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PDF形式 - 経済産業省
作成年月日:平成12年8月31日
担当課室名:産業組織課
決 裁 者:守谷 治
事前評価書
施策・制度名
会社分割税制の創設
1.施策・制度の必要性
国際競争が激化する中、我が国企業が今後もその活力を維持していくためには、組
織再編による経営の効率化が必要不可欠である。このため、企業がその組織形態の変
更によって過大な税負担を負うことのない税制を、公共財として創設する必要があ
る。
会社分割に伴う税制措置は諸外国でも既に整備されており、また、会社分割制度創
設にかかる改正商法が本年5月に成立しており、一刻も早い税制措置が必要である。
2.施策・制度の目的
現行税制下では、企業が組織変更を行う際、その資産の移転につき様々な税負担を
強いられるという問題がある。例えば、現状では資産の移転で形式的に生じる譲渡益
や、会社分割に伴い新たに株式を交付された株主に対し課税される。資産譲渡益課税
の繰り延べ、みなし配当課税の廃止など株主に対する課税の実質的繰り延べ等、組織
再編に中立的な税制を創設することにより、企業が財務体質の改善や生産性の高い分
野への経営シフト等を目的とした企業形態の変更を円滑に行うことができる環境を整
備することを目的とする。
3.目標
組織再編に中立的な税制を創設し、企業が会社分割を円滑に行うことのできる環境
を整備する。
4.施策・制度の説明
商法に基づく会社分割において、一定の条件の下に税制措置を講ずるもの。対象と
なる項目は法人税のみならず税制全般にわたるが、大別すれば、①資産の簿価承継の
許容、②各種引当金、準備金の承継、③株主への課税の繰延、④登録免許税、不動産
取引税等の減免、等の措置を行うもの。
5.想定される選択肢及び各選択肢間の比較(有効性、効率性等)
会社分割制度導入に伴う税制上の措置は、企業の組織変更によって過大な税負担が
課されることのないような税制を構築するものであり、手当がなされない場合には会
社分割は事実上不可能となり、企業の組織再編の妨げになる。
6.実施状況のモニタリング方法と事後評価の時期等
法人税等の改正であるため、特に設定しない。
7.企画・立案過程における有識者、ユーザー等の各種意見
(1)経済団体等の要望
経団連:平成12年度税制改正提言において「商法改正に伴う会社分割において、①
資産譲渡益課税の繰り延べ、②株主段階での非課税、③引当金・準備金等の
引継ぎ、④償却資産の引継ぎ、⑤所有期間の引継ぎ」等を要望。
関西経済連合会:平成12年度税制改正に関する意見「会社分割など企業の再編全般
にわたり、資産・株式譲渡益課税の繰り延べ、株主段階での非課税
措置、引当金・準備金の引き継ぎ等、税制上の措置を講じていくこ
とを要望する。」
等
(2)政府税制調査会中期答申(平成12年7月14日)
「会社分割法制の創設を踏まえ、当調査会は、法人課税小委員会において、平成
13年度税制改正における会社分割に係る税制の整備に向けて検討を進めていま
す。」
(3)諸外国の状況(政府税制調査会中期答申より)
「諸外国においては、会社分割税制について、会社分割の形態や手法は多様なことか
ら、非常に詳細な規定が設けられており、また、会社分割の内容が課税繰延べの適格
要件を満たさない場合、大きな税負担が生じ得ます。このため、例えばアメリカにお
いては、会社分割については、その税制上の取扱いについて課税当局に事前に確認す
るいわゆるアドバンス・ルーリングの取得などが行われています。また、フランスに
おいては、大蔵大臣による事前承認制が採られています。」
「アメリカの会社分割税制 ・・・税法上、会社分割は、・・・原則として、子会社
への財産の移転については親会社に対する譲渡益課税、親会社の株主に対する株式の
分配は配当課税又は譲渡益課税とされていますが、一定の要件を満たす会社分割の場
合にはこれらの課税を繰り延べることができます。
ヨーロッパの会社分割税制 フランス ・・・会社分割については、移転資産の譲渡
益課税を原則とし、大蔵大臣の事前承認を得るなど一定の要件を満たす場合に限り、
課税の繰延べが認められることとされています。」等
(別添)
FACT
制
度
SHEET
名:会社分割税制の創設
税
目:法人税、所得税、登録免許税、印紙税、消費税、不動産取得税、特別
土地保有税、自動車取得税、地方消費税、住民税、事業税
終
期:未定
要望の内容:
会社分割制度を使った組織再編に税制上の措置を講ずる。
○法人税:新設会社等が分割会社から資産を承継する際、簿価による引継を認める。
○所得税:みなし配当課税の適用を停止する。
○登録免許税:合併と同様の軽減措置を講ずる。
○印紙税:分割契約書にかかる印紙税金額を定める。
○消費税:納税義務免除についての基準を設ける。
○不動産取得税、特別土地保有税、自動車取得税:非課税措置を講ずる。
等
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