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豚と人の感染症に関する雑学
平成23年 5月 No.106 〈今月の特集〉 豚と人の感染症に関する雑学 TonTon4 月号では、感染症に関するクロスワードパズルを掲載しました。今月号では、豚や人の感染症に関する、病名や病原体の名前の由来 について紹介します。 インフルエンザ: イタリア語の「影響」(influenza)という単語に由来 (16 世紀)。当時は、風邪が病原体により生じるという概念はなく、冬に なると流行し春になると終息することから、占星術師は天体や寒気などの 影響で生じると考えていた。 パスツレラ属菌:この菌により生じる家禽コレラのワクチンを開発するな ど、研究に貢献したルイ パスツールを称えて命名(1887 年)。 ブルセラ属菌:クリミア戦争中にイギリス軍医デビッド ブルースにより、 マルタ熱の原因病原体が発見されたことに由来(1887 年)。 サーコウイルス:ウイルスの形が環状(英語でサークル コンフォメーショ ンという)であることに由来。 炭疽:「炭のかさぶた」の意。 (写真)皮膚炭疽症による黒いかさぶた 〈ウィキペディアより転載〉 サルモネラ属菌:サルモネラ属の基準株であるブタコレラ菌を発見したダ ニエル エルマー サーモン(Salmon)にちなんで命名(1885 年)。た だし、サルモネラ属菌の分離はそれ以前から行われており、ヒトに対する 病原性サルモネラとして最初に分離されたのはチフス菌である(1880 年 にエーベルトにより命名)。 マイコプラズマ:ギリシア語の「カビ」(mykes)と「形成されたもの」 (plasma)という単語に由来(1889 年)。マイコプラズマは小さくて様 々な形に変化する細菌であるが、当時は「カビの性質をもつ生物」と考え られていた。 【クロスワードパズルの正解】 クロスワードパズルは少しマニアックでしたが、みなさんいかがでした でしょうか?まったく歯が立たなかった方もぜひ再チャレンジしてみてく ださい! (タテのカギ) (ヨコのカギ) 1 ブルセラ病 3 トキソプラズマ症 8 サルモネラ症 2 パスツレラ病 5 カンジダ症 9 ニホンノウエン 3 トンタンドク 6 タンソ 4 インフルエンザ 7 ケッカク A~H 検査員はみんなブタモツダイスキ!! 【参考】 フリー百科事典 ウィキペディア日本語版・英語版 Conrad J. Krass and Max W. Gardner Etymology of the Term Mycoplasma Int. J. of Syst. Bact.; Jan 1973, p. 62-64; Vol. 23, No. 1 平成23年 5月 No.106 発行責任者:長崎県食肉衛生検査情報発信委員会