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平成 24 年度事業計画

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平成 24 年度事業計画
平成 24 年度事業計画
1.総論
(社)海外鉄道技術協力協会は、昭和 40 年の創設以来、協会の目的である「海外
諸国における鉄道の建設、改良および運営等に関する協力」を通じて、国際社会への
貢献を行うべく努力し、設立以来 40 数年の間、世界各国で協力の実績を積んできた。
特に近年は地球環境問題等による鉄道への期待の高まり、世界的な高速鉄道導入の
機運の高まり、経済発展に伴う深刻な都市交通問題の解決のための都市鉄道整備の活
性化等により、我が国に対する支援要請もさらに増す一方、政府の成長戦略において
鉄道の海外展開を重点項目の一つとして掲げられる等、国内の関係者が官民一体とな
って鉄道の海外展開を進める機運が高まっている。
このような中、鉄道の海外展開を実現するための国内の実施体制を再構築し、さら
なる発展を図るため、これまで当協会が担ってきた海外鉄道コンサルティング業務に
ついては、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとする鉄道事業者が設立したオールジャ
パン体制による海外鉄道コンサルティング業務を行う新会社(日本コンサルタンツ株
式会社)に対し、本年 4 月 1 日に事業譲渡を行ったところである。
一方、当協会は、これまでも実施してきた、海外鉄道に関する調査研究、海外鉄道
に関する情報の収集及び分析、海外諸国に対する我が国鉄道産業及び鉄道技術の紹介
等の非営利業務を行う社団法人として存続し、今般の新会社の設立による海外鉄道コ
ンサルティング機能の強化という趣旨を踏まえ、我が国鉄道の海外展開及び国際協力
の推進に資する活動を行っていくこととしている。
当協会としては、これまでの業務を通じ、特に、以下のような観点で鉄道の海外展
開を支援することが求められているとの認識に至っている。
一点目は、海外の政府関係者や鉄道事業者、関係企業などの鉄道関係者に対する啓
発活動を通じ、日本の鉄道システムの素晴らしさを海外の鉄道関係者に対してわかり
やすく PR することである。
二点目は、日本の鉄道の海外展開や国際協力を推進したり、日本の鉄道の素晴らし
さを海外に向けて発信するために必要な人材の強化やツールを整備することである。
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三点目は、日本の鉄道の海外展開を促進するために必要不可欠な世界各国の鉄道事
情や競合国の海外展開戦略、技術動向等の情報を収集することである。
これらを踏まえると、鉄道の海外展開をより効果的な体制で実施していくために、
当協会がこれまで取り組んできた活動の知見を活かしながら、幅広い業種を会員とし
て持つ非営利団体としての強みを生かし、個々の企業では解決しにくいこれらの課題
を少しでも解消させるよう積極的な活動を行うことが当協会の基本的な役割となる
と考えられる。
当協会は、以上の認識のもと、平成 24 年度は次のような考え方を基本に活動を行
う。
2.運営の基本方針
当協会は、鉄道事業者、鉄道関連メーカー、商社、コンサルタント、建設会社等鉄
道の海外展開に関係する幅広い業種を会員として持つ国内唯一の非営利団体である。
当協会の運営にあたっては、このような特長を最大限活かすこととし、個々の企業単
独では実施が困難な事業、幅広く会員の協力が必要な事業、その便益が広く会員に及
ぶ事業を基本に事業展開を図っていくこととする。
具体的には、① 国内外におけるセミナーの開催や要人招聘などの啓発活動の強化、
② 日本の鉄道システムに関する情報発信の強化に資する人材育成やツールの整備、
③ 海外鉄道に関する調査研究等の情報収集の強化を中心として実施するとともに、
その成果については、広く会員に情報提供を行う。
また、具体的な個々の活動については、会員や関係機関等から意見を聴きながら決
定していくこととする。
なお、公益法人制度改革に関しては、当協会は、平成 25 年 4 月 1 日の移行を目指
して諸手続きを行うこととする。
3.具体的な活動計画
(1)海外への啓発活動の強化
日本の鉄道システムに関する海外の鉄道関係者の理解を深めるため、国土交通
省、海外鉄道推進協議会とともに、高速鉄道セミナーの開催や海外要人の招聘等
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を実施する。平成 24 年度は、当該啓発活動で用いる情報発信ツールの整備を図
る。
なお、具体的な内容、開催地、招聘者等については会員の意向を踏まえつつ、
関係者等と調整を行い決定することとする。
(2)日本の鉄道システムに関する情報発信の強化
鉄道の海外展開や国際協力に従事する人材の強化のため、海外諸国における鉄
道コンサルティング業務や鉄道ビジネスの実態等に係る研修を実施する。また、
外国の行政関係者や留学生等との交流を積極的に行い、日本の鉄道等に対する良
き理解者を増やす機会を設ける。さらに、新幹線システムに代表される日本の鉄
道の基準・規格をはじめとする情報発信ツールの整備を図る。
(3)海外鉄道に関する情報収集の強化
鉄道の海外展開や国際協力を行うに際し必要となる基礎的情報の収集を行う
とともに、当協会において編纂を行った「世界の鉄道」を逐次更新し、最新の海
外鉄道事情を提供する。また、各国の鉄道整備計画や構想に係る調査や欧州、中
国、韓国等競合国の海外展開への取組みや技術動向等に係る調査を行う。
(4)会誌発行・HP による情報提供
上記活動の成果に加え、会員間の情報交換、在外公館等による鉄道事情の紹介
等を行うため、会誌を年間 2 回発行するとともに、HP による情報提供を行う。
(5)公益法人制度改革への対応
平成 25 年 4 月 1 日の移行を目指して必要な手続きを行う。
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