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プリント(p1-4)

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プリント(p1-4)
【微分方程式 (2009 年度 真貝)】 0. 微分法・積分法の復習
1
微分法・積分法の復習
0
0.1
微分係数・導関数
微分係数 「関数 y = f (x) の点 x = a 近傍の傾き」次の式で定義.
f ′ (a)
f (x) − f (a)
x−a
f (a + h) − f (a)
= lim
h→0
h
=
lim
(0.1)
x→a
y+Δy
(0.2)
y
y
Δ
導関数 x の各点で上記の微分係数を対応させた関数.
y ′ , f ′ (x), fx (x),
d
dy
,
f (x)
dx dx
x Δ
x x+Δx
• 「x = a で,f (x) に微分係数が存在する」⇐⇒「x = a で,f (x) は微分可能」
• 「f (x) を x = a で微分する」⇐⇒「x = a で,f (x) の微分係数を求める」
「微分する」とは,すな
わち「接線の傾きを求め
ること」
• 「f (x) を微分する」⇐⇒「f (x) の導関数を求める」
• 導関数の表示方法を使うと,点 x = a での微分係数は次のように書ける.
¯
dy ¯¯
f ′ (a),
dx ¯x=a
(0.3)
• 「関数 f (x) が x = a で微分可能」=⇒「関数 f (x) は x = a で連続」
0.2
高階導関数
′
関数 y = f (x) の導関数 y = f ′ (x) が微分可能であるとき,さらに微分した関数 y = (f ′ (x))
を 2 階導関数といい,次の記号で表す.
y ′′ , f ′′ (x), fxx (x), f (2) (x),
d2
d2 y
,
f (x)
dx2 dx2
同様に n 回微分可能なとき,n 階導関数は
y (n) , f (n) (x),
0.3
dn y
dn
,
f (x)
dxn dxn
「微分」の意味
• 「微分する」とは,すなわち「接線の傾きを求めること」. 関数の増減を求めること .
• 2 階微分は,関数の「凹凸」を表す.関数の増減表を書くことにより,増減と凹凸情報
から関数の概形が分かり,グラフが書ける.
物理では,変数を時間として,時間変化の方程式を立てる.位置 x を表す関数を時間 t を変
数にして,x = x(t) とすれば,
位置 x(t)
→ 微分 →
← 積分 ←
速度 v =
dx
dt
→ 微分 →
← 積分 ←
加速度 a =
dv
d2 x
= 2
dt
dt
【微分方程式 (2009 年度 真貝)】 0. 微分法・積分法の復習
0.4
2
微分の計算方法
1. 基本公式
以下,すべて重要
(cf )′
(f ± g)′
(f g)′
f
( )′
g
= cf ′ , c = const.
= f ′ ± g′
= f ′ g + f g′
f ′ g − f g′
=
g2
(0.4)
(0.5)
(0.6)
(0.7)
2. 合成関数の微分 y = f (u), u = g(x) のとき
dy du
dy
=
dx
du dx
(0.8)
y = f (u), u = g(v), v = h(x) のとき
「chain rule」とも呼ぶ
dy
dy du dv
=
dx
du dv dx
(0.9)
dy
1
1
= dx = ′
(f ′ (y) ̸= 0)
dx
f
(y)
dy
(0.10)
3. 逆関数の微分 x = f (y) のとき
4. 対数微分法 与えられた関数の対数をとってそれを微分する方法
5. n 次導関数 2 項係数を使って次のように書ける.
(f (x) + g(x))(n)
(f (x)g(x))(n)
= f (n) (x) + g (n) (x)
)
n (
∑
n
=
f (n−k) (x)g (k) (x)
k
(0.11)
Leibniz の公式
ライプニッツ
(1646-1716)
(0.12)
k=0
2 項係数の値は,
「Pascal の三角形」でも与えられる.定義は,
(
)
n!
n(n − 1) · · · (n − k + 1)
n
n Pk
= n Ck =
=
=
k
k!
(n − k)!k!
k(k − 1) · · · 1
0.5
(0.13)
導関数の計算例
1
2
3
f (x)
xα
ex
ax
4
log |x|
5
0.6
パスカル (1623-62)
f ′ (x)
αxα−1
ex
x
a log a
1
x
1
(x log a)
loga |x|
1
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
1 5 10 10 5 1
Pascalの3角形
6
7
f (x)
sin x
cos x
f ′ (x)
cos x
− sin x
8
tan x
1
cos2 x
すべてよーく確かめて
おくこと.
対数の底が省略されて
いる時,底は e である.
偏微分
関数 f が,複数の変数を持つとき(例えば,f (x, y) とか f (x, t)),どの変数で微分するかを
指定する微分を「偏微分」という.例えば,x で微分するときは,
∂
f (x, y), fx (x, y)
∂x
(0.14)
などと表す.2 階微分も同様にして,
∂2
f (x, y), fxx (x, y)
∂x2
(0.15)
【微分方程式 (2009 年度 真貝)】 0. 微分法・積分法の復習
0.7
3
不定積分と定積分
不定積分 微分演算の逆演算として定義する.
• 連続関数 f (x) に対して,
F ′ (x) = f (x)
(0.16)
F → 微分 → f
F ← 積分 ← f
となる関数 F (x) を f (x) の「原始関数」という.
• 原始関数全体の集合を「 f (x) の不定積分」といい,次のように書く.
∫
F (x) = f (x)dx
(0.17)
• f (x) は,
「F (x) の被積分関数」と呼ぶ.
• f (x) から F (x) を求める操作を「積分する」という.
• 微分すると,定数はゼロになるので,積分するときは,定数を加える自由度がある.こ
れを積分定数と呼ぶ.
• F1 (x), F2 (x) が共に f (x) の原始関数ならば,その差は定数である.
定積分 面積として定義する.
• 関数 f (x) が,区間 [a, b] で,f (x) ≥ 0 とする.x 軸と,直線 x = a, x = b,そして関
数 y = f (x) のグラフで囲まれる領域の面積 S は,区間 [a, b] を n 個の小区間に分割
することで近似できる.すなわち,
a = a0 < a1 < a2 < · · · < an = b,
y
∆xk = ak − ak−1
として,
f(k )
n
S≃
n
∑
f (xk )∆xk
k=1
x
1
n
• 分割数 n を無限に大きくすると,近似の精度は良くなり,面積を表すと考えられる.こ
れを
∫ b
n
∑
S=
f (x)dx = lim
f (xk )∆xk
(0.18)
n→∞
a
k=1
k
n
極限を取ると,
∫
Σが
になり,
∆x が dx になる.
と定め,この値を「関数 f (x) の,区間 [a, b] における定積分」という.
• f (x) ≤ 0 の区間であっても,同じ操作が定義できる.ただし,この場合,面積の値が
負となる.
「面積」を求めるためには,関数 f (x) の正負に応じて定積分の足し合わせが
必要である.以降では,f (x) の正負に関わらず,定積分が (0.18) で定義されているも
のとする.
定積分について,以下の
式が成り立つ.a, b を任
意の定数とする.
∫
∫
b
定積分と不定積分 a
··· = −
∫
a
• 積分の上端を変数 x とした定積分
a
··· = 0
∫
a
∫
x
F (x) =
f (t)dt
a
dF (x)
= f (x).
dx
• したがって,定積分を求めることは,不定積分を行って,上端と下端の値の差を求める
ことと同じ.
[
]b
∫ b
f (x)dx = F (x) ≡ F (b) − F (a)
(0.19)
a
∫
b
∫
c
+
a
を考えると,F (x) は, f (x) の不定積分である.すなわち,
a
···
b
c
=
b
a
定積分(面積)を求める
ことは,実は不定積分で
上端・下端の値の差を計
算することと同じであ
る... という結論.
(だか
ら同じ記号を使う).
【微分方程式 (2009 年度 真貝)】 0. 微分法・積分法の復習
0.8
4
積分の計算方法
1. 積分の線形性 k, l を定数とする.
∫ b
∫
{kf (x) + lg(x)}dx = k
a
∫
b
b
f (x)dx + l
a
g(x)dx
2. 置換積分法 合成関数の微分 (F (g(x))′ = f (g(x)) g ′ (x) の裏返し.
[
]β
∫ b
∫ β
′
f (g(x)) g (x)dx =
f (t)dt = F (t)
a
(0.20)
a
α
(0.21)
α
積分する変数が dx から
dx
dt に変わるとき, を
dt
計算して置換
ここで,α, β は,α = g(a), β = g(b) である.
よく使う置換
• f (ax + b) を見たら,ax + b = t
f ′ (x)
•
を見たら,f (x) = t (log f (x) の微分だと見抜く)
f (x)
• f ′ (x){f (x)}α (α ̸= −1) を見たら,f (x) = t
√
• a2 − x2 を見たら,x = a sin θ
a
• 2
を見たら,x = a tan θ
a + x2
3. 部分積分法 関数の積の微分 (F (x) g(x))′ = f (x)g(x) + F (x)g ′ (x) の裏返し.
[
]b ∫ b
∫ b
f (x)g(x)dx =
F (x)g(x) −
F (x)g ′ (x)dx
(0.22)
a
a
a
部分積分は,次の要領で行うのがよい.
• sin x, cos x, ex は「積分」しようとする.
(積分しても複雑にならないから)
• log x は「微分」しようとする.
(微分すると log がなくなるから)
0.9
不定積分の計算例
f (x)
3
xα (α ̸= −1)
1
x
ex
4
ax
5
log x
1
2
0.10
∫
f (x)
α+1
x
α+1
log |x|
ex
ax
log a
x log x − x
6
7
8
9
10
sin x
cos x
tan x
sinh x
cosh x
f (x)dx
− cos x
sin x
− log | cos x|
cosh x
sinh x
体積
a
曲線の長さ
関数 y = f (x) のグラフの 区間 a ≤ x ≤ b の長さ L は,
√
( )2
∫ b
∫ b√
dy
(dx)2 + (dy)2 =
1+
L=
dx
dx
a
a
log x dx の 計 算 は ,
(x)′ log x dx と見抜く
対数の底が省略されて
いる時,底は e である.
座標 x で立体を表現でき,座標 x での面積が S(x) で与えられているとき,立体の区間
a ≤ x ≤ b の体積 V は,
∫ b
V =
S(x)dx
(0.23)
0.11
∫
結果が正しいことを確
かめるだけなら,右側の
ものを微分すればよい.
導出できるようにして
おくこと.
∫
f (x)dx
∫
(0.24)
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