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検査員 - 一般財団法人東北電気保安協会

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検査員 - 一般財団法人東北電気保安協会
検査員
プラグはきちんと差込みましょう
の
現場報告
東根事業所 技術サービスグループ 齋藤 慎一
食品加工業のお客さまより、
事務所内に設置してある警報盤の「キュービクル
異常」ランプが点灯しブザーが鳴っていると連絡があり、至急お伺いしました。
お客さまの工場に到着しキュービクルを確認したところ、漏電火災警報器が
動作しており工場内で漏電していることが判明致しました。さらに詳しく調査してみると工場事務所OAフロア回
路に漏電の原因があることをつきとめました。
漏電を調査する場合、停電して回路の絶縁抵抗を測定する方法と、停電をしないで漏れ電流を測定する方法が
あります。連絡責任者の工場長さまに相談したところ、事務所内はパソコン等の機器を多数使用しており停電する
のは難しいとのことでしたので、漏れ電流を測定する方法で調査することにしました。
OAフロアのコンセントから、電源を供給している電気機器の漏れ電流を個別に測定したところ、1台のプリンタ
ーに大きな漏れ電流が流れていることがわかり、了解を頂いてコンセントから電源プラグを抜きました。漏電してい
る機器が判明したものと思い、確認のため再度OAフロア回路全体の漏れ電流を測定したところ、まだ漏電状態
が継続していました。おかしいなと思いプリンター本体の絶縁抵抗を測定した結果、
プリンターは漏電していません
でした。
プリンターには漏れ電流が流れているのに漏電はしていない?原因がわからず悩んでいると自分の作業着のポ
ケットにある検電器がふと目に入り、とりあえずプリンター本体を検電器で検電してみることに致しました。
「ピッ、
ピッ、ピッ」
と電圧の発生を示す音が鳴り、電源プラグを抜いているプリンターにどうして電圧が発生しているのかと
不思議に思い、もう一度プリンターとその周辺をよく点検することにしました。プリンターの隣にはアルミ製の本棚
が併設され、さらに、接触しており、本棚を検電器にて検電したところ「ピッ、ピッ、ピッ」と電圧の発生を示す音が
鳴りました。
本棚を確認したところ、本棚の足の部分にテーブルタップが取付けてあり、そこには携帯電話の充電器用の電源
プラグが差込まれていました。よく見るとプラグがコンセントに半投入状態で差込まれており、プラグの金属部分が
本棚の脚部分に接触していました。
漏電箇所がこの部分だと思い、充電器のプラグを取り外した後、OAフロア回路全体の漏れ電流を測定、漏電し
ていないことを確認致しました。
一連の漏電の原因は、テーブルタップに差込まれた携帯電話
の充電器用プラグの金属部分から、アルミ製の本棚に漏電し、
併設されたプリンターのアース線を通して、大地に貫けたものと
判明致しました。
もし、お客さまの従業員の方がプリンターもしくは本棚にさわ
り感電していたらと思うと冷や汗が出ました。みなさん身近にあ
るコンセントに機器のプラグがきちんと差込まれているか一度
確認してみましょう。
半投入状態で差込まれていたプラグ
電気と保安 1
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