...

第1号 2012年5月発行

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

第1号 2012年5月発行
立教大学 陸前高田
サポートハウスたより
第1号
2012 年 5 月
立教大学
コミュニティ福祉学部
復興支援推進室
昨年 11 月に『立教大学 陸前高田サポートハウス』を正式に開設させていただきました。地区の方々のご
理解とご厚意をいただき利用することができますことを、改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
立教大学コミュニティ福祉学部は、震災に対して教員と学生が共に復興支援活動を行うことを決定し、4
月から半年間、教員が学生と共に活動できる場所を探しておりました。現在は、石巻市・気仙沼大島そして陸
前高田市にて活動しています。また、原発事故によって東京都内に避難されている方々のための孤立化防止事
業に協力しています。
ここ陸前高田市は、震災前から生出での炭焼き体験を通じて交流が続いていたこともあり、当初から支援
地域として考え、その方法を検討してきました。幸いにも、小友地区に家を貸して頂けることになり、安全に
活動できる体制が整いつつあります。
多くのボランティア団体が市内に宿泊先が無いことから、
住田町や遠野、
一ノ関などから通っておられる中で、陸前高田市内に居住できる拠点を持てたことは本当にありがたいことと
受け止めています。しかも、二次避難所として利用されていたこともあり、布団、食器、電化製品などが、20
人程度の集団生活ができるほど何でも揃っており、それらを使わせて頂けることもありがいことです。
2011 年 11 月以降、少しずつ環境整備を行いながら、学生と教員とが活動を行ってきました。その様子を
家を貸して頂いているお礼も兼ねてご報告させて頂きます。
サポートハウスに泊まった学生たちはみな「おばあちゃんちに遊びに来たみたいで、ほっとした。」「自
分の田舎になった気がする。」「炬燵に入ってみんなで話していると、ゆったりした気分になる。」ととても
気に入っています。「また来たいです。」「今度来たら、ただいまーと言います。」と、このサポートハウス
を気に入ってくれています。多くの学生が陸前高田に来るように、活用していきたいと思います。
大学として整備した物品などは
1,自動車
移動手段が自動車に限られるため、これまで一ノ関でレンタカーを借りて行動してきましたが、費用的に
も日程的にも制限が有り難しいことから、自動車を用意することにしました。幸いなことに、復興支援団
体に自動車を寄付する団体があり、応募したところ快く寄付していただくことが出来ました。もうしばら
くしたら乗って来ることになると思います。車種は HONDA のオデッセイ(7 人乗り)です。一ノ関駅周
辺に駐車場を借り、活動の時に乗って来ることになると思います。
2,自転車
これも寄付して頂きました。坂道が多いことから電動アシスト付き自転車 2 台と普通の自転車 2 台です。
時々学生などが乗っている姿を見ておられるかもしれません。アップルロードを下り、三日市から両替あ
たりを回らせています。被災状況をより身近に感じるには、車で通るより自転車で走り、時々おりてみて、
防波堤や海を間近に見ることが大切だと考えています。
3,震災を記録した写真集や DVD
震災前の陸前高田を知らないわたしたちが、被災状況を知るために出来るだけ多くの資料を集めています。
特に、震災前の陸前高田の風景が掲載された写真集は、カラーコピーして持ち歩けるようにしたり、パソ
コンに保存し、実際にその場所に行った時に震災前の風景と比べることができるようにしています。松原
や砂浜、多くの建物があった地区、陸前高田駅前からの商店街などを見ることで、今回の震災がどのよう
に人の生活を破壊してしまったのか、その人たちがどのようなことを経験されたのか、実際には知ること
は出来ませんが、少しでも具体的に想像できるようにしています。「知ること」から支援が始まると思い
ますが、できるだけ詳しく「知ること」で何をしたらいいかを考えさせたいと思っています。
4,テーブルや事務用品
このサポートハウスを今後どのように使っていくのか未だ具体的に決まっていませんが、多くの人が集ま
ることができるように、高さが自由に変えられるテーブルなどを準備しています。
5,生活用品
学生と 7,8 人で泊まることが多いのですが、ゴミ箱や調味料など生活用品も多めに必要です。今年の冬
の寒さは、都会から来る学生には厳しいものでしたが、隣家の黄川田さんご夫妻が、到着の前にストーブ
を点けておいて下さったり、帰った後の大量のゴミを処理して下さったりして、快適に過ごせるように気
を配って下さいました。大量に購入した湯たんぽも活躍し、冬を乗り切りました。
サポートハウスを利用した学生は皆「田舎のおばあちゃんの家に来たようなほっこりした気持ちになっ
た。」「初めて来たのに懐かしい気持ちだった。」「炬燵に座ってみんなで鍋を食べていると、ここが被
災地だということを忘れてしまうくらい快適だった。」「また来たくなる家です。」「星が信じられない
くらい綺麗で、道路に寝てみんなで星を見ました。」「地域の方のご理解でこんな経験が出来ていると思
うと、本当に感謝です。」などと感想を残していきました。
本当にサポートハウスがあることは、わたしたちの大きな力になっています。
= 利用実績 =
11 月 4 日にサポートハウスの運営委員会を開催し、正式に開所としました。その後、月に 1 回程度し
か来られないのですが、春休みには多くの教員と学生が利用しました。
これまで陸前高田プログラムに参加したのは、延べ 4 回 24 名。その他ゼミ合宿として利用したのが4
つのゼミで 28 名でした。また、3 月には毎年コミュニティ福祉学部の教員研修を行っているのですが、今
年は被災地を知ることを研修として行い、石巻市・南三陸町・気仙沼市・気仙沼大島・陸前高田市を 2 日
間かけて視察しました。これには 19 名の教員が参加しました。サポートハウスにも寄って学部として今
後どのように使用するかを話し合いました。戸羽市長さんとも面会し、今後も継続的に支援と交流をして
いくことをお約束しました。
2012 年度については、学部プロジェクトでの陸前高田市担当教員である松山が、定期的にサポートハ
ウスに滞在し、専門性を生かして陸前高田市の業務を応援したり、仮設住宅での活動を行う予定です。滞
在中の週末に学生を呼び、市内の被災状況を見たり、仮設住宅でのプログラムに参加したりする予定です。
近くの三日市仮設、モビリアと話し合いをしています。また、せっかく貸して下さっているサポートハウ
スをもっと活用する方法を、小友・広田地区で活動している他のボランティア団体とも話し合っています。
他のボランティア団体とも連携して活動する予定です。
これまで地区の皆様にほとんどご報告をせず申し訳ありませんでした。今後わたしたちの活動について
少しずつ報告させていただきます。学生も少しずつですが陸前高田に来て、自分の田舎の家のようなこの
サポートハウスに泊まり、近くを歩くと思います。見掛けたら是非声を掛けて下さい。
Fly UP