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第2回 糸状菌類の簡便で安全な凍結保存法

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第2回 糸状菌類の簡便で安全な凍結保存法
Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2006. p. 105 110
連載「微生物資源の保存技術講座」
Vol. 22, No. 2
N2
第 2 回 糸状菌類の簡便で安全な凍結保存法
岡田 元
独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 〒351-0198 埼玉県和光市広沢 2-1
Cryopreservation methods for filamentous fungi:
Simple and safety techniques
Gen Okada
Microbe Division / Japan Collection of Microorganisms, RIKEN BioResource Center
2-1 Hirosawa, Wako, Saitama 351-0198, Japan
1.はじめに
に述べる器具は必要に応じて適当な容器に入れ,乾熱
筆者は主として子嚢菌類と子嚢菌系不完全菌類,さ
またはオートクレーブ滅菌する.さらに,無菌操作は
らに一部の異担子菌類,担子菌系不完全菌類,接合
クリーンベンチなどで行う.
菌類の菌株保存に携わってきたが,担子菌類の代表格
であるハラタケ類や凍結保存が極めて困難な鞭毛菌類
2.凍結保存法
についてはその経験がほとんどない.そのため,本
1)培養
稿では糸状菌類全般に関する菌株保存の解説はできな
糸状菌類に限ったことではないが,千差万別の種や
いが,幸いなことに,凍結保存,凍結乾燥,L-乾燥,
株ごとにできるだけ適した培養方法を用いることが肝
流動パラフィン重層などの微生物株の代表的な長期
要である.実際にはなかなか難しいことであるが,以
保存法については既に優れた解説がある(Kirsop &
下に,一般的な要点や特殊な例を列記し,参考として
Doyle,1991; Malik,1992; 根井,1977;農林水産省
供したい.
農林水産技術会議事務局 , 農林水産省農業環境技術
・凍結保存は菌糸のみで増殖する菌群にも適用可能だ
研 究 所,1987;Simione & Brown,1991; Smith &
が,分散能力のある胞子や耐久性のある厚膜胞子な
Onions,1994)
.詳細については,必要に応じてこれ
どを可能な限りつくらせるに越したことはない.こ
らをご覧いただきたい.
れに適した培地や培養条件を検討することが,凍結
本稿では,胞子(分生子や子嚢胞子など)を形成せ
保存の成否に直結する重要なポイントの一つであ
ず,菌糸のみで生育する高等菌類(子嚢菌類,担子
る.
菌類,不完全菌類)や接合菌類の長期保存法として簡
・培地は一般的に寒天培地が多用され,合成培地より
便かつ信頼性があり,さらに通常の研究施設で実施可
も天然培地(オートミール寒天培地,コーンミール
能な凍結保存法について,筆者が会得したこつや工夫
寒天培地,ジャガイモ寒天培地,麦芽寒天培地など)
を含めた基本技術を紹介したい.胞子を多数形成する
糸状菌類にのみ適用可能で,郵送が容易な凍結乾燥や
の方が適している.
・好稠性菌類に対しては糖などを多量に添加し
L-乾燥(坂根ら,1996)の技術は,酵母や細菌などの
他の微生物群で用いられているものと基本的に同じな
た 培 地 を 用 い る こ と は 当 然 で あ る が, 例 え ば,
(アナモルフは
ので,その紹介は「微生物資源の保存技術講座」(岡
)では培地に対する厳密な管理が要求
根 , 2006)の他項などに譲ることとする.なお,以下
される.すなわち,本種に対しては M60Y などの
寒天培地の表面を完全に乾かす必要があり,干から
E-mail: [email protected]
びる寸前になった斜面培地上部にのみ閉子嚢殻をつ
─ 105 ─
糸状菌類の凍結保存法
岡田 元
くる(他の部位では胞子発芽や菌糸生育さえみられ
成についてさまざまな報告があるが,以下にいく
ない)
.干からびかけた培地を常備できない場合は,
つかのカルチャーコレクションにおける使用例を示
斜面培地やシャーレ(後者の場合は滅菌した紙箱に
入れる)をバッチ式真空乾燥機で様子を見ながら急
す.
CBS: 10%グリセロール; −135℃/LN2(Gams
速乾燥させるとよい.
.,
1998)
・培地に滅菌した天然基質を添加し(基質添加後に培
ATCC: 10%グ リ セ ロ ー ル,5%DMSO;−150℃/
地を滅菌することも多い)
,菌を生育させた後に,
LN2(Alexander
その基質ごと定法により凍結保存すると生残性が上
1991)
がることがある.基質が胞子形成を誘導したり,そ
IMI/CABI: 10% グ リ セ ロ ー ル; LN2(Smith &
れ自体が保護剤の役目を果たしたりするのであろ
う.基質としては,植物の茎,葉,種子などさまざ
., 1980; Simione & Brown,
Onions,1994)
IFO/NBRC: 10%グリセロール+ 5%トレハロース;
まなものが考えられる.
−80℃/LN2
・培養期間の目安は一概には言えないが,筆者はコ
JCM: 10%グリセロール/DMSO + 5%トレハロース;
ロニーがシャーレ全面に広がる少し前までには保存
−80℃/LN2
処理を行うように心がけている.種によっては,菌
筆者はトレハロースぬきの 10%グリセロールと
糸がシャーレの蓋の隙間からはみ出るほど生育が
10%DMSO を長年使用してきたが,5%トレハロー
旺盛なものもある.このようなものを含む複数株の
スの保護効果を聞き(中桐 昭,私信),数年前より
保存処理を同時に行う場合は,汚染を防ぐために
添加している.当初はどの保護剤がよいか分からず,
アルコール綿などでクリーンベンチをこまめに除菌
10%のグリセロールと DMSO の 2 本立てで凍結保存
清掃することはもちろんであるが,準備段階から
を始め,そのまま現在に至っているというのが本音で
培養プラスチックシャーレを 1 枚ずつパラフィルム
ある.しかし,取り扱った菌群は限られているもの
(Parafilm M)などでシールし,シャーレの大きさ
の,ほとんどの場合(ハラタケ類の一部はうまく凍結
にあったポリプロピレン容器やスチロール容器に入
保存できない),どちらの保護剤でも問題なく保存で
れて培養するなどの配慮が必要である.さらに,株
きている.また,少例ではあるが,以下の菌種/菌株
ごとの生育度合いを確認しながら,同程度の速度の
で,保護剤により顕著な保護効果の差が見られたこと
株を選んで保存する.生育の遅い菌に関しては,コ
は大変興味深い:
ロニーがシャーレ全面に広がる前であっても,あま
JCM 13154,
JCM 13541(10%グリセ
り古くならない適当な時期を見はからって保存処理
ロールで生残;10%DMSO で死滅);
sp.
すべきである.長期培養するとむしろ活きが悪くな
JCM 11504,
り,保存性が低下することを経験しているため,筆
DMSO で生残;10%グリセロールで死滅).この様に,
者の場合は最長でも 1 ヶ月半程度の培養を目安とし
簡単な組成の 2 種類の保護剤を用いるだけでも,死滅
ている.このような生育の極めて遅いものでは,菌
の危険を減らす大きな効果が得られる場合がある.
sp.JCM 11505(10%
をできるだけシャーレ全体に広げて接種すれば十分
な量の保存材料が得られる.
3)手順と関連情報
① 10%グリセロールと 10%DMSO を必要な本数の凍
2)保護剤(凍害防止剤)
結チューブ(Nunc 363401, 容量 1.8 m ,インナー
① 10%(v/v)グリセロール+ 5%(w/v)トレハロー
キャップ式; Nunc A/S,Roskilde,Denmark)に
ス水溶液(トレハロース:商品名 とれはのいのち,
1 m ずつ無菌的に分注する.
(株)林原,岡山)をメディウム瓶や試験管などに
凍結チューブの蓋の形状に関しては,アウター
分注し,オートクレーブ滅菌する(以下,特に言及
キャップ型の方が汚染し難いと思われるが,Nunc
しない限り,10%グリセロールと略記)
.
社の製品に関しては,インナーキャップ型の方がネ
② 10%(v/v)ジメチルスルホキシド+ 5%(w/v)
ジやシリコンパッキンの具合がよいと思われる.操
トレハロース水溶液を同様に調製する(以下,同様
作性が総合的に優れていると判断し,筆者はイン
に,10%DMSO と略記)
.
ナーキャップ型を使用している.
保護剤は凍結保存にとって極めて重要である.組
IFO/NBRC では保護剤を凍結チューブに分注し
─ 106 ─
Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2006
Vol. 22, No. 2
ステンレス棒
(ステンレスチューブ内側の棒)
先端が鋭利な
ステンレスチューブ
菌糸と(厚膜)胞子
菌糸のみ
ミクロスパーテル
1
凍結チューブ
3
2
コロニー
’
打ち抜いた
コロニーディスク
(直径約6mm)
1
10% glycerol +
10% DMSO +
5% trehalose
5% trehalose
4
保護剤への十分な浸漬
(4℃, 数時間)) → 凍結 (-80℃)
図 1 糸状菌類の凍結保存: コロニーパンチ法
作業手順: 1/1' → 2 → 3 → 4 と進む.
E
D
D
A&B
B
A
図 3 Transfertube(Spectrum Laboratories, Inc.,
Rancho Dominguez, CA, USA)
ポリプロピレン製,直径 6 mm のコルクボーラー様で,
オートクレーブ滅菌の繰り返しが可能(最下段は 5 回
オートクレーブ滅菌したもの).
C
図 2 糸状菌類の凍結保存(コロニーパンチ法)に用い
る器具の一例
A:先端が鋭利なステンレスチューブ,B:ステンレス
棒(ステンレスチューブ内側の棒),C:ミクロスパー
テル,D:コロニーディスクを凍結チューブに移動した
後の糸状菌コロニー,E:凍結チューブ用のステンレス
製ラック.
リセロールを添加した適当な寒天培地で菌を培養
し,コロニー外縁をストローで打ち抜いたものを凍
結チューブに直接入れて凍結する方法を紹介してい
る.しかし,筆者の経験では,彼も述べているよう
に浸透圧の関係で生育の悪い株もあり,全てに適用
た後,オートクレーブ滅菌して使用しているが,こ
の点に関しては,利用者の都合に合わせて材質劣化
できる方法ではない.
② 適当な状態に生育した菌株のコロニーを,先端を
などの事前検討後に自由に選択すればよい.
鋭利にしたステンレスチューブで打ち抜く(コロ
Hoffman(1989; Malik, 1992,WFCC Technical
ニーパンチ法; 図 1-1,図 2-D).白金耳やメスな
Information Sheet No. 5 を参照)は 5%(w/v)グ
どを用いて適当な大きさのコロニー片を切り出して
─ 107 ─
糸状菌類の凍結保存法
岡田 元
である.
A
③ ミクロスパーテルを用いて(図 1-2,図 2-C)
,保
護剤 1 m 入りの凍結チューブに打ち抜いたコロ
ニーディスクを 5 枚程度入れる(寒天培地の厚さ
の目安: 直径 9 cm シャーレに 20 m 程度の培地を
まいた厚さ).キャップをしっかり閉め,保護剤を
菌体に馴染ませるために手で数回激しく振る.コロ
ニーディスクが保護剤に完全に浸っていることを確
認し(図 1-3),適当なラックに並べる(図 2-E)
.
なお,保護剤の項で述べたように,筆者は 10%
グリセロールと 10%DMSO の 2 種類の保護剤を各
菌株に対して用いている(ミクロスパーテルは保
護剤ごとに使い分ける).凍結チューブにおける保
護剤の簡便識別には,クライオカラーコード(色つ
きキャップカバー,Nunc A/S)が便利である(図
1-3).
④ コロニーディスクの入った凍結チューブをラック
ごと,4℃に数時間(オーバーナイトすることもある)
静置し,保護剤を菌糸や胞子にできるだけ浸透させ
る(図 1-4).
⑤ −80℃の作業用ディープフリーザーに予め入れた
発泡ポリスチレン(発泡スチロール)容器(厚さ
図 4 凍結保存に用いる容器の一例
A: 発泡ポリスチレン容器,厚さ約 4 cm,B: BICELL Bio Freezing Vessel(日本フリーザー(株),東京)
,C:
Mr. Frosty - NALGENE Cryo 1℃ Freezing Container
(Nalge Nunc International, Rochester, NY, USA).
約 4 cm)に,凍結チューブをラックごと入れ(図
4-A),蓋を閉めて凍結する(冷却速度の詳細は不
明).数時間放置し,完全に凍結したら,凍結チュー
ブを保存用の−80℃ディープフリーザーや液体窒素
タンク(約−170℃の気相)に移し替え,長期保存
もよい.コロニーより打ち抜いたディスク(以下,
に備える.当然ながら,停電対策,液体窒素の供給,
コロニーディスクと略記)がステンレスチューブ内
凍結標品のバックアップについても十二分に配慮し
に入ってしまった場合は,対になったステンレス棒
なくてはならない.
で押し出す(図 1-1',図 2-A, B)
.なお,成書では
④,⑤の行程においては,発泡ポリスチレン容
活きのよいコロニー周辺部(菌糸の先端)を打ち抜
器の代わりに,市販の簡便緩慢凍結保存容器(冷却
くように書かれているが,筆者の経験では,より成
速度は−0.6℃/min 程度と思われる)の BICELL -
熟して分生子などの胞子や厚膜胞子を多く形成して
Bio Freezing Vessel(日本フリーザー(株)
,東
いる内側の部分も保存した方がよい(図 1)
.Nishii
京;図 4-B)や Mr. Frosty - NALGENE Cryo 1℃
& Nakagiri(1991)も卵菌類(現在では菌類から
Freezing Container(Nalge Nunc International
除外されている)に関して同様に報告している.
Corp., Rochester, NY, USA; 図 4-C)を使用しても
ステンレスチューブやコルクボーラーの代替え品
よい.その場合,凍結チューブを容器に入れ,指
として,形状の良く似た直径 6 mm,ポリプロピレ
示書に従って保護剤の浸透や予備冷却を行った後
ン製の Transfertube(Spectrum Laboratories, Inc.,
に,−80℃作業用ディープフリーザーで凍結する.
Rancho Dominguez, CA, USA; 図 3)がお勧めであ
なお,本稿では述べないが,鞭毛菌類などの保存が
る〈http://www.spectrapor.com/1/3/8.html〉.コ
難しい菌群については,プログラムフリージングす
ロニーが緻密で硬いものにもほぼ問題なく使えるで
る必要があろう.
あろう.本来は使い捨てであるが,オートクレーブ
滅菌を 5 回繰り返しても何ら変化なく,再利用可能
─ 108 ─
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1
2
Vol. 22, No. 2
い場合は冷蔵庫(4℃)で保存して,数日以内に指定
3
培地に移植する.
凍結解凍標品の開封は以下の手順で行う: 1)チュー
ブのキャップがしっかり閉まっていることを確認し,
チューブ表面,特にキャップのパッキン部をアルコー
ル綿(70%消毒用エタノール)で殺菌する; 2)輸送中
にチューブ内が陽圧になる場合があるので,念のため
乾熱滅菌ガーゼや脱脂綿などでパッキン部を覆い(ア
ルコール綿は使用しない),無菌環境下でキャップを
図 5 凍結解凍標品の梱包手順
1:キャップパッキン部をパラフィルムで巻く.
2:ビニール袋に入れる.
3:エアーキャップ(プチプチ・エアパッキン)で包む.
徐々にゆるめる.この時,チューブ内の保護剤が噴出
してしまったら,再度キャップを硬くしめ,アルコー
ル綿でパッキン部を再度殺菌し,アルコール分を蒸発
させた後に,キャップを開ける; 3)コロニーディスク
をミクロスパーテルで取り出し,指定培地に移植して
4)復元
培養する.
凍結標品を取り扱う場合は専用手袋を着用し,素手
や軍手などでは行わない.また,液体窒素タンクから
3.おわりに
の取り出しに際しては,気相保存の場合でも念のため
ひとことに糸状菌類と言っても,分類,系統,生
フェイスマスクをつけて行う.
態,生理などの観点からみて実にさまざまなものがあ
急速解凍する装置としては湯浴が一般的だが,筆
る.我々に身近な麹菌などは保存が容易なものが多い
者は汚染防止のため,凍結チューブの径に合ったア
が,植物や動物などに寄生・共生する菌類は培養や保
ルミブロックを装着したドライバスを使用している.
存が困難なものが普通である.また,たとえ培養でき
コロニーディスクが 5 枚入った凍結チューブの場合,
ても,性状を変えずに長期保存することは容易ではな
40℃,4 分程度で解凍している.ディスク枚数が少な
い.本稿で紹介した糸状菌類の簡便凍結保存法は初歩
いチューブでは解凍時間を短くし,氷粒が消失した時
的な内容であるが,読者自らがいろいろな局面に対応
点で終了する.
しながら改良し,その技術や経験を菌株同様に後世に
凍結保存における微生物の生残の可否は,凍結条件
受け継いでいただきたい.不幸にも死滅した株は二度
だけでなく,解凍条件も深く関与していると思われ
とは生き返らないが,我々が微生物の性質をよく理解
る.解凍温度は 35 40℃が一般的であるが,Nishii &
すれば,同じような環境から同じ種を再分離できるこ
Nakagiri(1991)は卵菌類において,IFO でそれまで
ともある.保存技術や機器の開発と共に,多様な自然
用いられた条件(40℃,3 分)よりは,30℃,5 分の
環境もできるだけ維持したいものである.本講座が微
方が復元率は高かったと報告している.
彼らはその後,
生物株保存に従事する方々にとって多少なりとも役立
同じ解凍条件を担子菌類などにも適用している.
てば,筆者らにとって望外の喜びである.
当然,培養の項で述べたように,復元時の培養条件
にも十分注意する必要がある.
また,
初回の復元チェッ
謝 辞
クの時期は,その凍結標品が死滅している可能性もあ
的 確 な 情 報 や 助 言 を 終 始 い た だ い た 中 桐 昭
ることを考慮し,あまり遅くならない方がよい.
博 士(( 独 )製 品 評 価 技 術 基 盤 機 構 ), な ら び に
Transfertube に関する情報やサンプルをご提供いた
5)凍結解凍標品の輸送と開封
だいた Dr. Gerald Bills(Merck Sharp & Dohme de
上述の手順で作製,解凍した糸状菌類の凍結解凍標
España)に感謝いたします.
品を郵送する方法(Ito, 1993; コロニーディスク 2 枚
を 10%グリセロールで保存したもの;図 5)が極めて
文 献
有効である.国内のみならず,海外にも航空便で送る
Alexander, M., Daggett, P.M., Gherna, R., Jong, S.,
ことができる.1 週間程度は解凍された状態で問題な
く保つことができ,もしも到着後に直ちに復元できな
─ 109 ─
Simione, F. & Hatt, H. (1980). American Type
Culture Collection Methods. I. Laboratory Manual
糸状菌類の凍結保存法
岡田 元
on Preservation: Freezing and Freeze-drying as
of oomycetous fungi in liquid nitrogen. IFO Res.
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Comm. 15: 105-118.
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─ 110 ─
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