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第4章 自動車交通公害の現状
第4章 第4章 自動車交通公害の現状 自動車交通公害の現状 1 大気汚染の状況 (1)二酸化窒素(NO 2 ) ○年平均濃度の推移 ● 二酸化窒素( NO 2 ) ・空気中の窒素や燃料 中の窒素が酸素と結 びついたガス ・自動車の排ガスにも 多く含まれている ・人の健康への影響で は、喘息の原因とも 言われている 二酸化窒素の一般局と自排局の環境濃度の推移をみると、一般 局の年平均値は、平成4年度と比較して横ばいの状況が継続して いますが、自排局の年平均値は、4年度の0.032ppmから13年度に は0.029ppmに低下し、改善の傾向にありますが、一般局と自排局 の環境濃度を13年度について比較すると、一般局0.017ppm、自排 局0.029ppmと自排局では一般局の約1.7倍ほど年平均濃度が高く 、 自排局の自動車排出ガスによる汚染が顕著となっています。 ○環境基準達成率の推移 二酸化窒素の環境基準の達成率は、一般局では平成10年度を除 き概ね90%以上を維持し 、13年度は全局で達成しています 。また 、 自排局では、10年度以前は38.5∼81.0%でしたが、11年度以降は 81.5∼89.3%と8割以上の達成率が継続しています。 図表4−1 二酸化窒素の状況 項目\年度 一般局 自排局 年平均濃度(ppm) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.018 0.017 0.017 0.017 環境基準達成率( % ) 100 97.3 96.4 98.3 99.1 97.4 87.9 100 99.1 100 達成局数(局) 109 108 108 113 114 112 102 116 114 116 測定局数(局) 109 111 112 115 115 115 116 116 115 116 年平均濃度(ppm) 0.032 0.033 0.033 0.034 0.033 0.032 0.031 0.029 0.029 0.029 環境基準達成率( % ) 81.0 59.1 56.5 66.7 58.3 53.8 38.5 81.5 89.3 82.1 達成局数(局) 17 13 13 16 14 14 10 22 25 23 測定局数(局) 21 22 23 24 24 26 26 27 28 28 - 29 - 第4章 自動車交通公害の現状 図表4−2 二酸化窒素の年平均濃度の推移 (ppm) 0.060 一般局 自排局 0.050 年 0.040 平 均 0.030 濃 度 0.020 0.010 0.000 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 年度 図表4−3 二酸化窒素の環境基準達成率の推移 (%) 100 80 環 境 基 60 準 達 40 成 率 一般局 自排局 20 0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 年度 ●二酸化窒素に係る 千葉県環境目標値 ・昭和53年度の環境 基準の改正に伴い、 県で設定した行政 目 標 値 (54年 4 月 か ら運用) ・環境基準の評価ゾ ーンの下限値 ( 0.04ppm) を 目 標 値として設定 ○ 二酸化窒素に係る千葉県環境目標値達成率の推移 二酸化窒素の県環境目標値の達成状況は、一般局で概ね50%前 後で推移していますが、自排局では10年度以前は達成局が1局あ るか又は全局未達成の状況が継続し、11年度以降にやや改善し、 約2割の局で達成しています。 - 30 - 第4章 図表4−4 自動車交通公害の現状 二酸化窒素に係る千葉県環境目標値の達成状況 100 環 境 目 標 値 達 成 率 (%) 一般局 自排局 80 60 40 20 0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 年度 図表4−5 二酸化窒素の地域別濃度状況 印西地域 成田地域 北総地域 東葛地域 葛南地域 千葉地域 市原地域 その他の地域 君津地域 地域別平均濃度(13年度) - 31 - 東 葛 0.023ppm 葛 南 0.022 千 葉 0.021 市 原 0.015 君 津 0.015 北 総 0.009 成 田 0.012 印 西 0.016 その他 0.010 全 0.017 県 第4章 自動車交通公害の現状 (2)浮遊粒子状物質(SPM) ○年平均濃度の推移 浮遊粒子状物質の一般局と自排局の環境濃度の推移をみると、 一 般局の 年平均値 は、平 成4年度 の0.044mg/m 3 から13年度に 0.035mg/m 3 に低下し、また、自排局の年平均値も4年度の0.050 mg/m 3 から13年度には0.042mg/m 3 に低下し、全体的として改善 傾向にありますが、自排局と一般局の環境濃度を比較すると、自 排局では自動車排出ガスの影響により一般局の約1.2倍( 13年度 ) 年平均濃度が高い状態です。 また、一般局の地域別の濃度状況について、13年度について比 較すると、人口が集中し、交通量の多い県北西部の東葛地域では 0.040mg/m 3 を超え、次いで千葉、葛南、印西地域が0.035mg/m 3 を超える状況で 、全県において0.030mg/m 3 以上となっています 。 ○ 環境基準達成率の推移 ●浮遊粒子状物質の 環境基準の評価 浮遊粒子状物質の環境基準は、平成11年以前は一般局及び自排 局とも達成率の低い状態が継続していましたが、12年度は、浮遊 以下の2つの条件を 満たす場合に環境基 準が達成としている。 ①年平均値の2%除 3 外 値 が 0.1mg/m 以 下であること。 ②日平均値が0.100 3 mg/m を 2 日 連 続 して超過しないこ と。 粒子状物質の測定開始以来、一般局で94%、自排局で79%の最も 高い環境基準達成率を記録しています。これは、浮遊粒子状物質 の 環境基 準の評価 で「日 平均値が 0.100mg/ m 3 を超える日が2日 連続しないこと」により、例年、冬期の高濃度日が連続して出現 しやすい気象条件で環境基準が未達成となる測定局が多くありま したが、12年度に連続する高濃度日の出現が少なかったことによ るものです 13年度の環境基準の達成率は、一般局で61.3%、自排局で40.0 %と、12年度と比較すると達成率は下がりましたが、一般局及び 自排局とも年平均値は横ばいであることから、環境基準の達成率 は長期的に見れば改善傾向にあります。 - 32 - 第4章 図表4−6 浮遊粒子状物質の状況 項目\年度 一般局 4 3 年 平 均 濃 度 ( mg/m ) 達成局数(局) 測定局数(局) 3 年 平 均 濃 度 ( mg/m ) 環境基準達成率(%) 5 6 7 8 9 10 11 12 13 0.044 0.042 0.043 0.042 0.041 0.040 0.038 0.033 0.035 0.035 環 境 基 準 達 成 率 ( % ) 14.9 自排局 自動車交通公害の現状 7.8 14.5 21.2 19.5 35.6 24.4 23.7 94.1 61.3 17 9 17 25 23 42 29 28 112 73 114 116 117 118 118 118 119 118 119 119 0.050 0.050 0.054 0.051 0.049 0.049 0.047 0.039 0.043 0.042 0.0 0.0 0.0 0.0 5.3 4.5 4.5 13.0 達成局数(局) 0 0 0 0 1 1 1 3 19 10 測定局数(局) 16 17 18 19 19 22 22 23 24 25 図表4−7 79.2 40.0 浮遊粒子状物質の年平均濃度の推移 (mg/m 3 ) 0.100 一般局 自排局 0.080 年 平 均 濃 度 0.060 0.040 0.020 0.000 4 5 6 7 8 9 年度 - 33 - 10 11 12 13 第4章 自動車交通公害の現状 図表4−8 浮遊粒子状物質の環境基準達成率の推移 (%) 100 80 環 境 基 60 準 達 40 成 率 一般局 自排局 20 0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 年度 図表4−9 浮遊粒子状物質の地域別濃度状況 成田地域 北総地域 印西地域 東葛地域 葛南地域 千葉地域 市原地域 その他の地域 君津地域 地域別平均濃度(13年度) 3 東 葛 0.042mg/m 葛 南 0.040 千 葉 0.038 市 原 0.033 君 津 0.032 北 総 0.030 成 田 0.033 印 西 0.033 その他 0.031 全 県 0.035 - 34 - 第4章 自動車交通公害の現状 (3) 二酸化硫黄(SO 2 ) ○年平均濃度の推移 ●二酸化硫黄( SO 2 ) 一般局及び自排局とも環境濃度は、近年、概ね0.005ppmから ・硫黄を燃やすとき にできる刺激性の あるガス ・硫黄を含む燃料を 使うボイラーや ディーゼル自動車 の排ガスに多く含 まれる ・火山ガスにも多量 に含まれる ・人や動植物への影 響や被害を生じさ せる ら0.007ppmの低濃度で推移しています。 なお、自排局の環境濃度の推移をみると、平成9年度以降に ディーゼル自動車燃料として使用される軽油中の硫黄分の引き下 げが行われ、その効果が道路沿道の環境濃度の低下に顕著に現れ ています。 ○環境基準達成率の推移 環境基準の達成率は、昭和54年度以降、一般局及び自排局とも 全局達成の状況が継続しています。 図 表 4ー 10 二酸化硫黄の状況 項目\年度 一般局 自排局 4 年 平 均 濃 度 ( ppm) 5 6 7 8 9 10 11 12 13 0.006 0.005 0.006 0.006 0.006 0.005 0.005 0.005 0.005 0.005 環 境基準 達成 率(% ) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 達成局数(局) 104 104 104 103 103 103 101 101 100 100 測定局数(局) 104 104 104 103 103 103 101 101 100 100 年 平 均 濃 度 ( ppm) 0.009 0.009 0.009 0.009 0.010 0.007 0.007 0.006 0.006 0.007 環 境基準 達成 率(% ) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 達成局数(局) 5 5 5 4 5 5 5 5 5 5 測定局数(局) 5 5 5 4 5 5 5 5 5 5 図表4−11 二酸化硫黄の年平均農度の推移 (ppm) 0.020 一般局 自排局 0.015 年 平 均 濃 度 0.010 0.005 0.000 4 5 6 7 8 9 年度 - 35 - 10 11 12 13 第4章 自動車交通公害の現状 (4)一酸化炭素(CO) ○年平均濃度の推移 ●一酸化炭素(CO) 一酸化炭素は、主に自動車排出ガスに含まれる一酸化炭素の影 ・物が不完全燃焼した ときに発生するガス ・自動車排ガスに含ま れる ・人には、急性中毒を 起こす危険なガス 響を見るために自排局を中心に測定してきた項目ですが、環境中 の濃度は、近年、一般局で概ね0.4ppm、自排局で0.7ppmと低濃度 で推移していますが、平成13年度の自排局と一般局の濃度を比較 すると、濃度は低いものの、自動車排出ガスの影響を受けた自排 局は一般局の約1.7倍高い濃度となっています。 また、自排局の年平均濃度の推移をみると、4年度に1.1ppmを 超 えてい た環境濃 度は、 その後低 下し、 13年度 には0.72ppmまで 改善され、明らかに自動車から排出される一酸化炭素が減少して います。 ○環境基準達成率の推移 環境基準の達成率については、測定開始以来、一般局及び自排 局の全局達成が継続しています。 図 表 4 − 12 一酸化炭素の状況 項目\年度 一般局 4 6 7 8 9 10 11 12 13 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 環 境 基 準 達 成 率( % ) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 6 6 6 6 6 6 6 6 5 5 達成局数(局) 測定局数(局) 自排局 5 年 平 均 濃 度 ( ppm) 6 年 平 均 濃 度 ( ppm) 環 境 基 準 達 成 率( % ) 1.1 6 1.0 6 1.0 6 1.0 6 0.9 6 0.8 6 0.9 6 0.7 5 0.7 5 0.7 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 達成局数(局) 20 21 22 22 24 24 24 25 26 26 測定局数(局) 20 21 22 22 24 24 24 25 26 26 図表4−13 一酸化炭素の年平均濃度の推移 (ppm) 1.4 一般局 自排局 1.2 1.0 年 平 均 濃 度 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 4 5 6 7 - 36 - 8 9 年度 10 11 12 13 第4章 2 自動車交通公害の現状 自動車交通騒音の状況 (1)環境基準の達成状況 道路騒音については、平成10年度の環境基準の改正により騒音の ●自動車騒音の環境 基準の評価方法 評価が騒音レベルの中央値から等価騒音レベルに変更されるととも に、従前の点評価から面的評価による環境基準の評価方法に変更さ ・点評価とは、地域 の騒音を代表する 地点の騒音レベル で環境基準を評価 する方法 ・面的評価とは、道 路 端 か ら 50mの 範 囲 について各建物の 騒音レベルを推計 し、環境基準を評 価する方法 れ、本県も13年度調査結果から面的評価に変更しました。 そのため、10年度までの環境基準達率の評価結果と11年度以降の 評価結果を比較することはできませんが、10年度までの騒音レベル の中央値を用いた点評価の期間についても環境基準の達成率は10% 以下であり、11及び12年度の等価騒音レベルを用いた点評価にあっ ても23∼31%と環境基準達成率が低い結果となっています。 また、本県においても平成11年度の騒音規制法の改正に対応し、 13年度の道路騒音調査結果から面的評価を導入しましたが、全県の 騒音規制区域の県道以上の幹線道路の環境基準の達成率は75.6%に とどまっています。 図表4−14 道路騒音の環境基準達成率の推移 年度 環境基準達成率 ( % ) 測定地点数 4 5 5.0 101 11 12 13 3.8 6 8.7 7 6.9 8 8.3 9 7.7 10 6.5 30.7 23.1 75.6 105 103 101 108 104 107 88 117 76 (注 )・13年度については、政令市の区域については、従来の点評価により環境基準の評価を行って おり、上表には含んでいない 。(測定地点数27地点、点評価による環境基準達成率18.5%) ・10年度までの騒音レベルについては中央値を採用し、11年度からは等価騒音レベルを採用 図表4−15 道路騒音の環境基準達成率の状況 (%) 100 13年度から面的評価 ↓ 80 環 境 基 60 準 達 40 成 率 20 12年度まで点評価 ↓ 11年度から騒音測定方法の変更→ 0 4 5 6 7 - 37 - 8 9 年度 10 11 12 13 第4章 自動車交通公害の現状 図表4−16 平成13年度の道路騒音常時監視結果(面的評価) 平日12時 間交通量 (台) 路線名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 常磐自動車道 国道 6号 国道 14号 国道 14号(京葉道路) 国道 16号 国道 51号 国道 126号 国道 127号 国道 296号 国道 297号 国道 357号(東関東自動車道) 国道 357号(高速湾岸線) 国道 408号 国道 409号 国道 410号 国道 464号 県道 1号(市川松戸線) 県道 4号(千葉龍ヶ崎線) 県道 5号(松戸野田線) 県道 6号(市川浦安線) 県道 8号(船橋我孫子線) 県道 10号(東京浦安線) 県道 14号(千葉茂原線) 県道 23号(木更津末吉線) 県道 24号(千葉鴨川線) 県道 44号(成田小見川鹿島港線) 県道 47号(守谷流山線) 県道 59号(市川印西線) 県道 61号(船橋印西線) 県道 62号(成田松尾線) 県道 69号(長沼船橋線) 県道 87号(袖ヶ浦中島木更津線) 県道 180号(松戸原木線) 県道 201号(大和田停車場線) 県道 261号(松戸柏線) 県道 262号(幕張八千代線) 県道 276号(西浦安停車場線) 県道 278号(柏流山線) 県道 280号(白井流山線) 県道 282号(柏印西線) 県道 283号(若宮西船市川線) - 38 - 65,174 30,742 20,957 71,926 29,944 21,265 21,839 28,195 14,953 10,057 37,548 38,793 30,243 7,321 10,958 21,280 10,590 8,911 14,550 20,660 15,831 21,659 14,262 9,839 18,934 5,426 9,999 9,567 11,956 5,887 10,289 5,340 18,745 7,909 13,335 12,457 7,583 9,841 3,725 8,111 12,818 評価区間 (km) 2.2 4.6 4.4 3.8 12.7 4.5 4.7 0.3 17.2 5.8 0.6 1.5 1.3 1.7 3.2 0.2 2.7 1.9 5.2 4.2 5.1 0.4 0.7 3.0 4.5 0.6 1.1 1.1 1.1 1.4 3.5 2.3 2.1 0.4 0.8 3.5 0.5 0.9 1.8 0.5 1.2 合計 119.2 環境基準達成率 (面的評価) (%) 100.0 47.9 72.8 94.9 52.0 31.1 64.9 82.8 73.1 87.7 70.9 67.5 75.0 77.3 55.0 74.3 61.3 71.0 74.5 76.9 68.2 73.6 98.3 92.7 95.9 100.0 83.1 55.1 63.0 74.7 79.4 88.0 56.9 87.3 90.5 100.0 100.0 81.5 100.0 77.3 80.3 平均 75.6 第4章 自動車交通公害の現状 (2)要請限度の超過状況 道路騒音の要請限度の騒音の評価方法について、平成11年度に騒 音レベルの中央値から等価騒音レベルに変更され、超過状況につい て経年的に評価することはできませんが、4年度から11年度までの 騒音レベルの中央値で評価していた期間では、超過率が上昇する傾 向にあり、道路騒音問題は悪化の傾向にありましたが、等価騒音レ ベ ル で 評 価 し た 12年 度 と 13年 度 を 比 較 す る と 、 13年 度 は 超 過 率 が 低下しました。 図表4−17 道路交通騒音の要請限度超過状況 ( % ) 100 90 80 要 請 限 度 超 過 率 70 59.1 60 52.7 50 40 45.1 40.2 40.0 48.1 48.6 37.6 32.8 30 26.4 20 10 0 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 年 度 自動車騒音の要請限度のレベルを用途地域ごとの測定結果で比較 す る と 、 住 居 が 多 い 地 域 ( a区 域 及 び b 区 域 ) に お い て は 昼 間 の 要請限度である75dBを超過する地点は少ないが、夜間の要請限度で ある70dBを超過する地点が15地点あり、環境基準の達成率を向上さ せるためには、夜間においても騒音レベルを低下させる対策が必要 となっています。 - 39 - 第4章 自動車交通公害の現状 図表4−18 a区域:専ら住居の用に供される区域 b区域:主として住居の用に供される区域 c区域:相当数の住居と併せて商業、工業等 の用に供される区域 自動車騒音の要請限度レベル 5 測 定 地 点 数 4 a区域 3 2 1 0 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 騒音レベル(dB) 70 72 74 76 78 80 56 58 60 62 70 72 74 76 78 80 10 9 b区域 8 7 測 定6 地5 点4 数 3 2 1 0 50 52 54 64 66 68 騒音レベル(dB) 5 測4 定3 地 点2 数1 昼間 夜間 c区域 0 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 騒音レベル(dB) 測定地点:幹線交通を担う道路に近接する区域において実施した結果を用いている。 (注)自動車騒音の要請限度 3 昼間:75dB、夜間:70dB 道路交通振動の状況 ○要請限度の超過状況 道路交通振動の要請限度の超過状況については、平成10年度調査 で 要 請 限 度 を 超 過 し た 地 点 を 除 き 、 4 年 度 か ら 13年 度 ま で の 調 査 結果では超過している地点は確認されていません。 - 40 - 第4章 4 自動車交通公害の現状 自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出状況 モータリゼーションの発達は、県民や事業者に便利で豊かな社会を もたらした反面、自動車から排出される窒素酸化物等の大気汚染物質 や二酸化炭素などの温室効果ガスの排出といった環境への負荷を与え ています。 ●我が国の 二酸化炭素排出量 (平成12年度) (1)運輸部門から排出される二酸化炭素の状況(平成9年度) 「千葉県地球温暖化防止計画」によれば、平成9年度に県内で排 ・環境省調査による 出される温室効果ガスの約95%が二酸化炭素であり、この二酸化 と、平成12年度の 我が国の二酸化炭 素排 出量12億37百 万 t ( C O 2換 算 ) ・運輸部門からの 排 出 量 は2 億 56百 万tと 全体の約21 %を占め、基準年 度 と 比 較し て 21% 増加しています。 炭素の約17%が運輸交通部門から排出され、産業部門に次いで大き な割合を占めています。 運輸交通部門からの二酸化炭素の排出量は、将来的にも増加が見 込まれることから 、いかに増加率を抑えるかが課題となっています 。 (2)自動車燃料販売量及び自動車起源の二酸化炭素の推移 主要な自動車燃料であるガソリン及び軽油の販売量は、8年度 までは販売量が増加傾向にありましたが、軽油については8年度 の 224万 klを 、 ガ ソ リ ン に つ い て は 11年 度 の 342万 klを ピ ー ク に 年 々 販 売 量 が 減 少 し 、 二 酸 化 炭 素 と し て も 11年 度の 377万t (炭素換算)をピークに減少に転じ、13年度の自動車から排出さ れる二酸化炭素は、2年度(京都議定書の基準年度)と比較して 全国の増加率21%(12年度)を下回る19%に抑えられています。 図表4−19 二酸化炭素排出構造の全国との比較(平成9年度) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1.7% 1.5% 全 国 6.8% 千葉県 1.9 % 40.1% 12.6% 11.6% 65.6% 2 0.9% 8.7% 4.4% 4.8% 17.4% 1.9% 0.1% エネ ル ギー 転換 部 門 運輸 部 門 産 業部 門 廃 棄物 民 生家 庭 部 門 工 業プ ロセ ス - 41 - 民 生 業務 部 門 その他 第4章 自動車交通公害の現状 図表4−20 自動車燃料販売量の推移 (千kl) 4,000 3,500 ガソリン 3,000 販 売 量 2,500 2,000 軽油 1,500 1,000 500 0 H2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 年度 資料:石油連盟 図表4−21 自動車から排出される二酸化炭素の推移 (千t−C) 4,000 3,500 二 酸 化 炭 素 排 出 量 1.19 3,000 基準年度 2,500 2,000 1,500 軽油 ガソリン 1,000 500 0 H2 3 4 5 6 7 8 年度 - 42 - 9 10 11 12 13 第4章 5 自動車交通公害の現状 自動車交通公害に関する県民意識 (1)自動車による環境の影響 ● 県政に関する世論調査 (第28回) ・調査時期 平成14年7月∼8月 ・調査対象者 県内在住の満20歳以 上の男女3,000人を 対象に調査 県民世論調査による自動車公害に対する県民の意識調査では、自 動車から何らかの影響を受けていると感じている人の数は、君津及 びその他の地域を除く地域で50%以上となっており、多くの人が自 動車交通の影響を受けていると感じています。 自動車による影響を受けていると感じている人のうち、全ての地 域で約70%の人が騒音の影響を受けていると感じており、他の影響 に比べ高い結果となっています。 図表4−22 自動車による環境への影響 強く受けている 100% 2.3 2.4 少し受けている 5.4 6.8 受けていない 0.0 16.7 80% 41.7 37.9 47.2 42.0 33.3 8.9 28.6 わからない 2.4 1.4 45.9 53.4 66.2 60% 40% 39.6 44.9 31.9 41.5 46.4 41.2 37.7 31.4 20% 24.7 20.8 16.4 14.8 11.2 12.3 8.5 東葛 葛南 千葉 市原 君津 地 域 16.1 10.6 7.8 印西 その他 0% 図表4−23 北総 成田 自動車から受けている影響 黒煙 (%) におい ほこり 騒音 振動 100 80 60 40 20 0 東葛 葛南 千葉 市原 君津 地 域 注:複数回答 - 43 - 北総 成田 印西 その他 第4章 自動車交通公害の現状 (2) 自動車交通公害を少なくするための自主的取り組み 自動車公害を少なくするための自主的な取り組みとしては、自動車の 適正整備を挙げている人が全ての地域で最も多く、次いで経済運転を挙 げる人が多くなっています。また、自主的取り組みとしてアイドリング ストップを挙げる人は、全ての地域で30%前後となっています。 図表4−24 自動車交通公害を少なくするための自主的取り組み (%) 適正整 備 経 済運転 アイドリングストップ 公 共交通利 用 車の相 乗り 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 東葛 葛南 千葉 市原 君津 地 域 北総 成田 印西 その他 注:複 数回答 (3)自動車交通公害対策のあり方 自動車交通公害対策のあり方については、東葛、葛南、千葉の3 地域では利便性よりも自動車交通公害対策を求める人の数が多くな っています 。それに対し 、君津 、北総 、成田及びその他の地域では 、 便利であれば自動車交通公害はやむを得ないと考えている人の数が 30%を超えています。 図表4−25 自動車交通公害対策のあり方 便利さより自動車交通公害対策 便利であれば公害もやむをえない 1 0 0% 1 0. 0 1 0. 9 9 0% 4. 2 16 . 1 1 6. 8 17 . 9 1 6 .5 わからない 10 . 1 3 0. 7 8 0% 1 9. 4 2 0. 1 3 1. 9 1 5. 9 1 8 .8 7 0% 6 0% 42 . 2 30 . 4 39 . 0 2 4. 6 5 0% 4 0% 7 0. 6 6 8. 9 3 0% 6 7. 4 2 0% 6 4 .7 6 3. 9 4 4. 7 44 . 9 市原 君津 地 域 51 . 8 47 . 6 1 0% 0% 東葛 葛南 千葉 資料:千葉県環境生活部 - 44 - 北総 成田 印西 その他 第4章 自動車交通公害の現状 (4)行政に求める取り組み 自動車交通公害に対する取り組みとして県民が行政に求めるもの としては、多くの地域で低公害車の普及促進が最も多く、次いで公 共交通機関の整備となっています。 図表4−26 行政に求める取り組み (%) 100 低公害車の普及促進 良質燃料の普及促進 公共交通機関の整備 渋滞解消のための交通管理 排出ガス規制の強化 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 東葛 葛南 千葉 市原 君津 地 域 注:複数回答 北総 成田 印西 その他 (5)公共交通機関の利用に必要なこと 公共交通機関の利用に関して県民が最も望んでいるのはバス便等 の増加で、特に東葛、葛南及び千葉の3地域を除いた地域で多くな っています。 図表4−27 公共交通機関の利用に必要なこと (%) バス等の便増加 乗り換えの便利さ バス停等が近いこと バスの定時運行 運賃が安いこと 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 東葛 葛南 千葉 市原 君津 地 域 注:複数回答 - 45 - 北総 成田 印西 その他 第4章 自動車交通公害の現状 (6)低公害車・低燃費車の普及に必要なこと 低公害車及び低燃費車の普及に必要なこととして県民が挙げてい るのは、車両価格が一般車と変わらないことが最も多く、次いで新 規購入時の優遇税制となっており、車両取得時の費用に関する関心 が高くなっています。また、一般車と変わらない性能を求める人は 全ての地域で30%前後となっています。 図表4−28 低公害車・低燃費車の普及に必要なこと 一般車と変わらない値段 有(料%道)路 料 金 の 割 引 等 の 優 遇 制 度 新規購入等の際の優遇税制 天然ガス等供給設備の整備 一般車と変わらない性能 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 東葛 葛南 千葉 市原 注:複数回答 - 46 - 君津 地 域 北総 成田 印西 その他