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資料その他2:北海道におけるFCの縮減例

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資料その他2:北海道におけるFCの縮減例
ファシリティコストの縮減
∼施設の光熱水費の縮減例∼
道では、平成18年4月から「北海道ファシリティマネジメント導入基本方針」に基づき、ファシリティコストの
縮減に取り組んでいます。
この取り組みの一環として、施設管理担当者向けにファシリティコスト縮減の参考例を示しましたので業務の参
考にしてください。
施設の光熱水費の縮減例
維持管理に関するもの
項目1
職員への意識啓発による縮減
項目2
ブラインドの活用による縮減
項目3
空気調和器機等への省エネベルトの採用による縮減
項目4
夜間蓄冷熱の利用による縮減
項目5
ミキシングのロス削減による縮減
項目6
設定温度の最適化による縮減
項目7
冷凍機の効率向上による縮減
項目8
空気調和機(暖冷房)等の運転時間低減による縮減
暖房運転時間の低減による縮減
不使用室の空気調和機等の運転停止による縮減
項目9
給湯循環ポンプの運転時間低減による縮減
給湯温度の低下による縮減
項目10
電気湯沸器の運転時間低減による縮減
項目11
水道量水器口径の縮小による水道料金の縮減
項目12
下水道料金の減免による縮減
項目13
断熱ジャケットによる燃料費の縮減
項目14
ヘッダーからの熱ロス削減による縮減
項目15
共用部通路の照明の消灯、蛍光管の間引きによる電気料金の縮減
項目16
契約電力の変更による電気料金の縮減
項目17
受電設備改修による維持管理費の縮減
機器等更新工事に関するもの
項目1
庁舎の高圧受電設備の改修時の縮減例
項目2
庁舎の蓄電池設備の改修時の縮減例
待機電力をカット
縮減 - 1
維持管理に関するもの
項目1
職員への意識啓発による縮減
概要
施設の光熱水費の縮減方法には、建物管理者が実施するもの
と、使用者が実施するものがあります。この項目は、庁舎内の使
用者の実施により施設の光熱水費の縮減を図るもので、次の方法
があります。
1) 所内会議等による施設の光熱水費縮減の職員への啓発
2) チックシート等による啓発
3) 施設管理者、担当者による各事務所内での啓発
4) 課内の施設の光熱水費縮減等の省エネ推進組織による啓発
省エネ!
省エネ会議!
使用者による施設の光熱水費縮減実施例
始業前、昼休みの照明の消灯
窓際の照明の消灯
トイレ、倉庫などの不使用時の照明の消灯
残業時の不要な照明の消灯
入庁時、退庁時のブラインドの開閉
冷房時、暖房時のブラインドの開閉
夏期等の窓の開閉
使用時以外のパソコン、テレビ、ビデオ等の電源プラグ抜き
勤務時間以外のパソコン等の使用の禁止
パソコンの省電力機能の使用
エレベータ使用の禁止
その他施設の光熱水費の縮減に関するものの実施
導入の方法
施設の光熱水費の縮減について、次の方法などにより職員へ啓発、実施を行う。
1 所内会議等で施設の光熱水費の縮減について各職員に啓発し実施する。
2 各課に施設の光熱水費の縮減チェックシート等により施設の光熱水費の縮減を啓発し実施する。
3 各課に施設管理者、担当者が現地に出向き、施設の光熱水費の縮減を啓発し実施する。
4 各課に施設の光熱水費の縮減を推進する組織を設け施設の光熱水費の縮減を課内に啓発し実施する。
5 エネルギー使用量を目標値と実績値を比較して施設内に掲示することにより啓発し実施する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
小∼中
小∼中
なし
全施設
導入例
O合同庁舎
会議で職員啓発のために、次の事項を徹底した。
1 待機電力を低減する。(パソコン、テレビ、ビデオ、プリンターの電源プラグを抜く。)
2 窓際消灯を徹底する。(日中の明るい時間帯の窓際の消灯の徹底)
3 暖房、冷房時の温度設定を厳格にする。
4 季節、外気温により暖房、冷房開始時間を調整する。
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
なし
110,000 円/年
縮減 - 2
項目2
ブラインドの活用による縮減
概要
ブラインドの活用法
夏、ブラインドを閉めることにより、太陽輻射熱の約50%が遮
られ室温が上昇しないで室内が快適になります。
冬、ブラインドを閉めることにより、外気による窓の冷輻射が
押さえられ室温が下がらないで室内が快適になります。
季節、外気温等の条件により、ブラインドを開閉することによ
り、室内環境がより快適となると共に施設の光熱水費の縮減が図
られます。
縦形ブラインド
導入の方法
ブラインドの運用方法を次のようにする。
外気温の高い季節のブラインドの運用方法
昼間は、太陽輻射熱から室内の温度上昇を防ぎ、冷房時の熱を逃がさないためにブラインドは閉める。
夜間は、ブラインドは閉める。
外気温の低い季節のブラインドの運用方法
昼間は、太陽輻射熱を室内に取り込むためブラインドは開ける。
夜間は、室内の熱が窓を通して逃げるのを防ぐためブラインドは閉める。
参考
中間期のブラインドの運用方法
中間期については、季節により運用方法を変えるのは煩雑であるため外気
温の低い季節と同じく次のとおり運用する。
昼間は、ブラインドは開ける。
夜間は、ブラインドは閉める。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
小
小
なし
全施設
導入例
O合同庁舎
夏期の太陽輻射熱の低減のため、ブラインドを閉めるよう職員に徹底した。
導入経費
なし
縮減 - 3
項目3
空気調和器機等への省エネベルトの採用による縮減
概要
省エネベルトは、電動機(モー
タ)と送風機等(ファン)の動力伝動
効率を改善し、曲げ応力の損失を
低く抑え、動力費(電気料金)を縮
省エネベルトの構造例
1 外被布
2 心線
3 接着ゴム
4 底ゴム
空気調和機等には、電動機
(モータ)から送風機等(ファン)へ
の動力伝達のためにVベルトが使
用されています。
Vベルトを省エネベルトに交換
することにより、その空気調和機
等に使用されている動力費(電気
料金)の最大6%が縮減されるこ
導入の方法
空気調和機、送風機及び排風機等には、Vベルトが使用されています。Vベルトは消耗品のため、交換時期に省エ
ネベルトに交換します。交換することにより動力費(電気料金)が縮減されます。省エネベルトの価格は、通常のVベ
ルトより高価ですので注意ください。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
小
小
小
空気調和機、送風機及び排風機等と電動機の間をVベルト掛けで使用している施設
機器の状況により縮減効果が少ない場合があります。
導入例
O合同庁舎
空気調和機、送風機及び排風機等のVベルトの交換時に省エネベルトに交換する。
空気調和機等の台数
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
15 台
46,000 円 (通常のVベルトと省エネベルトの差額)
97,000 円/年
縮減 - 4
項目4
夜間蓄冷熱の利用による縮減
概要
空調機
冷房期間には、残業による機器の発熱や夕日による
日射負荷等により翌日の業務開始時までに室温の低
下が見込めない日があります。
施設内で業務開始時までに放熱されない熱を早朝の
外気温度が低い時間帯に外気と入れ替えることによ
り、冷房負荷を低減します。
送風機
導入の方法
冷房機運転開始前の庁舎内温度と外気温度を把握する。
庁舎内温度が外気温度以上、かつ、当該日に冷房が必要であると想定できる場合に早朝数時間外調機等を運転し建物
内に外気を導入する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
中
小
なし
冷房を行っている施設
・外調機や送風機にタイマーや温度検出の制御機器が必要である。無い場合は新たに取り付けるか、天
気予報などの予測により手動運転が可能だが現実的ではない。
・外調機等の運転時間が増えるます。外調機等運転費の増額と冷房機器運転費の削減額との比較が必要
です。
外調機の運転に電気を使用するので、可能であれば窓を開放して外気を取り込むと良い。
想定縮減額
O庁舎(16,000㎡)
早朝3時間外気を取り込んだ場合(外気導入が有効な日に限る)
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
なし
65,000 円/年
縮減 - 5
項目5
ミキシングのロス削減による縮減
概要
窓からの冷気防止のため窓下に暖房機が設置されて
います。また、天井には室内温度調整のため空調機
器が設置されています。
両者の設定温度や温度調節器の位置によっては片
方で暖房、もう一方が冷房運転をする場合がありま
す。
天井面に冷暖自動切り替えのエアコンが設置されて
いて一つの部屋に機器が二組以上ある場合、片方が
暖房、もう一方が冷房運転をする場合があります。
導入の方法
現状の運転状況を確認する。
暖房と冷房が並列運転している場合はどちらかの運転を切ります。
エアコンが冷暖自動切り替えの場合は、季節に応じ冷房又は暖房運転に固定します。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
中
小
なし
冷房を行っている施設
温度設定が厳密な部屋には適さない。
縮減 - 6
項目6
設定温度の最適化による縮減
概要
エレベーター機械室・電気室等には過熱による機器の保
護のために換気装置が設置されています。設定温度
以上になると換気機器が運転し外気を導入すること
によりそれぞれの機械室内の室温を下げます。運転
開始温度を上げることによって換気機器の運転時間
を低減し電気料金を縮減します。
受水槽室等には配管の凍結防止のために電気ヒー
ターが設置されています。設定温度以下になると放
熱し室温を上げます。人が常駐しない部屋であれば
設定温度を下げることによって電気ヒーターの運転
時間を低減し電気料金を削減します。
機械室内温度設定器
導入の方法
過熱防止による機器保護のための温度設定器の温度を35℃に設定する。
凍結防止電気ヒーターの温度設定器の温度を5℃に設定する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
小
小
なし
設備のある施設
機器により限界温度が異なるので、メーカーに設置箇所の限界室温の確認が必要です。
電気ヒーターの設置場所や配管の状態により凍結条件が異なるので、設定温度は段階的に下げた方が安
全です。
想定縮減額
O研究施設(5,000㎡)
電気室及びエレベーター機械室に設置されている温度設定器の設定温度を23℃から35℃に変更
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
なし
45,000 円/年
縮減 - 7
項目7
冷凍機の効率向上による縮減
概要
冷凍機の役割
大規模庁舎や研究施設、病院等の室温管理が必要
な施設には冷房設備があります。冷凍機で発生させ
た冷水を各所にポンプで送り建物を冷房していま
す。
冷凍機は冷水出口温度が高いほど機器効率が良くな
ります。冷凍機の種類にもよりますが、冷水出口温
度を2℃上げた場合、消費燃料は5∼8%削減できま
す。
冷凍機
導入の方法
現状の設定温度と運転状況を確認する。
実際の設定温度は冷凍機メーカー又は保守管理者に依頼する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
中
小
なし
設備のある施設
・冷水出口温度を高くすると、以前と同じ室内環境に保つためには冷水ポンプの運転時間が増えます。
ポンプ運転の電気料金増額と冷凍機側の燃料削減額との比較が必要です。
・冷水温度を高くすると、室内側の冷房能力が低下するので室内負荷の大きい時期には適しません。
・温度設定が厳密な部屋がある場合は注意して導入してください。
想定縮減額
O庁舎(16,000㎡)
4ヶ月間設定温度を2℃上昇させた場合
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
なし
55,000 円/年
縮減 - 8
項目8
空気調和機(暖冷房)等の運転時間低減による縮減
暖房運転時間の低減による縮減
不使用室の空気調和機等の運転停止による縮減
概要
空気調和機は、一つの金属製の外箱内に電動機
(モータ)、送風機(ファン)、熱交換器(コイル)、加
湿器、エアフィルターなどを設置したもので、室内
の換気や温湿度を調節する設備です。
空気調和機の運転時間を低減することなどによ
り、動力費(電気料金)及び熱(重油等の料金)が縮減
されます。
空気調和機に関する施設の光熱水費の縮減には次
のような方法があります。
1) 機器の運転時間の低減
2) 機器の運転停止
3) 設定温度の低減、増加
4) 外気取入量の低減
空気調和機の仕組み
導入の方法
施設の使用状況により、次のように空気調和機等の運転時間等を低減あるいは停止する。
1 昼休みを運転停止とする。
2 始業前の運転開始時刻を遅める運転とする。
3 終業時の運転停止時刻を早める運転とする。
(例 業務終了の1時間前(4時30分)に運転を停止する。)
4 季節、外気温等により運転開始、停止時刻を調整する。
(例 月曜日の運転開始時刻を早め、火曜日以降の運転開始を遅らせる。)
5 中間期に窓を開けることによる運転時間の低減をする。
6 使用していない室の空気調和機等を停止をする。
7 各種設定温度を調整する。
8 外気取入量を調整する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
中
中∼大
なし
空気調和機、送風機及び排風機等が運転されている施設
運転時間を低減するにあたり、季節、外気温度等の実情を把握する。不都合があった場合は、元の状態
に戻すなど柔軟な姿勢で行う。
導入例
O合同庁舎
事務室の空気調和機の運転時間を低減する。
空調機、送風機、ポンプ等台数
40 台
導入経費
0円
予想される光熱水費の縮減額
800,000 円/年
運転の低減時間
昼休み12時15分から13時まで停止(45分低減)
始業前の開始時刻を8時30分(1時間45分低減)
終業時の停止時刻を16時30分(1時間)
(平均すると1日あたり3時間程度の削減)
縮減 - 9
項目9
給湯循環ポンプの運転時間低減による縮減
給湯温度の低下による縮減
概要
給湯循環ポンプ
中央式給湯方式
中央式給湯方式は、大規模施設で給湯箇所が多い場合、機械室
等に加熱装置を設置し湯を配管により供給箇所へ供給する方式で
す。湯を暖かいまま供給するために給湯循環ポンプが配管に設置
されています。
給湯循環ポンプは、給湯栓を開いた場合すぐに熱いお湯を出す
ために配管内の温水を循環させるものです。給湯循環ポンプの運
転時間を削減すると、配管からの放熱が減少し動力費(電気料金)
及び熱(重油等の料金)が縮減されます。
給湯循環ポンプを停止すると、給湯栓を開いたときすぐには熱
い湯が出ないで、熱い湯になるまで少し時間がかかります。
湯の流れ
給湯ボイラーの設定温度は出荷時の設定温度(75℃程度)になっ
ている場合があります。通常の使用を考えた場合65℃程度で充分
な温度です。
導入の方法
施設の使用状況により、次のように給湯循環ポンプの運転時間を低減あるいは停止する。
1 昼休みを運転停止とする。
2 始業前の運転開始時刻を遅める運転とする。
3 終業時の運転停止時刻を早める運転とする。
4 使用していない場所のバルブを閉にする。
5 給湯循環ポンプを全期間停止する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
小
小
なし
中央給湯設備で給湯循環ポンプがある施設
給湯循環ポンプを停止すると、給湯栓を開けてもすぐに湯が出ません。
運転時間を低減するにあたり、温かい湯を使用するために使用量が多くなるなど不都合があった場合
は、元の状態に戻すなど柔軟な姿勢で行う。
設定温度を60℃以下にするとレジオネラ菌が繁殖する場合があります。
導入例
O合同庁舎
給湯循環ポンプの運転時間を低減する。
給湯循環ポンプの台数
2台
導入経費
なし
予想される光熱水費の縮減額
24,000 円/年
運転の削減時間
終業時の停止時刻を17時30分から16時30分(1時間削減)
縮減 - 10
項目10
電気湯沸器の運転時間低減による縮減
概要
局所式給湯方式の場合
局所式給湯方式は、湯を使用する場所ごとに加熱装置(給湯器)
を設置し湯を供給する方式です。規模の小さい施設の手洗い用の
湯、給茶用の湯(湯温90℃)を供給します。
電気温水器は局所式給湯方式で使用される機器で、給茶用の湯
を供給するものと、手洗い用の給湯を供給するものがあります。
給茶用の湯は朝9時、午後1時頃の使用量が多く他の時間帯の
使用量は少ないので、それ以外の時間帯が停止対象となります。
停止すると電気料金が縮減されます。
電気湯沸器
導入の方法
施設の使用状況により、次のように給湯器の運転時間を低減する。
1 始業前の運転開始時刻を遅める運転とする。
2 終業時の運転停止時刻を早める運転とする。
3 土、日祝日及び平日の時間外に給湯器の電源を停止する。
4 使用していない給湯器の電源を停止する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
小
小
なし
電気給湯器等により湯を供給している施設
運転時間を低減するにあたり、不都合があった場合は、元の状態に戻すなど柔軟な姿勢で行う。
湯の使用量が少ないなど、給茶用の電気温水器を使用しないで電気ポットを使用する方が縮減効果が大
きい場合もあります。
導入例
O合同庁舎
電気給湯器の運用時間を変更した。
電気湯沸器(給茶給湯用)
10 台
導入経費
なし
予想される光熱水費の縮減額
10,000 円/年
運転の時間
7時30分から15時までの運転とした。(1日当たり5時間の運転時間の削減)
縮減 - 11
項目11
水道量水器口径の縮小による水道料金の縮減
概要
水道引込用量水器(メータ)の口径により、水道
の基本料金が決まります。量水器(メータ)の口径
を縮小することにより、基本料金が縮減できる場合
があります。
水道量水器
函館市(一般家庭用以外)の料金例
口径
基本料金
水量料金
(円)
(円)
13mm
745.5
153.3
20mm
1,165.5
25mm
1,774.5
40mm
3,969.0
50mm
9,922.5
75mm
19,845.0
水道引込部分
導入の方法
施設の水道の使用実績により、量水器(メータ)の口径を縮小し、水道基本料金を縮減する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
中
小
小
水道を引き込んでいる施設
水道事業者によっては、基本料金の一部に水量料金が含まれている場合、水道負担金が有る場合がある
ので、それらを考慮し実施するかを検討する。
水道使用量の実績により量水器(メータ)の口径を検討し決定する。
量水器(メータ)の交換に工事費がかかるので費用対効果を検討し実施するかを決定する。
導入例
O合同庁舎
水道引込用量水器(メータ)を75mmから50mmに変更し水道料金の縮減を行った。
旧量水器口径
新量水器口径
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
75
50
147,000
119,000
縮減 - 12
mm
mm
円 量水器(メータ)の交換工事費
円/年
項目12
下水道料金の減免による縮減
概要
下水道料金は上水の使用量に併せて自動的に請求さ
れています。
冷却塔
グランド散水や冷却塔への補給などで上水を使用し
ているが、下水道には流していない水は申請により
下水道料金が免除されます。
量水器
導入の方法
排水がない給水栓及び給水栓手前の量水器の有無を確認し、無い場合は量水器を設置する。
使用する上水が下水道に放流していない場合は、上水の使用量を確認する。
量水器がある場合は減免申請を行う。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
中
小
中
設備がある施設
使用量が少ない場合で、量水器がない場合は導入経費と縮減額の比較が必要である。
現状で量水器がある場合は導入経費は不要である。
想定縮減額
O学校
グランド散水を30分/週 行う場合(6箇月)
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
100,000 円
32,000 円/年
縮減 - 13
項目13
断熱ジャケットによる燃料費の縮減
概要
断熱ジャケットを蒸気、温水、冷水用バルブや機
器等に装着するとバルブ等からの放熱が90%程度押
さえられます。放熱を押さえることにより熱(重油
等の料金)が縮減されます。
断熱ジャケット
効果がより高いのは、年間を通して運転時間の長
いものです。運転時間が短くても効果はあります。
断熱ジャケット
導入の方法
蒸気、温水、冷水等のバルブや機器等に断熱ジャケットを設ける。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
小
中
中
蒸気、温水、冷水等のバルブ等が有る施設
蒸気、温水、冷水等の配管の使用時間が長いほど効果が高い。
導入例
Aセンター
高圧蒸気用バルブに断熱ジャケットを設置し燃料費の縮減を行った。
対象バルブ
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
100mm程度 ×10箇所
297,000 円
330,000 円/年
縮減 - 14
項目14
ヘッダーからの熱ロス削減による縮減
概要
ヘッダー
蒸気又は温水暖房の施設で暖房系統が複数ある場
合、系統数に応じた大きさの蒸気あるいは温水ヘッ
ダーが設置されています。
ヘッダーはボイラーで発生した蒸気や温水を各系
統にまんべんなく配る役目をしています。
ヘッダーの各系統のバルブが開いていると、熱の対
流や他のポンプの圧力ににより、使用していない系
統に熱が逃げていきます。
ヘッダーバルブ
導入の方法
使用していない系統を把握する。
ヘッダーの使用していない系統のバルブを閉じる。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
小
小
なし
設備のある施設
使用開始時にバルブを開くことを忘れないよう注意が必要です。
温水の場合、配管の凍結に注意が必要です。
想定縮減額
O研究施設(5,000㎡)
使用していない系統が3系統
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
なし
16,000 円/年
縮減 - 15
項目15
共用部通路の照明の消灯、蛍光管の間引きによる電気料金の縮減
概要
廊下の消灯、蛍光管の間引き
廊下、トイレ等の共用部の照明器具の蛍光管を必
要最低限に間引くあるいは消灯することにより電気
料金が縮減されます。
照明による施設の光熱水費の縮減の他の方法
1)
2)
3)
4)
共用廊下の点滅時間の低減
照明器具の高効率照明器具への更新
誘導灯器具の冷陰極管形器具への更新
タイマー点滅照明器具の点灯消灯時間の調整
廊下部分
導入の方法
廊下、トイレ等の共用部分の照明器具の蛍光管を間引きする。
廊下、トイレ等の共用部分の照明の必要のない場所は消灯または点灯時間を低減する。
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
小
小
なし
全ての施設
点灯時間を低減するにあたり、不都合があった場合は、元の状態に戻すなど柔軟な姿勢で行う。
分電盤内のブレーカを切りにして照明を消灯する場合、非常用照明器具のある回路のブレーカを切らな
いでください。非常用照明器具の電源がないため内蔵蓄電池に充電されず、停電時に非常用照明器具が
点灯しません。
導入例
O合同庁舎
共用廊下の照明器具の蛍光管2本を1本に間引きし、電気料金を縮減した。
(注:2灯用安定器を使用している器具は、間引きすると点灯しませんので注意が必要です)
導入経費
なし
予想される光熱水費の縮減額
78,000 円/年
縮減 - 16
項目16
契約電力の変更による電気料金の縮減
概要
契約電力
契約電力
契約上使用できる最大電力です。契約電力で電気料金のうち基
本料金を算出します。(他に電力量料金があります。)
基本料金=契約電力×1キロワット当たりの料金
最大需要電力(デマンド値)
30分最大需要電力計により計測された数値をいいます。
(最大需要電力計は毎月の最大値が計測され、施設により夏期(7
月頃)又は冬期(1月頃)に年間の最大値となります。)
契約電力は、最近12月前までの最大需要電力(デマンド値)のう
ち最も大きいものとなります。
最大需要電力(デマンド値)が、最大となる月の最大となる時の
消費電力量を減らし、最大需要電力(デマンド値)を下げることに
より、次の年からの基本料金が安くなります。
導入の方法
契約電力500kW以上の施設
過去1年間の最大デマンド値の実績により電力会社と協議し契約電力を引き下げる。
(監視制御装置のデマンド制御機能で負荷制御を行い、デマンド値を低下させ、契約電力を引き下げる。)
契約電力500kW未満の施設
過去1年間の最大デマンド値の実績により自動的に契約電力を引き下げられる。
(デマンド値を低く抑えるために、機器の停止操作によりデマンド値を低下させ、契約電力を引き下げる。)
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
その他
大
大
(施設規模によります。)
なし
高圧受電している施設
中央監視制御装置などを利用し、最大需要電力の最大時に空気調和機、送風機等の機器の運転、停止の
制御を行い最大需要電力を下げることができます。これにより、1年後に契約電力が下がり電気料金が
縮減されます。
導入例
O合同庁舎
第1回変更 ∼ 過去1年間の最大デマンド値で契約変更を行った。
第2回変更 ∼ 夏期の冷凍機の運転台数を減らし、最大デマンド値が減ったので1年後に契約変更される。
旧契約電力
540 kW
第1回変更
新契約電力
予想される光熱水費の縮減額
490 kW
1,180,000 円/年
導入経費 なし
第2回変更
新新契約電力
予想される光熱水費の縮減額
436 kW
1,280,000 円/年
導入経費 なし
縮減 - 17
項目17
受電設備改修による維持管理費の縮減
(この項目は、専門の技術者に相談してください。)
概要
低圧進相コンデンサ、リアクトル
力率を改善するための機器
低圧進相コンデンサ
(力率を改善することにより電気の基本料金が割り
引かれます。)
高圧変圧器の撤去
高圧変圧器
受電電圧6600Vを105V,210Vの低圧に変換する機器
(高圧変圧器を撤去することにより、高圧変圧器の
損失が無くなるため電気の電力量料金が安くなりま
す。)
導入の方法
進相コンデンサ新設の場合
力率が100%を下回っている施設で、必要コンデンサ容量を算出し、新たに進相コンデンサを設置する。高圧進相コ
ンデンサか低圧進相コンデンサかは比較を行い決定する。
変圧器撤去の場合
高圧変圧器が2台以上あり、あまり使用されていないあるいは使用されていない変圧器が有る施設で、費用対効果を
検討し高圧変圧器の撤去を行う。(施設によっては撤去しなくても電源を断するだけでもよろしいです。)
導入の注意点
難易度
縮減効果
導入経費
対象施設
大
中
中
高圧受電している施設
油入変圧器を撤去する場合は、絶縁油の処理を適正に行ってください(絶縁油のPCB含有の有無を分
析試験等により必ず確認してください)。
導入例
O合同庁舎
施設を調査し、力率の改善及び高圧変圧器の撤去を行った。
新設低圧進相コンデンサ、リアクトル
撤去高圧変圧器
導入経費
予想される光熱水費の縮減額
1
2
756,000
500,000
縮減 - 18
台
台
円
円/年
(設置前力率98%、設置後100%)
機器等更新工事に関するもの
項目1
庁舎の高圧受電設備の改修時の縮減例
(この項目は、専門の技術者に相談してください。)
施設の概要、現況
施設概要
昭和45年新築 鉄筋コンクリート造地上4階建て 建築面積約560㎡ 延床面積約900㎡ 高圧受電設備は設置後39年経過し、高圧受電設備(更新周期は30年)の劣化が著しく事故
の恐れがあるため、高圧受電設備の改修を行う予定である。
受電設備改修工事にあたり、高圧受電方式、低圧受電方式のどちらが良いかを判断するた
め比較する。
改修の目的
改修での検討
高圧受電設備の劣化
高圧受電設備
改修A案(高圧受電方式(6600V)の場合)
年間電気料等
高圧受電設備
結果
庁 舎
改修B案(低圧受電方式(100-200V)の場合)
年間電気料等
約93万円
庁 舎
約105万円
庁 舎
高圧受電方式と低圧受電方式を比較すると、低圧受電方式は、年間約10万円程度の電気料等の増加があ
るが、改修工事費が高圧受電方式と約950万円もの差がある。施設の光熱水費ばかりでなく改修工事費を
考慮すると、全体で低圧受電方式のほうが有利であり、低圧受電方式により改修する。
(低圧受電方式のほうが、高圧受電設備が必要ないため工事費が安価である。)
この縮減例の対象施設
この縮減例の対象施設は、高圧受電している施設で延床面積が千
㎡以下で契約電力が50kW以下の小規模な施設です。
注) 高圧受電設備
需要家が電力会社の高圧配電線から電力を受電し、受電電力を電気使用場所の使用電圧に応じた電圧に変成して供給
するための設備
縮減 - 19
項目2
庁舎の蓄電池設備の改修時の縮減例
(この項目は、専門の技術者に相談してください。)
施設の概要、現況
施設概要
改修の目的
改修の検討
昭和40年新築 鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建て 建築面積約2,100㎡ 延床面積約7,100㎡ 直流電源装置用のアルカリ蓄電池設備は、設置後17年経過しアルカリ蓄電池設備(更新周
期は13年)の劣化が著しく機能障害の恐れがあるため、アルカリ蓄電池設備の更新を行う
予定である。
蓄電池設備更新にあたり、長寿命タイプの鉛蓄電池も製品化されており、アルカリ蓄電池
と鉛蓄電池のどちらを使用するか比較検討する。
蓄電池設備の劣化
直流電源装置
電源の供給
非常用照明器具
整流装置 蓄電池設備
改修A案(アルカリ蓄電池)
改修B案(長寿命鉛蓄電池)
鉛蓄電池価格 約540万円
アルカリ蓄電池価格 約950万円
期待寿命 12年∼15年
結果
期待寿命 13年∼15年
アルカリ蓄電池と長寿命鉛蓄電池を比較すると、期待寿命は同じで、アルカリ蓄電池の工事費で約400万
円ほどの高いため、鉛蓄電池の方が有利であり、鉛蓄電池で更新する。
(アルカリ蓄電池から鉛蓄電池に更新した場合最初のみ、整流装置の改造などの工事がありますが、次の
更新時には有りませんので注意ください。)
この縮減例の対象施設
この縮減例の対象施設は、直流電源装置、UPS装置、自家発電
装置起動用等の据置蓄電池を有している施設です。
注) 蓄電池設備
商用電源の停電時等の非常の場合に商用電源の代わりに機器に電源を供給し、電気設備の運転の継続又は安
全に停止させたり、防災設備を作動させて異常状態の発生を防止する設備
鉛蓄電池
陽極に二酸化鉛、陰極に鉛、電解液に希硫酸を使用した電池で公称電圧は1セル2ボルトである。
アルカリ蓄電池
陽極に水酸化第2ニッケル、陽極にカドミウム、電解液に苛性カリを使用した電池で公称電圧は1セル1.
2ボルトである。
縮減 - 20
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