成船務有 限公司 D:7.40 2007 年 名 鑫錦航 168 2008 年 鑫安海 2 2008 年 万木春 2008 年 丰順 23 L:89.8 B:15.8 ばら積み船 陳崇根 D:7.40 L:91.50 B:15.80 多目的船 南安市輪船有限 公司 D:7.40 表 2-6 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 プロダクトタンカー 18,000 1 国内船主 2009 年(延期) 16,600 4 加多特亜姆化学 プロダクトタンカー 2009 年 12 月に一台、 品有限公司 以後 4 ヶ月毎に一台 23,800 2 船 型 ばら積み船 船主なし。竣工 後、直接販売 - 35 - 2009 年 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 2005 年 84 2006 年 553.2 2007 年 861.5 額 (目盛単位:10 万元) 同社は、2005~2007 年主業務が船台レンタル事業のみであるため、売上げは少ない。 - 36 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 55.32 86.15 主要業務の支出額 12.95 1.78 主要業務の収益額 42.37 84.37 管理経費 20.03 43.81 販売経費 9.42 21.85 財務経費 2.25 15.48 販売利益 10.67 3.23 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 2.72 1.27 その他 -5.91 -2.86 総利益 7.48 1.64 純利益 7.47 1.64 資産に対する収益 ROA 1.25% 0.12% 自己資本利益率 ROE 1.49% 0.33% 0.19 1.76 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 設計能力 技術者 62 人、設計者及び開発研究者なし。 2.5 万トンの船舶の製造が可能。設計は、同社自身では設計能力を有してお らず、上海に所在する船舶設計院及び専門設計会社に外部委託している。 設計部門 設計部門を有していない。 開発能力 開発能力なく、知的所有権の申請実績もない。 - 37 - 3.関連会社 表 3-3 資本関連 資本関係 会 社 名 会 社 概 要 親会社 なし ― 子会社 なし ― 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶設計院 船舶設計 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 輸入 MAN B&W、ばら積み船(23,800DWT) 浙江物産集団 本 考 用 体 陜西柴油機廠 ばら積み船(18,000DWT)用 安慶大発柴油機配件販 付属品 ばら積み船用 売有限公司 船用鋼材の購入代理事業者(武鋼、太鋼、 台州浙金鋼材有限公司 鋼 韶鋼等) 板 浙江物産集団 舶用鋼材の購入代理事業者(宝鋼等) - 38 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・2008 年以前、主業務は船台レンタル事業であり、2008 年 以降、上海及び台州地域の船主向けに造船業に進出。 最新課題 ・造船事業の経験がなく、建造技術力が低い。2009 年、設計者を募集 し、設計製造能力を高める計画。 金融危機の影響により、特に、船台レンタル事業へのダメージは大き 危機対応 く、故に、主業務を船舶の製造に変更し、企業の成長発展と収益拡大 を一層前進させる。 2.事業計画 ・2009 年、生産部門を再編し、安全設計部門を新設する予定。 組織体制 ・主要業務を船台レンタル事業から船舶製造業に変更する。 事業規模 業界内では小規模事業者に属する。 経営方針 主要業務を船台レンタル事業から船舶製造業に変更 ・2008 年、造船業は景気低迷を予測され、リスク回避するため、事業 規模の拡大を中止するとともに、品質とブレンド力を高め、現有資 発展計画 源を合理的使用する。 ・建造技術能力を高める。 - 39 - 第五部:企業信用度 遅延状況 1 番船となる 18,000 トンのばら積み船は、契約納期を履行できず 7 ヶ 月の延期となった。 契約破棄 不良記録 現在受注は少ない。契約キャンセルは発生していない。 2008 年、船台で溶接作業員が規定に違反して操作を行い、1人死亡。 同社は 15 万元(+法人代表にも 1.6 万元の罰金)の罰金を課された。 紛争事例 なし。 取引先評価 ばら積み船 1 隻の建造実績(2008 年)であるが故、取引先の評価なし。 第六部:まとめ ・同社は民間事業者であり投資規模は平均的、資金力も乏しい。 ・総経理費敏栄は、1994 年より船舶造修業に従事し、業界内では一定 の経験を有している。 ・2008 年以前、同社の主業務が船台レンタル事業であったことから、 事業評価 売上額が低い。 ・2008 年以降、事業変更し、船台レンタル事業から船舶製造業に業種 転換を図った。 ・船舶製造の事業経験が短く、民間資本により運営されている企業であ る。建造技術力は低レベル。船舶受注量は比較的少ない。 船舶製造の事業経験が短く、資金力と技術力は共に低く、共同事業のリ リスク評価 スクは「慎重を期する」と判断する。 - 40 - 企業 No.4 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 41 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 登録住所 浙江省舟山市定海区五奎山 郵便番号 316000 経営住所 浙江省舟山市定海区五奎山 郵便番号 316000 電話/FAX 0580-2793000 / 0580-2793007 HP/MAIL www.wuzhoushipyard.com / [email protected] 企業形態 有限責任公司(国営) 資 本 金 5,000 万元 株 設立年月 主 出資額(万元) 2001 年 10 月 出資比率 浙江省海運集団台州海運有限公司 1,000 20% 浙江省海運集団温州海運有限公司 1,000 20% 浙江省海運集団有限公司 1,000 20% 浙江省海運集団浙海海運有限公司 1,000 20% 浙江舟山一海海運有限公司 1,000 20% 5,000 100% 総 計 法人代表 徐 光暁 総 経 理 呉 発礼 社 員 数 350 人 敷地面積 30 万m2 船舶製造及び修理、鉄骨部品の製造、電機設備、船舶造修用設備及び 経営範囲 資材の販売 ・主にばら積み船及び多目的船の製造及び修理 ・主に中国国内船主を対象にサービスを提供。2008 年まで輸出船は 業務内容 なく、2009 年よりドイツ向け初めて輸出業務を開始する。 ・同社は船舶修理業に 2005 年以前より従事し、船舶製造業は 2005 年より開始。 - 42 - ・同社は浙江省海運集団有限公司の傘下にある船舶製造及び修理を専 門的に営む会社である。浙江省海運集団有限公司は浙江省交通投資 集団有限公司の傘下にある海運、港及び臨港造船業に従事する国営 子会社である。 ・同社の中堅社員は、従来杭州に所在する銭江船廠に従事していた経 歴を有する。 企業案内 ・中国 CCS、ドイツ GL の船級協会の認証を取得。 ・ISO9001 の認証を取得。 ・鋼材前処理、船体加工、パイプ組立、機器組立、電装、二次塗装な どの工場及び船体ブロック製造工場を有する。 ・同社は、舟山市の海洋経済発展計画及び浙江省海運集団の経営戦略 に基づき 2001 年設立され、2004 年 9 月、事業内容「主に修理」か ら「主に製造」に転換を図った。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 350 人、内、管理職は 26 人、社員数の 7%を占め、技術者は 55 人、社員 数の 16%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,800 人。 - 43 - 2.沿 革 年 月 事 項 同社の前身は舟山市港務局に所属する五洋船廠であった。2001 年、登 2001 年 10 月 録変更により、設立。事業範囲は、船舶製造、修理及び解体。鉄骨構造 の建設、電機設備、船舶製造及び修理用設備、資材の販売、不動産のレ ンタル。 2004 年 2 月 事業範囲の拡大(自社製品及び貨物の輸出) 2004 年 5 月 法人代表を楊建雄から徐光暁に変更 2004 年 5 月 2008 年 6 月 2008 年 6 月 登録資本金を 1,300 万元から 5,000 万元に増資(株主と出資比率の変更 なし) 事業範囲の変更(「船舶解体」を削除) 株主である「浙江省海運集団舟山一海海運有限公司」の社名変更(「浙 江舟山一海海運有限公司」) - 44 - 3.企業組織(組織図) 事 務 室 経営管理部 計画財務部 技 術 部 総 経 理 取締役会 船 体 工 場 生 産 部 タービン工場 修 理 工 場 物資供給部 安全保衛部 購 買 部 品質検査部 - 45 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 260 * 40 80,000 300 * 1 2 ― ― ― 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 214 * 31 * 7 40,000 100 * 2 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 200(4 万トン) 20 * 1 2 200(8 万トン) 45 * 1 (資料出所:技術部) 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 ― ― 2007 年 3 9.9 合 3 9.9 計 注:設立当初は船舶修理業のみ。2004 年より造船設備の工事に着手し、2005 年以降製造を開始。 07 年、3 隻(3.3 万トン)を引き渡し、08 年では 3 万トン及び 5 万トン各 1 隻を竣工。 (協会 報告のデータは、2006 年 2 隻、6 万トン、2007 年 6 隻、224,500 トンとなっているものの、 データ検証の結果では 2006 年はなし、2007 年より竣工、引渡しと推定される) - 46 - 表 2-5 船 型 L/B/D(m) 主な船型 DWT 隻数 33,000 1 33,000 1 54,500 1 L:178 ばら積み船 B:27.6 D:13.9 L:178 ばら積み船 B:27.6 D:13.9 L:189.9 ばら積み船 B:32.26 D:17.60 表 2-6 船 主 引渡日 船 浙海海運有限 2007 年 公司 4月 温州海運有限 2007 年 公司 7月 浙江省海運集 2007 年 団 5月 名 浙海 507 輪 浙海 161 輪 浙海 521 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 大口多用途船 50,000 4 ドイツ NSC 社 2009 年第 1 隻 ばら積み船 54,500 3 浙江省海運集団 2010 年 ばら積み船 54,500 1 寧波海運股分有限公司 2011 年 船 型 船 主 納 期 注:現在の手持ち工事量は 11 隻、60 万トン(積載重量)であり、最終引渡し時期は 2011 年 末となっている。受注はすべて 2008 年前期契約のもので、2008 年後期では新規受注はない。 - 47 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 6,087 2006 年 24,525 2007 年 53,834 (目盛単位:10 万元) 2007 年の伸び率は対前年同期比を上回っている。 - 48 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 2,453 5,383 主要業務の支出額 2,130 4,578 主要業務の収益額 323 805 管理経費 104 177 販売経費 0 0 財務経費 56 -57 販売利益 163 685 投資収益 0 -71 補助金收入 0 0 販売外収入 5 ― その他 29 34 総利益 197 790 純利益 174 790 資産に対する収益 ROA 3.27% 9.04% 自己資本利益率 ROE 22.17% 50.00% 5.79 4.53 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 55 人の内、10 人が設計者,開発研究者なし。 設計能力 建造能力 8 万トンであり、主な船型はばら積み船と多目的船。 設計部門 設計部門を有していない。設計院に外部委託している。 開発研究者がおらず、新船型に関して自主開発能力を有していない。知的 開発能力 所有権の申請実績もない。 - 49 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 浙江省海運集団有限公司は浙江省交通投資集団有限公 司の子会社であり、その傘下には温州海運、台州海運、 浙海海運、五洲船廠等の会社があり、主に海運、港、臨 浙江省海運集団 港造船業に従事している。そのほか、経営権を有してい 親会社 有限公司 る又は有していない子会社が 30 余りあり、主に港湾サ ービス業、船舶設計、国内外貿易、セメント生産、不動 産等に従事している。 子会社 なし なし 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶設計院 万トン級以上的船舶の生産設計 上海佳豪船舶工程設計股份有限公司 ばら積み船の設計 表 3-5 設備・資材 本 体 付属品 サプライヤー サプライヤー名 備 考 滬東重機股分有限公司 国内船 宜昌船用柴油機廠 国内船 韓国、日本から輸入の MAN B&W 輸出船 同社は MAN B&W の生産許可と韓 鎮江船用柴油機廠 国現代の技術を保有。 - 50 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・同社は、継続して事業革新、成長発展に努めてきたが、様々な要件 から実現できなかった。現在、設計開発能力を特段に有しておらず、 生産設計についても設計院に依存している。今後、設計院との共同 事業により、特許を取得する計画がある。 最新課題 ・国有企業の体制及び規制の優位性を活かし、 「産学研」の三方向の連 携を強化し、 (同社を中核として、大学や科学研究機関、船舶専門設 計会社、サプライヤー等との協力のもと)、船舶設計開発部門を設立 するとともに、外国の大手船舶設計会社との共同事業化も視野に入 れている。 ・第 1 に存続を図り、以降成長発展を追求する。品質&納期を遵守し、 危機対応 契約を履行する。 ・順次、修理業を拡大して行く。 2.事業計画 ・組織体制上で特に大きな変更はない。 組織体制 ・船舶設計について、設計部門を構築し、設計技術機関や大学との連携 を図り、自社内に設計能力を有するよう努力する。 ・企業戦略として「修理業」から「製造&修理業」に事業内容を変更し 事業規模 たことを受け、修理業と製造業を共に発展させる。 ・「量的拡大」と共に、質的向上」も重視する。 ・同社は国有企業であり、業界内では中小規模事業者に属する。 経営方針 国内の受注の多くが関連会社であり、経営は比較的安定している。以降 は、発展成長の中で、取引(受注)先の拡大を図る。 ・当初、他社の買収、他地域への支社設立等の拡大計画も検討していた が、金融危機の影響から 2008 年後半から新規受注がなく取り止めと 発展計画 なった。この影響から、反作用的に修理業務は微増している。 ・既存の計画を見直し、現在、「根本に立ち返り、経済環境の回復を見 据えて、成長発展を図る」旨の方針で対処する。 - 51 - 第五部:企業信用度 遅延状況 金融危機の影響により、取引先(ドイツ)から 6 ヶ月の納期遅延の要望 があり、協議の結果、3 ヶ月の遅延となった。 会社設立以降、契約キャンセルはない。取引先(船主)の多くが同一グ 契約破棄 ループ内の関連会社であり、輸出向けが少くないことが最大の理由と言 える。 不良記録 2007 年に事故が発生した。その後安全管理の改善を図り、再度標準化 の評価を通過した。 紛争事例 なし。 取引先評価 建造船は概ね当初要求を満足できるものである。 第六部:まとめ ・同社は国営資本の有限責任公司であり、投資規模と資金力は平均的で ある。 ・親会社は海運事業等において安定した経営力を有している。 ・親会社の協力を得て、事業内容を「修理業」から「製造&修理業」に 事業評価 転換するなど、この数年来の間に業績は急成長を遂げた。 ・親会社及び関連会社には一定の需要があり、同社の事業状況は比較的 安定している。但し、金融危機の影響から、受注状況は著しく悪化し ている。 同社中小規模の事業者であり、技術力も平均的であるが、親会社の関係 リスク評価 から経営は比較的安定しており、共同事業の危険度は「やや低い」と判 断する。 - 52 - 企業 No.5 中国長江航運集団宜昌船厰 基本経済指標 湖北省 土地面積 18.59 万 km2 960 万 km2 総人口数 5,693 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 9,150 億元 246,619 億元 - 53 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 中国長江航運集団宜昌船厰 登録住所 湖北省宜昌市西坝 平和路 14 号 郵便番号 443002 経営住所 湖北省宜昌市西坝 平和路 14 号 郵便番号 443002 電話/FAX 0717-6964204 / 0711-6271058 HP/MAIL なし / [email protected] 資本形態 国有企業 設立年月 1989 年 11 月 資 本 金 10,000 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 10,000 100% 10,000 100% 中国長江航運(集団)総会社 総 計 法人代表 陳 建設 総 経 理 陳 建設 社 員 数 1,256 人 敷地面積 33 万 m2 経営範囲 船舶の製造、修理及び資格を持つ範囲内での輸出入業務 ・主に貨物船及び多目的船を建造。 ・主にヨーロッパ、香港、東南アジア等の国及び地域に輸出。 業務内容 ・船舶の製造の他、船舶の修理、金属成型加工、車の部品製造及び修 理、舶用機関用ピストン(アルミニウム)の製造等を実施。 - 54 - ・同社は、中国長江航運(集団)(現在、国務院国有資産監督管理委 員会の管轄下にある中国内陸河川最大の輸送企業集団。1956 年設立) 長江中流地区大型船舶製造事業者であり、現在、主にオランダ達門 集団の船舶を製造。 企業案内 ・中国 CCS、ドイツ GL、イギリス RL、アメリカ ABS、フランス BV、 及び香港の船級協会の規則や制度に準拠し、船舶を製造。 ・ISO9000:2000 の認証を取得。 ・船体ブロック製造、内外塗装、銅板加工、タービン、電機等の工場 を有する。 (社員構成) (資料出所:人事部) 現有社員は 1,256 人、内、管理職は 168 人、社員数の 13%を占め、技術者は 274 人、社 員数の 22%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,800 人。 - 55 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録資本金:2,965.8 万元 1989 年 11 月 社名:長江輪船総会社宜昌造船所、法人代表:倪振飛 住所:西坝 造船所新村 1 号 1991 年 1 月 住所を西坝 平和路 28 号に変更 1993 年 11 月 登録資本金を 3,327 万元に増資,法人代表を陳長安に変更 1994 年 4 月 法人代表を趙其栄に変更 1995 年 5 月 法人代表を劉邦栄に変更 1996 年 1 月 社名を中国長江航運集団宜昌船厰に変更 1997 年 9 月 事業項目を追加(関連製品の輸出入業務) 1997 年 9 月 住所を西バ平和路 14 号に変更 2001 年 4 月 法人代表を史永普に変更、事業項目を追加(カラオケ、KTV、ビリヤー ド等の娯楽経営、貨物輸送事業の経営) 2001 年 7 月 法人代表を史永普に変更 2002 年 7 月 法人代表を謝洪湘に変更 2004 年 3 月 法人代表を陳建設に変更 2005 年 3 月 事業項目を削除(カラオケ、KTV、ビリヤード、将棋&トランプ等の娯 楽施設、貨車輸送事業) 2007 年 12 月 登録資本金を 8,099 万元に増資 2008 年 登録資本金を 10,000 万元に増資 - 56 - 3.企業組織(組織図) 情報オフィス 経 営 部 設 計 部 供 給 部 経営副社長 塗装工場 内装工場 設 計 部 生産副社長 生 産 部 電気工場 銅工工場 社 コスト管理部 長 人 力 部 造 船 室 安全副社長 輪機工場 組立工場 外業工 場 安 全 部 修 船 部 溶接場所 実 験 室 品質検査部 検査測定部 物流副社長 物 総 経 済 師 資産組織部 流 部 計 量 部 船 台 組 設備副社長 資産管理部 燃料供給組 メンテナンス組 - 57 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 192 * 23 12,000 120 * 1,60 * 2,25 * 1 2 192 * 23 12,000 120 * 1,60 * 2,25 * 1 3 155 * 22 12,000 60 * 2,25 * 1 4 190 * 23 12,000 200 * 1 5 190 * 23 12,000 200 * 1 6 150 * 25 12,000 60 * 2,25 * 1 7 150 * 25 12,000 60 * 2,25 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 ― ― 2 ― ― (資料出所:生産部と経営部) 注:同社は艤装岸壁を有しておらず、組立工場にて作業を実施する。 - 58 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 5 48,690 2006 年 6 59,190 2007 年 6 55,060 17 162,940 合 計 注:2008 年は 8 隻が竣工(累計積載重量 8.2 万トン) 船 型 L/B/D(m) DWT 表 2-5 主な船型 隻数 船 主 引渡日 L: 116.23 多目的船 B: 18 7,800 2 10,000 2 10,500 1 香港恒聯海運会社 2008 年 船 名 勇敢 D: 10.40 L: 121 貨 物 船 B: 20 D: 9.0 長航鳳凰株式有限 会社 2006 年 長華海 長泰海 L: 145.63 多目的船 B: 18.25 リビア船主 2008 年 深セン舜シン源船 2007~ 務有限会社 2008 年 マリナ D: 10.30 多目的コ ンテナ船 L: 120 B: 18 9,300 D: 10.4 表 2-6 2 TOP GLORY TOP WISDOM 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 貨 物 船 10,500 2 オランダ達門集団 多目的船 8,000 8 Norway Wilson ship management 2009~2011 年 貨 物 船 13,500 4 オランダ達門集団 2010~2011 年 貨 物 船 11,000 3 オランダ達門集団 2010~2011 年 船 型 船 主 注:受注契約済み船舶は 24 隻(累計積載重量約 25 万トン) - 59 - 納 期 2009 年 第三部:企業経営状況 1.経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 25,930 2006 年 22,690 2007 年 34,110 (目盛単位:10 万元) 直近三年の売上げは比較的安定しており、特に、2007 年の成長率は著しい。 - 60 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 2,269 3,411 主要業務の支出額 2,058 3,062 主要業務の収益額 211 349 管理経費 0 0 販売経費 261 358 財務経費 50 -14 販売利益 -100 5 投資収益 80 148 補助金收入 0 18 販売外収入 4 9 その他 10 -175 総利益 -6 5 純利益 -6 5 資産に対する収益 ROA -0.19% 0.10% 自己資本利益率 ROE -0.94% 0.76% 3.87 6.80 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 274 人の内,34 人が設計者、開発研究者なし。 万トン単位の船舶の設計製造が可能であり、主な船型は貨物船及び多目的 設計能力 船。 設計部門 設計部門を有していない。 開発研究者がおらず、新船型に関して自主開発能力を有していない。知的 開発能力 所有権の申請実績もない。 - 61 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 中国長江航運(集 中国内陸河川最大の輸送企業集団。現在は、国務院国 団)総会社 有資産監督管理委員会の管理下にある。 親会社 宜昌達門船舶有 子会社 1999 年設立。宜昌造船所及びオランダ達門集団の共 同投資による合弁企業。主に多目的コンテナ船を建 限会社 造。 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 8,000 トン級船舶の設計 上海佳豪船舶工程設計有限会社 表 3-5 設備・資材 本 付 体 属 品 サプライヤー サプライヤー名 備 考 陝西柴油機廠 多目的コンテナ船用 広東柴油機廠 RO-RO 船用等 オランダ達門集団 達門集団を通じて、主機関を輸出 ズ博柴油機会社 発電機の供給元 - 62 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・同社は長江の中流域に所在しており、下流域の水路の制限から、建 造船舶は 1.2 万トン以下に限られる。 最新課題 ・2005 年 1 月以降、技術革新に取り組み、生産と並行し段階的に技術 改善を図り、2008 年 10 月、技術革新を達成。同時に万トン級船 6 隻を同時建造できる能力を確立し、現在年間 12 隻(万トン級)の建 造が可能となっている。 ・コストを抑え、支出を削減する。 ・資金管理を強化する。 危機対応 ・市場動向を把握し、リスク対策を強化する。 ・生産と安全を確実に履行する。 ・品質管理を維持し、契約納期を遵守する。 2.事業計画 組織体制 数年間の技術革新により、生産設備の不足状況が改善された。 事業規模 業界内では中規模事業者に属する。 現在、受注の多くがオランダ達門集団の発注を受けたもの。 経営方針 企業戦略として、「オランダ達門向け製品の品質向上と自社製品の輸出 拡大」を図る。 ・高付加価値、浅喫水型特種船舶の市場を開拓する。 ・オランダ達門集団との関係を一層強化し、2009 年内に特種船舶用の 建造ラインを構築する。 発展計画 ・生産額を 2010 年までに 12 億元、2015 年までに 15 億元にする。年 間、万トン級船舶 15 隻の建造を可能とする。 ・市場開拓と品質を重視し、売上げを持続的に拡大する企業に成長す る。 - 63 - 第五部:企業信用度 技術革新以前は、生産能力不足と舶用搭載品の納期遅延などの理由から 納期遅延が時折生じている。納期遅延により、違約金が課せられた。4 遅延状況 年間の技術革新を通じ、納期遅延はほぼ解消している。現在受注量が減 少したため、品質に対する要求が高まっている。 契約破棄 不良記録 これまでに、受注契約のキャンセルは発生していない。 2005 年、建設許可の未取得状況で、宜昌造船所農業労働者仮設住宅(1, 2, 3 号)の建設工事を開始。 紛争事例 なし。 取引先評価 建造期間が短く、品質面でも特に問題はない。 第六部:まとめ ・同社は国営企業であり、登録資本が 1 億元で、融資、資本力に優位性 がある。 ・同社は長航グループの傘下企業であり、国内取引先は長航グループの 傘下企業が多く、国家政府機関がサポートしている。 ・技術革新により、同社の建造能力を飛躍的に高めた。 事業評価 ・同社の財務状況は負債比率が高く、不況状況にある。 ・2007 年、売上額の成長率は著しい。 ・設立期間が長く、国有資本力が背景にある。 ・建造技術力は平均レベル。 ・現在、受注船舶は 2011 年まで契約済みであり、目下、経営は安定し、 成長発展している。 国営企業により一定規模の資金調達能力を有している。但し、建造技術 リスク評価 力が平均レベルで、取引先が限定されているため、共同事業の危険度は 「やや低い」と判断する。 - 64 - 企業 No.6 杭州東風船舶製造有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 65 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業の基本情報(登録情報) 企 業 名 杭州東風船舶製造有限公司 登録住所 浙江省杭州市西湖区九溪珊瑚沙 郵便番号 310024 経営住所 浙江省杭州市西湖区九溪珊瑚沙 郵便番号 310024 設立年月 1999 年 12 月 電話/FAX 0571-87091694 / 0571-87091695 HP/MAIL www.hzdf.com / [email protected] 企業形態 有限責任会社 資 本 金 20,000 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 1,080 5.4% 18,920 94.6% 20,000 100% 杭州汽輪動力科学技術有限公司 杭州汽輪動力集団有限公司 総 計 法人代表 鄭 斌 総 経 理 楊 永名 社 員 数 508 人 敷地面積 10.5 万 m2 船舶の製造、ホバークラフト、建築用鉄骨構造及び鉄骨部品の製造、 経営範囲 貨物の輸出入。 ・主にばら積み船、コンテナ船、クレーン船、巡視艇、遊覧船及び 各種艀船を製造 業務内容 ・主に日本、シンガポール、マレーシア、ドイツ、オランダ、香港 などの国と地域に輸出。 ・建築用鉄骨構造及び鉄骨部品を製造。 - 66 - ・杭州汽輪動力集団有限会社(地元の大型国営企業)に所属。 ・杭州西湖区の特級企業、杭州市の重点企業、浙江省の輸出重点企 業、浙江省の重点船舶製造企業。武装警察装備部指定の 08B 巡視 艇製造企業。 ・イギリス LR、日本 NK、フラン BV、アメリカ ABS、ドイツ GL、 企業案内 中国 CCS 等の船級協会の認証を取得。 ・ISO9001 の認証を取得。 ・鋼材及び船体ブロック置場、ケーブル倉庫、塗料倉庫、電機及び 工作工場、艤装工場、パイプ工場、数値制御加工工場などを有す る。 ・会社の前身:杭州東風造船所(1965 設立、現在主に輸出船舶の製 造、及び軍事用品の製造・国内提供) (社員構成) (資料提出:経理課) 現有社員は 508 人、内、管理職は 86 人、社員数の 17%を占め、技術者は 94 人、 社員数の 19%を占める。その他:派遣従業員数は約 500 人。 - 67 - 2.沿 革 年 月 1999 年 12 月 事 項 会社前身:杭州東風造船所。1999 年に新たに登録(設立) 登録資本金:1,800 万元(杭州汽車動力集団有限公司が同社の株券を購 2004 年 12 月 入)。株主及び出資比率:杭州汽輪動力科学技術有限会社 522 万元(29%)、 杭州汽輪動力集団有限会社 540 万元(30%)、李仁鑫 270 万元(15%)、 鄭斌 468 万元(26%) 2005 年 1 月 法人代表を 聂 忠海に変更(元は李仁鑫) 鄭斌の所有する株券 180 万元を杭州汽輪動力集団有限会社に譲渡, 株主 2006 年 6 月 及び出資比率を変更(杭州汽輪動力科学技術有限会社 522 万元(29%)、 杭州汽輪動力集団有限会社 720 万元(40%)、個人株主の李仁鑫 270 万 元(15%)、鄭斌 288 万元(16%)) 杭州汽輪動力集団有限会社が資本金を 8,200 万元に増資、同社の登録資 本金を 1,800 万元から 10,000 万元に増資。株主及び出資比率を変更(杭 2007 年 1 月 州汽輪動力科学技術有限会社 522 万元(5.22%)、杭州汽輪動力集団有 限会社 8920 万元(89.20%)、個人株主の李仁鑫 270 万元(2.7%)、鄭 斌 288 万元(2.88%)) 2007 年 7 月 法人代表を鄭斌に変更。 個人株主の李仁鑫と鄭斌は、それぞれが所有する株券 270 万元と 288 万 元を杭州汽輪動力科学技術有限会社に譲渡、杭州汽輪動力科学技術有限 2007 年 12 月 会社の投資総額を 1,080 万元に増資。株主及び出資比率を変更(杭州汽 輪動力科学技術有限会社 1,080 万元(10.80%)、杭州汽輪動力集団有限 会社 8,920 万元(89.20%)) 杭州汽輪動力集団有限会社が 1,000 万元を増資、同社の登録資本金を 2008 年 9 月 20,000 万元に増資。株主及び出資比率を変更:杭州汽輪動力科学技術有 限会社 1,080 万元(5.4%)、杭州汽輪動力集団有限会社 18,920 万元 (84.6%) - 68 - 3.企業組織(組織図) 事 務 室 安全防衛部 勤務保障部 副 社 長 監 視 会 財 務 部 経 営 部 造 船 工 場 エンジン工場 社 理 事 会 組 立 工 場 長 生 産 部 塗 装 工 場 総 技 師 党総支組合 設 備 工 場 技 術 部 現 場 工 場 管 理 部 総師事務室 品質保証部 - 69 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t *数量) 1 135 * 38 15,000 63 * 1,40 * 1 2 120 * 40 15,000 63 * 1,60 * 1 3 100 * 36 12,000 63 * 1 4 110 * 38 15,000 63 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 60(3 基) 浮埠頭(100 トンクレーン付き) 2 ― ― (資料出所:生産部) - 70 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 3 11,710 2006 年 7 58,936 2007 年 10 77,565 合 20 148,211 計 注:2008 年同社は 12 隻を竣工(累計積載重量 51,050 トン)。 表 2-5 船 型 L/B/D(m) 主な船型 DWT 隻数 8,500 1 L: 110 ばら積み船 B: 16.8 D: 9.8 船 主 引渡日 日本新和海運 船 Forest 2006 年 株式会社 frontikr L: 119.98 コンテナ船 FLINTER 7,800 B: 15.20 2 2007 年 オランダ船主 D: 9.8 型 LAND VIKINGDIEP 表 2-6 船 名 DWT 現在受注船舶の主な船型(例) 隻数 船 主 納 期 ArminKlingenberg コンテナ船 670TUE verwaltungs GMBH 2 2009 年 Germany 多目的船 3,800 多目的船 6,000 オランダ 1 VOLHARDING 2(4 隻の内 2 隻は引 き渡し済み) 注:受注船舶 8 隻(累計積載重量 7 万トン)。 - 71 - オランダ船主 2009 年 2009 年 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 20,760 2006 年 28,320 2007 年 39,540 (目盛単位:10 万元) 直近三年間の売上げは比較的安定しており、成長率も高くなっている。 - 72 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 2,832 3,954 主要業務の支出額 2,653 3,815 主要業務の収益額 179 139 管理経費 177 214 販売経費 0 0 財務経費 -8 -73 販売利益 10 -2 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 9 3 その他 13 40 総利益 32 41 純利益 22 28 資産に対する収益 ROA 0.25% 0.30% 自己資本利益率 ROE 2.05% 2.50% 7.14 7.27 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者94人の内,12人が設計者、開発研究者なし。 設計能力 8,000 トン以下船舶の設計及び製造が可能。 設計部門を有し、同部門の下部に製品研究室、保存書類室、試験センター、 設計部門 生産技術研究室、技術応用室がある。 開発研究者がおらず、新船型に関して自主開発能力を有していない。知的 開発能力 所有権の申請実績もない。 - 73 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 1958 年に設立。1995 年 6 月、政府から経営権を 取得、国営独資企業に変更。杭州市国有資産授権 杭州汽輪動力集団有 親会社 限会社 経営の 6 大グループの 1 つ、中国トップ 500 社の 1 つである。機械企業トップ 100 社の内、19 位に ランキングする。 2008 年 6 月に登録(設立)。杭州汽輪動力集団有 浙江杭汽輪船舶重工 限会社及び杭州東風船舶製造有限公司の共同出資 有限会社 により設立。同社の基地は嘉興市海塩県に位置し、 子会社 現在建設工事中。 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海 708 船舶研究所 船舶設計、コンサルティング 江南造船所 鋼材の冷却加工 芜 湖造船所 鋼材の冷却加工、電装工事 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 上海進邦鋼鉄有限会社 考 鞍山鋼鉄廠の舶用鋼板を購入 重慶鋼鉄、鞍山鋼鉄廠の舶用鋼板の代 本 体 上海大成創業投資有限会社 理店 塗 杭州熱聯輸出入有限会社 主に舶用鋼板の購入及び販売 海虹老人牌塗料(昆山)有限会社 舶用塗料、コンテナ塗料の購入 中塗化工(上海)有限会社 舶用塗料の購入 料 - 74 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 2008 年、株主である杭州汽輪集団との共同出資により、浙江杭汽輪船 舶重工有限公司を設立。新造船基地は、嘉興市海塩県に位置し、現在、 同プロジェクトは建設中である。完工後、主にパナマックス船、タン 最新課題 カーを製造。そのほか、コンテナ船と海洋作業船の製造も行う。計画 により、年間生産量は 30 万 DWT、最大 5 万トン船舶の製造が可能と なる。 危機対応 手持ち工事を効率よく竣工させる。技術管理を強化する。 2.事業計画 組織体制 2008 年、登録資本金を 2 億元に増資。 事業規模 業界内では中小規模事業者に属する。 同社は以前小型・低付加価値船舶の製造が主体であったが、この数年 経営方針 来において、徐々に中型・高付加価値船舶製造への転換を図り、船主 も国内から国外に変化を成してきた。 国際的に著名な船舶製造企業との連携を図る計画を有しており、海塩 発展計画 基地が完工した後は、杭汽輪集団東風船舶製造有限公司は、浙江省に おいて最も近代的な船舶製造企業になると推量される。 - 75 - 第五部:企業信用度 ・金融危機以前、以下の要因から納期延期を生じた。 1. 関連設備の納入が遅延した(同社の所在地(銭塘江は冬場に干潮) 遅延状況 も納期延期の要素の 1 つ)。 2. 同社の建造技術力が不十分であった。 ・金融危機以降、船主に納期延期を要求された。 契約破棄 受注契約 10 隻のうち、2 隻がキャンセルとなる可能性がある。 同社は定期的に全従業員に対し安全知識の教育を実施し、この数年間 不良記録 で事故発生率はゼロ。2006~2007 年、杭州市安全生産のモデル企業と の評価を得た。 紛争事例 なし。 ・船舶の建造能力は平均的。 取引先評価 ・会社の事業規模は平均的。 ・建造船舶の品質は平均的。 第六部:まとめ ・国有資本により設立、投資規模は平均的、一定の資本力を有する。 管理部門は杭州の大手企業。 ・この三年間において売上は急速に拡大した。 事業評価 ・財務状況が悪化しており、負債比率が高く、利益率が低い。 ・主力船型を低付加値船舶から多目的船、タンカー等高付加価値船舶 の製造に転換しつつある。 ・中小規模の事業者であり、技術力が一般的で、財務状況も深刻であ る。 国有資本により設立され、設立期間も長く、一定の資本力を有する。 リスク評価 一方で、経営管理の問題から、財務が悪化している。故に、共同事業 の危険度は「慎重を期す」と判断する。 - 76 - 企業 No.7 重慶東風船舶工業公司 基本経済指標 重慶市 土地面積 8.24 万 km2 960 万 km2 総人口数 2,808 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 4,112 億元 246,619 億元 - 77 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 重慶長航東風船舶工業会社 登録住所 重慶江北区唐家沱東風1村1号 郵便番号 400026 経営住所 重慶江北区唐家沱東風1村1号 郵便番号 400026 電話/FAX 023-67781007 / 023-67782332 HP/MAIL www.cscdfship.com / [email protected] 企業形態 国有企業 設立年月 1928 年 資 本 金 4,152 万元 株 主 重慶長江輪船会社 総 計 出資額(万元) 出資比率 4,152 100% 4,152 100% 法人代表 何 喜雲 総 経 理 何 喜雲 社 員 数 2,350 人 敷地面積 100 万 m2 経営範囲 客船、遊覧船、貨物船、引船などの船舶設計及び造修船業務 ・主に遊覧船、RO-RO 船、コンテナ船、多目的船等を製造。 業務内容 ・2007 年船舶の輸出なし。2008 年は主にギリシアに輸出。 ・鋼構造物、鋳鍛造機械加工。 - 78 - ・同社は中国重慶長江輪船会社(中国長江航運集団総会社傘下)に所 属。 ・同社は重慶市 100 強企業の 1 つであり、重慶市政府が指定した輸 出船舶建造基地でもある。西南地区最大の船台及び最大揚力の浮ド ックを有している。A 級の船舶製造、船舶設計の資格を有する。 ・中国 CCS、ドイツ GL、フランス BV、イタリア RINA 等の船級協 企業案内 会の認証を取得。 ・ISO9001 の認証を取得。 ・船体ブロック溶接、原材料処理、パイプ加工、艤装及び錆取り塗装 工場を有する。 ・西南地区初の中国国産の鋼製船舶、長江初の大型豪華客船、西南地 区最大の万トン級輸出船舶及び西部初のヨーロッパ輸出船舶(プロ ダクトタンカー)を建造。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 2,350 人、内、管理職は 256 人、社員数の 11%を占め、技術者は 268 人、 社員数の 11%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,200 人。 - 79 - 2.沿 革 年 月 1928 年 事 項 当該社を登録(設立)、社名:民生修造造船所 1966 年 9 月 社名を長江航運会社東風修造造船所に変更 1985 年 8 月 社名を長江輪船総会社東風造船所に変更 1987 年 10 月 自社以外向けの電気鍍金の生産許可を取得 1994 年 5 月 元の組織体制を再編し、社名を重慶東風船舶工業公司に変更。周雲龍氏 が法人代表&社長に就任 1996 年 3 月 法人代表を王国華に変更 1998 年 4 月 法人代表を王勇に変更 2000 年 5 月 法人代表を肖代東に変更 2002 年 3 月 法人代表を柳恵忠に変更 2003 年 12 月 法人代表を何喜雲に変更 2007 年 10 月 社名を「重慶長航東風船舶工業会社」に変更 2007 年 10 月 事業範囲の変更(「船舶の修理」を削除) - 80 - 3.企業組織(組織図) 社 長 室 経 営 部 外 貿 部 社 発 部 生 産 部 財 務 部 人 事 部 長 理事会 企 党 群 部 党 工 部 品質保証部 労働組合部 紀律委員会部 安 全 部 供 給 部 計 量 中 心 団委事務室 - 81 - 防 衛 部 武 装 部 監 察 部 退 管 部 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 1 500 * 65 12,000 2 ― ― クレーン(t * 数量) 20 * 1,150 * 1,60 * 1O 及び小型 45 と 10 ― 注:同社本部は船台 1 基のみ保有(傘下の川江造船所は 350*50 メートルの船台を保有) 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 110 * 25.4 * 10.8 4,200 30 * 2(共用浮クレーン) 2 7 * 16 * 5(3 个) 1,200 30 * 2(共用浮クレーン) 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 90 50 トンの浮クレーン 2 60 50 トンの浮クレーン (資料出所:生産部と経営部) 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 5 14,650 2006 年 14 55,700 2007 年 8 31,155 27 101,505 合 計 注:2008 年は 7 隻を竣工(累計積載重量 34,350 トン) - 82 - 表 2-5 船 L/B/D(m) 型 DWT L:99.6 プロダクト 5,500 B:18 タ ン カ ー D:9.6 主な船型 隻数 船 1 主 引渡日 B:14.6 計3 200TEU 9 1,250 1 名 ギリシア MED-TANKERS 2008 年 AMALTHIA L:89.9 コンテナ船 船 2006~ 中国遠洋集団 中遠 2007 年 D:4.80 L:106 海南海峡航運株 Ro-Ro 船 B:19.8 2007 年 信海 16 号 2006 年 富栄 式有限会社 D:6.5 L:116.3 香港恒聯海運会 多 目 的 船 7,800 B:18 1 社 D:10.4 L:116.3 香港舜シン源船 多 目 的 船 7,800 B:18 1 2008 年 務会社 D:10.4 表 2-6 FCC PIONEER 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 船 8,000 4 ASIA M’TIME PACIFIC 2009~2010 年 アスファルト船 5,700 2 スイス航運会社 2009 年 9 月 コ ン テ ナ 船 368TEU 4 アメリカ船主 2011 年 船 貨 型 物 注:受注船舶 14 隻(累計積載重量 90,400 トン) - 83 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 24,070 2006 年 27,220 2007 年 49,380 (目盛単位:10 万元) 直近三年の売上は比較的安定しており、特に、2007 年の成長率は著しい。 - 84 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 2,722 4,938 主要業務の支出額 2,441 4,567 主要業務の収益額 281 371 管理経費 278 240 販売経費 7 7 財務経費 22 53 販売利益 -26 71 投資収益 0 0 補助金收入 0 13 販売外収入 3 3 その他 32 26 総利益 9 113 純利益 6 96 資産に対する収益 ROA 0.15% 1.11% 自己資本利益率 ROE 0.78% 11.09% 4.07 8.98 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 設計能力 技術者 268 人の内、107 人が設計者。 長江内陸河川用船舶の設計能力を有している。他の船型は、設計会社と共 同化する必要がある。 同社は設計部門を設けていない。しかし、同社の下に船舶設計研究所を保 設計部門 有し、当該研究所は国家 A 級の船舶設計証書を有する西南地区最大規模の 船舶設計研究会社である。 会社は長江内陸河川船を開発している。他の輸出船(プロダクトタンカー、 開発能力 ケミカル船、アスファルト船)は開発できない。近年では知的所有権の申 請実績はない。 - 85 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 親会社 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 中国長航重慶 長江輪船会社 東風川江造船所 江 万 船 廠 東 風 修 船 所 東風鋼構造所 子会社 同社は中国長航集団に所属し、水上運輸、船舶工業、長 江国内輪船旅行、埠頭物流、不動産開発、車サービスを 経営する総合的な企業である。 主な製品は 2,942KW 以下の動力船と 5,000 トン級以下 の非動力船。 主に 3,000 トンクラスの船舶を製造する。 主に船舶の修理を行っている。 主に船用ハッチ、河川ダム発電所、橋梁、建築用鉄パイ プ等を製造。 東 風 鍛 造 所 主に圧力容器の鍛造品を製造。 東 風 鋳 造 所 主に鋳鉄件、鋼製蓋、鋼製ハッチカバーの製造。 船舶設計研究所を設け、当該所は国家 A 級の船舶設計証 船舶研究設計所 書を有する西南地区最大規模の船舶設計研究会社であ る。 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海 708 所 船舶設計(特殊船) 上海船舶設計院 船舶設計(特殊船) 表 3-5 設備・資材 本 付 鋼 体 属 品 板 サプライヤー サプライヤー名 備 考 外国船主指定、プロダクトタンカーな ドイツ MAK どの船型に使用 ドイツ MAK 柴油機有限会社 重慶康明斯発動機有限会社 外国船主指定 貨物船等に使用 上海宝鋼集団 会社はすべて船級協会の認証を取得 重慶鋼鉄集団 した舶用鋼材を使用。 - 86 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・2008 年 11 月、投資 3.2 億元の改造工事が完工。これにより、建造 能力が大幅に改善された。以降は、万トン級船舶 9 隻の同時建造が 可能、西南地区最大の造船基地となる。 最新課題 ・建造方法について、従来の「一体型建造」から近代化の「ブロック 建造」に大転換を図った。 ・2008 年 12 月、米国船主から、同社初となる 368TEU コンテナ船を 受注。これを契機として、この種船舶の技術力の向上を図る予定で ある。 ・発展重点項目を新たに検討し、安定成長を図る。 ・コストコントロールを強化し、支出を削減する。 危機対応 ・資本の監視を強化し、資本チェーンの切断を防止する。 ・安全教育を十分に実施し、事故の再発を防止する。 ・経済危機の影響下、品質要求も高まり、建造の困難さも増すものと 想定されるが、受注契約を最大限履行する。 2.事業計画 組織体制 数年来では、組織体制上で特に大きな変更はない。 事業規模 業界内では中規模事業者に属する。 「長江地域における競争力の強化、沿岸市場の開拓、国際輸出の拡大」 経営方針 を企業戦略とし「重慶市の船舶輸出拠点」の地位を目指し、一主(造船)、 三支(鋳鍛・機器・ブロックの製造、)、二補(消防・環境保護・倉庫物流) の産業構造を構築する。 ・技術革新以降、西南地区最大規模の船台と埠頭を有する。将来展望 では、長江上流の水路輸送センターを建設するとともに、輸出船舶、 発展計画 万トン級船舶及び特種船舶を製造し、重慶市の輸出拠点となる旨を 目標とする。 ・“東風”というブランド力を保持し、市場における認知度を高める。 注:「一主、三支、二補」とは、主要産業が一つ、副次産業が三つ、補助産業が三つの意 - 87 - 第五部:企業信用度 ・技術革新以前、航路の制限、技術人員の不足及び主要設備の老朽化 により、納期遅延となることがあった。技術革新と航路の改善を通 遅延状況 じて、現在、納期遅延は生じていない。 ・金融危機以降、船主より明確な納期遅延を求められてはいないが、 品質への要求が高くなり、納期に影響を及ぼした。 契約破棄 なし。 不良記録 なし。 紛争事例 なし。 取引先評価 ・建造船舶の品質に特段の問題はない。 ・最近数年間の企業成長率が著しい。 第六部:まとめ ・同社は国営資本の有限責任公司であり、投資規模と資金力は平均的 である。 ・管理部門は海運事業等において安定した経営力を有する。 ・同社の 2007 年の売上上昇率は著しい。 事業評価 ・財務状況は平均的で、利益率が低く、負債比率が高い。 ・製品を内陸河川用船舶に特化している。 ・船舶製造の事業経験が長く、国有資本により運営される企業である。 ・技術力は平均的である。 ・成長発展の勢いがあり、2008 年 12 月の金融危機時においても、米 国船主からの受注を得た。 安定した経営力を有する親会社の下、国有資本により運営され、船舶 リスク評価 製造の事業経験が長く、成長発展の勢いがあり、共同事業の危険度は 「やや低い」と判断する。 - 88 - 企業 No.8 黄海造船有限公司 基本経済指標 山東省 土地面積 15.71 万 km2 960 万 km2 総人口数 9,309 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 25,888 億元 246,619 億元 - 89 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 黄海造船有限公司 登録住所 山東省栄成市石島黄海中路 18 号 郵便番号 264309 経営住所 山東省栄成市石島黄海中路 18 号 郵便番号 264309 電話/FAX 0631-7381878 / 0631-7381613 HP/MAIL www.huanghaiship.com / [email protected] 企業形態 有限責任会社 資 本 金 16,678 万元 株 1999 年 3 月 出資額(万元) 出資比率 黄海造船有限会社労働組合委員会 13,371.75 80.176% 栄成市公有資産経営有限会社 3,306.25 19.824% 16,678 100% 総 主 設立年月 計 法人代表 張 灿剛 総 経 理 張 灿剛 社 員 数 1,634 人 敷地面積 50 万 m2 ・船舶の設計及び製造 経営範囲 ・舶用機械、漁業機械、鉄骨部品の設計、製造及び輸出入業務 ・主に大型 RO-RO 船、ばら積み船及び多目的船の製造。 業務内容 ・主にアンゴラ、イラン、ドイツ、香港等の国と地域に輸出。 ・設立当初の主要業務は漁船の製造。 - 90 - ・同社は有限責任会社、従業員は 80%の株を有し、栄成市公有資産経 営会社が残りの 20%を有する。 ・同社は、かつて「威海市誠実と信用企業」、「威海市文明企業」「山 東省納税先進企業」、 「山東省納税誠実と信用企業」、 「山東省‘AAA’ 信用企業」、「山東省“A”級納税者企業」などの称号を得た。2005 年、同社は山東省企業信用“AAA”評価の再審査に合格し、「山東省 企業案内 情報化模範企業」、威海市三星クラスの「労働関係調和企業」の評 価を得た。 ・中国、ノルウェー、ドイツ等の船級協会の認証を取得。 ・ISO9001-2000 の認証を取得。 ・鋼板加工工場、鋼板前処理工場、パイプ製造工場、機械加工工場、 塗装処理工場、物流センター、船体ブロック加工工場等を有する。 ・国家一級設計資格、一級建造資格を有している。 (社員構成) (資料出所:事務室) 現有社員は 1,634 人、内、管理職は 210 人、社員数の 913%を占め、技術者は 153 人、 社員数の 9%を占める。その他:派遣従業員数は約 3,000 人。 - 91 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立) 1999 年、株式改革の制度を設け、有限責任会社に変更(従業員が株券を 1999 年 3 月 保有、一部は国が所有) 株主と出資比率:山東省黄海造船有限公司社員持株会 80%、栄成市公有 資産経営有限会社 20% 2005 年 5 月 住所を黄海中路 18 号に変更 2005 年 5 月 事業範囲を縮小、服装及び繊維材料の販売業務を中止 2005 年 5 月 2005 年 10 月 2006 年 4 月 株主名を変更(「山東省黄海造船有限公司職工持株会」から「山東省黄海 造船有限公司工会委員会」に変更) 登録資本金を 6,260 万元から 8,198 万元に増資,株主及び出資比率の変 更なし 登録資本金を 8,198 万元から 10,000 万元に増資,株主及び出資比率の 変更なし 2007 年 4 月 登録資本金を 12,000 万元に増資,株主及び出資比率の変更なし 2007 年 6 月 社名を黄海造船有限会社に変更 2008 年 5 月 登録資本金を 16,678 万元に増資,株主及び出資比率の変更無し - 92 - 3.企業組織(組織図) 設備エネルギー部 エ ア 供 給 部 検査・修理課 その他供給部 ト ラ ッ ク 部 液化ガス供給課 塗 装 子 会 社 機械製造子会社 造 船 子 会 社 電 装 子 会 社 電子技術開発部 監視会 修 船 子 会 社 修船内装子会社 総会計士 社 長 理事長 理事会 生産指揮センター 生 産 管 理 部 安全技術防衛部 副 社 長 財 務 部 品 質 検 査 部 企 業 管 理 部 総 技 師 会 社 事 務 室 人 事 教 育 部 情報センター 技術センター 供 給 部 総務基礎建設部 海 洲 大 酒 店 - 93 - 経 営 部 防 衛 部 技術開発課 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 200 * 32 50,000 400 * 1、100 * 1、80 * 1、40 * 1 2 180 * 30 30,000 230 * 1、100 * 1、60 * 2、30 * 2 3 180 * 30 30,000 230 * 1、100 * 1、60 * 2、30 * 2 4 195 * 27.6 15,000 100 * 1、80 * 1、40 * 1 5 120 * 20 8,000 60 * 2、45 * 1、25 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 1,500 300 * 1、80 * 1、60 * 1、30 * 1 2 ― ― (資料出所:技術開発部および経営部) 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 78 35,174 2006 年 61 54,065 2007 年 21 142,808 160 232,047 合 計 注: 2008 年は 17 隻を竣工。 - 94 - 表 2-5 船 L/B/D(m) DWT 型 主な船型 隻数 L:117 7,600 B:19.7 コンテナ船 1 D:8.5 多目的コンテ ナ船 L:117 B:19.7 7,800 D:8.5 1 計 18 L:161.2 RO-RO 旅客船 B:24.8 5,700 1 ― 2 ― 2 D:13.1 L:30 B:7.60 巻き網漁船 D:3.50 HC853 遠洋マ グロ船 L:37 B:6.60 D:3.3 表 2-6 船 型 1600 客位/2000M車 道 RO-RO 旅客船 DWT ― 船 主 大連集発船舶 管理公司 国際船舶航海 公司 山東渤海渡轮 有限公司 アンゴラ政府 漁業部 引渡日 船 2006 年 10 月 名 集発黄海 2007 年 アムステル 4月 ダム 2006 年 9月 2008 年 11 月 渤海金珠 パラジグ 広東広遠漁業 2008 年 広遠漁 238、 集団有限公司 8月 239 号 現在受注船舶の主な船型(例) 隻数 船 主 納 期 4 渤海輪渡株式有限公司 2009~2010 年 多目的ばら積み船 28,000 9 イラン国家航運公司 I.R.I.S.L 2010~2012 年 多目的船 28,000 8 中遠航運株式有限公司 2009~2011 年 多目的ばら積み船 28,000 5 RORD BRAREN 2010~2011 年 多目的ばら積み船 10,000 4 SCAN-TRANS 2010~2011 年 多目的ばら積み船 31,000 10 SCHOELLER HOLDING 2009~2012 年 注:受注船舶は 45 隻(累計積載重量は 120 万トン以上)。 - 95 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 51,500 2006 年 81,170 2007 年 120,960 (目盛単位:10 万元) 直近三年の売上げは比較的安定しており、成長率は一定に伸びている。 - 96 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 8,117 12,096 主要業務の支出額 7,175 10,593 主要業務の収益額 942 1,503 管理経費 291 362 販売経費 0 0 財務経費 -116 -1,049 販売利益 767 2,190 投資収益 45 135 補助金收入 0 35 販売外収入 22 12 その他 -11 978 総利益 823 3,350 純利益 546 2,239 資産に対する収益 ROA 6.21% 7.30% 自己資本利益率 ROE 27.22% 52.41% 3.39 6.18 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者153人の内、98人が設計者、開発研究者なし。 同社は建造船舶数が多く、漁船の設計製造能力を有する。コンテナ船等 設計能力 の船舶では他社との連携が必要。 50,000DWT 以下の船舶の設計、製造及び修理、舶用機械、組立部品、鉄 骨部品の設計能力を有する。 設計部門を有する。同社の設計部門は省級技術センターに属する。主に 設計部門 製品開発と技術開発を実施。漁船の設計能力を有するが、他の船舶の設 計能力は低い。 1995 年に開発したクラッチ式ウォーターポンプは、実用新案特許権を取 得。数年来では、他の特許申請の実績を有しない。 開発能力 8309 型超低温マグロ船は山東省科学技術進歩奨の三等賞、威海市科学技 術創造一等賞を受賞、8355 型スルメイカ船は威海市科学技術進歩奨の三 等賞を受賞。 - 97 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 国有資産の管理が主業務である。現在、黄海造船 栄成市公有資産経営 親会社 有限公司に資本参加するほか、達因製薬、中磊石 材、曙光歯輪などの会社にも参加し、政府と企業 有限会社 間のコミュニケーション化を図り、企業の系列組 織化を展開中。 ― 子会社 ― 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海 708 所 船舶設計 上海船舶設計院 豪華客船の船舶設計(例:渤海真珠) 大連煌埔船舶設計有限公司 RO-RO 船の船舶設計 上海欧得利船舶工程有限公司 多目的船の船舶設計 表 3-5 設備・資材 本 サプライヤー サプライヤー名 備 考 陕 西柴油機廠 漁船に使用 MAN B&W(韓国輸入) 2.5 万 t 船舶に使用(船主指定) 体 重慶康明斯発動機有限公司 付属品 主に発電機を購入 鎮江船用柴油機廠 - 98 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・以前は漁船の製造及び修理に従事した国営企業であり、以降、漁船市 場の不況に伴い、同社は建造技術の発展を図るため、2003 年技術部 門を設立し、RO-RO 船の設計及び製造を開始。2007 年技術改造を図 最新課題 り、2008 年竣工した。現在、各種ハイテク、高付加価値船舶の建造 能力を有し、主に多目的船を製造。 ・造船のモジュール化、近代的造船経営を目指す。 ・2009 年、「ハッチとブロックモジュール化建設」及び「5 万トン級船 台と艤装埠頭」プロジェクトが完工となる予定。 ・市場動向を注視し、専門化を目指して発展していく。 ・建造能力及び建造効率の向上を図り、納期を遵守する。 ・受注契約の頭金比率を高める又は共同で為替リスクを負う 危機対応 等の船主交渉を積極的に展開し、リスク抵抗力を高める。 ・消耗材の有効利用、鋼板等原材料の利用率を最大限に引上げる。鋼板 製造企業と戦略的互恵関係を結び、Win-Win ゲームを目指す。 ・鋼板価格の市場動向に注目し、早期及び集中的に手配する等により、 原材料価格の変動リスクを最大限回避する。 2.事業計画 組織体制 1999 年、有限責任公司(従業員は株券を保有する)に変更。数年来では、 内部組織に大きな変更なし。 事業規模 業界内で中型規模事業者に属する。 経営方針 「チャンスを捕まえ、チャレンジする精神」が経営方針。 ・データベースを作成し、情報共有を推進する。既に船舶製造設計情報 と企業情報を統合する ERP プロジェクトを確立。 ・設計、生産及び管理を一体化し、船体を基礎に、艤装を中心に、塗装 発展計画 を重点とする企業理念を展開する。 ・新商品を開発し、企業競争力を高める。 ・部品の現地生産化を推進し、主要設備にかかるサプライヤーとの戦略 的互恵関係を強化する。 - 99 - 第五部:企業信用度 以下の要因から納期遅延が時折生じている。 ・技術革新以前、作業現場の狭隘と設備の老朽化があった。 遅延状況 ・製造図面に多くの問題があり、生産管理が不十分であった。 ・作業員の技術能力が低レベルであった。 ・金融危機以前、契約のキャンセルは少なかった。 契約破棄 ・金融危機以降、船主の資本調達能力の関係から、2008 年に契約破棄 が 3 件発生した。 不良記録 2004 年以前、事故が多発。生産安全監督局を通じて 17 ヶの安全問題 を解決し、以降、事故発生率は減少した。 紛争事例 なし。 ・舶用資材及び製品の国産率が比較的高く、総合実力がある。 取引先評価 ・船舶の建造技術力は比較的高い。 第六部:まとめ ・同社は、元々国営企業であり、1999 年、職員が株主となり、一部の 株は国が保有する。 ・直近三年間の売上が急速に拡大し、2007 年の売上は 10 億元に達し た。 事業評価 ・建造船種を漁船から RO-RO 及び多目的船に転換しつつある。 ・船舶製造の事業経験が長い。 ・一定レベルの技術力を有している。 ・手持ち工事量が多い。 同社は安定した経営力を有し、業界内で総合実力は平均的以上である。 リスク評価 故に、共同事業の危険度は「低い」と判断する。 - 100 - 企業 No.9 舟山市龍泰船舶有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 101 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 舟山市龍泰船舶有限公司 登録住所 浙江省舟山市定海幹覧西碼頭 郵便番号 316014 経営住所 浙江省舟山市定海幹覧西碼頭 郵便番号 316014 電話/FAX 0580-8090027 / 0580-2793007 HP/MAIL ― 企業形態 有限責任会社 設立年月 2000 年 4 月 資 本 金 5,000 万元 株 出資額(万元) 出資比率 李 英芳 800 16% 張 旭龍 1,000 20% 趙 建強 3,200 64% 5,000 100% 総 主 計 法人代表 趙 建强 総 経 理 趙 建强 社 員 数 38 人 敷地面積 2.7 万 m2 船舶の製造及び修理、機械加工及び修理、木材加工、貨物及び製品の 経営範囲 輸出入貿易。 ・主にばら積み船の製造。 業務内容 ・船舶輸出業務なし。 ・国内船主への労務サービスの提供。 ・同社は個人投資により設立した会社である。 企業案内 ・中国 CCS 船級協会の認証を取得。 ・関連の品質及び環境保護の認証を有しない。 ・機械加工工場、船体ブロック工場を有する。 - 102 - (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 38 人、内、管理職は 6 人、社員数の 16%を占め、技術者は 0 人。その他: 派遣従業員数は約 110 人。 - 103 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社は登録(設立) 2000 年 4 月 登録資本金:116 万元,法人代表:李英芳 株主と出資比率(舟山市二軽工業(集団)総公司 13.4%、銭昌軍 14%、 任其章 14%、邵忠苗 14%、顔宇宝 14%。周国蓬 14%、李英芳 16.6%) 2003 年 3 月 2004 年 9 月 2004 年 9 月 2006 年 10 月 2007 年 3 月 2007 年 12 月 事業範囲の変更(船舶修理より漁業船(鋼船)の修理)。 株主と出資比率を変更(舟山市二軽工業(集団)総公司 2.68%、李英芳 15%。銭昌軍 15%、金先明 67.32%)、法人代表を金先明に変更 事業範囲の変更(漁業船(鋼船)舶の修理より船舶修理、鋼船の製造。 登録資本金を 5,000 万元に増資、株主と出資比率を変更(李英芳 15.4%、 銭昌軍 15.4%、金先明 39.2%、陳鳳先 30%) 事業範囲の拡大(貨物及び製品の輸出入業務) 法人代表を趙建強に変更 株主と出資比率を変更(李英芳 16%、張旭龍 20%、趙建強 64%) - 104 - 3.企業組織(組織図) 財 務 倉 経 理 副 総 経 理 総 社 部 庫 長 室 品質検査課 管 理 部 船主事務室 - 105 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 160 * 50 20,000 25 * 2,70 * 1 注: 同社は 2 基の船台を有しており、上表は 2 基を組み合わせた寸法。 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 32 ガントリークレーン (資料出所:管理部) - 106 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 9 49,159 2007 年 2 20,100 合 11 69,259 計 注:2006 年は他社の船台をレンタルし船舶を製造。2007 年以降は受注量の増加に伴い、自社に よる船舶の製造を開始。 表 2-5 船 L/B/D(m) 型 主な船型 DWT 隻数 6,600 1 13,500 1 船 主 引渡日 船 名 L:102 ばら積み船 B:17 個人 2007 年 ― 2007 年 永隆 D:8 L:140 ばら積み船 B:20 D:10 表 2-6 舟山市永隆海運 有限公司 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 コンテナ/ばら積み兼用船 6,600 1 大連浩恒船務有限公司 2009 年 4 月 ばら積み船 13,500 1 寧波金伯海運有限公司 2009 年 4 月 船 型 注:現在、製造中の船舶は 2 隻(累計積載重量は 20,100 トン)。 - 107 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 2005 年 1,736 2006 年 2,888 2007 年 831 額 (目盛単位:10 万元) 同社は船主に労務サービスのみ提供するため、金融危機の影響から 2007 年の売上げが 著しく減少。 - 108 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 289 83 主要業務の支出額 249 57 主要業務の収益額 40 26 管理経費 18 14 販売経費 0 0 財務経費 1 3 販売利益 21 9 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 0 0 その他 -14 -6 総利益 7 3 純利益 5 2 資産に対する収益 ROA 1.67% 0.48% 自己資本利益率 ROE 2.54% 1.00% 0.52 1.09 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 なし。 設計能力 設計能力を有しておらず、船舶の設計はすべて船主が指定。 設計部門 設計部門を有してない。 開発能力 開発能力を有していない。知的所有権の申請実績はない。 - 109 - 3. 関連会社 表 3-3 資本関連 資本関係 会 社 名 会 社 概 要 親会社 ― ― 子会社 ― ― 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 ― ― 表 3-5 設備・資材 本 鋼 サプライヤー サプライヤー名 備 考 広東柴油機廠 ばら積み船に使用 寧波中策動力機電集団有限公司 ばら積み船に使用 上海豊鋼有限公司 同社は特殊鋼材を使用しておらず、 杭州同浩有限公司 一般鋼材を使用。 体 板 - 110 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・以前は国内船主への労務サービスを提供。2008 年より船舶設備にかか る取引を開始。 最新課題 ・同社は小規模事業者であり、金融危機以降、企業維持・存続となるよ う努力している。造船に関する新計画を有していない。 危機対応 手持ち工事は 2009 年 4 月までの建造計画にあり、以後について新規事業 を積極的に展開する予定である。 2.事業計画 組織体制 数年来、業務及び人員の変更なし。 事業規模 業界内で小規模事業者に属する。 経営方針 苦難に直面し、危機の解決に全力を尽くす。 発展計画 2009 年 4 月以降の受注がなく、新規顧客を開拓する。現状、市場開拓に かかる具体的計画を有しない。 - 111 - 第五部:企業信用度 生産設備の不足と建造技術力に乏しい等の要因から、納期遅延を生じて 遅延状況 いる。 契約破棄 現在、製造中の 2 隻以外に受注がなく、契約のキャンセルは発生してい ない。 不良記録 なし。 紛争事例 なし。 ・サービス対応は比較的良い。 取引先評価 ・建造技術力が不足している。 第六部:まとめ ・同社は、個人投資により設立された企業で、投資規模は小さく、資金 力に乏しく、技術力が不足している。 事業評価 ・生産設備が老朽化しており、建造能力及び持続的発展能力に欠けてい る。 ・同社は個人投資により設立された企業で、融資能力が低い。 同社は小規模事業者であり、融資能力が低く、持続的成長発展は極めて リスク評価 困難と考えられる。故に、共同事業の危険度は「高い」と判断する。 - 112 - 企業 No.10 泰州三福船舶工程有限公司 基本経済指標 江蘇省 土地面積 10.26 万 km2 960 万 km2 総人口数 7,550 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 25,560 億元 246,619 億元 - 113 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 泰州三福船舶工程有限公司 登録住所 江蘇省泰州市口岸鎮口永路 58 号 郵便番号 225321 経営住所 江蘇省泰州市永安洲鎮馬船西路 1# 郵便番号 225300 電話/FAX 0523-86928812 / 0523-86928812 HP/MAIL www.tzsf.com / [email protected] 企業形態 合弁会社 設立年月 1999 年 2 月 資 本 金 1,435 万ドル 株 主 出資額(万元) 出資比率 三泰造船個人有限会社 703 49% 泰州祥雲ソフトウェア開発有限会社 732 51% 総 1,435 100% 計 法人代表 楊 屹峰 総 経 理 羅 忠 社 員 数 1,100 人 敷地面積 100 万 m2 経営範囲 船舶の製造、修理及び解撤 ・主な業務:船舶の建造、修理及び解撤 ・主な船舶輸出国:ドイツ、シンガポール、フィリビン等の国と地域 業務内容 ・設立当初は、艀船の製造を主な業務としており、2005 年以降大型 船舶の製造を開始 - 114 - ・同社は、「三泰造船個人有限会社」及び「泰州祥雲ソフトウェア開 発有限会社」の共同投資により設立した合併企業である。 ・2006 年に「泰州市ベスト 30 企業」、「江蘇省造船ベスト 10 企業」 「江蘇省文明企業」、「泰州市民営企業ベスト 10」等に選出された。 ・アメリカ ABS、ドイツ GL、日本 NK、韓国 KR、フランス BV 等 の船級協会の認証を取得。 企業案内 ・船体ブロック工場、サンドブラスト工場、塗装工場などを有する。 ・この数年来で急速な成長発展を遂げ、造船事業者としての自力を高 めている。 ・2007 年、南京金陵船廠の元副工場長を同社総経理に招聘し、会社 組織を伝統的な家内工業型から近代的企業制度への転換を図り、企 業発展に不可欠な改革を実行した。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現在社員数は 1,100 人、内、管理職 420 人、社員数の 38%を占め、技術者は 112 人、 社員数の 10%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,200 人 - 115 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立) 1999 年 登録資本金:38 万ドル。 法人代表:朱開玉、泰州市三泰船業有限会社(40%)と香港福山有限会 社(60%)の共同投資により設立 香港福山有限会社の保有株の一部を泰州市三泰船業有限会社に譲渡。株 2002 年 主と出資比率を変更(泰州市三泰船業有限会社 53%、香港福山有限会社 47%)、法人代表を楊屹峰に変更。 2002 年 2005 年 2005 年 2008 年 2,050 万元で国営永安造船所を買収。 船舶の製造を艀船から大型船に変更。 (例:ケミカルタンカー、ガントリ ークレーン船、ばら積み船等) 登録資本金を 1,000 万ドルに増資。株主と出資比率を以下に変更(泰州 市三泰船業有限会社 73.2%、香港福山有限会社 26.8%) 登録資本金を 1,435 万ドルに増資。株主と出資比率を変更(三泰造船個 人有限会社 49%、泰州祥雲ソフトウェア開発有限会社 51%) - 116 - 3.企業組織(組織図) 経営物質部 製 造 部 社 長 理事会 コスト管理部 品質管理部 技術準備部 事 - 117 - 務 室 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 190 * 40 50,000 200 * 1 2 160 * 32 20,000 100 * 1 3 250 * 40 100,000 900 * 1,150 * 2* 4 250 * 40 100,000 注:*10 万トン級の船台2つを並べ、同時使用する。 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 注:同社は現在ドック建設を計画中 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 ― ― 2 ― ― (資料出所:技術部) - 118 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 2 13,000 2007 年 4 42,500 合 6 55,500 計 注:同社設立当初は主に艀船を製造、2005 年以降大型船舶の製造を開始。2005 年は竣工船舶な し。2008 年 11 月までに、同社で竣工した船舶は 6 隻(累計積載重量は 86,100 トン)。2008 年 12 月中旬、16,500 トンのケミカルタンカー1 隻。2009 年 1 月、12,000 トンの多目的船 1 隻が竣工する予定。 表 2-5 船 L/B/D(m) 型 プロダクトタ ンカー 主な船型 DWT 隻数 16,800 1 L:144 B:23 D:12.5 多目的ばら積 み船 L:138 B:21 船 主 シンガポール PLC 会社 ドイツ 12,000 1 D:11 Bockstiegel 会 社 L:115.5 B:16.5 貨物船 6,500 1 ドイツ船主 D:7.95 引渡日 船 2008 年 2007 年 10 月 2006 年 7月 名 ― ― ― 表 2-6 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 多目的ばら積み船 16,900 8 POLISHI STEAMSHIP CO 2011~2012 年 ばら積み船 92,500 4 Conti Reederei 2011 年 ばら積み船 57,000 2 THENAMARIS MNGT 2010 年 船 型 (資料出所:経理課及び経営部) 注:現在手持ち工事量は約 60 隻(累計積載重量は約 185 万トン)内、1.65 万トン級のケミカル タンカー12 隻、1.2 万トン級クレーン船 20 隻、9.25 万トンばら積み船 4 隻、1.69 万トン級 ばら積み船 8 隻、5.7 万トン級ばら積み船 16 隻。2012 年初まですべて契約済み。 - 119 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 34,602 2006 年 83,475 2007 年 145,979 (目盛単位:10 万元) 直近三年間の売上げが急速に伸び、会社規模が急激に拡大している。 - 120 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 8,347.50 14,597.90 主要業務の支出額 8,100.30 12,672.29 主要業務の収益額 247.20 1,925.61 資産管理データ 1 管理経費 50.75 1,082.59 販売経費 0 305.81 財務経費 66.25 250.69 販売利益 30.20 286.52 投資収益 0 0 補助金收入 0.70 10.85 販売外収入 0.21 8.32 その他 -5.70 -0.78 総利益 25.41 304.91 純利益 25.41 304.91 資産に対する収益 ROA 2.99% 1.17% 自己資本利益率 ROE 3.11% 37.38% 0.04 31.08 負債率 2.技術開発 技術者 112 人の内、51 名が設計者,研究開発者なし。詳細設計及び生産 技術部門 設計は専門船舶設計会社に外部委託。生産設計を自社で対応できるよう 計画中。 設計能力 設計部門 開発能力 現在船舶の設計は最大 9.25 万トン級。主にばら積み船、ガントリークレ ーン船、ケミカル船である。 泰州市より批准を得た技術部門を有する。以後、省級の技術センターの 設立を計画中。 現在、関連のソフトウェアを開発中であり、知的所有権の申請も行う予 定。将来は、市場の発展動向にと伴い、新船型の開発も計画する。 - 121 - 3.関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 同社はシンガポールに登録(設立)する、外 三泰造船個人有限会社 資系企業(但し、実際は中国資本)に属する。 親会社 泰州祥雲ソフトウェア開 中国資本のソフトウェア会社。 発有限会社 子会社 ― なし 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶研究設計院 船舶設計 上海佳豪船舶工程設計有限会社 船舶設計 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 考 同社の舶用鋼板は中国国内市場で一定 重慶鋼鉄株式有限会社 の比率を占める。 江陰環洲船舶物質有限会社 鋼 板 同社の主な製品は 6mm~43mm 船舶 用鋼板 中国鞍鋼、武鋼、馬鋼、済鋼、青鋼、 江蘇瑞明集団 沙鋼、海鑫鋼鉄等国内大手鉄鋼会社の 代理事業者。 塗 料 海虹老人牌(昆山)有限会社 - 122 - 各種舶用塗料の製造及び販売会社。 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・同社はドックを有しておらず、ドック建設を計画中。 ・2008 年、永安工場の輸出船舶生産ラインを改良。 ・精緻な設計を図り、最新の建造技術を研究し、採用する。ブロック 艤装率を最大限に引き上げ、舶用製品のモジュール化を拡大し、進 最新課題 水時の建造船舶の完成度を高める。積極的に精密管理を推進し、中 間製品化、モジュール化、ユニット化、一体化を図り、建造期間を 短縮する。また、製造にかかるリードタイムを短縮し、生産効率の 向上を図り、生産コストを引き下げ、利益を最大化する。 ・頭金の支払い比率を高める(現状の頭金比率は 20%、30%、40%で あり、内、20%が多い。但し、幾つかのケースでは頭金 60%の場合 危機対応 もある。) ・品質を保証する。 ・納期を保証する。 - 123 - 2.事業計画 ・技術者を募集する。現在、手持ち工事量が多く、技術者を増員して、 納期と品質を確保する。 組織体制 ・管理者を育成する。年齢層の若い管理者を育成し、各層で人材を登用 する。 業界内で中規模事業者に属する。これまでの発展スピートを維持し、大 事業規模 手企業に拡大できるよう努力する。 ・人材育成。技術、管理等の高度専門人材を育成する。 ・技術革新。ハイテク新製品の開発に注力する。現在は泰州市技術セン ターの批准を得て、江蘇省技術センターにハイテク事業化を申請する 経営方針 予定。 ・製品製造の活性化。一般的、伝統的な製品をハイテク、高付加価値製 品に発展させる。 ・設計能力を高める。設計能力に乏しく、現在設計は、設計会社及び設 計院に外部委託している。以後、詳細設計と生産設計を自社内で対応 できるよう検討している。 ・リスクを分散する。同社は作業の分担を通じて、リスクを分散し、作 業効率の向上と納期遵守を図っている。 ・情報管理を強化する。ソフトウェア開発会社と提携し、鋼板管理シス 発展計画 テムを開発する予定である。生産管理を主に、鋼板管理を含め、船体 部品管理にも拡大し、効果的、タイムリーな管理を実現する。 ・同社は積極的に株式上場を計画する。現在、シンガポールの関係機関 と契約を結んでいる。順調に上場できれば、会社の融資能力を高める ことが可能となり、資本力を基盤とした安定的な企業運営を確立する ことができると判断する。 - 124 - 第五部:企業信用度 ・経済危機の影響なし。 遅延状況 ・経済危機の発生する以前、主機関の購入が困難となり、納期遅延を 生じたことがあった。最近では問題なし。 契約破棄 これまでに、契約のキャンセルは発生していない。 ・同社下請け作業員のミスで事故が発生。作業員の賃金を支払わず、 責任者が逃走。 不良記録 ・2007 年 3 月 15 日に危険物の爆燃事故により、1 人死亡、1 人負傷。 ・2007 年、砂の違法採掘行為で、水利部門が処罰となった。 紛争事例 数年来で、関係する経済紛糾はない。 ・企業経営力は平均的。 取引先評価 ・技術力は平均的。 ・納期遵守、品質が良い。 第六部:まとめ ・民間企業で、株主の出資比率から外資企業となっている。 ・同社の事業経験の歴史は比較的長い。2005 年以降、艀船等小型船舶 から大型船舶の製造に転換を図った。2006~2008 年の間、発展は 事業評価 著しく、売上げがほぼ倍増している。 ・手持ち工事量は、2012 年まで契約済みである。 ・業界内で総合実力が有り、成長発展が速く、企業信用度が高い。 船舶製造の事業経験が比較的長く、成長発展の勢いがあり、手持ち工 リスク評価 事量が多く、業界内で総合実力は平均的以上である。故に、共同事業 の危険度は「やや低い」と判断する。 - 125 - 企業 No.11 浙江宏冠船業有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 126 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 浙江宏冠船業有限公司 登録住所 浙江省臨海市邵家渡街道渡頭範村 郵便番号 317000 経営住所 浙江省臨海市邵家渡街道渡頭範村 郵便番号 317000 電話/FAX 0576-85175925 / 0576-85627269 HP/MAIL www.zjhg.net / [email protected] 企業形態 有限責任会社(個人投資) 設立年月 2005 年 12 月 資 本 金 1億元 株 主 出資額(万元) 出資比率 朱 昌啸 200 2% 魏 智 500 5% 曽 林 1,000 10% 奚 永寛 8,300 83% 10,000 100% 総 計 法人代表 奚 永寛 総 経 理 任 国礼 社 員 数 198 人 敷地面積 15 万 m2 経営範囲 船舶の製造、修理 ・主にばら積み船、ケミカル船、プロダクトタンカー等を製造 業務内容 ・主にドイツ、シンガポール等の国に輸出 ・前身は台州市宏冠造船有限会社、各種規格の船舶を製造 - 127 - ・個人投資により設立 ・同社は浙江省船舶協会常務理事企業、台州市船舶協会常務副会長企 業、臨海市船舶協会会長企業の職を得ている。 ・2006 年 6 月、ISO9001-2000 の認証を取得。中国 CCS,アメリカ 企業案内 ABS,フランス BV 等の船級協会の認証を取得 ・船体ブロック製造工場、エンジン工場、電機工場、塗装工場、1 号、 2 号倉庫工場などを有する。 ・前身の台州市宏冠造船有限会社は台州市大型船舶製造及び修理企業 である。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 198 人、内、管理職は 76 人、社員数の 38%を占め、技術者は 34 人、社 員数の 17%を占める。その他:派遣従業員数は約 800 人。 - 128 - 2. 沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録資本金:1,200 万元 2005 年 株主及び出資比率(周昌啸 (5%)、周華堂(5%)、奚永 宽 (90%)) 前身は 2002 年に設立した台州市宏冠造船有限会社 2006 年 2007 年 2008 年 12 月 登録資本金を 3,300 万元に増資(株主及び出資比率の変更なし) 会社の登録資本金を 1 億元に増資、株主及び投資比率を変更(朱昌 啸 2%、魏智 5%、呉暁燁 10%、奚永寛 83%) 呉暁燁の所有する株券 10%をすべて曽林に譲渡 - 129 - 3.企業組織(組織図) 社長事務室 務 部 技 術 部 副 財 社 長 経営開発部 社 理 事 工程管理部 長 会 総 品質管理部 技 師 生産保障部 安全環保部 項 - 130 - 目 部 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 180 * 32 30,000 220 * 1 2 180 * 30 30,000 180 * 1 3 180 * 30 20,000 150 * 1 4 180 * 28 20,000 150 * 1 5 160 * 22 15,000 80 * 1 6 160 * 20 15,000 80 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 ― ― 2 ― ― (資料出所:経営開発部) 注:同社は艤装岸壁を有しておらず、レンタル使用にて対応。 - 131 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 ― ― 2007 年 ― ― 合 ― ― 計 注:同社は 2005 年 12 月設立、2006 年は準備段階で、2007 年 4 月 26 日より操業開始。 2007 年、2008 年の竣工船舶なし。現在製造中の船舶は 2009 年以降順次引き渡し。 表 2-5 船 型 主な船型 L/B/D(m) DWT 隻数 ― ― ― ― 表 2-6 船 主 ― 引渡日 船 ― 名 ― 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 ばら積み船 25,800 4 シンガポール PCL 会社 2009~2010 年 ケミカル船 18,500 8 ドイツ TB 海運会社 2012 年 3 月 29,000 4 ドイツ TB 海運会社 2012 年 3 月 船 型 プロダクト タ ン カ ー (資料出所:経理課及び経営部) 注:同社現在の手持ち工事量は 18 隻。内、製造中 4 隻(シンガポールに輸出するばら積み船 2 隻、インドに輸出する作業船 2 隻)未製造 14 隻(ドイツに輸出するケミカル船 8 隻プロダ クトタンカー4 隻。2012 年 3 月までにすべてを引き渡しする予定。シンガポールのばら積み 船 2 隻は 2010 年の引き渡し)。 - 132 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 最近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 2005 年 0 2006 年 0 2007 年 0 額 (目盛単位:10 万元) 同社は 2005 年 12 月に設立し、2007 年 4 月 26 日より操業開始のため、売上げなし。 - 133 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 0 0 主要業務の支出額 0 0 主要業務の収益額 0 0 管理経費 7.25 91.77 販売経費 0 0 財務経費 1.35 12.63 販売利益 -8.6 -104.4 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 0 3 その他 8.4 -4.51 総利益 -0.20 -105.91 純利益 -0.20 -105.91 資産に対する収益 ROA -0.02% -1.61% 自己資本利益率 ROE -0.06% -11.74% 1.86 6.28 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 34 人の内、23 人が設計者、開発研究者なし。 同社は主に生産設計を行い、設計図面は船舶設計会社に外部委託してい 設計能力 る。 設計部門を有していない。上海宏冠船舶設計有限会社及び浙江省船舶技術 設計部門 センターと技術提携している。 開発能力 開発研究者がおらず、知的所有権の申請実績もない。 - 134 - 3. 関連会社 表 3-3 資本関連 資本関係 会 社 名 会 社 案 内 親会社 ― ― 江蘇宏冠船業有限会社は敷地面積 148,755 ㎡、海 子会社 江蘇宏冠船業有限会社 岸線 1,500m。当該社は主にケミカル船の製造であ り、主にドイツとシンガポールに輸出。今後、建 造能力 60 万トンドックを建設する予定。 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶研究設計院 船舶設計。(主にコンテナ船、バラ積み船等) 上海宏冠船舶設計有限会社 船舶設計。(主に作業船) 表 3-5 設備・資材 本 サプライヤー サプライヤー名 備 考 ドイツ馬克柴油機有限会社 プロダクトタンカーと 韓国現代柴油機有限会社 ケミカル船用 体 重慶鋼鉄会社 鋼 鋼板規格は多種。(主に 12-22mm) 板 柳州鋼鉄会社 - 135 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・同社は渡頭範に総投資額 2 億元の近代化造船基地を建設する予定。 最新課題 ガントリークレーンの最大は、幅は 60M、吊り上げる能力は 180 ト ン。 ・ブロック建造工法を採用 危機対応 ・同社は、現在、頭金を受注契約額の 20%としている。 ・納期と品質を確保する。 2.事業計画 ・受注拡大に積極的に取り組む。船主の資本力を確認する。 組織体制 ・企業発展に向け、会社の組織体制を改編する。 事業規模 業界内では中小規模事業者に属する。 民間企業で、かつ船舶製造の事業経験が短い。リスクへの対応能力が 経営方針 相対的に低い。現在の経済危機に対して、既存の発展計画を一旦中止 し、市場動向を見据えて、適宜企業戦略を見直していく。 ・当地造船事業者の模範企業となるべく成長発展する。 発展計画 ・直面している経済危機について、暫く当該動向を注視する。 ・受注拡大のため、海外船主との商談を積極的に展開する。 - 136 - 第五部:企業信用度 遅延状況 なし。 契約破棄 なし。 不良記録 なし。 紛争事例 なし。 取引先評価 なし。 第六部:まとめ ・登録資本金が 1 億元、資本力を有する。 ・2005 年設立、前身は台州市宏冠造船有限会社。 ・法人代表は、従来不動産業に従事し、その後、個人投資により造 事業評価 船事業に進出。 ・主に取引先(船主)は国外。現在、竣工船舶の実績はない。 ・同社は業界内で中小規模事業者であり,小規模の取引と提携が適当 と考えられる。 民間企業であり、設立期間が短いことにより、金融危機の経済環境 リスク評価 時においては、提携の危険度は「慎重を期す」と判断する。 - 137 - 企業 No.12 臨海市弘州造船有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 138 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 臨海市弘州造船有限公司 登録住所 浙江省臨海市迅橋鎮利豊村 郵便番号 317000 経営住所 浙江省臨海市迅橋鎮利豊村 郵便番号 317000 電話/FAX 0576-5016528 / 0576-5991058 HP/MAIL [email protected] 企業形態 有限責任会社 設立年月 2004 年 12 月 資 本 金 1,500 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 1,050 70% 林 岳 300 20% 林 国営 150 10% 1,500 100% 林 国福 総 計 法人代表 林 国福 総 経 理 林 国福 社 員 数 280 人 敷地面積 3.8 万 m2 経営範囲 船舶の製造及び修理 ・主な業務:船台のレンタル事業。 業務内容 ・主な船舶輸出国:現在直接船舶を輸出していない。 ・船台のレンタル事業以外、他の企業と資本提携し、船舶を製造する。 - 139 - ・民間企業である。 ・同社は業界内で小規模事業者に属する。 企業案内 ・中国 CCS 船級協会の認証を取得。 ・船体ブロック、金属加工工場、電機工場等を有する。 ・ISO9001-2000 の認証を取得。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 280 人、内、管理職は 20 人、社員数の 7%を占め、技術者は 9 人、社員 数の 3%を占める。その他:派遣従業員数は約 310 人。 - 140 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録資本金:500 万元 2004 年 12 月 法人代表:林国福 株主及び出資比率(江雪通 22%、徐米正 22%、林国福 27%、徐米徳 29%) 2006 年 8 月 2007 年 8 月 2008 年 4 月 法人代表を陳素青に変更、株主と出資比率を変更(朱康益 12%、周彩蓮 16%、陳素青 23%、林国福 24%、于超 25%) 登録資本金を 1,500 万元に増資(株主と投資比率の変更はなし) 法人代表を林国福に変更、株主と出資比率を変更(林国営 10%、林岳 20%、林国福 70%) 3.企業組織(組織図) 生 産 部 技 術 部 社 長 品質検査部 安 全 部 財 務 部 - 141 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 180 * 30 18,000 80 * 1,16 * 2 2 180 * 30 18,000 80 * 1,16 * 2 3 180 * 30 15,000 50 * 1 4 180 * 30 15,000 32 * 2 5 180 * 30 15,000 32 * 2 6 150 * 25 7,000 20 * 2 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 ― ― 2 ― ― (資料出所:生産部) 注:同社は艤装岸壁を有しておらず、レンタル使用にて対応。 - 142 - 2.受注状況 表 2-4 直近3年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 10 46,600 2007 年 5 40,290 15 86,890 合 計 注:同社は船台のレンタル事業を主業務とし、2006 年以降、船舶の製造を開始。同社は直近 3 年間で 15 隻を竣工(累計積載重量 86,890 トン、同社のレンタル提供(船台)により製造さ れたものも含む)。2008 年上半期、1.8 万トンばら積み船 3 隻が竣工。 表 2-5 船 型 L/B/D(m) 主な船型 DWT 隻数 船 主 3,552 1 個 人 2,999 1 10,050 1 L:141 ばら積み船 B:21.6 D:11.65 L:92 ばら積み船 B:14.8 D:7.3 B:21 7月 2007 年 達船務有限会社 8月 個 人 D:11.2 表 2-6 2008 年 浙江省三門県宏 L:138 ばら積み船 引渡日 2007 年 8月 船 名 希望の星 宏浦 56 海之星 手持受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 その他 タ ン カ ー 5,000 1 個人 2009 年 1 月 資本提携し、製造 ばら積み船 17,000 1 個人 ― 船台貸出、作業中止 ばら積み船 12,000 1 個人 ― 船台貸出、作業中止 ばら積み船 18,000 1 個人 2009 年 1 月 船台貸出 ばら積み船 13,800 2 個人 2009 年 5 月 船台貸出 船 型 (資料出所:経理課及び経営部) 注:手持ち工事量は 6 隻であり、内、1 隻は船主との共同製造となる 5,000 トン油槽船、残り 5 隻は船主に船台をレンタル提供する。5 隻の内容:2 隻は作業中止。 (詳細は紛糾欄を参照)、 1 隻は 1.7 万トンのばら積み船、1 隻は 1.2 万トンのばら積み船、残りの 3 隻は 2009 年の竣 工を予定。 - 143 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 2005 年 0 2006 年 28 2007 年 282 額 (目盛単位:10 万元) 同社は 2004 年 12 月に設立し、2006 年末以降生産を開始。 - 144 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 2.80 28.20 主要業務の支出額 0 0 主要業務の収益額 2.80 28.20 管理経費 7.53 15.95 販売経費 0.11 0.02 財務経費 0 0 販売利益 -4.84 12.23 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 0 0 その他 2.83 -2.08 総利益 -2.01 10.15 純利益 -5.04 9.49 資産に対する収益 ROA -7.8% 5.39% -11.21% 6.14% 0.44 0.14 資産管理データ 自己資本利益率 ROE 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 9 人、設計者及び開発研究者なし。 設計能力を有してない。船舶設計のすべてを船舶設計会社に外部委託し 設計能力 ている。 設計部門 なし。 現在、海洋レジャー(海島観光業)が急成長しており、同社は、今後、 開発能力 レジャー用ボートの開発を検討中。 - 145 - 3. 関連会社 表 3-3 資本関連 資本関係 会 社 名 会 社 概 要 親会社 ― ― 子会社 ― ― 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶設計研究院 船舶設計 上海京栄船舶設計有限会社 船舶設計 杭州泰達船舶設計有限会社 船舶設計 台州市海順船舶設計有限会社 生産設計 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 考 韓国現代柴油機会社 本 体 主に台州のディーゼル廠の代理店より購入。 康明斯柴油機会社 上海宝鋼集団会社 主に台州の三級代理店より購入。鋼板規格の 鋼 板 上鋼三厂 主なもの(11-13mm)。 鞍鋼会社 - 146 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・今後数年内にヨット市場の需要が徐々に拡大すると予想され、海島観 光業の発展に順応し、ヨットを開発する計画。 最新課題 ・技術力を強化し、現在外部委託している設計のすべてを自社内ででき るよう検討している。 ・業務の積極的拡大を図る。 危機対応 ・海外船主との提携を積極的に展開する。 2.事業計画 組織体制 国際市場を開拓するため、通訳及び技術者を募集する予定。 業界内では小規模事業者に属する。主な業務は船台のレンタル事業で 事業規模 ある。 現在 2 隻の製造中止があり(船台をレンタル提供した新造船)、同社は 経営方針 一定の影響を受けた。今後、会社経営を維持するため、新規事業を開 発する予定。 資本力に乏しく、現在の経済危機に直面し、市場環境の好転を期待す 発展計画 る。 - 147 - 第五部:企業信用度 船主と共同建造を行ったものに、以下の要因から遅延状況を生じた。 遅延状況 ・建造資金の不足により、生産を一時中止した。 ・生産工程が不十分のため、納期延期となった。 契約破棄 なし。 不良記録 2007 年臨海市環境汚染リストの対象事業者となった。 同社は、船台を「個人経営者」にレンタル提供し、資金難から建造中 紛争事例 止に至り、船主及び当該社より損害請求を受けた。 取引先評価 なし。 第六部:まとめ ・民間企業であり、資本力に乏しい。 ・主要業務は船台のレンタル事業、及び船主との共同建造 ・造船事業の経験も短く、経営能力も低く、共同建造の対象者が個人 事業評価 船主であり、リスクも大きい。 ・同社は業界内で小規模事業者であり、取引と提携は慎重を期すべき と考えられる。 民間企業であり、設立期間が短く、経営基盤が弱い。故に、共同事業 リスク評価 の危険度は「高い」と判断する。 - 148 - 企業 No.13 山東省威海船厰 基本経済指標 山東省 土地面積 15.71 万 km2 960 万 km2 総人口数 9,309 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 25,888 億元 246,619 億元 - 149 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 山東省威海船厰 登録住所 山東省威海市环 翠区海濱北路 95 号 郵便番号 264200 経営住所 山東省威海市环 翠区海濱北路 95 号 郵便番号 264200 電話/FAX 0631-5322661 / 0631-5321424 HP/MAIL www.wh-shipyard.com / [email protected] 企業形態 国営企業 資 本 金 9,735.7 万元 株 設立年月 主 1991 年 7 月 出資額(万元) 出資比率 威海市人民政府国有資産監督管理委員会 9,735.7 100% 総 9,735.7 100% 計 法人代表 王 光軍 総 経 理 王 光軍 社 員 数 1,100 人 敷地面積 24 万m2 経営範囲 船舶の製造及び修理(部材加工を含む) ・主に各種コンテナ船、ばら積み船、多目的船の製造及び修理。 ・主にドイツ、オランダ、カナダ、日本などの国に輸出。 業務内容 ・1999 年、ISO9001 国家自営輸出入権を取得。1996 年から輸出船舶 の製造を開始。 ・威海市人民政府国有資産監督管理委員会に所属。 ・船舶製造及び修理の重要な国営企業(山東省の優秀造船企業)。 企業案内 ・中国 CCS、ドイツ GL、フランス BV、日本 NK 等の船級協会の認 証を取得。 ・船体ブロック製造、塗装工場、組立工場などを有する。 - 150 - (社員構成) (資料出所:労資課) 現有社員は 1,100 人、内、管理職は 102 人、社員数の 9%を占め、技術者は 126 人、 社員数の 11%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,600 人。 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録資本金:1,876.5 万元。 法人代表: 阎 (ヤェン)福池 1991 年 住所:山東省威海市海濱中路 28 号 会社前身:国営文登専区実業公司農具修配廠(1951 年成立) 1962 年、威海船舶修理廠に変更、1991 年、改めて山東省威海船厰で登 録 1996 年 2003 年 威海市全般計画により、登録資本金を 9,735.7 万元に増資、住所を威海 市海濱北路 95 号に変更 法人代表を王光軍に変更 - 151 - 3.企業組織(組織図) 物資供給部 生 産 部 品質検査部 人的資源部 総 務 室 工事技術部 技術工程部 社 長 資産管理部 武装防衛部 財 務 部 総合管理部 経営開発部 党政作業部 安全環保部 - 152 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 170 * 25 10,000 80 * 1 2 100 * 17 5,000 40 * 1 3 100 * 17 5,000 40 * 1 4 200 * 28 30,000 200 * 1 注 1:上記寸法は建造できる最大船種の寸法。 注 2:3 万トンの船台は新工場にあり、旧工場にある 3 つの船台は来年末までの使用となる。現 在、旧工場の船台で 1,300TEU のコンテナ船を製造。新工場の船台では主にばら積み船を 製造。 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 369 * 50 * 11 100,000 300 * 2 2 270 * 50 * 11 100,000 ドック修理 注:上記ドックは建設中であり、2009 年末に完工する予定。また、30 万トンドック(1 基)を 建設する予定。2009 年から建設を開始し、2011 年末完工。 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 800 40 * 1,20 * 2 2 ― ― (資料出所:経営開発部) 注:艤装岸壁を 4 基建設する予定。 - 153 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 5 34,130 2006 年 6 44,290 2007 年 2 33,600 13 112,020 合 計 注:同社は直近三年間で 13 隻竣工。(累計積載量:112,020 トン。) 表 2-5 船 型 366TEU コンテナ船 1300TEU コンテナ船 366TEU コンテナ船 366TEU コンテナ船 L/B/D(m) DWT 隻数 4,820 1 17,650 1 4,820 1 4,820 1 L:99.631 B:6.9 D:7.55 L:161 B:25 D13.9 L:99.63 B:16.9 D:7.55 L:99.63 B:16.9 D:7.55 表 2-6 主な船型 船 主 引渡日 オランダ・マイ アムステル 3月 ダム 2005 年 煙海、パーヘ 11 月 ル二ア 海運会社 ドイツ・ウィン 2005 年 12 月 トル海運会社 オランダ・マイ 名 2005 年 ル海運会社 ドイツ・ブリス 船 2006 年 4月 ル海運会社 バルト海 アル二ク 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 船 主 納 期 コンテナ船 92,500 4 ギリシア・センメデス川海運会社 2010 年 大湖型ばら積み船 30,000 8 カナダ・フォレスト海運会社 2010 年 1300TEU コンテナ船 17,650 2 ドイツ・マトー海運会社 2009 年 船 型 (資料出所:経営部及び総務室) 注 1:受注契約済み船舶は 30 隻(累計積載重量約 70 万トン)。受注は 2011 年まですべて契約済み。 注 2:大型ばら積み船(Lake bulk carrier)は、セントローレンス(Saint Lawrance)水道を経由 し、アメリカとカナダの国境に接する五大湖とを結ぶばら積み貨物船であり、主に石炭、 鉄鉱石及び糧食を輸送している。 - 154 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 39,154.8 2006 年 48,085.5 2007 年 64,495.3 (目盛単位:10 万元) 直近三年間の売上げは一定に上昇している。 - 155 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 4,808.55 6,449.53 主要業務の支出額 4,378.38 5,657.27 主要業務の収益額 430.17 792.26 管理経費 198.46 275.40 販売経費 0 0 財務経費 133.05 87.65 販売利益 98.66 429.21 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 0.03 1.51 その他 -4.81 -9.00 総利益 93.88 421.72 純利益 93.88 421.72 資産に対する収益 ROA 2.31% 3.63% -20.58% 15.5% 資産管理データ 自己資本利益率 ROE 負債率 -9.91 - 156 - 3.27 2.技術開発 技術部門 技術者 126 人の内、31 人が設計者、26 人が研究開発者。 世界の船舶設計業界で利用されている先進的な 3D デジタル設計ソフトを 導入——Tribon システム、本ソフトシステムはグローバルに有名な造船設 設計能力 計システムであり、3D 立体画像のデジタル設計を通じて作業図、設計図、 部品図、統計表等の再生が可能となり、更に干渉検査、繰り返し検査等の 機能も有しており、 「シミュレーション船舶製造」の理念を実現した。3,000 トンタンカー、30,000 トンばら積み船の設計及び製造を可能とする。 設計部門 2004 年に製品研究、新船型開発、生産設計開発などの機能を有する省級の 技術部門を設けた。 現在まで知的所有権の申請実績はない。自社の技術レベルを向上するため、 開発能力 研修を目的に技術者 30 人ほどをフィランドに派遣。 3. 関連会社 表 3-3 資本関係 親会社 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 威海市人民政府国有資産監督管理 委員会 中国政府部門に所属。 威海船廠と済鋼集団との合弁により 威海済鋼啓躍船材有限公司 設立。主要業務は鋼材加工、販売及び 物品配達。 威海船廠と世界的に有名な船舶設計 山東德他馬林海事工程有限公司 会社「フィランド・デタマリン」との 合弁により設立。主に生産設計を行 う。 子会社 主に舶用パイプの一次加工と電気メ 山東新船重工管旭(シー)装製作 ッキを行う。年間加工能力は約 8,000 有限公司 トン、2 期工事が完工後、生産量は 2 万トンまで拡大する見通し。 山東新船重工鋼質旭(シー)装件 製作有限公司 主に舶用部品、組立部品、ハッチカバ ー等を生産し、年間加工量は約 1 万ト ン。 - 157 - 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶研究設計院 船舶設計 長江船舶設計院 船舶設計 上海欧得利船舶工程有限公司 船舶設計 山東德他馬林海事工程有限公司 船舶設計(威海船廠傘下の合弁会社) 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 大連船用柴油機廠 本 MAN-B&W ディーゼルエンジンをばら積 体 上海滬東重機股分有限公司 鋼 考 み船、コンテナ船、タンカーなどに使用。 済南鋼鉄集団公司 各種鋼板を使用(10mm,12mm,14mm, 武漢鋼鉄集団公司 16mm を常用)。 板 - 158 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・2005 年 8 月、工場移転プロジェクトを展開。同プロジェクトは総投 資額 24.26 億人民元。工事を 3 段階に分割。第 3 期工事完工後、年 間建造能力は 100 万トンまで拡大する。同プロジェクトは「山東省 最新課題 重点技術革新プロジェクト」に選出された。 ・近代化造船モデルをもとに新工場を設計。これを契機として「造船 の一元化、情報化、人材重視」の三大戦略を実施。 ・新工場では、造船用、修繕船用 10 万トンドック 1 基をそれぞれ建設 中。 危機に対応し、山東省威海船厰は以下の対策を実施; ・取引先との緊密な交渉を行い、クライアントの状況と貿易会社の資 産管理状況を調査する。ビジネス、法律、信用リスクをマネージ・ コントロールする。 危機対応 ・コストダウン。コスト管理を強化し省エネ生産を実施する。 ・品質確保、納期厳守。 ・製造、修理を共に展開、修繕船事業を拡大する。 ・経営戦略の見直し。外国クライアント以外に中国海運会社とも交渉 する。 2.事業計画 ・造船、修理事業を同時に展開。数年間で造船事業を拡大し、設備の 制限から修理事業を縮小した。市場の変化に対し、製造・修理を共 組織体制 に発展させ、危機への対応能力を高める。 ・デターシグマ社との提携を契機に、高付加価値船舶の設計に参画す るなど、競争力の強化に努めている。 事業規模 国営の重点造船廠であり、山東省の優秀造船企業である ・市場の変化に直面し、造船・修繕船を同時に展開するなど、リスク を分散する。 ・取引先の多くが自社用に船舶を購入しており、金融危機の影響に伴 経営方針 う契約キャンセルは未だ発生していない。また、多くの取引先は、 金融危機以前に中古船を販売し、資金回収を実施しており、故に造 船所に及ぶまでには大きく影響していない。 ・船台は 2011 年まですべで契約済みとなっている。 ・技術を革新し、競争力を高める。 ・資源の再利用、新しい戦略を導入し、企業の発展を速める。 発展計画 ・管理と技術革新を重視。生産プロセスの最適化を図り、中間製品の 供給システムを構築し、艤装能力を向上させる。 ・コスト管理を強化し、先進的な少エネ技術を全面的に活用する。 - 159 - 第五部:企業信用度 遅延状況 なし。 金融危機以降、同社は取引先との緊密な交渉を行い、故に、これまで 契約破棄 に契約キャンセルは発生していない。 不良記録 紛争事例 2006 年末、外注先 5 ヶ所で負傷事故があった。 2000 年、SCHOELLER 控股有限公司を裁判所に提訴し、船舶取引に 関係のない旨を確認した。 ・信用があり、納期を遵守。 取引先評価 ・建造技術力が高く、建造船舶は基本的要求を満たしている。 ・国営企業で、安定した経営力を有する。技術力は業界内で平均以上 第六部:まとめ ・船舶製造の事業経験が長く、国有企業である。 ・一定の投資規模と資金力を有し、直近三年間で急速に発展。 ・製造、修理を同時に展開、危機への対応能力を強化した。 事業評価 ・現在、新工場は生産と建設を同時展開中にあり、新工場建設完工後 は、建造能力の大幅な拡大が見込まれる。 ・同社は業界内で中規模事業者であり、中小規模の取引と提携が適当 と考えられる。 国営企業で安定した経営力を有し、業界内で総合実力は平均的以上であ リスク評価 る。故に、共同事業の危険度は「低い」と判断する。 - 160 - 企業 No.14 中国長江航運集団江東船厰 基本経済指標 安徽省 土地面積 13.97 万 km2 960 万 km2 総人口数 6,110 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 7,346 億元 246,619 億元 - 161 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 中国長江航運集団江東造船所 登録住所 安徽省蕪湖市江東路 9 号 郵便番号 241001 経営住所 安徽省蕪湖市江東路 9 号 郵便番号 241001 電話/FAX 0553-3938888 / 0553-5727119 HP/MAIL www.jdshipyard.com / [email protected] 企業形態 国民所有制 設立年月 1982 年 7 月 資 本 金 2,854 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 2,854 100% 2,854 100% 中国長江航運(集団)本社 総 計 法人代表 艾 湖 総 経 理 艾 湖 社 員 数 1,152 人 敷地面積 27.8 万 m2 経営範囲 船舶の設計、製造及び修理 ・主に各種コンテナ船、ばら積み船、多目的船を製造。 ・主にドイツ、チリ、シンガポール、インドネシア、日本、韓国、泰、 業務内容 香港、台湾等の国及び地域に輸出。 ・OHSAS 審査に合格。 ・中国長江航運集団に所属。 ・安徽省船舶製造の優秀企業で、長江航運集団大型船舶造修船事業の 基幹企業である。 企業案内 ・アメリカ ABS、ドイツ GL、イギリス LR、フランス BV 等船級協 会及び中国船舶検験局 ZC の認証を取得。 ・デジタル制御加工工場、塗装工場等を有する。 ・蕪湖市において、初め「A 級」生産企業との評価を得ている。 - 162 - (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 1,152 人、内、管理職は 89 人、社員数の 8%を占め、技術者は 104 人、 社員数の 9%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,500 人。 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)。登録資本金:1,740 万元 1982 年 7 月 社名:長江航運管理局江東造船所 住所:蕪湖市長江路;法人代表:陳 清泉 1990 年 6 月 社名を長江輪船本社江東造船所に変更。住所を蕪湖市江東路 9 号に変更。 登録資本金を 2,140.4 万元に増資 1992 年 資本金を 2,144 万元に増資 1993 年 法人代表を金勇に変更 1994 年 法人代表を史永普に変更 1997 年 1999 年 2003 年 社名を長江航運管理局江東造船所に変更 法人代表を陳清泉に変更 社名を中国長江航運集団江東造船所に変更 法人代表を艾湖に変更 資本金を 2,854 万元に増資 - 163 - 3.企業組織(組織図) 副 社 生産計画処 船 機 電 分 廠 供 内 給 処 公 予 処 理 公 司 安 処 江東酸素製造廠 行政基建処 設備エネルギー処 技 造船事業部 副 社 経 長 営 処 江東機械廠 社 長 質 計 処 事 会計監査処 務 室 人事教育処 企業管理事務室 副 総 会 計 士 財 務 処 技 術 会 社 総 技 師 認証事務所 長 総師事務所 党委副书 记 が代理 - 164 - 司 物 資 総庫 長 社 長アシスタント 装 監 査 処 調停事務室 保 衛 処 人 武 部 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 200 * 45 50,000 250 * 1 2 150 * 28 10,000 100 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 注:ドック建造を計画中。 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 190 40 * 2 2 ― ― (資料出所:経営部) 注:現在、艤装岸壁を建設中。 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 4 53,280 2006 年 3 41,280 2007 年 4 49,760 11 144,320 合 計 注:同社は直近三年間で 11 隻を竣工(累計積載重量 144,320 トン)。2008 年には 5 隻を建造 (累計積載重量 60,000 トン)。 - 165 - 表 2-5 船 型 1100TEU コンテナ船 L/B/D(m) DWT 主な船型 隻数 船 主 引渡日 船 13,000 1 独マロー社 2005 年 光栄号 12,000 1 独ボルガ社 2006 年 BULUGA.FO 8月 RMATION 12,000 1 独ボルガ社 12,000 1 L:148 D:23.25 B:11.5 L:138 多目的船 D:21 B:11 L:138 多目的船 D:21 2008 年 9月 B:11 L:138 多目的船 名 D:21 B:11 表 2-6 独ボクスデック 2007 年 12 月 社 BBC-コロラド アラバマ号 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 1036TEU コンテナ 10,200 2 BUSS 1000TEU コンテナ 13,000 8 Reederei Jungerhans ばら積み船 57,000 6 Topoceania 2009-2011 年 ばら積み船 57,000 4 WEM Lines 2009-2010 年 プロダクトタンカー 46,000 2 南京油運株式有限会社 船 型 船 主 CAFITAC 納 期 2012 年 2009 年 2009 年 (資料出所:経理課及び経営部) 注:受注契約済み船舶は約 36 隻(累計積載重量は約 97 万トン)。ドイツを始め、国外船主が 多い。ドイツ銀行から厚い信頼をえている。 - 166 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 49,475.4 2006 年 48,967.8 2007 年 65,458.0 (目盛単位:10 万元) 2006 年の売上げは前年比で僅かに減少、但し、2007 年の売上げは前 2 年間の額を上回 った。 - 167 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 4,896.78 6,545.80 主要業務の支出額 4,088.09 5,378.10 主要業務の収益額 808.69 1,167.70 管理経費 325.25 420.00 販売経費 3.94 5.20 財務経費 270.87 -91.00 販売利益 208.63 833.50 投資収益 1.20 4.50 補助金收入 0.11 0 販売外収入 5.54 5.30 その他 -15.11 -37.30 総利益 200.37 806.00 純利益 138.61 626.00 資産に対する収益 ROA 1.92% 4.65% 自己資本利益率 ROE 18.03% 44.49% 8.4 8.57 資産管理データ 負債率 - 168 - 2.技術開発 技術部門 設計能力 技術者 104 人の内,52 人が設計者、技術開発者なし。 5 万トン以下の船舶の設計製造が可能であり、主な船型はコンテナ船とば ら積み船。 2008 年 12 月,蕪湖市経済委員会、発展改革委員会、科学技術局、地方税 設計部門 務局及び蕪湖税関に「蕪湖市級企業技術中心」の認定(一部の国家優遇政 策と関連項目の免税など)を受けている。 開発能力 開発研究者がおらず、多目的貨物船のハッチカバーにかかる知 的所有権の申請を得たが、認定には至らなかった。 3. 関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 国務院国有資産監督管理委員会が管轄する大型企 親会社 中国長江航運(集団) 本社 業集団である。中国内陸河川で最大手の水上輸送 企業で、中国唯一の遠洋、沿海、揚子江及び運河 輸送サービスを提供する企業である。国家に批准 された 57 社の 1 つである。 子会社 ― なし 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海船舶設計院 船舶設計 上海 708 所 船舶設計 表 3-5 設備・資材 本 サプライヤー サプライヤー名 備 考 独 MAN B&W ディーゼル会社 主にコンテナ船に使用 独マークディーゼル有限会社 主に多目的船に使用 独 MAN B&W ディーゼル会社 主にコンテナ船に使用 独マークディーゼル有限会社 主に多目的船に使用 体 付属品 注:本体、付属品は主にドイツから輸入。 - 169 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・技術革新を図り、事業規模を拡大するとともに、トヨタ生産方式を導 入。革新の生産技術により、生産プロセスを最適化して、技術課題を 克服する。 最新課題 ・機能要求を満足しない外注設備(製品)に対処するため、同社は、係 留状態において、プロペラ軸系、操舵装置を水中艤装できる工法を考 案した。ドイツ GL 船級協会の検査に合格。 ・2007 年末、蕪湖長江輪船会社西華基地の一部施設を借用。 ・2012 年まで契約済み。契約キャンセルの発生はない。 ・2012 年以降の工事量が少なく、新造船価格も下落しており、同社は船 危機対応 主との様々な交渉を積極的に展開している。 ・製造中の船舶について、船主要求を満たす品質管理を維持し、契約納 期を厳守する。 2.事業計画 人材の不足・流失は造船業界が直面している課題であり、同社は以下の 対応を実施。 組織体制 1. 高度専門人材の雇用制度の策定。 2. 高度専門人材の給与の改善。 3. 高度専門人材の育成(短期、中期、長期の育成)。 事業規模 業界内では中規模事業者に属する。 ・管理レベルをアップさせる。管理手法を改善し(実績評価の導入等)、 経営方針 コストコントロールを強化し、収益を拡大する。 ・技術革新の強化。技術革新、自主開発、省エネ、排出削減などにより 企業を良い方向に発展させる。 ・企業の潜在力を再評価する。同社は基礎的管理業務を堅持し利益を追 求;安全生産を重視し利益を追求;生産効率を高め利益を追求;国際 発展計画 先進レベルをスタンダードに、同社を業界内大手に発展させる。 ・新工場への移転。蕪湖市政府の都市計画により、新工場の建設完工後、 旧工場を廃棄する。 ・相乗効果を高める企業風土と企業経営の融合化への取り組み。 - 170 - 第五部:企業信用度 ・過去、輸入部品の納品遅れにより納期遅延を伴ったが、契約破棄未満 遅延状況 での引き渡しとなった。 ・金融危機の発生以降、納期遅延はない。 契約破棄 なし。 ・2005 年 7 月、江東造船所が 1,100TEU コンテナ船 S1 を建造する際、 操作ミスから 30 トン門型クレーンが倒壊し、1 人が重傷。 不良記録 ・2007 年末、船台基礎工事を行う際、震動により蕪湖長江の堰が陥没。 ・2008 年 8 月、西華基地埠頭に係留する 14 号 12,000 トンばら積み船 の操縦室内で、作業者が感電死。 紛争事例 なし。 ・国有企業で、安定した経営力を有する。 取引先評価 ・建造船舶の技術及び品質は平均的。 ・契約納期を遵守する。 第六部:まとめ ・船舶製造の事業経験が長く、国営企業である。 ・一定の投資規模と資金力を有し、近年、企業グローバル化の環境の中 で急速に発展。 事業評価 ・ドイツ船主が一番多く、ドイツ銀行から厚い信頼を得ている。 ・金融危機の影響により、2012 年以降の受注がなく、対策を検討中。 ・同社は業界内で中規模事業者であり、中小規模の取引と提携が適当と 考えられる。 安定した経営力を有する親会社の下で、国有資本により運営され、船舶 リスク評価 製造の事業経験が長く、成長発展の勢いがあり、業界内で総合実力は平 均的以上である。故に、共同事業の危険度は「やや低い」と判断する。 - 171 - 企業 No.15 浙江天時造船有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 172 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 浙江天時造船有限公司 登録住所 浙江省温嶺市松門鎮白岩村 郵便番号 317511 経営住所 浙江省温嶺市松門鎮白岩村 郵便番号 317511 設立年月 2004 年 5 月 電話/FAX 0576-86693589 / 0576-86693587 HP/MAIL www.tsship.com / [email protected] 企業形態 有限責任会社 資 本 金 10,000 万元 株 出資額(万元) 出資比率 藩 夏冬 1,913 19.13% 梁 新方 3,443 34.43% 周 楽初 1,147 11.47% 徐 亨明 1,366 13.66% 周 楽生 929 9.29% 王 敏華 382 3.82% 張 華斌 820 8.2% 10,000 100% 総 主 計 法人代表 梁 新富 総 経 理 張 華斌 社 員 数 73 人 敷地面積 25 万 m2 経営範囲 船舶の製造及び修理 ・主に船舶レンタル事業に従事する。一部船舶を船主と共同で製造。 業務内容 ・主に海洋作業船とばら積み船を製造。 ・個人投資より成立した民間企業。 ・成立期間が短く、事業経験に乏しい。 企業案内 ・中国 CCS 船級協会の認証を取得。 ・船体ブロック製造工場、船体、艤装、部品組立、塗装、前処理など の工場を有する。 - 173 - (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 73 人、内、管理職は 15 人、社員数の 20.5%を占め、技術者は 20 人、社 員数の 27%を占める。その他:派遣従業員数は約 320 人。 - 174 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録番号:3310812010287。 登録資本金:500 万元、法人代表:梁福東 2004 年 社名:温嶺市順達船舶修造有限会社。 株主及び出資比率:藩夏生(10%)、梁福東(30%)、梁新方(30%)、藩夏冬 (30%) 2005 年 11 月 法人代表を藩夏冬に変更 社名を浙江天時造船有限公司に変更 法人代表を王敏華に変更 2006 年 8 月 株主及び出資比率を変更:王敏華(4.17%)、江玲君(10.12%)、周楽生 (10.12%)、周楽初(12.5%)、徐亨明(14.88%)、藩夏冬(20.83%)、梁新 方(27.38%) 2006 年 8 月 登録資本金を 5,000 万元に増資。株主及び出資比率の変更なし 2007 年 2 月 登録資本金を 6,200 万元に増資。株主及び出資比率の変更なし 2007 年 3 月 登録資本金を 10,000 万元に増資。株主及び出資比率の変更なし 登録番号を変更。株主及び出資比率を変更:王敏華(4.17%)、周楽生 2007 年 8 月 (10.12%)、周楽初(12.5%)、徐亨明(14.88%)、藩夏冬(20.84%)、梁新 方(37.5%) 2008 年 10 月 法人代表を梁新富に変更、株主及び出資比率を現在に変更 - 175 - 3.企業組織(組織図) 総 技 師 財 務 部 事 務 室 社 長 理事会 品質検査部 供 給 部 設備管理部 - 176 - 安 全 部 作 業 場 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 300 * 36 40,000 160 * 1 2 250 * 35 40,000 160 * 1 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 215 * 40 * 10 60,000 300 * 1 2 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 150 ― 2 ― ― (資料出所:経営部) 注:20 トン~30 トンのクレーンを建設する予定。 - 177 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 ― ― 2007 年 ― ― 合 ― ― 計 注:2004 年の設立で、当初は船台のレンタル事業が主業務。2008 年、船主との共同建造を開始。 故に、2005 年~2007 年の間、自社製造の船舶なし。レンタル船台で製造した船舶 25 隻。内、 2006 年~2007 年 2 月までに製造した 22 隻はすべて小型船舶である。2007 年以降、万トン 級以上の大型船舶を製造。2008 年以降、船主との共同建造する 4 隻の船舶は製造目下段階に あり、2009 年に引き渡す予定。 表 2-5 船 型 ― L/B/D(m) ― DWT 隻数 ― ― 主な船型 船 主 引渡日 ― ― 船 名 ― 注:現在、共同建造する船舶は製造段階にある。 表 2-6 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 タンカー 6,000 1 天津東方近海船務有限会社 2009 年 ばら積み船 57,000 1 温嶺市平安海運有限会社 2010 年 ばら積み船 54,500 1 温嶺市平安海運有限会社 2009 年 ばら積み船 35,000 1 温嶺市平安海運有限会社 2009 年 船 型 船 主 納 期 (資料出所:経理課及び経営部) 注:上記は船主との共同建造する船舶。現在の同社の手持ち工事量は 10 隻。内、4 隻は船主との 共同建造船(累計積載重量:約 15 万トン)。残り 6 隻は船台を船主にレンタル提供する船舶。 - 178 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 0 2006 年 0 2007 年 210.6 (目盛単位:10 万元) 同社は 2004 年に設立したが、2005 年と 2006 年は販売実績なし。 - 179 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 0 21.06 主要業務の支出額 0 57.03 主要業務の収益額 0 -35.97 管理経費 0 20.87 販売経費 0 0.55 財務経費 0 7.58 販売利益 0 -64.97 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 0 0.05 その他 -50 -3.17 総利益 -50 -68.09 純利益 -50 -68.09 資産に対する収益 ROA -8.73% -5.3% 自己資本利益率 ROE -9.92% -7.28% 0.14 0.37 資産管理データ 負債率 - 180 - 2.技術開発 専門的な設計者と技術開発者なし。船舶設計を専門業者に外部委託して 技術部門 いる。 設計能力 業界内では小規模事業者に属する。 設計部門 なし。 開発能力 なし。 3. 関連会社 表 3-3 資本関係 会 社 名 親会社 ― 資本関連 会 社 概 要 個人投資より成立。 浙江騰龍造船所(元台州市騰龍造船所)は民間株 式会社である。登録資本:5,000 万。 子会社 浙江騰龍造船所 住所:温嶺市松門鎮渡楼山の東南面。 敷地面積:150 畝。海岸線:350 メートル。 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 上海佳豪船舶工程設計有限会社 船舶設計 表 3-5 設備・資材 本 付 体 属 品 サプライヤー サプライヤー名 備 考 ― ― ― ― 鋼 板 ― ― 塗 料 ― ― 注:原材料、補助的な機械の購入は船主側で行う。 - 181 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 船台のレンタル事業に留まらず、船主との共同建造を積極的に展開す 最新課題 る。 ・市場と受注拡大に努め、船主との共同建造を展開する。 危機対応 ・品質管理と納期遵守を履行する。 2.事業計画 組織体制 金融危機の影響により、市場動向を見据える。組織体制の変更なし。 事業規模 業界内では小型規模事業者に属する。 ・市場を積極的に開拓する。共同建造から自社(単独)建造に移行する。 経営方針 ・技術力を強化し、企業の総合競争力を高める。 ・船台のレンタル事業、船主との共同建造を同時に展開する。 発展計画 ・手持ち工事量が不足であり、国内外市場を積極的に開拓する。 ・海外船主との交渉を積極的に展開し、受注拡大に努める。 - 182 - 第五部:企業信用度 遅延状況 2008 年まで竣工船舶なし。共同建造船は現在製造段階にあり、引き 渡しに至っていない。 契約破棄 金融危機の影響により、ばら積み船 2 隻が船主側より契約キャンセル された。 2008 年 3 月 24 日、3 号ドックで、ME60/10+60/10—33.8A5 門型ク 不良記録 レーンが作動中、 (10 トンサブクレーンの移動の際、)ケーブルが切断 し、1 人死亡。 紛争事例 なし。 取引先評価 なし。 第六部:まとめ ・民間企業であり、造船事業の総合力は平均的。 ・設立期間が短く、事業経験に乏しい。 事業評価 ・受注能力が低い。 ・同社は業界内で小規模事業者であり、取引と提携は慎重をきすべき と考えられる。 民間企業であり、設立期間が短く、経営基盤が弱い。故に、共同事業の リスク評価 危険度は「高い」と判断する。 - 183 - 企業 No.16 東方造船集団 (元浙江東方造船有限公司) 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km 2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 184 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 東方造船集団有限公司 登録住所 浙江省楽清市七里港馬道頭 郵便番号 325605 経営住所 浙江省楽清市七里港馬道頭 郵便番号 325605 電話/FAX 0577-62652886 / 0577-62671151 HP/MAIL www.dongfangship.com.cn / [email protected] 資本形態 有限責任公司 資 本 金 5,000 万元 株 主 1997 年 5 月 設立年月 出資額(万元) 出資比率 胡 志芬 1,600 32% 陳 秀丹 1,475 29.5% 胡 志平 1,925 38.5% 5,000 100% 総 計 法人代表 譚 孝沛 総 経 理 譚 孝沛 社 員 数 298 人 敷地面積 30 万 m 2 船舶製造及び修理、船舶設計、機械設備の製造、機械加工、不動産投資、 経営範囲 製品及び貨物の輸出入業務。 ・主な業務:ケミカル船、ばら積み船、コンテナ船(多目的船)の製造 ・主な船舶輸出国:ドイツ、ノルウェー、イタリア、フランス、ギリシ 業務内容 ャ、UAE 等に輸出 ・近年、船舶輸出を主要業務とし、国内販売を副次的に行っている。そ のほか、高付加価値船舶(特殊船)の建造を行っている。 - 185 - ・同社は個人 3 名の共同投資により設立された会社である。 ・同社は浙江省船舶検験局温州船舶検験処から温州造船業の「龍頭」と 称されている。2006 年に「中国機械企業トップ 500 社」、温州市重 点核心企業、楽清市工業企業トップ 50 社に選出されている。 企業案内 ・同社は中国 CCS、アメリカ ABS、台湾 CR、フランス BV、ドイツ GL、ノルウェーDNV、日本 NK 等の船級協会の基準及び規範に基づ く、各種船舶の製造が可能である。 ・船体ブロック、タービン、電機、機械加工、塗装、NC 加工等の工場 を有する。 (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 298 人、内、管理職は 48 人、社員数の 16%を占め、技術者は 102 人、社 員数の 40%を占める。その他:派遣従業員数は約 860 人。 - 186 - 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立), 登録資本金:300 万元 1997 年 5 月 社名:浙江七里港船業集団東方船舶修造廠 法人代表:胡志平 株主と出資比率(陳秀丹 13.5%、胡志芬 30.25%、陳通考 56.25%)。 1998 年 3 月 社名を常安集団楽清市東方船舶修造廠に変更、法人代表を陳通考に変更 1999 年 4 月 社名を楽清市東方船舶修造廠に変更、登録資本金を 800 万元に増資 社名を楽清市東方造船有限公司に変更、法人代表を胡志平に変更,登録 2002 年 8 月 資本金を 1,000 万元に増資,株主と出資比率を変更(陳秀丹 18%、陳静 18%、胡志芬 28%、胡志平 36%) 2002 年 11 月 2003 年 2 月 2003 年 7 月 2004 年 1 月 2004 年 5 月 2005 年 10 月 2005 年 10 月 2006 年 3 月 株主と出資比率を変更(陳通考 10%、陳秀丹 18%、陳静 18%、胡志平 26%、胡志芬 28%) 法人代表を陳通考に変更,株主と出資比率を変更(陳秀丹 18%、胡志芬 28%、陳通考 54%) 法人代表を陳志平に変更,株主と出資比率を変更(陳秀丹 18%、胡志芬 28%、陳志平 54%) 登録資本金を 4,000 万元に増資,株主と出資比率を変更(陳秀丹 29.5%、 胡志芬 32%、胡志平 38.5%) 社名を浙江東方造船有限公司に変更。 株主と出資比率を変更(陳通考 12.5%、胡志平 26%、陳秀丹 29.5%、胡 志芬 32%) 法人代表を陳通考に変更,株主と出資比率を変更(陳秀丹 29.5%、胡志 芬 32%、陳通考 38.5%) 法人代表を胡志平に変更,株主と出資比率を変更(陳秀丹 29.5%、胡志 芬 32%、胡志平 38.5%) 2006 年 5 月 登録資本金を 5,000 万元に増資(株主と出資比率の変更なし) 2006 年 7 月 社名を東方造船有限公司に変更 2007 年 3 月 社名を東方造船集団有限公司に変更,法人代表を譚孝沛に変更 - 187 - 3.企業組織(組織図) 船 務会 社 投 資 部 投 資 租 賃 課 船 局 課 船台監督課 課 通 基 建 課 航 倉 課 庫 生 産 部 管理者代表 施 工 隊 設 備 課 生 産 工 場 総 経 理 生産副総経理 技術開発部 取締役会 安 全 課 常務副総経理 財 務 部 人 武 部 共 青 経営貿易部 党 支 部 労 働 組 合 団 品質検査課 設 計 課 事 務 室 統 計 課 財 務 課 供 給 課 経 営 課 国際貿易課 婦女連合会 事 務 室 - 188 - 文 印 室 人 事 課 秘 書 課 綜 合 課 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 No. 長さ * 幅(m) 1 180.5 * (25~45) 船台数量及び寸法 クレーン(t * 数量) トン級 10,000 80~150 * 1(船台毎) 12,000 15,000 8,000 20,000 2 ― ― ― 3 ― ― ― 注:同社は船台を 14 基有し、長さはすべて 180.5m、幅は 25~45m、トン級は 1 万トン~2 万ト ン。船台毎 80 トン~150 トンクレーン 1 台を装備。当該船台はトン級調整が可能であり、 取引先の要求に応じて、1 万トン級船台で 2 隻を同時建造でき、2 基の船台を繫ぎ合わせて 1 隻の大型船舶を製造できる。 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 3 ― ― ― 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 24 ガントリークレーン 2 24 ガントリークレーン 3 24 ガントリークレーン (資料出所:経営部及び事務室) - 189 - 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の新造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 10 60,500 2006 年 5 40,300 2007 年 4 36,800 19 137,600 合 計 注:同社は直近三年間で 19 隻が竣工(累計積載重量 137,600 トン)。 2008 年には 9,000 トンのケミカルタンカー3 隻が竣工(累計積載重量 27,000 トン)。 表 2-5 船 型 ケミカル タンカー ケミカル タンカー L/B/D(m) 主な船型(例) DWT 隻数 9,000 1 9,000 1 12,000 1 船 L:117.6 B:19 D:10 D:10 713TEU L:140.3 コンテナ B:20 2008 年 Brovigtank AS 公司 3月 ノルウェー 2008 年 Brovigtank AS 公司 5月 南青海運有限公司 D:10.5 船 表 2-6 引渡日 ノルウェー L:117.6 B:19 主 2006 年 4月 船 港湾号 福徳号 天祥 68 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 多目的貨物船 6,050 10 オランダ納維吉航運公司 多目的貨物船 8,000 6 ドイツ布諾漢航運公司 2009 年 多目的貨物船 8,000 4 ドイツ瑞克航運公司 2010 年 ケミカル船 9,000 5 ドイツ赫伯羅特航運有限公司 2009 年 船 型 名 船 主 納 期 2009~2010 年 (資料出所:経理課及び経営部) 注:受注船舶 34 隻(累計積載重量約 25 万トン、内、建造中:14 隻、未起工:20 隻(9,000 トン 5 隻,8,000 トン 15 隻)。 - 190 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 15,600.0 2006 年 18,917.5 2007 年 22,069.8 (目盛単位:10 万元) 直近三年間の売上げは大幅な成長率にはないものの、安定的に成長している。 - 191 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務売上 1,891.75 2,206.98 主要業務コスト 1,710.88 1,811.98 主要業務収益 180.87 395.00 管理費用 41.50 81.12 販売費用 3.58 6.95 財務費用 69.42 199.03 販売利益 66.37 107.90 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 21.91 9.79 その他 -3.60 4.20 総利益 84.68 121.89 純利益 56.74 81.67 資産に対する収益 ROA 1.2% 0.84% 自己資本利益率 ROE 9.87% 8.85% 7.26 9.52 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 120 人の内、62 人が設計者、9 人が研究開発者。 5 万トン級以下のばら積み船の設計製造を可能とする。しかし、場所の 設計能力 制限は同社の設計能力に影響がある。 設計部門 設計部門を有する。なお、国と省級部門の審査は未承認。 研究開発者がおり、独自の開発能力を有し、過去に、最新の GPS を搭 開発能力 載し、自動運転が可能となる「無人客室Ⅱ類ケミカル専用船」を製造。 なお、当該船舶を含めて、知的所有権の申請実績はない。 - 192 - 3. 関連会社 表 3-3 資本関連 資本関係 会 社 名 会 社 概 要 親会社 ― ― 主に造船業に従事し、立地要件(楽清)から 東方造船株式有限公司 住所を安徽ツォン陽に移転。 東方造船集団楽清輸出入有限 主に船舶輸出入業務に従事。 公司 浙江深港船務有限公司 主に船舶管理業務に従事。 楽清市港口金属鋳件有限公司 主に鋳造品の販売。 浙江七里港船業有限公司 主に造船業に従事。 浙江新東航海運有限公司 主に海運業に従事。 子会社 主に鉄鋼構造物、電気溶接、エア切断、 楽清市宏華 焊 接服務有限公司 機械の加工等に従事。 表 3-4 会社名 提携内容 上海 708 所 主に輸出船舶の船舶設計 武漢船舶設計研究所 主に輸出船舶の船舶設計 表 3-5 設備資材 本 体 鋼 板 塗 料 技術提携企業 サプライヤー サプライヤー名 CATERPPILLAR MOTOREN GMBH 備 考 主にケミカル船に使用 浙江中鋼有限公司 舶用鋼板の購入、販売(宝鋼、重慶鋼鉄等国 上海栄鋼有限公司 内調達) 温州英特油漆経営部 舶用鋼板の購入、販売(国際調達) - 193 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・安徽省に新工場の建設を計画中。当該工場の敷地面積は約 240 万平米、 海岸線は約 4 千メートル、建設は 4 期に分けられ、計画の総投資額は 15 億元。2010 年までに長さ 650 メートル、2 万トン級以上の艤装埠 最新課題 頭 2 基を完成させる予定。3 万トン級エアバッグ進水ラインを 10 本、 6 万トン級以下スライディング進水ラインを 2 本建設する予定。また、 6 万トン以下の船舶を 20 隻同時に製造できると予想される。 ・当地政府の呼びかけに応え、大型民生用船舶を海上輸送船に改造。 ・品質を保証する。金融危機の影響により、船主からの品質要求が高ま っており、船主要求に満足させるため、船舶の品質管理に注力して、 危機対応 契約のキャンセルを防止する。 ・建造能力を高め、納期以前に船舶の引渡しを行う旨を目標に掲げる。 2.事業計画 ・同社は設立から 2007 年まで、複数回の株主と出資比率の変更を経て、 現在は、比較的安定した経営状況にある。 組織体制 ・各部署間の連携、コミュニケーションを強化する。 ・企業風土を確立する(従業員の人生観、価値観等を醸成する)。 温州地区の企業代表の地位にあるものの、船舶の業界内で中規模事業者 事業規模 に属する。 ・技術と管理の革新を持続的に発展させる。建造技術の精度を高め、 「ゼ ロエラー」の理念を確立する。 経営方針 ・優位性を最大限に発揮する。品質を高め、トン級のより大きい、付加 価値のより高い輸出船舶を建造する。 ・建造船舶の品質レベルを高め、建造期間を短縮する。 発展計画 ・国際市場を積極的に開拓し、企業競争力を高める。 - 194 - 第五部:企業信用度 金融危機以前、設備の老朽化が原因で、納期遅延が発生した。 (現在の設 遅延状況 備は、数年前より改善されている) 契約破棄 これまでに、契約のキャンセルは発生していない。 不良記録 2008 年 3 月 15 日、建造船に爆発事故が発生し、2 名死亡、1 名負傷。 2000 年 9 月 18 日、船主に対する 664,789.4 元の賠償命令(青島海事法 紛争事例 院)あり。 (原因は、同社が建造した船舶のエンジンが故障し、停泊中船 舶との衝突事故に至り、当該船が沈没したことによるもの) ・当地では企業規模が大きい。 ・納期遅延が時折ある。 取引先評価 ・建造船舶の品質は平均的。 ・現地政府との関係が良好で、様々な政府支援を得ている。 第六部:まとめ ・同社は民間企業であり、業界内で中規模事業者に属する。なお、当地 では、造船業界のトップ企業と見做されている。 ・同社の事業経験の歴史は比較的長く、十数年の発展を経て、リスク回 事業評価 避能力は比較的高い。 ・業界内で中規模事業者に属し、豊富な業界経験を有しており、企業信 用度は平均的である。 同社は十数年の発展を経て、既に当地トップ企業の地位にあり、技術力 リスク評価 や管理能力も比較的高く、共同事業の危険度は「やや低い」と判断する。 - 195 - 企業 No.17 浙江恒宇造船有限公司 (元舟山市普陀区螺門船舶修造有限責任公司) 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 196 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 浙江恒宇造船有限公司 登録住所 浙江省舟山市普トー区展茅鎮螺門村 郵便番号 316105 経営住所 浙江省舟山市普トー区展茅鎮螺門村 郵便番号 316105 設立年月 1998 年 12 月 電話/FAX 0580-6021061 / 0580-6627210 HP/MAIL ― 企業形態 有限責任会社 資 本 金 5,168 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 李 国治 1,033.6 20% 林 謙峰 4,134.4 80% 5,168 100% 総 計 法人代表 林 謙峰 総 経 理 李 国治 社 員 数 108 人 敷地面積 9 万 m2 経営範囲 スチール加工、船舶の製造及び修理 ・主な業務:元々の事業は船舶修理業、2008 年以降、船舶の製造を 開始。 ・主な船舶輸出国:船舶輸出の経験を有しない。現在の受注船舶の輸 業務内容 出先は、アルバニア、オランダ等の国及び地域である。 ・同社は、主要業務を船舶修理業から船舶製造業に変更した直後、グ ローバルの経済危機に直面し、船主からの建造資金が滞り、同社は 大きな影響を受けた。 ・同社は、個人投資による民間企業である。 ・同社の事業の規模はやや小さい。 企業案内 ・フランス BV、中国 CCS などの船級協会の認証を取得。 ・船体ブロック製造工場のほか、船舶用配管、タービン、電機機械、 内装、塗装工場を有する。 - 197 - (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 108 人、内、管理職は 37 人、社員数の 34%を占め、技術者は 32 人、社 員数の 30%を占める。その他:派遣従業員数は約 700 人。 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録番号:3309031000172。 1998 年 12 月 登録資本金:272 万元、法人代表:李国治 社名:舟山市普トー区螺門船舶修造有限責任公司 株主と出資比率(李国治 8.09%、張川根 5.15%、張惠星ら 33 人 86.76%) 2004 年 3 月 2005 年 3 月 2005 年 8 月 株主と出資比率を変更(李国治 13.24%、張川根 5.15%、張惠星ら 31 人 81.61%) 登録番号を現在の番号に変更。 株主と出資比率を変更(顧文光 11.03%、張惠星 11.76%、銭学鋒 13.97%、 童澤華 17.1%、李国治 46.14%) 登録資本金を 1,045 万元に増資 2006 年 3 月 株主と出資比率を変更(顧文光 10.56%、張惠星 11.25%、銭学鋒 13.37%、 童澤華 16.36%、李国治 48.46%) 2006 年 12 月 法人代表を林謙峰に変更(現在の株主と出資比率に変更) 2007 年 1 月 社名を現在の社名に変更。 2007 年 3 月 登録資本金を 5,168 万元に増資(株主と出資比率の変更なし) - 198 - 3.企業組織(組織図) 生 産 部 品質管理部 術 部 物 資 部 事 務 室 安 全 部 総経理 技 - 199 - 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t *数量) 1 150 * 32 20,000 150 * 1 2 180 * 33 30,000 150 * 1,200 * 1 3 180 * 32 30,000 150 * 1(*) 注:(*)200T クレーンを増設する予定 表 2-2 ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 注:現在、同社はドックを有していないが、ドック建設の将来計画あり。 表 2-3 艤装岸壁の数量及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 96 ― 2 ― ― (資料出所:技術部) 注:クレーンなし。埠頭を延長する予定あり。 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 ― ― 2006 年 ― ― 2007 年 ― ― 合 ― ― 計 注:2007 年以前、同社の主業務は船舶修理及び船台レンタル事業であり、2008 年より船舶製 造を開始。現在、3 隻を同時建造中。 - 200 - 表 2-5 船 型 ― 主な船型 L/B/D(m) DWT 隻数 ― ― ― 表 2-6 船 主 ― 引渡日 船 ― 名 ― 現在受注船舶の主な船型(例) DWT 隻数 ばら積み船 5,000 3 アルバニア船主 2009 年初 ケミカル船 8,000 1 永正海運集団公司 2009 年 船 型 船 主 納 期 (資料出所:経理課及び経営部) 注:現在、受注契約済み船舶は 12 隻(8,000 トンケミカル船 1 隻、5,000 トンケミカル船 3 隻、 艀 8 隻(オランダ船主 2009 年引渡し予定)。建造未着手。 - 201 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 982.5 2006 年 1,067.9 2007 年 74.4 (目盛単位:10 万元) 同社は 2007 年に主要設備と施設の改造を実施したことにより、売上げが急激に低下し た。 - 202 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務の売上額 106.79 7.44 主要業務の支出額 98.44 17.79 主要業務の収益額 8.35 -10.35 管理経費 15.24 33.57 販売経費 0 0 財務経費 1.56 9.88 販売利益 -8.45 -53.8 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 30 0 その他 -16.93 -1.87 総利益 4.62 -55.67 純利益 1.85 -55.67 資産に対する収益 ROA 0.92% -3.88% 自己資本利益率 ROE 1.21% -8.2% 0.31 1.12 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 32 人。設計者なし。 設計能力 船舶設計は、外部の専門船舶設計会社に委託している。 設計部門を有していない。将来の市場の需要動向を見据えて、高度専門人 設計部門 材の募集を検討する。 開発研究者がおらず、新船型に関して自主開発能力を有していない。知的 開発能力 所有権の申請実績もない。 - 203 - 3. 関連会社 表 3-3 資本関連 資本関係 会 社 名 会 社 概 要 親会社 ― ― 子会社 ― ― 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 浙江欣海船舶設計院 船舶設計主(詳細設計) 上海船舶設計院 船舶設計主(詳細設計) 上海 708 所 船舶設計主(詳細設計) 表 3-5 設備・資材 サプライヤー サプライヤー名 備 考 体 MAN B&W 柴油機公司 主に輸出ばら積み船に使用 付属品 MAN B&W 柴油機公司 主に輸出ばら積み船に使用 本 上海宝鋼集団有限公司 鋼 板 舶用鋼板の購入、販売 邯鋼集団公司 - 204 - 第四部:企業戦略 1.最新課題 ・2007 年以降、同社は経営方針を見直し、船舶修繕業から船舶製造業 に事業内容の転換を図り、国際船舶市場を開拓。2.5 億元の資本投資 を行い、建造生産ラインを導入し、船舶の製造基地を建設。 最新課題 ・2008 年より船舶の製造を開始し、同年中に、ばら積み船 3 隻を建造。 昨今、艀船 5 隻を受注し、引き渡しは 2009 年。 ・ばら積み船の市場需要の減少に対処すべく、既存船台を利用し、艀 船を建造する予定である。 金融危機の影響により、船主側に契約違反が発生した。仮に、契約金 危機対応 の支払い等に問題が生じた場合には、引き渡し遅延等の一定猶予を与 えた後、解決に至らなければ法的措置に対応を求める予定である。 2.事業計画 組織体制 従来は船舶修繕業に従事していたが、2008 年以降、船舶製造業を主力業 務とすべく、事業内容の転換を図った。 業界内で小規模事業者に属する。資本力が弱く、造船事業の経験も不足 事業規模 している。 ・金融危機以前、同社は船舶修繕業から船舶製造業に事業内容を転換し た。造船市場の下、建造船舶の付加価値を高め、規模の拡大、専門性 の高度化、高品質・量産化を図ることを目標に据える。 経営方針 ・金融危機の影響から、受注量が減少すれば艀船の建造量を増加し、会 社の成長発展を維持する。経済環境の好転が見込まれた後、改めて経 営方針を再構築する予定である。 ・金融危機以前、多数の高度専門人材の募集を図り、技術と経営力を強 化し、近代化造船基地を建設する計画にあった。 発展計画 ・金融危機の影響により、市場の経済動向を見据えて、企業の発展計画 を再調整する予定である。 - 205 - 第五部:企業信用度 ・2008 年以前は建造船舶がなく、納期遅延はない。 ・2008 年、ばら積み船 3 隻を受注し、経済危機の影響下、船主の契約 遅延状況 支払金が未納となり、納期遅延となった。 ・そのほか、同年、ケミカル船 8,000 トンを受注し、上述同様の下、 船主より納期遅延を要求され、現在、建造中止の状況が続いている。 契約破棄 ギリシア船主よりばら積み船 31,000 トン(2+4 隻)を受注し、基本設計 終了後、上記同様の下、船主より契約キャンセルとなった。 不良記録 2006 年 8 月 11 日、感電事故が発生し、1 名死亡。 紛争事例 2008 年 10 月、労働契約に関する紛争が発生した。 取引先評価 同社は 2008 年以前の建造実績がない故、取引先の評価なし。 第六部:まとめ ・2008 年以前、主に船舶の修理と船台のレンタル事業を経営し、2008 年以降、船舶の製造を開始。 ・同社の資金力は低く、造船事業の経験が少ない。 ・専門的な技術者と管理職が少なく、会社の経営能力が限られている。 事業評価 ・受注船舶の納期遅延要求や、契約のキャンセルが発生しており、リ スク回避能力にやや欠けている。 ・民間資本により運営されている小規模事業者であり、総合力はやや 低く、企業信用度は低い。 民間企業で、造船事業の経験が未だ浅く、業界内で総合実力は平均以 リスク評価 下である。故に、共同事業の危険度は「高い」と判断する。 - 206 - 企業 No.18 寧波市東方船舶修造有限公司 基本経済指標 浙江省 土地面積 10.18 万 km2 960 万 km2 総人口数 4,980 万人 131,448 万人 2007 年度国内総生産 18,638 億元 246,619 億元 - 207 - 全 国 第一部:企業概要 1.企業情報(登録情報) 企 業 名 寧波市東方船舶修造有限公司 登録住所 浙江省寧波市イン州区咸祥鎮楽家村 郵便番号 315141 経営住所 浙江省寧波市イン州区咸祥鎮楽家村 郵便番号 315141 電話/FAX 0574-88305601 / 0574-88313887 HP/MAIL www.eastship.com.cn / [email protected] 企業形態 有限責任会社 設立年月 2003 年 9 月 資 本 金 21,250 万元 株 主 出資額(万元) 出資比率 11,050 52% 厳 保興 4,284 20.16% 陳 迪锋 3,774 17.76% 金 良省 2,142 10.08% 21,250 100% 中国新紀元有限会社 総 計 法人代表 楊 六妹 総 経 理 楊 六妹 社 員 数 794 人 敷地面積 41 万m2 経営範囲 船舶製造、舶用部品の製造加工 ・主にタンカー、ばら積み船、ケミカル船を製造。 業務内容 ・主にマレーシア、韓国等の国に輸出。 ・2008 年 12 月、2 隻のプロダクトタンカーを受注。 ・同社の社長は造船業に従事した経歴を 30 年余り有する。 企業案内 ・中国 CCS、フランス BV 等船級協会の認証を取得。 ・鋼材加工、船体ブロック製造&溶接、機械加工等の工場を有するほ か、舶用製品倉庫を有する。 - 208 - (社員構成) (資料出所:経理課) 現有社員は 794 人、内、管理職は 150 人、社員数の 19%を占め、技術者は 182 人、 社員数の 23%を占める。その他:派遣従業員数は約 1,000 人。 2.沿 革 年 月 事 項 当該社を登録(設立)、登録番号:3302272001509 2003 年 登録資本金:1,000 万元、法人代表:厳保興 株主と出資比率(王飛平 10%、朱振華 10%、厳保興 80%)。 2006 年 4 月 2006 年 7 月 2006 年 12 月 2007 年 4 月 2007 年 11 月 2007 年 12 月 法人代表を鄭道昌に変更、株主と出資比率を変更 (陳迪鋒 27%、厳林剣 33%、浙江寧大海運有限会社 40%) 法人代表を項加興に変更、株主と出資比率を変更(江寧大海運有限会社 20%、陳迪鋒 37%、厳林剣 43%) 株主と出資比率を変更(金良省 10%、邹 日強 10%、陳迪鋒 37%、厳林 剣 43%) 法人代表を楊六妹に変更、登録資本金を 5,000 万元に増資(株主と出資比 率の変更なし) 登録資本金を 10,200 万元に増資、株主と出資比率を変更(金良省 21%、 陳迪鋒 37%、厳保興 42%)、会社登録番号を 330212000024888 に変更 登 録 資 本 金 を 21,250 万 元 に 増 資 、 株 主 と 出 資 比 率 を 変 更 ( 金 良 省 10.08%、陳迪鋒 17.76%、厳保興 20.16%、中国新紀元有限会社 52%) - 209 - 3.企業組織(組織図) 社長アシスタント室 経営副社長 供 給 部 経 営 部 財 務 部 倉 庫 パイプ工場 安全生産部 タービン工場 社 理 事 長 会 生産副社長 船 体 工 場 動 基 部 項 目 六 部 技 術 部 項 目 五 部 項 目 四 部 品質検査部 行政副社長 総 合 オフィス 項 目 三 部 項 目 二 部 生 産 部 項 目 一 部 防 - 210 - 衛 部 第二部:造修能力 1.設備概要 表 2-1 船台数量及び寸法 No. 長さ * 幅(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 200 * 30 10,000(6 個) 100 * 1(船台毎) 200~250(長さ) 30,000~35,000 30~38(幅) (9 個) 2 表 2-2 120~150 * 1(船台毎) ドック数量及び寸法 No. 長さ * 幅 * 深さ(m) トン級 クレーン(t * 数量) 1 ― ― ― 2 ― ― ― 3 ― ― ― 注:同社はドック建設の計画あり。 表 2-3 艤装岸壁の数量及及び寸法 No. 長さ(m) クレーン(t * 数量) 1 220 ― 2 ― ― 3 ― ― (資料出所:経営部) 注:艤装岸壁の建設中にあり、現在、クレーンは未装備。 2.受注状況 表 2-4 直近三年間の造船竣工状況 年 隻数 積載重量(DWT) 2005 年 3 26,800 2006 年 4 37,500 2007 年 8 85,900 15 150,200 合 計 注:同社は直近三年間で 15 隻を竣工(累計積載重量:150,200 トン)。 - 211 - 船 L/B/D(m) 型 表 2-5 主な船型(例) DWT 隻数 13,500 1 1,914 1 16,500 1 16,500 1 L:137.2 ばら積み船 B:20.4 D:10.8 L:93.8 浚 渫 船 B:17 D:4.8 L:147 ばら積み船 B:21 D:11.5 L:145 ばら積み船 B:22 D:11.8 表 2-6 隻数 二重殻タンカー 9,800 2 プロダクトタンカー 7,000 1 プロダクトタンカー 10,000 1 型 主 寧波江海運輸有限 引渡日 2006 年 11 月 会社 営口港―疏浚工程 有限会社 寧波聯泰航運有限 2007 年 2006 年 11 月 会社 石獅市富甲海運有 2006 年 4月 限会社 船 名 明州 66 首一 聯泰 2 錦徳 1 現在の受注船舶の主な船型(例) DWT 船 船 船 主 マレーシア EA 科学技術航運 会社 マレーシア GLOBAL CARRIER マレーシア GLOBAL CARRIER 納 期 2010 年 2009 年 3月 2009 年 12 月 (資料出所:経理課及び経営部) 注:受注船舶は 14 隻(累積積載重量は約 20 万トン)、船型は主にタンカー、ばら積み船 - 212 - 第三部:企業経営状況 1. 経営状況 表 3-1 直近3年間の売上額 単位:万元(人民元) 年 売 上 額 2005 年 10,959.2 2006 年 12,169.8 2007 年 35,657.7 (目盛単位:10 万元) 直近三年間の売上げは上昇傾向にあり、特に 2007 年の成長率は著しい。 - 213 - 表 3-2 財務状況 単位:10 万元(人民元) 2006 年 2007 年 主要業務売上 1,216.98 3,565.77 主要業務コスト 1,086.56 3,013.35 主要業務収益 130.42 552.42 管理費用 80.92 113.68 販売費用 0 0 財務費用 26.29 40.90 販売利益 23.21 397.84 投資収益 0 0 補助金收入 0 0 販売外収入 0.03 11.43 その他 -1.89 -2.22 総利益 21.35 407.05 純利益 16.91 252.96 資産に対する収益 ROA 0.78% 3.97% 自己資本利益率 ROE 33.71% 7.57% 42.09 0.91 資産管理データ 負債率 2.技術開発 技術部門 技術者 182 人の内、32 人が設計者。 設計能力 設計は主に船舶設計会社に外部委託している。 設計部門 設計部門を有していない。 開発研究者がおらず、知的所有権の申請実績はなく、自主開発能力 開発能力 も有していない。 - 214 - 3. 関連会社 表 3-3 資本関係 資本関連 会 社 名 会 社 概 要 当該社は国家工商局に登録する大手株式 グループ企業である。株式上場の大恒新 親会社 中国新紀元有限会社 紀元科技股分有限公司の親会社でもある (経営権を有する)。 寧波市イン州朱雀船舶組立 船体ブロックの製造及び販売。 装件製造有限会社 子会社 寧波市長実船舶部品有限会 舶用部品の購入及び販売 社 表 3-4 技術提携企業 会社名 提携内容 浙江欣海船舶設計院 船舶設計 浙江東方船舶設計有限会社 船舶設計 表 3-5 設備・資材 本 付 体 属 サプライヤー サプライヤー名 備 考 韓国 STX 重工有限公司 35,000 トンのばら積み船に使用 宜昌柴油机廠 27,000 トンのばら積み船に使用 無錫汾錫電機有限公司 27,000 トンのばら積み船に使用 西門子公司 27,000 トンのばら積み船に使用 品 - 215 - 第四部分:企業戦略 1.最新課題 ・10 万トン級ドックの建設計画あり。 最新課題 ・船台、ヤード、作業現場及びその他の主要施設・設備を改造。 ・建造技術力の向上に注力し、建造能力を高める。 ・国外の船主との提携を強化し、国際市場を開拓する。 危機対応 ・品質管理を強化し、受注契約の内容を確実に履行する。 2.事業計画 組織体制 国際市場の開拓に対する取り組みを強化する。 事業規模 業界内で中小規模事業者に属する。 ・高度専門人材を募集し、技術力の向上に努める。 ・建造技術力を高め、建造期間を短縮するとともに、当該技術力を国際 経営方針 標準レベルに達するよう努力する。 ・輸出船舶の技術力の向上を図り、国際市場を積極的に開拓する。 ・2010 年までに 25 億元を投資し、造船所の近代化を図る改造を実施す る。 ・これまで船舶の輸出をベンダー経由にて行ってきたが、次年以降は、 発展計画 自社内に当該事業部を設ける予定。 ・船舶の輸出先は主にマレーシア、韓国などである。 ・5 年以内に株式上場を図ることを目標に据えている。 - 216 - 第五部:企業信用度 船主より新たな要求を追加されたケースや、建造中の工程管理の不十分 遅延状況 さなどの要因から納期遅延が時折生じている。 契約破棄 不良記録 紛争事例 これまでに、契約のキャンセルは発生していない。 ・2006 年 9 月 3 日,感電事故が発生し、1 名死亡。 ・2006 年 7 月 6 日,2 度の感電事故が発生し、それぞれ 1 名死亡。 数年来、関係する経済紛糾はない。 ・建造船舶の品質に特に支障はない。 取引先評価 ・技術指導者の経験が豊富である。 ・契約船価が比較的安価である。 第六部:まとめ ・2006 年に浙江省寧大海運有限公司の資本により設立された民間企業 である。2007 年末、寧大海運有限公司は退出、新たに中国新紀元有限 公司より資本注入を図った。 事業評価 ・登録資本が 2 億元以上あり、資本力を有している。 ・管理者は造船事業で豊富な経験を有する。 ・同社は業界内で中小規模事業者であり、中小規模の取引と提携が適当 と考えられる。 資本力を有しているものの、民間企業であり、設立期間が短いこと等に リスク評価 より、金融危機の経済環境時においては、提携の危険度は「慎重を期す」 と判断する。 - 217 - 2.あ と が き 1.造船企業 18 社の背景 調査対象 18 社各社の企業形態は、国有企業 6 社、民間資本 10 社 * 1 、外資系企業 2 社の構 成となっている。この 18 社すべてが、2006 年の中国新造船竣工量トップ 30 位にランキング 入り * 2 している。 長江デルタ、珠江デルタ及び環渤海地区は中国主要造船基地の集積地であるが、調査対象 18 社は主に長江デルタ地区に所在し、浙江省(10 社、全体の 56%を占める)を初めとし、江蘇 省、安徽省、重慶市、湖北省、山東省、福建省に散在している。 2007 年度の上記各省における船舶工業(造船産業)による総生産高を表Ⅰに示す。 *1 *2 うち 1 社は、国有企業から有限責任会社(職員が筆頭株主、一部は国が保有)に変更。 中国船舶工業協会のデータによる。その他、本調査より得られた竣工データも付録してあるの で、参照願いたい。 表Ⅰ 2007 年の各省における船舶工業による総生産高 総生産高(億元) 省 浙 江 省 392 江 蘇 省 607 山 東 省 193.2 湖 北 省 157.4 福 建 省 102.35 重 慶 市 66.6 (資料出所:中国船舶工業協会) 2.造船企業 18 社の特徴 調査対象 18 社各社の経営状況をみると、国有企業は比較的安定していると考えられるが、 民間資本の一部には金融危機の影響が強く及んでおり、一方で一部事業者にあっては、造船事 業の経験を有さず、近年の造船・海運市況の好況を背景に当該分野に投機的に進出しているな ど、総じてリスク回避能力に関して、極めて乏しい状況下にあると言える。 中国造船企業の納期遅延問題についても、比較的深刻な状況にあり、本調査から、その要因 を以下の 5 つの観点に取りまとめることができる。 ① 造船施設の老朽や陳腐化があり、建造能力に乏しい。 ② 工程管理が不十分であり、従業員の作業能力も低く、二度手間が多い。 ③ 設計技術力に乏しく、図面の多くを外部委託している。 ④ 主機関の購入が困難で、中国国産の舶用機関は使用要求を満たさない。主機関の国産化 - 218 - 率は 40%にも及ばず、海外より輸入するほかない。また、価格の問題から、納品遅延も 頻繁に生じている。 ⑤ 造船業は大規模資本を有する産業であり、中国民間企業の融資能力が低く、経営基盤が 脆弱である。 また、中国造船企業が下請け会社と提携し、船舶を製造する現象も顕著となっているが、そ の要因を 2 つの観点に総括する。 ① 下請け会社に生産委託し、コストダウンを実現する。 ② 造船は複雑な生産プロセスを必要とするが、企業の事業規模により、すべてを自主製造 するのが困難。 上述実態調査を通じて、中国造船業は、近年、受注量、事業規模、建造能力において飛躍的 な成長発展を遂げているものの、造船大国である日本、韓国に比して、建造技術力、企業経営 力等に関して、未だ格段の差があることを伺い知ることができる。 3.造船企業 18 社の信用度 調査対象 18 社各社の企業情報(登録情報)、造修能力、受注状況、経営状況、将来計画な どの調査結果を用いて、定量的、定性的に対象企業のリスク回避能力を総合的判断してみたの で、今後の業務の参考まで、付録を参照願いたい。 調査データ 実力判断 登録資本金、総資産、純資産など 資 本 実 力 株主と出資比率、株主情報など 株 主 背 景 造船施設、建造能力、竣工状況など 造 船 能 力 直近三年間の売上げ、財務状況など 経 営 状 況 技術者、設計者及び開発能力など 開 発 ・ 設 計 経営方針、発展計画など 今 後 の 発 展 - 219 - 3.付 表Ⅱ 録 18 社の基本状況① 会 社 名 資本金 (万元) 企業形態 社員数 (人) 2007 年度 派遣社 員数 所在省 (人) 売上高(10 万元) 竣工量 (DWT) 隻数 - 220 - 福建省馬尾造船股分有限会社 24,037 国有企業 1,654 1,200 福建省 14,094 80,550 11 煙台莱佛士船業有限公司 12,598 合弁会社 1,826 500 山東省 1,792 69,171 3 臨海市航暢船舶製造有限公司 5,100 有限責任会社 306 1,800 浙江省 86 0 0 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 5,000 国有企業 350 1,800 浙江省 5,383 99,000 3 中国長江航運集団宜昌造船所 10,000 国有企業 1,256 1,800 湖北省 3,411 55,065 6 杭州東風船舶製造有限会社 20,000 有限責任会社 508 500 浙江省 3,954 77,565 10 4,152 国有企業 2,350 1,200 重慶市 4,938 31,155 8 16,678 有限責任会社 1,634 3,000 山東省 12,096 142,808 21 5,000 有限責任会社 35 110 浙江省 83 20,100 2 1,100 1,200 江蘇省 14,598 42,500 4 重慶東風船舶工業会社 黄海造船有限公司 舟山市龍泰船舶有限公司 泰州三福船舶工程有限会社 1,435(ドル) 合弁会社 浙江省宏冠船業有限会社 10,000 有限責任会社 198 800 浙江省 0 0 0 臨海市弘州造船有限会社 1,500 有限責任会社 280 310 浙江省 28 40,290 5 9,735.7 国有企業 1,100 1,600 山東省 6,450 33,600 2 2,854 国有企業 1,152 1,500 安徽省 6,546 49,760 4 浙江天時造船有限会社 10,000 有限責任会社 73 320 浙江省 21 0 0 東方造船集団有限公司 5,000 有限責任会社 298 860 浙江省 2,207 36,800 4 浙江恒宇造船有限公司 5,168 有限責任会社 108 320 浙江省 7 0 0 21,250 有限責任会社 794 1,000 浙江省 3,566 85,900 8 山東省威海船廠 中国長江航運江東造船所 寧波市東方船舶修造有限会社 表Ⅲ 18 社の基本状況② 会 社 名 2005 年度 竣工量(隻) 2006 年度 竣工量(DWT) 竣工量(隻) 2007 年 竣工量(DWT) 竣工量(隻) 竣工量(DWT) - 221 - 福建省馬尾造船股分有限会社 9 54,500 9 70,500 11 80,550 煙台莱佛士船業有限公司 5 21,000 4 65,000 3 69,171 臨海市航暢船舶製造有限公司 0 0 0 0 0 0 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 0 0 0 0 3 99,000 中国長江航運集団宜昌造船所 5 48,690 6 59,190 6 55,065 杭州東風船舶製造有限会社 3 11,710 7 58,936 10 77,565 重慶東風船舶工業会社 5 14,650 14 55,700 8 31,155 黄海造船有限公司 78 35,174 61 54,065 21 142,808 舟山市龍泰船舶有限公司 0 0 9 49,159 2 20,100 泰州三福船舶工程有限会社 0 0 2 13,000 4 42,500 浙江省宏冠船業有限会社 0 0 0 0 0 0 臨海市弘州造船有限会社 0 0 0 0 0 0 山東省威海船廠 5 34,130 6 44,290 2 33,600 中国長江航運江東造船所 4 53,280 3 41,280 4 49,760 浙江天時造船有限会社 0 0 0 0 0 0 東方造船集団有限公司 10 60,500 5 40,300 4 36,800 浙江恒宇造船有限公司 0 0 0 0 0 0 寧波市東方船舶修造有限会社 3 26,800 4 37,500 8 85,900 注:今回の調査データ。 表Ⅳ 18 社の基本状況③ 会 社 名 2005 年度 竣工量(隻) 2006 年度 竣工量(DWT) 竣工量(隻) 2007 年度 竣工量(DWT) 竣工量(隻) 竣工量(DWT) 福建省馬尾造船股分有限会社 9 54,500 9 70,500 11 80,550 煙台莱佛士船業有限公司 5 21,000 4 65,000 3 69,171 11 43,250 12 63,094 17 99,425 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 0 0 2 60,000 6 224,500 中国長江航運集団宜昌造船所 5 48,690 6 59,190 6 55,065 杭州東風船舶製造有限会社 3 11,710 7 58,936 10 77,565 重慶東風船舶工業会社 5 14,650 14 55,700 8 31,155 黄海造船有限公司 78 35,174 61 54,065 21 142,808 舟山市龍泰船舶有限公司 ― ― 9 49,159 2 25,000 泰州三福船舶工程有限会社 ― ― 5 49,000 5 73,000 浙江省宏冠船業有限会社 26 73,258 4 47,943 5 36,000 臨海市弘州造船有限会社 ― ― 10 46,600 5 40,290 山東省威海船廠 5 34,130 6 44,290 2 33,600 中国長江航運江東造船所 4 53,280 3 41,280 4 49,760 浙江天時造船有限会社 ― ― 22 40,709 3 19,789 東方造船集団有限公司 10 60,500 5 40,300 ― ― 浙江恒宇造船有限公司 10 32,650 14 38,821 6 17,981 寧波市東方船舶修造有限会社 ― ― 4 37,500 8 85,900 臨海市航暢船舶製造有限公司 - 222 - 注:中国船舶工業協会の統計データ。 表Ⅴ 2005-2007 年 18 社の販売推移 会 社 名 売上高(10 万元) 2005 年度 2006 年度 2007 年度 10,509 11,853 14,094 6,452 3,675 1,792 8 55 86 609 2,452 5,383 中国長江航運集団宜昌造船所 2,593 2,269 3,411 杭州東風船舶製造有限会社 2,076 2,832 3,954 重慶東風船舶工業会社 2,407 2,722 4,938 黄海造船有限公司 5,150 8,117 12,096 174 289 83 3,460 8,348 14,598 浙江省宏冠船業有限会社 0 0 0 臨海市弘州造船有限会社 0 3 28 山東省威海船廠 3,915 4,809 6,450 中国長江航運江東造船所 4,948 4,897 6,546 浙江天時造船有限会社 0 0 21 東方造船集団有限公司 1,560 1,892 2,207 浙江恒宇造船有限公司 98 107 7 1,096 1,217 3,566 福建省馬尾造船股分有限会社 煙台莱佛士船業有限公司 臨海市航暢船舶製造有限公司 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 - 223 - 舟山市龍泰船舶有限公司 泰州三福船舶工程有限会社 寧波市東方船舶修造有限会社 表Ⅵ 18 社の受注船舶量 会 社 名 受注船舶用量(隻) 福建省馬尾造船股分有限会社 63 煙台莱佛士船業有限公司 ― 受注船舶量(DWT) 757,000 ― 7 132,000 浙江省海運集団舟山五洲船舶修造有限公司 11 600,000 中国長江航運集団宜昌造船所 24 250,000 8 70,000 重慶東風船舶工業会社 14 90,400 黄海造船有限公司 45 1,200,000 2 20,100 泰州三福船舶工程有限会社 60 1,850,000 浙江省宏冠船業有限会社 18 400,000 臨海市弘州造船有限会社 6 65,800 山東省威海船廠 30 700,000 中国長江航運江東造船所 36 970,000 浙江天時造船有限会社 10 150,000 東方造船集団有限公司 34 250,000 浙江恒宇造船有限公司 12 50,000 寧波市東方船舶修造有限会社 14 200,000 臨海市航暢船舶製造有限公司 杭州東風船舶製造有限会社 - 224 - 舟山市龍泰船舶有限公司 表Ⅶ 18 社の全体の信用度 資金実力 株主背景 (重み 10%) (重み 15%) (重み 25%) (重み 18%) (重み 12%) (重み 20%) 採点 採点 加重 採点 加重 採点 加重 採点 加重 採点 加重 採点 加重 福建省馬尾造船股分有限会社 8.3 0.83 9.0 1.35 7.7 1.93 8.8 1.58 6.5 0.78 8.0 1.6 8.07 ★★★★ 煙台莱佛士船業有限公司 6.3 0.63 8.0 1.20 6.7 1.68 7.0 1.26 5.9 0.71 5.0 1.0 6.47 ★★ 臨海市航暢船舶製造有限公司 6.0 0.60 7.0 1.05 6.1 1.53 6.2 1.12 4.9 0.59 6.0 1.2 6.08 ★★ 6.7 0.67 9.0 1.35 7.7 1.93 8.0 1.44 5.1 0.61 8.0 1.6 7.60 ★★★ 中国長江航運集団宜昌造船所 7.0 0.70 9.0 1.35 7.0 1.75 7.2 1.30 5.9 0.71 7.0 1.4 7.20 ★★★ 杭州東風船舶製造有限会社 7.3 0.73 8.0 1.20 7.0 1.75 7.2 1.30 6.1 0.73 5.4 1.1 6.81 ★★ 重慶東風船舶工業会社 6.4 0.64 9.0 1.35 7.0 1.75 7.6 1.37 6.9 0.83 5.5 1.1 7.04 ★★★ 黄海造船有限公司 8.7 0.87 8.0 1.20 8.7 2.18 8.8 1.58 6.4 0.77 9.0 1.8 8.40 ★★★★ 舟山市龍泰船舶有限公司 6.0 0.60 6.0 0.90 6.0 1.50 6.2 1.12 4.3 0.52 5.0 1.0 5.63 ★ 泰州三福船舶工程有限会社 8.4 0.84 8.0 1.20 6.8 1.70 8.6 1.55 5.7 0.68 9.0 1.8 7.77 ★★★ 浙江省宏冠船業有限会社 6.7 0.67 6.0 0.90 5.8 1.45 6.6 1.19 6.1 0.73 7.0 1.4 6.34 ★★ 臨海市弘州造船有限会社 5.0 0.50 6.0 0.90 6.3 1.58 6.2 1.12 4.3 0.52 5.0 1.0 5.61 ★ 山東省威海船廠 7.4 0.74 8.0 1.20 6.3 1.58 7.8 1.40 5.6 0.67 8.0 1.6 7.19 ★★★ 中国長江航運江東造船所 7.1 0.71 9.0 1.35 6.3 1.58 7.8 1.40 5.7 0.68 8.0 1.6 7.32 ★★★ 浙江天時造船有限会社 6.0 0.60 7.0 1.05 5.6 1.40 6.2 1.12 5.2 0.62 6.0 1.2 5.99 ★ 東方造船集団有限公司 6.7 0.67 7.0 1.05 6.8 1.70 7.0 1.26 7.4 0.89 7.5 1.5 7.07 ★★★ 浙江恒宇造船有限公司 6.0 0.60 6.0 0.90 5.6 1.40 6.2 1.12 5.2 0.62 5.0 1.0 5.64 ★ 寧波市東方船舶修造有限会社 7.6 0.76 7.0 1.05 8.6 2.15 7.0 1.26 5.9 0.71 7.0 1.4 7.33 ★★★ 会 社 名 浙江省海運集団舟山五洲船舶修 造有限公司 造船能力 経営状況 開発・設計 今後の発展 リスク回避 能力評価 - 225 - リスク回避能力 採点 評価結論 ★★★★★ 9-10 総合実力と信用状況は非常に良く、基本的に共同事業化するリスクはない。 ★★★★ 8-9 総合実力と信用状況は良好、共同事業化するリスクは小さい ★★★ 7-8 総合実力と信用状況はやや良く、共同事業化するリスクはやや小さい ★★ 6-7 総合実力と信用状況は普通,共同事業化するリスクはやや大きい ★ 6 点以下 総合実力と信用状況はやや悪く、共同事業化するリスクは大きい - 226 - 注:リスク回避能力:加重平均方式を用い、指標毎の採点に加重平均値を乗じて総和を取り、総合判定を図ったものである。 この報告書は競艇の交付金による日本財団の助成金を受けて作成しました。 拡大成長を遂げる中国造船業の設備状況等に関する調査 2009 年 ( 平 成 21 年 ) 3 月 発 行 発行 社団法人 日本中小型造船工業会 〒 105-0001 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 1-15-16 海 洋 船 舶 ビ ル TEL 03-3502-2063 FAX 03-3503-1479 財団法人 日本船舶技術研究協会 〒 105-0003 東 京 都 港 区 西 新 橋 1-7-2 虎 ノ 門 高 木 ビ ル TEL 03-3502-2133 FAX 03-3504-2350 本書の無断転載、複写、複製を禁じます。 拡大成長を遂げる中国造船業の設備状況等に関する調査 二〇〇九年三月