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株式会社アヴァンティスタッフ ニュースレター
月刊 HRタイムズ 株式会社アヴァンティスタッフ ニュースレター Monthly Human Resource Times 36号 / 2016年01月 (毎月第2水曜日発行) HRタイムズでは、人材活用や人事労務に関する旬な情報を毎月お届けします。 人事労務ニュース ◆労働者過不足判断D.I.は、正社員等労働者、パートタイム労働者とも引き続き不足超過 厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成 27 年11 月)の結果を取りまとめましたので、公表します。 「労働 経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の 変化や問題点を 把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。(2015/12/15 厚生労働省) 「労働者過不足判断D.I. 」は、労働者が「不足」していると回答した割合から「過剰」と回答した割合を差し引いた値です。この判 断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示します。調査結果によると、正社員は33ポイントで18期連 続、パートタイム労働者は229ポイントで5期連続で不足していることを表しています。正社員、パートとも調査対象の全ての業種で不 足が超過となっています。 ◆派遣スタッフ募集時平均時給調査 三大都市圏の11月度平均時給は1,616円 30カ月連続で前年同月比プラス 株式会社リクルートジョブズの調査研究機関「ジョブズリサーチセンター」が、2015年11月度の「派遣スタッフ募集時平均時 給調査」をまとめましたので、ご報告いたします。 ※本調査は、当社が企画運営する求人情報サイト『リクナビ派遣』に掲載された求人情報より、派遣スタッフの募集時平均時給 を集計しております。(2015/12/14 株式会社リクルートジョブズ) 労働経済動向調査における過不足判断の調査対象は、正社員とパートタイム労働者についてです。派遣社員の過不足を調べてい る調査は見当たらないため、派遣社員の「募集時給」というマーケット環境を見てみると、三大都市圏(関東・東海・関西)で30カ月 連続して前年同月比プラスです。直近36か月の動向では、2012年12月度が1,480円(三大都市圏全職種平均)であったところ 2015年11月度が1,616円(同)と、約1割上昇しています。これらのことから、派遣社員についても、いわゆる「売り手市場」の状況 が続いていると考えられます。 ◆民・維 長時間労働規制の労基法改正案 共同提出へ 民主党と維新の党は、年明けの通常国会に、長時間労働を規制する労働基準法の 改正案を共同提出する方針を固めました。 政府は、一部の専門職の労働時間規制を外すことや裁量労働制の対象拡大などを柱 とする労働基準法の改正案を、来年の通常国会で成立させたい考えです。これに対して 民主党と維新の党の対案は、長時間労働を防ぐため労働時間規制を厳格に行うことを 柱としています。(2015/12/18 テレ朝ニュース) 労基法改正案については、日経新聞(2016/1/4)によると、今通常国会の審議日程は 窮屈であることから、「「脱時間給」制度を含む労働基準法改正案などは参院選後に先送り する公算が大きい」とも報じられており、予断を許さない状況が続きます。 なお、政府提出の労働基準法改正案については、昨年の国会提出時以降、一般報道から も遠ざかっていることから、概要を3ページでご紹介します。 1 目次 • 人事労務ニュース • 「労働者派遣法の改正に 関するアンケート」より • 特集①-労働基準法改 正案のおさらい(昨年国会 提出内容) • 特集②-育児介護休業 法改正に向けた報告書 (仕事と家庭の両立支援 対策の充実について) • 特集③-労契法「無期 化」への対応 調査結果 「労働者派遣法の改 正に関するアンケー ト」より 今月号は、東京商工リサーチが 昨年12月 に公開 した 掲題アン ケートよりお伝えします。 ・期間:2015/11/11~11/20 ・調査方法:インターネット ・有効回答数:3,851社 ◆昨年、派遣法が改正されたことをご 存知でしたか?(n=3,851) 知っていた 知らなかった 80.7% 19.3% ◆現在貴社では派遣会社を利用し ていますか?(n=3,851) 利用している 48.2% 利用していない 50.5% 回答できない・分からない 1.3% ◆派遣会社を利用しない理由は何で すか?(n=1,946) 正社員で業務をこなしている 50.9% 直接雇用することで従業員の 定着を目指している 35.2% コストがかさむ 5.7% ◆全従業員のうち、派遣社員の比率 はどれくらいですか? 5%以下 6~10% 62.4% 17.1% ◆今回の改正によるメリットは何です か?(n=1,689) ない、分からない 58.6% 正社員化を見据えた 良い人材確保 16.2% 派遣社員のモチベーション 向上を期待 8.1% 業務ローテーションが 進展する 7.0% ◆今回の改正によるデメリットは何で すか? (n=1,689) ない、わからない 49.7% スキルレベル維持に不安 20.8% 雇用不安等による派遣社員の モチベーション低下 13.3% 仕事を教える手間がかかる 10.0% ◆今後、派遣会社に一番求めること は何ですか?(n=1,689) スキルの高い人材 弾力的な業務対応 コストダウン 幅広い年齢層の人材 62.5% 23.2% 8.5% 2.3% 人事労務ニュース(続) ◆配偶者手当議論、3月メド報告書 厚労省、見直し促す 厚生労働省は15日、企業の配偶者手当に関する有識者検討会の初会合を開いた。 女性の就労を抑える一因とされる配偶者手当の見直しを企業に促す狙い。配偶者手当 から子ども手当に変更した事例を参考に来年3月をメドに報告書をまとめる。 (2015/12/16 日本経済新聞) 「配偶者手当」は公的制度ではなく、企業が任意に支給するものです。人事院の調査によると 約7割の事業所が支給しており、多くの企業が所得税の「配偶者控除」の対象になる103万 円以下に設定しているとのこと。なお、所得税の「配偶者控除」の見直しについては、平成28 年度税制改正大綱では見送られ、議論は今年に持ち越されることになっています。 続いて、1/4に召集された通常国会への改正法案の提出を目指して労働政策審議会が取 りまとめた報告(建議)に関するニュースを2つご紹介します。 ◆介護者・高齢者、働きやすく 厚労省が雇用保険改革案 厚生労働省は18日、雇用保険制度の改革案をまとめた。介護休業を取る人への給 付金を引き上げるほか、65歳以上の新規加入を認めることなどを盛り込んだ。現役世代 の介護離職を防ぎ、高齢者の就業を促進するのが狙い。政府が目標に掲げる「一億総 活躍社会」の実現に向けて、働きやすい環境を整える。(2015/12/19 日本経済新 聞電子版) ◆介護休業、3回まで分け取りやすく 厚労相諮問機関まとめ 厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会は21日、育児・介 護休業法改正に向けた建議を取りまとめた。介護休業を3回まで分けて取れるようにし たり、非正規労働者が育児休業を取りやすくしたりする。安倍晋三政権が目指す「介護 離職ゼロ」や「出生率1.8」の実現を制度改正で後押しする。(2015/12/21 日本 経済新聞電子版) このうち、育児・介護休業法改正(下段)の概要を次ページで紹介します。 ◆ ●●病院で不適正な請負契約 福岡労働局が行政指導 ●●病院と、医療事務大手の▲▲が結んでいた業務請負契約に関して、不適正な実 態があるとして、福岡労働局が両者に行政指導をしていたことが28日、複数の関係者 の話で分かった。(略) 病院側は、▲▲の管理責任者を通じ、▲▲社員に指示を出 さなければならないが、労働局の立ち入り調査の結果、同病院側が直接、指示していた ことなどが判明した。(2015/12/29 産経ニュース) 記事以上の詳細は不明ですが、本件は、昨年10月1日に施行された労働契約申込みみなし 制度の対象となるのではないでしょうか。 近頃の労働局の立入調査では、請負や業務委託契約もチェック対象にもなっています。また、 次の記事(公表資料)からも、指導体制の強化が予定されていることが分かります。 ◆平成28年度 厚生労働省機構・定員査定(概要) 平成28年度における厚生労働省の機構・定員の査定結果につきまして、その概要を 別添のとおり取りまとめました。(2015/12/24 厚生労働省) 来年度の厚生労働省の組織編成と人員構成(増減員)の内訳が示されています。 その中の増員の主な内訳を見ると、 「障害者、非正規、地域雇用対策及び労働者派遣制度の指導監督における都道府県 労働局の体制強化」 116人 「過重労働対策等のための労働基準監督署における監督指導体制の強化」 59人 増員とあります。詳細は4月以降に公表される「地方労働行政運営方針」を待つ必要があり ますが、厚労省全体では80人減員(31,780人→31,700人)の中での大幅増員という ことからも、指導監督に対する厚労省としての強化の度合いを読み取ることができます。 2 特集①-労働基準法改正案のおさらい(昨年国会提出内容) 【労働基準法改正の目的】 長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を 整備することが改正の目的です。 【労働基準法改正案の概要】 Ⅰ.長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策 (1)中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し 月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。 (2) 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設 時間外労働に係る助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を明確にする。 (3) 一定日数の年次有給休暇の確実な取得 使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければな らない。 Ⅱ.多様で柔軟な働き方の実現 (1) フレックスタイム制の見直し フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長する。 (2) 企画業務型裁量労働制の見直し 企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」を追加するとともに、対 象者の健康確保措置の充実や手続の簡素化等の見直しを行う。 (3) 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設 職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等 の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日 深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。 また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導 を受けさせなければならないこととする。(※労働安全衛生法の改正) 特集②-育児介護休業法改正に向けた報告書(仕事と家庭の両立支援対策の充実について) 労働政策審議会の分科会が、育児・介護休業法改正に向けてまとめた報告書の概要を紹介します。(2ページ参照) <仕事と家庭の両立支援対策の方向性> 仕事と介護の両立支援関係 仕事と育児の両立支援関係 1 介護休業(93日)の分割取得 1 子の看護休暇(年5日)の取得単位の柔軟化 対象家族1人につき、3回上限で分割取得可能 半日単位の取得可能 2 介護休暇(年5日)の取得単位の柔軟化 2 有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和 半日単位の取得可能 【現状】 ①1年以上雇用 ②子が1歳に達する日を超 えて引き続き雇用されることが見込まれること ③子が1 歳に達する日から1年を経過するまでの間に、労働契約 が満了し、かつ契約の更新がないことが明らかな者を除く 3 介護のための所定労働時間の短縮措置等 介護休業とは別に、利用可能(日常的な介護ニーズ に対応) →②が分かりづらいことから、②③をⅱに統合し、要件を 2つに整理。 4 介護のための所定外労働の免除 【変更後】 ⅰ 1年以上雇用 ⅱ 子が1歳6か月に達す る日までの間に労働契約が満了し、かつ契約の更新がな いことが明らかな者を除く 請求できる権利として新設(日常的な介護ニーズに対 応) 5 介護休業等の対象家族の範囲の拡大 3 育児休業等の対象となる子の範囲の拡大 同居・扶養していない祖父母、兄弟姉妹、孫も追加 特別養子縁組の子などを対象に追加 3 特集③-労契法「無期化」への対応 調査結果 昨年12月、独立行政法人労働政策研究・研修機構が、『「改正労働契約法とその特 例への対応状況 及び 多様な正社員の活用状況に関する調査」結果』を公表しまし た。「無期化」への対応状況がわかる箇所を抜粋してご紹介します。 ■調査対象:常用の社員を50人以上雇用している民間企業20,000社 ■調査期間:2015年7月27日~9月11日 ■有効回収数:4,854社(有効回収率24.3%) ~フルタイム有期雇用企業の3分の2が「無期契約にしていく」と回答~ <改正労働契約法についての対応状況・意向> 無期契約転換ルールにどのように対応を検討しているか (n=フルタイム/パート契約労働者を雇用している企業) フルタイム (n=2,671) 有期契約が通算5年を超えないように運用していく パート (n=2,656) 6.0% 5.8% 通算5年を超える有期契約労働者から申込みがなされ た段階で無期契約に切り替えていく 45.4% 50.8% 有期契約労働者の適性を見ながら5年を超える前に無 期契約にしていく 19.6% 11.1% 0.4% 0.5% 23.9% 26.9% ①SC実施指示 ②SC実施 有期契約労働者を派遣労働者や請負に切り替えていく SC結果(本人同意を得られた場合) 対応方針は未定・分からない ④面接指導実施指示 ⑥面接指導結果、意見具申 ③面接指導申出 面接指導の申出は 産業医経由でも可 ⑤面接指導実施 詳細な医学的情報は伝えず、 無期契約に転換するうえでの課題 (n=無期労働契約に転換する意向と回答した企業) 就業上の措置の内容及び必要 最低限の情報に限定 雇用調整が必要になった場合の対処方法 ⑦就業上の措置を実施 54.9% 正社員と有期契約労働者の間の仕事や労働条件のバランス 42.7% 業務量の変動に伴う労働条件の調整方法 32.4% 正社員の新規採用に対する影響 23.0% モチベーションを維持するための方法 18.6% どのような形態で無期契約にするか (n=無期労働契約に転換する意向と回答した企業) 既存の正社員区分に転換する フルタイム (n=1,766) パート (n=1,676) 株式会社アヴァンティスタッフ 本社 東京都中央区日本橋兜町6-7 ヒューリック兜町ビル 本社代表 03-6703-8337 横浜支店 045-325-0211 大宮支店 048-645-6464 26.4% 11.7% 正社員以外の既存の無期契約区分に転換する 7.5% 9.9% 正社員以外の新たな無期契約区分を設置する 8.2% 9.2% 名古屋支店 052-229-1521 (新たな区分は設けず)各人の有期契約当時の業 務・責任、労働条件のまま、契約だけ無期へ移行させる 32.6% 43.3% 分からない(具体的には考えていない) 12.9% 16.2% アヴァンティスタッフは、2016年オリコン日本顧客満足度で 『総合人材派遣会社部門 総合第1位』に選ばれました。 4 大阪営業部 06-6131-0602 九州支店 092-711-2181 Web サイト www.avantistaff.com HRタイムズに関するご意見、 ご要望はこちらまでお願いします hrtimes@avantistaff.com