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2 子どもとのコミュニケーション

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2 子どもとのコミュニケーション
2
子どもとの
コミュニケーション
1 医療救護活動の全体像から見たテーマの位置づけ
(図Ⅰ- 4)
被災時の現状を見ると,社会のあり方と密接に関係しており,高齢の被災者が増加し,ど
の災害現場でもこのような高齢の被災者を対象とした看護が注目され,実践されています.
しかし,内閣府から提案された要援護者には高齢者と同様に母子も含まれており,数少ない
対象ではあるものの,災害は母子にも大きな被害を与えることは明らかとなっています.
ここでは,子どもの成長・発達の段階に合わせ,子どもの特徴を理解した上で,ケアの第
一歩であるコミュニケーションについてロールプレイを通して学習します.
<急性期>
子ども
倒壊した家屋
からの救出
災害
<亜急性期>
避難所
問題点
成長,発達段階によっ
て自分の気持ちを上手
に表出できない
成人に比べて,身体
的・精神的なダメージ
が大きい
<中長期>
仮設住宅
コミュニケーションのポイント
子どもと養育者とのやり取り,子どもの表情,声の
トーン,会話の状態などを観察する
授乳,
おむつ交換などの子どもとの生活を支援する
中で,
コミュニケーションを取る
子どもの気持ちを尊重し,温かみが感じられる,誠実
な態度で接する
図Ⅰ- 4 医療救護活動の全体像から見た「子どもとのコミュニケーション」
2. 子どもとのコミュニケーション
11
2 演習の目標
① 子どもの成長・発達段階を理解し,災害時の子どもの心理,避難所・仮設住宅で生活す
る子どもの気持ちを把握できる.
② ①の子どもの気持ちを理解した上で,必要なコミュニケーションの取り方について理解
できる.
③ 子どもの成長・発達段階に合った遊びについて理解し,提供できる.
④ 会話などの言語的コミュニケーションと,タッチングを通した非言語的なコミュニケー
ションを行う上での注意点とその重要性を知る.
⑤ 子どもとのコミュニケーションには,養育者への働きかけも重要であることを理解し,
尊重した態度でかかわっていく.
⑥ 子どもと養育者にとって,生活するために必要な場所を理解し,確保できる(遊び場,養
育者と親密なコミュニケーションが取れるプライバシーの守られた場所).
3 演習の準備
物 品
【乳 児】 新生児の人形,オムツ,お尻拭き,沐浴用のたらい(ダンボールとビニール袋),
タオル,お湯.
【幼児・児童】
画用紙,クレヨン,ぬいぐるみ,積み木,ブロック,そのほか,身近にある
物品で子どもの遊び道具に利用できそうなもの.
【思春期】 携帯電話,机や椅子
(話し合いの場の設定に必要なもの).
役割分担
【乳 児】 看護師役,母親役,乳児役
(新生児の人形でもよい),夫役に分かれる.
【幼児・児童】
看護師役,母親役,子ども役に分かれる.
【思春期】 高校生の B 子さん役
(17 歳,女性),父親役,母親役,祖母役,犬のビケ役,大
学生のボランティア役
(20 歳,男性)
に分かれる.
演習場所
【乳 児】 教室や実習室.授乳などがあることに配慮し,プライバシーを守れる空間を確保
する.スクリーン,カーテン,壁などを利用するとよい.生活支援も実施する場合は,給湯
施設のある場所があればなおよい.
【幼児・児童】
教室や実習室,体育館や校庭.子どもと遊ぶスペースが十分に確保できる場
所を選ぶ.
【思春期】 教室や実習室.家族との個人的な話をするので,仕切りなどがある方がよい.
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第Ⅰ章 被災者とのコミュニケーション
場面設定
子どもの成長・発達段階に合わせて,
【乳児】,
【幼児・児童】,
【思春期】の 3 段階で設定する.
【乳 児】
乳児
(生後 3 ヵ月)と母親のAさん.3 日前,震度 6 の大規模な地震が起き,自宅が半壊,
現在は避難所生活をしています.母親は
「夫と子どもの 3 人家族です.夫は消防団員で災害
後,帰宅することができません.生まれてからずっと育てやすい子どもだと思ってきました
が,災害後から夜泣きはひどくなるし,お風呂も十分に入れられないので,あせもはできる
し,母乳が出ないのか授乳後もすぐに泣きます.どこか痛いのか心配です」と話しています.
【幼児・児童】
5 歳の男の子,3 人組です.避難所の隅にある積み上げた布団の上で,地震ごっこをやっ
ています.それを見つけた母親は
「うるさいからやめなさい!」と遊びをやめさせ,代わりに
お絵描き帳とクレヨンを渡しました.
【思春期】
高校生のB子さん
(17 歳,女性)
.災害後,東京に転校し,仮設住宅に両親と 3 人で暮ら
し始めました.ペットとして飼っていた犬の「ビケ」は祖母宅に預けられています.慣れない
土地であること,友人と離れてしまったことから新しい生活は寂しくて,大学生のボランテ
ィア
(20 歳,男性)と,夜遅くまで会って話をすることやメールの交換をすることが今の楽
しみと話しています.
4 演習のフローチャート
(図Ⅰ- 5)
【乳 児】
① オリエンテーション
(→
『災害看護』
p.45,64,149,169 〜 179 を参照)
(5 分)
◦ 被災者の置かれた状況.
◦ 子どもの特徴・発達課題.
◦ コミュニケーションの基本的態度.
◦ 演習の目標,方法,タイムテーブルの確認.
② デモンストレーション
(20 分)
◦ 子どもを抱きながら話しかける場面,沐浴しながら話しかける場面,衣服を着脱しなが
ら話しかける場面のいずれかをデモンストレーションする.
◦ 場面設定の中での子どもの抱き方,沐浴,衣服の着脱について教員・指導者がデモンスト
レーションまたは学生にデモンストレーションをしてもらい,
安全・安楽な方法を確認する.
③ 設定場面の解釈と役割分担
(10 分)
◦ 3 人 1 組になり,看護師役 1 人,母親の A さん役 1 人,A さんの夫役 1 人を決める.乳
児役として人形を準備する.
2. 子どもとのコミュニケーション
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◦ 看護師役は必要物品
(沐浴用のたらい,タオルなど)を準備し,場所の確保をする.
④ ロールプレイ
(10 分)
◦ 看護師役は乳児
(人形)を抱き,ゆったりとした気持ちで話しかけ,あやしながら衣服を
脱がせ沐浴を行う.そばにいる A さん役ともコミュニケーションを取るように心がける.
◦ 沐浴後,着衣をしながらも,乳児に話しかける.あやすことを忘れずに行い,乳児が見
せる反応
(笑う,追視など)を見つけ,乳児が「気持ちよい」というサインを出しているこ
とを A さん役に伝える.
◦ A さん役の気持ちが落ち着いたことを確認し,乳児を A さん役に渡した後,後片づけを
する.
◦ A さん役は,夫役に上記の看護師役との場面における自分の気持ちの変化について話す.
⑤ ロールプレイ時の行動を振り返る
(5 分)
⑥ 役割を交代して,ロールプレイ④,⑤を繰り返す
⑦ グループディスカッション
(20 分)
と全体発表,それを含めた自己評価
【幼児・児童】
① オリエンテーション
(→
『災害看護』
p.45,64,149,169 〜 179 を参照)
(5 分)
◦ 被災者の置かれた状況.
◦ 子どもの特徴・発達課題.
◦ 子どもにとっての
「ごっこ遊び」
の意味.
◦ コミュニケーションの基本的態度.
◦ 演習の目標,方法,タイムテーブルの確認.
② デモンストレーション
(10 分)
◦ 身近にある物で作る遊び道具の例を示し,作り方を示す.
◦ 幼児に対する叱る場面や褒める場面.
③ 設定場面の解釈と役割分担
(15 分)
◦ 5 人グループを作り,子ども役 3 人,看護師役 1 人,母親役 1 人を決める.看護師役は
必要物品
(お絵描き帳,色鉛筆,クレヨンなど)を準備し,場所の確保をする.
④ ロールプレイ
(10 分)
◦ 地震ごっこをしている子ども役を母親役は叱る.
◦ 看護師役は,母親役に
「ごっこ遊び」の重要性を説明し,子ども役には別の遊びを提案す
る
(かけっこ,お絵描き)
.
◦ 看護師役は,遊び道具を子ども役と一緒に作成する.
◦ 看護師役は子ども役と遊びながら,表情や動作,感情の表し方などを観察する.
◦ 極端な言動をとる子ども役がいたら,母親役などに連絡し専門家への紹介も考える.
⑤ ロールプレイ時の行動を振り返る
(5 分)
⑥ 役割を交代して,ロールプレイ④,⑤を繰り返す
⑦ グループディスカッション
(20 分)
と全体発表,それを含めた自己評価
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第Ⅰ章 被災者とのコミュニケーション
【思春期】
① オリエンテーション
(→
『災害看護』
p.45,64,149,169 〜 179 を参照)
(15 分)
◦ 被災者の置かれた状況.
◦ 子どもの特徴・発達課題
(思春期の傾向を押さえた性教育).
◦ コミュニケーションの基本的態度.
◦ 演習の目標,方法,タイムテーブルの確認.
② 設定場面の解釈と役割分担
(15 分)
◦ 6 人グループを作り,高校生の B 子さん役(17 歳,女性)1 人,父親役 1 人,母親役 1 人,
大学生のボランティア役
(20 歳,男性)
1 人,祖母役 1 人,犬のビケ役 1 人に分かれる.
③ ロールプレイ
(15 分)
◦ B 子さん役とボランティア役はメールや電話でのやり取りをロールプレイする.B 子さ
ん役は,今は遠くに離れてしまった祖母や犬のビケのことも話す.
◦ B 子さん役は祖母役にも電話し,ビケの様子を聞いたり,今の不安な感情を正直に話す.
◦ B 子さん役とボランティア役のやり取りが終わった後,父親役,母親役は B 子さん役を
呼び,話しをする.看護師役も同席する.
◦ それぞれの役は,今,感じている気持ちを声に出す.
④ ロールプレイ時の行動を振り返る
(5 分)
【乳 児】
【幼児・児童】
母親 A さんの気持ちを聴く
子どもたちは「ごっこ遊び」で遊ぶ
看護師が乳児を抱く
子どもたちに別の遊びを提案
乳児に沐浴を行い,様子を観察する
遊び道具を子どもと一緒に作る
看護師は乳児の気持ちを代弁するように
して母親 Aさんに話す
子どもの様子を観察する
Aさんは夫に気持ちの変化を話す
必要があれば養育者,専門家などに報告・
相談する
【思春期】
B 子さんとボランティアとのやり取り
両親と B 子さんとの話し合いの場を持つ
看護師は B 子さんの気持ちを代弁する
両親,祖母に精神的支援のお願い
B 子さんに同世代が集うイベントなどを紹介
図Ⅰ- 5 ロールプレイ「子どもとのコミュニケーション」のフローチャート
2. 子どもとのコミュニケーション
15
⑤ 役割を交代して,ロールプレイ③,④を繰り返す
⑥ グループディスカッション
(20 分)
と全体発表,それを含めた自己評価
5 演習で用いる知識と技術
1◦乳 児 ● スキンケアを通したコミュニケーション
乳児は周囲にいる人間,特に母親の精神的動揺を感じ取っています.このようなときは,
①優しく抱くなどのタッチング,②アイコンタクト,③優しい声で話しかけるなどが,乳児
に安心感と安寧をもたらします.これらのことは沐浴,授乳,おむつ交換などの日常生活上
の世話を通して行われることが自然でしょう.ケアとして,沐浴を実施してもよいです.実
施場所は,親と子のプライバシーが守られる空間を確保し,さらに,お湯の確保がしやすい
給湯設備のある場所の近くがよいでしょう.また,最後にお湯を捨てる排水溝が近くにある
場所を選びましょう.
❶ 乳児がすっぽりと入るくらいの段ボール(1 辺
が約 50cm)を用意し,内側から大きなビニー
ル袋で覆う.
❷ 温 かいお湯で満たし,乳児をお風呂に入れる
(図Ⅰ- 6).お湯の運び方などは「足湯・マッサ
ージ」の項目(→ p.75)を参照する.
❸ 「母性看護」の沐浴の方法に沿って行う.
図Ⅰ- 6 段ボールを使った沐浴
● 母親の不安を軽減するコミュニケーション
母親の不安が強い場合は,まず,母親の話をよく聴き,ねぎらい,母親の精神的な安定を
図ることが大切です.また,看護師が母親モデルを示すことも効果があります.
❶ 母 親が何を不安に思っているか,どうしたい
のかを,ゆっくり聴く.多くの場合,取りと
めのない話であることが多いが,じっくりと
聴くことが大切である.
❷ 母 親がゆっくり話せるように,乳児を看護師
が抱き,乳児をあやしたり,安心させる態度
を示す(図Ⅰ- 7).
❸ 乳 児がどれだけ母親を信頼して,母親を心配
しているのかを伝える.
図Ⅰ- 7 看護師が母親モデルを示す
看護師が赤ちゃんを抱き,母親の話を聴く.
❹ 乳児がぐずる際のあやし方などを再度説明し,
母親と乳児の状態が落ち着くまでそばにいる.
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第Ⅰ章 被災者とのコミュニケーション
2◦幼児・児童 ●「ごっこ遊び」
のポイントと注意点
事例の母親は避難所であること,他の避難している方々への配慮のために「ごっこ遊び」を
制止させていますが,怖かった災害を子どもたちが振り返り,「ごっこ遊び」をすることはあ
る程度,推奨したいものです.また,遊びを通して,子どもが表現した気持ちを看護師が共
有することも大切です.
❶ 「ごっこ遊び」の最中で,破壊的すぎる言動を取
る子どもがいないかを観察する.
❷ そのような子どもを見つけたら,絵を描く,人
形などを使って気持ちを表出させるような工夫
も必要となる.
留 意 点 ▶▶
◆ あまりにも破壊的な行動が続くような場合は,
図Ⅰ- 8 気 持ちを表現する方法としての
お絵描き
専門機関へつなぐことが重要である.ホワイト
ボードを使って,お絵描きをすることも気持ち
の表現になる場合もある(図Ⅰ- 8).
● 幼児・児童の遊びのポイント
この時期の子どもたちは体を動かして遊ぶことが大好きです.避難所の外でかけっこ,鬼
ごっこ,縄跳びやフラフープ,シャボン玉などで遊んでもいいでしょう(図Ⅰ- 9).部屋の中
だったら,お絵描き,折り紙,ぬいぐるみ,人形,絵本,紙芝居が一般的です.遊びは気持
ちを表現する 1 つのツールとなるので,子どもが飽きないように工夫してみましょう.
図Ⅰ- 9 屋外での体を動かす遊び
図Ⅰ- 10 さまざまな素材を使ってのお絵描き
2. 子どもとのコミュニケーション
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留 意 点 ▶▶
◆ 室内遊びは飽きてしまうことが多いので,お絵描きならば,紙の質・色にこだわって,広告の
裏のつるつるした紙,模造紙,ダンボール紙,色紙,厚紙などを使ってみる(図Ⅰ- 10).
◆ 描く素材にこだわって,クレヨン,色鉛筆,絵の具などを使い,筆の代わりに自分の指,足な
どで色を塗っても楽しく遊べる.
◆ キワニスドール*などを,気持ちの表現の道具として,災害を経験した子どもたちの遊びの中で
活用してもよい.
*小児科病棟などではプレパレーション
(小児の理解を得て,治療に参加を求める.そのための心
理的な援助をする)
として用いられている.
◆ 子どもを理解している心理職,保育職など,子どもの遊びに関する知識の豊富なボランティア
に協力を得て,
「遊びのボランティア」として活動してもらうのもよい.学生などのボランティ
アも,よい遊びの
“お兄さん”
,
“お姉さん”になってもらえる.
● 玩具を用いてのコミュニケーション
(遊び用具を作る演習)
幼児になると,子どもたちも目で見て楽しむこと,耳で聴いて楽しむこと,手で握って楽
しむことができるようになります.しかし,災害時は子どものおもちゃが十分にそろわない
ことも多いので,身近にある物品を使って即席おもちゃを作りましょう.また,窓から入る
光を利用して,横になっている子どもの上にシーツやスカーフを上下させて,顔にあたる風
や光を楽しんだり,新聞紙をビリビリと破く感覚を楽しむことでも,子どものストレス解消
になります.
図Ⅰ- 11 ペットボトルとビーズを使って
“即席ガラガラ”作り
図Ⅰ- 12 ガラガラの中のきれいなビーズ
を目で楽しむ
❶ ペットボトルとビーズを用意する.ペットボトルにビーズを入れ,しっかり口を閉めると,即
席のガラガラができあがる(図Ⅰ- 11)
.
留 意 点 ▶▶
◆ 乳 幼児はペットボトルの口をくわえることがあるので,そこからビーズなどが出ないように
しっかりと閉める.また,水を少し入れてもきれいに見える(図Ⅰ- 12)
.
◆ ビーズの代わりに,小石,どんぐりなどでも代用ができる.
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第Ⅰ章 被災者とのコミュニケーション
3◦思春期 ◦ 思春期特有の傾向を押さえた性教育
思春期は異性への関心が高まる時期です.事例の女子高校生にはボランティアの男性が身
近な支援者となっています.支援者が男性であることが悪いことではありませんが,性行動
に発展するような状況が起きる可能性がある場合には注意が必要です.災害後の生活の変化
や寂しさから,優しいボランティアのお兄さんに恋心を抱くこともあるでしょう.しかし,
親密さを求める手段としての性行動からくる不幸な妊娠は,避けなければなりません.
◦ 精神的自律の支援
事例の女子高校生への支援として,親への働きかけも大切です.災害後,ご両親は復興に
向けて必死で働かれていることと思います.彼女が親への依存と独立との間で揺れている思
春期にある子どもであるということ,災害後の生活の変化から寂しさを感じていることなど
を説明して,まず,親が子どもの行動や思いに関心を向けて,接してくださるように家族間
での調整を支援することが重要です.また,新しい環境の中で友人をつくるなどの支援も求
められます.季節ごとの行事などを企画・実施する中で,同年代の友人をつくるきっかけづ
くりをしてもいいかもしれません.
留 意 点 ▶▶
◆ 思春期の子どものプライバシーを尊重する.
◆ 子ども扱いしない.
◆ 友人やパートナーとの人間関係のあり方をともに考える.
◆ 思春期の子どもの思い
(甘え,依存,自律)を理解し,受け止める.
◆ 思春期の子どもの考えに関心を向ける.
◆ 看護師は言動の不一致がないように注意する.
6 演習の評価
行動の振り返り
【乳 児】
①(看護師の立場で)
母親の不安な気持ちをきちんと聴くことができましたか?
②(看護師の立場で)
看護師と乳児の間でよいコミュニケーションが取れましたか?
③(看護師の立場で)
乳児の様子を上手に母親に伝えることができましたか?
④(母親のAさんの立場で)
看護師の支援の仕方(声かけや話の聴き方)はどうでしたか?
2. 子どもとのコミュニケーション
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【幼児・児童】
①(看護師の立場で)
子どもが気持ちを表出でき,楽しめる遊びを提供できましたか?
②(看護師の立場で)
子どもの様子を観察できましたか?
③(母親の立場で)
子どもが地震ごっこなどの破壊的な遊びをするのを見てどのように感じ
ましたか?
④(子どもの立場で)
上手く言葉にできない気持ちを遊びの中で表現することができました
か?また,そのために看護師が支援する態度はどうでしたか?
【思春期】
①(看護師の立場で)
思春期の子どもの考えに関心を向けることができましたか?
②(看護師の立場で)
思春期の子ども,両親が自分の気持ちを表現しやすい環境をつくるこ
とができましたか?
③(B子さんの立場で)
看護師,両親に自分の複雑な気持ち(不安や葛藤)を伝えることがで
きましたか?
自己評価の視点
① 対象者の成長・発達段階を捉え,必要なコミュニケーション方法が理解できたか.
② 子どもの成長・発達に合わせた遊びを提供できたか.
③ 言語的コミュニケーションと抱っこやタッチングなどの非言語的コミュニケーションに
ついて理解できたか.
④ 子どもと養育者を尊重した態度が取れたか.
⑤ 子どもと養育者にとって必要な環境を整えられたか.
7 練習問題
① 姉を震災で亡くして,落ち込んでいる 10 歳の女児とのコミュニケーションを考えてみま
しょう.
② 昼間は友人と仲よく活発に遊ぶ 7 歳の男児がいます.夜になるとなかなか眠れず,母親
に震災のことばかり話します.どのようなかかわりが必要ですか?考えてみましょう.
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