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商業デザインとは
学 習 指 導 案 日 時 平成○年 ○月○日(○)○校時 学科・学年 情報管理科 実 施 場 所 パソコン教室D(4号館2階) 指 広島県立尾道商業高等学校 導 者 第2学年 選択者 教諭 吉屋晋二 教諭 竹政宣典 1 科 目 名 商業技術 2 単 元 名 商業デザインとは 3 教 材 名 教科書 商業技術(実教出版) 4 単元について (1) 単 元 観 ART(芸術)としてのデザインとは一線を画し,ビジネスの観点を取り入れた商業デザ インを学ぶことで,商業高校生が学ぶデザインとしての価値を見出し,デザインの在り方 を考えることができる。また,コンピュータを使用してそれらを表現する技法を習得する ことにより,商業デザインの在り方を深く模索することにつながり,商業デザインがマー ケティング活動の中で果たす役割を理解することができる。 (2) 生 徒 観 約8割の生徒が家にコンピュータを所有しており,ワープロソフトや表計算ソフトの使 用においては優れた能力を発揮している。しかしながら,デザインについて深く学んだこ とはなく,色相や明度,彩度等についての理解も不足している。前時までの段階で,商業 デザインに関わる基礎的知識として,この3要素について復習した。しかし,2時間のみ の展開であったため,確実に理解している生徒は約半数程度であると思われる。今後の学 習において,その都度デザインの在り方を考えさせることにより,理解度を向上させる必 要がある。 (3) 指 導 観 ART(芸術)としてのデザインは個々人の感性の問題があるため,統一した指導には難 しいものがある。しかし,商業デザインにおいては,ビジネスの観点からある程度の基本 原則として統一した指導が必要であると考える。ここでは,まず様々な事例を示し,その ねらいについて考えさせることにより,商業デザインの在り方について具体的にイメージ させる。そして,演習により色相・明度・彩度の3要素を基本原則として確実に理解させ, あわせてデザインが与える影響(CI,BI など)についても理解させることにより,企業戦 略の一つとしてのデザインの知識・技法を習得させる。 5 単元の目標 企業活動とデザインの関わりを理解し,Corporate Identity や Brand Identity につい て深く考察する。また,色やパッケージが企業イメージに及ぼす影響や,それらを消費者 に伝える伝達媒体などを学習することによって,それらが市場に送り出す商品に大きく影 響することを理解する。 6 単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断 技能・表現 知識・理解 ビジネスの観点からの商 業デザインについて関心を 持ち,進んで授業に取り組も うとし,実習等においても意 欲的に取り組む。また,疑問 点については粘り強く調べ たり,積極的に質問したりす る。 商業デザインに関わる演 習等において,色が及ぼす心 理的影響はどんなものなの かなどについて深く考察し ている。また,自らの意見を 確立し,他者の意見や発表な どを真剣に聞くこともでき, 配色やデザインがどのよう な影響を及ぼすのかなどに ついて,適切に判断しながら 学習を進めることができる。 おもに演習課題を通して, 自らの意見を適切に整理し た上で発表することが出来 る。その中で,創意工夫に裏 づけされた知識を積極的に 活用し,オリジナリティあふ れる発表ができる。 デザインを構成する基本 的要素(色相,明度,彩度, 配置バランス等)に関する基 礎的・基本的な知識を身に付 けている。また,デザインが ブランドイメージ等に及ぼ す影響,ビジネスの視点から のデザインの在り方を理解 している。 7 単元指導計画(全8時間) 次 学習内容(時間) わたしたちと商業デザイン 1 2 評価の観点 関 思 技 ◎ 知 ○ 演習(色から感じ取る印象) ◎ 4 いろいろな商業デザイン ○ 5 演習(企業デザインの概略) ◎ 6 商業デザインの領域 ○ ◎ 7 商業デザインを支える表現 商業デザインの実際 ◎ ○ 8 演習(キャッチフレーズ) ◎ 3 ○ ◎ ○ ○ 評価規準 商業デザインについて,積極的に理解し ようとし,その本質を掴もうとする。 色に限定した演習に積極的に取り組み, 自らの意見を確立するとともに,効果的 な発表をすることができる。 CI,BI の在り方を理解し,それらをどの ように展開していくべきかについて深 く考えることができる。 どのような企業がどのようなコンセプ トを持ってデザイン戦略を立てている のか,演習を通して見極めようとする。 デザインをグラフィック,パッケージ, ディスプレイなどに大別して考えるこ とによって,それぞれの特徴を把握し, その知識をデザイン活動に活かすこと ができる。 新聞広告などを例にとり,その構成を把 握し,それぞれが果たす役割を認識す る。また,それらのデザインが表現しよ うとしているもの,表現手法を深く考察 することができる。 新聞広告や雑誌,Web ページなどから気 になったキャッチコピーをいくつか収 集し,どのような職種がどのような表現 を使っているのかを考えることができ る。また,それらを踏まえて,自分の考 えを適切に表現することができる。 8 本時の展開 (1) 本 時 の 目 標 ○ BI,CI という概念をもとに,商業デザインの重要性を理解することができる。 ○ さまざまなデザインに触れる中で,効果的な表現方法とは何かを考えることができる。 (2) 本 時 の 評 価 ア.関心・意欲・態度 イ.思考・判断 ウ.技能・表現 エ.知識・理解 自ら進んで理解しようとす る。また,積極的に質問する ことができる。 ART としてのデザインと商業 デザインの在り方の違いを 感じることができる。また, 表現方法の在り方について, 適切な判断ができる。 表現の中に,自分の意見を適 切に確立することができ,そ の意見をコンピュータを用 いて表現することができる。 ART としてのデザインと商業 デザインの在り方の違いを 理解している。また,CI と BI の意味をふまえた上での 表現の在り方が理解できて いる。 (3) 学 習 の 展 開 過程 時間 生徒の学習活動 指導上の留意事項 学習 形態 学習を始める姿勢を整 ① 服装を正し,挨拶をきちんとさせるこ 一斉 える。 とにより,授業に臨む雰囲気を作らせる。 ② 前時の学習内容を振り ② 色をキーワードとしたロゴを集め,そ 返る。 れによって企業が何を訴えようとしてい るのか,1 人 1 人が発表したことを振り 返らせる。 ③ 本時の学習内容を確認 ③ 本時は,知識に裏づけされた商業デザ する。 インの在り方を考えることを伝える。 ③ 「商業デザイン≠ART(芸術)」と考え させる。 および方法 ア① (活動の観察) CI,BI の解説を聞き, ④ 検索窓にただ単に「Identity」と入力す 一斉 ればよいものではなく,意味を知りたい 個別 共 通 す る I (Identity) に 場合においては,まずそのツール(辞書) ついて,インターネットを を検索することが先決であることを確認 利用して調べる。 させる。 (3 分程度) ④ 調べることが出来ない生徒を確認し, CI(Corporate Identity) 状況に応じて対応する。 ④ デザインがどのようなものに影響を及 BI(Brand Identity) ぼすのか,その目的はどのようなものな のかを予め明確にしておくことが必要で あることを確認させる。 エ① (活動の観察) (机間指導) ⑤ 教科書(p.101)を読み, ⑤ どのようなデザイン戦略が有効である のか考えさせる。 自社のブランドイメージ がどのように市場で認知 されているかを考える。 個別 エ② (活動の観察) なぜ,デザインには知識 ⑥ 必要に応じて事例を示し,デザインに は教養や洞察力(常識)が必要であるこ が必要なのかを考える。 とを伝える。 一斉 ① 導入 5分 ④ ⑥ 展開 40 分 評価規準 ⑦ ティッシュペーパーの ⑦ まず考えさせた後,デザイナーの思い を伝え,ねらいについて再度考えさせる。 事例からパッケージデザ イン,ロゴについて説明を 聞き,作者のねらいについ て考える。 イ① (活動の観察) ⑧ 次時の課題(演習)を次 ⑧ この2つのテーマをどのように選ぶの かについては,本時の学習内容を通して の2つのテーマから選ぶ。 考えさせる。 ○ 企業が目指すイメー ジがどのように製品 (商品)に反映されて いるか。 ○ 製品(商品)の差別 化がどのように行わ れているか。 ⑨ 製品(商品)を見分ける ⑨ 具体的にイメージさせやすくするた め,身近な商品を取り上げて考えさせる。 手段(どこにポイントを置 ○ ガムの事例を取り上げ,そのロゴか いて観察すべきか)を確認 ら広告効果について考えさせる。 する。 ○ お菓子の事例を取り上げ,実物を見 せながらパッケージデザインについて 考えさせる。 エ③ (活動の観察) 次の演習課題に取り組 ⑩ まず,ねらいを具体的にイメージさせ む。 (5 分) てから,作成に取り組ませる。 ⑩ 個別 イ② (活動の観察) (机間指導) 一斉 ウ① (活動の観察) (机間指導) 展開 「A商事が 100 周年を迎え た。このロゴを作成しなさ い。ただし,図や絵は一切使 用せず,文字(配置変更可) だけを使用してロゴを作成 するものとする。」 40 分 作成した作品を見て,そ ⑪ 生徒名は伏せ,メインコンピュータの 操作でそれぞれの作品を見せる。 れぞれのねらいについて ⑪ 少ない時間での実習であるため,講評 考える。 は余り時間をとらない。 ⑪ ア② (活動の観察) ⑫ 示された演習課題に関 ⑫ 解答例として,実際にデザインされた ロゴを提示する。 連する事例から,作者のね ⑫ 文字配置だけで,このような表現の仕 らいを考える。 方もあることを考えさせる。 ⑬ まとめ 教科書 p.100-101 を読 ⑬ CI と BI を挙げ,本時のポイントとし み,本時のポイントを確認 て次のことを考えさせる。 する。 ⇒Identity をどのように表現するか。 ⇒自社がどのように市場に認知され,どの ような宣伝(パッケージ等)が効果的で あるのかを考えることの重要性。 5分 ⑭ 次時の学習内容を確認 ⑭ 本時に示した2つのテーマについて, する。 どちらを選ぶのか明確にさせておく。 ⑭ 演習を進めていく中で,調べた内容か ら自分の考えを表現しにくいと感じた場 合は,速やかに題材を変更することを伝 える。 8 TT(T2)の指導 コンピュータを効果的に使用するための考え方および操作のフォロー。 ⑥ 教材提示装置の適切な操作。 ⑦ 教材提示装置の適切な操作。 ⑧ 課題が適切に理解できない生徒へのフォロー。 ⑨ 教材提示装置の適切な操作。 ⑩ 演習課題での考え方およびコンピュータの操作技術のフォロー。 ⑪ 教材提示装置の適切な操作。 9 ④ 資料及び教材 文字大全 雑誌・書籍・広告・パッケージ(美術出版社)コピー 一斉