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Agilent U9397A/C FET

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Agilent U9397A/C FET
Agilent U9397A/C
FET半導体スイッチ(SPDT)
U9397A 300 kHz∼8 GHz
U9397C 300 kHz∼18 GHz
Technical Overview
主な特長
●
●
●
●
概要
Agilent U9397A/U9397C FET半導
体スイッチ(SPDT)は広い動作周波
数レンジにおいて、ビデオ・リーケ
ージ、アイソレーション、セトリン
ク ロ ス ト ー ク を 最 小 に 抑 え る 、 グ時間、挿入損失に優れたスイッチ
100 dB @ 8 GHz のきわめて高い です。ミキサや増幅器などの感度の
高いデバイス/コンポーネントの測
アイソレーション
定では、ビデオ・リーケージが損傷
高スループットを実現する、業界 や信頼性の問題を起こしやすいた
め、U9397A/Cが最適です。また高
最速350 μsのセトリング時間
いアイソレーションにより測定間の
内蔵TTL/CMOSドライバにより、 クロストークが抑えられ、正確なテ
ストと歩留まりが向上します。さら
外部ドライバが不要
にスイッチング速度は500 nsと高速
なため、測定システム、通信、レー
ダなどの高速RF/マイクロ波SPDT
スイッチ・アプリケーションに理想
的なスイッチです。
感度の高いコンポーネントの損傷
を防止する、 10 mVpp 未満の低
ビデオ・リーケージ
一般的な FET スイッチのセトリング
時間が、50 ms未満であるのにたいし
て、 U9397A/C は、最新のテクノロ
ジーを採用し、 350 μ s 未満(最終値
の 0.01 dB まで)のセトリング時間を
実現しています。
U9397A/Cスイッチは各RFポートで
GaAs FET MMIC を 使 用 し 、 ま た
TTL/CMOS ドライバを内蔵すること
により、RF1/RF2 ポートのいずれか
がRFCOMに接続されていないときで
も、50 Ωで終端されるようになって
います。
GaAs FETのメリット
GaAs FETスイッチは、ビデオ・リーケージが少ないので、最大定格入力パ
ワーが小さなデバイスの測定に適しています。レシーバ、TWT(進行波管)、
携帯電話のパワー・アンプなどの感度の高いコンポーネントの最大定格入
力パワーは一般に13 dBm未満であり、PINスイッチの大きなビデオ・リー
ケージによって簡単に損傷を受けたりオーバドライブされてしまいます。
PIN スイッチのビデオ・リーケージが一般に 1 V 以上であるのに対して、
U9397A/Cスイッチのビデオ・リーケージは10 mVpp未満になっています。
GaAs FETスイッチのRF応答がDCまで拡張できるのに対して、PINスイッ
チの場合は、リニア抵抗として動作する周波数レンジに実質的な下限があ
ります。一般にPINダイオード・スイッチはON/OFFのスイッチングがRF
と同じ経路を使用するために、10 MHz以下で正確に動作しません。
従来から、GaAs FETの主な欠点はセトリング時間が長いことでした。セト
リング時間は、図1に示すように、TTLドライブの50%から最終のRF値の
0.01 dB(99.88 % Vfinal)までの時間として定義されています。セトリング
時間には、スイッチの時間遅延、スイッチング速度、最終値の0.01 dB以内に
セトリングするのにかかる時間が含まれています。
一般的なGaAs FETスイッチは、数十ms程度のセトリング時間を持ってい
ます。これは、「ゲート・ラグ」効果と呼ばれる遅いトランジェントが主な
原因です。ゲート・ラグは、電子がGaAsデバイスの表面で捕捉される場合
に生じます。GaAsデバイスのゲート・ラグを抑制するための一般的な方法
は、ゲートがトラフの底に「ぴったりと」フィットするようにゲート・ト
ラフの形状をコントロールすることです。しかし、この方法はデバイスの
ブレークダウン電圧と許容パワーを低下させます。図1に示すように、FET
スイッチのOFFからONへのトランジェント動作には、セトリング時間を長
引かせるスロー・テール効果が含まれています。
U9397A/Cは、革新的なテクノロジーを採用して、このゲート・ラグ効果
(スロー・テール)を除去して、350 μs未満のセトリング時間を実現してい
ます。
制御信号
50%
Off
10% RF
高速スイッチング
スイッチング波形
「スロー・テール」
トランジェント動作
スイッチング
速度
90% RF
最終値の0.01 dB
On
セトリング時間
R(off)
理想的な
スイッチング動作
R(on)
時間
図1.
2
スイッチング動作の現実と理想の比較
図2. 一般的なFETスイッチのトランジェント動作
図3. Agilent FETスイッチのトランジェント動作
図2では一般的なFETスイッチのセトリング時間を、N5230A PNA-Lネット
ワーク・アナライザを使って測定しています。測定を同期させるために、
トリガ・ソースはスイッチの制御ピンをPNA-Lの外部トリガに接続してい
ます。図2は、一般的なFETスイッチがきわめて高速なスイッチング速度を
持つにもかかわらず、セトリング時間が非常に遅いことを示しています。
0.03 dB から 0.01 dB にセトリングするのに、約 11 ms もかかっています。
AgilentのFETスイッチは、ゆっくりとしたセトリング時間をなくす特許取
得済みの技術を採用しています(図3)。データ収集システムでは、与えられ
た誤差レベルに対するデータ・レートはセトリング時間によって決まるた
め、セトリング時間はきわめて重要な要素です。測定経路にスイッチが使
用されている場合は、スイッチの0.01 dB のセトリング時間は DUT 測定の
0.01 dBの誤差に相当します。
GSM信号の各スロットは577 μsです。そのため、350 μsに満たない0.01
dB のセトリング時間を持つ Agilent の FET スイッチは、 EGSM/GSM パワ
ー・アンプのテストにおける信号ルーティングに適しています。この例は、
本書のアプリケーションのセクションで詳細に説明しています。
3
アプリケーション
ミキサの測定
図4は、2個のデバイスを同時に測定するミキサ・テストのセットアップを
示しています。固定LOなので、LO信号は図から省略しています。1番目の
デバイスのSパラメータを調べている間に、2番目のデバイスは高調波また
はスプリアス信号を測定しています。−120 dBmというスプリアス信号の
測定では、正確な測定を行うためにスイッチには高いアイソレーションが
必要です。このテスト・セットアップで、1番目のDUTのテスト信号はスイ
ッチ“B”および“D”を通って、2番目のDUTに対するスプリアス信号と
して表れます。2番目のDUTに対してスプリアス信号は−120 dBm程度に
なるので、各DUT間の全アイソレーションは140 dBを超えている必要があ
ります。したがって、正確な測定のためには、各スイッチは最低でも70 dB
のアイソレーションを持っている必要があります。
PNA N5230
ネットワーク・アナライザ
半導体
スイッチ
1
1
半導体
スイッチ
1
1
COM
Agilent
U 9397
半導体
スイッチ
COM
1
2
COM
1
2
COM
Agilent
U 9397
半導体
スイッチ
Agilent
U 9397
2
2
DUT
Agilent
U 9397
COM
COM
2
2
Agilent
U 9397
半導体
スイッチ
COM
1
1
半導体
スイッチ
4
ミキサ・テストのセットアップ
Agilent
U 9397
COM
Agilent
U 9397
半導体
スイッチ
信号発生器
Agilent
U 9397
2
2
半導体
スイッチ
PSG E8267D
図4.
DUT
E4440 PSA シリーズ
B
D
デュアルバンド携帯電話のパワー・アンプのテスト
図5は、デュアルバンド携帯電話のパワー・アンプの簡略化したテスト・セ
ットアップを示しています。デジタル変調機能を持った信号発生器がテス
ト信号をパワー・アンプに供給し、ベクトル・シグナル・アナライザ
(VSA)
を使ってパワー・アンプの出力信号を測定しています。DCSおよびGSMバ
ンドを切り替えるためにスイッチを使用し、スイッチの保護のためにパワ
ー・アンプの出力で2個のアッテネータを使用しています。信号発生器のト
リガ信号(フレーム・トリガ)をVSAとの同期とスイッチのトリガ用に使用
して、パワー・アンプの正しいバンドを正しい時間にテストするようにし
ています。
このアプリケーションでどのようなスイッチを使うかは、2つの理由により
きわめて重要です。まず、VSAが信号のタイムフレームを捕捉できるよう
に、スイッチのセトリング時間が十分に高速でなければなりません。図6は
GSM/EDGE信号のタイミング図ですが、1スロットは577 μsです。したが
って、信号発生器がフレーム・トリガ信号を送出したときに、VSAがスロ
ット1信号のタイムフレーム内でデータを捕捉するには、スイッチングとセ
トリングを577 μs以内に行う必要があります。スイッチの選択が重要にな
るもう1つの理由は、ビデオ・リーケージです。一般的なPINスイッチには、
その性質上1 V以上のビデオ・リーケージがあります。パワー・アンプの最
大入力パワーは一般的に13 dBm未満なので、これによりパワー・アンプが
損傷してしまう可能性があります。代わりにビデオ・リーケージが小さい
か、それを全く持たない電気機械式スイッチを使用すると、これらのスイ
ッチング速度はこのアプリケーションに対しては遅過ぎます(一般に ms
単位)。
N5182 VSG
信号発生器
トリガ
DCS
バンド
1
COM
2
U9397 A/C
1
アッテネータ
半導体スイッチ
COM
パワー・アンプ
U9397 A/C
2
半導体スイッチ
アッテネータ
GSM
バンド
E4406 VSA
図5. GSM/EDGE電話のパワー・アンプの簡略化したテスト・セットアップ
5
4.615 ms
フレーム・トリガ
スロット
576.92 µs
図6. GSM/EDGE信号のタイミング図
U9397A/Cは、10 mVpp未満のビデオ・リーケージ、350 μs未満という高
速のセトリング時間により、このようなアプリケーションに最適なスイッ
チです。また、0.05 dBのセトリング時間は250 μs未満(代表値)です。
6
仕様
仕様は、機器の保証された性能を表します。
代表特性は参考のために示したもので、仕様ではありません。代表特性は
「代表値」「公称値」「約」で表し、イタリック体で記載しています。
RF仕様
モデル番号
周波数レンジ
挿入損失
アイソレーション
リターン・ロス
(ON/COMポート)
リターン・ロス
(OFFポート)
セトリング時間
スイッチング速度
立ち上がり/立ち下がり1
ビデオ・リーケージ
特性インピーダンス
コネクタ
U9397A
300 kHz∼8 GHz
< 3.0 dB(300 kHz∼4 GHz)
< 3.5 dB(4∼8 GHz)
100 dB
> 15 dB
U9397C
300 kHz∼18 GHz
< 5.0 dB(300 kHz∼8 GHz)
< 6.5 dB(8∼18 GHz)
90 dB
> 10 dB
> 18 dB
> 13 dB
350 µs
5/0.5 µs(代表値)
350 µs
5/0.5 µs(代表値)
< 10 mVpp
50 Ω(公称値)
SMA(メス)
< 10 mVpp
50 Ω(公称値)
SMA(メス)
1. スイッチング速度はRFの10 %∼90 %に基づいたもの。
絶対最大定格1
U9397A
パラメータ
RF入力パワー(平均)
RFポートへのDC電圧
RF1/RF2での電流供給2
Vdcバイアス
CTRL入力ハイ電圧
CTRL入力ロー電圧
U9397C
最小
最大
最小
−2.5 V
+29 dBm
+2.5 V
−2.5 V
+12 V
+2.4 V
0V
60 mA
+24 V
5V
+0.8 V
最大
+27 dBm
+2.5 V
60 mA
+12 V
+2.4 V
+24 V
0V
+0.8 V
5V
1. これらの仕様の内の1つでも超えることがあれば、本製品は回復不可能な損傷を受けることが
あります。
2. シンクは不可。
7
環境仕様
U9397A/C半導体スイッチは、Agilent環境仕様に適合するようにデザイン
されています。以下に示すのは、本製品の環境仕様の概要です。
温度
動作時
保管時
サイクル
−40 ℃∼+65 ℃
−65 ℃∼+85 ℃
−65 ℃∼+150 ℃、20 ℃で1分に10サイクル、
待ち時間20分(MIL-STD-833F、Method 1010.8、
Condition C(修正)に準拠)
湿度
動作時
保管時
50 %∼95 % RH(40 ℃)、24時間サイクル1回、
5回繰り返し
<95 % RH(40 ℃)、 5日間
衝撃
半正弦波、平滑化
0.5 msの1000 G、1方向あたり3衝撃パルス、全部で
18回(MIL-STD833F、Method 2002.4、Condition B
(修正)に準拠)
振動
広帯域、ランダム
50 ∼ 2000 Hz 、 7.0 G rms 、 15 分( MIL -STD-833F 、
Method 2026-1(修正)に準拠)
高度
保管時
15,300 m未満
ESDイミュニティ
接触放電1
空中放電2
1. 外部導体へ
2. 中心導体へ
8
4 kV(IEC 61000-4-2による)
8 kV(IEC 61000-4-2による)
寸法
長さ(mm)
幅(mm)
本体質量(kg)
U9397A
65.5
53.3
0.055
65.5
(2.58)
U9397C
65.5
53.3
0.055
4.4
(0.17)
14.1
(0.56)
15.7
(0.62)
11.1
(0.44)
11.7
(0.46)
53.3
(2.10)
11.0
(0.43)
11.0
(0.43)
4.4
(0.17)
5.6
(0.22)
5.3
(0.21)
図7. U9397A/Cの寸法
9
性能(代表値)
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
-0.5
挿入損失(dB)
-1
-1.5
-2
-2.5
-3
-3.5
-4
周波数(GHz)
仕様
挿入損失
図8. U9397Aの挿入損失と周波数(代表値)
0
0
1
2
3
4
5
6
-5
リターン・ロス(dB)
-10
-15
-20
-25
-30
-35
-40
-45
-50
周波数(GHz)
コモン・ポート整合
ONポート整合の仕様
図9. U9397Aのリターン・ロス(ON)と周波数(代表値)
10
ONポート整合
7
8
性能(代表値)
(続き)
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
-5
リターン・ロス(dB)
-10
-15
-20
-25
-30
-35
-40
-45
周波数(GHz)
OFFポート整合の仕様
OFFポート整合
図10. U9397Aのリターン・ロス(OFF)と周波数(代表値)
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
-20
アイソレーション(dB)
-40
-60
-80
-100
-120
-140
-160
周波数(GHz)
仕様
アイソレーション
図11. U9397Aのアイソレーションと周波数(代表値)
11
性能(代表値)
(続き)
0
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
14
16
18
-1
挿入損失(dB)
-2
-3
-4
-5
-6
-7
周波数(GHz)
仕様
挿入損失
図12. U9397Cの挿入損失と周波数(代表値)
0
0
2
4
6
8
10
12
-5
リターン・ロス(dB)
-10
-15
-20
-25
-30
-35
-40
-45
-50
周波数(GHz)
コモン・ポート整合
ONポート整合の仕様
図13. U9397Cのリターン・ロス(ON)と周波数(代表値)
12
ONポート整合
性能(代表値)
(続き)
00
2
4
6
8
10
12
14
16
18
リターン・ロス(dB)
-10
-20
-30
-40
-50
-60
周波数(GHz)
OFFポート整合の仕様
OFFポート整合
図14. U9397Cのリターン・ロス(OFF)と周波数(代表値)
0
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
アイソレーション(dB)
-20
-40
-60
-80
-100
-120
-140
周波数(GHz)
仕様
アイソレーション
図15. U9397Cのアイソレーションと周波数(代表値)
13
オーダ情報
関連カタログ
U9397A
U9397C
8 GHz高性能半導体スイッチ
18 GHz高性能半導体スイッチ
U9397A/C High Performance Solid State Switch Photo Card、
カタログ番号5989-6087EN
Video Leakage Application Note、カタログ番号5989-6086EN
www.agilent.co.jp/find/mta
14
メモとしてお使いください
15
サポート、サービス、およびアシスタンス
アジレント・テクノロジー株式会社
アジレント・テクノロジーが、サービスおよびサポートにおいてお約束できることは明確です。リス
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サービスを利用すれば、用途に合ったアジレント・テクノロジーの製品を選択し、製品を十分に活用
することができます。アジレント・テクノロジーのすべての測定器およびシステムには、グローバル
保証が付いています。アジレント・テクノロジーのサポート政策全体を貫く2つの理念が、「アジレン
ト・テクノロジーのプロミス」と「お客様のアドバンテージ」です。
本社〒192-8510 東京都八王子市高倉町9-1
アジレント・テクノロジーのプロミス
TEL ■■ 0120-421-345
(042-656-7832)
FAX ■■ 0120-421-678
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アが現実的な性能や実用的な製品の推奨を含む製品情報をお届けします。お客様がアジレント・テク
ノロジーの製品をお使いになる時、アジレント・テクノロジーは製品が約束どおりの性能を発揮する
ことを保証します。それらは以下のようなことです。
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じて購入することが可能です。お客様は、設計、システム統合、プロジェクト管理、その他の専門的
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しい競争に勝ち抜くことができます。世界各地の経験豊富なアジレント・テクノロジーのエンジニア
が、お客様の生産性の向上、設備投資の回収率の最大化、製品の測定確度の維持をお手伝いします。
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April 17, 2007
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