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機械工学科

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機械工学科
東海大学
Department of
Mechanical Engineering
機械工学科
School of Engineering
学 科 案 内
湘南
Department of Mechanical Engineering
School of Engineering
東海大学 工学部
東 海 大 学 は 4 つ の力を育 成します。
「明日の歴史を担う強い使命感と豊かな人間性をもった人材」に
育つよう、全 学を挙げて取り組んでいます。
自ら考える力
常に未来を見据え自らが
取り組むべき課題を探求する力
多様な人々の力を
結集する力
成し遂げ力
困難かつ大きな課題に
勇気をもって挑戦する力
集い力
挑み力
失敗や挫折を乗り越えて
目標を実現していく力
入学センター入学課
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1
Tel:0463-58-6422(受験生用) Fax:0463-50 -2186
◎本案内は、
特に記載がない限り2014 年 4月現在の内容を掲載しています。
2014.4 EM47
2015
Department of
Mechanical Engineering
School of Engineering
21世紀を担う
機 械 工 学 科
東海大学
が育成 「自ら考え、集い、挑み、成し遂げる」
これら4つの力を
する
力
■機械工学科は、21 世紀の社会
創造力・応用力を持った
機械エンジニアと研究者を育成する
東海大学では建学の精神に基づき、
●●●●
EM
学 び の ス ケ ジュー ル
ろな種類の「製品」
と
「技術」を生
み出すための人材、
すなわち、創造
力と応用力を持ち、人間的にも幅
の広いエンジニア、研究者を育成
することを教育目標としています。
z 国際水準の機械エンジニアを目指す
身につけ、
時代に即応できる人材を育成します。
に必要な、
きわめて幅広い、いろい
x 技術立国を支える創造力と応用力を育成する
機械・ものづくりのための基礎知識と
c 隠れた問題を見つけて解決する能力を身につける
その応用力・実行力を身につけ、
将来のものづくりに貢献できる人材を育成します。
▶ものづくりに必要な基礎知識、重要検討項目、
手順を理解できる能力
▶ものづくりに関連した実験・計測の基礎知識と
結果の解析・分析能力
▶継続的・自立的に情報を収集し、
それを基に自らの考えをまとめ発信する能力
1年次
アドミッションポリシー
機械工学科では、本学科の教育目標「ものづくりに必要な基
礎的能力」、
「ものづくりに必要な実行力」、
「ものづくりに必要な
情報収集・発信力」
を身につけた人材を育成する」に共鳴し、
自
ら学ぶ意欲をもった人を求めます。
・
本
学
科
の
特
色
・
実習やゼミナール形式の科目、
卒業研究で実践的能力を身につけられる
講義科目ばかりでなく、実験・実習科目やゼミナール形式の科目
ロボットや自動車はもちろん、
マイクロマシンから超大型機械まで
が充実していることが大きな特徴で、そのため、幅広く複雑な専門
あらゆる「モノ」を扱うことができるよう、幅広い分野での学習や研
知識の理解が深まります。また創造力や応用力育成のための卒業
究が可能で、バランスのとれた視野の広い機械技術者・工学研究者
研究を重視しており、さらに早いセメスターで「モノづくり」の実践
の育成を目指しています。そのため、広い分野で職業を選択するこ
教育を行っています。
とができるのです。
機械を創造し、応用する喜びが味わえる
02
幅広い分野を網羅しているので、
希望に合った分野の学習・研究が可能
2年次
3年次
4 年次
現 代 文 明 論や 現 代 教
流体工学、材料力学、
より専門的な機械工学
「卒業研究」では、自ら
養科目を履修することに
熱工学、機械力学など機
の知識を身につけるとと
計画・立案し、これを遂行
し、取りまとめていく能力
より、現代をいかに生き
械工学の主要分野の知
もに、演習や実験を通じ
るべきかを学ぶための人
識を修得することを目的
て、今までに学んだ知識
を養成します。研究結果
生 観 、歴 史 観 、世 界 観を
としています。また、これ
を総動員して、機械の設
をまとめて論理的に記述
し、説得力をもって、相手
形成できる能力を養いま
らの科目で学んだことを
計や実験・研究に応用す
す。また英語の基礎能力
実際に
「機械工学実験」で
る能力を養います。演習
に伝えることのできるコ
や数学・物理学に関する
確かめることにより、より
で答えが必ずしも一つと
ミュニケーション能力や
基礎知識と応用能力を身
深い理解が得られるよう
は限らない課題を対象に
ディスカッション能力を養
につけます。さらに専 門
になっています。さらに技
したトレーニングをするこ
い、社会に出た後もその
科目の「機械基礎力学」、
術者としての責任や、機
とにより、問題点を考え、
自
変化に対応できるよう、継
械をデザインするための
ら計画を立案し、知識を
続的、自立的に学習する
基礎知識も学びます。
総合して解決していく能
習慣と能力も養成します。
「材料力学」、製図の基礎
知 識を学 び、
「 入 門ゼミ
ナール1」で「モノづくり」
力の基礎を養います。
なお、3 年次より2つの
を体験します。
コースに分かれます。
6
問題を発見し、解決する能力を育成する
技術立国日本で求められているのは、情報関連機器やロボット、
いろいろな機械や機械システムが求められ、造られ、使われ、再生
自動車などの機械や生産ライン、プラントなどの機械システムを生
されていく中には、多くの問題が隠れています。本学科では、機械や
み出す人材です。本学科では、このような社会が求める人材、創造
機械システムの中に隠れている問題を見つけて解決する力を身に
力と応用力を併せ持った人間的にも幅広いエンジニア、研究者の育
つけてもらいます。隠れている問題を解決できた時の感激をぜひ
■ 時間割をはじめ、機械工学科に関するさらに詳細な情報は、
ホームページでご覧になれます。
成を目指しています。
知ってください。
■ URL
■ 機 械 工 学 科
http://www.mech.u-tokai.ac.jp/
D epartment of Mechanical Engineering ■ 03
EM
Department of
Mechanical Engineering
学 び の フィ ー ル ド
科目群
S chool of Engineering
ロボット、自動車、船舶、飛行機、エアコンなど、皆さんの身の回りにあるほとんどすべてのモノが機械工学の対象
です。このような現在活躍しているモノだけでなく、
マイクロマシンなどの将来期待されるモノまで、さらにこれらの
卒業研究を中核として充実した科目群を用意しています
モノを作る技術、材料など、機械工学がカバーする領域は非常に多岐にわたります。このような領域のどの分野に進
んでも、卒業生が十分に実力を発揮できるように教育することが本学科の目標です。このために充実した科目群を
◎制御工学1・2 用意して、十分な基礎学力と応用能力を養えるようにカリキュラムを設計しています。なお、この全範囲をまんべん
◎ロボット工学1 ◎ロボット工学2
なく勉強するコース
(機械デザインコース)
と、興味ある分野をより深く勉強する、または、他学部・学科の内容まで
幅広く勉強するコース
(機械応用コース)
を設置しており、学生は 2 年次の終わりにいずれかのコースを選択するこ
ロボット
とになります。
(ロボット分野)
◎機械基礎力学 1・2 ◎機械力学 ◎振動学 機械の運動
◎トライボロジー (機械力学分野)
◎マイクロマシン工学
卒業研究
エネルギー・ ◎熱工学1・2 ◎エネルギー変換工学 環境
◎環境とエネルギー
(熱工学分野)
3 年次から2つのコースに分かれます。
■機械デザインコース
多岐にわたる機械あるいは機械システムの設計技術者として世界標準レベル以上の幅広い専門知識と能力を身につけようと
する人のためのコースで、全範囲をまんべんなく勉強します。なお、
このコースを希望する学生は、あらかじめ定められた履修条件
また、いくつかの科目が必須扱いとなります。
を4セメスターまでに満たしていることが必要で、
◎材料力学1・2
◎機械加工
水や空気の
流れ
材料・加工
◎構造力学 ◎機械の信頼性 (材料・加工分野)
◎機械材料 ◎先端加工 ◎ファクトリーオートメーション
◎プログラミング
F・C
◎CAE
◎入門
ゼミナール2 ◎入門
ゼミナール1
◎基礎製図 ◎問題発見
ゼミナール
◎機械工学実験
1・2
◎機械デザイン
1・2 ◎機械工学
ゼミナール
◎機械工学概論 ◎機械要素設計 04
■ 機 械 工 学 科
い分野の中で、各自の興味ある科目群を選択して学び、
これを直接あるいは間接的に社会で活かしていくことを目指す場合に必
学科教員からのメッセージ
機械工学科 主任
機械の歴史は古く、明確な時期は不明ですが、紀元前に
編成されています。4つの力とリンクした「モノづくり」能力
さかのぼるとも言われています。機械産業は産業革命前後
を育成するための実験・実習系の授業が充実しているのも
で大きく飛躍し、現在では機械なしの生活は考えられませ
機械工学科のカリキュラムの特徴でもあります。4年次生で
ん。現在ではどこの家庭にでもある冷蔵庫、エアコン、テレ
は「モノづくり」能力の育成の総仕上げとして卒業研究があ
ビ、パソコン、携帯電話などの家電製品から、航空機、ロケッ
ります。卒業研究のテーマは幅広く、例えば、ロボット開発に
ト、自動車、電車、船などの輸送機械、さらには福祉機器やロ
関連する研究、自動車・環境・エネルギーに関連する研究、モ
ボットなど、私たちの生活環境には機械で満たされており、
ノづくり技術・機能性材料に関連する研究、空気や水の流れ
に関する研究、バイオ・医療技術に関する研究など、
どれも最
◎CAD/CAM の開発には機械技術者の役割が非常に大きく、機械工学科
先端の機械技術に関する研究に携わることができます。これ
◎マンマシン
システム
では、社会から期待される機械技術者を養成するとともに、
ら卒業研究の成果は、専門家が集まる種々の学会や国際会
技術や知識だけでなく人間として豊かな力を持つ人材を育
議などで、学生自らが発表することも毎年多数あり、学界か
◎工科の微積分1・2B ◎工科の線形代数1・2 ◎工科の微分方程式1・2 ◎物理学A・B 専門基礎
機械工学の興味ある分野をより深く学び機械系技術者を目指す、もしくは機械工学だけにとどまらず機械工学を含むもっと広
また絶えず新しい機械が生み出されています。新しい機械
◎インダストリアル
デザイン
◎電気工学 ◎電子工学 ◎工科の確率統計 など
■機械応用コース
要となる知識、能力を身につけるためのコースです。各自の興味にしたがって幅広く履修科目を決定できます。
マシン デザイン
◎基礎数値解析
◎流体力学 ◎流体機械
実 験・実 習
◎基礎情報処理 ゼ ミナー ル・概 論
コンピュー タ
解 析
◎応用数学1・2 (流体工学分野)
◎流れ学1・2 成することを教育目標としています。人間として豊かな力と
ら学生が表彰されることも稀ではありません。機械工学科
は、幅広い視野を備え、倫理観を持った人間であり、これは
ではこうした学生の取り組みを推奨し、サポートしています。
東海大学の建学の精神にもつながってきます。
これらの成果はオープンキャンパス等で公開していますの
「挑み力」
「成
東海大学では 4つの力、すなわち「集い力」
で、ぜひ確認してください。
「自ら考える力」の育成を教育目標としています。
し遂げ力」
最後に、機械工学科では教職員一同、皆さんの目標や夢
MESSAGE
この4つの力はまさに現代社会で必要とされているもので、
をかなえるべく、全面的にサポートしますので、高校までの
機械工学科でも4つの力の育成に取り組み、カリキュラムが
成績や偏差値をあまり気にせず、安心して入学ください。
D epartment of Mechanical Engineering ■ 05
EM
Department of
Mechanic al Engineering
分 野 紹 介・主 な 専 門 科 目
School of Engineering
ロ ボ ット 分 野
熱 工 学 分 野
ロボット分野では、ロボットやメカトロニクス機器を動かすための基礎知識を学びます。
具体的には、ロ
車での移動から、冷房・暖房・照明に至るまで、我々の生活はエネルギーによって成り立っています。こ
ボットや そのほかの機 械システムの 運 動を把握するための力学、周囲の状況を的確に認識するための
のエネルギーを扱うための基礎を学ぶのが熱工学分野の科目になります。まず 、エネルギーと熱・動
センサに関する知識、思い通りにうまくロボットを動かすための制御技術などについて勉強します。
力 の 関 係 、熱 の 伝 わり方などの 基 本を学 び、エンジンなどのような熱 から動 力への 変 換 、風 力 発 電 、
燃料電池などのような新しいエネルギーと動力 への変換、さらに環境 への影響について勉強します。
主な専門科目
機械基礎力学 1・2 、制御工学 1・2 、ロボット工学 1・2 、電気工学、電子工学
ロボットフィンガーの研究開発
剛性調節可能なロボット関節の研究開発
主な専門科目
熱工学 1・2 、エネルギー変換工学、環境とエネルギー
エネルギーの有効利用
エネルギーと環境
触覚センサを用いず
人間の腕の関節のように、筋肉に似せた
エネルギー・資源の大量消費により、地球温暖化を代表とする地
日本ではエネルギー源の約80 %を石油や天然ガスなどの化石
に、物体の形状になじ
メカを用いて関節の柔らかさを自由に変え
球規模の諸問題が引き起こされています。
しかし私たちが生活して
燃料に依存しています。この燃料を燃やして動力や熱を発生させる
んで物体を把持できる
ることができるロボット関節(右図)の研究
いくためにはエネルギー抜きでは考えられません。もっと有効で、新
ため、大気汚染などの第一の原因になっています。
ロボットフィンガー(右
開発をしています。
しいエネルギー利用の工夫と発想が重要であり、
このためには、熱と
我々が使っているガソリン・軽油などの燃料は、原油などを精製・
図)の研究開発をして
エネルギーの利用に関する正しい知識と理解が必要になります。各
加工して作っていますが、燃料の成分によって有害物質の排出が大
います。
種の講義科目だけでなく、実際にモノに触れることにより、理解を深
きく異なります。下の図は、ディーゼルエンジンの中を模 擬した
●ロボットフィンガー
●ロボット関節
二足歩行ロボットの研究開発
めることができるようにカリキュラムが工夫されています。
700℃、70気圧という高温・高圧の場で、2種類の燃料を最新式の
下の写真は、エネルギー利用の典型的な機械として、ヘリコプ
ディーゼルエンジンと同様に燃やして、火炎の中のすすを可視化し
ター用のエンジン
(ガスタービンエンジン)の実物を取り上げ、
これ
たものです。右側の燃料は多量のすすを発生していることが分かり
を分解しながら、その原理と構造を勉強している様子です。実際の機
ます。将来の燃料をどうするべきかを考えていくことは重要なこと
械は、いろいろな工夫の結晶であることが体感できます。
です。
近年、二足歩行ロボットの研究が盛んに行われていますが、本研究では、モータによる能動的な駆動(アクティ
ブ駆動)
とモータを用いない駆動(パッシブ駆動)の両方の駆動方式を両立させた歩行(アクティブ・パッシブハイ
ブリッド歩行)が行える二足歩行ロボットの研究開発をしています。アクティブ駆動だけでなく、パッシブ駆動を併
用することにより、人間に似たエネルギー消費の少ない歩行が行えるロボットの開発を目指しています。
●二足歩行ロボット
(東海ロボ・ハビリス)
ヒューマン・フレンドリーロボットのための
メカニカル安全装置の研究開発
歩行支援装置の研究開発
ロボットの安全性
高齢化の進行に伴い、加齢や疾病等
のさらなる向 上を
により歩行機能に障害を持つ患者が増
目指し、ロボットが
加しています。このような患者の歩行
暴 走し た 時 に 、ロ
訓練をサポートする歩行支援装置を、
ボットの暴走を検知
機械工学・ロボット工学の技術を応用
しロボットの暴走を
食い止める安全装
置 の 研 究 開 発をし
して、研究開発しています。
メカニカル
安全装置
ています。
●メカニカル安全装置を搭載した腕型ロボット
06
■ 機 械 工 学 科
●歩行支援装置
D epartment of Mechanical Engineering ■ 07
EM
Department of
Mechanic al Engineering
分 野 紹 介・主 な 専 門 科 目
School of Engineering
流 体 工 学 分 野
材 料・加 工 分 野
空 気や 水などの 流 体 の 動きや 流 体から受 ける力などを学 びます。具 体 的 には自動 車などの 物 体 の受
材料・加工分野においては、
「機械部品が安全に使用できるか」について学びます。まず、機械の設計に
ける空気抵抗、また生活に必要なガスや水道など流体を輸送するための勉強もします。さらに、ポンプ
必要な「材料力学」においては、材料が外から力を受けた時どのように変形するか(応力とひずみの関
など流体を利用した機械の勉強もします。
係)
を勉強します。また、機械材料の基本的特性や表面処理方法、さらには機械加工の基礎について学
習します。
主な専門科目
主な専門科目
流れ学 1・2 、流体力学、流体機械
ボールと流れ
材料力学 1・2 、構造力学、ファクトリーオートメーション、機械材料、
機械加工、先端加工、先端材料
先端材料の機械システムへの応用
精密・環境・医療への挑戦
野球ボール、ゴルフボールなどボールと呼ばれるモノにはさまざ
どのような機械に応用するかにより、材料に求められる特性は変
材料のマイクロ・ナノ加工技術、及びデバイス技術を医療・バイオ・
まな種類があり、その表面はそれぞれ特徴的です。野球ボールの縫
わります。水素を燃料とするエンジンに用いられるのなら高温に耐え
環境技術と融合させることで新しい研究分野や産業を創出するこ
い目や、ゴルフボールのくぼみはただの飾りではなく、
これらがある
なければなりません。生体内に適用する場合には、生体に害を及ぼ
とを目指しています。
ことによって変化球を生み出したり飛距離を伸ばしたりすることが
すものであってはなりません。それぞれの機械システムに適した材
できるのです。これはそれぞれのボール周りの空気の流れが変化す
料の研究を行っています。
るからです。
■野球の変化球について
下の図は野球ボールの周りの流れを電気的に火花を飛ばして目に見える
ようにしたものです。縫い目の角度を変えると後ろの流れも左右対称でなく
なっているのが分かります。これによってボールの軌道は、右の図のように変
化することになります。
●医療用殺菌システム
(活性酸素モニター用の新素子技術)
●球種によるボールの軌跡の変化
■ゴルフボールについて
下の図は表面が滑らかなボール(右)
とゴルフボール(左)の周りの流れの
写真です。ゴルフボールの方が後ろの流れが狭くなっている分だけ抵抗が小
さくなり飛距離が伸びます。
●スパッタ成膜装置(左)
と薄膜形成時に発生させたプラズマ
(右)
●メディカルエンジニアリング
(再生医療・創薬への応用)
●野球ボール周りの流れの可視化写真
●ゴルフボール周りの流れの可視化写真
チタニア層
●20cc水素ロータリーエンジン
(左)
と人工股関節(右)
自動車と流れ
自動車のような複雑な形状をした物体の周りの流れも、ボールのよ
周りの流れを可視化したものです。自動車の後ろについているウイン
うな単純な形状の物体の周りの流れと基本的な考え方に違いはあり
グの違いで自動車後方の流れが変わっていることがわかります。この
ません。この写真は、水の流れの中にアルミの粉を混ぜて、自動車の
後方に見られる渦によって空気抵抗などの特性が大きく変化します。
●静電インクジェット技術を応用した色素増感型太陽電池
モノづくりのための理論・方法 論を研究
●製品開発・設計の効率化や製品の機能・品質の向上を実現するための方法に関する研究:
最適設計のための数理アルゴリズム
(左)
、スケッチとデザイン発想の関係性
(中央)
、
ヒトの特性を考慮したモノづくり
(右)
08
■ 機 械 工 学 科
D epartment of Mechanical Engineering ■ 09
EM
分 野 紹 介・主 な 専 門 科 目
EM
教 員 紹 介
本学科の専門科目は卒業研究以外すべてが選択科目となっており、各分野の優秀なスタッフが
機 械 力 学 分 野
そろっているので、自分が研究したい分野を自由に組み合わせて選ぶことができます。
機械力学関係の科目で学ぶ重要なことは、自動車やロボット、飛行機など、いろいろな機械の動き方
とその原因 である力やモーメントの加わり方 です。部品と部品の間の摩擦や振動も見逃してはいけ
■ エネルギー、燃焼と
■ 環境をキーワードに研究
日本ではエネルギー源の約80%を占める化石燃料(石油や天然ガスなど)。これを燃やして動力や熱を発生さ
せることが大気汚染の第一の原因になっています。本研究室では、エネルギー、燃焼と環境をキーワードに、熱機関
畔津 昭彦 教授
A.Azetsu
工学博士
・研究テーマ・
ません。
燃焼工学、内燃機関工学、
エネルギー変換工学
・主な担当科目・
岩森 暁
S.Iwamori
教授
博士
(工学)
・研究テーマ・
低NOx新燃焼法の開発などを精力的に進めています。
創造性に優れた機械技術者・工学者を養成するために、
教員も日夜努力しています。
失敗を恐れず、何事にも興味を持ってチャレンジしてください。
トンボの飛び方に学ぶ
薄い膜(薄膜)の力学的な特性や摩擦・摩耗現象、ならびに基材との密着性発現のメカニズムなどを分子・原子の反
受験生へのメッセージ
・主な担当科目・
材料力学、機械材料
トンボは、あらゆる昆虫の中で最も飛ぶことが上手と言われていることを知っていますか? トン
近年、機械材料において、高性能化、高機能化が求められています。当研究室では、材料のごく表面(数∼数十ナ
ノメートルの領域)
や界面(数∼数百ナノメートルの領域)の高機能化を目指した研究を行っています。例えば、
ごく
応としてとらえ、
これら現象の解明と高機能化を目指した技術開発を行っています。
材料工学、薄膜工学、
トライボロジー
機械工学には幅広い学問分野があります。
まずは広く学習し、
興味のある分野をより深く学んでいきましょう。
■ 一般数学で解けない方程式を解く数値解析法
ボは、自由飛翔やホバリング、急発進、急停止、急旋回などさまざまな飛行パターンで自由自在に空
岡永 博夫
中を飛び回ることができます。本研究室では、
このようなトンボの飛行メカニズムを解明する研究を
H.Okanaga
教授
工学博士
進めています。右の写真は本研究で製作したトンボ形はばたきシミュレーターです。シミュレーター
流体に電気や磁場を加えると流動現象などが生じるような特殊流体について研究しています。この現象は流体
と電磁気が相互作用するため、非常に複雑な現象となっています。また、流れ現象は、ある連立方程式で表されま
すが、一般の数学で解くことは困難なため、
コンピュータを駆使して、近似的に解く数値解析法についても研究を
行っています。
・研究テーマ・
は、
トンボと同サイズでできていますが、
リンク機構により、
フリーフライトやホバリング時のはばたき
流体力学、数値流体力学
を見事に再現できます。
・主な担当科目・
はね
ル噴霧・燃焼の能動的制御に関する研究、低公害・高効率新方式エンジンに関する研究、マイクロガスタービン用の
■ 分子・原子のレベルで解析し、機械材料を創成する
機械基礎力学、機械力学、振動学、
トライボロジー(摩擦と潤滑)
はね
を進めています。現在は、
ピエゾアクチュエーターを応用した新しい燃料噴射装置の開発と、それを用いたディーゼ
受験生へのメッセージ
熱工学1・2、
エネルギー変換工学
主な専門科目
の燃焼技術の高度化や将来燃料に対する検討、及びこれらの研究を進めるうえで必要なレーザー計測技術の開発
トンボ形はばたきシミュレーター
はね
下の写真は、
シミュレーターを使用して行った、翅まわりの流れを可視化した実験の結果です。前翅と後翅を巧みに動かし、空気の流れを制御
している様子が分かります。
流れ学1・2、基礎数値解析
受験生へのメッセージ
在学中、何か一つでも打ち込めるものを見つけてください。
■ 機械工学のさまざまな分野に「表面」
から挑む
神崎 昌郎
M.Kozaki
教授
博士(工学)
エンジンをはじめとするさまざまな機械システムにおいて、接触し相対運動する材料の表面を高性能化すること
により、エネルギーロス低減や耐久性向上を図ることができます。当研究室では新しい潤滑性硬質膜の創成に取り
組み、
「表面」を通して、環境調和型加工の実現、ロータリーエンジンの高性能化、人工関節の耐久性向上、医療用
マイクロアクチュエーターの開発等に挑み続けています。
・研究テーマ・
表面改質、表面工学
受験生へのメッセージ
・主な担当科目・
先端材料、機械加工
「一歩でも前へ」
、そう想い続けることが「自己実現」への道です。
■ 人間の筋・骨格に近いロボットを研究
小金澤 鋼一
K.Koganezawa
教授
工学博士
・研究テーマ・
・主な担当科目・
2
Paper Award 」、
0 0 8 年 度「A S M E( アメリカ機 械 学 会 )B e s t
Paper Award」及び2007年度「日本トライボロ
・主な担当科目・
機械基礎力学1・2、
トライボロジー
ても優しい技術として期待されています。
右の図は、
この研究で製作した軸受の写真と発生する圧
る磁気ヘッドなどにおける振動や摩擦現象の解明、
コンピュータ技術を活用した回転機器・要素の最適設計の研究
を重点的に行っています。また、最近では昆虫の飛翔メカニズム、特に翅を含めた飛翔筋の動力学的特性を工学的
に解明し、その原理を応用して小型アクチュエーターの開発も目指しています。
受験生へのメッセージ
機械工学では今後、ナノテクノロジーやバイオミメティクス
(生物模倣技術)
などが大きなテーマになり得ると思います。
■ 最適設計で機械要素の性能を最大限に引き出す
力の様子を表しています。円盤に刻まれたパターンによっ
落合 成行 准教授
て性能が変わりますが、高度な理論に基づいた最適設計に
M.Ochiai
より、全く新しいパターンを見つけ出し、従来の5∼10倍も
の性能アップが可能となりました。これ以外にも、
トライボ
博士
(工学)
・研究テーマ・
ロジーに関連する研究で、数多くの賞を受賞しています。
最適グループ形状
■ 機 械 工 学 科
工学博士
・研究テーマ・
の研究は、超高速で回転する機械を支える軸受に関するも
科学、技術、社会問題、歴史、哲学、経済、芸術、あらゆる分野に関心を持ち、
いろんな本を読みましょう。
■ 今後はナノテクノロジーが大きなテーマに
1分間に100万回近く回転する超高速回転機械やナノスケール(100万分の1ミリメートル)の精度を必要とす
橋本 巨 教授
機械力学、
トライボロジー
のですが、潤滑剤に空気を用いていることから、環境にと
10
受験生へのメッセージ
制御工学1・2、
ロボット工学1・2
H.Hashimoto
ジー学会論文賞」を本学科の橋本教授が受賞しました。こ
造と機能を持ったロボットで、
近い将来、
人間と同じ作業空間で人間と共同作業ができるものを目指しています。その
ため、
まず人間の筋・骨格を調べ、
その中からヒントを得てロボットのメカニズムに応用するという姿勢で研究を進め
ています。人間の仕組みを真似ることで、結果的に柔軟で、かつエネルギー消費の少ないロボットが期待できます。
ロボット工学
橋本教授の研究が「 ASME(アメリカ機械学会)Best
「日本トライボロジー学会論文賞」を受賞
私の研究室では、
ロボットの研究を主に行っています。研究・開発を行っているロボットは、
人間の筋・骨格に近い構
圧力分布の数値解析例
機械設計、
トライボロジー、
機械力学
・主な担当科目・
材料力学1・2、機械要素設計
機械技術は、
その時代のニーズに応じてこれまでさまざまな発展を繰り返してきましたが、ITやナノテクノロジー、
バイオミメティクスなどの新たな技術の登場により、
今また進化の時を迎えているように思います。機械の運動を支
えるベアリングなどの機械要素は、
このような先端技術の発展を左右するキーテクノロジーの一つと言えますが、
本
研究室ではこれらの性能を最大限に引き出すための最適設計や新しい機械要素の研究などに取り組んでいます。
受験生へのメッセージ
前向きに取り組めば道は開けてくると思います。
夢の実現に向けて、一緒に頑張りましょう!
D epartment of Mechanical Engineering ■ 11
EM
高玉 峻介 ■ 医療・福祉・介護で活躍するロボットを研究
甲斐 義弘 准教授
Y.Kai
我が国は今後高齢化がさらに進行し、2020年には国民の4人に1人が65歳以上になると言われています。私
の研究室では、このような超高齢社会において医療・福祉・介護の現場で活躍するロボットの研究を行っていま
博士
(工学)
す。具体的には、脚の不自由な患者の歩行リハビリテーションをサポートするロボット、人と共存するロボット
(ヒューマン・フレンドリーロボット)の安全装置などの研究を行っています。
・研究テーマ・
ロボット工学
受験生へのメッセージ
・主な担当科目・
機械基礎力学1、制御工学1
世界中で通用する機械技術者を目指し、東海大学で力をつけよう。
Y.Hattori
自動変速機のクラッチに用いられているペーパ摩擦材の多孔質弾性(スポンジのように柔らかく、かつ、内部に
准教授
2年次
[神奈川県立新城高等学校出身]
・研究テーマ・
学科は非常に魅力的でした。この学科には1年時にグループで協力して簡易的なロボットを製作する授業
があります。今まで機械にほとんど触れたことのなかった私にとっては試行錯誤の連続でしたが、
とても
とするロータリーエンジンを飛行機に搭載して大空に飛ばす、
という機械工学科のモノづくりプロジェク
トに所属し、エンジンの開発に携わっています。まだまだ小さい規模のプロジェクトですが、いつかは大学
起こる振動とそれを抑える性能、接触面への液体のにじみ出し現象とその摩擦低減効果などについて研究して
に認められてチャレンジセンターのチャレンジプロジェクトに発展させたいという目標を持って活動して
います。
います。機械工学科は専門科目を教えるだけでなく、新しいものにチャレンジすることを応援してくれる
トライボロジー、機械力学
受験生へのメッセージ
・主な担当科目・
機械基礎力学1・2、振動学
明会で、機械工学科には「機械デザインコース」
というものがあり、
このコースでは幅広い分野の勉強を
しながら「技術士補」
という国家資格を取得することができるということを知りました。まだ将来どうなり
たいか、
ということを明確に決められていなかった私にとって、新しいことにチャレンジできるこの機械工
液体を含み得る性質)
に特に注目して、さまざまな条件下におけるこの材料の変形の特性、摩擦が原因となって
博士
(工学)
ちょうど皆さんのように大学進学について考えていたころ、理系の道に進みたいという希望はありまし
たが、なかなか具体的な未来像を描けずに悩んでいました。そのような時にオープンキャンパスでの説
楽しい授業で良い経験になりました。この授業をきっかけにモノづくりに目覚めた私は、現在、水素を燃料
■ クラッチに用いられる摩擦材の弾性を研究
服部 泰久
EM
在 学 生 か ら の メ ッ セ ー ジ
教 員 紹 介
自分が大学で学ぶ目的を一人ひとりがしっかりと持って、
先生たちがたくさんいて、やりたいことのある人にも、
まだやりたいことが見つかっていない人にもおす
何事にもひたむきに努力してください。
すめの学科です。ぜひ、皆さんもこの学科に入っていろいろなことを体験してもらいたいと思います。
■ モノづくりのための理論・方法論を研究
加藤 健郎 講師
T.Kato
博士
(工学)
製品に生じる製造誤差や使用環境変化などのばらつきに対して頑強(ロバスト)な機能を得るためのロバスト
設計法や、製品設計における品質向上や効率化のために用いられる品質機能展開( QFD )及び設計構造マトリ
クス
(DSM)などに関して研究しています。また、
これらを応用した人工物設計にも取り組んでいます。
・研究テーマ・
設計工学
・主な担当科目・
基礎製図、機械デザイン1・2
受験生へのメッセージ
大学生活の4年間は自身の視野を広げる絶好の機会です。
細谷 和輝
3年次
[東海大学付属高輪台高等学校出身]
東海大学で多くのことに挑戦してください。
H.Kimura
博士
(工学)
・研究テーマ・
微細加工、
バイオエンジニアリング、
システム工学
・主な担当科目・
基礎製図、先端加工
すべて自分一人だけで作業することはまずありません。個人の基礎学力をつけながら、
グループとして
Y.Sunami
博士
(工学)
・研究テーマ・
本研究室は、マイクロ・ナノデバイス技術を医療・バイオ分野と融合させることで新しい研究分野や産業を創出
基礎製図、機械要素設計
近年、機械技術は車やロボットだけでなく、バイオテクノロジーにも応用されています。機械工学科で
計・加工し、その中で生化学反応や細胞培養を行うことによって、生命現象の解明や生体機能の再構築を実現す
はこのように一般的な機械のイメージとは違うことを探求している研究室もあるので、入学当初の私の
るためのデバイスを開発しています。また、
これらのデバイスを病院から在宅医療まで幅広く実用化するために、
ようにはっきりとした目標がなくとも、モノづくりが好きという人から、先端の技術に触れたい人、明確に
ポンプなどの機能要素からその周辺装置の構築に関する研究も行っています。
受験生へのメッセージ
それらを活かしてオンリーワンを目指しましょう。
山田 萌子
近年、
機械製品は高機能化かつ低コスト化が図られており、
それに伴い、製品の設計段階において高精度な性
することが可能なロバスト最適設計に関する研究を行っています。今後は、
この研究を先端的な製品の設計問題
へ応用することを考えています。
受験生へのメッセージ
機械技術者になりたいという人まで、モノづくりにかかわりたいすべての人におすすめの学科です。
大学生活には自己を表現するためのチャンスがたくさんあります。
能予測や品質向上が求められています。本研究室では、製品性能を最大限に高めると同時に性能の変動量を抑制
設計工学、
トライボロジー
・主な担当科目・
発揮できる力を身につけることができるのも、機械工学科の特徴だと思います。
することを目指しています。半導体の微細加工技術を応用してµm(10-6m)オーダーの小さな空間を自在に設
■ 高機能・高品質が要求される機械製品の設計問題
砂見 雄太 助教
業では、機械力学、熱、流れなどの工学のさまざまな分野の知識を学ぶことができるのはもちろん、入門
ゼミナールや機械工学ゼミナールなど、数人のグループを組んで意見を出し合い、一つの形にして発表
するといったグループワーク形式の授業もほぼ毎セメスターあります。社会に出て何か製品を作るとき、
■ マイクロ・ナノデバイスを医療・創薬・バイオ分野に活かす
木村 啓志 講師
漠然と何かをつくる人になりたいと考えていた私は、
「ほかの学科より工学の幅広い分野を学ぶこと
ができます」
という先生の説明を聞いて、
この機械工学科しかないと思い、進学を決めました。実際の授
4年次
[東海大学付属相模高等学校出身]
私は高校のときに大学の学科を決めるまで、機械にはあまり興味がありませんでした。付属高校だっ
たので東海大学への進学は決めていましたが、最初は文学部に進学しようと考えていたくらいです。
し
かし、学科のパンフレットを見たり、説明を聞いたりして、将来の仕事を想像したときに、工学部、特に機械
系のモノづくりに関する仕事が楽しそうに思えました。もともと服飾や小説など、新しいものを創り出す
ことが好きだったので、分野が広く、機械だけに限らず宇宙やバイオなど多くの可能性を秘めている機械
志を高く持つことで、大学での4年間は非常に有意義なものとなり、
また自身の成長にもつながります。
工学科を選びました。大学に入ってからは、チャレンジセンターのライトパワープロジェクトでソーラー
カーチームに所属しています。ソーラーカーというと、モノづくりだけをしているかのように思われがち
ですが、大会に出場するための書類を作成したり、私たちの活動をたくさんの人に知ってもらうための広
大久保 美知留
小西 加代子
事務職員
事務職員
(就職担当)
受験生へのメッセージ
受験生へのメッセージ
意志のあるところに道は開ける。皆さんが、
就職活動は自分の将来を考える有意義な機会です。
目的意識を持った学生生活を過ごせるよう応援します。
皆さんの夢が叶うよう、
そのサポートが少しでもできればと思っています。
「 モ ノ づ く り 」コ ン テ ス ト に チ ャ レ ン ジ
!
スターリングテクノラリーで6 位入賞
機械工学科では1年次から入門ゼミナールなどの
「モノづくり」実践
教育を行っていますが、
その経験を活かして授業外の「モノづくり」コ
ンテストに参加している学生がいます。2009 年度は 4 年次生の有志
がスターリングテクノラリーに参加し、自分たちで作り上げたスター
リングカーで121組中 6 位の成績を収めました。皆さんもぜひ「モノ
づくり」にチャレンジしてください。
12
■ 機 械 工 学 科
報活動をしたりと、モノづくり以外のこともたくさんやらなければなりません。それらをチームの仲間と
一緒に実施していくことで、言葉では言い表せないくらいの多くのことを経験できます。
皆さんもぜひ機械工学科に進学し、部活やサークル、チャレンジセンターなどに所属し、可能であれ
ば、授業で学んだことを活かして「チームでモノづくりをする」ことを体験してみてください! きっと新し
い自分に出会える良い経験ができるはずです。
「第1回サイエンス・インカレ奨励表彰」
を受賞しました
サイエンス・インカレは、
「課題設定能力、課題探求能力、プレゼンテーション能力等を備えた創造性豊かな
科学技術人材を育成する」ことを目的に文部科学省主催で初めて開催されたものです。口頭発表の部とポス
ター発表の部が設けられており、今回は書類選考によって選抜された自然科学系全分野127件が自主研究を
発表し、競い合いました。その結果、機械工学科の4年次生
(当時)
が記念すべき第1回の「サイエンス・インカレ
奨励表彰」
(工学系・口頭発表の部、工学系・ポスター発表の部)
を受賞しました。本学科の橋本巨教授と落合成
行准教授の指導のもと、研究室で取り組んでいるトンボの飛翔メカニズムに関するテーマと小型スピンドル
モータに関する研究で応募。出場が決まってからは、同じゼミの仲間、先輩や教員を前に何度もプレゼンテー
ションの練習を重ねて本番に臨み、栄冠を勝ち取りました。
■口頭発表の部
右から川村祐太郎さん、
迫泰介さん
■ポスター発表の部
右から池田雄介さん、
大関秀平さん、望月基成さん
D epartment of Mechanical Engineering ■ 13
EM
卒 業 生 か ら の メ ッ セ ー ジ
曾根 沙織
[横浜国際女学院翠陵高等学校出身]
2012年度卒業
東海大学大学院
修士課程在学中
私には小さいころから「遊園地のアトラクションを作る」という夢があります。この夢を実現するため
には、機械工学科に入学して、機械の仕組みやデザインの仕方を学ぶ必要がありました。しかし、私の
高校は女子校で理系志望が少なかったため、学修する範囲が限定しており、不足科目は予備校で学ん
でいました。ですから、機械工学科に入学しても、勉強についていけるかとても心配でした。しかし、そ
しっかり基礎を固められるよう
の心配は杞憂に終わりました。入学後、1年次には高校の復習から入り、
な授業を履修することができたからです。そのおかげで、今では力学(物理)や統計(数学)をよく使う
研究室に在籍していても、
しっかりと研究を進めることのできる力を身につけることができました。この
ような基礎を固めるための授業のほかに、機械工学科には「機械デザインコース」、東海大学全体では
「副専攻」や「海外研修航海」などのプログラムもあります。これらのプログラムに興味があったら、詳細
は自身で調べてみてください。私はこれらのプログラムを学部生時代の 4 年間ですべて実践してきた
ので、サークルには入っていませんでしたが、充実した学生生活を送ることができました。大学選びや
学科選びで迷っている受験生の皆さん、ぜひ東海大学の機械工学科に入学してみてください! きっと
充実した素晴らしい大学生活が待っているはずです!
渡辺 友香里
[和洋九段女子高等学校出身] 2009年度卒業
本田技研工業
(株)勤務
2006年、漠然と
“モノづくりがしたい”
と考えて「チャレンジセンターライトパワープロジェクト」に参
加しました。私はその中でもソーラーカーグループに所属し、2008年には南アフリカ共和国で行われ
たSouth African
Solar Challengeで総合優勝を成し遂げ、また2009年にはオーストラリアで行
Green Challengeに参戦し、ここでも総合優勝
われた世界最大級のソーラーカーレースGlobal
することができました。私がここまで活動に熱中できたのは何かに積極的に努力している学生を応援
する雰囲気が機械工学科にあったからだと思っています。
皆さんはこれから多くの経験をされることと思いますが、ぜひこの東海大学という広大なフィールド
において、勉学だけでなく、その他の活動にも積極的に参加してほしいと思います。
EM
卒 業 後 の 進 路・取 得 で き る 資 格
機械工学科では、技術系の会社への就職を希望している学生の就職率はほぼ 100 %です。
また、その半数以上が従業員 500 名以上の大企業に就職しています。
下の図はどのような産業分野に就職しているかを表しています。
就 職
き め 細 や か な 就 職 指 導 を 行って い ま す 。
「就職指導も教育の一環」
という考えのもとで、
学生の希望や適性、能力に合った就職ができるよう、
学科の就職担当の教員団を中心として、
各研究室ごとにガイダンスを行いつつ、
マンツーマンで指導しています。
◎最近5年間の主な就職先(大学院修了者の実績を含む)
■機械製造業・
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ホーチキ、アネスト岩田、牧野フライス製作所、東芝機械、ユニオンマシナリ、
日立建機、日本精工、テラル、小松製作所、
ミネベア、富士テクニカ、明輝、ア
サヒ製作所、キヤノン、野村ユニソン、三浦工業、三菱重工業、大久保歯車工
業、アマノ、京セラミタ、不二越、ダイフク、森精機製作所、キヤノンファイン
テック、
ローレルバンクマシン
■輸送用機器製造業・
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スズキ、
トヨタ自動車、本田技研工業、河西工業、富士重工業、日鍛バルブ、
ミ
西嶋 大和
[三重県立津高等学校出身] 2006年度卒業
2008年度修士課程修了
トヨタ自動車
(株)勤務
機械工学科のカリキュラムは、実験・実習科目が充実しています。入学してすぐに宅配ロボットの製作
があり、モノづくりの楽しさと難しさを体感しました。ガスタービンエンジンの性能試験は、会社で行っ
ている車のエンジン試験と遜色のないものです。その分、大変なのも事実です。私も授業終了後に残っ
て実験を続けたり、別の時間に皆で集まってモノを作ったりしていました。自身がやりたいと思ったこと
は納得がいくまでやらせてくれる環境が機械工学科にはあります。努力した分、大きく成長できる環境
だと思います。
最後に皆さんへのメッセージです。学生生活を通じてたくさんの友人を作ってください。そしていろ
クニ、
ミツバ、
IHI、三井造船、いすゞ自動車、ダイハツ工業、矢崎総業、カルソ
ニックカンセイ、ケーヒン、日本電産トーソク、関東自動車工業、東京濾器、金
田工業、マツダ、
ジヤトコ エンジニアリング、東急車輛製造、アイシン・エーア
イ、市光工業、日産車体
■電気機械器具製造業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日立製作所、日本ビクター、東芝、シャープ、芝浦メカトロニクス、横河電機、
小糸製作所、富士通ゼネラル、日本電波工業、三洋電機、沖電気工業、スタン
レー電気、住友電装、新電元工業
その他のサービス
4%
建設・設備業
9%
その他の機器販売
6%
機器販売
[神奈川県立七里ヶ浜高等学校出身] 2005年度卒業
2007年度修士課程修了
全日本空輸
(株)勤務
機械工学科ではさまざまな分野を幅広く学ぶことができるうえ、机上の
“勉強”
だけではなく、その学
んだ知識を応用し、
どのようにして社会に貢献することのできるものを作り上げるか、
という視点で研究
に取り組むことができます。実際に企業と共同で進めている研究も多くあります。世の中でいま何が求
められているかを敏感に感じ、いま自分に何ができるか、
ということは社会に出てからも常に考えなけれ
ばならないことです。私自身、学内はもちろん、学外の学会で発表を行い、大学院在籍時には海外の国際
■建設・設備業・
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明星工業、大林組、鹿島建設、五洋建設、三機工業、IHI 環境エンジニアリン
グ、
ダイダン、新日本空調、広成建設、
スガテック
■食料品製造業・
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キユーピー、森永製菓、山崎製パン、
クノール食品、横浜乳業
■その他製造業・
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コニカミノルタビジネステクノロジーズ、キヤノンアネルバ、日本モレックス、
南開工業、ニフコ、
リンテック
■情報サービス業・
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富士ソフト、NECフィールディング
◎産業別就職先(2012年度)
いろな経験を積んでください。研究室の面々とバカやった経験は、思いのほか役に立ちます !
森田 次郎
■金属製品製造業・
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トープラ、林精鋼、
プレス工業、東洋製罐、
YKK、
ムロコーポレーション
12%
産業機器販売
6%
情報サービス業
2%
設計・技術サービス業
公務員
3%
機械製造業
製造業
18%
輸送用機器製造業
10%
46%
金属製品製造業
4%
電気機械器具製造
24%
その他製造
5%
9%
2013年 4月1日現在
会議での発表も経験することができました。機械工学科は、自分のやる気次第でより多くの経験を得る
ことができる学科です。ここで学んだ知識、物事の考え方は、就職活動においても多くの分野の企業に
対応でき、社会に出てからも多いに役立ちます。
また、勉学だけで大学時代を終えないでください。東海大学の良いところは、総合大学であり、あらゆ
る学部が揃っていることです。そのため、さまざまな個性を持った友人に出会うことができます。私はス
キー競技部に所属し、大学選手権や国体を目標として、国内外でのトレーニングを重ねました。これらの
活動を通じてかけがえのない多くの仲間に出会うことができました。大学での経験は一生の宝です。自
分の叶えたい夢を見つけ、道を切り開くために、東海大学に、機械工学科に、ぜひ入学してみてください!
14
■ 機 械 工 学 科
資 格
◆技術士補(国家資格)
◆教職課程 高等学校教諭一種免許状「工業」
本学科の「機械デザインコース」を修了するこ
とで「修習技術者」となり、技術士(国家資格)を
取得する際の第一次試験が免除されます。修習
技術者は、卒業後速やかに第二次試験を受ける
ための実務経験を積むことができます。
卒業までに教職課程に必要な所定の科目(工
業の関係科目、職業指導など)を修得すれば、高
等学校教諭一種免許状(工業)を取得することが
できます。
◆司書・司書教諭課程
司書・司書教諭の資格を取得するために必要
な基礎知識と技術を学修します。司書教諭とは、
学校図書館の教育・専門的職務に従事する教員
をいい、教職課程を履修し、本学科の所定の科目
(「図書館資料論」、
「 資料組織概説 A・B 」など)を
修得すれば取得できます。
D epartment of Mechanical Engineering ■ 15
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