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第 35 講 資源とその分布

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第 35 講 資源とその分布
基礎からわかる地理 第 35 講 資源とその分布 エネルギー資源 ①エネルギー種類と利用の歴史 ・ 一次エネルギー →天然のままのエネルギー資源
二次エネルギー →加工して利用するエネルギー
例一次:石油、石炭など 二次:電力、コークス、ガソリン
・ 一次エネルギー → 化石エネルギー(石油、石炭、天然ガス等)
自然エネルギー(風力,水力、潮力、太陽エネルギー)
生物エネルギー(バイオマスエネルギーとも。家畜の力、
排泄物からのガス、サトウキビ等から
バイオエタノール)
核エネルギー
※ 電力 → 発電形式が国により特徴がある。
先進工業国:火力中心(日本、アメリカ、ドイツ等)
豊富な水資源がある:水力中心(カナダ、ブラジル、ノルウェー等)
原子力中心(フランス)等が有名。
※ 原子力発電 → 高技術、高資本が必要なため先進国で利用が多い。
発電量はアメリカが最大。比率はフランスが多い。
日本では福島、新潟,福井など地方の海岸に設置。
②エネルギーの歴史 ・かつては風力や水力等の自然エネルギーか家畜等のエネルギーしかなかった。
→18世紀後半からの産業革命で蒸気機関(石炭)の利用が始まる。 241
第 35 講 資源とその分布 ・19世紀後半にはガソリンエンジンの発明等内燃機関の利用が注目される。
・1960年代 → エネルギー革命
石炭使用から石油使用へ急激な変化
※背景:熱効率 液体で使用しやすい プラスティックなど用途が広い内燃機関の普
及・油田発見による価格低下
・1973年、79年のオイルショック(石油危機)
→紛争、内戦等で石油供給が不安定になり価格高騰
・以降石油消費が一次停滞し、代替エネルギーの開発が進む。
・オイルショックをうけ、産油国の生産が増加し、同時に中東情勢も落ち着いたこと
から価格が急落(逆オイルショック)し、再び石油消費へ。
・現在では、新興工業国(中国、インド)の重要拡大や投機マネーの進出から再び石
油価格が高騰し,世界経済に影響を与えている。
③石 炭 ※中国:フーシュン炭田 フーシン炭田 タートン炭田 アメリカ:アパラチア炭田
インド:ダモダル炭田
ポーランド:シロンスク炭田
ウクライナ:ドネツ炭田
ロシア:クズネック炭田
カザフスタン:カラガンダ炭田
オーストラリア:モウラ炭田
南アフリカ共和国:トランスヴァール炭田
ドイツ:ルール炭田、ザール炭田
イギリス:ランカシャー、ヨークシャー(産業革命)
242
基礎からわかる地理 ④石 油 ・新規造山帯付近に油田分布 → 褶曲山地の背斜部分
※サウジアラビア:ガワール油田 ロシア:チュメニ油田 ヴォルガ・ウラル油田
アメリカ:メキシコ湾岸 カリフォルニア プルドーベイ(アラスカ)
中国:ターチン油田 ターカン油田 ションリー油田 ユイメン油田
ヨーロッパ:北海油田
イラン:ガチサラーン油田
イラク:キルクーク油田
クウェート:ブルガン油田
アルジェリア:ハシメサウド油田
ナイジェリア:ポートハコート
カナダ:アルバータ油田
メキシコ:タンピコ油田 ポサリカ油田 レフォルマ油田
アゼルバイジャン:バクー油田
インドネシア:パレンバン油田 バリクパパン油田
⑤天然ガス ・熱効率がよく,二酸化炭素の排出量が少ない。クリーンエネルギー として注目。また液化した天然ガス(LNG)は硫黄分を含まないため硫黄酸化物を
発生させないため注目されている。
243
第 35 講 資源とその分布 鉱産資源 ①鉄鉱石 ※ブラジル:カラジャス鉄山(サンルイス港) イタビラ(ヴィトリア港)
オーストラリア:ピルパラ地区(マウントホエールバック マウントトムプライス)
中国:アンシャン
インド:シングブーム
ロシア:マグニトゴルスク
ウクライナ:クリヴォイログ
スウェーデン:キルナ イェリヴァレ
②銅鉱石 ※チリ(チュキカマタ エルテニエンテ ラエスコンディーダ)
アメリカ(ビュート)
アフリカ(コンゴ民主
ザンビアまでのカッパーベルト) カザフスタン(ジェズカズガン)
ペルー(セロデパスコ)
③ボーキサイト ※オーストラリア(ウェイパ ゴブ)
ギニア(フリア)
インドネシア(ビンタン島)
ブラジル(トロンペタス)
244
基礎からわかる地理 ④す ず ※インドネシア(バンカ島、ビリトン島)
マレーシア(キンタ)
ボリビア(ポトシ、オルロ)
タイ(プケト島)
⑤ニッケル ※カナダ(サドバリ)
フランス(ニューカレドニア →仏領)
245
第 35 講 資源とその分布 【ワーク】
以下の世界地図に、代表的鉄山を示しましょう。
246
基礎からわかる地理 次の問に答えよ。
(1)炭田はどのような地域に多く見られるか。
(2)中国の代表的な炭田を二つ答えよ。
(3)石油の産出量が世界第一位の国と二位の国をこたえよ。(順不問)
(4)1960 年代に起きた石炭から石油への主な資源利用の変化を何というか。
(5)世界最大の油田と言われるサウジアラビア東部の油田を答えよ。
(6)鉄鉱石はどのような地域に多く見られるか。
(7)ブラジルの代表的鉄山を答えよ。
(8)銅鉱石の産出量、世界最大の国を答えよ。
(9)ボーキサイトは何に加工され利用されているか。
(10)仏領ニューカレドニアで多く産出される資源は何か。
247
第 35 講 資源とその分布 次の各文には誤りがある。誤りを訂正し、正しい文に書き換えよ。
(1)石炭の最大の産出国である中国は、輸出量も最大である。
(2)石炭は使用時に環境負荷が大きく、かさばるため生産量は年々減少している。
(3)天然ガスは燃焼時に二酸化炭素がでないため、環境に与える負荷が小さい。
(4)日本では安価で良質なブラジル産の鉄鉱石を最も多く輸入している。
(5)銅は缶詰やハンダに利用され、おもにマレー半島で産出される。
次の問に答えよ。
(1)1970 年代
1980 年代の石油価格の変動について背景にも触れつつ 60 字以内で述べよ。
(2)天然ガスは先進国での産出が目立つ。その背景を 60 字以内で述べよ。
次の表1中のア
ウは、天然ガスの産出量、輸出量、輸入量のいずれかについて、世界の
上位5カ国とそれらが世界全体に占める割合の順位を示したものである。表中のア
標名との正しい組み合わせを、下の①
ウと指
⑥のうちから一つ選べ。(2010 年センター本試)
ア
イ
ウ
1
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国
ロシア
2
日 本
ロシア
ノルウェー
3
ドイツ
カナダ
カナダ
4
イタリア
イラン
カタール
5
フランス
ノルウェー
アルジェリア
統計年次は 2009 年
248
基礎からわかる地理 249
ア
イ
ウ
①
産出量
輸出量
輸入量
②
産出量
輸入量
輸出量
③
輸出量
産出量
輸入量
④
輸出量
輸入量
産出量
⑤
輸入量
産出量
輸出量
⑥
輸入量
輸出量
産出量
第 35 講 資源とその分布 250
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