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ChemFiles イオン性液体 - Sigma
Vol. 5 No. 6
Enabling Technologies
イオン性液体
Ionic Liquids
BASIL™
BASIONICS™
Ionic Liquids for Catalysis
Ionic Liquids for
Electrochemical Applications
Enzymatic Reactions
in Ionic Liquids
Task-Specific Ionic Liquids
CYPHOS® Phosphonium
Ionic Liquids
Imidazolium-Based
Ionic Liquids
Pyridinium-Based
Ionic Liquids
Pyrrolidinium-Based
Ionic Liquids
Ammonium-Based
Ionic Liquids
Phosphonium-Based
Ionic Liquids
sigma-aldrich.com/chemicalsynthesis
CF5n6new060310.indd 1
06.3.22 5:28:01 PM
2
Introduction
ChemFiles の新シリーズ Enabling Technologies を化学者の皆様にお
届けします。このシリーズでは、化学合成やドラッグディスカバリー
をはじめとする化学を実現する製品や技術に注目しています。
Introduction
このような物質は、内部の強力なイオン性 ( クーロン ) 相互作用によ
り、蒸気圧がごく低く ( 分解が起こらない限り )、不燃性であり、熱的、
物理的、電気化学的にも安定性が高くなります。これらの極めて興
イオン性液体は彗星のように現われ、過去数年で発展してきました。 味深い特徴を持ち合わせていることに加え、溶媒としての特性にも
魅力があり、水や有機溶媒との混ざることなく二相系をもたらす性
今号では、この有望な新材料に関する最新の応用例を特集していま
質をもつなどの特長があります。
す。よく知られているイミダゾリウムおよびピリジニウム塩からア
ンモニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム
カチオンの選択はイオン性液体の特性に大きく影響し、しばしば安
塩まで、130 種類を超えるイオン性液体のポートフォリオに 50 種類
定性を左右します。一般に、イオン性液体の化学特性はアニオンの
以上の新製品が新たに加わりました。Sigma-Aldrich はイオン性液体 選択に支配されます。さまざまなカチオンとアニオンとを組み合わせ
のトップサプライヤーを目指しています。イオン性液体に関する最
ることにより、理論的には 1018 通りのイオン性液体が考えられます
新情報は sigma-aldrich.com/ionicliquids でご覧ください。お探しの
が、実際にはそれほど多くありません。今日、イオン性液体は約 1,000
試薬が見当たらない場合は、シグマアルドリッチジャパンのテクニ
種類が知られており、約 300 種類が市販されています。一般的な構
カルサポート [email protected] まで日本語でお問い合わせくださ
造は、有機カチオンと無機または有機アニオンとの組み合わせです。
い。
R3
R2
N
R1 N
R4
R3
pyridinium
R4
R4
P R4
R1
N R4
ammonium
O
典型的なイオン性液体、たとえば 1-ethyl-3-methylimidazolium
ethylsulfate ( 融点 <-20°
C) を、典型的な無機 塩類、たとえば食
塩 (NaCl、融点 801°
C) と比較すれば、その性質の違いは明白です。
イオン性液体は対称性が著しく低いのです。さらに、アニオンのみ
ならずカチオンの電荷までが共鳴によって分子内で非局在化し、そ
の結果、イオン性液体は凝固点が低くなっています。特に長い脂肪
性側鎖をもつものなどでは、融点がなくガラス転移がみられるもの
もあります。
cation,
symmetric,
small
S
S O
S
O O
O
methanesulfonate
tosylate
O
N
R3C
O
PF6
CF3
BF4
hexafluorophosphate
bis(trifluoromethylsulfonyl)imide
anion
(organic)
anion
(inorganic)
Hal
tetrafluoroborate
halide
イオン性液体の技術に関する学術および産業的な関心の高まりは、
年度ごとの発表文献数の増加から見て取れます ( 出典 :Sci-FinderTM)。
1990 年には 100 件に遠く及ばなかったものが、2004 年には 1,500 件
を超えています。
anion,
large
Publications per year
1600
1400
cation,
large,
unsymmetric
No. of papers
anion,
symmetric,
large
O
O
S O
O
R3
sulfonium
O
H3 C
alkylsulfate
S
R2
phosphonium
O S O
cation
(organic)
R1
R2
F3C
R2
pyrrolidinium
R2
R
イオン性液体はその名の通りイオン性の塩で、きわめて低い温度で
も液体の新材料です。現在、イオン性液体の「公式」定義では水の
沸点が目安に用いられ、
「イオン性液体とは 100°
C 未満で液体のイオ
ン性化合物である」とされていますが、融点が室温以下のものも多
く、中には 0°
C 以下の物質もあります。こうした新材料は、融点か
ら分解温度 (300~400°
C) までの幅広い温度で液体です。
R1
R1
imidazolium
R1
N
N
R2
1200
1000
800
600
400
200
0
s i g m a - a l d r i c h . c o m
1990
CF5n6new060310.indd 2
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
Year
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
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3
Use and Applications
References
発表文献数が増加したのは、この新材料がもつ独特の性質による
ものと考えられます。究極的には、有機カチオンとアニオンとの可
能な組み合わせにより、化学者はさまざまな官能基を導入したり組
み合わせたりして物理化学特性をデザイン、微調整することができ、
それによってテーラーメードの材料や液体を作ることができます。下
の図は、イオン性液体の重要な特性と、現在および将来の応用例を
まとめたものです 1 。
1.
MALDI-TOF-Matrices: Armstrong, D. W.; Zhang, L. K.; He, L.;
Gross, M. L. Anal. Chem. 2001, 73, 3679–3686.
GC-Head-Space-Solvents: Andre, M.; Loidl, J.; Schottenberger,
H.; Bentivoglio, G.; Wurst, K.; Ongania, K.-H. Anal. Chem. 2005,
77, 702–705.
LUBRICANTS & ADDITIVES
• lubricants
• fuel additives
IONIC LIQUIDS
ELECTROLYTES
• fuel cells
• sensors
• batteries
• supercaps
• metal finishing
• coating
Artificial Muscles: Potential application, personal note.
• thermal stability
• low vapor pressure
• electric conductivity
• interesting solvent properties
• biphasic systems possible
• liquid crystalline structures
• high electroelasticity
• high heat capacity
• non flammability
HEAT STORAGE
• thermal fluids
LIQUID CRYSTALS
• displays
Protein-Crystallization: Ionic Liquids Technologies, Patent pending.
ELECTROELASTIC
MATERIALS
• artificial muscles
• robotics
Bio-Catalysis: Moriguchi, T.; Yanagi, T.; Kunimori, M. J. Org.
Chem. 2000, 65, 8229–8238.
Hayakawa, Y.; Kawai, R. Hirata, A. J. Am. Chem Soc. 2001, 123,
8165–8176.
Eckstein, M.; Filho, M. V.; Liese, A.; Kragl, U. Chem. Comm. 2004,
1084–1085.
Liu, Y.; Wang, M.; Li, J.; Li, Z.; He, P; Liu, H.; Li, J. Chem. Comm.
2005, 1778–1780.
ANALYTICS
• MALDI-TOF-matrices
• GC-head-space-solvents
• protein-crystallization
Organic Synthesis & Catalysis: For a general overview see:
Wasserscheid, P.; Welton, T. Ionic Liquids in Synthsis; Wiley-VCH:
Weinheim, 2003.
SOLVENTS
• bio-catalysis
• organic reactions & catalysis
• Nano-particle-synthesis
• polymerization
Introduction
SEPARATION
• gas seperations
• extractive distillation
• extraction
• membranes
Lubricants: Wang, H.; Lu, Q.; Ye, C.; Liu, W.; Cui, Z. Wear 2004,
256, 44–48.
Deep Desulfuration: Bösmann, A.; Datsevich, L.; Jess, A.; Lauter,
A.; Schmitz, C.; Wasserscheid, P. Chem. Comm. 2001, 2494–2495
Nakashima, K.; Kubota, F.; Maruyama, T.; Goto, M. Chem. Mater.
2003, 15, 1825–1829.
© IOLITEC 2005.
Nano-Particle-Synthesis: Zhou, Y.; Antonietti, M. J. Am. Chem.
Soc. 2003, 125, 14960–14961; Chem. Mater. 2004, 16, 544–550.
イオン性液体のこうした応用は、プロセス化学および材料科学
としての利用に分けられます。導電性材料としては、1948 年に
1-butylpyridinium chloride/AlCl3 が アルミニウム電着用の電解質とし
て初めて注目を集めました 2。この分野は今なお精力的な研究が行
われています。これに近いところでは、バッテリーおよび燃料電池用
の電解質というのも重要な用途です。
Liquid Crystals: Holbrey, J. D.; Seddon, K. R. J. Chem. Soc.,
Dalton Trans. 1999, 2133–2139.
Haristoy, D.; Tsiourvas, D. Chem. Mater. 2003, 15, 2079–2083.
腐食性が低く空気安定性をもつ材料が 1992 年に登場したことは大き
なブレイクスルーとなりました。Wilkes および Zaworotko が 1-ethyl3-methylimidazolium tetrafluoroborate を開発し、溶媒としての用途
に注目しました 3。1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate
および tetrafluoroborate は今なお文献上の主流ですが、性能およ
び取り扱いの面でさらに優れた物質があります。PF6 - および BF4 - は、
水溶液中で分解し、有毒な強酸である HF を生ずることが示されま
した。
Fuel Cells: Yanes, E. G.; Gratz, S. R.; Baldwin, M. J.; Anal. Chem.
2001, 73, 3838–3844.
Thermal Fluids: Wu, B.; Reddy, R. G.; Rogers, R. D. Proceedings
of Solar Forum, 2001.
See also: Ionic Liquids Technologies GmbH & Co. KG,
http://www.iolitec.de.
Sensors: See also: http://www.iolitec.de.
Supercaps: Sato, T; Masuda, G; Takagi, K. Electrochim. Acta
2004, 49, 3603–3611.
2000 年以降、イオン性液体の独特の物理特性を組み合わせて利用
することにより、他にも興味深い用途が示唆されています。たとえ
ば、熱流体としての利用は、その熱容量、熱安定性および低蒸気圧
という性質をあわせて活用したものです。この先数年で、さらに多
数の新たな用途が提唱され、そのなかからは実用化されるものが出
てくることが期待されます。イオン性液体がより多くの研究者に利用
されるようになるためには、技術的支援を行い、試験研究用のイオ
ン性液体を各種用意することが必要と考えられます。この支援には
安全性データの拡充も含まれ、EU では行政はイオン性液体のリサイ
クル構想の届出と推進を求めています。
Metal Finishing: Zell, C. A.; Freyland, W. Langmuir 2003, 19,
7445–7450.
Scheeren, C. W.; Machado, G.; Dupont, J.; Fichtner, P.F.P.; Texeira,
S.R. Inorg. Chem. 2003, 42, 4738–4742.
Huang, J.-F.; Sun, I.-W. J. Chromat. A, 2003, 1007, 39–45.
Gas Separations: Scovazzo, P; Kieft, J.; Finan, D. A.; Koval, C.;
DuBios, D.; Noble, R. J. Membr. Sci. 2004, 238, 57–63.
Extractive Distillation: Jork, C.; Seiler, M.; Beste, Y.-A.; Arlt, W. J.
Chem. Eng. Data 2004, 49, 852–857.
Extraction: Uerdingen, M.; Chem. unserer Zeit 2004, 38, 212–213.
Membranes: Branco, L. C.; Crespo, J. G.; Afonso, C. A. M.
Angew. Chem. 2002, 104, 2895–2897.
Fortunato, R.; Afonso, C. A. M.; Reis, M. A. M.; Crespo, J. G. J.
Membr. Sci. 2004, 242, 197–209.
2.
Hurley, F. H. U.S. Patent 2,446,331, 1948.
Wier, T. P.; Hurley, F. S. U.S. Patent 2,446,349, 1948.
Wier, T. P. U.S. Patent 2,446,350, 1948.
3.
Wilkes, J. S.; Zaworotko, M. J. Chem. Comm. 1992, 965–967.
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
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4
BASIL™—BASF’s Processes Based on Ionic Liquids
Dr. Matthias Maase, Dr. Klemens Massonne, Dr. Uwe Vagt, BASF
Aktiengesellschaft, 67056 Ludwigshafen, Germany, www.basf.de/newintermediates.
現在イオン性液体の用途で最も重要となっているのは、プロセス化
学における反応溶媒としての利用です。大きな突破口となったのは
工業生産規模での最初の応用である BASF 社の BASILTM プロセスで、
これは ECN の「2004 年成長のための技術革新賞」(Innovation for
Growth Award 2004) を受賞しました。
BASIL™/BASIONICS™
プロセス化学では副生成物として酸 ― 最も一般的には塩酸 (HCl) ―
が生成することがあります。反応生成物を分解などの副反応から保
護する必要がある場合、酸は除去しなければなりません。通常はト
リエチルアミンなどの三級アミンを反応混合物に加えてアンモニウ
ム塩を生成させ、分液操作により水層に抽出して除去します。しかし、
反応混合物が水分で分解するような場合は複雑です。アンモニウム
塩の生成は反応時のスラリー形成につながります。スラリー形成は
溶液の粘度上昇や熱伝導不足などさまざまな障害をもたらすため、
アンモニウム塩は濾過して分離する必要があります。
ジエトキシフェニルホスフィン ( ジクロロフェニルホスフィンとエタ
ノールとから合成される光開始剤中間体 ) の生産で BASF 社が直面
したのがこの状況です。塩酸を反応混合物から除去しなければ生成
物は不要な副反応を受けることになりますが、抽出に水を用いると
目的とする生成物が加水分解されるため、反応は有機溶媒中で等モ
ル量のトリエチルアミンを存在させて行う必要がありました。その結
果生じた混合物は、粘性が高くてほとんど撹拌不能なスラリーでし
た。この厄介なプロセスの改善を図るなかで、
「酸を塩基で除去する
必要があるのであれば塩の生成は避けられない。しかし液体の塩、
イオン性液体ならよいのではないか」という考えが浮かんだのです。
トリエチルアミンの代わりに 1-methylimidazole を酸捕捉剤として用
いると、すぐによい結果が得られました。反応で生じたイオン性液
体は methylimidazolium chloride です。この物質は融点が 75°C であ
るため、約 80°C という反応温度では液体です。反応後は透明な二
層の液体となり、簡単に分離できます。上層には純粋な生成物が含
まれ反応溶媒は不要です。下層は純粋なイオン性液体で、水酸化ナ
トリウムで脱プロトン化されてメチルイミダゾールが再生します。
R
R
P
+
Cl
EtOH
+
R
N
N
R
P
+
OEt
N
NH
Cl
Ionic Liquid
このように1-methylimidazole は酸を除去するのに非常に有用ですが、
試験研究のごく初期の段階で素晴らしい結果がもうひとつ得られて
いました。イオン性液体が求核反応の触媒として作用したのです。
単位体積時間当たり収量が大幅に向上し、8 kg m-3 h-1 が 690,000 kg
m-3 h-1 にもなりました。これによって BASF 社は、それまで 20 m3 のバッ
チ容器を要していたこの反応を、親指大の小さなジェットリアクター
で行うことができるようになりました。この小さなリアクターは、生
産能が 1000t/a を超える連続操業プラントの一部となり、2004 年の
第 3 四半期に BASF 社の Ludwigshafen 工場で操業が開始されました。
この BASILTM 技術による酸の除去は、試験研究の目的においても、
エステル化、アシル化、シリル化、リン酸化、スルフリル化、脱離、
脱プロトン、および一般的な酸除去に応用されています。このプロ
セスを実験室から工業生産規模にまでスケールアップさせた経験を
も持つ BASF 社は、あらゆるサービスパッケージと共にこのプロセス
をライセンス供与することができます。
BASF 社がすでにパイロットプラント規模で開発したプロセスには、
methylimidazolium chloride 存在下での塩酸によるアルコールの塩素
化もあります。塩素化反応では通常、ホスゲンまたは塩化チオニル
が塩素化剤として用いられます。イオン性液体の存在下では塩化物
イオンが圧倒的に強い求核剤であるため、塩素化が簡単かつ安価に
行われます。
イオン性液体は、共沸蒸留や抽出蒸留などの分離プロセスでも有利
です。分離プロセスではフェノール抽出のための添加溶剤または溶
媒として用いられます。
BASIONICS™—BASF’s Portfolio of Ionic Liquids
s i g m a - a l d r i c h . c o m
BASF 社は、主としてイミダゾリウムカチオンを基本とする一連の
イオン性液体を、BASIONICSTM という商標名で生産しています。
BASIONICSTM はイオン性液体のさまざまな基本特性を一般に利
用可能とするもので、標準 (ST)、酸性、塩基性に分類される常温
では液体の低粘性物質であり、さまざまな用途が考えられます。
BASIONICSTM の全製品は、kg スケールでは Sigma-Aldrich が販売し、
100 kg~ トンのバルク供給のご要望に対しては、全く同じスペックの
製品を BASF 社が提供します。
BASF 社がイオン性液体をバルク供給する場合の考え方で重要な部
分としては、製品品質の規定も挙げられます。いかなる用途に対して
も、規格項目を規定する必要があることは明らかです。例えば色素
増感太陽電池用のイオン性液体は無色でなければなりませんが、同
じイオン性液体が非水電解質としてガルバニックプロセスに用いられ
る場合には、色は問題にならない代わりに別の規格を明確に規定す
る必要があると考えられます。このため BASF 社では、一旦お客様
が ( 単独であれ BASF 社との共同であれ ) あるプロセスまたは用途に
用いるイオン性液体を定めたならば、一連の製品規格 ( 純度、副生
成物、ハロゲン含量、色、粘度など ) を詳細に定め、この規格に基
CF5n6new060310.indd 4
づいてバルク生産のプロセスを設計します。
イオン性液体 BASIONICSTM が、生きたポートフォリオであることは
ぜひ知っておいていただきたいと思います。今後も BASIONICSTM の
品目は拡張されるでしょうが、さらに重要なのはそれがお客様のニー
ズによって行われるということです。イオン性液体の構成要素である
カチオン、アニオンのいずれについてもお客様が求める特定の用途
に即してデザインすることができます。プロセス化学に関する技術ノ
ウハウ、既存のバリューチェーンを最大限に活用し、BASF 社はバル
ク量の各種イオン性液体を低価格で生産しています。
応用例
すでに記したように、イオン性液体に関しては数多くの文献が出さ
れています。次項に挙げるのは、BASIONICTM のイオン性液体が利用
可能な用途の例です。
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
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Prod. #
Name
Applications
30764
38899
1-Ethyl-3-methylimidazolium chloride (BASIONIC™ ST 80)
1-Butyl-3-methylimidazolium chloride (BASIONIC™ ST 70)
precursors for the preparation of other Ionic Liquids by
anion metathesis
29164
30881
1-Ethyl-3-methylimidazolium methanesulfonate (BASIONIC™ ST 35)
1-Butyl-3-methylimidazolium methanesulfonate (BASIONIC™ ST 78)
electrodeposition of metals, e.g., titanium-aluminum
or platinum-zinc alloys;1–3 esterification of starch;4
dissolution and delignification of lignocellulosic
materials;5 dissolution of silk fibroin6
38938
Methyl-tributylammonium methylsulfate (BASIONIC™ ST 62)
electrochemical synthesis of organic compounds7
50365
1,2,3-Trimethylimidazolium methylsulfate (BASIONIC™ ST 99)
production of organopolysiloxanes8
40477
Methylimidazolium chloride (BASIONIC™ AC 75)
separation of acids from chemical reaction mixtures;9
halogenating agent and recyclable catalyst;10
electroplating bath for Tungsten11 and Molybdenum12
59760
56486
57457
Methylimidazolium hydrogensulfate (BASIONIC™ AC 39)
1-Ethyl-3-methylimidazolium hydrogensulfate (BASIONIC™ AC 25)
1-Butyl-3-methylimidazolium hydrogensulfate (BASIONIC™ AC 28)
extraction medium for removing impurities from
aprotic solvents;13 synthesis of coumarins;14 solvent
for GC-headspace;15 solvent and catalyst for Mannichreaction,16 Friedel–Crafts-alkylations,17 and aromatic
sulfonation18
51059
55292
1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrachloroaluminate (BASIONIC™ AC 09)
1-Butyl-3-methylimidazolium tetrachloroaluminate (BASIONIC™ AC 01)
electrolyte for batteries;19 synthesis of polyisoolefins;20
reaction medium for Rh-catalyzed hydrogenations21
and Diels–Alder-reactions;22 extractive desulfuration of
hydrocarbon fuels;23 reaction medium for synthesis and
catalysis;24–26 polymerization of ethylene carbonate27
51053
39952
1-Ethyl-3-methylimidazolium acetate (BASIONIC™ BC 01)
1-Butyl-3-methylimidazolium acetate (BASIONIC™ BC 02)
electrolytes for non-aqueous capillary electrophoresis28
51682
53177
1-Ethyl-3-methylimidazolium ethylsulfate (BASIONIC™ LQ 01)
1-Butyl-3-methylimidazolium methylsulfate (BASIONIC™ LQ 02)
extractive deep desulfuration;29 extraction of
contaminant gases;30 lipase-catalyzed enantioselective
acylation31
43437
42254
1-Ethyl-3-methylimidazolium thiocyanate (BASIONIC™ VS 01)
1-Butyl-3-methylimidazolium thiocyanate (BASIONIC™ VS 02)
electrolyte for dye-sensitized solar cells;32 electrolyte for
dye-sensitized semiconductor-particles;33 solvent for the
dissolution of cellulose with Ionic Liquids34
05338
1-Ethyl-2,3-dimethylimidazolium ethyl sulfate (BASIONIC™ ST 67)
1-Butyl-3-methylimidazolium acetate,
BASF quality, ≥95%
8
C10H18N2O2
FW: 198.26
mp: <-20 °C
[284049-75-8]
CH3
N+
N
O
-
O
CH3
1-Butyl-3-methylimidazolium hydrogen sulfate,
BASF quality, ≥95%
100 g
1 kg
CH3
N+
8
C8H15ClN2
FW: 174.67
mp: 41 °C
[79917-90-1]
CH3
N+
Cl-
N
57457-100G
57457-1KG
100 g
1 kg
100 g
1 kg
¥25,000
¥69,100
1-Butyl-3-methylimidazolium methanesulfonate,
BASF quality, ≥95%
C9H18N2O3S
FW: 234.32
mp: 75–80 °C
[342789-81-5]
8
CH3
N+
N
H3C
O
O
S
O-
H3C
H3C
38899-100G
38899-1KG
HO O
S
O O-
N
H3C
¥50,100
¥138,300
1-Butyl-3-methylimidazolium chloride,
BASF quality, ≥95%
8
C8H16N2O4S
FW: 236.29
mp: 28 °C
[262297-13-2]
CH3
39952-100G
39952-1KG
BASIONICS™
5
¥9,300
¥26,000
30881-100G
30881-1KG
100 g
1 kg
¥25,000
¥69,100
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
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06.3.22 5:28:21 PM
6
1-Butyl-3-methylimidazolium methyl sulfate,
BASF quality, ≥95%
8
CH3
C9H18N2O4S
FW: 250.32
mp: <-20 °C
[401788-98-5]
N+
H3CO O
S
O O-
N
1-Ethyl-3-methylimidazolium ethyl sulfate,
BASF quality, ≥95%
C8H16N2O4S
FW: 236.29
mp: <-20 °C
[342573-75-5]
8
CH3
H3C
N+
O O
S
O-
N
O
H3C
H3C
53177-100G
53177-1KG
100 g
1 kg
¥20,000
¥55,300
1-Butyl-3-methylimidazolium tetrachloroaluminate,
BASF quality, ≥95%
8
BASIONICS™
C8H15AlCl4N2
FW: 308.01
mp: -10 °C
[80432-09-3]
CH3
N+
AlCl4–
N
51682-100G
51682-1KG
55292-100G
55292-1KG
100 g
1 kg
¥25,000
¥69,100
1-Butyl-3-methylimidazolium thiocyanate,
BASF quality, ≥95%
8
C9H15N3S
FW: 197.30
mp: <-20 °C
[344790-87-0]
CH3
N+
SCN–
N
H3C
42254-100G
42254-1KG
100 g
1 kg
¥40,100
¥110,600
1-Ethyl-2,3-dimethylimidazolium ethyl sulfate,
BASF quality, ≥95%
8
C9H18N2O4S
FW: 250.32
mp: 67 °C
[516474-08-1]
CH3
N+
N
100 g
1 kg
H3C
CH3 O O
S
O O-
H3C
05338-100G
05338-1KG
¥20,000
¥55,300
1-Ethyl-3-methylimidazolium acetate,
BASF quality, ≥90%
8
C8H14N2O2
FW: 170.21
mp: <-20 °C
[143314-17-4]
CH3
N+
N
H3C
51053-100G
51053-1KG
1-Ethyl-3-methylimidazolium hydrogen sulfate,
BASF quality, ≥95%
100 g
1 kg
O
-
O
CH3
¥55,100
¥152,100
56486-100G
56486-1KG
CH3
N+
N
C7H14N2O3S
FW: 206.26
mp: 35 °C
[145022-45-3]
29164-100G
29164-1KG
43437-100G
43437-1KG
C4H6N2 · HCl
FW: 118.56
mp: 75 °C
[35487-17-3]
¥25,000
¥69,100
100 g
1 kg
¥30,100
¥83,000
8
CH3
N+
N
40477-100G
40477-1KG
AlCl4–
H3C
100 g
1 kg
¥30,100
¥83,000
8
CH3
C7H11N3S
FW: 169.25
mp: -6 °C
[331717-63-6]
CH3
N+
Cl-
100 g
1 kg
H3C
N+
H3C O
S
N
O
O-
1-Ethyl-3-methylimidazolium thiocyanate,
BASF quality, ≥95%
C6H11ClN2
FW: 146.62
mp: 80 °C
[65039-09-0]
H3C
8
CH3
C6H11AlCl4N2
FW: 279.96
mp: 9 °C
[80432-05-9]
51059-100G
51059-1KG
HO O
S
O
O-
¥30,100
¥83,000
1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrachloroaluminate,
BASF quality, ≥95%
1-Methylimidazolium chloride,
BASF quality, ≥95%
N
100 g
1 kg
1-Ethyl-3-methylimidazolium methanesulfonate,
BASF quality, ≥95%
8
s i g m a - a l d r i c h . c o m
8
C6H12N2O4S
FW: 208.24
[412009-61-1]
1-Ethyl-3-methylimidazolium chloride,
BASF quality, ≥95%
CF5n6new060310.indd 6
¥20,000
¥55,300
H3C
H3C
30764-100G
30764-1KG
100 g
1 kg
N+
N
SCN–
H3C
100 g
1 kg
¥45,100
¥124,400
8
NH+
N
CH3
100 g
1 kg
Cl-
¥22,500
¥62,200
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06.3.22 5:28:32 PM
7
8
C4H6N2 · H2SO4
FW: 180.18
mp: 39 °C
[681281-87-8]
59760-100G
59760-1KG
NH+ HO
O
S
O
O-
N
CH3
100 g
1 kg
¥22,500
¥62,200
Tributylmethylammonium methyl sulfate,
BASF quality, ≥95%
C14H33NO4S
FW: 311.48
mp: 62 °C
[13106-24-6]
38938-100G
38938-1KG
8
(CH2)3CH3
+
H3C
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
100 g
1 kg
1,2,3-Trimethylimidazolium methyl sulfate,
BASF quality, ≥95%
C7H14N2O4S
FW: 222.26
mp: 113 °C
[65086-12-6]
50365-100G
50365-1KG
8
CH3
N+ H CO
3
O
CH3 O S
N
OCH3
100 g
1 kg
¥20,000
¥55,300
H3CO
O
S
O
O-
¥15,000
¥41,500
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Chem. 2004, 6, 75–77.
17. Wasserscheid, P.; Sesing, M.; Korth W. Green Chem. 2002, 4,
134–138.
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1-Methylimidazolium hydrogen sulfate,
BASF quality, ≥95%
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06.3.22 5:28:37 PM
8
Ionic Liquids for Catalysis
Annegret Stark and Bernd Ondruschka, Friedrich-Schiller-University,
Institute for Technical Chemistry and Environmental Chemistry,
Lessingstr. 12, 07743 Jena, Germany; [email protected].
BMIM PF6, BMIM SbF6, 1-butyl-3-methylimidazolium trifluoromethanesulfonate (BMIM CF3SO3) および 1-butyl-3-methylimidazolium
bis(trifluoromethylsulfonyl)imide (BMIM N(CF3SO2) 2) 中でスカンジウ
ムまたは白金 (II) 触媒による Diels–Alder 反応も研究されました。ジ
クロロメタンとの比較できわめて高い endo/exo 比 (>99/1) および良
好な反応速度が得られました。メチルビニルケトンと 2,3- ジメチル
-1,3-ブタジエンとの反応例では、10 サイクルにわたって効率的にリサ
イクルされることが示されました 7,8。
イオン性液体は、生体触媒反応の溶媒としても研究されていま
す。たとえば、カチオンとして 1-alkyl-3-methylimidazolium また
は 4-methyl-N-alkylpyridinium, アニオンとして tetrafluoroborate,
hexafluorophosphate, trifluoromethanesulfonate などを用いたイオン
性液体中では、リパーゼが触媒するさまざまな基質のトランスエス
テル化反応で高い不斉収率が得られました 4,9-11。これはイオン性液
体と酵素との相互作用によるもので、生体触媒反応の選択性を変え
る知見です。また、生成物をジエチルエーテルでイオン性液体層から
抽出した後に、イオン性液体も酵素もリサイクルすることができまし
た 10。
イオン性液体に含まれる不純物によって触媒反応の結果が影響を受
けることが、複数の研究者によって明らかにされています 4,6,12-22。し
かし、使用したイオン性液体の各ロットに関するデータがほとんどな
く、実験室間の結果を比較するのは困難です。
水、未反応アミン (1- メチルイミダゾールなど )、および微量のハ
ロゲン化物などの不純物は、イオン性液体の製造時によく生じま
す。Grubbs の第一世代触媒が触媒する 1- オクテンのメタセシス反
応において、Sigma-Aldrich の高純度な 1-butyl-3-methylimidazolium
tetrafluoroborate(Prod. # 39931) または 1-ethyl-3-methylimidazolium
tetrafluoroborate(Prod. # 39736) にこうした不純物を既知量混合 ( 水
<200 ppm、ハロゲン (Cl- <10 ppm) した結果、触媒反応に用いるイオ
ン性液体の純度の重要性が明らかになりました。
s i g m a - a l d r i c h . c o m
Figure 1 は、触媒作用は水の存在には比較的影響を受けにくく、触
媒に対して水が 100 当量存在しても ( イオン性液体中に 2.04 mol %
の水 )、反応があまり影響されないことを示しています。
CF5n6new060310.indd 8
Conversion / %
50
0.24 mol %
40
2.04 mol %
30
88.44 mol %
20
168.26 mol %
10
0
0
50
100
150
200
250
300
t / min.
Figure 1. Influence of added increments of water to pure BMIM BF4 on the
conversion of the metathesis of 1-octene at room temperature, as a function of
time. Reaction conditions: 0.02 mol % catalyst precursor (relative to 1-octene),
Ionic Liquid:1-octene = 1:1 (vol.)
しかし、微量の塩化物が存在すると、Figure 2 に示すとおり影響はは
るかに大きくなります。塩化物が触媒の 2.3 倍存在すると ( イオン性
液体中に 0.07 mol % の塩化物、100 ppm という低濃度に相当 ) 、ター
ンオーバー頻度が 820 h-1 から 700 h-1 に低下しました。
Influence of chloride impurity
70
60
Conversion / %
1995 年にはすでに、イオン性液体の存在下ロジウム触媒よりアルケ
ンの水素化、異性化、またはヒドロホルミル化で高い収率および選
択性が得られることが、Chauvin らによって示されていました。特に、
1-butyl-3-methylimidazolium hexafluoroantimonate(BMIM SbF6、Prod.
# 51027)、1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate(BMIM
PF6)、および 1-butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate(BMIM
BF4) など中程度の配位能を持つアニオンからなるイオン性液体は、
単一溶媒と比較して良好な結果が得られました 6。
60
0.00 mol %
50
0.07 mol %
40
0.28 mol %
0.69 mol %
30
51.00 mol %
20
10
0
0
100
200
300
400
t / min.
Figure 2. Influence of added increments of 1-hexyl-3-methylimidazolium chloride
(HMIM Cl) to pure BMIM BF4 on the conversion of the metathesis of 1-octene
at room temperature, as a function of time. Reaction conditions: 0.03 mol %
catalyst precursor (relative to 1-octene), Ionic Liquid:1-octene = 1:1 (vol.).
興味深いことに、触媒反応は微量の 1- メチルイミダゾールの存在に
きわめて敏感です。Figure 3 はイオン性液体中に残留する 1- メチル
イミダゾールが、6.3:1 の 1- メチルイミダゾール : 触媒比で触媒を完
全に不活化することを示しています。これはイオン性液体中 0.18
mol %(600 ppm) という微量の 1- メチルイミダゾールに相当します。
Influence of 1-methylimidazole impurity
70
60
Conversion / %
Ionic Liquids for Catalysis
イオン性液体はさまざまな触媒反応の溶媒として詳細に研究されて
きました1-4。その長所は、アニオン、カチオン、または置換基を変化さ
せることによって物理化学特性が容易に調節可能であるという点で
す。これにより、ある特定の用途に最適な粘度、基質および生成物の
溶解度などの特性を持つイオン性液体がデザインされます(デザイナ
ー溶媒) 5。触媒作用では、均一な反応系を二相化することによってこ
の特徴が利用され、均一系触媒と不均一系触媒の双方の長所が組み
合わされています。分液抽出に代わるのは熱的手段による生成物の
精製です。イオン性液体は蒸気圧がきわめて低いため、蒸留プロセス
で溶媒および触媒の量が変化しません。
以下の例では、多くの触媒がイオン性液体溶媒中で高い活性を有し、
生成物の分離が簡単な相分離によって行われることを示しています。
Influence of water impurity
70
50
0.00 mol %
40
0.06 mol %
30
0.12 mol %
20
0.18 mol %
10
0
0
100
200
300
400
t / min.
Figure 3. Influence of added increments of 1-methylimidazole to pure BMIM BF4
on the conversion of the metathesis of 1-octene at room temperature as a
function of time. Reaction conditions: 0.03 mol % catalyst precursor (relative to
1-octene), Ionic Liquid:1-octene = 1:1 (vol.).
Sigma-Aldrich では、水分 200 ppm 未満、ハロゲン含量 (Cl-)10 ppm
未満という触媒反応用の高純度イオン性液体を取り扱っています。
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:28:42 PM
9
8
C6H11BF4N2
FW: 197.97
mp: 11 °C
[143314-16-3]
CH3
N+
BF4–
N
CH3
39736-5ML
39736-50ML
5 mL
50 mL
¥18,000
¥129,600
1-Butyl-3-methylimidazolium chloride, dry, ≥99% AT
8
CH3
C8H15ClN2
FW: 174.67
mp: 41 °C
[79917-90-1]
N+
Cl-
N
5g
25 g
¥6,800
¥27,000
1-Butyl-3-methylimidazolium chloride,
puriss., dry, ≥99% AT
8
CH3
C8H15ClN2
FW: 174.67
mp: 41 °C
[79917-90-1]
N+
Cl–
N
CH3
04129-5G
04129-25G
5g
25 g
¥6,700
¥26,800
1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate
for catalysis, ≥98.5% T
8
CH3
C8H15BF4N2
FW: 226.02
mp: -71 °C
[174501-65-6]
N+
8
BF4–
N
CH3
39931-5G
39931-50G
5g
50 g
¥15,300
¥49,500
1-Butyl-1-methylpyrrolidinium dicyanamide, ≥99%
C11H20N4
FW: 208.30
[370865-80-8]
H3C
55509-5G
55509-25G
1-Butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
for catalysis, ≥98.5% T
8
CN
N+
CH3 -N
CN
CH3
50893-5G
50893-50G
5g
50 g
¥60,900
¥138,000
1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluoroantimonate,
≥98%
C8H15F6N2Sb
FW: 374.97
mp: -1 °C
[174645-81-9]
8
CH3
N+
N
SbF6-
H3C
51027-5G
51027-50G
5g
50 g
¥18,600
¥55,900
Ionic Liquids for Catalysis
1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
for catalysis, ≥98.5% T
CH3
C8H15F6N2P
FW: 284.18
mp: 11 °C
[174501-64-5]
N+
PF6–
N
CH3
18122-5G
18122-50G
5g
50 g
¥6,900
¥49,300
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12. Chauvin, Y.; Mussmann, L.; Olivier, H. Angew. Chem. Int. Ed.
1996, 34, 2698.
13. Suarez, P. A. Z.; Dullius, J. E. L.; Einloft, S.; de Souza, R. F.;
Dupont, J. Inorg. Chim. Acta 1997, 255, 207.
14. Monteiro, A. L.; Zinn, F. K.; de Souza, R. F.; Dupont, J.
Tetrahedron: Asymmetry 1997, 8, 177.
15. Dyson, P. J.; Ellis, D. J.; Parker D. G.; Welton, T. Chem. Commun.
1999, 25.
16. Ellis, B.; Keim, W.; Wasserscheid, P. Chem. Commun. 1999, 337.
17. Carmichael, A. J.; Earle, M. J.; Holbrey, J. D.; McCormac, P. B.;
Seddon, K. R. Org. Lett. 1999, 1, 997.
18. Dyson, P. J.; Ellis, D. J.; Lincoln, R.; Russel, K.; Smith, P. J.;
Welton, T. Electrochem. Soc. Proc. 2000, 99-41, 161.
19. Song, C. E.; Roh, E. J. Chem. Commun. 2000, 837.
20. Seddon, K. R.; Stark, A. Green Chem. 2002, 119.
21. de Souza, R. F.; Rech,; V. Dupont, J. Adv. Synth. Catal. 2002,
344, 153.
22. Klingshirn, M. A.; Broker, G. A.; Holbrey, J. D.; Shaughnessy, K.
H.; Rogers, R. D. Chem. Commun. 2002, 1394.
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
CF5n6new060310.indd 9
06.3.22 5:28:49 PM
10
Ionic Liquids for Electrochemical Applications
過去 10 年でイオン性液体は、電気化学的用途での非水電解質として
の利用に関して大きな関心を集めてきました。このため、電導度が
電気化学的安定性とともに最も重要な物理特性となっています。蒸
気圧の低さおよび不燃性などの興味深い特性はほかにもあり、数々
の文献ですでに紹介され検討されているように、イオン性液体は多
くの興味深い用途に関して理想的な電解質であると考えられます 1。
電導度
Ionic Liquids for
Electrochemical
Applications
すでに触れたように、きわめて興味深い特性のひとつが電導度で
す。一般的な値は 1.0~10.0 mS/cm 程度です。最近では、イミダゾ
リウムカチオンを利用した電導度が 20 mS/cm を超える興味深い材
料、1-ethyl-3-methylimidazolium thiocyanate(Prod. # 07424) およ
び 1-ethyl-3-methylimidazolium dicyanamide(Prod. # 00796) が発表
されています。
N
N
N
SCN
N
N(CN)2
もちろん、塩化ナトリウムのような一般的な無機塩類の水溶液はさ
らに高い電導度を示します。しかし、食塩水に関してほかの特性を
イオン性液体と比較すると、水性電解質は液体の温度帯が狭く溶媒
である水が揮発性であるという大きな短所が見えてきます。
用途
a) 高い電導度
最も高い電導度を持つ 1-ethyl-3-methylimidazolium thiocyanate お
よび dicyanamide は電気化学的安定性があまり高くありません。し
かしこの両材料は、熱安定性および不揮発性とともに高電導度が
求められるようなあらゆる用途に適しており、色素増感太陽電池用
の 1-dodecyl-3-methylimidazolium iodide(Prod. # 18289) などがあ
ります 2。
b) 高い安定性
電導度が比較的低い一方で電気化学的にきわめて安定な材料に
N-butyl-N-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(Prod.
# 40963)、triethylsulphonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(Prod.
# 08748)、および N-methyl-N-trioctylammonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(Prod. # 00797) があります。いずれもバッテリー 3、燃
料電池 4、金属析出 5、およびナノ粒子の電気化学合成 6 に適した電
解質です。
c) 複合的特性
電導度および電気化学的安定性がともに要求される用途 ( スーパー
キャパシタ 7 やセンサ 8 など ) には、安定性のあるアニオン ( テトラ
フルオロホウ酸やトリフルオロメチルスルホン酸など ) をもつイミダ
ゾリウム塩のイオン性液体が材料として適しています。
電気化学的安定性
Sigma-Aldrich ではお客様の電気化学的用途に特に役立つイオン性液
体製品群をご用意しています。
イオン性液体には、広い電気化学窓というもうひとつのきわめて重
要な特性があります。これは酸化還元プロセスに対する電気化学的
安定性の尺度として知られています。
1-Butyl-2,3-dimethylimidazolium tetrafluoroborate
for electrochemistry, ≥99%
Cation
+ e
Anion
neutral species
neutral species
e
+
電気化学窓は不純物に大きく左右されます。ハロゲン化合物は分子
アニオン ( ビス ( トリフルオロメチルスルホニル ) イミドをはじめとす
る安定な含フッ素アニオンなど ) と比較してはるかに容易に酸化さ
れます。このとき負電荷は広範囲に非局在化します。その結果、電
気化学的安定性はハロゲン化合物の混入によって大きく損なわれま
す。
Cation stability:
<
N
R2
N
N
R2
<
R2
R1
S
R1
R3
R
C9H17BF4N2
FW: 240.05
mp: 37 °C
[402846-78-0]
CH3
N+
N R3
R4
<
AlCl4
<
PF6, BF4
<
04383-5G
04383-50G
5g
50 g
¥5,900
¥17,600
1-Butyl-1-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide for electrochemistry, ≥99.5%
40963-5G
40963-50G
N(SO2CF3)2
Conductivities and Electrochemical Windows
of Selected Materials
Ionic Liquid
a) Highly Conductive
Conductivity
8
CF3
O
N+
CH3 - S O
N
O
S
O
CF3
CH3
Electrochemical
Window
1-Ethyl-3-methylimidazolium dicyanamide
27 mS/cm
2.9 V
21 mS/cm
2.3 V
Triethylsulphonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide
8.2 mS/cm
5.5 V
N-Methyl-N-trioctylammonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide
2.2 mS/cm
5.7 V
N-Butyl-N-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide
2.1 mS/cm
6.6 V
s i g m a - a l d r i c h . c o m
b) Electrochemically Stable
c) Combined Properties
12 mS/cm
4.3 V
1-Ethyl-3-methylimidazolium trifluoromethylsulfonate 8.6 mS/cm
4.3 V
CF5n6new060310.indd 10
5g
50 g
¥22,600
¥63,900
1-Dodecyl-3-methylimidazolium iodide
1-Ethyl-3-methylimdazolium thiocyanate
1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
BF4–
CH3
Anion stability:
Hal
CH3
N
C11H20F6N2O4S2
FW: 422.41
mp: -50 °C
R2
<
8
8
C16H31IN2
FW: 378.34
[81995-09-7]
18289-5G
18289-50G
(CH2)11CH3
N+
N
CH3
5g
50 g
I-
¥33,300
¥91,600
1-Ethyl-2,3-dimethylimidazolium trifluoromethanesulfonate for electrochemistry, ≥99%
C8H13F3N2O3S
FW: 274.26
[174899-72-0]
8
CH3
N+
N
F3C O
CH3 O S O
H3C
00765-5G
00765-50G
5g
50 g
¥31,600
¥87,400
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:28:57 PM
11
Tetraethylammonium trifluoromethanesulfonate, purum, ≥98% T
8
C8H11N5
FW: 177.21
mp: -21 °C
[370865-89-7]
CH3
N+
CN
-
N
N
CN
H3C
00796-5G
00796-50G
5g
50 g
¥31,600
¥86,700
1-Ethyl-3-methylimidazolium nitrate, purum, ≥99% NT
C6H11N3O3
FW: 173.17
mp: 38 °C
[143314-14-1]
CH3
N+ NO –
3
1g
5g
¥10,600
¥36,200
CH3
N+
BF4–
N
H3C
00768-5G
00768-50G
5g
50 g
¥12,000
¥49,400
1-Ethyl-3-methylimidazolium thiocyanate
for electrochemistry, ≥98%
8
CH3
C7H11N3S
FW: 169.25
mp: -6 °C
[331717-63-6]
N+
N
–
SCN
H3C
5g
50 g
¥32,900
¥90,500
1-Ethyl-3-methylimidazolium trifluoromethane
sulfonate for electrochemistry, ≥99%
8
CH3
C7H11F3N2O3S
FW: 260.23
mp: -9 °C
[145022-44-2]
N+
F3C
N
O
H3C
O
S
O-
5g
50 g
¥14,300
¥39,500
Methyl-trioctylammonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide for electrochemistry, ≥99%
8
00797-5G
00797-50G
O
(CH2)7CH3
H3C
+
N (CH2)7CH3
(CH2)7CH3
5g
50 g
-
S
N
O
S
CF3
O
O
CF3
¥17,600
¥47,800
Tetrabutylammonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide,
puriss., for electronic purposes, ≥99% T
C18H36F6N2O4S2
FW: 522.61
mp: 94–96 °C
[210230-40-3]
86838-1G
86838-5G
O
CH2CH3
5g
25 g
¥13,600
¥41,600
Triethylsulfonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide
for electrochemistry, ≥99%
C8H15F6NO4S2
FW: 367.26
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
8
CF3
S
O
N–
O
S
O
CF3
O
S
+
+
1g
5g
5g
50 g
¥15,400
¥46,400
C16H36BrN
FW: 322.37
mp: 102–104 °C
[1643-19-2]
86836-10G
86836-50G
(CH2)3CH3
+
H3C(H2C)3
CF3
S
O
N
O
S
O
CF3
Br-
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
10 g
50 g
¥12,600
¥48,200
Tetrabutylphosphonium tetrafluoroborate, puriss.,
electrochemical grade, ≥99% T
C16H36BF4P
FW: 346.24
mp: 96–99 °C
[1813-60-1]
86934-5G
86934-25G
(CH2)3CH3
+
H3C(H2C)3
P (CH2)3CH3
BF4-
(CH2)3CH3
5g
25 g
¥6,500
¥20,900
Sigma-Aldrich offers, in collaboration with Covalent Associates, Inc., a
set of hydrophobic Ionic Liquids exhibiting excellent thermal stabilities
and resistance to water and oxygen.
1-Butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide, purum, ≥98% NMR
8
CH3
N+
C10H15F6N3O4S2
FW: 419.36
[174899-83-3]
N
O
O
N–
S
S
CF3
O O
F3C
CH3
77896-1G
77896-5G
1g
5g
¥19,400
¥84,600
1-Butyl-3-methylpyridinium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide
purum, ≥97% H-NMR
C12H16F6N2O4S2
FW: 430.39
[344790-86-9]
CH3
O
+
N
14654-1G
14654-5G
-
1g
5g
S
N
O
H3C
O
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
08748-5G
08748-50G
O
S
O-
Tetrabutylammonium bromide puriss.,
electrochemical grade, ≥99% T
8
C6H11BF4N2
FW: 197.97
mp: 11 °C
[143314-16-3]
C27H54F6N2O4S2
FW: 648.85
mp: -50 °C
[375395-33-8]
F3C
+
N CH2CH3
N
1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
for electrochemistry, ≥99%
00738-5G
00738-50G
86651-5G
86651-25G
CH2CH3
H3CH2C
H3C
04363-1G
04363-5G
07424-5G
07424-50G
C9H20F3NO3S
FW: 279.32
mp: 161–163 °C
[35895-69-3]
Ionic Liquids for
Electrochemical
Applications
1-Ethyl-3-methylimidazolium dicyanamide
for electrochemistry, ≥99%
S
CF3
O
O
CF3
¥24,400
¥90,300
-
¥5,300
¥20,900
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ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
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06.3.22 5:29:10 PM
12
1,2-Dimethyl-3-propylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide purum, ≥97% H-NMR
C10H15F6N3O4S2
FW: 419.36
mp: 15 °C
[169051-76-7]
50807-1G
50807-5G
3-Methyl-1-propylpyridinium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide, purum
CH3
N+
N
CH3
1g
5g
CF3
S
O
CH3 N O
S
O
CF3
O
¥29,700
¥79,000
1,2-Dimethyl-3-propylimidazolium tris(trifluoromethylsulfonyl)methide purum, ≥97% H-NMR
Ionic Liquids for
Electrochemical
Applications
C12H15F9N2O6S3
FW: 550.44
[169051-77-8]
74305-1G
74305-2.5G
CH3
¥45,500
¥97,900
39056-1G
39056-5G
N
N
H3C
1g
5g
CH3 F CF C
3
2
+
S
O
S O
F3CF2C O
-N
¥51,300
¥205,000
s i g m a - a l d r i c h . c o m
11291-1G
11291-5G
CF5n6new060310.indd 12
H3C
1g
5g
30565-1G
30565-5G
1g
5g
S
CF3
O
O
N
O
S
CF3
¥24,400
¥50,500
1.
For a general overview: Trulove, C.; Mantz, R. A. “Ionic Liquids in
Synthesis”, Chapter 3.6: Electrochemical Properties of Ionic Liquids,
(P. Wasserscheid, T. Welton eds.), Wiley-VCH, Weinheim, 2003.
2.
Yamanaka, N.; Kawano, R.; Kubo, W.; Kitamura, T.; Wada, Y.;
Watanabe, M.; Yanagida, S. Chem. Commun. 2005, 740–742.
3.
Wilkes, J. S.; Levisky, J. A.; Wilson, R. A. Inorg. Chem. 1982,
21, 1263–1264. Garcia, B.; Lavallée, S.; Perron, G.; Michot, C.;
Armand, M. Electrochim. Acta 2004, 49, 4583–4588.
4.
Yanes, E. G.; Gratz, S. R.; Baldwin, M. J. Anal. Chem. 2001, 73,
3838–3844.
5.
(a) Zell, C. A.; Freyland, W. Langmuir 2003, 19, 7445–7450.
(b) Scheeren, C. W.; Machado, G.; Dupont, J.; Fichtner, P. F. P.;
Texeira, S. R. Inorg. Chem. 2003, 42, 4738–4742. (c) Huang, J.-F.;
Sun, I.-W. J. Chromat. A 2003, 1007, 39–45.
6.
(a) Zhou, Y.; Antonietti, M. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 14960–
14961. (b) Zhou, Y.; Antonietti, M. Chem. Mater. 2004, 16, 544–
550.
7.
Sato, T.; Masuda, G.; Takagi, K. Electrochim. Acta 2004, 49,
3603–3611.
8.
See: http://www.iolitec.de.
O
1-Ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide purum, ≥97% H-NMR
C8H11F6N3O4S2
FW: 391.31
mp: -17 °C
[174899-82-2]
-
CH3
CF3
O
1-Ethyl-3-methylimidazolium bis(pentafluoroethylsulfonyl)imide purum, ≥97% H-NMR
C10H11F10N3O4S2
FW: 491.33
mp: -1 °C
[216299-76-2]
O
N+
References
O
S
N+
O
F3C S C- O
CH3
S
N
O
O CF
3
CH3
1g
2.5 g
CH3
C11H14F6N2O4S2
FW: 416.36
mp: 0 °C
CH3
O
N+
O S CF3
-N
N
O S CF3
O
¥19,900
¥81,200
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:29:27 PM
13
Enzymatic Reactions in Ionic Liquids
近年、イオン性液体中での酵素による多数の合成反応が確立されて
います。一般的な有機溶媒中での反応と比較すると、酵素の活性お
よび安定性が向上している例が多くみられます。さらに、位置、立
体、およびエナンチオの各選択性も優れています。
最近ではリパーゼがきわめて有望な結果を示しています。合成用の
リパーゼで主流の一つとなっているのは candida antarctica 由来リ
パーゼ (CALB) です。CALB は 4- ペンテン酸による 1- フェニルエチ
ルアミンのエナンチオ選択的なアシル化を触媒します (Scheme 1)。
O
CH3
+
NH2
Ph
CH3
CALB
NH2
Ph
OH
R
CH3
+
NHCOR
Ph
R = CH2=CHCH2CH2-
Scheme 1
生成するアミドの不斉収率は無溶媒系では 59%ee にすぎません 1
が、イオン性液体では 99%ee を超えています。変換率が最も高
いのは 1-butyl-2,3-dimethylimidazolium trifluoromethanesulfonate
(Prod. # 00765) および1-ethyl-3-methylimidazolium trifluoromethanesulfonate(Prod. # 04367) です 2。
同じく、ブタン酸エチルで CALB が介するトランスエステル化反応
では、従来の有機溶媒と比較して 1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate (Prod. # 70956) に高い変換率が認められています 3。
イオン性液体の安定化効果のため、溶媒に 1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate を用いれば CALB による Lotrafiban 前駆
体の酵素的分割では反応温度を 75°C まで高めることができます
(Scheme 2)。これにより、生成物の生成速度が t-ブタノールとの比
較で 4 倍に向上します 4。
H3CO2C
HO2C
H
N
H
N
CALB
O
O
N
N
CH3
Scheme 2
CH3
イオン性液体中では candida rugosa 由来リパーゼ (CRL) も活性を
示します。メチル -6-O - トリチル - グルコシドおよびガラクトシドは
CRL によって酵素的にアシル化されます (Scheme 3 ) 。反 応の 位
置選択性は THF 溶媒中での 80% から 1-butyl-3-methylimidazolium
hexafluorophosphate 中では 98% へ向上しました 5。
Pseudomonas cepacia 由来 PS-C リパーゼは 3,4,6- トリ -O - アセチル
-D- グルカールを加水分解します (Scheme 6)。THF 中での位置選択
性は 20% 未満ですが、1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate 中では 80% まで向上します 8。
OAc
OTr
OTr
H2C
HO
OAc OH
CRL は、2 位が置換されたプロピオン酸のブタノールによるエステル
化にも同じように作用します (Scheme 4)。1-methyl-3-octylimidazolium hexafluorophosphate(Prod. # 69230) を用いることにより、エナ
ンチオ選択性が向上し、CRL は、活性やエナンチオ選択性をほとん
ど損なうことなく 5 回リサイクルすることができます 6。
X
X
H3C
H3C
Bu-OH
O
OH
+
NHAc
H3C
O
O
エーテルヒドロラーゼもイオン性液体中で作用します。組換え型の
可溶性エポキシドヒドロラーゼ 12 は、立体収束プロセスによってト
ランス - β - メチルスチレンオキシドを加水分解し、光学活性をも
つ (1S,2R)-erythro-1-phenylpropane-1,2-diol を生じます (Scheme 8)。
1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate では ee が 90% に
達します 13。
O
OH
epoxide hydrolase
CH3
Ph
CH3
OH
Bacillus circulans 由来のβ - ガラクトシダーゼは、トランスグリコシ
ル化反応で N- アセチルラクトサミン合成を触媒することができます
(Scheme 9)。1,3-dimethylimidazolium dimethylsulfate を 25% 添加す
ると、生成物の二次加水分解が抑制されます。これによって収率は
旧来の有機溶媒中での収率の 2 倍の約 60% になります 14。
OH
OH
O
HO
HO
HO OH
Scheme 9
O
HO
OH OH
β-galactosidase
+
HO OH
OH
HO
O
HO
HO
OH
+
O
Pseudomonas cepacia 由来の PEG リパーゼ PS は、けい皮酸ビニ
ルとベンジルアルコールとの alcoholysis を触媒します (Scheme 5)。
1-octyl-4-methylimidazolium hexafluorophospate 中では、有機溶媒
中の 8 倍の酵素活性が示されました 7。
CH2
CO2Et
メタロプロテイナーゼもイオン性液体中で利用可能です。亜鉛プロ
テアーゼのサーモリシンは (Z)- アスパルテームの酵素的合成に用い
られます。1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate 中での
サーモリシン活性は旧来の有機溶媒中での活性に匹敵します。酵素
の安定性は固定化した酵素に引けをとりません 11。
OH
PEG-Lipase
Ph
Scheme 7
OBu
Scheme 4
O
NH2
BL-alcalase
CO2Et
Ph
AcHN
X = Cl, Br, MeO, PrO, i-PrO, PhO
O
OH
セリンプロテアーゼであるα - キモトリプシンは、イオン性液体中
でのトランスエステル化反応により、エチルエステルから N - アセチ
ル -L- チロシンプロピルエステルを生成します。1-butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate および 1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoro-methylsulfonyl)imide(Prod. # 11291) 中でのαキモト
リプシンの酵素安定性および変換率は、プロパノール中と比較して
明確に向上します 9。市販のセリンタイプエンドプロテイナーゼであ
る Bacillus licheniforms 由来 BL アルカラーゼは、イオン性液体中で
ホモフェニルアラニンエステルの酵素的分割を触媒します (Scheme
7)。1-ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate(Prod. # 04365)
および 4-ethylpyridinium tetrafluoroborate 中では、光学的純度およ
び収率が向上します 10。
X
CRL
OH
AcO
OAc
Scheme 8
O
HO
CRL
OH OH
Scheme 3
HO
OAc
O
O
PS-C-lipase
AcO
Scheme 6
Ph
HO
OAc
O
Enzymatic Reactions in
Ionic Liquids
Dr. F. Bordusa, Max Planck Research Unit for Enzymology of Protein
Folding, Weinbergweg 22, 06120 Halle/Saale, Germany.
O
OH OH
OH
O
HO
AcHN
O
HO
O
AcHN
OH
生物有機変換反応および酵素反応に適したイオン性液体試薬は次
ページをご覧ください。
O
O
Scheme 5
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
CF5n6new060310.indd 13
06.3.22 5:29:36 PM
14
1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate
purum, ≥96% T
1-Ethyl-3-methylimidazolium tosylate, purum, ≥98% T
C8H15F6N2P
FW: 284.18
mp: 11 °C
[174501-64-5]
CH3
N+
PF6-
N
89155-5G
89155-50G
H3C
70956-5G
70956-50G
70956-250G
5g
50 g
250 g
¥5,100
¥33,000
¥90,000
1-Butyl-3-methylimidazolium octyl sulfate, purum, ≥95% T
Enzymatic Reactions in
Ionic Liquids
C16H32N2O4S
FW: 348.50
mp: 33 °C
[445473-58-5]
CH3
N+
N
–
O
O S O(CH2)7CH3
O
H3C
75059-5G
75059-50G
5g
50 g
¥8,300
¥49,300
1-Butyl-3-methylimidazolium tosylate, ≥98.5%
8
C15H22N2O3S
FW: 310.41
SO3–
CH3
N+
N
CH3
H3C
00806-5G
00806-50G
C13H18N2O3S
FW: 282.36
mp: 25–35 °C
[328090-25-1]
5g
50 g
¥31,300
¥86,100
1-Butyl-4-methylpyridinium tetrafluoroborate, purum, ≥97% T
C10H16BF4N
FW: 237.05
mp: <30 °C
[343952-33-0]
CH3
N+
BF4-
CH3
SO3–
N+
N
H3C
5g
50 g
CH3
¥12,300
¥73,800
1-Hexyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate,
purum, ≥97% NMR
C10H19BF4N2
FW: 254.08
mp: -81 °C
[244193-50-8]
73244-5G
73244-50G
CH3
N+
(CH2)5CH3
5g
50 g
¥23,500
¥64,900
1-Methyl-3-octylimidazolium hexafluorophosphate,
purum, ≥95% T
C12H23F6N2P
FW: 340.29
mp: <-40 °C
[304680-36-2]
69230-5G
69230-25G
8
(CH2)7CH3
N+
PF6–
N
CH3
5g
25 g
¥8,000
¥32,000
1-Methyl-3-octylimidazolium tetrafluoroborate,
purum, ≥97% AT
8
C12H23BF4N2
FW: 282.13
mp: -88 °C
[244193-52-0]
96324-5G
96324-50G
BF4-
N
CH3
N+
BF4–
N
(CH2)7CH3
5g
50 g
¥16,600
¥46,000
H3C
73261-5G
73261-50G
5g
50 g
¥15,700
¥43,300
1,3-Dimethylimidazolium methyl sulfate, purum, ≥97% NMR
C6H12N2O4S
FW: 208.24
[97345-90-9]
93607-5G
93607-50G
CH3
N+ H CO
3
N
O
CH3
5g
50 g
O
S
O-
¥10,500
¥29,200
1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate, purum, ≥97% T
CH3
C6H11BF4N2
FW: 197.97
mp: 11 °C
[143314-16-3]
s i g m a - a l d r i c h . c o m
04365-1ML
04365-5ML
04365-50ML
CF5n6new060310.indd 14
N+
BF4–
N
CH3
1 mL
5 mL
50 mL
¥4,400
¥12,100
¥67,200
References:
1
Irimescu, R. et al. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 523.
2.
Irimescu, R. et al. J. Mol. Catal. B: Enzym. 2004, 30, 189.
3.
Lau, R. M et al. Org. Lett. 2000, 2, 4189.
4.
Roberts, N. J. et al. Green Chem. 2004, 6, 475.
5.
Kim, M.-J. et al. J. Mol. Catal. B: Enzym. 2003, 26, 115.
6.
Ulbert, O. et al. J. Mol. Catal. B: Enzym. 2004, 31, 39.
7.
Maruyama, T. et al. Biotechnol. Lett., 2002, 24, 1341.
8.
Nara, S. J. et al. J. Mol. Catal. B: Enzym. 2004, 28, 39.
9.
Lozano, P. et al. Biotechnol. Bioeng. 2001, 75, 563.
10.
Zhao, H. et al. Biotechnol. Prog. 2003, 19, 1016.
11.
Erbeldinger, M. et al. M. Biotechnol. Prog. 2000, 16, 1129.
12.
Morissea, C. et al. Arch. Biochem. Biophys. 2000, 378, 321.
13.
Chiappe et al. J. Mol. Catal. B: Enzym. 2004, 27, 243.
14.
Kaftzik, N. et al. Org. Process Res. Dev. 2002, 6, 553.
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:29:46 PM
15
CYPHOS® Phosphonium Ionic Liquids
ホスホニウム塩のイオン性液体には次のような特長があります。
• ホスホニウム塩は対応するアンモニウム塩およびイミダゾリウム
塩と比較して高い熱安定性をもっています。100°
C を超える温
度で行うプロセス ( 反応生成物の蒸留による抽出など ) にはこ
れがきわめて重要です。また、分解物による汚染の回避は溶媒
の反復使用に不可欠です。
• ホスホニウムカチオンには酸性プロトンがありません。そのた
めイミダゾリウム塩のイオン性液体で問題となりかねない塩基
性条件 ( カルベン形成 ) で安定です。
• ホスホニウム塩は一般に水より軽く、生成物の精製工程でこれ
が有利に働く場合があります。
Sigma-Aldrich は、Cytec Industries 社と共同で、ホスホニウムカチオ
ンを利用した新たなイオン性液体を提供しています。
Trihexyltetradecylphosphonium bis(2,4,4-trimethylpentyl)phosphinate, purum
C48H102O2P2
FW: 773.27
mp: -71 °C
8
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+ (CH2)13CH3
(CH2)5CH3 H C
3
CH3
O
t-Bu
28612-5G
28612-50G
5g
50 g
P
O–
¥3,700
¥12,700
Trihexyltetradecylphosphonium bis(trifluoromethylsulfonyl)amide, purum
C34H68F6NO4PS2
FW: 764.00
mp: -50 °C
[460092-03-9]
50971-5G
50971-50G
96662-5G
96662-50G
H3C(H2C)5 P+ (CH2)13CH3
(CH2)5CH3
–
F3CO2S N SO2CF3
5g
50 g
¥7,300
¥45,200
8
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+ (CH2)13CH3
(CH2)5CH3
5g
50 g
89744-5G
89744-50G
8
(CH2)13CH3
(CH2)5CH3
5g
50 g
8
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+ (CH2)13CH3
(CH2)5CH3
O
H3C(H2C)8
50826-5G
50826-50G
5g
50 g
C34H68N3P
FW: 549.90
mp: -50 °C
56776-5G
56776-50G
8
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+
(CH2)13CH3
–
(CH2)5CH3
5g
50 g
NC N CN
¥4,600
¥23,900
Trihexyltetradecylphosphonium hexafluorophosphate,
purum
C32H68F6P2
FW: 628.82
[374683-44-0]
40573-5G
40573-50G
8
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+ (CH2)13CH3
(CH2)5CH3 PF –
6
5g
50 g
¥4,600
¥23,900
Trihexyltetradecylphosphonium tetrafluoroborate,
purum
C32H68BF4P
FW: 570.66
mp: 17 °C
[374683-55-3]
15909-5G
15909-50G
8
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+ (CH2)13CH3
(CH2)5CH3
5g
50 g
BF4–
¥3,700
¥12,700
Triisobutylmethylphosphonium tosylate, purum
C20H37O3PS
FW: 388.54
mp: -50 °C
[344774-05-6]
O–
¥3,700
¥12,700
Trihexyltetradecylphosphonium dicyanamide, purum
90145-5G
90145-50G
8
SO3–
CH3
H3C
H3C
P+ CH3
CH3
CH3
CH3
CH3
5g
50 g
¥3,300
¥12,700
References
1.
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5 P+
C42H87O2P
FW: 655.11
mp: -9 °C
Br–
¥3,300
¥12,700
Trihexyltetradecylphosphonium chloride, purum
C32H68ClP
FW: 519.31
mp: -70 °C
[258864-54-9]
8
(CH2)5CH3
Trihexyltetradecylphosphonium bromide, purum
C32H68BrP
FW: 563.76
mp: 45–47 °C
t-Bu
Trihexyltetradecylphosphonium decanoate, purum
CYPHOS® Phosphonium
Ionic Liquids
一般式 [PR3R ] + で表されるホスホニウムカチオンからは、適切なア
ニオンを選択することによって室温で液体のホスホニウム塩が種々
得られ、融点が 100°C 未満のものも多数あります。
Bradaric, C. J.; Downard, A.; Kennedy, C.; Robertson A. J.; Zhou,
Y. Green Chem. 2003, 5, 143
Cl–
¥3,300
¥12,700
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06.3.22 5:29:56 PM
16
Ionic MALDI Matrices—Improve Your Performance
Ionic MALDI Matrices
イオン性マトリックス物質は、有機酸および有機塩基からなる新た
なマトリックスです。イオン性マトリックス、特に低融点のものには、
すばらしい特徴があります。そのマトリックス系は、ほかの一般的
なマトリックスと比較して基質溶解性に優れ、蒸気圧がゼロに近い
イオン性液体の薄層で均質な試料が調製されます 2。これにより、
標準的なマトリックスと比較して容易に定性および定量分析が行え
るようになりました。
Intens. [a.u.]
1296.626
0.8
1619.878
0.6
0.4
0.2
0.0
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
m/z
c) Angiotensin II (M = 1046.5), S/N = 104, Res. (M/ΔM) = 1218
グラフは、a) HCCA、b) HCCAブチルアミンマトリックス、C) HCCAジ
エチルアミンマトリックスを使用した質量スペクトルを比較したもの
です。イオン性マトリックスには高い分解能が認められます。標準的
マトリックスとはピークのパターンも異なっており、複雑なペプチド混
合物の分析に適していると考えられます。分析したペプチド混合物に
は、ブラジキニン1-7, [M+H] + = 757.411、アンジオテンシンII, [M+H] +
=1046.504、アンジオテンシンI , [M+H] + = 1296.623、サブスタンス
P, [M+H] + =1347.673、ボンベシン, [M+H] + =1619.741、レニン基質,
[M+H] + =1758.832が含まれています。
イオン性マトリックスの特徴と利点
• 分解能の向上
• 再現性
• 高い SN 比
• 定量性
α-Cyano-4-hydroxycinnamic acid Diethylamine salt,
puriss. p.a., matrix substance for MALDI-MS, ≥99% HPLC
C10H7NO3 · C4H11N
FW: 262.30
[355011-52-8]
8
O-
O
CN
H3C
N
CH3
H2+
OH
1347.552
1046.629
757.390
Intens. [a.u.]
x10 4
1347.663
1046.645
1.0
イオン性マトリックスでは極めて均質な液滴が得られることが示され
たことから、1 回の測定の再現性が大幅に向上し、
「ホットスポット」
の探索が不要となっています。イオン性マトリックスは、小分子の定
性および定量分析に特に適しています 3。
Sigma-Aldrich のイオン性マトリックス、α -cyano-4-hydroxycinnamic
acid diethyl amine(HCCA ジエチルアミン, Prod. # 55341) および
α -cyano-4-hydroxycinnamic acid butyl amine(HCCA ブチルアミン,
Prod. # 67336) は、きわめて高い純度をもっています。この高純度マ
トリックスを利用すれば、高い SN 比のみならず高い分解能が得られ
るでしょう。
1.2
1758.930
一般的なマトリックス物質は有効性の高いイオン化および低い蒸気
圧を示します。固体マトリックスの主な短所の一つは、分析物が固
体マトリックス全体から均一に分散されないことが挙げられます。
通常、標的物質は試料中のほかの成分 ( 不純物 ) とともに分離され、
これが調製の不均質さおよび再現性の低さにつながります。MALDIMS を定量分析に用いる場合は特に、点着試料内の分析物分布の不
均一さが重大な問題となります 1。液体マトリックスには調製が均一
に行われるなどの長所がありますが、通常は揮発性の問題があり、
安定性のない制御不能なマトリックスとなってしまいます。質量分
解能およびイオン化効率が低く化学的バックグラウンドが高いため、
UV-MALDI-MS への使用には制約があります。
x10 4
757.375
主として巨大分子を解析するための MALDI-MS がきわめて有用であ
るのは、試料をマトリックス物質に埋め込むことによるものです。こ
れにより、ペプチドやタンパク質、オリゴヌクレオチドなど、熱に不
安定な不揮発性の巨大化合物から完全な気相イオンが容易に生成す
るようになりました。この技術でマトリックスが果たす重要な役割
は、レーザー光のエネルギーを吸収し、標的基質の一部を気化させ
ることです。
1.25
55341-100MG
55341-1G
55341-10X10MG
1619.635
1296.241
1.00
100 mg
1g
10 × 10 mg
¥2,400
¥7,400
¥2,400
0.75
α-Cyano-4-hydroxycinnamic acid Butylamine salt,
puriss. p.a., matrix substance for MALDI-MS, ≥99% HPLC
1758.731
0.50
0.25
0.00
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
m/z
C10H7NO3 · C4H11N
FW: 262.30
[355011-53-9]
O
CN
NH3+
OH
67336-100MG
67336-1G
67336-10X10MG
100 mg
1g
10 × 10 mg
¥2,400
¥7,400
¥2,400
1295.303
6000
1346.925
1045.284
757.367
Intens. [a.u.]
O-
H3C
a) Angiotensin II (M = 1046.5); S/N = 74; Res. (M/ΔM) = 341
8000
8
1619.432
References
1758.690
4000
1.
Garden, R. W.; Swedler, J. V. Anal. Chem. 2000, 72, 30.
2.
Armstrong, D. W.; Zhang, L.-K.; He, L.; Gross, M. L. Anal. Chem.
2001, 73, 3679.
3.
Zabet-Moghaddam, M.; Heinzle, E.; Tholey, A. Rapid Commun.
Mass Spectrom. 2004, 18, 141.
s i g m a - a l d r i c h . c o m
2000
0
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
m/z
b) Angiotensin II (M = 1046.5), S/N = 63, Res. (M/ΔM) = 764
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17
Task-Specific Ionic Liquids
Roland St. Kalb and Michael J. Kotschan, proionic Production of Ionic
Substances GmbH, Leoben, Austria.
水溶液から重金属を選択的に液/液抽出するというある特定の目的
に適したイオン性液体 (Task-Specific Ionic Liquids, TSILs)は、Robin D.
Rogersらによって2001年に初めて発表されました1。チオエーテル、尿
素、またはチオ尿素誘導体化した側鎖を持つイミダゾリウムカチオン
は金属と結合する部分として作用し、PF6 -アニオンは求められる疎水
性をもたらします(Figure 1)。Cd2+およびHg2+のネルンスト分配比は
380以下と報告されています。
S
N
N
H
Figure 3: Extraction of Copper
PF6
N
H
Figure 1: Thiourea derivatized Ionic Liquid
このイオン性液体は、特定の官能性を付与して明確な化学特性を体
現した最初のものであり、それゆえ紛れもなく「デザイナー溶媒」と
呼ぶことができるものです。
しかし、この先駆的なイオン性液体には大きな欠点があります。PF6 アニオンは加水分解にきわめて弱いことが知られ、毒性および腐食
性をもつ HF やフッ化物を生ずるのです。イミダゾリウムカチオンの
毒性は評価が困難で、毒性試験は費用面でリスクがあります。また
フッ素化合物の処理は困難で費用がかかります。大規模な合成は複
雑で出発原料は高価です。
二層に分離するには長い時間を要することがありますが、これは
TOMATSの粘度が20°Cで1500 mPa.sと比較的高いためです。この欠点
は、酢酸エチルやジクロロメタンのような水不混和性の有機溶媒を
数パーセント加えたり(粘度が数百mPa.sに低下します)、加熱したりし
て解消することができます。
遠心分離機を使用したり、振盪前の水層に硫酸ナトリウムを少量加
えることによってさらに効率よく分離されます。水層が混濁している
場合は、一般的なメンブランフィルター ( 孔径 µm レベル ) で濾過す
ることができます。
Characterization of TOMATS
外観: オリーブグリーン色の粘性液体
THF、
アセトニトリル、
アセトン、
溶解性: • アルコール、酢酸エチル、
ジクロロメタン、DMSO に可溶
Trioctylmethylammonium thiosalicylate(TOMATS): 水
• 水、ヘキサンに不溶
溶液から重金属を抽出するための新しい高性能イオン性液体
ネルンスト分配係数:1 Cd2+ >1500; Cu2+ >3000;
Pb2+, Hg2+ >5000
そのような欠点を克服して特にスケールアップの可能性を視野に
20
屈折率: nD = 1.5185
入れ、また性能の向上を目的として、proionic Production of Ionic
Substances 社は Trioctylmethylammonium thiosalicylate( TOMATS 、 水への溶解度: <0.5%
Prod. # 08354、Figure 2) という新たなイオン性液体を開発しました。 比重・粘度:
TOMATS 100%
C8H17
H3C
N
C8H17
C8H17
CO2
SH
Figure 2: TOMATS
TOMATS はフッ素を含まず、いかなる加水分解も受けることがあり
ません。そのため HF やフッ化物が遊離せず、腐食性もなく、処理が
はるかに容易です。カチオンの毒性は、塩化トリオクチルアンモニウ
ム ( 相間移動触媒 ) のような一般的な化合物として知見があります。
アニオンの毒性はチオサリチル酸およびチオサリチル酸塩から知ら
れており、刺激性があります。重金属の分配係数は通常 1500~5000
の間で、これはよく知られたチオール酸エステル‐金属塩の形成に
加えてオルト位のカルボニル基のキレート作用によって説明されると
考えられます。TOMATS の合成は容易で、工業生産規模での生産が
可能です。
TOMATS の用途
青色の Cu2+‐テトラミン水層 ( 左の試験管 ) から銅を抽出する様子
を Figure 3 に示します。イオン性液体 TOMATS を加えると、振盪し
なくても良好な拡散がみられ、銅を含まない無色の層および銅を含
む暗色の層が上部に観察されます ( 中央の試験管 )。振盪して静置す
ると、銅はすべて上層に抽出され、暗色の有機銅化合物が形成され
ます ( 右の試験管 )。
Task-Specific Ionic Liquids
N
TOMATS 95% (5% ethyl acetate)
T [°C]
d [g/cm3]
η [mPa.s]
d [g/cm3]
η [mPa.s]
20
0.9556
1.500
0.9534
509
40
0.9445
352
0.9424
158
60
0.9325
119
0.9300
63
80
0.9213
50
0.9185
30
Methyltrioctylammonium thiosalicylate, purum
C32H59NO2S
FW: 521.88
m.p.: <10 °C
08354-1G
08354-5G
8
O
(CH2)7CH3
+
H3C
OSH
N (CH2)7CH3
(CH2)7CH3
1g
5g
¥20,300
¥55,900
その他の Task-Specific イオン性液体
最近では、スルホン酸基を持つ両性イオンのイオン性液体が、旧来
型の酸の代替品として酸触媒反応に利用されています 2。
4-(3-Butyl-1-imidazolio)-1-butanesulfonic acid triflate
8
SO3H
C12H21F3N2O6S2
FW: 410.43
[439937-63-0]
N+
F3C SO3-
N
(CH2)3CH3
19597-5G
19597-50G
5g
50 g
¥42,500
¥116,900
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
CF5n6new060310.indd 17
06.3.22 5:30:09 PM
18
4-(3-Butyl-1-imidazolio)-1-butanesulfonate
8
C11H20N2O3S
FW: 260.35
[439937-61-8]
SO3N+
3-(Triphenylphosphonio)propane-1-sulfonate
8
C21H21O3PS
FW: 384.43
[116154-22-4]
P+
N
SO3-
(CH2)3CH3
51131-5G
51131-50G
5g
50 g
¥41,400
¥124,000
3-(Triphenylphosphonio)propane-1-sulfonic acid
tosylate
C28H29O6PS2
FW: 556.63
[439937-65-2]
8
¥36,200
¥81,800
1.
Aqueous phase with 5 to 50 ppm metal, 1:1 extraction. Visser,
A. E.; Swatloski, R. P.; Reichert, W. M.; Rogers, R. D.; Mayton, R.;
Sheff, S.; Wierzbicki, A.; Davis Jr., J. H. Chem. Commun. 2001, 135.
2.
(a) Cole, A. C.; Jensen, J. L.; Ntai, I.; Tran, K. L. T; Weaver, K.
J.; Forbes, D. C.; Davis, Jr., J. H. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124,
5962–5963. (b) Gu, Y.; Shi, F.; Deng, Y. Catalysis Communications
2003, 4, 597–601.
+
P
07349-5G
07349-50G
5g
50 g
References
SO3-
SO3H
Task-Specific Ionic Liquids/
Imidazolium-Based
Ionic Liquids
53166-5G
53166-50G
5g
50 g
CH3
¥21,900
¥60,400
Imidazolium-Based Ionic Liquids
1-Allyl-3-methylimidazolium chloride
8
C7H11ClN2
FW: 158.63
mp: 55 °C
[65039-10-3]
CH3
N+
43961-5G
43961-50G
5g
50 g
8
C11H13ClN2
FW: 208.69
mp: 70 °C
[36443-80-8]
CH3
N+
5g
50 g
C11H13F6N2P
FW: 318.20
mp: 136 °C
[433337-11-2]
8
CH3
N+
N
5g
50 g
40819-5G
40819-50G
CF5n6new060310.indd 18
PF6-
¥16,800
¥46,300
1-Benzyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate
8
CH3
N+
C11H13BF4N2
FW: 260.04
mp: 77 °C
[500996-04-3]
N
5g
50 g
N+
PF6–
N
H3C
94049-1G
94049-5G
1g
5g
¥13,200
¥52,600
1-Butyl-2,3-dimethylimidazolium chloride, ≥97% AT
8
CH3
C9H17ClN2
FW: 188.70
mp: 89 °C
[98892-75-2]
+
N
Cl–
CH3
N
CH3
¥12,600
¥38,000
1-Benzyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate
39447-5G
39447-50G
Cl-
N
8
(CF2)5CF3
C15H16F19N2P
FW: 616.24
mp: 120–121 °C
[313475-52-4]
¥14,500
¥43,700
1-Benzyl-3-methylimidazolium chloride
49914-5G
49914-50G
s i g m a - a l d r i c h . c o m
Cl-
N
1-Butyl-1-(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-tridecafluorooctyl)imidazolium hexafluorophosphate, purum, ≥97% NMR
BF4-
¥16,800
¥46,200
19122-5G
19122-50G
5g
50 g
¥5,300
¥23,200
1-Butyl-2,3-dimethylimidazolium chloride,
purum, ≥97% AT
8
C9H17ClN2
FW: 188.70
mp: 89 °C
[98892-75-2]
CH3
+
N
N
Cl–
CH3
CH3
78194-5G
78194-50G
5g
50 g
¥5,700
¥31,600
1-Butyl-2,3-dimethylimidazolium hexafluorophosphate, purum, ≥97% T
8
CH3
C9H17F6N2P
FW: 298.21
[227617-70-1]
N+
N
CH3
PF6–
CH3
70869-5G
70869-50G
5g
50 g
¥12,200
¥55,400
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:30:19 PM
19
8
CH3
C9H17BF4N2
FW: 240.05
mp: 37 °C
[402846-78-0]
N+
CH3
N
BF4–
1-Butyl-3-methylimidazolium trifluoromethanesulfonate, purum, ≥95% NMR
C9H15F3N2O3S
FW: 288.29
mp: 13 °C
[174899-66-2]
8
+N
5g
50 g
N
O
CH3
¥4,800
¥18,200
76420-5G
76420-25G
1-Butyl-3-methylimidazolium 2-(2-methoxyethoxy)ethyl sulfate, purum, ≥95% T
1-Ethyl-2,3-dimethylimidazolium chloride,
purum, ≥97% T
C13H26N2O6S
FW: 338.42
C7H13ClN2
FW: 160.64
mp: 181 °C
[92507-97-6]
CH3
N+
N
O
F3C S O–
CH3
70863-5G
70863-50G
CH3
O
–
O S O(CH2CH2O)2CH3
O
5g
25 g
¥8,200
¥32,200
8
+N
CH3
Cl–
CH3
N
CH3
CH3
67421-5G
67421-50G
5g
50 g
¥9,200
¥54,700
1-Butyl-3-methylimidazolium bromide, purum, > 97% T
C8H15BrN2
FW: 219.12
mp: 77 °C
[85100-77-2]
95137-5G
95137-50G
CH3
N+
Br-
N
5g
50 g
¥7,200
¥18,700
C8H15ClN2
FW: 174.67
mp: 41 °C
[79917-90-1]
N+
Cl-
N
5g
50 g
250 g
¥4,500
¥12,500
¥53,100
1-Butyl-3-methylimidazolium methyl sulfate, purum, ≥97% NMR
C9H18N2O4S
FW: 250.32
mp: 25 °C
[401788-98-5]
CH3
+
N
H3CO O
S
O O-
N
H3C
5g
50 g
¥35,900
¥99,600
1-Butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate, purum, ≥97% T
C8H15BF4N2
FW: 226.02
mp: -71 °C
[174501-65-6]
CH3
+
N
BF4–
1-Ethyl-3-methylimidazolium bromide, purum, ≥97% T
CH3
C6H11BrN2
FW: 191.07
mp: 53 °C
[65039-08-9]
N+
Br-
N
H3C
89483-5G
89483-50G
5g
50 g
5g
50 g
250 g
¥6,500
¥27,000
CH3
N+
Cl-
C6H11ClN2
FW: 146.62
mp: 89 °C
[65039-09-0]
72924-5G
72924-50G
N
H3C
5g
50 g
¥4,400
¥22,000
1-Ethyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate
purum, ≥97% CE
C6H11F6N2P
FW: 256.13
mp: 62 °C
[155371-19-0]
46093-1G
46093-5G
46093-50G
N+
N
1g
5g
50 g
PF6–
¥4,800
¥8,500
¥51,000
1-Ethyl-3-methylimidazolium methyl sulfate, ≥99%
8
CH3
C7H14N2O4S
FW: 222.26
[516474-01-4]
N+
N
H3C
18086-5G
18086-50G
CH3
CH3
N
H3C
91508-5G
91508-50G
91508-250G
¥9,800
¥42,000
1-Ethyl-3-methylimidazolium chloride, purum,
Ionic solvent, ≥97% AT
CH3
H3C
83086-5G
83086-50G
5g
50 g
H3C
1-Butyl-3-methylimidazolium chloride, purum, ≥95% AT
94128-5G
94128-50G
94128-250G
78151-5G
78151-50G
Imidazolium-Based
Ionic Liquids
1-Butyl-2,3-dimethylimidazolium tetrafluoroborate
purum, ≥98% T
5g
50 g
H3CO O
S
O
O-
¥9,200
¥27,500
¥9,700
¥33,000
¥91,800
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
CF5n6new060310.indd 19
06.3.22 5:30:31 PM
20
1-Ethyl-3-methylimidazolium trifluoromethanesulfonate,
purum, ≥98% T
CH3
C7H11F3N2O3S
FW: 260.23
mp: -9 °C
[145022-44-2]
04367-1ML
04367-5ML
04367-25ML
1-Methyl-3-octylimidazolium chloride, purum, ≥97% AT
+
N
F3C
O
N
O
S
O-
1 mL
5 mL
25 mL
¥5,900
¥17,500
¥50,400
CH3
Imidazolium-Based
Ionic Liquids
C10H19ClN2
FW: 202.72
mp: -75 °C
[171058-17-6]
N+
Cl-
N
(CH2)5CH3
5g
50 g
¥7,200
¥20,000
1-Hexyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate,
purum, ≥97% T
8
CH3
C10H19F6N2P
FW: 312.24
mp: -80 °C
[304680-35-1]
89320-5G
89320-50G
N+
5g
50 g
¥7,000
¥41,000
8
(CH2)5CH3
C12H21F3N2O3S
FW: 330.37
mp: <30 °C
[460345-16-8]
N+
5g
25 g
C12H21F3N2O3S
FW: 330.37
[460345-16-8]
¥16,000
¥63,800
8
(CH2)5CH3
N+
F3C SO3–
s i g m a - a l d r i c h . c o m
5g
50 g
¥5,800
¥19,700
1-Methyl-3-octylimidazolium trifluoromethanesulfonate, ≥97% T
(CH2)7CH3
C13H23F3N2O3S
FW: 344.39
[403842-84-2]
42471-5G
42471-25G
8
N+
F3C SO3–
N
CH3
5g
25 g
¥13,700
¥54,600
1-Methyl-3-octylimidazolium trifluoromethanesulfonate, purum, ≥97% T
8
C13H23F3N2O3S
FW: 344.39
[403842-84-2]
68902-5G
68902-25G
(CH2)7CH3
N+ F3C
N
CH3
O
O
S
O-
5g
25 g
¥14,700
¥58,800
1,2,3-Trimethylimidazolium trifluoromethanesulfonate, ≥98.5%
8
C7H11F3N2O3S
FW: 260.23
CH3
N+
F3C
O
CH3 O S
N
OCH3
05942-5G
05942-50G
5g
50 g
¥49,300
¥136,000
1-Butyl-3-methylimidazolium dicyanamide, ≥99%
8
C10H15N5
FW: 205.26
mp: -6 °C
[448245-52-1]
CH3
N+
CN
-
N
N
CN
H3C
5g
25 g
C12H10F19N2P
FW: 574.16
mp: 80 °C
[313475-50-2]
CF5n6new060310.indd 20
95803-5G
95803-50G
N
CH3
¥16,000
¥63.800
1-Methyl-3-(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-tridecafluorooctyl)imidazolium hexafluorophosphate, purum,
≥97% NMR
44979-1G
Cl-
N
(CH2)7CH3
F3C SO3–
N
CH3
1-Hexyl-3-methylimidazolium trifluoromethanesulfonate, purum, ≥95% T
67476-5G
67476-25G
PF6–
N
(CH2)5CH3
1-Hexyl-3-methylimidazolium trifluoromethanesulfonate, ≥95% T
49980-5G
49980-25G
CH3
N+
CH3
1-Hexyl-3-methylimidazolium chloride, purum, ≥97% AT
87929-5G
87929-50G
C12H23ClN2
FW: 230.78
mp: <0 °C
[64697-40-1]
8
(CF2)5CF3
N+
55220-5G
55220-50G
5g
50 g
¥40,400
¥111,200
1-Butyl-3-methylimidazolium nitrate, purum, ≥98.5%
8
C8H15N3O3
FW: 201.22
[179075-88-8]
N+
CH3
NO3–
N
PF6-
H3C
N
1g
¥21,700
07319-5G
07319-50G
5g
50 g
¥35,400
¥98,000
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:30:43 PM
21
Pyridinium-Based Ionic Liquids
8
C9H14BrN
FW: 216.12
mp: 105 °C
[874-80-6]
N+
Br–
H3C
00285-5G
00285-50G
5g
50 g
¥5,400
¥16,300
1-Butyl-4-methylpyridinium bromide,
purum, ≥98% AT
8
Br–
N+
H3C
94349-5G
94349-50G
5g
50 g
8
CH3
C10H16ClN
FW: 185.69
mp: 158 °C
[112400-86-9]
N+
Cl–
H3C
88482-5G
88482-50G
5g
50 g
¥6,900
¥19,300
1-Butyl-4-methylpyridinium hexafluorophosphate,
purum, ≥97% NMR
CH3
C10H16BrN
FW: 230.14
mp: 135 °C
[65350-59-6]
1-Butyl-4-methylpyridinium chloride,
purum, ≥97% AT
¥6,900
¥23,000
CH3
C10H16F6NP
FW: 295.20
mp: 41 °C
[401788-99-6]
N+
PF6–
H3C
88458-5G
88458-50G
5g
50 g
¥19,200
¥53,100
1-Butyl-1-methylpyrrolidinium chloride, ≥99%
8
Pyrrolidinium-Based Ionic Liquids
1-Butyl-1-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide, ≥99%
C11H20F6N2O4S2
FW: 422.41
8
N+
CH3
O
-
38894-5G
38894-50G
O
O
N
O
CH3
S
CF3
S
¥22,300
¥61,300
1-Butyl-1-methylpyrrolidinium bromide, ≥99%
8
BrN+
CH3
CH3
04275-5G
04275-50G
5g
50 g
ClN+
CH3
CH3
CF3
5g
50 g
C9H20BrN
FW: 222.17
mp: >160 °C
[93457-69-3]
C9H20ClN
FW: 177.71
mp: 114 °C
[479500-35-1]
¥14,100
¥42,400
Pyridinium-Based Ionic
Liquids/PyrrolidiniumBased Ionic Liquids
1-Butylpyridinium bromide, ≥99%
07326-5G
07326-50G
5g
50 g
1-Butyl-1-methylpyrrolidinium tetrafluoroborate,
≥99%
C9H20BF4N
FW: 229.07
mp: 152 °C
[345984-11-4]
¥13,500
¥40,600
8
N+
CH3
BF4–
CH3
92409-5G
92409-50G
5g
50 g
¥24,900
¥68,500
8 Safer, Amine-Stabilized BH3-THF Solutions for Hydroboration and Reduction
O
BH3-THF, 25 oC
CH3
Product Highlights:
• Enhanced safety
• Shipment for all pack sizes at
room temperature providing
greater cost savings
OH
CH3
(R)-Me-CBS cat.
1M in toluene
(10 mol %)
1. BH3-THF
65,041-2: 98%; 96.2%ee
17,619-2: 97%; 90.3%ee
OH
1
+
17,619-2: 92%; 94:6 (1:2)
2. H2O2
• Excellent reactivity and selectivity
vs. BH3-THF (17,619-2; NaBH4stabilized)
2
8 65,041-2
17,619-2
65,041-2: 93%; 94:6 (1:2)
OH
BH3THF, 1.0M solution in THF, N-Isopropyl-N-methyl-tert-butylamine (NIMBA)-stabilized
BH3THF, 1.0M solution in THF, NaBH4-stabilized
バルク供給/スケールアップのご相談は…
ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Tel:03-5796-7345 E-mail:[email protected]
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06.3.22 5:30:57 PM
22
Ammonium-Based Ionic Liquids
Tetrabutylammonium bromide, puriss., ≥99% AT
Tetrabutylammonium benzoate, purum, ≥98% NT
C23H41NO2
FW: 363.58
mp: 64–67 °C
[18819-89-1]
O
(CH2)3CH3
O-
+
H3C(H2C)3
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
86850-5G
86850-25G
5g
25 g
¥27,300
¥98,900
Tetrabutylammonium methanesulfonate, purum, ≥97% T
Ammonium-Based
Ionic Liquids
C17H39NO3S
FW: 337.56
mp: 78–80 °C
[65411-49-6]
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
O
O S CH3
O
+
-
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
86877-10G
86877-50G
10 g
50 g
¥9,800
¥37,500
Tetrabutylammonium nonafluorobutanesulfonate,
purum, ≥98% T
C20H36F9NO3S
FW: 541.56
mp: 50–53 °C
[108427-52-7]
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
O
F3C(F2C)2F2C S OO
+
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
86909-5G
86909-25G
5g
25 g
¥15,700
¥59,000
C16H36BrN
FW: 322.37
mp: 102–106 °C
[1643-19-2]
86860-25G
86860-100G
86860-500G
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
+
N (CH2)3CH3
25 g
100 g
500 g
¥3,900
¥8,600
¥19,800
Tetrabutylammonium bromide, purum, ≥98% AT
C16H36BrN
FW: 322.37
mp: 102–106 °C
[1643-19-2]
86861-50G
86861-250G
86861-1KG
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
+
N (CH2)3CH3
50 g
250 g
1 kg
¥1,500
¥5,000
¥17,000
Tetrabutylammonium chloride, purum, ≥97% AT
C16H36ClN
FW: 277.92
[1112-67-0]
86870-25G
86870-100G
86870-500G
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
+
N (CH2)3CH3
25 g
100 g
500 g
¥8,000
¥24,600
¥98,900
C24H36F17NO3S
FW: 741.59
mp: <5 °C
[111873-33-7]
C10H20F3NO2
FW: 243.27
mp: 74–76 °C
[30093-29-9]
86911-5ML
86911-25ML
O
F3C(F2C)6F2C S OO
+
N (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
5 mL
25 mL
¥32,300
¥127,800
Tetrahexylammonium tetrafluoroborate, purum, ≥97% T
C24H52BF4N
FW: 441.48
mp: 90–92 °C
[15553-50-1]
87315-10G
87315-50G
+
N (CH2)5CH3
BF4-
(CH2)5CH3
10 g
50 g
¥13,700
¥57,300
Tetraoctylammonium chloride, purum, ≥97% AT
C32H68ClN
FW: 502.34
mp: 50–54 °C
[3125-07-3]
87991-5G
87991-25G
+
H3C(H2C)7
N (CH2)7CH3
Cl-
(CH2)7CH3
5g
25 g
¥28,700
¥113,100
s i g m a - a l d r i c h . c o m
88009-5G
88009-25G
CF5n6new060310.indd 22
+
N (CH2)4CH3
SCN-
(CH2)4CH3
5g
25 g
-
O
CH2CH3
5g
25 g
CF3
¥19,600
¥77,600
C28H60BrN
FW: 490.69
mp: 89–91 °C
[4368-51-8]
87301-10G
87301-50G
(CH2)6CH3
H3C(H2C)6
+
N (CH2)6CH3
Br-
(CH2)6CH3
10 g
50 g
¥9,100
¥30,500
C28H60ClN
FW: 446.24
mp: 38–41 °C
[10247-90-2]
87292-1G
87292-5G
(CH2)6CH3
H3C(H2C)6
+
N (CH2)6CH3
Cl-
(CH2)6CH3
1g
5g
¥2,300
¥7,800
Tetrahexylammonium bromide, purum, ≥99% AT
(CH2)4CH3
H3C(H2C)4
O
+
N CH2CH3
Tetraheptylammonium chloride, purum, ≥98% AT
(CH2)7CH3
Tetrapentylammonium thiocyanate, purum, ≥99% AT
C21H44N2S
FW: 356.65
mp: 46–49 °C
[3475-60-3]
CH2CH3
H3CH2C
Tetraheptylammonium bromide, purum, ≥99% AT
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5
86647-5G
86647-25G
Cl-
(CH2)3CH3
Tetraethylammonium trifluoroacetate, purum, ≥98% NT
(CH2)3CH3
Br-
(CH2)3CH3
Tetrabutylammonium heptadecafluorooctanesulfonate
technical, ≥90 % T
H3C(H2C)3
Br-
(CH2)3CH3
¥12,100
¥47,500
C24H52BrN
FW: 434.58
mp: 97 °C
[4328-13-6]
87302-10G
87302-50G
(CH2)5CH3
H3C(H2C)5
+
N (CH2)5CH3
Br-
(CH2)5CH3
10 g
50 g
¥6,300
¥20,000
テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Tel:03-5796-7335 E-mail:[email protected]
06.3.22 5:31:09 PM
23
Tetrahexylammonium iodide, puriss., ≥99% AT
C24H52IN
FW: 481.58
mp: 99–101 °C
[2138-24-1]
87307-10G
87307-50G
Tetrapentylammonium bromide, purum, ≥99% AT
(CH2)5CH3
+
H3C(H2C)5
N (CH2)5CH3
I-
(CH2)5CH3
10 g
50 g
¥9,800
¥41,600
C20H44NBr
FW: 378.47
mp: 99–102 °C
[866-97-7]
88001-25G
88001-100G
(CH2)4CH3
H3C(H2C)4
+
N (CH2)4CH3
Br-
(CH2)4CH3
25 g
100 g
¥11,500
¥33,900
Tetraoctylammonium bromide, purum, ≥98% AT
88000-10G
88000-50G
(CH2)7CH3
+
H3C(H2C)7
Br-
N (CH2)7CH3
(CH2)7CH3
10 g
50 g
¥7,700
¥29,000
Phosphonium-Based Ionic Liquids
Tetrabutylphosphonium methanesulfonate, purum, ≥98% NT
Tetrabutylphosphonium bromide, purum, ≥98% AT
C17H39O3PS
FW: 354.53
mp: 59–62 °C
[98342-59-7]
C16H36BrP
FW: 339.33
mp: 102–104 °C
[3115-68-2]
86929-5G
86929-25G
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
+
P (CH2)3CH3
H3C
O
S
O
O-
(CH2)3CH3
5g
25 g
¥11,100
¥43,900
Tetrabutylphosphonium tetrafluoroborate, purum, ≥97% T
C16H36BF4P
FW: 346.24
mp: 96–99 °C
[1813-60-1]
86932-10G
86932-50G
+
P (CH2)3CH3
BF4-
(CH2)3CH3
10 g
50 g
¥6,200
¥28,000
Tetrabutylphosphonium p-toluenesulfonate, purum, ≥98% NT
C23H43O3PS
FW: 430.62
mp: 54–57 °C
[116237-97-9]
86933-5G
86933-25G
OO S O
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
+
P (CH2)3CH3
(CH2)3CH3
CH3
5g
25 g
+
P (CH2)3CH3
Br-
(CH2)3CH3
100 g
500 g
¥7,000
¥23,100
Tetrabutylphosphonium chloride, purum, ≥97% AT
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
86917-100G
86917-500G
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
¥15,100
¥59,700
C16H36ClP
FW: 294.88
mp: 62–66 °C
[2304-30-5]
86919-10G
86919-50G
Ammonium-Based Ionic
Liquids/PhosphoniumBased Ionic Liquids
C32H68BrN
FW: 546.79
mp: 95–98 °C
[14866-33-2]
(CH2)3CH3
H3C(H2C)3
+
P (CH2)3CH3
Cl-
(CH2)3CH3
10 g
50 g
¥11,500
¥53,000
Tributylhexadecylphosphonium bromide, purum, ≥95% AT
C28H60BrP
FW: 507.65
mp: 57–62 °C
[14937-45-2]
52353-25G
52353-100G
(CH2)3CH3
H3C(H2C)15
+
P (CH2)3CH3
Br-
(CH2)3CH3
25 g
100 g
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06.3.22 5:31:38 PM
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