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原子力発電設備の新時代の維持管理に係わるシンポジウム(第49回)

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原子力発電設備の新時代の維持管理に係わるシンポジウム(第49回)
原子力発電設備の新時代の維持管理に係わる
シンポジウム
(第 49 回国内シンポジウム)
原子力発電設備のシステム安全による設計と維持
法政大学 大学院デザイン工学研究科 客員教授
宮野 廣
福島第一の事故の教訓として、原子力安全の確保は最優先事項として取り組まなければ
ならないことを得た。原子力発電プラントは複雑に様々な機器、系統、機能で構成されて
おり、設計から運用時の設備維持の段階において、継続的にこれらのお互いの関係、影響
を考慮した抜けのない総合的な安全の確保が望まれる。そこで、原子力安全の「止める」、
「冷やす」、「閉じ込める」の主要機能に着目し、それらを構成する系統、機器、部品の役
割りが、深層防護の中で、どのように維持され、喪失し、それが展開するのか把握して、
原子力安全の程度を定量的に評価する仕組みを提案するものである。
欧米におけるシビアアクシデントへの対応
(一社)原子力安全推進協会 安全性向上部 安全統括グループ 部長
富永 研司
従来、我国では深層防護の第1~3層について万全の対策を講じることで、炉心溶融を
伴うシビアアクシデント(SA)は発生しないと考えられていた。
福島第一発電所の事故の直接原因は想定外の大津波による全交流電源喪失であるが、動機
的原因は深層防護の第4&5層の対策が不十分であったことにある。このことに鑑み、原
子力安全推進協会では欧州プラント調査を実施し、我国の SA 対策との差を把握することと
した。海外に比較して遅れていた我国の SA 対策は、原子力安全規制委員会の新指針対応に
より、今では海外とほぼ同等レベルに到達した感がある。しかし、我々は欧州プラント調
査で得た情報に基づき、更なる安全性向上を図る所存である
原子力発電所の事故対応及び廃炉のためのロボット・遠隔操作機器の開発と適用
東京大学 大学院工学系研究科 精密工学専攻 教授
淺間 一
東京電力福島第一発電所の事故においては、人が行うことが困難な作業、危険な作業が
多く存在し、ロボット技術の適用が求められた。本公演では、これまでに開発され、事故
現場で適用されたロボットや遠隔操作機器について紹介するとともに、これから廃炉に向
けて、さらには今後起こりうる自然災害や人工災害・事故などへの備えとして求められる
遠隔操作機器やロボットなどについて解説する。また、これまでの開発や現場投入におい
て明らかになった様々な課題について述べ、災害対応ロボットの社会実装を進める上で必
要となる技術的課題に触れるとともに、その運用システムのあり方、災害対応ロボットセ
ンターの構想などについて議論する。
加圧水型原子炉に於ける新規制対応の実例と課題
関西電力(株) 原子力事業本部 シビアアクシデント対策プロジェクトチーム
チーフマネージャー
爾見 豊
2013.7.8 に原子力発電所の新しい規制基準が導入され、発電所の運転には新規制基準へ
の適合が必要となった。適合確認には、長期間にわたる安全審査や改造工事等の完了が必
要であり、原子力発電所を代替する火力発電用の燃料費として、毎年3~4兆円が新たに
国民の負担となっている。
新規制基準への適合の安全審査や工事に時間がかかるのはなぜか、これだけの国民負担
に見合う安全上の価値があるのか等の疑問に関し、竜巻対策、火災対策等の実例を挙げて、
新規制基準の内容、現場の対応内容、予見性に代表される問題点について説明する。
沸騰水型原子炉に於ける新規制対応の実例と仮題
東京電力(株) 原子力設備管理部 原子炉安全技術グループ 課長
大山 嘉博
当社は、3.11 以降、各事故報告書、外部機関の提言、自社における事故の教訓などを踏
まえ、事故の当事者として深層防護に照らして日々安全性向上について検討し対策を行っ
ている。特に、安全に関する基本的な考え方として設計拡張状態(DEC)とフェーズドアプ
ローチを構築し、その考えに基づく安全対策を目指している。
昨年 9 月に柏崎刈羽原子力発電所 6、7 号機の設置許可申請を行い、現在も審査を受けて
いるところであるが、新規制基準対応においてもこの考え方をベースに適合性確保のため
の各種安全対策を実施している。
本講演では、当社の安全対策の基本的な考え方とともに、柏崎刈羽原子力発電所 6、7 号
機における新規制基準への対応状況について実例と課題を説明する。
建設機械の遠隔稼動管理システム
コマツ 開発本部 ICT開発センター ドメインマネージャー(鉱山事業)
神田 俊彦
世界で稼動する建設車両から自動で情報を収集し、遠隔での車両の監視・管理・分析を可
能とした KOMTRAX の仕組みの概要と、どの様な着目点で開発・市場導入を行ったのか、顧
客、代理店、メーカのそれぞれの視点での活用について、具体的な事例を踏まえながら紹
介をさせて頂きます。
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