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04 建設工事における最低制限価格の算定例④(スクラップ費用が積上げ
建設工事における最低制限価格の算定例 ① (参 ○一般的な建設工事の場合 【工事価格算出】 工事価格は、直接工事費を積上げ、直接工事費を基に諸経費率(※)から、共通仮設費、現場管理費、一 般管理費等を算出(1円未満端数切捨て)し、それらを合計した額(1万円未満端数切捨て)とする。 工事価格の算定例(道路改良工事) 予定価格(税抜き) 本工事 直接工事費 共通仮設費 現場管理費 一般管理費等 工事価格 (単位:円) 19,140,000 10,998,967 1,326,475 3,907,165 2,908,883 19,140,000 ※ 土木工事標準積算基準書に基づき諸経費率を求める。 ① ② 対象額(①)に対する諸経費率から算出する ③ 対象額(①+②)に対する諸経費率から算出する ④ 対象額(①+②+③)に対する諸経費率から算出する ⑤ ①~④の合計額(1万円未満端数切捨て) 【最低制限価格算出】 工事価格の直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費等にそれぞれの最低制限価格の算定率 を乗じて得た額の合計額を、最低制限価格の候補額とする。 候補額が最低制限価格の設定範囲内にあるか確認し、最低制限価格の採用額を決定する。候補額が設 定範囲内であれば、その候補額を最低制限価格の採用額とする。候補額が設定範囲外の場合、上限値を 超えている時は上限値を採用額に、下限値を下まわっている時は下限値を採用額とする。 採用額が決定すれば、採用額の1万円未満端数切捨てした額が、最低制限価格(税抜き)となる。 最低制限価格の算定例 費目 対象額 率 直接工事費 10,998,967 1.00 共通仮設費 1,326,475 1.00 現場管理費 3,907,165 0.80 一般管理費等 2,908,883 0.55 合計(候補額) 19,140,000 ×0.92 設定範囲 上限値 チェック 下限値 19,140,000 ×0.87 採用額 (単位:円) 算定額 10,998,967 1,326,475 3,125,732 1,599,885 17,051,059 17,608,800 16,651,800 17,051,059 ※間違いの例 候補額を万止めして、設定範囲内にあるか チェックし採用額を決める。 (A) ①*1.00(円単位) (B) ②*1.00(円単位) (C) ③*0.80(1円未満端数切捨て) (D) ④*0.55(1円未満端数切捨て) (E) (A)~(D)の合計(円単位) 上限値:工事価格(⑤)の92% 下限値:工事価格(⑤)の87% 候補額(E)が設定範囲内にあるかチェック する。 この場合、候補額は設定範囲内であるた め、採用額は17,051,059円となる。 候補額が設定範囲外の場合は、上限値ま たは下限値を採用額とする。 最低制限価格(税抜き) 最低制限価格(税込み) (単位:円) 17,050,000 18,414,000 採用額の1万円未満端数切捨てした額が最 低制限価格(税抜き)となる。 建設工事における最低制限価格の算定例 ② ○附帯工事がある建設工事の場合 【工事価格算出】 附帯工事がある場合は、本工事、附帯工事の直接工事の合計額を対象とする諸経費率(※)により共通仮 設費から一般管理費等までの諸経費を算出(1円未満端数切捨て)する。 本工事、附帯工事毎に工事価格(1万円未満端数切捨て)を算出し、その合計額を全体の工事価格とす る。 工事価格の算定例(道路改良工事) (単位:円) 予定価格(税抜き) 27,460,000 本工事 直接工事費 10,998,967 共通仮設費 1,268,181 現場管理費 3,806,496 一般管理費等 2,759,845 工事価格 18,830,000 附帯工事 直接工事費 5,044,365 共通仮設費 581,615 現場管理費 1,745,742 一般管理費等 1,265,725 工事価格 8,630,000 工事価格 ※ 土木工事標準積算基準書に基づき諸経費率を求める。 ① ② 対象額(①+⑥)に対する諸経費率から算出する ③ 対象額〔(①+⑥)+②+⑦〕に対する諸経費率から算出する ④ 対象額{〔(①+⑥)+②+⑦〕+③+⑧)}に対する諸経費率から算出する ⑤ ①~④の合計額(1万円未満端数切捨て) ⑥ ⑦ 対象額(①+⑥)に対する諸経費率から算出する ⑧ 対象額〔(①+⑥)+②+⑦〕に対する諸経費率から算出する ⑨ 対象額{〔(①+⑥)+②+⑦〕+③+⑧)}に対する諸経費率から算出する ⑩ ⑥~⑨の合計額(1万円未満端数切捨て) 27,460,000 ⑪ ⑤と⑩の合計額(万単位) 【最低制限価格算出】 本工事、附帯工事の直接工事費(①+⑥)、共通仮設費(②+⑦)、現場管理費(③+⑧)、一般管理費等 (④+⑨)のそれぞれの合計額に、最低制限価格の算定率を乗じて得た額の合計額を最低制限価格の候補 額とする。 候補額を最低制限価格の設定範囲内にあるか確認し、設定範囲内であれば候補額を最低制限価格の採 用額とする。設定範囲外の場合、上限値を超えている時は上限値を採用額に、下限値を下まわっている時 は下限値を採用額とする。 採用額が決定すれば、採用額の1万円未満端数切捨てした額が、最低制限価格(税抜き)となる。 最低制限価格の算定例 費目 対象額 率 直接工事費 16,043,332 1.00 共通仮設費 1,849,796 1.00 現場管理費 5,552,238 0.80 一般管理費等 4,025,570 0.55 合計(候補額) 27,460,000 ×0.92 設定範囲 上限 チェック 下限 27,460,000 ×0.87 採用額 (単位:円) 算定額 16,043,332 1,849,796 4,441,790 2,214,063 24,548,981 25,263,200 23,890,200 24,548,981 (A) (①+⑥)*1.00(円単位) (B) (②+⑦)*1.00(円単位) (C) (③+⑧)*0.80(1円未満切捨て) (D) (④+⑨)*0.55(1円未満切捨て) (E) (A)~(D)の合計(円単位) 上限値:工事価格(⑪)の92% 下限値:工事価格(⑪)の87% 候補額(E)が設定範囲内にあるかチェックする。 ※間違いの例 本工事、附帯工事各々において最低制限 価格(万止め)を算出し、それを合計する。 最低制限価格(税抜き) 最低制限価格(税込み) (単位:円) 24,540,000 26,503,200 この場合、候補額は設定範囲内であるため、採 用額は、24,548,981円となる。 候補額が設定範囲外の場合は、上限値または 下限値を採用額とする。 採用額の1万円未満端端数切捨てした額が最低 制限価格(税抜き)となる。 建設工事における最低制限価格の算定例 ③ ○施工箇所が点在する建設工事の場合(積算体系が工事である業務委託も含む) 【工事価格算出】 施工条件書等に施工箇所が点在すると記載された建設工事の工事価格の算出は、以下の通りとする。 施工箇所毎の工事原価(直接工事費、共通仮設費、現場管理費)の合計と、その合計に対する一般管理費 等を合算した額を工事価格(1万円未満端数切捨て)とする。 工事原価は、施工箇所毎の直接工事費から諸経費率(※)を基に算出(1円未満端数切捨て)した共通仮設 費、現場管理費までの合計額(円単位)とする。 一般管理費等は、点在する工事の工事原価の合計額に対する諸経費率から算出(1円未満端数切捨て)し た額とする。 工事価格の算定例(道路改良工事) 《 施工箇所が2箇所に点在する場合 》 (単位:円) 予定価格(税抜き) 27,960,000 ※ 土木工事標準積算基準書に基づき諸経費率を求める。 本工事 1 直接工事費 10,998,967 ① 共通仮設費 1,326,475 ② 対象額(①)に対する諸経費率から算出する 現場管理費 3,907,165 ③ 対象額(①+②)に対する諸経費率から算出する 工事原価 16,232,607 ④ ①~③の合計額(円単位) 本工事 2 直接工事費 5,044,365 ⑤ 共通仮設費 644,670 ⑥ 対象額(⑤)に対する諸経費率から算出する 現場管理費 1,862,021 ⑦ 対象額(⑤+⑥)に対する諸経費率から算出する 工事原価 7,551,056 ⑧ ⑤~⑦の合計額(円単位) 工事原価計 一般管理費等 工事価格 23,783,663 ⑨ ④と⑧の合計額(円単位) 4,183,384 ⑩ 工事原価計(⑨)に対する諸経費率から算出する 27,960,000 ⑪ ⑨と⑩の合計額(1万円未満端数切捨て) ※ 施工箇所が増えても考え方は同じである 【最低制限価格算出】 本工事1及び本工事2の直接工事費計(①+⑤)、共通仮設費(②+⑥)、現場管理費(③+⑦)、一般管理 費等(⑩)に最低制限価格の算定率を乗じて得た額の合計額を最低制限価格の候補額とする。 候補額を最低制限価格の設定範囲内にあるか確認し、設定範囲内であれば候補額を最低制限価格の採 用額とする。設定範囲外の場合、上限値を超えている時は上限値を採用額に、下限値を下まわっている時は 下限値を採用額とする。 採用額が決定すれば、採用額の1万円未満端数切捨てした額が、最低制限価格(税抜き)となる。 最低制限価格の算定方法 費目 対象額 率 直接工事費 16,043,332 1.00 共通仮設費 1,971,145 1.00 現場管理費 5,769,186 0.80 一般管理費等 4,183,384 0.55 小計(候補額) 設定範囲 上限値 27,960,000 ×0.92 チェック 下限値 27,960,000 ×0.87 採用額 (単位:円) 算定額 16,043,332 1,971,145 4,615,348 2,300,861 24,930,686 25,723,200 24,325,200 24,930,686 (A) (①+⑤)*1.00(円単位) (B) (②+⑥)*1.00(円単位) (C) (③+⑦)*0.80(1円未満端数切捨て) (D) ⑩*0.55(1円未満端数切捨て) (E) (A)~(D)の合計額(円単位) 上限値:工事価格(⑪)の92% 下限値:工事価格(⑪)の87% ※ 施工箇所が増えても考え方は同じである 候補額(E)が設定範囲内にあるかチェックする。 この場合、候補額は設定範囲内であるため、採 用額は24,930,686円となる。 候補額が設定範囲外の場合は、上限値または 下限値を採用額とする。 最低制限価格(税抜き) 最低制限価格(税込み) (単位:円) 24,930,000 26,924,400 採用額の1万円未満端数切捨てした額が最低制 限価格(税抜き)となる。 建設工事における最低制限価格の算定例 ④ ○スクラップ費用が積上げ計上(請負率対象外)されている建設工事の場合 【工事価格算出】 工事価格への積上げ費(請負率対象外)にスクラップ費が計上されている場合は、直接工事費、共通仮 設費、現場管理費、一般管理費等の合計額からスクラップ費(万単位)を控除した額を工事価格(1万円未 満端数切捨て)とする。 工事価格の算定例(道路改良工事) (単位:円) 予定価格(税抜き) 19,050,000 ※ 土木工事標準積算基準書に基づき諸経費率を求める。 本工事 直接工事費 10,998,967 ① 共通仮設費 1,326,475 ② 対象額(①)に対する諸経費率から算出する 現場管理費 3,907,165 ③ 対象額(①+②)に対する諸経費率から算出する 一般管理費等 2,908,883 ④ 対象額(①+②+③)に対する諸経費率から算出する 工事価格への積上費 (請負率対象外) スクラップ費 工事価格 -90,000 ⑤ ※請負率対象外となる費用は、スクラップ費である。 19,050,000 ⑥ ①~⑤の合計額(1万円未満端数切捨て) 【最低制限価格算出】 工事価格の直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費等に最低制限価格の算定率を乗じた額 の合計から、工事価格への積上費(請負率対象外)を控除した額を最低制限価格の候補額とする。 候補額は、最低制限価格の設定範囲内にあるか確認し、設定範囲内であれば候補額を最低制限価格の 採用額とする。設定範囲外の場合、上限値を超えている時は上限値を採用額に、下限値を下まわっている 時は下限値を採用額とする。 採用額が決定すれば、採用額の1万円未満端数切捨てした額が、最低制限価格(税抜き)となる。 最低制限価格の算定例 費目 対象額 率 直接工事費 10,998,967 1.00 共通仮設費 1,326,475 1.00 現場管理費 3,907,165 0.80 一般管理費等 2,908,883 0.55 (単位:円) 算定額 10,998,967 1,326,475 3,125,732 1,599,885 工事価格への積上費 (請負率対象外) スクラップ費 小計(候補額) 設定範囲 上限値 チェック 下限値 採用額 -90,000 1.00 -90,000 16,961,059 19,050,000 ×0.92 17,526,000 19,050,000 ×0.87 16,573,500 16,961,059 (A) ①*1.00(円単位) (B) ②*1.00(円単位) (C) ③*0.80(1円未満端数切捨て) (D) ④*0.55(1円未満端数切捨て) (E) ⑤*1.00 (スクラップ費は100%控除するので、算定率は1.00とす る) (F) (A)~(E)の合計額(円単位) 上限値:工事価格(⑥)の92% 下限値:工事価格(⑥)の87% 候補額(F)が設定範囲内にあるかチェックする。 この場合、候補額は設定範囲内であるため、採 用額は16,961,059円となる。 候補額が設定範囲外の場合は、上限値または 下限値を採用額とする。 最低制限価格(税抜き) 最低制限価格(税込み) (単位:円) 16,960,000 18,316,800 採用額の1万円未満端数切捨てした額が最低 制限価格(税抜き)となる。