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都市環境管理における官民パー トナーシップと

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都市環境管理における官民パー トナーシップと
都市環境管理における官民パートナーシップと
効率性に関するアジア比較研究
(課題番号17510035)
平成17年度-平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書
平成19年3月
研究代表者
白川博章
(名古屋大学大学院環境学研究科・助手)
はしがき
本報告書は、科学研究費補助金(基盤研究(c))により、平成17年度から平成18年度に
かけて行った「都市環境管理における官民パートナーシップと効率性に関するアジア比較
研究」の成果をまとめたものであるo
現在、アジアでは32%の人々が都市に居住し、都市人口は年々増加する傾向にあるo
ア
ジアの発展途上国では急速な都市化と政府の財源不足が原因となり、上下水道、廃棄物処
理施設、公共交通機関などのインフラストラクチャーが不足し、環境サービスが都市住民
に十分に供給されていない。そこで、これまで公共セクターが担ってきた都市環境管理に
対して、民間参入が強く求められており、官民パートナーシップの重要性が高まっている。
官民パートナーシップについては、資金調達面だけでなく、事業体の運営効率も改善す
ることが期待されているo
しかし、官民パートナーシップが事業体の運営効率に与える影
響については、様々な意見が出され、必ずしも見解が一致していない0
そこで本研究では、都市環境管理の効率性評価をとおして、官民パートナーシップが事
業体の経営効率に与えた影響を検討することを目的とした。その際、都市環境管理の中で
も、水道事業に焦点を当て、アジア全体と中国を対象とし、水道事業体の効率性を比較し
た。
都市環境管理は、公共性が高い事業であるため、効率性だけでなく、公平性にも配慮
することが求められるo
したがって、単に事業の効率性を改善するだけでなく、どのよ
うな手段を用いて、効率性を改善するかが問われている。そこで、都市環境管理の効率
性を評価し、事業体の間で効率性の違いが生まれた原因を検討することが、大きな課題
となっている。
本研究の成果が、アジアにおける都市環境管理-の学問的支援となれば幸いであるo
2007年3月15日
白川
博章
研究組織
研究代表者:
白川博章(名古屋大学大学院環境学研究科助手)
研究分担者:
金子慎治(広島大学大学院国際協力研究科助教授)
(研究代表者:
井村秀文)
(研究協力者:
馬奈木俊介)
(研究協力者:
金原達夫)
(研究協力者:
勝原健)
(研究協力者:
田畑智博)
(研究協力者:
常秒)
(研究協力者:
Mushtaq
(研究協力者:
藤井秀道)
(研究協力者:
文多美)
A. Memon)
(金額単位:千円)
交付決定額
直接経費
間接経費
合計
平成17年度
1,800
0
1,800
平成18年度
1,800
0
1,800
総計
3,600
0
3,600
研究発表
(1)学会誌等
白川博章,金子慎治,常秒,井村秀文:アジアにおける水道事業の効率性比較に関する研
Ⅵ)1.20, pp.293・296,
2006.
究,環蚤情報科学論文集,
文多美,白川博章,田畑智博,井村秀文:都市ごみ焼却施設建設に関する環境影響評価に
おける住民の情報ニーズに関する研究-ソウル市を事例として,環境情報科学論文集,
Ⅵ)1.20,
Me血on,
pp.415・420,
A.,
M。,
environnental
development,
2006.
Imura,
H.
and
infrastructure
Ⅵ)1.15, pp.138-157,
and
Reforms
Shirakawa,
H.:
services
in Asia, The
for
journal
managing
of environment
2006.
金原達夫,藤井秀道,金子慎治:日本企業における環境行動と経済・環境パフォーマンス
の関係-ポーター仮説の検証・,広島大学大学院国際協力研究科『国際協力研究誌』,印
刷中,
2007.
(2)口頭発表
白川博章,金子慎治:中国における工業用水の経済的特性に関する研究,環境科学会2005
年会(2005年9月8日・9月9日)。
urban
and
白川博章,金子慎治,常秒:アジアにおける水道事業の効率性比較に関する研究,環境経
済・政策学会2005年大会報告要旨集(2005年10月9日・10月10日,東京都新宿区),
CD-ROM
(2pages),
2006.
藤井秀道,金子慎治,馬奈木俊介:中国における環境効率改善の計測と評価:工業用水の
事例,第33回環境システム研究論文発表会(2005年11月3日・11月4日)
藤井秀道,金子慎治,馬奈木俊介,勝原健:中国鉄鋼業における資源環境に関する技術進
歩,第16回国際開発学会全国大会報告論文集(2005年11月2.6日・11月27日)
藤井秀道,金子慎治,馬奈木俊介:中国鉄鋼企業の環境効率の計測と評価・水資源とエネル
ギー消費について,環境科学会2006年会(2006年9月4日-9月5日).
(3)出版物
なし
研究成果による工業所有権の出願・取得状況
なし
目次
第1章
アジアの都市環境インフラ整備と官民パートナーシップの動向
1.はじめに
2.官民パートナーシップとアジアにおける動向
--・一--------
3.水道事業における公営と民営の効率性をめぐる議論
--=--=
4.まとめ
第2章
アジアにおける水道事業の効率性比較
1.はじめに
13
2.研究の方法
13
3.結果
18
4.考察
20
5.おわりに
第3章
中国における水道事業の効率性比較
1.はじめに
23
2.中国における官民パートナーシップの動向
23
3.中国における水道事業の効率性比較・-I--
26
4.結論
30
第4章
まとめと今後の課題
33
1.まとめ
33
2.今後の課題
参考資料
Appendix
1 Reforms
and
Appendix
for
service
managing
inAsia
urban
environmental
infrastructure
2都市ごみ焼却施設建設の環境影響評価における住民の
情報ニーズに関する研究-ソウル市を事例として
Appendix
35
--I-------一一---I-=--==-----
3中国における工業用水の価格弾力性の推計
Appendix4中国における環境効率改善の計測と評価:工業用水の事例------・
-I-
75
85
93
第l章アジアの都市環境インフラ整備と官民パートナーシップの動向
白川博幸
1.はじめに
現在、世界では約20%の人々が安全な水にアクセスすることができないといわれている
(図1参照)。急速な経済成長を遂げている、アジア地域でも、世界平均と同様に2002年
時点で、約20%の人々が安全な水を得ることができないoまた、世界水ビジョンによれば、
毎年300-400万人が水に関連した病気で死亡しているといわれる。こうした原因の一つ
は、急速に進む都市化に対して、上下得水道や廃棄物処分場など、都市環境インフラが不
足しているためである。
国連のミレニアム開発目標では、飲み水と衛生設備に関する目標が盛り込まれ、
2015
年までに、安全な飲み水と適切な衛生設備に関する目標が設定されたo東アジアおよび太
平洋州では、上水道についていえば、新たに接続する人数の目標値は、
4億6,500万人、
南アジアでは4億4,400であり、世界全体では15億7,000万人にのぼる。この目標を達
成するために必要な上水道-の投資額は、
(Hall and
Enanuele
2006)
510億ドルとも1,020億ドルともいわれている
a
こうした巨額の投資需要を満たすため、伝統的な公共部門による活動の全部または一部
を民間セクターが担うことが検討されている。こうした事業形態は官民パートナーシップ
(public
McGradnahan
2003) 。官民パー
トナーシップでは、民間からの資本調達と同時に、民間の経営ノウ-ウを公共サービス事
Private
Partnership)と呼ばれる(Budds
and
業に導入することで、経営効率が改善することが期待されている。しかし、経営効率が改
善するかどうかについては、様々な意見がある(Hall
以下、本章では、
いて述べる。そして、
andEmanuele
2006)。
PPPの形態について説明し、次に,アジアにおけるPPPの動向につ
PPPに関する論点を整理する。その際、上下水道を中心に述べる。
図1安全な水へのアクセス率(2002)
(注)
1人1日あたり最低20リットルの日常生活で利用できる安全な水が住居から1キロ以内の
距離に確保されている人口の割合。
(出所)
World
Development
imidicators
2005
(CD-ROM)
1
2.官民パートナーシップの形式とアジアにおける動向
(1)官民パートナーシップの形態
官民パートナーシップは、参加する民間企業の関与度に応じ、さまざまな民活形態があ
り、資産の所有者、資本投資の主体、経営リスクを負う主体、運営・修繕を担う主体が異
なる。ここでは水道事業を例に、
(a)サービス契約、
(e) BOT契約、
契約、 (d)コンセッション契約、
(b)マネジメント契約、
(c)リース
(i)資産売却、の6種のPPPについて、
以下に説明する。
表1および図2に水道事業における官民パートナーシップの特徴を示す。
表1水道事業における官民パートナーシップの形式
サービス契約
マネジメント
契約
リース契約
コンセッション
BOで
資産売却
資産の所有者
公共
公共
公共
公共
資本投資
公共
公共
公共
民間
民間
民間
運転資本
公共
公共
民間
民間
民間
民間
顧客との契約
上の関係
公共
民間が代行
民間
民間
民間
民間
民間資本の需
要
低い
低い
低い
向い
向い
向い
低い
低い
低い-中程度
一員い
ー昂い
向い
低い
低い
低い-中程度
高い
民間セクター
の財務リスク
民間/公共
民間
民間セクター
の責任と自律
檀
運営.修繕
民間/公共
民間
料金設定
公共
公共
料金徴収
公共
公共
契約期間
1-2年
民間セクター
参入の主目的
3-5年
事業運転効率
運転、技術的
の改善
な効率の改善
民間
民間/規制監
督者
民間
民間/規制監
督者
中程度-高い
民間
民間
公共
監督機関
公共
民間
民間
民間
5-10年
20-30年
20--30年
運転、技術的
な効率の改善
民間資本の出
資呼びかけ、
および専門技
術の導入
民間資本の出
資呼びかけ、
および専門技
術の導入
(出所)古川(2005)を参考に作成
2
高い
無制限
民間資本の出
資呼びかけ、
および専門技
術の導入
(a)サービス契約
サービス契約とは、料金徴収、メーターの検針など、比較的軽微で専門的な技術を必要
としない業務を民間企業に委託する形態である。サービス契約における民間セクター参入
の主目的は、事業運転効率の改善である。
経営上のリスクは公共セクターにある。ただし、契約期間は、他の形態よりも短く、
年ないし2年の契約であり、契約期間が短いため、委託企業を変更することも容易である。
すなわち、委託企業が何らかの問題を起こした場合でも、そのことが経営に与える影響は
一般的には少ない。したがって、複雑な技術も必要なく、経営上のリスクも低いため、官
民パートナーシップの初期段階として適した形態であるといえる。ただし、水道事業全体
から見れば、その効果は限定的である。
(b)マネジメント契約
マネジメント契約は、サービス契約に民間企業の業務運営責任が追加された形態であり、
業務効率化に成功すればそのマネジメント能力に対する対価を民間企業が受け取れる一方、
失敗した場合には、ペナルティを課せられる契約となっている(古川2005)。民間セクタ
ーは、資金調達などの財政的なリスクを負担せず、公共セクターがそうしたリスクを負担
する点では、サービス契約と同じである。ただし、契約期間はサービス契約よりも若干長
く、 3年ないし5年である。
(c)リース契約
リース契約とは、民間セクターが公有施設の運転業務を行うため、一定期間、公共セク
ターから施設をリース(賃貸)するものである。公共セクターは、施設の所有権を持ち、
設備投資の役割を担うが、運転資金調達、利用者との契約、業務運営の責任などは民間セ
クターが担う。
公共セクターは、民間セクターからリース料を徴収することによって、長期にわたり、
投下資本を回収することができる。他方、民間セクターは、利用者から徴収した料金から、
リース料と維持管理費を賄い、その残額が民間セクターの利益となる。したがって、民間
セクターは業務の効率化で維持管理費を削減できれば、それだけ利潤が大きくなるものの、
逆に、漏水や盗水などの無収水が増加するなどして運営費が増大して経営が赤字になった
場合には、民間企業がその責任を負うことになる。
契約期間は、サービス契約やマネジメント契約よりも長く、
5年から10年である。
(d)コンセッション契約
コンセッション契約とは、事業免許(経営権)を取得した民間事業者に施設の管理運営
が委託される方式である。委託を受けた民間企業は、コンセッショネアと呼ばれる。この
形態の特徴は、施設は公有であるが、委託期間中は、既存の施設の運営に加え、新規の設
備投資(能力拡張のための新規投資、既存設備の除去による更新投資)も、民間企業に委
託する点である。なお、契約終了時には、同一条件で、民間企業から公共セクター-、譲
3
1
渡・返還される。
コンセッション契約では、複数の事業者がサービスを提供することに経済的な合理性が
なく自然独占が起こりやすい分野の事業に適相されることが多い。上下水道事業のほかに
は、ガス配給などもこうした契約形態に適した事業である(国際協力機構国際協力総合研
修所2005)o
コンセッション契約では、契約期間中に達成目標が設定される場合もある。例えば、ア
ルゼンチンのブエノスアイレスでは、
5年間で一定額の投資を行うことが義務付けられた。
また、ボリビアのラパスでは、新規接続数が達成目標に定められたo
また、利用料金につ
いては、規制監督者の許可が必要なこともある。フィリピンにおいては、コンセッショネ
アが経営難に陥り、料金値上げを申請したが、政府が不許可にしたため、水道事業を継続
することができなくなった。
(e) BOY
(Build-Operate-Transfer)契約
民間事業者は新しい施設、設備取得のため自ら資金を調達し、建設(Build)、運転
(Operate)した後、契約期間終了時にこれを政府に移転・譲渡(Transfer)するもので
ある。HallandLobina(2006)によれば、途上国におけるPPPの40%がBOT契約であり、
その40%が中国で行われている。
BOT契約の特徴は、公営企業が当該事業の裁量権を民間企業に付与し、設備投資に加え、
事業運営を20年から30年の長期にわたり、民間企業に委ねる点である(古川2005)。ま
たBOT契約は、例えば、政府の借り入れや歳出が、世銀やIMFの条件などによって制約
を受けている場合、建設に民間セクターの投資を活用し、
30年間にわたってその企業に返
済を行うことによって、その投資に公的資金を拠出する時期を先延ばしすることができる
という面も持っている(HallandLobina
2006)0
他方、民間企業にとっては、資金調達・設備投資を行う上、一定期間の経営責任を負わ
なければならない。加えて、政治・経済的なリスクもある。そこで、こうしたリスクをコ
ントロールすることが民間企業の大きな課題である。
BOT契約では、民間企業は浄水場や
下水処理場を建設する資金を投資し、発注者に対して、数十年にわたるテイク・オア・ペ
イ契約によって、その利払いを含む資本投資の返済を保障させることもある。また、何ら
かの理由で公共セクターが民間企業に対して支払いができなくなった場合は、中央政府が
返済を保証することが取り決められている場合もある。
(f)資産売却
資産売却は、公営企業が事業資産の全部または一部を、民間企業に売却する方式である。
コンセッション契約との違いは、資産の所有権が民間セクターにあることと、契約期間が
無期限であることである。民間企業は資産を取得できる反面、公共サービスである性格上、
経営に責任をもった上で効率化増進や普及率に対する一定の達成目標を義務付けられるの
が通常であり、料金も規制機関の許認可を要する(古川2005)。
4
(a)サービス契約(b)マネジメント契約モデル
(a)コンセッションモデル
(c)リース契約モデル
(e)BOT契約モデル
(D資産売却モデル
売却資金
(2)官民パートナーシップの動向
図3に地域別PPPインフラ投資額の推移を示す。
計は、
160億ドルだったが、
1991年には、インフラ投資額の合
1997年には約1,200億ドルまで増大した。特に1995年か
しかしな
ら1997年の2年間にかけては、それまでの5年間の1.7倍の急増を見せたo
がら、 1997年にアジア通貨危機が発生し、投資額は急速に減少した。
年の約60%まで減少した。その後、
2000年にかけて、一旦は回復するものの、
2003年には、
1997年の約40%にまで落ち込んだ。しかし、
以降、再び下落し、
1997
1999年には、
2001年
2003
年から2005年にかけて、再び、増加し、世界是体では2000年の水準に近いところまで
回復した。
地域別に見ると、アフリカや南アジアに対する投資は全体から見れば、ごくわずかで
あり、主な投資先は、ラテンアメリカ・カリブ海諸国、東アジア・大洋州、欧州・中央
アジアである。
1990年代前半はラテンアメリカ・カリブ海諸国が最も多くのシェアを占
め、その後1990年代半ばには東アジアの割合が増加した。
1997年では、東アジア・大
洋州が32%、南米が43%を占め、両地域で全体の7割以上を占めた。しかし、これら
の地域に対する投資は、アジア通貨危機で急激に減少した。近年、急速に投資額が増大
しているのは、欧州・中央アジアである。
2005年には、欧州・中央アジアは、全体の
37%を占めるにいたった。
次に、図4にセクター別の投資額の推移を示す。セクター別に見ると、
PPPで多くの
割合を占めているのは、情報通信セクターとエネルギーセクターであり、特に、近年で
は、情報通信セクター-の投資が急増していること。
2005年時点で、実に62%が情報
通信セクター-の投資で占められた。ちなみに、エネルギーセクターは17%、交通セク
ターは16%と情報通信セクターと比べると割合はかなり小さいことがわかる。
さて、ここで都市環境インフラである、上下水道の整備状況を見ると、わずか全体の
1.6%にしか過ぎない。図5に、上下水道セクターにおける地域別投資額の推移を示す。
この図から明らかなように、このセクターにおける投資のほとんどは、東アジア・大洋
州とラテンアメリカ・カリブ海諸国で占められていることがわかる。
東アジアにおける上下水道投資では、中国、香港、台湾、マレーシア、フィリピン、
タイ、ベトナム、インドネシアなどにおいて、実施されている。特に、中国-の投資が
多い(付表1参照)。進出企業を国別に見ると、欧米の多国籍企業の進出が著しく、アジ
ア企業の中では、日本、香港、シンガポールの企業が進出している。また、事業形態の
多くはコンセッションもしくはBOTである(常・井村
2002)0
以上のことから、水道事業におけるPPPについて、以下の点が指摘することができる。
すなわち、ミレニアム開発目標では、安全な水を継続的に利用できない人を半減するこ
とを目標とし、その手段として、民間参入が期待されている。しかし、
PPP導入の前提
は、コストリカバリーが可能な料金設定-移行することである(国際協力機構国際協力
総合研修所
2005)。しかし、投資先が偏っており、しかも、南アジアやアフリカなど
安全な水が必要な地域-の投資が少ない現状から推察すると、そうした条件を満たす地
域は限られているのではないかと考えられる。
6
lDサブサハラ・アフリカ
㌻ロ南アジア
】a中東・北アフリカ
ラテンアメリカーカリブ海諸国
ヨーロッパ・中央アジア
F■東アジア・大洋州
Ⅰ991
図3
1992
1993
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
地域別PPPインフラ投資額の推移(199ト2005)
(出所)World
1991
図4
1994
1992
Bank
1993
1994
PPIデータベース
1995
1996
1997
1998
2000
1999
2001
2002
2003
2004
2005
セクター別PPPインフラ投資額の推移(199ト2005)
(出所)world
Bank
PPIデータベース
ロその他
ロラテンアメリカ・カリブ海諸国
■東アジア・大洋州
1991
図5
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
上下水道への投資額の推移(199ト2005)
(出所)World
Bank
PPIデータベース
7
2004
2005
3.水道事業における公営と民営の効率性をめぐる議論
水道事業における公営と民営をめぐっては、長く議論されてきた。こうしたこれまで
の議論を分類すると、
(1)公共財、 (2)自然独占、 (3)人権、 (4)経済財、 (5)政府の失敗、の
5つに整理することができる(Budds
この中で、
andMcGranaban
2003)。
(1)公共財、 (3)人権は、水が本源的な資源であることを踏まえ、効率性だけ
でなく、公平性を考慮した配分方法を考えなければいけないという問題である。また、
(4)経済性は、受益者負担と公共の福祉をどのように両立するかという問題である。つま
り、効率性の問題と特に関係するのは、
(2)自然独占と(5)政府の失敗、であろう。
自然独占とは、規模の経済性・範囲の経済性が存在するため、財・サービスを供給す
る企業が1社ないし数社に限定される状態をさす。上下水道事業、電力供給事業は、そ
の代表的な産業である。競争的な市場に比べて、独占市場では均衡価格よりも価格が上
昇し、いわゆる独占価格が形成されることがある。例えば、
BOT契約の際に、民間セク
ターが需要を過大に予測し、公共セクターとテイク・オア・ペイ契約を結べば、行政が
負担するコストは増大する。
EallandEmanuele.(2006)は、中国の成都、藩陽、或い
はマレーシアでこうした問題が実際に起きたと指摘している。しかし、こうした自然独
占を背景としたBOTないしはPPPの一般的な傾向というには、検討する必要がある。
また、政府の失敗についても同様のことがいえる。政府の失敗とは、経済のメカニズ
ムの中で、政府主導の裁量的な経済政策が意図したような成果を上げられず、かえって
経済活動が非効率化することを指す。しかし、これについても実際に、どの程度政府の
失敗が起きているのかについては、公営企業と民間企業とで、経営の効率性を比較して
みる必要がある。
つまり、水道事業における公営と民営における経営効率の比較については、公営が民
営よりも経営効率が高い場合も低い場合もありえるので、理論的な考察からは、決定で
きないのではないかと考えられる。
4.まとめ
急速な経済成長を遂げているアジア地域では、都市化が急速に進展しており、その結果、
公共交通、電気・エネルギーだけでなく、上下水道、廃棄物処理施設などの都市環境イン
フラが不足している。そのことが、都市環境を悪化させる大きな原因となっている。そこ
で、これまで、公共の役割だと考えられてきた、インフラ整備についても法制度を整備し、
民間企業が参入が活発化している。
こうした民活路線はインフラ整備に関する資金調達手段であると同時に、経営効率を改
善することが期待されている。しかし、そのことは、必ずしも自明ではない。経営効率に
経営形態やその他の社会経済的要因がどのように影響しているかを検討する必要がある。
8
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p.138.
常秒,井村秀文(2002)アジア都市環境インフラ整備における海外直接投資に関する調査
研究,
enviroscope.iges.orjp/modules/envirolib/upload/18/attach/UE2_3004.pdf
古川茂樹(2005)持続可能な上下水道セクターに向けた民活の役割一中南米のケースー,
開発金融研究所報,
No.23,
pp.4154.
9
Press
付表1
アジアにおける環境インフラ市場の海外直接投資プロジェクト(上下水道分野)
地方自治体
国別
プロジェクト名
海外企業
(国内業者)
広州市水供給.廃水
処理プラント
レムナ.インターナ
ショナル(栄)
広州市
プロジェクト内容(投資額、
期間、規模、契約形態)
住宅廃水処理能力40万トン/
日増加1億2100万ドル合弁事業
契約
広州トンネル開発公司
広州市西朗下水処理j;
アメリカ地球公司
(栄)
広州市
3つのパイプライン事業と日
処理量20万トンo投資額10億元
20年プロジェクトファイナンス
で建設する下水処理場(中国
初)
広州市トンネル開発公司
天津市浜海新区下水
処理,海水淡水化プ
夫津市
既存下水処理場の運営管理、
下水処理、中水利用、海水淡水
化;4箇所新たな下水処理場の
建設○処理規模:40万トトン/
ドイツベルリン水素
公司(ドイツ)
ロジエクト
日合弁会社設立:ドイツベルリ
ン水務公司(出資金:51%)
天津市開発区投資公司、
天津市開発区新水源公司
藩陽市給水設備
中国
煙台市給水プロジエ
クト
チャイナ.ウオー
タ-.カンパニー-ハ
イダー社(英).テマセ
クホールディングス社
(香港)
同上
江蘇省南部17水処
CⅠTⅠCパシフィック
理プラント
社(香港)
藩陽市
2500万ドル合併プロジェクト
地元パートナー
煙台市
2000万ドル
1億4000万ドルプラント改
修、サービス料金体系変更
で高収益率を期待.
オーストラリア企
Wanjiazhai水系多
角化プロジェクト
莱(右記とのコン
ソ-シアム
中国山西省
3つのトンネルと2つのポ
ンプ場建設24億ドル、世銀
資金提供有り2001年完成
中国山西省
建設工事世銀資金提供有り
2001年完成
北京市
50万トン/日2億ドル20年
最大規模BOT
北京市経済開発区政府
処理量2万トン/日北京初
外資による下水処理場の建
読.運営投資額3200万元
(自己資本2600万元.政府
より土地使用権600万元)
20年間BOT契約
Mayreder社)&
Alpine社(米)
上海トンネルエン
ジニアリング社
(中国)
同上
ⅠmpregiloSPA社
(伊)とCMC社(カ
ナダ)
北京第十浄水場プ
ロジエクト
北京経済開発区下
水処理場
AnglianWater
Ⅰnternationa1社
(英)、三菱商事
北京市金源環境保
護公司(米)
(出所)常・井村(2002)
10
付表1アジアにおける環境インフラ市場の海外直接投資プロジェクト(上下水道分野)
地方自治体
国別
プロジェクト名
海外企業
(国内業者)
上海ダ.チエンプ
ロジエクト
四川成都大量水供
給プロジェクト
上海浦東地区水供
給管理運用プロ
ジエクト
海南島三亜市三ケ
所飲料水調整施設
運営.保守
プロジェクト内容(投資額、
期間,規模、契約形態)
ThamesWater社
(英)BoVis社
上海市
BOT
ViVendi社(仏)
成都市
40万トン/巳BOT
上海市
120万トン/日55万人の飲
料水供給2.66億ユーロ50年
合弁事業
海南島三亜市
23万トン/日30年Ondeo
SerVices社は約39億円投資
予定合弁事業
香港水資源供給部
上下水道施設地図作成100
万ドル1998年終了
ViVendi社sbangbai
Pudong
ViVendiWater
Corロ.
OndeoServices社
(仏)Sin°-French
WaterDeVelopment
HainanTianya
WaterⅠndustry
HoldingCo,社
(海南島)
香港
サービスや施設管
理の改善のための
プロジェクト
インドネ
シア
Camp工)resser&
McKee
ⅠnterⅠ1ationa1Ⅰnc.
(CDM)(米)
地方水道衛生プロ
AntahBwater社
(英国とマレーシ
グラム
アのジョイントベ
6億4000万ドル1992年完成
ンチャー企業)
マレーシ
ア
下水処理サービス
UnitedUtilities
ⅠndahWater
事業
plc社(英)
Konsortium(ⅠWK)社
サバ州水道水供給
委託契約
ジャカルタ東地区
上下水道サービス
の普及率の改善
リヨネ-ズ.デ
サバ州政府
Timacb社
25年水道事業民営
化計画(東部)
ソ一社(仏)
テムズ.ウオーター
社とリヨネデゾ社
ジャカルタ東地区水道
公社
Ⅰnternationa1
MetropolitanWaterwor
WaterLtd.(英米
合弁)新たな企業
体(ManilaWater)
ksand
SewerageSysteⅡ】s
下水システムの改修.運営
投資総額18億ドル28年委
託契約
水道処理能力4万トン/日
及び拡張プログラム
25年のコンセッション計画
460万人対象東西両部で70
億ドル25年水供給業業
AValaCorp.(マニラ)
Metropolitan
Ⅶaterworksand
Lyonnaisedes
フィリピ
ン
25年水道事業民営
化計画(西部)
水供給及び廃水処
理計画(企業化調
査)
(読)
SewerageSystems
EauX(仏)新たな
企業体
BenpresLyonnais
BenpresHoldings
Waterworkds
Corp.(マニラ)
25年見積り投資総額25-40
億ドル最初の10年で年間2
億ドル収益見込む供給事業
Operations
Manaement
Ⅰnternationa1社
カグイテ地方政府
(米)
(出所)常・井村(2002)
ll
企業化調査計画の費用総
額:5億ドル
付表1
国別
(続)
アジアにおける環境インフラ市場の海外直接投資プロジェクト(上下水道分野)
プロジェクト名
海外企業
地方自治体
プロジェクト内容(投資額、
期間,規模、契約形態)
(国内業者)
ラグナ県上水道施
設取替え(第Ⅰ
バンコク首都圏の
廃水処理プラント
NakohnRatchasima
給水システムの拡
張
Yannawa廃水プラ
ント
バンコク首都圏廃
水管理プロジエク
ト
ラグナ県AAAWater
政府30%
Corporation社
MontgomeryWatson
バンコク公害規制局
Asia社(香港)
Metcalf&Eddy
NakohnRatchasima政
Ⅰnternationa1社
(米)
府(Bangkok北東250キ
ロ)
タイ国内パートナー
パトウム.タ二ラ
タイ
シン水道プロジエ
クト
バンコク都心10地
区総合下水収集処
理施設(第一次)
計画作成及び建設契約20万
人の需要に対応する計画
バンコク都市行政局
(MA)"
処理能力20万トン/日建設
管理技術支援
CaⅢpDresser&
タイ公害規制局
チャオプラヤ川やThaChin
McKee
MacroConsultantsCo.L
Ⅰnternationa1
td.(バンコク)
川の水質改善期待350万ド
ル1997年完成
Metcalf&Eddy社
バンコク市
同上
廃水課徴金制度.
ユーザー料金制度
整備の為の研究
16kmの配管取り替え40kmの
配水管新設深井戸ポンプ
バンコクとその周辺都市の
下水処理大中規模6プラン
ThamesⅦater社
(英)
NortbWestWater
Ⅰnternationa1社
(英)OTV(仏)
首都圏水道公社
ChKarnchange社(タ
イ)
バンコク首都行政府
Sin°ThaiEngineering&
Constructlon社siamSyntech社共同企業体
バンコク初の廃水料金制度
に向けての研究
浄水.廃水システムの開発
38万トン/日運営契約25年
施設(処理量35万トン/
日)設計.建設2億6000万
ドル1993年9月契約38ケ月
の換業ターンキー方式
NOSS
SamsumgEngineerin
.社(韓国)
PateEngineers,
バンコク首都行政府
CVilEngineering社
(タイ)
バンコク首都行政府
Lockwood,Andrewsa
PremierEngineering
ndNewnam,BRH-
(タイ)
現在未定
タイ政府
工業団地排水集中
処理施設
ThamesWaterlntern
タイ工業団地公社
ホーチミン市ツー
ドック区水道事業
HCMC水環境改善プ
Sezu社(仏)
(oNDEO社)pilcon
(パシフィックコ
ロジエクト
ンサルタンツイン
同上(第二次)
同上(第三次)
g&ConstructionMfg
1億8000万ドル(1996年)
サムトプラカルン
大規模プロジエク
1997年決定ターンキー方式
ト
ationa1(英)
BerliJucher(タイ)
ホーチミン市給水社
ホーチミン市
工業団地の排水集中施設
5600億ドル5年
水供給事業.買取はホチミ
ン市人民委員会が保証.財
TauHu-BenNghe運河部分
改修、豪雨時用放水路の改
SuezuLyonnaise
ベトナム
HCMCThuDucmizu
desEauX社(仏)
70%Tractebe1社
水処理プロジエク
(ベルギー)20%
ト
Pilecon
ホーチミン市人民委員
∠ゝ
Eヨ
Engineering社(マ
レ-シア)10%
(出所)常・井村(2002)
12
日量30万トン上水処理場及
び26kmの配水管敷設25年
間初のBOT契約
第2章
アジアにおける水道事業の効率性比較に関する研究
白川博章・金子慎治・常秒・井村秀文
1
.はじめに
現在、アジアでは32%の人々が都市に居住し,都市人口は年々増加
する傾向にあるo
アジアの発展途上国では急速な都市化と政府の財源
不足が原因となり、都市環境サービスが十分供給されているとはいえ
ない。そこで,伝統的な公共部門による活動の全部または一部を民間
セクターが担うことが検討されている。こうした事業形態は官民パー
トナーシップ(Public
McGradnahan
Private
Partnership)と呼ばれる(Budds
and
2003)a
官民パートナーシップには民間企業の関わりが少ないものから完
全な民営化まで様々な形態があるo
水道事業で代表的な官民パートナ
ーシップとしては、民間の関わりが少ないものから順に、メーターの
読取と料金徴収サービスの民間委託、水道事業経営を一定期間民間企
業に譲渡す
McGradna血an
る
コ
ンセ
ッ
シ
ョ
どが
ン契約な
あ る(BⅦdds
2003)0
都市環境サービス事業におけるこう
した公的部門と民間部門の協
力関係は、資金調達面だけでなく、事業体の運営効率も改善すること
が期待されている。しかし,官民パートナーシップが経営の効率を改
善するかどうかについては、先行研究の中でも見解が分かれている。
本研究では、
DEA
(Data
Envelopment
Analysis:包絡線分析)を
用いてアジアの都市における水道事業の効率性を評価し、官民パート
ナーシップが事業の効率性改善に寄与するかどうかを検討した。
2.研究の方法
(1)アジアにおける水道整備の状況
アジア開発銀行の試算によれば、アジア太平洋地域では、インフラ
整備に対して年間約2,000億ドル必要であるが、実際にはその10%弱
しか投資が行われていないl)。したがって、アジアではインフラを整
備することが大きな課題となっており,上水道の整備もその一つであ
る。
一般に安全な水を供給するという観点から、上水道は下水道に先行
して普及する。アジアでは、上水の供給もまだ不十分な地域は少なく
ない。表1と図1に1995年のアジアの都市における上水道の普及率
13
and
と水の供給状況を示す。韓国および中国の太平洋沿岸の都市では、
24時間である。
1995年時点で普及率はほぼ100%で利用可能時間も
しかし、東南アジアおよび南アジア諸国は、インフラ整備の途上に
あるo
例えば、ジャカルタでは普及率は27%であり、利用可能時間は
18時間であるo
ぞれ100%、
またインドのムンバイ、チェンナイでは普及率はそれ
5
97%であるが、利用可能時間は
時間、
4時間と非常に
質の低いサービスしか提供できていない。
表1
普及率
(%)
バンドン
42
バンコク
82
北京
コ
1995
アジアの主要な都市における上水道の整備と利用の状況.
利用可能時間
24
120
265
24
58
ンボ
(liter/eapita/day)
6
100
ロ
水消費量
(hours/day)
96
22
165
デリー
86
ダッカ
42
17
95
ハノイ
76
18
45
100
24
1 12
ジャカルタ
27
18
1 35
カラチ
70
4
1 57
カトマンズ
81
6
91
マ
フ
67
17
2 02
ムンバイ
100
ソウル
100
24
209
上海
100
24
143
シンガポール
100
24
183
99
24
262
香港
ニ
台北
出所:
Mclntosb
and
Uniguez
4
5
(1997).
14
2 09
1 78
園1
(出所)
アジアの都市における上水道普及率と利用可能時間
Mclntosh
andYniguez(1997)より作成o
(2)事業体の効率性評価に関する研究
これまで、水道事業における官民パートナーシップが経営効率を改
善するかどうかをめぐって、理論と実証の双方から活発に研究が行わ
れてきたが、先行研究の間で結果は必ずしも一致していない。例えば、
Bhattachayya
etal.(1995)では米国の水道事業を対象としてDEAを用
いて民間委託を行っていない公営の事業体とそれ以外の事業体との
効率性を比較したところ後者の方が前者よ
り も効率的であるという
結論を得たoしかし、同じ米国を対象とした研究でも、SFA(Stochastic
Frontier
Analysis)を用いたByrnes(1991)では、両者の間に効率性の
違いは認められなかった。
DEAは、主にオペレーショナル・リサーチの分野で発展した,ノン
パラメトリ
SFAは経済学で発達してき
ックな分析方法である。他方、
たパラメトリ
と比べ
SFA
ックな分析方法である。
DEAは、関数型を
事前に特定する必要がなく、また、複数のアウトプットを容易に扱え
ることが利点である。しかし、その半面、
SFAと比較すると観測誤差
などによって効率性が影響を受けるという問題がある。DEAの長所は
SFAの短所であり、
SFAの長所はDEAの短所である。したがって,
両者の結果は必ずしも一致しないことが知られている(中山
2003)。
また、水道事業の効率性に関する研究は、主に欧米を中心に行われ、
発展途上国における評価はまだほとんど行われていない。発展途上国
を対象と
るo
Estacbe
した数少ない研究の1つに
Rossi
and
この研究では、アジアの水道事業を対象に、
(2002)があ
SFAを用いて、民間
委託を行っていない公営の事業体とそれ以外とで事業にかかる経費
が異なるかどうかを検証したが、両者の間に統計的に有意な差は認め
られなかった。しかし、
SFA
と
DEAでは評価結果が異なることがあ
15
るため、
DEAでも検証する必要があるo
本研究では、代表的な効率性評価手法の1つである、DEAを用いて、
アジアの発展途上国における上水道事業を対象に、事業体の効率性を
比較した。次にその効率性評価値を被説明変数とし、事業体の種類や
人口密度など、経営に影響する要因を説明変数とする回帰分析を行い、
効率性に影響を与えている要因を検討したo
(3)分析方法
分析に用いたデータは、アジアの13カ国50都市の水道事業体を調
査した、
Mclntosb
Yniguez(1997)を用い,欠測値のない42都市
and
を対象に分析を行ったo
本研究では,まず
DEAで効率性を評価し、次にその効率性評価値
を被説明変数数とする回帰分析を行い、効率性に影響を与えている要
因を検討した。
DEA
1)
本研究では、最も基本的であり、かつ、規模による収縮を認めない
ため厳しい評価結果となる、
CCR
デルを用いて分析を行ったo
ここで、
ンデックス、
ンデックス、
j を事業者のイ
(Char血es,Cooper
iを評価対象の水道事業者のイ
Ⅹ
浄化施設容量、管理運営費)、
y
ける重みを
産出につける重みを
ると、今、
の場合、
vk(k-1,2,-・m)、
m個の投入要素と
Rb_odes)モ
and
を投入要素(労働者数、
を産出要素(1日給水量)、投入につ
ur(∫-1,2,・-s)とす
s個の産出要素があり、事業者の数が
n
CCRモデルは以下の式で表すことができる。
Max
e=ulyuW
VIXli
St.
(1)
+v2X2i
β=
ulylj +u2y2j
+‥
●+usyg・
≦1
VIXlj
v≧0
+'''+VmXml・
+V2X2)・
(j=1,2,
+● ''+vmxm)I
-・,
n)
〝≧0
このモデルでは、最適なβの値は、
1から
oの間の値をとる
DEAは投入、産出要素が少ない場合には図形的な判断が可能である。
図2は1産出2投入の場合の図解である。効率性フロンティア上の要
素が最も効率的とされ、非効率の要素はこのフロンティア線上に乗る
16
2)0
ように投入と産出を改善するo
すると要素
Aの効率性は
OP/OAで表
されるo
投
入
2/
産出
投
入1/
産出
Aの効率性-,=
()A
図2
CCRモデルにおける効率性
本研究では、産出要素は,1日給水量としたo投入要素については、
生産は、労働、資本、その他の投入要素から行われていると考えられ
るが、資本に関してはその一部分である浄化施設の容量しか入手でき
なかった。そこで、労働者数、浄化施設容量、管理運営費(Modell)
の場合と、と労働者数、管理運営費(Model
2)の
2つモデルを用い
て分析を行ったo
2)ト-ビット分析
次に、
DEAで評価した効率性の違いがどのような要因によるかを以
下のト-ビットモデルで計測した。
・c.I
I$
A?jS・j・
・f∑1jS.,-'O
<1
・fO<∑1,S.,
J
o・・
-
(2)
・8i
J
+ci
≧1
・f∑1,・S,,・
j
ただし、
♂:効率性評価値
S,j
i.i
8,i
:説明変数
:推計パラメータ(jは説明変数のインデックス)
:誤差噂てN(0,q2)
ト-ビット分析を用いたのは、効率性値がoから1の間しかと
17
らな
いためである。
説明変数と
しては、所得水準(1人あたり
GDP)、人口密度、漏水
や盗水など無収水の割合、処理の種類(ダミー変数、塩素のみの簡易
処理-1)、コンセッションまたは運営委託(ダミー変数)、料金回収・
メーター読取の委託(ダミー変数)としたo
果
3.結
表2に
評価は、
DEAによる効率性評価の結果を示す。
0から1までの間であり、
DEAによる効率性の
1に近づくほど効率的であること
を示している。また、表3にト-ビット分析による効率性に対する影
響要因分析の結果を示す。
まず、効率性評価結果ではModellと
42事業体のうち18である。
Mode12で同じ値を示したのは、
Modellの平均値が0.27、
あり、投入要素から施設容量の要素を取り除く
Mode12が0.22で
と,評価結果が低くな
る傾向が見られたo
また、
Modellでも
Mode12でも効率性評価が高い値を示したのは、
ダッカ(バングラディシュ)、ウルサン(韓国)、ホーチミン(ベトナ
ム)であった。ただし、今回の分析では、水道の供給量のみを産出要
素としたため、水道水の質などサービスの質は考慮していない点に注
意が必要であるo
次に、効率性に対する影響要因分析の結果については、両方のモデ
ルにおいて90%水準で統計的に有意な値を示したのは、集金・メータ
ー読取に関する委託であり、この事業体では、他の事業体よりも効率
性の評価値が高い傾向があるo
42の事業体のうち9箇所が集金・メー
ターの読取を民間に契約をしている。ちなみに、コンセッションおよ
び運営契約は8箇所であり、係数の値は正を示したが統計的に有意な
値ではなかったo
また、Modellでは塩素のみの消毒をしている事業体は、比較的効率
性が高いことを表しているが,これは、簡素な処理であるため通常の
処理をしている事業体に比べ運営管理費が少なくなっていることが
原因だと考えられるD
その他の要因については、無収水の割合は運営管理費を上昇させる
要因であり、係数の値はマイナスを示しているが、統計的に有意な値
ではなかった。人口密度は、人口密度が高いほど効率性が高いことが
予想されたo
なかったo
係数の値はマイナスを示したが、統計的に有意な値では
l人当たり
GDPの係数も統計的に有意な値は得られなかっ
18
たo
GDPと効率性の関係では、
GDPが高くなるほど高い技術が利用可
能であるが、その反面、質の高いサービスの提供が求められると考え
られ、係数の符号は正も負もありえる。
表2D
EÅによる効率性評
効率性値
匡l名
者l市名
Modell
Mode12
萱Bangladesh
ChittaE○ng
0.134
0.l34
圭Ban由d○sh
E}haka
1.00()
1.000
至8utan
Thimphu
0.107
0.107
≡Cambodia
三China
PhcmPenh
0.156
0.l56
8eiiing
0.002
0.001
喜China
壬China
Tjartiin
0.003
0.001
Shanghai
0.008
0.004
!印iLshnd
喜H○ngK○n8
Suva
0.077
0.074
H○ngK○∩g
0.003
0.003
1ndja
MtJTIbai
0.005
…]ndia
;lnd;a
Delhi
0.005
0.002
0.002
Bandung
0.471
0.471
…[ndia
C&lcLJtta
0.004
≡ーnd○n○sia
MedJLn
0.010
0.509
0.575
≡Ⅰnd○n○sia
0.509
;Kazakstan
ALrnaty
1.000
0.575
0.405
章Kcrla
Se○uI
0.005
0.003
童K○柑a
Ulsan
1.000
1.000
享KyrEyZ
Bishkek
0.647
0.647
…La.
Vientjanc
0.08l
≡Ma)aysja
Jch8rBahru
0.521
0.081
0.521
…Mahysia
妻Ma[aysiさ
P●nang
0.734
0.734
KualaLurnpur
0.754
0.754
享MaJdiVes
≡Myarmar
Male
0.039
0.019
Mandalay
0.440
0.203
K由hnandu
0.041
0.036
…pJ)kistan
Karldー;
0.003
0.001
…PakistzLn
Faisalabad
0.056
0.056
≡PapuaNewGunea
La匂
0.171
0.089
三Philippirws
Dava○
0.149
0.149
≡PhiJippines
Cd)u
0.327
≡PhilippirleS
≒Sir嶋aP○柑
Mani一a
0.004
0.143
0.002
Singap○柑
0.003
0.002
童S○I○m○れⅠShnd
妻SriLanka
H○niara
0.483
Cd○mb○
0.288
0.288
0.047
Taipei
Taipei
0.004
0.002
…Tha‖and
Chiangmai
0.165
0.005
圭Thailand
≒Thailand
Bangkok
0.004
0.002
Chonburi
0.174
0.009
…Uzbek;stan
…Vietnam
Taskent
0.007
0.003
H○ChiMinh
1.000
1.000
;Vietnam
Han○i
0.154
0.154
0.270
0.224
-▲一J
_:Nepal
平均 佳
効率性
3
_
に対する影響
Model
1人当たりGDP(対数)
人口密度(対数)
無収入水率
塩素消毒のみ(ダミー変数)
I
Model
-0. 053
(-1. 15)
(-1. 18)
-0. 009
-0. 021
(-0. 18)
(-0. 43)
-0. 004
-0. 002
(-1. 19)
(-0. 49)
*
0.263
(1. 98)
コンセッションおよび運営委託
(ダミー変数)
集金・メーター読取委託
(ダミー変数)
定数項
0.077
(0. 62)
0. 159
0. 17()
(1.22)
(1. 38)
0.263
(2.00)
0. 756
(1.ll)
*
0.295
(2. 38)
0. 740
(1.15)
42
sample数
Log
2
-0. 055
likelihood
-15.
(注)カツコ内の数字はT僅を示し、
''は95%水準、
でそれぞれ統計的に有意な値であることを示す。
19
89
42
-13.02
●は90%水準
**
4.考
察
本研究では、
2つのモデルで検討したが、いずれの場合でも民間企業に
集金・メーターの読取委託を行っている事業体の効率性は比較的高いとい
う結果を得た。したがって、集金・メーターの読取契約はサービス提供に
かかる費用を低下させる働きをしているのではないかと考えられるo他方、
コンセッション契約の場合は係数の値は正を示したが,統計的に有意な値
ではなく、経営の効率改善に寄与しているとまではいえないo
集金・メーターの読取契約は、いわゆるサービス契約であり、その契約
期間は、通常、数年間であり、委託内容は、他のサービスと比べると高い
技術は必要としない。その結果、企業の参入も比較的容易であり、競争原
理が働いている可能性がある。その結果、集金・メーターの読取契約は、
一般的に経営の効率化に改善しているのではないかと考えられる.
他方、コンセッション契約の場合は、サービス契約と比べると、業務の
範囲が広く、様々な地域の事情に影響を受け、経営の効率性が公営に比べ
て高いとは一概にいえないのではないかと考えられるo
例えば、コンセッ
ション契約とはいえ、水道事業は公共性が高いため、地域によっては、雇
用創出の役割を担っており、余剰労働力があるのではないかと考えられる。
さらに、例えばマニラのように、施設の老朽化で漏水問題が発生している
など、民間企業が公共から委託を受けた施設に問題があり、そのことが経
営の効率性に影響していることも考えられる。
ただし、今回の分析ではサービスの質的側面を考慮していないため、官
民パートナーシップがサービスの質も向上させているかどうかは不明で
あり、今後の検討課題である。
5.おわりに
本研究ではDEAを用いてアジアの都市における水道事業の効率性を評
価した。その結果、業務の効率化に集金やメーターの読取に関する民間委
託が効果的であることが示唆されたo
しかし、官民パートナーシップが、
一般的に経営の効率性を改善することについては、結論が留保された0
政府の財源が不足するなか、官民パートナーシップは、新しい資本獲得
手段、および経営効率の改善手段として、期待されている。しかし、水道
事業は、公共性が高く、効率性だけでなく、公平性も求められている。し
たがって、公共から民間に経営主体が変更するだけでは、地域の事情によ
っては、必ずしも効率性は変化しないのではないかと考えられる。
今回の分析では、データの制約上、社会経済的にも地理的にも異なる事
業体を対象に行ったo
今後は、対象地域を絞ってデータを収集し、再検証
20
する必要がある。
注記
1)JBIC(2005.3.16更新)東京セミナー報告書「東アジアのインフラ整備:
そ
進
前
の
向
に
07press/pdf_fy2004/
け
て」
<www.worldbank.or.jp/04data/
20040123
2006.5.1参照
_000.pdf>,
2)このモデルでは、仮想的に考えられた総投入と総産出の比を全ての事莱
体の生産活動において、
で、
1以下になるようにモデル化されている。その上
i番目の事業体の効率値を最大化するように重みvkと
urを決めてい
る。CCRモデルはこのウェイトの掛け方を0から-までとしたモデルで、
規模による収縮を与えないため、評価としては厳しくなる。
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21
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Bank,
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Manila,
22
第3章
中国における水道事業の効率性比較
白川博章
1.はじめに
中国では、
1990年代後半から都市環境インフラ整備事業の強化を目指している。特に、
第10次5カ年計画では、都市インフラ整備目標を掲げ、それを達成する手段として、民
間部門の参入で資金調達・公共サービス-の市場メカニズムの導入が図られている(常・
井村
2002)。水道事業もそうした事業の一つであるo
中国の水道事業では,近年、
BOT方式、或いは、コンセッション方式によるPPPが進
められ、水道普及率の向上や、経営効率の向上が期待されている。
これまで、中国におけるPPPについては、契約形態などについては、幾つか報告が行わ
れてきた(博ほか2004)。しかし、伝統的な公共セクターによる経営とPPPを導入した
場合とで、効率性がどの程度違うかについては、検討されていない。
そこで、本研究では、中国における水道事業の効率性を比較するとともに、効率性に影
響を与えている、社会経済的要因を検討することを目的とする。以下では、まず、中国に
おける官民パートナーシップの動向について述べる。そして、次に水道事業体の効率性比
較の分析結果について述べる。
2.中国における官民パートナーシップの動向
表1に、中央政府におけるPPPに関する主な改治と法制度の変遷を、表2に地方政府
におけるPPPに関する法整備の変遷を示す(1)0
中国において、
PPPが本格化するのは、
2000年に出された第10次5カ年計画以降で
ある。中国では、水資源の利用・開発に関しては、
「水法」に定められている。水法は
1988年に施行された。その時点では,水資源の所有権は国家に帰属し、公的機関が使用
権を行使することを定めている。また、取水については、取水許可証を発行し、量的管
理を行うことを定め、取水権の売買は認めていなかったo
当時は、水資源の管理に市場メカニズムを活用することは消極的であった。しかし、
第10次5カ年計画では、大きく方向転換し、市場メカニズムを活用し、効率的な資源
配分を行うことが掲げられたoこの背景には、
1990年代後半には、急激な経済成長や都
市化の影響で、都市の水不足が顕在化してきたことがあげられる。特に、黄河流域では、
表流水がなくなるいわゆる「断流現象」が1990年代には,毎年のように起きており、
節水対策が緊急の課題となったo特に、
1997年には、黄河の河口から上流700kmにか
けて断流現象が発生し、大きな社会問題となったo
そこで、水浪費の原因の一つと考え
られていた、低い水料金が、段階的に引き上げられることになった。また、2002年には、
水法が改正され、水権の取引を認め、市場メカニズムを利用した管理が導入されたo
23
PPPに関する法
他方、政府の財源不足を背景として、インフラ整備を促進するため、
整備も本格的に開始した。まず、建設部が、
2002年に「市政公共サービス事業市場化促
進強化に関する意見」を公布し、民間セクターの公共サービス事業-の参入を促進する
ことを表明した。
また、地方政府によるPPPに関する法整備も2003年以降、活発化している(表2参
照)o 2003年には、北京市が「都市インフラ整備特許経営弁法」、河北省が「市政公用使
「市政公
用特許経営弁法」を制定した。また、地方都市である、済南市や深セン市でも、
PPP
用事業特許経営弁法」が制定されたoこの法規では、対象とする公共サービス事業、
の形態、事業者の資格、契約違反の場合の措置、などが定められている。
内容は、ほぼ同じであるが、若干の違いもある。例えば、
PPPの形態について、北京、
河北省、貴州、済南では、
BOY(Build・Operatc・Transfer)、
TOT
(Transfer
Transfer)、その他の形態と幅広く認めているが、新彊ウイグル自治区では,
に限定しているなどである。
表1中央政府におけるPPPに関する主な政治と法制度の変遷
1988年
水法施行
2000年
第10次5カ年計画発表
2002年
水法改正
市政公共サービス事業市場化促進強化に関する意見(建設部)
2003年
行政許可法
2004年
市政公共サービス特許経営管理弁法(建設部)
投資対策価格の決定(国務院)
2005年
第11次5カ年計画発表
市政公共サービス事業監督強化に関する意見(建設部)
表2
地方政府におけるPPPに関する法整備
事項
午
2003年
北京市都市インフラ整備特許経営弁法
河北省市政公用使用特許経営弁法
済南市(山東省)市政公用事業特許経営弁法
深セン市(広東省)市政公用事業特許経営弁法
2004年
貴州省市政公用事業特許経営弁法
2005年
新彊ウイグル自治区市政公用事業特許経営条例
24
Operate
BOT、
TOT
次に、
PPPによるインフラ投資の状況を以下に記す。図1にPPPによるインフラ投
資件数を、図2にPPPによるインフラ投資額を記す。まず,件数、金額の合計について
2000年以
は、アジア通貨危機が起きた1997年をピークとし、その後、急激に減少し、
降,やや横ばいないし、増加基調で推移している。セクター別に見ると、件数では、エ
ネルギー、上下水道が比較的多く、特に、上下水道は近年、増加傾向にある。しかし、
投資額ベースで見ると、全体に占める上下水道の割合は比較的少ない0
なお、 1990年から2005年に計画された上下水道に関するPPPプロジェクトは、
件あり、うち50件がコンセッション契約であり,
53件が新規事業(BOTなど)、マネ
ジメントもしくはリース契約は4件、資産売却は2件であった。
80
70
60
50
撃40
30
ずす♂ぜ♂ぜぜ♂ずずぜ♂♂♂♂♂
図1
PPPによるインフラ投資件数の推移(1990-2005)
(出所) world
1
Bank
PPIデータベース
16
0
億14
ド
ノレ12
10
■上下水道
ロ交遠
田通信
G5エネルギー
す♂ず♂♂ぜ♂ぜぜ♂♂♂♂♂♂
図2
PPPによるインフラ投資魚の推移(1990-2005)
(出所) World
Bank
PPIデータベース
25
109
3.中国における水道事業の効率性比較
次に、水道事業の効率性を以下の方法で評価し、また、効率性に影響を与える要因に
ついて、検討した。
(1)分析モデル
DEA
1)
CCR
分析モデルは、第2章と同様に、
分析を行った。ここで、
(Cbarnes,Cooper
Rhodes)モデルを用いて
and
iを評価対象の水道事業者のインデックス、
jを事業者のインデッ
クス、
Ⅹを投入要素(水道管延長,浄化施設容量、労働者数、管理運営費)、
yを産出要素
(1日給水量)、投入につける重みをvk(k=1,2,-m)、産出につける重みをur(r=1,2,-
s)とすると、今、
m個の投入要素とs個の産出要素があり、事業者の数がnの場合、
CCR
モデルは以下の式で表すことができるo
u-れ十〟2γ2J…+"孤
8=
Max
VIXli
St.
β=
+V2X2i
ulylj +u2y2)・
VIXlj
v≧0
+V2X2j
(1)
+'''+VmXm,・
+''●+usyQ
≦1
+'''+vmXmj
(j=1,2,
-・,
n)
〟≧0
2)ト-ビット分析
次に、
DEAで評価した効率性の違いがどのような要因によるかを以下のト-ビットモデ
ルで計測した。
--二:
-三≒_I-_-_L-_Ill
ただし、
β :効率性評価値
S,j
:説明変数
A,I
:推計パラメータ(jは説明変数のインデックス)
c.i
‥誤差項.8,,・ N(0,q2)
-
説明変数としては、所得水準(1人当りGDP)、人口密度、内陸(ダミー変数、内陸-1)、
PPP事業体(ダミー変数)、とした。
26
(2)データ
分析に用いたデータについては、以下のとおりである。今回収集できたデータは、PPP
を実施している事業体については、馬鞍山(安徽省)と襖門の2事業体、公営35事業
体であるo
まず、水道管延長量、給水量、労働者数、運営管理費については、
PPPを実施してい
る事業体の場合、ほとんど統計資料は公表されていない。そこで、二次資料の停他(2004)
からデータを収集した。それ以外の事業体については、城市供水統計年鑑(2003年)か
らデータを収集した。なお、運営管理費については、人件費も含まれていたため、労働
者の平均賃金と労働者数をもとに、人件費を推計し、それを運営管理費の合計から差し
引いて、調整したD
また、給水量については、工業用水と生活用水の区別はないo
l人当りGDPと人口密度は、城市統計年鑑2003年版の値を用いた。なお、襖門の1
人当りGDPは、中国統計年鑑2004年版における為替データに基づき,マカオドルから
人民元に変換したo
(3)分析結果
0.77であった。まず、
DEAによる分析結果を表3に示す。効率性評価値の平均値は、
CCRモデルで、効率性が高いと評価されたのは、天津市、張家口(河北省)、フフホト(内
蒙古自治区)、合肥(安徽省)、福州(福建省)、宣昌(河南省)、中山(広東省)、.俳山(広
東省)、蘭州(甘粛省)であったo
ここで、
PPPを実施している事業体の効率性評価値は、
襖門については0.75、馬鞍山は0.83であった。
2つの事業体とも、平均値と大きく変わ
ることはなかった。逆に効率性が最も低いと評価されたのは、宿州(安徽省)であり0.42、
次いで銀川(寧夏自治区)
0.46であったo
次に、余剰投入率を評価したo
余剰投入率
-
余剰投入量は以下の式で定義したo
(実際の投入量一最適投入量)
/実際の投入量(3)
この結果、例えば宿州の場合、水道延長量は約75%が余剰投入量と評価された。
次に、効率性やこの余剰投入量と社会経済的要因との関係を検討したのが、表4から表
PPP
10であるoまず、表4は、効率性評価値と1人当たりGDP、人口密度、地域ダミー、
ダミーの関係を検討した結果を示している。なお、ここでは、ト-ビット分析だけでなく、
OLSで分析した結果も示している。定数項を除き、全ての変数で統計的に有意ではないこ
とを示している。このことは、中国の水道事業体は、各事業体により、かなり置かれてい
る状況が異なるのではないかと考えられる。また、
PPPの事業体の効率性がほかの事業体
に比べて、統計的に有意なほど高いわけではない、という結果を得た0
続いて、非効率と評価された事業体だけをとりあげ、効率性と社会経済的要因を分析し
た結果を表5に示す。分析の結果、内陸にある事業体は,沿岸部の事業体に比べ、効率性
評価が低いという結果を得た。
27
表3
効率性評価結果
余剰投入率(%)
省.自治区名
市
効率性評価値
襖門
0.747
安徽
馬鞍山
0.823
天津
天津
上海
上海
河北
石家荘
河北
張家口
襖門
水道管延長葺
施設容量
労働力
維持管理費
25.25
25.25
68.47
17.68
17.67
17.67
17.63
0.83l
30.20
16.88
16.88
16.87
0.491
50.88
50.83
50.88
53.13
59.88
38.87
39.06
75.94
25.25
1
1
河北
承徳
0.609
河北
秦皇島
0.473
56.04
52.70
52.70
52.84
山西
大同
0.552
44.78
44.76
44.78
50.91
0.66
53.17
33.96
33.96
66.37
ハルビン
0.526
47.38
50.17
47.38
59.82
漸江
杭州
0.999
44.00
0.ll
漸江
寧波
0.78
31.41
21.98
22.01
21.94
75.05
58.32
58.46
58.77
内蒙古
内蒙古
黒龍江
1
フフホト
本渓
0.10
0.02
1
安徽
合肥
安徽
宿州
福建
福州
山東
煙台
0.551
72.73
44.88
44.88
69.54
山東
青島
0.577
42.25
42.23
42.25
65.20
山東
威海
0.86l
62.40
13.88
13.88
60.86
山東
日照
0.824
69.26
17.94
17.57
17.07
河南
鄭州
0.683
31.72
31.74
31.72
48.26
河南
洛陽
0.816
22.90
18.32
18.39
18.26
開封
0.891
河南
0.415
1
34.54
10.75
10.87
23.67
48.37
37.68
31.05
31.04
1
河南
宜昌
広東
広州
広東
深セン
0.683
31.72
31.70
31.72
37.97
広東
珠海
0.687
35.80
31.29
31.29
31.39
広東
中山
1
広東
俳山
1
広東
柳州
海南
海ロ
0.69
0.92
0.78
雲南
昆明
0.588
駅西
西安
0.951
映西
延安
0.548
甘粛
蘭州
寧夏
銀川
平均
7.97
7.98
7.98
8.19
22.02
22.77
22.02
65.42
69.41
41.20
41.23
41.32
4.90
4.90
4.90
42.38
54.26
44.83
45.21
61.35
70.74
54.22
54.22
54.23
1
0.458
0.77
28
表4
効率性に影響を与える要因の分析(フルサンプル)
Tobit
係数
GDP
0.$8
-0.00
人口密度
0.00
地域
0.96
0.31
-0.12
ppp
0.85
-0.05
定数項
サンプル数
表5
OLS
t値
0.88
0.00***
37.00
係数
t値
0.83
・8.00
0.00
0.9l
0.23
一8.12
〟.01
0.94
0.85
0.00*+*
37.00
効率性に影響を与える要因の分析(非効率な事業体のみ)
Tobit
係数
GDP
t値
0.49
_0.00
人口密度
地域
0.00
0,03+*
定数項
サンプル数
0.02
0.8S
0.83
0.00***
28.00
t値
0.53
-0.00
0.57
-0.19
ppp
表6
0 LS
係数
0.00
0.6l
0.04**
-0.19
0.02
0.$9
0.$3
0.00**+
28.00
水道管延長量の余剰投入率と社会経済的要因(非効率な事業体のみ)
Tobit
水道宮廷長量
GDP
0 LS
t値
0.66
-0.00
人口密度
地域
ppp
t値
-0.00
0.69
0.67
0.00
0.70
0.03
0.75
0.03
0.77
0.25
0.4(;
サンプル数
係数
0.00
-0.22
定数項
表7
係数
0.00**♯
2S.00
0.30
-0.22
0.4(;
0.00***
28.00
労働力の余剰投入率と社会経済的要因(非効率な事業体のみ)
Tobit
労働
係数
Gop
0.00
人口密度.
地域
表8
0.57
0.l9
0.88
0.17
0.52
0.60
-0.00
0.19
0.04**
0.89
-0.02
0.08*
28.00
t値
0.00
0.03**
-0.02
定数項
サンプル数
係数
0.48
-0.00
ppp
0 LS
t値
0.ll
0.17
28.00
施設容量の余剰投入率と社会経済的要因(非効率な事業体のみ)
Tobit
施設容量
GDP
係数
人口密度
地域
0.00
-0.00
PPP
0.l9
-0.02
定数項
サンプル数
(注) *は10%水準、
0.16
0 LS
t値
0.39
0.47
0.03**
0.87
0.10**
28.00
**は5%水準、
係数
t値
0.00
-0.00
0.19
-0.02
0.16
0.43
0.51
0.04**
0.88
0.14**
28.00
***は1%水準でそれぞれ統計的に有意.
29
表9
維持管理費の余剰投入率と社会経済的要因(非効率な事業体のみ)
Tobit
維持管理費
係数
OLS
t値
係数
t値
GDP
0.00
-0.83
0.00
0.84
人口密度
地域
0.00
0.69
0.00
0.72
0.18
0.12
0.18
0.15
0.50
_0.14
0.54
ppp
-0.14
定数項
サンプル数
28.00
0.31
0.02**
0.3l
0.04**
28.00
同様に、今度は被説明変数を各余剰率として、社会経済的要因との関係を分析したのが
表6から表9である。分析の結果、労働力の余剰率と施設容量の余剰率については,内陸
の方が沿岸部の地域よりも高いという結果を得た。しかし、水道官延長量や維持管理費の
余剰率については、地域差は認められなかった。
4.結論
本研究で得られた知見を以下に記す。
第1に、中国の水道事業を対象に、効率性を評価したが、
PPP事業体と伝統的な公営事
業体との間に、統計的に有意なほど、効率性に差は認められなかった。すなわち、このこ
とは、 PPPは資本調達手段としては機能していても、事業体の効率改善に貢献しているか
については、不明であることを示しているo
第2に、非効率と評価された地域だけを取り出して分析した結果、内陸部に位置する事
業体の方が、沿岸部に位置する事業体よりも効率性が低い傾向にあることが分かった。ま
た、内陸部で効率性が低くなる原因としては、余剰労働力や過剰施設が発生している可能
性が明らかになった。
ただし、今回の分析では、
PPP事業体については、
2サンプルしか入手できなかったた
め、この分析結果は、限定的なものであるといわざるをえない。今後、サンプル数を増や
して検討することが必要である。
注記
1)中国における国家レベルでの法体系は、上位法から「憲法」、次に全国人民代表会議が定め
(国務院が定める法律)、
る「法」、そして行政機関が定める行政法規である「条例」
(行政措置)、
「弁法」
(行政規則)がある。日本では条例は地方公共団体が定めるが,中国
では国務院が定める「条例」と、地方政府が定める「条例」とがあるo
の機関の行政命令は、
「規定」
なお、国務院以外
「規則」 「細則」とされる場合が多い。行政法規の制定にあたっては、
関係する中央政府の機関、および利害関係のある省政府などと協議の上、制定される。
法律と行政法規だけでは、複雑な現実に対して行政機関が対応することが困難な場合、
行政機関は文件(公文書)を発行する。文件の中には、
30
「通知」
(上級機関が下級機関に対
して処理の要求及び関連機関-の周知事項並びに共同して執行しなければならない事項の
伝達に使用)、
「請示」 (下級機関が上級機関に対して指示を仰ぐ場合に使用)、
(下級機関からの問合せに上級機関の回答に使用)、
「批復(回答)」
「函」ただし、文件には法的に強い拘
束力はない。したがって、省政府は中央政府の意向に従わない場合もある。
なお、地方政府は中央政府の法制度と矛盾しない範囲で、独自の法規制を定めることが
できる。
参考文献
中国城鎮供水協会(2003)城市供水統計年鑑2003,北京.
中国統計局城市社会経済調査総隊(2004)中国城市統計年鑑2003,中国統計出版社,
北京.
博涛,常秒,鍾麗錦等編著(2004)中国城市水業改革実践輿案例,中国建築工業出版社,
北京.
31
32
第4章
まとめと今後の課題
白川博章
1.まとめ
本研究では、アジア地域における水道事業に焦点を当て、PPPの効率性を検討してきた。
第1章では、アジアにおけるPPPの動向についてまとめた。第2章では、アジアにおける
水道事業の効率性をDEAで比較するとともに,効率性に影響を与えている要因について、
検討した。第3章では、中国国内の水道事業を対象として、
DEAを用いて経営効率を評価
した。研究の結果、得られた主な知見は以下のとおりである。
(1)アジアにおける水道事業の効率性評価
本研究では、約40の事業体を対象として、
2つのモデルで検討したが、いずれの場合
でも民間企業に集金・メーターの読取委託を行っている事業体の効率性は比較的高いと
いう結果を得た。したがって、集金・メーターの読取契約はサービス提供にかかる費用
を低下させる働きをしているのではないかと考えられる。他方、コンセッション契約の
場合は係数の値は正を示したが,統計的に有意な値ではなく、経営の効率改善に寄与し
ているとまではいえないことが明らかになった。
(2)中国における水道事業の効率性評価
データが入手できた37の事業体を対象として、効率性を評価したところ、
PPPを導入
している事業体とそうでない事業体では、統計的に有意なほど、両者の効率性に違いは認
められなかったoまた、所得、人口密度などの社会経済的要因と事業体の効率性について
は、明確な関係は認められなかったo
また、投入に余剰がある事業体を抽出して、詳しく検討したところ、労働力の余剰と施
設容量の余剰は、沿岸域に立地している事業体よりも内陸部に位置する事業体の方が多い
ことが分かった。しかし、水道官延長量と運営費については、両地域間で、統計的な有意
差は認められなかったo
このことは、内陸部では、就業機会が限られているため、水道事
業が失業対策事業的な性格があること、また、浄水場の建設に比べて、接続数の拡大が内
陸では遅れている可能性を示唆しているのではないかと考えられる。
2.今後の課題
本研究の結果、官民パートナーシップについては、サービス契約については経営の効率
性改善が認められたが、コンセッション契約については、結論は留保されたo
33
また、中国
だけを対象とした分析でも、
PPPを実施している事業体が伝統的な公営の事業体と比較し
て、必ずしも効率性が高いというわけではないことを示した.このことは、官民パートナ
ーシップは、資金調達としては機能しているが、経営改善については,これまで議論され
たほどには、効果がない可能性があることを示唆している。
また、中国の場合では、やはり公共サービス事業が潜在的な失業者の雇用吸収機能を果
たしている可能性が高いと考えられるo
したがって、こうした場合には、労働力以外の要
素について、効率性改善の余地がないか検討することが必要である。今回、分析に用いた
DEAは、投入要素の余剰量を評価できるため、経営改善の指針の作成に役立つと考えられ
る。
34
Appendix
I
Reforms
for
●
Managlng
Urban
Environmental
Infrastructure
and
ServicesinAsia
Mushtaq
A也med
Memon
Hidefumi
Hiroaki
mIUR九and
SⅡMAWA
1 Introduction
Current
comparison
urban
wi也也e
that almost
predicts
inthe
concentrated
by the national
however,
areas;
Population
popula血on
population
htq) ://esa.un.
Most
are
only
nine
allthe
international
population
in
(WわrldBank
2001).Population
Division
of UN
grow血expected
cent
1950
areas
is
stop andthis
to 2030
a
and
will be
fromrural
trend. UN
global
be
by 2007,
(PopulationDatabase
measureTs
various
mlgration
to 2050,therewill
urbanpopulation,
will liveinurban
2000
tried to checkthe
did not
from
during
(UN 2002). Furthermore,
were
agencies
indicatesthat
to 65 per
of the total global
of the world
areas
urban
major
is taking
out
Cities, while
cities
of the ten largest cities
of 19 mega
cities
there will be four additional
and
population
of the urbanization
fわur out
country
in 1900
50 per cent
shift from
a
65 per
halfofthe
one
2002,
org/unpp/).
becomlng
1900,
14 per cent
the rapid urbanization
Division
centrural
world's
and
is about
population
sub-reglOnal
are
mega
trends
are
were
place
in developlng
being
transformedinto
in NorthAmerica
located血developed
cities, all inthe
inAsia
andthe
35
countries
countries・
Pacific
are
small
Europe;
By
shown
whereas,
the year
COuntries・
in Box
towns
cities. In
the mega
and
developlng
and
The
1.
today
2015,
comparative
Box
I
Comparative
Degree
ofUrbanization
Less
than
25%
Trends
in theAsian
8
People's
People's
(63),Mongolia
of Korea
(64),Kazakhstan(55),
(58),Amenia (70),
(74),
of lran
(57),Phnippines
Azerbaijan (57),Turkey
New
Rate
(63),
(85),
(96),Japan(79), Republic
of Korea
(85),
(72),Singapore
(100),Australia
Federation
(77)
(87),Russian
Kong,
Brunei
(40),
(33),
(39),
Republic
Repllblic
Malaysia
Hong
(42),Indonesia
(45),Uzbekistan
Democratic
8
(20),
Nan
(27)
Islamic
above
(7),
(23),
(23),Ⅵet
Republic
nlrknenistan
and
1999
(34),India (28),鞄rgyzstan
of China
(34),Pakistan(33), Tajikistan
(28),Thanand
people's
Maldives
9
Rep血1ic
Democratic
Mya皿ar
75%
Region,
Afghanistan(22), Bangladesh
Nepal
(1 I),SriLanka
(23),Cambodia
11
50・75%
Pacific
and
Pacific region
andthe
(21),Bhutan
Lao
25・50%
ofUrbanizationinAsia
China
Darussalam
Zealand
and
ofUrbanizationinAsia
the Pacific, 1995-2030
雷2.L・'
′■
≡
毒l.S
i
㌔
㌔ ㌔ぎ㌔
It.蔓nll:∼亡I
hid [iol15 1996 art(u<:S(:AP
S由皿
Components
of Urban
Gmwth
inAsia
I.-&-i,'>iLi*-
I99i)
andthe
Pacific,
1990-2005
義
=
辛
JLj
i:=
三.I
3り
ヱu
H王
L-i
防(.I.I.LW'
態zsr.AsliI
反乱†u耶舶
Asi;I
l・-p・,I,-・他r--・・Fr'・
田海b▲r3LJ
Sr)LILbPa亡11kl
S(:]tJ):ll..Lisl=L
1n珊:itH.
国_NauJrJ1
1tl'nT1・lL'1
g・II・11"l・}:I
r!,:r.bs.^ilrL・.・・1一山I
l由9:t・ E3.Mp・'AhJl.:
国拙p,T.・dは1t/I&・L血引n,iI,,LL・・.・・t
.hl銃i;Tt・;
l]Tlll(d
N;)tiF:Iris1996
t・:S(:AP柑9!き
:LLl【1
36
Asian
the year
(m
2030,
compared
rate
average
of
rate
this region
of53
by year 2015・
will beinthis
of24
have
will have
surroundings,
towns
smaller
There
and
focus
isolated・ Desplte
for most
challenge
services
of this process
of urbanization
be concentrated
most
in few
countries・
of the cities will be globally
some
Of differences,
based
on
growlng
Millermium
and
its
size of
inAsia.
McGee
giants,
as
increments
urban
and
cities will be inAsia;
mega
there will beuneven
while
features,the
otherswill
remain
common
in&astructureand
environmental
POPulations.
challenges
levels of the governments・lmtemational
urban
Bombay
management,
cormected,
these distinctive
of the cities is to provide
immense
Fourthly,
15 out
of the international
most
Secondly,
countries・
be in
more,
of the population
of the large and
for their rapidly
believethatthe
continents.
Firstly, dominance
few
global
2000). The
'cities'in other
of the population;thus,
most
ADB
and
short time・ Thirdly,
To overcomethese
they
(ESCAP
environmental
thesewill
as
features
in 2000・
or
Jakarta, including
and
to provideinfrastructure,
employmentinthe
globalization,
people
agalnStthe
of 10 million
1 out of19
with1
people
is largerthanthe
will be onthose
governments
however,
37 million
and
be at the lowest
largest cities, 27 citieswill
population
than 20 million
more
have
world's
reg10n
by
in Africa
million
inAsiawill
other
of33
compared
major challenges:
of the countrieswill
development
force
four
any
cides,witha
by 2015
distinctive
some
(2004) identi丘es
mega
nearly
slums
are
For
region
Shanghai eachwill
by 2030,then
766
and
in urbanpopulation
60 per cent・ Out
than
2・6 billion urbanpopulations
in LatinAmerica
increase
per cent
more
have
critical,Asiawill
with604mi11ion
2002)・ Surprisingly,this
urbanization
few
is more
perspective
variousreforms
agencies
Development
are
Goals
37
are
being
actively
Introduced
pursumg
at various
forthe
reforms,
(www.developmentgoals.o7g)
as
including
throughregulatory,regulatory,
andfinancial
at different
withinthe
of the govemment,
are
countries
different
pursulng
levels. One
in many
services
types
various
For
lS
the collection.
Jakarata,
Johor
Karachi,
outskirts
service.
Community-based
For
mass一廿ansit
system,
These
experiences
experiences
can
h
Kuala
help
and
enterprises
capture
the urbanenvironmental
second
section
of this chapter
sector
through
local
corporations,
are
forAsian
new
or
are
for slums
investlng
and
38
of
in door-to-door
In Manila,
sanitation,
whilein
informal
around
areas
andrural
companies
investing
are
in
in buses・
suchinitiatives・
urban
eqectiveness
involved,
cities; thus, the lessons
challengesandthe
and
providethe
multinational
to scale-up
highlightsthe
supply
local companies
working
are
local prlVate
involved
are
in cities
involved
are
efficiency
companies
Manila,
local companies
to replicate
of the public
of the services
Lumpur,the
enterprises
multinational
Minh,
are
at
and
for pnvate
provision
to improve
air qualityimprovements,the
while
of the
most
autonomy
reforms
clean・ For water
streets
Macao,
Chi
far, isthe
multinational corporations
of the waste
and
and
of Ho
variouscities.
tothe
the community-based
houses
Bahru,
addition
incineration.
in collection
to keepthe
collection
variousdepartments
in different forms
multinationals
management,the
In Dhaka,
acrossthe
enterprises・
corrmunity-based
involved
so
has led to introducethe
for the collectionand
company
outcomes,
achieved
to introduce
Reforms,
and
canbe
safe sanitation
decentralization
companiesincluding
solid waste
like Macao
ln
autonomy,
and
top of the agenda・ InAsia,
onthe
effective
services,
of private
reforms・
to introduce
of the most
cities・ This
and
companies,
are
reforms
participationinpublic
water
levels of the govemment
decentralization
same
to clean
a∝ess
and
povertyreduction
experiences
environmental
This
leamedfrom
tries to
chapter
of related
management
these
reforms・
The
challenges
with
to the provision
respect
region・
Thethird
urbanenvironmental
progress
of these
2 tJrban
Environmental
There
reforms
in丘astructure
and
"Municipaland
as
such
water
h&astructure,
such
direct
eamlng
revenue
The
hazardous
govemment
MEI
waste
is increaslng
SeⅣices,
sector
mainly
management,
ln
血e inappropriate
most
(MEI)
local capacity
over
and
deflnition:
comprehensive
direct
covers
treatment,
and
and
revenue
eaming
solid waste
urban
clean-up
services,
be organized
solid waste
urbanair
cities
a
sector
collation
environmental
address
and
Ofthe
EuropeanBank
experts・
and
public
transport・
operations,
are
which
not
also included.
that may
management,
we
individual
environment
are
covers
also
services
natural gas distribution"
urbanroadsand
reviewsthe
for the future roadmap.
provides
responsibility"仲BRD 1 999).For
local au血orities,
wastewater
as
wastewater
section
ofurbanenvironmental
and
in丘astructure
district heating,
management,
definition
Development仲BRD)
supply,
to improve
Priorities
different organizations
environmental
in this
seⅣices
focused
fourth
The
lessons
and
countries,
management.
and
variationinthe
acrossthe
for Reconstrucdon
service,
Chal)enges
is some
in various
identifiesthefew
and
in丘astmcture
environmen也1
highlightsthereforms
section
urban govemanceand
of urban
urban
nationally
policies
tothe
(Figure 1 ).
39
Water
man喝ement,
due
or
environmental
qualitymanagement.
the time
as
such
industrial
and
outside local
management
Supply
and
Intensityofthese
rapid
by the
urbani2:ationand
challenges
due
to
Gov白「n ment
Figure
Role
1.
of Government,
Sector,
Private
Citizens
and
for
based
PPP
Water
Utilities
2.1 Solid
Waste
Tbe
For
alarming.
million
socioeconomic
the solid waste,
ton
metric
most
or
withthe
cloggmg
waste,
are
which
ofwastewater
reg10n
located
The
dumplng
is leading
towards
drains・ This
waste
organic
healthofurban
near
that current
dwellers
accidents
creates
a
as
snowball
40
a
are
of 1 ・5
The
adversely
of the cities
Sites・ Most
MSW
to non-organic
is being
qulte
are
by 2025・
Will be morethandouble
will also change丘om
clinical waste.
of the slums
(1999) predicts
Bank
impact
environmental
Of adverse
the World
dailyfromthis
of the waste
composition
hazardous
consequ飢CeS
being
and
affected,
as
flooded
result offlying
plastic bags,
e丘もct for urban
environment・
and
Box
2 shows
Asia,
the quantityofwaste
lower
with
economic
SoutheastAsia・
reglOn.
most
of the countries,
h
Due
management・
countries,
almost
disposal,
waste
scattered
China
in血e
countries
open
landfill and
has
munlCIPal
halfofthe
dumping
bumlng
is the main
lSan0ther
incineration
are
not
the environmental
consequencesincase
through
and
citizen partlCIPation・
impacts,
as
hazardous
Private
The
and
institudonal,
option
sector
due
to resource
clinical waste
in many
41
are
costs,
Waste
It lacks public
toge也er
and
due to
awarenessand
is also only
to severe
in many
Sanitary
reduction
management
exposed
for
(Box 2).The
disposal・
waste
operations.
in solid waste
is also dumped
in developing
capacity
due totheir
system・
cities,
for solid waste
constraints
way
of their improper
scavengers,
developed
et al. 1 998).Furthermore,
methods,
inthe
South
thanthe
waste
responsible
financial
and
unhendly
involvement
ofsolid
wastethanthe
are
Pardoy
disposal
is not formalized
reuse
throughinformal sector・
governments
environmental
common
volume
of industrial
is not collected
waste
of Asia, where
sub-regions
more
higherrate
to lack of regulatory,
open
recycling
is producmg
grow血,
Similarly,
in different
generation
health
cities.
Box
2
Chal1enges丑)r
Sohd
Waste
Waste
Management
generation
Pacific
inAsiaandthe
disposal
and
YQitr
ふ)iI・氾一:
unil・由Niltk)rrl
1995..恥l・Jd触1・Ik
I弛IJ ;1n(I 1(3与蛤, I..!N・r:tip./
I997
spREP
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I;Nヽ√
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l!197
I ∈JS;JTr
42
atl
≧j
rT'・1rltJLtuLln
region
2.2 Water
Wastewater
and
Water
supply
and
having
environmentalin鮎structure,
consequences・
NorthAmerica,
by addressingthis
Habitat
(2003) suggests,
'improved'access
look
intothefigures
Habitat
500-700
sanitation
98 millions
of water
millions
Box
sanitation・
and
supply
between
3 also showsthe
inthis
coverage
management
investments
wastewater
wastewater,
e氏cient
most
increases
the cost
ofthefreshwater
for supply
Furthermore,
without
sustainable
access
Development
connections
should
coverage
sanitation
297
urban
and
san血tion
600-800
to lack
a
intensityofthe
ofsanitationand
plants・ Due
are
be increased
from
being
countries,
of these
services,
as
UN
arewithout
and血s
number
is
water
supply
for the
challenge
treatment
it requlreS
to disposal
depleted
if we
worsens
wastewater
as
have
not
for "inadequate"
critical challenge,
resources
do
dwellers
respectively
millions
treatment
developing
number
and
huge
of untreated
(Box 3).This
further
water.
to safe drinking
Goal
(Box 3).This
milhons
in Europe皿d
dwellers
of urban
provision
is
potable
1 999). h
urban
other
averted
`adequate,1
to realize the target, to halve
Mi I1ennium
sanitation
number
comparative
reglOn. Due
facilities, the wastewater
and
and
was
¢eitmann
considerable
of the peoplewithout
provision
between
a
healthand
heal血damage
of也e
important
most
asthe
considered
environmental
challenge
supply
(2003) showsthat
=improved"
and
to water
serious
Most
socioeconomic
UN
is historically
sanitation
water
by 201 5 the proportion
and
basic
of people
set under
sanitation,
7th
the water
s upply
(111_,_t些!dHel・_,_e_lqQP.mQ_4IgQQ_I_S_."Q_tg),
from
the existlng
the existlng
78 per cent
43
93 per cent
to 89
to 96 per
per cent・ Hence
cent
619
and
basic
million
Box
3
Chal1engesあr
き-J
モ
Supply
Water
心
バト哀・
舎-
and
∴■三重
L-
.
き-い;舟・T-
Wastewater
こ・・缶
⊥1→・で
::こす、L-・:′ね.i符・
-ヽミ
the Pacific
inAsiaand
中一、・.
≠Tl僻
∴・・-・、.▲、
_全
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1【事O
1こ虻30
由p
愚OC3
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5C10
413C)
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Z-DO
'1LTJO
亡)
(コ
-1m
jZIQO
急CIt?
ヰ凸P
Comparative
for Sanitation
Challenges
(I
・.:l
'l;Tl
10
Pollution
Water
lくJl,I(Ih.y(I (:;huTILll.1ぢ
tl盲r.JLI 1
l丘Ivtt■
L._Sぎ1.・JFT
_
1TT>・.生I▲lql I.v-r
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lコIモi二hlTl.1
kt.、
44
訪IJ
三吉
region
in cities should
people
million
people
be connected
be
should
situation
of the existing
fromthe
government・
water
The
unit, tariff per
unit, labor
(Mclntosh
and
Umiguez
2・3 tJrban
Air
Quality
per
is increasing
oxides,and
56 tones
of carbon
like
of sulfur oxideand
inthe
several
cities
Organization
air
are
facing
inthe
ine瓜ciencies
1000
per
major
to improve
the heavy
(NRW),
the
subsidies
whichinclude
costs
production
connections,
Box
2000).h
the
so
and
per
on
intheAsia
and
4 showsthe
pollutants,
which
reglOn・
varioustypes
deteriorating
45
figures
the
percent
monoxide,
respectively
(ESCAP/ADD
The
and
cities of the region
suspended
2000).
particulate
levels ofTSP
Transport
in
Health
for the various
of pollutants.
urban
&om
by World
recommended
pollution levels.
44
levels of SO2
the Pacific
oxide,
air, like carbon
75, 93, and
highest
comparative
are
inthe
by the year 2010
higherthanthose
the
daily about
of nitrogen
developed
related
hydrocarbons,
discharged
are
called
&om
energy
becoming
monoxide,
7 tones
matter
so
and
cities like Kathmandu,
pollutants
Cities withthe
to control
of carbon
particulate
are
vehicles
of hydrocarbons,
respectively
2 to 3 times
).Motor
transport
as
rapidly
poorest
75 percent
challenges
for these
or
quantities
will increase
located
(wn0)・
region,
localized
are
2001
of automobile
of the major
nine
relying
water
of production
oxide,
nitrogen
to 94, 98, and
Furthermore,
matter
and
on
recovered
huge
1 8 tones
monoxide,
Shanghai,the production
in 1990s
source
by emittlng
ofvehicles仲SCAP/ADB
hydrocarbon,
mainly
this is operating
non
and Lovei
particulates・ Even
tone
one
Just under
butalso
are
of cities is deteriorating
(Kojima
urbanpolluters
nitrogen
unit
infrastmcture
new
The
time.
same
675
additional
1997).
jur qualityin most
pollution
or
an
and
duringthe
samitation
reaSOnfor
(UFW)
for water
till 2015
supply
utilities, which
major
the unaccounted
tailpipes
to
connected
for the cities is not only to build the
cha皿enge
biggest
water
with
cities inthe
is the main
air qualitywithintensive
Box
4
Chal1engesfor
Urban
A辻Quality
Management
】細論I Su革P樹抜毛毒_ktJ lユa(li仇3由Il鵠
T(-^で官0・
T盲Ilra.I.・1
S h託f】酔al
S6!・甲uI
m
t由・I
'LhJJ.1L.1
la
.∼:lard
l'・・・umll}u=r
.I-it.1;al
a
Jaka爪a
D鍵Ihl
亡;ak.I.1tl.a
BrFIJ加n畠
B乱1'1Rk{-) k
P.
kL
46
inAsia
and
the Pacific
region
localized
This
in Jakarta,
1400
deaths
be avoided
could
The
standard・
reductions
US$400
World
billion for lead・ The
tnps
Bank
(1996)
&om
dust and
from
visits and
were
to be
provide
were
US$5
billion,
of也e
mega
at
US$300
reduction
between
and US$1.5
in congestion
The
millionannually.
Kaula
Lampur,
about
10 percent
or
attacks
to WHO
benefits
and between
Jakarta, and
asthma
only
the moderate
annual
benefits of about US$400
lead pollution
600,000
brought down
that 1 0 percent
thatinBangkok,
for example,
that in Bangkok,
billion for particulates
provide
estimated
room
levels would
current
report indicates
same
would
levels
damages,
enormous
(1996)furtherestimates
US$1.6
and
for
emergency
ifparticulate
Bank
percent
million
peak-hour
49,000
and
annually,
of20
is responsible
pollution
theannual
during
World
costs
of combined
city
1nCOme.
2・4 ChallengesinMega
Asia
Cities
is the host oftbe
cities is increaslng.
mega
environmental
inthe
low
challenges
lying
is a contrast
most
The
as
creation
inthe
sufRcient
Fore
challenges・
rapidly, per caplta Ownership
growlng
mega
are
as
without
most
these
of the
people
of
cars・
new
are
Similarly,
inhabitants
living in bigbly
the per caplta generation
are
poor
dense
andtheir
areas.
47
towards
severe
settle downinthe
established
is decreaslng
however
are
due
in these
to influx
levels
or
slums
services.
cities, which
of solid waste
consumpt10n
size of the
and也e
infrastructureand
is increaslng;
cars
Cities, the per caplta Ownership
the
inhabitants
environmental
exampleinthe
growlng
this number
cities is leading
ofmega
majorityofthe new
areaswithout
cities and
There
not
rapidly
of people,
who
is also decreaslng,
are
low. Most
of
Looking
in place,then
atthat
most
environmental
lower
can
followlng
othersare
Reforms
regulatory,
tJrban
are
good
services
and
have
This
different
the urbanenvironment
the basis for many
decentralization,
the decisions
participation.
decon-centration,
the decentralization,
and
and
fbllowl喝
areas・血tbe
services
managlngthese
in any
targeted
inthe govemment
are
focused
prlmarily
or
role for
economic
same
cities with
to
the public
playanimportant
can
The
area・
is to provide
govemance
countries
or
sector
level of living standards・
and
Klugman
delegation,
The
solid waste・
reforms・
citizens. Reforms
even
and intemational
national
as
situation
improved
canbe
requires
pipelines
by fixing the institutions and reducingthe
suggeststhat
mass
Management
reforms
tothe
Waste
oftbe
fewer
elrectively
current
onthe
is clear evidencethat
whenthere
are
of the criteria for good
better environment
levels may
understand
One
govemance・
this, especially
stakeholder
financial
to也l volume
low-dense
cities
Environmental
to improvethe
meant
Institutional, and
achieve
grodh
their line, based
to Improve
3 Reforms
of the mega
some
level of
per caplta
to lay down
with也e
thenthe
improved
lower
oftbe
opportunity
in compadson
lt is shownthat
sections,
and disposal
providethe
lanes per c叩1ta
sewer喝e
and
areas
populated
The
problems・
lower
be much
would
is effectively
management
established cities・ The
transport
in血e0011ection
environmental
people
inthe
cost
solvetheir
investment
densely
ofservlngthese
cost
management
transit system
if the urban
scenario,
at the current
agencies
accountabilitywill
(1994) refers
one
must
ask where
48
on
reforms
modes
may
throughthe
of decentralization'・
Uphoff(1 986) suggeststhat
the persons
be
the
be at the local level
tothethree
devolution.While
levels・ This
income
to push
inequality,
social
making
decisions
to
were
located
the
and
case
to whomthey
local populations,and
bringlng
decision-makers
of local accountability,
1 994).The
to overall
closer tothepeople,
accompanied
improve
situation
3.1 I)ecentrali2:ation
centralized
building,
many
coun廿ies・血many
done
have
it was
a
history
in terms
P.rter
(Clay and
speciflC
and
community,
of
revenue
2003). h
at national
reforms
and
improvethe
may
There
to managethe
effective
were
variations
across血e
years
only
through
localinstitutions
49
For
form
one
on
is
provide也at也ere
revenue
generation
countries,
example,
till 1996,
due
in
based
a
remain
on
Bangladesh
nomenclature
nation
structures
power
or
though
focused
was
of centralized
const血tions
characteristics・
for many
to strengthenthe
national
in
govemments
era
colonialist
of the decisionsand
most
socioeconomic
system
of local govemance
further consolidation
countries,血e
govemments・
for local govemment
was
and
however,
political situationand
(Elugman
services.
(Al1iani2002).Post
structures
industrialization,
血e national
inAsia
the colonialism,
power
sector
withprivate
in鮎structureand
by established mechanisms
level
are
being
Therefore,
de-concentration.
decentralization
there
to
accountable
decentrali2:edwithout
is
inAsia
of local govemments;
nothing
for decentralization,
of the countries
the other・ During
level ofthefiscal
partnerships
and
devolution
effects ofdecentralization
at the local government
of environmental
Most
the overall
is onthe
reforms
local level, to scale-up
is being
making
it is only
generationandexpenditures
addition
decision
non-centrally
to local peoplethen
can
focus
current
has further elaboratedthat
bothlocated
are
if onlythe
accountable
He
accountable.
the decision-makers
where
makingthem
were
role
with
their
attempted
of tiers, but
to political
instability
different
Onthe
at the center.
rule, rather than
duringthe
democratic
In SoutheastAsia,
was
have
its
inthe
constitution
and
were
reforms
Cuacbon
2002,
Alliani
decentralization
is being
is recently
decentralize
local govemments
basisinLawNo.
financial
h
1997.
balance betweenthe
Thailand,the
national
revenue
generation
(Saito2003).h
reglOnal
focuslng
taxation
andinter-govemmental
amendment
act or 1 992
were
(Brillantes
which
provides
code
andthe
relations
more
・
"triune
or
50
to further
reform"
based
in LawNo・
on
has its
regions
25 of 1999
of 1 991
is a comprehensive
and
on
(Sidik2003)・
decentralization,
to血e
recent
fiscal decentralization
powersthat
In India, the seventy-fourth
powers
to
agenciesinthe
supports
Its Structures,functions,
due
system,the
expenditure
and
administration
local govemment
system
and
hdonesia,the
central govemment
or
andintemational
of the reforms"
wave
constitution,
new
也 the PbilipplneS,
local govemment
for
on
of1999
of the local govemments
forthe local govemment
"third
pursuing
relations
22
support
pushedthrough
years・ Japan
inter-govemmental
before
the political and
features
politics withChinese
to ineffectiveness
of constitutional
unavailability
50 yeas
nearly
In China,
Japan's
2002).
either due
However,
EastAsia,
were
later the political reforms
years
to
local govemments
it took
in 1995・
fully realized
system
it is evolving
now
inthe
but in SouthKorea
in 1987andfive
decided
army
local govemment
colony,
Indonesia,the
and
socialist democractic
to construct
out
British
of its independence,and
local autonomy,
were
role duringthe
strong
govemments・
in the Philippines
of local autonomy
economic
former
a
a
got
constitutions since their early years・While
recognlZeS
the promises
national
early years
identity.While
own
recognized
carried
Malaysla,
duringthe
in turbulence
local govemments
note,
local govemments
was
passed
document
alsoincludes
constitutional
and
(Brillantes
in
on
Cuachon
2002).血Pakistan,the
govemment
to suit the local
system
〟l血ese
answerable
and
local autonomy
cu汀ent
are
changes
lS tO
local
with
s血ation.
to improve
meant
tothe
responsive
has res廿uc血汀ed
gOVemment
by making
lt
of the local population・Animportant
needs
&om
transfer of power
the local govemance
local authorities
to other
aspect
of
parastatal
(semi-govemment) agenciesthroughcorporatization
orthroughprivatization (Alliani
2003)・The
local govemments
in&astructure
the service
and
partnershipswith
and
and
consumers
qualityand
right and
should
Now,
Porter
the service
consumers
or
getthe
a
payments
subsidized
explo血tion
(Memon
reliable service
cost,
also induce
environment
to
autonomy
by
or
forming
autonomous
onthe
public
and
or
up
made
social policies
the behavior
(Figure2).
51
provider,
regulator,the
either due
services
2001).
natural
an
a
pnvate
resource
regard・
enterprlSe,
While
impartial
regulator.
responsible
to pay
of the govemment.
to conseⅣe也e
resources
to
their basic
are
local govemmentsinthis
body
are
and
these services
Matsuoka
and
sets
of service
provider
forthese
tothe
for whichthey
depending
the service
environmental
challenges
an
clarifytherole
assumptionthat
&ameworkand
regulatory
f♭rthe seⅣices
of也e
be
to
to pay
willing
free of cost
may
by providing
for their eqlCiency,
was
(2003) suggestthat
provider
formsthe
is aimed
not
new
oflocal
communityenterprises.
reliabilityor due tothe
offers the greatest
government
cost
was
be provided
and
and
situation
ownresources
hitially, govemment
the community
to improvethe
accountable
decentralization
their low
management
sector
consumer・
or
Clay
makingthem
private
Therefore,the
regulator,
by generatmgtheir
services
operators
be capable
should
The
either full
The
也 avoid也e
source:
Me血on
et al.
(2004)
In addition
to the reforms
for increaslngthe
management
and
seⅣices,
various
different
countries.
Sector
3.2 Private
To
inthe
refわrms
bridge
wake
are
be血g
for decentralization,
coverage
and
to bring
investment
Sector
of the in&astructureandthe
efficiency
at various
ln廿oduced
prlVate
levels of the govemments
in血e
Participation
the gap
of rapid
between
urbanization
prlVate
Sector
investment・
prlVate
Sector
PartlCIPation
Private
is meant
demand
and
and
economic
sector
of the in&astructure
supply
grow血,
many
varies in its scale and
for the multinational
52
and
countries
are
its focus・
Most
corporations
services,
seeking
to seek
of the times
forelgn
direct investment
have
may
or
and
medium
multinational
big
ofa
and
project,they
Many
伊FI) in
supply
transport
including
Law
was
11 7
facilities
investment
and
international
included
in May
inthe
on
in 1 999. The
Act
build operate
on
management,
transfer
and
is helping
services.
mitiatives
and
urban
(Table 1 ).h
transit systems
in血e
capital
investment
and
financmg
solid waste
of in&astructure
in
components
in&astructure
prlVate
prlVate
sector
is of community
utilization of private
Act
small
to scale up
mass
wi仙
pnvate
inthe
or
are
Japan,
cons廿uction
in social overhead
was
construction
(BOT),andthis
SouthKoreans
also
method
of
to obtain
contractors
contracts.
targets for urban
1 Othfive-year
municlpal
2002
to allow也e
managlnginfrastruCture
BOT
China,
h
services,
an
towns
are
of these
hands
joms
usually
some
including
but most
also varies
sector
and
is local enterprises
corrmunitybased
underground
SouthKorea,
to introducethe
modi丘ed
Policy
in 2000
consultants,
role. Thethirdtype
targeted
are
wastewater
and
on
are
multinationals
also to help intemational
wo止and
individual
an
reforms
elevated
introduced
was
focus
local pnvate
focused
mainly
facilities・ h
ofpublic
take
may
and
issued
The
sector
for the local share・ In small
of the recent
water
(SME). There
al. 2002). These
some
type of private
second
to share也e
are
which
only investors,
are
suppliers.
requlrementS
enterprises,
some
sized enterprise
companies
meetlngthe
as
(Berg et
their expertise
as
well
The
suppliers・
con廿actors
mainly
as
different focus,
contractors
small
FDI
Commission
pro)ects
to provinces
solid waste
(SDPC)
and
increased
plan, and
that clarifiesthe
Planning
environmental
disposal
and
and
role of private
finance
pollution
roles of private
transferredthe
autonomous
in&astructure
sector
prevention
particIPation・
right of review
districts in 2001
53
and
services
were
was
recognized・
technology
The
issued
was
State Development
ratification
that also introduces
for
some
role for
foreign
departments
and
proJeCtS・ h
CaPitalinthose
2002,
for inveshent
"Guidelines
published
treatment
including urbansewerage
in collaboration
SDPC
and
by foreign
industries
ministries
COmPanies,"
(Chang
treatment
solid waste
municipal
other
withthe
et all
2004).
h
initially meant
for scaling
crises
established
Act
was
to improvethe
situation
up finance
in metro
forthe
approvedthe
new
private
sector
March
1992,the
may
participate
Act
the basis of the on-golng
promulgatedin1
by the intemational
h
993
on
early 2004,
generation-・
Participation
Where
20/2002,
a
PFI
Law
inthe
of water
provision
Private
were
Into
into
Sector
number
donors.
54
In 1 995, The
in water
utilities mainly
is already
way
increaslng,
legal
for private
expressly
sector
providesthat
(Adhyaksa 2004)・In
Thailand,
in State Affairs, which
In Vietnam,
ofBOT
Water
of Representatives
law・ This
PartlCIPation
promulgated・
increasing
a
was
which
comprehensive
the IndonesianHouse
Resources
reforms
resulting
in 1 993,
of electricitysector, has pavedthe
draftofWater
Royal
No・
law
BOT
In hdonesla,
of ElectricityLaw
sector・
Sector
prlVate
Manila・
development
particIPationinthis
introduced
in electric power
to increase
initially the promulgation
&amework
Philippmes
SoutheastAsia,the
BOT
projects,
Act
forms
was
mostly
financed
in
Table 1.
Major
PFI
ColmtⅠγ
policies
and
activities in EastAsia
Policies
MajorActivities
ChinahasisstJedthreeministerialregLdationsconceming
foreignlnVeStmCntiniJlfrastndtFePrOjects,inc1曲名
PFⅠpro]ects-TheBOTlatwinnowbcingprepaqed.dlinaーs
Mainland
Operation-Transfg)auldothers,au'cinprogressinChha.
1ocalgovernmcnts町em○reaCtivethanthecentral
TheseproJeCt岳coverqeasty3hservices.Thcntmberof
governmcntinintioducingPFlpro)ects.Pd)tic
seⅧagep)intBOTprojectSandjoint-stockcompanies
ConstndioA-PdvateqpqationandBOT血llt*themain
China
ThTeenationalB○Tp正○tprojects,andmoTeth皿50
)ocalprojectsintheformofBOT(Bdd-OperationTrusfer),BOO(BdidJ3perati○n-0Ⅶ),TOT(Transfer-
inthec○nstrtk=tionandopqationofscwcragcandgartnge
trendofPPPinUEⅠdJ=Velopment_
di甲OSalWrksarenowincTeaSLng.
Underrdevzntde東gn,constzvtion,弧dopcration
HongKong
RelevantregdationspromotingBOTareavahble.
contrads,thepriva[tesectormayco皿ectgarb喝Band
di甲OSalsitesucha8landfi11s.
btqecollectionanddisposalfadlityoperationsare
Macao
consi?edtopnvatecontractors.
TheNcwEconomyFive-yearPlan(1933-1998)cans
for
theexpan由onofcnvirorLnCntalinfrastnx:ttzreandthe
promotionofenvironmentalinVestmenttytheprivate
scctcr.FundraisingforenvironmcntalmeastFeSbegzmto
SotdhKorea
Privatesectorparticipationinthecomstn拡ti○nand
shifttojointptitAic-pnvateeffortsin1996.Korea
operationofenvironmentalfaci五tiesandpower
recentlyraiseditstugetforpriyale血訂lCIZlgOf
in丘astrqcttFCrequLrCmentS,aimingforafoTtyperCent
generdorsisincrezLSlng.
sh町Cty200l-02,tp丘omtheori由altarsetoften
percent(WorldBank1997).
JapzLnintrOdLX:edtheLawCon○∝ningPddicFaditics
Constnx:tiontytzseofPrivateCapital(1999).APFⅠ
promotioncommitteeⅦesta一山shcdtoproyidepolicy
consdtationszndstJggeStions.RchtedJapanesepolicies
Japan
alsostJPPOrtOVerSeaPnprojects.InJtnc2001,wter
regdationsⅦrercviscdtogivetheprivatesectora
hpracticejewdomcsticPFⅠcasesaqeftndinwaste
mana夢mentandpoⅥ町generationforseⅦ野Plants.
gr悦tCrrOleinthesewagebtzdncss.Therevised
regdationsallowprivatecompamiestoparticipatein
Ⅷtertreatmentandp血Gcation.
Malay由■susefenvirorLmentalinf>as(rtdtFePFⅠis
exemplary.MalaysLaGreatedaPrivati2AtionMasterPlan
inl991andhashnchedl町gC-SCalcsandthorot*
Malaysla
pnvati22Ltionofgovernnent-mlenterPrlSeZLnd
in丘astndtFebt血esstnti11994.The血olecotntryis
dividedintofour2DneSforprivatiz亡dgaqbagedi甲OSal.
PFlproJeCtSCOVerantmtq○fin丘astmcttFCq飽SuChas
povvcrgeneration,commtmication,trzLn甲0ーtation,wter
stpply,sewrageⅧrks,sohdvvastemanagcmentandeven
airandⅦterpolltztionmonitoring.
RegdationsrelatedtoPFⅠaFerelativelyⅥt11-dcvelopcd_
The1992EnvironmentAct訂ldthe1992RoyalActon
PrivateParticipationinS(ateALrhirsstartedthelcgal
causforPFlinpd)1icfaci五ties_Privati22Itionisbing
Th由1and
eagerlyproposed,particdarlyfordzdnageandindLBtria1
Ⅷtewtertreatment.Btdthetx:stschcmesforPFⅠ
projectsarenotyetidentified.TⅠ血1andqeateda
PFⅠmainlyfoctBeSOnCOmmtmiCation,energy,
tr町lSPOrtation,ⅦtcrstJPPly,gartngecollcctionand
delivery,scⅦgetreatmentaLndindt渉trialVVaSte
mana野mentnOWtn由一W○rldBankaid.
Privati22ltionMasterPlaninl998.
Indonesia
Thelndone由angovernmenthashighexpectationsfor
PFⅠb詑alJSCOfhighpdmicdebtlevelsanddecreasesin
SeveralBOTprojectsaqetN5ingcondLy=tedtosolve
ODAsincethe1990s.Thercforelndon由ahas
drinkingwterprotAemsinJakaTta.PFⅠlalsoactivein
formtdatedrelev打ltregdationsandpohcicsfor
poⅦrgeneration,commtmication,andexpressways.
promotmgPFlinmanyareas.
ThePhilippmesissthdthefirstBOTLawinA由in1990
弧ddsoestatdi血edaSpcdalgovemmentalorsmi22Ltion,
Philippines
theBOTCenterforpromotionsofBOTactivities.
HoⅦver,ri虫preventionpolicics,govemmentgt-antecs
forBOTprojects皿dlong-termp1ansforthe
introductionofPFlareBenera皿ynotinplace.
Privatizationofmtmicipalw血er叩P)yandseⅦge
trcatmentstartedinl997一Throl申lBOT,thePhihppines
hasslXCeCdedinproctJrLngftndsforsomeenvironmental
infrastn血tFePrOjectsーPFlpro)ectsarealsopromotedin
qe8inc1血gpoⅦrgen町ation,electricitydelivc7y,
commmication,tr打lSPOrtati○n,aLndg町tXq;C-触ledpoⅥ喝r
plants,
(bmcctionofmtmicipalsohdwasteisconslgnedtothe
S血gapore
privatesector.PFーisalsonowt光ingproposedforthe
transportationindLyStry.
Vietnam
D馳tOhighdependenceonforeigncapita1,Vietn正江1isstnd C仕丁entBOTprojcctscoveraleaSSuChaswatcrsl判)1y,
BOTLaⅦaSearlyas1993.
haqh)rs,andpowergeneration.
55
In SouthAsia,
institutions. h
has passed
Pakistan
Nepalthe
developed
was
policy
in 1 996. In India, the state level reforms
formaland
increased
partlCIPation
of
more
in
a
and
and
time血e
tothe
solid
door-to-door
or
including
periodic
by
and
brings
development
be
Rao
realized
it could
has
participation
tothe
it depends
widl
1995)・ Community
projects
on
be
different
a
it is generally
2004).Although
success
more
andthe
objectives,and
Community
1 997);however,
management,
in
terms
of
resources,
the scale,
inthe slums
very
waste
low
profit
and
clean1ng
constructlng
cleanlng
or
in the poor
the
Of
Storage
tanks
and
56
of
areas,
These
marglnS・
Water
Of septlC
provision
services
streets,
and
the
selling
clearlng
services
environmental
where
Sector
prlVate
includethe
vending
points,
the sewerage
be targeted
can
communityparticipation
objectives.Firstly,the
especially
door-to-door
(Mansuri
(Narayan
urbanenvironmental
due
programs.
participation
sector
private
Vivian
(Ghaiand
gettlng
prq】ect.
different
deliver
context
effectiveness
infrastructure,
to
projectsand
are
withcommunitycould
in itself for broader
goal
different
oftbat
four
a
community
For
for
be
specific
perceivedthat
efBciency
later
sector
pnvate
govemments
engaging
are
communityparticipation
could
a
local
services,they
Partnerships
assistthem.
level
meaning
and
level of communityparticipation
institudons・Asthe
basic
provide
to
communities
for
the
Sector
prlVate
to increase
Introduced
is also improvingthe
process
informal
responsibilityto
means
to involve
to reform
Participation
Decentrali2:ation
through
Law
services・
partlCIPationinpublic
3.3 Community
in 1990
being
are
Water
National
new
and
is unable
collection
for
water
Sanitation
of
either
services
lines, transportlng
cargo
narrow
withinthe
Secondly,
projects,
For
for outsiders
overall
beingrun
they
example,
to pe血rm
collectthe
dense
Thirdly,
or
service
level
or
company
role of
a
Similarly,
through
areas,
the
including
as
groups
The
scale
eye
canbe
the discharge
as
or
environmental
service
provider,
The
level
checkthe
transport,
and
households・
creating
peer
recycling
of compost
can
locatedwithin
these
on
dumping
into the streams
The
life styles. In
57
and
&om
Oftoxic
in the
waste
agalnStthe
the
POlluters,
be
can
waste
sea,
Some
monitor
major
to血row也eir
sector
e飴ctive
sources.
canscientifically
scale of monitonng
neighbors
an
its
of the
private
its prlCe
discharges
or
as
small
properly
monitonng
andrivers.
is essential
communityparticipation
a
canplay
of pollution
the
level
the
be
could
serviceand
researchers,
pressure
to checkthe
friendly
be
could
companyand
improve
to
which
of the
level
monitorthe
monitor
water
inthe
or
shops,
communitygroups
also
of polluted
tothe
service
production
and
is important
can
as
of solid waste
vehicles.
canalso
They
it is dimlCult
where
big transport
a
of
organizations.
also be integratedintothe
materials
deliver
and
large
Fourthly,the
adapting
can
sector
of the solid waste,
part
academia
po11ution・
an
a
and
organization.
including
industries,
keep血g
sector
They
watchdog・
These
of
polnt
be
communityparticipation
public
communitygroups,
level
center
can
of accountabilityofthe
a
agreement.
they
bigger
tothe
contribute
Public
an
collection
recycling
non-mechanized
the
Or
Sector
disposal
and
of inorganic
&omthe
goods
canalso
of the bills in the slums,
door-to-door
collection
selling
waste・
enterprises
job.The communityservices
example
into the overall
organic
or
by either the prlVate
this
For
activityincluding
fi・om
on.
assist in collection
may
management.
integrated
so
and
the communitygroups
are
Which
streets,
richer
to
build
sectionsof
public
the
awareness
communities,
for
the
awareness
public
Of water,
consumption
cycling
JOumeyS,
reduction
in
including
washing
sector,
advantages
Similarly
3.5 The
delivery,
land別l
or
for decentralization
munlCIPal
including
may
血e decentralization
bringthe
national
is not
institutional
onthe
police,
help
level
established.
changes
and
Most
they
58
the private
sector,
andthe
of the
service・
ditrlCult issues
likethe
target is not
targetlng
so
on・
inthe
re-arrangements
reforms
between
1n
SOme
but it
are
delivery
are
the
urban
services,
service
refbms
only
OVerall
Therefわre,
institutional
of the decen廿alization
govemments.
of the
disposal・
are
and
The
of the public
level of environmental
improvements
makethefiscal
price
andtheir
level if the proper
link betweenthe
and
waste
in nature
education,
to improvethe
to give
pnvate
forthe
for proper
but
to
Practices,
children・
of the limitations
the
check
guaranteethe
provision
agree
sector
public
broader
deterioratethe
direct
andthe
decision-making
appraised
delivery,
service
is also possible that it may
implemented
are
administration,
decentralization
placesthe
are
incinerator
an
usmg
Reforms
in
especially
and
awareness
hyglene
communities
communitymay
communityto
of the Reforms
governance
if they
not
healthand
buildthroughpublic awareness
canbe
ofa
The
rolefrom
Context
improvements
consensus
the walking
public
does
supply
proper
bythe
infrastructure.
and
role of the
consensus
construction
for
water
only
asthe
increase
to
and
reducethe
properly,
of the communities,
sections
adapted
of changlngthe
including
measures
are
is also essential
role of the service
a
poorer
off the waste
JOumey
diseases,un1essthe
of hands,
services
car
of
behavior,
water-related
environmental
sector
hyglenic
awareness
public
Inthe
on・
dispose
waste,
the number
reduce
so
and
induce
to
canhelp
help to reducethe
can
meant
not
and
to
the local and
for prlVate
Reforms
however,this
of the services;
environment.
For
dischargethe
polluted
sector
pnvate
Similarly,
the
waste
prlVate
Sector
as
if instead
the
vestedinterests
mafia"
can
are
to
in many
can
a
get
of the
level of community
pnvate
The
prlVate
Sector
consumptlOn
and
level will be
higherthe profit
reforms
chance
participation
sectors,
community
managetheir
countries,the
Most
The
the need
for improved
level
of
institutional.
leaders.
either
is generated
profits・
create
may
increase也e
The
consumption
its revenueand
cycling.
may
sources.
encouragethe
maximize
to
sector
water
transit system,
mass
encourage
of waste
withpublicand
of the
to
may
for walkingand
company・
to improvethe
communities
Public
volume
management
of coherence
vestedinterests
managing
morethe
system
of water
man喝eme叫may
PartlCIPation
Reforms
Supply
of encouragement
waste
waste
solid
Sector,
Instead
generation
forthat
conservation
prlVate
f♭r solid
working
a Water
in urban
in place, the pnvate
iqtothe丘esh
treatment,
proper
the level
improvements
overall
lS not
monitorlng
to improve
targeted
mainly
forthe
guarantee
if the proper
managlng
ratherthanthe
joumey
not
water,without
company
are
PartlCIPation
may
example,
of water
forthe
Sector
or
services
to exploitthis
``solid waste
start the conflicts
communities
participation
provides
monitorthe
…water
to
delivery・
like infamous
mafia,"
for
empowerment
service
empowermentand
mafia,"
also be backflred,
may
and
The
"land
…transport ma危a"
be popped-up.
Hencethese
community
virtuous
participation
reforms
require
for
decentralization,
careful implementation
circle.
59
Sector
prlVate
to
change
Participation,
viscous
circleinto
and
a
4 Outcomes
of the Reforms
The
are
communityparticipation
stages・ Furthermore,
overall
these
not
and
will be unfair to concludethe
the urbanenvirormental
mangers
of the reforms
urbanenvironmental
viz.: whether
the reforms
could
not
be generalized
geographical
To
or
studies,
focused
improve
studies
have
studies
are
management,
related
and
future
been
different
This
two
may
air pollution
andthe
one
on
help
context
of血e
working
level to review
in general
and
If
well?
on
aspects,
some
of
lessons
well?What
be replicated
can
their
waste
urban
other
of the
practical
to other
up
urban
withinitial
management,
lS
Presented
fours
air qualitymanagement
is onindustrial
60
pollution・
new
the
in&astructure
at
lessons,
can
environmental
summary
are
reforms
is to analyze
optlOnS
and
services
to come
for better
solid
are
lt lS important
national
working
fact that most
onthe
environmental
roadmap
on
and
based
available,
analyzedand
focused
not
on
canhighlightvarious
review
arethese
are
impact
locations?
is not
on
why
in which
reforms
review,
locations・
the
whythese
what
conductthat
infbmation
to
wellthen
institutional
essential
geographical
welland
it
andtheir
urbangovemance
in particular. This
Hence
management・
place
early
to improve
aimed
at local and
onthe
working
working
and
place・ Nevertheless,
makers
impacts
management
new
refbrmsinfirst
second
policy
andtheir
the reformsare
are
atthe
andthe
are
and
still intheir
are
the environmental
of these
outcome
Participation,
countriesthese
countries
particularly
management
environmental
the progress
in many
Sector
prlVate
in many
quite newand
reforms
urban govemance
forthe
decentralization,
to promote
reforms
which
inAnnexure-1・
on
where
These
one
case
beused
Four
case
case
wastewater
and
water
case
different
Some
management・
and
is
on
transport
studies
cover
enterprises
community-based
behavior
for
user
These
in the wake
due
capacitymainly
traditional
the
be
to
required
waste
to pay
use
The
major
for this service
issue,
hand,
has to showthe
the govemment
their
resource
use,
and
of
the
lack
the
it asthe
other taxes
to make
waste
solid
of the local
are
strategies
to
how
show
to cover
sector
of the
e氏ciency
investment
assume
inthe
type
new
households
basic
are
responsibility
like propertytax.
pay・ On
users
of its expenditures,and
transparency
effectiveness
and
traditionally
aS
required
the
of private
Improves
be flnanCedthrough
View
example
umbrella
of financlng,
are
good
for further
motivation
regulations
inducethe
also
the appropriate
a
set-up
in manplacesthey
and
hand
one
This
remains
that should
the
on
is
one
ln
grow血,
constraints,
Case
rate.
and
Challenge
of the local govemment,
solvethis
timings,
economic
put under
collection
collection
of equlPment・
not
tothe
and
and
Malayslan
Canbe
keeplng
and
teclmical
The
out・
level enterprlSeS
area
resources,
of urbanization
andthat
for this service.
beglnnmg,
a
Just
collection
them
pay
tofinancialand
chalked
small
bigger
are
experiences
rates
generation
households
as
charges
door-to-door
provide
the other
efficiency
services
eitherthroughpublic
services
is still hanglng
To
of
or
sector
throughprivatesector.
The
delivery
of water
govemment
and
local
governments
are
getting
is under血e
local
government・
Nowthe
and
hand
limited
operation
financial
and
wastewater
departments.
government
responsibility. For
more
govemment,
tothe
over
and
local
resources,
maintenance,
government
the
user
the
for its operation
local governments
unless
treatment
cons廿ucts
govemment
fees
are
61
current
and
under也e
supply
national
treatment
maintenance.
difnculties
and
local
water
wastewater
will face
introduced
was
national
reforms,the
in Thailand,the
example,
wasteⅦter
while血e
national
Withthe
between
continuous
But
plants
due
in carrylng
support
to
Out
from
national
is in place
govemment
fiscal decentralization
or
is
a
of decentralization
part
reforms.
The
places
psp
case
sector
private
is mainly
due
tothe
success
rate
could
tothe
best
for water
groomed
international
and
arguedthat
Due
the prices
for PSP.
Social
case
implementthe
most
study
Manila
up・ The
uPand
dimension
be argued
The
West
and
critical lesson
reforms
on
to
create
two
on
important
yet
higher price
Was
is
is hard
a
not
high
a
it is
to break
nature・
monopolistic
were
companies
water
is
a
glVen
is
Sector
prlVate
this issue well
as
is not
there
and
competition,the
has to work
government
it has
and
the
Sector
prlVate
wastewater
where
quasi
affordabilityis very
totally onthe
in Sindh
investment
in place
water
either
case
study・ Furthermore,
case
and
were
raw
is costly
which
supply
in Manila
even
local
the
inthe Manila
water
body
of
capacity
the Manila
example
the issue
without
services
appropriate
conflict resulting
invited,
seen
bulk
For
the
regulatory
Similarly,
was
management,
nature,
monopolistic
pushing
as
it requlreS
Thus
in Eastand
contracts
fromthe
solid waste
value-chain.
tothis
it cannot
devaluation
exchange
unlike
sector
private
out.
lead tothe
source.
necessity・
coupledwiththe
the
of
sorted
Macao,
and
can
of water
provision
including
capacity
social interestsand
organizations
for PSP,
not
better. In Johor
discormection
or
risk of forelgn
intothe
be much
were
in many
that
show
obligation ratherthanthe
hurry
tothis
issues
that if the appropriate
clearly shows
solved
important
build andthe
not
an
forthe
Due
wastewater
and
intemational
goverrments
fiscal decentralization.
appropriate
water
from
pressure
local
on
is becoming
participation
responsibilityonthe
was
(Annexure-1)
studies
before
basic
golng
need
and
basis of the free-markettheory・
for communitybased
province
of Pakistan,
communityownershipand
62
water
supply
and
wheretheinstitutions
maintenance
sanitation
were
acrossthe
comes
setright
board
to
in all
However,withthe
the province・
over
Department
divided
was
integration
of the
decentralization
and
damaged
rather
than
studies
on
case
responsibilityof
interesting
national
to
The
towns.
old
HealthEnglneenng
division,without
Therefわre,
system.
careful
this
1n
based
community
strengthenedthe
the
case
supply
water
Onthe
bringthe
hand,
one
to many
road・ The
underground,
helped
to phase
long
over
Bangkok
time
due
lies withits
that makes
Thailand
to followthe
industrial
for the other
of the countries
in也is
of this region,
taking
the
and
powers,
more
actions
wbicb
are
trickling down
not
of the reforms・
sky train,
is being
out
Due
tothis
success
of
locatedthere
status,
the local
local govemments
to the
effect of the reforms
postponed
the
is also
government
available
oぼthe
communityparticipation
Nevertheless,
prompt・
the air
vehicles
transitthrough
phasing
corrmunity.
national
polluting
and
it is
to monitor
powers
mass
in Jakartathis
while
Bangkok,
showsthat
advantage
forcingthe
awareness
of capital city, as
can
help
of
cities in
other
of Bangkok.
success
the
pollution,
countries,
reglOn
by
most
providethe
communityparticipation.
the level of
public
from
pressure
ex廿a
cities・ However,the
learnlng
gasoline,
status
the other
For
The
communications
also has
govemment
to
to improve
buses・
leaded
out
including
regulations
luxury
and
and
countries,
is getting responsibilityand
has helped
sector
the
of
mega-cities
in environment
local govemment
private
or
major
improvements
implementthe
to
qualityand
most
of the decentralization, PST,
outcomes
to
possible
in
is
(Annexure-1), which
air qualitymanagement
govemments
major citywithsimilarities
and
led
refbms,
Public
sanitation.
Lastly,the
a
districts and
acrossthe
previous
decentralization,
current
are
as
of Kitakyushu
success
Japanwas
tOday・ The
also almost
public
63
pressure
Initiative
atthe
same
a
provides
level, where
is also increaslng
ln
good
many
the o也er
to
countries
glVe-uPthe
is golng
government
Kitakyushu
teclmical
andfiscal
bard
section
support
by
and
pu仙ng
spirit. tfKitakyushu
decades,血en
Citycan
it is also possible
5 Moving
atthe
overall
urbanizationand
ongolng
urbanizationwill
continue・
infrastructure
measures
and
powers
tothe
as
it
golng
its blue
o也er
or
cities
had
were
less
by
time
regulations血也eir
blue
waters
to fbllow血e
coun廿ies
Onin
very
its capacityover
skiesand
local
people
afew
will to implement血e
back
was
they
Citydeveloped
The
bring
as
citygovemmentand
are
taken.
not
this challenge.
in丘astructure
On
reforms,
The
The
appropriate
and
hand,
one
services.
to facilitate prlVate
in&astructure
gap between
that the current
supply
two
within
suit・
inAsia
national
some
are
Including
On
various
Sector
the other hand,
PartlCIPation
prompt
introducmg
local govemance,
inthe
provision
and
environmental
effective
various
agencies
provision
Acts
of rapid
of urban
andintemational
to the
respect
trends
demand
and
critical, unless
of the countries
to improvethe
andthe
it is evident
become
Most
the
the pacific with
scenarioinAsiaand
serviceswill
decentralization
adapted
of the
political
fbr血e
of
Forward
Looking
tackle
s仕ong
circumstances,
implementthe
and
local capacityproblems
time.
atthat
cleanlater,"
de-concentration
same
also facing
was
first and
The
inthe
almost
environment
workinginthe
true
On
City, which
working
industries・
polluting
regulationsonthe
of "develop
notion
and
and
are
reforms
to
promotlng
of the
Laws
are
management
being
of these
services.
decentralization
is taking
decentralization
could
place
in different forms
be the devolution
64
in different
of responsibilityand
countries・
The
delegation
of
authorityto the local govemments
bodies
autonomous
being
are
governments
tothe
or
serviceswithout
de-concentration
andthen
making
However,
sector.
pnvate
forthe
responsible
huge
Due
tothe
infrastructure
and
service, the local governments
conditions
of the private
especially
for social-equityand
avoidthe
sector,
hiring
conditions
and
local private
they could
be
obligation
to address
Nevertheless,
arethefirst
infrastructure
and
social-equityand
to meet
tO improve
action
plans
forthe
and
community,
of the services
under
terms
different
and
forms.
The
be facilitated forthe
should
the part of the community,
are
of the communities
andthey
may
feel
some
affordabilityissues.
lessons
from
current
for e飴ctive
1t is
decentralization
negotiatethe
services.Asthey
the growlng
onthe
of decentralization,
caneffectively
for decentralization,
the reforms
services. The
and
benefits
communityenterprises,
to deliverthe
step forward
future strategies
who
reflective to thewishes
more
be appropriate
terms
those
accept
local govemmentsthroughfiscal
the provision
monitor
partnerships
of these
provision
unwillingly
and
and
generation
forthe
and to reapthe
resources
including
sector,
public-private
policies
human
can
also
local
affordability.
capacityof
well-trained
not
tothe
oftheinfrastructure
revenue
may
whichmight
market免ilure
crucial to strengthenthe
and
gap
services
countries,the
provision
intheinvestment
expenditures.
To
in many
fiscal decentralization for
substantial
of public
and
Challenges
PST,
and
Notes
65
can
to produce
efficient provision
SerVICeS.
communityparticipation
for urban
the experiences
reforms
and
environmental
help to chalk-outthe
and
implement
oftheinfrastructure
viable
and
I
Hardoy
and
(1998) arguesthat
et al.
are
sanitation
facilities irrespective
service. Hence,
eaective
也e provision
Refe
renc
ADB
by the govemment,
provided
connectedwiththe
and
of the statistics for the provision
most
they
to
oftbese
seⅣices.
Water
Practices
Supply,Asian
Adhyaksa,
I.H.
for
P7VmOting
Development
(2004),
on
of Infrastructure
ht申://www. kkpp
i.go. id/papbookNater%20
(2002),Local
ofFlfteen
Beattie,
are
which
relatedwith
English
of
Pollitt, M.G,
Pnlon'ties,
JR,
Asian
M,
and
local govemment.
S.V.,
Brillantes
policy
Incentives,
A.B.,
and
Resource
Memon,
S. 皮 Wood
and
Center
MA,lmura,
N.G
UK
Committee
on
Policy
for
Compwative
Analysis
as
(2001).jur QualityManagement:
exemplified
Enw'7Vnment,
Elgar
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the
experience
Initiatives
Publishing,
on
in
of
Infrastruch"es:
London
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in Asia,
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66
by
35.・ 1 4791 1 490
(2002), Private
f♭rDecentralization,
H.
Provisionsin
Bangkok
Perfonnance, Edward
Cuachon,
Supply
PacljicIA
the
and
field, N. K.
inthe
Tsuji,M.
and
in Water
S eminar. pdf
Papers,
Atmosphen'c
InPasmLCture:
hdonesia
in Asia
practice
in
Manila
Development,
UN-ESCAP
Investment
RegulatoryAspects,
Govemment
C. I., Longhurst, J. W.
evolution
Chang,
Countn'es,
Sector
Participation
legaland
the Acceleration
Aliani, A.H.
Pn'vate
Bank,
Sector
Private
hdonesia:AnOverview
The
reliability
es
(2000),Best
Berg,
effective
includethe
should
supply
households
get reliableand
healthtargets,
environmental
achievethe
allthe
can
of weatherthey
'adequate'provision
recommendthat
services
whichincludes
of water
Experience
of Public-Private
Partnerships
for Urban
Zntemational
Review
Clay,
W.,
Asia,
EBRD
INDES
Recons廿uction
ESCAP
Ghai,
Vivian,
and
J.E., Mitlin,
J.
Urban
Mansuri,
World
Mclntosh,
AC,
Development
T.
M.A.
for
Bank
Pacljic,
the
and
United
Cities:
McGrawIHill,
Bank
V
New
Uniguez,
Bank,
Reference
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Research
CE
Peoplek
York
QualiO/, World
Problems
in
an
Bank
Teclmical
Paper
No.
D.C.
Human
a
Development
ofLite和tuTleノわm
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York
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Planning
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prb. org)Washington,
(http://www.
Characteristics,
67
Health
Benefits,
Population
Giants,
D. C.
and
Willingness
to
for Rural
Pay
Water
Supply
Developmentぷおdies,
Memon,
M.A.
2nd Thematic
4thNovember
2002,
Successfu1
htemational
Memon,
Waste
Narayan,
D.
Rural
Water
Paper
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for
a
X.
for Kitakyushu
T.lmura,
,
27-28
i,
Supply
and
for
its applications
and
Supply
Wastewater
and
CleanEnvironment,
a
of lTndusり′ and
World
Toward
for
Clean
a
Communio),
Environment,
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Reform
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and
Management
from
the
in ThailandI
Bangkok
Sector
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Tokyo
People
k
Development
Japanese
and
Local
Governments,
Decentralization
Decen廿alization
Sub-National
Development
68
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Sustainable
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Washington,
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2913 0 April 2004,
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in Solid
Environmentally
the
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Waste
Shirakwa,
Contribution
Conference on
On
Actions,
inAsian
Projects,
1 The
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Greater
Water
Initiative for
hitiative
Issues
H., and
Management
Supply
ConfeylenCe
Song,
Water
Coexistence
(hpan):
Emerging
(1995), me
Development
Sidik, M.
Urban
ParticipationinSolid
Developmen
No.
Urban
of PPP
of Kitakyushu
Developing
and
Kleiss,
Zntemational
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M・A・,
for
p/kitakyusbu/
o工j
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Saito,
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Public-Pn'vaぉParhlerShlilS for
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Sheng,
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Sounebook
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Institutional
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World
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World
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Washington
World
Bank
Urbanisation
Waste:
Solid
PT10SPeaS,
Waste
DESA,
Management
New
York
in Asia,
The
DC
(2000),Cities
in Transition,
The
World
69
Bank,
Washington,
D.C.
World
Bank,
Annemn
A. Solid Waste
CounhyvlCioT:China/
hbcao
Management
・Sincc1992,twoprivatecompaniesarehandlingcollection&disposal
・companhiadeSistemasdeResiduos,Limitada(CSR)calriesoutcollection,cleaning
TaTgd..Toimprove
andmaintenanceofpublicgarbagccontainers(3SOstaq,with25refusecompacted
co)lectionanddisposalof
collectiontruck,4highpressurewaterjetvehicles,6sweepingvehicles)
waste
・Anothercompanymanagesincinerationof36tons/perhour,283,800tons/peryearand
Re/omzsI
generated12MWofpowerforitsownconsumption.Refusecollectionaround
D8Centralizationofloca1
mid-nighttoavoidtraqlCjams
govemmentdepartments
・Theprivatesector'smotivationforprofithasledtotheefricientconductofactivitiesto
Privatesector
consistentlyimprovcretumsandinccntivetodeveloplnnOVativemethdstoenhance
paーticipationinpublic
services,moreinvestmentinthequalityofassetstoreducelongtermM&Ocosts
Services
・Theincinerationisthcmajormethdtodisposethewasteandgenerateselectricity
Cou〝柵Malaysia/
・AIamFloraSdnBhd,aprivatecompany,lSreSPOnSibleforthemanagementofsolid
KulaLumpur
Ta甘d..Toimprove
collectionanddisposalof
waste
ReformsI
Decentralizationofloca1
govemmentdepartments
Privatesector
participationinpublic
Services
wastccoveringatotalareaof72263km.2Thisextensivecoverageenablesthe
companytoundertakemoreeBTICientandeffectivemanagement(economiesofscale)
・Thecompanytrainsthepreviousandnewssmal1conbactorsandprovidesthemwith
m∝王ernteclmologytoenablethemtocarryouttheirworkprofessional1y
・Withbetterschedu1ing,andhumanresourcesandequipmentcollection廿ipsand
collectionratehavesignificantlyimproved
・Theus∈rchargestobeco11ectedfromusersandthebasisonwhich也efeesaretotx
collectedarenotyetsettleddown.Thisissuehaspoliticalandsocialimplications
・Thetumaroundtimeforeachgarbagetruckisseverelyhamperedbytheworsenlng
廿afficconditionsinthecity.Thepossiblemeasurescollectiontimesatnightorvery
earlyinthemomlng,andthenumberandlocationoftransferstations
C:outzhy/CioI
Bangladesh/Dhaka
TaTgd.'Toimprove
prlmaryOrdoor-to-door
・hKalabagan,adenselypopulatedandtypicalofmanyinnercityareas,residents
remainedhostagetotherefusethattheythemselvesproducedregulaTly
・h1987,acommunitygrouppurchasedtworickshawsandmodifiedthemintowaste
collectionvanstostartdoor-to-doorcollectionofdomesticwaste
collection
・TomeettherunnlngCOStSandbitofaprofit,theychargesnominalfeefromcachhouse
Reforms..
・Thesuccessoftheoperationledtotheformationofanotherfourcorrmunitybased
Community-based
organization(CBO)fTorwastecollection;however,theseinitiativesfailedtobring
orga血zationstoproVide
overallsuccessofsolidwastemanagcment,astheseactiviticswerenotintegrated
serviccsfTorpr皿ary
withinthcoverallSWMsystemofthelocalgovemment叩C)
collectionofwaste
・underapilotactivityofKitakyushulnitiative,DCChasestablishedamobiletransfer
70
1
station to coordinate
Couf[Lql/Cio1.・ Camtx}dia
/ Phnom
・
Penh
Target:
To
0011ection
improve也e
・
system
Private
provide
&anchi
to
companies
services
se
based
and
on
ofPlmom
Penh岬P)
Management
(押WM),
was
the existing
landfill site
The
company
private
was
The
households
other
tariffs
arangements
・
The
are
・
Cm
intention
A
new
●
This
Me血on
et al.
to
is very
communalwaste
client
able to paythe
lowamong
low
current
cancel
lS
implemented
tothe
serves
current
was
to
is due
EdC
that don't
by
since
2004,
waste
collection
and
economic
levels offee
its bill
has
no
lcga)
rightand
for SWM
pay
services
fees
negotiating
with
its best to provide
even
adequate
must
t光made
only
(2004)
71
responsible
by the public
sector
serve
processes,
levels
service
serviceswithinthe
not
be solved
pricing
in low
to
for CmRI
and
rate, because
CNTRI
area
collection
reasons
influencethe
doing
can
to low
or
monitor
sector
as
third of the munlCIPal
in bidding
position
that
two
not involved
weak
private
is the low
system
noincentives
PPWM
CmRI
including
basis
only around
provides
by
by
class
Cambodge申dC)
successful,
for costumers
citizens
highincome
middle-and
de
The
waste.
fees,thewillingness
)evel of free collection
proven
electricity supply
high
re)atively
the urban
app)icable
unfair by many
aB
urban
ofPPWM
for household
seen
the
and
the involvement
fixed fees, is
from
collectfees
of CINTm
partieswidlOut
on
has not been
unsatisfyingsituation
Because
The
not
oRen
onindividual
criticism
problems
Sotwce:
service
strategy
which
・
are
is血e
is based
to
ontheright
be covered丘omthefees
must
which
So far,this measurement
no
of operating
CanadianCINTEC
Ofthe
collecting
services to the electricity bill ofElectriciti
cuJTCntly
・
MPP
two
tries to overcomethe
The
is based
betweenthese
poor
for waste
households
・
for Cm
businesses.
small
negotiated
for SMW
・
and
the urban
to pay
・
of income
tariffstructure,
・While
mem一光r
franchise-contractin2002for
costs of street clean1ng
current
Waste
is still in charge
SWM,
a
Penh
ofPlmom
Of streets
source
only
fTor overall
(Camtx)dia) Ltd,,
57 year
a
activities of CBO
collection
throughitsdepartment
responsible
CNTTu
glVen
and cleanIng
・
door_to-door
Municipality
Group,
R4oTmS.・
these
with
)imitations
for
of Cm
income
areas,
these
areas
it suFers
a
・CINTRI
very
is
of cost re甲Very
structuraland
institutional
B. Water
and
Wastewater
CounLTy/Cio1:Philippines
/Manila
Ta曙d:Toimprove
Coverageofwatersupply
&sanitationamdto
reducethelosses
Re/orw:
●Theformulaforbidswasresultedintheextracostsdueto50%devaluation.Hence,
re-basing(resetratelevelseveryfiveyears)isagoodwaytorenegotiatetariff
・hterconnectionagrecmentwasnotresolvedandissubjectedtoarbitration
・Appropriatebiddingcriteriamayh=basedonhighestfecforeachconcessionwitha
predeteTminedtariffstructure
・BulkwaterrightsandtradingwerenotpresentinM:WSS;hence,itseemscorrectto
proceedthanwaittilltheresolutionoflong-termcomplexissues
TheBOTLaw(1993),
・Regulatorybodymustbeinplace.EFICiencyofMWSSandJVswascommendable
whichenablesPSPin
・High1evelofadviceandgoodpublicrelationsareessentialtobringgoodJVs
publicworksactivitics
●LowtariffsdonothelplnCOnSerVationtargets;hencctaxincentivesshouldnotbe
TheWatcrCrisesAct
廿adedfTorlowertariqs
(1995),1egislationfbr
privatization(MWSS
-LWUA)
NationalEconomicBoard
Authority,Board
Resolution4(1995)on
PSPandpricing
CounLTrV℃妙:China/
Macao
naTget..Toimprove
・TadffRemainedsameformanyyearsanddidnotrefkctthecostofwa.tersupply,thenit
increasedfTromP1.8toP2.3(1983)也entoP2.5(1985)percubicmeter
・Thereshouldbeasuccessfulcombinationofcompetentandqualifiedconcessionaire,
coverageofwatersupply
capital,1ocalknowledge,appropriatetechnologyandeXpertise,andtheregulatory
andsanitationandto
frameworkincludingregulationsonthetariff
reduccwaterpollution
RejTomwI
Theprivatesector
・Theflexibilityintheconcessioncontractiscritical,assomepredictions,fTorexample
demandofwaterandforeignexchangeriskmaybedifriculttobemade
・Acost-basedformulamaynottakeintoaccountthepotentialforcostsavlngSdueto
participationfTor
economiesofscale.Moreover,auniformtariffforallmaynotbeviableorefficient
watersupplyand
optionforresourcelocation
wastewaterservices
●Theprofitsreducedfrom21%tol4%(1986-96)duetoinefficienciesinoperatingco告ts
CounLTy/CiolIMalaysia/
・Reliablebulkwatersupplyisessentialtosupportpopulationandeconomicgrowth
JoborBahn1
・BOT瓜OTisabetterapproach,ifpublicfundsarenotavailable
TaTgd:Toimprovethe
・Bulkwatersupplyconb.actsareeasytonegotiatedincomparisonwithretai1water
availabilityofbulkwater
・ThereshouldbeadirectlinkbetweenthetariffsfTorbulkwatersupply(tobepaidtothe
forwatersupplyservices
concessionairebyJWC)andtheretailwatersupply(beingpaidbythecitizensto
72
RejTot7W.・
JWC),
Decentra)ization
to
govemment
Private
water
local
of
in
bulk
services
Ta甘d・'To
improvethe
pnvatization
Appropnate
'
aぬnk
etc・)・Select
village
d eve
or苫anizations
the
frees
utilities
of
the
supply
a鮎r
lopment
to
collect
run
and
their
ownership
completed
and/or
and
sanitation
utihties
Sotqce:
Govemment:
teams,
supply
Me血on,
Imura
and/or
and
start collection
providein-kind
treahent
during
Provide
assistance
(2001)
73
health&
organizations.
wastewater
The
conbTaCtOr
the testingperiod
in major
and
keep
maintenance
conserve
scarce
resources
Attend
offees.
health
&
of m㊤etings.
(labor,materials,
contributions
ownthe
scheme
the fTecs regularly・
help of the
hygiene
with
to
selectthe
works,
Carry
has to provide
for 3 months・
close liaisonwiththem
the
site for
the community・
that contractor
and
project
Oversee
education.
projectteam
of the scheme
a
the
demo¢raticand
on
records
p)antincoordination
througha
the
processwiththe
trainlngand
to the communities
of schemes
(2004), and Me血on
essential
to
consumers
testing of the scheme,
by collecting
maintenance
women
trainlng tO ale OPeratOrS
transfer
organizations
completionand
of the scheme
construction
maintenance・
Change,
provide
activities ofcommunity&
water
After
and
women
Facilitate commumityparticipation
whoalso
outthe
water
the operators・
carry out operation
forthe
for
leakages
well to optimize
accountand
of charge
incendves
provide
by reducing
hygienic practices. Maintain
adapt
of land &ee
directly
can
management
basis. Open
ReJToTmSI
as
demand
the utility
prob)emfor
retailer provideincentives
representative
and
solvency
of unaccounted-for-water
community&
Procurement
management,
care
and
services
To establish
sanitati on
and
retail
Communibf:
hygiene education
ownership
of
tariffs from
rural waLter SuPPlyand
Community
subsidies
Private sector canhandle
'
Paki stan
increasing
avoid
concessionaire to take
engage
sector
Counh71/Cio1=
。
The
to
Finally
for routine
C. Urban
Air
Quality
Cou〝LvvICioT: Thailand
/
Management
・
Target.・ Phasing
out
gasoline, reduce
the sulfur content
zero,
to
land-use,
Zoningand
plarnlng:
monitonng
htroduction
of regulations:
・
hstitutional
arrangements:
'
FX)lluting vehicles,
and
mass廿ansit
for
especially
transit system
mass
・
Decent,rali2:ation
local
authorities
.
community
in stitutional
vehicles
C皿廿ol
(National
Department
AuthorityOJOCal Goverrment)
incentives
stations and
proper
participation: Public
political
Pollution
of
for cleaner
use
and
will and
bannng
andforthe
air quality monitoring
monitoring
like
and
s,
gulation
,
for
the regulations
of
role
Metropolitan
Economic
for fuel and
standards
teclmologleSandfuels,
and
of
vehicles:
the polluters
Technology
proper
ReJToTmS:
Clear
Financial mechanisms:
penaltyon
・
Appropriate
Bangkok
Govemment)and
of air
on
appropriate
・
near
quality, regulations
re
urban
(sub-way, sky trains, and bus lanes)
Bangkok
leaded
proper
(UAQM)
die
awareness
promotethe
important
were
gaSOlinewith1ead
or
congestionfees,
repalr garages
to
campaigns
maintenance
implementation
proper
of
transit system
of mass
public
vehicle
proper
implement
to
bannlng
contenちor
the critical decisions
cars,
Old
imposlng
or
public廿ansport
promoting
stre ngthening
CounLTV/Gig): Japan
Kitakyu
/
Theair-pollution
u
sh
Ta曙et.・ To reduce
rx)llution levels and
bring back
blue
not kecptheir
the
to
startedthe
sky
Environmental
Ordinance
Municipalities
the capability
adm
・
Hencc,the
(Kitakyushu)
Merging
・1963
toincrease
・
of local
・
・
Control
・200 0
Environmental
Me血on
Environmentalmonitonng
Issuance
・1970
pollution
on
sh
u
・
The
realized
●
Local
govemment's
・
A触r
1 996,也e
+
In year
2000
a
good
support
fuus
ISO14001
is
that if
regulations・
the voluntary
and
gave
city
the pollution・
Kitakyushu
transferred
fee according
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keep
companies
They
that if the
realized
stringent
agreed
could
po11ution・
indus廿ies
more
women
started
smogaleJt
damage
The
of decentralization,
also started the process
to dealwith
powers
The
bring
may
indus廿iesinitially
and
prefectures
more
l00al govemments
loose the elections・
thentheymight
serious・
to continuous
1960sI
and
to amount
of pollutant
discharged
introduced
Law
Kitakyu
1956
The
pollution・
very
getting
cleandue
the elections, thenthey
The
govemments
of5
Environmental
1 967
SoⅦrce:
againthe
lo¢algovernments
agreemcnts・
inistration
Pollution
campaign
were
houses
and
clothes
the communistswin
RejToTW:
・1955
washed
hit due to theindustrialpollutionin1950s
healthproblems
rehtcd
is not taken
action
the worst
Citywas
・Kitakyushu
on
was
image
by responding
fTor Small
Agenda21for
established
(2002)
74
and
Medium
achieving
to public
opln10n
Scale
Industries
sustainable
(SME)
development
was
Appendix
2都市ごみ焼却施設建設の環境影響評価における住民の情報ニーズ
に関する研究…ソウル市を事例として
文
多美・白川博章・田畑智博・井村秀文
はじめに
生活のゆたかさの拡大とともに都市ごみの発生量が増加するのは世界的な傾向であるが,
韓国もその例外ではない。韓国は衛生埋立がごみ処理の主流であるが,近年は,将来の埋
立地の許容容量の不足や循環型社会構築に対する気運の高まりなどから,ソウル市などに
おいて,焼却処理に対する議論が高まっている。
しかし,焼却処理施設は典型的な迷惑施設であり,日本では,建設に対して多くの住民
の反対運動が起きている。韓国においても,その事情は日本と共通している。反対運動の
原因としては,地域の環境悪化に対する住民の不安に加え,
MMBY問題に見られる,施
設建設に対する受益者と被害者との帝離がある。すなわち,廃棄物は建設予定地区の外か
らも広域的に搬入されるにもかかわらず,施設建設にともなう環境問題は建設予定地周辺
に集中して発生するo
これが問題の解決を一層複雑かつ困美削こしているo
したがって,施
設の建設には,施設自体の環境保全対策だけでなく,受益者と被害者との公平性を含めた
建設計画の合理性について,住民の納得が得られるかどうかが鍵となる。
一般的に,環境に重大な影響を及ぼす事業を決定する際に,環境影響を調査・予測・評
価し,適切な情報公開と住民参加を確保する仕組みとして,環境影響評価(EIA)があるo
ま
た,意思決定のより早い段階でより広範かつ総合的な環境配慮を行うことを目指すものと
して,政策,計画,プログラムを対象とした戦略的環境影響評価(SEA)がある。
スメント研究会,
2000;
Vincentet.
al.,
2006)
(環境アセ
a
EIAによって住民の理解と合意形成が円滑に進むかどうかについては,韓国においても
多くの議論がある。住民の理解が得られない原因として,金(2000),造ら(2001)は,評価項
目の選定過程が不透明であることを指摘し,評価項目の選定段階から住民を交えた議論が
必要だと主張している。こうしたEIAの限界については国際的にも多くの議論がある。原
料(2002), Fiscber(2003),
Gustavo
et. al.
(2006)は,そもそも個別の事業計画が具体化し
た段階で事業者が住民に意見を求めても,住民の意見が反映できる範囲は限定的にならざ
るをえず,事業の基本計画の段階から住民を交えて解決策を議論することが重要であると
指摘している。さらに,
Haras血血a(1995), Wright(1993)は,単に制度の有無が問題でなく,
住民と政府とのコミュニケーション不足と,それによって生まれた住民の政凧こ対する不
信感も,迷惑施設反対の一因であると指摘している。
このように,
EIAを実施しても建設反対が起きる原因としては,住民が知りたい情報と
開示された情報の間に帝離があること,住民が計画の妥当性に疑問を抱いていることなど
が指摘されているo
しかし,こうした議論は外面的な観察に基づくものが多く,また,個
別案件によって本質的な事情が異なることを考慮する必要がある。そこで本研究では,焼
却施設建設に対して住民の反対が起きているソウル特別市(以下,ソウル市)を対象として,
EIAにおける住民意見を調査し,住民が求める情報内容を検討したoまた,
75
EIA実施後に,
焼却施設が建設された場合とそうでない場合とで,住民意見にどのような違いがあるかを
検討した。
表1
区分
焼却施設建設に関する住民対策と地域の特徴
地域の特徴
住民対策の内容
建設計画地の地理的特徴
施設建設をめぐる住民と行政の動き
。ソウル市で最初の焼却処理場
木洞
●1980年代に開発された住宅地
●焼却処理の広域化計画に対する強い住民の
反対
●住民がNGOの籍成し,それが中心となり.
行政との対話や木洞焼却施設見学などを
①自区内処理原則を
建設
②焼却処理能力の縮
され
●行政の住民に対する合意形成努力の不足で不
信感を高める
●焼却処理の広域化計画に対する強い住民の
反対
③最新の公害防止装
置の設置
④福利厚生施設の建
設
-園
麻浦
道峰
建設
つた
事例
●ー995年以降開発された住宅地
小
た
事例
され
なか
実施
約束
産原
江東
●位置選定問題の円滑
な
。ソウル市郊外
。嫌悪施設密集(下水処理場,地域暖房公社.
など)
。住民がNGOを結成し,行政との対話を推
進
。焼却処理の広域化計画に対する襲い住民の
反対
。ソウル市の埋立跡地に隣接.
●環境データの信頼性をめぐつて紛糾
●2004年(ワ-ルドカップ)から大挽操な住宅団地
が形成
。焼却施設建設後.行政の判断で他区の廃棄
物を搬入開始
。国立公園に隣接
●NGOの強い反対
●浄水場に隣接
。NGOの出身者が市.区議会などに進出し,
建設を白紙化
。ソウル市外の住民の強い反対
解決
松坂
。区長選で.建設に反対し.近隣の-園焼却
填での処理を選挙公約に掲げた候補が当
。ソウル市と他地域との境界
遺したことで.計画の白紙化
1.ソウル市の焼却施設建設事業とEIA
1.
1
ソウル市の焼却施設の建設
ソウル市最初の焼却施設は,
1986
年建設の木洞(モクドン)焼却場であ
る(図1)。その後,
1990年代に入り,
ソウル市は,各区1)に焼却場を設置す
る計画を打ち出し,
1991年に,木洞
焼却場の増設事業とともに市内11ケ
所の焼却施設の建設計画に着手した
(朴ら, 2003)。その内,
処理施設建設については,
施されたo
しかし,
7ケ所の焼却
EIAが実
2005年までに建
設された施設は,木洞,産原(ノウオ
1 987年J:(暮J&)
20q2年J(
1 996年JE(他)
図1
ソウル市における焼却施設の位置(計画のみも
含む)
76
ン), -園(イルワオン),麻浦(マポ)の4ケ所のみであり,道峰(ドボン),江東(ガンドン),
松坂(ソンパ)の3ケ所では住民の反対で建設されなかった。
各施設周辺の地域の特徴と焼却施設建設に関する住民対策の内容を表1に示す。建設が
実施された4つの事例でも,建設計画の発表当時は住民の強い反対意見が出された。しか
し,
では,
NGOが結成され,それが行政との合意形成に貢献したo例えば,産原焼却施設の場合
NGOが主体となり,先行して建設された木洞焼却施設の住民見学会を行い,焼却施
設に対する理解を深めることに努めたo
こうした住民と行政の話し合いの結果,ソウル市
は自区内処理の原則を守ることと,焼却処理能力の能力は縮小することなどを条件に焼却
施設を建設することになった。ただし,焼却施設建設に関する情報公開と住民参加は必ず
しも十分ではなかったため,施設建設に合意した後も住民は政府に対して強い不信感が残
2000)。しかし,ソウル市は建設時に自区内処理原則を約束したのにも
った(催, 2002;李,
関わらず, 2001年に焼却処理の広域化計画を打ち出したDそのため,木洞,産原,一園の
各焼却施設では強い近隣住民の反対にあい,広域化計画は頓挫した。しかし,
2005年に建
設された麻浦焼却施設では,行政の判断で他地域からのごみの搬入が実施され,市民の行
政に対する不信感は一層高まった。
他方,建設されなかった道峰,江東の各焼却施設では,施設建設予定地が国立公園や浄
水場に隣接していたため,施設建設にともなう環境悪化が強く懸念された。また,松坂焼
却施設の場合は,ソウル市と市外との境界付近に建設が予定されていたため,ソウル市以
外の住民からも強い反対意見が出された。
こうした住民の強い反対は,建設された4事例のケースとは異なり,住民と行政との話
し合いにより解決することなく,逆に両者の対立は深まり,政治問題に発展した。江東焼
却施設建設計画の場合には,
NGO出身者が市・区議会などに当選を果たし,建設計画を白
紙化させたo松坂焼却施設のケースでは,行政と住民は施設建設に対する補償問題も話し
合ったが,区長選で建設反対を公約に掲げた立侯禰者が当選し,建設計画は白紙撤回され
た(李, 2000)0
ただし,松坂焼却施設のケースにおいては,ソウル市のごみ処理広域化計画も影響して
いる。すなわち,この当選者は,単に焼却施設の建設に反対するだけでなく,近隣の-園
焼却施設での処理を選挙公約に掲げていたo
これにより,住民は広域化計画により白地域
の廃棄物を他地域で処理するという選択肢も得たため,焼却施設建設問題に関する議論を
さらに複雑なものとした。
1.
焼却施設建設の手続きとEIA
2
ソウル市における焼却処理施設建設事業推進に関する手続きは,焼却建設計画の関連法
令2)より, ①政策の策定, ②基本計画の策定,
境影響評価,
⑤周辺影響地域の決定,
このうち,住民参加が実施されるのは,
響評価, ⑤周辺影響地域の決定,
③立地選定, ④施設設置計画とそれに伴う環
⑥工事開始,
⑦施設の利用の7段階に分類できる。
③立地選定,
④建設設置計画とそれに伴う環境影
⑦施設の利用の4つの段階である。
韓国でEIAに関する法律が施行されたのは1977年である。また,廃棄物関連事業に対
するEIAが義務化されたのは1991年であり,説明会・公聴会の開催など,住民参加に関
する制度も導入されたoなお,焼却施設の建設の場合は,焼却能力100t/日以上の施設建設
77
に対してEIAの実施が法律で定められた。また,ソウル市では,
2001年にEIAに関する
条例を制定したが,国レベルの実施基準に上乗せして焼却能力50〟日以上の施設建設もEIA
の対象としている。ソウル市の場合でも,意見書の提出,説明会・公聴会の開催などを通
じて住民参加が行われている。
さらに焼却施設建設について,
定,住民補償の問題に関して,
EIAだけでは住民との円滑な合意形成が取れない立地選
1995年に制定された「廃棄物処理施設の設置促進及び周辺
地域支援等に関する法(廃棄物促進法)」に基づき,住民の意見を聞く機会が設けられている。
他方,韓国では,
SEAに関する取組みも始まっており,国家レベルでは1999年に計画策定
段階から環境-の影響を考慮する「環境影響評価制度」が制定された。また,同じ年に,ソウ
ル市でも環境保全の見地から開発計画の持続可能性を評価する「持続可能性評価制度」が定め
られたo ただし,これらの制度には,住民参加の手続きは明記されていないo
2.研究の方法
2.
1
分析方法の概要
本研究では,まず,ソウル市の焼却施設建設に関するEIAにおいて,住民から出された意
見を,事業の段階別,環境要因別に分類し,焼却施設建設における住民の情報ニーズを調査
したo次に,住民が反対するのは施設建設の必要性に疑問を抱いているのではないかと考え
たo これを検証するため,全7施設の事例を,焼却施設が建設された4施設(グループA)と
住民の反対で建設されなかった3施設(グループB)に分けて,それぞれの住民意見を事業段階
別に集計し,両者の分布の違いを,分散分析を用いて検討した。
住民意見は,各焼却施設建設計画でEIAが実施された際に出された意見をまとめた資料
(ソウル特別市, 1992(a);1992(b);1994;1996;1998(a);1998(b);2001(a);2001(b))を用いたo次
節に,意見の分類方法を記す。
2.
2
意見の分類方法
住民から出された意見を,計画から施設利用に至る一連の手続きの,どの段階に対する
意見かを分類した。焼却処理施設建設事業推進に関する手続きは,前述した7段階とし,
段階別の意見を集計した。
次に,段階別の住民意見をさらに,環境要因別に分類した。環境要因は,環境アセスメ
ント喜作成ガイドライン(環境部,
2003)における環境要因の規定を参考にして,表2に示す
計18項目としたo
3.研究の調査結果及び分析
3.
1
表2に,
意見の概要
EIAで住民から出された意見を,焼却処理施設建設事業推進に関する手続きの
段階別,環境要因別に分類した結果を示すoまた,図2に事業段階別・環境項目別に意見
を集計した結果を示す。
全7施設の焼却施設建設計画におけるEIAで,住民から寄せられた意件は,延べ8,019
件(意見提出参加者:
1,400人)であった。そのうち,グループAで出された意見は1,418件
78
(17.7%)であり,グループBで出された意見は6,601件(82.3%)であった。
表2
焼却処理施設建設事業推進に関する手続き別,環境宴因別の住民意見
手続きの段階
環境要因
政策の安定
基本計画の策定
立地選定
設置計画
周辺影響地域の
決定
施設の利用
エ事開始
評価書上での気
象関連データ
気象
の信頼性
自
然
環
境
エ事する際に、
環境影響性評価
盛土と切土との
地形.地葺
評価要求
自然環境保護-
動.植物
の対策が不十分
国立公園での建
設は反対
の要求
事業より自然環
境の影守が重要
水利.水門
焼却施設建設の
土地利用
妥当性に疑問
施設周辺の土地
利用計画の公開
要求
他施設の建設に
よる敷地内の影
曹分析
忌避施設の密接
による生活環境
への悪影響
立地選定の再検
討
ソウル市の大気
大気
質
大気貫関連制度や
基準値等の制定要
汚染物貫総量規
制の情報への信
求
頼性及び公開
要求
公
隻
請
守
境
害
・振
動
辛
廃棄物
壌昔.在勤の基準
設定要求
Ej
焼却灰の処理法案
の制定要求
公害発生原因の
共同調査要求
公害関連データ
の信頼性弱い
廃棄物の現状及び
焼却炉稼動及び
車両の振動
悪臭関連データ
の公開要求
汚染防止施設の
連投‡求
汚染物貫排出の連
成条例の制定要求
焼却灰の処理対
箕の要求
ごみ処理方法の信
頼性
焼却施設による
美観の損失
衛生
健康.衛生に関
・公衆保健
する保護対糞要
求
補償.生活権.
生活権の確保で
きる立地選定
人口
エネルギー供給
データの公開
【ヨ
済
環
境
要求
悪臭関連計画.
対箕の要求
・*&
■■ー
エ手に及ぼす雇
育.振動の対策
届書.長動駒連
計画の要求
王■
レジャー
社
処理施設の稼動
に関するデータ
の公開要求
汚染水の予防箕
悪臭
公害
全般
エ事の不億感
の公開要求
大気賞賛料の億
頼性問題
大気真の佐波隻
の公開要求
水責
土壌
届書
周辺影響地域の
範囲の設定可否
車両運搬ー交通
圭の増加による
影響
ソウル市の清掃
車両の現状公開
交通
エネルギー供給
の対策の要求
エ事する際の駐
手間題の対集要
交通事故と汚染
物の落下の危険
求
性
文化財
適法性-の疑問
その他*事
廃*物問題の専門
家の養成要求
廃棄物基本計画
の現状公開要求
焼却施設の亭主
は適切なのか
関連データの公
開要求
立地選定手続き
-の信頼性がな
アセスメント実
施での住民参加
焼却施設建設の
信頼性(処理親
い
模)
委員会の内容公
開要求
引接と周辺影曹
地域との区分
安全.億頼のあ
るエ事要求
連投技摘に対す
る政府の意見
I:公害全般は環境アセスメント暮作成ガイドライン(環境乱2003)では区分されていないが.住民意見により収集された公害全般に関する項目を対象と
した。
棉:その他は環境アセスメント書作成ガイドライン(環境乱2003)では区分されていないが.建設.住民参Z)P.電波.焼却施設の能力などに関する項目を
対象とした。
事*事:空欄の項目は.住民意見がなかった項目である。
79
信頼性の高い統
計データの作成
要求
図2
事業実施段階別具体的な住
住民の意見を事業推進の手続き別にみると,処理施設の施設設置計画に対する意見は4,814
件(全体の60.0%)であり,それ以外は,
3,205件(全体の40.0%)であった。施設設置計画以
外のうち,基本計画の策定と立地選定に関する意見は他の段階と比べて多く,それぞれ,全
体の10.7%(856件)と9.2%(737件)を占めたo
環境要因は同じであっても,手続きの段階によって住民意見の内容は異なる。例えば,
手続きの中で多くの意見が出されたのは土地利用であるが,同じ土地利用でも,設置計画
の段階では焼却施設での具体的な土地利用に関する質問が出されている。しかし,立地選
定の段階では立地の選定理由に対する疑問が述べられ,また,基本計画の策定の段階では
焼却処理方法以外の方法を検討すべき,などといった意見も出されている。
事業段階別で最も意見数が多い設置計画の段階について,その内訳を見てみると,大気
質に関する意見が最も多く1,382件(17.2%)で,次いで,土地利用962件(12%),交通627
件(7.8%)など,施設建設に対する安全性に対する意見が続いた。その他の段階については,
基本計画の策定の段階では,基本計画の根拠となる情報の公開や住民参加に対する意見が
最も多く 512件(6.4%)であった。立地選定の段階では,土地利用に対する意見が591件
(7.4%)で多く,他地域-立地変更の検討を要求する内容が主であった。
地域や住民-の補償に関わる段階である周辺影響地域の決定の段階では,補償,生活権
などの対策に関わる社会経済環境の人口に係る項目の意見が469件(5.8%)で一番多かったo
80
3.
2
焼却処理施設建設事業の成
00
^・享
否と住民の意見
80
60
1)焼却施設建設事例における段
40
階別住民意見の割合
グループAとグループBとの住民か
ら出された意見の分布を事例別に調査
100
し,図3に示す。
2グループとも,設
80
置計画に対する意見の割合が多く,両
60
グループ全体で平均60.8%であったo
40
また,グループBでは,設置計画以外
20
の6段階の意見のうち,基本計画と周
0
8(
[∃
辺影響地域の決定に関する段階での意
見の割合がそれぞれ12.7%,
7.3%を占
国
&
≠
捕
似
∼
要
七t
雪
&
他
出
グループBではグループ内の3事
分布には大きな違いがない。しかし,
グループAの分布をみると,グルー
匡
e
室
汁
H
旺
高:
e
出
⊆ヨ
二]
鍵
料
電
めていた。
例とも手続きの段階別の住民意見の
Al)
蛸
満
図3
事例別,手続きの段階別の住民意見の割合
表3
焼却施設建設の実施成否による要因別分析の結
果
プAの-園のケースは,住民意見の
段階
分布が一番大きい設置計画の段階で
F値
有意確率
政策の策定
0.179
0.690
い16.1%を占めたoまた,グループ全
立地選定
0.415
0.548
体の36.7%(521件)の意見の割合を示
設置計画
0.1ー3
0.75ー
:.:i;こ,,.:
・_.:†■:.
事案の建設
0.003
0.956
利用段階
0.446
0.534
は平均割合(44.4%)に半分も満たさな
す立地選定の段階では,グループ全体
の36.6%(521件)を占めていた.
**
:
5%の有意水準で統計的に有意であることを示す。
2)焼却施設の建設と住民意見との
関連性分析
次に,グループAとグループBで,事業実施の手続きの段階別に集計した意見の分布に
違いがあるかどうかを,一元配置分散分析で検証した。
分析の結果,基本計画段階と周辺影響地域の決定段階については,グループBの割合が
グループAの割合よりも50/.の有意水準で統計的に有意に大きいという結果を得た(表3)a
つまり,ごみ処理のあり方を決める基本計画の段階と,住民に対する補償問題と関連する
段階である周辺影響地域の決定の段階において住民の理解を得ることが,焼却施設建設の
成否と関連性があることであると示唆された。
4.考察
前章で得られた結果について,基本計画の段階と影響地域の決定の段階における住民の
理解と施設建設の成否と関連性がある理由としては,次が考えられる。まず,基本計画の
81
段階の違いについては,グループBの道峰,江東では,国立公園や浄水場といった,特に
ソウル市内でも環境保護が必要な地域に近接して焼却処理場の建設が予定されたことで,
グループAよりも廃棄物処理計画や焼却場の必要性に強い疑問が起きたのではないかと考
えられるo他方,松坂のケースでは,建設予定地がソウル市の境界に位置するため,ごみ
処理の恩恵を受けない市外の住民が,焼却処理にともなう環境汚染を懸念し,やはり廃棄
物処理計画の合理性に疑問を抱いたのではないかと考えられる。
また,影響地域決定の段階では,道峰や江東のケースは環境保護が必要な地域であり,松坂
のケースは施設建設の受益を受ける集団が著しく帝離することで,環境悪化をどのように補償
するかに関心が高まったのではないかと考えられるo
-園のケースはすでに忌避施設が集積していたため,焼却施設が建設されることに対し
て住民から多くの疑問が寄せられた.しかし,行政は自区内処理の原則を約束することで,
焼却場施設建設に関する住民の合意を得た。このことは,ごみ処理の広域化も建設の可否
に影響しているのではないかと考えられる。日本では,これに類似した経験が東京都で起
こっているoいわゆる,
1966年から1974年にかけて起こった「東京ごみ戦争」であるoこの
ケースでは,焼却施設建設に周辺住民が反対していた杉並区からのゴミの受入れを,ゴミの埋
立処理場を有する江東区が拒否し,杉並区からのゴミ収集車の進入を当該住民が実力行使によ
り阻止するなど,大きな社会問題となった。この結果,東京都では,自区内処理原則に基づく
処理が主に行われるようになった。
東京もソウルも首都で,且つ人口が1千万人を超えるメガシティであり,焼却施設建設に関
する住民の反対が起きた点は共通している。しかし,東京では各区処理の方向に進んだが,ソ
ウルでは,未だ焼却施設の建設はわずか4ケ所に留まっているo
この違いは,両都市における
焼却処理に関する歴史や認識の違いがあるのではないかと考えられるa
東京都は,ごみ処理量の約86%を焼却処理に依存している(東京都,
2004)o これは,元々区
内に埋立処分場が少なく,焼却処理の必要性に対する社会的な合意があったためである。他方,
ソウル市では,まだ埋立処理がゴミ処理事業の主流で,仁川空港の近辺の海を埋め立てて
建設した金浦地区の「首都圏埋立地」で埋立処理を行っている。この埋立処分場はまだ残余
年数が10年以上あり,当面は埋立処理が可能である。また,ソウル市では焼却処理が始ま
ってまだ20年も経っていないため,焼却施設に対する市民の信頼をまだ得ていない。そのた
め,焼却処理割合はごみ処理量のわずか6.4%である。今後,首都圏埋立地が受入容量の限界
を迎えるときに焼却施設建設に関する議論が再燃すると考えられるが,東京都における経
験は,ソウル市における合意形成の際に有用な示唆を与えると考えられるo
おわりに
本研究では,ソウル市の焼却施設建設計画を対象とし,施設建設に際して行われたEIAで,
住民から提出された意見をもとに,焼却施設建設計画におけるEIAに関する住民の情報ニー
ズを検討したoその結果,住民は基本計画の策定段階から,処理方法と被害の公平性などの
問題に対する情報を求めていることが分かったoまた,ソウル市と同じメガシティであり,
ごみ処理問題について同様の経験を持った東京都を例に取り,これらの共通点やごみ処理に
対する歴史や認識の違いを比較したo
82
今回は,ソウル市のごみ焼却施設建設計画のみを対象としたoそのため,本稿で取り上げ
た結論を一般化するには,ある程度の限界があるo
しかし,焼却施設の建設における住民意
見を調査し,住民の情報ニーズを定量的に把握したところに意味がある。本稿の研究事例を
他地域にも広げ,一般的な結論の導出を試みることが今後の課題であるo
補注
1)ソウル市の区は,自治の基礎単位であり,日本の東京都と同じく自治権がある。
(2005.8.4.更新)廃棄物処理施設促進及び周辺地域支援などに関する
2)法制処・法制処,
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東京都(2004)東京都環境白書2004.東京都環境局,東京,
84
,
155-170・
140pp.
to
opposition
,
new
253-259・
Appendix3中国におけるエ薬用水の価格弾力性の推計
金子慎治
白川博幸
1.はじめに
中国北部では、急速な
本研究の目的は、工業用水の価格弾力性を推計することであるo
都市化、工業化および農地の拡大にともない、水不足が深刻化しており、水供給システム
の見直しが必要になっている,特に水使用料の低さが問題とされており(Wang
and
Lall
2001年に発表された第10次5カ年計
1999,井村2002)、工業用水の使用料に関しては,
画でも水使用料の見直しの必要性が指摘されているo
工業用水使用料の引き上げにより、工業用水の需要量がどのように変化するかを明らか
WangandLal1
にするためには、工業用水の価格弾力性を推計する必要があるb
は中国における業種別の価格弾力性を推計した。本研究では、工業用水の価格弾力性を地
域別に推計し、地域間で工業用水の価格弾力性がどのように異なるのかを検討するo
2.中国における水資源とエ業用水利用の現
状
(1)水資渡の現状
中国の水資源不足は、北部で深刻である。
北部
図1に省別の年間降水量の比較を示すo
の年間降水量は,
600mm
■
を下回っており、
図1
北京市、天津市といった主要都市でも350mm
年間降水量(平年)の比較
(出所)中国水資源公報2000年より作成o
程度である.これは、日本の降水量
(1,718mm)の約20%にしか過ぎない。
図2に省別の1人当たり水資源量を示した。
中国全体の1人当たり水資源量は2,138皿3であ
るo
しかし、地域格差は大きく、特に北部が深
刻であるb最も少ない天津市は32.Om3であり、
次いで北京124.3m3、寧夏127.6m3
であるD他
地域の1人当たり水資源量と比較すると、世界
■
全体では7,044m3、工業化が進んでいる国と比
図2
較すると、アメリカ2,577m3,日本は3,393m3,
1人当たり水資源量の比較
(出所)中国水資源公報2000年より作成。
イギリス2,465皿3であり、中国北部の水資済が
少ないことが分かるD
85
(1999)
(2)工業用水利用の現状
5,498
2000年における中国の水使用量は
億m3であるDその内,農業用水は3,784億
Ⅲ3(68.8%)、工業用水は1,139億m3(20.7%)、
(10.5%)であるo
生i管用水は575億m3
囲 3
に工業用水の地域別使用量を示した。
iLi日琶
工業用水の使用量が多い地域は、比較的南部
に集まっているが、北部では河北省、遼寧省、
(フ
山東省などが比敏的工業用水の使用量が多い,
図
4
園3
に工業用水の地域別リサイクル率
工業用水使用量の比較(2001
午)
(2001年)を示した。降水量の少ない地域で
リサイクル率が高い傾向があることが分かるD
最もリサイクル率が高いのは、内蒙古自治区
の94.7%であるo最も低いのは酉蔵自治区の
o.2%であり、次いで広東省(30.8%)がそれ
に続く。主要な都市では、天津市(91.3%)、
北京市(89.2%)、上海市(50A%)である。
図5に各省における主要な都市の工業用水
の価格(2001年)を示した。最も高いのは、
吉林省の長春市であり、4,17元/トンであるo
続いて、天津市(3
図
元/トン),北京市(2.4
4
工業用水のリサイクル率の比重交
(2001年)
元/トン)である。天津、北京では工業用水
の価格が急上昇している.天津の1998年
における工業用水の価格は
0.25
元/トン
であり,北京は0.28元/トンなので、この
3年間で12倍と8.7倍それぞれ上昇した.
一方、工業用水の価格が低いのは、甘粛
省蘭州市と新蛮ウイグル自治区のウルムチ
であり、トン当たり0.6元である。
3.エ実用水の価格弾力性に関する先行研
究
表1に先行研究における工業用水の価格
弾力性の推計結果を示すo
図5
工業用水価格の比較(2001年)
(出
所)
中
国
扮
http://www・cpic・gov・cn/zonghe/
Renzetti(1988)
は、カナダにおける工業用水の価格弾力性について、コブ・ダグラス型費用関数を用いて
86
格
信
息
岡
検討した。その結果、工業用水の価格弾力性は、
(石油化学)、一0.54
・0.12
(軽工業)と推
計され、工業用水は価格に非弾力的であるとした。しかし、コブ・ダグラス型関数では、財
間の代替性を前提としていることに問題がある。
Grebenstein
Field(1979)、
Babin
al.(1982), Renzetti(1992)は財間の代替性を必
ずしも前提としないトランスログ型費用関数を用いて工業用水の価格弾力性を検討してい
and
et
る。その結果、やはり、工業用水の価格弾力性は最も弾力的である場合でも・0.8であり、
ほとんどが-0.5前後の値を示しているo
WangandLall
(1999)は、中国における工業用水の価格弾力性をトランスログ型生産
関数を用いて推計したo
分析には、
1993年に中国国家環境保護局(NEPA)が収集した
2000件の工場別データを用いた。その結果、中国における工業用水の価格弾力性は、工業
全体で、
8業種が
・1.03であるとした。また業種別に見ると、対象とした15業種のうち、
・1以下を示しているoこれは、これまで他の地域で行われた先行研究よりも高い値であるo
(1999)は中国において工業用水は価格に十分弾力的であり、工業用水の
WangandLall
使用料の値上げは水需要量の減少に役立っ可能性があると結論づけた。
Wang
表1
Lall
and
(1999)が用いたデータは1993年のものであるため、より最近のデー
先行研究における工業用水の価格弾力性推計結果
Grebenstej皿and
Field
Babinetal.
Renzetti
Renzetti
(1982)
(1988)
(1992)
(1979)
関数型
アメリカ
アメリカ
トランスログ
トランスログ
カナダ
カナダ
コブ.ダグラス
トランスログ
WangandⅠ一8皿
(1999)
中国
トランスログ
石炭採掘
-0.63
石油採頼
・0.99
窯業.土石
-0.38
食品.雑貨
o.14(1)
-0.39
・0.85
-0.33
-1.10
-0.59
-0.88
-o.54(3)
繊維
加工金属製晶
-0.41
紙.パルプ
-0.66
-0.51
電力
・0.57
石油
-0.48
-1.19
-o.12(4)
化学
-0.96
薬品
・1.10
建設
-0.98
製錬
・1.ll
工業機械
o.14(1)
・1.03
運輸機械
・0.25
電気機器
・1.16
o.54(1)
・1.14
皮製品
工業全体
-1.20
・0.33/-0.8
(注) (1)統計的に有意(10%水準)な値ではないo
-o.56也)
-o.38(6)
-1.03
(2)分析対象とした産業に限るo
(3)軽工業(繊維、ゴム・プラスチック、食品・雑貨)を示すo
87
(4)石油化学(化学および石油・石炭製造)
タを用いて、中国では先進国よりも工業用水の価格弾力性が高いかどうかを検証する必要
がある。
4.エ業用水の価格弾力性分析
(1)分析方法
本研究では、
WangandLall
(1999)を参考に、以下のトランスログ生産関数を用いて、
工業用水の価格弾力性を推計した。
(1)
hY-A・PlhK・P2hL・P,hW・P.hE・P5竿・p6苧・p,竿・ps竿・
I?,lmKhL+P"lmKlmW+PlllnKlnE+P12lmLlnW+j71,hLlmE+Pl.hWlmE
InYは工業生産高の対数、
ここで、
InKは資本の対数、
1nWは水消費量の対数、
1nEは
エネルギー消費量の対数をそれぞれ示すo水消費量が1%変化したとき工業生産高が何o/.変
化するのかを示した、生産の水消費弾力性(u)は以下の式で表すことができるo
(2)
J-諾妄-p3・P7lmW・PIOhK・P12hL・P14hE
このとき、
1単位の水が生み出す価値を示した、水の限界価値(p)は以下のとおりであ
る。
aY
P:面
alnY
Y
Y
(3)
瓦こ房×面=qW
工業用水の価格(P)は、工業用水利用の限界費用に等しいと仮定し、企業は利潤最大
化をしているとすると、水の限界価値と限界費用は一致する。したがって,工業用水の価
格弾力性(γ)は以下の式で表すことができる。
γ=
∂lnW
∂hW
∂lmp
∂lmp
(4)
J
q-J2-p,
分析には、公刊されている統計書で利用可能な1996年から2001年までの省別のデータ
を用いたo
なお、統計資料の制約により西蔵は分析から除外したo
工業生産高は工業総産
値をGDPデフレータで1995年価格にした。資本は純固定資産(固定資産浄値)は、工業
品価格指数で1995年価格にしたo
労働は第二次産業の就業者数を用いた。エネルギーは
88
石炭消費量(原料炭と燃料炭の合計)を用いた.工業用水については、
Renzetti
(1988)
を参考に、リサイクル水を含まない新規取水分(新鮮水)を用いた.
また、地域および年の影響を考慮できるよう、ダミー変数を加えたモデルも検討した。
具体的には、以下のとおりである。
地域ダミーを加えたモデル、
Model
Model
Mode12は
lはダミー変数を用いないモデル、
Model
3は年ダミーを加えたモデル、
4は地域ダミー
と年ダミーの両方を加えたモデル、Mode15は地域ダミーと1996年と1997年のダミーを
加えたモデルである。
(2)分析結果
表2にトランスログ生産関数の推計結果を示したo
なお(1)式におけるβ9からβ14につ
いて、その符号が正であれば対象とする財は補完関係にあることを、負であれば代替関係
にあることをそれぞれ示す。工業用水と資本との関係(β10)については、係数の符号は
負であり代替関係にあることを表しているoMode13からMode15では5%水準で統計的に
有意な値を示したo
労働と工業用水の関係(β12)も係数の値は負であり代替関係がある
ことを示している。エネルギーと工業用水の関係(β14)については、係数の値は正であ
り、補完関係があることをそれぞれ示した。すなわち、資本の増加と労働投入量の増加は、
工業用水の消費量を減少させ、エネルギー消費量の増加は工業用水の消費量を増大させる
ことを示している。
表3に各モデルによる工業用水の価格弾力性の推計結果を示した。どのModelにおいて
も、最も工業用水の価格弾力性が高いのは、内蒙古であり、
Mode13では、
・0.43、
Mode14
およびMode15では・0.28であった。逆に、価格弾力性が低い地域は、南部地域が多い。な
お、福建省、広東省、海南省、湖南省では一部のModelで価格弾力性の推計値が正の値を
示している。これは、価格弾力性の推計にはトランスログ生産関数の係数を用いているた
め、推計値は幅をもっており、この地域の価格弾力性は非常に低く、
めであると考えられるo
89
0に近い値であるた
表
2
-.f′.I,【.I
htercept
M∝lc11
7.54**
(2.34)
heap
_0.24
(-0.33)
hlatDr
2.85***
(3.00)
hwater
-1.91**
(-2.58)
hGO81
-0.04
仁0.05)
lnKhL
lnkhW
hKhC
lnWhC
hKK
2.31***
(2.63)
-2.34***
(-3.42)
1.17
(1.50)
-0.13
-0.01
仁1.41)
(〟.16)
0.03
(0.23)
ModeI3
5.2l+*
(2.15)
(2.12)
0.87
0.66
0.62
(1.40)
(1.柑)
(1.ll)
2.30*+*
(2.97)
-1.65**+
-1.64***
(-2.67)
(-3.05)
(-3.02)
-0.65
-0.02
(-0.97)
(-0.03)
0.00
0.33***
(3.01)
_0.23***
(-3.10)
●0.14
(-1.01)
-0.24***
(0.01)
0.30**+
0.30***
(3.07)
(3.08)
-0.l5+*
-0.l4**
(-2.25)
ト2.Ol)
-0.l5
(-1.22)
-0.20
-0.
I0
-0. 10
天津
_o.23
-0.24
-0.21
-0. 1 l
-0. 12
河北
-o.24
_0.26
-0.25
-0.15
-0.15
山西
_o.33
_0.29
-038
-0.29
-0.29
内蒙.%
-o.39
-0.33
-0.43
-0.28
-0.28
遼寧
.o.24
-0.28
-0.23
-0.15
-0.16
書林
.o.22
_0.20
-0.22
-0.13
-0.13
黒龍:江
-0.23
-0.23
-0.23
-0.14
・0.15
_0.25
-0.18
-0.11
-0.ll
_0.16
-0.10
-0.05
・0.05
0.04
0.03
-0.08
上海
_o.22
_o.
11
漸江
_o.o3
-0.09
-0.03
_o,16
-0.17
-0.1S
-0.08
0.O1
0.10
0. 10
-0.12
-0.03
-0.02
-0.19
-0.12
-0.12
-0.
(-3.31)
(-3.41)
安徽
-0.15
-0.19
-0.21
-0.21
福建
(-0.79)
(-0.75)
(-1.26)
(-I.60)
(-1.55)
_o.Ol
-0.05
江西
_o.10
_0.09
0.21**
0.06
0.01
0.14
(0.06)
(I.39)
(2.32)
(2.29)
0.30
0.ll
0.30
0.21
0.21
(0.53)
(I.64)
(1.27)
(1.29)
0.09
0.ll
0.00
0.13
0.14
(0.41)
(0.55)
(0.02)
(0.80)
(0.83)
0.30***
(2.9S)
0.04
-0.14
(0.27)
(-1.l1)
0.31**+
(3.50)
0.10
(0.97)
0.21*+
(2.57)
-0.07
(A.66)
-0.35***
0.15*
(I.87)
(7.44)
(-2.23)
0.28+**
dl997
(4.90)
dl999
d2000
0.34***
(1.75)
-0.01
(-0.40)
(-0.13)
0.06
0.95
0.96
0.97
243.80***
264.78書**
d1996,
0.29**+
0.06
(1.23)
0.97
0.97
356.48***
310.42
地域区分は
west,northは地域ダミーを示すo
平田(2000)を参考にした。
d1997,
d1998,
d2000は年ダミーを示す。上段は係数、下段
はt値を示す。
P斗1女普17<I丸スl>
★★☆は、 1%,
★★は5%、
_o.15
-0.17
-0.15
-0.07
・0.07
0.01
0.01
0.05
0.10
0.09
-0.1l
-0.03
-0.03
0.09
0.08
☆は10%でそ
JJ尤'晶「ト
90
_0.06
_0.08
-0.07
_o.10
_0.09
海南
_o.o4
0.03
-0.06
四川
_o.12
_0.16
-0.12
-0.04
・0.04
貴州
_o.24
_0.19
-0.28
-0.17
-0.17
雲南
_o.2l
-0.19
-0.23
-0.13
・0. 13
隣西
_o.18
_0.18
-0.19
-0.10
-0.10
甘粛
_o.22
_0.20
-0.23
-0.12
-0.12
青海
_o.16
_0.11
-0.16
-0.05
-0.05
寧夏
_o.37
_0.25
-0.42
-0.25
-0.24
新彊
_o.22
-0.19
-0.21
-0.12
-0.13
0.09*
_0.02
#####***
0.44***
(6.7l)
(1.05)
(1.ll)
湖北
(9.59)
(6.13)
0.06
d1998
-0.22
広西
(-2.48)
(S.51)
-0.23
-0.05
-0.15*+
0.49***
_o.21
広東
_0.34***
12
河南
(2.49)
(-6.ll)
-0.24
-0. 12
o.o1
-0.l7**
0.45***
_o.20
_o.o5
(-0.49)
(J5.27)
山東
湖南
0.20**
Mbde15
_0.22
(-2.90)
(0.52)
Mde14
Mde13
_o.21
-0.13
0.21**
-0.25***
Mode12
北京
江蘇
-0.12
(-1.01)
-0.25*+*
M∝Iell
(-2.13)
d1996
il
2.00***
(2.90)
工業用水の価格弾力性推計
(-2.53)
north
d1999,
I.96***
(2.$6)
-1.62*+*
-0.l9*++
(注)
5.05**
(I.99)
(-2.86)
F
Model5
5.0S++
3
-0.20**
west
AdjR-Sq
M∝le14
-0.26**
(3.00)
hCC
_0.81
(-I.l8)
0.13
0.32***
hWW
(3.l1)
(1.07)
(1.35)
hLL
9.24**+
0.19
-0.07
hLhC
Mode12
(l.41)
(-0.42)
hLhW
表
トランスログ生産関数の推
5.結論
WangandLall(1999)は、中国における工業用水の価格弾力性を・1.03としたoしかし、
この値は、他の先行研究と比較するとかなり弾力性が高い値である。本研究の結果、中国
における工業用水の価格弾力性は、最も高い地域でも-0.43
に非弾力的であることが分かったo
にとどまり、工業用水は価格
WangandLall
これは,
(1999)を除く、これまでの
先行研究の結果に近い値である。
今後は、モデルをさらに精練化し、現在の工業用水の価格が限界価格からどの程度帝離
しているのかを検討し、どの程度工業用水の上昇が可能なのか、また、工業用水使用料の
引き上げにより、どの程度工業用水の需要を削減できるかについて、検討を進めていきた
い。
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Industries:
Washington,
environmental
91
A
Marglnal
ProductivityAssessment,
World
D・C‥
pr10rities
for
a
new
millennium,
Washington,
D・C・
92
Appedix4中国における環境効率改善の計測と評価:エ業用水の事例
藤井秀道・金子慎治・馬奈木俊介
1.はじめに
近年、中国経済は急速な成長を続けている。最近10年間の年平均GDP成長率は
8.5%であり、非常に高い水準である。この成長とともに中国の環境問題も年々深刻
化しており、中国政府は環境対策に早急な対応を迫られている状態が続いている。特
に水質汚染は水資源が乏しい中国において深刻な問題となっており、
2001年に発表
された中国第十次五カ年計画でも「水利施設の整備を強化し、水資源不足と水質汚染
問題の解決をより重要な位置に置く」とされている。
2002年の水使用量は5,497億m3である。その内、農業用水は3,736億m3
(68.0%)、工業用水は1,142億m3
(20.8%)、生活用水は619億m3
(ll.3%)である
1)。最近の変化を1997年からの6年間でみると、農業用水が減少傾向にある一方で,
都市用水が大きく増加し,工業用水が若干増加している。もともと水資源が少ない中
国において、汚染強度の高いセクターの用水使用量増加と廃汚水排出による水質汚染
によって利用可能な水資源を圧迫することとなれば、ますます水不足問題が深刻化す
る。小島2)によれば、
「水質汚染は際立っている。全国七大河川の五十%近い河岸は
多かれ少なかれ汚染されている。住民は基準以上の生活用水が使えず、水汚染から発
生する紛糾はますます多くなっている」のである。
工業化にともなう経済成長を続ける中国にとって、工業セクターは今後の水資源問
題と水質汚染問題の双方にとって重要な役割を担う。こうした背景から本研究では、
中国工業セクターの水資源利用効率と廃水処理技術の双方が近年どの程度効率化され
ているかに着目する。
工業セクターでは業種によって比較的水を多く必要とする業種や汚染された廃水が
多く出やすい業種などがある。ここでは単純な指標によって現状を概観する。
「付加
価値/新規水使用量」の値が小さい業種、すなわち水資源集約型産業には造紙・紙製
品業や電力・ガス・水の生産供給業などがある(図-1)
。他方、
「付加価値/新規水
使用量」の値が高い業種は、機械・電気・電子製造業、金属製品業、医薬品製造業な
「排出基準値超過
どである。また、廃水の水質にも業種によって大きな違いがある。
排水量/総工業用水使用量(新規水使用量+重複水使用量)
」によれば、石油加工・コ
ークス製造業、電力・ガス・水生産供給業などは汚染型産業であると言える(図-2)
逆に、造紙・製紙品業、食品・煙草・飲料製造業、金属製晶業などの業種は非汚染型、
あるいは廃水処理対策の進んだ業種であると言えよう。このように中国工業では、業
種によって環境に対するパフォーマンスが大きく異なっている。その理由としては当
然、業種による生産物や生産工程の違いによる工業用水の利用目的の違いが挙げられ
93
。
るが、その他にも業種ごとに環境基準達成のための取り組みや環境保全に対する技術
力の違いなどが考えられるo
様様.電気・電子設備製造業
金属製晶美
医薬製造業
馳:::::::::冒:::::::::
・'J-I/-I/,-.I-'.I.-.-.-I,I.I-I.I.I.--I.I.I-I.:,
......I...,....../.,../..:.:,
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I:.:...,.(-........._.A....ー′....".-/..■../
.._..._......-I-//.,........../.,.-..:J:.:.:.
非金属鉱物製造業
喜事前妻蔓茎i*_塁;蓋=悪霊
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I.._..J/I.//.-:-:-:,/
ち:普:毒
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・.//.-I-'.I.'.I.'--I.-.'-I.'.
I.J.._-/_-.-A-.-....,I,...,-.,..//.,../..:-
食品・タ/くコ・飲料製造業
_一.-/.....ー//.,/..:-:..-:._.
I/.-.I.'.I.-//.ー'-I,:.:-:
i..;w..../...:-"-....,.."-.:...-:.:.:.:.:.
/...A/,.""-...-..:;,-:∼:-・-チ.:÷:-_-:÷■_-_
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化学擁維製造業
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採掘薫
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I..:,.,...-.....,.........:.:L.-."../A-A...:I".-.I
有色金属精錬・圧延工業
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EiaESE3
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石油加エ・コークス製造業
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I/.'.I/.-.I/.I.'-I-I.:.:.
黒色金属精錬・圧延工業
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I.ワ..′.リ.._...::i:写{.:;:>::.:.:.I......′.....A.....
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化工原料・化学製品製造業
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Ill...I-l..I-/A.IIl.ll}l')-I..
造紙・紙製品美
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電力・ガス・水の生産供給業
:.-.:,:.J
・'.:∫.I,I.I.:.I..L.L.ー.,-_-,丁.I.I.I.:∫-:ーー.:
0
図-1
0.02
0.01
0.03
0.04
2002年度の付加価値/新規水使用量の値
F::ニ::::::;:::I:士::.:,:.:.:.
節野望
造紙・紙製品美
;柵薄暮:-i:.:I;塁≡筆墨;
・-.:-:.I.I-●J:-I:.I--/:I
・:ー,./_.,.//_,.・:ー.ー∴..-∫.ー.._.
食晶.タ′iコ・飲料製造業
I.I,..._,.-:.∫:,
≧岩
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一,-:I_..-..I.-/.-:
捕
金属製晶薫
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紡積薫
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塗
医薬製造業
●●●●●●●■■
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採掘業
#
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・:早:÷.::
非金属鉱物製造業
I:.:,..l,-...,
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I.ll.Ill--.L
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捜械・電気・電子設備製造業
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有色金属精錬・圧延工業
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I:./.I/-.,.I-'---:.
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化工原料・化学製品製造業
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化学積維製造業
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黒色金属精錬・圧延工業
喜::I:::=:
I..//:..L..
石油加エ・コークス製造業
電力・ガス・水の生産供冷菓
0
図-2
0.02
0.04
0.06
0.08
0.I
2002年度の排出基準値超過排水量/工業用水総使用量
(新規水使用量十重複水使用量)の値
94
上記のとおり、工業用水の利用効率や環境対策の達成度は業種ごとに大きく異なる。
そうした状況を踏まえた上で本研究では、工業用水の利用技術と廃水処理対策の変化、
すなわち技術進歩の業種間比較を分析する。節水促進や廃水対策のために導入される
政策がそれぞれの業種にとってどのような意味を持つか、あるいはどの程度積極的に
取り組むかによってこうした技術進歩に違いが生じるものと考える。
前節では,単純な指標を用いて効率性を評価したが、企業の最大の目的は経済性の
追及である。経済性を無視した環境対策や節水対策はあり得ない。したがって、効率
性の評価においても、経済効率や生産性にマイナスの影響を与えることなく節水対策
や環境対策が達成されたかどうかが問題となる。工業用水は生産に必要な投入要素
(インプット)のひとつであり、工業廃水は工業生産過程から産出されるアウトプッ
トのひとつであると考えることができる。そうした考えに立てば、通常の投入要素で
ある労働や資本と通常の生産財の投入・産出効率と併せて工業用水の利用技術の進歩
を総合的に評価しなければならないo
そこで、本研究では複数の投入と複数の産出の
間の総合的効率性を評価することが可能な包絡分析法(DEA)を用いて工業用水利用と
工業廃水処理の2つについて各業種での技術進歩を計測することを目的とするo
2.分析方法
本研究ではManagi
4)を参考に、
and
Kaneko(2005)
eta/.(2005) 3)及びManagi
DEAを用いた生産性分析の手法を環境分野に応用することによって、工業用水の利
用効率と廃水処理効率を計測する。
(1)
DEA
DEAはFareHのフロンティア効率(Frontier
ック分析に応用したものでCharnes
and
efficiency)の考え方をノンパラメトリ
CooperやF貞re
and
Grosskopfらによって
確立された手法である5)。生産性分析におけるフロンティア効率とは、生産可能集
合について効率的生産を実現しているフロンティア生産集合と非効率生産集合との間
で計測される相対的な非効率性をいう。
DEAは、複数の入力要素と複数の出力要素
を同時に扱うことが可能であり、これらの総合的な効率性を評価可能であることが特
徴である。
今〃個の生産主体からなる生産可能集合が2種類の投入財によって2種類の財を産
出する生産活動をしているとする。このとき、
〟番目の生産主体の生産可能集合に対
する効率性Pkは次のように表せるo
ここでは、もしPkが1であれば、
kはフロンテ
ィア生産曲線上にあり、もし1より′」、さい場合にはトPk分だけ非効率であるo
95
目的関数
Pk
Mar.
ulyl,k
+
u2y2,k
(1)
=
VIろ,k+
V2X2,k
制約式
ulyl,j
+
u2y2,j
vIXl,j
+
V2X2,j
ul,u2≧O
≦1
j=(1,2,L
,n)
vl,V2≧0
ここで、
yl,y2はn次の産出ベクトル、
uは投入ベクト
xl,X2はn次の投入ベクトル,
ルへの可変ウェイト、
vは算出ベクトル-の可変ウェイトである。
この分数計画法は線形計画法に変換可能であるⅩ)
。線形計画法の双対形を次のよ
うに表すことが出来る。
目的関数
Min.
(4)
Pk
制約式
〃
n
≧y,k
≧0
-∑x,jlj+BkX,-k (i-1,2)(5)∑yq・1j
(㍗=1,2)
(6)
j=1
j=l
(j-1,2,L
1,A≧0
(7)
,n)
1は非効率な各生産主体が参照するフロンティア曲線上の点を一意的に決
定するパラメータである。この双対モデルに対して、フロンティア生産曲線上の参照
主体をフレキシブルに変えることができる方向ベクトル(directional
vector)
ここで、
Distance
Functionモデルがある。このモデルを用いると,参
導入したDirectional
照するフロンティア曲線上の点をフレキシブルに選ぶことが可能となる。
目的関数
Mar.
(8)
Pk
制約式
n
∑1jX,j≦rk-ghPk (i=1,2)
ノ=l
n
≧yk+gヮPk
∑1jyu.
(r=1,2)
ノ=l
lj ≧0
directional
って変化するo
(j=1,2,L
distance
,n)
functionモデルの効率性は、予め設定した方向ベクトルによ
方向ベクトルは目的に応じて変化させることが出来るo
96
gを
(2)環境分析への応用
本研究では通常の生産関数にみられる生産要素の投入と産出の効率性を分析する市
場モデル(Market
Model)と市場モデルに環境負荷発生に関係する投入要素や環境負荷
発生を加えて効率性を分析するジョイントモデル(Joint
ModeJ)の2つのDEAモデル
を用いる。両者とも基本的には生産の効率性を分析することを目的とするが,市壊モ
デルは環境制約を考慮しないのに対し、ジョイントモデルは環境効率と経済効率の双
方を総合的に評価することができる。ジョイントモデルで求めた技術進歩と市場モデ
ルで求めた技術進歩を比較することによって、環境技術の進歩を計測することが可能
となる。
前節のdirectional
distance
functionモデルを市場モデルに適用すれば、
目的関数
Mar・
Pk(=D(x,ylgx,g,))
(12)制約式
n
(13)
xik-Pkg,≧∑ÅjX,,(i=L2,A,I)
ノ=】
〝
≧ypk・Pkg,
∑九,y,,
(p-1,2,A,P)
(14)
j=1
九l,九2^,Ån≧0
(15)
となる。
次に、環境汚染量などの産出であるバッズ(bad
outputs)ベクトルBを
B-(b.,b2,A,bn)を導入し、生産可能集合Pを
p=((x,y,b):xcan
produce
O,,b))
(16)
と定める。
disposabilityと
ここで、このPについて次の2つの性質(weak
null
hypothesis)
6)を仮定する。
(x,y,b)∈Pカゝつ0≦8≦1∋(x,q/,6b)∈P
(17)
(x,y,b)∈Pカゝつb=0∋y=0
(18)
式(17)はバッズを減らす時には必ずグッズも減らさなければならないことを意味す
るo
つまり、グッズの減少なしにバッズを減らすことは出来ないo
生産なしでグッズの生産は行えないことを意味する。
以上から環境変数を含めたジョイントモデルを以下とするo
目的関数
Max・
I?k(=D(x,y,e,blgx,g,,ge,gb))
(19)
制約式は式(5)、式(6)、式(7)と
97
式(18)はバッズの
n
eqk-Pkg,
(q-1,2,A,Q)
≧∑九jeq・
(20)
ノ=l
n
∑^j/bq・
=1/b,k+Pkgb
(r=1,2,A,R)
(21)
ノ=l
ここで、変数は以下のとおりであるo
ヨood
〟 :グッズベクトル(Market
outputs
vector)
X
inputs寸ector)
:投入ベクトル(Market
e
:環境要素投入ベクトル(Environmental
vector)
input
b
bads
:バッズベクトル(Environmenta一
vector)
outputs
♂ ‥非効率スコア仙effi。ie。。v
ve。t。.I
本研究では方向ベクトルを
(gx,g,,ge,gb)
=
(22)
(0,y,0,1/b)
と定める。以上の2つのモデルから、生産可能集合の各生産主体について環境制約の
無い生産効率性と環境制約のある場合の生産効率性を計測することができる。
(3)技術進歩の計測
次に各生産主体の生産効率が時間的にどのように変化したかによって、技術の進歩
を計測することとするo
Malmquist
られる
Luenberger
ここでは、時系列の効率性変化を分析するために、通常用い
lndexに比べてより包括的と考えられている
(以下、
lndex7),8)
output
oriented
L指数とする)を用いて技術進歩を推定した。こ
れらはいずれもフロンティア生産曲線の時間的変化(フロンティアシフト)を踏まえ
た上で、個々の生産主体の効率性変化(技術進歩)を計測するための指標であるD市
場モデルの効率性変化は以下のように表すことが出来る。
1
I
LEE:la,bet
2 (AGt'1AGE)
1
2
1
+-
2
ここで、
ベクトル、
r[
DE'1(xt,yt;o,yt)]
; o, yt'1
(xt'1
[Dt'1
,yt'1
βJr'(二
I)]
i[Dt xL,yt;o,y
(xE'1yt'1 ;o,yt'1 ]
〔
(
,
xlは-t年の投入ベクトル、
(23)
1〕
xt'1はt+1年の投入ベクトル,
ytはt年のグッズ
Dt(x',yLIO,yt)はt年のデータをt
yt'1はt+1年のグッズベクトルであるo
年のフロンティア生産曲線を基準に計測する非効率性を表す。同様に、
D"I(xE,y'10,y')はt年のデータをt+1年のフロンティア生産曲線を基準に計測する非
98
効率性を表す。図-3は式(23)で計測する
L指数の計測方法を説明するために図式化
したものである。
図-3
2入力、
1出力の図
フロンティア生産曲線が時間的に変化している場合の個々の生産主体の効率性の変
化は、次の2つの計測方法があるo
まず、式(23)におけるAGl'lは図-3中の
t'1年のフロンティア生産曲線を基準にt年のデ
IR2Zil-[R.Z.'Jを表しているoこれは、
ータの非効率性を評価したものからt+1年のフロンティア生産曲線を基準にt+1年のデ
ータの非効率性を評価したものを引いたものである。
次に、 AGtは図-3中のIRIZoHR,Zi'llを表を栗原しているoこれは、
t年のフロンテ
ィア生産曲線を基準として、
t年のデータの非効率性を評価したものからt+1年のフロ
ンティア生産曲線を基準にt+1年のデータの非効率性を評価したものを引いたもので
ある。
L指数はこれら2つの計測方法によって得られた効率性変化の算術平均である。
以上の方法を市場モデルに適用して得られた
t年から
t+1年-の技術進歩
(Technology
Improvement:
Tl)をT)Market、ジョイントモデルから得られた環境を
考慮した技術進歩をTIJ.inlとするとき、環境技術の進歩TJenvを
TIew
=
TIjoint
で定義する.
-
TIma,keL
(24)
Tlenvは環境要素投入ベクトル、投入ベクトル、グッズベクトルを固定
した状態でどれだけバッズベクトルを減らすことが出来るかを表す。
3.データ
本研究では投入ベクトルに労働者数(xl)、資本(x2)、グッズベクトルに付加価値(y)、
環境要素投入ベクトルに新規水使用量(e)を用いたo
ここで工業廃水処理技術と工業
用水の節水技術を求めるために次の二つのモデルで分析を行う。バッズベクトルに排
99
出基準値超過排水量(b)を用いたジョイントモデル1と、給排水量(b)を用いたジョイ
ントモデル2である。ジョイントモデル1のTlenvは付加価値、資本、労働力、新規
水使用量を固定した状態で、どれだけ排出基準値超過排水量を削減できるかを表すも
のであるo
ジョイントモデル2のT[envは付加価値,資本、労働力、新規水使用量を
固定した状態で、どれだけ給排水量を削減できるかを表すものである。ここでは削減
ジョイントモデル1は工業廃水の処理
した排水量は重複水として利用するとみなすo
技術の進歩、ジョイントモデル2は工業用水の節水技術の進歩の分析を目的とするも
のである。本研究では,分析に公刊されている統計書で利用可能な1996年から
2002年まで(1998年は除く)の業種別(14業種)のデータを用いたo付加価値
(工業増加額:億元)及び資本(固定資産浄値:億元)は、中国工業経済統計年鑑業
種別に載っている当年価格の売上高と1990年価格の売上高の比を用いて、デフレー
トした値を推計した。労働者数も中国工業経済統計年鑑の値(全部職工年平均人数:
万人)を用いた。また、新規水使用量と排出基準値超過排水量については公刊されて
いる統計では業種別のデータはない。中国環境年鑑には業種別の新規水使用量(万ト
ン)
、排出基準値内排水量(万トン)のデータが掲載されてい
、給排水量(万トン)
るが、中国環境年鑑はサンプル調査である。そこで、本研究は、次のような操作をし
て、業種別の新規水使用量と排出基準値超過排水量の値を推計した。まず、中国環境
年鑑をもとに、業種別工業生産高単位あたりの新規水使用量、給排水量、排出基準値
内排水量の値を計算した。それらの値をもとに中国工業経済統計年鑑の業種別の備に
「総排水量一排出基準
そして、排出基準値超過排水量=
かけることによって求めたo
値内排水量」として排出基準値超過排水量を求めた(排水の水質基準については中国
環境年鑑GB8978-1996を参照)
a
また、回帰分析に用いた変数は、売上高付加価値率(付加価値/売上高)、資本生産性
は「付加価値/資本」
、業種規模は労働者数(万人)の対数、廃水処理費用は中国環
境年鑑の本年度廃水処理費用(万元)を中国環境年鑑の売上高(万元)で割って基準
化したものを使用。またリサイクル水使用率は「重複水使用量/
(新規水使用量+重複
」
(新規水使用量+重複水使用量)
、工業用水使
、排水率は「給排水量/
用量は「新規水使用量+重複水使用量」を使用。年ダミーにはデータ対象の年度をい
水使用量)
」
れている。また1
4業種の分類方法は付録で説明する。
4.結果と考察
表-1と表-2にジョイントモデル1とジョイントモデル2の結果を載せている。表3にはモデル1の廃水処理の技術進歩と「付加価値/排出基準値超過排水量」
、表-4
にはモデル2の環境効率の技術進歩と「付加価値/総排水量」のスピアマンの順位相
関係数の値を載せている。ここでは単純な効率性評価と総合的な効率性評価の順位付
けに違いがあるかを検証したo表-3と表-4を見ると、相関は高いとは言えず、
100
2変
数が独立であるとされる帰無仮説がすべての期間で10%有意水準でも棄却されなか
った。従って、
DEAを用いて求めた環境効率の技術進歩は単純比較での環境効率の
評価と方法が異なると言えるo
義-1廃水処理技術の進歩
食品・タ′{コ・
飲料製造業
義-2
1997
1999
2000
2001
2002
1996*=0
0.2%
-0.4%
-3.5%
5.0%
6.0%
1996年=o
前年度=0
0.2%
8.5%
1.0%
前年度=o
24・○%
13・7%
1996年=o
O・2%
0・7%
5・8%
22・6%
前年度-o
0_2%
0.5%
5.1%
16.8%
-3.7%
12.6%
1 4.8%
・0.6%
199縛-o
45・7%
前年度=o
45.7%
1996*=0
0.0%
前年度=0
0,0%
-
1996*=0
6.4%
21.1%
前年度=0
6.4%
14.7%
・3.1%
-8・4%
-4・5%
-54.1%
3.9%
28.5%
・4.9%
10.7%
-3.1%
15_6%
1.5%
50.4%
67.8%
72.2%
29.3%
17.4%
4.4%
42%
10・6%
-1.8%
1.8%
-103%
食品・タバコ・
飲料製造業
12.2%
連続・紙製品業
連続・紙製品菓
石油加工・コー1996年=o
クス製造業
前年度=o
-293%
-26・6%
2.7%
30.8%
6.4%
14・4%
-9・0%
・19・7%
・17・1%
前年度=0
-4.4%
-4.6%
-10.7%
I 996*=0
3.4%
4.7%
6.4%
前年度=o
3.4%
1.3%
1 7%
I996*=0
13%
前年度=0
1.3%
化工原料・化学1996年司
製品製造業
・293%
2.6%
6.0%
-O14%
石油加工・コクス製達業
・11.0%
・22・6%
-5.5%
-0.4%
12.8%
14.5%
9_7%
9.5%
1 1.5%
1.7%
■.8%
-0.2%
13%
19・2%
23・1%
化学1載維製造業
非金属鉱物製造1996年=o
-0.1
8.9%
20.9%
29.2%
17.6%
5.2%
1996年-o
・24・9%
・363%
-29・6%
-26・3%
・2613%
前年磨O
124.9%
-ll.4%
・4.3%
19.5%
8.4%
20.2%
-0.6%
1.5%
4.2%
7.7%
10.7%
前年度=o
10.6%
2.1%
2.7%
3.5%
3_0%
-16.5%
-ll.4%
-14.8%
-27.0%
・35.3%
-3.4%
・12.2%
18.3%
O18%
1・6%
2118%
26・6%
0.9%
0.8%
20.2%
4.8%
-8・6%
-2110%
-3410%
・2712%
-28・8%
18.6%
・12.4%
-13.0%
-19・3%
14613%
・35・2%
・24.8%
_27.0%
ll.1%
1996*0
前年度=0
前年度=o
-34・2%
1996年=o
前年度-o
-5.1%
-16.0%
-16.6%
4.2%
J.7%
15・4%
-5・9%
前年度=0
-26.0%
・25.3%
24.9%
金属製晶業
43・8%
機戟・電気・電1996年=o
前年度=o
電力・ガス・水1996年=o
前年度=o
43.8%
-3・O%
-46.8%
-14・7%
-20・7%
・14.7%
-6.0%
18.7%
1.6%
6.4%
27.9%
32.8%
21.5%
・12・2%
-30・7%
・9.2%
-18.5%
・35・3%
・45・4%
-14.6%
-10.1%
黒色金属精錬・
圧延工業
前年度=O
5.5%
-27.4%
-41.3%
・52.0%
-27.4%
-13.9%
-10.7%
12.9%
168・9%
前年度=0
-39.1%
-1.6%
・31・7%
3.5%
J4.1%
-5.0%
43・8%
90・7%
132・5%
43.8%
46.9%
41.8%
36.4%
47.0%
-11・0%
-1414%
-25・3%
-29・6%
・5.1%
・3.4%
・10.9%
-4.3%
・5・9%
前年度=0
101
6.8%
前年度=o
電力・ガス・水1996年o
-3.2%
5.1%
1996年=o
撫軟・電気・電1996年-o
子設備製造業
-0.1%
前年度-o
金属製晶業
21.5%
-0・1%
5・5%
圧延工業
-48・6%
-16.5%
1996年-o
有色金属精錬・
-9・2%
-0.0%
10・3%
-4.5%
-33・5%
J63%
3.3%
・9・9%
1996年=o
・37・7%
・26.4%
6.7%
-18・3%
-8・8%
-21・1%
10,5%
81.8%
前年度=o
15・1%
-513%
2.2%
76.6%
1996年=o
1996年印
15.4%
11,9%
-2.0%
3.9%
-26.0%
0.6%
18・9%
59.0%
17.9%
1996年=o
-2.3%
9.2%
9.9%
-0.2%
非金属鉱物製造1996年=o
811%
%
-1.5%
20O2
8.6%
29.8%
0.6%
6・5%
-03%
-1.3%
2OO1
8.9%
1.2%
前年度=O
子役備製造業
前年度=0
-0.5%
・122%
・0.0%
0.2%
2000
-4・5%
化学繊維製造業
0・7%
-0.0%
-0.1%
前年度=0
1996年-o
有色金属精錬・
圧延工業
10・5%
1999
0.2%
1996*0
医薬製造業
4.1%
1997
化工原料・化学1996年-o
製品製造業
前年度=0
10.1%
医薬襲う豊美
黒色金属精錬・
圧延工業
節水技術の進歩
-5.9%
215・9%
表-3
ジョイントモデル1の技術進歩と
「付加価値/排出基準値超過排水量」
の変化率のスピアマンの順位相関.
スピアマン相関係数
p>
O・ 405
ltl
スピアマン相関係数
p>
0.242
-0.139
O・ 637
ltI
スピアマン相関係数
-0.040
p>ltl
O・893
スピアマン相関係数
0.147
p>川
0・615
スピアマン相関係数
0.336
p>川
0・240
p>I t[の値笹.「三変革開に相関はない」
帰無仮説に対する有意水準
とする
表-4
ジョイントモデル2の技術進歩と
「付加価値/給排水量」の変化率のスピアマンの順位相関
スピアマン相関係数
-0.015
O1958
p>[tl
スピアマン相関係数
・0.235
O・41 8
p>1tl
スピアマン相関係数
0.172
p>ItI
0 557
スピアマン相関係数
-0.064
p>ltl
O・ 829
スピアマン相関係数
0.260
p>ItI
O・370
・
p>ttlの値は「二変数間に相関はない」とする
帰無仮説に対する有意水準
102
義-5
排水処理技術の進歩の要因分析.
回帰係数
標準誤差
■lll■lllllllllll■■l■■■■■■■■■■■■■■■lllllllllllllllll■ll■■l-1■
J.13
売上高付加価値率
資本生産性
業種規模
廃水処理費用
0.25
0.15
0.17
0.03
0.06
★
20.89
リサイクル水使用率
12.27
★★
0.36
★
0.47
J.79
排水率
〃.82
工業用水使用量
年ダミー
J. 00
〃.02
1d.00
0.01
定数
33. 43
22. 74
観測数
70
決定係数
(注:
**,
o. 1798
*、
表-6
*はそれぞれ1%、
5%、
10%有意を示す)
節水技術の進歩の要因分析.
回帰係数
標準誤差
★■
0.19
0.26
★
0.13
0.24
∼
0.05
*
9.47
J.40
売上高付加価値率
資本生産性
業種規模
廃水処理費用
20.66
リサイクル水使用率
排水率
J.16
0.28
J.31
0.36
工業用水使用量
年ダミー
定数
〃.00
観測数
*坤、
*
30.42
★
0.01
17.56
70
決定係数
(注:
0.00
J.02
o. 4149
**、
*はそれぞれ1%、
5%、
10%有意を示す)
表-5にジョイントモデル1で求めた廃水処理技術の進歩を、表-6にジョイントモ
デル2で求めた節水技術の進歩を被説明変数とした重回帰分析の結果を載せている。
被説明変数データはt年からt+1年にかけての技術進歩を用い、説明変数は1年のデ
ータを使って分析している。つまり、
t年での企業の状態がt+1年までにどのように
影響しているかを分析しているo
表-5
と表-6の結果を見比べてみると、共通しているのが廃水処理コストが正で有
意に効いているということである。ここで中国の工業排水に対する環境保障費用につ
103
いて説明する。
「中国には環境汚染物を排出する者および排出基準値を超えて汚染物
を排出する企業から環境保障費を徴収し、環境保全と整備のために用いる制度がある。
徴収額は汚染物の排出費用と超標準排出費用(排出基準を超える部分の費用)から決
められる。水質汚濁に関して言えば、現実には、汚染物の超標準排出費用(排出基準
を超える部分の費用)のみが徴収される5」
0
表_5の廃水処理の技術進歩には前年度の廃水処理コストが高いと、企業はコスト削
減のために水利用に対してより注意深くなり、排水の水質を改善するために、ごみの
分別などに積極的に取り組むと考えられるo節水効率の技術進歩も同様に前年度の廃
水処理コストが高いと,コスト削減のために企業は排水量を減らす努力をすると考え
られる。個別に見ていくと、表-5ではリサイクル水利用率と排水率がマイナスで有意
となっているoリサイクル水利用率や廃水率が排水技術にマイナスで効いている理由
としては、もともと高いリサイクル水利用率や廃水率の企業は環境技術に対して環境
効率の改善をある程度やりつくしてしまっているために,技術進歩を行うためには技
術革新のような新しい技術が必要となる。このような企業が技術進歩をするのは難し
いため、この結果は妥当であると思われる。
表-6については売上高付加価値率と資本生産性が高いと環境-の投資が多くなると
考え、回帰分析にはプラスに効くと予測していたが、結果は売上高付加価値率がマイ
ナスとなった。業種規模については、ある程度の規模の企業でなければ、廃水処理の
設備が持てないという点と、規模が小さい企業には郷鎮企業が多く存在しているとい
うことがプラスに効いた理由として挙げられる。リサイクル水利用率と排水率、工業
用水使用量は有意に効かなかった。年ダミーがマイナスで有意なのも郷鎮企業が年々
増加の傾向にあるものであると思われる。郷鎮企業とは1958年の人民公社化運動か
ら出て来たもので、農村の過剰労働力を吸収するものとして大いに貢献しており、近
年急成長しているが、環境保全-の意識が低いという特徴をもつ企業である。
5.結論
本研究の結論を以下にまとめるo
1.
1996年から2002年の間で廃水処理技術が最も進歩した業種は造紙・紙製品業
である。
2.
1996年から2002年の間で節水技術が最も進歩した業種は機械・電気・電子設
備製造業である。背景としては、機械・電気・電子設備製造業は最も外資が参入
しやすい業種であり、そのため海外から新しい技術を得やすいという点がある。
3.廃水処理技術の進歩と節水技術の進歩には廃水処理費用が共通してプラスに効い
ていたo廃水処理技術の進歩については廃水処理についての項目が有意に効いて
いるが、節水技術の進歩には経済的な項目が有意に効いているという違いも見ら
れた.これは節水技術は廃水処理技術に比べてより経済的な要素を含んでいるこ
とを意味している可能性がある。
104
付録
業種の分類方法
本研究では中国工業経済統計年鑑と中国環境年鑑の二つの統計書を用いたが、それ
ぞれの統計書の発行方法などによって、各業種の対象とする範囲が、統一できな
い業種が存在してしまう場合がある。従って本研究では次
のように業種を分類し、この間題を解決したo
・採掘業=(石炭採掘業、石油及び天然ガス採掘業、黒色金属鉱採掘業、有色金属鉱
採掘業)
・食品・タバコ・飲料製造業=(食品加工業,食品製造業、飲料製造業、タバコ加工
業)
・電力・ガス・水の生産供給業=(電力・蒸気及び熱水と生産供給業、ガス生産供給
業、水道水生産供給業)
機械・電気・電子設備製造業については以下のような方法をとった。中国工業経済
統計年鑑からは普通機械製造業,専門設備製造業,交通運輸設備製造業,電気機械及び器
材製造業,電子及び通信設備製造業,その他精密機械製造業を合わせて機械・電気・電
子設備製造業とした。中国環境年鑑からは普通機械製造業,専用設備製造業,交通運輸
設備製造業,武器弾薬製造業,電気機械及び通信設備製造業,電子及び通信設備製造業,
その他精密機械製造業,その他製造業を合わせて機械・電気・電子設備製造業とした。
参考文献
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Fly UP