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国際エネルギー消費効率化等モデル事業及びその成果等について 別紙
別紙 国際エネルギー消費効率化等モデル事業及びその成果等について 1.国際エネルギー消費効率化等モデル事業について (1)事業の趣旨 アジア地域の開発途上国等では、経済発展に伴 い、エネルギー需要が急増すると見込まれており、 日本で実用化されているエネルギー有効利用技術 (省エネルギー技術、石油代替エネルギー技術)の 適用と普及に、大きな関心が寄せられています。 国際エネルギー消費効率化等モデル事業(モデ ル事業)は、アジア地域の開発途上国等のエネルギ ー多消費産業等において、日本の優れたエネルギ ー有効利用技術を実証し、その普及を促進すること によって、エネルギー消費量の削減を図る事業で モデル事業の実施サイト(現在計 39 件) す。 (2)実施方法 モデル事業では、実施可能性調査(FS)、モデル事業(実証)及び技術普及事業(フォローアップ) までの一連の事業を一テーマとして、実施しています。 国際エネルギー消費効率化等モデル事業の進め方 【実施可能性調査(FS)】 モデル事業候補案件の実施可能性について、相手国政府機関やサイト候補企業等との協議及び技術の普及蓋然 性等に関する FS を行います。 【モデル事業(実証)】 日本において実用段階にある優れたエネルギー有効利用技術を相手国のエネルギー多消費産業等に適用(設備改 造等)し、実機により実証(デモンストレーション)を行います。 【技術普及事業(フォローアップ)】 技術の有効性の実証成果を踏まえて、相手国に於ける当該技術の普及を支援するためのフォローアップ事業(技術 専門家の派遣や技術指導等)を行います。 国際エネルギー消費効率化等モデル事業の実施体制 モデル事業の実施に際し、NEDO 技術開発機構 日本側 日本側 は、右図のように、相手国の担当省庁と基本協定書 (MOU)を締結します。また、委託先となる日本の企 業は、相手国サイト企業等と協定付属書(ID)を締結 します。 モデル事業は、右図のような業務分担で進められ ます。 1 相手国側 (3)実施例 【コークス乾式消火設備モデル事業】 ・実 施 国:中国(1997 年度∼2000 年度) ・実 施 サイト:首鋼(集団)総公司 ・事 業 概 要:製鉄所内のコークス炉から出る赤熱コークスを従来の 湿式法(水)に代えて乾式法(窒素)で冷却し、その過 程で回収した熱を工場用蒸気として有効利用します。 併せて、従来の湿式法では水蒸気とともに飛散してい た炭塵等の大気汚染物質の拡散も抑制します。 コークス乾式消火設備 ・委託先:新日本製鐵(株) (現:新日鉄エンジニアリング(株)) コークス乾式消火設備 ・省エネ効果:24,700toe/年 (CO2 排出削減効果:68,300t/年) ※インドにおいても同様のモデル事業を実施中。toe は石油換算トンのこと。CO2 排出削減効果は CO2 換算量を示す。 【セメント排熱有効利用モデル事業】 ・実 施 国:中国(2000 年度∼2004 年度) ・実 施 サイト:広西魚峰集団有限公司 ・事 業 概 要:セメント製造の焼成過程において排出される高温の排 ガスの熱を排熱ボイラーで回収することにより、高温の 蒸気を製造後、タービンで発電し、プラント内利用します。 ・委託先:川崎重工業(株) (現:カワサキプラントシステムズ(株)) ・省エネ効果:10,080toe/年 (CO2 排出削減効果:31,200t/年) セメント排熱有効利用設備(写真は PH ボイラー) ※インド、ベトナムにおいても同様のモデル事業を実施済み。 【省エネ・節水型繊維染色加工モデル事業】 ・実 施 国:タイ(2004 年度∼2005 年度) ・実 施 サイト:トン・タイ・テキスタイル社 ・事 業 概 要:染色機、乾燥機及びテンター(幅出し仕上げ機)から 構成される省エネ・節水型繊維染色加工装置によって、 省エネ及び環境負荷低減を図ります。 ・委託先:(株)KRI ・省エネ効果:2,330toe/年 (CO2 排出削減効果:7,100t/年) 省エネ・節水型繊維染色装置(写真は乾燥機) ※インドネシアにおいても同様のモデル事業を実施中。 【製糖工場におけるモラセス・バガスエタノール製造モデル事業】 ・実 施 国:タイ(2006 年度∼2007 年度) ・実 施 サイト:タイ・ルーン・ルアン・エナジー社 ・事 業 概 要:サトウキビを原料とする製糖産業において、砂糖の 製造工程で発生するモラセス(廃糖蜜)、バガス(サト エタノール製造設備 ウキビのしぼりかす)等の副産物を用いた燃料用エタ ノール製造技術を導入します。 ・委託先:丸紅(株) ・代エネ効果:17,640toe/年 (CO2 排出削減効果:54,600t/年) 2 モラセス(左)及びバガス(右) 2.普及状況に関する調査結果と成果について (1)調査の方法 平成 19 年度に、「国際エネルギー消費効率化等モデル事業に係る稼働状況及び普及実績等に 関する調査」(委託先:(社)日本プラント協会)を実施し、併せて NEDO 技術開発機構(本部・海外 事務所(北京、バンコク、ジャカルタ))が実施した委託先、サイト企業及び相手国政府機関(カウンタ ーパート)へのアンケート調査及びヒアリング調査等によって収集された結果を基に成果を集計しま した。 (2)調査結果(普及状況) ①普及実績 平成7年度から平成 19 年度に終了したモデル事業(計 36 件)のうち、下記のとおり 13 事業に おいて少なくとも約 130 基の普及成果を確認しました(モデル事業対象国以外の国への普及成 果を除く)。 スーツブロア/中国 (H8 終了) : プレグラインダー設備/インドネシア(H8 終了) : 10基 高炉炉頂圧発電設備/中国(H10 終了) : セメント排熱有効利用/中国(H8、H16 終了) : 50基 コークス乾式消火設備/中国(H12 終了) : 33基 製紙スラッジ等有効利用/インドネシア(H12 終了) : 1基 ゴミ焼却廃熱有効利用/中国(H14 終了) : 2基 転炉排ガス回収設備/中国(H13 終了) : 6基 製鉄所副生ガス高効率燃焼システム/中国(H14 終了) : 1基 化学工場副生排ガス等有効利用設備/中国(H14 終了) : 2基 ビール工場省エネルギー化/ベトナム(H17 終了) : 2基(部分技術) : 8基(部分技術) 省エネ・節水型繊維染色加工/タイ(H17 終了) 計 7基 6基 128基 ※:上記の基数は、委託先以外の企業による普及成果を含む稼働したもの。 ②波及効果(CO2 排出削減効果) 約 130 基の普及実績から CO2 排出削減効果を推計したところ、約 800 万 t/年※の削減量が、波 及効果として得られました。 ※:NEDO による推計値であり、実測値ではありません。 3