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ここ - Biglobe
(ある冬の夕方,ARIAカンパニーの屋根裏にある灯里の部屋で,マンホーム由来の 暖房器具『こたつ』を囲みながら) 藍 華「さあ,みんな揃ったわね,早速始めましょ?私が議長ってことで」 アリス「でっかい,仕切ってます」 灯 里「あー,やっぱりこたつは,のんびりできるよねー」 藍 華「そこ,一人だけまったりモードに入ってるんじゃないのっ!今日は私たち三人 にとって,尋常ならぬ重要事項を決議するんだから。それも皆には内緒で」 灯 里「ちなみに下の階のアリシアさんには,『ウンディーネの勉強会』って言ってあ るよ。①この話し合いが終ったら、アリシアさんも交えて、夕食とパジャマパー ティに突入ですー」 藍 華「嗚呼,②またアリシアさんと同じ屋根の下で眠れるんだわ,感激!ところで後 輩ちゃん,ちゃんと外泊許可はもらってきた?」 アリス「はい,正式に寮から許可を貰ってきました。宿題も済ませましたし,まぁくん の面倒は,アテナ先輩が見てくれてます。本当は連れて来たかったんですが……」 灯 里「今回は社長たちにも秘密だからね。アリア社長は,③いつもの放浪をしている から,何時に帰ってくるか分からないけど」 アリス「昔マンホームに,『 ア 』という画家さ んがいました。でっかい哲学的です」 藍 華「私は事実上晃さんの許可も必要だから さー,今日は特に大変だったわよ。 『 イ 』 とかしつこく聞かれて。まあ、半分はその とおりなんだけど(笑)」 アリス「で,藍華先輩,議事を進めませんか? 時間がもったいないです」 藍 華「そうね。じゃ,まずは概要の確認から」 灯 里「『三人の社長と,三人のウンディーネの 先輩に感謝する会』の内容だよね?」 アリス「決行はナターレ(クリスマス)シーズン -7- に入る前で,かつ三人の先輩がオフの日ですよね。一日しかないからこれは決定 です。会場も押さえてあるし,招待状も出来てます。口実は例によって,『特別 ④訓練』をお願いしたいと……」 灯 里「びっくりさせるためとはいえ,嘘つくのは気が引けるなー」 藍 華「大丈夫だって!寛大な人達だから許してくれるわ(一人を除いて)。当日は, 日頃なかなか口に出来ない感謝の言葉を,花束と共に贈るの。感動的だなー。で, 懸案事項なんだけど,私達からのプレゼントは何がいい?本当は高い物贈りたい んだけど,花を買うお金も要るし,私達のお給料には限りがあるし……」 灯 里「実は昨日,それとなくアリシアさんに探りを入れてみたんだけど『灯里ちゃん 達が素直で元気なことが,なにより嬉しいことよね,うふふ』って言われちゃっ て……肩たたき券?」 藍 華「はいはい,お子様禁止!まったく,単純な思考が羨ましいわよ」 アリス「灯里先輩,確かアリシア先輩って,お酒は好きなんですよね?」 灯 里「え,うん,そうだよ。確かみんなで一泊旅行に行ったときも,飲んでたよね」 アリス「だったら,内地のヴィーノ(ワイン)はどうでしょう?かつてマンホームにあ ったものが,最近ネオ・ヴェネト州の農場で復刻されたらしいです。このお店の ウェブ・サイトで紹介されているんですけど」 藍 華「なになに,『バルドリーノ・クラシコ』っていうの。ふむふむ,飲みやすい赤 なのか。うん,値段も手頃だし,いいんじゃない?でもほんとのところ,アリシ アさんにはもっと高級なワインを飲んで欲しいなあ、はぁ……」 アリス「ここからは,藍華先輩の妄想モードでお送りします」 藍 華「しないしない!」 灯 里「でも、私もこれならいいと思うよ。さっそく明日にでも買ってこようかな。」 藍 華「晃さんは『ビアンコ・ディ・クストーツァ』にしようっと。辛口のフレッシュ な白が,きっと向いてると思うから」 アリス「アテナ先輩には『ロンブレータ』。甘口の発泡性なので,甘党のアテナ先輩は 好みだと思います」 藍 華「じゃ,三人とも決定ね?明日の午後,酒屋さんで買ってくることにして……」 アリス「せっかくですから,三人で行きましょう。明日は学校,午前中で終るんですよ」 藍 華「うん,じゃ,それも決まり。で、灯里は一体何やってるの?」 灯 里「あー、やっぱりこたつで食べるとおいしいよねー」 アリス「マンホームの⑤サツマ・オレンジ食べてますね……」 藍 華「こら,クリスマス飛び越して正月モードに入るの,禁止!それにもうお夕飯の 時間じゃないの。それもアリシアさんが腕によりをかけて……」 trrrrr(部屋のスピーカーから,インターフォンの音) -8- アリシア「みなさん,『お勉強』お疲れさま。夕食の支度が出来たわよ。ちなみに今日 は,新しい料理にも挑戦してみたの。みんなの口に合うといいんだけど」 藍 華「はいっ!いよいよですか。行くわよ!」 アリス「藍華先輩,いつものことながら張り切ってます」 灯 里「でも,そういうアリスちゃんも,きょうはニコニコしてるよー」 (三人,歓談しながらに階下へ向かう) 問1 下線部①について。「この話し合い」を灯里の部屋で行った理由を,アリシアと 過ごせること以外に,30 字以内で説明しなさい。 問2 下線部②について。藍華が以前アリシア達とお泊りをしたのは次のどこか,最も 適当なものを選び,記号で答えなさい。 ア 古い屋敷を改造した温泉宿 イ 開拓時代の廃電車の中で桜を見ながら ウ 城が崎村のグランマの家 エ ARIA カンパニー周辺が停電の夜 問3 下線部③について。このときのアリア社長の格好として最も適当なものを選び, 記号で答えなさい。 ア イ ウ エ 問4 空欄アにあてはまる人物の愛称を答えなさい。 問5 空欄イにあてはまる晃のセリフを推測し,30~40 字程度で答えなさい。 問6 下線部④について。誤っているものを全て選び,記号で答えなさい。なお,全て 正しい場合は「なし」と答えなさい。 ア 灯里は晃にマンツーマンの指導を受けたことがある。 イ 灯里・藍華・アリスは三人で晃の特別指導を受けたことがある。 ウ 藍華は姫屋のペアの後輩に,定期的に基礎技術を指導している。 エ 灯里はアリスと二人で自主トレをしたことがある。 問7 下線部⑤について。この果物と最も近い品種を1つ選び,記号で答えなさい。 ア グレープフルーツ エ きんかん イ だいだい ウ 温州みかん -9-